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JP2004357571A - 低カロリー麺類の製造方法 - Google Patents

低カロリー麺類の製造方法 Download PDF

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JP2004357571A
JP2004357571A JP2003159282A JP2003159282A JP2004357571A JP 2004357571 A JP2004357571 A JP 2004357571A JP 2003159282 A JP2003159282 A JP 2003159282A JP 2003159282 A JP2003159282 A JP 2003159282A JP 2004357571 A JP2004357571 A JP 2004357571A
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low
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JP2003159282A
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Hirotsugu Koyama
裕嗣 小山
Kenji Kadota
憲二 門田
Hiroshi Tenkai
弘 天海
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Showa Sangyo Co Ltd
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Abstract

【課題】実用に供し得る麺製品、即ち、低カロリーであって、食味・食感・香り・色調等も良好であり、その製造が工業的に容易である麺製品を提供すること。
【解決手段】(1)麺類を製造するに際し、(イ)ハイドロコロイドを形成し保水力のある多糖類と(ロ)高粘性を呈する水溶性又は水分散性多糖類の2成分からなる多糖類素材を用いることを特徴とする低カロリー麺類の製造方法、(2)ハイドロコロイドを形成し保水力のある多糖類が、グルコマンナンである1記載の低カロリー麺類の製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低カロリー麺類の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近のダイエットブームにより、食品は低カロリー化の傾向が強まっており、各種の低カロリー化食品が開発されている。
小麦粉・その他穀粉類を主原料として製造される麺類は、多量の澱粉質やたんばく質を含んでいるため、麺類食品の喫食において低カロリー化を図るためには、ソースやスープではなく麺の低カロリー化を図ることが効率的である。
【0003】
そこで、麺類の低カロリー化を図るため、麺類製造の主原料の一部を海藻等の食物繊維や多糖類に置き換える等の工夫がなされており、例えば、コンニャクやグルコマンナン等を、小麦粉、そば粉等に混合して、うどん、そば、スパゲッティ等の主食用食品を製造しようとする試みがなされている。
例えば、▲1▼水または40〜50℃の微温湯1リットルに対しコンニャクの精粉を20〜35gの割合にかき混ぜながら加えて30分〜2時間放置して出来たコンニャクと、小麦粉1.7〜2.5Kgと、デンプン粉200〜600gと、を混合して、160〜200℃の温度の蒸気、最適には略180℃の蒸気を照射しながら3〜8分間撹拌して出来たコンニャクと小麦粉の混合練粉を所定の形状に切断成型する方法(特許文献1)、▲2▼小麦粉とコンニャク粉末を必須成分とし、小麦粉100に対して、コンニャク粉末0.2〜2、食塩0.1〜1、水20〜70の割合で配合する方法(特許文献2)、▲3▼小麦粉にこんにゃく芋粉末および水を加えて混練し麺生地とした麺類用材料(特許文献3)、▲4▼天産物の蒟蒻芋と小麦粉またはそば粉との混合物で構成されためん類(特許文献4)、▲5▼製品の重量を基準にして0.01ないし10%の精製したグルコマンナンを含む乾燥麺類(特許文献5)、▲6▼グルコマンナンを水で膨潤溶解させた後、凝固剤で凝固させることにより得られる、グルコマンナンの水和ゲルを使用する方法(特許文献6)、▲7▼グルコマンナンの部分加水分解物を使用する方法(特許文献7)、等が挙げられる。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−117261号公報
【特許文献2】
特開平10−155440号公報
【特許文献3】
特開平9−215477号公報
【特許文献4】
特開2001−86948号公報
【特許文献5】
特開平3−65152号公報
【特許文献6】
特開平10−191912号公報
【特許文献7】
特開平7−327622号公報
【0005】
しかし、コンニャク粉末を用いる場合は、コンニャク独特のにおい、味が強くなり、穀粉類主体の麺類とは異なる食感、食味となる。
コンニャクの成分であるグルコマンナンを用いる従来の方法も、低カロリー化を図る場合にはゲルを形成させて小麦粉と置き換える方法が用いられており、この場合にも穀粉類主体の本格的な麺類とは異なる食品となる。また、麺類に粉末のグルコマンナンを単独で用いる場合は、麺の硬さなど食感に問題が生じる。
上記の従来法は、麺類の食味、食感、香り等に問題があったり、また機械による連続生産にむかない等の問題がある。
従って、穀粉類を主体とする本格的な麺類として、コンニャク又はグルコマンナンを含有する実用に供し得るコンニャク入りのうどん、そば、スパゲッティ等は殆ど提供されていないのが実状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、実用に供し得る麺製品、即ち、低カロリーであって、食味・食感・香り・色調等も良好であり、その製造が工業的に容易である麺製品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意研究を重ねたところ、食味・香り・色調に対する影響せず、カロリー0でコストの安価な素材である水を利用すればよいことに気付き、この水を多量に含有し得る素材を探したところ、ハイドロコロイドを形成し保水力のある多糖類がその特性を有することを知り、更に研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明は、以下の構成からなるものである。
1.麺類を製造するに際し、(イ)ハイドロコロイドを形成し保水力のある多糖類と(ロ)高粘性を呈する水溶性又は水分散性多糖類の2成分からなる多糖類素材を用いることを特徴とする低カロリー麺類の製造方法。
2.ハイドロコロイドを形成し保水力のある多糖類が、グルコマンナンである上記1記載の低カロリー麺類の製造方法。
3.高粘性を呈する水溶性又は水分散性多糖類が、アルギン酸、アルギン酸Na、アルギル酸エステル、グアーガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、ペクチン、タマリンドシードガム、ジェランガム、カードラン、ファーセレラン、カルボキシメチルセルロース、トラガントガム、サイリウムシードガム、タラガム、澱粉加水分解物の何れかの一種以上である上記1又は2記載の低カロリー麺類の製造方法。
4.上記1、2又は3記載の方法で製造された低カロリー麺類。
5.低カロリー麺類が、喫食時の低カロリー化率が10%以上である上記4記載の低カロリー麺類。
【0009】
本発明は、ハイドロコロイドを形成し保水力のある多糖類と高粘性を呈する多糖類の2成分からなる多糖類素材を用いることにより、麺類の低カロリー化を図った点に特徴を有するものである。
【0010】
本発明は、以下の知見に基づいてなされたものである。
(1)ハイドロコロイドを形成し保水力のある多糖類、例えば、グルコマンナンは、そのものも低カロリーであって、保水性が大きいので、低カロリー化多糖類素材としては適する。
(2)グルコマンナンを麺類に配合した場合、麺類が軟らかくなるとともに、食味や香り等が劣化するいう問題がある。
(3)高粘性を呈する多糖類、例えば、アルギン酸エステルを麺類に配合した場合、麺類に硬さは得られるものの、弾力性がなくなるとともに、食味や香り等が劣化するいう問題がある。
(4)このような、上記の二種類の多糖類を併用すると、麺類の食感、食味、香り等品質が劣化することが予想されるにもかかわらず、両者を併用しても、麺類の食味、食感、香り等の品質の劣化など両者単独使用による問題が相殺されることのみならず、両者の相乗効果により意外にも、これらの品質が良好となる。
【0011】
以上のように、本発明は、ハイドロコロイドを形成し保水力のある多糖類と高粘性を呈する多糖類からなる低カロリー化素材を配合することにより、麺類の食味、食感、香り等の品質を保持したまま、麺類の低カロリー化を図ることを可能にしたものであり、この点に本発明の発明性がある。
また、本発明の多糖類素材を構成する成分は、何れも粉体状であり、主原料の小麦粉等の穀粉との粉体混合で処理ができる等の配合特性がよいので、本発明では、麺類の製造において、従来の機械による連続生産が可能となる利点がある。
以上のように、本発明において、優れた効果が奏される理由は、本発明の配合素材の構成成分である、ハイドロコロイドを形成し保水力のある多糖類と高粘性を呈する多糖類の相乗効果によるものと推察される。
【0012】
以下、本発明について、更に詳細に説明する。
本発明は、小麦粉等の穀粉から麺類を製造するに際し、ハイドロコロイドを形成し保水力のある多糖類と高粘性を呈する多糖類の2成分からなる低カロリー多糖類素材を用いることを特徴とする低カロリー麺類の製造方法である。
【0013】
(1)麺類
本発明の低カロリー麺製造の対象となる麺類は、小麦粉及び場合によってその他の穀粉を主原料とするものであり、うどん、そば、中華めん(わんたん、ぎょうざの皮などを含む)、マカロニ、スパゲッティなどのパスタ、はるさめ、ビーフン等が含まれる。これらの麺類は、乾麺、生麺の何れの形態でもよい。
【0014】
(2)麺用穀粉類
製造される麺類に応じて、主原料の穀粉が選択される。
例えば、うどん、そうめん、中華めん、マカロニ、スパゲッティなどのパスタ等は小麦粉を、そばはそば粉を、はるさめは緑豆を、ビーフンは米粉を、それぞれ主原料とする。
【0015】
(3)低カロリー化多糖類素材
本多糖類素材は、(イ)ハイドロコロイドを形成し保水力のある多糖類と(ロ)高粘性を有する水溶性又は水分散性多糖類の2成分からなるものであり、本発明の特徴をなすものである。
本多糖類素材の配合量は、穀粉類100に対して、(イ)0.01〜20、(ロ)0.01〜10の割合で用いるのがよい。
【0016】
(イ)ハイドロコロイドを形成し保水力がある多糖類
本多糖類は、風味に問題がなく、水とよくなじみ、保水性が大きく、また、消化酵素で分解されないため、低カロリー性の素材とし最適な特性を有しているので、本発明の麺類の低カロリー化を図るために用いている重要な成分である。
しかし、このものを単独で麺類に配合した場合は、食感が柔らかくなる等の品質の劣化が予想されるという問題があるで、その対策が必要となる。
本多糖類としては、グルコマンナンを用いるのが好ましい。
グルコマンナンは、コンニャク芋に含まれる炭水化物の主成分であり、グルコースとマンノースを主要構成成分とする多糖類である。
例えば、コンニャク粉をエタノールを用いて精製するなどの方法で得ることが出来る。
【0017】
(ロ)高粘性を有する水溶性又は水分散性多糖類
本多糖類は、単独で麺類に配合した場合、食感に弾力性がなくなったり、食味や香りが劣化する等、品質の劣化が予想されるにもかかわらず、上記のハイドロコロイドを形成し保水力がある多糖類と併用すると、本発明の目的が達成できるという重要な成分である。
本多糖類としては、例えば、アルギン酸、アルギン酸Na、アルギル酸エステル、グアーガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、ペクチン、タマリンドシードガム、ジェランガム、カードラン、ファーセレラン、カルボキシメチルセルロース、トラガントガム、サイリウムシードガム、タラガム、澱粉加水分解物等を用いることが出来る。
上記の二種類の多糖類成分を併用すると、品質の劣化が予想されるにもかかわらず、意外にも、その相乗効果により品質の劣化が起こらない。
【0018】
(4)副原料
目的の麺類に応じて、種々の副原料を使用することができる。
例えば、食塩(うどん、そうめん)、小麦粉、卵、布海苔(そば)、カン水(中華めん)や着香料等が使用可能である。
【0019】
(5)麺類の製造方法
麺類の製造方法は、特に限定されず、通常の方法が採用し得る。
その場合、本発明の低カロリー化多糖類素材は、粉体混合時に添加するか又は水に分散させて加水時に添加すればよい。代表的な麺類について、以下説明する。
【0020】
(スパゲティ)
穀粉として、デューラム・セモリナ又は強力小麦粉を用いて製造する。
例えば、デューラム・セモリナ100に対して、水27〜29を加え、ミキサーで混捏した後、700mmHg以下の圧力で、空気を取り除いてから、80kg/cm以上の圧力で鋳型(ダイス)の孔から押し出して、製造する。乾麺とする場合には、得られた麺線を水分約12%に乾燥させて製造する。
【0021】
(うどん)
うどんは、小麦粉を水でこね、延ばして線状の形にしたものであり、製法から、機械製麺と手打ちうどんに分けられる。
例えば、手打ちうどんは、中力小麦粉に食塩水を加えて捏ねて生地を作る。加水は粉100に対して40〜50で、機械製麺の場合より10〜15多く、塩は粉に対して4〜5%である。捏ねた生地は2〜3時間熟成させた後、麺棒で多方向に延ばして薄くしてから包丁で切り出して麺線にする。乾麺とする場合には、得られた麺線を水分約14%に乾燥させて製造する。
本発明の低カロリー麺類は、喫食時の低カロリー化率が10%以上のものであり、好ましくは20%以上のものである。更に、低カロリー化率が約50%であっても、実用に供し得る麺類が得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、実施例等を挙げて、更に詳細に説明するが、本発明はこれらのものに限定されない。なお、「%」は、特に断らない限り、「重量%」を意味する。
【0023】
(スパゲッティ)
【実施例1】
スパゲッティの原料(デュラムセモリナ100%)100重量部にグルコマンナン(レオレックスRS:清水化学(株)製)2重量部とアルギン酸エステル(アルギン酸プロピレングリコールエステル;AL31:太陽化学(株)製)0.5重量部を粉体混合し、この粉体混合物100重量部に対し、水を30重量部加え、600mmHgの減圧下で連続的に脱気しながら、ミキシングを行い緻密な生地を製造した。
得られた生地を、鋳型(最終1.4mm成形口)に圧力80kg/cmかけながら押し出し成型した。成型された麺生地は、湿度70%〜80%に調湿しながら温度50℃で予備乾燥を行った後、最高温度84℃で本乾燥を行って、スパゲッティの乾麺(水分約12%)を得た。
【0024】
【実施例2】
実施例1のアルギン酸エステル0.5%をローカストビーンガム(ネオソフトL:太陽化学(株)製)2重量部とキサンタンガム(エコーガム:大日本製薬(株)製)2重量部に変えた以外は、実施例1と同様の工程に従って、スパゲッティの乾麺を得た。
【0025】
【実施例3】
実施例1のアルギン酸エステルとグルコマンナンを通常通りの加水に溶解分散した以外は、実施例1と同様の工程に従って、スパゲッティの乾麺を得た。
【0026】
【実施例4】
実施例1において、グルコマンナン2重要部とアルギン酸エステル0.5重量部を、グルコマンナン10重量部とアルギン酸エステル1重量部に変えた以外は、実施例1と同様の工程に従って、スパゲッティの乾麺を得た。
【0027】
【実施例5】
実施例1において、グルコマンナン2重量部とアルギン酸エステル0.5重量部を、グルコマンナン0.1重量部とアルギン酸エステル0.05重量部に変えた以外は、実施例1と同様の工程に従って、スパゲッティの乾麺を得た。
【0028】
【比較例1】
実施例1のアルギン酸エステルを使用しなかった以外は、実施例1と同様の工程に従って、スパゲッティの乾麺を得た。
【0029】
【比較例2】
実施例1のグルコマンナンを使用しなかった以外は、実施例1と同様の工程に従って、スパゲッティの乾麺を得た。
【0030】
(うどん)
【実施例6】
原料の中力小麦粉100重量部に対して、グルコマンナン2重量部、アルギン酸エステル0.5重量部、食塩4重量部、及び水50重量部を混合して生地を作った。得られた生地は、12番手の切刃の製麺機で切り出して、うどん(麺線厚:2.5mm)を得た。
【0031】
【実施例7】
実施例6において、アルギン酸エステル0.5重量部の代わりに、ローカストビーンガム2重量部とキサンタンガム2重量部を用いた以外は、実施例6と同様にして、うどんを得た。
【0032】
【実施例8】
実施例6において、グルコマンナン2重量部とアルギン酸エステル0.5重量部の代わりに、グルコマンナン10重量部とアルギン酸エステル1重量部を用いた以外は、実施例6と同様にして、うどんを得た。
【0033】
(製品の評価)
実施例及び比較例で得られた製品の評価は、コントロール(スパゲッティ:デュラムセモリナ100%;うどん:中力小麦粉100%)を対照にして、以下のようにして行った。
【0034】
1.物性試験
硬さ・弾力についての測定は、テンシプレッサーを用いて下記の条件で行った。
(イ)測定の条件
▲1▼測定機器 :有限会社タケトモ電機製テンシプレッサーTTP−50bx2
▲2▼測定方式 :1バイト破断試験
▲3▼プランジャー:幅1mmのブレード
▲4▼圧縮スピード:2.0mm/scc
▲5▼クリアランス:0.1mm
▲6▼測定回数:麺茹で上げ後(流水洗浄後)5分以内に5点計測
【0035】
(ロ)測定方法
麺類の長辺に対して垂直方向にブレードを押し込み圧縮切断した。この時破断されるポイントまでに必要とされたエネルギー量(単位:erg)を硬さとし、標準品(コントロール)の測定結果を10に換算して各種例と比較した。この時、10より大きければより硬く、小さければより柔らかいことを示す。また、弾力については横軸に麺の圧縮距離をとり、縦軸にその時ブレードが受けた応力をとり、圧縮0をA点、2/3圧縮点をB点、その時の応力値をC点としたとき、ABCをつなぐと三角形が出現する。その三角形の面積は各測定結果の示す面積の何倍にあたるかを求め弾力係数とした。弾力係数も標準品(コントロール)の測定結果を10に換算して各種例と比較した。この時、10より大きければより弾力・粘りがあり、小さければより弾力・粘りがないことを示す。
【0036】
2.官能試験
専門のパネラー20名で行い、コントロールと同等を3点、やや不良を2点、不良を1点として集計し、その平均点を出した。
また、官能評価の総合評価は、各項目の官能評価値の平均点が、2.7以上を◎、2.3以上2.7未満を○、1.9以上2.3未満を△、1.9未満を×、とした。
なお、低カロリー化率は、コントロールのカロリーに対して低下した割合から求めた。
【0037】
3.試験結果
スパゲッティの試験の結果は、実施例は表1又比較例は表2に、うどんの試験結果は表3に、それぞれ示す。
【0038】
【表1】
Figure 2004357571
【表2】
Figure 2004357571
【表3】
Figure 2004357571
【0039】
表1〜3の結果から、以下のことが解る。
(1)通常のものより、茄でた後、麺類に大量の水が保持され、重量が通常の1.2倍以上となり、低カロリー化が図れる。
(2)ハイドロコロイドを形成し保水力のある多糖類又は高粘性を呈する多糖類のどちらか一方の成分だけでは、品質が劣化する。
(3)通常のものより、茄で後の増重量が1.2倍以上に茹で上げた場合においても、上記の二種類の多糖類を併用すると、品質が保持されたまま、低カロリーの麺類が得られる。
(4)以上のことから、本発明の優れた効果は、本発明の低カロリー多糖類素材を構成する二種類の多糖類成分の相乗効果により達成されたものであることが解る。
【0040】
【発明の効果】
本発明の低カロリー麺類は、通常のものより、茄で後の増重量が1.2倍以上に茹で上げた場合においても、麺類の特有の弾力性、硬さ、香り等が失われず、通常品と同等の品質を保持したまま、食用に供し得るとともに、ダイエット効果がある。
また、本発明の低カロリー化多糖類素材は、主原料の小麦粉等の穀粉との粉体混合で処理ができる等の配合特性がよいなど、既存の麺類製造ラインに改造を加えることなく生産が可能であり、同一製品の大量生産が可能である。

Claims (5)

  1. 麺類を製造するに際し、(イ)ハイドロコロイドを形成し保水力のある多糖類と(ロ)高粘性を呈する水溶性又は水分散性多糖類の2成分からなる多糖類素材を用いることを特徴とする低カロリー麺類の製造方法。
  2. ハイドロコロイドを形成し保水力のある多糖類が、グルコマンナンである請求項1記載の低カロリー麺類の製造方法。
  3. 高粘性を呈する水溶性又は水分散性多糖類が、アルギン酸、アルギン酸Na、アルギル酸エステル、グアーガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、ペクチン、タマリンドシードガム、ジェランガム、カードラン、ファーセレラン、カルボキシメチルセルロース、トラガントガム、サイリウムシードガム、タラガム、澱粉加水分解物の何れかの一種以上である請求項1又は2記載の低カロリー麺類の製造方法。
  4. 請求項1、2又は3記載の方法で製造された低カロリー麺類。
  5. 低カロリー麺類が、喫食時の低カロリー化率が10%以上である請求項4記載の低カロリー麺類。
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