JP2004322057A - 肌用水調製器 - Google Patents
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Abstract
【課題】水道水などの原水1をイオン交換樹脂に通すことにより肌の保湿や保健に有用な酸性軟水からなる肌用水を調製するため、原水1を収容する本体容器2と、本体容器2の上端口部3に着脱自在に取付ける噴霧装置4と、噴霧装置4の吸上管5に上部を抜挿自在に接続して本体容器2内に装着する調水用のカートリッジ6とを備え、本体容器2内の原水1をカートリッジ6にこの下部から通して噴霧装置4より噴霧するように構成した肌用水調製器において、本体容器2の底面2aとカートリッジ6下部の原水吸込口9との間に所定の隙間を確保できるようにして、本体容器2の底面2aに対するカートリッジ6の過接近や接触による肌用水の噴出不良を防止できる肌用水調製器を提供する。
【解決手段】カートリッジ6にこの下部の原水吸込口9より下方に突出する突起37を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】カートリッジ6にこの下部の原水吸込口9より下方に突出する突起37を設ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、水道水などの原水をイオン交換樹脂に通すことにより肌の保湿や保健に有用な酸性軟水からなる肌用水を調製するための肌用水調製器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の肌用水調製器は、水道水を収容する本体容器と、本体容器の上端口部に着脱自在に取付ける噴霧装置と、H型、Na型、K型などの陽イオン交換樹脂を収容する縦長の円筒形の調水用のカートリッジとを具備し、カートリッジを、この上部で噴霧装置の吸上管の下部に抜挿自在に嵌合接続して本体容器内に装着し、本体容器内の水道水をカートリッジにこの下部から通し、酸性軟水からなる肌用水に調製し、噴霧装置より噴霧する構成としている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−109088号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような肌用水調製器では、カートリッジを、この下部の原水吸込口が本体容器底面の近傍に位置するように、本体容器内に装着することが、本体容器内に収容された水道水を有効利用する上で好ましく、また噴霧装置の吸上管に対するカートリッジの接続強度を、カートリッジが簡単に抜差しできる程度にしておかないと、カートリッジ交換作業が極めて困難になる。しかしながら、肌用水調製器の使用時や携帯時、本体容器への給水時などに、カートリッジが噴霧装置の吸上管に対して抜き方向に自由摺動した場合、また噴霧装置の吸上管にカートリッジを接続する時に嵌合量不足があった場合、カートリッジ下端が本体容器の底面に接触して原水吸込口が塞がれ、本体容器内に充分な量の水道水が収容されているにもかかわらず、カートリッジへの水道水の流入不良(吸込み不良)、即ち、肌用水の噴霧不良を起こす問題があり、また、カートリッジ下端が本体容器の底面に完全に接触していなくても、ある程度以上接近するだけで、カートリッジへの水道水の吸込反力によって、カートリッジが引下げられ、遂にはカートリッジ下端を本体容器の底面に接触させ、且つ、密着させるので、上記の問題が発生する。
【0005】
したがって、本体容器の底面とカートリッジ下部の原水吸込口との間に所定の隙間を確保できるようにして、本体容器底面に対するカートリッジの過接近や接触による肌用水の噴出不良を防止できるようにした肌用水調製器を提供することを本発明の主たる目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明の肌用水調製器は、原水を収容する本体容器と、本体容器の上端口部に着脱自在に取付ける噴霧装置と、噴霧装置の吸上管に上部を抜挿自在に接続して本体容器内に装着する調水用のカートリッジとを備え、本体容器内の原水をカートリッジにこの下部から通して噴霧装置より噴霧するように構成した肌用水調製器において、カートリッジにこの下部の原水吸込口より下方に突出する突起を設けたもので、突起によって本体容器の底面とカートリッジ下部の原水吸込口との間に所定の隙間が確保されるから、本体容器底面に対するカートリッジの過接近や接触による肌用水の噴出不良を確実に防止し得る。
【0007】
また、カートリッジは、筒形のカートリッジケースと、カートリッジケースの下端開口部に設ける底フィルタと、カートリッジケースの底フィルタの上に収容する調水用のイオン交換樹脂と、カートリッジケースのイオン交換樹脂層の上に設ける中間フィルタとを備え、カートリッジケースの下端開口縁に内向きのフランジを設け、カートリッジケースの下端開口縁部から下方に一つ或いは複数の突起を突出させたもので、カートリッジケースの下端開口縁部の半径方向の幅がフランジの突出長さだけ増加するため、フランジを設けていないカートリッジケースの下端面から下方に突起を突出させるのに比べて、突起の形状、大きさ、配置及び数などを選定する際の自由度が増し、最適な突起を容易に得られると共に、フランジが底フィルタの位置決め及び抜止めの役目を果たし、カートリッジケースの下端開口部に底フィルタを適正に取付け得る。
【0008】
また、カートリッジケースの内孔を下窄まりのテーパ孔に形成したもので、フィルタ外形の大小のみによって、各フィルタをカートリッジケース内の所定の深さ位置(取付位置)にそれぞれ嵌込固定し得、例えば、底フィルタ上方のカートリッジケース内を複数の中間フィルタで上下に仕切り、その各仕切り空間に異種類の調水用イオン交換樹脂を収容するカートリッジを得る場合、カートリッジケースの内周面に各フィルタの縁部を上方から係止させる段差面を多段に設ける必要がなく、各フィルタをカートリッジケース内にこの上端開口から嵌込むだけで、各フィルタを所定の深さ位置(取付位置)にそれぞれ嵌合固定させ得、カートリッジのコスト低下を容易に図り得ると共に、カートリッジケースの内孔を下窄まりのテーパ孔に形成するに伴って、カートリッジケースの外形も下窄まり形状にすることにより、本体容器の上端口部からのカートリッジの出入れを容易に行い得、カートリッジ交換作業を従来に比べて容易に行い得る。
【0009】
また、カートリッジケースの上端開口部に嵌込まれ、噴霧装置の吸上管を抜挿自在に挿入保持する軸孔を中心部に有する弾性材からなる吸上管接続部材を設けるか、又は、カートリッジケースの上部を噴霧装置の吸上管の外側に直接嵌合することによって、噴霧装置の吸上管にカートリッジの上部を抜挿自在に接続するものであり、前者の場合には、噴霧装置の吸上管の太さにカートリッジケースの太さを合わせる必要がなく、本体容器の原水収容量が多い家庭用の肌用水調製器用のカートリッジが容易に得られる一方、後者の場合には、噴霧装置の吸上管の太さに合わせてカートリッジケースの太さを細くし得、本体容器の原水収容量が少ない携帯用の小型肌用水調製器用のカートリッジが容易に得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は肌用水調製器の全体を示す断面側面図であり、本実施例の肌用水調製器は、透光性を有する透明又は半透明の樹脂又はガラスからなって水道水などの原水1を収容する本体容器2と、本体容器2の上端口部3に着脱自在に取付ける噴霧装置4と、噴霧装置4の吸上管5に上部を抜挿自在に接続して本体容器2内に装着する調水用のカートリッジ6とを備え、本体容器2内の原水1をカートリッジ6にこの下部から通して噴霧装置4より噴霧するように構成している。尚、符号7は噴霧装置4に被せるキャップである。
【0011】
前記カートリッジ6は、本体容器2と同様に透光性を有する透明又は半透明の樹脂又はガラスからなり、本体容器2の上端口部6の内径より小径に形成され、両端を開口してある縦長の円筒形のカートリッジケース8を備え、このカートリッジケース8の下端開口部が本体容器2の底面2aの近傍に位置するように装着される。カートリッジ6下部の原水吸込口であるカートリッジケース8の下端開口9には底フィルタ10が嵌込まれ、カートリッジケース8の下端開口9を底フィルタ10によって塞ぎ、カートリッジケース8の下端部に原水が通過可能な底を形成している。そして、前記カートリッジケース8内には、この底部から前記底フィルタ10、H型の陽イオン交換樹脂層11、第一の中間フィルタ12、活性炭層13、第二の中間フィルタ14、及び制菌性フィルタ層15が順次設けられている。また制菌性フィルタ層15の上部には貯水室16が設けられている。
【0012】
前記底フィルタ10、第一及び第二の中間フィルタ12,14は円形で硬質の焼結フィルタからなる。前記H型の陽イオン交換樹脂層11はカートリッジケース8の底フィルタ10と第一の中間フィルタ12との間に小さい粒状のH型の陽イオン交換樹脂を充填して形成している。前記活性炭層13は円形の繊維状活性炭からなる。前記制菌性フィルタ層15は光エネルギー変換作用を有して有機物を分解できる光半導体セラミックを無機繊維の不織布からなる微多孔質基材に固定した円形の光半導体不織布からなる。
【0013】
噴霧装置4は、前記吸上管5、注出管17、ヘッド部材18、軸受部材19、取付部材20からなる周知の直圧式で縦型ポンプ式のもので、前記吸上管5は、その下部がカートリッジケース8の上部に吸上管接続部材21を介して抜挿自在に接続されている。該吸上管5には、前記吸上管接続部材21との接続部の上部に空気孔22が設けられると共に、前記貯水室16内に位置する下端部が小径に搾られ、この搾られ部分の上部に逆止玉弁23が収容されている。前記注出管17は、前記吸上管5の内部に軸芯に沿って上下方向に移動可能に挿入されるパイプ材からなる。そして、この注出管17には、その下端閉鎖部の側面に給水孔24が設けられると共に、その略中央部には抜止め用の鍔部25が設けられている。また、この注出管17の下部には、前記吸上管5の内周面との間をシールするシール部材26が取付けられると共に、このシール部材26の上側にコイルバネ27を入れ、このコイルバネ27により注出管17を常に上方に押上げ付勢している。前記ヘッド部材18は注出管17の上端部に取付けられるもので、該注出管17の中空部と連通する流水路28が設けられると共に、該流水路28の先端に霧状に噴霧するノズル部29が形成されている。前記軸受部材19は、その軸芯の挿通孔30内に前記注出管17を上下移動可能に挿通保持すると共に、前記吸上管5の上端部を保持しており、該吸上管5を介して前記カートリッジケース8が接続保持されている。また軸受部材19には、前記鍔部25と係合する係止部31が設けられている。前記取付部材20は軸受部材19を本体容器2の上端口部3上に位置決めして取付けるもので、その下部内周面には本体容器2の上端口部3の外周面に設けた外ねじ部32に螺合する内ねじ部33が設けられている。尚、軸受部材19と本体容器2の上端口部3との間にはシール用のパッキン34を装着してある。
【0014】
上記構成の肌用調整器を使用するには、原水1として一般家庭などで簡単に入手できる水道水を、噴霧装置4及びカートリッジ6を外した空の本体容器2内にこの上端口部3から入れ、次いで、噴霧装置4の吸上管5下部にカートリッジケース8の上部を吸上管接続部材21を介して接続し、この接続されたカートリッジケース8及び吸上管5を本体容器2内にこの上端口部3から挿入しながら噴霧装置4を本体容器2の上端口部3に取付けると共に、本体容器2内にカートリッジ6を装着する。この組立状態で噴霧装置4のヘッド部材18を指で下向きに押込操作する。これにより、注出管17が一体に下降し、ヘッド部材18と取付部材20との間の空気が注出管17と軸受部材19との隙間を通って吸上管5内に押し込まれた後、該吸上管5の空気孔22を通って本体容器2内に供給される。このように本体容器2内に空気が供給されると、その空気圧により本体容器2内の原水1がカートリッジケース8内にこの下端開口9より底フィルタ(焼結フィルタ)10を通過して流入する。その際、底フィルタ10が原水1中の混入物を除去する。そして、原水1は、H型の陽イオン交換樹脂層11を通過して上昇する間に原水1中に含有しているカルシウムイオン、マグネシウムイオンなどの陽イオンが陽イオン交換樹脂層11に存在する水素イオンとイオン交換されて酸性軟水となる。次いで、上記のように調製された酸性軟水は、第一の中間フィルタ(焼結フィルタ)12から活性炭層13を通過して上昇する間に、酸性軟水中に混入物がある場合は第一の中間フィルタ12により除去され、続いて活性炭層13により原水1中に含まれる殺菌用の塩素が除去された後、第二の中間フィルタ(焼結フィルタ)14から制菌性フィルタ層15を通過して貯水室16内に流入する。その際、酸性軟水中に混入物がある場合は第二の中間フィルタ14により除去され、続いて酸性軟水中に細菌が発生している場合は制菌性フィルタ層15により殺菌され、またヘッド部材18のノズル部29を介して外部からカートリッジケース8内に侵入する微生物の活性が喪失される。このように原水1(水道水)が酸性軟水の肌用水に調製されて貯水室16内に流入すると、噴霧装置4の吸上管5に吸上げられて逆止玉弁23を上方に持上げながら該吸上管5内に流入する。その後、肌用水は、吸上管5内に挿通した注出管17の給水孔24より該注出管17内に流入し、該注出管17内をさらに上昇してヘッド部材18の流水路28を通り、先端のノズル部29から霧状に噴霧される。本体容器2内の原水1が無くなると、再び原水1を本体容器2に入れて使用することができる。
【0015】
上記から明らかなように、本実施例の肌用水調整器は、原水1を収容する本体容器2と、本体容器2の上端口部3に着脱自在に取付ける噴霧装置4と、噴霧装置4の吸上管5に上部を抜挿自在に接続して本体容器2内に装着する調水用のカートリッジ6とを備え、本体容器2内の原水1をカートリッジ6にこの下部から通し、酸性軟水からなる肌用水に調製し、その肌用水を噴霧装置4より噴霧する構成としている。
【0016】
上記のような肌用水調製器に使用する調水用の前記カートリッジ6のカートリッジケース8は、図1乃至図2に示すように、この下端開口縁に内向きのフランジ36を設け、このフランジ36の外面から下方に一つ或いは複数の突起である脚部37を突出させるもので、本実施例では細い円筒形の脚部37を4本略等間隔に突出させている。
【0017】
また、前記カートリッジケース8は上端から下端にわたって内外径が変化しない円筒形でもよいが、本実施例ではカートリッジケース8の内外径が下部になるに連れて縮径されるように、そのカートリッジケース8を僅かに下窄まり形状とし、カートリッジケース8の内孔8aを下窄まりのテーパ孔に形成している。
【0018】
さらに、前記吸上管接続部材21は、カートリッジケース8の上端開口部に嵌込まれ、噴霧装置4の吸上管5下端部の搾られ部分を抜差挿自在に挿入保持する軸孔21aを中心部に有する円管形のゴム栓或いはシリコン樹脂栓からなり、外周面をカートリッジケース8の上端部内周面に密着させると共に、内周面を吸上管5の下端部外周面に密着させ、噴霧装置4の吸上管5の下部とカートリッジケ−ス8の上部を抜挿自在に接続すると共に、この接続部からカートリッジケ−ス8内に原水1が侵入するのを防止している。
【0019】
そして、カートリッジケース8内にこの上端開口部から底フィルタ10を嵌込み、その底フィルタ10をさらにカートリッジケース8の下端開口縁のフランジ36に当接するまで押込み、底フィルタ10をカートリッジケース8の下端開口部に取付ける。次いで、カートリッジケース8内にこの上端開口部からH型の陽イオン交換樹脂を所定量充填し、カートリッジケース8内の底フィルタ10上にH型の陽イオン交換樹脂層11を形成した後、カートリッジケース8内にこの上端開口部から第一の中間フィルタ12、繊維状活性炭、第二の中間フィルタ14、制菌性フィルタを順次嵌込み、カートリッジケース8内のH型の陽イオン交換樹脂層11上に第一の中間フィルタ12を挟んで活性炭層13を形成すると共に、その活性炭層13上に第二の中間フィルタ14を挟んで制菌性フィルタ層15を形成する。最後に、カートリッジケース8の上端開口部に前記吸上管接続部材21を嵌込み、カートリッジケース8内の上部、即ち、前記制菌性フィルタ層15と前記吸上管接続部材21との間に貯水室16を形成することにより、上記のような肌用水調製器に使用する調水用のカートリッジ6を得ることができると共に、該カートリッジ6にこの下部の原水吸込口(カートリッジケース8の下端開口9)より下方に突出する突起(脚部37)を設けている。
【0020】
上記のようにカートリッジ6を製造する場合、カートリッジケース8の下端開口縁に設けられたフランジ36が、カートリッジケース8の下端開口部に底フィルタ10を取付ける際の位置決め及び抜止めの役目を果たし、カートリッジケース8の下端開口部に底フィルタ10を適正に取付けることができ、カートリッジケース8の底形成を容易に行うことができる。また、カートリッジケース8の内孔8aがテーパ孔に形成されているので、前記円形の底フィルタ10、第一及び第二フィルタ12及び14、繊維状活性炭、制菌性フィルタの直径の大小のみによって、これらをカートリッジケース8内の所定の深さ位置(取付位置)にそれぞれ嵌込固定でき、カートリッジケース8の内周面に各フィルタ等の縁部を上方から係止させる段差面を多段に設ける必要がなく、カートリッジ6のコスト低下を容易に図りることができる。さらに、カートリッジケース8の下端開口縁部の半径方向の幅が前記フランジ36の突出長さだけ増加するため、フランジ36を設けていないカートリッジケースの下端面から下方に突起を突出させるのに比べて、突起の形状、大きさ、配置及び数などを選定する際の自由度が増し、最適な突起を容易に得ることができる。
【0021】
上記のようにして得られたカートリッジ6は、本体容器2から取外した噴霧装置4の吸上管6下端部の搾れれ部分を、カートリッジケース8の上端開口部に嵌込固定されている前記吸上管接続部材21の軸孔21aに挿入し、吸上管6の内部をカートリッジケース8上部の貯水室16に連通接続させた状態で、吸上管6の下部に略一直線状に接続するもので、このように接続されたカートリッジ6及び吸上管5を本体容器2内にこの上端口部3から挿入しながら噴霧装置4を本体容器2の上端口部3に取付けることにより、本体容器2の上端口部3の略中心部から底面2aの近傍に、接続状態の吸上管6とカートリッジ6が垂下され、本体容器2の底面2aの近傍に位置するカートリッジケース8の下端開口9から本体容器2内の原水1をカートリッジケース8内に流入上昇させて、前記のように酸性軟水の肌用水に調製するものである。また、カートリッジケース8の外形が下窄まり形状のため、本体容器2の上端口部3からのカートリッジ6の出入れ(本体容器2に対する噴霧装置4の着脱)を容易に行うことができ、カートリッジ交換作業(肌用水調製器の組立分解)を容易に行うことができる。
【0022】
そして、肌用水調製器の使用時や携帯時、本体容器2への給水時などに、カートリッジケース8が噴霧装置4の吸上管5に対して抜き方向に自由摺動した場合、また噴霧装置4の吸上管5にカートリッジケース8を接続する時に、嵌合量不足があった場合でも、該カートリッジ6には、カートリッジケース8の下端開口9より下方に突出する突起である4本の脚部37を設けているため、前者の場合には脚部37の下端が本体容器2の底面2aに当接することによって、それ以上、カートリッジケース8が噴霧装置4の吸上管5に対して抜き方向に自由摺動するのを規制し、カートリッジ6下部の原水吸込口であるカートリッジケース8の下端開口9が本体容器2aの底面2aに対して過接近及び接触するのを防止する一方、後者の場合には噴霧装置4及びカートリッジ6を本体容器2に装着する時に、脚部37の下端が本体容器2の底面2aに当接することによって、カートリッジケース8が押上げられ、噴霧装置4の吸上管5に対するカートリッジケース8の嵌合量が増加されて適正化され、前者と同様にカートリッジ6下部の原水吸込口であるカートリッジケース8の下端開口9が本体容器2aの底面2aに対して過接近及び接触するのを防止する。したがって、本体容器2の底面2aとカートリッジ6下部の原水吸込口であるカートリッジケース8の下端開口9との間に所定の隙間を確実に確保でき、本体容器2の底面2aに対するカートリッジ6の過接近や接触による肌用水の噴出不良を防止できる。
【0023】
尚、通常、カートリッジ6はこの下端の脚部37下端と容器本体2の底面2aとの間に隙間が形成されるように本体容器2内に装着され、その脚部37下端と容器本体2の底面2aとの間の隙間が、噴霧装置4の吸上管5とカートリッジケース8との接続時の嵌合長さより短くなるように、脚部37の長さを設定することにより、この脚部37が、本体容器2内で噴霧装置4の吸上管5からカートリッジケース8が抜落るのを防止する抜止め部材の役目を果たす。
【0024】
図4は他の肌用水調製器を示す一部断面側面であり、図1に示す肌用水調製器が噴霧装置として縦型ポンプ式の噴霧装置4を備えているのに対して、図4に示す肌用水調製器では噴霧装置としてトリガー式の噴霧装置40を備えている。そして、トリガー式の噴霧装置40は縦型ポンプ式の噴霧装置4に比べて小型に形成し難い一方で1回当りの噴霧量が多いため、本体容器2の原水収容量が多く家庭内で使用する肌用水調製器(図4)にはトリガー式の噴霧装置40が用いられ、本体容器2の原水収容量が少ない携帯用の小型肌用水調製器(図1、図5)には縦型ポンプ式の噴霧装置4が用いられる。尚、図4に示す肌用水調製器において、図1に示す肌用水調製器と同一構造(同一機能)のものは同一符号を付してその説明を省略する。
【0025】
図5はさらに他の肌用水調製器を示す一部断面側面であり、図1に示す肌用水調製器がカートリッジケース8の上端開口部に嵌込まれ、噴霧装置4の吸上管5を抜挿自在に挿入保持する軸孔21aを中心部に有する弾性材からなる吸上管接続部材21を設け、噴霧装置4の吸上管5にカートリッジ6の上部を吸上管接続部材21を介して間接的に抜挿自在に接続するのに対して、図5に示す肌用水調製器ではカートリッジケース8の上部を噴霧装置4の吸上管5の外側に直接嵌合することによって、噴霧装置4の吸上管5にカートリッジ6の上部を直接抜挿自在に接続している。そして、図1に示す噴霧装置4の吸上管5に対するカートリッジ6の接続方式では、噴霧装置4の吸上管5の太さにカートリッジケース8の太さを合わせる必要がなく、本体容器2の原水収容量が多い家庭用の肌用水調製器用のカートリッジ6が容易に得られる一方、図5に示す噴霧装置4の吸上管5に対するカートリッジ6の接続方式では、噴霧装置4の吸上管5の太さに合わせてカートリッジケース8の太さを細くでき、本体容器2の原水収容量が少ない携帯用の小型肌用水調製器用のカートリッジ6が容易に得ることができる。
【0026】
また、図1に示すカートリッジ6のイオン交換樹脂層11がH型の陽イオン交換樹一種類で単層構造に形成されているのに対して、図5に示すカートリッジ6ではイオン交換樹脂層11を第一及び第二の中間フィルタ12,14と同様の円形で硬質の焼結フィルタからなる追加の一枚の中間フィルタ11aで上下に仕切って二層構造とし、下部のイオン交換樹脂層11bをH型の陽イオン交換樹で形成すると共に、上部のイオン交換樹脂層を小さい粒状のNa型又はK型の陽イオン交換樹脂によって形成している。そして、イオン交換樹脂層11を図5に示すように二層構造に形成した場合には、原水1がH型の陽イオン交換樹脂層11bを通過して上昇する間に原水1中に含有しているカルシウムイオン、マグネシウムイオンなどの陽イオンが陽イオン交換樹脂層11bに存在する水素イオンとイオン交換されて酸性軟水となり、続いて、原水1がNa型又はK型の陽イオン交換樹層11cを通過して上昇する間に該陽イオン交換樹脂層11cに存在するナトリウムイオン又はカリウムイオンなど原水1中のカルシウムイオン、マグネシウムイオンなどの陽イオンとがイオン交換されて軟水化されると同時に、過剰な水素イオンがナトリウムイオン又はカリウムイオンなどの陽イオンとイオン交換されて中性化されて弱酸性水となり、肌や髪のpHに近くて刺激が少なく、美容によいとされている弱酸性軟水を得ることができる。尚、図5に示す肌用水調製器において、図1に示す肌用水調製器と同一構造(同一機能)のものは同一符号を付してその説明を省略する。
【0027】
さらに、イオン交換樹脂層11を、最下層にH型の陽イオン交換樹脂層11bが、最上層にNa型又はK型の陽イオン交換樹脂層11cが設けられるように、H型の陽イオン交換樹脂層11bとNa型又はK型の陽イオン交換樹脂層11cを上下に複数層(例えば4層、6層など偶数層)に形成し、多層構造のイオン交換樹脂層11を設けてもよい。また、イオン交換樹脂層11を単層構造で設ける場合、Na型又はK型の陽イオン交換樹脂とH型の陽イオン交換樹脂を混合してもよいが、それぞれ単独で用いて多層構造のイオン交換樹脂層に形成する方が好ましい。
【0028】
図6及び図7はカートリッジの脚部(突起)の変形例を示すもので、一側面がカートリッジケース8の下端開口部の曲率と略同じ曲率の湾曲面に形成され、他側面がカートリッジケース8の軸心と平行な平坦面に形成された断面かまぼこ形の脚部37aを、カートリッジケース8の下端開口縁に設けられた内向きのフランジ36の外面から下方に一つ或いは複数突出させるもので、該変形例では2本の前記脚部37aをフランジ36外面の対称位置から下方に対向状に突出させている。
【0029】
尚、本発明の実施例は前記構成に限定されず、例えば、前記噴霧装置4は蓄圧式のものでもよく、本体容器2内の原水1をカートリッジ6にこの下部から通して外部に噴霧できるものであればよい。またカートリッジ6のイオン交換樹脂層11と活性炭層13とは、活性炭層13を下側に設け、イオン交換樹脂層11を上側に設け、水道水など原水1に含まれる塩素を先に除去した後にイオン交換する構成としてもよい。カートリッジケース8は、断面多角形の角筒形のものでもよく、この場合、前記底フィルタ10、第一及び第二の中間フィルタ12,14、繊維状活性炭、光半導体不織布はカートリッジケース8の内孔8aの断面形状に対応した多角形に形成される。底フィルタ10、第一及び第二の中間フィルタ12,14の構成材料は硬質の焼結フィルタに限定されず、例えば不織布からなる軟質のフィルタでもよく、原水1を通過させて原水1中に含まれる塵埃などの混入物を除去できるものであればよい。制菌性フィルタ層の構成材料は光半導体不織布に限定されず、抗菌剤を含有した粒子状の樹脂などを充填して構成してもよい。カートリッジ6に設ける脚部(突起)の形状、大きさ、配置及び数などは、図1乃至図5に示す円筒形の脚部37や図6及び図7に示す断面かまぼこ形の脚部37aに限定されず、カートリッジ6下部の原水吸込口であるカートリッジケース8の下端開口9への原水1の流入が阻害されず、本体容器2の底面2aとカートリッジ6下部の原水吸込口であるカートリッジケース8の下端開口9との間に所定の隙間を確実に確保できるものであればよい。
【0030】
【発明の効果】
以上実施例から明らかなように本発明の肌用水調製器は、原水1を収容する本体容器2と、本体容器2の上端口部3に着脱自在に取付ける噴霧装置4と、噴霧装置4の吸上管5に上部を抜挿自在に接続して本体容器2内に装着する調水用のカートリッジ6とを備え、本体容器2内の原水1をカートリッジ6にこの下部から通して噴霧装置4より噴霧するように構成した肌用水調製器において、カートリッジ6にこの下部の原水吸込口9より下方に突出する突起37を設けたもので、突起37によって本体容器2の底面2aとカートリッジ6下部の原水吸込口9との間に所定の隙間が確保されるから、本体容器2の底面2aに対するカートリッジ6の過接近や接触による肌用水の噴出不良を確実に防止できる顕著な効果を奏する。
【0031】
また、カートリッジ6は、筒形のカートリッジケース8と、カートリッジケース8の下端開口部に設ける底フィルタ10と、カートリッジケース8の底フィルタ10の上に収容する調水用のイオン交換樹脂と、カートリッジケース8のイオン交換樹脂層11の上に設ける中間フィルタ12とを備え、カートリッジケース8の下端開口縁に内向きのフランジ36を設け、カートリッジケース8の下端開口縁部から下方に一つ或いは複数の突起37を突出させたもので、カートリッジケース8の下端開口縁部の半径方向の幅がフランジ36の突出長さだけ増加するため、フランジ36を設けていないカートリッジケース8の下端面から下方に突起37を突出させるのに比べて、突起37の形状、大きさ、配置及び数などを選定する際の自由度が増し、最適な突起37を容易に得ることができると共に、フランジ36が底フィルタ10の位置決め及び抜止めの役目を果たし、カートリッジケース8の下端開口部に底フィルタ10を適正に取付けることができ、カートリッジケース8の底形成を容易に行うこうができる。
【0032】
また、カートリッジケース8の内孔8aを下窄まりのテーパ孔に形成したもので、フィルタ外形の大小のみによって、各フィルタ10,12をカートリッジケース8内の所定の深さ位置(取付位置)にそれぞれ嵌込固定でき、例えば、底フィルタ10上方のカートリッジケース8内を複数の中間フィルタ11a、12で上下に仕切り、その各仕切り空間に異種類の調水用イオン交換樹脂を収容するカートリッジ6を得る場合、カートリッジケース8の内周面に各フィルタ11a、12の縁部を上方から係止させる段差面を多段に設ける必要がなく、各フィルタ11a、12をカートリッジケース8内にこの上端開口から嵌込むだけで、各フィルタ11a、12を所定の深さ位置(取付位置)にそれぞれ嵌合固定させることができ、カートリッジ6のコスト低下を容易に図ることができると共に、カートリッジケース8の内孔8aを下窄まりのテーパ孔に形成するに伴って、カートリッジケース8の外形も下窄まり形状にすることにより、本体容器2の上端口部3からのカートリッジ6の出入れを容易に行うことができ、カートリッジ交換作業を従来に比べて容易に行うことができる。
【0033】
また、カートリッジケース8の上端開口部に嵌込まれ、噴霧装置4の吸上管5を抜挿自在に挿入保持する軸孔21aを中心部に有する弾性材からなる吸上管接続部材21を設けるか、又は、カートリッジケース8の上部を噴霧装置4の吸上管5の外側に直接嵌合することによって、噴霧装置4の吸上管5にカートリッジ6の上部を抜挿自在に接続するものであり、前者の場合には、噴霧装置4の吸上管5の太さにカートリッジケース8の太さを合わせる必要がなく、本体容器2の原水収容量が多い家庭用の肌用水調製器用のカートリッジ6を容易に得ることができる一方、後者の場合には、噴霧装置4の吸上管5の太さに合わせてカートリッジケース8の太さを細くでき、本体容器2の原水収容量が少ない携帯用の小型肌用水調製器用のカートリッジ6を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】肌用水調製器の全体を示す断面側面図
【図2】カートリッジの外観斜視図
【図3】カートリッジの底面図
【図4】他の肌用水調製器の全体を示す一部断面側面図
【図5】さらに他の肌用水調製器の全体を示す一部断面側面図
【図6】脚部(突起)の変形例を示すカートリッジの外観斜視図
【図7】図6のカートリッジの底面図
【符号の説明】
1 原水
2 本体容器
2a 底面
3 上端口部
4 噴霧装置
5 吸上管
6 カートリッジ
8 カートリッジケース
8a 内孔
9 下端開口(原水吸込口)
10 底フィルタ
11 イオン交換樹脂層
12 中間フィルタ
21 吸上管接続部材
21a 軸孔
36 フランジ
37、37a 脚部(突起)
【発明が属する技術分野】
本発明は、水道水などの原水をイオン交換樹脂に通すことにより肌の保湿や保健に有用な酸性軟水からなる肌用水を調製するための肌用水調製器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の肌用水調製器は、水道水を収容する本体容器と、本体容器の上端口部に着脱自在に取付ける噴霧装置と、H型、Na型、K型などの陽イオン交換樹脂を収容する縦長の円筒形の調水用のカートリッジとを具備し、カートリッジを、この上部で噴霧装置の吸上管の下部に抜挿自在に嵌合接続して本体容器内に装着し、本体容器内の水道水をカートリッジにこの下部から通し、酸性軟水からなる肌用水に調製し、噴霧装置より噴霧する構成としている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−109088号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような肌用水調製器では、カートリッジを、この下部の原水吸込口が本体容器底面の近傍に位置するように、本体容器内に装着することが、本体容器内に収容された水道水を有効利用する上で好ましく、また噴霧装置の吸上管に対するカートリッジの接続強度を、カートリッジが簡単に抜差しできる程度にしておかないと、カートリッジ交換作業が極めて困難になる。しかしながら、肌用水調製器の使用時や携帯時、本体容器への給水時などに、カートリッジが噴霧装置の吸上管に対して抜き方向に自由摺動した場合、また噴霧装置の吸上管にカートリッジを接続する時に嵌合量不足があった場合、カートリッジ下端が本体容器の底面に接触して原水吸込口が塞がれ、本体容器内に充分な量の水道水が収容されているにもかかわらず、カートリッジへの水道水の流入不良(吸込み不良)、即ち、肌用水の噴霧不良を起こす問題があり、また、カートリッジ下端が本体容器の底面に完全に接触していなくても、ある程度以上接近するだけで、カートリッジへの水道水の吸込反力によって、カートリッジが引下げられ、遂にはカートリッジ下端を本体容器の底面に接触させ、且つ、密着させるので、上記の問題が発生する。
【0005】
したがって、本体容器の底面とカートリッジ下部の原水吸込口との間に所定の隙間を確保できるようにして、本体容器底面に対するカートリッジの過接近や接触による肌用水の噴出不良を防止できるようにした肌用水調製器を提供することを本発明の主たる目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明の肌用水調製器は、原水を収容する本体容器と、本体容器の上端口部に着脱自在に取付ける噴霧装置と、噴霧装置の吸上管に上部を抜挿自在に接続して本体容器内に装着する調水用のカートリッジとを備え、本体容器内の原水をカートリッジにこの下部から通して噴霧装置より噴霧するように構成した肌用水調製器において、カートリッジにこの下部の原水吸込口より下方に突出する突起を設けたもので、突起によって本体容器の底面とカートリッジ下部の原水吸込口との間に所定の隙間が確保されるから、本体容器底面に対するカートリッジの過接近や接触による肌用水の噴出不良を確実に防止し得る。
【0007】
また、カートリッジは、筒形のカートリッジケースと、カートリッジケースの下端開口部に設ける底フィルタと、カートリッジケースの底フィルタの上に収容する調水用のイオン交換樹脂と、カートリッジケースのイオン交換樹脂層の上に設ける中間フィルタとを備え、カートリッジケースの下端開口縁に内向きのフランジを設け、カートリッジケースの下端開口縁部から下方に一つ或いは複数の突起を突出させたもので、カートリッジケースの下端開口縁部の半径方向の幅がフランジの突出長さだけ増加するため、フランジを設けていないカートリッジケースの下端面から下方に突起を突出させるのに比べて、突起の形状、大きさ、配置及び数などを選定する際の自由度が増し、最適な突起を容易に得られると共に、フランジが底フィルタの位置決め及び抜止めの役目を果たし、カートリッジケースの下端開口部に底フィルタを適正に取付け得る。
【0008】
また、カートリッジケースの内孔を下窄まりのテーパ孔に形成したもので、フィルタ外形の大小のみによって、各フィルタをカートリッジケース内の所定の深さ位置(取付位置)にそれぞれ嵌込固定し得、例えば、底フィルタ上方のカートリッジケース内を複数の中間フィルタで上下に仕切り、その各仕切り空間に異種類の調水用イオン交換樹脂を収容するカートリッジを得る場合、カートリッジケースの内周面に各フィルタの縁部を上方から係止させる段差面を多段に設ける必要がなく、各フィルタをカートリッジケース内にこの上端開口から嵌込むだけで、各フィルタを所定の深さ位置(取付位置)にそれぞれ嵌合固定させ得、カートリッジのコスト低下を容易に図り得ると共に、カートリッジケースの内孔を下窄まりのテーパ孔に形成するに伴って、カートリッジケースの外形も下窄まり形状にすることにより、本体容器の上端口部からのカートリッジの出入れを容易に行い得、カートリッジ交換作業を従来に比べて容易に行い得る。
【0009】
また、カートリッジケースの上端開口部に嵌込まれ、噴霧装置の吸上管を抜挿自在に挿入保持する軸孔を中心部に有する弾性材からなる吸上管接続部材を設けるか、又は、カートリッジケースの上部を噴霧装置の吸上管の外側に直接嵌合することによって、噴霧装置の吸上管にカートリッジの上部を抜挿自在に接続するものであり、前者の場合には、噴霧装置の吸上管の太さにカートリッジケースの太さを合わせる必要がなく、本体容器の原水収容量が多い家庭用の肌用水調製器用のカートリッジが容易に得られる一方、後者の場合には、噴霧装置の吸上管の太さに合わせてカートリッジケースの太さを細くし得、本体容器の原水収容量が少ない携帯用の小型肌用水調製器用のカートリッジが容易に得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は肌用水調製器の全体を示す断面側面図であり、本実施例の肌用水調製器は、透光性を有する透明又は半透明の樹脂又はガラスからなって水道水などの原水1を収容する本体容器2と、本体容器2の上端口部3に着脱自在に取付ける噴霧装置4と、噴霧装置4の吸上管5に上部を抜挿自在に接続して本体容器2内に装着する調水用のカートリッジ6とを備え、本体容器2内の原水1をカートリッジ6にこの下部から通して噴霧装置4より噴霧するように構成している。尚、符号7は噴霧装置4に被せるキャップである。
【0011】
前記カートリッジ6は、本体容器2と同様に透光性を有する透明又は半透明の樹脂又はガラスからなり、本体容器2の上端口部6の内径より小径に形成され、両端を開口してある縦長の円筒形のカートリッジケース8を備え、このカートリッジケース8の下端開口部が本体容器2の底面2aの近傍に位置するように装着される。カートリッジ6下部の原水吸込口であるカートリッジケース8の下端開口9には底フィルタ10が嵌込まれ、カートリッジケース8の下端開口9を底フィルタ10によって塞ぎ、カートリッジケース8の下端部に原水が通過可能な底を形成している。そして、前記カートリッジケース8内には、この底部から前記底フィルタ10、H型の陽イオン交換樹脂層11、第一の中間フィルタ12、活性炭層13、第二の中間フィルタ14、及び制菌性フィルタ層15が順次設けられている。また制菌性フィルタ層15の上部には貯水室16が設けられている。
【0012】
前記底フィルタ10、第一及び第二の中間フィルタ12,14は円形で硬質の焼結フィルタからなる。前記H型の陽イオン交換樹脂層11はカートリッジケース8の底フィルタ10と第一の中間フィルタ12との間に小さい粒状のH型の陽イオン交換樹脂を充填して形成している。前記活性炭層13は円形の繊維状活性炭からなる。前記制菌性フィルタ層15は光エネルギー変換作用を有して有機物を分解できる光半導体セラミックを無機繊維の不織布からなる微多孔質基材に固定した円形の光半導体不織布からなる。
【0013】
噴霧装置4は、前記吸上管5、注出管17、ヘッド部材18、軸受部材19、取付部材20からなる周知の直圧式で縦型ポンプ式のもので、前記吸上管5は、その下部がカートリッジケース8の上部に吸上管接続部材21を介して抜挿自在に接続されている。該吸上管5には、前記吸上管接続部材21との接続部の上部に空気孔22が設けられると共に、前記貯水室16内に位置する下端部が小径に搾られ、この搾られ部分の上部に逆止玉弁23が収容されている。前記注出管17は、前記吸上管5の内部に軸芯に沿って上下方向に移動可能に挿入されるパイプ材からなる。そして、この注出管17には、その下端閉鎖部の側面に給水孔24が設けられると共に、その略中央部には抜止め用の鍔部25が設けられている。また、この注出管17の下部には、前記吸上管5の内周面との間をシールするシール部材26が取付けられると共に、このシール部材26の上側にコイルバネ27を入れ、このコイルバネ27により注出管17を常に上方に押上げ付勢している。前記ヘッド部材18は注出管17の上端部に取付けられるもので、該注出管17の中空部と連通する流水路28が設けられると共に、該流水路28の先端に霧状に噴霧するノズル部29が形成されている。前記軸受部材19は、その軸芯の挿通孔30内に前記注出管17を上下移動可能に挿通保持すると共に、前記吸上管5の上端部を保持しており、該吸上管5を介して前記カートリッジケース8が接続保持されている。また軸受部材19には、前記鍔部25と係合する係止部31が設けられている。前記取付部材20は軸受部材19を本体容器2の上端口部3上に位置決めして取付けるもので、その下部内周面には本体容器2の上端口部3の外周面に設けた外ねじ部32に螺合する内ねじ部33が設けられている。尚、軸受部材19と本体容器2の上端口部3との間にはシール用のパッキン34を装着してある。
【0014】
上記構成の肌用調整器を使用するには、原水1として一般家庭などで簡単に入手できる水道水を、噴霧装置4及びカートリッジ6を外した空の本体容器2内にこの上端口部3から入れ、次いで、噴霧装置4の吸上管5下部にカートリッジケース8の上部を吸上管接続部材21を介して接続し、この接続されたカートリッジケース8及び吸上管5を本体容器2内にこの上端口部3から挿入しながら噴霧装置4を本体容器2の上端口部3に取付けると共に、本体容器2内にカートリッジ6を装着する。この組立状態で噴霧装置4のヘッド部材18を指で下向きに押込操作する。これにより、注出管17が一体に下降し、ヘッド部材18と取付部材20との間の空気が注出管17と軸受部材19との隙間を通って吸上管5内に押し込まれた後、該吸上管5の空気孔22を通って本体容器2内に供給される。このように本体容器2内に空気が供給されると、その空気圧により本体容器2内の原水1がカートリッジケース8内にこの下端開口9より底フィルタ(焼結フィルタ)10を通過して流入する。その際、底フィルタ10が原水1中の混入物を除去する。そして、原水1は、H型の陽イオン交換樹脂層11を通過して上昇する間に原水1中に含有しているカルシウムイオン、マグネシウムイオンなどの陽イオンが陽イオン交換樹脂層11に存在する水素イオンとイオン交換されて酸性軟水となる。次いで、上記のように調製された酸性軟水は、第一の中間フィルタ(焼結フィルタ)12から活性炭層13を通過して上昇する間に、酸性軟水中に混入物がある場合は第一の中間フィルタ12により除去され、続いて活性炭層13により原水1中に含まれる殺菌用の塩素が除去された後、第二の中間フィルタ(焼結フィルタ)14から制菌性フィルタ層15を通過して貯水室16内に流入する。その際、酸性軟水中に混入物がある場合は第二の中間フィルタ14により除去され、続いて酸性軟水中に細菌が発生している場合は制菌性フィルタ層15により殺菌され、またヘッド部材18のノズル部29を介して外部からカートリッジケース8内に侵入する微生物の活性が喪失される。このように原水1(水道水)が酸性軟水の肌用水に調製されて貯水室16内に流入すると、噴霧装置4の吸上管5に吸上げられて逆止玉弁23を上方に持上げながら該吸上管5内に流入する。その後、肌用水は、吸上管5内に挿通した注出管17の給水孔24より該注出管17内に流入し、該注出管17内をさらに上昇してヘッド部材18の流水路28を通り、先端のノズル部29から霧状に噴霧される。本体容器2内の原水1が無くなると、再び原水1を本体容器2に入れて使用することができる。
【0015】
上記から明らかなように、本実施例の肌用水調整器は、原水1を収容する本体容器2と、本体容器2の上端口部3に着脱自在に取付ける噴霧装置4と、噴霧装置4の吸上管5に上部を抜挿自在に接続して本体容器2内に装着する調水用のカートリッジ6とを備え、本体容器2内の原水1をカートリッジ6にこの下部から通し、酸性軟水からなる肌用水に調製し、その肌用水を噴霧装置4より噴霧する構成としている。
【0016】
上記のような肌用水調製器に使用する調水用の前記カートリッジ6のカートリッジケース8は、図1乃至図2に示すように、この下端開口縁に内向きのフランジ36を設け、このフランジ36の外面から下方に一つ或いは複数の突起である脚部37を突出させるもので、本実施例では細い円筒形の脚部37を4本略等間隔に突出させている。
【0017】
また、前記カートリッジケース8は上端から下端にわたって内外径が変化しない円筒形でもよいが、本実施例ではカートリッジケース8の内外径が下部になるに連れて縮径されるように、そのカートリッジケース8を僅かに下窄まり形状とし、カートリッジケース8の内孔8aを下窄まりのテーパ孔に形成している。
【0018】
さらに、前記吸上管接続部材21は、カートリッジケース8の上端開口部に嵌込まれ、噴霧装置4の吸上管5下端部の搾られ部分を抜差挿自在に挿入保持する軸孔21aを中心部に有する円管形のゴム栓或いはシリコン樹脂栓からなり、外周面をカートリッジケース8の上端部内周面に密着させると共に、内周面を吸上管5の下端部外周面に密着させ、噴霧装置4の吸上管5の下部とカートリッジケ−ス8の上部を抜挿自在に接続すると共に、この接続部からカートリッジケ−ス8内に原水1が侵入するのを防止している。
【0019】
そして、カートリッジケース8内にこの上端開口部から底フィルタ10を嵌込み、その底フィルタ10をさらにカートリッジケース8の下端開口縁のフランジ36に当接するまで押込み、底フィルタ10をカートリッジケース8の下端開口部に取付ける。次いで、カートリッジケース8内にこの上端開口部からH型の陽イオン交換樹脂を所定量充填し、カートリッジケース8内の底フィルタ10上にH型の陽イオン交換樹脂層11を形成した後、カートリッジケース8内にこの上端開口部から第一の中間フィルタ12、繊維状活性炭、第二の中間フィルタ14、制菌性フィルタを順次嵌込み、カートリッジケース8内のH型の陽イオン交換樹脂層11上に第一の中間フィルタ12を挟んで活性炭層13を形成すると共に、その活性炭層13上に第二の中間フィルタ14を挟んで制菌性フィルタ層15を形成する。最後に、カートリッジケース8の上端開口部に前記吸上管接続部材21を嵌込み、カートリッジケース8内の上部、即ち、前記制菌性フィルタ層15と前記吸上管接続部材21との間に貯水室16を形成することにより、上記のような肌用水調製器に使用する調水用のカートリッジ6を得ることができると共に、該カートリッジ6にこの下部の原水吸込口(カートリッジケース8の下端開口9)より下方に突出する突起(脚部37)を設けている。
【0020】
上記のようにカートリッジ6を製造する場合、カートリッジケース8の下端開口縁に設けられたフランジ36が、カートリッジケース8の下端開口部に底フィルタ10を取付ける際の位置決め及び抜止めの役目を果たし、カートリッジケース8の下端開口部に底フィルタ10を適正に取付けることができ、カートリッジケース8の底形成を容易に行うことができる。また、カートリッジケース8の内孔8aがテーパ孔に形成されているので、前記円形の底フィルタ10、第一及び第二フィルタ12及び14、繊維状活性炭、制菌性フィルタの直径の大小のみによって、これらをカートリッジケース8内の所定の深さ位置(取付位置)にそれぞれ嵌込固定でき、カートリッジケース8の内周面に各フィルタ等の縁部を上方から係止させる段差面を多段に設ける必要がなく、カートリッジ6のコスト低下を容易に図りることができる。さらに、カートリッジケース8の下端開口縁部の半径方向の幅が前記フランジ36の突出長さだけ増加するため、フランジ36を設けていないカートリッジケースの下端面から下方に突起を突出させるのに比べて、突起の形状、大きさ、配置及び数などを選定する際の自由度が増し、最適な突起を容易に得ることができる。
【0021】
上記のようにして得られたカートリッジ6は、本体容器2から取外した噴霧装置4の吸上管6下端部の搾れれ部分を、カートリッジケース8の上端開口部に嵌込固定されている前記吸上管接続部材21の軸孔21aに挿入し、吸上管6の内部をカートリッジケース8上部の貯水室16に連通接続させた状態で、吸上管6の下部に略一直線状に接続するもので、このように接続されたカートリッジ6及び吸上管5を本体容器2内にこの上端口部3から挿入しながら噴霧装置4を本体容器2の上端口部3に取付けることにより、本体容器2の上端口部3の略中心部から底面2aの近傍に、接続状態の吸上管6とカートリッジ6が垂下され、本体容器2の底面2aの近傍に位置するカートリッジケース8の下端開口9から本体容器2内の原水1をカートリッジケース8内に流入上昇させて、前記のように酸性軟水の肌用水に調製するものである。また、カートリッジケース8の外形が下窄まり形状のため、本体容器2の上端口部3からのカートリッジ6の出入れ(本体容器2に対する噴霧装置4の着脱)を容易に行うことができ、カートリッジ交換作業(肌用水調製器の組立分解)を容易に行うことができる。
【0022】
そして、肌用水調製器の使用時や携帯時、本体容器2への給水時などに、カートリッジケース8が噴霧装置4の吸上管5に対して抜き方向に自由摺動した場合、また噴霧装置4の吸上管5にカートリッジケース8を接続する時に、嵌合量不足があった場合でも、該カートリッジ6には、カートリッジケース8の下端開口9より下方に突出する突起である4本の脚部37を設けているため、前者の場合には脚部37の下端が本体容器2の底面2aに当接することによって、それ以上、カートリッジケース8が噴霧装置4の吸上管5に対して抜き方向に自由摺動するのを規制し、カートリッジ6下部の原水吸込口であるカートリッジケース8の下端開口9が本体容器2aの底面2aに対して過接近及び接触するのを防止する一方、後者の場合には噴霧装置4及びカートリッジ6を本体容器2に装着する時に、脚部37の下端が本体容器2の底面2aに当接することによって、カートリッジケース8が押上げられ、噴霧装置4の吸上管5に対するカートリッジケース8の嵌合量が増加されて適正化され、前者と同様にカートリッジ6下部の原水吸込口であるカートリッジケース8の下端開口9が本体容器2aの底面2aに対して過接近及び接触するのを防止する。したがって、本体容器2の底面2aとカートリッジ6下部の原水吸込口であるカートリッジケース8の下端開口9との間に所定の隙間を確実に確保でき、本体容器2の底面2aに対するカートリッジ6の過接近や接触による肌用水の噴出不良を防止できる。
【0023】
尚、通常、カートリッジ6はこの下端の脚部37下端と容器本体2の底面2aとの間に隙間が形成されるように本体容器2内に装着され、その脚部37下端と容器本体2の底面2aとの間の隙間が、噴霧装置4の吸上管5とカートリッジケース8との接続時の嵌合長さより短くなるように、脚部37の長さを設定することにより、この脚部37が、本体容器2内で噴霧装置4の吸上管5からカートリッジケース8が抜落るのを防止する抜止め部材の役目を果たす。
【0024】
図4は他の肌用水調製器を示す一部断面側面であり、図1に示す肌用水調製器が噴霧装置として縦型ポンプ式の噴霧装置4を備えているのに対して、図4に示す肌用水調製器では噴霧装置としてトリガー式の噴霧装置40を備えている。そして、トリガー式の噴霧装置40は縦型ポンプ式の噴霧装置4に比べて小型に形成し難い一方で1回当りの噴霧量が多いため、本体容器2の原水収容量が多く家庭内で使用する肌用水調製器(図4)にはトリガー式の噴霧装置40が用いられ、本体容器2の原水収容量が少ない携帯用の小型肌用水調製器(図1、図5)には縦型ポンプ式の噴霧装置4が用いられる。尚、図4に示す肌用水調製器において、図1に示す肌用水調製器と同一構造(同一機能)のものは同一符号を付してその説明を省略する。
【0025】
図5はさらに他の肌用水調製器を示す一部断面側面であり、図1に示す肌用水調製器がカートリッジケース8の上端開口部に嵌込まれ、噴霧装置4の吸上管5を抜挿自在に挿入保持する軸孔21aを中心部に有する弾性材からなる吸上管接続部材21を設け、噴霧装置4の吸上管5にカートリッジ6の上部を吸上管接続部材21を介して間接的に抜挿自在に接続するのに対して、図5に示す肌用水調製器ではカートリッジケース8の上部を噴霧装置4の吸上管5の外側に直接嵌合することによって、噴霧装置4の吸上管5にカートリッジ6の上部を直接抜挿自在に接続している。そして、図1に示す噴霧装置4の吸上管5に対するカートリッジ6の接続方式では、噴霧装置4の吸上管5の太さにカートリッジケース8の太さを合わせる必要がなく、本体容器2の原水収容量が多い家庭用の肌用水調製器用のカートリッジ6が容易に得られる一方、図5に示す噴霧装置4の吸上管5に対するカートリッジ6の接続方式では、噴霧装置4の吸上管5の太さに合わせてカートリッジケース8の太さを細くでき、本体容器2の原水収容量が少ない携帯用の小型肌用水調製器用のカートリッジ6が容易に得ることができる。
【0026】
また、図1に示すカートリッジ6のイオン交換樹脂層11がH型の陽イオン交換樹一種類で単層構造に形成されているのに対して、図5に示すカートリッジ6ではイオン交換樹脂層11を第一及び第二の中間フィルタ12,14と同様の円形で硬質の焼結フィルタからなる追加の一枚の中間フィルタ11aで上下に仕切って二層構造とし、下部のイオン交換樹脂層11bをH型の陽イオン交換樹で形成すると共に、上部のイオン交換樹脂層を小さい粒状のNa型又はK型の陽イオン交換樹脂によって形成している。そして、イオン交換樹脂層11を図5に示すように二層構造に形成した場合には、原水1がH型の陽イオン交換樹脂層11bを通過して上昇する間に原水1中に含有しているカルシウムイオン、マグネシウムイオンなどの陽イオンが陽イオン交換樹脂層11bに存在する水素イオンとイオン交換されて酸性軟水となり、続いて、原水1がNa型又はK型の陽イオン交換樹層11cを通過して上昇する間に該陽イオン交換樹脂層11cに存在するナトリウムイオン又はカリウムイオンなど原水1中のカルシウムイオン、マグネシウムイオンなどの陽イオンとがイオン交換されて軟水化されると同時に、過剰な水素イオンがナトリウムイオン又はカリウムイオンなどの陽イオンとイオン交換されて中性化されて弱酸性水となり、肌や髪のpHに近くて刺激が少なく、美容によいとされている弱酸性軟水を得ることができる。尚、図5に示す肌用水調製器において、図1に示す肌用水調製器と同一構造(同一機能)のものは同一符号を付してその説明を省略する。
【0027】
さらに、イオン交換樹脂層11を、最下層にH型の陽イオン交換樹脂層11bが、最上層にNa型又はK型の陽イオン交換樹脂層11cが設けられるように、H型の陽イオン交換樹脂層11bとNa型又はK型の陽イオン交換樹脂層11cを上下に複数層(例えば4層、6層など偶数層)に形成し、多層構造のイオン交換樹脂層11を設けてもよい。また、イオン交換樹脂層11を単層構造で設ける場合、Na型又はK型の陽イオン交換樹脂とH型の陽イオン交換樹脂を混合してもよいが、それぞれ単独で用いて多層構造のイオン交換樹脂層に形成する方が好ましい。
【0028】
図6及び図7はカートリッジの脚部(突起)の変形例を示すもので、一側面がカートリッジケース8の下端開口部の曲率と略同じ曲率の湾曲面に形成され、他側面がカートリッジケース8の軸心と平行な平坦面に形成された断面かまぼこ形の脚部37aを、カートリッジケース8の下端開口縁に設けられた内向きのフランジ36の外面から下方に一つ或いは複数突出させるもので、該変形例では2本の前記脚部37aをフランジ36外面の対称位置から下方に対向状に突出させている。
【0029】
尚、本発明の実施例は前記構成に限定されず、例えば、前記噴霧装置4は蓄圧式のものでもよく、本体容器2内の原水1をカートリッジ6にこの下部から通して外部に噴霧できるものであればよい。またカートリッジ6のイオン交換樹脂層11と活性炭層13とは、活性炭層13を下側に設け、イオン交換樹脂層11を上側に設け、水道水など原水1に含まれる塩素を先に除去した後にイオン交換する構成としてもよい。カートリッジケース8は、断面多角形の角筒形のものでもよく、この場合、前記底フィルタ10、第一及び第二の中間フィルタ12,14、繊維状活性炭、光半導体不織布はカートリッジケース8の内孔8aの断面形状に対応した多角形に形成される。底フィルタ10、第一及び第二の中間フィルタ12,14の構成材料は硬質の焼結フィルタに限定されず、例えば不織布からなる軟質のフィルタでもよく、原水1を通過させて原水1中に含まれる塵埃などの混入物を除去できるものであればよい。制菌性フィルタ層の構成材料は光半導体不織布に限定されず、抗菌剤を含有した粒子状の樹脂などを充填して構成してもよい。カートリッジ6に設ける脚部(突起)の形状、大きさ、配置及び数などは、図1乃至図5に示す円筒形の脚部37や図6及び図7に示す断面かまぼこ形の脚部37aに限定されず、カートリッジ6下部の原水吸込口であるカートリッジケース8の下端開口9への原水1の流入が阻害されず、本体容器2の底面2aとカートリッジ6下部の原水吸込口であるカートリッジケース8の下端開口9との間に所定の隙間を確実に確保できるものであればよい。
【0030】
【発明の効果】
以上実施例から明らかなように本発明の肌用水調製器は、原水1を収容する本体容器2と、本体容器2の上端口部3に着脱自在に取付ける噴霧装置4と、噴霧装置4の吸上管5に上部を抜挿自在に接続して本体容器2内に装着する調水用のカートリッジ6とを備え、本体容器2内の原水1をカートリッジ6にこの下部から通して噴霧装置4より噴霧するように構成した肌用水調製器において、カートリッジ6にこの下部の原水吸込口9より下方に突出する突起37を設けたもので、突起37によって本体容器2の底面2aとカートリッジ6下部の原水吸込口9との間に所定の隙間が確保されるから、本体容器2の底面2aに対するカートリッジ6の過接近や接触による肌用水の噴出不良を確実に防止できる顕著な効果を奏する。
【0031】
また、カートリッジ6は、筒形のカートリッジケース8と、カートリッジケース8の下端開口部に設ける底フィルタ10と、カートリッジケース8の底フィルタ10の上に収容する調水用のイオン交換樹脂と、カートリッジケース8のイオン交換樹脂層11の上に設ける中間フィルタ12とを備え、カートリッジケース8の下端開口縁に内向きのフランジ36を設け、カートリッジケース8の下端開口縁部から下方に一つ或いは複数の突起37を突出させたもので、カートリッジケース8の下端開口縁部の半径方向の幅がフランジ36の突出長さだけ増加するため、フランジ36を設けていないカートリッジケース8の下端面から下方に突起37を突出させるのに比べて、突起37の形状、大きさ、配置及び数などを選定する際の自由度が増し、最適な突起37を容易に得ることができると共に、フランジ36が底フィルタ10の位置決め及び抜止めの役目を果たし、カートリッジケース8の下端開口部に底フィルタ10を適正に取付けることができ、カートリッジケース8の底形成を容易に行うこうができる。
【0032】
また、カートリッジケース8の内孔8aを下窄まりのテーパ孔に形成したもので、フィルタ外形の大小のみによって、各フィルタ10,12をカートリッジケース8内の所定の深さ位置(取付位置)にそれぞれ嵌込固定でき、例えば、底フィルタ10上方のカートリッジケース8内を複数の中間フィルタ11a、12で上下に仕切り、その各仕切り空間に異種類の調水用イオン交換樹脂を収容するカートリッジ6を得る場合、カートリッジケース8の内周面に各フィルタ11a、12の縁部を上方から係止させる段差面を多段に設ける必要がなく、各フィルタ11a、12をカートリッジケース8内にこの上端開口から嵌込むだけで、各フィルタ11a、12を所定の深さ位置(取付位置)にそれぞれ嵌合固定させることができ、カートリッジ6のコスト低下を容易に図ることができると共に、カートリッジケース8の内孔8aを下窄まりのテーパ孔に形成するに伴って、カートリッジケース8の外形も下窄まり形状にすることにより、本体容器2の上端口部3からのカートリッジ6の出入れを容易に行うことができ、カートリッジ交換作業を従来に比べて容易に行うことができる。
【0033】
また、カートリッジケース8の上端開口部に嵌込まれ、噴霧装置4の吸上管5を抜挿自在に挿入保持する軸孔21aを中心部に有する弾性材からなる吸上管接続部材21を設けるか、又は、カートリッジケース8の上部を噴霧装置4の吸上管5の外側に直接嵌合することによって、噴霧装置4の吸上管5にカートリッジ6の上部を抜挿自在に接続するものであり、前者の場合には、噴霧装置4の吸上管5の太さにカートリッジケース8の太さを合わせる必要がなく、本体容器2の原水収容量が多い家庭用の肌用水調製器用のカートリッジ6を容易に得ることができる一方、後者の場合には、噴霧装置4の吸上管5の太さに合わせてカートリッジケース8の太さを細くでき、本体容器2の原水収容量が少ない携帯用の小型肌用水調製器用のカートリッジ6を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】肌用水調製器の全体を示す断面側面図
【図2】カートリッジの外観斜視図
【図3】カートリッジの底面図
【図4】他の肌用水調製器の全体を示す一部断面側面図
【図5】さらに他の肌用水調製器の全体を示す一部断面側面図
【図6】脚部(突起)の変形例を示すカートリッジの外観斜視図
【図7】図6のカートリッジの底面図
【符号の説明】
1 原水
2 本体容器
2a 底面
3 上端口部
4 噴霧装置
5 吸上管
6 カートリッジ
8 カートリッジケース
8a 内孔
9 下端開口(原水吸込口)
10 底フィルタ
11 イオン交換樹脂層
12 中間フィルタ
21 吸上管接続部材
21a 軸孔
36 フランジ
37、37a 脚部(突起)
Claims (5)
- 原水を収容する本体容器と、本体容器の上端口部に着脱自在に取付ける噴霧装置と、噴霧装置の吸上管に上部を抜挿自在に接続して本体容器内に装着する調水用のカートリッジとを備え、本体容器内の原水をカートリッジにこの下部から通して噴霧装置より噴霧するように構成した肌用水調製器において、カートリッジにこの下部の原水吸込口より下方に突出する突起を設けたことを特徴とする肌用水調製器。
- カートリッジは、筒形のカートリッジケースと、カートリッジケースの下端開口部に設ける底フィルタと、カートリッジケースの底フィルタの上に収容する調水用のイオン交換樹脂と、カートリッジケースのイオン交換樹脂層の上に設ける中間フィルタとを備え、カートリッジケースの下端開口縁に内向きのフランジを設け、カートリッジケースの下端開口縁部から下方に一つ或いは複数の突起を突出させた請求項1に記載の肌用水調製器。
- カートリッジケースの内孔を下窄まりのテーパ孔に形成した請求項2に記載の肌用水調整器。
- カートリッジケースの上端開口部に嵌込まれ、噴霧装置の吸上管を抜挿自在に挿入保持する軸孔を中心部に有する弾性材からなる吸上管接続部材を設けた請求項2又は3に記載の肌用水調整器。
- カートリッジケースの上部を噴霧装置の吸上管の外側に直接嵌合する請求項2又は3に記載の肌用水調整器。
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2003
- 2003-04-30 JP JP2003124617A patent/JP2004322057A/ja active Pending
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