JP2004353623A - 液体吐出装置および液体吐出装置の隙間寸法設定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】部材の摩耗を防止でき、かつ構造を簡易にできて小型化が容易であるとともに、液圧が高い場合にも対応可能な液体吐出装置を提供すること。
【解決手段】液体吐出装置は、吸入ポート21、吐出ポート22と、各ポートに連通する開口が形成されたポート面33を有するポート部材と、ポート面33に対向配置されるバルブ面41、3本のプランジャ挿入孔42を有するバルブ部材と、バルブ部材を回転駆動する回転駆動手段と、プランジャ挿入孔42に軸方向摺動自在に挿入された3本のプランジャ80と、プランジャを軸方向に進退駆動するプランジャ進退駆動手段とを備える。液体吐出装置は、さらに、ポート部材に対するバルブ部材の相対位置を調整可能に位置決めしてバルブ面41、ポート面33間の隙間寸法を調整可能とする隙間寸法調整手段90と、各面33,41間に介在されて各面の開口外周位置に各開口を囲むように配置されたシール材48とを備える。
【選択図】 図2
【解決手段】液体吐出装置は、吸入ポート21、吐出ポート22と、各ポートに連通する開口が形成されたポート面33を有するポート部材と、ポート面33に対向配置されるバルブ面41、3本のプランジャ挿入孔42を有するバルブ部材と、バルブ部材を回転駆動する回転駆動手段と、プランジャ挿入孔42に軸方向摺動自在に挿入された3本のプランジャ80と、プランジャを軸方向に進退駆動するプランジャ進退駆動手段とを備える。液体吐出装置は、さらに、ポート部材に対するバルブ部材の相対位置を調整可能に位置決めしてバルブ面41、ポート面33間の隙間寸法を調整可能とする隙間寸法調整手段90と、各面33,41間に介在されて各面の開口外周位置に各開口を囲むように配置されたシール材48とを備える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プランジャの往復動を利用して液体を吸入、吐出するプランジャポンプに関し、特に公転する3本のプランジャの往復動と液の流れを切り替える面バルブによって、回転量に比例した液の移動を行うプランジャポンプ式の液体吐出装置および該液体吐出装置の隙間寸法設定方法に関する。
【0002】
【背景技術】
極微量の液体を高精度に吐出でき、半導体製造工程における接着剤吐出等に利用されるプランジャポンプ式の液体吐出装置(ディスペンサ)が知られている(例えば特許文献1)。
この液体吐出装置は、吸入ポートおよび吐出ポートに連通する連通孔が開口された摺接面を有するバルブブロックと、このバルブブロックの摺接面に一端の摺接面を当接された状態でボディに回転自在に支持されるとともに、前記バルブブロックの連通孔の開口に連通可能にされた状態で軸方向に穿設された3本のプランジャ挿入孔を有するポンプブロックとを備え、ポンプブロックをバルブブロック側に付勢しながら回転駆動してプランジャ挿入孔を順次連通孔に連通させるとともに、各プランジャ挿入孔内のプランジャを軸方向にそれぞれ駆動して液体の吸引および吐出を順次繰り返すものである。これにより、極微量の液体を無脈動でかつ一定量毎、吐出することができるという優れた特性を有している。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−129345号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記液体吐出装置は、バルブブロック及びポンプブロックの各摺接面を摺接させてシールする面バルブ方式を採用しているため、高粘度の液のように吐出液を圧送する場合や、ロボットで液体の吐出口を高速で移動できるように、液体をチューブなどを介して離れた位置まで送る場合には、面バルブ部分に高圧(例えば液圧が100気圧程度)が加わる場合の対応に問題があった。
すなわち、ポンプブロックはバネによってバルブブロック側に押し付けられているが、面バルブ部分に高い圧力が加わり、バネの付勢力を上回ると、ポンプブロックの摺接面がバルブブロックの摺接面から離れてしまい、液が漏れてしまうという問題が発生する。
一方、前記高圧に対応できるようにするため、バルブブロックおよびポンプブロックの各材料の許容PV値、許容荷重近くまで押し付け力(付勢力)を大きくすると、各摺接面の摩耗が多くなり、かつ、面バルブ部分の摩擦力増加によりポンプブロックを回転駆動させるための必要トルクも大きくなり、効率が低下してモータも大きくしなければならず、液体吐出装置の構造を必要以上に頑丈にかつ重くしなければならないという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、部材の摩耗を防止でき、かつ構造を簡易にできて小型化が容易であるとともに、液圧が高い場合にも対応可能な液体吐出装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の液体吐出装置は、液体が供給される吸入ポートおよび液体が吐出される吐出ポートを有し、かつ、前記吸入ポートおよび吐出ポートにそれぞれ連通する開口が形成されたポート面を有するポート部材と、前記ポート部材のポート面に対向配置されるバルブ面を有し、かつこのバルブ面と前記ポート部材のポート面との間に隙間が形成された状態で回転自在に配置されるとともに、回転軸に沿って穿設されて前記バルブ面に開口され、かつ回転軸を中心とする円周方向の位置が等間隔に配置された3本のプランジャ挿入孔を有するバルブ部材と、前記バルブ部材を回転駆動する回転駆動手段と、前記バルブ部材の3本のプランジャ挿入孔にそれぞれ軸方向摺動自在に挿入された3本のプランジャ部材と、前記各プランジャ部材を軸方向に進退駆動するプランジャ進退駆動手段と、前記ポート部材に対するバルブ部材の相対位置を調整可能に位置決めして前記隙間寸法を調整可能とする隙間寸法調整手段と、前記バルブ部材のバルブ面と前記ポート部材のポート面間に介在され、かつ、前記ポート面およびバルブ面の各開口の外周位置に前記各開口を囲むように配置されたシール材と、を備えることを特徴とするものである。
【0007】
ここで、前記バルブ面およびポート面間の隙間寸法は、主に、液体の粘性、液圧に基づいて設定され、さらに、吐出液に要求される精度、吐出スピード、粒を含む液体であるか等の条件によって設定すればよい。例えば、ポンプが停止している際に、10気圧程度の圧力で液を供給しても、その隙間部分を液が動くことが殆ど無い程度の僅かな隙間に設定すればよい。より具体的には、通常は、隙間寸法は、2μm〜50μm程度の範囲で設定すればよい。隙間寸法が2μm未満であると各面の接触を防止することが困難となり、50μmよりも大きいと液の種類によってはその隙間部分を液体が移動しやすくなり、液が吐出ポートおよび吸入ポート間で移動してしまい吐出量の精度が低下する可能性が高まるためである。従って、現実的には、5μm〜10μm程度であることが、各面の接触を確実に防止できかつ液体の移動を殆ど無くすことができる点で好ましい。なお、銀ペーストのように、液体内に粒状体が含まれている場合には、粒状体を潰さないようにするため、前記隙間寸法はその粒の直径よりも大きいことが好ましい。
【0008】
本発明では、ポート部材のポート面と、バルブ部材のバルブ面とが所定間隔離れて配置されているが、各面間にシール材が介在されているので、これらの各面およびシール材で区画される空間の容積は一定である。
そして、吸入ポートに供給された液体は、吸入ポートに面しているプランジャ挿入孔内に、その挿入孔内に配置されたプランジャが吸入ポートから離れるとともに吸引される。この際、前記隙間は、液が殆ど移動できない程度の小さな隙間寸法に設定されているため、吸入ポートから前記隙間を介して吐出ポートに移動してしまう液体は殆ど無く、吸入ポートおよび吐出ポート間は前記隙間が形成されていても実質的にはシールされている。
吸入ポートからの液体が吸入されたプランジャ挿入孔が吐出ポートまで移動し、プランジャが吐出ポート側に移動すると、そのプランジャの移動に伴って変化する体積分、吐出ポートから液体がされる。この際も、吸入ポートおよび吐出ポート間は前記隙間が形成されていても実質的にはシールされているので、プランジャによって押し出された液体は吐出ポートから吐出され、吸入ポートに戻ることは殆どないため、吐出量の精度も維持できる。
【0009】
この際、ポート部材のポート面と、バルブ部材のバルブ面とが所定間隔離れて配置されているので、各面を摺動させていた従来に比べて、各面が摩耗することもなく、かつ各面間で摩擦力が生じないため、バルブ部材を駆動するために必要なトルクも小さくでき、使用するモータも小型化できる。このため、液体吐出装置の構造も簡略化でき、軽量化できる。
また、各面間に隙間が生じても、各面間にシール材が介在されており、前記バルブ位置調整手段によって前記シール材が各面に接してシール可能な状態に維持されているので、液体が漏れることも防止できる。
さらに、前記ポート部材に対するバルブ部材の相対位置を調整可能に位置決めして前記隙間寸法を調整しているため、面バルブ部分に高い圧力が加わっても、バルブ部材をバネで押し付けている場合のように、バルブ部材が移動してしまうこともなく、液漏れを防止することができる。この際、吐出ポート部分に加わる液圧が高くなると、一部の液が前記隙間を介して吸入ポート側に戻るが、その戻り量は液圧に比例し、液圧が一定であれば戻り量も一定であるため、吐出量も一定となる。従って、液圧が高くなっても吐出量の精度を維持できる。
【0010】
ここで、前記隙間寸法調整手段は、前記バルブ部材のバルブ面がポート面に当接した当接位置を基準位置とし、この基準位置から前記バルブ部材またはポート部材の一方を互いに離れる方向に移動させて前記隙間寸法を設定することが好ましい。
バルブ面をポート面に一旦当接させた状態から、バルブ面がポート面から離れるようにバルブ部材またはポート部材を移動させるようにすれば、前記ポート部材のポート面と、バルブ部材のバルブ面との隙間が非常に小さい場合でも、確実に隙間を形成することができる。
【0011】
また、前記バルブ部材および隙間寸法調整手段間には、前記バルブ部材または隙間寸法調整手段の一方に固定されたボールベアリングが介在され、前記バルブ部材または隙間寸法調整手段の他方は、前記ボールベアリングに当接するテーパ状の位置調整面を備え、前記隙間寸法調整手段は、ポート部材およびバルブ部材に対して軸方向に移動自在に配置され、かつ、この軸方向に直交する方向にも位置調整可能に配置され、前記ボールベアリングを位置調整面に当接させることでバルブ部材のポート部材から離れる方向の移動を規制することが好ましい。
【0012】
このような構成では、前記バルブ面およびポート面の隙間が小さいため、隙間に介在されたシール材の弾性力や供給される液体の圧力で前記ポート部材はバルブ面から離れる方向に常時付勢されている。従って、バルブ部材または隙間寸法調整手段の一方に固定されたボールベアリングは、他方に形成されたテーパ状の位置調整面に常時当接し、この当接位置つまりは隙間寸法調整手段の位置を決めればバルブ部材の位置決めを行うことができる。従って、隙間寸法調整手段の構成を非常に簡易にできる。
さらに、前記位置調整面はテーパ面とされているので、前記隙間寸法調整手段等に組立精度誤差等があっても、その誤差はテーパ面に応じて隙間寸法調整手段が移動することで容易に吸収できるので、バルブ部材の位置を正確に設定することができる。
【0013】
また、前記バルブ部材のバルブ面には、シール材がバルブ面の面内方向に移動することを規制するシール保持溝が形成され、このシール保持溝は、平面略三角溝状に形成されていることが好ましい。
シール保持溝つまりは溝内に配置されるOリング等のシール材が、バルブ部材の回転中心に対して同心円状に配置されている場合、バルブ部材の回転に伴いシール材はポート面の同じ箇所(同心円位置)を移動し続けることになる。この場合、シール材が接するポート面部分は液がシール材によって排除され続けるために乾いてしまう。Oリング等のシール材は、僅かな液を介してポート面に接している状態であれば、前記液が潤滑油のような役割を果たし、シール材の損傷を抑えることができる。これに対し、液が無くなって乾いてしまうと、油膜切れのような状態になってシール材の損傷が激しくなり、シール材の寿命が短くなる。
これに対し、シール保持溝を、平面略三角溝状に形成すれば、バルブ面の回転中心位置から各シール保持溝つまりシール材までの距離が一定ではないため、ポート面の多くは、バルブ部材の回転に伴い、前記シール保持溝に対向する状態つまりシール材が接する状態と、シール保持溝以外の平面に対向する状態つまりシール材が接触せず、液体が供給される状態とを繰り返すことになり、シール材と接する部分が乾いてしまうことが無く、シール材の損傷を抑え、その寿命を長くすることができる。
【0014】
ここで、前記ポート部材のポート面には、前記各開口に連通される円弧溝が形成され、この円弧溝の長さおよび位置は、前記3つのプランジャ挿入孔のうちの1つのプランジャ挿入孔は各円弧溝に連通せず、他の2つのプランジャ挿入孔が各円弧溝にそれぞれ連通される状態と、前記3つのプランジャ挿入孔のうちの2つのプランジャ孔が吸入ポートに連通される円弧溝に連通し、他の1つのプランジャ挿入孔が吐出ポートに連通される円弧溝に連通される状態と、前記3つのプランジャ挿入孔のうちの1つのプランジャ挿入孔が吸入ポートに連通される円弧溝に連通し、他の2つのプランジャ挿入孔が吐出ポートに連通される円弧溝に連通される状態とを、前記バルブ部材の回転に伴い、切替可能に形成され、前記プランジャ進退駆動手段は、吸入ポートに連通された円弧溝に1つのプランジャ挿入孔のみが連通されている場合には、そのプランジャ挿入孔に挿通されたプランジャ部材をバルブ部材の回転角度に対する移動量が一定となるように吸入ポートから離れる方向に移動させ、吐出ポートに連通された円弧溝に1つのプランジャ挿入孔のみが連通されている場合には、そのプランジャ挿入孔に挿通されたプランジャ部材をバルブ部材の回転角度に対する移動量が一定となるように吐出ポートに近づく方向に移動させ、吸入ポートに連通された円弧溝に2つのプランジャ挿入孔が連通されている場合には、各プランジャ挿入孔に挿通されたプランジャ部材を吸入ポートから離れる方向に移動させるとともに、バルブ部材の回転角度に対する各プランジャ部材の移動量の合計が、前記1つのプランジャ挿入孔のみが吸入ポートに連通された円弧溝に連通されている場合のプランジャ部材の移動量と同一となるように設定され、吐出ポートに連通された円弧溝に2つのプランジャ挿入孔が連通されている場合には、各プランジャ挿入孔に挿通されたプランジャ部材を吐出ポートに近づく方向に移動させるとともに、バルブ部材の回転角度に対する各プランジャ部材の移動量の合計が、前記1つのプランジャ挿入孔のみが吐出ポートに連通された円弧溝に連通されている場合のプランジャ部材の移動量と同一となるように設定されていることが好ましい。
【0015】
本発明では、3本のプランジャ部材を設けるとともに、ポート面に円弧溝を形成し、各円弧溝に対して同時に2本のプランジャ挿入孔が連通できるように設定し、かつ、プランジャ進退駆動手段でプランジャの進退を所定動作に設定することで、1本のプランジャ挿入孔が各円弧溝に連通している場合のプランジャ部材の移動量と、2本のプランジャ挿入孔が各円弧溝に連通している場合の2本のプランジャ部材の移動量の合計量とが常に一致するように設定したので、各プランジャ部材を作動させた際の液体の吐出量および吸入量を、バルブ部材の回転角度に比例させることができる。このため、バルブ部材を一定速度で回転させていれば、一定の吐出量で連続して液体を吐出することができ、無脈動の連続ポンプを構成することができる。さらに、回転速度を制御することで、一定時間の吐出量を増減することができ、吐出量の制御も容易に行うことができる。
【0016】
また、前記ポート部材は、液体が供給される吸入ポートおよび液体が吐出される吐出ポートを備えたケース体と、このケース体内に配置され、前記吸入ポートおよび吐出ポートにそれぞれ連通する連通孔を有し、かつこの連通孔が開口されたポート面を有するシールディスクとを備えて構成され、前記バルブ部材は、前記シールディスクのポート面に対向配置されたバルブ面を有し、かつこのバルブ面と前記シールディスクのポート面との間に隙間が形成された状態で回転自在に前記ケース体内に配置されるとともに、回転軸に沿って穿設され、かつ回転軸を中心とする円周方向の位置が等間隔に配置された3本のプランジャ挿入孔を有するバルブディスクと、このバルブディスクと一体的に回転可能に設けられ、前記3本のプランジャ挿入孔と同軸に形成された3本のプランジャ挿入孔を有するプランジャガイドブロックと、前記ケース体内においてバルブディスクおよびプランジャガイドブロックと一体的に回転自在に配置されるとともに、前記回転軸に沿って穿設され、かつ、回転軸を中心とする円周方向の位置が等間隔に配置された3本のガイド孔を有するカムフォロワガイドブロックとを備えて構成され、前記プランジャ部材は、前記バルブディスクおよびプランジャガイドブロックの各3本のプランジャ挿入孔にそれぞれ軸方向摺動自在に挿入された3本のプランジャと、前記カムフォロワガイドブロックの3本のガイド孔にそれぞれ軸方向摺動自在に挿入された3本のカムフォロワとを備えて構成され、前記各カムフォロワは、一端側が前記3本のプランジャに当接可能に配置されたカムフォロワ本体と、カムフォロワ本体に回動自在に取り付けられたローラとを有し、前記カムフォロワのローラが当接するカム面を有する端面カムと、前記プランジャ部材をカム面側に付勢して前記カムフォロワをカム面に当接させる付勢手段とが設けられ、前記カムフォロワガイドブロック、プランジャガイドブロックおよびシールディスクを回転駆動すると、前記カム面にローラが当接しながらカム面に沿って転動することで、カム面の形状に応じて各カムフォロワが軸方向に進退し、各カムフォロワの進退に応じて前記各プランジャが進退駆動されることが好ましい。
【0017】
このように構成されていれば、バルブ部材を吐出液が接触するバルブディスクと、吐出液が接触しないプランジャガイドブロックおよびカムフォロワガイドブロックとに分離できるので、バルブディスク部分はセラミックなどの耐薬品性に優れた材質にする一方、プランジャガイドブロックやカムフォロワガイドブロックは低コストで製造できる合成樹脂を利用できる。このため、コスト増加を抑えつつ、取り扱える移送流体の種類を増やすことができ、接着剤、各種溶剤等の様々な液体の吐出に利用することができる。
また、プランジャ部材を、プランジャと、プランジャとは別体のカムフォロワとで構成されているので、接液部分を有するプランジャは所定の金属などの耐薬品性等を考慮して材質を選定でき、カムフォロワは接液を考慮せずに材質を選定でき、各々の特性に応じて最適な材質を選定することができる。
さらに、プランジャが挿入されるプランジャガイドブロックと、カムフォロワが挿入されるカムフォロワガイドブロックとを別体に構成したので、部品の加工や組立作業性を向上できる。
【0018】
本発明の隙間寸法設定方法は、前記液体吐出装置において前記ポート部材およびバルブ部材間の隙間寸法を設定する隙間寸法設定方法であって、前記隙間寸法調整手段により、前記バルブ部材のバルブ面をポート面に当接させた後、吐出する液体の粘性および液圧に基づいて設定される寸法だけ前記バルブ部材をポート部材から離れる方向に移動させて前記隙間寸法を設定することを特徴とするものである。
このような隙間寸法設定方法によれば、バルブ面をポート面に一旦当接させた状態から、バルブ面がポート面から離れるようにバルブ部材を移動させるようにすれば、前記ポート部材のポート面と、バルブ部材のバルブ面との隙間が、例えば5〜50μm程度と非常に小さい場合でも、確実に隙間を形成することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の一実施形態の液体吐出装置(ディスペンサ、ポンプ)1が示されている。
液体吐出装置1は、ケース体であるボディ10と、端面カム5と、モータ2とを備えている。ボディ10は、主筒11と、この主筒11の一端に接続された第1接続筒12と、第1接続筒12に接続された第2接続筒13と、第2接続筒13に接続されたポートブロック20とを備えて構成されている。
このボディー10の主筒11の他端側には、端面カム5およびモータ連結筒3を介して前記モータ2が取り付けられている。
ここで、モータ2は、本実施形態ではステッピングモータであるが、減速ギアを内蔵したギヤドモータやサーボモータなどの各種モータが利用可能である。
【0020】
ポートブロック20、主筒11、第1接続筒12、第2接続筒13、端面カム5、モータ連結筒3は、図示しない固定ネジによって一体的に連結されている。ここで、モータ連結筒3および主筒11は、例えばアルミニウム製であり、接続筒12,13は、例えばステンレス製であり、それらの中心軸部分には断面略円形の貫通孔が形成されている。ポートブロック20も例えばステンレス製である。また、端面カム5は、含油POM(ポリアセタール)等の合成樹脂で形成され、中心軸部分には断面円形の貫通孔が形成されている。
【0021】
主筒11、接続筒12,13内には、図1〜3に示すように、ポートブロック20側から端面カム5に向かって、シールディスク30、バルブディスク40、プランジャガイドブロック50、カムフォロワガイドブロック60がそれぞれ配置されている。なお、バルブディスク40、プランジャガイドブロック50およびカムフォロワガイドブロック60により、本発明のバルブ部材が構成されている。
【0022】
ポートブロック20には、図2に示すように、吸入ポート21及び吐出ポート22が形成されている。吸入ポート21には、ポートブロック20の側面に形成された取付用ネジ孔等を利用し、シール材23Aを介して液体供給部材23が取り付けられている。液体供給部材23には、接着剤等の吐出液体が収納された容器を直接装着したり、吐出液体が収納されたタンクからの配管を装着でき、これにより吐出液体を吸入ポート21に供給可能とされている。
一方、吐出ポート22には、雌ねじが形成され、図示しない吐出ノズルや吐出用チューブが着脱自在に取付可能とされている。これにより、吐出ポート22から吐出された液体が吐出ノズルやチューブを介して吐出されるようになっている。
【0023】
シールディスク30は、ポリアミドイミドやアルミナセラミック等の硬質材で成形されている。このシールディスク30は、ポートブロック20側の面のみに開口された孔38に、ポートブロック20に植設された図示しないピンを挿入することで、ポートブロック20に対して回り止めされた状態で配置されている。シールディスク30には、ポートブロック20の吸入ポート21及び吐出ポート22に連通された吸入側連通孔31及び吐出側連通孔32が形成され、これらの連通孔31,32はシールディスク30のポートブロック20に当接された端面と反対側に形成された平滑なポート面33にそれぞれ開口されている。
これらの各連通孔31,32のポート面33における開口部は、図4,5に示されるように、それぞれ円弧状の溝34,35とされている。
従って、ポート面33に形成されて吸入ポート21、吐出ポート22に連通された開口は円弧状の溝34,35と連通されており、吸入ポート21および吐出ポート22が形成されたポートブロック20およびポート面33が形成されたシールディスク30によって本発明のポート部材が構成されている。
【0024】
バルブディスク40は、シールディスク30に隣接して配置されている。このバルブディスク40は、アルミナセラミック等の硬質材で略円筒状に形成されている。バルブディスク40の一端には、前記シールディスク30のポート面33に対向するバルブ面41が形成されている。
また、バルブディスク40には、バルブディスク40を貫通して3本のプランジャ挿入孔42が形成され、このプランジャ挿入孔42は、図2にも示すように、バルブ面41側の小径部42Aと、バルブ面41とは反対側に形成された大径部42Bとを備えて構成されている。
【0025】
プランジャガイドブロック50は、ステンレス等の金属や含油POM(ポリアセタール)等の合成樹脂で形成され、バルブディスク40に隣接して配置されている。プランジャガイドブロック50は、図6にも示すように、小径部50Aおよび大径部50Bを有する段付きの略円柱形状に形成されている。そして、小径部50Aおよび大径部50Bを貫通し、かつ、バルブディスク40のプランジャ挿入孔42に対応した位置つまり同軸位置に形成されたプランジャ挿入孔としての3本のプランジャガイド孔52を有している。
【0026】
バルブディスク40とプランジャガイドブロック50とは、各ディスク40、ブロック50の互いに当接する当接面に、120度等配間隔で形成された各3つの溝45および孔55に、それぞれ連結ピン49を嵌挿することによって一体的に回転可能とされている。
プランジャガイドブロック50の大径部50Bにおけるモータ2側の面、つまりバルブ面41とは反対側を向いた面は、図2に示すように、プランジャガイドブロック(バルブ部材)50の中心から外周に向かうに従って前記シールディスク(ポート部材)30側に近づく向きに傾斜されたテーパ面とされ、このテーパ面によって位置調整面56が形成されている。
【0027】
プランジャガイドブロック50のカムフォロワガイドブロック60側の端面つまり小径部50Aの部分には、図2,6に示すように、前記プランジャガイド孔52が軸中心に対して120度間隔で開口され、かつ、前記プランジャガイド孔52に対して60度ずれた位置に3本の連結孔57が軸中心に対して120度間隔で開口されている。
【0028】
カムフォロワガイドブロック60は、プランジャガイドブロック50に隣接して配置され、主筒11に対してボールベアリング69を介して回動自在に支持されている。また、カムフォロワガイドブロック60は、含油POM(ポリアセタール)等の合成樹脂等で構成され、底部60Aおよび側壁部60Bを備えた有底略円筒状に形成されている。
底部60Aには、中心軸に対して120度間隔で形成され、前記プランジャガイド孔52に対応した位置つまり同軸位置に形成された3本のガイド孔61と、中心軸に対して120度間隔で形成され、前記連結孔57に対応した位置つまり同軸位置に形成された3本の連結孔62とが形成されている。
ガイド孔61には、それぞれカムフォロワとなるロッド63が軸方向摺動自在に挿入されている。また、連結孔62および連結孔57に挿通されたピン64により、プランジャガイドブロック50およびカムフォロワガイドブロック60は一体的に回転可能に構成されている。
この際、カムフォロワガイドブロック60のシールディスク30側の端面に形成された凹部に前記プランジャガイドブロック50が挿入されているので、前記プランジャガイドブロック50はカムフォロワガイドブロック60に対して軸方向に移動可能にも構成されている。
【0029】
カムフォロワガイドブロック60の側壁部60Bには、図1に示すように、所定間隔でピン65が嵌挿され、このピン65はモータ2の出力軸に取り付けられたオルダム継ぎ手等からなるカップリング4に嵌挿されている。これにより、モータ2の回転は、カップリング4を介してカムフォロワガイドブロック60に伝達され、カムフォロワガイドブロック60、プランジャガイドブロック50、バルブディスク40が一体的に回転するように構成されている。
なお、カップリング4は、モータ連結筒3および端面カム5に対してボールベアリング6を介して回転自在に支持されている。
さらに、前記ロッド63の他端もカップリング4に軸方向摺動自在に支持されている。
【0030】
端面カム5は、カップリング4が配置される貫通孔を有する。そして、端面カム5の端面にカム面5Aが形成されており、立体カムが形成されている。このカム面5Aは、所定のカム線図となるように形成されている。
【0031】
カムフォロワガイドブロック60の側壁部60Bには、120度間隔で溝が形成され、この溝部分には、各ロッド63の途中に固定されたフォロワホルダ66が軸方向移動可能かつ回転方向移動不可能に案内されている。
各フォロワホルダ66の軸にはローラからなるカムフォロワ67が回動自在に取付けられている。
【0032】
前記プランジャガイドブロック50の各プランジャガイド孔52内には、ステンレス等で形成されたプランジャ80が配置されている。このプランジャ80の一端は前記各ロッド63に当接され、他端はバルブディスク40のプランジャ挿入孔42内に配置されている。
プランジャ80の一端側(カムフォロワガイドブロック60側)にはバネ受けキャップ81が嵌合されている。バネ受けキャップ81は、前記プランジャガイド孔52の内径と略同一外径とされ、前記プランジャガイド孔52に沿って軸方向にガイドされている。
【0033】
プランジャ80の先端側には、先端側から順に、シール材82、シール押さえ部材83、リング状のバネ押さえ部材84が嵌挿されている。そして、バネ押さえ部材84と前記プランジャ80のバネ受けキャップ81間には、付勢手段としてのコイルバネ85が介在されている。
ここで、バネ受けキャップ81は、PEEK樹脂(ポリエーテルエーテルケトン)等の樹脂製であり、前記プランジャ80に圧入されて固定されている。シール材82は、耐薬品性等に優れたフッ素ゴム製のOリング等からなり、使用する液体の種類などに応じてその材質を選択すればよい。
シール押さえ部材83は、ポリアミドイミド等からなる合成樹脂製である。シール押さえ部材83には、バルブディスク40およびプランジャガイドブロック50間に介在されるフランジが形成されている。これにより、前記コイルバネ85でバネ押さえ部材84およびシール押さえ部材83が前記シールディスク30側に付勢されても、前記シール材82が配置される空間、つまりシール押さえ部材83の端面とプランジャ挿入孔42の段部間の寸法が所定寸法に維持されてシール材82が押し潰されることがないように構成されている。
従って、コイルバネ85の付勢力は、前記バネ受けキャップ81を前記各ロッド63側に付勢する方向に働き、前記バネ受けキャップ81は常にロッド63に当接し、さらにカムフォロワ67はカム面5Aに常時当接されている。
【0034】
なお、バネ押さえ部材83は、ステンレス等で形成され、前記プランジャ80の中間部に嵌め込まれたストップリングにより、プランジャ80をプランジャガイドブロック50内に組み込む前に、コイルバネ85によってプランジャ80の他端側に抜けないように配置されている。
【0035】
以上の構成により、モータ2の駆動によってカップリング4、カムフォロワガイドブロック60、プランジャガイドブロック50、バルブディス40が回転すると、前記端面カム5のカム面5Aの形状に沿って、前記各カムフォロワ67、フォロワホルダ66、ロッド63は軸方向に進退し、このロッド63の進退が前記プランジャ80に伝達されるようになっている。
従って、ロッド63、フォロワホルダ66、カムフォロワ67、プランジャ80、バネ受けキャップ81により本発明のプランジャ部材が構成され、コイルバネ85、モータ2、カップリング4、カムフォロワガイドブロック60、プランジャガイドブロック50によりプランジャ進退駆動手段が構成されている。、
【0036】
主筒11は、図3に示すように、略円筒状に形成され、その周面には軸方向中間部分までネジ111が形成されている。また、このネジ111部分には、接続筒12側に開口された溝112が6個形成されている。
この主筒11内には、図2に示すように、略リング状に形成され、外周に前記溝112部分に配置される6本のピン91が形成された隙間寸法調整手段としてのバルブ部材位置調整部材90が配置されている。このバルブ部材位置調整部材90は、前記溝112に沿ってピン91が移動することで、主筒11の内周面に対し軸方向に移動自在に配置されている。さらに、バルブ部材位置調整部材90は、主筒11の内周面よりもその直径が小さくされ、主筒11の内周面との間に隙間が形成されるように構成されている。このため、バルブ部材位置調整部材90は、隙間寸法分は、軸方向に直交する方向にも位置調整可能とされている。なお、溝112の幅寸法は、ピン91の直径よりも大きくされ、前述のバルブ部材位置調整部材90の軸直交方向の位置調整が可能なように形成されている。
また、前記ネジ111には、2つのナット95,96が螺合されている。このナット95,96には、前記ピン91が係合可能な溝が形成されており、ナット95を回して主筒11に対して軸方向に移動することで、バルブ部材位置調整部材90のバルブディスク40から離れる方向への移動が規制されるようになっている。
なお、ナット95,96はいわゆるダブルナットとされ、ナット95つまりはバルブ部材位置調整部材90を自由な位置で位置決めできるように構成されている。
【0037】
このバルブ部材位置調整部材90の内周面には、ボールベアリング92が取り付けられており、ボールベアリング92の内輪92Aは前記位置調整面56に当接するように配置されている。
【0038】
一方、バルブディスク40の各プランジャ挿入孔42のバルブ面41側の開口は、前記シールディスク30の2つの溝34,35に対向可能な位置に形成されている。そして、各プランジャ挿入孔42に挿入されるプランジャ80が吸入あるいは吐出動作をしているとき、すなわちプランジャ80が軸方向に摺動しているときには、そのプランジャ80が挿入されているプランジャ挿入孔42は溝34,35のいずれかに連通され、プランジャ80が軸方向に移動していないときには、プランジャ挿入孔42が溝34,35のいずれにも連通しない位置に位置できるように、各プランジャ挿入孔42や溝34,35の大きさ、位置が設計されている。
【0039】
さらに、バルブディスク40のバルブ面41の中心軸部分には、図4,5に示すように、平面三つ又状の凹部43が形成されている。この凹部43の中心軸から先端までの寸法L1は、前記各プランジャ挿入孔42の最も中心軸に近い部分までの寸法L2以上とされている。
また、バルブ面41には、平面略三角溝状に形成されたシール溝44が形成されている。バルブ面41の中心軸から前記各プランジャ挿入孔42の最も中心軸から離れた部分までの寸法L3は、前記中心軸からシール溝44の最も中心軸に近い部分までの寸法L4以上とされている。
そして、ポート面33において前記シール溝44の内側に対向する平面部分は、ポート面33に対してバルブ面41が回動するに伴い、バルブ面41の平面部分だけでなく、凹部43、プランジャ挿入孔42、シール溝44のいずれかが対向配置されるため、仮に、ポート面33およびバルブ面41を当接させた状態のまま駆動した場合であっても、各面33,41が接触し続ける部分が無くなり、各面33,41においてリンキングが起こり難い構成とされている。すなわち、本実施形態では、バルブディスク40の軸方向の位置を調整でき、前記シールディスク30に当接した状態にも設定可能であるため、利用者が各面33,41間に隙間を形成せずに利用してしまうおそれがある。このような場合、平面同士が密着するとリンキングが生じやすいが、凹部43等を設けることでリンキングが発生し難い構成としている。
【0040】
また、シール溝44には、フッ素ゴム等の耐液性能に優れたシール材48が介在されており、このシール材48が各ポート面33、バルブ面41に当接することで、前記シールディスク30およびバルブディスク40間から液体が外部に漏れないように構成されている。
このシール材48は、所定の弾性力を有するため、前記バルブ部材位置調整部材90を動かすと、バルブディスク40およびプランジャガイドブロック50はシール材48の弾性力で前記バルブ部材位置調整部材90側に付勢され、前記位置調整面56がバルブ部材位置調整部材90に固定されたボールベアリング92に当接し、前記ピン91がナット95に当接する位置に位置決めされる。このため、各ポート面33およびバルブ面41間には、バルブ部材位置調整部材90によって寸法調整可能な隙間が形成されることになる。
【0041】
ここにおいて、モータ2によってカムフォロワガイドブロック60を回転駆動する回転駆動手段が構成されている。そして、各連結ピン49,65,69により、カムフォロワガイドブロック60に伝えられた回転は、プランジャガイドブロック50を介してバルブディスク40に伝達され、モータ2の回転がバルブディスク40に円滑に伝達されるようになっている。
【0042】
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態の液体吐出装置1を作動させる前に、液体供給部材23に液体が収納された容器を取り付ける。なお、液体供給部材23に液体タンクに連結されたチューブを取り付けることもできる。
また、吐出ポート22に吐出ノズルや液供給チューブを取り付ける。半導体製造装置等におけるロボットアームの先端から液体を吐出する場合には、ロボットアームで支持する部分は軽量であることが好ましい。従って、吐出ポート22にチューブを取り付け、チューブの先端に吐出ノズルを取り付け、この吐出ノズル部分をロボットアームで支持するように構成すればよい。
【0043】
次に、前記シールディスク30のポート面33と、バルブディスク40のバルブ面41間の隙間寸法を設定する。
まず、ナット95を回してポートブロック20側に移動し、バルブディスク40のバルブ面41をポート面33に当接させる。なお、バルブ面41がポート面33に当接すると、バルブディスク40、プランジャガイドブロック50がそれ以上移動できないため、ナット95も回すことができなくなる。従って、作業者は、ナット95が回せなくなることでポート面33とバルブ面41の当接を容易に把握できる。
【0044】
次に、ナット95を反対方向に回して前記シールディスク30から離れる方向に移動する。ナット95の軸方向の移動量は、ネジのピッチ等で設定される。従って、予め、ナット95の回転角度に応じた軸移動量を算出しておき、設定したい隙間寸法分、ナット95を回転させる。そして、ナット96をナット95に当接する位置まで回し、ダブルナットの機能でナット95の位置を固定する。
この状態では、前記シール材48の弾性力でバルブディスク40がモータ2側に付勢され、前記位置調整面56がバルブ部材位置調整部材90のボールベアリング92に当接し、前記ピン91がナット95に当接する位置でバルブディスク40が位置決めされる。これにより、バルブ面41およびポート面33間に所定寸法の隙間が形成される。この隙間寸法は、吐出する液体の粘性、液圧、吐出精度、吐出スピード、粒を含む液体であるか等の条件によって設定され、例えば、5μmから50μmの範囲で調整できるようにされている。
【0045】
このような状態で、モータ2を駆動すると、モータの回転は、カムフォロワガイドブロック60、プランジャガイドブロック50等からなる回転駆動手段を介してバルブディスク40に伝達され、バルブディスク40をシールディスク30と所定寸法離した状態で回転させる。
【0046】
この回転に伴い、カムフォロワガイドブロック60内に介装されたフォロワホルダ66は、カムフォロワガイドブロック60とともに回転するため、ローラ状のカムフォロワ67は、前記コイルバネ85の作用により、カム面5Aに当接したまま、カム面5Aの軸方向変位に沿って進退する。
【0047】
カムフォロワ67の進退は、フォロワホルダ66、ロッド63を介してプランジャ80に伝達され、プランジャ80は、バルブディスク40のプランジャ挿入孔42内で軸方向に進退する。
このプランジャ80の進退は、カム面5Aの形状を適宜な形状に設定することにより、プランジャ80が吸入ポート21に対向している位置では、吸入ポート21側から離れる方向、すなわち、モータ2側に移動される。このプランジャ80の移動により、プランジャ挿入孔42に形成される空間に負圧が生じ、この負圧により吸入ポート21及び連通孔31、溝34を介して移送すべき液体が前記空間に吸入される。
【0048】
このプランジャ80の後端側への移動が完了する地点において、プランジャ挿入孔42は、連通孔32に連通された溝34の位置から外れ、吐出ポート22の連通孔32の溝35側に向って移動することとなる。この移動の途中においては、カム面5Aは軸方向の変位がないフラットな形状とされているため、プランジャ80は軸方向に進退することなく、そのままの位置を保った状態で溝35側へと移動する。
【0049】
プランジャ挿入孔42が吐出ポート22側の溝35に連通する位置にくると、カム面5Aの作用により、プランジャ80はシールディスク30側へ移動され、その移動量に伴い前記吸引した液体をプランジャ挿入孔42内から押出し、連通孔32を介して吐出ポート22内へと吐出する。
【0050】
このプランジャ80による液体の吐出動作は、プランジャ挿入孔42が円弧状の溝35に連通している間に行われ、この溝35からプランジャ挿入孔42が外れる前に完了し、プランジャ挿入孔42が溝35から外れた位置にくると、プランジャ80の軸方向の移動は停止される。このプランジャ80の停止状態は、カム面5Aの作用によりプランジャ挿入孔42が再び吸入ポート21側の溝34の位置にくるまで保持される。
【0051】
このようにして、プランジャ挿入孔42が再び吸入ポート21の溝34側にくると、前記カム面5Aの作用により、プランジャ80は再びモータ2側に移動され、吸入ポート21から液体を吸入する吸入動作へと移動し、以下同様の作用を繰り返し、一つのプランジャ挿入孔42のバルブディスク40の回転に伴う各一回転により、液体の吸入、吐出動作が1サイクルづつ行われることとなる。
この際、プランジャ挿入孔42は、バルブディスク40の回転に伴い、溝34に連通した状態と、溝35に連通した状態と、溝34,35のいずれとも連通しない状態とを順次繰り返してバルブの切換が行われる。
【0052】
プランジャ80の進退に伴う吸入、吐出動作は、各プランジャ挿入孔42毎に同様に行われ、図5から判るように、隣接する二つのプランジャ挿入孔42は、その吸入あるいは吐出動作の途中において、溝34や溝35に同時に二つが連通可能とされているため、各プランジャ挿入孔42へ吸入され、あるいはプランジャ挿入孔42から吐出される液体は、連続して吸入あるいは吐出され、一定の流量を保持するようになっている。
しかも、カム面5Aの形状を適宜に設定することにより、各プランジャ挿入孔42に吸入され、あるいは吐出される液体の合計の流量は常に一定となるようにされているため、脈動のない吸入及び吐出が行える。
【0053】
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1)シールディスク30のポート面33と、バルブディスク40のバルブ面41とが所定間隔離れて配置されているので、各面を摺動させる場合に比べて、各面が摩耗することもなく、かつ各面間で摩擦力が生じないため、バルブディスク40を駆動するために必要なトルクも小さくでき、使用するモータ2も小型化できる。
このため、大型のモータを用いたり、各部材に大きなトルクが加わる場合のように、構造を頑丈なものにする必要がなく、液体吐出装置1の構造を簡略化でき、装置1を軽量化することができる。
【0054】
(2)ポート面33およびバルブ面41間に隙間が生じても、各面33,41間にシール材48が介在されているので、ポート面33およびバルブ面41の外周側への液漏れを防止できる。
【0055】
(3)バルブ部材位置調整部材90は、バルブ面41をポート面33に一旦当接させた状態から、バルブ面41がポート面33から離れるようにバルブディスク40、プランジャガイドブロック50を移動させて隙間寸法を設定できるので、前記ポート面33とバルブ面41との隙間が非常に小さい場合でも、確実にかつ正確な寸法で隙間を容易に形成することができる。
【0056】
(4)シール材48の弾性力を利用して隙間を形成しており、バルブ部材位置調整部材90は、バルブディスク40およびプランジャガイドブロック50のモータ2側の移動を規制する構成であればよいため、その構造を簡略化することができる。特に、シール材48の弾性力を利用した場合、シール材48を必ず各面33,41に当接させることができ、シール性能も確実に確保できる。
さらに、バルブ部材位置調整部材90の位置は、ナット95,96を用いて設定しているので、非常に簡単な構成で実現でき、かつ微少な寸法調整を容易に行うことができる。
【0057】
(5)さらに、バルブ部材位置調整部材90のボールベアリング92が当接する位置調整面56をテーパ面とし、かつバルブ部材位置調整部材90を主筒11の内周面よりも小径に形成して軸直交方向に位置調整可能に構成したので、バルブ部材位置調整部材90が多少軸直交方向に位置ずれしていても、その誤差を位置調整面56で吸収でき、バルブ部材の位置を正確に設定することができる。
【0058】
(6)さらに、プランジャ80の進退は、カム5のカム面5Aの形状により一義的に設定されるから、カム面5Aの形状を適宜に設定することにより、3本設けられたプランジャ80の動きを正確に制御でき、脈動のない正確な吐出を行うことができる。
【0059】
(7)さらに、前記実施形態では、バルブディスク40のバルブ面41の中心軸部分に凹部43を形成したことなどで、バルブ面41に液に密着し続ける平面部分を無くしているので、仮に各面33,41が密着した状態で駆動しても、リンキングなどが生じず、スムーズに摺動させることができる。
また、シール溝44を平面略三角形状とし、シール材48がバルブディスク40の回転中心に対して同心円状に配置されないようにしたので、シール材48のポート面33への接触位置をバルブディスク40の回転に伴って変化させることができ、シール材48を液体が残っている部分に接触させてシール材48の損傷を抑えることができる。
【0060】
(8)さらに、シールディスク30及びバルブディスク40は、それぞれ硬質材であるアルミナセラミックやポリアミドイミド製等とされているので、弾性樹脂を用いた場合のように変形することがなく、吐出量を極めて高精度に制御できる。
また、接液するのは各ディスク30,40と、プランジャ80、シール48,82、ポートブロック20程度なので、これらの部品材質を適宜選択することで、耐薬品性に優れた液体吐出装置1を比較的低コストで実現することができる。このため、取り扱える移送流体が限定されず、薬液、接着剤、各種溶剤等の様々な液体の吐出に利用することができる。
【0061】
(9)シールディスク30に対してバルブディスク40を所定寸法離した状態で回転し、ポート面33に形成された吐出開口、吸入開口の切替を行う平面バルブプランジャポンプ方式を採用しているので、プランジャ80は、プランジャ挿入孔42内を進退移動するだけでよい。従って、Dカットプランジャポンプのように、それ自身の回転で切替を行う必要がなく、プランジャ80の直径を非常に細くできる。このため、プランジャ80の直径とそのストロークで設定される液体の吐出量を非常に小さくでき、数マイクロリットルさらには数ナノリットルといった極微量の液体吐出を容易に実現できる。
【0062】
(10)吐出ポート22にチューブを介して吐出ノズルを取り付けた場合には、吐出ポート22とノズルまでが離れているため、吐出ポート22部分に加わる液圧が高くなる。この場合、バネを用いてポート面33およびバルブ面41を摺接させただけでシールしている場合には、液圧によってその摺接面から外周側に液が漏れる可能性があるが、本実施形態では、バルブ部材位置調整部材90を用いて各部材を当接させて位置決めしているので、液圧が高くなってもシールディスク30およびバルブディスク40間の隙間寸法は一定のまま維持できる。このため、シール材48によるシール状態も維持でき、かつ各面33,41間に隙間が形成されているため、この隙間部分の液圧が高くなっても、吸入ポート21側に液を戻すことができるので、シール材48を越えて外周側に漏れる液を殆ど無くすことができる。
その上、吸入ポート21側に戻る液量は液圧に応じて決まるため、液圧が一定であれば吐出量も一定に維持でき、液圧が高い場合でも精度の高い吐出が可能となる。
【0063】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、シールディスク30、バルブディスク40は、前記各実施例のようにアルミナセラミック製等に限らず、窒化珪素等の他の材質のセラミックでもよいし、超硬合金等の金属製でもよい。
【0064】
端面カム5のカム面5Aの形状は適宜設定すればよい。例えば、2つのプランジャ挿入孔42が同じ溝34,35に連通している際に各プランジャ80が等加速度運動とされるカム面部分を、サインカーブのカム面などとしてもよく、要するに2つのプランジャ80の移動量の合計が一定となるように各カム面を設計すればよい。
また、一定量の液体を無脈動で連続して吐出する必要がない液体吐出装置1の場合には、その吐出動作に応じたカム面5Aに設計すればよい。要するに、カム面5Aの形状は、液体吐出装置に要求される液体の吐出動作に応じて設計すればよい。
【0065】
バルブ部材位置調整部材90の構成は、前記実施形態に限らない。例えば、前記実施形態では、ピン91やナット95,96を用いてバルブ部材位置調整部材90の位置を調整していたが、円周状に配置した多数の小ネジを用いてバルブ部材位置調整部材90の位置決めを行ってもよい。
さらに、前記実施形態では、プランジャガイドブロック50の位置調整面56にボールベアリング92を介してバルブ部材位置調整部材90を当接させていたが、プランジャガイドブロック50を回動自在にかつ軸方向移動不能に保持するような隙間寸法調整手段を用いてもよい。要するに、隙間寸法調整手段は、バルブディスク40の軸方向の位置決めを行って、各面33,41間の隙間寸法を調整できるものであればよい。
【0066】
さらに、前記実施形態の隙間寸法調整手段は、バルブ部材側を移動して調整していたが、シールディスク(ポート部材)30側を移動して調整してもよい。例えば、ポートブロック20を接続筒13に対して軸方向に移動可能に設定することで、シールディスク30をバルブディスク40に対して軸方向に移動できるように構成すればよい。
また、前記実施形態では、ボールベアリング92をバルブ部材位置調整部材90側に固定していたが、図7に示すように、プランジャガイドブロック50側に固定し、バルブ部材位置調整部材90に前記ボールベアリング92の外輪に当接するテーパ状の位置調整面93を形成してもよい。
さらに、ボールベアリング92が当接される位置調整面56,92は、テーパ状のものに限らず、平面状のものでもよい。但し、テーパ状あるいは曲面状等に形成すれば、バルブ部材位置調整部材90の位置を容易に調整でき、このため、バルブ部材位置調整部材90等の加工精度をそれほど高くする必要がないという利点がある。
また、プランジャガイドブロック50およびバルブ部材位置調整部材90間にボールベアリング92を設けずに、各部材を直接接触させてもよいが、プランジャガイドブロック50はバルブ部材位置調整部材90に対して回転されるため、その摩擦力等を軽減するためにはボールベアリング92で支持することが好ましい。
【0067】
シールディスク30のポート面33に形成された溝34,35は前記実施形態のような円弧状の溝に限らず、例えば楕円形状等のプランジャ挿入孔42との間で前記のような連通状態を実現可能な形状であればよい。
同様に、バルブディスク40のバルブ面41におけるシール溝44の形状等も例えば平面円周状等の形状にしてもよい。また、バルブ面41の凹部43の形状、さらには凹部43の有無なども実施にあたって適宜設定すればよい。
【0068】
バルブ部材を構成するバルブディスク40、プランジャガイドブロック50、カムフォロワガイドブロック60は一体に成形してもよいが、特に、バルブディスク40と、プランジャガイドブロック50およびカムフォロワガイドブロック60とは別体にしたほうが、接液部分となるバルブディスク40を小型化でき、耐薬品性に優れた高価な材料でバルブディスク40を製造する際にコストを低減できる利点がある。
さらに、プランジャガイドブロック50およびカムフォロワガイドブロック60は一体に成形してもよい。
【0069】
また、前記実施形態では、ポートブロック20とシールディスク30とでポート部材を構成していたが、ポートブロック20にポート面を形成し、このポートブロック20にバルブ部材を対向配置させることで、ポート部材をポートブロック20のみで形成してもよい。すなわち、ポート部材を液体吐出装置のケース部分で構成してもよい。この場合、シールディスク30を不要にできて部品点数を軽減できるので、洗浄などのメンテナンスを容易に行える利点がある。一方で、シールディスク30を用いれば、シールディスク30のみをDLCコーティングすればよいため、ポートブロック20全体をコーティングする場合に比べて、コーティング費用を軽減できる。
【0070】
また、モータ2としては、ステッピングモータ、サーボモータ、シンクロナスモータ、DCモータ、インダクションモータ、レバーシブルモータ、エアモータ等の種々のモータを利用することができる。
また、これら以外の部分の形状、構造等も前記実施例に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0071】
なお、本発明の液体吐出装置1は、一定流量を所定時間流し続ける定流量用に用いられるだけでなく、例えばモータ2を適宜制御して液体を所定パターンで吐出したり、所定の液体が流れているラインの流量計測値等に応じて微量の液をライン内に吐出して混合したり、ラインからサンプリングしたりする場合に利用できる。
【0072】
さらに、所定の液体が流れているラインにプランジャポンプを介在させてポンプ前後のラインの圧力等が平衡状態となるようにモータ2を作動させ、その平衡状態のモータ2の回転量やパルス数等から流量を測定してもよい。特に、本発明のプランジャポンプは、極微量の液体を吸引・吐出することに適しているので極微量流量計としても利用できる。
【0073】
【発明の効果】
上述のような本発明によれば、部材の摩耗を防止でき、かつ構造を簡易にできて小型化が容易であるとともに、液圧が高い場合にも対応できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態の要部を示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態の要部を示す分解斜視図である。
【図4】シールディスクおよびバルブディスクを示す斜視図である。
【図5】シールディスクおよびバルブディスクの摺接面を示す概略図である。
【図6】プランジャガイドブロックを示す斜視図である。
【図7】本発明の変形例の要部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 液体吐出装置
2 モータ
5 端面カム
10 ボディ
11 主筒
20 ポートブロック
21 吸入ポート
22 吐出ポート
30 シールディスク
33 ポート面
40 バルブディスク
41 バルブ面
42 プランジャ挿入孔
48 シール材
50 プランジャガイドブロック
52 プランジャガイド孔
56,93 位置調整面
60 カムフォロワガイドブロック
63 ロッド
66 フォロワホルダ
67 カムフォロワ
80 プランジャ
82 シール材
85 コイルバネ
90 バルブ部材位置調整部材
91 ピン
92 ボールベアリング
92A 内輪
95,96 ナット
111 ネジ
112 溝
【発明の属する技術分野】
本発明は、プランジャの往復動を利用して液体を吸入、吐出するプランジャポンプに関し、特に公転する3本のプランジャの往復動と液の流れを切り替える面バルブによって、回転量に比例した液の移動を行うプランジャポンプ式の液体吐出装置および該液体吐出装置の隙間寸法設定方法に関する。
【0002】
【背景技術】
極微量の液体を高精度に吐出でき、半導体製造工程における接着剤吐出等に利用されるプランジャポンプ式の液体吐出装置(ディスペンサ)が知られている(例えば特許文献1)。
この液体吐出装置は、吸入ポートおよび吐出ポートに連通する連通孔が開口された摺接面を有するバルブブロックと、このバルブブロックの摺接面に一端の摺接面を当接された状態でボディに回転自在に支持されるとともに、前記バルブブロックの連通孔の開口に連通可能にされた状態で軸方向に穿設された3本のプランジャ挿入孔を有するポンプブロックとを備え、ポンプブロックをバルブブロック側に付勢しながら回転駆動してプランジャ挿入孔を順次連通孔に連通させるとともに、各プランジャ挿入孔内のプランジャを軸方向にそれぞれ駆動して液体の吸引および吐出を順次繰り返すものである。これにより、極微量の液体を無脈動でかつ一定量毎、吐出することができるという優れた特性を有している。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−129345号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記液体吐出装置は、バルブブロック及びポンプブロックの各摺接面を摺接させてシールする面バルブ方式を採用しているため、高粘度の液のように吐出液を圧送する場合や、ロボットで液体の吐出口を高速で移動できるように、液体をチューブなどを介して離れた位置まで送る場合には、面バルブ部分に高圧(例えば液圧が100気圧程度)が加わる場合の対応に問題があった。
すなわち、ポンプブロックはバネによってバルブブロック側に押し付けられているが、面バルブ部分に高い圧力が加わり、バネの付勢力を上回ると、ポンプブロックの摺接面がバルブブロックの摺接面から離れてしまい、液が漏れてしまうという問題が発生する。
一方、前記高圧に対応できるようにするため、バルブブロックおよびポンプブロックの各材料の許容PV値、許容荷重近くまで押し付け力(付勢力)を大きくすると、各摺接面の摩耗が多くなり、かつ、面バルブ部分の摩擦力増加によりポンプブロックを回転駆動させるための必要トルクも大きくなり、効率が低下してモータも大きくしなければならず、液体吐出装置の構造を必要以上に頑丈にかつ重くしなければならないという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、部材の摩耗を防止でき、かつ構造を簡易にできて小型化が容易であるとともに、液圧が高い場合にも対応可能な液体吐出装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の液体吐出装置は、液体が供給される吸入ポートおよび液体が吐出される吐出ポートを有し、かつ、前記吸入ポートおよび吐出ポートにそれぞれ連通する開口が形成されたポート面を有するポート部材と、前記ポート部材のポート面に対向配置されるバルブ面を有し、かつこのバルブ面と前記ポート部材のポート面との間に隙間が形成された状態で回転自在に配置されるとともに、回転軸に沿って穿設されて前記バルブ面に開口され、かつ回転軸を中心とする円周方向の位置が等間隔に配置された3本のプランジャ挿入孔を有するバルブ部材と、前記バルブ部材を回転駆動する回転駆動手段と、前記バルブ部材の3本のプランジャ挿入孔にそれぞれ軸方向摺動自在に挿入された3本のプランジャ部材と、前記各プランジャ部材を軸方向に進退駆動するプランジャ進退駆動手段と、前記ポート部材に対するバルブ部材の相対位置を調整可能に位置決めして前記隙間寸法を調整可能とする隙間寸法調整手段と、前記バルブ部材のバルブ面と前記ポート部材のポート面間に介在され、かつ、前記ポート面およびバルブ面の各開口の外周位置に前記各開口を囲むように配置されたシール材と、を備えることを特徴とするものである。
【0007】
ここで、前記バルブ面およびポート面間の隙間寸法は、主に、液体の粘性、液圧に基づいて設定され、さらに、吐出液に要求される精度、吐出スピード、粒を含む液体であるか等の条件によって設定すればよい。例えば、ポンプが停止している際に、10気圧程度の圧力で液を供給しても、その隙間部分を液が動くことが殆ど無い程度の僅かな隙間に設定すればよい。より具体的には、通常は、隙間寸法は、2μm〜50μm程度の範囲で設定すればよい。隙間寸法が2μm未満であると各面の接触を防止することが困難となり、50μmよりも大きいと液の種類によってはその隙間部分を液体が移動しやすくなり、液が吐出ポートおよび吸入ポート間で移動してしまい吐出量の精度が低下する可能性が高まるためである。従って、現実的には、5μm〜10μm程度であることが、各面の接触を確実に防止できかつ液体の移動を殆ど無くすことができる点で好ましい。なお、銀ペーストのように、液体内に粒状体が含まれている場合には、粒状体を潰さないようにするため、前記隙間寸法はその粒の直径よりも大きいことが好ましい。
【0008】
本発明では、ポート部材のポート面と、バルブ部材のバルブ面とが所定間隔離れて配置されているが、各面間にシール材が介在されているので、これらの各面およびシール材で区画される空間の容積は一定である。
そして、吸入ポートに供給された液体は、吸入ポートに面しているプランジャ挿入孔内に、その挿入孔内に配置されたプランジャが吸入ポートから離れるとともに吸引される。この際、前記隙間は、液が殆ど移動できない程度の小さな隙間寸法に設定されているため、吸入ポートから前記隙間を介して吐出ポートに移動してしまう液体は殆ど無く、吸入ポートおよび吐出ポート間は前記隙間が形成されていても実質的にはシールされている。
吸入ポートからの液体が吸入されたプランジャ挿入孔が吐出ポートまで移動し、プランジャが吐出ポート側に移動すると、そのプランジャの移動に伴って変化する体積分、吐出ポートから液体がされる。この際も、吸入ポートおよび吐出ポート間は前記隙間が形成されていても実質的にはシールされているので、プランジャによって押し出された液体は吐出ポートから吐出され、吸入ポートに戻ることは殆どないため、吐出量の精度も維持できる。
【0009】
この際、ポート部材のポート面と、バルブ部材のバルブ面とが所定間隔離れて配置されているので、各面を摺動させていた従来に比べて、各面が摩耗することもなく、かつ各面間で摩擦力が生じないため、バルブ部材を駆動するために必要なトルクも小さくでき、使用するモータも小型化できる。このため、液体吐出装置の構造も簡略化でき、軽量化できる。
また、各面間に隙間が生じても、各面間にシール材が介在されており、前記バルブ位置調整手段によって前記シール材が各面に接してシール可能な状態に維持されているので、液体が漏れることも防止できる。
さらに、前記ポート部材に対するバルブ部材の相対位置を調整可能に位置決めして前記隙間寸法を調整しているため、面バルブ部分に高い圧力が加わっても、バルブ部材をバネで押し付けている場合のように、バルブ部材が移動してしまうこともなく、液漏れを防止することができる。この際、吐出ポート部分に加わる液圧が高くなると、一部の液が前記隙間を介して吸入ポート側に戻るが、その戻り量は液圧に比例し、液圧が一定であれば戻り量も一定であるため、吐出量も一定となる。従って、液圧が高くなっても吐出量の精度を維持できる。
【0010】
ここで、前記隙間寸法調整手段は、前記バルブ部材のバルブ面がポート面に当接した当接位置を基準位置とし、この基準位置から前記バルブ部材またはポート部材の一方を互いに離れる方向に移動させて前記隙間寸法を設定することが好ましい。
バルブ面をポート面に一旦当接させた状態から、バルブ面がポート面から離れるようにバルブ部材またはポート部材を移動させるようにすれば、前記ポート部材のポート面と、バルブ部材のバルブ面との隙間が非常に小さい場合でも、確実に隙間を形成することができる。
【0011】
また、前記バルブ部材および隙間寸法調整手段間には、前記バルブ部材または隙間寸法調整手段の一方に固定されたボールベアリングが介在され、前記バルブ部材または隙間寸法調整手段の他方は、前記ボールベアリングに当接するテーパ状の位置調整面を備え、前記隙間寸法調整手段は、ポート部材およびバルブ部材に対して軸方向に移動自在に配置され、かつ、この軸方向に直交する方向にも位置調整可能に配置され、前記ボールベアリングを位置調整面に当接させることでバルブ部材のポート部材から離れる方向の移動を規制することが好ましい。
【0012】
このような構成では、前記バルブ面およびポート面の隙間が小さいため、隙間に介在されたシール材の弾性力や供給される液体の圧力で前記ポート部材はバルブ面から離れる方向に常時付勢されている。従って、バルブ部材または隙間寸法調整手段の一方に固定されたボールベアリングは、他方に形成されたテーパ状の位置調整面に常時当接し、この当接位置つまりは隙間寸法調整手段の位置を決めればバルブ部材の位置決めを行うことができる。従って、隙間寸法調整手段の構成を非常に簡易にできる。
さらに、前記位置調整面はテーパ面とされているので、前記隙間寸法調整手段等に組立精度誤差等があっても、その誤差はテーパ面に応じて隙間寸法調整手段が移動することで容易に吸収できるので、バルブ部材の位置を正確に設定することができる。
【0013】
また、前記バルブ部材のバルブ面には、シール材がバルブ面の面内方向に移動することを規制するシール保持溝が形成され、このシール保持溝は、平面略三角溝状に形成されていることが好ましい。
シール保持溝つまりは溝内に配置されるOリング等のシール材が、バルブ部材の回転中心に対して同心円状に配置されている場合、バルブ部材の回転に伴いシール材はポート面の同じ箇所(同心円位置)を移動し続けることになる。この場合、シール材が接するポート面部分は液がシール材によって排除され続けるために乾いてしまう。Oリング等のシール材は、僅かな液を介してポート面に接している状態であれば、前記液が潤滑油のような役割を果たし、シール材の損傷を抑えることができる。これに対し、液が無くなって乾いてしまうと、油膜切れのような状態になってシール材の損傷が激しくなり、シール材の寿命が短くなる。
これに対し、シール保持溝を、平面略三角溝状に形成すれば、バルブ面の回転中心位置から各シール保持溝つまりシール材までの距離が一定ではないため、ポート面の多くは、バルブ部材の回転に伴い、前記シール保持溝に対向する状態つまりシール材が接する状態と、シール保持溝以外の平面に対向する状態つまりシール材が接触せず、液体が供給される状態とを繰り返すことになり、シール材と接する部分が乾いてしまうことが無く、シール材の損傷を抑え、その寿命を長くすることができる。
【0014】
ここで、前記ポート部材のポート面には、前記各開口に連通される円弧溝が形成され、この円弧溝の長さおよび位置は、前記3つのプランジャ挿入孔のうちの1つのプランジャ挿入孔は各円弧溝に連通せず、他の2つのプランジャ挿入孔が各円弧溝にそれぞれ連通される状態と、前記3つのプランジャ挿入孔のうちの2つのプランジャ孔が吸入ポートに連通される円弧溝に連通し、他の1つのプランジャ挿入孔が吐出ポートに連通される円弧溝に連通される状態と、前記3つのプランジャ挿入孔のうちの1つのプランジャ挿入孔が吸入ポートに連通される円弧溝に連通し、他の2つのプランジャ挿入孔が吐出ポートに連通される円弧溝に連通される状態とを、前記バルブ部材の回転に伴い、切替可能に形成され、前記プランジャ進退駆動手段は、吸入ポートに連通された円弧溝に1つのプランジャ挿入孔のみが連通されている場合には、そのプランジャ挿入孔に挿通されたプランジャ部材をバルブ部材の回転角度に対する移動量が一定となるように吸入ポートから離れる方向に移動させ、吐出ポートに連通された円弧溝に1つのプランジャ挿入孔のみが連通されている場合には、そのプランジャ挿入孔に挿通されたプランジャ部材をバルブ部材の回転角度に対する移動量が一定となるように吐出ポートに近づく方向に移動させ、吸入ポートに連通された円弧溝に2つのプランジャ挿入孔が連通されている場合には、各プランジャ挿入孔に挿通されたプランジャ部材を吸入ポートから離れる方向に移動させるとともに、バルブ部材の回転角度に対する各プランジャ部材の移動量の合計が、前記1つのプランジャ挿入孔のみが吸入ポートに連通された円弧溝に連通されている場合のプランジャ部材の移動量と同一となるように設定され、吐出ポートに連通された円弧溝に2つのプランジャ挿入孔が連通されている場合には、各プランジャ挿入孔に挿通されたプランジャ部材を吐出ポートに近づく方向に移動させるとともに、バルブ部材の回転角度に対する各プランジャ部材の移動量の合計が、前記1つのプランジャ挿入孔のみが吐出ポートに連通された円弧溝に連通されている場合のプランジャ部材の移動量と同一となるように設定されていることが好ましい。
【0015】
本発明では、3本のプランジャ部材を設けるとともに、ポート面に円弧溝を形成し、各円弧溝に対して同時に2本のプランジャ挿入孔が連通できるように設定し、かつ、プランジャ進退駆動手段でプランジャの進退を所定動作に設定することで、1本のプランジャ挿入孔が各円弧溝に連通している場合のプランジャ部材の移動量と、2本のプランジャ挿入孔が各円弧溝に連通している場合の2本のプランジャ部材の移動量の合計量とが常に一致するように設定したので、各プランジャ部材を作動させた際の液体の吐出量および吸入量を、バルブ部材の回転角度に比例させることができる。このため、バルブ部材を一定速度で回転させていれば、一定の吐出量で連続して液体を吐出することができ、無脈動の連続ポンプを構成することができる。さらに、回転速度を制御することで、一定時間の吐出量を増減することができ、吐出量の制御も容易に行うことができる。
【0016】
また、前記ポート部材は、液体が供給される吸入ポートおよび液体が吐出される吐出ポートを備えたケース体と、このケース体内に配置され、前記吸入ポートおよび吐出ポートにそれぞれ連通する連通孔を有し、かつこの連通孔が開口されたポート面を有するシールディスクとを備えて構成され、前記バルブ部材は、前記シールディスクのポート面に対向配置されたバルブ面を有し、かつこのバルブ面と前記シールディスクのポート面との間に隙間が形成された状態で回転自在に前記ケース体内に配置されるとともに、回転軸に沿って穿設され、かつ回転軸を中心とする円周方向の位置が等間隔に配置された3本のプランジャ挿入孔を有するバルブディスクと、このバルブディスクと一体的に回転可能に設けられ、前記3本のプランジャ挿入孔と同軸に形成された3本のプランジャ挿入孔を有するプランジャガイドブロックと、前記ケース体内においてバルブディスクおよびプランジャガイドブロックと一体的に回転自在に配置されるとともに、前記回転軸に沿って穿設され、かつ、回転軸を中心とする円周方向の位置が等間隔に配置された3本のガイド孔を有するカムフォロワガイドブロックとを備えて構成され、前記プランジャ部材は、前記バルブディスクおよびプランジャガイドブロックの各3本のプランジャ挿入孔にそれぞれ軸方向摺動自在に挿入された3本のプランジャと、前記カムフォロワガイドブロックの3本のガイド孔にそれぞれ軸方向摺動自在に挿入された3本のカムフォロワとを備えて構成され、前記各カムフォロワは、一端側が前記3本のプランジャに当接可能に配置されたカムフォロワ本体と、カムフォロワ本体に回動自在に取り付けられたローラとを有し、前記カムフォロワのローラが当接するカム面を有する端面カムと、前記プランジャ部材をカム面側に付勢して前記カムフォロワをカム面に当接させる付勢手段とが設けられ、前記カムフォロワガイドブロック、プランジャガイドブロックおよびシールディスクを回転駆動すると、前記カム面にローラが当接しながらカム面に沿って転動することで、カム面の形状に応じて各カムフォロワが軸方向に進退し、各カムフォロワの進退に応じて前記各プランジャが進退駆動されることが好ましい。
【0017】
このように構成されていれば、バルブ部材を吐出液が接触するバルブディスクと、吐出液が接触しないプランジャガイドブロックおよびカムフォロワガイドブロックとに分離できるので、バルブディスク部分はセラミックなどの耐薬品性に優れた材質にする一方、プランジャガイドブロックやカムフォロワガイドブロックは低コストで製造できる合成樹脂を利用できる。このため、コスト増加を抑えつつ、取り扱える移送流体の種類を増やすことができ、接着剤、各種溶剤等の様々な液体の吐出に利用することができる。
また、プランジャ部材を、プランジャと、プランジャとは別体のカムフォロワとで構成されているので、接液部分を有するプランジャは所定の金属などの耐薬品性等を考慮して材質を選定でき、カムフォロワは接液を考慮せずに材質を選定でき、各々の特性に応じて最適な材質を選定することができる。
さらに、プランジャが挿入されるプランジャガイドブロックと、カムフォロワが挿入されるカムフォロワガイドブロックとを別体に構成したので、部品の加工や組立作業性を向上できる。
【0018】
本発明の隙間寸法設定方法は、前記液体吐出装置において前記ポート部材およびバルブ部材間の隙間寸法を設定する隙間寸法設定方法であって、前記隙間寸法調整手段により、前記バルブ部材のバルブ面をポート面に当接させた後、吐出する液体の粘性および液圧に基づいて設定される寸法だけ前記バルブ部材をポート部材から離れる方向に移動させて前記隙間寸法を設定することを特徴とするものである。
このような隙間寸法設定方法によれば、バルブ面をポート面に一旦当接させた状態から、バルブ面がポート面から離れるようにバルブ部材を移動させるようにすれば、前記ポート部材のポート面と、バルブ部材のバルブ面との隙間が、例えば5〜50μm程度と非常に小さい場合でも、確実に隙間を形成することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の一実施形態の液体吐出装置(ディスペンサ、ポンプ)1が示されている。
液体吐出装置1は、ケース体であるボディ10と、端面カム5と、モータ2とを備えている。ボディ10は、主筒11と、この主筒11の一端に接続された第1接続筒12と、第1接続筒12に接続された第2接続筒13と、第2接続筒13に接続されたポートブロック20とを備えて構成されている。
このボディー10の主筒11の他端側には、端面カム5およびモータ連結筒3を介して前記モータ2が取り付けられている。
ここで、モータ2は、本実施形態ではステッピングモータであるが、減速ギアを内蔵したギヤドモータやサーボモータなどの各種モータが利用可能である。
【0020】
ポートブロック20、主筒11、第1接続筒12、第2接続筒13、端面カム5、モータ連結筒3は、図示しない固定ネジによって一体的に連結されている。ここで、モータ連結筒3および主筒11は、例えばアルミニウム製であり、接続筒12,13は、例えばステンレス製であり、それらの中心軸部分には断面略円形の貫通孔が形成されている。ポートブロック20も例えばステンレス製である。また、端面カム5は、含油POM(ポリアセタール)等の合成樹脂で形成され、中心軸部分には断面円形の貫通孔が形成されている。
【0021】
主筒11、接続筒12,13内には、図1〜3に示すように、ポートブロック20側から端面カム5に向かって、シールディスク30、バルブディスク40、プランジャガイドブロック50、カムフォロワガイドブロック60がそれぞれ配置されている。なお、バルブディスク40、プランジャガイドブロック50およびカムフォロワガイドブロック60により、本発明のバルブ部材が構成されている。
【0022】
ポートブロック20には、図2に示すように、吸入ポート21及び吐出ポート22が形成されている。吸入ポート21には、ポートブロック20の側面に形成された取付用ネジ孔等を利用し、シール材23Aを介して液体供給部材23が取り付けられている。液体供給部材23には、接着剤等の吐出液体が収納された容器を直接装着したり、吐出液体が収納されたタンクからの配管を装着でき、これにより吐出液体を吸入ポート21に供給可能とされている。
一方、吐出ポート22には、雌ねじが形成され、図示しない吐出ノズルや吐出用チューブが着脱自在に取付可能とされている。これにより、吐出ポート22から吐出された液体が吐出ノズルやチューブを介して吐出されるようになっている。
【0023】
シールディスク30は、ポリアミドイミドやアルミナセラミック等の硬質材で成形されている。このシールディスク30は、ポートブロック20側の面のみに開口された孔38に、ポートブロック20に植設された図示しないピンを挿入することで、ポートブロック20に対して回り止めされた状態で配置されている。シールディスク30には、ポートブロック20の吸入ポート21及び吐出ポート22に連通された吸入側連通孔31及び吐出側連通孔32が形成され、これらの連通孔31,32はシールディスク30のポートブロック20に当接された端面と反対側に形成された平滑なポート面33にそれぞれ開口されている。
これらの各連通孔31,32のポート面33における開口部は、図4,5に示されるように、それぞれ円弧状の溝34,35とされている。
従って、ポート面33に形成されて吸入ポート21、吐出ポート22に連通された開口は円弧状の溝34,35と連通されており、吸入ポート21および吐出ポート22が形成されたポートブロック20およびポート面33が形成されたシールディスク30によって本発明のポート部材が構成されている。
【0024】
バルブディスク40は、シールディスク30に隣接して配置されている。このバルブディスク40は、アルミナセラミック等の硬質材で略円筒状に形成されている。バルブディスク40の一端には、前記シールディスク30のポート面33に対向するバルブ面41が形成されている。
また、バルブディスク40には、バルブディスク40を貫通して3本のプランジャ挿入孔42が形成され、このプランジャ挿入孔42は、図2にも示すように、バルブ面41側の小径部42Aと、バルブ面41とは反対側に形成された大径部42Bとを備えて構成されている。
【0025】
プランジャガイドブロック50は、ステンレス等の金属や含油POM(ポリアセタール)等の合成樹脂で形成され、バルブディスク40に隣接して配置されている。プランジャガイドブロック50は、図6にも示すように、小径部50Aおよび大径部50Bを有する段付きの略円柱形状に形成されている。そして、小径部50Aおよび大径部50Bを貫通し、かつ、バルブディスク40のプランジャ挿入孔42に対応した位置つまり同軸位置に形成されたプランジャ挿入孔としての3本のプランジャガイド孔52を有している。
【0026】
バルブディスク40とプランジャガイドブロック50とは、各ディスク40、ブロック50の互いに当接する当接面に、120度等配間隔で形成された各3つの溝45および孔55に、それぞれ連結ピン49を嵌挿することによって一体的に回転可能とされている。
プランジャガイドブロック50の大径部50Bにおけるモータ2側の面、つまりバルブ面41とは反対側を向いた面は、図2に示すように、プランジャガイドブロック(バルブ部材)50の中心から外周に向かうに従って前記シールディスク(ポート部材)30側に近づく向きに傾斜されたテーパ面とされ、このテーパ面によって位置調整面56が形成されている。
【0027】
プランジャガイドブロック50のカムフォロワガイドブロック60側の端面つまり小径部50Aの部分には、図2,6に示すように、前記プランジャガイド孔52が軸中心に対して120度間隔で開口され、かつ、前記プランジャガイド孔52に対して60度ずれた位置に3本の連結孔57が軸中心に対して120度間隔で開口されている。
【0028】
カムフォロワガイドブロック60は、プランジャガイドブロック50に隣接して配置され、主筒11に対してボールベアリング69を介して回動自在に支持されている。また、カムフォロワガイドブロック60は、含油POM(ポリアセタール)等の合成樹脂等で構成され、底部60Aおよび側壁部60Bを備えた有底略円筒状に形成されている。
底部60Aには、中心軸に対して120度間隔で形成され、前記プランジャガイド孔52に対応した位置つまり同軸位置に形成された3本のガイド孔61と、中心軸に対して120度間隔で形成され、前記連結孔57に対応した位置つまり同軸位置に形成された3本の連結孔62とが形成されている。
ガイド孔61には、それぞれカムフォロワとなるロッド63が軸方向摺動自在に挿入されている。また、連結孔62および連結孔57に挿通されたピン64により、プランジャガイドブロック50およびカムフォロワガイドブロック60は一体的に回転可能に構成されている。
この際、カムフォロワガイドブロック60のシールディスク30側の端面に形成された凹部に前記プランジャガイドブロック50が挿入されているので、前記プランジャガイドブロック50はカムフォロワガイドブロック60に対して軸方向に移動可能にも構成されている。
【0029】
カムフォロワガイドブロック60の側壁部60Bには、図1に示すように、所定間隔でピン65が嵌挿され、このピン65はモータ2の出力軸に取り付けられたオルダム継ぎ手等からなるカップリング4に嵌挿されている。これにより、モータ2の回転は、カップリング4を介してカムフォロワガイドブロック60に伝達され、カムフォロワガイドブロック60、プランジャガイドブロック50、バルブディスク40が一体的に回転するように構成されている。
なお、カップリング4は、モータ連結筒3および端面カム5に対してボールベアリング6を介して回転自在に支持されている。
さらに、前記ロッド63の他端もカップリング4に軸方向摺動自在に支持されている。
【0030】
端面カム5は、カップリング4が配置される貫通孔を有する。そして、端面カム5の端面にカム面5Aが形成されており、立体カムが形成されている。このカム面5Aは、所定のカム線図となるように形成されている。
【0031】
カムフォロワガイドブロック60の側壁部60Bには、120度間隔で溝が形成され、この溝部分には、各ロッド63の途中に固定されたフォロワホルダ66が軸方向移動可能かつ回転方向移動不可能に案内されている。
各フォロワホルダ66の軸にはローラからなるカムフォロワ67が回動自在に取付けられている。
【0032】
前記プランジャガイドブロック50の各プランジャガイド孔52内には、ステンレス等で形成されたプランジャ80が配置されている。このプランジャ80の一端は前記各ロッド63に当接され、他端はバルブディスク40のプランジャ挿入孔42内に配置されている。
プランジャ80の一端側(カムフォロワガイドブロック60側)にはバネ受けキャップ81が嵌合されている。バネ受けキャップ81は、前記プランジャガイド孔52の内径と略同一外径とされ、前記プランジャガイド孔52に沿って軸方向にガイドされている。
【0033】
プランジャ80の先端側には、先端側から順に、シール材82、シール押さえ部材83、リング状のバネ押さえ部材84が嵌挿されている。そして、バネ押さえ部材84と前記プランジャ80のバネ受けキャップ81間には、付勢手段としてのコイルバネ85が介在されている。
ここで、バネ受けキャップ81は、PEEK樹脂(ポリエーテルエーテルケトン)等の樹脂製であり、前記プランジャ80に圧入されて固定されている。シール材82は、耐薬品性等に優れたフッ素ゴム製のOリング等からなり、使用する液体の種類などに応じてその材質を選択すればよい。
シール押さえ部材83は、ポリアミドイミド等からなる合成樹脂製である。シール押さえ部材83には、バルブディスク40およびプランジャガイドブロック50間に介在されるフランジが形成されている。これにより、前記コイルバネ85でバネ押さえ部材84およびシール押さえ部材83が前記シールディスク30側に付勢されても、前記シール材82が配置される空間、つまりシール押さえ部材83の端面とプランジャ挿入孔42の段部間の寸法が所定寸法に維持されてシール材82が押し潰されることがないように構成されている。
従って、コイルバネ85の付勢力は、前記バネ受けキャップ81を前記各ロッド63側に付勢する方向に働き、前記バネ受けキャップ81は常にロッド63に当接し、さらにカムフォロワ67はカム面5Aに常時当接されている。
【0034】
なお、バネ押さえ部材83は、ステンレス等で形成され、前記プランジャ80の中間部に嵌め込まれたストップリングにより、プランジャ80をプランジャガイドブロック50内に組み込む前に、コイルバネ85によってプランジャ80の他端側に抜けないように配置されている。
【0035】
以上の構成により、モータ2の駆動によってカップリング4、カムフォロワガイドブロック60、プランジャガイドブロック50、バルブディス40が回転すると、前記端面カム5のカム面5Aの形状に沿って、前記各カムフォロワ67、フォロワホルダ66、ロッド63は軸方向に進退し、このロッド63の進退が前記プランジャ80に伝達されるようになっている。
従って、ロッド63、フォロワホルダ66、カムフォロワ67、プランジャ80、バネ受けキャップ81により本発明のプランジャ部材が構成され、コイルバネ85、モータ2、カップリング4、カムフォロワガイドブロック60、プランジャガイドブロック50によりプランジャ進退駆動手段が構成されている。、
【0036】
主筒11は、図3に示すように、略円筒状に形成され、その周面には軸方向中間部分までネジ111が形成されている。また、このネジ111部分には、接続筒12側に開口された溝112が6個形成されている。
この主筒11内には、図2に示すように、略リング状に形成され、外周に前記溝112部分に配置される6本のピン91が形成された隙間寸法調整手段としてのバルブ部材位置調整部材90が配置されている。このバルブ部材位置調整部材90は、前記溝112に沿ってピン91が移動することで、主筒11の内周面に対し軸方向に移動自在に配置されている。さらに、バルブ部材位置調整部材90は、主筒11の内周面よりもその直径が小さくされ、主筒11の内周面との間に隙間が形成されるように構成されている。このため、バルブ部材位置調整部材90は、隙間寸法分は、軸方向に直交する方向にも位置調整可能とされている。なお、溝112の幅寸法は、ピン91の直径よりも大きくされ、前述のバルブ部材位置調整部材90の軸直交方向の位置調整が可能なように形成されている。
また、前記ネジ111には、2つのナット95,96が螺合されている。このナット95,96には、前記ピン91が係合可能な溝が形成されており、ナット95を回して主筒11に対して軸方向に移動することで、バルブ部材位置調整部材90のバルブディスク40から離れる方向への移動が規制されるようになっている。
なお、ナット95,96はいわゆるダブルナットとされ、ナット95つまりはバルブ部材位置調整部材90を自由な位置で位置決めできるように構成されている。
【0037】
このバルブ部材位置調整部材90の内周面には、ボールベアリング92が取り付けられており、ボールベアリング92の内輪92Aは前記位置調整面56に当接するように配置されている。
【0038】
一方、バルブディスク40の各プランジャ挿入孔42のバルブ面41側の開口は、前記シールディスク30の2つの溝34,35に対向可能な位置に形成されている。そして、各プランジャ挿入孔42に挿入されるプランジャ80が吸入あるいは吐出動作をしているとき、すなわちプランジャ80が軸方向に摺動しているときには、そのプランジャ80が挿入されているプランジャ挿入孔42は溝34,35のいずれかに連通され、プランジャ80が軸方向に移動していないときには、プランジャ挿入孔42が溝34,35のいずれにも連通しない位置に位置できるように、各プランジャ挿入孔42や溝34,35の大きさ、位置が設計されている。
【0039】
さらに、バルブディスク40のバルブ面41の中心軸部分には、図4,5に示すように、平面三つ又状の凹部43が形成されている。この凹部43の中心軸から先端までの寸法L1は、前記各プランジャ挿入孔42の最も中心軸に近い部分までの寸法L2以上とされている。
また、バルブ面41には、平面略三角溝状に形成されたシール溝44が形成されている。バルブ面41の中心軸から前記各プランジャ挿入孔42の最も中心軸から離れた部分までの寸法L3は、前記中心軸からシール溝44の最も中心軸に近い部分までの寸法L4以上とされている。
そして、ポート面33において前記シール溝44の内側に対向する平面部分は、ポート面33に対してバルブ面41が回動するに伴い、バルブ面41の平面部分だけでなく、凹部43、プランジャ挿入孔42、シール溝44のいずれかが対向配置されるため、仮に、ポート面33およびバルブ面41を当接させた状態のまま駆動した場合であっても、各面33,41が接触し続ける部分が無くなり、各面33,41においてリンキングが起こり難い構成とされている。すなわち、本実施形態では、バルブディスク40の軸方向の位置を調整でき、前記シールディスク30に当接した状態にも設定可能であるため、利用者が各面33,41間に隙間を形成せずに利用してしまうおそれがある。このような場合、平面同士が密着するとリンキングが生じやすいが、凹部43等を設けることでリンキングが発生し難い構成としている。
【0040】
また、シール溝44には、フッ素ゴム等の耐液性能に優れたシール材48が介在されており、このシール材48が各ポート面33、バルブ面41に当接することで、前記シールディスク30およびバルブディスク40間から液体が外部に漏れないように構成されている。
このシール材48は、所定の弾性力を有するため、前記バルブ部材位置調整部材90を動かすと、バルブディスク40およびプランジャガイドブロック50はシール材48の弾性力で前記バルブ部材位置調整部材90側に付勢され、前記位置調整面56がバルブ部材位置調整部材90に固定されたボールベアリング92に当接し、前記ピン91がナット95に当接する位置に位置決めされる。このため、各ポート面33およびバルブ面41間には、バルブ部材位置調整部材90によって寸法調整可能な隙間が形成されることになる。
【0041】
ここにおいて、モータ2によってカムフォロワガイドブロック60を回転駆動する回転駆動手段が構成されている。そして、各連結ピン49,65,69により、カムフォロワガイドブロック60に伝えられた回転は、プランジャガイドブロック50を介してバルブディスク40に伝達され、モータ2の回転がバルブディスク40に円滑に伝達されるようになっている。
【0042】
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態の液体吐出装置1を作動させる前に、液体供給部材23に液体が収納された容器を取り付ける。なお、液体供給部材23に液体タンクに連結されたチューブを取り付けることもできる。
また、吐出ポート22に吐出ノズルや液供給チューブを取り付ける。半導体製造装置等におけるロボットアームの先端から液体を吐出する場合には、ロボットアームで支持する部分は軽量であることが好ましい。従って、吐出ポート22にチューブを取り付け、チューブの先端に吐出ノズルを取り付け、この吐出ノズル部分をロボットアームで支持するように構成すればよい。
【0043】
次に、前記シールディスク30のポート面33と、バルブディスク40のバルブ面41間の隙間寸法を設定する。
まず、ナット95を回してポートブロック20側に移動し、バルブディスク40のバルブ面41をポート面33に当接させる。なお、バルブ面41がポート面33に当接すると、バルブディスク40、プランジャガイドブロック50がそれ以上移動できないため、ナット95も回すことができなくなる。従って、作業者は、ナット95が回せなくなることでポート面33とバルブ面41の当接を容易に把握できる。
【0044】
次に、ナット95を反対方向に回して前記シールディスク30から離れる方向に移動する。ナット95の軸方向の移動量は、ネジのピッチ等で設定される。従って、予め、ナット95の回転角度に応じた軸移動量を算出しておき、設定したい隙間寸法分、ナット95を回転させる。そして、ナット96をナット95に当接する位置まで回し、ダブルナットの機能でナット95の位置を固定する。
この状態では、前記シール材48の弾性力でバルブディスク40がモータ2側に付勢され、前記位置調整面56がバルブ部材位置調整部材90のボールベアリング92に当接し、前記ピン91がナット95に当接する位置でバルブディスク40が位置決めされる。これにより、バルブ面41およびポート面33間に所定寸法の隙間が形成される。この隙間寸法は、吐出する液体の粘性、液圧、吐出精度、吐出スピード、粒を含む液体であるか等の条件によって設定され、例えば、5μmから50μmの範囲で調整できるようにされている。
【0045】
このような状態で、モータ2を駆動すると、モータの回転は、カムフォロワガイドブロック60、プランジャガイドブロック50等からなる回転駆動手段を介してバルブディスク40に伝達され、バルブディスク40をシールディスク30と所定寸法離した状態で回転させる。
【0046】
この回転に伴い、カムフォロワガイドブロック60内に介装されたフォロワホルダ66は、カムフォロワガイドブロック60とともに回転するため、ローラ状のカムフォロワ67は、前記コイルバネ85の作用により、カム面5Aに当接したまま、カム面5Aの軸方向変位に沿って進退する。
【0047】
カムフォロワ67の進退は、フォロワホルダ66、ロッド63を介してプランジャ80に伝達され、プランジャ80は、バルブディスク40のプランジャ挿入孔42内で軸方向に進退する。
このプランジャ80の進退は、カム面5Aの形状を適宜な形状に設定することにより、プランジャ80が吸入ポート21に対向している位置では、吸入ポート21側から離れる方向、すなわち、モータ2側に移動される。このプランジャ80の移動により、プランジャ挿入孔42に形成される空間に負圧が生じ、この負圧により吸入ポート21及び連通孔31、溝34を介して移送すべき液体が前記空間に吸入される。
【0048】
このプランジャ80の後端側への移動が完了する地点において、プランジャ挿入孔42は、連通孔32に連通された溝34の位置から外れ、吐出ポート22の連通孔32の溝35側に向って移動することとなる。この移動の途中においては、カム面5Aは軸方向の変位がないフラットな形状とされているため、プランジャ80は軸方向に進退することなく、そのままの位置を保った状態で溝35側へと移動する。
【0049】
プランジャ挿入孔42が吐出ポート22側の溝35に連通する位置にくると、カム面5Aの作用により、プランジャ80はシールディスク30側へ移動され、その移動量に伴い前記吸引した液体をプランジャ挿入孔42内から押出し、連通孔32を介して吐出ポート22内へと吐出する。
【0050】
このプランジャ80による液体の吐出動作は、プランジャ挿入孔42が円弧状の溝35に連通している間に行われ、この溝35からプランジャ挿入孔42が外れる前に完了し、プランジャ挿入孔42が溝35から外れた位置にくると、プランジャ80の軸方向の移動は停止される。このプランジャ80の停止状態は、カム面5Aの作用によりプランジャ挿入孔42が再び吸入ポート21側の溝34の位置にくるまで保持される。
【0051】
このようにして、プランジャ挿入孔42が再び吸入ポート21の溝34側にくると、前記カム面5Aの作用により、プランジャ80は再びモータ2側に移動され、吸入ポート21から液体を吸入する吸入動作へと移動し、以下同様の作用を繰り返し、一つのプランジャ挿入孔42のバルブディスク40の回転に伴う各一回転により、液体の吸入、吐出動作が1サイクルづつ行われることとなる。
この際、プランジャ挿入孔42は、バルブディスク40の回転に伴い、溝34に連通した状態と、溝35に連通した状態と、溝34,35のいずれとも連通しない状態とを順次繰り返してバルブの切換が行われる。
【0052】
プランジャ80の進退に伴う吸入、吐出動作は、各プランジャ挿入孔42毎に同様に行われ、図5から判るように、隣接する二つのプランジャ挿入孔42は、その吸入あるいは吐出動作の途中において、溝34や溝35に同時に二つが連通可能とされているため、各プランジャ挿入孔42へ吸入され、あるいはプランジャ挿入孔42から吐出される液体は、連続して吸入あるいは吐出され、一定の流量を保持するようになっている。
しかも、カム面5Aの形状を適宜に設定することにより、各プランジャ挿入孔42に吸入され、あるいは吐出される液体の合計の流量は常に一定となるようにされているため、脈動のない吸入及び吐出が行える。
【0053】
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1)シールディスク30のポート面33と、バルブディスク40のバルブ面41とが所定間隔離れて配置されているので、各面を摺動させる場合に比べて、各面が摩耗することもなく、かつ各面間で摩擦力が生じないため、バルブディスク40を駆動するために必要なトルクも小さくでき、使用するモータ2も小型化できる。
このため、大型のモータを用いたり、各部材に大きなトルクが加わる場合のように、構造を頑丈なものにする必要がなく、液体吐出装置1の構造を簡略化でき、装置1を軽量化することができる。
【0054】
(2)ポート面33およびバルブ面41間に隙間が生じても、各面33,41間にシール材48が介在されているので、ポート面33およびバルブ面41の外周側への液漏れを防止できる。
【0055】
(3)バルブ部材位置調整部材90は、バルブ面41をポート面33に一旦当接させた状態から、バルブ面41がポート面33から離れるようにバルブディスク40、プランジャガイドブロック50を移動させて隙間寸法を設定できるので、前記ポート面33とバルブ面41との隙間が非常に小さい場合でも、確実にかつ正確な寸法で隙間を容易に形成することができる。
【0056】
(4)シール材48の弾性力を利用して隙間を形成しており、バルブ部材位置調整部材90は、バルブディスク40およびプランジャガイドブロック50のモータ2側の移動を規制する構成であればよいため、その構造を簡略化することができる。特に、シール材48の弾性力を利用した場合、シール材48を必ず各面33,41に当接させることができ、シール性能も確実に確保できる。
さらに、バルブ部材位置調整部材90の位置は、ナット95,96を用いて設定しているので、非常に簡単な構成で実現でき、かつ微少な寸法調整を容易に行うことができる。
【0057】
(5)さらに、バルブ部材位置調整部材90のボールベアリング92が当接する位置調整面56をテーパ面とし、かつバルブ部材位置調整部材90を主筒11の内周面よりも小径に形成して軸直交方向に位置調整可能に構成したので、バルブ部材位置調整部材90が多少軸直交方向に位置ずれしていても、その誤差を位置調整面56で吸収でき、バルブ部材の位置を正確に設定することができる。
【0058】
(6)さらに、プランジャ80の進退は、カム5のカム面5Aの形状により一義的に設定されるから、カム面5Aの形状を適宜に設定することにより、3本設けられたプランジャ80の動きを正確に制御でき、脈動のない正確な吐出を行うことができる。
【0059】
(7)さらに、前記実施形態では、バルブディスク40のバルブ面41の中心軸部分に凹部43を形成したことなどで、バルブ面41に液に密着し続ける平面部分を無くしているので、仮に各面33,41が密着した状態で駆動しても、リンキングなどが生じず、スムーズに摺動させることができる。
また、シール溝44を平面略三角形状とし、シール材48がバルブディスク40の回転中心に対して同心円状に配置されないようにしたので、シール材48のポート面33への接触位置をバルブディスク40の回転に伴って変化させることができ、シール材48を液体が残っている部分に接触させてシール材48の損傷を抑えることができる。
【0060】
(8)さらに、シールディスク30及びバルブディスク40は、それぞれ硬質材であるアルミナセラミックやポリアミドイミド製等とされているので、弾性樹脂を用いた場合のように変形することがなく、吐出量を極めて高精度に制御できる。
また、接液するのは各ディスク30,40と、プランジャ80、シール48,82、ポートブロック20程度なので、これらの部品材質を適宜選択することで、耐薬品性に優れた液体吐出装置1を比較的低コストで実現することができる。このため、取り扱える移送流体が限定されず、薬液、接着剤、各種溶剤等の様々な液体の吐出に利用することができる。
【0061】
(9)シールディスク30に対してバルブディスク40を所定寸法離した状態で回転し、ポート面33に形成された吐出開口、吸入開口の切替を行う平面バルブプランジャポンプ方式を採用しているので、プランジャ80は、プランジャ挿入孔42内を進退移動するだけでよい。従って、Dカットプランジャポンプのように、それ自身の回転で切替を行う必要がなく、プランジャ80の直径を非常に細くできる。このため、プランジャ80の直径とそのストロークで設定される液体の吐出量を非常に小さくでき、数マイクロリットルさらには数ナノリットルといった極微量の液体吐出を容易に実現できる。
【0062】
(10)吐出ポート22にチューブを介して吐出ノズルを取り付けた場合には、吐出ポート22とノズルまでが離れているため、吐出ポート22部分に加わる液圧が高くなる。この場合、バネを用いてポート面33およびバルブ面41を摺接させただけでシールしている場合には、液圧によってその摺接面から外周側に液が漏れる可能性があるが、本実施形態では、バルブ部材位置調整部材90を用いて各部材を当接させて位置決めしているので、液圧が高くなってもシールディスク30およびバルブディスク40間の隙間寸法は一定のまま維持できる。このため、シール材48によるシール状態も維持でき、かつ各面33,41間に隙間が形成されているため、この隙間部分の液圧が高くなっても、吸入ポート21側に液を戻すことができるので、シール材48を越えて外周側に漏れる液を殆ど無くすことができる。
その上、吸入ポート21側に戻る液量は液圧に応じて決まるため、液圧が一定であれば吐出量も一定に維持でき、液圧が高い場合でも精度の高い吐出が可能となる。
【0063】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、シールディスク30、バルブディスク40は、前記各実施例のようにアルミナセラミック製等に限らず、窒化珪素等の他の材質のセラミックでもよいし、超硬合金等の金属製でもよい。
【0064】
端面カム5のカム面5Aの形状は適宜設定すればよい。例えば、2つのプランジャ挿入孔42が同じ溝34,35に連通している際に各プランジャ80が等加速度運動とされるカム面部分を、サインカーブのカム面などとしてもよく、要するに2つのプランジャ80の移動量の合計が一定となるように各カム面を設計すればよい。
また、一定量の液体を無脈動で連続して吐出する必要がない液体吐出装置1の場合には、その吐出動作に応じたカム面5Aに設計すればよい。要するに、カム面5Aの形状は、液体吐出装置に要求される液体の吐出動作に応じて設計すればよい。
【0065】
バルブ部材位置調整部材90の構成は、前記実施形態に限らない。例えば、前記実施形態では、ピン91やナット95,96を用いてバルブ部材位置調整部材90の位置を調整していたが、円周状に配置した多数の小ネジを用いてバルブ部材位置調整部材90の位置決めを行ってもよい。
さらに、前記実施形態では、プランジャガイドブロック50の位置調整面56にボールベアリング92を介してバルブ部材位置調整部材90を当接させていたが、プランジャガイドブロック50を回動自在にかつ軸方向移動不能に保持するような隙間寸法調整手段を用いてもよい。要するに、隙間寸法調整手段は、バルブディスク40の軸方向の位置決めを行って、各面33,41間の隙間寸法を調整できるものであればよい。
【0066】
さらに、前記実施形態の隙間寸法調整手段は、バルブ部材側を移動して調整していたが、シールディスク(ポート部材)30側を移動して調整してもよい。例えば、ポートブロック20を接続筒13に対して軸方向に移動可能に設定することで、シールディスク30をバルブディスク40に対して軸方向に移動できるように構成すればよい。
また、前記実施形態では、ボールベアリング92をバルブ部材位置調整部材90側に固定していたが、図7に示すように、プランジャガイドブロック50側に固定し、バルブ部材位置調整部材90に前記ボールベアリング92の外輪に当接するテーパ状の位置調整面93を形成してもよい。
さらに、ボールベアリング92が当接される位置調整面56,92は、テーパ状のものに限らず、平面状のものでもよい。但し、テーパ状あるいは曲面状等に形成すれば、バルブ部材位置調整部材90の位置を容易に調整でき、このため、バルブ部材位置調整部材90等の加工精度をそれほど高くする必要がないという利点がある。
また、プランジャガイドブロック50およびバルブ部材位置調整部材90間にボールベアリング92を設けずに、各部材を直接接触させてもよいが、プランジャガイドブロック50はバルブ部材位置調整部材90に対して回転されるため、その摩擦力等を軽減するためにはボールベアリング92で支持することが好ましい。
【0067】
シールディスク30のポート面33に形成された溝34,35は前記実施形態のような円弧状の溝に限らず、例えば楕円形状等のプランジャ挿入孔42との間で前記のような連通状態を実現可能な形状であればよい。
同様に、バルブディスク40のバルブ面41におけるシール溝44の形状等も例えば平面円周状等の形状にしてもよい。また、バルブ面41の凹部43の形状、さらには凹部43の有無なども実施にあたって適宜設定すればよい。
【0068】
バルブ部材を構成するバルブディスク40、プランジャガイドブロック50、カムフォロワガイドブロック60は一体に成形してもよいが、特に、バルブディスク40と、プランジャガイドブロック50およびカムフォロワガイドブロック60とは別体にしたほうが、接液部分となるバルブディスク40を小型化でき、耐薬品性に優れた高価な材料でバルブディスク40を製造する際にコストを低減できる利点がある。
さらに、プランジャガイドブロック50およびカムフォロワガイドブロック60は一体に成形してもよい。
【0069】
また、前記実施形態では、ポートブロック20とシールディスク30とでポート部材を構成していたが、ポートブロック20にポート面を形成し、このポートブロック20にバルブ部材を対向配置させることで、ポート部材をポートブロック20のみで形成してもよい。すなわち、ポート部材を液体吐出装置のケース部分で構成してもよい。この場合、シールディスク30を不要にできて部品点数を軽減できるので、洗浄などのメンテナンスを容易に行える利点がある。一方で、シールディスク30を用いれば、シールディスク30のみをDLCコーティングすればよいため、ポートブロック20全体をコーティングする場合に比べて、コーティング費用を軽減できる。
【0070】
また、モータ2としては、ステッピングモータ、サーボモータ、シンクロナスモータ、DCモータ、インダクションモータ、レバーシブルモータ、エアモータ等の種々のモータを利用することができる。
また、これら以外の部分の形状、構造等も前記実施例に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0071】
なお、本発明の液体吐出装置1は、一定流量を所定時間流し続ける定流量用に用いられるだけでなく、例えばモータ2を適宜制御して液体を所定パターンで吐出したり、所定の液体が流れているラインの流量計測値等に応じて微量の液をライン内に吐出して混合したり、ラインからサンプリングしたりする場合に利用できる。
【0072】
さらに、所定の液体が流れているラインにプランジャポンプを介在させてポンプ前後のラインの圧力等が平衡状態となるようにモータ2を作動させ、その平衡状態のモータ2の回転量やパルス数等から流量を測定してもよい。特に、本発明のプランジャポンプは、極微量の液体を吸引・吐出することに適しているので極微量流量計としても利用できる。
【0073】
【発明の効果】
上述のような本発明によれば、部材の摩耗を防止でき、かつ構造を簡易にできて小型化が容易であるとともに、液圧が高い場合にも対応できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態の要部を示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態の要部を示す分解斜視図である。
【図4】シールディスクおよびバルブディスクを示す斜視図である。
【図5】シールディスクおよびバルブディスクの摺接面を示す概略図である。
【図6】プランジャガイドブロックを示す斜視図である。
【図7】本発明の変形例の要部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 液体吐出装置
2 モータ
5 端面カム
10 ボディ
11 主筒
20 ポートブロック
21 吸入ポート
22 吐出ポート
30 シールディスク
33 ポート面
40 バルブディスク
41 バルブ面
42 プランジャ挿入孔
48 シール材
50 プランジャガイドブロック
52 プランジャガイド孔
56,93 位置調整面
60 カムフォロワガイドブロック
63 ロッド
66 フォロワホルダ
67 カムフォロワ
80 プランジャ
82 シール材
85 コイルバネ
90 バルブ部材位置調整部材
91 ピン
92 ボールベアリング
92A 内輪
95,96 ナット
111 ネジ
112 溝
Claims (7)
- 液体が供給される吸入ポートおよび液体が吐出される吐出ポートを有し、かつ、前記吸入ポートおよび吐出ポートにそれぞれ連通する開口が形成されたポート面を有するポート部材と、
前記ポート部材のポート面に対向配置されるバルブ面を有し、かつこのバルブ面と前記ポート部材のポート面との間に隙間が形成された状態で回転自在に配置されるとともに、回転軸に沿って穿設されて前記バルブ面に開口され、かつ回転軸を中心とする円周方向の位置が等間隔に配置された3本のプランジャ挿入孔を有するバルブ部材と、
前記バルブ部材を回転駆動する回転駆動手段と、
前記バルブ部材の3本のプランジャ挿入孔にそれぞれ軸方向摺動自在に挿入された3本のプランジャ部材と、
前記各プランジャ部材を軸方向に進退駆動するプランジャ進退駆動手段と、
前記ポート部材に対するバルブ部材の相対位置を調整可能に位置決めして前記隙間寸法を調整可能とする隙間寸法調整手段と、
前記バルブ部材のバルブ面と前記ポート部材のポート面間に介在され、かつ、前記ポート面およびバルブ面の各開口の外周位置に前記各開口を囲むように配置されたシール材と、
を備えることを特徴とする液体吐出装置。 - 請求項1に記載の液体吐出装置において、
前記隙間寸法調整手段は、前記バルブ部材のバルブ面がポート面に当接した当接位置を基準位置とし、この基準位置から前記バルブ部材またはポート部材の一方を互いに離れる方向に移動させて前記隙間寸法を設定することを特徴とする液体吐出装置。 - 請求項1または請求項2に記載の液体吐出装置において、
前記バルブ部材および隙間寸法調整手段間には、前記バルブ部材または隙間寸法調整手段の一方に固定されたボールベアリングが介在され、
前記バルブ部材または隙間寸法調整手段の他方は、前記ボールベアリングに当接するテーパ状の位置調整面を備え、
前記隙間寸法調整手段は、ポート部材およびバルブ部材に対して軸方向に移動自在に配置され、かつ、この軸方向に直交する方向にも位置調整可能に配置され、前記ボールベアリングを位置調整面に当接させることでバルブ部材のポート部材から離れる方向の移動を規制することを特徴とする液体吐出装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の液体吐出装置において、
前記バルブ部材のバルブ面には、シール材がバルブ面の面内方向に移動することを規制するシール保持溝が形成され、このシール保持溝は、平面略三角溝状に形成されていることを特徴とする液体吐出装置。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の液体吐出装置において、
前記ポート部材のポート面には、前記各開口に連通される円弧溝が形成され、
この円弧溝の長さおよび位置は、
前記3つのプランジャ挿入孔のうちの1つのプランジャ挿入孔は各円弧溝に連通せず、他の2つのプランジャ挿入孔が各円弧溝にそれぞれ連通される状態と、
前記3つのプランジャ挿入孔のうちの2つのプランジャ孔が吸入ポートに連通される円弧溝に連通し、他の1つのプランジャ挿入孔が吐出ポートに連通される円弧溝に連通される状態と、
前記3つのプランジャ挿入孔のうちの1つのプランジャ挿入孔が吸入ポートに連通される円弧溝に連通し、他の2つのプランジャ挿入孔が吐出ポートに連通される円弧溝に連通される状態とを、前記バルブ部材の回転に伴い、切替可能に形成され、
前記プランジャ進退駆動手段は、吸入ポートに連通された円弧溝に1つのプランジャ挿入孔のみが連通されている場合には、そのプランジャ挿入孔に挿通されたプランジャ部材をバルブ部材の回転角度に対する移動量が一定となるように吸入ポートから離れる方向に移動させ、
吐出ポートに連通された円弧溝に1つのプランジャ挿入孔のみが連通されている場合には、そのプランジャ挿入孔に挿通されたプランジャ部材をバルブ部材の回転角度に対する移動量が一定となるように吐出ポートに近づく方向に移動させ、
吸入ポートに連通された円弧溝に2つのプランジャ挿入孔が連通されている場合には、各プランジャ挿入孔に挿通されたプランジャ部材を吸入ポートから離れる方向に移動させるとともに、バルブ部材の回転角度に対する各プランジャ部材の移動量の合計が、前記1つのプランジャ挿入孔のみが吸入ポートに連通された円弧溝に連通されている場合のプランジャ部材の移動量と同一となるように設定され、
吐出ポートに連通された円弧溝に2つのプランジャ挿入孔が連通されている場合には、各プランジャ挿入孔に挿通されたプランジャ部材を吐出ポートに近づく方向に移動させるとともに、バルブ部材の回転角度に対する各プランジャ部材の移動量の合計が、前記1つのプランジャ挿入孔のみが吐出ポートに連通された円弧溝に連通されている場合のプランジャ部材の移動量と同一となるように設定されていることを特徴とする液体吐出装置。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の液体吐出装置において、
前記ポート部材は、
液体が供給される吸入ポートおよび液体が吐出される吐出ポートを備えたケース体と、
このケース体内に配置され、前記吸入ポートおよび吐出ポートにそれぞれ連通する連通孔を有し、かつこの連通孔が開口されたポート面を有するシールディスクとを備えて構成され、
前記バルブ部材は、
前記シールディスクのポート面に対向配置されたバルブ面を有し、かつこのバルブ面と前記シールディスクのポート面との間に隙間が形成された状態で回転自在に前記ケース体内に配置されるとともに、回転軸に沿って穿設され、かつ回転軸を中心とする円周方向の位置が等間隔に配置された3本のプランジャ挿入孔を有するバルブディスクと、
このバルブディスクと一体的に回転可能に設けられ、前記3本のプランジャ挿入孔と同軸に形成された3本のプランジャ挿入孔を有するプランジャガイドブロックと、
前記ケース体内においてバルブディスクおよびプランジャガイドブロックと一体的に回転自在に配置されるとともに、前記回転軸に沿って穿設され、かつ、回転軸を中心とする円周方向の位置が等間隔に配置された3本のガイド孔を有するカムフォロワガイドブロックとを備えて構成され、
前記プランジャ部材は、
前記バルブディスクおよびプランジャガイドブロックの各3本のプランジャ挿入孔にそれぞれ軸方向摺動自在に挿入された3本のプランジャと、
前記カムフォロワガイドブロックの3本のガイド孔にそれぞれ軸方向摺動自在に挿入された3本のカムフォロワとを備えて構成され、
前記各カムフォロワは、一端側が前記3本のプランジャに当接可能に配置されたカムフォロワ本体と、カムフォロワ本体に回動自在に取り付けられたローラとを有し、
前記カムフォロワのローラが当接するカム面を有する端面カムと、前記プランジャ部材をカム面側に付勢して前記カムフォロワをカム面に当接させる付勢手段とが設けられ、
前記カムフォロワガイドブロック、プランジャガイドブロックおよびシールディスクを回転駆動すると、前記カム面にローラが当接しながらカム面に沿って転動することで、カム面の形状に応じて各カムフォロワが軸方向に進退し、各カムフォロワの進退に応じて前記各プランジャが進退駆動されることを特徴とする液体吐出装置。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載の液体吐出装置において前記ポート部材およびバルブ部材間の隙間寸法を設定する隙間寸法設定方法であって、
前記隙間寸法調整手段により、前記バルブ部材のバルブ面をポート面に当接させた後、吐出する液体の粘性および液圧に基づいて設定される寸法だけ前記バルブ部材をポート部材から離れる方向に移動させて前記隙間寸法を設定することを特徴とする隙間寸法設定方法。
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JP2003155192A JP2004353623A (ja) | 2003-05-30 | 2003-05-30 | 液体吐出装置および液体吐出装置の隙間寸法設定方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2016011868A1 (zh) * | 2014-07-24 | 2016-01-28 | 台州市大江实业有限公司 | 一种高压水泵 |
US9777725B2 (en) | 2014-07-24 | 2017-10-03 | Taizhou Dajiang Ind. Co., Ltd. | High pressure water pump |
CN113552378A (zh) * | 2021-07-22 | 2021-10-26 | 中国科学院南海海洋研究所 | 一种柱塞式选通阀及多通道试样选通送样一体化装置 |
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2003
- 2003-05-30 JP JP2003155192A patent/JP2004353623A/ja not_active Withdrawn
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CN113552378B (zh) * | 2021-07-22 | 2023-11-17 | 中国科学院南海海洋研究所 | 一种柱塞式选通阀及多通道试样选通送样一体化装置 |
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