JP2004320119A - 画像記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低輝度部の画像情報と高輝度部の画像情報とをRAWデータ記録する際にデータ量が大きくなり過ぎるのを防ぐことができる画像記録装置を提供する。
【解決手段】相対的に高感度の主感光画素と相対的に低感度の副感光画素と備えたCCD20を搭載したカメラ50において、操作部64にはRAWデータ記録を行うか否かを選択するためのRAW記録ON/OFFスイッチ65が設けられる。RAWデータ記録を行う場合、副感光画素で撮像した高輝度部画像の情報量をカメラ50がチェックし、情報量が少なかったら自動的に高輝度部の画像情報を記録しないように制御する。また、副感光画素で撮像した高輝度部画像の記録の有無をユーザが選択できるように選択スイッチを設ける態様、或いは、副感光画素で撮像した高輝度部の画像に対してのみ圧縮処理を施す態様がある。
【選択図】 図9
【解決手段】相対的に高感度の主感光画素と相対的に低感度の副感光画素と備えたCCD20を搭載したカメラ50において、操作部64にはRAWデータ記録を行うか否かを選択するためのRAW記録ON/OFFスイッチ65が設けられる。RAWデータ記録を行う場合、副感光画素で撮像した高輝度部画像の情報量をカメラ50がチェックし、情報量が少なかったら自動的に高輝度部の画像情報を記録しないように制御する。また、副感光画素で撮像した高輝度部画像の記録の有無をユーザが選択できるように選択スイッチを設ける態様、或いは、副感光画素で撮像した高輝度部の画像に対してのみ圧縮処理を施す態様がある。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像記録装置に係り、特に広ダイナミックレンジ画像の記録が可能なデジタルスチルカメラなどに好適な画像記録処理技術であって、CCDなどの撮像素子から出力された生のデータ(RAWデータ)をそのまま記録するRAWデータ記録機能に利用される技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルスチルカメラ(DSC)は、撮像素子が捉えた画像情報に対して色々な処理を加え、好ましい画像にした後記録する。記録時には、容量の限られた記録メディアに記録するので、画像を圧縮し、データ量を少なくしてから記録するのが一般的である。これに対し、画像処理を自分なりの手法で行いたいと考えるユーザーのために、撮像素子が捉えた画像情報に処理を加えない、いわゆるRAW画像を記録できるようにしたDSCも一部には存在する。このRAW画像記録は圧縮処理を加えないので、画像データ量が大きくなってしまうという問題がある。
【0003】
一方、特許文献1に記載されているように、一つの画素に感度の異なる第一と第2の撮像セルが構成された撮像素子を備えたカメラも提案されている。これは、シーンの低輝度の情報を高感度の撮像セルで捉えると同時に、高輝度部の情報を低感度の撮像セルで捉え、これら二種類の撮像セルの信号を合成して輝度レンジの広い画像を得るという特徴を有している。
【0004】
【特許文献1】
特公平8−31988号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
高感度の撮像セルと低感度の撮像セルとを備えた撮像素子を用いるカメラの場合も、撮像素子が捉えた画像情報に手を加えないRAW画像を記録しておき、撮影後に色々な画像処理を加えることができるような構成にすることが考えられる。ただし、この場合、高感度の撮像セルで捉えた画像(高感度撮像画)と低感度の撮像セルで捉えた画像(低感度撮像画)との両方をRAW記録することになるので、画像データ量が更に大きいものになる。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、RAW画像記録を行うときに、データ量が大きくなり過ぎるのを防ぐことができる画像記録装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するために、被写体の光学像を電気信号に変換し、相対的に低輝度部の画像情報を得る第1の撮像手段と、前記被写体の光学像を電気信号に変換し、相対的に高輝度部の画像情報を得る第2の撮像手段と、前記第1の撮像手段により取得された低輝度部のRAW画像データ及び前記第2の撮像手段により得られた高輝度部のRAW画像データのうち少なくとも前記低輝度部のRAW画像データを記録部に記録するデータ記録手段、を備えた画像記録装置であって、該画像記録装置は、前記第2の撮像手段により取得された高輝度部の画像情報から当該高輝度部のRAW画像データを前記記録部に記録するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果に従い前記高輝度部のRAW画像データの記録処理を制御する記録制御手段、を備えていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、第1及び第2の撮像手段を介して撮像した画像の生データ(RAW画像データ)を記録する際に、第2の撮像手段によって撮像された画像情報を分析して高輝度部の画像情報を記録する必要性(有効性)について自動的に判定し、記録すべきものと判断した場合には、低輝度部の情報とともに高輝度部のRAW画像データを記録する。その一方、前記判定において記録不要と判断した場合には高輝度部のRAW画像データについては記録を行わず、低輝度部のRAW画像データのみを記録するように制御している。
【0009】
例えば、黒っぽい服装を身につけた人物を黒い壁の前で曇天時に撮影した場合、第2の撮像手段で撮像した高輝度部画像には情報量が少なく、この高輝度部の情報を削除しても最終画像には影響が小さいと考えられる。したがって、撮影したシーンから高輝度部の情報量が少ないと判断された場合には、高輝度部のRAW画像データを記録しないという制御態様が採用される。
【0010】
こうして、最終画像の画質にあまり影響しないレベルの高輝度部の情報を記録しないことによって、データ量が削減され、限られた容量の記録部に記録可能なショット数(画像数)を増やすことができる。
【0011】
前記判定手段は、予め定められた判定条件の情報を保持する条件格納手段と、前記高輝度部の画像情報を分析して前記判定条件と対比する演算手段と、を含む態様がある。
【0012】
また、本発明の画像記録装置において、前記判定手段と記録制御手段とによる高輝度部RAW画像データの自動記録制御を行うか否かを切り替える切替手段を備える態様も好ましい。
【0013】
更にまた、撮影した画像について所定の信号処理を施し汎用的なファイル形式に変換してデータを記録するモード(通常記録モード)と、撮影した画像のRAWデータを記録するモード(RAWデータ記録モード)と、を切り替えるモード切替手段を備える態様も好ましい。
【0014】
本発明の他の態様によれば、被写体の光学像を電気信号に変換し、相対的に低輝度部の画像情報を得る第1の撮像手段と、前記被写体の光学像を電気信号に変換し、相対的に高輝度部の画像情報を得る第2の撮像手段と、前記第1の撮像手段により取得された低輝度部のRAW画像データ及び前記第2の撮像手段により得られた高輝度部のRAW画像データのうち少なくとも前記低輝度部のRAW画像データを記録部に記録するデータ記録手段と、を備えた画像記録装置であって、該画像記録装置は、前記第2の撮像手段により取得された高輝度部のRAW画像データを前記記録部に記録するか否かを選択的に指定する選択操作手段と、前記選択操作手段の指定に従い前記高輝度部のRAW画像データの記録処理を制御する記録制御手段と、を備えていることを特徴とする。
【0015】
RAW画像記録が可能な画像記録装置を使用するユーザは写真に親しんでいる人が多く、撮影したシーンが高輝度部すなわち画像のハイライト情報を多く含んでいるかどうか、高輝度部を削除しても最終画像には影響が小さいかどうかを判断できる場合も多いと考えられる。本発明では、RAW画像記録を行う際、第2の撮像手段で撮像した高輝度部画像の記録の有無をユーザが選択できるように構成されており、ユーザ自身が高輝度部の記録の必要性を判断して、記録の要否を指定できる。これにより、最終画像の画質にあまり影響しないと思われるレベルの高輝度部の情報記録を省略することが可能となり、データ量が過大になるのを防ぐことができる。
【0016】
また、上記態様の画像記録装置において、撮影実行の指示を入力する撮影指示入力手段と、前記撮影指示入力手段からの指示に基づいて前記第1及び第2の撮像手段による撮像動作が行われた後に、当該撮像動作で取得される前記高輝度部のRAW画像データについて記録処理を行うか否かの指定の入力を促す情報を提示する情報提示手段と、を備えていることを特徴とする態様がある。
【0017】
撮影指示入力手段から与えられる撮影開始の指示の入力に応動して前記第1及び第2の撮像手段による撮像が行われる。この撮像動作の後(好ましくは直後)に、ユーザに対して高輝度部の記録可否を尋ねる情報を提示して、記録可否の指示を受け付け、ユーザからの指示に従って高輝度部の情報を記録し、或いは記録しないという制御を行う。なお、撮影指示入力手段から撮影開始の指示を入力する前に、高輝度部のRAW画像データの記録の要否をユーザが指定する態様もある。
【0018】
本発明の更に他の態様に係る画像記録装置は、被写体の光学像を電気信号に変換し、相対的に低輝度部の画像情報を得る第1の撮像手段と、前記被写体の光学像を電気信号に変換し、相対的に高輝度部の画像情報を得る第2の撮像手段と、前記第2の撮像手段により取得された高輝度部のRAW画像データを圧縮する圧縮処理手段と、前記第1の撮像手段により取得された低輝度部のRAW画像データを非圧縮で記録部に記録するとともに、前記圧縮処理手段によって圧縮された高輝度部のRAW画像データを前記記録部に記録するデータ記録手段、を備えていることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、RAW画像記録を行う際、第2の撮像手段で撮像した高輝度部の画像に対して圧縮をかける。高輝度部は画像中のハイライト情報なので、圧縮/伸長の過程を経ても最終画像には影響が小さいと考えられる。
【0020】
圧縮によってデータ量を削減することができ、かつ画質への影響も少ないという利点がある。
【0021】
上記態様の画像記録装置において更に、前記高輝度部のRAW画像データを圧縮するか否かを選択的に指定する選択操作手段と、前記選択操作手段の指定に従い前記圧縮処理手段における前記高輝度部のRAW画像データの圧縮処理を制御する圧縮制御手段と、を備えていることを特徴とする態様がある。
【0022】
また、本発明の更に他の態様として、前記記録部の空き容量を検出する手段を備え、この空き容量検出手段の検出情報に基づき、前記記録部の空き容量が所定の判定基準値よりも小さくなったと判断した場合に、例えば、▲1▼前記高輝度部のRAW画像データの記録の可否を自動判定する制御を行う態様、▲2▼前記高輝度部のRAW画像データの記録の可否をユーザに問い合わせる態様、▲3▼前記高輝度部のRAW画像データについて圧縮処理を行う態様、▲4▼前記高輝度部のRAW画像データについて圧縮処理の可否をユーザに問い合わせる態様−などがある。なお、これら▲1▼〜▲4▼の各態様を適宜組み合わせることも可能である。
【0023】
本発明の他の態様は、相対的にダイナミックレンジが狭い高感度の主感光画素と、相対的にダイナミックレンジの広い低感度の副感光画素とが所定の配列形態に従って多数配置され、一度の露光で前記主感光画素及び前記副感光画素からそれぞれ画像信号を取り出すことができる構造を有する撮像素子が用いられ、前記主感光画素は前記第1の撮像手段として機能し、前記副感光画素は前記第2の撮像手段として機能することを特徴とする。
【0024】
この態様に用いる撮像素子は、主感光画素と副感光画素とを組み合わせた複合画素の構造を有している。主感光画素と副感光画素とは光学的に同位相の情報を取得することができ、一回の撮像によってダイナミックレンジの異なる2つの画像情報を取得することができる。
【0025】
本発明の画像記録装置における一態様として、前記撮像素子は、各受光セルが少なくとも前記主感光画素及び前記副感光画素を含む複数の受光領域に分割された構造を有し、各受光セル上方には同一受光セル内の前記主感光画素及び前記副感光画素について同一の色成分のカラーフィルタが配置されるとともに、各受光セルにはそれぞれ1つの受光セルに対して1つのマイクロレンズが設けられていることを特徴とする。
【0026】
かかる構造の撮像素子は、同一受光セル(画素セル)内の主感光画素と副感光画素の画素位置は略同一の位置にあるものとして取り扱うことができる。したがって、時間的に同位相で空間的にも略同位置の2つの画像情報を一回の撮像で取得することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
【0028】
〔撮像素子の構造〕
まず、本発明が適用される電子カメラに用いられる広ダイナミックレンジ撮像用の撮像素子の構造について説明する。図1はCCDイメージセンサ(以下、CCDという。)20の受光面の構造例を示す平面図である。図1では2つの受光セル(画素PIX)が横に並んでいる様子を示すが、実際には多数の画素PIXが水平方向(行方向)及び垂直方向(列方向)に一定の配列周期で配列されている。
【0029】
各画素PIXは、感度の異なる2つのフォトダイオード領域21、22を含む。第1のフォトダイオード領域21は、相対的に広い面積を有し、主たる感光部(以下、主感光画素という)を構成する。第2のフォトダイオード領域22は、相対的に狭い面積を有し、従たる感光部(以下、副感光画素という。)を構成する。画素PIXの右側には垂直転送路(VCCD)23が形成されている。
【0030】
図1に示した構成はハニカム構造の画素配列であり、図示した2つの画素PIX上側及び下側には不図示の画素が横方向に半ピッチずれた位置に配置される。図1上に示した各画素PIXの左側に示されている垂直転送路23は、これら画像PIXの上側及び下側に配置される不図示の画素からの電荷を読み出し、転送するためのものである。
【0031】
図1中点線で示すように、四相駆動(φ1,φ2,φ3,φ4)に必要な転送電極24、25、26、27(まとめてELで示す。)が垂直転送路23の上方に配置される。例えば、2層ポリシリコンで転送電極を形成する場合、φ1 のパルス電圧が印加される第1の転送電極24と、φ3 のパルス電圧が印加される第3の転送電極26とは第1層ポリシリコン層で形成され、φ2 のパルス電圧が印加される第2の転送電極25と、φ4 のパルス電圧が印加される第4の転送電極27とは第2層ポリシリコン層で形成される。なお、転送電極24は副感光画素22から垂直転送路23への電荷読み出しも制御する。転送電極25は主感光画素21から垂直転送路23への電荷読み出しも制御する。
【0032】
図2は図1の2−2線に沿う断面図であり、図3は図1の3−3線に沿う断面図である。図2に示したように、n型半導体基板30の一表面にp型ウエル31が形成されている。p型ウエル31の表面領域に2つのn型領域33、34が形成され、フォトダイオードを構成している。符号33で示したn型領域のフォトダイオードが主感光画素21に相当し、符号34で示したn型領域のフォトダイオードが副感光画素22に相当している。p+ 型領域36は、画素PIX、垂直転送路23等の電気的な分離を行うチャネルストップ領域である。
【0033】
図3に示すように、フォトダイオードを構成するn型領域33の近傍に垂直転送路23を構成するn型領域37が配置されている。n型領域33、37の間のp型ウエル31が読み出しトランジスタを構成する。
【0034】
半導体基板表面上には酸化シリコン膜等の絶縁層が形成され、その上にポリシリコンで形成された転送電極ELが形成される。転送電極ELは、垂直転送路23の上方を覆うように配置されている。転送電極ELの上に、更に酸化シリコン等の絶縁層が形成され、その上に垂直転送路23等の構成要素を覆い、フォトダイオード上方に開口を有する遮光膜38がタングステン等により形成されている。
【0035】
遮光膜38を覆うようにホスホシリケートガラス等で形成された層間絶縁膜39が形成され、その表面が平坦化されている。層間絶縁膜39の上にカラーフィルタ層(オンチップカラーフィルタ)40が形成されている。カラーフィルタ層40は、例えば赤色領域、緑色領域、及び青色領域等の3色以上の色領域を含み、各画素PIXについて一色の色領域が割り当てられている。
【0036】
カラーフィルタ層40の上に各画素PIXに対応してマイクロレンズ(オンチップマイクロレンズ)41がレジスト材料等により形成されている。マイクロレンズ41は、各画素PIXの上に1つ形成されており、上方より入射する光を遮光膜38が画定する開口内に集光させる機能を有する。
【0037】
マイクロレンズ41を介して入射した光は、カラーフィルタ層40によって色分解され、主感光画素21及び副感光画素22の各フォトダイオード領域にそれぞれ入射する。各フォトダイオード領域に入射した光は、その光量に応じた信号電荷に変換され、それぞれ別々に垂直転送路23に読み出される。
【0038】
主感光画素21と副感光画素22とは光学的に同位相の情報を取得することができ、同一画素セル20内の主感光画素21と副感光画素22の画素位置は略同一の位置にあるものとして取り扱うことができる。
【0039】
こうして、1つの画素PIXから感度の異なる2種類の画像信号(高感度画像信号と低感度画像信号)と別々に取り出すことが可能であり、光学的に同位相の画像信号を得る。
【0040】
図4は、CCD20の受光領域PS内の画素PIX及び垂直転送路23の配置を示す。画素PIXは、セルの幾何学的な形状の中心点を行方向及び列方向に1つおきに画素ピッチの半分(1/2ピッチ)ずらして配列させたハニカム構造となっている。すなわち、互いに隣接する画素PIXの行どうし(又は列どうし)において、一方の行(又は列)のセル配列が、他方の行(又は列)のセル配列に対して行方向(又は列方向)の配列間隔の略1/2だけ相対的にずれて配置された構造となっている。
【0041】
図4において画素PIXが配列された受光領域PSの右側には、転送電極ELにパルス電圧を印加するVCCD駆動回路44が配置される。各画素PIXは上述のように主感光画素21と副感光画素22とを含む。垂直転送路23は各列に近接して蛇行して配置されている。
【0042】
また、受光領域PSの下側(垂直転送路23の下端側)には、垂直転送路23から移された信号電荷を水平方向に転送する水平転送路(HCCD)45が設けられている。
【0043】
水平転送路45は、2相駆動の転送CCDで構成されており、水平転送路45の最終段(図4上で最左段)は出力部46に接続されている。出力部46は出力アンプを含み、入力された信号電荷の電荷検出を行い、信号電圧として出力端子に出力する。こうして、各画素PIXで光電変換した信号が点順次の信号列として出力される。
【0044】
図5にCCD20の他の構造例を示す。図5は平面図、図6は図5の6−6線に沿う断面図である。これらの図面中図1及び図2に示した例と同一又は類似の部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0045】
図5及び図6に示したように、主感光画素21と副感光画素22の間にp+ 型分離領域48が形成されている。この分離領域48はチャネルストップ領域(チャネルストッパ)として機能し、フォトダイオード領域の電気的な分離を行う。また、分離領域48の上方には分離領域48に対応した位置に遮光膜49が形成されている。
【0046】
遮光膜49と分離領域48とを用いることにより、入射する光を効率的に分離するとともに、主感光画素21及び副感光画素22に蓄積された電荷がその後混合することを防止する。その他の構成は図1及び図2に示した例と同様である。
【0047】
また、画素PIXのセル形状や開口形状は図1や図5に示した例に限定されず、多角形、円形など多様な形態をとり得る。更に、各受光セルの分離形状(分割形態)についても、図1や図5に示した形状に限定されない。
【0048】
図7にCCD20の更に他の構造例を示す。図7中図1及び図5に示した例と同一又は類似の部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。図7は、2つの感光部(21、22)が斜め方向に分離されている構成を示す。
【0049】
このように、それぞれの分割感光エリアで蓄積された電荷を別々に垂直転送路に読み出すことができればよく、分割形状や分割数、面積の大小関係などは適宜設計される。ただし、副感光画素の面積を主感光画素の面積に比べて小さい値とする。また、主感光部の面積減少を抑制し、感度低下を最小限に抑えることが好ましい。
【0050】
図8は、主感光画素21と副感光画素22の光電変換特性を示すグラフである。横軸は入射光量、縦軸はA/D変換後の画像データ値(QL値)を示す。本例では12ビットデータを例示するが、ビット数はこれに限定されない。
【0051】
同図に示すように、主感光画素21と副感光画素22の感度比は1:1/aとなっている(ただし、a>1、本例ではa=16)。主感光画素21の出力は、入射光量に比例して次第に増加し、入射光量が「c」のときに出力が飽和値(QL値=4095)に達する。以後、入射光量が増加しても主感光画素21の出力は一定となる。この「c」を主感光画素21の飽和光量と呼ぶことにする。
【0052】
一方、副感光画素22の感度は、主感光画素21の感度の1/aであり、入射光量がα×cのときにQL値=4095/bで飽和する(ただし、b>1,α=a/b、本例ではb=4,α=4)。このときの「α×c」を副感光画素22の飽和光量と呼ぶ。
【0053】
このように、異なる感度と飽和を持つ主感光画素21と副感光画素22とを組み合わせることにより、主感光画素のみの構成よりもCCD20のダイナミックレンジをα倍に拡大できる。本例では感度比1/16、飽和比1/4でダイナミックレンジを約4倍に拡大している。主感光画素のみを使用する場合の最大ダイナミックレンジを100%とするとき、本例では副感光画素を活用することによって最大で約400%までダイナミックレンジが拡大される。
【0054】
上述したように、CCD等の撮像素子ではRGB又はC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)等のカラーフィルタを通してフォトダイオードで受けた光を前記信号に変える。このうち、どれだけの光の情報に対して信号が得られるかはレンズを含めた光学系、CCD感度及び飽和に依存する。相対的に感度は高いが蓄積可能な電荷量が少ない素子と、相対的に感度は低いが蓄積可能な電荷量が大きい素子とでは、後者の方が入射される光の強弱が強い場合に対しても適切な信号を供することが可能であり、ダイナミックレンジが広い。
【0055】
光の強弱に対してどのように応答可能かを設定する手段としては、▲1▼フォトダイオードに入る光の量を調整する、▲2▼光を受けて電圧に変えるソースフォロアのアンプゲインを変える、などの態様がある。▲1▼の場合は、フォトダイオードに対し、上層部にあるマイクロレンズの光透過特性や相対位置関係によって調整できる。その一方、蓄積できる電荷量としては、フォトダイオードの大きさ等で決定される。図1乃至図7で説明したように、大きさの異なる2つのフォトダイオード(21、22)を並べることにより、異なる光のコントラスト比に対して応答可能な信号を得ることができ、更にこれらの2つのフォトダイオード(21、22)の感度を調整することで、最終的に広いダイナミックレンジを有する撮像デバイス(CCD20)を実現できる。
【0056】
〔広ダイナミックレンジ撮像可能なカメラの例〕
次に、上述した広ダイナミックレンジ撮像用のCCD20を搭載した電子カメラについて説明する。
【0057】
図9は本発明の実施形態に係る電子カメラの構成を示すブロック図である。このカメラ50は、撮像素子51として上記のCCD20が搭載されており、CCD20を介して撮像した被写体の光学像をデジタル画像データに変換して記録メディアなどの画像記録部52に記録するデジタルカメラである。
【0058】
カメラ50は表示部54を備えており、撮像中の映像や記録した画像データの再生画像等を表示部54に表示させることができる。
【0059】
カメラ50全体の動作は、カメラ内蔵の中央処理装置(CPU)56によって統括制御される。 CPU56は、所定のプログラムに従って本カメラシステムを制御する制御手段として機能するとともに、自動露出(AE)演算、自動焦点調節(AF)演算、及びオートホワイトバランス(AWB)制御など各種演算を実施する演算手段として機能する。
【0060】
CPU56は不図示のバスを介してメモリ60と接続されている。メモリ60は、CPU56が実行するプログラム及び制御に必要な各種データなどが格納される不揮発性メモリ(ROM)領域と、プログラムの展開領域及びCPU56の演算作業用領域として利用される揮発性メモリ(RAM)領域とを含むブロックである。RAM領域は、画像データの一時記憶領域としても利用される。また、メモリ60はRAW記録条件格納領域61を有し、この領域61には、RAW記録時の高輝度部自動カット判定に用いる条件データなどRAW画像記録に関する条件データが格納されている。
【0061】
表示部54には、例えば、カラー液晶ディスプレイが用いられている。なお、液晶ディスプレイに代えて、有機ELなど他の方式の表示装置(表示手段)を用いてもよい。表示部54は、撮影時に画角確認用の電子ファインダーとして使用できるとともに、記録済み画像を再生表示する手段、或いは記録前の画像内容を確認するプレビュー表示の手段として利用される。また、表示部54は、ユーザインターフェース用表示画面としても利用され、必要に応じてメニュー情報や選択項目、設定内容などの情報が表示される。
【0062】
カメラ50にはユーザが各種の指令を入力するための操作部64が設けられている。操作部64は、シャッタボタン、ズームスイッチ、モード切換スイッチなど各種操作部を含む。シャッタボタンは、撮影開始の指示を入力する操作手段であり、半押し時にONするS1 スイッチと、全押し時にONするS2 スイッチとを有する二段ストローク式のスイッチで構成されている。S1 オンにより、AE及びAF処理が行われ、S2 オンによって記録用の露光が行われる。ズームスイッチは、撮影倍率や再生倍率を変更するための操作手段である。モード切換スイッチは、撮影モードと再生モードとを切り替えるための操作手段である。
【0063】
また、操作部64には、上記の他、撮影目的に応じて最適な動作モード(連写モード、オート撮影モード、マニュアル撮影モード、人物モード、風景モード、夜景モードなど)を設定する撮影モード設定手段、表示部54にメニュー画面を表示させるメニューボタン、メニュー画面から所望の項目を選択する十字ボタン(カーソル移動操作手段)、選択項目の確定や処理の実行を指令するOKボタン、選択項目など所望の対象の消去や指示内容の取消し、或いは1つ前の操作状態に戻らせる指令を入力するキャンセルボタン、表示部54のON/OFFや表示方法の切り替え、或いはオンスクリーンディスプレイ(OSD)の表示/非表示切り替えなどを行うための表示ボタン、RAW記録ON/OFFスイッチ65、高輝度部のRAW記録自動カットON/OFFスイッチ66などの操作手段も含まれる。
【0064】
RAW記録ON/OFFスイッチ65は、RAWデータの記録を行うか否かの選択を行うための操作スイッチである。このスイッチ65によって、RAWデータ記録モードと、通常の画像記録モード(所定の信号処理アルゴリズムに従って画像信号の処理を施したデータを記録するモード)とを適宜切り替えることができる。
【0065】
通常の画像記録モードは、撮影した画像データに対してカメラ内部で様々な処理を施し、JPEGやTIFFなどに代表される汎用的な画像ファイル形式に変換してデータを記録するモードである。このモードで記録された画像データは、一般的な画像ビューワ(画像閲覧ソフトウェア等) によって簡単に閲覧・管理できるという利点があるが、この汎用的な画像ファイル形式で記録したものは、後処理の工程で画像の加工をする際の自由度が低いという制約がある。
【0066】
これに対し、RAWデータ記録モードは、CCD20から出力された生のデータをそのまま記録するモードである。このモードで記録されるRAW画像データは、画像処理用のアプリケーションソフトウェア等のツールを用いることによって、豊富な階調を損なうことなく、高品位かつ柔軟性の高いデータ加工が可能である。したがって、大型プリントや高品位印刷などのように画像の使用目的や撮影者の表現意図に応じた画像処理作業を行う場合に適している。
【0067】
RAW記録自動カットON/OFFスイッチ66は、RAWデータ記録モード下で高輝度部画像情報の記録の必要性を自動判定して高輝度部の記録を実行したり、記録を省略したりする制御を行う自動カットモードのON/OFFを選択するための操作スイッチである。
【0068】
なお、操作部64の中には、プッシュ式のスイッチ部材、ダイヤル部材、レバースイッチなどの構成によるものに限らず、メニュー画面から所望の項目を選択するようなユーザインターフェースによって実現されるものも含まれている。
【0069】
操作部64からの信号はCPU56に入力される。CPU56は操作部64からの入力信号に基づいてカメラ50の各回路を制御し、例えば、レンズ駆動制御、撮影動作制御、CCD20からの電荷読出制御、画像処理制御、画像データの記録/再生制御、画像記録部52内のファイル管理、画像記録部52の容量管理(空き容量の検出を含む)、表示部54の表示制御などを行う。
【0070】
次に、カメラ50の撮影機能について説明する。
【0071】
カメラ50の撮像部には、撮影レンズ70と、絞り71と、メカシャッタ72と、撮像素子51とが設けられている。本例では撮像素子51としてCCD20を用いているが、CCD20に代えて、MOS型固体撮像素子など他の方式の撮像素子を用いることも可能である。
【0072】
撮影レンズ70は電動式のズームレンズで構成されており、詳細な光学構成については図示しないが、主として倍率変更(焦点距離可変)作用をもたらす変倍レンズ群及び補正レンズ群と、フォーカス調整に寄与するフォーカスレンズとを含む。
【0073】
撮影者によって操作部64のズームスイッチが操作されると、そのスイッチ操作に応じてCPU56からレンズ駆動部74に対して光学系制御信号が出力される。レンズ駆動部74は、CPU56からの制御信号に基づいてレンズ駆動用の信号を生成し、モータ(不図示)に与える。こうして、モータが作動し、撮影レンズ70内の変倍レンズ群及び補正レンズ群が光軸に沿って前後移動することにより、撮影レンズ70の焦点距離(光学ズーム倍率)が変更される。
【0074】
撮影レンズ70を通過した光は、絞り71及びメカシャッタ72を介してCCD20の受光面に入射する。CCD20の受光面には多数のフォトセンサ(受光素子)が平面的に配列され、各フォトセンサに対応して赤(R)、緑(G)、青(B)の原色カラーフィルタが所定の配列構造で配置されている。なお、RGBカラーフィルタに代えて、CMY等のカラーフィルタを用いることもできる。
【0075】
CCD20の受光面に結像された被写体像は、各フォトセンサによって入射光量に応じた量の信号電荷に変換される。CCD20は、シャッタゲートパルスのタイミングによって各フォトセンサの電荷蓄積時間(シャッタスピード)を制御する電子シャッタ機能を有している。
【0076】
CCD20の各フォトセンサに蓄積された信号電荷は、CPU56の指令に従い撮像素子駆動部76から与えられるパルス(水平駆動パルスφH,垂直駆動パルスφV,オーバーフロードレインパルス)に基づいて信号電荷に応じた電圧信号(画像信号)として順次読み出される。CCD20から出力された画像信号は、A/D変換器77によってデジタル信号に変換された後、信号処理部78に送られる。
【0077】
信号処理部78は、メモリ60の読み書きを制御するメモリコントローラを兼ねたデジタル信号処理ブロックである。信号処理部78は、AE/AF/AWB処理を行うオート演算部、ホワイトバランス回路、ガンマ変換回路、同時化回路(単板CCDのカラーフィルタ配列に伴う色信号の空間的なズレを補間して各点の色を計算する処理回路)、輝度・色差信号生成回路、輪郭補正回路、コントラスト補正回路、圧縮伸張回路、表示用信号生成回路等を含む画像処理手段であり、CPU56からのコマンドに従ってメモリ60を活用しながら画像信号を処理する。
【0078】
A/D変換後にメモリ60に格納されたデータ(CCDRAWデータ)は、バスを介して信号処理部78に送られる。信号処理部78に送られた画像データは、ホワイトバランス調整処理、ガンマ変換処理、輝度信号(Y信号)及び色差信号(Cr,Cb 信号)への変換処理(YC処理)など、所定の信号処理が施された後、メモリ60に格納される。
【0079】
撮影画像を表示部54にモニタ出力する場合、メモリ60から画像データが読み出され、信号処理部78の表示変換回路に送られる。表示変換回路に送られた画像データは表示用の所定方式の信号(例えば、NTSC方式のカラー複合映像信号)に変換された後、表示部54に出力される。CCD20から出力される画像信号によってメモリ60内の画像データが定期的に書き換えられ、その画像データから生成される映像信号が表示部54に供給されることにより、撮像中の映像(スルー画)がリアルタイムに表示部54に表示される。撮影者は表示部54に映し出されるスルー画の映像によって画角(構図)を確認できる。
【0080】
撮影者が画角を決めてシャッタボタンを押下すると、CPU56はこれを検知し、シャッタボタンの半押し(S1 =ON)に応動してAE処理及びAF処理などの撮影準備動作を行い、シャッタボタンの全押し(S2 =ON)に応動して記録用の画像を取り込むためのCCD露光及び読み出し制御を開始する。
【0081】
すなわち、CPU56は、S1 =ONに応動して取り込まれた画像データから焦点評価演算やAE演算などの各種演算を行い、その演算結果に基づいてレンズ駆動部74に制御信号を送り、不図示のAFモータを制御してフォーカスレンズを合焦位置に移動させる。
【0082】
また、オート演算部のAE演算部は撮影画像の1画面を複数のエリア(例えば、8×8)に分割し、分割エリアごとにRGB信号を積算する回路を含み、その積算値をCPU56に提供する。RGBの各色信号について積算値を求めてもよいし、これらのうちの一色(例えば、G信号)のみについて積算値を求めてもよい。
【0083】
CPU56は、AE演算部から得た積算値に基づいて重み付け加算を行い、被写体の明るさ(被写体輝度)を検出し、撮影に適した露出値(撮影EV値)を算出する。
【0084】
CPU56は、上述のAE演算結果に基づいて絞りとシャッタスピードを決定する。そして、CPU56は、S2 =ONに応動して、絞り駆動部79及びシャッタ駆動部80を制御し、記録用画像取得時の露光量を制御する。
【0085】
本例のカメラ50は、スルー画中は主感光画素21のみからデータの読み出しを行い、主感光画素21の画像信号からスルー画用の画像を作成する。また、シャッタボタンのS1 =ONに伴うAE処理及びAF処理は主感光画素21から得られる信号に基づいて行われる。そして、広ダイナミックレンジ撮像を行う撮影モードが選択されている場合、又は、AEの結果(ISO感度や測光値)又はホワイトバランスゲイン値などに基づき自動的に広ダイナミックレンジ撮像モードが選択された場合には、シャッタボタンのS2 =ONに応動してCCD20の露光を行い、露光後にメカシャッタ72を閉じて光の進入を遮断した状態で垂直駆動信号(VD)に同期して、まず、主感光画素21の電荷を読み出し、その後、副感光画素22の電荷の読み出しを行う。このように、一回の撮像によってダイナミックレンジの異なる2つの画像情報を取得することができる。
【0086】
なお、図9には示されていないが、カメラ50はストロボ装置を有している。ストロボ装置は、発光部としての放電管(例えば、キセノン管)、トリガー回路、放電用エネルギーを蓄積するメインコンデンサ及びその充電回路などを含むブロックである。CPU56は必要に応じてストロボ装置にコマンドを送り、ストロボ装置の発光を制御する。
【0087】
こうして、シャッタボタンの全押し(S2 =ON)に応動して取り込まれた画像データは、信号処理部78においてYC処理その他の所定の信号処理を経た後、必要に応じて所定の圧縮フォーマット(例えば、JPEG方式) に従って圧縮され、メディアインターフェース部(図9中不図示)を介して画像記録部52に記録される。圧縮形式はJPEGに限定されず、MPEGその他の方式を採用してもよい。
【0088】
本カメラ50は、上記通常の画像記録(圧縮画像の記録)に代えて、又はこれと併せて、非圧縮画像データを記録したり、或いは、同時化やYC処理などの信号処理を施さないRAWデータを記録したりすることができる。
【0089】
RAWデータを記録するモードの場合も、そのデータに基づいて通常の画像生成処理が施され、間引き処理によって縮小画像(サムネイル画像)のデータが生成され、RAWデータとともにサムネイル画像のデータが記録ファイル(例えばヘッダー部)に格納される。
【0090】
画像データを保存する手段は、xDピクチャーカード(商標)、スマートメディア(商標)、コンパクトフラッシュ(商標)などで代表される半導体メモリカード、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスクなど、種々の媒体を用いることができる。また、リムーバブルメディアに限らず、カメラ50に内蔵された記録媒体(内部メモリ)であってもよい。
【0091】
操作部64のモード選択スイッチによって再生モードが選択されると、画像記録部52に記録されている最終の画像ファイル(最後に記録したファイル)が読み出される。画像記録部52から読み出された画像ファイルのデータは、信号処理部78において伸張処理その他の必要な処理が施された後、表示用の信号に変換されて表示部54に出力される。
【0092】
再生モードの一コマ再生時に十字ボタンを操作することにより、順方向又は逆方向にコマ送りすることができ、コマ送り指定に係る次のファイルが画像記録部52から読み出され、表示画像が更新される。なお、再生対象ファイルがRAWデータ記録されたファイルの場合には、ファイルのヘッダー部に格納されているサムネイル画像のデータが再生表示されるようになっている。
【0093】
図10は信号処理部78における信号処理フローを示した要部ブロック図である。CCD20の高感度画素(主感光画素)から読み出された画像信号は、相対的に低輝度部の情報を示している。また、CCD20の低感度画素(副感光画素)から読み出された画像信号は、相対的に高輝度部の情報を示している。
【0094】
図示のとおり信号処理部78は、ゲイン調整回路81,82と、ガンマ補正回路83,84と合成・圧縮回路85と、を含む。
【0095】
ゲイン調整回路81,82は、R,G,Bの色信号のレベルを増減するためのゲイン可変アンプを含み、CPU56からの指令に基づいて各色信号のゲイン調整を行う。ゲイン調整回路81,82にてゲイン処理された信号は、ガンマ補正回路83,84に送られる。
【0096】
ガンマ補正回路83,84は、CPU56の指令に従い、所望のガンマ特性となるように入出力特性を変換する。ガンマ補正回路83,84から出力された信号は合成・圧縮回路85に送られる。
【0097】
合成・圧縮回路85は、低輝度部の画像データに係数を乗算する乗算部と、高輝度部の画像データに係数を乗算する乗算部と、係数乗算後の低感度部画像データと高感度部画像データとを加算(合成)する加算部と、加算部から得られた合成画像データから画像生成(YC処理など)や各種補正を行う信号変換部と、信号変換部にて生成された画像データを圧縮する圧縮部と、を含む処理ブロックである。なお、低感度部の画像データ及び高感度部の画像データに乗算される各係数(加算割合を示す係数)はCPU56によって可変設定される。
【0098】
広ダイナミックレンジ画像の記録を行う場合、CCD20の主感光画素から得られた低輝度部の画像情報は、ゲイン調整回路81においてゲイン調整がなされた後、ガンマ補正回路83にてガンマ補正されて合成・圧縮回路85に送られる。
【0099】
続いて、CCD20の副感光画素から得られた高輝度部の画像情報は、ゲイン調整回路においてゲイン調整がなされた後、ガンマ補正回路84にてガンマ補正されて合成・圧縮回路85に送られる。
【0100】
低輝度部の画像情報と高輝度部の画像情報は、合成・圧縮回路85にて合成されるとともに、所要の信号処理が施されて画像生成が行われる。その後、所定の圧縮フォーマットに従って圧縮され、画像記録部52へ送られる。
【0101】
その一方、RAWデータ記録モードが選択されている場合においては、上記のゲイン調整などの信号処理が省略され、低輝度部のRAWデータ及び高輝度部のRAWデータがそれぞれ画像記録部52に送られ、別々のファイルとして記録保存される。
【0102】
RAWデータ記録モードでは、既述のとおり、CCD20から出力された画像信号のA/D変換出力がそのまま(未加工のまま)記録される。すなわち、RAWデータは、ガンマ変換、ホワイトバランス調整、同時化(単板CCDのカラーフィルタ配列に伴う色信号の空間的なズレを補間して各点の色を計算する処理)などの信号処理が行われていない生の画像データである。ただし、「未加工のデータ」といっても、一切の信号処理を排除するものではなく、例えば、撮像素子の欠陥画素(キズ)のデータを補間する欠陥画素補正処理を行って得られた画像データ、或いは更にゲイン調整のみを実施したデータなどについても、汎用フォーマットに変換されていないという点でRAWデータの概念に含まれるものとする。
【0103】
RAWデータ記録モードによって取得された低輝度部画像データのファイルと高輝度部画像データのファイルは相互に関連付けられて記録される。二つのファイルの関連性を確保する関連付けの方法としては、例えば、ファイル名の一部を共通化して他の一部を変更する態様、同じファイル名で拡張子を変更する態様、関連付け情報をファイルの付属情報(例えば、タグ情報)として記録する態様、或いはこれらの組み合わせなどがある。
【0104】
RAWデータの再生時には上記の関連付けに従って2つのファイルを読み出すことが可能である。低輝度部画像データと高輝度部画像データとを利用することにより、輝度レンジの広い画像の再現が可能となる。なお、本発明の実施に際しては、低輝度部画像データのファイルと高輝度部画像データのファイルとを別ファイルで保存する態様に限定されず、低輝度部のRAWデータと高輝度部のRAWデータを1つのファイルにまとめて記録する態様もあり得る。
【0105】
上記の如く構成されたカメラ50の動作について説明する。
【0106】
図11及び図12は、カメラ50における撮影モード時の制御手順を示すフローチャートである。
【0107】
撮影モードを選択した状態でカメラ電源をONしたとき、又は電源ONの状態で再生モードから撮影モードに切り替えられたときに、図11の制御フローがスタートする。
【0108】
撮影モードの処理がスタートすると(ステップS100)、CPU56は所定の初期処理を行った後にレリーズ操作を受け付ける(ステップS110)。CPU56はシャッタボタンからの信号入力を監視し、S1 スイッチがONしたか否かの判定を行う(ステップS112)。S1 スイッチがOFFの状態であれば、ステップS110に戻り、撮影指示の入力を待機する。
【0109】
その後、撮影者によってシャッタボタンが押され、撮影準備の指示が入力されると(CPU56がS1 =ONを検出すると)、ステップS114に進み、AE及びAF処理を行う。AE処理によって撮影条件が決定され、AF処理によってフォーカス調整が行われる。
【0110】
その後、CPU56はシャッタボタンのS2 スイッチからの信号入力を判定する(ステップS116)。ステップS116でS2 スイッチがONしていない場合は、S1 が解除されたか否かを判定する(ステップS118)。ステップS118でS1 が解除されていれば、ステップS110に戻り、撮影指示の入力待ち状態になる。
【0111】
一方、ステップS118でS1 が解除されていなければステップS116に戻り、撮影スタンバイ状態のままS2 =ONの入力を待機する。ステップS118においてS2 =ONの入力が検出されると、ステップS120に進み、記録用画像を取得するための撮影動作(CCD露光)が実行される。
【0112】
露光後メカシャッタを閉じて、まず、主感光画素21から信号の読み出しが行われ(ステップS122)、その画像データ(主感光部データ)はメモリ60に記憶される。
【0113】
次に、副感光画素22から信号の読み出しが行われ(ステップS124)、その画像データ(副感光部データ)はメモリ60に記憶される。
【0114】
次いで、CPU56は、RAWデータ記録モードが選択されているか否かの判定を行う(ステップS126)。この判定は、操作部64のRAW記録ON/OFFスイッチ65の状態に基づいて行われる。ステップS126においてNO判定、すなわち、通常の記録モードが選択されている場合には、ステップS128に進む。
【0115】
ステップS128では、主感光画素21から得られたデータ(低輝度部の信号)を処理し、ゲイン調整やガンマ補正などを行う(図10参照)。
【0116】
また、副感光画素22から得られたデータ(高輝度部の信号)についても、図10で説明したように、ゲイン調整やガンマ補正などの信号処理を行う(図11のステップS130)。
【0117】
その後、ステップS128で得られた低輝度画像データとステップS130で得られた高輝度画像データとを合成して一枚の広ダイナミックレンジ画像を生成するとともに、その画像データを圧縮して(ステップS132)、画像記録部52に保存する(ステップS134)。こうして、合成処理された画像が画像記録部52に記録され、撮影処理を終了する(ステップS136)。
【0118】
ステップS126においてRAWデータ記録モードが選択されている場合には、図12のステップS140に移行する。
【0119】
ステップS140では、高輝度部情報の記録処理の自動カットモードがONに設定されているか否かを判定する。この判定処理は、操作部64のRAW記録自動カットON/OFFスイッチ66の操作に基づいて行われる。
【0120】
自動カットモードがOFFに設定されている場合には、主感光画素21から得られたRAWデータ(低輝度部のRAWデータ)の記録処理が行われるとともに(ステップS142)、副感光画素22から得られたRAWデータ(高輝度部のRAWデータ)の記録処理が行われる(ステップS144)。こうして、低輝度部及び高輝度部のそれぞれのRAWデータが画像記録部52に保存される。
【0121】
ステップS140において、自動カットモードがONに設定されている場合には、ステップS152に移行して高輝度部データの解析を行う。高輝度部のRAW画像の全データまたは適宜サンプリングしたデータをチェックし、予め定められている高輝度部情報記録処理の自動カット条件の成否を判定する(ステップS154)。例えば、8ビットのデジタル値によって画像信号を表した場合に、高輝度RAWデータの最大値RAW−h(Max) が所定の値(例えば、255中の「50」)よりも小さい場合には、高輝度部のRAW画像は情報量が少ないものと判断して、高輝度部のRAWデータ記録を行わないものと定められている。
【0122】
本発明の実施に際して、自動カット条件は上記の例に限定されない、上記の他、例えば、高輝度部のRAW画像の全データ中、所定の判定基準値(例えば、255中の「50」)を下回る画素が所定の判定基準割合(例えば、全データの95%)を超える場合に、高輝度部のRAWデータ記録を行わないという設定もあり得る。このような、自動カット条件の情報は図1中符号61で示したメモリ領域に格納されており、CPU56はこの条件に基づいて、図12のステップS154における判定処理を行う。
【0123】
ステップS154において、自動カット条件を満たさない場合、すなわち、高輝度部のRAW画像の情報量が比較的多いと判断した場合には、高輝度部のRAWデータ記録処理(ステップS156)と、低輝度部のRAWデータ記録処理(ステップS158)とが行われ、それぞれのRAWデータが画像記録部52に保存される。
【0124】
ステップS154において、自動カット条件を満たした場合、すなわち、高輝度部のRAW画像の情報量が比較的少ないと判断した場合には、高輝度部のRAWデータ記録を省略して、低輝度部のRAWデータのみを記録する処理を行う(ステップS158)。
【0125】
上記のようにしてRAWデータの記録処理が完了したら、本撮影シーケンスを終了する(ステップS160)。
【0126】
上記実施形態では、RAW記録自動カットON/OFFスイッチ66のユーザ操作に応じて、自動カットモードのON/OFFを切り替える例を述べたが、本発明の実施に際して、自動カットモードの選択を自動的に制御する態様も可能である。例えば、画像記録部52の空き容量を監視し、RAWデータ記録モード設定中に、画像記録部52の空き容量が所定の判定基準容量よりも少なくなったら、自動的に自動カットモードの選択スイッチをONにするような制御も可能である。この場合、「所定の判定基準容量」の一例として、低輝度部と高輝度部とをともにRAW記録した場合に書き込み可能な画像数が5枚以下になったときに、自動的に高輝度部記録の自動カットモードに移行するようにする態様がある。
【0127】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0128】
図13は第2の実施形態に係る電子カメラのブロック図である。図13中図9と同一又は類似する部分には、同一の符号を付し、その説明は省略する。図13に示した例では、RAW記録を選択した場合、更に、撮影直後に高輝度部についてRAW記録の可否確認を行うか否かを選択するための選択スイッチ(RAW記録可否確認ON/OFFスイッチ)67が設けられている。
【0129】
この選択スイッチ67をONに設定し、RAWデータ記録モード下で撮影を実行すると、撮影直後に表示部54の画面上に高輝度部のRAW画像を記録するかどうかをユーザに尋ねるメッセージが表示される。ユーザは撮影したシーンが高輝度部、すなわち画像のハイライト情報を多く含んでいるかどうかを判断して、高輝度部のRAW画像を記録するか否かを決める。
【0130】
ハイライト情報が少ない場合には、高輝度部のRAW画像記録を削除しても最終画像にとって影響が小さいと判断できる。逆に、ハイライト情報が多いシーンを撮影したときには、高輝度部のRAW画像記録を削除してしまうと最終画像の生成に大きく影響するため、高輝度部のRAW画像を記録したほうがよいと判断できる。
【0131】
このように、高輝度部の画像の記録の要否をユーザ自身が判断して、所定のユーザインターフェースを通じて高輝度部の記録の可否をユーザが指定できるように構成されている。
【0132】
図13に示したカメラにおける撮影シーケンスの要部フローチャートを図14に示す。図12で説明したフローチャートに代えて、図14のフローチャートを適用することができる。すなわち、図11のステップS126において、RAWデータ記録モードが選択されている場合に、図14のステップS240に移行する。
【0133】
ステップS240では、高輝度部の記録についてユーザに可否を尋ねるモードが選択されているか否かを判定する。この判定処理は、操作部64のRAW記録可否確認ON/OFFスイッチ67からの設定に基づいて行われる。
【0134】
高輝度部の記録について可否確認を行わないモードになっている場合(ステップS240にてNO判定のとき)は、ユーザに対して記録の可否を尋ねないで、撮影動作後直ちに主感光画素21から得られたRAWデータ(低輝度部のRAWデータ)の記録処理が行われるとともに(ステップS242)、副感光画素22から得られたRAWデータ(高輝度部のRAWデータ)の記録処理が行われる(ステップS244)。こうして、低輝度部及び高輝度部のそれぞれのRAWデータが画像記録部52に保存される。
【0135】
その一方、ステップS240において、高輝度部記録の可否確認を行うモードが選択されている場合(ステップS240にてYES判定のとき)は、ステップS250に移行し、表示部54にて撮影画像のプレビュー表示を行う。このときのプレビュー表示は、主感光画素21から得られた画像信号(低輝度部画像)から生成された画像が表示される。このプレビュー表示とともに、表示部54には高輝度部のRAWデータ記録の可否の指示入力をユーザに促すメッセージ文(例えば、「高輝度部のRAWデータを記録しますか?」というメッセージ文)が表示される。また、このメッセージ文とともに記録可否の指示を入力する際の操作案内も表示される。
【0136】
カメラ50のCPU56は、操作部64を監視して高輝度部記録の可否を示す指示入力を受け付ける(ステップS252)。ユーザによって記録の可否を示す指示の入力が行われると、CPU56は高輝度部の記録指示であるか否かを判定する(ステップS254)。
【0137】
高輝度部を記録する旨の指示が入力されると、高輝度部のRAWデータ記録処理(ステップS256)と、低輝度部のRAWデータ記録処理(ステップS258)とが行われ、それぞれのRAWデータが画像記録部52に保存される。
【0138】
ステップS254において、高輝度部を記録しない旨の指示が入力されると、高輝度部のRAWデータ記録を省略して、低輝度部のRAWデータのみを記録する処理を行う(ステップS258)。
【0139】
上記のようにしてRAWデータの記録処理が完了したら、本撮影シーケンスを終了する(ステップS260)。
【0140】
上記第2の実施形態では、選択スイッチ67のユーザ操作に応じて、「高輝度部の記録可否確認をユーザに尋ねる/尋ねない」の切り替えを行う例を述べたが、本発明の実施に際して、記録可否確認の有無の選択を自動的に制御する態様も可能である。例えば、画像記録部52の空き容量を監視し、RAW画像記録モード設定中に、画像記録部52の空き容量が所定の判定基準容量よりも少なくなったら、自動的に記録可否確認の選択スイッチをONにするような制御も可能である。この場合、「所定の判定基準容量」の一例として、低輝度部と高輝度部とをともにRAW記録した場合に書き込み可能な画像数が5枚以下になったときに、自動的に記録可否確認モードに移行する態様がある。
【0141】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0142】
図15及び図16は第2の実施形態に係る電子カメラのブロック図である。図15及び図16中、図9及び図10と同一又は類似する部分には、同一の符号を付し、その説明は省略する。図15に示した例では、RAW記録を選択した場合、更に高輝度部のRAW画像を圧縮するか否かを選択するための選択スイッチ(高輝度部圧縮ON/OFFスイッチ)68が設けられている。
【0143】
また、図16に示したように、信号処理部78における高輝度部の信号処理経路内には必要に応じてRAWデータの圧縮処理を行う圧縮回路86が設けられている。この圧縮回路86は、入力された高輝度部のRAWデータに対して圧縮処理を実施するモードと、圧縮処理を行わない無処理モードと、を有しており、図15で示した選択スイッチ68の設定に応じてCPU56から出力される指令信号に動作モードが切り替えられる。
【0144】
高輝度部の情報を圧縮するか否かについては、撮影ごとにユーザが判断して所定のユーザインターフェースを通じてその選択指示を入力してもよいし、RAWデータ記録モードを選ぶ際に高輝度部の情報を圧縮するか否かを指定させる態様でもよい。
【0145】
図15及び図16に示したカメラ50における撮影シーケンスの要部フローチャートを図17に示す。図12で説明したフローチャートに代えて、図17のフローチャートを適用することができる。すなわち、図11のステップS126において、RAW記録モードが選択されている場合に、図17のステップS340に移行する。
【0146】
ステップS340では、高輝度部のRAWデータについて圧縮して記録するモードが選択されているか否かを判定する。この判定処理は、操作部64の選択スイッチ68からの設定に基づいて行われる。
【0147】
高輝度部のRAWデータを圧縮せずに記録するモードになっている場合(ステップS340にてNO判定のとき)は、主感光画素21から得られたRAWデータ(低輝度部のRAWデータ)の非圧縮記録処理が行われるとともに(ステップS342)、副感光画素22から得られたRAWデータ(高輝度部のRAWデータ)についても圧縮を行わず、無処理のまま非圧縮記録処理が行われる(ステップS344)。こうして、低輝度部及び高輝度部のそれぞれのRAWデータが圧縮されずに画像記録部52に保存される。
【0148】
その一方、ステップS340において、高輝度部のRAWデータについて圧縮記録するモードが選択されている場合(ステップS340にてYES判定のとき)は、ステップS352に移行し、低輝度部のRAWデータについては非圧縮記録処理を行い(ステップS352)、高輝度部のRAWデータについては圧縮処理を行ってから(ステップS354)、その圧縮データを画像記録部52に記録する(ステップS356)。こうして、低輝度部及び高輝度部のそれぞれのRAWデータが画像記録部52に保存される。
【0149】
上記のようにしてRAWデータの記録処理が完了したら、本撮影シーケンスを終了する(ステップS360)。
【0150】
上記第3の実施形態において、画像記録部52の空き容量を監視し、RAW画像記録モード設定中に、画像記録部52の空き容量が所定の判定基準容量よりも少なくなったら、高輝度部の圧縮の有無をユーザに問い合わせて圧縮可否の指示入力を促すような制御も可能である。
【0151】
また、本発明の実施に際しては、上記した第1乃至第3の実施形態を適宜組み合わせた態様もあり得る。
【0152】
上述の説明では、ハニカム構造の画素配列を有するCCDを例に説明したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、全画素が正方行列的に配列された画素配列の撮像素子を用いることもできる。
【0153】
また、上記実施形態においては、各画素セルが主感光画素と副感光画素に分割された構造の撮像素子を用いたが、本発明の実施に際しては、低輝度部の画像情報と、高輝度部の画像情報とを得るための手段はこの例に限定されない。
【0154】
撮像素子の受光面において主感光画素の画素セルと、副感光画素の画素セルとがそれぞれ開口の異なる受光部を形成している態様でもよい。
【0155】
また、主感光画素と副感光画素といった区別のない、単一種類の画素セルで構成されている撮像素子を用いて露光条件を変えて複数回(少なくとも2回)の撮像を行うことによって、低輝度部の画像情報と高輝度部の画像情報とを取得する態様も可能である。
【0156】
上述の実施形態では、デジタルカメラを例示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、ビデオカメラ、DVDカメラ、カメラ付き携帯電話機、カメラ付きPDA、カメラ付きモバイルコンピュータなど、電子撮像機能を備えた他の撮影装置についても本発明を適用できる。
【0157】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、RAW画像記録に際して、高輝度部の画像情報から該高輝度部情報の記録の必要性(有効性)を自動的に判定し、記録不要と判断した場合には高輝度部のRAW画像データを記録しないようにしたので、RAW画像記録時のデータ量が過度に大きくなるのを防ぐことができ、かつ画質への影響も少ないという効果を奏する。
【0158】
また、本発明の他の態様によれば、RAW画像記録を行う際、高輝度部情報の記録の有無をユーザが選択できるように構成したので、ユーザ自身が高輝度部の記録の必要性を判断して、記録の要否を指定できる。これにより、最終画像の画質に影響しない高輝度部の情報記録を省略することが可能となり、データ量が過大になるのを防ぐことができる。
【0159】
本発明の更に他の態様によれば、RAW画像記録を行う際、高輝度部の画像に対して圧縮をかけるようにしたので、圧縮によってデータ量を削減することができ、かつ画質への影響も少ないという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】CCD撮像素子の受光面の構造例を示す平面図
【図2】図1の2−2線に沿う断面図
【図3】図1の3−3線に沿う断面図
【図4】図1に示すCCDの全体構成を示す平面模式図
【図5】CCDの他の構造例を示す平面図
【図6】図5の6−6線に沿う断面図
【図7】CCDの更に他の構造例を示す平面図
【図8】主感光画素と副感光画素の光電変換特性を示すグラフ
【図9】本発明の実施形態に係る電子カメラの構成を示すブロック図
【図10】図9に示した信号処理部の要部構成を示すブロック図
【図11】本例のカメラにおける撮影モード時の制御手順を示すフローチャート
【図12】本例のカメラにおける撮影モード時の制御手順を示すフローチャート
【図13】本発明の第2の実施形態に係る電子カメラの構成を示すブロック図
【図14】第2の実施形態に係る電子カメラにおける撮影シーケンスの要部を示すフローチャート
【図15】本発明の第3の実施形態に係る電子カメラの構成を示すブロック図
【図16】図15に示した信号処理部の要部構成を示すブロック図
【図17】第3の実施形態に係る電子カメラにおける撮影シーケンスの要部を示すフローチャート
【符号の説明】
20…CCD、21…フォトダイオード領域(主感光画素)、22…フォトダイオード領域(副感光画素)、23…垂直転送路、40…カラーフィルタ層、41…マイクロレンズ、50…カメラ、51…撮像素子、52…画像記録部、54…表示部、56…CPU、60…メモリ、64…操作部、65…RAW記録ON/OFFスイッチ、66…RAW記録自動カットON/OFFスイッチ、67…選択スイッチ(RAW記録可否確認ON/OFFスイッチ)、68…選択スイッチ(高輝度部圧縮ON/OFFスイッチ)、78…信号処理部、86…圧縮回路
【発明の属する技術分野】
本発明は画像記録装置に係り、特に広ダイナミックレンジ画像の記録が可能なデジタルスチルカメラなどに好適な画像記録処理技術であって、CCDなどの撮像素子から出力された生のデータ(RAWデータ)をそのまま記録するRAWデータ記録機能に利用される技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルスチルカメラ(DSC)は、撮像素子が捉えた画像情報に対して色々な処理を加え、好ましい画像にした後記録する。記録時には、容量の限られた記録メディアに記録するので、画像を圧縮し、データ量を少なくしてから記録するのが一般的である。これに対し、画像処理を自分なりの手法で行いたいと考えるユーザーのために、撮像素子が捉えた画像情報に処理を加えない、いわゆるRAW画像を記録できるようにしたDSCも一部には存在する。このRAW画像記録は圧縮処理を加えないので、画像データ量が大きくなってしまうという問題がある。
【0003】
一方、特許文献1に記載されているように、一つの画素に感度の異なる第一と第2の撮像セルが構成された撮像素子を備えたカメラも提案されている。これは、シーンの低輝度の情報を高感度の撮像セルで捉えると同時に、高輝度部の情報を低感度の撮像セルで捉え、これら二種類の撮像セルの信号を合成して輝度レンジの広い画像を得るという特徴を有している。
【0004】
【特許文献1】
特公平8−31988号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
高感度の撮像セルと低感度の撮像セルとを備えた撮像素子を用いるカメラの場合も、撮像素子が捉えた画像情報に手を加えないRAW画像を記録しておき、撮影後に色々な画像処理を加えることができるような構成にすることが考えられる。ただし、この場合、高感度の撮像セルで捉えた画像(高感度撮像画)と低感度の撮像セルで捉えた画像(低感度撮像画)との両方をRAW記録することになるので、画像データ量が更に大きいものになる。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、RAW画像記録を行うときに、データ量が大きくなり過ぎるのを防ぐことができる画像記録装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するために、被写体の光学像を電気信号に変換し、相対的に低輝度部の画像情報を得る第1の撮像手段と、前記被写体の光学像を電気信号に変換し、相対的に高輝度部の画像情報を得る第2の撮像手段と、前記第1の撮像手段により取得された低輝度部のRAW画像データ及び前記第2の撮像手段により得られた高輝度部のRAW画像データのうち少なくとも前記低輝度部のRAW画像データを記録部に記録するデータ記録手段、を備えた画像記録装置であって、該画像記録装置は、前記第2の撮像手段により取得された高輝度部の画像情報から当該高輝度部のRAW画像データを前記記録部に記録するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果に従い前記高輝度部のRAW画像データの記録処理を制御する記録制御手段、を備えていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、第1及び第2の撮像手段を介して撮像した画像の生データ(RAW画像データ)を記録する際に、第2の撮像手段によって撮像された画像情報を分析して高輝度部の画像情報を記録する必要性(有効性)について自動的に判定し、記録すべきものと判断した場合には、低輝度部の情報とともに高輝度部のRAW画像データを記録する。その一方、前記判定において記録不要と判断した場合には高輝度部のRAW画像データについては記録を行わず、低輝度部のRAW画像データのみを記録するように制御している。
【0009】
例えば、黒っぽい服装を身につけた人物を黒い壁の前で曇天時に撮影した場合、第2の撮像手段で撮像した高輝度部画像には情報量が少なく、この高輝度部の情報を削除しても最終画像には影響が小さいと考えられる。したがって、撮影したシーンから高輝度部の情報量が少ないと判断された場合には、高輝度部のRAW画像データを記録しないという制御態様が採用される。
【0010】
こうして、最終画像の画質にあまり影響しないレベルの高輝度部の情報を記録しないことによって、データ量が削減され、限られた容量の記録部に記録可能なショット数(画像数)を増やすことができる。
【0011】
前記判定手段は、予め定められた判定条件の情報を保持する条件格納手段と、前記高輝度部の画像情報を分析して前記判定条件と対比する演算手段と、を含む態様がある。
【0012】
また、本発明の画像記録装置において、前記判定手段と記録制御手段とによる高輝度部RAW画像データの自動記録制御を行うか否かを切り替える切替手段を備える態様も好ましい。
【0013】
更にまた、撮影した画像について所定の信号処理を施し汎用的なファイル形式に変換してデータを記録するモード(通常記録モード)と、撮影した画像のRAWデータを記録するモード(RAWデータ記録モード)と、を切り替えるモード切替手段を備える態様も好ましい。
【0014】
本発明の他の態様によれば、被写体の光学像を電気信号に変換し、相対的に低輝度部の画像情報を得る第1の撮像手段と、前記被写体の光学像を電気信号に変換し、相対的に高輝度部の画像情報を得る第2の撮像手段と、前記第1の撮像手段により取得された低輝度部のRAW画像データ及び前記第2の撮像手段により得られた高輝度部のRAW画像データのうち少なくとも前記低輝度部のRAW画像データを記録部に記録するデータ記録手段と、を備えた画像記録装置であって、該画像記録装置は、前記第2の撮像手段により取得された高輝度部のRAW画像データを前記記録部に記録するか否かを選択的に指定する選択操作手段と、前記選択操作手段の指定に従い前記高輝度部のRAW画像データの記録処理を制御する記録制御手段と、を備えていることを特徴とする。
【0015】
RAW画像記録が可能な画像記録装置を使用するユーザは写真に親しんでいる人が多く、撮影したシーンが高輝度部すなわち画像のハイライト情報を多く含んでいるかどうか、高輝度部を削除しても最終画像には影響が小さいかどうかを判断できる場合も多いと考えられる。本発明では、RAW画像記録を行う際、第2の撮像手段で撮像した高輝度部画像の記録の有無をユーザが選択できるように構成されており、ユーザ自身が高輝度部の記録の必要性を判断して、記録の要否を指定できる。これにより、最終画像の画質にあまり影響しないと思われるレベルの高輝度部の情報記録を省略することが可能となり、データ量が過大になるのを防ぐことができる。
【0016】
また、上記態様の画像記録装置において、撮影実行の指示を入力する撮影指示入力手段と、前記撮影指示入力手段からの指示に基づいて前記第1及び第2の撮像手段による撮像動作が行われた後に、当該撮像動作で取得される前記高輝度部のRAW画像データについて記録処理を行うか否かの指定の入力を促す情報を提示する情報提示手段と、を備えていることを特徴とする態様がある。
【0017】
撮影指示入力手段から与えられる撮影開始の指示の入力に応動して前記第1及び第2の撮像手段による撮像が行われる。この撮像動作の後(好ましくは直後)に、ユーザに対して高輝度部の記録可否を尋ねる情報を提示して、記録可否の指示を受け付け、ユーザからの指示に従って高輝度部の情報を記録し、或いは記録しないという制御を行う。なお、撮影指示入力手段から撮影開始の指示を入力する前に、高輝度部のRAW画像データの記録の要否をユーザが指定する態様もある。
【0018】
本発明の更に他の態様に係る画像記録装置は、被写体の光学像を電気信号に変換し、相対的に低輝度部の画像情報を得る第1の撮像手段と、前記被写体の光学像を電気信号に変換し、相対的に高輝度部の画像情報を得る第2の撮像手段と、前記第2の撮像手段により取得された高輝度部のRAW画像データを圧縮する圧縮処理手段と、前記第1の撮像手段により取得された低輝度部のRAW画像データを非圧縮で記録部に記録するとともに、前記圧縮処理手段によって圧縮された高輝度部のRAW画像データを前記記録部に記録するデータ記録手段、を備えていることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、RAW画像記録を行う際、第2の撮像手段で撮像した高輝度部の画像に対して圧縮をかける。高輝度部は画像中のハイライト情報なので、圧縮/伸長の過程を経ても最終画像には影響が小さいと考えられる。
【0020】
圧縮によってデータ量を削減することができ、かつ画質への影響も少ないという利点がある。
【0021】
上記態様の画像記録装置において更に、前記高輝度部のRAW画像データを圧縮するか否かを選択的に指定する選択操作手段と、前記選択操作手段の指定に従い前記圧縮処理手段における前記高輝度部のRAW画像データの圧縮処理を制御する圧縮制御手段と、を備えていることを特徴とする態様がある。
【0022】
また、本発明の更に他の態様として、前記記録部の空き容量を検出する手段を備え、この空き容量検出手段の検出情報に基づき、前記記録部の空き容量が所定の判定基準値よりも小さくなったと判断した場合に、例えば、▲1▼前記高輝度部のRAW画像データの記録の可否を自動判定する制御を行う態様、▲2▼前記高輝度部のRAW画像データの記録の可否をユーザに問い合わせる態様、▲3▼前記高輝度部のRAW画像データについて圧縮処理を行う態様、▲4▼前記高輝度部のRAW画像データについて圧縮処理の可否をユーザに問い合わせる態様−などがある。なお、これら▲1▼〜▲4▼の各態様を適宜組み合わせることも可能である。
【0023】
本発明の他の態様は、相対的にダイナミックレンジが狭い高感度の主感光画素と、相対的にダイナミックレンジの広い低感度の副感光画素とが所定の配列形態に従って多数配置され、一度の露光で前記主感光画素及び前記副感光画素からそれぞれ画像信号を取り出すことができる構造を有する撮像素子が用いられ、前記主感光画素は前記第1の撮像手段として機能し、前記副感光画素は前記第2の撮像手段として機能することを特徴とする。
【0024】
この態様に用いる撮像素子は、主感光画素と副感光画素とを組み合わせた複合画素の構造を有している。主感光画素と副感光画素とは光学的に同位相の情報を取得することができ、一回の撮像によってダイナミックレンジの異なる2つの画像情報を取得することができる。
【0025】
本発明の画像記録装置における一態様として、前記撮像素子は、各受光セルが少なくとも前記主感光画素及び前記副感光画素を含む複数の受光領域に分割された構造を有し、各受光セル上方には同一受光セル内の前記主感光画素及び前記副感光画素について同一の色成分のカラーフィルタが配置されるとともに、各受光セルにはそれぞれ1つの受光セルに対して1つのマイクロレンズが設けられていることを特徴とする。
【0026】
かかる構造の撮像素子は、同一受光セル(画素セル)内の主感光画素と副感光画素の画素位置は略同一の位置にあるものとして取り扱うことができる。したがって、時間的に同位相で空間的にも略同位置の2つの画像情報を一回の撮像で取得することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
【0028】
〔撮像素子の構造〕
まず、本発明が適用される電子カメラに用いられる広ダイナミックレンジ撮像用の撮像素子の構造について説明する。図1はCCDイメージセンサ(以下、CCDという。)20の受光面の構造例を示す平面図である。図1では2つの受光セル(画素PIX)が横に並んでいる様子を示すが、実際には多数の画素PIXが水平方向(行方向)及び垂直方向(列方向)に一定の配列周期で配列されている。
【0029】
各画素PIXは、感度の異なる2つのフォトダイオード領域21、22を含む。第1のフォトダイオード領域21は、相対的に広い面積を有し、主たる感光部(以下、主感光画素という)を構成する。第2のフォトダイオード領域22は、相対的に狭い面積を有し、従たる感光部(以下、副感光画素という。)を構成する。画素PIXの右側には垂直転送路(VCCD)23が形成されている。
【0030】
図1に示した構成はハニカム構造の画素配列であり、図示した2つの画素PIX上側及び下側には不図示の画素が横方向に半ピッチずれた位置に配置される。図1上に示した各画素PIXの左側に示されている垂直転送路23は、これら画像PIXの上側及び下側に配置される不図示の画素からの電荷を読み出し、転送するためのものである。
【0031】
図1中点線で示すように、四相駆動(φ1,φ2,φ3,φ4)に必要な転送電極24、25、26、27(まとめてELで示す。)が垂直転送路23の上方に配置される。例えば、2層ポリシリコンで転送電極を形成する場合、φ1 のパルス電圧が印加される第1の転送電極24と、φ3 のパルス電圧が印加される第3の転送電極26とは第1層ポリシリコン層で形成され、φ2 のパルス電圧が印加される第2の転送電極25と、φ4 のパルス電圧が印加される第4の転送電極27とは第2層ポリシリコン層で形成される。なお、転送電極24は副感光画素22から垂直転送路23への電荷読み出しも制御する。転送電極25は主感光画素21から垂直転送路23への電荷読み出しも制御する。
【0032】
図2は図1の2−2線に沿う断面図であり、図3は図1の3−3線に沿う断面図である。図2に示したように、n型半導体基板30の一表面にp型ウエル31が形成されている。p型ウエル31の表面領域に2つのn型領域33、34が形成され、フォトダイオードを構成している。符号33で示したn型領域のフォトダイオードが主感光画素21に相当し、符号34で示したn型領域のフォトダイオードが副感光画素22に相当している。p+ 型領域36は、画素PIX、垂直転送路23等の電気的な分離を行うチャネルストップ領域である。
【0033】
図3に示すように、フォトダイオードを構成するn型領域33の近傍に垂直転送路23を構成するn型領域37が配置されている。n型領域33、37の間のp型ウエル31が読み出しトランジスタを構成する。
【0034】
半導体基板表面上には酸化シリコン膜等の絶縁層が形成され、その上にポリシリコンで形成された転送電極ELが形成される。転送電極ELは、垂直転送路23の上方を覆うように配置されている。転送電極ELの上に、更に酸化シリコン等の絶縁層が形成され、その上に垂直転送路23等の構成要素を覆い、フォトダイオード上方に開口を有する遮光膜38がタングステン等により形成されている。
【0035】
遮光膜38を覆うようにホスホシリケートガラス等で形成された層間絶縁膜39が形成され、その表面が平坦化されている。層間絶縁膜39の上にカラーフィルタ層(オンチップカラーフィルタ)40が形成されている。カラーフィルタ層40は、例えば赤色領域、緑色領域、及び青色領域等の3色以上の色領域を含み、各画素PIXについて一色の色領域が割り当てられている。
【0036】
カラーフィルタ層40の上に各画素PIXに対応してマイクロレンズ(オンチップマイクロレンズ)41がレジスト材料等により形成されている。マイクロレンズ41は、各画素PIXの上に1つ形成されており、上方より入射する光を遮光膜38が画定する開口内に集光させる機能を有する。
【0037】
マイクロレンズ41を介して入射した光は、カラーフィルタ層40によって色分解され、主感光画素21及び副感光画素22の各フォトダイオード領域にそれぞれ入射する。各フォトダイオード領域に入射した光は、その光量に応じた信号電荷に変換され、それぞれ別々に垂直転送路23に読み出される。
【0038】
主感光画素21と副感光画素22とは光学的に同位相の情報を取得することができ、同一画素セル20内の主感光画素21と副感光画素22の画素位置は略同一の位置にあるものとして取り扱うことができる。
【0039】
こうして、1つの画素PIXから感度の異なる2種類の画像信号(高感度画像信号と低感度画像信号)と別々に取り出すことが可能であり、光学的に同位相の画像信号を得る。
【0040】
図4は、CCD20の受光領域PS内の画素PIX及び垂直転送路23の配置を示す。画素PIXは、セルの幾何学的な形状の中心点を行方向及び列方向に1つおきに画素ピッチの半分(1/2ピッチ)ずらして配列させたハニカム構造となっている。すなわち、互いに隣接する画素PIXの行どうし(又は列どうし)において、一方の行(又は列)のセル配列が、他方の行(又は列)のセル配列に対して行方向(又は列方向)の配列間隔の略1/2だけ相対的にずれて配置された構造となっている。
【0041】
図4において画素PIXが配列された受光領域PSの右側には、転送電極ELにパルス電圧を印加するVCCD駆動回路44が配置される。各画素PIXは上述のように主感光画素21と副感光画素22とを含む。垂直転送路23は各列に近接して蛇行して配置されている。
【0042】
また、受光領域PSの下側(垂直転送路23の下端側)には、垂直転送路23から移された信号電荷を水平方向に転送する水平転送路(HCCD)45が設けられている。
【0043】
水平転送路45は、2相駆動の転送CCDで構成されており、水平転送路45の最終段(図4上で最左段)は出力部46に接続されている。出力部46は出力アンプを含み、入力された信号電荷の電荷検出を行い、信号電圧として出力端子に出力する。こうして、各画素PIXで光電変換した信号が点順次の信号列として出力される。
【0044】
図5にCCD20の他の構造例を示す。図5は平面図、図6は図5の6−6線に沿う断面図である。これらの図面中図1及び図2に示した例と同一又は類似の部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0045】
図5及び図6に示したように、主感光画素21と副感光画素22の間にp+ 型分離領域48が形成されている。この分離領域48はチャネルストップ領域(チャネルストッパ)として機能し、フォトダイオード領域の電気的な分離を行う。また、分離領域48の上方には分離領域48に対応した位置に遮光膜49が形成されている。
【0046】
遮光膜49と分離領域48とを用いることにより、入射する光を効率的に分離するとともに、主感光画素21及び副感光画素22に蓄積された電荷がその後混合することを防止する。その他の構成は図1及び図2に示した例と同様である。
【0047】
また、画素PIXのセル形状や開口形状は図1や図5に示した例に限定されず、多角形、円形など多様な形態をとり得る。更に、各受光セルの分離形状(分割形態)についても、図1や図5に示した形状に限定されない。
【0048】
図7にCCD20の更に他の構造例を示す。図7中図1及び図5に示した例と同一又は類似の部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。図7は、2つの感光部(21、22)が斜め方向に分離されている構成を示す。
【0049】
このように、それぞれの分割感光エリアで蓄積された電荷を別々に垂直転送路に読み出すことができればよく、分割形状や分割数、面積の大小関係などは適宜設計される。ただし、副感光画素の面積を主感光画素の面積に比べて小さい値とする。また、主感光部の面積減少を抑制し、感度低下を最小限に抑えることが好ましい。
【0050】
図8は、主感光画素21と副感光画素22の光電変換特性を示すグラフである。横軸は入射光量、縦軸はA/D変換後の画像データ値(QL値)を示す。本例では12ビットデータを例示するが、ビット数はこれに限定されない。
【0051】
同図に示すように、主感光画素21と副感光画素22の感度比は1:1/aとなっている(ただし、a>1、本例ではa=16)。主感光画素21の出力は、入射光量に比例して次第に増加し、入射光量が「c」のときに出力が飽和値(QL値=4095)に達する。以後、入射光量が増加しても主感光画素21の出力は一定となる。この「c」を主感光画素21の飽和光量と呼ぶことにする。
【0052】
一方、副感光画素22の感度は、主感光画素21の感度の1/aであり、入射光量がα×cのときにQL値=4095/bで飽和する(ただし、b>1,α=a/b、本例ではb=4,α=4)。このときの「α×c」を副感光画素22の飽和光量と呼ぶ。
【0053】
このように、異なる感度と飽和を持つ主感光画素21と副感光画素22とを組み合わせることにより、主感光画素のみの構成よりもCCD20のダイナミックレンジをα倍に拡大できる。本例では感度比1/16、飽和比1/4でダイナミックレンジを約4倍に拡大している。主感光画素のみを使用する場合の最大ダイナミックレンジを100%とするとき、本例では副感光画素を活用することによって最大で約400%までダイナミックレンジが拡大される。
【0054】
上述したように、CCD等の撮像素子ではRGB又はC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)等のカラーフィルタを通してフォトダイオードで受けた光を前記信号に変える。このうち、どれだけの光の情報に対して信号が得られるかはレンズを含めた光学系、CCD感度及び飽和に依存する。相対的に感度は高いが蓄積可能な電荷量が少ない素子と、相対的に感度は低いが蓄積可能な電荷量が大きい素子とでは、後者の方が入射される光の強弱が強い場合に対しても適切な信号を供することが可能であり、ダイナミックレンジが広い。
【0055】
光の強弱に対してどのように応答可能かを設定する手段としては、▲1▼フォトダイオードに入る光の量を調整する、▲2▼光を受けて電圧に変えるソースフォロアのアンプゲインを変える、などの態様がある。▲1▼の場合は、フォトダイオードに対し、上層部にあるマイクロレンズの光透過特性や相対位置関係によって調整できる。その一方、蓄積できる電荷量としては、フォトダイオードの大きさ等で決定される。図1乃至図7で説明したように、大きさの異なる2つのフォトダイオード(21、22)を並べることにより、異なる光のコントラスト比に対して応答可能な信号を得ることができ、更にこれらの2つのフォトダイオード(21、22)の感度を調整することで、最終的に広いダイナミックレンジを有する撮像デバイス(CCD20)を実現できる。
【0056】
〔広ダイナミックレンジ撮像可能なカメラの例〕
次に、上述した広ダイナミックレンジ撮像用のCCD20を搭載した電子カメラについて説明する。
【0057】
図9は本発明の実施形態に係る電子カメラの構成を示すブロック図である。このカメラ50は、撮像素子51として上記のCCD20が搭載されており、CCD20を介して撮像した被写体の光学像をデジタル画像データに変換して記録メディアなどの画像記録部52に記録するデジタルカメラである。
【0058】
カメラ50は表示部54を備えており、撮像中の映像や記録した画像データの再生画像等を表示部54に表示させることができる。
【0059】
カメラ50全体の動作は、カメラ内蔵の中央処理装置(CPU)56によって統括制御される。 CPU56は、所定のプログラムに従って本カメラシステムを制御する制御手段として機能するとともに、自動露出(AE)演算、自動焦点調節(AF)演算、及びオートホワイトバランス(AWB)制御など各種演算を実施する演算手段として機能する。
【0060】
CPU56は不図示のバスを介してメモリ60と接続されている。メモリ60は、CPU56が実行するプログラム及び制御に必要な各種データなどが格納される不揮発性メモリ(ROM)領域と、プログラムの展開領域及びCPU56の演算作業用領域として利用される揮発性メモリ(RAM)領域とを含むブロックである。RAM領域は、画像データの一時記憶領域としても利用される。また、メモリ60はRAW記録条件格納領域61を有し、この領域61には、RAW記録時の高輝度部自動カット判定に用いる条件データなどRAW画像記録に関する条件データが格納されている。
【0061】
表示部54には、例えば、カラー液晶ディスプレイが用いられている。なお、液晶ディスプレイに代えて、有機ELなど他の方式の表示装置(表示手段)を用いてもよい。表示部54は、撮影時に画角確認用の電子ファインダーとして使用できるとともに、記録済み画像を再生表示する手段、或いは記録前の画像内容を確認するプレビュー表示の手段として利用される。また、表示部54は、ユーザインターフェース用表示画面としても利用され、必要に応じてメニュー情報や選択項目、設定内容などの情報が表示される。
【0062】
カメラ50にはユーザが各種の指令を入力するための操作部64が設けられている。操作部64は、シャッタボタン、ズームスイッチ、モード切換スイッチなど各種操作部を含む。シャッタボタンは、撮影開始の指示を入力する操作手段であり、半押し時にONするS1 スイッチと、全押し時にONするS2 スイッチとを有する二段ストローク式のスイッチで構成されている。S1 オンにより、AE及びAF処理が行われ、S2 オンによって記録用の露光が行われる。ズームスイッチは、撮影倍率や再生倍率を変更するための操作手段である。モード切換スイッチは、撮影モードと再生モードとを切り替えるための操作手段である。
【0063】
また、操作部64には、上記の他、撮影目的に応じて最適な動作モード(連写モード、オート撮影モード、マニュアル撮影モード、人物モード、風景モード、夜景モードなど)を設定する撮影モード設定手段、表示部54にメニュー画面を表示させるメニューボタン、メニュー画面から所望の項目を選択する十字ボタン(カーソル移動操作手段)、選択項目の確定や処理の実行を指令するOKボタン、選択項目など所望の対象の消去や指示内容の取消し、或いは1つ前の操作状態に戻らせる指令を入力するキャンセルボタン、表示部54のON/OFFや表示方法の切り替え、或いはオンスクリーンディスプレイ(OSD)の表示/非表示切り替えなどを行うための表示ボタン、RAW記録ON/OFFスイッチ65、高輝度部のRAW記録自動カットON/OFFスイッチ66などの操作手段も含まれる。
【0064】
RAW記録ON/OFFスイッチ65は、RAWデータの記録を行うか否かの選択を行うための操作スイッチである。このスイッチ65によって、RAWデータ記録モードと、通常の画像記録モード(所定の信号処理アルゴリズムに従って画像信号の処理を施したデータを記録するモード)とを適宜切り替えることができる。
【0065】
通常の画像記録モードは、撮影した画像データに対してカメラ内部で様々な処理を施し、JPEGやTIFFなどに代表される汎用的な画像ファイル形式に変換してデータを記録するモードである。このモードで記録された画像データは、一般的な画像ビューワ(画像閲覧ソフトウェア等) によって簡単に閲覧・管理できるという利点があるが、この汎用的な画像ファイル形式で記録したものは、後処理の工程で画像の加工をする際の自由度が低いという制約がある。
【0066】
これに対し、RAWデータ記録モードは、CCD20から出力された生のデータをそのまま記録するモードである。このモードで記録されるRAW画像データは、画像処理用のアプリケーションソフトウェア等のツールを用いることによって、豊富な階調を損なうことなく、高品位かつ柔軟性の高いデータ加工が可能である。したがって、大型プリントや高品位印刷などのように画像の使用目的や撮影者の表現意図に応じた画像処理作業を行う場合に適している。
【0067】
RAW記録自動カットON/OFFスイッチ66は、RAWデータ記録モード下で高輝度部画像情報の記録の必要性を自動判定して高輝度部の記録を実行したり、記録を省略したりする制御を行う自動カットモードのON/OFFを選択するための操作スイッチである。
【0068】
なお、操作部64の中には、プッシュ式のスイッチ部材、ダイヤル部材、レバースイッチなどの構成によるものに限らず、メニュー画面から所望の項目を選択するようなユーザインターフェースによって実現されるものも含まれている。
【0069】
操作部64からの信号はCPU56に入力される。CPU56は操作部64からの入力信号に基づいてカメラ50の各回路を制御し、例えば、レンズ駆動制御、撮影動作制御、CCD20からの電荷読出制御、画像処理制御、画像データの記録/再生制御、画像記録部52内のファイル管理、画像記録部52の容量管理(空き容量の検出を含む)、表示部54の表示制御などを行う。
【0070】
次に、カメラ50の撮影機能について説明する。
【0071】
カメラ50の撮像部には、撮影レンズ70と、絞り71と、メカシャッタ72と、撮像素子51とが設けられている。本例では撮像素子51としてCCD20を用いているが、CCD20に代えて、MOS型固体撮像素子など他の方式の撮像素子を用いることも可能である。
【0072】
撮影レンズ70は電動式のズームレンズで構成されており、詳細な光学構成については図示しないが、主として倍率変更(焦点距離可変)作用をもたらす変倍レンズ群及び補正レンズ群と、フォーカス調整に寄与するフォーカスレンズとを含む。
【0073】
撮影者によって操作部64のズームスイッチが操作されると、そのスイッチ操作に応じてCPU56からレンズ駆動部74に対して光学系制御信号が出力される。レンズ駆動部74は、CPU56からの制御信号に基づいてレンズ駆動用の信号を生成し、モータ(不図示)に与える。こうして、モータが作動し、撮影レンズ70内の変倍レンズ群及び補正レンズ群が光軸に沿って前後移動することにより、撮影レンズ70の焦点距離(光学ズーム倍率)が変更される。
【0074】
撮影レンズ70を通過した光は、絞り71及びメカシャッタ72を介してCCD20の受光面に入射する。CCD20の受光面には多数のフォトセンサ(受光素子)が平面的に配列され、各フォトセンサに対応して赤(R)、緑(G)、青(B)の原色カラーフィルタが所定の配列構造で配置されている。なお、RGBカラーフィルタに代えて、CMY等のカラーフィルタを用いることもできる。
【0075】
CCD20の受光面に結像された被写体像は、各フォトセンサによって入射光量に応じた量の信号電荷に変換される。CCD20は、シャッタゲートパルスのタイミングによって各フォトセンサの電荷蓄積時間(シャッタスピード)を制御する電子シャッタ機能を有している。
【0076】
CCD20の各フォトセンサに蓄積された信号電荷は、CPU56の指令に従い撮像素子駆動部76から与えられるパルス(水平駆動パルスφH,垂直駆動パルスφV,オーバーフロードレインパルス)に基づいて信号電荷に応じた電圧信号(画像信号)として順次読み出される。CCD20から出力された画像信号は、A/D変換器77によってデジタル信号に変換された後、信号処理部78に送られる。
【0077】
信号処理部78は、メモリ60の読み書きを制御するメモリコントローラを兼ねたデジタル信号処理ブロックである。信号処理部78は、AE/AF/AWB処理を行うオート演算部、ホワイトバランス回路、ガンマ変換回路、同時化回路(単板CCDのカラーフィルタ配列に伴う色信号の空間的なズレを補間して各点の色を計算する処理回路)、輝度・色差信号生成回路、輪郭補正回路、コントラスト補正回路、圧縮伸張回路、表示用信号生成回路等を含む画像処理手段であり、CPU56からのコマンドに従ってメモリ60を活用しながら画像信号を処理する。
【0078】
A/D変換後にメモリ60に格納されたデータ(CCDRAWデータ)は、バスを介して信号処理部78に送られる。信号処理部78に送られた画像データは、ホワイトバランス調整処理、ガンマ変換処理、輝度信号(Y信号)及び色差信号(Cr,Cb 信号)への変換処理(YC処理)など、所定の信号処理が施された後、メモリ60に格納される。
【0079】
撮影画像を表示部54にモニタ出力する場合、メモリ60から画像データが読み出され、信号処理部78の表示変換回路に送られる。表示変換回路に送られた画像データは表示用の所定方式の信号(例えば、NTSC方式のカラー複合映像信号)に変換された後、表示部54に出力される。CCD20から出力される画像信号によってメモリ60内の画像データが定期的に書き換えられ、その画像データから生成される映像信号が表示部54に供給されることにより、撮像中の映像(スルー画)がリアルタイムに表示部54に表示される。撮影者は表示部54に映し出されるスルー画の映像によって画角(構図)を確認できる。
【0080】
撮影者が画角を決めてシャッタボタンを押下すると、CPU56はこれを検知し、シャッタボタンの半押し(S1 =ON)に応動してAE処理及びAF処理などの撮影準備動作を行い、シャッタボタンの全押し(S2 =ON)に応動して記録用の画像を取り込むためのCCD露光及び読み出し制御を開始する。
【0081】
すなわち、CPU56は、S1 =ONに応動して取り込まれた画像データから焦点評価演算やAE演算などの各種演算を行い、その演算結果に基づいてレンズ駆動部74に制御信号を送り、不図示のAFモータを制御してフォーカスレンズを合焦位置に移動させる。
【0082】
また、オート演算部のAE演算部は撮影画像の1画面を複数のエリア(例えば、8×8)に分割し、分割エリアごとにRGB信号を積算する回路を含み、その積算値をCPU56に提供する。RGBの各色信号について積算値を求めてもよいし、これらのうちの一色(例えば、G信号)のみについて積算値を求めてもよい。
【0083】
CPU56は、AE演算部から得た積算値に基づいて重み付け加算を行い、被写体の明るさ(被写体輝度)を検出し、撮影に適した露出値(撮影EV値)を算出する。
【0084】
CPU56は、上述のAE演算結果に基づいて絞りとシャッタスピードを決定する。そして、CPU56は、S2 =ONに応動して、絞り駆動部79及びシャッタ駆動部80を制御し、記録用画像取得時の露光量を制御する。
【0085】
本例のカメラ50は、スルー画中は主感光画素21のみからデータの読み出しを行い、主感光画素21の画像信号からスルー画用の画像を作成する。また、シャッタボタンのS1 =ONに伴うAE処理及びAF処理は主感光画素21から得られる信号に基づいて行われる。そして、広ダイナミックレンジ撮像を行う撮影モードが選択されている場合、又は、AEの結果(ISO感度や測光値)又はホワイトバランスゲイン値などに基づき自動的に広ダイナミックレンジ撮像モードが選択された場合には、シャッタボタンのS2 =ONに応動してCCD20の露光を行い、露光後にメカシャッタ72を閉じて光の進入を遮断した状態で垂直駆動信号(VD)に同期して、まず、主感光画素21の電荷を読み出し、その後、副感光画素22の電荷の読み出しを行う。このように、一回の撮像によってダイナミックレンジの異なる2つの画像情報を取得することができる。
【0086】
なお、図9には示されていないが、カメラ50はストロボ装置を有している。ストロボ装置は、発光部としての放電管(例えば、キセノン管)、トリガー回路、放電用エネルギーを蓄積するメインコンデンサ及びその充電回路などを含むブロックである。CPU56は必要に応じてストロボ装置にコマンドを送り、ストロボ装置の発光を制御する。
【0087】
こうして、シャッタボタンの全押し(S2 =ON)に応動して取り込まれた画像データは、信号処理部78においてYC処理その他の所定の信号処理を経た後、必要に応じて所定の圧縮フォーマット(例えば、JPEG方式) に従って圧縮され、メディアインターフェース部(図9中不図示)を介して画像記録部52に記録される。圧縮形式はJPEGに限定されず、MPEGその他の方式を採用してもよい。
【0088】
本カメラ50は、上記通常の画像記録(圧縮画像の記録)に代えて、又はこれと併せて、非圧縮画像データを記録したり、或いは、同時化やYC処理などの信号処理を施さないRAWデータを記録したりすることができる。
【0089】
RAWデータを記録するモードの場合も、そのデータに基づいて通常の画像生成処理が施され、間引き処理によって縮小画像(サムネイル画像)のデータが生成され、RAWデータとともにサムネイル画像のデータが記録ファイル(例えばヘッダー部)に格納される。
【0090】
画像データを保存する手段は、xDピクチャーカード(商標)、スマートメディア(商標)、コンパクトフラッシュ(商標)などで代表される半導体メモリカード、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスクなど、種々の媒体を用いることができる。また、リムーバブルメディアに限らず、カメラ50に内蔵された記録媒体(内部メモリ)であってもよい。
【0091】
操作部64のモード選択スイッチによって再生モードが選択されると、画像記録部52に記録されている最終の画像ファイル(最後に記録したファイル)が読み出される。画像記録部52から読み出された画像ファイルのデータは、信号処理部78において伸張処理その他の必要な処理が施された後、表示用の信号に変換されて表示部54に出力される。
【0092】
再生モードの一コマ再生時に十字ボタンを操作することにより、順方向又は逆方向にコマ送りすることができ、コマ送り指定に係る次のファイルが画像記録部52から読み出され、表示画像が更新される。なお、再生対象ファイルがRAWデータ記録されたファイルの場合には、ファイルのヘッダー部に格納されているサムネイル画像のデータが再生表示されるようになっている。
【0093】
図10は信号処理部78における信号処理フローを示した要部ブロック図である。CCD20の高感度画素(主感光画素)から読み出された画像信号は、相対的に低輝度部の情報を示している。また、CCD20の低感度画素(副感光画素)から読み出された画像信号は、相対的に高輝度部の情報を示している。
【0094】
図示のとおり信号処理部78は、ゲイン調整回路81,82と、ガンマ補正回路83,84と合成・圧縮回路85と、を含む。
【0095】
ゲイン調整回路81,82は、R,G,Bの色信号のレベルを増減するためのゲイン可変アンプを含み、CPU56からの指令に基づいて各色信号のゲイン調整を行う。ゲイン調整回路81,82にてゲイン処理された信号は、ガンマ補正回路83,84に送られる。
【0096】
ガンマ補正回路83,84は、CPU56の指令に従い、所望のガンマ特性となるように入出力特性を変換する。ガンマ補正回路83,84から出力された信号は合成・圧縮回路85に送られる。
【0097】
合成・圧縮回路85は、低輝度部の画像データに係数を乗算する乗算部と、高輝度部の画像データに係数を乗算する乗算部と、係数乗算後の低感度部画像データと高感度部画像データとを加算(合成)する加算部と、加算部から得られた合成画像データから画像生成(YC処理など)や各種補正を行う信号変換部と、信号変換部にて生成された画像データを圧縮する圧縮部と、を含む処理ブロックである。なお、低感度部の画像データ及び高感度部の画像データに乗算される各係数(加算割合を示す係数)はCPU56によって可変設定される。
【0098】
広ダイナミックレンジ画像の記録を行う場合、CCD20の主感光画素から得られた低輝度部の画像情報は、ゲイン調整回路81においてゲイン調整がなされた後、ガンマ補正回路83にてガンマ補正されて合成・圧縮回路85に送られる。
【0099】
続いて、CCD20の副感光画素から得られた高輝度部の画像情報は、ゲイン調整回路においてゲイン調整がなされた後、ガンマ補正回路84にてガンマ補正されて合成・圧縮回路85に送られる。
【0100】
低輝度部の画像情報と高輝度部の画像情報は、合成・圧縮回路85にて合成されるとともに、所要の信号処理が施されて画像生成が行われる。その後、所定の圧縮フォーマットに従って圧縮され、画像記録部52へ送られる。
【0101】
その一方、RAWデータ記録モードが選択されている場合においては、上記のゲイン調整などの信号処理が省略され、低輝度部のRAWデータ及び高輝度部のRAWデータがそれぞれ画像記録部52に送られ、別々のファイルとして記録保存される。
【0102】
RAWデータ記録モードでは、既述のとおり、CCD20から出力された画像信号のA/D変換出力がそのまま(未加工のまま)記録される。すなわち、RAWデータは、ガンマ変換、ホワイトバランス調整、同時化(単板CCDのカラーフィルタ配列に伴う色信号の空間的なズレを補間して各点の色を計算する処理)などの信号処理が行われていない生の画像データである。ただし、「未加工のデータ」といっても、一切の信号処理を排除するものではなく、例えば、撮像素子の欠陥画素(キズ)のデータを補間する欠陥画素補正処理を行って得られた画像データ、或いは更にゲイン調整のみを実施したデータなどについても、汎用フォーマットに変換されていないという点でRAWデータの概念に含まれるものとする。
【0103】
RAWデータ記録モードによって取得された低輝度部画像データのファイルと高輝度部画像データのファイルは相互に関連付けられて記録される。二つのファイルの関連性を確保する関連付けの方法としては、例えば、ファイル名の一部を共通化して他の一部を変更する態様、同じファイル名で拡張子を変更する態様、関連付け情報をファイルの付属情報(例えば、タグ情報)として記録する態様、或いはこれらの組み合わせなどがある。
【0104】
RAWデータの再生時には上記の関連付けに従って2つのファイルを読み出すことが可能である。低輝度部画像データと高輝度部画像データとを利用することにより、輝度レンジの広い画像の再現が可能となる。なお、本発明の実施に際しては、低輝度部画像データのファイルと高輝度部画像データのファイルとを別ファイルで保存する態様に限定されず、低輝度部のRAWデータと高輝度部のRAWデータを1つのファイルにまとめて記録する態様もあり得る。
【0105】
上記の如く構成されたカメラ50の動作について説明する。
【0106】
図11及び図12は、カメラ50における撮影モード時の制御手順を示すフローチャートである。
【0107】
撮影モードを選択した状態でカメラ電源をONしたとき、又は電源ONの状態で再生モードから撮影モードに切り替えられたときに、図11の制御フローがスタートする。
【0108】
撮影モードの処理がスタートすると(ステップS100)、CPU56は所定の初期処理を行った後にレリーズ操作を受け付ける(ステップS110)。CPU56はシャッタボタンからの信号入力を監視し、S1 スイッチがONしたか否かの判定を行う(ステップS112)。S1 スイッチがOFFの状態であれば、ステップS110に戻り、撮影指示の入力を待機する。
【0109】
その後、撮影者によってシャッタボタンが押され、撮影準備の指示が入力されると(CPU56がS1 =ONを検出すると)、ステップS114に進み、AE及びAF処理を行う。AE処理によって撮影条件が決定され、AF処理によってフォーカス調整が行われる。
【0110】
その後、CPU56はシャッタボタンのS2 スイッチからの信号入力を判定する(ステップS116)。ステップS116でS2 スイッチがONしていない場合は、S1 が解除されたか否かを判定する(ステップS118)。ステップS118でS1 が解除されていれば、ステップS110に戻り、撮影指示の入力待ち状態になる。
【0111】
一方、ステップS118でS1 が解除されていなければステップS116に戻り、撮影スタンバイ状態のままS2 =ONの入力を待機する。ステップS118においてS2 =ONの入力が検出されると、ステップS120に進み、記録用画像を取得するための撮影動作(CCD露光)が実行される。
【0112】
露光後メカシャッタを閉じて、まず、主感光画素21から信号の読み出しが行われ(ステップS122)、その画像データ(主感光部データ)はメモリ60に記憶される。
【0113】
次に、副感光画素22から信号の読み出しが行われ(ステップS124)、その画像データ(副感光部データ)はメモリ60に記憶される。
【0114】
次いで、CPU56は、RAWデータ記録モードが選択されているか否かの判定を行う(ステップS126)。この判定は、操作部64のRAW記録ON/OFFスイッチ65の状態に基づいて行われる。ステップS126においてNO判定、すなわち、通常の記録モードが選択されている場合には、ステップS128に進む。
【0115】
ステップS128では、主感光画素21から得られたデータ(低輝度部の信号)を処理し、ゲイン調整やガンマ補正などを行う(図10参照)。
【0116】
また、副感光画素22から得られたデータ(高輝度部の信号)についても、図10で説明したように、ゲイン調整やガンマ補正などの信号処理を行う(図11のステップS130)。
【0117】
その後、ステップS128で得られた低輝度画像データとステップS130で得られた高輝度画像データとを合成して一枚の広ダイナミックレンジ画像を生成するとともに、その画像データを圧縮して(ステップS132)、画像記録部52に保存する(ステップS134)。こうして、合成処理された画像が画像記録部52に記録され、撮影処理を終了する(ステップS136)。
【0118】
ステップS126においてRAWデータ記録モードが選択されている場合には、図12のステップS140に移行する。
【0119】
ステップS140では、高輝度部情報の記録処理の自動カットモードがONに設定されているか否かを判定する。この判定処理は、操作部64のRAW記録自動カットON/OFFスイッチ66の操作に基づいて行われる。
【0120】
自動カットモードがOFFに設定されている場合には、主感光画素21から得られたRAWデータ(低輝度部のRAWデータ)の記録処理が行われるとともに(ステップS142)、副感光画素22から得られたRAWデータ(高輝度部のRAWデータ)の記録処理が行われる(ステップS144)。こうして、低輝度部及び高輝度部のそれぞれのRAWデータが画像記録部52に保存される。
【0121】
ステップS140において、自動カットモードがONに設定されている場合には、ステップS152に移行して高輝度部データの解析を行う。高輝度部のRAW画像の全データまたは適宜サンプリングしたデータをチェックし、予め定められている高輝度部情報記録処理の自動カット条件の成否を判定する(ステップS154)。例えば、8ビットのデジタル値によって画像信号を表した場合に、高輝度RAWデータの最大値RAW−h(Max) が所定の値(例えば、255中の「50」)よりも小さい場合には、高輝度部のRAW画像は情報量が少ないものと判断して、高輝度部のRAWデータ記録を行わないものと定められている。
【0122】
本発明の実施に際して、自動カット条件は上記の例に限定されない、上記の他、例えば、高輝度部のRAW画像の全データ中、所定の判定基準値(例えば、255中の「50」)を下回る画素が所定の判定基準割合(例えば、全データの95%)を超える場合に、高輝度部のRAWデータ記録を行わないという設定もあり得る。このような、自動カット条件の情報は図1中符号61で示したメモリ領域に格納されており、CPU56はこの条件に基づいて、図12のステップS154における判定処理を行う。
【0123】
ステップS154において、自動カット条件を満たさない場合、すなわち、高輝度部のRAW画像の情報量が比較的多いと判断した場合には、高輝度部のRAWデータ記録処理(ステップS156)と、低輝度部のRAWデータ記録処理(ステップS158)とが行われ、それぞれのRAWデータが画像記録部52に保存される。
【0124】
ステップS154において、自動カット条件を満たした場合、すなわち、高輝度部のRAW画像の情報量が比較的少ないと判断した場合には、高輝度部のRAWデータ記録を省略して、低輝度部のRAWデータのみを記録する処理を行う(ステップS158)。
【0125】
上記のようにしてRAWデータの記録処理が完了したら、本撮影シーケンスを終了する(ステップS160)。
【0126】
上記実施形態では、RAW記録自動カットON/OFFスイッチ66のユーザ操作に応じて、自動カットモードのON/OFFを切り替える例を述べたが、本発明の実施に際して、自動カットモードの選択を自動的に制御する態様も可能である。例えば、画像記録部52の空き容量を監視し、RAWデータ記録モード設定中に、画像記録部52の空き容量が所定の判定基準容量よりも少なくなったら、自動的に自動カットモードの選択スイッチをONにするような制御も可能である。この場合、「所定の判定基準容量」の一例として、低輝度部と高輝度部とをともにRAW記録した場合に書き込み可能な画像数が5枚以下になったときに、自動的に高輝度部記録の自動カットモードに移行するようにする態様がある。
【0127】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0128】
図13は第2の実施形態に係る電子カメラのブロック図である。図13中図9と同一又は類似する部分には、同一の符号を付し、その説明は省略する。図13に示した例では、RAW記録を選択した場合、更に、撮影直後に高輝度部についてRAW記録の可否確認を行うか否かを選択するための選択スイッチ(RAW記録可否確認ON/OFFスイッチ)67が設けられている。
【0129】
この選択スイッチ67をONに設定し、RAWデータ記録モード下で撮影を実行すると、撮影直後に表示部54の画面上に高輝度部のRAW画像を記録するかどうかをユーザに尋ねるメッセージが表示される。ユーザは撮影したシーンが高輝度部、すなわち画像のハイライト情報を多く含んでいるかどうかを判断して、高輝度部のRAW画像を記録するか否かを決める。
【0130】
ハイライト情報が少ない場合には、高輝度部のRAW画像記録を削除しても最終画像にとって影響が小さいと判断できる。逆に、ハイライト情報が多いシーンを撮影したときには、高輝度部のRAW画像記録を削除してしまうと最終画像の生成に大きく影響するため、高輝度部のRAW画像を記録したほうがよいと判断できる。
【0131】
このように、高輝度部の画像の記録の要否をユーザ自身が判断して、所定のユーザインターフェースを通じて高輝度部の記録の可否をユーザが指定できるように構成されている。
【0132】
図13に示したカメラにおける撮影シーケンスの要部フローチャートを図14に示す。図12で説明したフローチャートに代えて、図14のフローチャートを適用することができる。すなわち、図11のステップS126において、RAWデータ記録モードが選択されている場合に、図14のステップS240に移行する。
【0133】
ステップS240では、高輝度部の記録についてユーザに可否を尋ねるモードが選択されているか否かを判定する。この判定処理は、操作部64のRAW記録可否確認ON/OFFスイッチ67からの設定に基づいて行われる。
【0134】
高輝度部の記録について可否確認を行わないモードになっている場合(ステップS240にてNO判定のとき)は、ユーザに対して記録の可否を尋ねないで、撮影動作後直ちに主感光画素21から得られたRAWデータ(低輝度部のRAWデータ)の記録処理が行われるとともに(ステップS242)、副感光画素22から得られたRAWデータ(高輝度部のRAWデータ)の記録処理が行われる(ステップS244)。こうして、低輝度部及び高輝度部のそれぞれのRAWデータが画像記録部52に保存される。
【0135】
その一方、ステップS240において、高輝度部記録の可否確認を行うモードが選択されている場合(ステップS240にてYES判定のとき)は、ステップS250に移行し、表示部54にて撮影画像のプレビュー表示を行う。このときのプレビュー表示は、主感光画素21から得られた画像信号(低輝度部画像)から生成された画像が表示される。このプレビュー表示とともに、表示部54には高輝度部のRAWデータ記録の可否の指示入力をユーザに促すメッセージ文(例えば、「高輝度部のRAWデータを記録しますか?」というメッセージ文)が表示される。また、このメッセージ文とともに記録可否の指示を入力する際の操作案内も表示される。
【0136】
カメラ50のCPU56は、操作部64を監視して高輝度部記録の可否を示す指示入力を受け付ける(ステップS252)。ユーザによって記録の可否を示す指示の入力が行われると、CPU56は高輝度部の記録指示であるか否かを判定する(ステップS254)。
【0137】
高輝度部を記録する旨の指示が入力されると、高輝度部のRAWデータ記録処理(ステップS256)と、低輝度部のRAWデータ記録処理(ステップS258)とが行われ、それぞれのRAWデータが画像記録部52に保存される。
【0138】
ステップS254において、高輝度部を記録しない旨の指示が入力されると、高輝度部のRAWデータ記録を省略して、低輝度部のRAWデータのみを記録する処理を行う(ステップS258)。
【0139】
上記のようにしてRAWデータの記録処理が完了したら、本撮影シーケンスを終了する(ステップS260)。
【0140】
上記第2の実施形態では、選択スイッチ67のユーザ操作に応じて、「高輝度部の記録可否確認をユーザに尋ねる/尋ねない」の切り替えを行う例を述べたが、本発明の実施に際して、記録可否確認の有無の選択を自動的に制御する態様も可能である。例えば、画像記録部52の空き容量を監視し、RAW画像記録モード設定中に、画像記録部52の空き容量が所定の判定基準容量よりも少なくなったら、自動的に記録可否確認の選択スイッチをONにするような制御も可能である。この場合、「所定の判定基準容量」の一例として、低輝度部と高輝度部とをともにRAW記録した場合に書き込み可能な画像数が5枚以下になったときに、自動的に記録可否確認モードに移行する態様がある。
【0141】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0142】
図15及び図16は第2の実施形態に係る電子カメラのブロック図である。図15及び図16中、図9及び図10と同一又は類似する部分には、同一の符号を付し、その説明は省略する。図15に示した例では、RAW記録を選択した場合、更に高輝度部のRAW画像を圧縮するか否かを選択するための選択スイッチ(高輝度部圧縮ON/OFFスイッチ)68が設けられている。
【0143】
また、図16に示したように、信号処理部78における高輝度部の信号処理経路内には必要に応じてRAWデータの圧縮処理を行う圧縮回路86が設けられている。この圧縮回路86は、入力された高輝度部のRAWデータに対して圧縮処理を実施するモードと、圧縮処理を行わない無処理モードと、を有しており、図15で示した選択スイッチ68の設定に応じてCPU56から出力される指令信号に動作モードが切り替えられる。
【0144】
高輝度部の情報を圧縮するか否かについては、撮影ごとにユーザが判断して所定のユーザインターフェースを通じてその選択指示を入力してもよいし、RAWデータ記録モードを選ぶ際に高輝度部の情報を圧縮するか否かを指定させる態様でもよい。
【0145】
図15及び図16に示したカメラ50における撮影シーケンスの要部フローチャートを図17に示す。図12で説明したフローチャートに代えて、図17のフローチャートを適用することができる。すなわち、図11のステップS126において、RAW記録モードが選択されている場合に、図17のステップS340に移行する。
【0146】
ステップS340では、高輝度部のRAWデータについて圧縮して記録するモードが選択されているか否かを判定する。この判定処理は、操作部64の選択スイッチ68からの設定に基づいて行われる。
【0147】
高輝度部のRAWデータを圧縮せずに記録するモードになっている場合(ステップS340にてNO判定のとき)は、主感光画素21から得られたRAWデータ(低輝度部のRAWデータ)の非圧縮記録処理が行われるとともに(ステップS342)、副感光画素22から得られたRAWデータ(高輝度部のRAWデータ)についても圧縮を行わず、無処理のまま非圧縮記録処理が行われる(ステップS344)。こうして、低輝度部及び高輝度部のそれぞれのRAWデータが圧縮されずに画像記録部52に保存される。
【0148】
その一方、ステップS340において、高輝度部のRAWデータについて圧縮記録するモードが選択されている場合(ステップS340にてYES判定のとき)は、ステップS352に移行し、低輝度部のRAWデータについては非圧縮記録処理を行い(ステップS352)、高輝度部のRAWデータについては圧縮処理を行ってから(ステップS354)、その圧縮データを画像記録部52に記録する(ステップS356)。こうして、低輝度部及び高輝度部のそれぞれのRAWデータが画像記録部52に保存される。
【0149】
上記のようにしてRAWデータの記録処理が完了したら、本撮影シーケンスを終了する(ステップS360)。
【0150】
上記第3の実施形態において、画像記録部52の空き容量を監視し、RAW画像記録モード設定中に、画像記録部52の空き容量が所定の判定基準容量よりも少なくなったら、高輝度部の圧縮の有無をユーザに問い合わせて圧縮可否の指示入力を促すような制御も可能である。
【0151】
また、本発明の実施に際しては、上記した第1乃至第3の実施形態を適宜組み合わせた態様もあり得る。
【0152】
上述の説明では、ハニカム構造の画素配列を有するCCDを例に説明したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、全画素が正方行列的に配列された画素配列の撮像素子を用いることもできる。
【0153】
また、上記実施形態においては、各画素セルが主感光画素と副感光画素に分割された構造の撮像素子を用いたが、本発明の実施に際しては、低輝度部の画像情報と、高輝度部の画像情報とを得るための手段はこの例に限定されない。
【0154】
撮像素子の受光面において主感光画素の画素セルと、副感光画素の画素セルとがそれぞれ開口の異なる受光部を形成している態様でもよい。
【0155】
また、主感光画素と副感光画素といった区別のない、単一種類の画素セルで構成されている撮像素子を用いて露光条件を変えて複数回(少なくとも2回)の撮像を行うことによって、低輝度部の画像情報と高輝度部の画像情報とを取得する態様も可能である。
【0156】
上述の実施形態では、デジタルカメラを例示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、ビデオカメラ、DVDカメラ、カメラ付き携帯電話機、カメラ付きPDA、カメラ付きモバイルコンピュータなど、電子撮像機能を備えた他の撮影装置についても本発明を適用できる。
【0157】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、RAW画像記録に際して、高輝度部の画像情報から該高輝度部情報の記録の必要性(有効性)を自動的に判定し、記録不要と判断した場合には高輝度部のRAW画像データを記録しないようにしたので、RAW画像記録時のデータ量が過度に大きくなるのを防ぐことができ、かつ画質への影響も少ないという効果を奏する。
【0158】
また、本発明の他の態様によれば、RAW画像記録を行う際、高輝度部情報の記録の有無をユーザが選択できるように構成したので、ユーザ自身が高輝度部の記録の必要性を判断して、記録の要否を指定できる。これにより、最終画像の画質に影響しない高輝度部の情報記録を省略することが可能となり、データ量が過大になるのを防ぐことができる。
【0159】
本発明の更に他の態様によれば、RAW画像記録を行う際、高輝度部の画像に対して圧縮をかけるようにしたので、圧縮によってデータ量を削減することができ、かつ画質への影響も少ないという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】CCD撮像素子の受光面の構造例を示す平面図
【図2】図1の2−2線に沿う断面図
【図3】図1の3−3線に沿う断面図
【図4】図1に示すCCDの全体構成を示す平面模式図
【図5】CCDの他の構造例を示す平面図
【図6】図5の6−6線に沿う断面図
【図7】CCDの更に他の構造例を示す平面図
【図8】主感光画素と副感光画素の光電変換特性を示すグラフ
【図9】本発明の実施形態に係る電子カメラの構成を示すブロック図
【図10】図9に示した信号処理部の要部構成を示すブロック図
【図11】本例のカメラにおける撮影モード時の制御手順を示すフローチャート
【図12】本例のカメラにおける撮影モード時の制御手順を示すフローチャート
【図13】本発明の第2の実施形態に係る電子カメラの構成を示すブロック図
【図14】第2の実施形態に係る電子カメラにおける撮影シーケンスの要部を示すフローチャート
【図15】本発明の第3の実施形態に係る電子カメラの構成を示すブロック図
【図16】図15に示した信号処理部の要部構成を示すブロック図
【図17】第3の実施形態に係る電子カメラにおける撮影シーケンスの要部を示すフローチャート
【符号の説明】
20…CCD、21…フォトダイオード領域(主感光画素)、22…フォトダイオード領域(副感光画素)、23…垂直転送路、40…カラーフィルタ層、41…マイクロレンズ、50…カメラ、51…撮像素子、52…画像記録部、54…表示部、56…CPU、60…メモリ、64…操作部、65…RAW記録ON/OFFスイッチ、66…RAW記録自動カットON/OFFスイッチ、67…選択スイッチ(RAW記録可否確認ON/OFFスイッチ)、68…選択スイッチ(高輝度部圧縮ON/OFFスイッチ)、78…信号処理部、86…圧縮回路
Claims (7)
- 被写体の光学像を電気信号に変換し、相対的に低輝度部の画像情報を得る第1の撮像手段と、
前記被写体の光学像を電気信号に変換し、相対的に高輝度部の画像情報を得る第2の撮像手段と、
前記第1の撮像手段により取得された低輝度部のRAW画像データ及び前記第2の撮像手段により得られた高輝度部のRAW画像データのうち少なくとも前記低輝度部のRAW画像データを記録部に記録するデータ記録手段、を備えた画像記録装置であって、該画像記録装置は、
前記第2の撮像手段により取得された高輝度部の画像情報に基づき当該高輝度部のRAW画像データを前記記録部に記録するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に従い前記高輝度部のRAW画像データの記録処理を制御する記録制御手段、
を備えていることを特徴とする画像記録装置。 - 被写体の光学像を電気信号に変換し、相対的に低輝度部の画像情報を得る第1の撮像手段と、
前記被写体の光学像を電気信号に変換し、相対的に高輝度部の画像情報を得る第2の撮像手段と、
前記第1の撮像手段により取得された低輝度部のRAW画像データ及び前記第2の撮像手段により得られた高輝度部のRAW画像データのうち少なくとも前記低輝度部のRAW画像データを記録部に記録するデータ記録手段、を備えた画像記録装置であって、該画像記録装置は、
前記第2の撮像手段により取得された高輝度部のRAW画像データを前記記録部に記録するか否かを選択的に指定する選択操作手段と、
前記選択操作手段の指定に従い前記高輝度部のRAW画像データの記録処理を制御する記録制御手段、
を備えていることを特徴とする画像記録装置。 - 撮影実行の指示を入力する撮影指示入力手段と、
前記撮影指示入力手段からの指示に基づいて前記第1及び第2の撮像手段による撮像動作が行われた後に、当該撮像動作で取得される前記高輝度部のRAW画像データについて記録処理を行うか否かの指定の入力を促す情報を提示する情報提示手段、
を備えていることを特徴とする請求項2記載の画像記録装置。 - 被写体の光学像を電気信号に変換し、相対的に低輝度部の画像情報を得る第1の撮像手段と、
前記被写体の光学像を電気信号に変換し、相対的に高輝度部の画像情報を得る第2の撮像手段と、
前記第2の撮像手段により取得された高輝度部のRAW画像データを圧縮する圧縮処理手段と、
前記第1の撮像手段により取得された低輝度部のRAW画像データを非圧縮で記録部に記録するとともに、前記圧縮処理手段によって圧縮された高輝度部のRAW画像データを前記記録部に記録するデータ記録手段、
を備えていることを特徴とする画像記録装置。 - 前記高輝度部のRAW画像データを圧縮するか否かを選択的に指定する選択操作手段と、
前記選択操作手段の指定に従い前記圧縮処理手段における前記高輝度部のRAW画像データの圧縮処理を制御する圧縮制御手段、
を備えていることを特徴とする請求項4記載の画像記録装置。 - 相対的にダイナミックレンジが狭い高感度の主感光画素と、相対的にダイナミックレンジの広い低感度の副感光画素とが所定の配列形態に従って多数配置され、一度の露光で前記主感光画素及び前記副感光画素からそれぞれ画像信号を取り出すことができる構造を有する撮像素子が用いられ、
前記主感光画素は前記第1の撮像手段として機能し、前記副感光画素は前記第2の撮像手段として機能することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の画像記録装置。 - 前記撮像素子は、各受光セルが少なくとも前記主感光画素及び前記副感光画素を含む複数の受光領域に分割された構造を有し、各受光セル上方には同一受光セル内の前記主感光画素及び前記副感光画素について同一の色成分のカラーフィルタが配置されるとともに、各受光セルにはそれぞれ1つの受光セルに対して1つのマイクロレンズが設けられていることを特徴とする請求項6記載の画像記録装置。
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