JP2004308949A - 排熱回収システム - Google Patents
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Abstract
【課題】排熱ボイラを特殊構造のボイラとすることなく、高い脱硝効率を維持でき、排熱回収を十分に行うこと。
【解決手段】排ガスを排出する熱源1と、熱源1の排ガスから熱回収する排熱ボイラ5と、熱源1および排熱ボイラ5の間に設けられる脱硝触媒9と、脱硝触媒9の上流側へ排ガスよりも温度の低い気体を投入することにより排ガスを冷却する冷却装置7とを含む。
【選択図】図1
【解決手段】排ガスを排出する熱源1と、熱源1の排ガスから熱回収する排熱ボイラ5と、熱源1および排熱ボイラ5の間に設けられる脱硝触媒9と、脱硝触媒9の上流側へ排ガスよりも温度の低い気体を投入することにより排ガスを冷却する冷却装置7とを含む。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ガスエンジン,ガスタービンなどの排ガスを排出する熱源と排熱ボイラとを組み合わせた排熱回収システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱電併給システム(コジェネレーションシステムと称することもできる。)などの排熱回収システムにおいて、脱硝を行う場合、脱硝触媒を排熱ボイラの蒸発器とエコノマイザとの間に設け、蒸発器出口温度の排ガス温度を約210℃以上とするのが一般的である(これを一般に低温脱硝と称す。)。しかしながら、この従来技術においては、前記排熱ボイラを前記脱硝触媒を挿入可能なように特殊構造とする必要があり、設備コストが上昇する問題がある。また、排ガスの前記蒸発器出口温度がガスエンジンなどの熱電併給装置の負荷,季節,蒸気圧力、前記蒸発器の伝熱管の汚れなどで変動するので、脱硝効率の変動が大きいという課題もある。さらに、前記のように、蒸発器出口の排ガス温度の制約があるために、蒸発器により十分な熱回収ができないという問題があった。さらに、低温脱硝とすると、必要な触媒量が増加するという問題もあった。
【0003】
これらの課題を解決するシステムとして、前記蒸発器を第1蒸発部と第2蒸発部とに分割し、第1蒸発部により冷却された排ガスを前記中温脱硝触媒へ供給することにより、効率良くNOxを除去するように構成するものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の従来技術においても、蒸発器を2分割するというように排熱ボイラ自体を特殊構造にする必要があり、設備コストの上昇を招くという課題があった。
【0005】
【特許文献1】
実開平6−30601号公報(第1頁、図1)
【非特許文献1】
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明が解決しようとする課題は、排熱ボイラを特殊構造のボイラとすることなく、高い脱硝効率を維持でき、排熱回収を十分に行うことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、排ガスを排出する熱源と、前記熱源の排ガスから熱回収する排熱ボイラと、前記熱源および前記排熱ボイラの間に設けられる脱硝触媒と、前記脱硝触媒の上流側へ排ガスよりも温度の低い気体を投入することにより排ガスを冷却する冷却装置とを含むことを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記気体が前記排熱ボイラの排ガスであることを特徴としている。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1において、前記気体が外気であることを特徴としている。
【0010】
さらに、請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3において、前記熱源が熱電併給装置であり、前記脱硝触媒が中温脱硝触媒であることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明の実施の形態について説明する。この実施の形態は、熱電併給装置と排ガスボイラとを組み合わせた熱電併給システムに適用される。
【0012】
この実施の形態は、排ガスを排出する熱源と、前記熱源の排ガスから熱回収する排熱ボイラと、前記熱源および前記排熱ボイラの間に設けられる脱硝触媒と、前記脱硝触媒の上流側へ排ガスよりも温度の低い気体を投入することにより排ガスを冷却する冷却装置とを含むことを特徴としている。
【0013】
斯かる構成により、前記冷却装置により投入された気体により前記脱硝触媒へ流入する排ガスが前記脱硝触媒による脱硝に適した温度まで冷却され、高い脱硝効率が維持される。
【0014】
この実施の形態において、前記熱源は、前記排熱ボイラの熱源となる排ガスを排出するものであれば良いが、好ましくは、熱電併給装置とする。そして、前記熱電併給装置は、好ましくは、排ガス温度が約450℃〜480℃の発電用のガスエンジンとする。しかしながら、実施に応じて、前記熱電併給装置を発電用のガスタービン,ディーゼルエンジンとすることができる。
【0015】
また、前記排ガスボイラは、蒸気ボイラ、温水ボイラを含み、貫流型,自然循環型などその型式を問わない。前記排ガスボイラは、これを蒸気ボイラとした場合、排熱回収熱交換器として蒸発器を備え、温水ボイラとした場合、温水生成用の排熱回収用熱交換器を備える。また、前記排熱ボイラは、追い焚き用のバーナを備えたものとすることもできる。
【0016】
また、前記脱硝触媒は、前記熱源から排出される排ガス中に含まれるNOxを除去するものである。前記熱源を排ガス温度が約450℃〜480℃のガスエンジンとした場合、好ましくは、前記脱硝触媒は、排ガス温度が約300℃〜450℃にて脱硝を行う中温脱硝触媒とする。この中温脱硝触媒を用いることにより、低温脱硝触媒を用いる場合と比較して、必要触媒量を少なくできる。
【0017】
前記冷却装置は、前記脱硝触媒へ流入する前記熱源からの排ガスの温度を冷却用の気体により低減して前記脱硝触媒による脱硝を効率良く行わせるものである。冷却用の気体は、好ましくは、前記排熱ボイラから排出される排ガスとする。この排ガスとしては、前記排熱ボイラの蒸発器出口の排ガスおよびエコノマイザ出口またはその後流の排ガスを含む。しかしながら、冷却用の気体は、この排ガスに限定されるものではなく、実施に応じて、外気やガスエンジンのターボチャージャー出口の空気とすることが可能である。この冷却手段に用いられる気体は、その温度が高いほど、排熱ボイラの熱効率が高くなるので、脱硝に適した温度に冷却できるかどうか、高い熱効率を発揮できるかどうかにより、適宜選定される。
【0018】
前記の実施の形態によれば、前記脱硝触媒を前記熱源と前記排熱ボイラとの間に設けるので、前記排熱ボイラを特殊構造のものとする必要がない。また、前記脱硝触媒へ流入する排ガス温度の変動要素を少なくでき、高い脱硝効率を維持できるとともに、前記蒸発器が脱硝温度による制約を受けないので、高い熱回収効率を発揮できるものである。
【0019】
【実施例】
以下、この発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、この発明の排熱回収システムを実施した熱電併給システムの一実施例の概略構成図である。
【0020】
前記一実施例の熱電併給システムは、中温脱硝装置によりNOxを低減し、排ガスボイラにより高効率の熱回収を行うように構成されている。
【0021】
図1に示すように、前記熱電併給システムは、熱電併給装置としてのガスエンジン1と、前記ガスエンジン1から排出される排ガスの熱を回収して蒸気を生成する蒸発器2およびエコノマイザ(給水予熱器)3を第一排ガス通路4内に有する自然循環式排熱ボイラ5と、前記ガスエンジン1および前記排熱ボイラ5との間に設けられる脱硝装置6と、前記排ガスボイラ5から排出される排ガスの一部を前記脱硝装置6の上流側へ投入することにより前記脱硝装置5へ流入する排ガスを脱硝に適した温度に冷却する冷却装置7とから主に構成される。
【0022】
前記脱硝装置6は、前記第一排ガス通路4に連通接続される第二排ガス通路8とこの通路8内に設けられる中温脱硝触媒9とを有している。前記中温脱硝触媒9は、約300℃〜450℃で効率良く脱硝機能をなし、特に約360〜370℃付近で最も脱硝効率が高い。
【0023】
前記ガスエンジン1は、周知の構成のもので、排出される排ガス温度は、約450℃〜480℃である。前記ガスエンジン1と前記第二排ガス通路8とは、第三排ガス通路10により連通接続されている。
【0024】
前記冷却装置7は、前記第一排ガス通路4の出口近傍と前記中温脱硝触媒9の上流側に相当する前記第三排ガス通路10との間を連通接続する冷却用気体の投入通路11と、この投入通路11の途中に設ける送風機12とから主に構成される。
【0025】
前記冷却装置7により投入される冷却用気体,すなわち排ガスの温度は、約150℃であり、前記中温脱硝触媒9へ流入する排ガス温度が、約300℃〜450℃の間、好ましくは、脱硝効率が最も高い温度となるように、前記冷却装置7により投入される排ガス量を決める。ここで、前記ガスエンジン1からの排ガス温度とその排出量は、前記ガスエンジンの負荷により変化する。しかしながら、負荷減少時には排ガス温度が上昇するが、排ガス量が減少し、逆に負荷増大時には排ガス温度が下降するが、排ガス量が増大するので、全体として排ガスの熱量が、大きく変化しない。したがって、発明者は、前記冷却装置7による排ガス量を定量に設定しても然程脱硝効率に影響を受けないことを確認している。
【0026】
図1において、13は、図示しない蒸気負荷へ蒸気を供給する蒸気供給路であり、気液分離器14および蒸気バルブ15を備えている。また、16は、前記エコノマイザ3へ水を供給する給水経路であり、給水ポンプ17および給水バルブ18を備えている。19は、前記排ガスボイラ5から排出される排ガスを大気へ放出するための煙突である。
【0027】
つぎに、前記実施例の動作を説明する。図1において、前記ガスエンジン1を運転すると、約450℃〜480℃の排ガスが排出される。その排ガスは、前記中温脱硝触媒9へ流入するが、その流入前に前記冷却装置7により投入される約150℃の排ガスと混合されて、約300℃〜450℃の温度に低下する。この温度低下により、中温脱硝が効率良く行われることになる。
【0028】
前記脱硝触媒9にて脱硝され、NOxが除去された排ガスは、前記蒸発器2、と熱交換し蒸気を生成する。この熱交換の際、前記蒸発器2出口での排ガス温度が前記脱硝触媒9の脱硝反応上の制約であった約210℃以下まで低下され、脱硝温度の制約を受けることなく、十分な熱回収が行われる。そして、排ガスは、前記エコノマイザ3と熱交換した後、約150℃に温度低下して前記第一排ガス通路4の出口より排出される。
【0029】
前記実施例によれば、前記排熱ボイラ5の構成を従来の排熱ボイラからほとんど変更することなく、高効率の中温脱硝を実現できる。また、前記中温脱硝触媒9を前記蒸発器2の上流に設けているので、前記中温脱硝触媒9へ供給する排ガス温度を安定したものとすることができ、前記中温脱硝触媒9の高い脱硝効率を維持することができる。さらに、前記蒸発器2において脱硝温度の制約を受けずに熱回収できるので、前記排熱ボイラ5の熱回収量を高いものとすることができる。
【0030】
この発明は、前記実施例に限定されるものではなく、実施に応じて、図2に示すように、前記冷却装置7による冷却用気体を前記排ガスボイラ4の排ガスでなく、送風機12を備える気体投入通路11により投入される外気(大気)とすることもできる。この実施例において、図1の実施例と同じ要素は、同じ符号を付して説明を省略する。この実施例によれば、図1の実施例と比較して前記排ガスボイラ5に排ガス取出口を形成する必要がないので、安価に実現できる。
【0031】
また、前記冷却装置7による気体投入量を定量としているが、前記脱硝装置6へ流入する排ガス温度が設定値となるように気体投入量を制御するように構成することができる。
【0032】
【発明の効果】
この発明によれば、排熱ボイラを特殊構造のボイラとすることなく、高い脱硝効率を維持でき、排熱回収を十分に行うことことができるなど、産業的価値は多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を実施した排熱回収システムの一実施例の概略構成図である。
【図2】この発明を実施した排熱回収システムの他の実施例の概略構成図である。
【符号の説明】
1 ガスエンジン(熱源)
5 排熱ボイラ
7 冷却装置
9 中温脱硝触媒(脱硝触媒)
【発明の属する技術分野】
この発明は、ガスエンジン,ガスタービンなどの排ガスを排出する熱源と排熱ボイラとを組み合わせた排熱回収システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱電併給システム(コジェネレーションシステムと称することもできる。)などの排熱回収システムにおいて、脱硝を行う場合、脱硝触媒を排熱ボイラの蒸発器とエコノマイザとの間に設け、蒸発器出口温度の排ガス温度を約210℃以上とするのが一般的である(これを一般に低温脱硝と称す。)。しかしながら、この従来技術においては、前記排熱ボイラを前記脱硝触媒を挿入可能なように特殊構造とする必要があり、設備コストが上昇する問題がある。また、排ガスの前記蒸発器出口温度がガスエンジンなどの熱電併給装置の負荷,季節,蒸気圧力、前記蒸発器の伝熱管の汚れなどで変動するので、脱硝効率の変動が大きいという課題もある。さらに、前記のように、蒸発器出口の排ガス温度の制約があるために、蒸発器により十分な熱回収ができないという問題があった。さらに、低温脱硝とすると、必要な触媒量が増加するという問題もあった。
【0003】
これらの課題を解決するシステムとして、前記蒸発器を第1蒸発部と第2蒸発部とに分割し、第1蒸発部により冷却された排ガスを前記中温脱硝触媒へ供給することにより、効率良くNOxを除去するように構成するものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の従来技術においても、蒸発器を2分割するというように排熱ボイラ自体を特殊構造にする必要があり、設備コストの上昇を招くという課題があった。
【0005】
【特許文献1】
実開平6−30601号公報(第1頁、図1)
【非特許文献1】
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明が解決しようとする課題は、排熱ボイラを特殊構造のボイラとすることなく、高い脱硝効率を維持でき、排熱回収を十分に行うことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、排ガスを排出する熱源と、前記熱源の排ガスから熱回収する排熱ボイラと、前記熱源および前記排熱ボイラの間に設けられる脱硝触媒と、前記脱硝触媒の上流側へ排ガスよりも温度の低い気体を投入することにより排ガスを冷却する冷却装置とを含むことを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記気体が前記排熱ボイラの排ガスであることを特徴としている。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1において、前記気体が外気であることを特徴としている。
【0010】
さらに、請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3において、前記熱源が熱電併給装置であり、前記脱硝触媒が中温脱硝触媒であることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明の実施の形態について説明する。この実施の形態は、熱電併給装置と排ガスボイラとを組み合わせた熱電併給システムに適用される。
【0012】
この実施の形態は、排ガスを排出する熱源と、前記熱源の排ガスから熱回収する排熱ボイラと、前記熱源および前記排熱ボイラの間に設けられる脱硝触媒と、前記脱硝触媒の上流側へ排ガスよりも温度の低い気体を投入することにより排ガスを冷却する冷却装置とを含むことを特徴としている。
【0013】
斯かる構成により、前記冷却装置により投入された気体により前記脱硝触媒へ流入する排ガスが前記脱硝触媒による脱硝に適した温度まで冷却され、高い脱硝効率が維持される。
【0014】
この実施の形態において、前記熱源は、前記排熱ボイラの熱源となる排ガスを排出するものであれば良いが、好ましくは、熱電併給装置とする。そして、前記熱電併給装置は、好ましくは、排ガス温度が約450℃〜480℃の発電用のガスエンジンとする。しかしながら、実施に応じて、前記熱電併給装置を発電用のガスタービン,ディーゼルエンジンとすることができる。
【0015】
また、前記排ガスボイラは、蒸気ボイラ、温水ボイラを含み、貫流型,自然循環型などその型式を問わない。前記排ガスボイラは、これを蒸気ボイラとした場合、排熱回収熱交換器として蒸発器を備え、温水ボイラとした場合、温水生成用の排熱回収用熱交換器を備える。また、前記排熱ボイラは、追い焚き用のバーナを備えたものとすることもできる。
【0016】
また、前記脱硝触媒は、前記熱源から排出される排ガス中に含まれるNOxを除去するものである。前記熱源を排ガス温度が約450℃〜480℃のガスエンジンとした場合、好ましくは、前記脱硝触媒は、排ガス温度が約300℃〜450℃にて脱硝を行う中温脱硝触媒とする。この中温脱硝触媒を用いることにより、低温脱硝触媒を用いる場合と比較して、必要触媒量を少なくできる。
【0017】
前記冷却装置は、前記脱硝触媒へ流入する前記熱源からの排ガスの温度を冷却用の気体により低減して前記脱硝触媒による脱硝を効率良く行わせるものである。冷却用の気体は、好ましくは、前記排熱ボイラから排出される排ガスとする。この排ガスとしては、前記排熱ボイラの蒸発器出口の排ガスおよびエコノマイザ出口またはその後流の排ガスを含む。しかしながら、冷却用の気体は、この排ガスに限定されるものではなく、実施に応じて、外気やガスエンジンのターボチャージャー出口の空気とすることが可能である。この冷却手段に用いられる気体は、その温度が高いほど、排熱ボイラの熱効率が高くなるので、脱硝に適した温度に冷却できるかどうか、高い熱効率を発揮できるかどうかにより、適宜選定される。
【0018】
前記の実施の形態によれば、前記脱硝触媒を前記熱源と前記排熱ボイラとの間に設けるので、前記排熱ボイラを特殊構造のものとする必要がない。また、前記脱硝触媒へ流入する排ガス温度の変動要素を少なくでき、高い脱硝効率を維持できるとともに、前記蒸発器が脱硝温度による制約を受けないので、高い熱回収効率を発揮できるものである。
【0019】
【実施例】
以下、この発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、この発明の排熱回収システムを実施した熱電併給システムの一実施例の概略構成図である。
【0020】
前記一実施例の熱電併給システムは、中温脱硝装置によりNOxを低減し、排ガスボイラにより高効率の熱回収を行うように構成されている。
【0021】
図1に示すように、前記熱電併給システムは、熱電併給装置としてのガスエンジン1と、前記ガスエンジン1から排出される排ガスの熱を回収して蒸気を生成する蒸発器2およびエコノマイザ(給水予熱器)3を第一排ガス通路4内に有する自然循環式排熱ボイラ5と、前記ガスエンジン1および前記排熱ボイラ5との間に設けられる脱硝装置6と、前記排ガスボイラ5から排出される排ガスの一部を前記脱硝装置6の上流側へ投入することにより前記脱硝装置5へ流入する排ガスを脱硝に適した温度に冷却する冷却装置7とから主に構成される。
【0022】
前記脱硝装置6は、前記第一排ガス通路4に連通接続される第二排ガス通路8とこの通路8内に設けられる中温脱硝触媒9とを有している。前記中温脱硝触媒9は、約300℃〜450℃で効率良く脱硝機能をなし、特に約360〜370℃付近で最も脱硝効率が高い。
【0023】
前記ガスエンジン1は、周知の構成のもので、排出される排ガス温度は、約450℃〜480℃である。前記ガスエンジン1と前記第二排ガス通路8とは、第三排ガス通路10により連通接続されている。
【0024】
前記冷却装置7は、前記第一排ガス通路4の出口近傍と前記中温脱硝触媒9の上流側に相当する前記第三排ガス通路10との間を連通接続する冷却用気体の投入通路11と、この投入通路11の途中に設ける送風機12とから主に構成される。
【0025】
前記冷却装置7により投入される冷却用気体,すなわち排ガスの温度は、約150℃であり、前記中温脱硝触媒9へ流入する排ガス温度が、約300℃〜450℃の間、好ましくは、脱硝効率が最も高い温度となるように、前記冷却装置7により投入される排ガス量を決める。ここで、前記ガスエンジン1からの排ガス温度とその排出量は、前記ガスエンジンの負荷により変化する。しかしながら、負荷減少時には排ガス温度が上昇するが、排ガス量が減少し、逆に負荷増大時には排ガス温度が下降するが、排ガス量が増大するので、全体として排ガスの熱量が、大きく変化しない。したがって、発明者は、前記冷却装置7による排ガス量を定量に設定しても然程脱硝効率に影響を受けないことを確認している。
【0026】
図1において、13は、図示しない蒸気負荷へ蒸気を供給する蒸気供給路であり、気液分離器14および蒸気バルブ15を備えている。また、16は、前記エコノマイザ3へ水を供給する給水経路であり、給水ポンプ17および給水バルブ18を備えている。19は、前記排ガスボイラ5から排出される排ガスを大気へ放出するための煙突である。
【0027】
つぎに、前記実施例の動作を説明する。図1において、前記ガスエンジン1を運転すると、約450℃〜480℃の排ガスが排出される。その排ガスは、前記中温脱硝触媒9へ流入するが、その流入前に前記冷却装置7により投入される約150℃の排ガスと混合されて、約300℃〜450℃の温度に低下する。この温度低下により、中温脱硝が効率良く行われることになる。
【0028】
前記脱硝触媒9にて脱硝され、NOxが除去された排ガスは、前記蒸発器2、と熱交換し蒸気を生成する。この熱交換の際、前記蒸発器2出口での排ガス温度が前記脱硝触媒9の脱硝反応上の制約であった約210℃以下まで低下され、脱硝温度の制約を受けることなく、十分な熱回収が行われる。そして、排ガスは、前記エコノマイザ3と熱交換した後、約150℃に温度低下して前記第一排ガス通路4の出口より排出される。
【0029】
前記実施例によれば、前記排熱ボイラ5の構成を従来の排熱ボイラからほとんど変更することなく、高効率の中温脱硝を実現できる。また、前記中温脱硝触媒9を前記蒸発器2の上流に設けているので、前記中温脱硝触媒9へ供給する排ガス温度を安定したものとすることができ、前記中温脱硝触媒9の高い脱硝効率を維持することができる。さらに、前記蒸発器2において脱硝温度の制約を受けずに熱回収できるので、前記排熱ボイラ5の熱回収量を高いものとすることができる。
【0030】
この発明は、前記実施例に限定されるものではなく、実施に応じて、図2に示すように、前記冷却装置7による冷却用気体を前記排ガスボイラ4の排ガスでなく、送風機12を備える気体投入通路11により投入される外気(大気)とすることもできる。この実施例において、図1の実施例と同じ要素は、同じ符号を付して説明を省略する。この実施例によれば、図1の実施例と比較して前記排ガスボイラ5に排ガス取出口を形成する必要がないので、安価に実現できる。
【0031】
また、前記冷却装置7による気体投入量を定量としているが、前記脱硝装置6へ流入する排ガス温度が設定値となるように気体投入量を制御するように構成することができる。
【0032】
【発明の効果】
この発明によれば、排熱ボイラを特殊構造のボイラとすることなく、高い脱硝効率を維持でき、排熱回収を十分に行うことことができるなど、産業的価値は多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を実施した排熱回収システムの一実施例の概略構成図である。
【図2】この発明を実施した排熱回収システムの他の実施例の概略構成図である。
【符号の説明】
1 ガスエンジン(熱源)
5 排熱ボイラ
7 冷却装置
9 中温脱硝触媒(脱硝触媒)
Claims (4)
- 排ガスを排出する熱源1と、前記熱源1の排ガスから熱回収する排熱ボイラ5と、前記熱源1および前記排熱ボイラ5の間に設けられる脱硝触媒9と、前記脱硝触媒9の上流側へ排ガスよりも温度の低い気体を投入することにより排ガスを冷却する冷却装置7とを含む排熱回収システム。
- 前記気体が前記排熱ボイラ5の排ガスであることを特徴とする請求項1に記載の排熱回収システム。
- 前記気体が外気であることを特徴とする請求項1に記載の排熱回収システム。
- 前記熱源1が熱電併給装置であり、前記脱硝触媒9が中温脱硝触媒であることを特徴とする請求項1〜請求項3にいずれか1項に記載の排熱回収システム。
Priority Applications (1)
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JP2003099830A JP2004308949A (ja) | 2003-04-03 | 2003-04-03 | 排熱回収システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003099830A JP2004308949A (ja) | 2003-04-03 | 2003-04-03 | 排熱回収システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004308949A true JP2004308949A (ja) | 2004-11-04 |
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Family Applications (1)
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2003
- 2003-04-03 JP JP2003099830A patent/JP2004308949A/ja active Pending
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