JP2004307165A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】装置の大型化を防止し、かつ組立工数及び部材コストを低減して、搬送用紙の両面に画像を形成することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】給紙部12から搬出された画像形成媒体Pを排紙部まで搬送する第1の搬送路38と、第1の搬送路38を搬送される画像形成媒体Pに画像を形成する画像形成部18と、画像を画像形成媒体Pに定着させる定着部32と、画像形成媒体Pを反転させて画像形成部18に搬送する第2の搬送路50と、を有し、画像形成部18の少なくとも一部が画像形成媒体Pに第2の搬送路50を搬送させるための搬送手段を兼ねる構成とした。
【選択図】 図1
【解決手段】給紙部12から搬出された画像形成媒体Pを排紙部まで搬送する第1の搬送路38と、第1の搬送路38を搬送される画像形成媒体Pに画像を形成する画像形成部18と、画像を画像形成媒体Pに定着させる定着部32と、画像形成媒体Pを反転させて画像形成部18に搬送する第2の搬送路50と、を有し、画像形成部18の少なくとも一部が画像形成媒体Pに第2の搬送路50を搬送させるための搬送手段を兼ねる構成とした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえばレーザービームプリンタや電子写真複写機等の画像形成装置、特に転写紙等の画像形成媒体の片面もしくは両面に画像形成が可能な画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7に示すように、従来の画像形成装置100は、給紙カセットから排紙トレイに向かう主搬送路114を有し、その主搬送路114の上流側に画像形成部108が設けられ、下流側に定着部102が設けられている。定着部102はヒートローラ104とこれに圧接するプレスローラ106とを備えており、画像形成部108は感光ドラム110とこれにニップを形成する転写ローラ112とを備えている。
【0003】
一方、画像形成装置100には、主搬送路114と略並行して副搬送路116が形成されている。この副搬送路116を挟み込むように第1の搬送ローラ対118と第2の搬送ローラ対120とが配置されている。副搬送路116は、上方及び下方において主搬送路114と接続しており、特に上方には主搬送路114と副搬送路116とが一つになって用紙待機部122が設けられている。なお、この用紙待機部122には排出ローラ対(図示省略)が配置されている。
【0004】
ここで、上記従来の画像形成装置100の両面印字時の作用について説明する。
用紙が供給ローラ(図示しない)により給紙カセットから繰り出され、主搬送路114を搬送されてやがて画像形成部108に到達する。画像形成部108では、転写ローラ112により用紙の表面が感光ドラム110に押し付けられ、感光ドラム110上に担持されたトナー画像が用紙の表面に転写される。表面にトナー画像が形成された用紙はさらに主搬送路114を搬送され、やがて定着部102に到達する。定着部102では、プレスローラ106により、用紙の表面がヒートローラ104に押し付けられ、用紙の表面にトナー画像が定着される。
【0005】
表面にトナー画像が定着された用紙は、排出ローラ対によりそのまま主搬送路114を搬送され、用紙待機部122に到達する。用紙が用紙待機部122に到達すると、排出ローラ対が逆回転し用紙が逆方向に搬送され、副搬送路116に向かう。さらに、用紙は第1の搬送ローラ対118及び第2の搬送ローラ対120により、副搬送路116を搬送され、やがて画像形成部108に到達する。この画像形成部108では、同様にして、転写ローラ112により用紙の裏面が感光ドラム110に押し付けられ、感光ドラム110上に担持された画像が用紙の裏面に転写される。裏面にトナー画像が転写された用紙はさらに主搬送路114を搬送され、やがて定着部102に到達する。定着部102では、プレスローラ106により、用紙の裏面がヒートローラ104に押し付けられ、用紙の裏面にトナー画像が定着される。
【0006】
このように、表面と裏面に画像が形成された用紙は、排出ローラ対により用紙待機部122から外部に設けられた排出トレイ(図示省略)に排出される。
【0007】
ところで、上記従来の画像形成装置100では、主搬送路114と副搬送路116とが略並行して設けられているため、ヒートローラ104及びプレスローラ106と第1の搬送ローラ対118とが略並行に配置される構成となってしまう。このため、主搬送路114及び副搬送路116に対して略垂直方向(図3中矢印W方向)の厚みが増してしまうことになる。この結果、画像形成装置100が大型化するという問題がある。さらに、従来の画像形成装置100では、第1の搬送ローラ対118と第2の搬送ローラ対120とが必要となっていたため、組立工数が増えるとともに部材コストも増加するという問題がある。
【0008】
【特許文献1】
特開平1−92135号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みて成されたものであり、装置の大型化を防止し、かつ組立工数及び部材コストを低減して、搬送用紙の両面に画像を形成することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
請求項1に記載の発明は、給紙部から搬出された画像形成媒体を排紙部まで搬送する第1の搬送路と、前記第1の搬送路を搬送される前記画像形成媒体に画像を形成する画像形成部と、前記画像を画像形成媒体に定着させる定着部と、前記画像形成媒体を反転させて前記画像形成部に搬送する第2の搬送路と、を有し、前記画像形成部の少なくとも一部が前記画像形成媒体に前記第2の搬送路を搬送させるための搬送手段を兼ねることを特徴とする。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、画像形成媒体が給紙部から搬出される。給紙部から搬出された画像形成媒体は、第1の搬送路を搬送され画像形成部に供給される。この画像形成部により画像形成媒体の表面に画像が形成される。表面に画像が形成された画像形成媒体は、さらに第1の搬送路を搬送され、定着部に供給される。この定着部により画像形成媒体の表面に画像が定着される。これら一連の工程により画像形成媒体の表面に画像が形成される。
次に、表面に画像が形成された画像形成媒体は、第2の搬送路に供給される。画像形成媒体は、画像形成部の少なくとも一部が兼ねる搬送手段により第2の搬送路を搬送され、表面と裏面とが反転された状態で再度、画像形成部に供給される。画像形成部では、画像形成媒体の裏面に画像が形成される。画像が形成された画像形成媒体は、第1の搬送路を搬送され、定着部に供給される。定着部では、画像形成媒体の裏面に画像が定着される。これら一連の工程により画像形成媒体の裏面に画像が形成される。なお、表面と裏面に画像が形成された画像形成媒体は、そのまま外部に搬出される。
ここで、本発明の画像形成装置では、画像形成部の少なくとも一部が画像形成媒体に前記第2の搬送路を搬送させるための搬送手段を兼ねているため、部材点数を少なくすることができる。この結果、画像形成装置の大型化を防止することができる。さらに、部品点数を少なくすることにより組立工数を削減でき、製造コストも低減することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記第2の搬送路は前記第1の搬送路と略並行に配置され、前記画像形成部は、画像を担持する感光体部材と、前記第1の搬送路と前記第2の搬送路との間に配置され前記感光体部材に圧接し前記画像を前記画像形成媒体に転写させる転写ローラと、を有し、前記転写ローラと前記第2の搬送路を挟んで配置され前記転写ローラとともに前記画像形成媒体を搬送する搬送ローラを有し、前記搬送手段は、前記転写ローラと前記搬送ローラとで構成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、第2の搬送路は第1の搬送路と略並行に配置されており、画像形成部は、感光体部材と、第1の搬送路と第2の搬送路との間に配置された転写ローラと、を有し、搬送手段は、転写ローラと、この転写ローラとともに画像形成媒体を搬送する搬送ローラと、で構成されていることにより、画像形成部を構成する転写ローラが搬送手段を兼ねることになる。このため、第1の搬送路と第2の搬送路との間のスペースを小さくすることができ、画像形成装置が大型化することを防止できる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記転写ローラ及び前記搬送ローラは導電性部材でそれぞれ構成されており、転写ローラ及び搬送ローラに電圧を印加する電圧印加手段を有し、前記搬送ローラは前記転写ローラと接触しているか、あるいは前記搬送ローラは前記画像形成媒体の厚みの分だけ前記転写ローラと離間していることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、転写ローラ及び搬送ローラは導電性部材でそれぞれ構成されているため、電圧印加手段により転写ローラ及び搬送ローラに電圧を印加させることができる。
ここで、搬送ローラと転写ローラとが接触していると両者に印加された電圧印加電圧の合成電圧が画像形成媒体の画像転写時の実行電圧値となり、搬送ローラと転写ローラとが離間していると転写ローラに印加された印加電圧のみが画像形成媒体の画像転写時の実行電圧値になる。このように、転写ローラに印加された電圧を一定とした状態で、搬送ローラと転写ローラとを接触させるか、あるいは離間させるかにより、画像形成媒体の画像転写時の実行電圧値を容易に変えることができる。この結果、転写ローラに印加される電圧値を一定にしたままで、画像形成媒体の表面転写、裏面転写を最適な転写条件で実行することができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、前記画像形成媒体の一方の面に画像を転写するときには前記電圧印加手段は前記転写ローラの転写バイアス未満の電圧を前記搬送ローラに印加し、前記画像形成媒体の他方の面に画像を転写するときには前記電圧印加手段は前記転写ローラの転写バイアス以上の電圧を前記搬送ローラに印加することを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、一方の面に画像が転写された画像形成媒体が定着部を通過した後、画像形成媒体の含有水分量が減少するため、画像形成媒体の電気抵抗値が大きくなる。
ここで、画像形成媒体の一方の面に画像を転写するときには電圧印加手段により転写ローラの転写バイアスよりも低い電圧が搬送ローラに印加され、画像形成媒体の他方の面に画像を転写するときには電圧印加手段により転写ローラの転写バイアス以上の電圧が搬送ローラに印加される構成としたことにより、画像形成媒体の一方の面の画像の定着後に電気抵抗値が変わっても、画像形成媒体の他方の面への画像転写時における実行電圧値を低下させることを防止することができる。このように、良好な転写条件で画像形成媒体の他方の面に画像を転写させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は本実施形態の構成を示す断面図である。
【0019】
図1に示すように、本発明の一実施形態の画像形成装置10は、給紙カセット12から搬出された用紙Pを排紙部まで搬送する主搬送路38を備えている。給紙カセット12は、画像形成装置10の下部に配置されており、その内部には用紙Pが積載されて収容されている。給紙カセット12の近傍には給紙カセット12から用紙Pを繰り出す給紙ローラ14が配置されており、この給紙ローラ14はモータなどの駆動力手段(図示省略)によって回転駆動するように構成されている。また、給紙ローラ14の下流側には用紙Pの斜行を矯正するためのレジストローラ20が配置されている。
【0020】
レジストローラ20の下流側には、画像形成部18が設けられている。この画像形成部18は、感光ドラム16を備え、感光ドラム16の近傍には、用紙Pを感光ドラム16に押し付ける転写ローラ22が感光ドラム16にニップして配置されている。この転写ローラ22は、導電性ポリウレタンなどの導電性と可撓性とを有する素材で構成されている。用紙Pは感光ドラム16と転写ローラ22とで挟まれて主搬送路38をさらに下流側へと搬送されていく。これらの感光ドラム16と転写ローラ22とは、給紙ローラ14を駆動するモータと同じモータによって回転駆動される。
【0021】
感光ドラム16の周囲には、現像器24と、帯電器26と、メモリ除去ブラシ28などのプロセス機器が配置されている。また、画像形成装置10の内部には、レーザスキャナユニット30が設けられており、このレーザスキャナユニット30は、画像信号に応答してレーザ光を発信するレーザ装置(図示省略)と、そのレーザ光を感光ドラム16上に操作するためのポリゴンミラー(図示省略)とを備えている。
【0022】
ここで、図2に示すように、画像形成装置10には、現像器24、帯電器26、転写ローラ22及び後述する搬送ローラ46に電圧を印加するための電圧印加手段49が設けられている。この電圧印加手段49により、現像器24、帯電器26、転写ローラ22及び後述する搬送ローラ46に所定の電圧が印加される。
【0023】
図1に示すように、画像形成部18の下流側には、用紙P上のトナー画像を用紙Pに定着させる定着部32が設けられている。定着部32は、用紙Pを加熱するためのヒートローラ34と、このヒートローラ34に圧接するプレスローラ36とを備えている。
【0024】
主搬送路38の定着部32よりも下流側は、用紙待機部40として機能する。この用紙待機部40には、第1の排出ローラ対42と第2の排出ローラ対44とが配置されている。両面印字する場合には、主搬送路38を搬送された用紙Pは、第1の排出ローラ対42と第2の排出ローラ対44とにより、そのまま用紙待機部40に搬送される構成になっている。なお、第1の排出ローラ対42と第2の排出ローラ対44とは、感光ドラム16を駆動するモータとは異なるモータなどの駆動源(図示省略)と接続されており、正方向にも逆方向にも回転できるように構成されている。
【0025】
また、画像形成装置10は、プレスローラ36及び転写ローラ22を挟んで主搬送路38に平行に延びる副搬送路50を有しており、この副搬送路50は定着部32の下流側とレジストローラ20の上流側とで主搬送路38に接続している。また、プレスローラ36の近傍には、副搬送路50を挟んでニップした状態の一対の搬送ローラ対48が配置されている。また、副搬送路50において、搬送ローラ対48の配設位置とレジストローラ20の上流側にある主搬送路38の合流部との間には、搬送ローラ46が配置されており、この搬送ローラ46は副搬送路50を挟んで配置されている。この搬送ローラ46は、金属などの導電性を有し剛性の高い素材で構成されてもよく、また、導電性ポリウレタンなどの導電性を有し可撓性のある素材で構成されていてもよい。また、搬送ローラ46は転写ローラ22と接触しているか、あるいは用紙Pの厚みの分だけ離間して配置されている。
【0026】
次に、本実施形態に係る画像形成装置10を用いて両面印刷する場合の作用及び効果について詳細に説明する。
【0027】
図1に示すように、給紙カセット12の内部に積層された用紙Pが回転駆動された給紙ローラ14により、主搬送路38に向けて給紙カセット12から繰り出される。給紙カセット12から繰り出された用紙Pは、駆動停止しているレジストローラ20によって斜行が矯正された後、駆動開始した駆動停止しているレジストローラ20によって挟持されて主搬送路38上を搬送される。
【0028】
主搬送路38上を搬送された用紙Pは、やがて画像形成部18に到達する。画像形成部18に供給された用紙Pは転写ローラ22により感光ドラム16に押し付けられ、転写電圧が印加された転写ローラ22と感光ドラム16との電位差によって感光ドラム16の表面に担持されたトナー画像が用紙Pに引き寄せられて、用紙Pの表面にトナー画像が転写される。このとき、電圧印加手段49は、転写ローラ22に対して一定の値の電圧を印加している。用紙Pにトナー画像を転写するとき、搬送ローラ46が転写ローラ22に接していると、転写ローラ22に印加した電圧と搬送ローラ46に印加した電圧との合成電圧が用紙Pにトナー画像を転写するための実行電圧値となる。一方、用紙Pにトナー画像を転写するとき、搬送ローラ46が転写ローラ22に対して離間していると、転写ローラ22に印加された電圧がそのまま用紙Pにトナー画像を転写するための実行電圧値となる。また、搬送ローラ46が転写ローラ22に接している場合に、電圧印加手段49が転写ローラ22に印加した電圧以上の電圧を印加した場合には、転写ローラ22に印加した電圧が用紙Pにトナー画像を転写するための実行電圧値となる。一方、搬送ローラ46が転写ローラ22に対して接している場合に、電圧印加手段49が転写ローラ22に印加した電圧未満の電圧を印加した場合は、転写ローラ22と搬送ローラ46との間で電位差が生じて転写ローラ22に印加した電圧よりも低い電圧が用紙Pにトナー画像を転写するための実行電圧値となる。したがって、搬送ローラ46の転写ローラ22へ当接、離間の制御および/又は、搬送ローラ46への印加電圧を制御することによって、転写ローラ22に印加する電圧を変えることなく、転写条件を異ならせることができる。
【0029】
表面にトナー画像が転写された用紙Pは、主搬送路38をさらに下流側に搬送され、やがて定着部32に到達する。定着部32に供給された用紙Pはプレスローラ36によりヒートローラ34に押し付けられて加熱・加圧され、表面のトナー画像が用紙P上に定着される。
【0030】
その後、用紙Pは、正方向(図1中矢印X方向)に回転する第1の排出ローラ対42及び第2の排出ローラ対44により後端が用紙待機部40に位置するまで搬送され、その後、第1の排出ローラ対42及び第2の排出ローラ対44を一旦停止させて、用紙Pを用紙待機部40で待機させる。
【0031】
用紙待機部40で待機した用紙Pは、逆方向(図1中矢印Y方向)に回転された第1の排出ローラ対42及び第2の排出ローラ対44によりスイッチバックされ、副搬送路50に向けて供給される。
【0032】
副搬送路50に供給された用紙Pは、搬送ローラ対48により挟まれてさらに副搬送路50を下流側に搬送される。画像形成部18を構成する転写ローラ22が、搬送ローラ46とともに用紙Pに副搬送路50を搬送させるための搬送手段も兼ねていることから、部材点数を低減させることができる。このため、画像形成装置10が主搬送路38と直交する方向に大型化することを防止でき、かつ、画像形成装置10の組立工数及び製造コストを低減させることができる。
【0033】
搬送ローラ対48により副搬送路50を搬送された用紙Pは、やがて転写ローラ22と搬送ローラ46により挟まれる。転写ローラ22と搬送ローラ46により挟まれた用紙Pは、そのまま副搬送路50を搬送され、さらに駆動停止しているレジストローラ20によって斜行が矯正された後、駆動開始したレジストローラ20によって挟持されて画像形成部18に供給される。このように、表面に画像形成された用紙Pを各排出ローラ対42、44でスイッチバックして用紙Pが副搬送路50を搬送されることにより、用紙Pの表裏が反転され、用紙Pの裏面が感光ドラム16に臨むようになり、表面と同様にして、用紙Pの裏面にトナー画像が転写され、用紙Pの裏面にトナー画像が担持される。
【0034】
ここで、表面にトナー画像が転写された用紙Pが定着部32を通過すると、用紙Pの含有水分量が減少するため、用紙Pの電気抵抗値が大きくなる。ここで、前述したように、転写ローラ22と搬送ローラ46とが接触しているときに、用紙Pの表面にトナー画像を転写するときには電圧印加手段49により転写ローラ22の転写バイアスよりも低い電圧を搬送ローラ46に印加して転写のための実行電圧値を小さくし、用紙Pの裏面にトナー画像を転写するときには電圧印加手段49により転写ローラ22の転写バイアス以上の電圧を搬送ローラ46に印加して転写のための実行電圧値を下げないようにすることによって、用紙Pの表面のトナー画像の定着後に電気抵抗値が変わっても、表面、裏面ともに良好な転写を実現することができる。
【0035】
裏面にトナー画像が担持された用紙Pは、主搬送路38を搬送され、同様にして、定着部32に供給される。この定着部32によりトナー画像が用紙Pの裏面に定着され、第1の排出ローラ対42及び第2の排出ローラ対44により排出トレイ(図示省略)に排出される。
【0036】
次に、電圧印加手段49による印加電圧の制御について、図3乃至図6を参照して詳細に説明する。なお、この例では、負帯電性のトナーを用いた場合の制御について説明しているが、正帯電性のトナーを用いた場合には、帯電器26、現像器24、転写ローラ22、搬送ローラ46に印加する電圧の極性を逆にして、同様の制御を行えば、以下に説明する負帯電性トナーを用いた場合と同様の作用・効果を奏することができる。
【0037】
先ず、図3を参照して、画像形成装置10の主電源をONにした後の制御シーケンスについて説明する。主電源がONにされると、感光ドラム16、帯電器26、現像器24、転写ローラ22、搬送ローラ46などを駆動するモータをONにする。これと同時に、帯電器26をONにして、感光ドラム16上のトナー付着力を弱まらせた後、所定時間経過後に現像器24をONにして、感光ドラム16上のトナーを現像器24で回収する。このとき、転写ローラ22及び搬送ローラ46には電圧を印加しない。
【0038】
次に、図4を参照して、画像形成装置10の印字動作時の制御シーケンスについて説明する。プリント要求が成されると、駆動モータをONにして、感光ドラム16、帯電器26、現像器24、転写ローラ22、搬送ローラ46などを回転させる。同時に、帯電器26をオンにする。その後、所定時間経過後に現像器24をONにして、感光ドラム16上の潜像を現像するとともに、残存トナーを回収する。プリント要求があって、給紙カセット12から用紙Pが給紙されて感光ドラム16と転写ローラ22とのニップ位置に到達したとき(表面転写)、電圧印加手段49は、転写ローラ22と搬送ローラ46とに正の電圧を印加する。たとえば、転写ローラ22に対しては2KVの電圧が印加され、搬送ローラ46には1KVの電圧が印加される。このとき、転写ローラ22が感光ドラム16に対して作用する実行電圧値は、たとえば1.5KVとなり、この実行電圧値で用紙Pの表面にトナー画像が転写される。
【0039】
表面のトナー画像が定着され、排紙ローラ対42、44でスイッチバックされ、副搬送路50を搬送されてきた用紙Pが感光ドラム16と転写ローラ22とのニップ位置に到達したとき(裏面転写)、電圧印加手段49は転写ローラ22と搬送ローラ46とに正の電圧を印加する。一例として、転写ローラ22に対しては2KVの電圧が印加され、搬送ローラ46に対してはそれ以上、例えば2KVの電圧を印加する。このとき、転写ローラ22が感光ドラム16に対して作用する実行電圧値は、たとえば2KVとなり、この実行電圧値で用紙Pの裏面にトナー画像が転写される。
なお、搬送ローラ46が転写ローラ22と離間している場合には、転写時の実行電圧値に相当する電圧が転写ローラ22に印加される。
【0040】
図5に示すように、用紙Pが副搬送路50を搬送される期間は、駆動モータ、帯電器26、現像器24をONにする。この期間、転写ローラ22、搬送ローラ46への電圧印加を停止して、感光ドラム16と転写ローラ22との間、転写ローラ22と搬送ローラ46との間で電位差が生じないようにする。これによって、感光ドラム16上の残存トナーが転写ローラ22や搬送ローラ46に移動することを防止できるとともに、副搬送路50を用紙Pが搬送されるときに用紙Pがトナーで汚れることを防止できる。
【0041】
両面プリント要求がなされると、駆動モータをONにして、感光ドラム16、帯電器26、現像器24、転写ローラ22、搬送ローラ46を回転させる。これと同時に、帯電器26に電圧を印加する。駆動モータのONから所定の時間の経過後に、現像器24に電圧を印加してドラム16上の残存トナーの回収が行われる。その後、図4、図5に示す表面転写の制御シーケンス、両面パス時の制御シーケンス及び裏面転写時の制御シーケンスを行った後、転写ローラ22、搬送ローラ46への電圧印加を停止する。
転写ローラ22が感光ドラム16に接触しているために、転写ローラ22の表面にトナーが付着することがある。さらに、搬送ローラ46が転写ローラ22に接触しているため、搬送ローラ46の表面にもトナーが付着することがある。このため、これらのトナーによって用紙Pの汚れを防止するためにも転写ローラ22及び搬送ローラ46をクリーニングすることが必要となる。
そこで、裏面転写後の図6の第1工程(図6中のI)では、電圧印加手段49は搬送ローラ46に対して負の電圧を印加して搬送ローラ46をマイナス帯電とし、転写ローラ22の電圧を0に制御する。この第1工程の間に負に帯電しているトナー(本明細書で「通常トナー」と定義する。)は、搬送ローラ46から転写ローラ22に移動する。また、第2工程(図6中のII)では、電圧印加手段49は、転写ローラ22及び搬送ローラ46に対して負の電圧を印加して、転写ローラ22及び搬送ローラ46をマイナス帯電させる。この第2工程の間に、転写ローラ22上のトナーが感光ドラム16に移動する。このとき、搬送ローラ46に対して転写ローラ22と同極性の電圧を印加しているので、転写ローラ22のトナーが搬送ローラ46に戻ることもない。これにより、搬送ローラ46上の表面に付着したトナーを感光ドラム16上に戻すことができる。第2工程終了後は、所定時間、転写ローラ22、搬送ローラ46に電圧を印加しない。
さらに、第3工程(図6中のIII)では、電圧印加手段49は、転写ローラ22に印加する電圧をゼロとし、搬送ローラ46に対して正の電圧を印加して搬送ローラ46をプラス帯電とすることにより、正に帯電しているトナー(本明細書で「逆チャージトナー」と定義する。)は搬送ローラ46から転写ローラ22に移動する。
また、第4工程(図6中のIV)では、電圧印加手段49は、転写ローラ22及び搬送ローラ46に対して正の電圧を印加して、転写ローラ22及び搬送ローラ46をプラス帯電とする。この第4工程の間に、転写ローラ22上の逆チャージトナーが感光ドラム16上に移動する。また、逆チャージトナーが搬送ローラ46に戻ることもない。これにより、搬送ローラ46の表面に付着したトナーを感光ドラム16上に戻すことができる。
以上の各工程により、搬送ローラ46に付着した全てのトナーを感光ドラム16上に移動させることができ、感光ドラム16に移動された通常トナー及び逆チャージトナーが現像器24により回収される。
【0042】
なお、上記搬送ローラ46は、転写ローラ22に従動する構成でもよく、あるいは搬送ローラ46に回転駆動力が付与され、搬送ローラ46自体が回転駆動する構成でも良い。ここで、例えば、搬送ローラ46を回転駆動させる手段として、感光ドラム16の軸と搬送ローラ46との軸とにそれぞれプーリを設け、このプーリに無端ベルトを巻き付ける方法がある。
【0043】
また、搬送ローラ46を電磁ソレノイドなどのアクチュエータ手段によって動かして、転写ローラ22と搬送ローラ46とを接触または離間させても良い。かかる構成において、用紙Pの表面にトナー画像を転写するときには転写ローラ22と搬送ローラ46とを接触させることにより転写ローラ22から搬送ローラ46にリークを発生させ、トナー画像転写のための実行電圧値を変えることができる。一方、用紙Pの裏面にトナー画像を転写するときには、搬送ローラ46を転写ローラ22から離間させることによって前記リークを発生させずに、表面転写時よりも高い実行電圧により転写させることができる。このように、転写ローラ22に印加するバイアス電圧値を変えることなく、表面転写、裏面転写に最適な転写条件で転写することができる。なお、搬送ローラ46を転写ローラ22から離間させることにより、搬送ローラ46にトナーが付着することを防止することができる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明した本発明の画像形成装置においては以下の効果を奏する。
請求項1記載の発明は、画像形成部の少なくとも一部が画像形成媒体に前記第2の搬送路を搬送させるための搬送手段を兼ねているため、部材点数を少なくすることができる。この結果、画像形成装置の大型化を防止することができる。さらに、部品点数を少なくすることにより組立工数を削減でき、製造コストも低減することができる。
【0045】
請求項2記載の発明は、第2の搬送路は第1の搬送路と略並行に配置されており、画像形成部は、感光体部材と、第1の搬送路と第2の搬送路との間に配置された転写ローラと、を有し、搬送手段は、転写ローラと、この転写ローラとともに画像形成媒体を搬送する搬送ローラと、で構成されていることにより、画像形成部を構成する転写ローラが搬送手段を兼ねることになる。このため、第1の搬送路と第2の搬送路との間にスペースを小さくすることができ、画像形成装置が大型化することを防止できる。
【0046】
請求項3記載の発明は、搬送ローラと転写ローラとが接触していると両者に印加された印加電圧の合成電圧が画像形成媒体の画像転写時の実行電圧値となり、搬送ローラと転写ローラとが離間していると転写ローラに印加された印加電圧のみが画像形成媒体の画像転写時の実行電圧値になる。このように、転写ローラに印加された電圧を一定とした状態で、搬送ローラと転写ローラとを接触させるか、あるいは離間させるかにより、画像形成媒体の画像転写時の実行電圧値を容易に変えることができる。この結果、転写ローラに印加される電圧値を一定にしたままで、画像形成媒体の表面転写、裏面転写を最適な転写条件で実行することができる。
【0047】
請求項4記載の発明は、画像形成媒体の一方の面に画像を転写するときには電圧印加手段は転写ローラの転写バイアス未満の電圧を搬送ローラに印加し、画像形成媒体の他方の面に画像を転写するときには電圧印加手段は転写ローラの転写バイアス以上の電圧を搬送ローラに印加する構成としたことにより、画像形成媒体の一方の面の画像の定着後に電気抵抗値が変わっても、画像形成媒体の他方の面への画像転写時における実行電圧値を低下させることを防止することができる。このように、良好な転写条件で画像形成媒体の他方の面に画像を転写させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の一部を示した概略構成図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の電源がONにされたときの各構成部材に印加される電圧を示したグラフである。
【図4】本発明の一実施形態に係る画像形成装置により画像形成媒体に画像が転写されるときの各構成部材に印加される電圧を示したグラフである。
【図5】本発明の一実施形態に係る画像形成装置内部を画像形成媒体が搬送しているときの各構成部材に印加される電圧を示したグラフである。
【図6】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の印字シーケンス例を示したグラフである。
【図7】従来の画像形成装置の一部を示した概略構成図である。
【符号の説明】
10 画像形成装置
12 給紙カセット(給紙部)
16 感光ドラム(感光体部材)
18 画像形成部
22 転写ローラ
32 定着部
38 主搬送路(第1の搬送路)
46 搬送ローラ
49 電圧印加手段
50 副搬送路(第2の搬送路)
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえばレーザービームプリンタや電子写真複写機等の画像形成装置、特に転写紙等の画像形成媒体の片面もしくは両面に画像形成が可能な画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7に示すように、従来の画像形成装置100は、給紙カセットから排紙トレイに向かう主搬送路114を有し、その主搬送路114の上流側に画像形成部108が設けられ、下流側に定着部102が設けられている。定着部102はヒートローラ104とこれに圧接するプレスローラ106とを備えており、画像形成部108は感光ドラム110とこれにニップを形成する転写ローラ112とを備えている。
【0003】
一方、画像形成装置100には、主搬送路114と略並行して副搬送路116が形成されている。この副搬送路116を挟み込むように第1の搬送ローラ対118と第2の搬送ローラ対120とが配置されている。副搬送路116は、上方及び下方において主搬送路114と接続しており、特に上方には主搬送路114と副搬送路116とが一つになって用紙待機部122が設けられている。なお、この用紙待機部122には排出ローラ対(図示省略)が配置されている。
【0004】
ここで、上記従来の画像形成装置100の両面印字時の作用について説明する。
用紙が供給ローラ(図示しない)により給紙カセットから繰り出され、主搬送路114を搬送されてやがて画像形成部108に到達する。画像形成部108では、転写ローラ112により用紙の表面が感光ドラム110に押し付けられ、感光ドラム110上に担持されたトナー画像が用紙の表面に転写される。表面にトナー画像が形成された用紙はさらに主搬送路114を搬送され、やがて定着部102に到達する。定着部102では、プレスローラ106により、用紙の表面がヒートローラ104に押し付けられ、用紙の表面にトナー画像が定着される。
【0005】
表面にトナー画像が定着された用紙は、排出ローラ対によりそのまま主搬送路114を搬送され、用紙待機部122に到達する。用紙が用紙待機部122に到達すると、排出ローラ対が逆回転し用紙が逆方向に搬送され、副搬送路116に向かう。さらに、用紙は第1の搬送ローラ対118及び第2の搬送ローラ対120により、副搬送路116を搬送され、やがて画像形成部108に到達する。この画像形成部108では、同様にして、転写ローラ112により用紙の裏面が感光ドラム110に押し付けられ、感光ドラム110上に担持された画像が用紙の裏面に転写される。裏面にトナー画像が転写された用紙はさらに主搬送路114を搬送され、やがて定着部102に到達する。定着部102では、プレスローラ106により、用紙の裏面がヒートローラ104に押し付けられ、用紙の裏面にトナー画像が定着される。
【0006】
このように、表面と裏面に画像が形成された用紙は、排出ローラ対により用紙待機部122から外部に設けられた排出トレイ(図示省略)に排出される。
【0007】
ところで、上記従来の画像形成装置100では、主搬送路114と副搬送路116とが略並行して設けられているため、ヒートローラ104及びプレスローラ106と第1の搬送ローラ対118とが略並行に配置される構成となってしまう。このため、主搬送路114及び副搬送路116に対して略垂直方向(図3中矢印W方向)の厚みが増してしまうことになる。この結果、画像形成装置100が大型化するという問題がある。さらに、従来の画像形成装置100では、第1の搬送ローラ対118と第2の搬送ローラ対120とが必要となっていたため、組立工数が増えるとともに部材コストも増加するという問題がある。
【0008】
【特許文献1】
特開平1−92135号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みて成されたものであり、装置の大型化を防止し、かつ組立工数及び部材コストを低減して、搬送用紙の両面に画像を形成することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
請求項1に記載の発明は、給紙部から搬出された画像形成媒体を排紙部まで搬送する第1の搬送路と、前記第1の搬送路を搬送される前記画像形成媒体に画像を形成する画像形成部と、前記画像を画像形成媒体に定着させる定着部と、前記画像形成媒体を反転させて前記画像形成部に搬送する第2の搬送路と、を有し、前記画像形成部の少なくとも一部が前記画像形成媒体に前記第2の搬送路を搬送させるための搬送手段を兼ねることを特徴とする。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、画像形成媒体が給紙部から搬出される。給紙部から搬出された画像形成媒体は、第1の搬送路を搬送され画像形成部に供給される。この画像形成部により画像形成媒体の表面に画像が形成される。表面に画像が形成された画像形成媒体は、さらに第1の搬送路を搬送され、定着部に供給される。この定着部により画像形成媒体の表面に画像が定着される。これら一連の工程により画像形成媒体の表面に画像が形成される。
次に、表面に画像が形成された画像形成媒体は、第2の搬送路に供給される。画像形成媒体は、画像形成部の少なくとも一部が兼ねる搬送手段により第2の搬送路を搬送され、表面と裏面とが反転された状態で再度、画像形成部に供給される。画像形成部では、画像形成媒体の裏面に画像が形成される。画像が形成された画像形成媒体は、第1の搬送路を搬送され、定着部に供給される。定着部では、画像形成媒体の裏面に画像が定着される。これら一連の工程により画像形成媒体の裏面に画像が形成される。なお、表面と裏面に画像が形成された画像形成媒体は、そのまま外部に搬出される。
ここで、本発明の画像形成装置では、画像形成部の少なくとも一部が画像形成媒体に前記第2の搬送路を搬送させるための搬送手段を兼ねているため、部材点数を少なくすることができる。この結果、画像形成装置の大型化を防止することができる。さらに、部品点数を少なくすることにより組立工数を削減でき、製造コストも低減することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記第2の搬送路は前記第1の搬送路と略並行に配置され、前記画像形成部は、画像を担持する感光体部材と、前記第1の搬送路と前記第2の搬送路との間に配置され前記感光体部材に圧接し前記画像を前記画像形成媒体に転写させる転写ローラと、を有し、前記転写ローラと前記第2の搬送路を挟んで配置され前記転写ローラとともに前記画像形成媒体を搬送する搬送ローラを有し、前記搬送手段は、前記転写ローラと前記搬送ローラとで構成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、第2の搬送路は第1の搬送路と略並行に配置されており、画像形成部は、感光体部材と、第1の搬送路と第2の搬送路との間に配置された転写ローラと、を有し、搬送手段は、転写ローラと、この転写ローラとともに画像形成媒体を搬送する搬送ローラと、で構成されていることにより、画像形成部を構成する転写ローラが搬送手段を兼ねることになる。このため、第1の搬送路と第2の搬送路との間のスペースを小さくすることができ、画像形成装置が大型化することを防止できる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記転写ローラ及び前記搬送ローラは導電性部材でそれぞれ構成されており、転写ローラ及び搬送ローラに電圧を印加する電圧印加手段を有し、前記搬送ローラは前記転写ローラと接触しているか、あるいは前記搬送ローラは前記画像形成媒体の厚みの分だけ前記転写ローラと離間していることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、転写ローラ及び搬送ローラは導電性部材でそれぞれ構成されているため、電圧印加手段により転写ローラ及び搬送ローラに電圧を印加させることができる。
ここで、搬送ローラと転写ローラとが接触していると両者に印加された電圧印加電圧の合成電圧が画像形成媒体の画像転写時の実行電圧値となり、搬送ローラと転写ローラとが離間していると転写ローラに印加された印加電圧のみが画像形成媒体の画像転写時の実行電圧値になる。このように、転写ローラに印加された電圧を一定とした状態で、搬送ローラと転写ローラとを接触させるか、あるいは離間させるかにより、画像形成媒体の画像転写時の実行電圧値を容易に変えることができる。この結果、転写ローラに印加される電圧値を一定にしたままで、画像形成媒体の表面転写、裏面転写を最適な転写条件で実行することができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、前記画像形成媒体の一方の面に画像を転写するときには前記電圧印加手段は前記転写ローラの転写バイアス未満の電圧を前記搬送ローラに印加し、前記画像形成媒体の他方の面に画像を転写するときには前記電圧印加手段は前記転写ローラの転写バイアス以上の電圧を前記搬送ローラに印加することを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、一方の面に画像が転写された画像形成媒体が定着部を通過した後、画像形成媒体の含有水分量が減少するため、画像形成媒体の電気抵抗値が大きくなる。
ここで、画像形成媒体の一方の面に画像を転写するときには電圧印加手段により転写ローラの転写バイアスよりも低い電圧が搬送ローラに印加され、画像形成媒体の他方の面に画像を転写するときには電圧印加手段により転写ローラの転写バイアス以上の電圧が搬送ローラに印加される構成としたことにより、画像形成媒体の一方の面の画像の定着後に電気抵抗値が変わっても、画像形成媒体の他方の面への画像転写時における実行電圧値を低下させることを防止することができる。このように、良好な転写条件で画像形成媒体の他方の面に画像を転写させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は本実施形態の構成を示す断面図である。
【0019】
図1に示すように、本発明の一実施形態の画像形成装置10は、給紙カセット12から搬出された用紙Pを排紙部まで搬送する主搬送路38を備えている。給紙カセット12は、画像形成装置10の下部に配置されており、その内部には用紙Pが積載されて収容されている。給紙カセット12の近傍には給紙カセット12から用紙Pを繰り出す給紙ローラ14が配置されており、この給紙ローラ14はモータなどの駆動力手段(図示省略)によって回転駆動するように構成されている。また、給紙ローラ14の下流側には用紙Pの斜行を矯正するためのレジストローラ20が配置されている。
【0020】
レジストローラ20の下流側には、画像形成部18が設けられている。この画像形成部18は、感光ドラム16を備え、感光ドラム16の近傍には、用紙Pを感光ドラム16に押し付ける転写ローラ22が感光ドラム16にニップして配置されている。この転写ローラ22は、導電性ポリウレタンなどの導電性と可撓性とを有する素材で構成されている。用紙Pは感光ドラム16と転写ローラ22とで挟まれて主搬送路38をさらに下流側へと搬送されていく。これらの感光ドラム16と転写ローラ22とは、給紙ローラ14を駆動するモータと同じモータによって回転駆動される。
【0021】
感光ドラム16の周囲には、現像器24と、帯電器26と、メモリ除去ブラシ28などのプロセス機器が配置されている。また、画像形成装置10の内部には、レーザスキャナユニット30が設けられており、このレーザスキャナユニット30は、画像信号に応答してレーザ光を発信するレーザ装置(図示省略)と、そのレーザ光を感光ドラム16上に操作するためのポリゴンミラー(図示省略)とを備えている。
【0022】
ここで、図2に示すように、画像形成装置10には、現像器24、帯電器26、転写ローラ22及び後述する搬送ローラ46に電圧を印加するための電圧印加手段49が設けられている。この電圧印加手段49により、現像器24、帯電器26、転写ローラ22及び後述する搬送ローラ46に所定の電圧が印加される。
【0023】
図1に示すように、画像形成部18の下流側には、用紙P上のトナー画像を用紙Pに定着させる定着部32が設けられている。定着部32は、用紙Pを加熱するためのヒートローラ34と、このヒートローラ34に圧接するプレスローラ36とを備えている。
【0024】
主搬送路38の定着部32よりも下流側は、用紙待機部40として機能する。この用紙待機部40には、第1の排出ローラ対42と第2の排出ローラ対44とが配置されている。両面印字する場合には、主搬送路38を搬送された用紙Pは、第1の排出ローラ対42と第2の排出ローラ対44とにより、そのまま用紙待機部40に搬送される構成になっている。なお、第1の排出ローラ対42と第2の排出ローラ対44とは、感光ドラム16を駆動するモータとは異なるモータなどの駆動源(図示省略)と接続されており、正方向にも逆方向にも回転できるように構成されている。
【0025】
また、画像形成装置10は、プレスローラ36及び転写ローラ22を挟んで主搬送路38に平行に延びる副搬送路50を有しており、この副搬送路50は定着部32の下流側とレジストローラ20の上流側とで主搬送路38に接続している。また、プレスローラ36の近傍には、副搬送路50を挟んでニップした状態の一対の搬送ローラ対48が配置されている。また、副搬送路50において、搬送ローラ対48の配設位置とレジストローラ20の上流側にある主搬送路38の合流部との間には、搬送ローラ46が配置されており、この搬送ローラ46は副搬送路50を挟んで配置されている。この搬送ローラ46は、金属などの導電性を有し剛性の高い素材で構成されてもよく、また、導電性ポリウレタンなどの導電性を有し可撓性のある素材で構成されていてもよい。また、搬送ローラ46は転写ローラ22と接触しているか、あるいは用紙Pの厚みの分だけ離間して配置されている。
【0026】
次に、本実施形態に係る画像形成装置10を用いて両面印刷する場合の作用及び効果について詳細に説明する。
【0027】
図1に示すように、給紙カセット12の内部に積層された用紙Pが回転駆動された給紙ローラ14により、主搬送路38に向けて給紙カセット12から繰り出される。給紙カセット12から繰り出された用紙Pは、駆動停止しているレジストローラ20によって斜行が矯正された後、駆動開始した駆動停止しているレジストローラ20によって挟持されて主搬送路38上を搬送される。
【0028】
主搬送路38上を搬送された用紙Pは、やがて画像形成部18に到達する。画像形成部18に供給された用紙Pは転写ローラ22により感光ドラム16に押し付けられ、転写電圧が印加された転写ローラ22と感光ドラム16との電位差によって感光ドラム16の表面に担持されたトナー画像が用紙Pに引き寄せられて、用紙Pの表面にトナー画像が転写される。このとき、電圧印加手段49は、転写ローラ22に対して一定の値の電圧を印加している。用紙Pにトナー画像を転写するとき、搬送ローラ46が転写ローラ22に接していると、転写ローラ22に印加した電圧と搬送ローラ46に印加した電圧との合成電圧が用紙Pにトナー画像を転写するための実行電圧値となる。一方、用紙Pにトナー画像を転写するとき、搬送ローラ46が転写ローラ22に対して離間していると、転写ローラ22に印加された電圧がそのまま用紙Pにトナー画像を転写するための実行電圧値となる。また、搬送ローラ46が転写ローラ22に接している場合に、電圧印加手段49が転写ローラ22に印加した電圧以上の電圧を印加した場合には、転写ローラ22に印加した電圧が用紙Pにトナー画像を転写するための実行電圧値となる。一方、搬送ローラ46が転写ローラ22に対して接している場合に、電圧印加手段49が転写ローラ22に印加した電圧未満の電圧を印加した場合は、転写ローラ22と搬送ローラ46との間で電位差が生じて転写ローラ22に印加した電圧よりも低い電圧が用紙Pにトナー画像を転写するための実行電圧値となる。したがって、搬送ローラ46の転写ローラ22へ当接、離間の制御および/又は、搬送ローラ46への印加電圧を制御することによって、転写ローラ22に印加する電圧を変えることなく、転写条件を異ならせることができる。
【0029】
表面にトナー画像が転写された用紙Pは、主搬送路38をさらに下流側に搬送され、やがて定着部32に到達する。定着部32に供給された用紙Pはプレスローラ36によりヒートローラ34に押し付けられて加熱・加圧され、表面のトナー画像が用紙P上に定着される。
【0030】
その後、用紙Pは、正方向(図1中矢印X方向)に回転する第1の排出ローラ対42及び第2の排出ローラ対44により後端が用紙待機部40に位置するまで搬送され、その後、第1の排出ローラ対42及び第2の排出ローラ対44を一旦停止させて、用紙Pを用紙待機部40で待機させる。
【0031】
用紙待機部40で待機した用紙Pは、逆方向(図1中矢印Y方向)に回転された第1の排出ローラ対42及び第2の排出ローラ対44によりスイッチバックされ、副搬送路50に向けて供給される。
【0032】
副搬送路50に供給された用紙Pは、搬送ローラ対48により挟まれてさらに副搬送路50を下流側に搬送される。画像形成部18を構成する転写ローラ22が、搬送ローラ46とともに用紙Pに副搬送路50を搬送させるための搬送手段も兼ねていることから、部材点数を低減させることができる。このため、画像形成装置10が主搬送路38と直交する方向に大型化することを防止でき、かつ、画像形成装置10の組立工数及び製造コストを低減させることができる。
【0033】
搬送ローラ対48により副搬送路50を搬送された用紙Pは、やがて転写ローラ22と搬送ローラ46により挟まれる。転写ローラ22と搬送ローラ46により挟まれた用紙Pは、そのまま副搬送路50を搬送され、さらに駆動停止しているレジストローラ20によって斜行が矯正された後、駆動開始したレジストローラ20によって挟持されて画像形成部18に供給される。このように、表面に画像形成された用紙Pを各排出ローラ対42、44でスイッチバックして用紙Pが副搬送路50を搬送されることにより、用紙Pの表裏が反転され、用紙Pの裏面が感光ドラム16に臨むようになり、表面と同様にして、用紙Pの裏面にトナー画像が転写され、用紙Pの裏面にトナー画像が担持される。
【0034】
ここで、表面にトナー画像が転写された用紙Pが定着部32を通過すると、用紙Pの含有水分量が減少するため、用紙Pの電気抵抗値が大きくなる。ここで、前述したように、転写ローラ22と搬送ローラ46とが接触しているときに、用紙Pの表面にトナー画像を転写するときには電圧印加手段49により転写ローラ22の転写バイアスよりも低い電圧を搬送ローラ46に印加して転写のための実行電圧値を小さくし、用紙Pの裏面にトナー画像を転写するときには電圧印加手段49により転写ローラ22の転写バイアス以上の電圧を搬送ローラ46に印加して転写のための実行電圧値を下げないようにすることによって、用紙Pの表面のトナー画像の定着後に電気抵抗値が変わっても、表面、裏面ともに良好な転写を実現することができる。
【0035】
裏面にトナー画像が担持された用紙Pは、主搬送路38を搬送され、同様にして、定着部32に供給される。この定着部32によりトナー画像が用紙Pの裏面に定着され、第1の排出ローラ対42及び第2の排出ローラ対44により排出トレイ(図示省略)に排出される。
【0036】
次に、電圧印加手段49による印加電圧の制御について、図3乃至図6を参照して詳細に説明する。なお、この例では、負帯電性のトナーを用いた場合の制御について説明しているが、正帯電性のトナーを用いた場合には、帯電器26、現像器24、転写ローラ22、搬送ローラ46に印加する電圧の極性を逆にして、同様の制御を行えば、以下に説明する負帯電性トナーを用いた場合と同様の作用・効果を奏することができる。
【0037】
先ず、図3を参照して、画像形成装置10の主電源をONにした後の制御シーケンスについて説明する。主電源がONにされると、感光ドラム16、帯電器26、現像器24、転写ローラ22、搬送ローラ46などを駆動するモータをONにする。これと同時に、帯電器26をONにして、感光ドラム16上のトナー付着力を弱まらせた後、所定時間経過後に現像器24をONにして、感光ドラム16上のトナーを現像器24で回収する。このとき、転写ローラ22及び搬送ローラ46には電圧を印加しない。
【0038】
次に、図4を参照して、画像形成装置10の印字動作時の制御シーケンスについて説明する。プリント要求が成されると、駆動モータをONにして、感光ドラム16、帯電器26、現像器24、転写ローラ22、搬送ローラ46などを回転させる。同時に、帯電器26をオンにする。その後、所定時間経過後に現像器24をONにして、感光ドラム16上の潜像を現像するとともに、残存トナーを回収する。プリント要求があって、給紙カセット12から用紙Pが給紙されて感光ドラム16と転写ローラ22とのニップ位置に到達したとき(表面転写)、電圧印加手段49は、転写ローラ22と搬送ローラ46とに正の電圧を印加する。たとえば、転写ローラ22に対しては2KVの電圧が印加され、搬送ローラ46には1KVの電圧が印加される。このとき、転写ローラ22が感光ドラム16に対して作用する実行電圧値は、たとえば1.5KVとなり、この実行電圧値で用紙Pの表面にトナー画像が転写される。
【0039】
表面のトナー画像が定着され、排紙ローラ対42、44でスイッチバックされ、副搬送路50を搬送されてきた用紙Pが感光ドラム16と転写ローラ22とのニップ位置に到達したとき(裏面転写)、電圧印加手段49は転写ローラ22と搬送ローラ46とに正の電圧を印加する。一例として、転写ローラ22に対しては2KVの電圧が印加され、搬送ローラ46に対してはそれ以上、例えば2KVの電圧を印加する。このとき、転写ローラ22が感光ドラム16に対して作用する実行電圧値は、たとえば2KVとなり、この実行電圧値で用紙Pの裏面にトナー画像が転写される。
なお、搬送ローラ46が転写ローラ22と離間している場合には、転写時の実行電圧値に相当する電圧が転写ローラ22に印加される。
【0040】
図5に示すように、用紙Pが副搬送路50を搬送される期間は、駆動モータ、帯電器26、現像器24をONにする。この期間、転写ローラ22、搬送ローラ46への電圧印加を停止して、感光ドラム16と転写ローラ22との間、転写ローラ22と搬送ローラ46との間で電位差が生じないようにする。これによって、感光ドラム16上の残存トナーが転写ローラ22や搬送ローラ46に移動することを防止できるとともに、副搬送路50を用紙Pが搬送されるときに用紙Pがトナーで汚れることを防止できる。
【0041】
両面プリント要求がなされると、駆動モータをONにして、感光ドラム16、帯電器26、現像器24、転写ローラ22、搬送ローラ46を回転させる。これと同時に、帯電器26に電圧を印加する。駆動モータのONから所定の時間の経過後に、現像器24に電圧を印加してドラム16上の残存トナーの回収が行われる。その後、図4、図5に示す表面転写の制御シーケンス、両面パス時の制御シーケンス及び裏面転写時の制御シーケンスを行った後、転写ローラ22、搬送ローラ46への電圧印加を停止する。
転写ローラ22が感光ドラム16に接触しているために、転写ローラ22の表面にトナーが付着することがある。さらに、搬送ローラ46が転写ローラ22に接触しているため、搬送ローラ46の表面にもトナーが付着することがある。このため、これらのトナーによって用紙Pの汚れを防止するためにも転写ローラ22及び搬送ローラ46をクリーニングすることが必要となる。
そこで、裏面転写後の図6の第1工程(図6中のI)では、電圧印加手段49は搬送ローラ46に対して負の電圧を印加して搬送ローラ46をマイナス帯電とし、転写ローラ22の電圧を0に制御する。この第1工程の間に負に帯電しているトナー(本明細書で「通常トナー」と定義する。)は、搬送ローラ46から転写ローラ22に移動する。また、第2工程(図6中のII)では、電圧印加手段49は、転写ローラ22及び搬送ローラ46に対して負の電圧を印加して、転写ローラ22及び搬送ローラ46をマイナス帯電させる。この第2工程の間に、転写ローラ22上のトナーが感光ドラム16に移動する。このとき、搬送ローラ46に対して転写ローラ22と同極性の電圧を印加しているので、転写ローラ22のトナーが搬送ローラ46に戻ることもない。これにより、搬送ローラ46上の表面に付着したトナーを感光ドラム16上に戻すことができる。第2工程終了後は、所定時間、転写ローラ22、搬送ローラ46に電圧を印加しない。
さらに、第3工程(図6中のIII)では、電圧印加手段49は、転写ローラ22に印加する電圧をゼロとし、搬送ローラ46に対して正の電圧を印加して搬送ローラ46をプラス帯電とすることにより、正に帯電しているトナー(本明細書で「逆チャージトナー」と定義する。)は搬送ローラ46から転写ローラ22に移動する。
また、第4工程(図6中のIV)では、電圧印加手段49は、転写ローラ22及び搬送ローラ46に対して正の電圧を印加して、転写ローラ22及び搬送ローラ46をプラス帯電とする。この第4工程の間に、転写ローラ22上の逆チャージトナーが感光ドラム16上に移動する。また、逆チャージトナーが搬送ローラ46に戻ることもない。これにより、搬送ローラ46の表面に付着したトナーを感光ドラム16上に戻すことができる。
以上の各工程により、搬送ローラ46に付着した全てのトナーを感光ドラム16上に移動させることができ、感光ドラム16に移動された通常トナー及び逆チャージトナーが現像器24により回収される。
【0042】
なお、上記搬送ローラ46は、転写ローラ22に従動する構成でもよく、あるいは搬送ローラ46に回転駆動力が付与され、搬送ローラ46自体が回転駆動する構成でも良い。ここで、例えば、搬送ローラ46を回転駆動させる手段として、感光ドラム16の軸と搬送ローラ46との軸とにそれぞれプーリを設け、このプーリに無端ベルトを巻き付ける方法がある。
【0043】
また、搬送ローラ46を電磁ソレノイドなどのアクチュエータ手段によって動かして、転写ローラ22と搬送ローラ46とを接触または離間させても良い。かかる構成において、用紙Pの表面にトナー画像を転写するときには転写ローラ22と搬送ローラ46とを接触させることにより転写ローラ22から搬送ローラ46にリークを発生させ、トナー画像転写のための実行電圧値を変えることができる。一方、用紙Pの裏面にトナー画像を転写するときには、搬送ローラ46を転写ローラ22から離間させることによって前記リークを発生させずに、表面転写時よりも高い実行電圧により転写させることができる。このように、転写ローラ22に印加するバイアス電圧値を変えることなく、表面転写、裏面転写に最適な転写条件で転写することができる。なお、搬送ローラ46を転写ローラ22から離間させることにより、搬送ローラ46にトナーが付着することを防止することができる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明した本発明の画像形成装置においては以下の効果を奏する。
請求項1記載の発明は、画像形成部の少なくとも一部が画像形成媒体に前記第2の搬送路を搬送させるための搬送手段を兼ねているため、部材点数を少なくすることができる。この結果、画像形成装置の大型化を防止することができる。さらに、部品点数を少なくすることにより組立工数を削減でき、製造コストも低減することができる。
【0045】
請求項2記載の発明は、第2の搬送路は第1の搬送路と略並行に配置されており、画像形成部は、感光体部材と、第1の搬送路と第2の搬送路との間に配置された転写ローラと、を有し、搬送手段は、転写ローラと、この転写ローラとともに画像形成媒体を搬送する搬送ローラと、で構成されていることにより、画像形成部を構成する転写ローラが搬送手段を兼ねることになる。このため、第1の搬送路と第2の搬送路との間にスペースを小さくすることができ、画像形成装置が大型化することを防止できる。
【0046】
請求項3記載の発明は、搬送ローラと転写ローラとが接触していると両者に印加された印加電圧の合成電圧が画像形成媒体の画像転写時の実行電圧値となり、搬送ローラと転写ローラとが離間していると転写ローラに印加された印加電圧のみが画像形成媒体の画像転写時の実行電圧値になる。このように、転写ローラに印加された電圧を一定とした状態で、搬送ローラと転写ローラとを接触させるか、あるいは離間させるかにより、画像形成媒体の画像転写時の実行電圧値を容易に変えることができる。この結果、転写ローラに印加される電圧値を一定にしたままで、画像形成媒体の表面転写、裏面転写を最適な転写条件で実行することができる。
【0047】
請求項4記載の発明は、画像形成媒体の一方の面に画像を転写するときには電圧印加手段は転写ローラの転写バイアス未満の電圧を搬送ローラに印加し、画像形成媒体の他方の面に画像を転写するときには電圧印加手段は転写ローラの転写バイアス以上の電圧を搬送ローラに印加する構成としたことにより、画像形成媒体の一方の面の画像の定着後に電気抵抗値が変わっても、画像形成媒体の他方の面への画像転写時における実行電圧値を低下させることを防止することができる。このように、良好な転写条件で画像形成媒体の他方の面に画像を転写させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の一部を示した概略構成図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の電源がONにされたときの各構成部材に印加される電圧を示したグラフである。
【図4】本発明の一実施形態に係る画像形成装置により画像形成媒体に画像が転写されるときの各構成部材に印加される電圧を示したグラフである。
【図5】本発明の一実施形態に係る画像形成装置内部を画像形成媒体が搬送しているときの各構成部材に印加される電圧を示したグラフである。
【図6】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の印字シーケンス例を示したグラフである。
【図7】従来の画像形成装置の一部を示した概略構成図である。
【符号の説明】
10 画像形成装置
12 給紙カセット(給紙部)
16 感光ドラム(感光体部材)
18 画像形成部
22 転写ローラ
32 定着部
38 主搬送路(第1の搬送路)
46 搬送ローラ
49 電圧印加手段
50 副搬送路(第2の搬送路)
Claims (4)
- 給紙部から搬出された画像形成媒体を排紙部まで搬送する第1の搬送路と、前記第1の搬送路を搬送される前記画像形成媒体に画像を形成する画像形成部と、前記画像を画像形成媒体に定着させる定着部と、前記画像形成媒体を反転させて前記画像形成部に搬送する第2の搬送路と、を有し、
前記画像形成部の少なくとも一部が前記画像形成媒体に前記第2の搬送路を搬送させるための搬送手段を兼ねることを特徴とする画像形成装置。 - 前記第2の搬送路は前記第1の搬送路と略並行に配置され、
前記画像形成部は、画像を担持する感光体部材と、前記第1の搬送路と前記第2の搬送路との間に配置され前記感光体部材に圧接し前記画像を前記画像形成媒体に転写させる転写ローラと、を有し、
前記転写ローラと前記第2の搬送路を挟んで配置され前記転写ローラとともに前記画像形成媒体を搬送する搬送ローラを有し、
前記搬送手段は、前記転写ローラと前記搬送ローラとで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記転写ローラ及び前記搬送ローラは導電性部材でそれぞれ構成されており、転写ローラ及び搬送ローラに電圧を印加する電圧印加手段を有し、
前記搬送ローラは前記転写ローラと接触しているか、あるいは前記搬送ローラは前記画像形成媒体の厚みの分だけ前記転写ローラと離間していることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記画像形成媒体の一方の面に画像を転写するときには前記電圧印加手段は前記転写ローラの転写バイアス未満の電圧を前記搬送ローラに印加し、
前記画像形成媒体の他方の面に画像を転写するときには前記電圧印加手段は前記転写ローラの転写バイアス以上の電圧を前記搬送ローラに印加することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
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- 2003-04-08 JP JP2003104565A patent/JP2004307165A/ja active Pending
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