JP2004357473A - Motor controller - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、シリアルデータ通信機能を備えたモータ制御装置に係り、詳しくは、上位装置から供給されるPWM制御のデューティ指定情報やモータ回転速度指定情報等に基づいてモータへ供給する電力をPWM制御するようにしたモータ制御装置、および、制御対象の位置を制御するアクチュエータ制御用途にもモータ回転速度を制御する回転速度制御用途にも適用することのできるモータ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用の空調ユニット内に配設された各種のドアに対して、ドアを駆動するモータと、ドアの現在位置を電圧として出力する位置検出部と、与えられた目標位置データと位置検出部の出力とに基づいてモータを制御する制御部とを備えた同種の複数のアクチュエータを設け、これら同種の複数のアクチュエータをシリアル通信を使って制御手段によって統合制御するようにした自動車用空調システムにおいて、制御手段は、空調ユニット内に設けられたブロアファンモータを駆動する駆動回路との間でもシリアル通信を行ない、駆動回路は制御手段によって風量制御の目標値が与えられると、実際にブロアファンモータに加えられている電圧が制御手段によって与えられた目標値と一致するよう、ブロアファンモータへの印加電圧を制御する制御部を有する自動車用空調システムは、従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
第1の通信制御手段と、モータを備える第2の通信制御手段とが通信線で接続された多重通信装置において、第1の通信制御手段は、所定の送信フォーマットに基づき、モータの目標位置を含む制御データをパルス信号として通信線上に出力し、第2の通信制御手段は、通信線上のパルス信号を受信する受信手段と、受信手段により得られた受信信号をデコードし目標位置を得るデコーダと、受信手段によって得られる受信信号の内所定のパルスを抽出するパルス抽出手段と、モータの現在位置を出力する位置検出手段と、現在位置が目標位置に一致するようにモータを制御するモータ制御手段を備え、モータ制御手段はパルス抽出手段で抽出したパルスによりモータをデューティ制御するようにした多重通信装置は知られている。第1の通信制御装置は、送信フォーマット中の所定のパルスの幅を変えることにより、デューティ比を制御するようにしている(特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−48741号公報(特許請求の範囲、図2)
【特許文献2】
特開平8−186881号公報(特許請求の範囲、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
自動車用空気調和装置(カーエアコン)等では、各種のドア(例えば、インテークドア、エアミックスドア、モードドア等)に対応して電動モータ式アクチュエータがそれぞれ設けられている。ドアを開閉駆動するために必要なトルク等は、ドアの種類によって異なる。このため、負荷の重いドアを駆動できるだけのモータ出力を有するモータ(直流モータ)を用いている。
【0006】
そこで、軽負荷のドアに対しては定格出力が小さい小型のモータを用いることで、電動式モータアクチュエータの小型化や経済化を図ることが考えられる。ところが、小型のモータは定格回転数が大きいものが多く、モータ運転音(騒音)の周波数も高い。さらに、小型のモータの中には、回転数が大きいためにモータ運転音(騒音)の周波数が高くなるだけでなく、そのレベル(騒音レベル)が大きいものがある。
【0007】
このためモータの違いによってアクチュエータ動作時の騒音の周波数が異なることがある。複数のアクチュエータの動作状態によって、騒音周波数が変化したり、2種類の周波数の騒音が同時に発生したりすると、使用者等に違和感を与える虞れがある。
【0008】
そこで、小型モータを採用する電動モータ式アクチュエータに、モータへ供給する電圧(または供給する電力)を低下させるための電圧規制回路等を設け、モータ供給電圧(または供給電力)を低くすることでモータの回転数を低下させ、モータ運転時の騒音周波数を低くすることが考えられる。しかし、電圧規制回路等の追加はコストアップとなるだけでなく、その実装スペースが必要となる。このため、電動モータ式アクチュエータを思ったほど小型化できない。
【0009】
前述したように各種ドアに対して1種類の電動モータ式アクチュエータをそれぞれ設ける従来の構成では、負荷の重いドアを駆動できるだけのモータ出力を有するモータが使用される。このため、負荷の軽いドアを開閉駆動する場合には、モータに必要以上の電力が供給されていることがある。モータ出力が比較的大きいモータを備えたアクチュエータで、軽負荷を駆動する場合にはモータに供給する電力を低減して、電力消費量を低減することができる場合がある。
【0010】
特許文献1に記載されているように、電動モータ式アクチュエータを駆動するのに好適なカスタムICを利用してブロアファンモータの印加電圧を無段階に制御することができる。しかしながら、ブロアファンモータに直列にMOSFETを接続し、MOSFETを能動領域で動作させてブロアファンモータの印加電圧を無段階に制御する回路構成をとった場合は、MOSFETで不要な電力消費が生ずることがある。
【0011】
そこで、モータに供給する電力をPWM制御することで、モータの回転速度を制御することが考えられる。この場合、制御手段等の上位装置からアクチュエータ駆動回路側やブロアファン駆動回路側に対してPWM制御のデューティ比を指定することになるが、特許文献2に記載されているように、送信フォーマット中の所定のパルス信号のパルス幅を変えることによりデューティ比を制御する従来の方式では、デューティ比を指定できる範囲が狭かったり、デューティ比を正確に指定できなかったりすることがある。
【0012】
この発明はこのような課題を解決するためなされたもので、シリアルデータ通信によって上位装置等から供給されるデューティ指定情報に基づいてモータへ供給する電力をPWM制御できるようにしたモータ制御装置を提供することを目的とする。またこの発明は、シリアルデータ通信によって上位装置等から供給されるモータ回転速度指定情報に基づいてモータの回転速度を制御できるようにしたモータ制御装置を提供することを目的とする。さらにこの発明は、電動モータ式アクチュエータの駆動用としてもファンモータ等の駆動用としても好適に使用できるモータ制御装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためこの発明に係るモータ制御装置は、シリアルデータ通信部を介して上位装置から供給される自己アドレス宛ての情報を受信する受信処理部と、この受信処理部で受信した情報の中に含まれるデューティ指定情報によって指定されたデューティ比のPWM信号を生成してHブリッジ回路部を構成する各スイッチング素子を駆動するHブリッジ駆動処理部とを備える。
【0014】
この発明に係るモータ制御装置は、上位装置から供給されるデューティ指定情報に基づいて指定されたデューティ比のPWM信号を生成してHブリッジ回路部を構成する各アームのスイッチング素子を駆動する。したがって、Hブリッジ回路部を介してモータに供給する電力をPWM制御できる。これにより、デューティ指定情報に基づいてモータの回転速度を制御することができる。
【0015】
したがって、この発明に係るモータ制御装置を小型のモータを備えた電動モータ式アクチュエータの駆動制御に用いる場合、PWM制御におけるデューティ比の例えば90パーセントに設定し、モータへ供給する電力を定格電力よりも約10パーセント低減することで、小型のモータの回転数を低下させて、モータの運転に伴って発生する騒音の周波数を低くすることができる。これにより、他の電動モータ式アクチュエータが発生する騒音の周波数と小型のモータを採用した電動モータ式アクチュエータが発生する騒音の周波数とを略一致させることができる。よって、騒音の周波数が異なることで聴感フィーリングが悪くなることや使用者等に違和感を与えることを解消できる。
【0016】
また、電動モータ式アクチュエータで駆動される負荷が軽い場合には、モータへ供給する電力を低下させることで、節電を図ることができる。また、モータへ供給する電力を低下させることで、電動モータ式アクチュエータが発生する騒音のレベルを低下させることができる。
【0017】
また、この発明に係るモータ制御装置は、シリアルデータ通信部を介して上位装置から供給される自己アドレス宛ての情報を受信する受信処理部と、この受信処理部で受信した情報の中に含まれる少なくとも1ビットのモータ回転速度指定情報に基づいてデューティ比を設定し、設定したデューティ比のPWM信号を生成してHブリッジ回路部を構成する各スイッチング素子を駆動するHブリッジ駆動処理部とを備える。
【0018】
この発明に係るモータ制御装置は、上位装置から供給される少なくとも1ビットのモータ回転速度指定情報に基づいてデューティ比を設定するので、モータへ供給する電力を少なくとも2段階に切り替えることができ、これによりモータ回転速度を少なくとも2段階に変更することができる。1ビットのモータ回転速度指定情報に基づいて、例えば100%と約82%との2種類のデューティ比を切り替えることができる。また、2ビットのモータ回転速度指定情報に基づいて、4種類のデューティ比(例えば100%,約94%,約88%,約82%)を選択的に切り替えることができる。さらに、3ビットのモータ回転速度指定情報に基づいて、8種類のデューティ比を選択的に切り替えることができる。これにより、モータの回転速度を多段階に切り替えることができる。
【0019】
また、この発明に係るモータ制御装置は、シリアルデータ通信部を介して上位装置から供給される自己アドレス宛ての情報を受信する受信処理部と、この受信処理部で受信した情報の中に含まれるモータ供給電力増加要求またはモータ供給電力減少要求に基づいて予め設定した値だけデューティ比を増加または減少させて新たなデューティ比を設定し、設定したデューティ比のPWM信号を生成してHブリッジ回路部を構成する各スイッチング素子を駆動するHブリッジ駆動処理部とを備える。
【0020】
この発明に係るモータ制御装置は、上位装置から供給されるモータ供給電力増加要求またはモータ供給電力減少要求に基づいて予め設定した値だけデューティ比を増加または減少させて新たなデューティ比を設定し、設定したデューティ比でモータへ供給する電力をPWM制御することができる。例えば、デューティ比の変化幅を例えば2.5%に設定した場合、デューティ比を2.5%単位で増加または減少させることができる。したがって、上位装置は、適宜の時間間隔でモータ供給電力増加要求を複数回に亘って送信することで、デューティ比を例えば75%→77.5%→80%と段階的に増加させることができ、また、モータ供給電力増加要求を複数回に亘って送信することで、デューティ比を段階的に減少させることができる。これにより、モータの回転速度を段階的の変化させることができる。
【0021】
また、この発明に係るモータ制御装置は、シリアルデータ通信部を介して上位装置から供給される自己アドレス宛ての情報を受信する受信処理部と、この受信処理部で受信した情報の中に含まれるモータ回転速度指定情報とモータ回転速度検出部から供給されるモータ回転速度信号とを比較してPWM信号のデューティ比を設定し、設定したデューティ比のPWM信号を生成してHブリッジ回路部を構成する各スイッチング素子を駆動するHブリッジ駆動処理部とを備える。
【0022】
この発明に係るモータ制御装置は、上位装置によって指定されたモータ回転速度になるように実際のモータ回転速度をフィードバック制御することができる。
【0023】
また、この発明に係るモータ制御装置は、シリアルデータ通信部を介して上位装置から供給される自己アドレス宛ての情報を受信する受信処理部と、この受信処理部で受信した情報の中に含まれる制御モード指定情報に基づいてアクチュエータ位置制御モードが指定された場合には、受信処理部で受信した情報の中に含まれる制御対象の目標位置指定情報と制御対象の位置検出部から供給される現在位置情報とを比較し、その比較結果に基づいてHブリッジ回路部を構成する各スイッチング素子を駆動するとともに、受信処理部で受信した情報の中に含まれる動作モード指定情報に基づいてモータ回転速度制御モードが指定された場合には、受信処理部で受信した情報の中に含まれるモータ回転速度に係る指定情報に基づいてHブリッジ回路部を構成する各スイッチング素子を駆動するHブリッジ駆動処理部を備える。
【0024】
この発明に係るモータ制御装置は、上位装置によってアクチュエータ位置制御モードが指定された場合には、電動モータ式アクチュエータによって駆動される制御対象の位置が目標位置となるようにモータの回転方向およびモータの起動・停止を制御することができる。また、この発明に係るモータ制御装置は、上位装置によってモータ回転速度制御モードが指定された場合には、モータの回転速度を制御することができる。したがって、この発明に係るモータ制御装置は、例えば車両用空気調和装置の各種ドアアクチュエータの駆動用としても、また、ファンモータの駆動用としても用いることができる。1つのモータ制御装置をアクチュエータ位置制御とモータ回転速度制御モードとの双方に共通に使用できるため、例えば車両用空気調和装置等においては通信制御処理が共通化できる。また、モータ制御装置を専用IC(カスタムIC)で構成する場合には、専用IC(カスタムIC)の数量増加に伴う経済的メリット(コスト低減)を得ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0026】
図1はこの発明に係るモータ制御装置を適用した自動車用空気調和装置(カーエアコン)の全体構成を模式的に示した図である。自動車用空気調和装置は、空気調和装置本体1と、ファン駆動ユニットFANと、各ドアアクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rと、コントローラ100と、操作パネル110とからなる。
【0027】
空気調和装置本体1は、外気または内気を選択的に取り入れるインテークユニット2と、取り入れ空気を冷却するクーリングユニット3と、取り入れ空気を調和して温調した後にこの調和空気を車室内に吹き出すヒータユニット4とからなる。
【0028】
インテークユニット2には外気取入口5と内気取入口6とが開設されており、これら取入口5,6の接続部にはユニット内に取り入れる外気と内気の割合を調節するインテークドア7が回動自在に設けられている。このインテークドア7は、インテークドアアクチュエータユニットF/Rによって回動される。
【0029】
インテークユニット2は、ファンモータ9によって所定の速度で回転されるファン(ブロアファン)10を備えている。ファン10の回転によってインテークドア7の位置に応じて外気取入口5または内気取入口6からそれぞれ外気または内気が選択的に吸入され、また、ファンモータ9への印加電圧を可変してファン10の回転速度を変えることによって車室内に吹き出される風量が調節される。ファンモータ9の回転はファン駆動ユニットFANによって制御される。インテークドア7が図中のA位置にあるときは外気導入(FRE)となり、図中のB位置にあるときは内気循環(REC)となる。
【0030】
クーリングユニット3には冷凍サイクルを構成するエバポレータ11が内設されている。図示しないコンプレッサを動作させることによってエバポレータ11に冷媒が供給され、この冷媒との熱交換により取り入れ空気が冷却される。
【0031】
ヒータユニット4にはエンジン冷却水が循環されるヒータコア12が内設されており、このヒータコア12の上流側にはヒータコア12を通過する空気の量とヒータコア12を迂回する空気の量との比率を調節するためのミックスドア13が回動自在に設けられている。このミックスドア13は、ミックスドアアクチュエータユニットMIXによって回動される。ミックスドア13の開度を変えることによって、ヒータコア12を通過してエンジン冷却水との熱交換により加熱された温風とヒータコア12を迂回した非加熱の冷風との混合割合が可変され、車室内に吹き出される空気の温度が調節される。
【0032】
温度が調節された空気はデフ吹出口15、ベント吹出口16、フット吹出口17のいずれかの吹出口から車室内に供給される。これらの吹出口15〜17にはそれぞれデフドア18、ベントドア19、フットドア20が回動自在に設けられている。デフドア18、ベントドア19、フットドア20(これらをまとめてモードドアという)はモードドアアクチュエータユニットMODEによって回動される。吹出モードは各吹出口15〜17の開閉状態を組み合わせることにより任意に設定される。なお、図1では図示の都合上、モードドアアクチュエータユニットMODEを1つだけ示し、他の2つについては図示を省略している。
【0033】
各アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rは、電動モータ式アクチュエータ30Aと、アクチュエータレバー30Lの回動に連動して抵抗値が変化されるポテンショメータ31と、専用IC(カスタムIC)で構成されるモータ制御回路50とをケース(筺体)内に組み付けてなる。
【0034】
電動モータ式アクチュエータ30Aは、電動モータ30と、電動モータ30の出力軸30bに装着されたウオーム30cと、ウオーム30cに噛合された減速ギア列機構30eと、ウオーム30cおよび減速ギア列機構30eを介して回動されるアクチュエータレバー30Lとを備えている。
【0035】
アクチュエータレバー30Lの回動を図示しないリンク機構を介して例えばインテークドア7へ伝達することで、インテークドア7を回動させる。ポテンショメータ31からドアの回動位置(ドア実開度)に対応した電圧が出力される。
【0036】
ファン駆動ユニットFANは、専用IC(カスタムIC)で構成されるモータ制御回路50と、ファン駆動回路40とをケース内に収納してなる。モータ制御回路50は、各アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rに設けられているものと同じである。
【0037】
各アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rおよびファン駆動ユニットFANは、3端子のコネクタを備える。各アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rおよびファン駆動ユニットFANとコントローラ(上位装置)100との間は、電源線とグランド(GND)線とデータ線(BUS)との3芯のケーブルで接続される。
【0038】
操作パネル110は、各種の操作スイッチおよび各種の表示器を備える。操作パネル110とコントローラ100との間は3芯のケーブルで接続される。コントローラ100側から操作パネル110へ電源を供給するとともに、コントローラ100と操作パネル110との間でシリアルデータ通信を行なう構成としている。操作パネル110は、操作スイッチ等が操作されるとその操作入力情報をコントローラ100側へ供給する。
【0039】
コントローラ100を構成するエアコン制御回路101は、操作パネル110からの操作入力および図示しない各種温度センサ等からの入力に基づいて空気調和装置(エアコン)の動作を制御するとともに、操作パネル110に設けられている各種の表示器に動作状態等を表示させる。
【0040】
図2はこの発明に係るモータ制御装置を適用した自動車用空気調和装置(カーエアコン)の通信システムの構成を示す図である。図2に示すように、コントローラ100側から各アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rおよびファン駆動ユニットFANに対して電源を供給する。
【0041】
コントローラ100と各アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rおよびファン駆動ユニットFANとの間では、データ線(BUS)を介して双方向のシリアルデータ通信が調歩同期方式によってなされる。通信プロトコルは、LIN(Local Interconect Network)に準拠している。
【0042】
データ線(BUS)は、コントローラ100側のデータ入出力回路102内のプルアップ抵抗(例えば1キロオーム)Rおよび逆流防止用ダイオードDを介して正極側電源にプルアップされている。エアコン制御回路101の送信データ出力端子TXOから出力される送信データ信号に基づいてエミッタ接地されたNPN型トランジスタQをスイッチングさせることで、データの送信を行なう。データの受信は、受信データ入力端子RXIに供給されるデータ線(BUS)の電圧を所定の電圧しきい値に基づいて2値判定することでなされる。
【0043】
このシリアルデータ通信は、コントローラ100がマスター側となり、各アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rおよびファン駆動ユニットFANがスレーブ側となってなされる。スレーブ側は、キャラクタ同期を取るためのスタートビットを検出して、ビット情報を読み込むためのビットクロックを生成する。
【0044】
コントローラ100を構成するエアコン制御回路101は、図1に示した操作パネル110からの操作入力および図示しない各種温度センサ等からの入力に基づいて空気調和装置(エアコン)の全体動作を制御するとともに、操作パネル110に設けられている各種表示器に動作状態等を表示させる。
【0045】
エアコン制御回路101は、各アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rに対してドア開度目標値データ等の指令データを送信することで各アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rの動作を制御する。また、エアコン制御回路101は、各アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rに対して動作状態等に関する情報の送信を要求し、それらを受信することで各アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rの動作状態を監視したり診断したりする。
【0046】
エアコン制御回路101は、ファン駆動ユニットFANに対してファンモータの運転に係る指令データを送信することで、ファンモータ9の回転速度を制御する。また、エアコン制御回路101は、ファン駆動ユニットFANに対して動作状態等に関する情報の送信を要求し、それらを受信することでファン駆動ユニットFANの動作状態を監視したり診断したりする。
【0047】
なお、各アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rおよびファン駆動ユニットFANには、それぞれ異なる識別(ID)コード(アドレス)が割り当てられている。
【0048】
図3はLIN通信規格の1フレームのデータ構造を示す図、図4および図5はLIN通信規格の1フレーム内の各フィールドのデータ構造を示す図である。図3に示すように、LIN通信規格の1フレームは、シンクブレークフィールド(Synch Break)、シンクフィールド(Synch)、IDフィールド(ID)、データ1フィールド(DATA1)、データ2フィールド(DATA2)、チェックサムフィールド(Checksum)とからなる。
【0049】
図4(a)に示すように、シンクブレークフィールドは、少なくとも13ビット期間の間Lレベルが継続した後に、少なくとも1ビット期間の間Hレベルとなるよう構成されている。このシンクブレークフィールドは、フレーム同期をとるためのものである。
【0050】
図4(b)に示すように、シンクフィールドは、スタートビットと、ビット同期信号として16進表記で「55」Hのデータと、少なくとも1ビット期間のストップビットとからなる。このシンクフィールドは、ビット同期をとるために使用される。
【0051】
図4(c)に示すように、IDフィールドは、スタートビットと、通信相手を選択指定するための4ビットの識別(ID)コード(ID0〜ID3)と、スレーブ側の送受信モードを設定するための2ビットの受信要求/送信要求(ID4,ID5)と、2ビットのパリティチェックデータ(P0,P1)と、少なくとも1ビット期間のストップビットとからなる。
【0052】
本実施の形態では、このIDフィールドによって、各ドアアクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rおよびファン駆動ユニットFANの中のいずれか1つが指定されるとともに、DATA1フィールド以降の動作モードが指定される。具体的には、スレーブ側であるアクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rまたはファン駆動ユニットFANが、データ1フィールドおよびデータ2フィールドで、マスター側であるコントローラ100から各種の指令を受け取る受信動作モードとなるか、アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rまたはファン駆動ユニットFAN側の動作状態等をコントローラ100側へ送信する送信動作モードとなるかが指定される。
【0053】
図5(d)に示すように、データ1フィールドは、スタートビットと、8ビットのデータ(D0〜D7)と少なくとも1ビット期間のストップビットとからなる。本実施の形態では、IDフィールドで受信要求を指定した場合、コントローラ100はデータ1フィールドを用いてアクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rに対してドア開度指定データ(目標値データ)を供給するととともに、必要に応じてPWM制御のデューティ比指定データを供給する。データ1フィールドのデータが、ドア開度指定データまたはデューティ比等の指定に係るデータのいずれであるかは、データ2フィールドで指定される。また、コントローラ100は、ファン駆動ユニットFANに対してPWM制御のデューティ比指定に係るデータ、または、モータ回転速度指定に係るデータを供給する。
【0054】
アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rは、IDフィールドで送信要求が指定された場合には、データ1フィールドで現在のドア開度のデータ(現在位置データ)を送信する。ファン駆動ユニットFANは、IDフィールドで送信要求が指定された場合には、ファンモータ9の電流値に対応したデータを送信する。
【0055】
図5(e)に示すように、データ2フィールドは、スタートビットと、8ビットのデータ(d0〜d7)と少なくとも1ビット期間のストップビットとからなる。本実施の形態では、IDフィールドで受信要求を指定した場合、コントローラ100は、アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rおよびファン駆動ユニットFANに対して、データ2フィールドを用いて、通信エラーフラグクリア要求、診断フラグクリア要求、モータ起動時・停止時の運転条件設定要求(ソフトスタート・ソフトストップ制御要求およびソフトスタート時間設定要求)、データ1フィールドのデータ種別設定要求、モータ緊急停止要求、モータ強制動作要求等の各種の指令を供給する。
【0056】
アクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rおよびファン駆動ユニットFAN側(スレーブ側)は、IDフィールドで送信要求が指定された場合にはデータ2フィールドで、過電流検知フラグ、モータ停止中フラグ、モータ正転フラグ、モータ逆転フラグ、受信IDパリティエラーフラグ、過温度検知フラグ、受信サムチェックエラーフラグ、過電圧検知フラグ等の運転状態や異常検知に関する情報を供給する。
【0057】
図5(f)に示すように、チェックサムフィールドは、スタートビットと、8ビットのデータ(C0〜C7)と少なくとも1ビット期間のストップビットとからなる。本実施の形態では、このチェックサムデータとして、データ1フィールドとデータ2フィールドのデータを加算し、さらに、加算結果のキャリーを加算した結果の8ビットの反転データを送信する。
【0058】
図6は受信動作モードにおけるデータ1フィールドの内容の一例を示す図である。図6(a)に示すように、ドア開度指定データ(DK0〜DK7)は8ビットのデータで供給される。図6(b)に示すように、下位側の3ビットD0,D1,D2が「0,0,0」である場合には4ビット構成のデューティ比指定データ(Du0〜Du6)が供給され、下位側の3ビットD0,D1,D2が「1,0,0」である場合には5ビット構成のデューティ比指定データが供給される。
【0059】
受信動作モードのデータ1フィールドの下位側の3ビットD0,D1,D2が「0,1,0」である場合は、2ビット構成のモータ回転速度指定データMS0,MS1(モータ回転速度を最高速、高速、中速、および、低速の4段階に設定するためのデータ)が供給され、下位側の3ビットD0,D1,D2が「1,1,0」である場合は、3ビット構成のモータ回転速度指定データMS0,MS1,MS2(モータ回転速度を8段階に設定するためのデータ)が供給され、下位側の3ビットD0,D1,D2が「0,0,1」である場合は、4ビット構成のモータ回転速度指定データMS0,MS1,MS2,MS3(モータ回転速度を16段階に設定するためのデータ)が供給され、下位側の3ビットD0,D1,D2が「1,0,1」である場合は、5ビット構成のモータ回転速度指定データMS0,MS1,MS2,MS3,MS4(モータ回転速度を32段階に設定するためのデータ)が供給される。
【0060】
受信動作モードのデータ1フィールドの下位側の3ビットD0,D1,D2が「0,1,1」である場合はモータ供給電力増加指令が供給され、下位側の3ビットD0,D1,D2が「1,1,1」である場合はモータ供給電力減少指令が供給される。
【0061】
なお、図6(b)中の「−」は有意な情報が含まれていないことを示しており、その論理は「0」または「1」のいずれであってもよい。本実施の形態では、「−」の部分は「0」または「1」が連続しないように論理レベルを適宜設定している。
【0062】
図7は受信動作モードにおけるデータ2フィールドの内容の一例を示す図である。データ2フィールドの最下位ビットd0によって通信エラーフラグクリア要求が供給される。最下位ビットd0の論理が「1」の場合は、通信エラーフラグクリアをクリアすることが要求される。最下位ビットd0の論理が「0」の場合は、通信エラーフラグの状態は変更されない。
【0063】
データ2フィールドの2番目のビットd1によって診断フラグクリア要求が供給される。2番目のビットd1の論理が「1」の場合は、診断フラグをクリアすることが要求される。2番目のビットd1の論理が「0」の場合は、診断フラグの状態は変更されない。
【0064】
データ2フィールドの3番目および4番目のビットd2,d3によって、モータのソフトスタート・ソフトストップ制御要求が供給される。ビットd2,d3の論理が「0,0」の場合は、ソフトスタート・ソフトストップ制御はなされない。ビットd2,d3の論理が「0,1」の場合は、ソフトスタート・ソフトストップ制御が要求され、ソフトスタート制御時間は125msに設定される。ビットd2,d3の論理が「1,0」の場合は、ソフトスタート・ソフトストップ制御が要求され、ソフトスタート制御時間は250msに設定される。ビットd2,d3の論理が「1,1」の場合は、ソフトスタート・ソフトストップ制御が要求され、ソフトスタート制御時間は500msに設定される。
【0065】
データ2フィールドの5番目のビットd4によって制御モード指定要求が供給される。ビットd4の論理が「1」の場合は、アクチュエータ制御モードが指定される。ビットd4の論理が「0」の場合は、モータ回転速度制御モードが設定される。
【0066】
データ2フィールドの6番目のビットd5によってデータ1フィールドのデータ種別指定要求が供給される。ビットd5の論理が「1」の場合は、データ1フィールドによって供給されたデータがドア開度データであることが指定される。ビットd5の論理が「0」の場合は、データ1フィールドによって供給されたデータが、図6(b)に示したデューティ比、モータ回転速度、モータ供給電力増加・減少要求のいずれかであることが指定される。デューティ比、モータ回転速度、モータ供給電力増加・減少要求のいずれであるかは、データ1フィールドによって供給されたデータの下位3ビットで指定されている。
【0067】
データ2フィールドの7番目のビットd6によってモータ緊急停止要求が供給される。ビットd6の論理が「1」の場合は、モータを緊急停止することが要求される。ビットd6の論理が「0」の場合は、通常の動作がなされる。
【0068】
データ2フィールドの最上位ビットd7によってモータ強制動作要求が供給される。ビットd7の論理が「1」の場合は、モータを強制動作させることが要求される。ビットd7の論理が「0」の場合は、通常の動作がなされる。
【0069】
図8は送信動作モードにおけるデータ1フィールドの内容の一例を示す図である。アクチュエータ位置制御モードが設定されている場合、図8(a)に示すように、8ビットのドア実開度に係るデータJK0〜JK7が上位装置であるコントローラ100側へ供給される。モータ回転速度制御モードが設定されている場合、図8(b)に示すように、8ビットのモータ電流に係るデータMD0〜MD7が上位装置であるコントローラ100側へ供給される。なお、モータ回転速度制御モードが設定されている場合であって、ファン駆動ユニットFANがモータ回転速度を検出できる構成である場合には、図8(c)に示すように、8ビットのモータ回転速度に係るデータMS0〜MS7が上位装置であるコントローラ100側へ供給される。
【0070】
図9は送信動作モードにおけるデータ2フィールドの内容の一例を示す図である。データ2フィールドの最下位ビットd0で過電流検知フラグが上位装置であるコントローラ100へ供給される。データ2フィールドの2番目のビットd1でモータ停止中フラグ、3番目のビットd2でCW(モータ正転)フラグ、4番目のビットd3でCCW(モータ逆転)フラグが上位装置であるコントローラ100へ供給される。5番目のビットd4で受信IDパリティエラーフラグ、6番目のビットd5で過温度検知フラグ、7番目のビットd6で受信サムチェックエラーフラグ、最上位ビットd7で過電圧検知フラグがそれぞれ上位装置であるコントローラ100へ供給される。
【0071】
図10はこの発明に係るモータ制御装置を備えたドアアクチュエータユニットのブロック構成を示す図である。各ドアアクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rは、モータ制御IC500とその周辺回路部品R1,C1とからなるモータ制御回路50と、このモータ制御回路50で駆動される電動モータ30と、この電動モータ30を備えた電動モータ式アクチュエータ30Aのアクチュエータレバー30Lの回動に連動して回動されてアクチュエータレバー30Lによって回動されるドアの現在位置(実開度)に対応した電圧を発生させるためのポテンショメータ31とからなる。
【0072】
モータ制御回路50を構成するモータ制御IC51は、直流モータの制御用として開発した専用IC(カスタムIC)であり、例えば同一半導体チップ上にバイポーラ素子とC−MOS素子とD−MOS素子を形成することのできるBiCDMOSプロセスを用いて製造されている。
【0073】
このモータ制御IC50は、バッテリ電源Vaccから電力の供給を受けて例えば5ボルトの安定化電源Vrefを生成する定電圧電源回路51と、この定電圧電源回路51を保護する内蔵電源保護回路52と、LIN通信信号(シリアル通信信号)の入出力を行なうLIN入出力回路53と、識別コード(IDコード)を設定するためのID入力回路54と、通信処理やモータの運転制御等の各種処理・制御を行なうロジック回路部55と、モータ30に電力を供給するHブリッジ回路部56と、バッテリ電源Vaccの過電圧を検出する過電圧検出回路57と、モータ電流の過電流およびHブリッジ回路部56を構成する各電力用スイッチング素子(MOS−FET)の許容範囲を越える温度上昇(過温度)を検出する過電流・過温度検出回路58と、ポテンショメータ31の出力電圧(ドア開度に対応した電圧)をデジタルデータへ変換するA/D変換部59とを備える。
【0074】
なお、バッテリ電源Vaacはコントローラ100側から電源線を介して供給される電源であって、このバッテリ電源Vaacは車載のバッテリからイグニッションスイッチやアクセサリスイッチ等を介して供給される電源である。
【0075】
VDDはHブリッジ回路部56用のバッテリ電源Vaacの電源端子、Vccは電流制限抵抗R1によって電流制限されたバッテリ電源Vaacの電源端子、C1は電源安定化用コンデンサ、GNDはグランド電源端子である。V12Vは電流制限されたバッテリ電源であり、この電源V12VはLIN入出力回路53に供給される。
【0076】
VID0〜VID3は識別コード(IDコード)を設定するための入力端子である。本実施の形態では、識別コード(IDコード)は4ビット構成としており、最大で16通りの識別コード(言い換えればアドレス)を設定できる。これらのID入力端子VID0〜VID3をグランドに接続することでLレベル(論理0)を設定でき、オープン状態でHレベル(論理1)を設定できる。Vbusはシリアル通信信号(具体的にはLIN通信信号)の入出力端子、すなわちデータ線(BUS)の接続端子である。
【0077】
M+およびM−はHブリッジ回路部56の出力端子であり、モータ30との接続端子である。VRは安定化電源Vrefの出力端子であり、ポテンショメータ31の一端側が接続される。Vpbrはポテンショメータ31の出力電圧(ドア開度に対応した電圧)の入力端子である。
【0078】
図11はモータ制御回路を構成するモータ制御IC内のロジック回路部の一具体例を示す図である。LIN通信処理部61は、LIN入出力回路53から供給される受信信号RXを解読し、IDフィールドのパリティチェック結果が正常であり、受信したIDコードが自己のIDコードと一致しており、かつ、IDフィールド内のID4,ID5の2ビットによって受信要求が指定されている場合、データ1フィールド、データ2フィールド、チェックサムフィールドの各8ビットのデータをそれぞれLIN通信処理部61内の仮レジスタ等に一時保存する。
【0079】
次に、LIN通信処理部61は、一時保存した各データに対してサムチェックを行なって誤りがないことをチェックした後に、データ2フィールド内のビットd4によってアクチュエータ位置制御モードが設定され、データ2フィールド内のビットd5によってデータ1フィールドのデータがドア開度指定データ(ドア開度目標値)であることを認識する。
【0080】
そして、LIN通信処理部61は、データ1フィールドの8ビットのドア開度指定データ(目標値データ)DK0〜DK7を新指示データラッチ回路62に供給するとともに、通信成立トリガ信号61aを出力して、ドア開度指定度データ(目標値データ)を新指示データラッチ回路62にラッチさせる。この際、新指示データラッチ回路61に格納されていた先のドア開度指定データ(目標値データ)は、旧指示データラッチ回路63にシフトされる。
【0081】
また、LIN通信処理部61は、データ2フィールドのビットd2およびビットd3によって指定されるモータのソフトスタート・ソフトストップ制御要求Soft、および、データ2フィールドのビットd4によって指定される制御モード指定要求SmodeをHブリッジ駆動処理部(PWM制御部)67へ供給するとともに、制御モード指定要求Smodeを動作許可/禁止信号処理部66へ供給する。
【0082】
さらに、LIN通信処理部61は、データ2フィールドのビットd5によってデータ1フィールドのデータがデューティ比に係るデータあることが指定されており、かつ、データ1フィールドの下位3ビットによってデューティ比指定データ(4ビット)が供給されていることを認識した場合には、データ1フィールドのビットd3〜d6のデューティ比指定データDuty(Du0〜Du3)をHブリッジ駆動処理部67へ供給する。
【0083】
なお、LIN通信処理部61は、IDフィールドのパリティチェック結果にエラーが生じた場合には、LIN通信処理部61内の送信データバッファ領域内の受信IDパリティフラグ格納位置に受信IDパリティエラーフラグをセットする。また、LIN通信処理部61は、サムチェックの結果にエラーが生じた場合には、LIN通信処理部61内の送信データバッファ領域内の受信サムチェックエラーフラグ格納位置に受信サムチェックエラーフラグをセットする。
【0084】
第1の比較回路64は、新たなドア開度指定データ(目標値データ)と旧ドア開度指定データとを比較し、その比較結果(不一致出力)を動作許可トリガ信号生成部65に供給する。動作許可トリガ信号生成部65は、新旧の指示開度データが異なっている場合には、動作許可トリガ信号65aを生成して、動作許可/禁止信号処理部66に供給する。動作許可/禁止信号処理部66は、動作許可トリガ信号65aが供給されると、Hブリッジ駆動処理部67に動作許可信号を供給する。
【0085】
ドア開度を検出するポテンショメータ31の出力は、図10に示したA/D変換部59によって予め設定したA/D変換周期毎に8ビットのドア実開度データ(現在値データ)AD0〜AD7に変換されている。
【0086】
図11に示すフィルタ処理部68は、時系列上で連続する所定個数のドア実開度データ(現在値データ)AD0〜AD7の平均値を求める等の処理を行なった結果をフィルタ処理後のドア実開度データ(現在値データ)として出力する。
【0087】
CW、CCW、HOLD指示信号生成部69は、ドア開度指定データ(目標値データ)とフィルタ処理後のドア実開度データ(現在値データ)とを比較し、両者の偏差に基づいてモータ30の回転方向を決定する。そして、CW、CCW、HOLD指示信号生成部69は、モータ30を正転方向(CW:時計方向)に駆動させてドアを開方向に駆動させるのか、モータ30を逆転方向(CCW:反時計方向)に駆動させてドアを閉方向に駆動させるのかを指示する回転方向指示信号(CW,CCW)を生成して出力する。また、CW、CCW、HOLD指示信号生成部69はドア開度指定データ(目標値データ)とフィルタ処理後のドア実開度データ(現在値データ)とが略一致した場合には、現在位置の保持を指示するHOLD信号を生成・出力して、モータ30の駆動を停止させることで、ハンチング現象の発生を防止している。
【0088】
Hブリッジ駆動処理部67は、回転方向指示信号(CW,CCW)に基づいてHブリッジ回路部56の各アームを構成する各電力用スイッチング素子(例えばMOS−FET)の駆動信号Out1〜Out4を生成して出力する。これにより、図10に示したHブリッジ回路部56からモータ30に電力が供給され、モータ30の駆動がなされる。
【0089】
ここで、Hブリッジ駆動処理部67は、ソフトスタート・ソフトストップ制御要求Softおよびソフトスタート制御時間Tsoftに基づいてソフトスタート・ソフト処理が設定されている場合、電動モータ30の起動時にはPWM制御によって電動モータ30に供給する電力を徐々に増加させるソフトスタート制御を行なって、モータ起動時の騒音を軽減させる。また、電動モータ30を停止させる際にも、PWM制御によってモータ30に供給する電力を徐々に低減させるソフトストップ制御を行なって、モータ停止時の騒音を軽減させる。
【0090】
第2の比較回路70は、ドア開度指定データ(目標値データ)とフィルタ処理後のドア実開度データ(現在値データ)と比較し、その比較結果(一致出力)を動作禁止信号生成部71に供給する。動作禁止信号生成部71は、現在のドア開度が目標値に一致している場合には、動作禁止信号を生成して出力する。この動作禁止信号は、動作許可/禁止信号処理部66に供給される。動作許可/禁止信号処理部66は、動作禁止指令をHブリッジ駆動処理部67に供給して、電動モータ30の駆動を禁止させる。
【0091】
過電流・過温度・過電圧処理部72は、過電圧検出回路57からの過電圧検出信号Ec、過電流・過温度検出回路58からの過電流検出信号Ecおよび過温度検出信号Etのいずれかが供給されると、それらの異常に対応したフラグをセットするとともに、異常発生を示す情報を動作許可/禁止信号処理部66に供給する。動作許可/禁止信号処理部66は、異常発生を示す情報が供給されると、動作禁止指令をHブリッジ駆動処理部67に供給して、モータ30の駆動を禁止させる。
【0092】
LIN通信処理部61は、IDフィールドのパリティチェック結果が正常であり、受信したIDコードが自己のIDコードと一致しており、かつ、IDフィールド内のID4,ID5の2ビットによって送信要求が指定されている場合には、図8(a)に示すフィルタ処理後の8ビットのドア実開度データ(現在値データ)をデータ1フィールドで送信するデータとしてセットし、また、データ2フィールドで送信するデータとして図9に示したものをセットする。
【0093】
具体的には、データ2フィールドの最下位ビットd0に過電流検知フラグ、2番目のビットd1にモータ停止中フラグ、3番目のビットd3にモータ回転方向が正転方向(CW)であることを示すCWフラグ、4番目のビットd3にモータ回転方向が逆転方向(CCW)であることを示すCCWフラグ、5番目のビットd4に受信IDパリティエラーフラグ、6番目のビットd5に過温度検知フラグ、7番目のビットd6に受信サムチェックエラーフラグ、最上位ビットd8に過電圧検知フラグをそれぞれセットする。
【0094】
そして、データ1フィールドで送信するデータとデータ2フィールドで送信するデータとの加算結果にその加算によって生じたキャリーデータを加算した結果の反転データを求め、これをチェックサムフィールドで送信するチェックサムデータとする。
【0095】
そして、LIN通信処理部61は、IDフィールドが終了した時点後に速やかに(例えば2ビット期間までの間に)、データ1フィールド、データ2フィールド、チェックサムフィールドのデータを順次送信する。これにより、ドア実開度データ(現在位置データ)、モータの回転方向やモータ停止中であるかのモータ運転状態の情報、および、過電流、過電圧、過温度の異常検出情報、ならびに、データ受信時のエラー発生情報が上位装置(マスター側)であるコントローラ100へ供給される。
【0096】
したがって、コントローラ100は、モータ制御回路50の動作を詳細に診断することが可能となる。また、コントローラ100は、モータ制御装置50の過負荷を予測し、モータ制御装置の動作を停止させる指令を発したりすることで、モータ制御装置50や電動式モータアクチュエータ30Aの破損を防止することも可能となる。
【0097】
前述したように、LIN通信処理部61は、LIN入出力回路53から供給される受信信号RXを解読し、IDフィールドのパリティチェック結果が正常であり、受信したIDコードが自己のIDコードと一致しており、かつ、IDフィールド内のID4,ID5の2ビットによって受信要求が指定されている場合、データ1フィールド、データ2フィールド、チェックサムフィールドの各8ビットのデータをそれぞれ仮レジスタ等に一時保存する。
【0098】
そして、一時保存した各データに対してサムチェックを行なって誤りがないことをチェックした後に、データ1フィールドの8ビットのドア開度指定データ(目標値データ)を新指示データラッチ回路62に供給するとともに、通信成立トリガ信号61aを出力して、ドア指示開度データ(目標値データ)を新指示データラッチ回路62にラッチさせる。この際、既に新指示データラッチ回路61に格納されていた先のドア指示開度データ(目標値データ)は、旧指示データラッチ回路63にシフトされる。
【0099】
次に、LIN通信処理部61は、データ2フィールドの内容を解読して処理する。前述したように、IDフィールドで受信要求が設定されている場合、図7に示したように、データ2フィールドを用いてコントローラ100側(マスター側)からモータ制御回路50側(スレーブ側)に対する各種の要求が供給される。
【0100】
本実施の形態では、データ2フィールドの最下位ビットd0によって通信エラーフラグクリア要求が供給される。LIN通信処理部61は、最下位ビットd0の論理が「1」である場合には、受信IDパリティエラーフラグおよび受信サムチェックエラーフラグをそれぞれクリアし、最下位ビットd0の論理が「0」である場合には各フラグの状態を変更しない。
【0101】
データ2フィールドの2番目のビットd1によってダイアグフラグクリア要求が供給される。LIN通信処理部61は、2番目のビットd1の論理が「1」である場合には過電流検知フラグ、過温度検知フラグ、過電圧検知フラグを全てクリアし、2番目のビットd1の論理が「1」である場合には各フラグの状態を変更しない。
【0102】
データ2フィールドの3番目のビットd2と4番目のビットd3とによって、モータのソフトスタート・ソフトストップ制御要求が供給される。ここで、ソフトスタート制御とは、モータの起動時にPWM制御のデューティ比を徐々に増加させることでモータをソフトスタートさせることをいう。また、ソフトスタート時間は、ソフトスタートを行なう際にデューティ比を0または最小デューティ値から100パーセントへ変化させるまでの時間のことである。
【0103】
ソフトストップ制御とは、ドア指示開度データ(目標値データ)とフィルタ処理後のドア実開度データ(現在値データ)との偏差が予め設定した値以下となった場合に、PWM制御のデューティ比を徐々に減少させていってモータをソフトストップさせることである。ソフトストップ制御では、ドア開度指定データ(目標値データ)とフィルタ処理後のドア実開度データ(現在値データ)との偏差に基づいてデューティ比を設定するようにしている。
【0104】
データ2フィールドの5番目のビットd4によって制御モードが指定される。各ドアアクチュエータユニットMIX,MODE,F/Rに対しては、ビットd4の論理を「1」にすることで、アクチュエータ位置制御モードが設定される。これにより、ポテンショメータ31で検出したドア実開度と目標開度とを比較して、ドア実開度が目標開度となるようにフィードバック制御がなされる。
【0105】
また、LIN通信処理部61は、データ2フィールドの6番目のビットd5によってデータ1フィールドでデューティ比指定データが供給されていることを認識すると、そのデューティ比指定データDutyをHブリッジ駆動処理部67へ供給する。Hブリッジ駆動処理部67は、LIN通信処理部61から供給されたデューティ比指定データDutyをHブリッジ駆動処理部67内のデューティ比指定データ格納部に一時記憶させるとともに、動作許可状態になったときにはデューティ比指定データ格納部に格納されているデューティ比指定データDutyに基づいてPWM信号のデューティ比を設定する。
【0106】
したがって、デューティ比指定データDutyで指定されたデューティ比のPWM信号が生成され、そのPWM信号に基づいてHブリッジ回路部56が駆動される。これにより、デューティ比指定データDutyによって電動モータ30へ供給される電力が制御されるので、電動モータ30の回転速度を調整することができる。
【0107】
データ2フィールドの7番目のビットd6によってモータ緊急停止要求が供給される。7番目のビットd6の論理が「1」の場合、モータへの給電が強制的に遮断される。7番目のビットd6の論理が「0」の場合、モータへの給電が強制遮断されている状態が解除され、モータへの給電が可能な状態(通常の動作状態)となる。LIN通信処理部61は、モータ緊急停止要求Kspを動作許可/禁止信号処理部66へ供給する。モータを緊急停止させた後に、モータを再度回転させる場合は、次のモータ強制動作要求を用いる。なお、モータを緊急停止させた後に再度回転させる場合には、以前とは異なる指示開度データを与えるようにしてもよい。
【0108】
データ2フィールドの最上位のビットd7によって、モータ強制動作要求が供給される。最上位ビットの論理が「1」の場合、モータへの給電が強制的に開始される。最上位ビットの論理が「0」の場合、通常の動作状態となる。LIN通信処理部61は、モータ強制動作要求Kstを動作許可/禁止信号処理部66へ供給する。
【0109】
なお、本実施の形態では、特許請求の範囲に記載したシリアルデータ通信部を、LIN入出力回路53とロジック回路部55とで構成している。特許請求の範囲に記載した受信処理部をロジック回路部55内のLIN通信処理部61によって構成している。また、特許請求の範囲に記載したHブリッジ駆動処理部をHブリッジ駆動処理部(PWM制御部)67によって構成している。
【0110】
図12はPWM制御によって電動モータへ供給する電力を16段階に切り替える例を示す図である。本実施の形態では、デューティ比(Duty)を1/16〜16/16までの16段階とし、括弧内に示した16進表記のデューティ比指定データ(すなわち、4ビットのデューティ比指定データ)によって各デューティ比(Duty)を指定するようにしている。また、PWM制御の1変調周期Tを前半・後半の2区間(T/2)に区分けし、電動モータ30へ通電する区間を前半・後半で交互に増加させていくようにしている。これにより、デューティ比(Duty)2/16以上では、電動モータ30への通電周期がT/2となる。したがって、モータ出力のトルク変動(脈動)を軽減できる。
【0111】
図13はモータ起動時のソフトスタート用PWMデータマップの一例を示す図である。図11に示したHブリッジ駆動処理部(PWM制御部)67は、ソフトスタート用PWMデータマップ671を備えている。このソフトスタート用PWMデータマップ671には、図13に示すように、立ち上がりカウンタのカウント値とデューティ比指定データとの対応を示すマップが予め登録されている。なお、立ち上がりカウンタはHブリッジ駆動処理部(PWM制御部)67内に設けられているが、その図示は省略している。
【0112】
このソフトスタート用PWMデータマップ671には、デューティ比が100パーセントの場合のデューティ比指定データが格納されている。ここで、デューティ比が例えば約70パーセント(Duty11/16、16進表記でA)に設定されている場合には、ソフトスタート用PWMデータマップ671に基づいてデューティ比を増加させていき、デューティ比が約70パーセント(Duty11/16、16進表記でA)に達して以降は、設定されたデューティ比が約70パーセント(Duty11/16、16進表記でA)を保持するようにしている。これにより、1種類のソフトスタート用PWMデータマップ671で各種のデューティ比に対してソフトスタート制御を行なうことができる。なお、図13において、立ち上がりカウンタのカウント値の括弧内は16進表記での表現である。また、出力データ(デューティ比指定データ)は16進表記である。
【0113】
Hブリッジ駆動処理部67は、モータを起動させる場合には、図7に示したように、データ2フィールドのビットdおよびビットd3で指定されたソフトスタート制御時間に基づいて決定される周期毎に立ち上がりカウンタ(図示しない)のカウント値を+1(インクリメント)し、そのカウント値に対応したデューティ値をPWMデータマップ721から読み出し、読み出したデューティ値に基づいてPWM変調された駆動信号Out1〜Out4を生成してHブリッジ回路部56に供給し、Hブリッジ回路部56内の各アームを構成する電力用スイッチング素子(例えばMOS−FET)を介して電動モータ30へ電力を供給させる。
【0114】
Hブリッジ駆動処理部67は、ソフトスタート制御を終了した時点で、ドア開度指定値(目標値)(8ビットデータ)とドア実開度(現在値)(8ビット)との差が16以上(目標値−現在値≧16)である場合は、コントローラ100側から指定されたデューティ比で電動モータ30への電力供給を行なう。すなわち、デューティ100%が設定されているときは、電動モータ30への電力供給を連続して行なう。デューティ約70%が設定されているときは、デューティ約70%でPWM駆動する。これにより、電動モータ30へ供給される電力は定格電力(連続通電時の電力)の約70%に制限される。したがって、電動モータの回転数は定格回転数よりも低くなって、騒音の周波数も低くなる。さらに、騒音レベルも低下する。
【0115】
Hブリッジ駆動処理部67は、ドア開度目標値(8ビットデータ)とドア実開度(現在値)(8ビット)との差が15以下(目標値−現在値≦15)になると、ソフトストップ処理を行なう。なお、ソフトストップ処理は、モータのソフトスタート・ソフトストップ制御を行なうように設定されている場合にのみ実行される。
【0116】
なお、Hブリッジ駆動処理部67は、ソフトスタート・ソフトストップ制御を行なわないように設定されている場合には(ビットd2,ビットd2が0,0の設定、図7参照)、ドア開度目標値(8ビットデータ)とドア実開度(現在値)(8ビット)との差がゼロになるように通常のサーボ制御を実行する。
【0117】
図14はソフトストップ用PWMデータマップの一例を示す図である。図11に示したHブリッジ駆動処理部(PWM制御部)67は、ソフトストップ用PWMデータマップ672を備えている。このソフトストップ用PWMデータマップ672には、目標値と現在値との差の絶対値(|目標値−現在値|)に対応してデューティ比設定データが予め登録されている。このPWMデータマップ(PWMデータ格納部)672には、デューティ比が100パーセントの場合のデューティ比指定データのみが格納されている。
【0118】
このため、デューティ比が約70パーセントに設定されている場合には、デューティ比が100パーセントの場合のデューティ比指定データ(すなわち、ソフトストップ用PWMデータマップ672から読み出したデューティ比指定データ)が、デューティ比約70パーセントよりも大きい値である場合にはデューティ比約70パーセントを用いるようにしている。なお、図14において、目標値と現在値との差の絶対値(|目標値−現在値|)の欄で括弧内は16進表記での表現である。また、出力データ(デューティ比指定データ)は16進表記である。
【0119】
Hブリッジ駆動処理部67は、PWMデータマップ672から目標値と現在値との差の絶対値(|目標値−現在値|)に対応してデューティ比設定データを読み出して、読み出したデューティ値に基づいてPWM変調された駆動信号Out1〜Out4を生成してHブリッジ回路部56に供給し、Hブリッジ回路部56内の各アームを構成する電力用スイッチング素子(例えばMOS−FET)を介して電動モータ30へ電力を供給させる。目標値と現在値との差が小さくなるほど、電動モータ30に供給する電力をより小さくしていくので、目標値またはその近傍に精度良く停止させることができる。また、モータ停止時の騒音を低減することができる。
【0120】
図15はソフトスタート・ソフトストップ制御を行なった場合のモータ起動時からモータ停止時までのデューティ比の変化特性を示すグラフである。ここで、デューティ比と電動モータに供給される電力とは比例関係にあるので、図15のグラフは電動モータに供給される電力の変化特性を示していることになる。なお、図15(a)はモータ起動時からモータ停止時までのデューティ値の変化特性を示しており、図15(b)はモータ起動時のソフトスタート制御中にドア開度目標値とドア実開度(現在値)との差の絶対値が所定値以下となっていることによって、ソフトスタート制御の途中からソフトストップ制御に移行した場合のデューティ比の変化特性を示している。
【0121】
図15(a)に示すように、ドア開度目標値が設定されると、図13に示したソフトスタート制御時のデューティ比(ソフトスタート用PWMデータマップ671)に基づいてモータ起動(ソフトスタート制御)がなされる。ドア開度目標値(8ビットデータ)とドア実開度(現在値)(8ビット)との差が16以上(目標値−現在値≧16)である間は、設定されたデューティ比で電動モータ30への電力供給が継続される。例えば、図6(b)に示す4ビットのデューティ比指定データ(Du0〜Du3)によってデューティ比100%(Duty16/16)が設定されている場合は、図15(a)で実線で示すように、デューティ比100%で電動モータ30へ電力が供給される(すなわち、モータへの電力供給が制限されない)。デューティ比約70%(Duty11/16)が設定されている場合には、図15(a)で点線で示すように、デューティ約70%を上限として電動モータ30への電力供給が制限される。
【0122】
そして、ドア開度目標値(8ビットデータ)とドア実開度(現在値)(8ビット)との差の絶対値が15以下(|目標値−現在値|≦15)になった時点から、図14に示したソフトストップ制御時のデューティ比(ソフトストップ用PWMデータマップ672)に基づいてモータのソフトストップ制御がなされ、モータが停止される。
【0123】
なお、図15(b)に示すように、ソフトスタート制御中にドア開度目標値(8ビットデータ)とドア実開度(現在値)(8ビット)との差の絶対値が15以下(|目標値−現在値|≦15)になった場合は、その時点からソフトストップ制御に移行して、ソフトストップ制御によってモータを停止させる。
【0124】
なお、本実施の形態では、4ビットのデューティ比指定データ(Du0〜Du3)を用いて16段階の中から任意のデューティ比を設定できるようにした例について説明したが、5ビットのデューティ比指定データ(Du0〜Du4)を用いて32段階の中から任意のデューティ比を設定できるようにしてもよい。
【0125】
この場合、PWM信号生成用カウンタを5ビット構成として、デューティ比1/32〜32/32の32段階のPWM信号を生成できるようにしてもよいし、図12に示した16種類のデューティ比のPWM信号を2変調周期で組合せることで、実質的に32段階のPWM信号を生成するようにしてもよい。例えば、Duty15/16のPWM信号とDuty14/16のPWM信号とを各変調周期毎に交互に用いることで、Duty29/32相当のPWM信号を生成するようにしてもよい。
【0126】
なお、デューティ比の設定ができる範囲を例えばデューティ比50パーセント以上に制限することで、デューティ比50〜100パーセントの範囲内で16段階または32段階に設定するようにしてもよい。このようにすることで、限られたビット数でデューティ比の変化幅を小さくできる。
【0127】
また、デューティ比指定データの替わりにモータ回転速度指定データをLIN通信処理部61で受信し、Hブリッジ駆動処理部67は、モータ回転速度指定データに予め対応付けてあるデューティ比を求めて、電動モータ30へ供給する電力をPWM制御するようにしてもよい。
【0128】
さらに、LIN通信処理部61によってモータ供給電力増加指令またはモータ供給電力減少指令を受信し、Hブリッジ駆動処理部67は、PWM信号のデューティ比を1段階ずつ増加または減少させるようにしてもよい。
【0129】
また、図7に示したように、データ2フィールドのビットd4によってアクチュエータ制御モードを設定した場合には、データ1フィールドではドア開度指定データのみを供給するものとし、データ2フィールドのビットd5をデータ1フィールドのデータ種別要求として用いずに、データ2フィールドのビットd5を1ビットのデューティ比指定情報とし、このビットd5によってデューティ比を2段階に切り替えるようにしてもよい。
【0130】
さらに、データ2フィールドのビットd4とビットd5に2ビットを用いて、例えば、d4=0,d5=0でモータ回転速度制御モードおよびデータ1フィールドのデータ種別が回転速度指定情報であると定義し、d4=0,d5=1でアクチュエータ制御モードであってデューティ比「高」を指定し、d4=1,d5=0でアクチュエータ制御モードであってデューティ比「中」を指定し、d4=1,d5=1でアクチュエータ制御モードであってデューティ比「低」を指定するようにしてもよい。
【0131】
図16はこの発明に係るモータ制御装置で電動モータ式アクチュエータを駆動した際の騒音レベルの測定結果を示すグラフである。図16において、実線はPWM制御なし(ソフトスタート・ソフトストップ制御なし)の従来の駆動方式の騒音特性である。従来の駆動方式は、ソフトスタート・ソフトストップ制御を行なっていないので、モータ起動時および停止時の騒音レベルが大きい。
【0132】
点線は、PWM制御あり(ソフトスタート・ソフトストップ制御あり、ソフトスタート制御時間Tsoft=250ms)で、デューティ100%(モータへの供給電力を制限しない)の条件で駆動した際の騒音特性である。ソフトスタート・ソフトストップ制御を行なうことで、モータ起動時および停止時の騒音レベルは小さくなっている(従来の駆動方式よりも約4dB減)。
【0133】
一点鎖線は、PWM制御あり(ソフトスタート・ソフトストップ制御あり、ソフトスタート制御時間Tsoft=250ms)で、デューティ約70%(モータへの供給電力を制限する)の条件で駆動した際の騒音特性である。ソフトスタート・ソフトストップ制御を行なうことで、モータ起動時および停止時の騒音レベルは小さくなっている(従来の駆動方式よりも約4〜7dB減)。また、モータへの供給電力を制限しているので、モータ運転中の騒音レベル(定常騒音)が従来方式よりも約2dB低減されている。モータへの供給電力を制限しているので、モータの回転数が低下し、そのためモータ停止時点が電力を制限しない場合よりも約1秒遅くなっている(モータ運転時間が約15%増加している)。
【0134】
なお、本実施の形態では、モータ制御装置を用いて自動車用空気調和機の各種ドアの開度を制御する例について説明したが、この発明に係るモータ制御装置は、ドアアクチュエータだけでなく制御対象を直線的に移動させるアクチュエータ等を含めた種々の用途に適用することができる。
【0135】
また、本実施の形態では、ロジック回路部55をハードウェァ主体の回路構成とした例を示したが、ロジック回路部55は1チップマイクロコンピュータ等を用いてプログラム制御でその機能を実現するようにしてもよい。
【0136】
図17はHブリッジ回路部の構成図である。本実施の形態では、Hブリッジ回路部56は4個のNチャネルMOS型トランジスタ(以下、単にトランジスタと記す)56A〜56Dで構成している。図11に示したHブリッジ駆動処理部(PWM制御部)67の4つのPWM信号出力Out1〜Out4に基づいて、図17に示した各トランジスタ56A〜56Dのゲートをそれぞれ駆動する。
【0137】
トランジスタ56Aおよびトランジスタ56Dをともに導通状態に制御することで、電動モータ30の巻線の一方の端子M+にバッテリ電源Vaccが供給され、電動モータ30の巻線の一方の端子M−にグランド電源が供給される。これにより、電動モータ30は正転駆動される。トランジスタ56Bおよびトランジスタ56Cをともに導通状態に制御することで、電動モータ30は逆転駆動される。
【0138】
本実施の形態では、下側アームのトランジスタ56Dを導通状態に制御し、上側アームのトランジスタ56Aの導通期間を制御することで、正転時のPWM制御を行なうようにしている。下側アームのトランジスタ56Cを導通状態に制御し、上側アームのトランジスタ56Bのを導通期間を制御することで、逆転時のPWM制御を行なうようにしている。そして、本実施の形態では、下側アームの各トランジスタ56C,56Dを共に導通状態に制御し、電動モータ30の巻線の両端を各トランジスタ56C,56Dを介して短絡することで回生ブレーキをかけるようにしている。なお、上側アームの各トランジスタ56A,56Bを共に導通状態に制御することで、回生ブレーキをかけるようにしてもよい。
【0139】
図18はこの発明に係るモータ制御装置の減速時(ソフトストップ)の動作を示す図である。図18は正転状態での減速制御(ソフトストップ)を示している。ここでは、説明の都合上、制御対象の現在値が目標値に近づくにつれて、デューティ比が12/16から4/16へ減少するケースを例示している。なお、図中の符号TはPWM周期(変調周期)である。本実施の形態では、PWM周期Tは500μS(500マイクロ秒)程度としている。図中の符号Bはブレーキ期間、符号Dはモータを回転駆動している期間である。
【0140】
図18(b)に示すように上側アームのトランジスタ56Bをオフ(非導通)状態とし、図18(d)に示すように下側アームのトランジスタ56Dを導通状態とし、図18(a)に示すように、上側アームのトランジスタ56Aをデューティ比に対応してオン(導通)状態/オフ(非導通)状態にスイッチング駆動する。上側アームのトランジスタ56Aがオフ(非導通)状態となるタイミングで、図18(c)に示すように、下側アームのトランジスタをオン(導通)状態にする。図18(e)に示すように、下側アームのトランジスタがオン(導通)状態になっている間がブレーキ期間(B)となる。上側アームのトランジスタ56Aがオン(導通)状態となっている間が回転駆動期間(D)となる。
【0141】
なお、図18では、トランジスタ56Aがオフするタイミングとトランジスタ56Cがオンするタイミングが一致するよう示されているが、上側アームのトランジスタ56Aと下側アームのトランジスタ56Cとが同時にオン状態になると電源間短絡となり過大な電流が流れる。このため、トランジスタ56Aがオフしてからトランジスタ56Cがオンするようにデッドタイムが設けられている。同様の理由で、トランジスタ56Cがオフ状態となってからトランジスタ56Aがオン状態となるようにデッドタイムが設けられている。
【0142】
図18(e)に示すように、電動モータ30の回転駆動とブレーキとを交互に繰り返すとともに、PWM周期(変調周期)T内でのブレーキ期間(B)の比率を増加させていくことで、制御対象が目標位置に達するまでには減速が十分になされる。このため、停止位置精度が向上される。また、停止時の騒音を低減できる。なお、高い停止精度が要求されない場合や騒音の問題が生じない場合等では、減速時(ソフトストップ制御時)のブレーキ制御を行なわないようにしてもよい。
【0143】
図19はこの発明に係るモータ制御装置を備えたファン駆動ユニットの回路構成の一具体例を示す図である。図19に示すファン駆動ユニットは、モータ制御IC500を備えるモータ制御回路50とファン駆動回路40とからなる。
【0144】
ファン駆動回路40は、ファンモータ9を駆動するnチャネル型のMOSFET41と、MOSFET41のソースとグランドとの間に介設された低抵抗値(例えば0.5オーム以下)のモータ電流検出用抵抗R41と、モータ制御IC500のHブリッジ回路55の出力端子M+とMOSFET41のゲートとの間に介設されたゲート抵抗R42と、MOSFET41のゲートとグランドとの間に介設されたプルダウン抵抗R43と、ファンモータ9に並列接続された環流用ダイオードD41と、バッテリ電源Vaccとグランドとの間に介設された電源安定化用コンデンサC41と、モータ電流検出用抵抗R41の両端に発生したモータ電流に対応した電圧を直流増幅する直流増幅器42とからなる。
【0145】
ファンモータ9の一方の巻線端子はバッテリ電源Vaccに接続され、他方の巻線端子はMOSFET41のドレインに接続されている。環流用ダイオードD41のアノードはMOSFET41のドレイン側に接続され、環流用ダイオードD41のカソードはバッテリ電源Vaccに接続されている。直流増幅器42の出力はモータ制御IC50のA/D変換部59の入力端子Vpbrに供給される。モータ制御IC50の安定化電源Vrefの出力端子VRから供給される5ボルトの安定化電源Vrefを直流増幅器42の電源として利用している。
【0146】
モータ制御IC50内のHブリッジ駆動処理部(PWM制御部)67は、制御モード指定要求Smodeによってモータ回転速度制御モードが設定された場合は、図17に示すHブリッジ回路部56内の一方の上アームを構成するトランジスタ56AをPWM出力信号Out1に基づいて駆動し、他のトランジスタ56B,56C,56Dをオフ状態に駆動する。
【0147】
Hブリッジ駆動処理部(PWM制御部)67は、デューティ比指定データまたはモータ回転速度指定データもしくはモータ供給電力増加/減少指令によって設定されたデューティ比のPWM信号を生成して、Hブリッジ回路部56内のトランジスタ56Aを駆動する。したがって、Hブリッジ回路部56内のトランジスタ56Aの出力に基づいてMOSFET41をスイッチング駆動することで、設定されたデューティ比でファンモータ(ブロアファンモータ)9をPWM制御で運転することができる。
【0148】
したがって、上位装置であるコントローラ100は、デューティ比指定に係る情報(デューティ比指定データまたはモータ回転速度指定データもしくはモータ供給電力増加/減少指令)をファン駆動ユニットFAN側へ供給することで、ファンモータ(ブロアファンモータ)9の回転速度を可変制御することができる。
【0149】
モータ電流検出用抵抗R41の両端に発生したモータ電流に対応した電圧は、直流増幅器42で直流増幅されて、モータ制御IC500内のA/D変換部59でモータ電流に対応したデジタルデータに変換される。過電流・過温度・過電圧処理部72は、制御モード指定要求Smodeによってモータ回転速度制御モードが設定された場合は、フィルタ処理部68を介して出力されるモータ電流に対応したデジタルデータに基づいてファンモータ9に流れる電流を監視し、予め設定した許容値を越えたときには過電流検出情報を動作許可/禁止信号処理部66へ供給し、動作許可/禁止信号処理部66を介してHブリッジ駆動処理部(PWM制御部)67の動作を停止させる。これにより、ファンモータ9の運転が停止される。
【0150】
LIN通信処理部61は、過電流検知フラグをセットするとともにモータ停止中フラグをセットする。LIN通信処理部61は、コントローラ100側から送信要求が出された際に、過電流検知フラグを含む各種情報を送信するので、コントローラ100側は過電流検知によってファンモータ9の運転が停止されていることを認識することができる。したがって、コントローラ100側は、ファン駆動ユニットFAN側の障害や異常発生に対して必要な処置を迅速にとることができる。
【0151】
また、LIN通信処理部61は、制御モード指定要求Smodeによってモータ回転速度制御モードが設定されている状態では、モータ電流値に対応したデータをデータ1フィールドを用いてコントローラ100側へ供給する。したがって、コントローラ100側はモータ電流値に対応したデータに基づいてファン駆動ユニットFAN側の動作を監視することができ、また、モータ電流値に対応したデータに基づいてファンモータ9の回転速度を推定することができる。
【0152】
図20はこの発明に係るモータ制御装置を備えたファン駆動ユニットの他の回路構成を示す図である。図20に示すファン駆動回路40Aは、モータ制御IC500のHブリッジ回路部56内のトランジスタ56Aによってファンモータ9を直接駆動するようにしたものである。Hブリッジ回路部56内のトランジスタ56Aがファンモータ9を直接駆動できる能力を有する場合には、図20に示すように、ファンモータ9を直接駆動するようにしてもよい。なお、図20において、D42,D43は環流用ダイオードである。モータ制御IC500内のトランジスタでファンモータ9を直接駆動するようにした場合、モータ制御IC500の消費電力が大きくなる。そこで、ファンモータ9の運転に伴って発生する空気流でモータ制御IC500を強制空冷するようにしてもよい。
【0153】
図21はこの発明に係るモータ制御装置を備えたファン駆動ユニットのさらに他の回路構成を示す図である。図21に示すファン駆動回路40Bは、PNP型トランジスタQ40を介してMOSFET40を駆動するようにしたものである。モータ制御IC500内のHブリッジ駆動処理部67は、デューティ比指定データまたはモータ回転速度指定データもしくはモータ供給電力増加/減少指令によって設定されたデューティ比のPWM信号を生成して、Hブリッジ回路部56内の他方の下型アームのトランジスタ56Dを駆動する構成としている。
【0154】
このような場合、Hブリッジ回路部56の出力端子M−を用いて、ベース抵抗R45を介してPNP型トランジスタQ40のベース電流をスイッチングさせ、PNP型トランジスタQ40のコレクタ電流をゲート抵抗R42を介してMOSFET41のゲートへ供給することでMOSFET41をスイッチングさせて、ファンモータ9をPWM制御で駆動する。なお、R44はPNP型トランジスタQ40のエミッタ−ベース間抵抗である。
【0155】
図22はこの発明に係るモータ制御装置を備えたファン駆動ユニットの他の回路構成を示す図である。図22に示すファン駆動回路40Cは、モータ制御IC500によってファンモータ9を直接駆動するようにしたものである。Hブリッジ回路部56内のトランジスタ56Dがファンモータ9を直接駆動できる能力を有する場合には、図22に示すように、Hブリッジ回路部56の出力端子M−を介してファンモータ9を直接駆動するようにしてもよい。
【0156】
Hブリッジ回路部56内のトランジスタ56Dがファンモータ9を直接駆動できる能力を有する場合には、モータ制御IC500内の過電流・過温度検出回路58によってファンモータ9の過電流を検出することができるので、電流検出回路を別途設ける必要がなくなる。なお、モータ制御IC500内の過電流・過温度検出回路58によってファンモータ9の過電流を検出する場合には、制御モード指定要求Smodeによってモータ回転速度制御モードが設定されたときには、過電流判定のしきい値を変更したり、モータ電流の検出比率を変更したりするのが望ましい。
【0157】
図23はこの発明に係るモータ制御装置を備えたファン駆動ユニットの他の回路構成を示す図である。図22に示すファン駆動回路40Dは、図21に示したファン駆動ユニット40Cに、ファンモータ9の回転速度を検出して回転速度に応じた電圧信号を出力する回転速度検出部43を併設し、回転速度検出部43の出力をモータ制御IC50のA/D変換部59の入力端子Vpbrに供給するようにしたものである。ファンモータ9の回転速度を検出できるようにした場合には、コントローラ100側からデータ1フィールドを用いて目標回転速度データをファン駆動ユニット40Dへ供給し、ファン駆動ユニット40Dは実際に検出したファンモータ9の回転速度が目標回転速度となるようにフィードバック制御を行なう構成をとることができる。なお、モータ制御IC50の安定化電源Vrefの出力端子VRから供給される5ボルトの安定化電源Vrefを回転速度検出部43の電源として利用している。
【0158】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明に係るモータ制御装置は、上位装置から供給されるデューティ指定情報に基づいてHブリッジ回路部を介してモータに供給する電力をPWM制御することができ、これによりデューティ指定情報に基づいてモータの回転速度を制御することができる。よって、小型のモータを駆動する場合には、モータへ供給する電力を定格電力を低減することで、小型のモータの回転数を低下させて、モータの運転に伴って発生する騒音の周波数を低くすることができる。これにより、他の電動モータ式アクチュエータが発生する騒音の周波数と小型のモータを採用した電動モータ式アクチュエータが発生する騒音の周波数とを略一致させることができる。よって、騒音の周波数が異なることで聴感フィーリングが悪くなることや使用者等に違和感を与えることを解消できる。また、電動モータ式アクチュエータで駆動される負荷が軽い場合には、モータへ供給する電力を低下させることで、節電を図ることができる。さらに、モータへ供給する電力を低下させることで、電動モータ式アクチュエータが発生する騒音のレベルを低下させることができる。
【0159】
この発明に係るモータ制御装置は、上位装置によってアクチュエータ位置制御モードが指定された場合には、電動モータ式アクチュエータによって駆動される制御対象の位置が目標位置となるようにモータの回転方向およびモータの起動・停止を制御することができる。また、この発明に係るモータ制御装置は、上位装置によってモータ回転速度制御モードが指定された場合には、モータの回転速度を制御することができる。したがって、この発明に係るモータ制御装置は、例えば車両用空気調和装置の各種ドアアクチュエータの駆動用としても、また、ファンモータの駆動用としても用いることができる。1つのモータ制御装置をアクチュエータ位置制御とモータ回転速度制御モードとの双方に共通に使用できるため、例えば車両用空気調和装置等においては通信制御処理が共通化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るモータ制御装置を適用した自動車用空気調和装置(カーエアコン)の全体構成を模式的に示した図である。
【図2】この発明に係るモータ制御装置を適用した自動車用空気調和装置(カーエアコン)の通信システムの構成を示す図である。
【図3】LIN通信規格の1フレームのデータ構造を示す図である。
【図4】LIN通信規格の1フレーム内の各フィールドのデータ構造を示す図(その1)である。
【図5】LIN通信規格の1フレーム内の各フィールドのデータ構造を示す図(その2)である。
【図6】受信動作モードにおけるデータ1フィールドの内容の一例を示す図である。
【図7】受信動作モードにおけるデータ2フィールドの内容の一例を示す図である。
【図8】送信動作モードにおけるデータ1フィールドの内容の一例を示す図である。
【図9】送信動作モードにおけるデータ2フィールドの内容の一例を示す図である。
【図10】この発明に係るモータ制御装置を備えたドアアクチュエータユニットのブロック構成を示す図である。
【図11】モータ制御回路を構成するモータ制御IC内のロジック回路部の一具体例を示す図である。
【図12】PWM制御によって電動モータへ供給する電力を16段階に切り替える例を示す図である。
【図13】モータ起動時のソフトスタート用PWMデータマップの一例を示す図である。
【図14】ソフトストップ用PWMデータマップの一例を示す図である。
【図15】ソフトスタート・ソフトストップ制御を行なった場合のモータ起動時からモータ停止時までのデューティ比の変化特性を示すグラフである。
【図16】この発明に係るモータ制御装置で電動モータ式アクチュエータを駆動した際の騒音レベルの測定結果を示すグラフである。
【図17】Hブリッジ回路部の構成図である。
【図18】この発明に係るモータ制御装置の減速時(ソフトストップ)の動作を示す図である。
【図19】この発明に係るモータ制御装置を備えたファン駆動ユニットの回路構成の一具体例を示す図である。
【図20】この発明に係るモータ制御装置を備えたファン駆動ユニットの他の回路構成を示す図である。
【図21】この発明に係るモータ制御装置を備えたファン駆動ユニットのさらに他の回路構成を示す図である。
【図22】この発明に係るモータ制御装置を備えたファン駆動ユニットのさらに他の回路構成を示す図である。
【図23】この発明に係るモータ制御装置を備えたファン駆動ユニットのさらに他の回路構成を示す図である。
【符号の説明】
1 空気調和装置本体
7 インテークドア
13 ミックスドア
18 デフドア
19 ベントドア
20 フットドア
30 モータ(電動モータ)
30A 電動モータ式アクチュエータ
31 ポテンショメータ
40 ファン駆動回路
41 nチャネル型MOSFET
50 モータ制御回路
500 モータ制御IC
53 LIN入出力回路
54 ID入力回路
55 ロジック回路部
56 Hブリッジ回路部
57 過電圧検出回路
58 過電流・過温度検出回路
59 A/D変換部
61 LIN通信処理部
67 Hブリッジ駆動処理部(PWM制御部)
100 コントローラ
101 エアコン制御回路
102 制御回路
110 操作パネル
F/R インテークドアアクチュエータユニット
MIX ミックスドアアクチュエータユニット
MODE モードドアアクチュエータユニット
M+,M− Hブリッジ回路部の出力端子(モータ接続端子)[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a motor control device having a serial data communication function, and more particularly, to PWM control of electric power supplied to a motor based on PWM control duty designation information and motor rotation speed designation information supplied from a host device. The present invention relates to a motor control device adapted to perform a control of a position of an object to be controlled and a motor control device applicable to a rotation speed control for controlling a motor rotation speed.
[0002]
[Prior art]
For various doors disposed in an air conditioning unit for an automobile, a motor for driving the door, a position detection unit that outputs the current position of the door as a voltage, and a given target position data and position detection unit are provided. A plurality of actuators of the same type provided with a control unit that controls the motor based on the output and the like, provided in an air conditioning system for automobiles in which the plurality of actuators of the same type were integrated and controlled by control means using serial communication. The control means also performs serial communication with a drive circuit that drives a blower fan motor provided in the air conditioning unit, and when the target value of air volume control is given by the control means, the drive circuit actually The voltage applied to the blower fan motor is controlled so that the applied voltage matches the target value given by the control means. Automotive air conditioning system having a control unit are known from the prior (e.g., see Patent Document 1).
[0003]
In a multiplex communication device in which first communication control means and second communication control means having a motor are connected by a communication line, the first communication control means sets a target position of the motor based on a predetermined transmission format. A second communication control means for receiving a pulse signal on the communication line, a decoder for decoding a reception signal obtained by the reception means to obtain a target position, Pulse extracting means for extracting a predetermined pulse from the received signal obtained by the receiving means, position detecting means for outputting the current position of the motor, and motor controlling means for controlling the motor so that the current position matches the target position A multiplex communication apparatus has been known in which the motor control means performs duty control of the motor by the pulse extracted by the pulse extraction means. The first communication control device controls the duty ratio by changing the width of a predetermined pulse in the transmission format (see Patent Document 2).
[0004]
[Patent Document 1]
JP-A-11-48741 (Claims, FIG. 2)
[Patent Document 2]
JP-A-8-186881 (Claims, FIG. 1)
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
2. Description of the Related Art In an air conditioner for a vehicle (car air conditioner) or the like, an electric motor type actuator is provided corresponding to various doors (for example, an intake door, an air mix door, a mode door, etc.). The torque and the like required to open and close the door differ depending on the type of the door. For this reason, a motor (DC motor) having a motor output enough to drive a door with a heavy load is used.
[0006]
Therefore, it is conceivable to reduce the size and cost of the electric motor actuator by using a small motor having a small rated output for a lightly loaded door. However, many small motors have a large rated rotation speed and a high frequency of motor operation noise (noise). Further, some small motors not only increase the frequency of the motor operation sound (noise) due to the high rotation speed, but also have a high level (noise level).
[0007]
For this reason, the frequency of the noise during the operation of the actuator may differ depending on the difference in the motor. If the noise frequency changes or noises of two kinds of frequencies are generated at the same time depending on the operation states of the plurality of actuators, there is a possibility that a user or the like may feel uncomfortable.
[0008]
Therefore, an electric motor type actuator employing a small motor is provided with a voltage regulating circuit or the like for reducing the voltage (or power supplied) to the motor, and the motor supply voltage (or power supplied) is reduced. It is conceivable to reduce the number of rotations of the motor to lower the noise frequency during motor operation. However, the addition of the voltage regulation circuit and the like not only increases the cost, but also requires a mounting space. Therefore, the size of the electric motor type actuator cannot be reduced as expected.
[0009]
As described above, in the conventional configuration in which one type of electric motor type actuator is provided for each door, a motor having a motor output sufficient to drive a heavy load door is used. For this reason, when opening and closing a lightly loaded door, more electric power may be supplied to the motor than necessary. When driving a light load with an actuator provided with a motor having a relatively large motor output, the power supplied to the motor may be reduced to reduce the power consumption in some cases.
[0010]
As described in
[0011]
Therefore, it is conceivable to control the rotation speed of the motor by performing PWM control on the electric power supplied to the motor. In this case, the duty ratio of the PWM control is specified from the host device such as the control means to the actuator drive circuit side and the blower fan drive circuit side. In the conventional method of controlling the duty ratio by changing the pulse width of the predetermined pulse signal, the range in which the duty ratio can be specified may be narrow, or the duty ratio may not be specified accurately.
[0012]
The present invention has been made to solve such a problem, and provides a motor control device capable of performing PWM control on electric power supplied to a motor based on duty designation information supplied from a host device or the like by serial data communication. The purpose is to do. Another object of the present invention is to provide a motor control device capable of controlling the rotation speed of a motor based on motor rotation speed designation information supplied from a host device or the like by serial data communication. A further object of the present invention is to provide a motor control device which can be suitably used for driving an electric motor type actuator and for driving a fan motor and the like.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problem, a motor control device according to the present invention includes a reception processing unit that receives information addressed to a self-address supplied from a higher-level device via a serial data communication unit, and a reception processing unit that receives information received by the reception processing unit. An H-bridge drive processing unit that generates a PWM signal having a duty ratio designated by the duty designation information contained therein and drives each switching element forming the H-bridge circuit unit.
[0014]
A motor control device according to the present invention generates a PWM signal having a designated duty ratio based on duty designation information supplied from a host device, and drives a switching element of each arm constituting an H-bridge circuit unit. Therefore, the power supplied to the motor via the H-bridge circuit can be PWM controlled. Thereby, the rotation speed of the motor can be controlled based on the duty designation information.
[0015]
Therefore, when the motor control device according to the present invention is used for drive control of an electric motor type actuator having a small motor, the duty ratio in the PWM control is set to, for example, 90%, and the power supplied to the motor is set to be smaller than the rated power. By reducing about 10%, the number of rotations of the small motor can be reduced, and the frequency of the noise generated with the operation of the motor can be reduced. Thus, the frequency of the noise generated by the other electric motor-type actuator and the frequency of the noise generated by the electric motor-type actuator employing a small-sized motor can be made to substantially match. Therefore, it is possible to prevent the audible feeling from being deteriorated due to the difference in the frequency of the noise, and the user or the like from feeling uncomfortable.
[0016]
In addition, when the load driven by the electric motor type actuator is light, power consumption can be reduced by reducing the power supplied to the motor. Further, by reducing the power supplied to the motor, the level of noise generated by the electric motor type actuator can be reduced.
[0017]
Further, a motor control device according to the present invention includes a reception processing unit that receives information addressed to its own address supplied from a higher-level device via a serial data communication unit, and is included in the information received by the reception processing unit. An H-bridge drive processing unit that sets a duty ratio based on at least one-bit motor rotation speed designation information, generates a PWM signal of the set duty ratio, and drives each switching element included in the H-bridge circuit unit. .
[0018]
Since the motor control device according to the present invention sets the duty ratio based on at least one bit of the motor rotation speed designation information supplied from the host device, the power supplied to the motor can be switched in at least two stages. Thus, the motor rotation speed can be changed in at least two stages. Two types of duty ratios, for example, 100% and about 82% can be switched based on 1-bit motor rotation speed designation information. Further, four types of duty ratios (for example, 100%, about 94%, about 88%, and about 82%) can be selectively switched based on 2-bit motor rotation speed designation information. Further, eight types of duty ratios can be selectively switched based on 3-bit motor rotation speed designation information. Thereby, the rotation speed of the motor can be switched in multiple stages.
[0019]
Further, a motor control device according to the present invention includes a reception processing unit that receives information addressed to its own address supplied from a higher-level device via a serial data communication unit, and is included in the information received by the reception processing unit. A duty ratio is increased or decreased by a preset value based on a motor supply power increase request or a motor supply power decrease request, a new duty ratio is set, and a PWM signal having the set duty ratio is generated to generate an H bridge circuit unit. And an H-bridge drive processing unit that drives each switching element constituting
[0020]
A motor control device according to the present invention sets a new duty ratio by increasing or decreasing a duty ratio by a preset value based on a motor supply power increase request or a motor supply power decrease request supplied from a host device, The power supplied to the motor at the set duty ratio can be PWM controlled. For example, when the duty ratio change width is set to, for example, 2.5%, the duty ratio can be increased or decreased in 2.5% units. Therefore, the host device can increase the duty ratio stepwise, for example, from 75% to 77.5% to 80% by transmitting the motor supply power increase request a plurality of times at appropriate time intervals. By transmitting the motor supply power increase request a plurality of times, the duty ratio can be gradually reduced. Thereby, the rotation speed of the motor can be changed stepwise.
[0021]
Further, a motor control device according to the present invention includes a reception processing unit that receives information addressed to its own address supplied from a higher-level device via a serial data communication unit, and is included in the information received by the reception processing unit. The motor rotation speed designation information is compared with the motor rotation speed signal supplied from the motor rotation speed detection unit to set the duty ratio of the PWM signal, and the PWM signal having the set duty ratio is generated to configure the H bridge circuit unit. And an H-bridge drive processing unit for driving each switching element.
[0022]
The motor control device according to the present invention can perform feedback control of the actual motor rotation speed so that the motor rotation speed is specified by the host device.
[0023]
Further, a motor control device according to the present invention includes a reception processing unit that receives information addressed to its own address supplied from a higher-level device via a serial data communication unit, and is included in the information received by the reception processing unit. When the actuator position control mode is specified based on the control mode specification information, the target position specification information of the control target included in the information received by the reception processing unit and the current position information supplied from the position detection unit of the control target. The position information is compared with each other, each switching element constituting the H-bridge circuit is driven based on the comparison result, and the motor rotation speed is determined based on the operation mode designation information included in the information received by the reception processing unit. When the control mode is designated, the H-bridge circuit is controlled based on the designated information on the motor rotation speed included in the information received by the reception processing unit. Comprising an H-bridge driving processing unit for driving the switching elements constituting the.
[0024]
The motor control device according to the present invention is configured such that, when an actuator position control mode is designated by a higher-level device, the rotation direction of the motor and the motor are controlled so that the position of the control target driven by the electric motor type actuator is the target position. Start / stop can be controlled. Further, the motor control device according to the present invention can control the rotation speed of the motor when the motor rotation speed control mode is designated by the host device. Therefore, the motor control device according to the present invention can be used, for example, for driving various door actuators of a vehicle air conditioner and for driving a fan motor. Since one motor control device can be commonly used for both the actuator position control and the motor rotation speed control mode, the communication control process can be shared in, for example, an air conditioner for a vehicle. Further, when the motor control device is configured by a dedicated IC (custom IC), it is possible to obtain an economic merit (cost reduction) accompanying an increase in the number of dedicated ICs (custom ICs).
[0025]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the accompanying drawings.
[0026]
FIG. 1 is a diagram schematically showing an overall configuration of an air conditioner for a vehicle (car air conditioner) to which a motor control device according to the present invention is applied. The automotive air conditioner includes an
[0027]
The air conditioner
[0028]
The
[0029]
The
[0030]
An
[0031]
A
[0032]
The temperature-controlled air is supplied into the vehicle cabin through one of the
[0033]
Each of the actuator units MIX, MODE, F / R includes an electric
[0034]
The electric
[0035]
By transmitting the rotation of the
[0036]
The fan drive unit FAN includes a
[0037]
Each of the actuator units MIX, MODE, F / R and the fan drive unit FAN includes a three-terminal connector. Each actuator unit MIX, MODE, F / R and fan drive unit FAN and the controller (upper device) 100 are connected by a three-core cable of a power line, a ground (GND) line, and a data line (BUS). You.
[0038]
The
[0039]
An air
[0040]
FIG. 2 is a diagram showing a configuration of a communication system of an automobile air conditioner (car air conditioner) to which the motor control device according to the present invention is applied. As shown in FIG. 2, power is supplied from the
[0041]
Bidirectional serial data communication is performed between the
[0042]
The data line (BUS) is pulled up to a positive power supply via a pull-up resistor (for example, 1 kOhm) R and a backflow prevention diode D in the data input /
[0043]
In this serial data communication, the
[0044]
An air
[0045]
The air
[0046]
The air
[0047]
The actuator units MIX, MODE, F / R and fan drive unit FAN are assigned different identification (ID) codes (addresses).
[0048]
FIG. 3 is a diagram showing a data structure of one frame of the LIN communication standard, and FIGS. 4 and 5 are diagrams showing a data structure of each field in one frame of the LIN communication standard. As shown in FIG. 3, one frame of the LIN communication standard includes a sync break field (Synch Break), a sync field (Synch), an ID field (ID), a
[0049]
As shown in FIG. 4A, the sync break field is configured to remain at the L level for at least the 13-bit period and then to the H level for at least the 1-bit period. This sync break field is used for frame synchronization.
[0050]
As shown in FIG. 4B, the sync field includes a start bit, data of “55” H in hexadecimal notation as a bit synchronization signal, and a stop bit for at least one bit period. This sync field is used for bit synchronization.
[0051]
As shown in FIG. 4C, an ID field is used to set a start bit, a 4-bit identification (ID) code (ID0 to ID3) for selecting and specifying a communication partner, and a transmission / reception mode on the slave side. , A 2-bit reception request / transmission request (ID4, ID5), 2-bit parity check data (P0, P1), and a stop bit of at least one bit period.
[0052]
In the present embodiment, one of the door actuator units MIX, MODE, F / R and the fan drive unit FAN is specified by the ID field, and the operation mode after the DATA1 field is specified. Specifically, the reception operation mode in which the actuator unit MIX, MODE, F / R or the fan drive unit FAN on the slave side receives various commands from the
[0053]
As shown in FIG. 5D, one data field includes a start bit, 8-bit data (D0 to D7), and a stop bit for at least one bit period. In the present embodiment, when a reception request is specified in the ID field, the
[0054]
When a transmission request is specified in the ID field, the actuator units MIX, MODE, and F / R transmit the current door opening data (current position data) in the
[0055]
As shown in FIG. 5E, the
[0056]
The actuator units MIX, MODE, F / R and the fan drive unit FAN side (slave side) use an overcurrent detection flag, a motor stop flag, and a motor positive signal in the
[0057]
As shown in FIG. 5F, the checksum field includes a start bit, 8-bit data (C0 to C7), and a stop bit for at least one bit period. In this embodiment, data of the
[0058]
FIG. 6 is a diagram showing an example of the contents of the
[0059]
When the lower three bits D0, D1, and D2 of the
[0060]
When the lower three bits D0, D1, and D2 of the
[0061]
Note that “-” in FIG. 6B indicates that no significant information is included, and the logic may be either “0” or “1”. In the present embodiment, the logic level is appropriately set so that “0” or “1” does not continue in the “−” part.
[0062]
FIG. 7 is a diagram showing an example of the contents of the
[0063]
The diagnostic flag clear request is supplied by the second bit d1 of the
[0064]
The third and fourth bits d2 and d3 of the
[0065]
The control mode designation request is supplied by the fifth bit d4 of the
[0066]
The data type designation request of the
[0067]
The motor emergency stop request is supplied by the seventh bit d6 of the
[0068]
The request for forced motor operation is supplied by the most significant bit d7 of the
[0069]
FIG. 8 is a diagram showing an example of the contents of the
[0070]
FIG. 9 is a diagram showing an example of the contents of the
[0071]
FIG. 10 is a diagram showing a block configuration of a door actuator unit including the motor control device according to the present invention. Each of the door actuator units MIX, MODE, F / R includes a
[0072]
The
[0073]
The
[0074]
The battery power Vaac is a power supplied from the
[0075]
VDD is a power supply terminal of the battery power supply Vaac for the H-
[0076]
VID0 to VID3 are input terminals for setting an identification code (ID code). In the present embodiment, the identification code (ID code) has a 4-bit configuration, and up to 16 identification codes (in other words, addresses) can be set. The L level (logic 0) can be set by connecting these ID input terminals VID0 to VID3 to the ground, and the H level (logic 1) can be set in the open state. Vbus is an input / output terminal of a serial communication signal (specifically, a LIN communication signal), that is, a connection terminal of a data line (BUS).
[0077]
M + and M− are output terminals of the H-
[0078]
FIG. 11 is a diagram showing a specific example of a logic circuit unit in a motor control IC constituting a motor control circuit. The LIN
[0079]
Next, the LIN
[0080]
Then, the LIN
[0081]
The LIN
[0082]
Further, the LIN
[0083]
When an error occurs in the parity check result of the ID field, the LIN
[0084]
The
[0085]
The output of the
[0086]
The
[0087]
The CW, CCW, and HOLD instruction
[0088]
The H-bridge
[0089]
Here, when the soft start / soft processing is set based on the soft start / soft stop control request Soft and the soft start control time Tsoft, the H-bridge
[0090]
The
[0091]
The overcurrent / overtemperature /
[0092]
The LIN
[0093]
Specifically, the least significant bit d0 of the
[0094]
Then, the inverted data of the result obtained by adding the carry data generated by the addition to the addition result of the data transmitted in the
[0095]
Then, the LIN
[0096]
Therefore, the
[0097]
As described above, the LIN
[0098]
Then, after performing a sum check on each of the temporarily stored data to check that there is no error, the 8-bit door opening designation data (target value data) of 1 data field is supplied to the new instruction data latch
[0099]
Next, the LIN
[0100]
In the present embodiment, the communication error flag clear request is supplied by the least significant bit d0 of the
[0101]
A diagnostic flag clear request is supplied by the second bit d1 of the
[0102]
The third bit d2 and the fourth bit d3 of the
[0103]
Soft stop control means that when the deviation between the door instruction opening data (target value data) and the filtered door actual opening data (current value data) becomes equal to or less than a preset value, the duty of the PWM control is reduced. The trick is to gradually reduce the ratio to soft stop the motor. In the soft stop control, the duty ratio is set based on the deviation between the door opening designation data (target value data) and the filtered door actual opening data (current value data).
[0104]
The control mode is designated by the fifth bit d4 of the
[0105]
When the LIN
[0106]
Accordingly, a PWM signal having a duty ratio designated by the duty ratio designation data Duty is generated, and the H-
[0107]
The motor emergency stop request is supplied by the seventh bit d6 of the
[0108]
The request for forced motor operation is supplied by the most significant bit d7 of the
[0109]
In the present embodiment, the serial data communication unit described in the claims is composed of the LIN input /
[0110]
FIG. 12 is a diagram illustrating an example in which the power supplied to the electric motor is switched to 16 levels by PWM control. In the present embodiment, the duty ratio (Duty) is set to 16 levels from 1/16 to 16/16, and the duty ratio specification data in hexadecimal notation shown in parentheses (that is, 4-bit duty ratio specification data) is used. Each duty ratio (Duty) is designated. Further, one modulation cycle T of the PWM control is divided into two sections (T / 2) of the first half and the second half, and the section for energizing the
[0111]
FIG. 13 is a diagram showing an example of a PWM data map for soft start at the time of starting the motor. The H-bridge drive processing unit (PWM control unit) 67 shown in FIG. 11 includes a
[0112]
This PWM data map for
[0113]
When starting the motor, the H-bridge
[0114]
The H-bridge
[0115]
When the difference between the door opening target value (8-bit data) and the actual door opening (current value) (8 bits) becomes 15 or less (target value−current value ≦ 15), the H-bridge
[0116]
When the H-bridge
[0117]
FIG. 14 is a diagram showing an example of the PWM data map for soft stop. The H-bridge drive processing unit (PWM control unit) 67 shown in FIG. 11 includes a soft-stop PWM data map 672. In the PWM data map for
[0118]
For this reason, when the duty ratio is set to about 70%, the duty ratio designation data when the duty ratio is 100% (that is, the duty ratio designation data read from the soft stop PWM data map 672) When the duty ratio is larger than about 70%, the duty ratio is used about 70%. In FIG. 14, in the column of the absolute value (| target value−current value |) of the difference between the target value and the current value, the expression in parentheses is expressed in hexadecimal notation. The output data (duty ratio designation data) is in hexadecimal notation.
[0119]
The H-bridge
[0120]
FIG. 15 is a graph showing a change characteristic of the duty ratio from the time of starting the motor to the time of stopping the motor when the soft start / soft stop control is performed. Here, since the duty ratio and the electric power supplied to the electric motor are in a proportional relationship, the graph of FIG. 15 shows a change characteristic of the electric power supplied to the electric motor. FIG. 15A shows the change characteristic of the duty value from the time of starting the motor to the time of stopping the motor. FIG. 15B shows the target value of the door opening degree and the actual door value during the soft start control at the time of starting the motor. Since the absolute value of the difference from the opening (current value) is equal to or smaller than a predetermined value, the change characteristic of the duty ratio when shifting to the soft stop control from the middle of the soft start control is shown.
[0121]
As shown in FIG. 15A, when the door opening target value is set, the motor is started (soft start) based on the duty ratio (soft start PWM data map 671) at the time of soft start control shown in FIG. Control) is performed. As long as the difference between the door opening target value (8-bit data) and the actual door opening (current value) (8 bits) is 16 or more (target value−current value ≧ 16), the motor is driven at the set duty ratio. Power supply to the
[0122]
Then, from the time when the absolute value of the difference between the door opening target value (8-bit data) and the actual door opening (current value) (8 bits) becomes 15 or less (| target value−current value | ≦ 15). The soft-stop control of the motor is performed based on the duty ratio (soft-stop PWM data map 672) during the soft-stop control shown in FIG. 14, and the motor is stopped.
[0123]
As shown in FIG. 15B, during the soft start control, the absolute value of the difference between the door opening target value (8-bit data) and the actual door opening (current value) (8 bits) is 15 or less ( When | target value−current value | ≦ 15), the process shifts to the soft stop control from that point and the motor is stopped by the soft stop control.
[0124]
In the present embodiment, an example has been described in which an arbitrary duty ratio can be set from 16 stages using 4-bit duty ratio designation data (Du0 to Du3). An arbitrary duty ratio may be set from among 32 levels using data (Du0 to Du4).
[0125]
In this case, the PWM signal generation counter may be configured to have a 5-bit configuration so as to be able to generate PWM signals of 32 stages with a duty ratio of 1/32 to 32/32, or to generate 16 types of duty ratios as shown in FIG. By combining the PWM signals in two modulation periods, a PWM signal of substantially 32 stages may be generated. For example, a PWM signal equivalent to Duty 29/32 may be generated by alternately using a PWM signal of
[0126]
The range in which the duty ratio can be set may be limited to, for example, 50% or more of the duty ratio, so that the duty ratio may be set to 16 or 32 levels within the range of 50 to 100%. By doing so, the change width of the duty ratio can be reduced with a limited number of bits.
[0127]
Further, the LIN
[0128]
Further, the H-bridge
[0129]
As shown in FIG. 7, when the actuator control mode is set by the bit d4 of the
[0130]
Further, by using 2 bits as bits d4 and d5 of the
[0131]
FIG. 16 is a graph showing a measurement result of a noise level when the electric motor type actuator is driven by the motor control device according to the present invention. In FIG. 16, the solid line shows the noise characteristics of the conventional drive system without PWM control (no soft start / soft stop control). Since the conventional drive system does not perform the soft start / soft stop control, the noise level at the time of starting and stopping the motor is large.
[0132]
The dotted line shows the noise characteristics when the motor is driven under the condition of PWM control (soft start / soft stop control is provided, soft start control time Tsoft = 250 ms) and a duty of 100% (power supplied to the motor is not limited). By performing the soft start / soft stop control, the noise level at the time of starting and stopping the motor is reduced (about 4 dB less than the conventional driving method).
[0133]
The one-dot chain line shows the noise characteristics when driven under the condition of PWM control (soft start / soft stop control, soft start control time Tsoft = 250 ms) and a duty of about 70% (restricting the power supplied to the motor). is there. By performing the soft start / soft stop control, the noise level at the time of starting and stopping the motor is reduced (about 4 to 7 dB lower than the conventional driving method). In addition, since the power supplied to the motor is limited, the noise level (steady-state noise) during operation of the motor is reduced by about 2 dB as compared with the conventional method. Since the power supplied to the motor is limited, the number of revolutions of the motor is reduced, so that the time at which the motor is stopped is about one second slower than when the power is not limited (motor operation time is increased by about 15%. There).
[0134]
Note that, in the present embodiment, an example has been described in which the opening degrees of various doors of an air conditioner for a vehicle are controlled using a motor control device. However, the motor control device according to the present invention is not only a door actuator but also a control target. Can be applied to various uses including an actuator for linearly moving the actuator.
[0135]
Further, in the present embodiment, an example has been described in which the
[0136]
FIG. 17 is a configuration diagram of the H-bridge circuit unit. In the present embodiment, the H-
[0137]
By controlling both
[0138]
In the present embodiment, by controlling the
[0139]
FIG. 18 is a diagram showing the operation of the motor control device according to the present invention at the time of deceleration (soft stop). FIG. 18 shows deceleration control (soft stop) in the normal rotation state. Here, for convenience of explanation, an example is shown in which the duty ratio decreases from 12/16 to 4/16 as the current value of the control object approaches the target value. The symbol T in the drawing is a PWM cycle (modulation cycle). In the present embodiment, the PWM cycle T is about 500 μS (500 microseconds). The symbol B in the figure is a braking period, and the symbol D is a period during which the motor is rotationally driven.
[0140]
The
[0141]
Note that FIG. 18 shows that the timing at which the
[0142]
As shown in FIG. 18 (e), the rotational drive of the
[0143]
FIG. 19 is a diagram showing a specific example of a circuit configuration of a fan drive unit including the motor control device according to the present invention. The fan drive unit shown in FIG. 19 includes a
[0144]
The
[0145]
One winding terminal of the
[0146]
When the motor rotation speed control mode is set by the control mode designation request Smode, the H-bridge drive processing unit (PWM control unit) 67 in the
[0147]
The H-bridge drive processing unit (PWM control unit) 67 generates a duty ratio designation data, a motor rotation speed designation data, or a PWM signal having a duty ratio set by a motor supply power increase / decrease command, and outputs the H-
[0148]
Therefore, the
[0149]
The voltage corresponding to the motor current generated at both ends of the motor current detection resistor R41 is DC-amplified by the
[0150]
The LIN
[0151]
When the motor rotation speed control mode is set by the control mode designation request Smode, the LIN
[0152]
FIG. 20 is a diagram showing another circuit configuration of the fan drive unit including the motor control device according to the present invention. The fan drive circuit 40A shown in FIG. 20 is such that the
[0153]
FIG. 21 is a diagram showing still another circuit configuration of the fan drive unit provided with the motor control device according to the present invention. The
[0154]
In such a case, the base current of the PNP transistor Q40 is switched via the base resistor R45 using the output terminal M- of the H-
[0155]
FIG. 22 is a diagram showing another circuit configuration of the fan drive unit including the motor control device according to the present invention. The fan drive circuit 40C shown in FIG. 22 is configured to directly drive the
[0156]
When the
[0157]
FIG. 23 is a diagram showing another circuit configuration of the fan drive unit including the motor control device according to the present invention. The
[0158]
【The invention's effect】
As described above, the motor control device according to the present invention can perform PWM control on the electric power supplied to the motor via the H-bridge circuit unit based on the duty designation information supplied from the host device. The rotation speed of the motor can be controlled based on the information. Therefore, when driving a small motor, the power supplied to the motor is reduced by the rated power, thereby reducing the rotation speed of the small motor and lowering the frequency of the noise generated by the operation of the motor. can do. Thus, the frequency of the noise generated by the other electric motor-type actuator and the frequency of the noise generated by the electric motor-type actuator employing a small-sized motor can be made to substantially match. Therefore, it is possible to prevent the audible feeling from being deteriorated due to the difference in the frequency of the noise, and the user or the like from feeling uncomfortable. In addition, when the load driven by the electric motor type actuator is light, power consumption can be reduced by reducing the power supplied to the motor. Further, by reducing the electric power supplied to the motor, the level of noise generated by the electric motor type actuator can be reduced.
[0159]
The motor control device according to the present invention is configured such that, when an actuator position control mode is designated by a higher-level device, the rotation direction of the motor and the motor are controlled so that the position of the control target driven by the electric motor type actuator is the target position. Start / stop can be controlled. Further, the motor control device according to the present invention can control the rotation speed of the motor when the motor rotation speed control mode is designated by the host device. Therefore, the motor control device according to the present invention can be used, for example, for driving various door actuators of a vehicle air conditioner and for driving a fan motor. Since one motor control device can be commonly used for both the actuator position control and the motor rotation speed control mode, the communication control process can be shared in, for example, an air conditioner for a vehicle.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram schematically showing an overall configuration of an air conditioner for a vehicle (car air conditioner) to which a motor control device according to the present invention is applied.
FIG. 2 is a diagram illustrating a configuration of a communication system of an automobile air conditioner (car air conditioner) to which the motor control device according to the present invention is applied.
FIG. 3 is a diagram showing a data structure of one frame of the LIN communication standard.
FIG. 4 is a diagram (part 1) illustrating a data structure of each field in one frame of the LIN communication standard;
FIG. 5 is a diagram (part 2) illustrating a data structure of each field in one frame of the LIN communication standard.
FIG. 6 is a diagram showing an example of the contents of a
FIG. 7 is a diagram showing an example of the contents of a
FIG. 8 is a diagram showing an example of the contents of a
FIG. 9 is a diagram showing an example of the contents of a
FIG. 10 is a diagram showing a block configuration of a door actuator unit including the motor control device according to the present invention.
FIG. 11 is a diagram showing a specific example of a logic circuit unit in a motor control IC constituting a motor control circuit.
FIG. 12 is a diagram illustrating an example in which electric power supplied to the electric motor is switched to 16 levels by PWM control.
FIG. 13 is a diagram showing an example of a PWM data map for soft start when the motor is started.
FIG. 14 is a diagram showing an example of a PWM data map for soft stop.
FIG. 15 is a graph showing a change characteristic of a duty ratio from a motor start to a motor stop when soft start / soft stop control is performed.
FIG. 16 is a graph showing a measurement result of a noise level when an electric motor type actuator is driven by the motor control device according to the present invention.
FIG. 17 is a configuration diagram of an H-bridge circuit unit.
FIG. 18 is a diagram showing an operation of the motor control device according to the present invention at the time of deceleration (soft stop).
FIG. 19 is a diagram showing a specific example of a circuit configuration of a fan drive unit including the motor control device according to the present invention.
FIG. 20 is a diagram showing another circuit configuration of the fan drive unit including the motor control device according to the present invention.
FIG. 21 is a diagram showing still another circuit configuration of the fan drive unit including the motor control device according to the present invention.
FIG. 22 is a diagram showing still another circuit configuration of the fan drive unit including the motor control device according to the present invention.
FIG. 23 is a diagram showing still another circuit configuration of the fan drive unit including the motor control device according to the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Air conditioner body
7 Intake door
13 Mixed door
18 differential door
19 Bent door
20 foot door
30 motor (electric motor)
30A Electric motor type actuator
31 Potentiometer
40 Fan drive circuit
41 n-channel MOSFET
50 Motor control circuit
500 Motor control IC
53 LIN input / output circuit
54 ID input circuit
55 Logic circuit section
56 H-bridge circuit
57 Overvoltage detection circuit
58 Overcurrent / overtemperature detection circuit
59 A / D converter
61 LIN communication processing unit
67 H bridge drive processing unit (PWM control unit)
100 controller
101 Air conditioner control circuit
102 control circuit
110 Operation panel
F / R intake door actuator unit
MIX mixed door actuator unit
MODE mode actuator unit
Output terminal of M +, MH bridge circuit (motor connection terminal)
Claims (5)
上位装置とシリアルデータ通信を行なうシリアルデータ通信部と、
前記シリアルデータ通信部を介して上位装置から供給される自己アドレス宛ての情報を受信する受信処理部と、
前記受信処理部で受信した情報の中に含まれるデューティ指定情報によって指定されたデューティ比のPWM信号を生成して前記Hブリッジ回路部を構成する各スイッチング素子を駆動するHブリッジ駆動処理部とを備えることを特徴とするモータ制御装置。An H-bridge circuit unit having a pair of motor connection terminals and connecting four switching elements in an H-type bridge;
A serial data communication unit for performing serial data communication with a host device;
A reception processing unit that receives information addressed to its own address supplied from the higher-level device via the serial data communication unit,
An H-bridge drive processing unit that generates a PWM signal having a duty ratio designated by duty designation information included in the information received by the reception processing unit and drives each switching element that constitutes the H-bridge circuit unit; A motor control device comprising:
上位装置とシリアルデータ通信を行なうシリアルデータ通信部と、
前記シリアルデータ通信部を介して上位装置から供給される自己アドレス宛ての情報を受信する受信処理部と、
前記受信処理部で受信した情報の中に含まれる少なくとも1ビットのモータ回転速度指定情報に基づいてデューティ比を設定し、設定したデューティ比のPWM信号を生成して前記Hブリッジ回路部を構成する各スイッチング素子を駆動するHブリッジ駆動処理部とを備えることを特徴とするモータ制御装置。An H-bridge circuit unit having a pair of motor connection terminals and connecting four switching elements in an H-type bridge;
A serial data communication unit for performing serial data communication with a host device;
A reception processing unit that receives information addressed to its own address supplied from the higher-level device via the serial data communication unit,
The H-bridge circuit unit is configured by setting a duty ratio based on at least one bit of motor rotation speed designation information included in the information received by the reception processing unit, and generating a PWM signal having the set duty ratio. A motor control device comprising: an H-bridge drive processing unit that drives each switching element.
上位装置とシリアルデータ通信を行なうシリアルデータ通信部と、
前記シリアルデータ通信部を介して上位装置から供給される自己アドレス宛ての情報を受信する受信処理部と、
前記受信処理部で受信した情報の中に含まれるモータ供給電力増加要求またはモータ供給電力減少要求に基づいて予め設定した値だけデューティ比を増加または減少させて新たなデューティ比を設定し、設定したデューティ比のPWM信号を生成して前記Hブリッジ回路部を構成する各スイッチング素子を駆動するHブリッジ駆動処理部とを備えることを特徴とするモータ制御装置。An H-bridge circuit unit having a pair of motor connection terminals and connecting four switching elements in an H-type bridge;
A serial data communication unit for performing serial data communication with a host device;
A reception processing unit that receives information addressed to its own address supplied from the higher-level device via the serial data communication unit,
A new duty ratio is set by increasing or decreasing the duty ratio by a predetermined value based on the motor supply power increase request or the motor supply power decrease request included in the information received by the reception processing unit. An H-bridge drive processing unit that generates a PWM signal having a duty ratio and drives each switching element included in the H-bridge circuit unit.
上位装置とシリアルデータ通信を行なうシリアルデータ通信部と、
前記シリアルデータ通信部を介して上位装置から供給される自己アドレス宛ての情報を受信する受信処理部と、
前記受信処理部で受信した情報の中に含まれるモータ回転速度指定情報とモータ回転速度検出部から供給されるモータ回転速度信号とを比較してPWM信号のデューティ比を設定し、設定したデューティ比のPWM信号を生成して前記Hブリッジ回路部を構成する各スイッチング素子を駆動するHブリッジ駆動処理部とを備えることを特徴とするモータ制御装置。An H-bridge circuit unit having a pair of motor connection terminals and connecting four switching elements in an H-type bridge;
A serial data communication unit for performing serial data communication with a host device;
A reception processing unit that receives information addressed to its own address supplied from the higher-level device via the serial data communication unit,
The duty ratio of the PWM signal is set by comparing the motor rotation speed designation information included in the information received by the reception processing unit with the motor rotation speed signal supplied from the motor rotation speed detection unit. And a H-bridge drive processing unit for generating the PWM signal and driving each switching element constituting the H-bridge circuit unit.
上位装置とシリアルデータ通信を行なうシリアルデータ通信部と、
前記シリアルデータ通信部を介して上位装置から供給される自己アドレス宛ての情報を受信する受信処理部と、
前記受信処理部で受信した情報の中に含まれる制御モード指定情報に基づいてアクチュエータ位置制御モードが指定された場合には、前記受信処理部で受信した情報の中に含まれる制御対象の目標位置指定情報と制御対象の位置検出部から供給される現在位置情報とを比較し、その比較結果に基づいて前記Hブリッジ回路部を構成する各スイッチング素子を駆動するとともに、前記受信処理部で受信した情報の中に含まれる動作モード指定情報に基づいてモータ回転速度制御モードが指定された場合には、前記受信処理部で受信した情報の中に含まれるモータ回転速度に係る指定情報に基づいて前記Hブリッジ回路部を構成する各スイッチング素子を駆動するHブリッジ駆動処理部を備えることを特徴とするモータ制御装置。An H-bridge circuit unit having a pair of motor connection terminals and connecting four switching elements in an H-type bridge;
A serial data communication unit for performing serial data communication with a host device;
A reception processing unit that receives information addressed to its own address supplied from the higher-level device via the serial data communication unit,
When the actuator position control mode is designated based on the control mode designation information included in the information received by the reception processing unit, the target position of the control target included in the information received by the reception processing unit The designated information is compared with the current position information supplied from the position detection unit to be controlled, and based on the comparison result, each of the switching elements included in the H-bridge circuit unit is driven and received by the reception processing unit. When the motor rotation speed control mode is specified based on the operation mode specification information included in the information, the motor rotation speed control mode is specified based on the specification information on the motor rotation speed included in the information received by the reception processing unit. A motor control device comprising: an H-bridge drive processing unit that drives each switching element included in an H-bridge circuit unit.
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