JP2004354811A - 二成分系現像剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トナーとキャリヤとの混合物からなる二成分系現像剤において、
前記トナーは、ポリエステル樹脂からなる結着樹脂中に、着色顔料と、ワックスと、脂肪酸アマイドとが分散され、且つDSC測定における最大吸熱ピーク温度が70乃至80℃の範囲にあり、前記キャリヤは、粒子表面に脂肪酸アマイドを含有するコート層を有していることを特徴とする。
【選択図】なし。
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、レーザープリンタ等の電子写真法による画像形成行程で使用される二成分系現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法では、感光体表面を所定極性に一様に帯電し、次いで所定の原稿情報に基づいての光照射による画像露光を行って静電荷像を形成し、この電荷像を現像してトナー像を形成し、このトナー像を所定の用紙に転写し、定着ローラでの加熱及び加圧によって該トナー像を用紙に定着することにより、画像形成が行われる。また、トナー像転写後において、感光体表面は、クリーニングブレード等によりクリーニングされて残存するトナーが除去され、さらに必要により光照射等による除電が行われ、次の画像形成行程が行われる。
【0003】
このような画像形成行程で静電荷像の現像に用いる現像剤としては、トナーとキャリヤ(例えばフェライトや鉄粉)とからなる二成分系現像剤や、トナーのみからなる一成分系現像剤などが知られている。二成分系現像剤及び一成分系現像剤の何れにおいても、トナーは、現像方法や静電荷像の帯電極性に応じて、正または負極性に摩擦帯電されて現像剤としての使用に供される。
【0004】
上記のようなトナーは、結着樹脂中に、カーボンブラック等の着色剤が配合されたものであり、一般に、定着性を高め、且つ定着に際してのオフセットを防止するために、低融点のワックスを配合することが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−295093号公報(特許請求の範囲)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1では、ワックスとしてモンタン系ワックスを使用しており、該トナーは、低温定着性と耐オフセット性に優れているというものであるが、このようなトナーは保存性が低く、保存中に凝集等を生じやすいという欠点があり、またキャリヤと組み合わせて二成分系現像剤として使用したときにキャリヤ表面へのトナー付着(スペント)を生じ、帯電不良などが生じてしまうという問題もある。
【0007】
従って本発明の目的は、低温定着性や耐オフセット性に優れており、しかも保存性や耐スペント性にも優れた二成分系現像剤を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、トナーとキャリヤとの混合物からなる二成分系現像剤において、
前記トナーは、ポリエステル樹脂からなる結着樹脂中に、着色顔料と、ワックスと、脂肪酸アマイドとが分散され、
前記キャリヤは、粒子表面に脂肪酸アマイドを含有するコート層を有していることを特徴とする二成分系現像剤が提供される。
【0009】
本発明においては、
1.前記ワックスが、重量平均分子量Mwが600乃至1000の合成エステルワックスであり、前記合成ワックスは、DSC測定における吸熱ピーク温度が70乃至80℃の範囲にあり、
2.前記合成ワックスは、DSC測定における吸熱ピーク温度が70乃至80℃の範囲にあり、
3.キャリヤ中の脂肪酸アマイドは、コート形成樹脂100重量部当り0.1乃至10重量部の量で配合されていること、
4.トナー中の脂肪酸アマイドは、ポリエステル樹脂100重量部当り0.1乃至5重量部の量で配合されていること、
が好ましい。
【0010】
本発明においては、トナーのDSC測定(示差走査熱量計測定)における最大吸熱ピーク温度が70乃至80℃の範囲にあることから、低温定着性が良好であり、しかも脂肪酸アマイドを含有していることから、表面の滑性が高く、流動性や保存性が向上している。しかも、キャリヤのコート層中にも脂肪酸アマイドが配合されているため、キャリヤへのトナー付着、即ちスペントが有効に抑制されている。
【0011】
【発明の実施の形態】
(トナー)
本発明において用いるトナーは、結着樹脂中に、それ自体公知のトナーと同様、所定の着色顔料を分散させたものであるが、ワックス及び脂肪酸アマイドが配合され、更に必要により、電荷制御剤などのトナー配合剤が分散されるものであり、これらの成分の種類や配合量等は、DSC測定における最大吸熱ピーク温度が前述した範囲、即ち、70乃至80℃の範囲となるように調整される。
【0012】
結着樹脂:
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂が使用される。即ち、後述するワックスの優れた定着性は、ポリエステル樹脂中に分散させた場合に最も有効に発現する。
【0013】
ポリエステル系樹脂としては、多価アルコール成分と多価カルボン酸成分との縮重合ないし共縮重合によって得られるものであれば使用することができる。
【0014】
多価アルコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノール類;ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の3価以上のアルコール類が例示される。
【0015】
多価カルボン酸成分としては、例えば、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸等の2価カルボン酸;n−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等の2価カルボン酸のアルキルもしくはアルケニルエステル;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等の3価以上のカルボン酸等が例示される。また、上記2価或いは3価以上のカルボン酸の無水物も使用することができる。
【0016】
上述したポリエステル樹脂の軟化点は、110乃至150℃、好ましくは120乃至140℃の範囲にあるのがよい。また、ガラス転移点(Tg)は、55乃至70℃の範囲であることが好ましい。結着樹脂のガラス転移点が、55℃未満では、得られたトナー同士が融着し、保存安定性が低下する傾向があり、ガラス転移点が70℃を超えると、トナーの定着性が乏しくなる傾向がある。
尚、結着樹脂のガラス転移点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、比熱の変化点から求めることができる。
【0017】
本発明において、上述した結着樹脂は、所定の定着性や耐オフセット性を示す程度の分子量を有しているのがよい。即ち、分子量が必要以上に高いと、定着性が損なわれ、またあまり低分子量であると、耐オフセット性が不満足なものとなってしまう。従って、用いるポリエステル樹脂の種類に応じて、適度な分子量を有するものが使用されるべきである。
【0018】
また、ポリエステル樹脂中には、耐オフセット性を向上させたり、或いはトナー強度を高めるために、必要により、架橋剤や熱硬化性樹脂を前述したポリエステル樹脂と組み合わせで使用することにより、一部架橋構造を導入することもできる。
【0019】
上記のような架橋剤としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの2官能性カルボン酸エステルなどを例示することができる。
【0020】
また、熱硬化性樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂や、シアネート樹脂を、1種または2種以上の組み合わせで使用することができる。
【0021】
着色顔料:
着色顔料は、通常、前記ポリエステル樹脂100重量部当り2乃至20重量部、特に5乃至15重量部の量で配合されるが、その適当な例は、以下の通りである。
黒色顔料
カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、アニリンブラック。
黄色顔料
黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ。
橙色顔料
赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジGK。
赤色顔料
ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B。
紫色顔料
マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ。
青色顔料
紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC。
緑色顔料
クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG。
白色顔料
亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛。
体質顔料
バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト。
【0022】
ワックス:
本発明のトナーにおいては、定着性やオフセット性を向上させるための離型剤として、ワックスを使用するが、特に前述したポリエステル樹脂に対する分散性が良好であり、且つDSC測定における吸熱ピーク温度が70乃至80℃の範囲にある合成エステルワックスが好適に使用される。このようなワックスを使用することにより、トナーの最大吸熱ピーク温度を前述した範囲に調整し、低温定着性を高めることができる。また、かかるワックスのDSC測定における吸熱開始温度は50℃以上であることが好ましい。即ち、吸熱ピーク温度が70乃至80℃の範囲にあり且つ吸熱開始温度が50℃以上であることは、シャープな溶融特性を有していることを意味するものであり、このようなシャープな溶融特性を有する合成エステルワックスを使用することにより、トナーの低温定着性はさらに高められる。
なお、DSCの測定には測定機として示差走査熱量計(株式会社マック・サイエンス製、DSC3210)でサンプルを200℃まで昇温速度15℃/minで昇温し、25℃まで冷却後昇温速度15℃/minで昇温する。この時に観察される吸熱ピークとした。
エステルワックスの重量平均分子量は600〜1000の範囲にあるのが好ましい。600未満の場合にはトナーの保存性が低下する。1000を超える場合にはトナーの低温定着性が低下してしまう。
また、ワックスの重量平均分子量はGPCによる分子量の測定で決定する。
装置:HLC−8220GPC(東ソ−株式会社製)
分離用カラム: TSK gel GMH XL 2本(東ソ−株式会社製)
ガードカラム: TSK guardcolumn H XL−H 1本
(東ソ−株式会社製)
試料100mgとTHF5mlとを混合し、1時間溶解させた後、その溶液をポリテトラフルオロエチレンからなるフィルターを通過させ、THF試料溶液とする。
測定においてはTHFを溶媒として、GPC装置のカラムを40℃で安定化させた後、この温度でカラムに毎分1000μlの流速で流し、THF試料溶液を100μl注入して測定する。試料の有する分子量分布は数種の単分散ポリスチレン標準試料を用いて作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出される。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、分子量500〜100万のポリスチレンなどを用い得る。
【0023】
またワックスの吸熱開始温度や吸熱ピ−ク温度を求めた。吸熱開始温度とは、図1に示す吸熱開始曲線において、ピークの低温側部分でのベースラインから測定ラインが下降を開始した温度とし、図1では、ピーク温度が75.3℃であり、吸熱開始温度が50.4℃となっている。
なお、測定は以下のようにして行った。TAインスツルメント社製のDSC2920MDSCを用いる。測定方法はASTMD3418−82に準じて行なう。本発明に用いられるDSC曲線は、1回昇温させ前履歴をとった後、測定試料を10mgとし、これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲25℃〜200℃の間で、温度速度10℃/minで降温、昇温し、2度目の昇温時に測定されるDSC曲線を用いる。
【0024】
合成エステルワックスの本発明に使用可能な例は、これに限定されるものではないが、カルボン酸成分とアルコ−ル成分からエステル反応させて合成されるが、カルボン酸成分としては例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、アルコ−ル成分としては例えば、パルミチルアルコ−ル、ステアリルアルコ−ル、ベヘニルアルコ−ルがあげられる。さらに、上述したDSC測定における吸熱ピーク特性を発現させるために、その重量平均分子量Mwは、一般に600乃至1000の範囲にあるのがよい。
【0025】
本発明において、上述したワックスは、前述したポリエステル樹脂100重量部当り、 1乃至6重量部、特に2乃至5重量部の量で使用することが好ましい。上記範囲よりも多量に使用すると、定着性の点では満足し得るものの、トナーの流動性が低下し、例えば粉砕時等において配管詰まり等を生じ易くなり、生産性が低下する傾向がある。また、使用量が上記範囲よりも少ないと、定着性が不満足となり、例えば低温で定着不良が生じたり、またオフセットも生じやすくなってしまう。
【0026】
尚、トナーの最大吸熱ピーク温度が前述した範囲内となる限りにおいて、少量の他のワックス類、例えばポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、テフロン系ワックス、パラフィンワックス、ライスワックス、フィッシャートロプシュワックス等を、離型剤として併用することもできる。
【0027】
脂肪酸アマイド:
本発明では、上記のワックスと共に、脂肪酸アマイドを使用する。この脂肪酸アマイドの使用により、ワックスの優れた定着性、耐オフセット性を損なうことなく、トナーの表面滑性を高め、保存安定性を向上させることができる。
このような脂肪酸アマイドとしては、飽和脂肪酸のアマイドや不飽和脂肪酸のアマイドの何れも使用することができるが、一般には、飽和、不飽和に限らず、炭素数が 18以上の高級脂肪酸のアマイドが好適である。特に本発明では、低温定着性を損なわずに高温オフセットを防止するという点で、DSC測定における吸熱ピーク温度が110乃至130℃の範囲にある脂肪酸アマイドが最も好適である。即ち、吸熱ピーク温度が110℃未満の脂肪酸アマイドを用いた場合には、低温定着性は満足し得るものの、高温でのオフセットが生じやすく、さらに吸熱ピーク温度が130℃を超える脂肪酸アマイドでは、高温オフセットを防止することはできるが、低温定着性が損なわれるおそれがある。
【0028】
上述した脂肪酸アマイドは、トナーの吸熱ピーク特性を損なわないような量で使用され、一般に、ポリエステル樹脂100重量部当り、0.1乃至5重量部の量で使用することが好ましい。上記範囲よりも多量に使用すると、定着性や耐オフセット性が損なわれるおそれが生じ、また5重量部を使用した場合と比較し格別の効果も生じない。さらに、上記範囲よりも少ないと、トナーの表面滑性が不十分となり、保存安定性が低下したり、スペント(キャリヤへのトナー付着)を生じやすくなってしまう。
【0029】
その他の配合剤:
本発明のトナーにおいては、帯電レベルや帯電立ち上がり特性(短時間で、一定の電荷レベルに帯電するかの指標)を著しく向上させるために、必要に電荷制御剤を配合することができる。即ち、このトナーを正極性に帯電して現像に供する場合には、正電荷制御剤を配合し、負極性に帯電して現像に供する場合には、負電荷制御剤を配合することが好ましい。
【0030】
正電荷制御剤の具体例としては、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、オルトオキサジン、メタオキサジン、パラオキサジン、オルトチアジン、メタチアジン、パラチアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリンなどのアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリーンBH/C、アジンディープブラックEWおよびアジンディープブラック3RLなどのアジン化合物からなる直接染料;ニグロシン、ニグロシン塩、ニグロシン誘導体などのニグロシン化合物;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZなどのニグロシン化合物からなる酸性染料;ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩類;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;ベンジルメチルヘキシルデシルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩を例示することができる。
【0031】
また、4級アンモニウム塩を有する樹脂またはオリゴマー、カルボン酸塩を有する樹脂またはオリゴマー、カルボキシル基を有する樹脂またはオリゴマーなども正帯電性電荷制御剤として使用することができる。より具体的には、4級アンモニウム塩を有するポリスチレン系樹脂、4級アンモニウム塩を有するアクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するスチレン−アクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するポリエステル系樹脂、カルボン酸塩を有するポリスチレン系樹脂、カルボン酸塩を有するアクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン−アクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するポリエステル系樹脂、カルボキシル基を有するポリスチレン系樹脂、カルボキシル基を有するアクリル系樹脂、カルボキシル基を有するスチレン−アクリル系樹脂、カルボキシル基を有するポリエステル系樹脂等の1種または2種以上が挙げられる。特に、4級アンモニウム塩、カルボン酸塩あるいはカルボキシル基を官能基として有するスチレン−アクリル系樹脂(スチレン−アクリル系共重合体)は、帯電量を所望の範囲内の値に容易に調節することができる観点から、最適である。この場合において、上記スチレン−アクリル系樹脂あるいはアクリル系樹脂自体における好ましいアクリル系コモノマーとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸iso−ブチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。また、4級アンモニウム塩としては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートから第4級化の工程を経て誘導される単位が用いられる。誘導されるジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジ(低級アルキル)アミノエチル(メタ)アクリレート;ジメチルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドが好適である。
【0032】
また、負電荷制御剤としては、有機金属錯体やキレート化合物、例えばアルミニウムアセチルアセトナート、鉄(II)アセチルアセトナート、3,5−ジターシヤリーブチルサリチル酸クロムなどがあり、特にアセチルアセトン金属錯体、サリチル酸系金属錯体または塩が好適である。
【0033】
上述した電荷制御剤は、一般に、結着樹脂100重量部当り、1乃至8重量部、特に2乃至5重量部の量で使用される。
【0034】
トナーの製造:
上述した各種配合剤が結着樹脂中に分散配合された本発明のトナーは、ポリエステル樹脂と各種配合剤とを混合し、押出機等を用いて溶融混練し、さらに粉砕し、分級することにより調製される。また、各種配合剤の存在下での重合によりポリエステル樹脂を製造し、分級することによっても製造することができる。
用いるトナー粒子の粒度は、従来公知のものと同程度でよく、格別の制限はないが、高画質化のためには、その平均粒径が6.0乃至8.0μmの如き、微粒の範囲にあるのがよい。尚、各種配合剤の使用量等は、DSC測定における最大吸熱ピークが温度が70乃至80℃の範囲となるように、用いるポリエステル樹脂の分子量等に応じて、前述した範囲内で適宜決定される。
【0035】
上記のようにして得られるトナーは、必要により、それ自体公知の外添剤、例えばコロイダルシリカ、疎水性シリカ、アルミナ、酸化チタン、各種脂肪酸の金属石鹸(例えばステアリン酸亜鉛)等の微粒子(通常、平均粒径が0.5μm以下)を使用することにより、トナーの流動性、保存安定性等を高めることができる。このような外添剤は、通常、トナー粒子100重量部当り3.0重量部以下となるような量で使用するのがよい。即ち、あまりに多量の外添剤の使用は、トナー粒子本来の特性を損なうおそれがあるからである。
【0036】
(キャリヤ)
本発明の現像剤においては、上述したトナーを、フェライトや鉄粉などの磁性キャリヤ粒子を樹脂コートした所謂コートキャリヤと組み合わせて使用する。
【0037】
樹脂コートすべきキャリヤ粒子の平均粒径は、通常、60乃至100μmの範囲にあるのがよい。
【0038】
また、コートに用いる樹脂としては、シリコン樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂などを使用することができるが、特にシリコン樹脂が耐久性、帯電性などの点で好適である。また、樹脂コート量は、一般に、キャリヤ粒子に対して1〜10重量%範囲とするのがよく、あまり多量のコート樹脂を使用すると、帯電不良を生じるおそれがあり、コート樹脂量が少量であると、帯電のバラツキやスペントを生じやすくなる。
【0039】
本発明においては、キャリヤの樹脂コート層中に、脂肪酸アマイドが配合される。即ち、キャリヤの樹脂コート層中にも脂肪酸アマイドを配合することにより、キャリヤ粒子表面の滑性も高められ、耐スペント性が著しく高められ、トナーのキャリヤ付着を有効に防止することができる。かかる脂肪酸アマイドとしては、前述したトナー中に配合される脂肪酸アマイドと同種のものが好適に使用される。
【0040】
また、上記脂肪酸アマイドの配合量は、コート樹脂100重量部当り、0.1乃至10.0重量部の範囲が好適である。即ち、あまり多量に脂肪酸アマイドを配合すると、帯電不良等により画像かぶりを発生しやすくなり、あまり少量の場合には、キャリヤ粒子表面の滑性向上効果が希薄となり、耐スペント性が低下するおそれがある。
【0041】
尚、上記の脂肪酸アマイド以外にも、必要により、帯電制御剤を樹脂コート層中に配合することもできる。かかる帯電制御剤は、トナーを正帯電する場合には、負帯電制御剤であり、トナーを負帯電する場合には、正帯電制御剤であり、これらは、トナーに関して例示したとおりである。
【0042】
上述した樹脂コートキャリヤは、例えば樹脂コート材料及び脂肪酸アマイド等の配合剤を適当な溶媒に溶解乃至分散させ、所定の粒径のキャリヤ粒子にスプレー噴霧し、乾燥することにより得られる。
【0043】
上述したトナーと樹脂コートキャリヤとは、一般に、3:97乃至7:93の重量比で混合され、二成分系現像剤として、例えばマグネット内蔵現像スリーブ上に供給して、該現像剤の磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシを現像領域に搬送、供給することによって静電像の現像が行われる。現像法は、所謂正規現像でも反転現像の何れであってもよい。更に現像剤の磁気ブラシと感光体表面とを非接触で現像を行うこともできるし、該磁気ブラシを感光体表面に摺擦して現像を行ってもよい。磁気ブラシを感光体表面に摺擦して現像を行う場合には、感光体と現像スリーブとの間にバイアス電界を印加し、また磁気ブラシと感光体表面とが非接触で現像を行う場合には、現像スリーブと感光体との間に振動電界(交番電界)を印加するのがよい。
【0044】
このような現像により感光体表面に形成されたトナー像は、所定の用紙に転写され、定着ローラによる加熱によって用紙表面に定着される。
【0045】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
【0046】
以下の例において、トナー中に配合するワックスとしては、以下のものを使用した。
ワックスA:
フラスコにベヘン酸450g、ベヘニルアルコール400gを加え、窒素気流下、220℃で15時間常圧で反応させた。反応終了後ろ過し、エステルワックスAを得た。
重量平均分子量Mw:840
吸熱ピーク温度:72℃
吸熱開始温度:50℃
ワックスB:
パルミチン酸780g、ペンタエリストール100gを用い、ワックスAの製造法に準じてワックスBの製造を行った。
重量平均分子量Mw:630
吸熱ピーク温度:72℃
吸熱開始温度:40℃
ワックスC:
ステアリン酸900g、グリセリン100gを用い、ワックスAの製造法に準じてワックスCの製造を行った。
重量平均分子量Mw: 540
吸熱ピーク温度:65℃
吸熱開始温度:40℃
ワックスD:
ステアリン酸900g、ペンタエリストール100gを用い、ワックスAの製造法に準じてワックスDの製造を行った。
重量平均分子量Mw:990
吸熱ピーク温度:85℃
吸熱開始温度:55℃
ワックスE:
ウレタンワックス(HAD8050、日本精蝋製)
重量平均分子量Mw: 750
吸熱ピーク温度:79℃
吸熱開始温度:54℃
ワックスF:
ベヘン酸1041g、ペンタエリストール100gを用い、ワックスAの製造法に準じてワックスFの製造を行った。
重量平均分子量Mw:1200
吸熱ピーク温度:85℃
吸熱開始温度:68℃
【0047】
また、脂肪酸アマイドとしては、以下のものを使用した。
m−キシレンビスヒドロキシステリアン酸アマイド(スリパックス−PXH、日本化成製)
吸熱ピーク温度:126℃
ベヘン酸アマイド(ダイヤミッドBL 、日本化成製)
吸熱ピーク温度:95℃
メチレンビスラウリン酸アマイド(品番:ビスアマイド 12,日本化成製)
吸熱ピーク温度:135℃
【0048】
なお,本発明に用いる結着樹脂は以下のようにして合成した。
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン40mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン10mol、テレフタル酸45mol、無水トリメリット酸0.5ml、酸化ジブチル錫4gを窒素雰囲気下、230℃で8時間かけて反応させ、ポリエステル樹脂を得た。
(実施例1)
以下の処方で溶融混練、冷却、粉砕、分級して平均粒径7μmの正帯電性トナー粒子を得た。
処方:
上記の合成方法で合成したポリエステル樹脂:100重量部
カーボンブラック(Nipex−60、デグサ社製):12重量部
ワックスA:3重量部
m−キシレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド:1重量部
正電荷制御剤(ニグロシン系染料、BONTRON−07、オリエント化学製):2重量部
【0049】
尚、上記トナーのDSC測定における最大吸熱ピーク温度は、用いたワックスAの吸熱ピーク温度に相当する72℃であった。
【0050】
トナー粒子100重量部とシリカ微粒子(TG−820F、キャボット社製)0.6重量部をヘンシェルミキサーで羽根速度3000rpmで2分混合し、実施例1のトナーを得た。
【0051】
一方、100重量部のシリコン樹脂(SR2411、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)と1.0重量部のm−キシレンビスヒドロキシステアリン酸アマイドをトルエンに溶解させ、流動床を用いて平均粒径が90μmのフェライトキャリヤに対してコーティングし、乾燥することにより、樹脂コートキャリヤを得た(樹脂コート量:50mg/g)。
【0052】
上記で得られた正帯電性トナー粒子と樹脂コートキャリヤとを混合し、二成分系現像剤を調製した。尚、外添トナーと樹脂コートキャリヤとの混合比率は、外添前のトナー粒子と樹脂コートキャリヤとの重量比で5:95とした。
【0053】
(実施例2)
トナー中に配合するm−キシレンビスヒドロキシステアリン酸アマイドの量を5重量部に変更した以外は、実施例1と全く同様に、トナーを調製し、且つ全く同様の樹脂コートキャリヤと混合して二成分系現像剤を調製した。
尚、このときのトナーのDSC測定における最大吸熱ピーク温度は、用いたワックスAの吸熱ピーク温度に相当する72℃であった。
【0054】
(実施例3)
キャリヤのm−キシレンビスヒドロキシステアリン酸アマイドを8部とする以外は実施例1と同様にして二成分系現像剤を調製した。
【0055】
(比較例1)
脂肪酸アマイドを使用せずに樹脂コートキャリヤを作製した以外は、実施例1と全く同様に二成分系現像剤を調製した。
【0056】
(比較例2)
脂肪酸アマイドを使用せずにトナーを調製し、且つ脂肪酸アマイドを使用せずに樹脂コートキャリヤを作製した以外は、実施例1と全く同様に二成分系現像剤を調製した。
尚、このときのトナーのDSC測定における最大吸熱ピーク温度も、用いたワックスAの吸熱ピーク温度に相当する72℃であった。
【0057】
(比較例3)
ワックスとしてワックスB(吸熱ピーク温度が72℃で吸熱開始温度が40℃の合成エステルワックス)を用いてトナーを調製し、且つ脂肪酸アマイドを使用せずに樹脂コートキャリヤを作製した以外は、実施例1と全く同様に二成分系現像剤を調製した。
尚、このときのトナーのDSC測定における最大吸熱ピーク温度は、用いたワックスBの吸熱ピーク温度に相当する72℃であった。
【0058】
(比較例4)
ワックスとしてワックスC(吸熱ピーク温度が65℃で吸熱開始温度が40℃の合成エステルワックス)を用いトナーを調製し、且つ脂肪酸アマイドを使用せずに樹脂コートキャリヤを作製した以外は、実施例1と全く同様に二成分系現像剤を調製した。
尚、このときのトナーのDSC測定における最大吸熱ピーク温度は、用いたワックスCの吸熱ピーク温度に相当する65℃であった。
【0059】
(比較例5)
ワックスとしてワックスD(吸熱ピーク温度が85℃で吸熱開始温度が55℃の合成エステルワックス)を用いトナーを調製し、且つ脂肪酸アマイドを使用せずに樹脂コートキャリヤを作製した以外は、実施例1全く同様に二成分系現像剤を調製した。
尚、このときのトナーのDSC測定における最大吸熱ピーク温度は、用いたワックスDの吸熱ピーク温度に相当する85℃であった。
【0060】
(比較例6)
m−キシレンビスヒドロキシステアリン酸アマイドの使用量を6重量部に変更してトナーを調製し、且つステアリン酸アマイドを使用せずに樹脂コートキャリヤを作製した以外は、実施例1全く同様に二成分系現像剤を調製した。
尚、このときのトナーのDSC測定における最大吸熱ピーク温度は、用いたワックスAの吸熱ピーク温度に相当する72℃であった。
【0061】
(比較例7)
m−キシレンビスヒドロキシステアリン酸アマイドの代りに、ベヘン酸アマイド(吸熱ピーク温度:95℃)を用いてトナーを調製し、且つアマイドを配合せずに樹脂コートキャリヤを作製した以外は、実施例1全く同様に二成分系現像剤を調製した。
尚、このときのトナーのDSC測定における最大吸熱ピーク温度は、用いたワックスAの吸熱ピーク温度に相当する72℃であった。
【0062】
(比較例8)
m−キシレンビスヒドロキシステアリン酸アマイドの代りに、メチレンビスラウリン酸アマイド(吸熱ピーク温度:135℃)を用いてトナーを調製し、且つアマイドを配合せずに樹脂コートキャリヤを作製した以外は、実施例1全く同様に二成分系現像剤を調製した。
尚、このときのトナーのDSC測定における最大吸熱ピーク温度は、用いたワックスAの吸熱ピーク温度に相当する72℃であった。
【0063】
(比較例9)
m−キシレンビスヒドロキシステアリン酸アマイドの配合量を11.0重量部に増量して樹脂コートキャリヤを作製した以外は、実施例1と全く同様にして二成分系現像剤を調製した。
【0064】
(比較例10)
ワックスE(吸熱ピーク温度が79℃で吸熱開始温度が54℃のポリウレタンワックス)を用いトナーを調製し、且つm−キシレンビスヒドロキシステアリン酸アマイドを使用せずに樹脂コートキャリヤを作製した以外は、実施例1全く同様に二成分系現像剤を調製した。
尚、このときのトナーのDSC測定における最大吸熱ピーク温度は、用いたワックスEの吸熱ピーク温度に相当する79℃であった。
【0065】
(比較例11)
ワックスAをワックスFとする以外は実施例1と同様にして二成分系現像剤を調製した。
【0066】
(実験)
上記の実施例1,2及び比較例1〜10で調製された二成分現像剤について、以下の方法で、定着性、耐オフセット性、トナー保存性、耐スペント性及び耐刷後のカブリを評価し、その結果を表1〜3に示した。
【0067】
定着性:
京セラ ミタ製の複写機Creage7350を改造しヒートローラ温度を可変とした改造機でヒートローラ温度を140℃としベタ画像を複写する。ベタ画像の画像濃度(ID1)を測定後、ベタ画像をさらしを巻いた重り(400g)で荷重をかけずに5往復擦り、擦った後の画像濃度(ID2)を測定し、ID2/ID1*100[%〕より定着率を求めた。画像濃度の測定には反射濃度計(東京電色社製、TC−6DS)を使用した。定着率が95%以上であれば定着性が良好と判断した。
【0068】
耐オフセット性:
上記の定着温度可変のCreage7350改造機の定着ローラ温度を200℃に設定し、2.5cm×2.5cmのベタを複写し、オフセット発生の有無を確認し、オフセットが発生した場合を×、発生しなかった場合を○で示した。
【0069】
保存性:
サンプル3gを密閉可能なプラスチック容器に入れ58℃で3時間加熱後8時間以上20℃65%の環境に放置し、凝集の発生を、以下の基準で目視で判定した。
判定基準
◎:凝集がなく、保存性が非常に優れている。
○:凝集が少なく、保存性が優れている。
×:凝集が多く、保存性が劣っている。
【0070】
スペント性及びカブリ性:
上記の定着温度可変のCreage7350改造機を使用し、下記の条件で50000枚の黒ベタ画像(印字率6%のパタ−ン)の複写を行った。
帯電電位:850V
現像方法: 反転現像
現像バイアス: 600V
上記の耐刷終了後、スペント量(キャリヤに付着したトナー量)を測定した。即ち、400メッシュの篩を用いて現像剤からトナーを吸引分離し、ガラス瓶に2gのキャリヤ及び20gのトルエンを入れ、蓋をしてボールミルで回転、攪拌を行う(100rpm、2時間)。次いで、8時間放置後、上澄みのトルエンを廃棄後、オーブンで乾燥する。次いで、乾燥したキャリヤの炭素量(C2)をカーボンアナライザ(堀場製作所製、EMIA−110)で測定し、下記式より算出される炭素量をスペント量とした。
スペント量(重量%)=(耐刷後のキャリヤのC量(C2)−溶剤処理した未使用キャリヤのC量(C1:上述のトルエンと混合以降と同じ方法で測定))*100
また、上記耐刷後のカブリの発生有無を目視で評価した。カブリ発生なしを○、カブリ発生を×で示した。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】
【発明の効果】
本発明の二成分系現像剤は、低温定着性や耐オフセット性に優れており、しかも保存性や耐スペント性にも優れ、長期間にわたって安定してカブリの発生などのない良質の画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】吸熱ピーク開始温度の測定方法を説明するための図。
Claims (5)
- トナーとキャリヤとの混合物からなる二成分系現像剤において、
前記トナーは、ポリエステル樹脂からなる結着樹脂中に、着色顔料と、ワックスと、脂肪酸アマイドとが分散され、
前記キャリヤは、粒子表面に脂肪酸アマイドを含有するコート層を有していることを特徴とする二成分系現像剤。 - 前記ワックスが、重量平均分子量Mwが600乃至1000の合成エステルワックスである請求項1に記載の二成分系現像剤。
- 前記合成ワックスは、DSC測定における吸熱ピーク温度が70乃至80℃の範囲である請求項2に記載の二成分系現像剤。
- キャリヤ中の脂肪酸アマイドは、コート形成樹脂100重量部当り0.1乃至10重量部の量で配合されている請求項1乃至3の何れかに記載の二成分系現像剤。
- トナー中の脂肪酸アマイドは、ポリエステル樹脂100重量部当り0.1乃至5重量部の量で配合されている請求項1または4に記載の二成分系現像剤。
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