JP2004304441A - 音声再生装置および基準電圧生成回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的低コストで、かつ、電源オン時に基準電圧の立ち上がりを遅くすることなくポップノイズの発生を防止する。
【解決手段】スピーカ33を駆動する増幅器22の基準電圧を生成する基準電圧生成回路10は、電源オン時に傾斜波形電圧を発生する傾斜波形電圧発生回路11と、この傾斜波形電圧が共通のゲート端子に印加される相補型MOSFET17と、カレントミラー回路14とコンデンサ21とからなる。カレントミラー回路14は1次側トランジスタ15および2次側トランジスタ16を有し、電源電圧および接地間で相補型MOSFET17と1次側トランジスタ15の主電流路とが直列に接続される。カレントミラー回路14の2次側トランジスタ16の主電流路は、電源電圧および接地間でコンデンサ21と直列接続される。このコンデンサ21の電圧を増幅器22の基準電圧として用いる。
【選択図】 図1
【解決手段】スピーカ33を駆動する増幅器22の基準電圧を生成する基準電圧生成回路10は、電源オン時に傾斜波形電圧を発生する傾斜波形電圧発生回路11と、この傾斜波形電圧が共通のゲート端子に印加される相補型MOSFET17と、カレントミラー回路14とコンデンサ21とからなる。カレントミラー回路14は1次側トランジスタ15および2次側トランジスタ16を有し、電源電圧および接地間で相補型MOSFET17と1次側トランジスタ15の主電流路とが直列に接続される。カレントミラー回路14の2次側トランジスタ16の主電流路は、電源電圧および接地間でコンデンサ21と直列接続される。このコンデンサ21の電圧を増幅器22の基準電圧として用いる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、音声再生装置およびその増幅器に使用される基準電圧生成回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の種々のオーディオ機器等に使用される音声再生装置の概略構成を図3に示す。音声再生回路30から出力されるアナログ音声信号はアンプ(増幅器)32で増幅され、カップリングコンデンサ31を介してスピーカ(ヘッドホン、イアホン等を含む)に出力される。アンプ32には、音声再生回路30からのアナログ音声信号が入力されるとともに基準電圧35が印加される。
【0003】
図3に示したような構成において、音声再生装置の電源がオンされたときのD点(アンプ32の出力点)とE点(カップリングコンデンサ31の出力点)の電圧波形の概略を図4に示す。
【0004】
この波形から分かるように、電源オン時に基準電圧35の立ち上がり時の電圧変化が急激に上昇する波形としてD点に現れ、さらにこの変化がカップリングコンデンサ31の出力点にポップノイズと呼ばれる正および負のパルス状の信号41,42が現れる。このようなパルス状信号はスピーカ33から耳障りなノイズ音として聴取される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなポップノイズの対策として、基準電圧(リファレンス電圧)を極力緩慢に立ち上げることにより、急峻な電圧変化を抑える方法が採られている。しかし、これにより、立ち上がり時間が遅くなるという問題がある。例えば、急峻な電圧変化を抑えるために基準電圧の生成にD/Aコンバータのようなデバイスを用いると装置のコスト増を招来する。
【0006】
本発明はこのような背景においてなされたものであり、その目的は、比較的低コストで、かつ、電源オン時に基準電圧の立ち上がりを遅くすることなくポップノイズの発生を防止することができる音声再生装置およびそのための基準電圧生成回路を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による基準電圧生成回路は、増幅器の基準電圧を生成する基準電圧生成回路であって、電源オン時に傾斜波形電圧を発生する傾斜波形電圧発生回路と、この傾斜波形電圧が共通のゲート端子に印加される相補型MOSFETと、1次側トランジスタおよび2次側トランジスタを有し、電源電圧および接地間で前記相補型MOSFETと1次側トランジスタの主電流路とが直列に接続されるカレントミラー回路と、電源電圧および接地間で前記カレントミラー回路の2次側トランジスタの主電流路に直列接続されるコンデンサとを備え、このコンデンサの電圧を基準電圧として用いることを特徴とする。
【0008】
相補型MOSFETは、基準電圧生成回路から傾斜波形電圧を受けると、0からピーク値近傍まで次第に増加率が上昇し、ピーク値に達した後次第に減少率が低下して0に戻る電流を流す。カレントミラー回路の1次側トランジスタに流れるこの電流に比例した電流が2次側トランジスタに流れる。2次側トランジスタの主電流路に直列接続されるコンデンサは、電源オン時の基準電圧の立ち上がりの際にこの電流を蓄積して、電立ち上がりの開始点および終了点での急峻な電圧変化のない、かつ、立ち上がり時間の短い電圧波形を生成する。
【0009】
前記傾斜波形電圧発生回路は、例えば、電源電圧と接地との間に直列接続された抵抗およびコンデンサからなる積分回路により構成することができる。この積分回路は、傾斜波形の一種として立ち上がり時に急激に立ち上がり次第に増加率が低減してピーク値に近づいていく電圧波形を生成する。
【0010】
前記カレントミラー回路の1次側トランジスタおよび2次側トランジスタは、MOSFET、または、バイポーラトランジスタのいずれによっても構成しうる。
【0011】
本発明による音声再生装置は、アナログ音声信号を発生する音声再生回路と、前記アナログ音声信号を増幅する増幅回路と、この増幅回路の出力信号をカップリングコンデンサを介して受けるスピーカと、前記増幅器の基準電圧を生成する基準電圧生成回路とを備え、この基準電圧生成回路として上記基準電圧生成回路を用いる。これによって、電源オン時、カップリングコンデンサの入力側の電圧出力側には、立ち上がりの開始点および終了点での急峻な電圧変化のない、かつ、立ち上がり時間の短い電圧波形が印加されるので、カップリングコンデンサの出力側にはパルス状の電圧変化は生じない。その結果、スピーカからの、電源オン時のいわゆるポップノイズの発生を防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1に、本実施の形態の音声再生装置の構成例を示す。この構成は、音声再生回路30、アンプ22、カップリングコンデンサ31、スピーカ33、および本発明において特徴的な基準電圧生成回路10からなる。
【0014】
音声再生回路30は音声を再生できる任意の回路であり、放送、通信、静的および動的記録メディア(メモリ、CD、MD、DVD、磁気テープ等)等、音のソースの別は問わない。
【0015】
アンプ22は、この実施の形態では演算増幅器25により構成される。この演算増幅器25の非反転入力端には音声再生回路30からのアナログ音声信号が入力抵抗23を介して入力されるとともに、演算増幅器25の反転入力端には基準電圧生成回路10により生成される基準電圧が印加される。演算増幅器25の出力端と反転入力端との間には帰還抵抗24が接続されている。
【0016】
基準電圧生成回路10は、積分回路11、相補型MOSFET(金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)17、カレントミラー回路14およびコンデンサ21から構成される。本実施の形態では傾斜波形電圧発生回路の一種として積分回路11を用いるが、傾斜波形電圧発生回路は必ずしも積分回路に限るものではない。但し、積分回路を用いれば、極めて簡単かつ安価に傾斜波形電圧発生回路を構成することができる。積分回路11は、電源(+V)と接地との間に直列接続された抵抗12およびコンデンサ13からなる。相補型MOSFET17は、積分回路11の出力電圧(抵抗12とコンデンサ13の接続点であるA点の電圧)が各ゲート電位が制御され、チャンネルが直列接続されたNチャンネルMOSFET18およびPチャンネルMOSFET19からなる。カレントミラー回路14は1対のトランジスタ、ここではNチャンネルMOSFET15,16により構成され、一方のMOSFET15の主電流路(チャンネル)は相補型MOSFET17と接地との間に接続される。両MOSFETのゲート端子は相補型MOSFET17の接地側端子に共通接続されている。MOSFET16のチャンネルはコンデンサ21に直列接続されている。MOSFET15に流れる電流I1は相補型MOSFET17を貫通する。MOSFET16に流れる電流I1’はMOSFET15に流れる電流I1に比例する。
【0017】
次に、図1に示した音声再生装置の動作を図2の波形図を用いて説明する。
【0018】
積分回路11の出力であるA点電圧は図2(a)に示すように、電源オン時に比較的急峻に立ち上がり、次第に電圧増加率が低減していく(ほぼ電源電圧+Vに飽和する)波形となる。
【0019】
この電圧波形をゲートに受ける相補型MOSFET17に流れる電流I1は、図2(b)に示すように、そのゲート電圧が0V(時点t0)からピーク(時点t1)に達するまでの間、最初は電流0の状態から始まり、中間電位に近づくにつれて電流量が次第に増加していき、中間電位で最大電流となり、その後再び電流量が次第に減少していき0に戻る。その電流値の変化は、増加時にはピーク近くに達するまで次第に増加率が大きくなり、減少時にはピーク近くから次第に低減率が小さくなるように推移する。電流I1’は電流I1に比例するので、その振幅は異なっても波形形状は同一である。勿論、電流I1’は電流I1と同一であってもよい。
【0020】
この電流I1’により充電されるコンデンサ21の電圧に比例した電圧が、アンプ22の出力であるB点電圧となる。その電圧波形は図2(c)に示すようになる。この電圧波形は電流I1’を積分したものに相当し、0電圧からゆっくりと上昇し始めその後加速度的に増加していき、電流値がピークに達した時点で電圧増加率が次第に低減してある電圧値に近づいていく。このB点電圧波形を図4の従来の対応するD点電圧波形と比較すると、D点電圧波形の立ち上がりの開始点および終了点での急激な電圧変化が、B点電圧波形では存在しなくなっていることが分かる。その結果、C点電圧波形はI1電流波形に類似した形状となり、従来のE点におけるようなパルス状の波形は生じない。
【0021】
B点電圧はカップリングコンデンサ31を介してスピーカ33の一端子に結合され、そのC点電圧は図2(d)に示すようになる。
【0022】
なお従来構成においてD点電圧波形の立ち上がりの開始点および終了点の急激な変化を軽減するためにその傾斜をゆるくすると、基準電圧の立ち上がり時間が長くなる。これに対して、本発明のB点電圧波形は立ち上がりの開始点および終了点での電圧変化が極めて緩慢でありながらその中間では急峻に変化するので、開始点から終了点までの立ち上がり時間が短くなっている。
【0023】
その結果、本実施の形態におけるカップリング後のC点での電圧はパルス状の出力となるような急峻な電圧変動の発生を抑えながら、なおかつ短時間で立ち上がる。
【0024】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、種々の変形、変更が可能である。例えば、相補型MOSFET17のMOSFET18,19の上下位置関係は逆であってもよい。カレントミラー回路はMOSFETで構成する例を示したが、図5に示すように、バイポーラトランジスタ51,52で構成することも可能である。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、比較的低コストで、かつ、電源オン時に基準電圧の立ち上がりを遅くすることなくポップノイズの発生を防止することができる音声再生装置およびそのための基準電圧生成回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施の形態の音声再生装置の構成例を示す回路ブロック図である。
【図2】図1に示した音声再生装置の動作を説明するための波形図である。
【図3】従来の種々のオーディオ機器等に使用される音声再生装置の概略構成を示す回路ブロック図である。
【図4】図1に示した音声再生装置の電源がオンされたときのD点とE点の電圧波形を示す波形図である。
【図5】図1に示した実施の形態の変形例に係る音声再生装置の構成例を示す回路ブロック図である。
【符号の説明】
10…基準電圧生成回路、11…積分回路、14…カレントミラー回路、17…相補型MOSFET、21…コンデンサ、22…アンプ(増幅器)、25…演算増幅器、30…音声再生回路、33…スピーカ
【発明の属する技術分野】
本発明は、音声再生装置およびその増幅器に使用される基準電圧生成回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の種々のオーディオ機器等に使用される音声再生装置の概略構成を図3に示す。音声再生回路30から出力されるアナログ音声信号はアンプ(増幅器)32で増幅され、カップリングコンデンサ31を介してスピーカ(ヘッドホン、イアホン等を含む)に出力される。アンプ32には、音声再生回路30からのアナログ音声信号が入力されるとともに基準電圧35が印加される。
【0003】
図3に示したような構成において、音声再生装置の電源がオンされたときのD点(アンプ32の出力点)とE点(カップリングコンデンサ31の出力点)の電圧波形の概略を図4に示す。
【0004】
この波形から分かるように、電源オン時に基準電圧35の立ち上がり時の電圧変化が急激に上昇する波形としてD点に現れ、さらにこの変化がカップリングコンデンサ31の出力点にポップノイズと呼ばれる正および負のパルス状の信号41,42が現れる。このようなパルス状信号はスピーカ33から耳障りなノイズ音として聴取される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなポップノイズの対策として、基準電圧(リファレンス電圧)を極力緩慢に立ち上げることにより、急峻な電圧変化を抑える方法が採られている。しかし、これにより、立ち上がり時間が遅くなるという問題がある。例えば、急峻な電圧変化を抑えるために基準電圧の生成にD/Aコンバータのようなデバイスを用いると装置のコスト増を招来する。
【0006】
本発明はこのような背景においてなされたものであり、その目的は、比較的低コストで、かつ、電源オン時に基準電圧の立ち上がりを遅くすることなくポップノイズの発生を防止することができる音声再生装置およびそのための基準電圧生成回路を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による基準電圧生成回路は、増幅器の基準電圧を生成する基準電圧生成回路であって、電源オン時に傾斜波形電圧を発生する傾斜波形電圧発生回路と、この傾斜波形電圧が共通のゲート端子に印加される相補型MOSFETと、1次側トランジスタおよび2次側トランジスタを有し、電源電圧および接地間で前記相補型MOSFETと1次側トランジスタの主電流路とが直列に接続されるカレントミラー回路と、電源電圧および接地間で前記カレントミラー回路の2次側トランジスタの主電流路に直列接続されるコンデンサとを備え、このコンデンサの電圧を基準電圧として用いることを特徴とする。
【0008】
相補型MOSFETは、基準電圧生成回路から傾斜波形電圧を受けると、0からピーク値近傍まで次第に増加率が上昇し、ピーク値に達した後次第に減少率が低下して0に戻る電流を流す。カレントミラー回路の1次側トランジスタに流れるこの電流に比例した電流が2次側トランジスタに流れる。2次側トランジスタの主電流路に直列接続されるコンデンサは、電源オン時の基準電圧の立ち上がりの際にこの電流を蓄積して、電立ち上がりの開始点および終了点での急峻な電圧変化のない、かつ、立ち上がり時間の短い電圧波形を生成する。
【0009】
前記傾斜波形電圧発生回路は、例えば、電源電圧と接地との間に直列接続された抵抗およびコンデンサからなる積分回路により構成することができる。この積分回路は、傾斜波形の一種として立ち上がり時に急激に立ち上がり次第に増加率が低減してピーク値に近づいていく電圧波形を生成する。
【0010】
前記カレントミラー回路の1次側トランジスタおよび2次側トランジスタは、MOSFET、または、バイポーラトランジスタのいずれによっても構成しうる。
【0011】
本発明による音声再生装置は、アナログ音声信号を発生する音声再生回路と、前記アナログ音声信号を増幅する増幅回路と、この増幅回路の出力信号をカップリングコンデンサを介して受けるスピーカと、前記増幅器の基準電圧を生成する基準電圧生成回路とを備え、この基準電圧生成回路として上記基準電圧生成回路を用いる。これによって、電源オン時、カップリングコンデンサの入力側の電圧出力側には、立ち上がりの開始点および終了点での急峻な電圧変化のない、かつ、立ち上がり時間の短い電圧波形が印加されるので、カップリングコンデンサの出力側にはパルス状の電圧変化は生じない。その結果、スピーカからの、電源オン時のいわゆるポップノイズの発生を防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1に、本実施の形態の音声再生装置の構成例を示す。この構成は、音声再生回路30、アンプ22、カップリングコンデンサ31、スピーカ33、および本発明において特徴的な基準電圧生成回路10からなる。
【0014】
音声再生回路30は音声を再生できる任意の回路であり、放送、通信、静的および動的記録メディア(メモリ、CD、MD、DVD、磁気テープ等)等、音のソースの別は問わない。
【0015】
アンプ22は、この実施の形態では演算増幅器25により構成される。この演算増幅器25の非反転入力端には音声再生回路30からのアナログ音声信号が入力抵抗23を介して入力されるとともに、演算増幅器25の反転入力端には基準電圧生成回路10により生成される基準電圧が印加される。演算増幅器25の出力端と反転入力端との間には帰還抵抗24が接続されている。
【0016】
基準電圧生成回路10は、積分回路11、相補型MOSFET(金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)17、カレントミラー回路14およびコンデンサ21から構成される。本実施の形態では傾斜波形電圧発生回路の一種として積分回路11を用いるが、傾斜波形電圧発生回路は必ずしも積分回路に限るものではない。但し、積分回路を用いれば、極めて簡単かつ安価に傾斜波形電圧発生回路を構成することができる。積分回路11は、電源(+V)と接地との間に直列接続された抵抗12およびコンデンサ13からなる。相補型MOSFET17は、積分回路11の出力電圧(抵抗12とコンデンサ13の接続点であるA点の電圧)が各ゲート電位が制御され、チャンネルが直列接続されたNチャンネルMOSFET18およびPチャンネルMOSFET19からなる。カレントミラー回路14は1対のトランジスタ、ここではNチャンネルMOSFET15,16により構成され、一方のMOSFET15の主電流路(チャンネル)は相補型MOSFET17と接地との間に接続される。両MOSFETのゲート端子は相補型MOSFET17の接地側端子に共通接続されている。MOSFET16のチャンネルはコンデンサ21に直列接続されている。MOSFET15に流れる電流I1は相補型MOSFET17を貫通する。MOSFET16に流れる電流I1’はMOSFET15に流れる電流I1に比例する。
【0017】
次に、図1に示した音声再生装置の動作を図2の波形図を用いて説明する。
【0018】
積分回路11の出力であるA点電圧は図2(a)に示すように、電源オン時に比較的急峻に立ち上がり、次第に電圧増加率が低減していく(ほぼ電源電圧+Vに飽和する)波形となる。
【0019】
この電圧波形をゲートに受ける相補型MOSFET17に流れる電流I1は、図2(b)に示すように、そのゲート電圧が0V(時点t0)からピーク(時点t1)に達するまでの間、最初は電流0の状態から始まり、中間電位に近づくにつれて電流量が次第に増加していき、中間電位で最大電流となり、その後再び電流量が次第に減少していき0に戻る。その電流値の変化は、増加時にはピーク近くに達するまで次第に増加率が大きくなり、減少時にはピーク近くから次第に低減率が小さくなるように推移する。電流I1’は電流I1に比例するので、その振幅は異なっても波形形状は同一である。勿論、電流I1’は電流I1と同一であってもよい。
【0020】
この電流I1’により充電されるコンデンサ21の電圧に比例した電圧が、アンプ22の出力であるB点電圧となる。その電圧波形は図2(c)に示すようになる。この電圧波形は電流I1’を積分したものに相当し、0電圧からゆっくりと上昇し始めその後加速度的に増加していき、電流値がピークに達した時点で電圧増加率が次第に低減してある電圧値に近づいていく。このB点電圧波形を図4の従来の対応するD点電圧波形と比較すると、D点電圧波形の立ち上がりの開始点および終了点での急激な電圧変化が、B点電圧波形では存在しなくなっていることが分かる。その結果、C点電圧波形はI1電流波形に類似した形状となり、従来のE点におけるようなパルス状の波形は生じない。
【0021】
B点電圧はカップリングコンデンサ31を介してスピーカ33の一端子に結合され、そのC点電圧は図2(d)に示すようになる。
【0022】
なお従来構成においてD点電圧波形の立ち上がりの開始点および終了点の急激な変化を軽減するためにその傾斜をゆるくすると、基準電圧の立ち上がり時間が長くなる。これに対して、本発明のB点電圧波形は立ち上がりの開始点および終了点での電圧変化が極めて緩慢でありながらその中間では急峻に変化するので、開始点から終了点までの立ち上がり時間が短くなっている。
【0023】
その結果、本実施の形態におけるカップリング後のC点での電圧はパルス状の出力となるような急峻な電圧変動の発生を抑えながら、なおかつ短時間で立ち上がる。
【0024】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、種々の変形、変更が可能である。例えば、相補型MOSFET17のMOSFET18,19の上下位置関係は逆であってもよい。カレントミラー回路はMOSFETで構成する例を示したが、図5に示すように、バイポーラトランジスタ51,52で構成することも可能である。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、比較的低コストで、かつ、電源オン時に基準電圧の立ち上がりを遅くすることなくポップノイズの発生を防止することができる音声再生装置およびそのための基準電圧生成回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施の形態の音声再生装置の構成例を示す回路ブロック図である。
【図2】図1に示した音声再生装置の動作を説明するための波形図である。
【図3】従来の種々のオーディオ機器等に使用される音声再生装置の概略構成を示す回路ブロック図である。
【図4】図1に示した音声再生装置の電源がオンされたときのD点とE点の電圧波形を示す波形図である。
【図5】図1に示した実施の形態の変形例に係る音声再生装置の構成例を示す回路ブロック図である。
【符号の説明】
10…基準電圧生成回路、11…積分回路、14…カレントミラー回路、17…相補型MOSFET、21…コンデンサ、22…アンプ(増幅器)、25…演算増幅器、30…音声再生回路、33…スピーカ
Claims (8)
- 増幅器の基準電圧を生成する基準電圧生成回路であって、
電源オン時に傾斜波形電圧を発生する傾斜波形電圧発生回路と、
この傾斜波形電圧が共通のゲート端子に印加される相補型MOSFETと、
1次側トランジスタおよび2次側トランジスタを有し、電源電圧および接地間で前記相補型MOSFETと1次側トランジスタの主電流路とが直列に接続されるカレントミラー回路と、
電源電圧および接地間で前記カレントミラー回路の2次側トランジスタの主電流路に直列接続されるコンデンサとを備え、
このコンデンサの電圧を基準電圧として用いることを特徴とする基準電圧生成回路。 - 前記傾斜波形電圧発生回路は電源電圧と接地との間に直列接続された抵抗およびコンデンサからなる積分回路により構成されることを特徴とする請求項1記載の基準電圧生成回路。
- 前記カレントミラー回路の1次側トランジスタおよび2次側トランジスタはMOSFETにより構成されることを特徴とする請求項1記載の基準電圧生成回路。
- 前記カレントミラー回路の1次側トランジスタおよび2次側トランジスタはバイポーラトランジスタにより構成されることを特徴とする請求項1記載の基準電圧生成回路。
- アナログ音声信号を発生する音声再生回路と、
前記アナログ音声信号を増幅する増幅回路と、
この増幅回路の出力信号をカップリングコンデンサを介して受けるスピーカと、
前記増幅器の基準電圧を生成する基準電圧生成回路とを備え、
前記基準電圧生成回路は、
電源オン時に傾斜波形電圧を発生する傾斜波形電圧発生回路と、
この傾斜波形電圧が共通のゲート端子に印加される相補型MOSFETと、
1次側トランジスタおよび2次側トランジスタを有し、電源電圧および接地間で前記相補型MOSFETと1次側トランジスタの主電流路とが直列に接続されるカレントミラー回路と、
電源電圧および接地間で前記カレントミラー回路の2次側トランジスタの主電流路に直列接続されるコンデンサとにより構成され、このコンデンサの電圧を基準電圧として用いる
ことを特徴とする音声再生装置。 - 前記傾斜波形電圧発生回路は電源電圧と接地との間に直列接続された抵抗およびコンデンサからなる積分回路により構成されることを特徴とする請求項5記載の音声再生装置。
- 前記カレントミラー回路の1次側トランジスタおよび2次側トランジスタはMOSFETにより構成されることを特徴とする請求項5記載の音声再生装置。
- 前記カレントミラー回路の1次側トランジスタおよび2次側トランジスタはバイポーラトランジスタにより構成されることを特徴とする請求項5記載の音声再生装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003093739A JP2004304441A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 音声再生装置および基準電圧生成回路 |
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- 2003-03-31 JP JP2003093739A patent/JP2004304441A/ja not_active Withdrawn
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