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JP2004321068A - 脂質代謝促進用食・飼料添加物 - Google Patents

脂質代謝促進用食・飼料添加物 Download PDF

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JP2004321068A
JP2004321068A JP2003119791A JP2003119791A JP2004321068A JP 2004321068 A JP2004321068 A JP 2004321068A JP 2003119791 A JP2003119791 A JP 2003119791A JP 2003119791 A JP2003119791 A JP 2003119791A JP 2004321068 A JP2004321068 A JP 2004321068A
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lactic acid
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acid bacteria
lipid metabolism
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謙二 酒井
Miki Umeki
美樹 梅木
Kazutoshi Ogami
和敏 大上
Satoshi Mochizuki
聡 望月
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Abstract

【課題】(1)水溶性食物繊維は過剰の投与によって下痢症状を引き起こす問題点があった。
(2)血清や肝臓などにおいて各種脂質すべてに関して代謝促進を促すことのできるオリゴ糖,あるいは微生物製剤に関する報告はこれまでなかった。
【解決手段】乳酸菌菌体(Lactobacillus rhamnosus)とセロビオースを配合比で、1:2.5〜8含有せしめたことを特徴とする整腸及び脂質代謝促進用肥料食・飼料添加物。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乳酸菌菌体と水溶性食物繊維を同時に含有させることで,整腸効果と共に、各々単独の場合に比べて著しい脂質濃度低下効果を示す脂質代謝促進用肥料食・飼料添加物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から乳酸菌・発酵乳の機能に関心がもたれるきっかけとなる報告は,二十世紀初頭にメチニコフによって提唱された不老長寿説といわれる。これは発酵乳を常食している人々の寿命は長く、それは乳酸菌が腸内に定着し有害菌による腐敗を抑えるためであるとの考えであった。
【0003】
近年では,プロバイオティクス・バイオジェニックスの観点からも大きく注目されるようになり、機能性食品成分としての乳酸菌に関する多くの研究がなされている。
【0004】
これまでに機能性に関する報告として、整腸作用,血中コレステロール低下作用、抗腫瘍作用、免疫賦活作用、血圧低下作用などが知られている。 しかしこれらはすべて乳酸菌単独で摂取した例である。
一方、ある種の水溶性食物性繊維が整腸、腸内腐敗抑制、大腸ガン抑制等の効果を示すことも広く知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、水溶性食物繊維は、過剰の投与によって下痢症状を引き起こす問題点があった。
また血清や肝臓などにおいて各種脂質すべてに関して代謝促進を促すことのできるオリゴ糖、あるいは微生物製剤に関する報告はこれまでなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決した優れたものであり、その特徴とするところは、乳酸菌 (Lactobacillus rhamnosus)菌体とセロビオースを配合比で、1:2.5〜10含有せしめたことを特徴とする整腸及び脂質代謝促進用肥料食・飼料添加物にある。
【0007】
【発明の実施の形態】
即ち本発明者等は、分離、同定した乳酸菌Lactobacillus rhamnosus (以下単に乳酸菌と称する)について、その機能性の発現を期待して、ラットに投与し脂質代謝に及ぼす影響を検討した結果,乳酸菌の単独投与では,血清脂質に対する影響は認められなかったが、乳酸菌をセロビオースと同時に投与すると,血清中の総脂質,中性脂肪,β−リポタンパクおよびコレステロール濃度が低下すると供に、肝臓脂質についても減少すると言う相乗効果の新知見を得て本発明を完成したものである。
【0008】
本発明において、前記乳酸菌体とセロビオースとの配合比は、1:2.5〜8にすることによりpHの低下と共に酢酸及びプロピオン酸量が有意に増加し、同時に全細菌、総乳酸菌、乳酸菌体の各菌数が増加し、大腸菌群数が低下する。
これにより(a) 整腸効果(ヒトや摂取動物における腸内容物通過時間の短縮と排出物の水分保持性)と共に,水溶性食物繊維がしばしば示す下痢症状の改善効果、及び(c) 血清や肝臓中における体内総脂質濃度低下(脂質代謝昂進)効果を確実に得るのである。
つまり前記乳酸菌体とセロビオースとの配合比を1:2.5未満にすると 脂質代謝促進効果が得られず、1:10を超えると下痢症状の改善効果が得られない。
【0009】
本発明において、乳酸菌体とセロビオースは、単に混合し又は、ペレット化して単品としてよく、またこれらをその他の食品や飼料に添加した配合食・飼料として用いても良い。
【0010】
前記乳酸菌体とセロビオース以外に配合する他の食品成分や飼料としては、ミネラル混合物、ビタミン混合物、カゼイン、大豆油、ショ糖、DL−メチオニン等が列記される。
【0011】
【発明の実施例】
以下に本発明の実施例を詳述する。
本実施例で使用する乳酸菌体は、湿潤状態4℃にて数週間以上安定に生存するもので、−80℃で冷凍保存した後に調製したものである。この乳酸菌体の調製は、MRS培地を用いて37℃、24時間、嫌気下に静置培養し、培養後、遠心分離(10,000 G、20min、4℃)によって集菌し、これを未乾燥のままセロビオースとその他の食品や飼料と配合したもので各飼料組成を表1のCEL+乳酸菌に示す。
表1には、5−10%のセロビオースのみを添加した飼料CELと0.5−2.0%の乳酸菌菌体を単独添加した比較例を併記した。
【0012】
【表1】
Figure 2004321068
【0013】
実験1:該乳酸菌菌体を単独投与による影響
実験動物として4週齢のウィスター系雄ラットを用いた。ラットは,個別のステンレス製ケージに入れて,室温23±1℃,12時間明暗サイクル(明期8:00〜20:00)下で飼育した。7日間予備飼育(3日間市販固形飼料(MF:オリエンタル酵母工業(株))、4日間精製飼料)し馴化した後、1群6匹とし、2群に分けた。食物繊維を含まない20%カゼイン食を基本食(Control)とし、Controlに乳酸菌菌体を乾燥重量として0.5−2.0%(飼料1kgあたり0.5−2×1013個)添加した実験食の2種類の飼料をそれぞれ水道水とともに自由摂取させ、14日間飼育した。なお,乳酸菌菌体は未乾燥のまま添加し、乳酸菌体の乾燥重量と同量のショ糖と置換した。
【0014】
実験2:該乳酸菌菌体およびセロビオースの同時投与による影響
実験動物として3週齢のWistar系雄ラットを用いた。
ラットは、個別のステンレス製ケージに入れて、室温23±1℃、12時間明暗サイクル(明期8:00〜20:00)下で飼育した。3日間市販固形飼料で馴化した後、1群3匹とし、2群に分けた。上記基本食に5−10%のセロビオースのみを添加した飼料(CEL)と、セロビオースと乳酸菌菌体を同時に添加した飼料(CEL+乳酸菌)をそれぞれ水道水とともに自由摂取させ、14日間飼育した。
実験3:乳酸菌菌体およびセロビオースの同時投与による影響
実験動物として3週齢のWistar系雄ラットを用いた。
ラットは、個別のステンレス製ケージに入れて、室温23±1℃、12時間明暗サイクル(明期8:00〜20:00)下で飼育した。3日間市販固形飼料で馴化した後、1群3匹とし、2群に分けた。上記基本食に5−10%のセロビオースのみを添加した飼料(CEL)と、10%のセロビオースと乾燥重量として0.5〜2.0%の乳酸菌体を同時に添加した飼料(CEL+乳酸菌)(即ち乳酸菌体対セロビオースの配合比率が1:2.6〜8)をそれぞれ水道水とともに自由摂取させ、13日間飼育した。飼育期間終了後、エーテル麻酔下で心臓より採血し、肝臓、盲腸を摘出し、重量を測定した。また,盲腸内容物の短鎖脂肪酸量をHPLCにて、各種細菌菌濃度を16S rDNAプローブを用いた蛍光in situ ハイブリダイゼーション法にて分析した結果を表6に記載してある。
結果
実験1および実験2において,14日間の飼育を行ったときの体重増加量,飼料摂取量,飼料効率,体重100gあたりの臓器重量を表2,表3に示す。
【0015】
【表2】
Figure 2004321068
【0016】
【表3】
Figure 2004321068
【0017】
いずれにおいても各二群間に有意差はなく、乳酸菌菌体の添加による体重増加および臓器重量比に対する影響は認められなかった。
【0018】
乳酸菌菌体単独投与の血清脂質に及ぼす影響についての結果を表4に示す。
Controlに対し,乳酸菌菌体単独投与の群の各数値には、ほとんど差がなく乳酸菌菌体のみによる影響は観察されなかった。
乳酸菌菌体とセロビオースの同時投与による血清および肝臓脂質への影響について表5に示す。
血清成分に関しては、乳酸菌体とセロビオースを配合のCEL+乳酸菌投与の群の値はCEL投与の群の値と比較して、総脂質、中性脂肪、β−リポタンパクにおいて有意な低値を示した。総コレステロール、コレステロールおよびリン脂質は有意差はないものの低い値を示す傾向がみられた。また肝臓脂質についてもCELと投与の群に対して、乳酸菌体とセロビオースを配合のCEL+乳酸菌投与の群の値は減少する傾向を示し、乳酸菌菌体の単独投与では認められなかった優れた効果現象が観察された。
【0019】
【表4】
Figure 2004321068
【0020】
【表5】
Figure 2004321068
【0021】
以上のことから、実験3における盲腸内容物の短鎖脂肪酸量をHPLC(:有機酸分析システム,島津製作所製)にて、各種細菌菌濃度を16S rDNAプローブを用いた蛍光in situ ハイブリダイゼーション法にて分析した結果を表6に示す。
その結果、乳酸菌体(Lactobacillus rhamnosus)とセロビオースを配合のCEL+乳酸菌の投与の群ではpHの低下と共に酢酸及びプロピオン酸量が有意に増加しており、同時に全細菌、総乳酸菌、該乳酸菌の各菌数が増加し、大腸菌群数が若干低下していた。
【0022】
【表6】
Figure 2004321068
【0023】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明の乳酸菌 (Lactobacillus rhamnosus)菌体とセロビオースを配合せしめた整腸及び脂質代謝促進用肥料食・飼料添加物は、 (a) 整腸効果(ヒトや摂取動物における腸内容物通過時間の短縮と排出物の水分保持性)と共に,水溶性食物繊維がしばしば示す下痢症状の改善効果,及び(b) 血清や肝臓中における体内総脂質濃度低下(脂質代謝昂進)効果を有する。
【0024】
人は様々なストレスから下痢や便秘などを起こす。また、昨今の西欧型食事即ち脂質摂取量過多による肥満とそれに由来する成人病発症が問題となっている。また、ペットなどにおいてはストレスを与える生育環境、不衛生畜舎、投与飼料のインバランスその他を原因とする下痢や便秘などがしばしば引き起こされる。これに対して抗生剤等の予防的投与が行われているがそのような無節操抗生剤の使用は畜産製品への残留の問題と土壌環境中などへの過剰分の放出による抗生物質耐性菌の出現という問題を抱えている。
このような場面においてゆるやかで,しかも常食,過剰摂取に関して問題点が極めて少ないと考えられる本発明品は,特定健康保健食品あるいは機能性ペットフードとしての使用が今後大いに期待される。

Claims (1)

  1. 乳酸菌 (Lactobacillus rhamnosus)菌体とセロビオースを配合比で、1:2.5〜8含有せしめたことを特徴とする整腸及び脂質代謝促進用肥料食・飼料添加物。
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