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JP2004349097A - 表示装置 - Google Patents

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JP2004349097A
JP2004349097A JP2003144427A JP2003144427A JP2004349097A JP 2004349097 A JP2004349097 A JP 2004349097A JP 2003144427 A JP2003144427 A JP 2003144427A JP 2003144427 A JP2003144427 A JP 2003144427A JP 2004349097 A JP2004349097 A JP 2004349097A
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insulating film
electrode
wiring
layer
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JP2003144427A
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English (en)
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Takayuki Hirano
貴之 平野
Chiyoko Sato
千代子 佐藤
Shin Asano
慎 浅野
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

【課題】TFTに接続された回路を形成するための層構造を削減可能なアクティブマトリックス型の表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】表示領域1aを構成する各画素3にTFT(薄膜トランジスタ)5が設けられ、TFT5を覆う層間絶縁膜25上の各画素3にTFT5に接続した下部電極27が画素電極としてパターン形成された駆動基板を有し、駆動基板における表示領域1aの周囲の周辺領域1bには、下部電極27と同一層で形成された接続配線27bが設けられている。この接続配線27bは、TFT5に接続された電源線v1,v2,…間を接続する接続配線である。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示装置に関し、特には表示領域を構成する各画素に画素電極を駆動するための薄膜トランジスタが設けられた表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機材料のエレクトロルミネッセンス(Electroluminescence:以下ELと記す)を利用した有機EL素子は、下部電極と上部電極との間に、有機正孔輸送層や有機発光層を積層させてなる有機層を設けてなり、低電圧直流駆動による高輝度発光が可能な発光素子として注目されている。
【0003】
このような有機EL素子を用いたアクティブマトリックス型の表示装置は、基板上の各画素に薄膜トランジスタ(thin film transistor:TFT)が設けられている。そして、このTFTを覆う状態で設けられた層間絶縁膜上の各画素に、TFTに接続させた状態で、上記有機EL素子の下部電極が画素電極としてパターン形成されており、この下部電極(画素電極)がTFTによってオン−オフ駆動される。
【0004】
このような表示装置の画素回路は、例えば図1に示すような回路構成となっている。すなわち、表示装置の表示領域1aには、水平方向に複数の走査線s1,s2,…が延設されており、これと直交する垂直方向に複数のデータ線d1,d2,…および電源線v1,v2,…が交互に延設されている。そして、これらの走査線S1,S2,…、データ線d1,d2,…および電源線v1,v2,…で囲まれた各部分が1つの画素3となっている。各画素3には、例えば画素3−11に図示したように、走査線s1にゲートを接続させデータ線d1にソースを接続させたnチャンネルのTFT5、このTFT5のドレインと電源線v1との間に接続されたキャパシタ7、TFT5のドレインにゲートを接続させ電源線v1にソースを接続させたpチャンネルのTFT9と、このTFT9のドレインに陽極が接続され陰極が接地された有機EL素子11が設けられている。
【0005】
また、表示領域1aがこのような回路構成となっている表示装置においては、表示領域1aの周辺領域に、走査線s1,s2,…、データ線d1,d2,…、さらには電源線v1,v2,…に信号を与えるための駆動集積回路を設けたものもある。このような駆動集積回路は、TFT5,9やキャパシタ7等を用いて構成される画素回路の形成と同一プロセスで基板上に形成される。そして、この駆動集積回路や画素回路を覆う層間絶縁膜上に、有機EL素子が形成される。(以上、下記特許文献1参照)
【0006】
【特許文献1】
特開平11−54268号公報(第3頁〜第4頁および図1、図2)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した駆動集積回路を有する表示装置においては、層間絶縁膜の下層に、有機EL素子を除く全ての回路が設けられることになる。このため、このような構成の表示装置では、層間絶縁膜の下層においての回路形成のための層構造が多層化し、複雑化する。したがって、表示装置の製造工程数が増加すると言った問題があった。
【0008】
そこで本発明は、TFTに接続された回路を形成するための層構造を削減することが可能で、これによって層構造の簡略化と製造工程数の削減を図ることができるアクティブマトリックス型の表示装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するための本発明における第1の表示装置は、基板上の表示領域を構成する各画素に設けられた薄膜トランジスタと、当該薄膜トランジスタを覆う状態で設けられた層間絶縁膜と、薄膜トランジスタに接続された下部電極上に有機層および上部電極をこの順に積層させた状態で層間絶縁膜上の各画素に設けられた有機EL素子とを有する表示装置において、特に、層間絶縁膜条における表示領域の周囲に、下部電極および上部電極の少なくとも一方と同一層で形成された配線が設けられていることを特徴としている。
【0010】
また、第2の表示装置は、第1の表示装置と同様に設けられた有機EL素子を有し、さらに有機EL素子を構成する下部電極と絶縁されかつ上部電極に接続された状態で、層間絶縁膜上における画素間に設けられた補助電極を有する表示装置において、特に、層間絶縁膜上における表示領域の周囲に、補助電極と同一層で形成された配線が設けられていることを特徴としている。
【0011】
このような構成の第1、第2の表示装置においては、有機EL素子を構成する上部電極、下部電極、または補助電極と同一層で形成された配線を表示領域の周囲に設けることで、上述した第1の表示装置と同様に、層間絶縁膜の下方に設けられた薄膜トランジスタに接続される配線回路の一部にこの配線を用いることができる。このため、配線回路を構成する層のうちの幾つかが、画素電極を構成する層と共通化され、配線層数が削減される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ここで説明する各実施形態の表示装置は、画素毎に有機EL素子とこれに接続された薄膜トランジスタ(TFT)と備えたアクティブマトリックス型の表示装置であり、表示領域における回路構成は、例えば従来の技術において図1を用いて説明したと同様であることとする。このため、従来の技術において図1を用いて説明したと同様の構成要素には同一の符号を付し、各実施形態においては、この図1を参照しつつ各実施形態の図面を用いて説明を行うこととする。
【0013】
<第1実施形態>
図2は、第1実施形態の表示装置の構成を示す図であり、(a)は表示領域の要部断面図であり、(b)は周辺領域の要部断面図であり、(c)は周辺領域の要部平面図である。尚、(b)は(c)のA−A’断面に相当する。
【0014】
これらの図に示す表示装置は、基板1上における表示領域1aの各画素3に、画素電極を駆動するためのTFT5、キャパシタが設けられている。尚、図2(2)においては、代表してTFT5のみをボトムゲート型として図示した。そして、このTFT5のゲート電極は、走査線s1(s2,…)として、表示領域1aの外周の周辺領域1bにまで引き出されて配線されていることとする。また、基板1上に形成されるTFTは、図示したボトムゲート型に限定されることはなく、トップゲート型であっても良い。
【0015】
そして、これらのTFT5が形成された基板1上には、絶縁膜21を介してTFT5やキャパシタ等に接続された配線23が形成されている。これらの配線23は、データ線d1,d2…、および電源線v1,v2,…であることとする。また、これらのデータ線d1,d2,…、および電源線v1,v2,…は、走査線s1(s2,…)と直行する方向に延設され、表示領域1aの外周の外周領域1bにまで引き出されて配線されていることとする。
【0016】
また、基板1上には、配線23を覆う状態で表面平坦な層間絶縁膜25が設けられており、この層間絶縁膜25上の各画素3には、配線23を介してTFT5に接続された有機EL素子11が設けられている。
【0017】
各有機EL素子11は、配線23を介してTFT5に接続された状態でパターニングされた下部電極27を備えており、この下部電極27の周縁を覆う状態で形成された絶縁膜29の開口(すなわち画素開口A)内に、下部電極27を覆う状態で有機層31が設けられ、さらに絶縁膜29および有機層31によって下部電極27と絶縁された状態で上部電極33を積層してなる。
【0018】
このうち、下部電極27は、陽極として用いられ、さらに画素3ごとに画素電極としてパターン形成されている。また、有機層31は、絶縁膜29によって規定された画素開口A内に露出する下部電極27上を覆うように、画素開口A毎にパターン形成されている。そして、上部電極33は、基板1の上方にベタ膜として設けられても良いし、複数の画素で共有される状態で、複数部分毎にパターン形成されても良い。
【0019】
またさらに、層間絶縁膜25上における画素3間には、下部電極27に対して絶縁性を保った補助電極27aが、有機EL素子11を構成する下部電極27と同一層でパターン形成されている。この補助電極27aは、例えば基板1上にマトリクス状に配置された画素3間に編み目状に連続して配置されることとする。そして、この絶縁膜29上に設けられた上部電極33が、補助電極27aに接続されていることとする。尚、この上部電極33と補助電極27aとの接続位置は、画素開口A毎に対応して設けられる必要はない。
【0020】
そして特に、層間絶縁膜25上における表示領域1aの周辺領域1bには、有機EL素子11を構成する下部電極27と同一層で、配線23間を接続する接続配線27bがパターン形成されていることとする。ここでは、配線23のうちの電源線v1,v2,…間を接続する状態で、接続配線27bが設けられていることとする。これにより、基板1上において電源線v1,v2,…が共通化されている。
【0021】
そして、上述した下部電極27の周縁を覆う絶縁膜29は、接続配線27bを覆うと共に、周辺領域1bに引き出された配線23の端子23bを露出させるように形成されていることとする。
【0022】
ところで、この表示装置は、基板1上の画素3毎にTFT5が形成されていることから、基板1と反対側の上部電極33側から発光光を取り出す上面発光型とすることが、有機EL素子11の開口率を確保する上で有利である。この場合、基板1は透明材料からなるものに限定されることはない。
【0023】
また、表示装置が上面発光型である場合、下部電極27には、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、クロム(Cr)等の光反射性の良好な金属材料を用いることで、上部電極33側に発光光を反射させることが好ましい。また、この場合、下部電極27の表面を平坦化することを目的として、表面平坦性に優れた光透過性材料層を、上述した金属材料層上に設けた2層構造としても良い。尚、この下部電極27は、陽極として用いられることとしたが、回路構成によっては陰極として用いられても良く、どちらとして用いられるかによって適切な仕事関数を備えた材料が選択して用いられることとする。例えば、この下部電極27が陽極として用いられる場合には、有機層31に接する最上層には、仕事関数が大きい材料が用いられることとする。このため、上述した2層構造で下部電極27を構成する場合、仕事関数が大きく光透過性の良好なITO(Indium Tin Oxide)が最上層に用いられる。
【0024】
また、有機層31は、少なくとも発光層を備えた積層構造からなり、例えば陽極側から順に、正孔注入層、発光層、電子輸送層、および電子注入層等を順に積層してなる。これらの層は適宜選択して積層されることとする。
【0025】
さらに、この表示装置が上面発光型である場合、上部電極33は、光透過性を有する材料を用いて構成され、良好な光取り出し効率を得るため、十分に薄い膜厚で構成されることが好ましい。また、下部電極27が陽極である場合には、上部電極33は陰極として用いられる。このため、この上部電極33が、2層以上の多層構造である場合、有機層31に接する最下層は、仕事関数が小さい材料として、例えばマグネシウムと銀の合金(Mg:Ag)が用いられる。また、その上層には、例えばインジウムと亜鉛と酸素の化合物(In−Zn−O)のような光透過性の良好な導電性材料が用いられる。
【0026】
以上に対して、この表示装置が基板1側から発光光を取り出す透過型である場合、基板1および下部電極27は、光透過性を有する材料で構成されることになる。一方、上部電極33は光反射性の良好な材料で構成されることになる。
【0027】
以上説明した構成の表示装置は、有機EL素子11の下部電極(画素電極)27と同一層で、電源線v1,v2,…を共通電源として接続するための接続配線27bを形成する構成とした。このため、有機EL素子11が設けられた層間絶縁膜25よりも下層に、このような接続配線を含む全ての回路配線を設ける構成と比較して、配線回路を構成する層の1つが画素電極を構成する層と共通化されることになり、配線層数の削減を図ることが可能になる。これにより、表示装置における層構造の多層化を抑えることが可能になる。
【0028】
以下、上述した第1実施形態の表示装置の製造方法の一例、および表示装置のさらに詳しい構成の具体例を、図3〜図6の製造工程図に基づいてその製造手順に沿って説明する。尚、各製造工程図において、(a)は表示領域の要部断面図であり、(b)は周辺領域の要部断面図であり、(c)は周辺領域の要部平面図である。尚、(b)は(c)のA−A’断面に相当する。
【0029】
先ず、図3の各図に示すように、例えばガラス基板からなる基板1上に、TFT5を含む他の素子、およびTFT5を構成するゲート電極から延設された走査線s1(s2,…)を形成する。次に、これらを覆う状態で絶縁膜21を形成し(以上、要部平面図では省略)、この絶縁膜21上に、TFT5に接続されたデータ線d1,d2,…および、電源線v1,v2,…を配線23として形成する。
【0030】
その後、図4の各図に示すように、TFT5および配線23の形成により、基板1の表面側に生じた凹凸を埋め込むように、基板1上に表面平坦な層間絶縁膜25を形成する。この場合、例えば、基板1上にポジ型感光性ポリイミドをスピンコート法により塗布し、露光装置にて配線23の上部のみに露光光を照射するパターン露光を行い、次いでパドル式現像装置にて現像を行う。次に、ポリイミドをイミド化(環化)させるため本焼成をクリーンベーク炉にて行う。これにより、配線23に達する接続孔25aを有する層間絶縁膜25を形成する。この層間絶縁膜25は、例えば配線23を形成した状態の凹凸が1.0μm程度で有る場合、2.0μm程度の膜厚で形成される。尚、接続孔25aは、表示領域1aにおいては、配線23のうちデータ線d1,d2,…に達する位置に形成され、周辺領域1bにおいては電源線v1,v2,…に達する位置と、さらに配線23の端子23bとなる位置に形成されることとする。
【0031】
次に、図5の各図に示すように、表示領域1aにおける層間絶縁膜25上に、同一のプロセスにて、下部電極27、および補助電極27aを形成すると共に、周辺領域1bにおける層間絶縁膜25上に接続配線27bを形成する。ここでは、例えば下部電極27を陽極として形成する場合、先ず、層間絶縁膜25上に、金属材料層(例えばAg)をDCスパッタリング方により150nm程度の膜厚で成膜する。次に、この金属材料層上にITO層をDCスパッタリング法により10nm程度の膜厚で成膜する。次いで、通常のリソグラフィ技術によって形成したレジストパターンをマスクに用いたエッチングにより、これらの金属材料層およびITO層をパターニングする。これにより、表示領域1aには、接続孔25aを介してデータ線d1,d2,…に接続された下部電極27を、各画素3部分に対応させた画素電極としてマトリクス状に配列形成する。これと共に、これらの下部電極27間に補助電極27aを形成する。また、周辺領域1bには、接続孔25aを介して電源線v1,v2,…に接続された接続配線27bを形成する。
【0032】
その後、図6の各図に示すように、表示領域1aに画素開口Aと接続孔29aとを有し、周辺領域1bにおける接続配線27bを覆うと共に、配線23の端子23bを露出させた形状の絶縁膜29を形成する。ここでは先ず、例えばCVD法によって、二酸化珪素(SiO)膜を1.0μm程度の膜厚で成膜する。その後、通常のリソグラフィ技術を用いて形成したレジストパターンをマスクにしたエッチングにより、二酸化珪素膜をパターニングする。この際、エッチング側壁がテーパ形状となるような条件でエッチングを行うこととする。これにより、下部電極27の中央部を露出させる画素開口Aと、補助電極27aに達する接続孔29aとを有し、端子23b部分を露出する、二酸化珪素膜からなる絶縁膜29を得る。尚、この絶縁膜29は、二酸化珪素膜からなるものに限定されることはない。
【0033】
以上の後、先の図2の各図に示したように、先ず、画素開口Aの底部に露出している下部電極27を覆う形状の有機層31をパターン形成する。ここでは、絶縁膜29上に、ここでの図示を省略した蒸着マスクを対向配置した状態での蒸着成膜を行うこととする。この蒸着マスクは、有機層31の形成部に対応させた開口部を備えると共に、端子23bを覆い形状を有している。そして、開口部は、画素開口A内の下部電極27を確実に覆う状態で有機層31が形成されるように、蒸着マスク側から平面視的に見た場合に、下部電極27の露出部分の全体を露出させるように、画素開口A周囲の絶縁膜29の側壁に重なるように設計されていることとする。
【0034】
そして、この蒸着マスクを用いた蒸着成膜により、例えば下部電極27側から順に、正孔注入層として4,4`,4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)、正孔輸送層としてビス(N−ナフチル)−N−フェニルベンジジン(α−NPD)、発光層として8−キノリノールアルミニウム錯体(Alq3)を積層してなる有機層31を形成する。
【0035】
この際、有機層31を構成する上記の各材料は、それぞれ0.2gを抵抗加熱用のボートに充填し、真空蒸着装置の所定の電極に取り付ける。そして、蒸着室内を0.1×10−4Pa程度にまで減圧した後、各ボートに順次電圧を印加することで、複数の有機材料を順次蒸着成膜させる。各材料の膜厚は、正孔注入層としてMTDATAを30nm、正孔輸送としてα−NPDを20nm、発光層としてAlq3を30nm程度とする。
【0036】
尚、上述した蒸着成膜の際には、蒸着マスクを絶縁膜29上に載置することで、蒸着マスク31と基板1とが所定の間隔に保たれる様にしても良い。
【0037】
以上の後、有機層31および絶縁膜29上を覆うと共に、絶縁膜29の接続孔29aを介して補助電極27aに接続された上部電極33を形成する。この上部電極33は、端子23bを露出させるように、マスク上からの蒸着によって形状されることとする。ここでは、先ず、上部電極33の下層として、陰極となるMg−Agを共蒸着により基板1上の全面に形成する。
【0038】
この際、Mg0.1gとAg0.4gとをそれぞれボートに充填して、真空蒸着装置の所定の電極に取り付ける。そして、蒸着室内を0.1×10−4Pa程度にまで減圧した後、各ボートに電圧を印加することで、MgとAgとを基板1の上方に共蒸着させる。また、一例として、MgとAgとの成膜速度の比は9:1程度とし、10nm程度の膜厚で形成する。
【0039】
尚、以上の有機層31の形成と上部電極33の下層の形成とは、共に蒸着成膜にて行われるため、同一の蒸着室内において連続して行うこととする。ただし、有機層31の蒸着成膜が終了した後、上部電極33の下層の蒸着成膜を行う際には、基板1上から蒸着マスク(31)を取り除くこととする。
【0040】
そして次に、上部電極33の下層上に、上部電極33の最上層を形成する。この最上層は、透明導電膜からなり、DCスパッタリング法によって形成されることとする。ここでは、一例として、透明導電膜として室温成膜で良好な導電性を示すIn−Zn−0系の透明導電膜を最上層13bとして、200nm程度の膜厚で形成することとする。
【0041】
以上により、上述した構成の表示装置が得られる。
【0042】
このような製造方法によれば、図5を用いて説明したように、下部電極27の形成と同一工程で接続配線27bを形成するようにしたことで、層間絶縁膜25よりも下層に、このような接続配線27bを含む全ての回路配線を設ける構成と比較して、製造工程数の削減を図ることが可能になる。
【0043】
<第2実施形態>
図7は、第2実施形態の表示装置の構成を示す図であり、(a)は表示領域の要部断面図であり、(b)は周辺領域の要部断面図であり、(c)は周辺領域の要部平面図である。尚、(b)は(c)のA−A’断面に相当する。以下、この図7と共に、図1の回路図を参照し、第2実施形態の表示装置の構成を説明する。
【0044】
これらの図に示す表示装置と、図2を用いて説明した第1実施形態の表示装置との異なるところは、第1実施形態で説明した電源線v1,v2,…を接続するための接続配線が、下部電極27とは異なる層で、かつ補助電極と同一層で構成されているところにあり、他の構成は第1実施形態と同一であることとする。
【0045】
すなわち、表示領域1aに設けられた補助電極71、および周辺領域1bに設けられた接続配線71bは、有機EL素子11の下部電極27の周囲を覆う様に設けられた絶縁膜29上に設けられているのである。これらの補助電極71および接続配線71bの配置状態及び接続状態は、第1実施形態における補助電極(27a)および接続配線(27b)と同様であることとする。ただし、接続配線71bは、上部電極33に対して絶縁性が保たれるように設けられていることとする。そして、有機EL素子11の上部電極33は、この補助電極71および有機層31を直接覆う状態で設けられている。
【0046】
このような構成の表示装置では、有機EL素子11の上部電極33に接続される補助電極71と同一層で、電源線v1,v2,…を接続するための接続配線71bを形成する構成とした。このため、第1実施形態と同様に、有機EL素子11が設けられた層間絶縁膜25の下層に、このような接続配線を含む全ての回路配線を設ける構成と比較して、配線回路を構成する層の1つが補助電極を構成する層と共通化されることになり、配線層数の削減を図ることが可能になる。これにより、表示装置における層構造の多層化を抑えることが可能になる。
【0047】
以下、上述した第2実施形態の表示装置の製造方法の一例を、図8,図9の製造工程図に基づいてその製造手順に沿って説明する。尚、各製造工程図において、(a)は表示領域の要部断面図であり、(b)は周辺領域の要部断面図であり、(c)は周辺領域の要部平面図である。尚、(b)は(c)のA−A’断面に相当する。
【0048】
先ず、先の第1実施形態において図3および図4を用いて説明したと同様の工程により、図8の各図に示すように、層間絶縁膜25を形成するまでを行う。この層間絶縁膜25には、第1実施形態と同様の位置に接続孔25aが設けられていることとする。
【0049】
次に、表示領域1aにおける層間絶縁膜25上のみに、接続孔25aを介してデータ線d1,d2,…に接続された下部電極27を、各画素3部分に対応させた画素電極としてマトリクス状に配列形成する。この下部電極27の形成は、第1実施形態において図5を用いて説明したと同様に行われる。
【0050】
その後、図9の各図に示すように、表示領域1aに画素開口Aを有し、周辺領域1bにおける層間絶縁膜25の接続孔25aと重なる接続孔29bを有すると共に、配線23の端子23b部分を露出させた形状の絶縁膜29を形成する。この絶縁膜29の形成は、第1実施形態において図6を用いて説明したと同様に行われる。
【0051】
次に、表示領域1aの絶縁膜29上に画素開口Aを囲むように補助電極71を形成し、さらに同一工程で、周辺領域1bの絶縁膜29上に接続孔29bを介して電源線v1,v2,…に接続された接続配線71bを形成する。ここでは、先ず、絶縁膜29上に、金属材料層(例えばAl)をDCスパッタリング法により150nm程度の膜厚で成膜する。次に、通常のリソグラフィ技術によって形成したレジストパターンをマスクに用いたエッチングにより、これらの金属材料層をパターニングし、これにより、補助電極71および接続配線71bを形成する。
【0052】
以上の後、図7の各図に示したように、有機層31をパターン形成し、さらに、有機層31,補助電極71および絶縁膜29上を覆う上部電極33を形成する。これらの有機層31および上部電極33の形成は、第1実施形態で説明したと同様に行われる。ただし、上部電極33の形成は、端子23および接続配線71bに対して絶縁性が保たれるように行われることとする。
【0053】
以上により、上述した構成の表示装置が得られる。
【0054】
このような製造方法によれば、図9を用いて説明したように、補助電極71の形成と同一工程で接続配線71bを形成するようにしたことで、層間絶縁膜25よりも下層に、このような接続配線71bを含む全ての回路配線を設ける構成と比較して、製造工程数の削減を図ることが可能になる。
【0055】
<第3実施形態>
図10は、第3実施形態の表示装置の構成を示す図であり、(a)は表示領域の要部断面図であり、(b)は周辺領域の要部断面図であり、(c)は周辺領域の要部平面図である。尚、(b)は(c)のA−A’断面に相当する。以下、この図10と共に、図1の回路図を参照し、第2実施形態の表示装置の構成を説明する。
【0056】
これらの図に示す表示装置と、図7を用いて説明した第2実施形態の表示装置との異なるところは、第2実施形態で説明した電源線v1,v2,…を接続するための接続配線33bが、補助電極71とは異なる層で、かつ上部電極33と同一層で構成されているところにあり、他の構成は第2実施形態と同一であることとする。
【0057】
すなわち、表示領域1aに設けられた上部電極33、および周辺領域1bに設けられた接続配線33bは、有機EL素子11の下部電極27の周囲を覆う様に設けられた絶縁膜29および補助配線71上に設けられているのである。これらの上部電極33および接続配線33bの配置状態及び接続状態は、第2実施形態における補助電極(71)および接続配線(71b)と同様であることとする。
【0058】
このような構成の表示装置では、有機EL素子11の上部電極33と同一層で、電源線v1,v2,…を接続するための接続配線33bを形成する構成とした。このため、第1および第2実施形態と同様に、有機EL素子11が設けられた層間絶縁膜25の下層に、このような接続配線を含む全ての回路配線を設ける構成と比較して、配線回路を構成する層の1つが補助電極を構成する層と共通化されることになり、配線層数の削減を図ることが可能になる。これにより、表示装置における層構造の多層化を抑えることが可能になる。
【0059】
また、このような第3実施形態の表示装置を製造する場合には、第2実施形態で説明した製造方法において、補助電極71を形成する際に接続配線(71b)を形成せず、その後、上部電極33と接続配線33bとを同一工程でパターン形成する。
【0060】
尚、本第3実施形態においては、補助電極71が特別に設けられた単独層である構成を説明した。しかし、本実施形態は、上部電極33と同一層で接続配線33bが構成されていれば同様の効果を得ることができる。このため、補助電極が、第1実施例と同様に下部電極27と同一層である構成にも適用可能である。
【0061】
また、以上説明した第1〜第3実施形態においては、下部電極,補助電極、さらには上部電極等と同一層で構成する配線が、電源線v1,v2,…間を共通化するための接続配線として説明した。しかしながら、この配線は表示領域の周辺領域において用いられる配線であれば、特に限定されることはなく、同一の効果を得ることができる。このため例えば、従来の技術において説明したように、周辺領域に駆動集積回路を形成する場合、この駆動集積回路を構成する配線を、第1〜第3実施形態で説明した接続配線と置き換えても良い。さらに、表示領域1aと外周領域1bとは、図示したように明確に区別されない場合もあるが、本発明は、画素3が配置された部分を表示領域1aとし、これ以外の部分に配置される接続配線が、下部電極,補助電極、さらには上部電極等と同一層で構成されている構成も含むこととする。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の表示装置によれば、表示領域内において薄膜トランジスタを覆う層間絶縁膜上に設けられる電極層と同一層で、この薄膜トランジスタに接続される配線回路の一部を構成する配線を形成することで、アクティブマトリックス型の表示装置における配線層数の削減を図ることが可能になる。また、表示装置の製造工程数の削減を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する表示装置の表示領域における回路の一例を示す構成を示す回路図である。
【図2】第1実施形態の表示装置の構成を示す図である。
【図3】第1実施形態の表示装置の製造工程図(その1)である。
【図4】第1実施形態の表示装置の製造工程図(その2)である。
【図5】第1実施形態の表示装置の製造工程図(その3)である。
【図6】第1実施形態の表示装置の製造工程図(その4)である。
【図7】第2実施形態の表示装置の構成を示す図である。
【図8】第2実施形態の表示装置の製造工程図(その1)である。
【図9】第2実施形態の表示装置の製造工程図(その2)である。
【図10】第3実施形態の表示装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1…基板、1a…表示領域、1b…周辺領域、3…画素、5,9…TFT(薄膜トランジスタ)、11…有機EL素子、25…層間絶縁膜、27…下部電極(画素電極)、27b,33b,71b…接続配線、31…有機層、33…上部電極、71…補助電極

Claims (4)

  1. 基板上の表示領域を構成する各画素に設けられた薄膜トランジスタと、当該薄膜トランジスタを覆う状態で設けられた層間絶縁膜と、前記薄膜トランジスタに接続された下部電極上に有機層および上部電極をこの順に積層させた状態で前記層間絶縁膜上の各画素に設けられた有機EL素子とを有する表示装置において、
    前記層間絶縁膜上における前記表示領域の周囲には、前記下部電極および上部電極の少なくとも一方と同一層で形成された配線が設けられている
    ことを特徴とする表示装置。
  2. 請求項1記載の表示装置において、
    前記配線は、前記薄膜トランジスタに接続された配線間を接続する接続配線である
    ことを特徴とする表示装置。
  3. 基板上の表示領域を構成する各画素に設けられた薄膜トランジスタと、当該薄膜トランジスタを覆う状態で設けられた層間絶縁膜と、前記薄膜トランジスタに接続された下部電極上に有機層および上部電極をこの順に積層させた状態で前記層間絶縁膜上の各画素に設けられた有機EL素子と、前記下部電極と絶縁され前記上部電極に接続された状態で前記層間絶縁膜上における前記画素間に設けられた補助電極とを有する表示装置において、
    前記層間絶縁膜上における前記表示領域の周囲には、前記補助電極と同一層で形成された配線が設けられている
    ことを特徴とする表示装置。
  4. 請求項3記載の表示装置において、
    前記配線は、前記薄膜トランジスタに接続された配線間を接続する接続配線である
    ことを特徴とする表示装置。
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