JP2004356359A - 半導体レーザ装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化を図るとともに、その位置精度を高く保つことが可能な半導体レーザ装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体レーザ装置1は、台座部材としてのステム3とキャップ部材2とを備える。ステム3は、基準面7を有する本体部4と、本体部4の基準面上に位置し、レーザ素子10を搭載する素子搭載部としての放熱台5とを含む。キャップ部材2は、放熱台5を覆うように、ステム3の基準面7上に設置される。キャップ部材2において放熱台5と対向する側壁には穴16bが形成されている。キャップ部材2の側壁の内周側において穴16bと隣接する部分が放熱台5の外周面27と固着することにより、キャップ部材2とステム3とは固定されている。
【選択図】 図2
【解決手段】半導体レーザ装置1は、台座部材としてのステム3とキャップ部材2とを備える。ステム3は、基準面7を有する本体部4と、本体部4の基準面上に位置し、レーザ素子10を搭載する素子搭載部としての放熱台5とを含む。キャップ部材2は、放熱台5を覆うように、ステム3の基準面7上に設置される。キャップ部材2において放熱台5と対向する側壁には穴16bが形成されている。キャップ部材2の側壁の内周側において穴16bと隣接する部分が放熱台5の外周面27と固着することにより、キャップ部材2とステム3とは固定されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体レーザ装置およびその製造方法に関し、より特定的には、小型化が可能であって高い信頼性を有する半導体レーザ装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ディスクドライブ装置などに用いられる半導体レーザ装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1では、レーザ素子が設置された台座部材に、レーザ素子を覆うようにキャップ部材が接続固定されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−142813号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した光ディスクドライブ装置はその小型化が求められており、これに伴って半導体レーザ装置についても、そのサイズの小型化が求められる。
【0006】
一方、光ディスクドライブ装置に半導体レーザ装置を組込む際には、半導体レーザ装置の位置を精度良く決定する必要がある。このとき、キャップ部材が接続された台座部材の面においてキャップ部材より外側に位置する部分を基準面として用いて、半導体レーザ装置の位置合せを行なう。ここで、半導体レーザ装置の小型化に伴って、上記基準面として用いる部分の面積も小さくなってきている。このため、光ディスクドライブ装置への半導体レーザ装置の組込み作業において、半導体レーザ装置の位置精度を高く保つことが困難になってきている。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、小型化を図るとともに、その位置精度を高く保つことが可能な半導体レーザ装置およびその製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に従った半導体レーザ装置は、台座部材とキャップ部材とを備える。台座部材は、基準面を有する本体部と、本体部の基準面上に位置し、レーザ素子を搭載する素子搭載部とを含む。キャップ部材は、素子搭載部を覆うように、台座部材の基準面上に設置される。キャップ部材において素子搭載部と対向する側壁には穴が形成されている。キャップ部材の側壁の内周側において穴と隣接する部分が素子搭載部の外周面と固着することにより、キャップ部材と台座部材とは固定されている。
【0009】
この場合、キャップ部材の側壁において穴が開いた部分と台座部材の素子搭載部の外周面とを固着させることにより、キャップ部材を台座部材に固定することができる。そのため、台座部材の基準面と、この基準面に接触するキャップ部材の端面との間を接続固定する必要が無いので、キャップ部材の端面において接続固定のためのプロジェクション部(つば部)を形成する必要がない。このため、半導体レーザ装置の小型化を図る場合に、キャップ部材の端面より外側に位置する台座部材の基準面の面積を十分確保することが可能になる。この結果、半導体レーザ装置のサイズを小さくした場合に、台座部材の基準面においてキャップ部材の端面より外側の領域を利用して半導体レーザ装置の位置合わせを行なうことができる。
【0010】
上記半導体レーザ装置において、キャップ部材の側壁には穴が2つ以上(複数)形成されていてもよい。2つ以上の穴は、キャップ部材を台座部材に取付ける際の取付け方向に沿ったキャップ部材の中心軸から見て、互いに対称な位置にそれぞれ形成されていてもよい。
【0011】
この場合、キャップ部材の側壁に形成された複数の穴のうちの一つと台座部材の素子搭載部の外周面との位置合せを容易に行なうことができる。
【0012】
また、台座部材の素子搭載部の外周面の両端部と、台座部材の基準面の中心との成す角度が180°である場合、素子搭載部を覆うようにキャップ部材を配置すれば、かならず複数の穴のうちの1つが素子搭載部の外周面と対向する位置に配置されることになる。このため、キャップ部材の中心軸に対するキャップ部材の回転角度をあまり気にすることなく、キャップ部材と台座部材の素子搭載部との間の接続を行うことができる。
【0013】
上記半導体レーザ装置において、キャップ部材の外形は円筒形状であってもよい。キャップ部材の延びる方向に沿った中心軸(またはキャップ部材を台座部材に取付ける際の取付け方向に沿ったキャップ部材の中心軸)の方向が台座部材の本体部の基準面に実質的に垂直な方向とほぼ平行になるように、キャップ部材は台座部材の基準面上に設置されていてもよい。
【0014】
この場合、円筒形状のキャップ部材をその中心軸に沿って回転させることにより、キャップ部材の側壁の穴を台座部材の素子搭載部の外周面に面する位置に容易に配置することができる。
【0015】
上記半導体レーザ装置において、キャップ部材の側壁に形成された穴の数をnとした場合、キャップ部材の側壁と対向する素子搭載部の外周面において、基準面に沿った方向における両端部が本体部の基準面の中心に対して形成する開き角度は360°/n以上となっていてもよい。
【0016】
この場合、素子搭載部を覆うようにキャップ部材を配置したときに、n個の穴のうちの少なくとも1つが、いつも素子搭載部の外周面と対向することになる。このため、中心軸を中心としたキャップ部材の回転方向をあまり気にすることなく、キャップ部材を台座部材に取付けることができる。
【0017】
また、穴のうちのどれか1つが必ず素子搭載部の外周面と対向する位置(外周面に面する位置)に配置されることになるので、素子搭載部の外周面とキャップ部材の穴が形成された部分の近傍の壁面との間を容易に接続固定できる(たとえば、レーザ溶接による接続固定を容易に行なうことができる)。
【0018】
上記半導体レーザ装置において、キャップ部材の側壁に形成された穴の数nは2であってもよく、素子搭載部の開き角度が実質的に180°となっていてもよい。
【0019】
この場合、キャップ部材に形成する穴の数が少ないことからキャップ部材の作成が容易であるとともに、キャップ部材を素子搭載部に被せた場合に素子搭載部の外周面にかならずキャップ部材の穴を対向させることができる。
【0020】
上記半導体レーザ装置において、キャップ部材の側壁に形成された穴の数nは6であってもよく、素子搭載部の開き角度が実質的に60°となっていてもよい。また、素子搭載部の開き角度は60゜以上であってもよい。
【0021】
このように、素子搭載部の開き角度を60゜程度にすれば、素子搭載部に搭載されたレーザ素子の横に、台座部材の構造物(たとえばレーザ素子と電気的に接続されるリードピンなどの導電体)を容易に配置することができる。また、キャップ部材に形成される6個の穴は、キャップ部材の中心軸から見て互いに対称な位置に形成されていることが好ましい。この場合、キャップ部材を素子搭載部に被せたときに、素子搭載部の外周面と対向する位置にキャップ部材の穴を確実に配置できる。そのため、穴の部分においてキャップ部材と素子搭載部とをレーザ溶接などを用いて容易に接続固定できる。
【0022】
上記半導体レーザ装置において、キャップ部材と台座部材とは、キャップ部材の側壁の内周側において穴と隣接する部分が素子搭載部の外周面とレーザ溶接により固着されることにより固定されていてもよい。
【0023】
この場合、キャップ部材の側壁と素子搭載部の外周面とが面接触しているような状態であっても、キャップ部材の穴の部分にレーザ光を照射することで、当該部分においてキャップ部材と素子搭載部とを容易に溶接固定できる。
【0024】
上記半導体レーザ装置において、基準面に対向するキャップ部材の端部と本体部の基準面との接合部が抵抗溶接により固着されていてもよい。
【0025】
この場合、キャップ部材と台座部材とをより確実に接続固定できる。
この発明に従った半導体レーザ装置の製造方法は、台座部材を準備する工程、キャップ部材を準備する工程、キャップ部材と素子搭載部との接触部をレーザ溶接する工程を備える。台座部材を準備する工程では、基準面を有する本体部と、本体部の基準面上に位置し、レーザ素子を搭載した素子搭載部とを含む台座部材を準備する。キャップ部材を準備する工程では、素子搭載部を覆うことが可能であって、素子搭載部の外周面と対向する側壁には穴が形成されているキャップ部材を準備する。接触部を溶接する工程では、台座部材の基準面上において素子搭載部を覆うとともに、穴が形成された側壁の内周面が素子搭載部の外周面と接触するようにキャップ部材を設置した状態で、穴からキャップ部材と素子搭載部との接触部にレーザ光を照射することにより接触部をレーザ溶接する。
【0026】
このようにすれば、本発明による半導体レーザ装置を容易に製造できる。
この発明に従った半導体レーザ装置の製造方法は、基準面を有する本体部と、本体部の基準面上に位置し、レーザ素子を搭載する素子搭載部とを含む台座部材と、素子搭載部を覆うように、台座部材の基準面上に設置されるキャップ部材とを備え、キャップ部材において素子搭載部と対向する側壁には穴が形成され、キャップ部材の側壁の内周側において穴と隣接する部分が素子搭載部の外周面と固着することにより、キャップ部材と台座部材とは固定されている、半導体レーザ装置の製造方法であって、キャップ部材となるべき材料を準備する工程と、材料に穴を形成する工程と、穴の形成された材料をプレス加工することにより、キャップ部材を成形する工程とを備える。
【0027】
この場合、半導体レーザ装置を構成するキャップ部材を容易に得ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
【0029】
(実施の形態1)
図1は、本発明による半導体レーザ装置の実施の形態1を示す斜視模式図である。図2は、図1に示した半導体レーザ装置の分解模式図である。図1および図2を参照して、本発明による半導体レーザ装置の実施の形態1を説明する。
【0030】
図1および図2に示すように、半導体レーザ装置1は、台座部材としてのステム3と、ステム3の基準面7に取付けられた放熱台5に設置されたレーザ素子10と、素子搭載部としての放熱台5およびレーザ素子10を囲むように配置されたキャップ部材2とを備える。ステム3は基準面7を有する本体部4と放熱台5とを含む。ステム3の本体部4には、3本のリード6が設置されている。具体的には、本体部4では、基準面7側からこの基準面7と反対側に位置する裏面側にまで2本のリード6が貫通するように配置されている。また、もう1本のリードが本体部4の裏面側に設置されている。このもう1本のリード6は本体部4の基準面7と電気的に接続されている。ステム3の本体部4の側壁面には、位置決め用溝11a〜11cが形成されている。基準面7の平面形状は円形状である。
【0031】
本体部4の基準面7上に設置された放熱台5は、その開き角θが180°である。すなわち、放熱台5においてレーザ素子10が搭載される素子設置面18はほぼ平坦な平面状であり、キャップ部材2側から見た場合の放熱台5の形状は半円形状となっている。放熱台5の素子設置面18に搭載されたレーザ素子10は、接続線9によりリード端部8と電気的に接続されている。接続線9の材料としてはたとえば金などの導電体を用いることができる。
【0032】
ステム基準面7の外径Dはたとえば3.3mmである。また、ステム3の基準面7上にキャップ部材2を配置した場合のキャップ部材の端部位置14と位置決め用溝11cの溝の底部との間の距離W1はたとえば0.1mmである。なお、このようにキャップ部材2を基準面7上に搭載した場合にキャップ部材2の端部と位置決め用溝11cとの間の距離(つまり、キャップ部材の端部位置14と位置決め用溝11cの底部との間の距離W1)については、ある程度の大きさが必要である。これは、半導体レーザ装置1を光ディスク用ピックアップ装置などに組み込む際に、この基準面7がレーザ装置を取付ける際の取付け位置の基準面となるからである。
【0033】
また、上記のような部分(キャップ部材の端部位置14と位置決め用溝11cの底部との間に位置する基準面7の外縁部)は半導体レーザ装置1の回転位置を調整する際にも必要となる。このため、上記距離W1は0.3mm程度とすることがより好ましい。この場合、この距離W1の値は、ステム3の基準面7の直径Dが5.6mm程度である半導体レーザ装置における距離W1の値と同程度の大きさとなる。このため、直径Dが比較的小さい半導体レーザ装置において、半導体レーザ装置の取付け位置の基準面として用いる領域(上記外縁部)の面積を大きくすることができるので、半導体レーザ装置1を光ディスク用ピックアップに組み込む際、半導体レーザ装置1の回転位置調整を、直径Dが5.6mm程度である従来の半導体レーザ装置の場合と同様に簡単に行なうことができる。
【0034】
また、キャップ部材2をステム3に取付ける場合、ステム3の外周とキャップ部材2の端部における位置決め用溝11cの底部との間の距離(余地)W1が約0.3mm程度あれば、従来の直径Dが5.6mm程度の半導体レーザ装置と同様の位置精度で、ステム3とキャップ部材2とを接合することができる。このため、キャップ部材2やステム3などの寸法のばらつきを考慮しても、容易にステム3とキャップ部材2とを接合することができる。
【0035】
なお、キャップ部材2には、その底面にレーザ光出射用穴15が形成されている。また、キャップ部材2においては、その側壁に穴16a、16bが形成されている。穴16a、16bは、キャップ部材2の中心軸(円筒軸)を中心としてほぼ対称な位置に形成されている。
【0036】
上述した本発明に従った半導体レーザ装置の特徴的な構成を要約すれば、半導体レーザ装置1は、台座部材としてのステム3とキャップ部材2とを備える。ステム3は、基準面7を有する本体部4と、本体部4の基準面上に位置し、レーザ素子10を搭載する素子搭載部としての放熱台5とを含む。キャップ部材2は、放熱台5を覆うように、ステム3の基準面7上に設置される。キャップ部材2において放熱台5と対向する側壁には穴16bが形成されている。キャップ部材2の側壁の内周側において穴16bと隣接する部分が放熱台5の外周面27と固着することにより、キャップ部材2とステム3とは固定されている。
【0037】
このようにすれば、キャップ部材2の側壁において穴16bに隣接する部分とステム3の放熱台5の外周面27とを固着させることにより、キャップ部材2をステム3に固定することができる。そのため、ステム3の基準面7と、この基準面7に接触するキャップ部材2の端面との間を抵抗溶接などにより接続固定する必要が無いので、キャップ部材2の端面において接続固定のためのプロジェクション部(つば部)を形成する必要がない。このため、半導体レーザ装置1の小型化を図る場合に、キャップ部材2の端面より外側に位置するステム3の基準面7の面積を十分確保することが可能になる。この結果、半導体レーザ装置1のサイズを小さくした場合に、ステム3の基準面7においてキャップ部材2の端面より外側の領域を利用して半導体レーザ装置1の位置合わせを行なうことができる。
【0038】
また、上記半導体レーザ装置1において、キャップ部材の側壁には2つの穴16a、16bが形成されているが、この穴は2つ以上形成されていてもよい。2つ以上の穴は、キャップ部材2をステム3に取付ける際の取付け方向(図2の矢印26に示す方向)に沿ったキャップ部材2の中心軸(円筒軸)から見て、互いに対称な位置にそれぞれ形成されていてもよい。
【0039】
この場合、キャップ部材2の側壁に形成された穴の内の一つとステム3の放熱台5の外周面27との位置合せを容易に行なうことができる。
【0040】
また、図2に示すように、ステム3の放熱台5の外周面27における両方の端部28と、ステム3の基準面7の中心との成す角度(開き角度θ)が180°である場合、放熱台5を覆うようにキャップ部材2を配置すれば、かならず複数の穴のうちの1つ(図2においては2つの穴16a、16bのうちの1つである穴16b)が放熱台5の外周面27と対向する位置に配置されることになる。このため、キャップ部材2の中心軸に対するキャップ部材2の回転角度をあまり気にすることなく、キャップ部材2とステム3の放熱台5との間の接続を行うことができる。
【0041】
また、キャップ部材2の側壁に穴16a、16bを形成しているので、キャップ部材2上に接着剤などで光学素子を取付けることにより、レーザ光出射用穴15を塞いだ状態となっても、上記接着剤を通してキャップ部材2の内部に侵入した水蒸気などを、この穴16a、16bのいずれか(放熱台5の外周面27により塞がれていない穴)からキャップ部材2の外部へと排出することができる。このため、上述した水蒸気がキャップ部材2の内部で結露することにより、光学素子の透過率が低下するといった可能性を低減できる。また、結露によってレーザ素子10において通電中にショートが発生するといった可能性も低減することができる。
【0042】
なお、キャップ部材2の側壁に形成する穴16a、16bの数は、1つでもよい。但し、この場合その穴の位置が放熱台5の外周面27と対向する領域に位置すると、キャップ部材2の側壁の内周面と放熱台5の外周面27とが接触している場合に、放熱台5の外周面によってキャップ部材2の側壁面の穴が塞がれてしまう。このような場合には、キャップ部材2の内側に侵入した水蒸気をその穴からキャップ部材2の外部に放出することが困難になる。
【0043】
そのため、穴が1つしか形成されていない場合には、その穴が放熱台5によって完全に塞がれてしまわないようにすることが好ましい(たとえば、穴の大きさをある程度大きくして、放熱台5の外周面27の端部においてキャップ部材2の穴の一部のみが放熱台5の外周面27と重なるようにするといった対応を行なってもよい)。しかし、この場合、キャップ部材2の回転方向性が発生してしまうことになる。
【0044】
そこで、図1および図2に示すように、キャップ部材2の中心軸(円筒軸)に対してほぼ対称な位置に2つの穴16a、16b、あるいは3つ以上の穴(複数の穴)を形成することが好ましい。このようにすれば、1個の穴(たとえば穴16b)が放熱台5の外周面27に塞がれた場合(たとえば、後述するようにレーザ溶接などによってこの穴16bの近傍のキャップ部材2の側壁部分が放熱台5の外周面27と接着固定されたような場合)であっても、もう一方の穴(たとえば穴16a)は放熱台5によって塞がれることはない。このため、この穴16aからキャップ部材2の内部の水蒸気などをキャップ部材2の外部へと容易に放出することができる。つまり、キャップ部材2の内部に侵入した水蒸気などのガスをキャップ部材2の外部に放出する効果を小さくすることなく、かつキャップ部材の方向性を考慮することなく、ステム3へキャップ部材2を接着固定する作業を容易に行なうことができる。
【0045】
また、上記半導体レーザ装置1において、キャップ部材2とステム3とは、キャップ部材2の側壁の内周側において穴16bと隣接する部分が放熱台5の外周面27とレーザ溶接により固着されることにより固定されていてもよい。この場合、キャップ部材2の側壁と放熱台5の外周面27とが面接触しているような状態であっても、キャップ部材2の穴16bの内壁部分と放熱台5の外周面27との境界部に、穴16bを介してレーザ光を照射することで、当該境界部においてキャップ部材2と放熱台5とを容易に溶接固定できる。
【0046】
次に、図3〜図9を参照して、図1および図2に示した半導体レーザ装置の製造方法を説明する。
【0047】
図3は、図1に示した半導体レーザ装置の製造方法を説明するためのフローチャートを示す図である。図4は、図3に示したキャップ部材準備工程を説明するためのフローチャートを示す図である。図5は、図4に示した材料準備工程を説明するための模式図である。図6は、図4に示した穴を形成する工程を説明するための模式図である。図7は、図4に示したプレス工程を説明するための模式図である。図8は、図3に示したキャップ部材準備工程によって得られるキャップ部材を示す斜視模式図である。図9は、図3に示したレーザ溶接工程を説明するための模式図である。
【0048】
図3に示すように、図1に示した半導体レーザ装置の製造方法は、キャップ部材準備工程(S100)と、半導体レーザ素子を搭載したステムを準備する工程(S200)と、レーザ溶接工程(S300)とを備える。このキャップ部材準備工程(S100)においては、具体的には、図4に示すように、まず材料準備工程(S110)が実施される。
【0049】
この材料準備工程(S110)においては、図5に示すようにキャップ部材2(図1参照)となるべき材料20が準備される。材料20は、形成されるべきキャップ部材2の形状に合わせてその外形が成形されている。ここでは、材料20は平面形状が円盤状である板状の材料である。
【0050】
次に、キャップ部材準備工程(S100)(図3参照)においては、図4に示すように、穴を形成する工程(S120)が実施される。この穴を形成する工程(S120)においては、図6に示すように、キャップ部材2(図2参照)のレーザ光出射用穴15およびキャップ部材2の側壁に形成された状態となるべき穴16a、16bが材料20に形成される。これらの穴15、16a、16bを形成する方法としては、たとえばダイとポンチとを用いて材料20から穴15、16a、16bが形成されるべき部分の材料を打ち抜いて除去するといった方法を用いることができる。
【0051】
次に、キャップ部材準備工程(S100)(図3参照)においては、プレス工程(S130)が実施される。このプレス工程(S130)においては、図7に示すように、平面形状が円形状の凹部23が形成されたダイ21と、この凹部23の内部に挿入可能なサイズのポンチ22との間に図6に示した材料20が配置される。そして、矢印24に示す方向にポンチ22をダイ21へと相対的に移動させることにより、材料20をダイ21の凹部23に沿った形状に(すなわちカップ状に)塑性変形させる。その後、ポンチ22を矢印24に示した方向と逆方向に、ダイ21から相対的に離れるように移動させることにより、凹部23の内部からポンチ22を取出す。このような工程を実施することにより、図8に示すようなキャップ部材2を得ることができる。このようにして、キャップ部材準備工程(S100)(図3参照)が実施される。なお、プレス工程(S130)の後に、キャップ部材2においてステム3と接触する端部の平坦性を確保するため、当該端部を加工する加工工程を実施してもよい。この加工工程としては、たとえば切削加工などを行なってもよい。
【0052】
次に、図3に示した半導体レーザ素子を搭載したステムを準備する工程(S200)を実施する。この工程では、別途用意したステム3(図2参照)の放熱台5(図2参照)における素子設置面18の所定位置に、レーザ素子10(図2参照)を接続固定すると共に、レーザ素子10の電極とリード端部8(図2参照)などとを導電線からなる接続線9により電気的に接続する。
【0053】
次に、図3に示したレーザ溶接工程(S300)が実施される。具体的には、レーザ素子10を搭載し所定の接続線9の配置などが終了したステム3の基準面7上にキャップ部材2を被せる工程を実施する。このとき、キャップ部材2はステム3の放熱台5を覆うとともに、キャップ部材2の側壁の2つの穴16a、16bのうちにいずれか1つ(具体的には穴16b)が放熱台5の外周側壁と重なるように、キャップ部材2は配置される。そして、穴16bが放熱台5の外周面と重なる位置に配置された状態で、矢印25に示すようにレーザ光を穴16bに照射する。このようにして、穴16bの内壁(つまり穴16bに隣接するキャップ部材2の側壁)および穴16bと対向する放熱台5の外周面の部分をレーザ光で溶融した後凝固させることにより、放熱台5の外周面の一部とキャップ部材2の側壁の一部とをレーザ溶接する。この結果、キャップ部材2とステム3とが接続固定される。
【0054】
このようにすれば、従来のように抵抗溶接を用いてキャップ部材2とステム3とを接続する必要がないので、キャップ部材2とステム3の基準面7との接続部において、キャップ部材2にプロジェクション部(フランジ部)を形成する必要がない。そのため、キャップ部材2の端部とステムの基準面7(図2参照)の外周端における位置決め用溝11c(図2参照)の底部との間の距離W1(図2参照)を大きくすることができる。
【0055】
このようにして、図1に示した半導体レーザ装置を得ることができる。
上述した半導体レーザ装置の製造方法の特徴的な構成を要約すれば、この発明に従った半導体レーザ装置の製造方法は、図3に示すように、台座部材を準備する工程としての半導体レーザ素子を搭載したステムを準備する工程(S200)、キャップ部材を準備する工程(S100)、キャップ部材と素子搭載部との接触部をレーザ溶接する工程としてのレーザ溶接工程(S300)を備える。ステムを準備する工程(S200)では、基準面7を有する本体部4と、本体部4の基準面7上に位置し、レーザ素子10を搭載した素子搭載部としての放熱台5とを含む台座部材としてのステム3を準備する。
【0056】
キャップ部材を準備する工程(S100)では、放熱台5を覆うことが可能であって、放熱台5の外周面27と対向する側壁には穴16a、16bが形成されているキャップ部材2を準備する。接触部を溶接する工程としてのレーザ溶接工程(S300)では、図9に示すようにステム3の基準面7上において放熱台5を覆うとともに、穴16a、16bが形成された側壁の内周面が放熱台5の外周面27と接触するようにキャップ部材2を設置する。この状態で、穴16bからキャップ部材2と放熱台5との接触部(境界部)にレーザ光を照射することにより当該接触部をレーザ溶接する。このようにすれば、本発明による半導体レーザ装置1を容易に製造できる。
【0057】
また、この発明に従った半導体レーザ装置の製造方法は、図1〜図2に示したような半導体レーザ装置1(すなわち、基準面7を有する本体部4と、本体部4の基準面7上に位置し、レーザ素子10を搭載する素子搭載部としての放熱台5とを含む台座部材としてのステム3と、放熱台5を覆うように、ステム3の基準面7上に設置されるキャップ部材2とを備え、キャップ部材2において放熱台5と対向する側壁には穴16bが形成され、キャップ部材2の側壁の内周側において穴16bと隣接する部分が放熱台5の外周面27と固着することにより、キャップ部材2とステム3とは固定されている、半導体レーザ装置1)の製造方法であって、図4に示すようにキャップ部材となるべき材料を準備する工程としての材料準備工程(S110)と、材料に穴を形成する工程(S120)と、図7に示すように穴16a、16bの形成された材料20をプレス加工することにより、キャップ部材2を成形する工程としてのプレス工程(S130)とを備える。この場合、半導体レーザ装置1を構成するキャップ部材2を容易に得ることができる。
【0058】
図10は、図1および図2に示した半導体レーザ装置の変形例を示す分解模式図である。図10を参照して、図1および図2に示した半導体レーザ装置の実施の形態1の変形例を説明する。
【0059】
図10に示した半導体レーザ装置は、基本的には図1および図2に示した半導体レーザ装置と同様の構造を備えるが、キャップ部材2の端部(ステム3の基準面7と当接する部分)の構造が異なる。すなわち、キャップ部材2の端部にはプロジェクション部12が形成されている。キャップ部材2のプロジェクション部12とステム3の基準面7とはたとえば抵抗溶接により接続固定されている。
【0060】
つまり、上述した本発明による半導体レーザ装置1の特徴的な構成を要約すれば、半導体レーザ装置1は、図1および図2に示した半導体レーザ装置の構成に加えて、基準面7に対向するキャップ部材2の端部を構成するプロジェクション部12と本体部4の基準面7との接合部(キャップ溶接部13)が抵抗溶接により固着されている。
【0061】
この場合、穴16bが形成された部分(キャップ部材2の側壁の一部)と放熱台5の外周面とをレーザ溶接により接続固定するのに加えて、抵抗溶接によりキャップ部材2とステム3とを接続固定できるので、キャップ部材2とステム3とをより強固に接続することができる。なお、上述したレーザ溶接と抵抗溶接とのいずれか一方のみによりキャップ部材2とステム3とを接続固定してもよい。
【0062】
(実施の形態2)
図11は、本発明による半導体レーザ装置の実施の形態2を示す斜視模式図である。図12は、図11に示した半導体レーザ装置の分解模式図である。図13は、図12に示した放熱台の形状を説明するための模式図である。図11〜図13を参照して、本発明による半導体レーザ装置の実施の形態2を説明する。
【0063】
図11〜図13に示すように、半導体レーザ装置1は、基本的には図1および図2に示した半導体レーザ装置と同様の構造を備えるが、キャップ部材2の側壁に形成された穴16a〜16fの数および放熱台5(図12参照)の形状が異なる。図11〜図13に示した半導体レーザ装置では、キャップ部材2に図12に示すように6個の穴16a〜16fが形成されている。これらの穴16a〜16fはキャップ部材2の中心軸35(円筒軸)に対して対称な位置に形成されている。また、放熱台5の開き角θは60°である。ここで、放熱台5の開き角θは、図13に示すように、放熱台5の2つの側壁19に沿って延びる線分を考え、その線分が交差する点(仮想点31)を考えた場合、この仮想点31を中心とした側壁19の間の角度(2つの線分が交差する角度)をいう。なお、仮想点31は、ステム3の基準面7における中心点であることが好ましい。また、仮想点31は、放熱台5の外周面27により構成される円弧を含む円の中心点であってもよい。
【0064】
そして、キャップ部材2の穴16a〜16fのうちの1つが形成されたキャップ部材2の側壁部分(たとえばキャップ部材2の側壁において穴16aに隣接する部分)と、放熱台5の外周面27とが接触した部分において、キャップ部材2の側壁の一部をレーザ溶接によって放熱台5の外周面に溶着することにより、キャップ部材2とステム3とは接続固定されている。
【0065】
ここで、放熱台5の開き角θが60°である場合に、キャップ部材2の側壁面の穴16a〜16fは、キャップ部材2の中心軸35(円筒軸)に対して対称な位置にそれぞれ形成されている。このため、穴16a〜16fのうちの最低でも1つの穴は必ず放熱台5の外周面27と重なる位置に配置されることになる。このため、キャップ部材2の回転方向性(穴16a〜16fの位置)を考慮せずに、ステム3に対してキャップ部材2を固定する工程(具体的には、図3に示したレーザ溶接工程(S300))を実施できる。
【0066】
また、図1および図2に示した半導体レーザ装置と同様に、キャップ部材2をステム3に接続固定する場合に抵抗溶接を実施する必要がないので、キャップ部材2の端部にプロジェクション部などを形成する必要はない。したがって、キャップ部材2をステム3の基準面7に取付けた場合のキャップ部材2の端部と位置決め用溝11cの底部との間の距離W2を0.3mm程度と比較的大きくできる(キャップ部材2の端部より外側に位置するステム3の基準面7の部分の面積を比較的大きくできる)。
【0067】
この距離W2を約0.3mm程度とした場合、この距離W2の値は従来のステム3の直径Dが5.6mmである半導体レーザ装置における距離W2の値と同程度の大きさである。このため、半導体レーザ装置1を光ディスクドライブ装置などに組み込む場合(たとえば光ディスク用ピックアップ装置などに組み込む場合)に、半導体レーザ装置1の取付け位置の基準面として半導体レーザ装置1のキャップ部材2の端部とステム3の基準面7の外縁部との間の領域を利用できる。したがって、半導体レーザ装置1の回転位置調整を従来の比較的大きな半導体レーザ装置(たとえば直径Dが5.6mm程度の半導体レーザ装置)と同様に容易に行なうことができる。
【0068】
上述した半導体レーザ装置1の特徴的な構成を要約すれば、本発明の実施の形態1に示した半導体レーザ装置の構成において、キャップ部材2の側壁に形成された穴16a〜16fの数をnとした場合、キャップ部材2の側壁と対向する素子搭載部としての放熱台5の外周面27において、基準面7に沿った方向における両端部(2つの端部28)が本体部4の基準面7の中心としての仮想点31に対して形成する開き角度θが360°/n以上となっていてもよい。なお、穴16a〜16fの直径は、たとえば0.25mm以上1mm以下としてもよい。また、穴16a〜16fの位置は、放熱台5の外周面27において、ステム3の基準面7に対してほぼ垂直な方向における実質的に中央(中間)となる位置としてもよい。
【0069】
この場合、放熱台5を覆うようにキャップ部材2を配置したときに、n個の穴のうちの少なくとも1つ(つまり、図11および図12に示した半導体レーザ装置1における穴16a、または図1および図2に示した半導体レーザ装置1における穴16b)が、いつも放熱台5の外周面27と対向することになる。このため、中心軸35を中心としたキャップ部材2の回転方向をあまり気にすることなく、キャップ部材2をステム3に取付けることができる。
【0070】
また、複数の穴のうちのどれか1つ(図11に示した半導体レーザ装置においては6つの穴16a〜16fのうちの1つである穴16a、また図1に示した半導体レーザ装置1においては2つの穴16a、16bのうちの1つである穴16b)が必ず放熱台5の外周面27と対向する位置(外周面27に面する位置)に配置されることになるので、放熱台5の外周面27とキャップ部材2の穴16a(図12参照)、または穴16b(図2参照)が形成された部分の近傍の壁面との間を容易にレーザ溶接により接続固定できる。
【0071】
また、穴の数nは任意の数であってもよい。たとえば、図1および図2に示したように、上記半導体レーザ装置1においては、キャップ部材2の側壁に形成された穴16a、16bの数nが2であってもよく、放熱台5の開き角度θが実質的に180°となっていてもよい。穴16a、16bは、中心軸35から見て互いに対称な位置に配置されていることが好ましい。この場合、キャップ部材2に形成する穴の数が少ないことからキャップ部材2の作成が容易であるとともに、キャップ部材2を放熱台5に被せた場合に放熱台5の外周面27にかならずキャップ部材2の穴(穴16a、16bのうちのいずれか一方(穴16b))を対向させることができる。
【0072】
また、図11および図12に示すように、上記半導体レーザ装置1において、キャップ部材2の側壁に形成された穴16a〜16fの数nが6であってもよく、放熱台5の開き角度θが実質的に60°となっていてもよい。また、放熱台5の開き角度θは60゜以上であってもよい。
【0073】
このように、放熱台5の開き角度θを60゜程度にすれば、放熱台5に搭載されたレーザ素子10の横に、ステム3の構造物(たとえばレーザ素子10と電気的に接続されるリード端部8など)を容易に配置することができる。また、キャップ部材2に形成される6個の穴16a〜16fは、キャップ部材2の中心軸35から見て互いに対称な位置に形成されていることが好ましい。この場合、キャップ部材2を放熱台5に被せたときに、放熱台5の外周面27と対向する位置にキャップ部材2の複数の穴16a〜16fのうちの1つ(穴16a)を確実に配置できる。そのため、穴16aが形成された部分においてキャップ部材2と放熱台5とをレーザ溶接などを用いて容易に接続固定できる。
【0074】
また、穴の数nはたとえば3〜5、あるいは7以上の数(整数)であってもよい。また、形成される穴は、上述のようにキャップ部材2の中心軸35から見て互いに対称な位置に形成されることが好ましい。なお、穴の数nがある程度大きい場合、穴の位置は、上述した中心軸35から見て互いに対称な位置からある程度ずれていてもよい。この場合、形成された複数の穴(たとえば穴16a〜16f)において、隣接する2つの穴が中心軸35に対して形成する角度が、放熱台5の開き角度θより小さくなるようにすることが好ましい。
【0075】
また、上記半導体レーザ装置1において、キャップ部材2の外形は円筒形状である。キャップ部材2の延びる方向に沿った中心軸35(またはキャップ部材2をステム3に取付ける際の取付け方向(矢印26に示す方向)に沿ったキャップ部材2の中心軸35)がステム3の本体部4の基準面7に実質的に垂直な方向とほぼ平行になるように、キャップ部材2はステム3の基準面7上に設置されていてもよい。この場合、円筒形状のキャップ部材2をその中心軸35に沿って回転させることにより、キャップ部材2の側壁の穴16a(図12参照)または穴16b(図2参照)をステム3の放熱台5の外周面27に面する位置に容易に配置することができる。
【0076】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0077】
【発明の効果】
このように、本発明によれば、半導体レーザ装置においてキャップ部材をステムに溶接するためにキャップ部材の端部にプロジェクション部を形成する必要がないので、半導体レーザ装置を小型化した場合に、キャップ部材の端部より外側に位置するステムの台座部材の部分の面積を十分確保することができる。このため、上記ステムの台座部材においてキャップ部材の端部より外側に位置する部分を用いて半導体レーザ装置の位置合わせを行なうことができるので、半導体レーザ装置において小型化を図るとともに位置精度を高く保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による半導体レーザ装置の実施の形態1を示す斜視模式図である。
【図2】図1に示した半導体レーザ装置の分解模式図である。
【図3】図1に示した半導体レーザ装置の製造方法を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図4】図3に示したキャップ部材準備工程を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図5】図4に示した材料準備工程を説明するための模式図である。
【図6】図4に示した穴を形成する工程を説明するための模式図である。
【図7】図4に示したプレス工程を説明するための模式図である。
【図8】図3に示したキャップ部材準備工程によって得られるキャップ部材を示す斜視模式図である。
【図9】図3に示したレーザ溶接工程を説明するための模式図である。
【図10】図1および図2に示した半導体レーザ装置の変形例を示す分解模式図である。
【図11】本発明による半導体レーザ装置の実施の形態2を示す斜視模式図である。
【図12】図11に示した半導体レーザ装置の分解模式図である。
【図13】図12に示した放熱台の形状を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ装置、2 キャップ部材、3 ステム、4 本体部、5 放熱台、6 リード、7 基準面、8 リード端部、9 接続線、10 レーザ素子、11a〜11c 位置決め用溝、12 プロジェクション部、13 キャップ溶接部、14 端部位置、15 レーザ光出射用穴、16a〜16f 穴、18 素子設置面、19 側壁、20 材料、21 ダイ、22 ポンチ、23 凹部、24〜26 矢印、27 外周面、28 端部、31 仮想点、35 中心軸。
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体レーザ装置およびその製造方法に関し、より特定的には、小型化が可能であって高い信頼性を有する半導体レーザ装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ディスクドライブ装置などに用いられる半導体レーザ装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1では、レーザ素子が設置された台座部材に、レーザ素子を覆うようにキャップ部材が接続固定されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−142813号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した光ディスクドライブ装置はその小型化が求められており、これに伴って半導体レーザ装置についても、そのサイズの小型化が求められる。
【0006】
一方、光ディスクドライブ装置に半導体レーザ装置を組込む際には、半導体レーザ装置の位置を精度良く決定する必要がある。このとき、キャップ部材が接続された台座部材の面においてキャップ部材より外側に位置する部分を基準面として用いて、半導体レーザ装置の位置合せを行なう。ここで、半導体レーザ装置の小型化に伴って、上記基準面として用いる部分の面積も小さくなってきている。このため、光ディスクドライブ装置への半導体レーザ装置の組込み作業において、半導体レーザ装置の位置精度を高く保つことが困難になってきている。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、小型化を図るとともに、その位置精度を高く保つことが可能な半導体レーザ装置およびその製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に従った半導体レーザ装置は、台座部材とキャップ部材とを備える。台座部材は、基準面を有する本体部と、本体部の基準面上に位置し、レーザ素子を搭載する素子搭載部とを含む。キャップ部材は、素子搭載部を覆うように、台座部材の基準面上に設置される。キャップ部材において素子搭載部と対向する側壁には穴が形成されている。キャップ部材の側壁の内周側において穴と隣接する部分が素子搭載部の外周面と固着することにより、キャップ部材と台座部材とは固定されている。
【0009】
この場合、キャップ部材の側壁において穴が開いた部分と台座部材の素子搭載部の外周面とを固着させることにより、キャップ部材を台座部材に固定することができる。そのため、台座部材の基準面と、この基準面に接触するキャップ部材の端面との間を接続固定する必要が無いので、キャップ部材の端面において接続固定のためのプロジェクション部(つば部)を形成する必要がない。このため、半導体レーザ装置の小型化を図る場合に、キャップ部材の端面より外側に位置する台座部材の基準面の面積を十分確保することが可能になる。この結果、半導体レーザ装置のサイズを小さくした場合に、台座部材の基準面においてキャップ部材の端面より外側の領域を利用して半導体レーザ装置の位置合わせを行なうことができる。
【0010】
上記半導体レーザ装置において、キャップ部材の側壁には穴が2つ以上(複数)形成されていてもよい。2つ以上の穴は、キャップ部材を台座部材に取付ける際の取付け方向に沿ったキャップ部材の中心軸から見て、互いに対称な位置にそれぞれ形成されていてもよい。
【0011】
この場合、キャップ部材の側壁に形成された複数の穴のうちの一つと台座部材の素子搭載部の外周面との位置合せを容易に行なうことができる。
【0012】
また、台座部材の素子搭載部の外周面の両端部と、台座部材の基準面の中心との成す角度が180°である場合、素子搭載部を覆うようにキャップ部材を配置すれば、かならず複数の穴のうちの1つが素子搭載部の外周面と対向する位置に配置されることになる。このため、キャップ部材の中心軸に対するキャップ部材の回転角度をあまり気にすることなく、キャップ部材と台座部材の素子搭載部との間の接続を行うことができる。
【0013】
上記半導体レーザ装置において、キャップ部材の外形は円筒形状であってもよい。キャップ部材の延びる方向に沿った中心軸(またはキャップ部材を台座部材に取付ける際の取付け方向に沿ったキャップ部材の中心軸)の方向が台座部材の本体部の基準面に実質的に垂直な方向とほぼ平行になるように、キャップ部材は台座部材の基準面上に設置されていてもよい。
【0014】
この場合、円筒形状のキャップ部材をその中心軸に沿って回転させることにより、キャップ部材の側壁の穴を台座部材の素子搭載部の外周面に面する位置に容易に配置することができる。
【0015】
上記半導体レーザ装置において、キャップ部材の側壁に形成された穴の数をnとした場合、キャップ部材の側壁と対向する素子搭載部の外周面において、基準面に沿った方向における両端部が本体部の基準面の中心に対して形成する開き角度は360°/n以上となっていてもよい。
【0016】
この場合、素子搭載部を覆うようにキャップ部材を配置したときに、n個の穴のうちの少なくとも1つが、いつも素子搭載部の外周面と対向することになる。このため、中心軸を中心としたキャップ部材の回転方向をあまり気にすることなく、キャップ部材を台座部材に取付けることができる。
【0017】
また、穴のうちのどれか1つが必ず素子搭載部の外周面と対向する位置(外周面に面する位置)に配置されることになるので、素子搭載部の外周面とキャップ部材の穴が形成された部分の近傍の壁面との間を容易に接続固定できる(たとえば、レーザ溶接による接続固定を容易に行なうことができる)。
【0018】
上記半導体レーザ装置において、キャップ部材の側壁に形成された穴の数nは2であってもよく、素子搭載部の開き角度が実質的に180°となっていてもよい。
【0019】
この場合、キャップ部材に形成する穴の数が少ないことからキャップ部材の作成が容易であるとともに、キャップ部材を素子搭載部に被せた場合に素子搭載部の外周面にかならずキャップ部材の穴を対向させることができる。
【0020】
上記半導体レーザ装置において、キャップ部材の側壁に形成された穴の数nは6であってもよく、素子搭載部の開き角度が実質的に60°となっていてもよい。また、素子搭載部の開き角度は60゜以上であってもよい。
【0021】
このように、素子搭載部の開き角度を60゜程度にすれば、素子搭載部に搭載されたレーザ素子の横に、台座部材の構造物(たとえばレーザ素子と電気的に接続されるリードピンなどの導電体)を容易に配置することができる。また、キャップ部材に形成される6個の穴は、キャップ部材の中心軸から見て互いに対称な位置に形成されていることが好ましい。この場合、キャップ部材を素子搭載部に被せたときに、素子搭載部の外周面と対向する位置にキャップ部材の穴を確実に配置できる。そのため、穴の部分においてキャップ部材と素子搭載部とをレーザ溶接などを用いて容易に接続固定できる。
【0022】
上記半導体レーザ装置において、キャップ部材と台座部材とは、キャップ部材の側壁の内周側において穴と隣接する部分が素子搭載部の外周面とレーザ溶接により固着されることにより固定されていてもよい。
【0023】
この場合、キャップ部材の側壁と素子搭載部の外周面とが面接触しているような状態であっても、キャップ部材の穴の部分にレーザ光を照射することで、当該部分においてキャップ部材と素子搭載部とを容易に溶接固定できる。
【0024】
上記半導体レーザ装置において、基準面に対向するキャップ部材の端部と本体部の基準面との接合部が抵抗溶接により固着されていてもよい。
【0025】
この場合、キャップ部材と台座部材とをより確実に接続固定できる。
この発明に従った半導体レーザ装置の製造方法は、台座部材を準備する工程、キャップ部材を準備する工程、キャップ部材と素子搭載部との接触部をレーザ溶接する工程を備える。台座部材を準備する工程では、基準面を有する本体部と、本体部の基準面上に位置し、レーザ素子を搭載した素子搭載部とを含む台座部材を準備する。キャップ部材を準備する工程では、素子搭載部を覆うことが可能であって、素子搭載部の外周面と対向する側壁には穴が形成されているキャップ部材を準備する。接触部を溶接する工程では、台座部材の基準面上において素子搭載部を覆うとともに、穴が形成された側壁の内周面が素子搭載部の外周面と接触するようにキャップ部材を設置した状態で、穴からキャップ部材と素子搭載部との接触部にレーザ光を照射することにより接触部をレーザ溶接する。
【0026】
このようにすれば、本発明による半導体レーザ装置を容易に製造できる。
この発明に従った半導体レーザ装置の製造方法は、基準面を有する本体部と、本体部の基準面上に位置し、レーザ素子を搭載する素子搭載部とを含む台座部材と、素子搭載部を覆うように、台座部材の基準面上に設置されるキャップ部材とを備え、キャップ部材において素子搭載部と対向する側壁には穴が形成され、キャップ部材の側壁の内周側において穴と隣接する部分が素子搭載部の外周面と固着することにより、キャップ部材と台座部材とは固定されている、半導体レーザ装置の製造方法であって、キャップ部材となるべき材料を準備する工程と、材料に穴を形成する工程と、穴の形成された材料をプレス加工することにより、キャップ部材を成形する工程とを備える。
【0027】
この場合、半導体レーザ装置を構成するキャップ部材を容易に得ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
【0029】
(実施の形態1)
図1は、本発明による半導体レーザ装置の実施の形態1を示す斜視模式図である。図2は、図1に示した半導体レーザ装置の分解模式図である。図1および図2を参照して、本発明による半導体レーザ装置の実施の形態1を説明する。
【0030】
図1および図2に示すように、半導体レーザ装置1は、台座部材としてのステム3と、ステム3の基準面7に取付けられた放熱台5に設置されたレーザ素子10と、素子搭載部としての放熱台5およびレーザ素子10を囲むように配置されたキャップ部材2とを備える。ステム3は基準面7を有する本体部4と放熱台5とを含む。ステム3の本体部4には、3本のリード6が設置されている。具体的には、本体部4では、基準面7側からこの基準面7と反対側に位置する裏面側にまで2本のリード6が貫通するように配置されている。また、もう1本のリードが本体部4の裏面側に設置されている。このもう1本のリード6は本体部4の基準面7と電気的に接続されている。ステム3の本体部4の側壁面には、位置決め用溝11a〜11cが形成されている。基準面7の平面形状は円形状である。
【0031】
本体部4の基準面7上に設置された放熱台5は、その開き角θが180°である。すなわち、放熱台5においてレーザ素子10が搭載される素子設置面18はほぼ平坦な平面状であり、キャップ部材2側から見た場合の放熱台5の形状は半円形状となっている。放熱台5の素子設置面18に搭載されたレーザ素子10は、接続線9によりリード端部8と電気的に接続されている。接続線9の材料としてはたとえば金などの導電体を用いることができる。
【0032】
ステム基準面7の外径Dはたとえば3.3mmである。また、ステム3の基準面7上にキャップ部材2を配置した場合のキャップ部材の端部位置14と位置決め用溝11cの溝の底部との間の距離W1はたとえば0.1mmである。なお、このようにキャップ部材2を基準面7上に搭載した場合にキャップ部材2の端部と位置決め用溝11cとの間の距離(つまり、キャップ部材の端部位置14と位置決め用溝11cの底部との間の距離W1)については、ある程度の大きさが必要である。これは、半導体レーザ装置1を光ディスク用ピックアップ装置などに組み込む際に、この基準面7がレーザ装置を取付ける際の取付け位置の基準面となるからである。
【0033】
また、上記のような部分(キャップ部材の端部位置14と位置決め用溝11cの底部との間に位置する基準面7の外縁部)は半導体レーザ装置1の回転位置を調整する際にも必要となる。このため、上記距離W1は0.3mm程度とすることがより好ましい。この場合、この距離W1の値は、ステム3の基準面7の直径Dが5.6mm程度である半導体レーザ装置における距離W1の値と同程度の大きさとなる。このため、直径Dが比較的小さい半導体レーザ装置において、半導体レーザ装置の取付け位置の基準面として用いる領域(上記外縁部)の面積を大きくすることができるので、半導体レーザ装置1を光ディスク用ピックアップに組み込む際、半導体レーザ装置1の回転位置調整を、直径Dが5.6mm程度である従来の半導体レーザ装置の場合と同様に簡単に行なうことができる。
【0034】
また、キャップ部材2をステム3に取付ける場合、ステム3の外周とキャップ部材2の端部における位置決め用溝11cの底部との間の距離(余地)W1が約0.3mm程度あれば、従来の直径Dが5.6mm程度の半導体レーザ装置と同様の位置精度で、ステム3とキャップ部材2とを接合することができる。このため、キャップ部材2やステム3などの寸法のばらつきを考慮しても、容易にステム3とキャップ部材2とを接合することができる。
【0035】
なお、キャップ部材2には、その底面にレーザ光出射用穴15が形成されている。また、キャップ部材2においては、その側壁に穴16a、16bが形成されている。穴16a、16bは、キャップ部材2の中心軸(円筒軸)を中心としてほぼ対称な位置に形成されている。
【0036】
上述した本発明に従った半導体レーザ装置の特徴的な構成を要約すれば、半導体レーザ装置1は、台座部材としてのステム3とキャップ部材2とを備える。ステム3は、基準面7を有する本体部4と、本体部4の基準面上に位置し、レーザ素子10を搭載する素子搭載部としての放熱台5とを含む。キャップ部材2は、放熱台5を覆うように、ステム3の基準面7上に設置される。キャップ部材2において放熱台5と対向する側壁には穴16bが形成されている。キャップ部材2の側壁の内周側において穴16bと隣接する部分が放熱台5の外周面27と固着することにより、キャップ部材2とステム3とは固定されている。
【0037】
このようにすれば、キャップ部材2の側壁において穴16bに隣接する部分とステム3の放熱台5の外周面27とを固着させることにより、キャップ部材2をステム3に固定することができる。そのため、ステム3の基準面7と、この基準面7に接触するキャップ部材2の端面との間を抵抗溶接などにより接続固定する必要が無いので、キャップ部材2の端面において接続固定のためのプロジェクション部(つば部)を形成する必要がない。このため、半導体レーザ装置1の小型化を図る場合に、キャップ部材2の端面より外側に位置するステム3の基準面7の面積を十分確保することが可能になる。この結果、半導体レーザ装置1のサイズを小さくした場合に、ステム3の基準面7においてキャップ部材2の端面より外側の領域を利用して半導体レーザ装置1の位置合わせを行なうことができる。
【0038】
また、上記半導体レーザ装置1において、キャップ部材の側壁には2つの穴16a、16bが形成されているが、この穴は2つ以上形成されていてもよい。2つ以上の穴は、キャップ部材2をステム3に取付ける際の取付け方向(図2の矢印26に示す方向)に沿ったキャップ部材2の中心軸(円筒軸)から見て、互いに対称な位置にそれぞれ形成されていてもよい。
【0039】
この場合、キャップ部材2の側壁に形成された穴の内の一つとステム3の放熱台5の外周面27との位置合せを容易に行なうことができる。
【0040】
また、図2に示すように、ステム3の放熱台5の外周面27における両方の端部28と、ステム3の基準面7の中心との成す角度(開き角度θ)が180°である場合、放熱台5を覆うようにキャップ部材2を配置すれば、かならず複数の穴のうちの1つ(図2においては2つの穴16a、16bのうちの1つである穴16b)が放熱台5の外周面27と対向する位置に配置されることになる。このため、キャップ部材2の中心軸に対するキャップ部材2の回転角度をあまり気にすることなく、キャップ部材2とステム3の放熱台5との間の接続を行うことができる。
【0041】
また、キャップ部材2の側壁に穴16a、16bを形成しているので、キャップ部材2上に接着剤などで光学素子を取付けることにより、レーザ光出射用穴15を塞いだ状態となっても、上記接着剤を通してキャップ部材2の内部に侵入した水蒸気などを、この穴16a、16bのいずれか(放熱台5の外周面27により塞がれていない穴)からキャップ部材2の外部へと排出することができる。このため、上述した水蒸気がキャップ部材2の内部で結露することにより、光学素子の透過率が低下するといった可能性を低減できる。また、結露によってレーザ素子10において通電中にショートが発生するといった可能性も低減することができる。
【0042】
なお、キャップ部材2の側壁に形成する穴16a、16bの数は、1つでもよい。但し、この場合その穴の位置が放熱台5の外周面27と対向する領域に位置すると、キャップ部材2の側壁の内周面と放熱台5の外周面27とが接触している場合に、放熱台5の外周面によってキャップ部材2の側壁面の穴が塞がれてしまう。このような場合には、キャップ部材2の内側に侵入した水蒸気をその穴からキャップ部材2の外部に放出することが困難になる。
【0043】
そのため、穴が1つしか形成されていない場合には、その穴が放熱台5によって完全に塞がれてしまわないようにすることが好ましい(たとえば、穴の大きさをある程度大きくして、放熱台5の外周面27の端部においてキャップ部材2の穴の一部のみが放熱台5の外周面27と重なるようにするといった対応を行なってもよい)。しかし、この場合、キャップ部材2の回転方向性が発生してしまうことになる。
【0044】
そこで、図1および図2に示すように、キャップ部材2の中心軸(円筒軸)に対してほぼ対称な位置に2つの穴16a、16b、あるいは3つ以上の穴(複数の穴)を形成することが好ましい。このようにすれば、1個の穴(たとえば穴16b)が放熱台5の外周面27に塞がれた場合(たとえば、後述するようにレーザ溶接などによってこの穴16bの近傍のキャップ部材2の側壁部分が放熱台5の外周面27と接着固定されたような場合)であっても、もう一方の穴(たとえば穴16a)は放熱台5によって塞がれることはない。このため、この穴16aからキャップ部材2の内部の水蒸気などをキャップ部材2の外部へと容易に放出することができる。つまり、キャップ部材2の内部に侵入した水蒸気などのガスをキャップ部材2の外部に放出する効果を小さくすることなく、かつキャップ部材の方向性を考慮することなく、ステム3へキャップ部材2を接着固定する作業を容易に行なうことができる。
【0045】
また、上記半導体レーザ装置1において、キャップ部材2とステム3とは、キャップ部材2の側壁の内周側において穴16bと隣接する部分が放熱台5の外周面27とレーザ溶接により固着されることにより固定されていてもよい。この場合、キャップ部材2の側壁と放熱台5の外周面27とが面接触しているような状態であっても、キャップ部材2の穴16bの内壁部分と放熱台5の外周面27との境界部に、穴16bを介してレーザ光を照射することで、当該境界部においてキャップ部材2と放熱台5とを容易に溶接固定できる。
【0046】
次に、図3〜図9を参照して、図1および図2に示した半導体レーザ装置の製造方法を説明する。
【0047】
図3は、図1に示した半導体レーザ装置の製造方法を説明するためのフローチャートを示す図である。図4は、図3に示したキャップ部材準備工程を説明するためのフローチャートを示す図である。図5は、図4に示した材料準備工程を説明するための模式図である。図6は、図4に示した穴を形成する工程を説明するための模式図である。図7は、図4に示したプレス工程を説明するための模式図である。図8は、図3に示したキャップ部材準備工程によって得られるキャップ部材を示す斜視模式図である。図9は、図3に示したレーザ溶接工程を説明するための模式図である。
【0048】
図3に示すように、図1に示した半導体レーザ装置の製造方法は、キャップ部材準備工程(S100)と、半導体レーザ素子を搭載したステムを準備する工程(S200)と、レーザ溶接工程(S300)とを備える。このキャップ部材準備工程(S100)においては、具体的には、図4に示すように、まず材料準備工程(S110)が実施される。
【0049】
この材料準備工程(S110)においては、図5に示すようにキャップ部材2(図1参照)となるべき材料20が準備される。材料20は、形成されるべきキャップ部材2の形状に合わせてその外形が成形されている。ここでは、材料20は平面形状が円盤状である板状の材料である。
【0050】
次に、キャップ部材準備工程(S100)(図3参照)においては、図4に示すように、穴を形成する工程(S120)が実施される。この穴を形成する工程(S120)においては、図6に示すように、キャップ部材2(図2参照)のレーザ光出射用穴15およびキャップ部材2の側壁に形成された状態となるべき穴16a、16bが材料20に形成される。これらの穴15、16a、16bを形成する方法としては、たとえばダイとポンチとを用いて材料20から穴15、16a、16bが形成されるべき部分の材料を打ち抜いて除去するといった方法を用いることができる。
【0051】
次に、キャップ部材準備工程(S100)(図3参照)においては、プレス工程(S130)が実施される。このプレス工程(S130)においては、図7に示すように、平面形状が円形状の凹部23が形成されたダイ21と、この凹部23の内部に挿入可能なサイズのポンチ22との間に図6に示した材料20が配置される。そして、矢印24に示す方向にポンチ22をダイ21へと相対的に移動させることにより、材料20をダイ21の凹部23に沿った形状に(すなわちカップ状に)塑性変形させる。その後、ポンチ22を矢印24に示した方向と逆方向に、ダイ21から相対的に離れるように移動させることにより、凹部23の内部からポンチ22を取出す。このような工程を実施することにより、図8に示すようなキャップ部材2を得ることができる。このようにして、キャップ部材準備工程(S100)(図3参照)が実施される。なお、プレス工程(S130)の後に、キャップ部材2においてステム3と接触する端部の平坦性を確保するため、当該端部を加工する加工工程を実施してもよい。この加工工程としては、たとえば切削加工などを行なってもよい。
【0052】
次に、図3に示した半導体レーザ素子を搭載したステムを準備する工程(S200)を実施する。この工程では、別途用意したステム3(図2参照)の放熱台5(図2参照)における素子設置面18の所定位置に、レーザ素子10(図2参照)を接続固定すると共に、レーザ素子10の電極とリード端部8(図2参照)などとを導電線からなる接続線9により電気的に接続する。
【0053】
次に、図3に示したレーザ溶接工程(S300)が実施される。具体的には、レーザ素子10を搭載し所定の接続線9の配置などが終了したステム3の基準面7上にキャップ部材2を被せる工程を実施する。このとき、キャップ部材2はステム3の放熱台5を覆うとともに、キャップ部材2の側壁の2つの穴16a、16bのうちにいずれか1つ(具体的には穴16b)が放熱台5の外周側壁と重なるように、キャップ部材2は配置される。そして、穴16bが放熱台5の外周面と重なる位置に配置された状態で、矢印25に示すようにレーザ光を穴16bに照射する。このようにして、穴16bの内壁(つまり穴16bに隣接するキャップ部材2の側壁)および穴16bと対向する放熱台5の外周面の部分をレーザ光で溶融した後凝固させることにより、放熱台5の外周面の一部とキャップ部材2の側壁の一部とをレーザ溶接する。この結果、キャップ部材2とステム3とが接続固定される。
【0054】
このようにすれば、従来のように抵抗溶接を用いてキャップ部材2とステム3とを接続する必要がないので、キャップ部材2とステム3の基準面7との接続部において、キャップ部材2にプロジェクション部(フランジ部)を形成する必要がない。そのため、キャップ部材2の端部とステムの基準面7(図2参照)の外周端における位置決め用溝11c(図2参照)の底部との間の距離W1(図2参照)を大きくすることができる。
【0055】
このようにして、図1に示した半導体レーザ装置を得ることができる。
上述した半導体レーザ装置の製造方法の特徴的な構成を要約すれば、この発明に従った半導体レーザ装置の製造方法は、図3に示すように、台座部材を準備する工程としての半導体レーザ素子を搭載したステムを準備する工程(S200)、キャップ部材を準備する工程(S100)、キャップ部材と素子搭載部との接触部をレーザ溶接する工程としてのレーザ溶接工程(S300)を備える。ステムを準備する工程(S200)では、基準面7を有する本体部4と、本体部4の基準面7上に位置し、レーザ素子10を搭載した素子搭載部としての放熱台5とを含む台座部材としてのステム3を準備する。
【0056】
キャップ部材を準備する工程(S100)では、放熱台5を覆うことが可能であって、放熱台5の外周面27と対向する側壁には穴16a、16bが形成されているキャップ部材2を準備する。接触部を溶接する工程としてのレーザ溶接工程(S300)では、図9に示すようにステム3の基準面7上において放熱台5を覆うとともに、穴16a、16bが形成された側壁の内周面が放熱台5の外周面27と接触するようにキャップ部材2を設置する。この状態で、穴16bからキャップ部材2と放熱台5との接触部(境界部)にレーザ光を照射することにより当該接触部をレーザ溶接する。このようにすれば、本発明による半導体レーザ装置1を容易に製造できる。
【0057】
また、この発明に従った半導体レーザ装置の製造方法は、図1〜図2に示したような半導体レーザ装置1(すなわち、基準面7を有する本体部4と、本体部4の基準面7上に位置し、レーザ素子10を搭載する素子搭載部としての放熱台5とを含む台座部材としてのステム3と、放熱台5を覆うように、ステム3の基準面7上に設置されるキャップ部材2とを備え、キャップ部材2において放熱台5と対向する側壁には穴16bが形成され、キャップ部材2の側壁の内周側において穴16bと隣接する部分が放熱台5の外周面27と固着することにより、キャップ部材2とステム3とは固定されている、半導体レーザ装置1)の製造方法であって、図4に示すようにキャップ部材となるべき材料を準備する工程としての材料準備工程(S110)と、材料に穴を形成する工程(S120)と、図7に示すように穴16a、16bの形成された材料20をプレス加工することにより、キャップ部材2を成形する工程としてのプレス工程(S130)とを備える。この場合、半導体レーザ装置1を構成するキャップ部材2を容易に得ることができる。
【0058】
図10は、図1および図2に示した半導体レーザ装置の変形例を示す分解模式図である。図10を参照して、図1および図2に示した半導体レーザ装置の実施の形態1の変形例を説明する。
【0059】
図10に示した半導体レーザ装置は、基本的には図1および図2に示した半導体レーザ装置と同様の構造を備えるが、キャップ部材2の端部(ステム3の基準面7と当接する部分)の構造が異なる。すなわち、キャップ部材2の端部にはプロジェクション部12が形成されている。キャップ部材2のプロジェクション部12とステム3の基準面7とはたとえば抵抗溶接により接続固定されている。
【0060】
つまり、上述した本発明による半導体レーザ装置1の特徴的な構成を要約すれば、半導体レーザ装置1は、図1および図2に示した半導体レーザ装置の構成に加えて、基準面7に対向するキャップ部材2の端部を構成するプロジェクション部12と本体部4の基準面7との接合部(キャップ溶接部13)が抵抗溶接により固着されている。
【0061】
この場合、穴16bが形成された部分(キャップ部材2の側壁の一部)と放熱台5の外周面とをレーザ溶接により接続固定するのに加えて、抵抗溶接によりキャップ部材2とステム3とを接続固定できるので、キャップ部材2とステム3とをより強固に接続することができる。なお、上述したレーザ溶接と抵抗溶接とのいずれか一方のみによりキャップ部材2とステム3とを接続固定してもよい。
【0062】
(実施の形態2)
図11は、本発明による半導体レーザ装置の実施の形態2を示す斜視模式図である。図12は、図11に示した半導体レーザ装置の分解模式図である。図13は、図12に示した放熱台の形状を説明するための模式図である。図11〜図13を参照して、本発明による半導体レーザ装置の実施の形態2を説明する。
【0063】
図11〜図13に示すように、半導体レーザ装置1は、基本的には図1および図2に示した半導体レーザ装置と同様の構造を備えるが、キャップ部材2の側壁に形成された穴16a〜16fの数および放熱台5(図12参照)の形状が異なる。図11〜図13に示した半導体レーザ装置では、キャップ部材2に図12に示すように6個の穴16a〜16fが形成されている。これらの穴16a〜16fはキャップ部材2の中心軸35(円筒軸)に対して対称な位置に形成されている。また、放熱台5の開き角θは60°である。ここで、放熱台5の開き角θは、図13に示すように、放熱台5の2つの側壁19に沿って延びる線分を考え、その線分が交差する点(仮想点31)を考えた場合、この仮想点31を中心とした側壁19の間の角度(2つの線分が交差する角度)をいう。なお、仮想点31は、ステム3の基準面7における中心点であることが好ましい。また、仮想点31は、放熱台5の外周面27により構成される円弧を含む円の中心点であってもよい。
【0064】
そして、キャップ部材2の穴16a〜16fのうちの1つが形成されたキャップ部材2の側壁部分(たとえばキャップ部材2の側壁において穴16aに隣接する部分)と、放熱台5の外周面27とが接触した部分において、キャップ部材2の側壁の一部をレーザ溶接によって放熱台5の外周面に溶着することにより、キャップ部材2とステム3とは接続固定されている。
【0065】
ここで、放熱台5の開き角θが60°である場合に、キャップ部材2の側壁面の穴16a〜16fは、キャップ部材2の中心軸35(円筒軸)に対して対称な位置にそれぞれ形成されている。このため、穴16a〜16fのうちの最低でも1つの穴は必ず放熱台5の外周面27と重なる位置に配置されることになる。このため、キャップ部材2の回転方向性(穴16a〜16fの位置)を考慮せずに、ステム3に対してキャップ部材2を固定する工程(具体的には、図3に示したレーザ溶接工程(S300))を実施できる。
【0066】
また、図1および図2に示した半導体レーザ装置と同様に、キャップ部材2をステム3に接続固定する場合に抵抗溶接を実施する必要がないので、キャップ部材2の端部にプロジェクション部などを形成する必要はない。したがって、キャップ部材2をステム3の基準面7に取付けた場合のキャップ部材2の端部と位置決め用溝11cの底部との間の距離W2を0.3mm程度と比較的大きくできる(キャップ部材2の端部より外側に位置するステム3の基準面7の部分の面積を比較的大きくできる)。
【0067】
この距離W2を約0.3mm程度とした場合、この距離W2の値は従来のステム3の直径Dが5.6mmである半導体レーザ装置における距離W2の値と同程度の大きさである。このため、半導体レーザ装置1を光ディスクドライブ装置などに組み込む場合(たとえば光ディスク用ピックアップ装置などに組み込む場合)に、半導体レーザ装置1の取付け位置の基準面として半導体レーザ装置1のキャップ部材2の端部とステム3の基準面7の外縁部との間の領域を利用できる。したがって、半導体レーザ装置1の回転位置調整を従来の比較的大きな半導体レーザ装置(たとえば直径Dが5.6mm程度の半導体レーザ装置)と同様に容易に行なうことができる。
【0068】
上述した半導体レーザ装置1の特徴的な構成を要約すれば、本発明の実施の形態1に示した半導体レーザ装置の構成において、キャップ部材2の側壁に形成された穴16a〜16fの数をnとした場合、キャップ部材2の側壁と対向する素子搭載部としての放熱台5の外周面27において、基準面7に沿った方向における両端部(2つの端部28)が本体部4の基準面7の中心としての仮想点31に対して形成する開き角度θが360°/n以上となっていてもよい。なお、穴16a〜16fの直径は、たとえば0.25mm以上1mm以下としてもよい。また、穴16a〜16fの位置は、放熱台5の外周面27において、ステム3の基準面7に対してほぼ垂直な方向における実質的に中央(中間)となる位置としてもよい。
【0069】
この場合、放熱台5を覆うようにキャップ部材2を配置したときに、n個の穴のうちの少なくとも1つ(つまり、図11および図12に示した半導体レーザ装置1における穴16a、または図1および図2に示した半導体レーザ装置1における穴16b)が、いつも放熱台5の外周面27と対向することになる。このため、中心軸35を中心としたキャップ部材2の回転方向をあまり気にすることなく、キャップ部材2をステム3に取付けることができる。
【0070】
また、複数の穴のうちのどれか1つ(図11に示した半導体レーザ装置においては6つの穴16a〜16fのうちの1つである穴16a、また図1に示した半導体レーザ装置1においては2つの穴16a、16bのうちの1つである穴16b)が必ず放熱台5の外周面27と対向する位置(外周面27に面する位置)に配置されることになるので、放熱台5の外周面27とキャップ部材2の穴16a(図12参照)、または穴16b(図2参照)が形成された部分の近傍の壁面との間を容易にレーザ溶接により接続固定できる。
【0071】
また、穴の数nは任意の数であってもよい。たとえば、図1および図2に示したように、上記半導体レーザ装置1においては、キャップ部材2の側壁に形成された穴16a、16bの数nが2であってもよく、放熱台5の開き角度θが実質的に180°となっていてもよい。穴16a、16bは、中心軸35から見て互いに対称な位置に配置されていることが好ましい。この場合、キャップ部材2に形成する穴の数が少ないことからキャップ部材2の作成が容易であるとともに、キャップ部材2を放熱台5に被せた場合に放熱台5の外周面27にかならずキャップ部材2の穴(穴16a、16bのうちのいずれか一方(穴16b))を対向させることができる。
【0072】
また、図11および図12に示すように、上記半導体レーザ装置1において、キャップ部材2の側壁に形成された穴16a〜16fの数nが6であってもよく、放熱台5の開き角度θが実質的に60°となっていてもよい。また、放熱台5の開き角度θは60゜以上であってもよい。
【0073】
このように、放熱台5の開き角度θを60゜程度にすれば、放熱台5に搭載されたレーザ素子10の横に、ステム3の構造物(たとえばレーザ素子10と電気的に接続されるリード端部8など)を容易に配置することができる。また、キャップ部材2に形成される6個の穴16a〜16fは、キャップ部材2の中心軸35から見て互いに対称な位置に形成されていることが好ましい。この場合、キャップ部材2を放熱台5に被せたときに、放熱台5の外周面27と対向する位置にキャップ部材2の複数の穴16a〜16fのうちの1つ(穴16a)を確実に配置できる。そのため、穴16aが形成された部分においてキャップ部材2と放熱台5とをレーザ溶接などを用いて容易に接続固定できる。
【0074】
また、穴の数nはたとえば3〜5、あるいは7以上の数(整数)であってもよい。また、形成される穴は、上述のようにキャップ部材2の中心軸35から見て互いに対称な位置に形成されることが好ましい。なお、穴の数nがある程度大きい場合、穴の位置は、上述した中心軸35から見て互いに対称な位置からある程度ずれていてもよい。この場合、形成された複数の穴(たとえば穴16a〜16f)において、隣接する2つの穴が中心軸35に対して形成する角度が、放熱台5の開き角度θより小さくなるようにすることが好ましい。
【0075】
また、上記半導体レーザ装置1において、キャップ部材2の外形は円筒形状である。キャップ部材2の延びる方向に沿った中心軸35(またはキャップ部材2をステム3に取付ける際の取付け方向(矢印26に示す方向)に沿ったキャップ部材2の中心軸35)がステム3の本体部4の基準面7に実質的に垂直な方向とほぼ平行になるように、キャップ部材2はステム3の基準面7上に設置されていてもよい。この場合、円筒形状のキャップ部材2をその中心軸35に沿って回転させることにより、キャップ部材2の側壁の穴16a(図12参照)または穴16b(図2参照)をステム3の放熱台5の外周面27に面する位置に容易に配置することができる。
【0076】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0077】
【発明の効果】
このように、本発明によれば、半導体レーザ装置においてキャップ部材をステムに溶接するためにキャップ部材の端部にプロジェクション部を形成する必要がないので、半導体レーザ装置を小型化した場合に、キャップ部材の端部より外側に位置するステムの台座部材の部分の面積を十分確保することができる。このため、上記ステムの台座部材においてキャップ部材の端部より外側に位置する部分を用いて半導体レーザ装置の位置合わせを行なうことができるので、半導体レーザ装置において小型化を図るとともに位置精度を高く保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による半導体レーザ装置の実施の形態1を示す斜視模式図である。
【図2】図1に示した半導体レーザ装置の分解模式図である。
【図3】図1に示した半導体レーザ装置の製造方法を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図4】図3に示したキャップ部材準備工程を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図5】図4に示した材料準備工程を説明するための模式図である。
【図6】図4に示した穴を形成する工程を説明するための模式図である。
【図7】図4に示したプレス工程を説明するための模式図である。
【図8】図3に示したキャップ部材準備工程によって得られるキャップ部材を示す斜視模式図である。
【図9】図3に示したレーザ溶接工程を説明するための模式図である。
【図10】図1および図2に示した半導体レーザ装置の変形例を示す分解模式図である。
【図11】本発明による半導体レーザ装置の実施の形態2を示す斜視模式図である。
【図12】図11に示した半導体レーザ装置の分解模式図である。
【図13】図12に示した放熱台の形状を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ装置、2 キャップ部材、3 ステム、4 本体部、5 放熱台、6 リード、7 基準面、8 リード端部、9 接続線、10 レーザ素子、11a〜11c 位置決め用溝、12 プロジェクション部、13 キャップ溶接部、14 端部位置、15 レーザ光出射用穴、16a〜16f 穴、18 素子設置面、19 側壁、20 材料、21 ダイ、22 ポンチ、23 凹部、24〜26 矢印、27 外周面、28 端部、31 仮想点、35 中心軸。
Claims (9)
- 基準面を有する本体部と、前記本体部の基準面上に位置し、レーザ素子を搭載する素子搭載部とを含む台座部材と、
前記素子搭載部を覆うように、前記台座部材の基準面上に設置されるキャップ部材とを備え、
前記キャップ部材において前記素子搭載部と対向する側壁には穴が形成され、
前記キャップ部材の側壁の内周側において前記穴と隣接する部分が前記素子搭載部の外周面と固着することにより、前記キャップ部材と前記台座部材とは固定されている、半導体レーザ装置。 - 前記キャップ部材の側壁には前記穴が2つ以上形成され、
前記2つ以上の穴は、前記キャップ部材を前記台座部材に取付ける際の取付け方向に沿った前記キャップ部材の中心軸から見て、互いに対称な位置にそれぞれ形成されている、請求項1に記載の半導体レーザ装置。 - 前記キャップ部材の側壁に形成された穴の数をnとした場合、
前記キャップ部材の側壁と対向する前記素子搭載部の外周面において、前記基準面に沿った方向における両端部が前記本体部の基準面の中心に対して形成する開き角度は360°/n以上となっている、請求項2に記載の半導体レーザ装置。 - 前記キャップ部材の側壁に形成された穴の数nが2であり、前記素子搭載部の前記開き角度が実質的に180°となっている、請求項3に記載の半導体レーザ装置。
- 前記キャップ部材の側壁に形成された穴の数nが6であり、前記素子搭載部の前記開き角度が実質的に60°となっている、請求項3に記載の半導体レーザ装置。
- 前記キャップ部材と前記台座部材とは、前記キャップ部材の側壁の内周側において前記穴と隣接する部分が前記素子搭載部の外周面とレーザ溶接により固着されることにより固定されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体レーザ装置。
- 前記基準面に対向する前記キャップ部材の端部と前記本体部の基準面との接合部が抵抗溶接により固着されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体レーザ装置。
- 基準面を有する本体部と、前記本体部の基準面上に位置し、レーザ素子を搭載した素子搭載部とを含む台座部材を準備する工程と、
前記素子搭載部を覆うことが可能であって、前記素子搭載部の外周面と対向する側壁には穴が形成されているキャップ部材を準備する工程と、
前記台座部材の基準面上において前記素子搭載部を覆うとともに、前記穴が形成された側壁の内周面が前記素子搭載部の外周面と接触するように前記キャップ部材を設置した状態で、前記穴から前記キャップ部材と前記素子搭載部との接触部にレーザ光を照射することにより前記接触部をレーザ溶接する工程とを備える、半導体レーザ装置の製造方法。 - 基準面を有する本体部と、前記本体部の基準面上に位置し、レーザ素子を搭載する素子搭載部とを含む台座部材と、前記素子搭載部を覆うように、前記台座部材の基準面上に設置されるキャップ部材とを備え、前記キャップ部材において前記素子搭載部と対向する側壁には穴が形成され、前記キャップ部材の側壁の内周側において前記穴と隣接する部分が前記素子搭載部の外周面と固着することにより、前記キャップ部材と前記台座部材とは固定されている、半導体レーザ装置の製造方法であって、
前記キャップ部材となるべき材料を準備する工程と、
前記材料に前記穴を形成する工程と、
前記穴の形成された前記材料をプレス加工することにより、前記キャップ部材を成形する工程とを備える、半導体レーザ装置の製造方法。
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