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JP2004347604A - 生物学的状態の情報を同定するための生体液および他の流体の複合混合物を分析するシステム - Google Patents

生物学的状態の情報を同定するための生体液および他の流体の複合混合物を分析するシステム Download PDF

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JP2004347604A
JP2004347604A JP2004152683A JP2004152683A JP2004347604A JP 2004347604 A JP2004347604 A JP 2004347604A JP 2004152683 A JP2004152683 A JP 2004152683A JP 2004152683 A JP2004152683 A JP 2004152683A JP 2004347604 A JP2004347604 A JP 2004347604A
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mass spectrometer
disease state
polypeptide
phenotype
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Jonathan C Heller
ジョナサン シー. ヘラー
Carol A Dahl
キャロル エイ. ダール
John T Stults
ジョン ティー. スタルトス
Peter Foley
ピーター フォーリー
Stoughton L Ellsworth Jr
ジュニア ストートン エル. エルズワース
Frank Andell Iii
サード フランク アンドレー
Alfred Greenquist
アルフレッド グリーンクイスト
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Predicant Biosciences Inc
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Abstract

【課題】医療を情報化し、医学的ツールのレパートリーを改善する新規技術および方法、並びにこのような技術および方法を利用するビジネス方法が必要とされている。
【解決手段】本発明により、患者試料を分類する際に使用するためのビジネス方法が提供される。本発明の方法は、臨床的表現型状態を示す症例試料と臨床的表現型状態を示さない対照試料を採取する段階を含む。好ましくは、本発明のシステムは、ポリペプチドの少なくともいくつかの具体的なアイデンティティに関係なく、症例試料および対照試料におけるポリペプチドのパターンを同定するために質量分析プラットホームシステムを使用する。本発明のシステムは、同定された状態の代表的なパターンに基づいて、より高い感度、特異性および/または費用効率が得られる最適なアッセイ法を実施する。また、本発明のビジネス方法は、代表的なパターンを使用する診断製品の市販を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、生物学的状態の情報を同定するための生体液および他の流体の複合混合物を分析するシステムに関する。
本願は、2003年5月22日出願の米国仮特許出願第60/473,272号の優先権を主張する、2003年8月20日出願の米国特許出願第10/645,863号、および米国特許出願第60/473,272号の一部継続出願である、2004年1月16日出願の米国特許出願第10/760,100号の優先権を主張する。これらの出願は全ての目的のために参照として組み入れられる。
地球上の全生命の共通の局面は、機能的構築ブロックとしてのポリペプチドの使用と核酸(DNA、RNA)の設計図の中の構築ブロックの指示の暗号化である。生命体を識別するものは、ゲノムの核酸にコードされている指示とゲノムが環境に応答してタンパク質として発現する方法にある。任意の特定の時点に存在するタンパク質、タンパク質断片、およびペプチドは、その時に我々が誰であるかおよび何であるか並びに我々の健康または疾患状態を規定する。
生物医学的研究および医学に立ち向かう最も大きな課題の1つとして、特定の生物学的状態を識別する能力の限界がある。これは、疾患の早期段階を検出する能力の限界、任意の明白な疾患が1人の患者と別の患者において取る経路を予測する能力の限界、特定の治療に対する任意の個体の応答の可能性を予測する能力の限界、および特定の個体に対して生じる可能性のある治療の有害な影響を予測して回避する能力の限界に反映されている。
医療を情報化し、医学的ツールのレパートリーを改善する新規技術および方法、並びにこのような技術および方法を利用するビジネス方法が必要とされている。
本発明の一態様によると、臨床的表現型状態を示す10例より多くの症例試料と臨床的表現型状態のない患者を示す10例より多くの対照試料を採取する段階;質量分析プラットホームシステムを使用して症例試料および対照試料を入力し、タンパク質の少なくともいくつかの具体的なアイデンティティに関係なく症例試料および対照試料におけるポリペプチドのパターンを同定する段階;表現型状態の代表的なパターンを同定する段階;ならびに代表的なパターンを使用して診断製品を市販する段階とを含む方法が提供される。このようなパターンは、好ましくは、質量分析装置の出力に現れる15個より多くのポリペプチドを含有するが、15個より多くのポリペプチドの少なくともいくつかのアイデンティティは不明であってもよい。
本発明に係る方法においては、(1)以下の段階を含む、質量分析システムにおいてアッセイ法を実施する方法であることを特徴とする:
(a)複数の症例試料および対照試料を注入する段階、
(b)症例試料および対照試料に関連するポリペプチドパターンを同定する段階、
(c)症例試料および対照試料中で同定したポリペプチドにおいて、症例および対照に存在する少なくとも選択されたポリペプチドのパターンを同定する段階、
(d)(i)症例試料および対照試料から選択されたポリペプチドの少なくともいくつかを取り出し、
(ii)残っているポリペプチドにおいて、選択した試料を症例または対照と関連すると関連させることによって、
選択した試料についてアッセイ法を実施する段階。
また、本発明に係る方法においては、(2)選択した試料のアッセイ法が、時間飛行型質量分析装置で試料を検出する段階を含む、上記(1)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(3)選択した試料のアッセイ法が、残っているポリペプチドの分離をさらに含む、上記(1)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(4)アッセイ法が、選択した試料の微小流体分離を実施する段階をさらに含む、上記(1)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(5)アッセイ法が、少なくとも15個のポリペプチドマーカーを分析するために実施される、上記(1)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(6)追加の選択した試料の分析を実施する段階をさらに含み、追加の選択した試料から選択したポリペプチドを取り出す段階が使い捨て微小流体装置で実施される、上記(1)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(7)症例試料および対照試料が、癌疾患状態、循環器疾患状態、感染性疾患状態、および妊娠に関連する障害からなる群より選択される疾患状態を分離するために使用される、上記(1)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(8)取り出す段階が微小流体装置で実施される、上記(1)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(9)微小流体装置が使い捨て装置である、上記(8)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(10)取り出す段階が固相抽出樹脂で実施される、上記(1)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(11)取り出す段階が、逆相クロマトグラフィー樹脂で実施される、上記(1)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(12)以下の段階を含む、質量分析システムにおいて分析を実施する方法であることを特徴とする:
(a)質量分析システムにおいて第1の試料の試料分離を実施する段階、
(b)質量分析装置に第1の試料を注入する段階、および
(c)データ分析システムにおいて質量分析システムのデータを分析すると同時に、第2の試料を質量分析システムで処理する段階であって、該質量分析システムが、診断アッセイ法において対照試料から症例試料を分離するために使用される段階。
また、本発明に係る方法においては、(13)質量分析装置でのアッセイ法が時間飛行型質量分析装置である、上記(12)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(14)分析が少なくとも15個のポリペプチドマーカーを分析するために実施される、上記(12)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(15)試料分離が使い捨て微小流体装置において実施される、上記(12)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(16)質量分析システムのデータが、癌疾患状態、循環器疾患状態、感染性疾患状態、および妊娠に関連する障害からなる群より選択される疾患状態を分離するために使用される、上記(12)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(17)(a)分離部分と分離部分に接続されたエレクトロスプレー部分を備え、且つ使い捨て装置である微量流体装置と、
(b) 微量流体装置に接続された質量分析装置と
を備える生物試料を分析するためのシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(18)質量分析装置が時間飛行型質量分析装置である、上記(17)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(19)システムが少なくとも15個のポリペプチドマーカーを分析する、上記(17)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(20)微量流体装置が質量分析装置に離脱可能であるように接続されている使い捨て装置である、上記(17)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(21)癌疾患状態、循環器疾患状態、感染性疾患状態、および妊娠に関連する障害からなる群より選択される疾患状態を分離するために使用される、上記(17)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(22)微量流体装置がキャピラリー電気泳動装置を含む、上記(17)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(23)微量流体装置が固相抽出樹脂を含む、上記(17)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(24)微量流体装置が逆相クロマトグラフィー装置を含む、上記(17)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(25)a)分離部分、試料イオン化装置およびイオン励起部分を備える試料調製装置と、
b)試料調製装置に接続された質量分析装置と、
c)イオン励起要素に接続されたスイッチと
を備える生物試料を分析するためのシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(26)質量分析装置が時間飛行型質量分析装置である、上記(25)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(27)少なくとも15個のポリペプチドマーカーを分析する、上記(25)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(28)試料調製装置が使い捨て微量流体装置である、上記(25)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(29)質量分析システムのデータが、癌疾患状態、循環器疾患状態、感染性疾患状態、および妊娠に関連する障害からなる群より選択される疾患状態を分離するために使用される、上記(25)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(30)スイッチが、選択したタンパク質フラグメントを検出するために、試料を制御可能であるように励起する、上記(25)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(31)a)ポリペプチド変性システムとポリペプチド取り出しシステムを備える試料調製装置と、
b)質量分析装置を備え、ポリペプチド取り出しシステムにおいて取り出されたポリペプチドに結合した関心対象の少なくともいくつかの生物マーカーを生物試料中で同定する試料分析装置と
を備える生物試料を分析するためのシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(32)試料分析装置が質量分析装置を備える、上記(31)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(33)少なくとも15個のポリペプチドマーカーを分析する、上記(31)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(34)試料調製装置が使い捨て微量流体装置を備える、上記(31)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(35)質量分析装置が、癌疾患状態、循環器疾患状態、感染性疾患状態、および妊娠に関連する障害からなる群より選択される疾患状態を分離するために使用される、上記(31)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(36)変性システムおよび取り出しシステムが微量流体装置内に存在する、上記(31)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(37)微量流体装置が使い捨て装置である、上記(31)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(38)ポリペプチド変性システムが酸性化システムである、上記(31)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(39)(a)(i)試料調製装置と、
(ii)試料調製装置に接続された質量分析装置と
を備える試料処理システムと、
(b)試料処理システムに接続され、少なくとも1つの共通の校正物質を検出し、マーカーの検出時間を既知の時間と比較し、且つ比較する段階に応答して試料処理システムの操作速度を調節する分析システムと
を備える生物試料を分析するためのシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(40)質量分析装置が時間飛行型質量分析装置である、上記(39)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(41)少なくとも15個のポリペプチドマーカーを分析する、上記(39)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(42)試料調製装置が使い捨て微量流体装置である、上記(39)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(43)質量分析装置のデータが、癌疾患状態、循環器疾患状態、感染性疾患状態、および妊娠に関連する障害からなる群より選択される疾患状態を分離するために使用される、上記(39)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(44)非情報スペクトル領域では低精度を提供するように速度が調節される、上記(39)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(45)情報スペクトル領域では高精度を提供するように速度が調節される、上記(39)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(46)(a)(i) 試料調製装置と、
(ii) 試料調製装置に接続された質量分析装置と
を備える試料処理システムと、
(b)試料処理システムに接続され、選択したマーカーが検出されると予測される時間に試料処理システムの操作速度を調節する分析システムと
を備える生物試料を分析するシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(47)調節する段階が、関心が低い成分については速度を早める調節である、上記(46)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(48)調節する段階が、関心が高いマーカーについては速度を遅くする調節である、上記(46)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(49)システムが、対象となるマーカーが検出されると予測される時間において速度が遅くされる、上記(48)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(50)校正物質マーカーの検出時間を比較する、上記(46)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(51)操作速度が、温度、圧力、電圧または電流の選択された1つにより調節される、上記(46)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(52)質量分析装置が時間飛行型質量分析装置である、上記(46)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(53)少なくとも15個のポリペプチドマーカーを分析する、上記(46)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(54)試料調製装置が使い捨て微量流体装置を備える、上記(46)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムおいては、(55)質量分析システムのデータが、癌疾患状態、循環器疾患状態、感染性疾患状態、および妊娠に関連する障害からなる群より選択される疾患状態を分離するために使用される、上記(46)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(56)(a)試料調製システムおよびエレクトロスプレー一体型装置と、
(b)エレクトロスプレー装置の試料を収容するように適合された質量分析装置と
を備え、該試料調製システムおよびエレクトロスプレー一体型装置が、質量分析装置に接続された使い捨て装置である、生物試料を分析するためのシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(57)試料調製システムおよびエレクトロスプレー一体型装置が固相抽出樹脂を供える、上記(56)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(58)試料調製システムおよびエレクトロスプレー一体型装置が逆相クロマトグラフィー装置を備える、上記(56)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(59)質量分析装置が時間飛行型質量分析装置である、上記(56)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(60)少なくとも15個のポリペプチドマーカーを分析する、上記(56)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(61)試料調製システムおよびエレクトロスプレー一体型装置が使い捨て微小流体装置である、上記(56)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(62)質量分析装置が、癌疾患状態、循環器疾患状態、感染性疾患状態、および妊娠に関連する障害からなる群より選択される疾患状態を分離するために使用される、上記(56)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(63)以下の段階を含む、質量分析システムにおいて分析を実施する方法であることを特徴とする:
(a)複数の症例試料および対照試料を注入する段階、
(b)症例および対照に関連するポリペプチドマーカーのパターンを同定する段階、
(c)症例および対照において同定されたマーカーにおいて、質量分析システムで症例または対照を識別する少なくとも15個の選択されたポリペプチドマーカーを同定する段階、ならびに
(d)少なくとも15個のマーカーを評価することによって質量分析装置において選択した試料のアッセイ法を実施し、該アッセイ法に基づいて選択した試料を特徴づける段階。
また、本発明に係る方法においては、(64)パターンが質量分析装置において同定される、上記(63)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(65)質量分析装置が時間飛行型質量分析装置である、上記(63)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(66)同定する段階が、質量分析装置および使い捨て微小流体装置を使用して実施される、上記(63)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(67)少なくとも50個のポリペプチドマーカーが、症例と対照を識別するために使用される、上記(63)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(68)少なくとも100個のポリペプチドマーカーが、症例と対照を識別するために使用される、上記(63)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(69)少なくとも1000個のポリペプチドマーカーが、症例と対照を識別するために使用される、上記(63)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(70)質量分析のデータが、癌疾患状態、循環器疾患状態、感染性疾患状態、および妊娠に関連する障害からなる群より選択される疾患状態を分離するために使用される、上記(63)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係るシステムにおいては、(71)マーカーの少なくともいくつかのアイデンティティが不明である、上記(64)記載のシステムであることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(72)以下の段階を含む、生物試料を分析する方法であることを特徴とする:
(a) 微小流体電気泳動および試料調製装置に試料を注入し、試料調製装置で該試料を少なくとも部分的に調製する前に該試料に圧力をかける段階、
(b)質量分析装置に試料を通過させる段階、および
(c)試料を分析する段階。
また、本発明に係る方法においては、(73)微小流体装置が使い捨て装置である、上記(72)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(74)試料が症例試料および対照試料を含み、該症例試料および対照試料を分離する15個より多いタンパク質マーカーを同定する、上記(72)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(75)質量分析装置が時間飛行型質量分析装置である、上記(72)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(76)以下の段階を含む、ビジネス方法であることを特徴とする:
(a)臨床的表現型状態を示す10例より多い症例試料と臨床的表現型状態を示さない10例より多い対照試料を採取する段階、
(b)質量分析プラットホームシステムを使用して、少なくともいくつかのスペクトル成分の具体的なアイデンティティにかかわらず、症例試料および対照試料中の質量スペクトルデータを入手する段階、
(c)症例試料および対照試料のデータセットを識別するマーカーの代表的なパターンを同定する段階、ならびに
(d)代表的なパターンを使用して診断製品を市販する段階であって、該パターンが質量分析装置の出力に現れる15個より多くのマーカーを含有するが、15個より多くのマーカーの少なくともいくつかのアイデンティティは不明である段階。
また、本発明に係る方法においては、(77)以下の段階を含む、ビジネス方法であることを特徴とする:
(a) 臨床的表現型状態を示す10例より多くの症例試料と臨床的表現型状態を示さない10例より多くの対照試料を採取する段階、
(b) 質量分析プラットホームシステムを使用して、少なくともいくつかのスペクトル成分の具体的なアイデンティティにかかわらず、症例試料および対照試料中の質量スペクトルデータを入手する段階、
(c) 症例試料および対照試料のデータセットを識別する15個より多くのポリペプチドマーカーの代表的なパターンを同定する段階、ならびに
(d)代表的なパターンを使用して、使い捨て装置を用いて追加の試料中の表現型状態を同定する製品を市販する段階。
また、本発明に係る方法においては、(78)製品が臨床参考検査室で市販される、上記(76)または(77)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(79)市販する段階がキットを市販する、上記(76)または(77)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(80)キットがFDAによって承認されたキットである、上記(78)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(81)製品が、体外診断薬に関するEU指令(In Vitro Diagnostics Directive)に準拠するCEマークを有する、上記(76)または(77)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(82)表現型が薬剤応答表現型であり、薬剤の使用料を回収する段階をさらに含む、上記(76)または(77)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(83)協力者と協力して試料を回収する段階をさらに含む、上記(76)または(77)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(84)協力者が学究的な協力者である、上記(83)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(85)協力者が製薬会社である、上記(83)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(86)製薬会社が臨床試験の試料を採取する、上記(85)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(87)パターンが、薬剤応答表現型を分離するために使用される、上記(84)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(88)薬剤の使用料を回収する段階をさらに含む、上記(87)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(89)診断製品を市販する段階が、同定する段階を実施する会社と同じ会社によって実施される、上記(87)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(90)複数試料のうちの1つからのデータがコンピュータで処理され、該試料の他方が質量分析プラットホームに存在する、上記(76)または(77)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(91)マーカーがポリペプチドである、上記(76)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(92)マーカーがタンパク質である、上記(76)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(93)パターンが、質量分析装置の出力に現れる30個より多くのポリペプチドを含有するが、30個より多くのポリペプチドの少なくともいくつかのアイデンティティは不明である、上記(77)または(92)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(94)パターンが、質量分析装置の出力に現れる50個より多くのポリペプチドを含有するが、50個より多くのポリペプチドの少なくともいくつかのアイデンティティは不明である、上記(77)または(92)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(95)パターンが、質量分析装置の出力に現れる100個より多くのポリペプチドを含有するが、100個より多くのポリペプチドの少なくともいくつかのアイデンティティは不明である、上記(77)または(92)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(96)試料が、質量分析装置の出力に現れる1000個より多くのポリペプチドを含有するが、1000個より多くのポリペプチドの少なくともいくつかのアイデンティティは不明である、上記(77)または(92)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(97)市販する段階が、患者試料の代表的な状態を同定するために使用される質量分析システムを市販する、上記(76)または(77)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(98)50例より多くの症例試料および50例より多くの対照試料が使用される、上記(76)または(77)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(99)100例より多くの症例試料および100例より多くの対照試料を使用する、上記(76)または(77)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(100)診断製品が質量分析プラットホームを使用する、上記(76)または(77)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(101)質量分析プラットホームを使用する段階の前、微小流体装置で試料を調製する段階が実施される、上記(76)または(77)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(102)診断製品が使い捨て微小流体装置と共に市販され、該使い捨て微小流体装置が質量分析プラットホームで使用するための診断試料を処理する、上記(101)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(103)微小流体装置が分離装置を備える、上記(101)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(104)微小流体装置が大量の一般的なタンパク質を除去する、上記(101)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(105)質量分析プラットホームが時間飛行型質量分析装置である、上記(76)または(77)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(106)診断製品が診断パートナーによって市販される、上記(76)または(77)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(107)表現型が薬剤応答表現型である、上記(76)または(77)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(108)表現型が薬剤耐性表現型である、上記(76)または(77)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(109)表現型が病期表現型である、上記(76)または(77)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(110)表現型が疾患再発表現型である、上記(76)または(77)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(111)表現型が疾患状態表現型である、上記(76)または(77)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(112)表現型が治療選択表現型である、上記(76)または(77)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(113)表現型が疾患診断表現型である、上記(76)または(77)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(114)表現型が薬剤毒性表現型である、上記(76)または(77)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(115)表現型が薬剤の有害応答表現型である、上記(76)または(77)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(116)微小流体装置がエレクトロスプレーソースを備える、上記(101)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(117)試料がポリペプチドの複合混合物を含有する、上記(76)または(77)記載の方法であることを特徴とする。
また、本発明に係る方法においては、(118)収益が、微小流体装置、質量分析装置、情報科学ツール、試料を分類するパターンおよび/もしくはコンピュータプログラムの市販により、並びに/または診断情報および/もしくはパターン発見および/または検証を提供するサービスにより誘導される、上記(76)または(77)記載の方法であることを特徴とする。
本発明により、生物学的状態の情報を同定するための生体液および他の流体の複合混合物を分析するシステムが提供された。
本発明のビジネス方法は、信頼性、再現性且つ感度よく生物学的状態を識別することができるシステムを使用し、応用している。一態様において、本発明のシステムは、高感度質量分析および情報科学を用いた微小流体様式における再現性のある試料調製、分離およびエレクトロスプレー電離一体型システムを使用する。このシステムは、健康および疾患の種々の状態に特異的な生物学的状態を反映し、識別するポリペプチドまたは他の生物学的マーカーのパターン発見の基礎として作用すると考えられる。ポリペプチドには、本明細書の目的のためには、例えば、タンパク質、ペプチドおよび/またはタンパク質断片が挙げられる。生物学的状態を反映および識別するポリペプチドのこれらのパターンは、次いで、臨床的に有用な様式および研究的な状況で使用される。臨床応用には、疾患の検出;予後、治療の選択および治療応答の予測の情報を与えるための疾患状態の識別;疾患の病期判定;疾患経過の同定;効果の予測;有害な応答の予測;治療に関連する効果および毒性のモニタリング;並びに再発の検出が挙げられる。
図1は、本明細書に開示されているビジネス方法の全体的な過程を例示する。段階101では、関係するビジネス(単独または協力者と協力)は、症例試料と対照試料との代表的な試料セットを採取する。症例試料は、患者が特定の疾患状態または他の表現型を示すものである。例えば、症例試料は、患者が薬剤に対して応答を示すものであってもよい。逆に、対照試料は、疾患または薬剤に対する応答を示さないものなどの、検討中の表現型を示さない患者から採取される。好ましくは、10例より多くの症例試料および10例より多くの対照試料が、関心対象のタンパク質信号を同定する際に使用するために採取される。好ましくは、20例より多くの症例試料および20例より多くの対照試料、より好ましくは、50例より多くの症例試料および50例より多くの対照試料、さらに好ましくは、100例より多くの症例試料および100例より多くの対照試料、最も好ましくは、500例より多くの症例試料および500例より多くの対照試料を採取する。
段階103において、症例試料および対照試料に存在するマーカーのパターンを同定するために、症例試料および対照試料をアッセイする。好ましい態様において、マーカーはタンパク質などのポリペプチドであるが、それらは低分子、核酸、多糖、代謝物、脂質等を含んでもよい。好ましくは、関係する特定のポリペプチドをあらかじめ選択またはスクリーニングしないでパターンが得られる。いくつかの態様において、パターンに示されるマーカーのいくつかまたは全てを同定しないでパターンが得られる。3つの概念的なパターンが、症例は104aに、対照は104bに例示されている。示されるように、パターンは、実際に観察されるものから大幅に簡略化されている。
好ましくは、アッセイ法は、100個より多くのポリペプチド、好ましくは、200個より多くのポリペプチド、さらに好ましくは、500個より多くのポリペプチド、さらに好ましくは、1000個より多くのポリペプチド、さらに好ましくは、2000個より多くのポリペプチドの存在を識別する。ポリペプチドのいくつかのアイデンティティは従来の検討から既知であるが、アッセイ法が示すポリペプチドの全てを具体的に同定する必要はない。代わりに、本発明のビジネス方法は、表現型を検討するためおよび/または診断のために対照とは別個のパターン中に症例において反復して見出される多数のポリペプチドパターンの存在(または不在)を利用する。種々の態様において、数多くのポリペプチドがパターンに現れるが、これらのポリペプチドのいくつかのアイデンティティは不明であってもよい。例えば、15個より多くのポリペプチドが現れてもよく、30個より多くのポリペプチドが現れてもよく、50個より多くのポリペプチドが現れてもよく、100個より多くのポリペプチドが現れてもよく、1000個より多くのポリペプチドが現れてもよい。
好ましい態様において、本発明のビジネス方法は、アッセイ法を実施するため質量分析システムによる。好ましくは、このようなシステムは、分析のために質量分析装置に導入される試料中のポリペプチドの例のほとんどまたは全てを捕獲し、測定することができる。このようなシステムを使用するときには、情報量が多いが、低濃度でしか存在しない、疾患組織から「漏洩」したものなどのポリペプチドを観察できることが好ましい。情報量が多い他のポリペプチドは疾患に関連するもの、例えば、腫瘍-宿主環境において形成されるものであってもよい。
いくつかの態様において、第1のアッセイ法などの早期アッセイ法に次いで、後期アッセイ法が実施される。早期アッセイ法は、通常、対照から症例を同定または分離するポリペプチドを最初に同定する際に使用される。後期アッセイ法は、変動性の大きい領域、すなわち、症例試料と対照試料の差が大きいような領域またはマーカーなどの、対象となる領域の診断または評価に焦点を絞ることができるパラメーターにより調整される。パラメーターは、例えば、1つの技術プラットホーム上に配置されていてもよい、対象となる領域を同定することができる早期アッセイ法によって、および同じまたは異なるプラットホームに配置されている後期アッセイ法によって、決定することができる。
段階105では、症例試料および対照試料のポリペプチドパターンの差を同定するためにバイオインフォマティクスシステムが使用される。このような技法は、種々のデータクリーンアップ段階によって進行させることができる。パターンは、数多くのポリペプチドまたは他の生物学的な要素の相対的な提示、すなわち、任意の特定の要素の有無より重要である集合的なプロフィールを含むと考えられる。血液または患者の他の試料のパターンを同定することによって、本発明の方法はいくつかの態様では疾患および他の病態の存在の表示を提供するだけでなく、他の態様では、疾患または病的状態に対する進行中の応答の表示を提供する。ハイスループット様式では、第1の試料のデータは、例えば、質量分析システムにおいて、別の試料が処理されると同時にバイオインフォマティクスシステムにおいて評価される。
「症例」の3つの単純化したパターンに示すように、104a(ピーク106aおよび106b)は、高いレベルで3つの「症例」試料において観察される傾向がある。逆に、ピーク106cでは3つの症例試料で信号はほとんどまたは全く観察されない。対照的に、対照試料では、104b(ピーク106aおよび106c)は観察される傾向であるが、ピーク106bは低レベルで存在する傾向がある。当然のことながら、図1に示すパターンは大幅に単純化されており、実際では、数十、数百または数千のこのようなピークが存在するようにさらに複雑なパターンが存在すると考えられる。図1に例示する特定の例では、ピーク106aは情報を提供するものではないが、ピーク106bは症例において存在する傾向があり、ピーク106cは対照において存在する傾向がある。症例と対照を識別するパターンを同定する際に、一般に、自動化システムが適用されると考えられる。多数の信号のパターンを測定することにより、生物学的状態のわずかな差を同定することができ、その状態の同定をより強力にし、生物学的ノイズを受けにくくする。
段階107では、本発明のビジネス方法は、例えば、診断状況において患者試料の疾患状態を同定するために、試料に存在するポリペプチドのパターンを使用する。段階101および107の両方に使用する試料は、好ましい態様において、血清試料であるが、別の態様において種々の起源の組織または体液試料が使用される。好ましくは、必ずしもというわけではないが、診断用途に使用するシステムは、第1の例のパターンを同定するために使用されるプラットホームと同じ技術プラットホームに基づく。例えば、第1の例のパターンを同定するために使用するプラットホームが時間飛行型質量分析装置である場合には、パターンの診断用途は時間飛行型質量分析装置で実施されることが好ましい。
製品の市販は数多くの形態をとってもよい。例えば、開発者が機器およびアッセイ法を診断研究市場に実際に出してもよい。別の態様において、パターンの開発者は、例えば、開発業者が製造した製品を単独または自社製品と組み合わせて市販する大手診断取り扱い企業と提携してもよい。別の態様において、パターンの開発者は、第三者に対するパターンの知的財産の権利を許可し、パターン情報から生ずるライセンス収入から利益を得る。
本明細書のビジネス方法は、経時的に変化してもよい種々の手段によって利益を得ることができる。このようなソースは、診断アッセイ法またはサービスからの利益を含む製品の直接販売、前払いのライセンス料金、調査支払い料金、マイルストーンペイメント(販売目標の達成時または規制による提出時など)、データベース使用料からの利益、および下流部門の使用料、並びに政府機関、研究機関および大学、バイオテクノロジー会社および製薬会社、保険会社および医療提供者を含む種々のソースからの利益を含んでもよい。
診断サービスは、臨床参考検査室または診断キットの販売によって提供されることが多い。臨床参考検査室は、一般に、多くの介護者および/または製薬会社の代わりに大多数の患者試料を処理する。米国のこのような参考検査室は、CLIAおよび/またはCAP規則に準拠して資格が与えられており、欧州では資格は国ごとに異なる。当然のことながら、FDAによって承認されているキットまたは等価な承認されている製品、または体外診断薬に関するEU指令(In Vitro Diagnostics Directive)に準拠するCEマークを有する製品の直接販売などの、市販および販売のために他の方法を使用してもよい。いくつかの場合において、パターン内容の開発者は知的財産の使用を許可し、および/またはサービスを提供する際に他の試薬および/または機器と組み合わせたキットおよび/または試薬を参考検査室に販売する。
短期的には、開示されているビジネス方法は、例えば、パターンを発見および/または市販するために、用途特異的な研究または診断サービスを第三者に提供することによって利益を発生する。第三者の例には、診断または研究製品(またはパターン発見のサービス)を購入する顧客、パターン認識データベースの権利を取得している使用権取得者、およびパターン認識からの下流部門の使用料および/または前払いの支払いと引き換えに試料を提供するパートナーが挙げられる。料金に応じて、診断サービスは独占的または非独占的に提供されてもよい。
利益は、患者および集団のポリペプチドプロファイリングを提供するために独占的および/または非独占的契約を締結することによっても発生させられる。例えば、臨床試験に参入する会社は、例えば、薬剤療法、効果的な用量等により患者集団を層別化することを希望することがある。患者集団の層別化は(例えば、無応答患者を除くことによって)臨床試験の効率を増加することができ、会社を市場に早く参入させることができ、また有害応答を示す可能性のある患者もしくは無応答の可能性のある患者を同定する診断試験と共に薬剤を市販することができる。また、保険会社は、保険契約希望者のポリペプチドプロフィールを入手すること、および/または例えば、薬剤または治療が患者に有効であるかどうかを判定することを希望することがある。
長期的には、利益は別の方法によって発生させてもよい。例えば、利益は、製薬会社(例えば、バイオテクノロジー会社および製薬会社)独占的および/または非独占的な薬物発見契約を締結することによって発生させることができる。このような契約は、薬剤標的 (例えば、関心対象の表現型状態に関連する特定のタンパク質またはポリペプチドセット) の同定もしくは検証、またはこのような薬剤が使用されるはずのサブ集団の同定に基づいて、薬剤の下流部門の使用料を提供することができる。または、利益は、診断自体のライセンス料金から生じてもよい。本明細書の診断サービス、パターンおよびツールは、マイルストーンペイメントまたは下流部門の使用料の代わりに製薬会社に提供されうる。利益は、使い捨て流体装置、使い捨て微小流体装置または他のアッセイ試薬もしくは装置を例えば、研究製品市場、診断製品市場、または臨床参考検査室に販売することからも発生させられる。利益は、用途特異的ソフトウェアまたはデータベースのライセンス取得からも発生させられる。利益は、さらに、所有権のある技術のいくつかまたは全てを許可することができる技術プラットホーム提供者からの使用料に基づいて発生させられる。例えば、質量分析装置プラットホーム提供者は、ソフトウェアおよびコンピュータツールおよび/またはポリペプチドパターンの権利を許可することができる。
好ましい態様において、本明細書において使用するTOFは微小流体分離装置に接続される。試料調製技法は、好ましくは、質量分析装置が最適に検出することができるポリペプチドおよび/または情報が多いポリペプチドを濃縮し、検出が困難であるものおよび/または情報が少ないものを排除する(その理由は、例えば、それらは症例試料および対照試料のどちらにも存在するからである)。最も好ましい態様において、微小流体分離装置は、TOF質量分析装置に容易に取り付けおよび離脱され、使い捨てとして販売される使い捨て装置であり、それによって関係するビジネスに経常利益源を提供する。好ましくは、連続的な分析試料流を受け入れられ、検出過程中、高感度を提供する質量分析装置が使用される。
いくつかの態様において、試料調製は、大量に含有されるポリペプチドの除去、全ての試料に大量に含有されることが予想されるポリペプチドの除去、保存剤および校正物質の添加、並びに脱塩を含む。これらの段階により、血清に天然に大量に含有されるものなどの情報の少ないポリペプチドと比較して、組織から漏洩したものなどの情報の多いポリペプチドの濃度を感度よく測定することができる。調製後の試料は、次いで、ピーク容量の高い迅速な分子分離方法を使用して分離される。調製および分離後の血清をイオン化し、直接質量分析装置内にスプレーし、好ましくは、システムの高い信頼性を保証するために使い捨て要素の一部として販売される微小流体チップにエレクトロスプレーイオン化(ESI)インターフェースを一体化することができる。微量流体に基づいた分離は、好ましくは、質量分析装置の最適な性能領域に匹敵する流速および複雑性レベルのポリペプチド混合物を提供する。質量分析装置の感度は、好ましくは、生物学的状態を識別する可能性が最も大きい種を検出するように最適化される。好ましくは、これらの段階を実施するのに必要な試薬は、微小流体装置内またはそれと共に提供されており、それによって関連ビジネスに追加の経常利益と、ユーザーに高い性能とを可能にする。
試料調製システムは、使用する検出装置に応じて異なる操作を提供する。同じ調製システムは、好ましくは、質量分析装置での処理の前にタンパク質変性を提供する。本明細書において関心対象の分析物は、いくつかの例において、タンパク質結合型である。好ましくは、本発明のシステムは、好ましくは大量に含有される物質(血清または血漿試料のアルブミンまたは他のタンパク質など)を除去する前にタンパク質の変性を提供する。除去前にこのようなタンパク質を変性させることによって、後の分析に有意義となりうるように関心対象の結合型の分析物が放出されると考えられる。変性は、熱の使用、高塩濃度の使用、酸、塩基、カオトロピック剤、有機溶媒、界面活性剤および/または還元剤の使用を含むいくつかの技法のうち、任意のものを使用することができる。Liotta, Lance, Aら、「Written in Blood」、Nature(10/30/2003)、425巻、905ページ。Tirumalai, Radhakrishna S.ら、「Characterization of the Low Molecular Weight Human Serum Proteome」、Molecular & Cellular Proteomics 2. 10(8/13/2003)、1096-1103ページ。
大量に含有されるポリペプチドを除去するために使用するシステムは、例えば、ポリペプチドを除去するための高親和性試薬の使用、高分子量フィルターの使用、超遠心、沈降および/または電気透析に基づいてもよい。しばしば除去されるポリペプチドには、例えば、通常の代謝に関与するものおよび特定のアッセイ法に関連しない多種多様な他の適応症に関与するものが挙げられる。このようなタンパク質は、例えば、固相抽出樹脂により除去することができる。また、システムは、例えば、低分子を分離するためならびに/またはタンパク質混合物を捕獲、脱塩および分離するために逆相クロマトグラフィー装置を備えてもよい。
図2は、症例試料と対照試料を識別するタンパク質パターンを検討する用途および/または個体を診断するためにパターンを使用する際に使用することができる、本明細書において使用する例示的なシステムプラットホームの追加の局面を例示する。本発明は、体液を含むが、これらに限定されない生物学的材料における、患者を含む生物の生物学的および臨床的状態を反映し、識別するポリペプチドのパターンを(a)発見および(b)アッセイする一体型システムに関係する。生物学的および臨床的状態には、発育段階;年齢;健康;病態;疾患検出、経過もしくは病期判定;感染症;毒性;または化学物質、環境もしくは薬物因子に対する応答(薬物応答表現型、薬物毒性表現型、または薬物有効性表現型など)が挙げられるが、これらに限定されない。生体液201には、血清、血漿、全血、乳頭吸引液、膵液、小柱液、肺洗浄液、尿、脳脊髄液、唾液、汗、歯肉溝周囲(pericrevicular)液、および涙が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明のシステムは、微小流体プラットホーム203上に迅速な分子分離とエレクトロスプレーイオン化システム204を一体化させたものを提供する。本発明のシステムは、高感度時間飛行型質量分析装置205に処理済みの試料を提供する。信号処理システム並びにパターン抽出および認識ツール207は、ポリペプチドパターンの正確な情報に領域的な知識を導入し、パターンを分類して分類209を提供する。信号処理システムは他のソフトウェア要素を備えてもまたはそれに接続されてもよい。例えば、信号処理システムは、施設の検査室または患者情報データベースシステムに結果を統合するために関連するコンピュータシステムおよび/または患者データベースでユーザーインターフェースを使用するための容易さを提供する。
微小流体装置203は、エッチング、機械加工、切削、成型、鋳造または型押しによってプラスチックに成形することができる。微小流体装置は、エッチング、機械加工または切削によってガラスまたはケイ素から製造されてもよい。本発明の装置は、ある形状または他の金型上で重合することによって形成されてもよい。分子分離ユニットまたは一体型迅速分子分離/エレクトロスプレーイオン化ユニットは、試料ローディング、試料濃縮、エレクトロスプレーイオン化を妨害する可能性のある塩および他の化合物の除去、大量に含有される種の除去、試料を小容量に濃縮すること、生物学的材料内の成分のタンパク質分解または化学的切断、および/または保存容器への分注を含む、追加の試料調製段階を提供することができる。本発明の装置によって実施される特定の操作は、使用する検出技術に依存すると考えられる。
分離およびエレクトロスプレーのための装置は、単一試料用の単回使用、単一試料の連続ローディング時の多数回使用、多数の試料の平行処理による単回使用、多数の試料の平行処理による多数回使用、またはそれらの組み合わせであってもよい。分離処理は等電点電気泳動、クロマトグラフィーまたは電気クロマトグラフィーを含んでもよい。分離装置は、精製または部分的に精製した分画の一部または全ての回収領域または実体を含んでもよい。
本明細書における本発明は、検出装置として質量分析に関して主に例示されているが、他の装置を単独または質量分析装置と共に使用することができることが理解されるべきである。例えば、検出装置は、電気化学的、分光学的または発光検出装置を備えてもよく、微小流体装置と一体化してもよい。
使用することができる質量分析装置には、エレクトロスプレーイオン化(ESI)源からのイオンビームを収容する分析装置を備える四重極、イオントラップ、扇形磁場、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴装置または直行時間飛行型質量分析装置が挙げられる。
好ましい態様において、本発明のシステムは、全ての試料に存在する可能性があり、容易に検出可能である既知のマーカーの検出に対する反応に応じてシステムの速度を適合させる。分離は保持時間または移動時間が異なることが多いので、全ての試料に存在する可能性があり、容易に検出可能であることが既知の分子を検出し、次いでシステムを通過した速度を他の実験の標準品と比較することにより、予想される移動時間より遅い検出に応答して分離速度を早くすることによってまたは予想される移動時間より速いことに応答してシステムの速度を低下することによって、システムの速度を早くすることができるようになる。速度は、システムの圧力、電圧、電流または温度の調節によって調節することができる。好ましくは、本発明のシステムは、電圧を変化させることによって速くまたは遅く操作される。試料中に含有され得、本発明の目的に使用され得る代表的なペプチドおよびタンパク質には、ニューロテンシン、リソザイム、アプロチニン、インスリンb-鎖、およびレニン基質が挙げられる。また、スペクトル中の特に関心のある分子を検出する際の精度をより高くするために装置の操作速度を遅くすることができる。逆に、関心の低い成分が検出されると予想されるときにシステムを速く操作することができる。
いくつかの態様において、特に(電気浸透流の使用と併用した)電気泳動分離キャピラリーの末端に成分を移動させるために、電気泳動装置を通過して成分を移動させるために圧力が加えられる。圧力は、安定なエレクトロスプレーを維持するのに必要な良好な緩衝液の流れを生ずる。
エレクトロスプレーイオン化によって形成されるイオンは、通常、主に一電荷または多電荷に荷電した分子のイオンであり、電荷は、分子に結合したプロトンまたはアルカリ金属由来である。イオンの励起は、バックグラウンドガスまたは導入された衝突ガスとイオンの衝突によって生じ得る。Horn, D. M.ら、「Activated ion electron capture dissociation for mass spectral sequencing of larger (42 kDa) proteins」、Anal. Chem. (2000), 72巻、4778-84. Doroshenko, V. M.、Cotter, R. J. 「High-performance collision-induced dissociation of peptide ions formed by matrix-assisted laser desorption/ionization in a quadrupole ion trap mass spectrometer」、Anal. Chem. (1995), 67巻、2180-7。または、励起は、他のイオン、表面との衝突、光子、熱、電子またはアルファ粒子との相互作用によって生じてもよい。エレクトロスプレー内での試料の励起により、この過程の情報量は変化および/または増加されるはずである。このような励起は、例えば、イオンを脱溶媒和することができ、分析物イオンから非共有結合分子を解離させることができ、溶媒クラスターを破壊することができ、バックグラウンドイオンをフラグメント化して、質量-電荷比を変化させて、分析を妨害しにくい比にすることができ、多価イオンがスペクトルの異なる領域に移動するようにプロトンおよび他の荷電体を除去することができ、分析物イオンをフラグメント化して追加のさらに特異的または配列に関連する情報を生成することができる。
好ましい態様において、励起システムは、両方の状態のスペクトルセットを入手するためにオンおよびオフに変化させることができる。2つのスペクトルの情報量は、ほとんどの場合において、いずれかの単一のスペクトルの情報量よりはるかに多い。この態様では、システムは、励起/イオン化システムを活性化および脱活性化するためのスイッチ装置を備えてもよい。この場合には、「オン」状態の励起システムおよび「オフ」状態の励起システムの両方において試料を別個に分析するために分析ソフトウェアが組み込まれてもよい。これら2つの状態の一方または他方において異なるマーカーをより効率的に検出することができる。
試料採取
症例試料は、関心対象の特定の表現型状態を示す個体から入手される。表現型状態の例には、環境の変化、薬物治療、遺伝子操作もしくは突然変異、傷害、食餌の変化、加齢、または単一の生物または生物のクラスもしくはサブクラスの任意の他の特徴によって生じる表現型が挙げられる。好ましい態様において、関心対象の表現型状態は臨床的に診断された疾患状態である。このような疾患状態には、例えば、癌、循環器疾患、炎症性疾患、および感染性疾患が含まれる。対照試料は、関心対象の表現型または疾患状態を示さない個体(例えば、疾患に罹患していない個体または所定の薬剤に応答して負の副作用を経験していない個体)から入手される。または、健康の状態を分析することができる。
癌の表現型は、本発明のビジネス方法のいくつかの局面において検討される。癌の例には、乳癌、皮膚癌、骨癌、前立腺癌、肝癌、肺癌、脳腫瘍、喉頭癌、胆嚢癌、膵臓癌、直腸癌、副甲状腺癌、甲状腺癌、副腎腫瘍、神経組織の腫瘍、頭頚部癌、結腸癌、胃癌、気管支腫瘍、腎臓癌、基底細胞癌、潰瘍型および乳頭腫型の扁平上皮癌、転移性皮膚癌、骨肉腫、ユーイング肉腫、小神経膠腫症(veticulum cell sarcoma)、骨髄腫、巨細胞腫、小細胞肺癌、胆石、島細胞腫、原発性脳腫瘍、急性および慢性リンパ腫および顆粒球腫、ヘアリー細胞の腫瘍、過形成、髄様癌、褐色細胞腫、粘膜神経腫、腸の神経節細胞腫、過形成性角膜神経腫、マルファン症候群体質の腫瘍(marfanoid habitus tumor)、ウィルムス腫瘍、精上皮腫、卵巣腫瘍、平滑筋腫、頚部肉腫および上皮内癌(in situ carcinoma)、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、軟部組織肉腫、悪性カルチノイド、局所的な皮膚病変、菌状息肉腫、横紋筋肉腫、カポジ肉腫、骨原性肉腫および他の肉腫、悪性高カルシウム血症、腎細胞の腫瘍、真性多血症、腺癌、多形神経膠芽腫、白血病、リンパ腫、悪性黒色腫、類表皮癌、並びに他の癌および肉腫が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において検討することができる妊娠に関連する障害には、子癇前症、子癇早期産、子宮内発育遅延、Rh不適合、胎盤遺残、敗血症、胎盤剥離、子宮外妊娠、妊娠悪阻、前置胎盤、胎児赤芽球症、妊娠性掻痒性丘疹が挙げられる。
本発明の他の用途において、循環器疾患を検討することができる。循環器疾患の例には、うっ血性心不全、高血圧、不整脈、コレステロール、ウォルフ-パーキンソン-ホワイト症候群、QT延長症候群、狭心症、頻脈、徐脈、心房細動、心室細動、うっ血性心不全、心筋虚血、心筋梗塞、心タンポナーデ、心筋炎、心外膜炎、催不整脈性右心室異形成、心筋症、ウィリアムズ症候群、心臓弁膜症、心内膜炎、細菌性肺動脈閉鎖、大動脈弁狭窄症、レイノー病、コレステロール塞栓、ワレンベルグ症候群、ヒッペルリンドウ病、および末梢血管拡張症が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明のビジネス方法の他の用途において、炎症性疾患を検討することができる。炎症性疾患の例には、リウマチ、関節炎、非特異的な関節炎、喉頭の炎症性疾患、炎症性腸障害、骨盤炎症性疾患、中枢神経系の炎症性疾患、一時的な動脈炎、リウマチ性多発性筋痛、強直性脊椎炎、結節性多発動脈炎、ライター症候群、強皮症、全身性の狼瘡およびエリテマトーデスが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明のビジネス方法のよりさらに別の局面において、感染性疾患を検討することができる。感染性疾患の例には、AIDS、C型肝炎、SARS、結核、性行為感染症、ライ病、ライム病、マラリア、麻疹、髄膜炎、単核球症、百日咳、黄熱病、破傷風、アルボウィルスによる脳炎、および他の細菌、ウィルス、真菌または寄生虫様疾患が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明のビジネスの用途に応じて、所定の患者の種々の起源から試料を採取することができる。いくつかの態様において、試料は会社自体で採取されるが、他の例において、試料は、例えば、臨床試験で試料を採取している学究的な協力者または製薬業の協力者と協力して採取される。採取した試料は、好ましくは、唾液、血漿、乳頭吸引液、関節液、脳脊髄液、汗、尿、糞便、膵液、小柱液、脳脊髄液、涙、気管支洗浄液、スワブ液、気管支吸引液、精液、前子宮頚管液、膣液、射精前液等を含む血液、血清、痰などの体液である。好ましい態様において、採取する試料は約1〜5 mlの血液である。
いくつかの例において、試料は、長期間にわたって個体から採取されてもよい(例えば、1日1回、1週間に1回、1ヶ月に1回、年2回または年1回)。ある期間にわたって個体から数多くの試料を入手することは、より早期検出の結果を検証するためおよび/または例えば、加齢、薬物治療、病理学等の結果としてのポリペプチドパターンの変化を同定するために使用することができる。試料はヒトまたはヒト以外から入手することができる。好ましい態様において、試料はヒトから入手される。
いくつかの例において、試料は、長期間にわたって個体から採取することができる(例えば、1日1回、1週間に1回、1ヶ月に1回、年2回または年1回)。長期間は、例えば、ストレス試験または薬物治療の前、最中および後であってもよい。長期間にわたって個体から数多くの試料を入手することは、より早期検出の結果を検証するためおよび/または例えば、加齢、薬物治療、病理学等の結果としてのポリペプチドパターンの変化を同定するために使用することができる。試料はヒトまたはヒト以外から入手することができる。好ましい態様において、試料はヒトから入手される。
試料調製および分離は、採取する試料の種類および/または検索するタンパク質の種類に応じて、以下の手法のいずれかに関係することができる:大量に含有されるポリペプチド(例えば、アルブミンおよびトランスフェリン)の除去;保存剤および校正物質、変性剤、脱塩剤の試料への添加;試料ポリペプチドの濃縮;タンパク質消化;並びに分画採取。好ましくは、試料調製技法は、情報の多いポリペプチド(例えば、疾患細胞から「漏洩」するポリペプチドまたは腫瘍に対して応答する宿主によって産生されるポリペプチド)を濃縮し、大量に含有されるものなどの情報の少ないまたは全くないと思われるポリペプチドを激減させる。
試料調製は、マニホールドまたは調製/分離装置で実施することができる。好ましい態様において、このような調製/分離装置は微小流体装置である。最適には、調製/分離装置は、直接または間接的に検出装置に接続する。別の態様において、このような調製/分離装置は流体装置である。
本発明のいくつかの特定の態様において、アッセイ法あたり約100μLの試料が分析される。望ましくないポリペプチド(例えば、大量に含有され、情報がなく、または検出不可能なポリペプチド)の除去は、高親和性試薬、高分子量フィルター、超遠心分離(untracentrifugation)および/または電気透析を使用して実施することができる。高親和性試薬には、大量に含有されるポリペプチドに選択的に結合する抗体または特定のpH、イオン値もしくは界面活性剤強度を有する試薬が挙げられる。高分子量フィルターには、サイズおよび分子量に基づいて分子を分離する膜が挙げられる。このようなフィルターは、逆浸透、ナノろ過、限外ろ過、および微量ろ過をさらに使用してもよい。
限外ろ過は望ましくないポリペプチドを除去する別の方法である。限外ろ過は約60,000 rpmで試料を遠心分離すると同時に、粒子の沈降(または粒子が存在しないこと)を光学的システムを用いてモニターする。最後に、電気透析は、電位の傾きの影響下で一方の溶液から他方の溶液にイオン透過性膜を通過してイオンが輸送される電気膜方法である。電気透析に使用するこのような膜は、正または負の電荷を有するイオンを選択的に輸送し、反対の電荷のイオンを拒否する能力を有するので、電気透析は電解質の濃縮、除去または分離に有用である。
好ましい態様において、マニホールドまたは微小流体装置は、高分子量ポリペプチドまたは望ましくないポリペプチドを除去するために電気透析を実施する。電気透析は、まず、約30 kD以下(厳密なカットオフではない)の分子だけを第2のチャンバーに通過させるために使用される。超低分子量(約500 D)の第2の膜は、低分子を第2のチャンバーに流出させる。
試料を調製後、関心対象のポリペプチドを分離することができる。分離は、調製と同じ位置または別の位置で実施されてもよい。好ましい態様において、分離は、調製が実施されるものと同じ微小流体装置で実施されるが、装置の異なる位置で実施される。試料は、電場を含む種々の手段を使用して最初のマニホールド位置から微小流体装置に取り出すことができる。好ましい態様において、試料は、逆相ビーズおよび50%メタノールなどの有機溶媒溶出を使用して、微小流体装置への移動中に濃縮される。これにより、微小流体装置の分離装置のチャネルまたはウェルに分子が溶出される。別の態様において、試料は、イオンが、それぞれ低および高電気泳動移動度の先行電解液と後続電解液との境界で濃縮される等速電気泳動によって濃縮される。
分離は、キャピラリー電気泳動(例えば、キャピラリーまたはオンチップ)またはクロマトグラフィー(例えば、キャピラリー、カラムまたはオンチップ)などの当技術分野において既知の任意の手法に関係してもよい。
電気泳動は、電場におかれた分子のサイズおよびイオン電荷に基づいてゲルを通過する移動度パターンの差によって、ポリペプチドなどのイオン分子を分離するものである。電気泳動は、ゲル、キャピラリーまたはチップ上で実施することができる。電気泳動に使用するゲルの例には、デンプン、アクリルアミド、アガロースまたはそれらの組み合わせが挙げられる。好ましい態様において、ポリアクリルアミドゲルを使用する。ゲルは、架橋、界面活性剤の添加、酵素もしくは抗体(アフィニティー電気泳動)または基質(酵素電気泳動)の固定およびpH勾配によって改変することができる。電気泳動に使用されるキャピラリーの例は、エレクトロスプレーを接続して作用するキャピラリーを含む。
キャピラリー電気泳動(CE)は、複雑な親水性分子と高電荷の溶質を分離するのに好ましい。CEの利点には、小規模試料(1〜10μlの範囲のサイズ)の使用、迅速な分離、容易な再現性、および質量分析装置に接続できることが挙げられる。CE技術は、一般に、複雑な多量の高および低分子を分離するために細い中空の溶融石英キャピラリーを使用する分離技法に関する。高電圧を使用して、電荷、サイズおよび疎水性の差に基づいて分子を分離する。使用するキャピラリーおよび緩衝液の種類に応じて、CEは、キャピラリーゾーン電気泳動(CZE)、キャピラリー等電点電気泳動(CIEF)、およびキャピラリー電気クロマトグラフィー(CEC)などの分離技法にさらに分類することができる。
キャピラリーゾーン電気泳動(CZE)は、フリー溶液CE(FSCE)としても既知であり、最も簡単な形態のCEである。CZEの分離機序は、分析物の荷電-対-質量比の差に基づいている。キャピラリーの長さ方向の全体にわたって緩衝液が均一であることおよび電場強度が一定であることがCZEの基本である。分離は、原則として、溶質の酸性基のpH制御された解離または溶質の塩基性官能基のプロトン化により生じる。
キャピラリー等電点電気泳動(CIEF)は、陰極と陽極の間に形成されるpH勾配がある中での電気泳動によって、ポリペプチドなどの両親媒性分子を分離することができる。溶質は、正味の電荷がゼロになる地点に移動する。この等電点(溶質のpI)において、移動は停止し、試料は狭いゾーンに集められる。CIEFでは、溶質がそのpIで集まったら、ゾーンは、圧力または化学的な手段によって検出器に移動させられる。
CECは、従来の液体クロマトグラフィー(HPLC)とCEのハイブリッド技法である。CEキャピラリーにHPLC充填剤を充填し、充填したキャピラリーに電圧を適用すると、電気浸透流(EOF)を生ずる。EOFは、キャピラリーに沿って検出装置方向に溶質を輸送する。検出装置方向への輸送中に溶質の分配および電気泳動移動度の差が生じ、CEC分離される。従って、HPLCおよびCEと比較して、CECを使用すると独自の分離選択を入手することができる。EOFの有用な流動プロフィールは流動に関連するバンドの広がりを少なくし、1メートルあたり数十万プレートの分離効率がCECで得られることが多い。CECにより、小径充填を使用することおよび超高効率を達成することも可能になる。
クロマトグラフィーは、ポリペプチドのサブセットを分離する別の方法である。クロマトグラフィーは、ある種のポリペプチドの吸収および溶出の差に基づいている。液体クロマトグラフィー(LC)は、例えば、非移動相を通過する流体の担体の使用に関係する。従来のLCカラムは内径約4.6 mmおよび流速約1ml/分である。マイクロ-LCは内径約1.0 mmおよび流速約40μl/分である。キャピラリーLCは、内径約300imのキャピラリーおよび流速約5μl/分を使用する。ナノ-LCは長さが異なってもよく(例えば、5 cm、15 cmまたは25 cm)、粒子サイズ5 μmの典型的な充填剤C18を有してもよい。好ましい態様において、ナノ-LCが使用される。ナノ-LCは、クロマトグラフィー試料の低い希釈により高い感度を提供する。HPLCと比較したナノ-LCの感度は約3700倍である。
好ましい態様において、試料は、キャピラリー電気泳動分離、好ましくはゾル-ゲルを用いたCECまたはさらに好ましくはCZEを使用して分離される。これは、所定のpHにおける電気泳動移動度(またはCECの場合には疎水性)に基づいて分子を分離する。
他の好ましい態様において、試料を調製および分離する段階は、微小流体技術を使用して組み合わされる。微小流体装置は、検体などの種々の試薬を含む液体を輸送し、マイクロチャネル構造を使用して異なる位置で溶出することができる装置である。微小流体装置は、大多数の異なる種類の分析操作の有利な小型化、自動化および一体化を提供する。例えば、極めて大多数の異なる化合物の連続的なアッセイ法を実施する連続流動型の微小流体装置が開発されている。微小流体装置はまた使い捨てという特徴を提供し、試料のキャリング-オーバーを防止する。微小流体装置は、1000μmより小さい、好ましくは500μmより小さい、さらに好ましくは100μmより小さいチャネルを有する装置を本明細書において意味することが意図されている。好ましくは、このような装置は、1000μl未満、好ましくは500μl未満、最も好ましくは100μl未満の試料容量を使用する。
好ましい態様において、微小流体装置はプラスチックから構成され、エッチング、機械加工、切削、成型、鋳造または型押しによって形成される。または、微小流体装置は、エッチング、機械加工または切削によってガラスまたはケイ素から製造されてもよい。微小流体装置は、単一試料用の単回使用;単一試料の連続ローディング時の多数回使用;多数の試料の平行処理による単回使用;多数の試料の平行処理による多数回使用;またはそれらの組み合わせであってもよい。さらに、複数の微小流体装置を一体化してシステムを形成し、1つの検出装置に接続してもよい。
ポリペプチドは、一旦調製および分離されたら、試料中のポリペプチドを検出する検出装置に自動的に送達される。好ましい態様において、溶出液または溶液中のポリペプチドは、エレクトロスプレーイオン化(ESI)によって検出装置に送達される。ESIは、関心対象の試料を含有する液体を、所定の電位(典型的には3.5kV)に維持されているチャネルまたは針を介して注入することによって作動する。針の電圧により、スプレーは、噴射されると荷電される。結果として生ずる液滴は、溶媒が本質的に完全に除去されて荷電イオンが残るまで、数torrの真空に維持した領域で蒸発する。次いで、荷電イオンは、質量分析装置などの検出装置によって検出される。さらに好ましい態様において、ナノスプレーイオン化(NSI)を使用する。ナノスプレーイオン化はESIの小型化した形態であり、極めて小容量の試料流体を使用して低検出限界を提供する。
好ましい態様において、分離されたポリペプチドは、微小流体装置(一体型ESI微小流体装置)内に構築されているエレクトロスプレーイオン化エミッターに至るチャネルに向かう。好ましくは、このような一体型ESI微小流体装置は、検出に最適な流速および複雑さのレベルにおける試料の検出装置を提供する。このような流速は、好ましくは、約50〜200μL/分である。さらに、微小流体装置は、試料捕獲が最適となるように検出装置と並べて配置される。例えば、ダイナミックフィードバック回路を使用すると、微小流体装置は、エレクトロスプレー電圧の制御された位置づけを可能にし、スプレー全体を検出装置の開口部に捕獲させることができる。微小流体装置は別個に販売されてもまたは他の試薬、ソフトウェアツールおよび/または装置と組み合わせて販売されてもよい。
校正物質も検出装置にスプレーすることができる。校正物質は、機器のパラメーターを設定するためおよび信号処理用校正目的のために使用される。校正物質は、好ましくは、実際の試料を評価する前に使用される。校正物質は、試料と同じまたは別のインターフェースを使用して検出装置に接続することができる。好ましい態様において、校正物質は、第2のインターフェース(例えば、第2のスプレーチップ)を使用して検出装置にスプレーされる。
ポリペプチド検出
検出装置は、例えば、NMR、2-D PAGE技術、ウェスタンブロット技術、免疫分析技術および質量分析を含む、ポリペプチドの存在および/またはレベルを検出することができる任意の装置を含んでもよい。好ましい態様において、本明細書のビジネスモデルは、所定の試料に存在するポリペプチドを検出するために質量分析を使用する。本発明のビジネス方法が使用することができる質量分析装置には種々の形態がある。
好ましい態様において、ビジネス方法はESI-MS検出装置を使用する。ESI-MSは、ESIの新規性に質量分析を組み合わせる。さらに、ESI-MSは、好ましくは、時間飛行型(TOF)質量分析システムを使用する。TOF-MSでは、使用される任意のイオン化方法および適用される電位差によってイオンが形成される。電位はソースからイオンを抽出し、検出装置の方向にそれらを加速させる。イオンに所定の距離を移動させるのにかかる時間を測定することによって、イオンの質量を算出することができる。TOF-MSは直交加速(OA)を備えるように設定することができる。いくつかの態様において、OA-TOF-MSは、良好なスペクトル解像およびデューティサイクルを有し得る。OA-TOF-MSはまた、比較的高速でスペクトルを入手する能力も有する。BrockらAnal. Chem(1998) 70, 3735-41は、Hadamard OA-TOF-MSとして既知の軸方向(on-axis)TOFを考察している。上記に開示されているMSシステム以外に、他の形態のEMI-MSには、四重極質量分析装置、イオントラップ質量分析装置、およびフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型(FTICR-MS)が挙げられる。
四重極質量分析装置は、4つの四分円に配置された4つの平行な金属棒からなる(四分円各々に1つの棒)。2つの相対する棒は正に印加された電位を有し、他の2つの棒は負の電位を有する。適用される電圧は、飛行通路下を通過するイオンの軌道に影響を与える。所定の質量-対-荷電比のイオンだけが四重極フィルターを通過し、他のイオンは全て本来の通路から追い出される。質量スペクトルは、棒に適用する電圧を変更するとき四重極フィルターを通過するイオンをモニターすることによって得られる。
イオントラップ質量分析法は、小容量のイオンを捕獲するために3つの電極を使用する。この質量分析装置は、2つの半球形の電極を分離するリング電極からなる。質量スペクトルは、電極の電圧を変化させて、イオンをトラップから追い出すことによって得られる。イオントラップ質量分析装置の利点には、コンパクトサイズおよびイオンを捕獲蓄積して、測定試料のシグナル-ノイズ比を高める能力が挙げられる。
FTICR質量分析計は、磁場におかれたイオンの移動に基づいた質量分析技法である。イオンが形成されると、それは大型磁石の均一な領域に位置する機器のセル内に最終的に見出される。イオンは、磁場によってXY面に抑制され、円形の軌道を取らされる。イオンの質量は、セル内のイオンのサイクロトロン周期に基づいて求めることができる。
好ましい態様において、本明細書のビジネスモデルはTOF質量分析装置を使用し、さらに好ましくは、ESI-TOF-MA、OA-TOF-MSまたは多重OA-TOF-MS(多重TOF質量分析装置)を使用し、さらに好ましくは、多重である四重極間のダイナミックスイッチングを連続して支持する2つのイオン・ファネル(ion funnel)を有する質量分析装置を使用し、2番目のものはイオンをリアルタイムに質量によって動的に選別するために使用することができる。
検出装置は、好ましくは、分離/調製装置すなわち、微小流体装置と接続しており、試料中のポリペプチドの多くを、さらに好ましくは、試料中のポリペプチドのほとんどまたは全てを迅速にアッセイすることができる。好ましくは、連続的に流動する分析試料を受け入れ、検出過程中で高感度を提供する質量分析装置(例えば、ESI-MS)を使用する。別の好ましい態様において、質量分析装置は1つもしくはそれ以上のエレクトロスプレー、2つもしくはそれ以上のエレクトロスプレー、3つもしくはそれ以上のエレクトロスプレー、または4つもしくはそれ以上のエレクトロスプレーに接続する。このようなエレクトロスプレーは単一または多数の微小流体装置に接続していてもよい。
使用する検出システムは、好ましくは、検出装置に導入されるポリペプチドのほとんどまたは全てを捕獲し、測定することができる。低濃度でしか存在せず、情報量が多いポリペプチドを観察できることが好ましい。逆に、例えば、全細胞に共通なポリペプチド、特に大量に含有されるポリペプチドを前もって除去することが好ましい。
信号処理/パターン認識
次いで、検出装置からの出力を、処理し、保存し、バイオ-インフォマティクスシステムを使用してさらに分析またはアッセイすることができる。バイオ-インフォマティクスシステムは以下の1つまたは複数を備えてもよい:コンピュータ;ネットワークに接続された複数のコンピュータ;信号処理ツール;パターン認識ツール;並びに必要に応じて、試料調製、分離および検出の流速を制御するツール。
データ処理は数学的な基礎を使用する。一般に、好ましくはダイナミックプログラミングを使用して、標準的な分離プロフィールを有する分離軸を整列させる。さらに、好ましくは強度値の約90%を標準的なスペクトルに適合させることによって強度を正規化することができる。次いで、分離のために特別にデザインされたウェーブレットおよび質量分析装置データを使用して、データセットを適合させる。データ処理は、好ましくは、ノイズの一部を選別し、スペクトルの次元を縮退する。こうすることにより、本発明のビジネス方法は予測性の高いパターンを同定することができる。
いくつかの態様において、データ処理は、校正物質によって求められる線形補正を使用して質量-軸を校正することにも関係してもよい。校正は、例えば、任意の試料検出の前、試料検出の後、または繰り返し生じる検出の合間に行ってもよい。
データ処理後、パターン認識ツールを使用して表現型状態のわずかな差を同定する。パターン認識ツールは、次元縮退を提供する、統計学的方法とコンピュータ科学的方法の組み合わせに基づいている。このようなツールは拡大縮小可能である。
以下の実施例は本発明のある種の局面を例示するものである。
約1〜5 mlの血液を、静脈穿刺により、適当な校正物質/対照を含有する特別な管に採取する。血餅が十分に形成されたら、遠心分離により血清を単離する。血清試料を分割し、分析時まで-70℃で凍結保存する。100μL程度の融解した試料を、マニホールドに適合する使い捨てプラスチック装置に入れ、その後全過程は自動化されうる。装置は試料の電気透析を実施する。電場および接線方向の流動を使用して、試料は、約30kD(厳密なカットオフではない)以下の分子だけが第2のチャンバーに通過させられる膜を通過させられる。反対の電荷を有する分子または高分子は通過しない。超低分子量カットオフ(〜500D)の第2の膜により低分子が第2のチャンバーを通過できる。従って、第2のチャンバーに残る分子はMW範囲(500D〜30kD)であろう。これらの分子のほとんどはペプチド、タンパク質断片および小型タンパク質であろう。塩は、アルブミンなどの大量に含有されるポリペプチドのほとんどと同様に除去されている。この過程は約60分かかるはずである。
次いで、関心対象の分子(すなわち、第2のチャンバーに残るもの)は、再度電場を使用して使い捨て装置の別の位置に移動させられ、試料濃縮のための逆相ビーズ上に配置される。50%メタノールなどの有機溶媒溶出を使用して、分子を第2の使い捨て装置のチャネルまたはウェル、この場合は微小流体チップに溶出する。このチップ上で、1〜5分間キャピラリー電気泳動分離、CZEまたはCECを実施して、所定のpHにおける電気泳動移動度(またはCECの場合には疎水性)に基づいて分子を分離する。1秒間の好ましい分離ピーク幅が使用される。
分離された分子は、各チップに構築されているエレクトロスプレーイオン化エミッターに至るチャネルに向かわされる。予想される流速は50〜200μL/分である。分離を開始する前に、位置決め段階の配置およびエレクトロスプレー電圧を最適に制御して安定なスプレーを確立し、適当なnl流速を仮定するとき、スプレー全体を質量分析装置の開口部に捕獲させるためにダナミックフィードバック回路を使用して、微小流体装置を質量分析装置に整列させる。実際の試料を分析する前に、専用の第2のスプレーチップを使用して標準/校正物質も質量分析装置にスプレーし、機器のパラメーターを設定するためおよび信号処理を校正する目的のために使用する。
直交型質量分析装置は、調製/分離後の試料のスプレーを捕獲し(分離されていると考えると、分子は小グループで移動している)、5スペクトル/秒の速度でスペクトルを生じる。質量分析装置は、校正物質スプレーと分析物スプレーのダイナミックスイッチングを支持して機器の精度を最適にするために、2つのイオン・ファネルを導入している。機器は多数の四重極を連続して備え、その2番目が、データ獲得分析操作中リアルタイムで使用され、イオンを質量ごとにダイナミックに選別し、高いダイナミックレンジを可能にし、また関心対象の特定の質量範囲に焦点を絞ることができる。直交型の機器配置は、ハイスループット、高感度および高質量解像を支持する。
1つの試料から結果として生ずるデータセットは109程度のデータポイントを有すると思われる。各データセットは、採取に最初から最後まで約5分かかると思われる。スループットを増加させるために、1つのデータセットを分析中に、第2の試料をシステムにより分析してもよい。
各データセットは、試料の前に操作される校正物質および2つのイオン・ファネルで平行に操作される校正物質によって求められる線形補正により校正された質量軸を有すると思われる。次いで、ダイナミックプログラミングを使用して、分離軸(TICを使用)をいくつかの標準品の分離プロフィールに整列させる。次いで、90%強度値を標準品のスペクトルに適合させることによって強度を正規化する。
次いで、このように補正されたデータセットは、分離/質量分析装置データのために特別にデザインされたウェーブレット(またはvaguelettes)を使用してデータセットを適合させる。スペクトルについてパラメーター化された情報はソフト的に閾値処理され、ノイズ除去および次元縮退のために選別されると思われる。
パターン発見中、約50例の症例および約50例の対照からなるセットのこのように選別されたパラメーターセットは、線形サポートベクトルマシンなどのパターン認識ツールに入れられるが、おそらく各データセットについて多数の学習アルゴリズムが使用されると考えられる。学習マシンの調整可能パラメーターのスペースを検索し、相互検証を使用してその予測の誤り限界と同様に、試料クラスを識別する最適なパターンが見出される。
検証中または臨床アッセイ中、新規のデータセットが存在する多次元パラメータースペースの決定境界の側を同定することによって、新規のデータセット各々の選別されたパラメーターがカテゴリーに分類される。信頼区間も算出されるうる。この予測および信頼区間は、マシンを操作している技術者に報告される。いくつかの態様において、これらの臨床試料の情報が捕獲され、より多くの試料を使用するパターン認識におけるそのような結果および患者の臨床的成果を使用して、分類を改善するためのより良いパターンを生ずると思われる。
最後に、タンデム質量分析方法を使用して、予測のための最も重要なデータポイントを生じるポリペプチド/パターンが同定されると思われる。パターンが発見されたら、そのようなポリペプチドの溶出中の分離速度を低下させ、他の過程では分離速度を増すことによって、関心対象のポリペプチドの情報量を増加するために分離を最適化する。このようにして、あらゆる診断のための別々の効率的なアッセイ法の用途を開発することができる。
上記の態様は例示的であり、制限するものではないことが理解されるべきである。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲およびその全ての等価物の範囲に関して決定されるべきである。
本発明のビジネス方法の一態様の操作を例示する全体的なフローチャートである。 本発明の好ましい局面を例示する図である。
符号の説明
201 生体液、203 微小流体プラットホーム、 204 エレクトロスプレーイオン化システム、205 高感度時間飛行型質量分析装置、207信号処理システム並びにパターン抽出および認識ツール、209 分類。

Claims (118)

  1. 以下の段階を含む、質量分析システムにおいてアッセイ法を実施する方法:
    (a)複数の症例試料および対照試料を注入する段階、
    (b)症例試料および対照試料に関連するポリペプチドパターンを同定する段階、
    (c)症例試料および対照試料中で同定したポリペプチドにおいて、症例および対照に存在する少なくとも選択されたポリペプチドのパターンを同定する段階、
    (d)(i)症例試料および対照試料から選択されたポリペプチドの少なくともいくつかを取り出し、
    (ii)残っているポリペプチドにおいて、選択した試料を症例または対照と関連すると関連させることによって、
    選択した試料についてアッセイ法を実施する段階。
  2. 選択した試料のアッセイ法が、時間飛行型質量分析装置で試料を検出する段階を含む、請求項1記載の方法。
  3. 選択した試料のアッセイ法が、残っているポリペプチドの分離をさらに含む、請求項1記載の方法。
  4. アッセイ法が、選択した試料の微小流体分離を実施する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
  5. アッセイ法が、少なくとも15個のポリペプチドマーカーを分析するために実施される、請求項1記載の方法。
  6. 追加の選択した試料の分析を実施する段階をさらに含み、追加の選択した試料から選択したポリペプチドを取り出す段階が使い捨て微小流体装置で実施される、請求項1記載の方法。
  7. 症例試料および対照試料が、癌疾患状態、循環器疾患状態、感染性疾患状態、および妊娠に関連する障害からなる群より選択される疾患状態を分離するために使用される、請求項1記載の方法。
  8. 取り出す段階が微小流体装置で実施される、請求項1記載の方法。
  9. 微小流体装置が使い捨て装置である、請求項8記載の方法。
  10. 取り出す段階が固相抽出樹脂で実施される、請求項1記載の方法。
  11. 取り出す段階が、逆相クロマトグラフィー樹脂で実施される、請求項1記載の方法。
  12. 以下の段階を含む、質量分析システムにおいて分析を実施する方法:
    (a)質量分析システムにおいて第1の試料の試料分離を実施する段階、
    (b)質量分析装置に第1の試料を注入する段階、および
    (c)データ分析システムにおいて質量分析システムのデータを分析すると同時に、第2の試料を質量分析システムで処理する段階であって、該質量分析システムが、診断アッセイ法において対照試料から症例試料を分離するために使用される段階。
  13. 質量分析装置でのアッセイ法が時間飛行型質量分析装置である、請求項12記載の方法。
  14. 分析が少なくとも15個のポリペプチドマーカーを分析するために実施される、請求項12記載の方法。
  15. 試料分離が使い捨て微小流体装置において実施される、請求項12記載の方法。
  16. 質量分析システムのデータが、癌疾患状態、循環器疾患状態、感染性疾患状態、および妊娠に関連する障害からなる群より選択される疾患状態を分離するために使用される、請求項12記載の方法。
  17. (a)分離部分と分離部分に接続されたエレクトロスプレー部分を備え、且つ使い捨て装置である微量流体装置と、
    (b) 微量流体装置に接続された質量分析装置と
    を備える生物試料を分析するためのシステム。
  18. 質量分析装置が時間飛行型質量分析装置である、請求項17記載のシステム。
  19. システムが少なくとも15個のポリペプチドマーカーを分析する、請求項17記載のシステム。
  20. 微量流体装置が質量分析装置に離脱可能であるように接続されている使い捨て装置である、請求項17記載のシステム。
  21. 癌疾患状態、循環器疾患状態、感染性疾患状態、および妊娠に関連する障害からなる群より選択される疾患状態を分離するために使用される、請求項17記載のシステム。
  22. 微量流体装置がキャピラリー電気泳動装置を含む、請求項17記載のシステム。
  23. 微量流体装置が固相抽出樹脂を含む、請求項17記載のシステム。
  24. 微量流体装置が逆相クロマトグラフィー装置を含む、請求項17記載のシステム。
  25. a)分離部分、試料イオン化装置およびイオン励起部分を備える試料調製装置と、
    b)試料調製装置に接続された質量分析装置と、
    c)イオン励起要素に接続されたスイッチと
    を備える生物試料を分析するためのシステム。
  26. 質量分析装置が時間飛行型質量分析装置である、請求項25記載のシステム。
  27. 少なくとも15個のポリペプチドマーカーを分析する、請求項25記載のシステム。
  28. 試料調製装置が使い捨て微量流体装置である、請求項25記載のシステム。
  29. 質量分析システムのデータが、癌疾患状態、循環器疾患状態、感染性疾患状態、および妊娠に関連する障害からなる群より選択される疾患状態を分離するために使用される、請求項25記載のシステム。
  30. スイッチが、選択したタンパク質フラグメントを検出するために、試料を制御可能であるように励起する、請求項25記載のシステム。
  31. a)ポリペプチド変性システムとポリペプチド取り出しシステムを備える試料調製装置と、
    b)質量分析装置を備え、ポリペプチド取り出しシステムにおいて取り出されたポリペプチドに結合した関心対象の少なくともいくつかの生物マーカーを生物試料中で同定する試料分析装置と
    を備える生物試料を分析するためのシステム。
  32. 試料分析装置が質量分析装置を備える、請求項31記載のシステム。
  33. 少なくとも15個のポリペプチドマーカーを分析する、請求項31記載のシステム。
  34. 試料調製装置が使い捨て微量流体装置を備える、請求項31記載のシステム。
  35. 質量分析装置が、癌疾患状態、循環器疾患状態、感染性疾患状態、および妊娠に関連する障害からなる群より選択される疾患状態を分離するために使用される、請求項31記載のシステム。
  36. 変性システムおよび取り出しシステムが微量流体装置内に存在する、請求項31記載のシステム。
  37. 微量流体装置が使い捨て装置である、請求項31記載のシステム。
  38. ポリペプチド変性システムが酸性化システムである、請求項31記載の方法。
  39. (a)(i)試料調製装置と、
    (ii)試料調製装置に接続された質量分析装置と
    を備える試料処理システムと、
    (b)試料処理システムに接続され、少なくとも1つの共通の校正物質を検出し、マーカーの検出時間を既知の時間と比較し、且つ比較する段階に応答して試料処理システムの操作速度を調節する分析システムと
    を備える生物試料を分析するためのシステム。
  40. 質量分析装置が時間飛行型質量分析装置である、請求項39記載のシステム。
  41. 少なくとも15個のポリペプチドマーカーを分析する、請求項39記載のシステム。
  42. 試料調製装置が使い捨て微量流体装置である、請求項39記載のシステム。
  43. 質量分析装置のデータが、癌疾患状態、循環器疾患状態、感染性疾患状態、および妊娠に関連する障害からなる群より選択される疾患状態を分離するために使用される、請求項39記載のシステム。
  44. 非情報スペクトル領域では低精度を提供するように速度が調節される、請求項39記載の方法。
  45. 情報スペクトル領域では高精度を提供するように速度が調節される、請求項39記載の方法。
  46. (a)(i) 試料調製装置と、
    (ii) 試料調製装置に接続された質量分析装置と
    を備える試料処理システムと、
    (b)試料処理システムに接続され、選択したマーカーが検出されると予測される時間に試料処理システムの操作速度を調節する分析システムと
    を備える生物試料を分析するシステム。
  47. 調節する段階が、関心が低い成分については速度を早める調節である、請求項46記載のシステム。
  48. 調節する段階が、関心が高いマーカーについては速度を遅くする調節である、請求項46記載のシステム。
  49. システムが、対象となるマーカーが検出されると予測される時間において速度が遅くされる、請求項48記載のシステム。
  50. 校正物質マーカーの検出時間を比較する、請求項46記載のシステム。
  51. 操作速度が、温度、圧力、電圧または電流の選択された1つにより調節される、請求項46記載の方法。
  52. 質量分析装置が時間飛行型質量分析装置である、請求項46記載のシステム。
  53. 少なくとも15個のポリペプチドマーカーを分析する、請求項46記載のシステム。
  54. 試料調製装置が使い捨て微量流体装置を備える、請求項46記載のシステム。
  55. 質量分析システムのデータが、癌疾患状態、循環器疾患状態、感染性疾患状態、および妊娠に関連する障害からなる群より選択される疾患状態を分離するために使用される、請求項46記載のシステム。
  56. (a)試料調製システムおよびエレクトロスプレー一体型装置と、
    (b)エレクトロスプレー装置の試料を収容するように適合された質量分析装置と
    を備え、該試料調製システムおよびエレクトロスプレー一体型装置が、質量分析装置に接続された使い捨て装置である、生物試料を分析するためのシステム。
  57. 試料調製システムおよびエレクトロスプレー一体型装置が固相抽出樹脂を供える、請求項56記載のシステム。
  58. 試料調製システムおよびエレクトロスプレー一体型装置が逆相クロマトグラフィー装置を備える、請求項56記載のシステム。
  59. 質量分析装置が時間飛行型質量分析装置である、請求項56記載のシステム。
  60. 少なくとも15個のポリペプチドマーカーを分析する、請求項56記載のシステム。
  61. 試料調製システムおよびエレクトロスプレー一体型装置が使い捨て微小流体装置である、請求項56記載のシステム。
  62. 質量分析装置が、癌疾患状態、循環器疾患状態、感染性疾患状態、および妊娠に関連する障害からなる群より選択される疾患状態を分離するために使用される、請求項56記載のシステム。
  63. 以下の段階を含む、質量分析システムにおいて分析を実施する方法:
    (a)複数の症例試料および対照試料を注入する段階、
    (b)症例および対照に関連するポリペプチドマーカーのパターンを同定する段階、
    (c)症例および対照において同定されたマーカーにおいて、質量分析システムで症例または対照を識別する少なくとも15個の選択されたポリペプチドマーカーを同定する段階、ならびに
    (d)少なくとも15個のマーカーを評価することによって質量分析装置において選択した試料のアッセイ法を実施し、該アッセイ法に基づいて選択した試料を特徴づける段階。
  64. パターンが質量分析装置において同定される、請求項63記載の方法。
  65. 質量分析装置が時間飛行型質量分析装置である、請求項63記載の方法。
  66. 同定する段階が、質量分析装置および使い捨て微小流体装置を使用して実施される、請求項63記載の方法。
  67. 少なくとも50個のポリペプチドマーカーが、症例と対照を識別するために使用される、請求項63記載の方法。
  68. 少なくとも100個のポリペプチドマーカーが、症例と対照を識別するために使用される、請求項63記載の方法。
  69. 少なくとも1000個のポリペプチドマーカーが、症例と対照を識別するために使用される、請求項63記載の方法。
  70. 質量分析のデータが、癌疾患状態、循環器疾患状態、感染性疾患状態、および妊娠に関連する障害からなる群より選択される疾患状態を分離するために使用される、請求項63記載のシステム。
  71. マーカーの少なくともいくつかのアイデンティティが不明である、請求項64記載のシステム。
  72. 以下の段階を含む、生物試料を分析する方法:
    (a) 微小流体電気泳動および試料調製装置に試料を注入し、試料調製装置で該試料を少なくとも部分的に調製する前に該試料に圧力をかける段階、
    (b)質量分析装置に試料を通過させる段階、および
    (c)試料を分析する段階。
  73. 微小流体装置が使い捨て装置である、請求項72記載の方法。
  74. 試料が症例試料および対照試料を含み、該症例試料および対照試料を分離する15個より多いタンパク質マーカーを同定する、請求項72記載の方法。
  75. 質量分析装置が時間飛行型質量分析装置である、請求項72記載の方法。
  76. 以下の段階を含む、ビジネス方法:
    (a)臨床的表現型状態を示す10例より多い症例試料と臨床的表現型状態を示さない10例より多い対照試料を採取する段階、
    (b)質量分析プラットホームシステムを使用して、少なくともいくつかのスペクトル成分の具体的なアイデンティティにかかわらず、症例試料および対照試料中の質量スペクトルデータを入手する段階、
    (c)症例試料および対照試料のデータセットを識別するマーカーの代表的なパターンを同定する段階、ならびに
    (d)代表的なパターンを使用して診断製品を市販する段階であって、該パターンが質量分析装置の出力に現れる15個より多くのマーカーを含有するが、15個より多くのマーカーの少なくともいくつかのアイデンティティは不明である段階。
  77. 以下の段階を含む、ビジネス方法:
    (a) 臨床的表現型状態を示す10例より多くの症例試料と臨床的表現型状態を示さない10例より多くの対照試料を採取する段階、
    (b) 質量分析プラットホームシステムを使用して、少なくともいくつかのスペクトル成分の具体的なアイデンティティにかかわらず、症例試料および対照試料中の質量スペクトルデータを入手する段階、
    (c) 症例試料および対照試料のデータセットを識別する15個より多くのポリペプチドマーカーの代表的なパターンを同定する段階、ならびに
    (d)代表的なパターンを使用して、使い捨て装置を用いて追加の試料中の表現型状態を同定する製品を市販する段階。
  78. 製品が臨床参考検査室で市販される、請求項76または77記載の方法。
  79. 市販する段階がキットを市販する、請求項76または77記載の方法。
  80. キットがFDAによって承認されたキットである、請求項78記載の方法。
  81. 製品が、体外診断薬に関するEU指令(In Vitro Diagnostics Directive)に準拠するCEマークを有する、請求項76または77記載の方法。
  82. 表現型が薬剤応答表現型であり、薬剤の使用料を回収する段階をさらに含む、請求項76または77記載の方法。
  83. 協力者と協力して試料を回収する段階をさらに含む、請求項76または77記載の方法。
  84. 協力者が学究的な協力者である、請求項83記載の方法。
  85. 協力者が製薬会社である、請求項83記載の方法。
  86. 製薬会社が臨床試験の試料を採取する、請求項85記載の方法。
  87. パターンが、薬剤応答表現型を分離するために使用される、請求項84記載の方法。
  88. 薬剤の使用料を回収する段階をさらに含む、請求項87記載の方法。
  89. 診断製品を市販する段階が、同定する段階を実施する会社と同じ会社によって実施される、請求項87記載の方法。
  90. 複数試料のうちの1つからのデータがコンピュータで処理され、該試料の他方が質量分析プラットホームに存在する、請求項76または77記載の方法。
  91. マーカーがポリペプチドである、請求項76記載の方法。
  92. マーカーがタンパク質である、請求項76記載の方法。
  93. パターンが、質量分析装置の出力に現れる30個より多くのポリペプチドを含有するが、30個より多くのポリペプチドの少なくともいくつかのアイデンティティは不明である、請求項77または92記載の方法。
  94. パターンが、質量分析装置の出力に現れる50個より多くのポリペプチドを含有するが、50個より多くのポリペプチドの少なくともいくつかのアイデンティティは不明である、請求項77または92記載の方法。
  95. パターンが、質量分析装置の出力に現れる100個より多くのポリペプチドを含有するが、100個より多くのポリペプチドの少なくともいくつかのアイデンティティは不明である、請求項77または92記載の方法。
  96. 試料が、質量分析装置の出力に現れる1000個より多くのポリペプチドを含有するが、1000個より多くのポリペプチドの少なくともいくつかのアイデンティティは不明である、請求項77または92記載の方法。
  97. 市販する段階が、患者試料の代表的な状態を同定するために使用される質量分析システムを市販する、請求項76または77記載の方法。
  98. 50例より多くの症例試料および50例より多くの対照試料が使用される、請求項76または77記載の方法。
  99. 100例より多くの症例試料および100例より多くの対照試料を使用する、請求項76または77記載の方法。
  100. 診断製品が質量分析プラットホームを使用する、請求項76または77記載の方法。
  101. 質量分析プラットホームを使用する段階の前、微小流体装置で試料を調製する段階が実施される、請求項76または77記載の方法。
  102. 診断製品が使い捨て微小流体装置と共に市販され、該使い捨て微小流体装置が質量分析プラットホームで使用するための診断試料を処理する、請求項101記載の方法。
  103. 微小流体装置が分離装置を備える、請求項101記載の方法。
  104. 微小流体装置が大量の一般的なタンパク質を除去する、請求項101記載の方法。
  105. 質量分析プラットホームが時間飛行型質量分析装置である、請求項76または77記載の方法。
  106. 診断製品が診断パートナーによって市販される、請求項76または77記載の方法。
  107. 表現型が薬剤応答表現型である、請求項76または77記載の方法。
  108. 表現型が薬剤耐性表現型である、請求項76または77記載の方法。
  109. 表現型が病期表現型である、請求項76または77記載の方法。
  110. 表現型が疾患再発表現型である、請求項76または77記載の方法。
  111. 表現型が疾患状態表現型である、請求項76または77記載の方法。
  112. 表現型が治療選択表現型である、請求項76または77記載の方法。
  113. 表現型が疾患診断表現型である、請求項76または77記載の方法。
  114. 表現型が薬剤毒性表現型である、請求項76または77記載の方法。
  115. 表現型が薬剤の有害応答表現型である、請求項76または77記載の方法。
  116. 微小流体装置がエレクトロスプレーソースを備える、請求項101記載の方法。
  117. 試料がポリペプチドの複合混合物を含有する、請求項76または77記載の方法。
  118. 収益が、微小流体装置、質量分析装置、情報科学ツール、試料を分類するパターンおよび/もしくはコンピュータプログラムの市販により、並びに/または診断情報および/もしくはパターン発見および/または検証を提供するサービスにより誘導される、請求項76または77記載の方法。
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