JP2004347042A - 金属筒状体、これを用いたガスボンベ用ライナおよびガスボンベ用ライナの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】長尺、大型化が可能であり、しかも耐圧性に優れた金属筒状体を提供する。
【解決手段】両端が開口した筒状部5および筒状部5に全長にわたって一体に形成されかつ筒状部5内を両端が開口した複数の空間6に仕切る補強部7からなるポートホール押出管2により構成されている。補強部7は、筒状部5の内周面から中心線に向かって内方に伸びかつ筒状部5の中心線上で相互に一体化された複数の補強壁8を備えている。筒状部5外周面における補強壁8の厚さ方向の中間部と対応する部分から補強壁8の幅方向の中間部に至る第1の溶着部3Aと、第1溶着部3Aに連なって筒状部5の中心線まで伸びる第2の溶着部3Bと、第1溶着部3Aと第2溶着部3Bとの連接部から補強壁8の両側面に伸びる第3の溶着部3Cとを有している。一端が筒状部5の外周面に露出した第1溶着部3Aの他端は、空間6に露出していない。
【選択図】 図1
【解決手段】両端が開口した筒状部5および筒状部5に全長にわたって一体に形成されかつ筒状部5内を両端が開口した複数の空間6に仕切る補強部7からなるポートホール押出管2により構成されている。補強部7は、筒状部5の内周面から中心線に向かって内方に伸びかつ筒状部5の中心線上で相互に一体化された複数の補強壁8を備えている。筒状部5外周面における補強壁8の厚さ方向の中間部と対応する部分から補強壁8の幅方向の中間部に至る第1の溶着部3Aと、第1溶着部3Aに連なって筒状部5の中心線まで伸びる第2の溶着部3Bと、第1溶着部3Aと第2溶着部3Bとの連接部から補強壁8の両側面に伸びる第3の溶着部3Cとを有している。一端が筒状部5の外周面に露出した第1溶着部3Aの他端は、空間6に露出していない。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、たとえば自動車産業、住宅産業、軍事産業、航空宇宙産業、医療産業等において、発電のための燃料となる高圧の燃料水素ガスや天然ガス、または高圧の酸素ガスが通される高圧配管として用いられたり、あるいは発電のための燃料となる水素ガスや天然ガスを貯蔵するガスボンベ、または酸素ガスを貯蔵するガスボンベのライナを構成する部品として用いられる金属筒状体、これを用いたガスボンベ用ライナおよびガスボンベ用ライナの製造方法に関する。
【0002】
この明細書において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
【0003】
【従来の技術】
金属筒状体として、金属板をロールフォーミングして筒状とし、その突き合わせ部を高周波溶接してなる電縫管が、長尺、大径化が可能であることから広く用いられている。
【0004】
ところで、電縫管は熱影響を受けて溶接部の強度が低下しているので、溶接部において応力集中による疲労破壊が発生するおそれがあり、高圧ガスが通される圧力配管や、ガスボンベ用ライナを構成する部品については電縫管の使用は認可されていないのが現状である。
【0005】
そこで、圧力配管や、ガスボンベ用ライナを構成する部品として、マンドレル押出管やポートホール押出管などを用いることが考えられている。
【0006】
しかしながら、マンドレル押出管は偏肉が生じやすく、しかも大径および/または長尺のものを得ることができないという問題がある。また、複雑な横断面形状のものを得ることができないという問題がある。一方、ポートホール押出管によればこのような問題を解決しうるが、次のような問題がある。すなわち、ポートホール押出管は、周知のごとく、ポートホールダイスのポート部においてビレットから流れてきた金属材料が一旦分離し、チャンバ部において分離した金属材料を再度溶着させることにより製造されるものであり、全長にわたる複数の溶着部により複数の管構成部分が互いに溶着されたものであるが、この溶着部がポートホール押出管の周壁を貫通して存在し、しかも溶着部では強度および伸びなどの機械的性質や耐食性が管構成部分に比べて劣り、圧力配管や、ガスボンベ用ライナを構成する部品に用いた場合に、溶着部において応力集中によって破壊するおそれがある。
【0007】
ところで、ポートホール押出管の溶着部を改質すれば、圧力配管や、ガスボンベ用ライナを構成する部品への使用も可能になるのであると考えられる。ポートホール押出管の溶着部の耐食性を改善する方法としては、押出に用いられるビレットに種々の熱処理を施すことが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0008】
一方、上述したガスボンベに入れられる高圧ガスの圧力は主として20〜35MPa程度であるが、この種のガスボンベ用ライナとして、従来、アルミニウムからなるカップ状ブランクの胴部をフローフォーミングにより軸方向にしごき加工して、円筒状胴部の両端に鏡板部を一体に設け、少なくとも一方の鏡板部をクロージング成形により形成して、鏡板部を胴部よりも厚肉とし、その鏡板部の中心部に設けられた口栓部に口金取付用の穴を形成したものが知られている(たとえば特許文献2、請求項1参照)。
【0009】
また、押出成形されたアルミニウム製筒体の両端に鏡板が溶接により接合されたガスボンベ用ライナも知られている(たとえば特許文献2、段落0014参照)。
【0010】
さらに、アルミニウム製円筒状胴と、円筒状胴の両端開口を閉鎖する鏡板と、胴と鏡板との当接部分の内側に両者に跨るように配置された車輪状の支持構造部材とを備えており、胴、鏡板および支持構造部材が摩擦攪拌接合されたガスボンベ用ライナが記載されている(たとえば特許文献3参照)。
【0011】
【特許文献1】
特開平11−172387号公報(特許請求の範囲)
【0012】
【特許文献2】
特開平11−104762号公報(請求項1、段落0014)
【0013】
【特許文献3】
特開平10−160097号公報(特許請求の範囲、図1)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、溶着部の機械的性質を改善する方法については未だ知られておらず、ポートホール押出管の圧力配管や、ガスボンベ用ライナを構成する部品への使用は見合わされているのが現状である。また、ガスボンベに入れられる高圧ガスの圧力は、将来的には70MPa程度になると考えられているが、上述した従来のガスボンベ用ライナにおいても、十分な耐圧性が得られないおそれがある。
【0015】
この発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、長尺、大型化が可能であるとともに補強部を有する複雑な横断面形状とすることができ、しかも耐圧性に優れた金属筒状体、これを用いた耐圧性に優れたガスボンベ用ライナおよびその製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために以下の態様からなる。
【0017】
1)両端が開口した筒状部および筒状部に全長にわたって一体に形成されかつ筒状部内を両端が開口した複数の空間に仕切る補強部からなるポートホール押出管により構成されており、ポートホール押出管が、全長にわたる複数の溶着部により複数の管構成部分が互いに溶着されることによって形成され、横断面において、一端が筒状部の外周面に露出した溶着部の他端が、補強部により仕切られた筒状部の内部空間に露出していない金属筒状体。
【0018】
2)ポートホール押出管の補強部が、筒状部の内周面から中心線に向かって内方に伸びかつ筒状部の中心線上で相互に一体化された複数の補強壁を備えており、筒状部外周面における補強壁の厚さ方向の中間部と対応する部分から補強壁の幅方向の中間部に至る第1の溶着部と、第1溶着部に連なって筒状部の中心線まで伸びる第2の溶着部と、第1溶着部と第2溶着部との連接部から補強壁の両側面に伸びる第3の溶着部とを有している上記1)記載の金属筒状体。
【0019】
3)ポートホール押出管の補強部が、筒状部と同心状に形成された内筒状部と、筒状部の中心線から放射状に伸びる複数の面上に位置しかつ筒状部と内筒状部とを連結する複数の補強壁とを備えており、筒状部外周面における補強壁の厚さ方向の中間部と対応する部分から補強壁の幅方向の中間部に至る第1の溶着部と、第1溶着部に連なって内筒状部の内周面まで伸びる第2の溶着部と、第1溶着部と第2溶着部との連接部から補強壁の両側面に伸びる第3の溶着部とを有している上記1)記載の金属筒状体。
【0020】
4)連結壁が、筒状部の中心線の周りに等角度間隔で形成されている上記2)または3)記載の金属筒状体。
【0021】
5)燃料水素ガスボンベ、燃料電池、および燃料水素ガスボンベから燃料電池に燃料水素ガスを送る圧力配管を備えており、圧力配管が上記1)〜4)のうちのいずれかに記載された金属筒状体よりなる燃料電池システム。
【0022】
6)上記5)記載の燃料電池システムを搭載した燃料電池自動車。
【0023】
7)上記5)記載の燃料電池システムを備えたコージェネレーションシステム。
【0024】
8)天然ガスボンベおよび天然ガスボンベから天然ガスを送り出す圧力配管を備えており、圧力配管が上記1)〜4)のうちのいずれかに記載された金属筒状体よりなる天然ガス供給システム。
【0025】
9)上記8)記載の天然ガス供給システムと、発電機と、発電機駆動装置を備えており、圧力配管が天然ガスボンベから発電機駆動装置に天然ガスを送るようになっているコージェネレーションシステム。
【0026】
10)上記8)記載の天然ガス供給システムと、天然ガスを燃料とするエンジンとを備えており、圧力配管が天然ガスボンベからエンジンに天然ガスを送るようになっている天然ガス自動車。
【0027】
11)酸素ガスボンベおよび酸素ガスボンベから酸素ガスを送り出す圧力配管を備えており、圧力配管が上記1)〜4)のうちのいずれかに記載された金属筒状体よりなる酸素ガス供給システム。
【0028】
12)上記1)〜4)のうちのいずれかに記載の金属筒状体からなる胴と、胴の両端部に接合されかつ胴の両端開口を閉鎖する鏡板とよりなるガスボンベ用ライナ。
【0029】
13)胴を構成する金属筒状体の補強部の両端部が筒状部よりも外方に突出しており、鏡板がこの突出部に嵌め被された状態で筒状部および補強部に接合されている上記12)記載のガスボンベ用ライナ。
【0030】
14)鏡板が胴に摩擦攪拌接合されている上記12)または13)記載のガスボンベ用ライナ。
【0031】
15)上記1)〜4)のうちのいずれかに記載の金属筒状体の筒状部の両端部を切除することにより、補強部の両端部を筒状部よりも外方に突出させて胴を形成し、鏡板を補強部の突出部に嵌め被せて筒状部に接合するガスボンベ用ライナの製造方法。
【0032】
16)胴を構成する金属筒状体の筒状部の端部に鏡板を突き合わせ、ついで筒状部と鏡板との突き合わせ部に、両者に跨るように摩擦攪拌接合用工具のプローブを埋入した後、金属筒状体および鏡板とプローブとを相対的に移動させることによって、プローブを上記突き合わせ部の全周にわたって移動させて筒状部と鏡板とを摩擦攪拌接合する上記15)記載のガスボンベ用ライナの製造方法。
【0033】
17)両端が開口した胴と、胴の両端部に接合されかつ胴の両端開口を閉鎖する鏡板とにより形成され、胴が、両端が開口した筒状胴本体内に、上記1)〜4)のうちのいずれかに記載の金属筒状体を、両端部が胴本体の両端よりも外方に突出するように嵌め入れることにより構成され、両鏡板がそれぞれ金属筒状体の外方突出部に嵌め被せられ、胴本体と鏡板との当接部分において、胴本体、金属筒状体および鏡板が接合されているガスボンベ用ライナ。
【0034】
18)両端が開口した胴と、胴の一端部に接合されて胴の一端開口を閉鎖する鏡板と、胴の他端部に一体に形成されて胴の他端開口を閉鎖する鏡板部とにより形成され、胴が、一端が開口するとともに他端が一体に形成された鏡板部により閉鎖された筒状胴本体内に、上記1)〜4)のうちのいずれかに記載の金属筒状体を、一端部が胴本体の一端よりも外方に突出するように嵌め入れることにより構成され、鏡板が金属筒状体の外方突出部に嵌め被せられ、胴本体と鏡板との当接部分において、胴本体、金属筒状体および鏡板が接合されているガスボンベ用ライナ。
【0035】
19)胴本体、金属筒状体および鏡板が摩擦攪拌接合されている上記17)または18)記載のガスボンベ用ライナ。
【0036】
20)胴本体が継ぎ目無し管または継ぎ目有り管からなる上記17)〜19)のうちのいずれかに記載のガスボンベ用ライナ。
【0037】
21)金属筒状体が、胴本体内に冷やしばめされている上記17)〜20)のうちのいずれかに記載のガスボンベ用ライナ。
【0038】
22)胴本体、金属筒状体および鏡板が、同一のアルミニウム材料からなる上記17)〜21)のうちのいずれかに記載のガスボンベ用ライナ。
【0039】
23)胴本体、金属筒状体および鏡板のうちの少なくとも2つが、異なるアルミニウム材料からなる上記17)〜21)のうちのいずれかに記載のガスボンベ用ライナ。
【0040】
24)上記17)記載のガスボンベ用ライナを製造する方法であって、両端が開口した筒状胴本体と、上記1)〜4)のうちのいずれかに記載の金属筒状体と、金属筒状体の端部に嵌め被せうる2つの鏡板とを用意し、金属筒状体を、両端部が胴本体の両端よりも外方に突出するように胴本体内に嵌め入れ、両鏡板をそれぞれ金属筒状体の外方突出部に嵌め被せ、胴本体と鏡板との当接部分において、胴本体、金属筒状体および鏡板を外側から接合するガスボンベ用ライナの製造方法。
【0041】
25)上記18)記載のガスボンベ用ライナを製造する方法であって、一端が開口するとともに他端が一体に形成された鏡板部により閉鎖された筒状胴本体と、上記1)〜4)のうちのいずれかに記載の金属筒状体と、金属筒状体の端部に嵌め被せうる1つの鏡板とを用意し、金属筒状体を、一端部が胴本体の開口端よりも外方に突出するように胴本体内に嵌め入れ、鏡板を金属筒状体の外方突出部に嵌め被せ、胴本体と鏡板との当接部分において、胴本体、金属筒状体および鏡板を外側から接合するガスボンベ用ライナの製造方法。
【0042】
26)金属筒状体を胴本体内に冷やしばめする上記24)または25)記載のガスボンベ用ライナの製造方法。
【0043】
27)胴本体と鏡板との当接部分に、両者に跨りかつ先端部が金属筒状体の筒状部に至るように摩擦攪拌接合用工具のプローブを埋入した後、胴本体、金属筒状体および鏡板とプローブとを相対的に移動させることによって、プローブを上記当接部分の全周にわたって移動させ、胴本体、金属筒状体および鏡板を摩擦攪拌接合する上記24)〜26)のうちのいずれかに記載のガスボンベ用ライナの製造方法。
【0044】
28)燃料水素ガスボンベ、燃料電池、および燃料水素ガスボンベから燃料電池に燃料水素ガスを送る圧力配管を備えており、燃料水素ガスボンベが上記12)〜14)および17)〜23)のうちのいずれかに記載されたガスボンベ用ライナを有している燃料電池システム。
【0045】
29)上記28)記載の燃料電池システムを搭載した燃料電池自動車。
【0046】
30)上記28)記載の燃料電池システムを備えたコージェネレーションシステム。
【0047】
31)天然ガスボンベおよび天然ガスボンベから天然ガスを送り出す圧力配管を備えており、天然ガスボンベが上記12)〜14)および17)〜23)のうちのいずれかに記載されたガスボンベ用ライナを有している天然ガス供給システム。
【0048】
32)上記31)記載の天然ガス供給システムと、発電機と、発電機駆動装置を備えているコージェネレーションシステム。
【0049】
33)上記31)記載の天然ガス供給システムと、天然ガスを燃料とするエンジンとを備えている天然ガス自動車。
【0050】
34)酸素ガスボンベおよび酸素ガスボンベから酸素ガスを送り出す圧力配管を備えており、酸素ガスボンベが上記12)〜14)および17)〜23)のうちのいずれかに記載されたガスボンベ用ライナを有している酸素ガス供給システム。
【0051】
【発明の実施形態】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。全図面を通じて同一部分および同一物には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0052】
実施形態1
この実施形態は図1に示すものである。
【0053】
図1において、金属筒状体(1)は全長にわたる複数の溶着部(3A)(3B)(3C)により複数の管構成部分(4A)(4B)が互いに溶着されているポートホール押出管(2)からなり、両端が開口した横断面円形の筒状部(5)と、筒状部(5)に全長にわたって一体に形成されかつ筒状部(5)内を両端が開口した複数、ここでは4つの空間(6)に仕切る補強部(7)とよりなる。補強部(7)は、筒状部(5)の内周面から中心線に向かって内方に伸びかつ筒状部(5)の中心線上で相互に一体化された空間(6)と同数の補強壁(8)よりなる。ここでは、すべての補強壁(8)は、筒状部(5)の中心線の周りに等角度間隔で形成されている。
【0054】
ポートホール押出管(2)は、筒状部(5)における1つの補強壁(8)の厚さ方向の中心部からこれに隣接する補強壁(8)の厚さ方向の中心部まで至る部分筒状部(4a)、および部分筒状部(4a)の両側縁から筒状部(5)の中心線に向かって径方向内方に伸びかつ補強壁(8)の幅方向(筒状部(5)の径方向)の中間部に至る平坦部(4b)よりなる補強壁(8)と同数の第1管構成部分(4A)と、各第1管構成部分(4A)の平坦部(4b)の先端どうしを連結する2つの平坦部(4c)よりなる第1管構成部分(4A)と同数の略L形第2管構成部分(4B)とから構成されている。これらの管構成部分(4A)(4B)は、筒状部(5)外周面における補強壁(8)の厚さ方向の中心部と対応する部分から補強壁(8)の幅方向の中間部に至る第1溶着部(3A)と、第1溶着部(3A)に連なって筒状部(5)の中心線まで伸びる第2溶着部(3B)と、第1溶着部(3A)と第2溶着部(3B)との連接部から補強壁(8)の両側面に伸びる第3溶着部(3C)とにより互いに溶着されている。したがって、横断面において、一端が筒状部(5)の外周面に露出した第1溶着部(3A)の他端は、補強部(7)により仕切られた内部空間(6)には露出していない。
【0055】
ポートホール押出管(2)は、たとえばJIS A2000系合金、JIS A5000系合金、JIS A6000系合金およびJIS A7000系合金のうちのいずれかにより形成されている。
【0056】
実施形態2
この実施形態は図2に示すものである。
【0057】
図2において、金属筒状体(10)を構成するポートホール押出管(2)における補強部(7)の補強壁(8)の数は8つであり、したがって第2管構成部分(4B)は略V形となっている。その他の構成は実施形態1の金属筒状体と同じである。
【0058】
実施形態3
この実施形態は図3に示すものである。
【0059】
図3において、金属筒状体(15)を構成するポートホール押出管(16)の補強部(17)は、筒状部(5)内を複数、ここでは5つの空間(18)(19)に仕切るものであり、筒状部(5)と同心状に形成された横断面円形の内筒状部(20)と、筒状部(5)の中心線から放射状に伸びる複数の面上に位置しかつ筒状部(5)と内筒状部(20)とを連結する複数、ここでは空間(18)(19)の数より1つ少ない補強壁(21)とを有している。すべての補強壁(21)は、筒状部(5)の中心線の周りに等角度間隔で形成されている。
【0060】
ポートホール押出管(16)は、筒状部(5)における1つの補強壁(21)の厚さ方向の中心部からこれに隣接する補強壁(21)の厚さ方向の中心部まで至る部分筒状部(22a)、および部分筒状部(22a)の両側縁から筒状部(5)の中心線に向かって伸びかつ補強壁(21)の内筒状部(20)側端部に至る平坦部(22b)よりなる補強壁(21)と同数の第1管構成部分(22A)と、内筒状部(20)における1つの補強壁(21)の厚さ方向の中心部からこれに隣接する補強壁(21)の厚さ方向の中心部まで至る部分内筒状部(22c)、および部分内筒状部(22c)の両側縁から径方向外方に向かって伸びかつ第1管構成部分(22A)の2つの平坦部(22b)に連なる平坦部(22d)よりなる第1管構成部分(22A)と同数の第2管構成部分(22B)とから構成されている。これらの管構成部分(22A)(22B)は、筒状部(5)外周面における補強壁(21)の厚さ方向の中心部と対応する部分から補強壁(21)の内筒状部(20)側端部に至る第1溶着部(23A)と、第1溶着部(23A)に連なって内筒状部(20)の内周面まで伸びる第2溶着部(23B)と、第1溶着部(23A)と第2溶着部(23B)との連接部から補強壁(21)の両側面に伸びる第3溶着部(23C)とにより互いに溶着されている。したがって、横断面において、一端が筒状部(5)の外周面に露出した第1溶着部(23A)の他端は、補強部(17)により仕切られた内部空間(18)(19)には露出していない。
【0061】
実施形態4
この実施形態は図4に示すものである。
【0062】
図4において、金属筒状体(25)を構成するポートホール押出管(2)の筒状部(5)は横断面楕円形(数学的に定義される楕円形に限らず、楕円形に近い形状、たとえば長円形も含む。以下同じ)である。そして、補強部(7)の補強壁(8)は、楕円形筒状部(5)の長径上および短径上に位置しており、長径上に位置する補強壁(8)の幅が短径上に位置する補強壁(8)の幅よりも大きくなっているとともに、第1および第2管構成部分(4A)(4B)の形状が、筒状部(5)が横断面楕円形であることにより、筒状部(5)が横断面円形の場合と異なっている。その他の構成は実施形態1の金属筒状体(1)と同じである。
【0063】
上記実施形態2〜4において、金属筒状体(10)(15)(25)を構成するポートホール押出管(2)(16)は、たとえばJIS A2000系合金、JIS A5000系合金、JIS A6000系合金およびJIS A7000系合金のうちのいずれかにより形成されている。
【0064】
なお、図示は省略したが、実施形態2の金属筒状体(10)における筒状部(5)の横断面形状を楕円形に変えてもよい。この場合も、補強部(7)の補強壁(8)の幅と、第1および第2管構成部分(4A)(4B)の形状が、筒状部(5)が横断面楕円形であることにより、筒状部(5)が横断面円形の場合と異なったものになる。さらに、実施形態3の金属筒状体(15)における筒状部(5)および内筒状部(20)の横断面形状を楕円形に変えてもよい。この場合も、補強部(17)の補強壁(21)の幅と、第1および第2管構成部分(22A)(22B)の形状が、筒状部(5)および内筒状部(20)が横断面楕円形であることにより、筒状部(5)および内筒状部(20)が横断面円形の場合と異なったものになる。さらに、金属筒状体の横断面形状は、これらのものに限定されない。
【0065】
上記実施形態1〜4の金属筒状体(1)(10)(15)(25)は、燃料水素ガスボンベ、燃料電池、および燃料水素ガスボンベから燃料電池に燃料水素ガスを送る圧力配管を備えている燃料電池システムにおいて、圧力配管として用いられる。このような燃料電池システムは、燃料電池自動車に搭載されたり、あるいはしコージェネレーションシステムに使用される。
【0066】
また、金属筒状体(1)(10)(15)(25)は、天然ガスボンベおよび天然ガスボンベから天然ガスを送り出す圧力配管を備えている天然ガス供給システムと、発電機と、発電機駆動装置を備えているコージェネレーションシステムにおいて、天然ガスボンベから発電機駆動装置に天然ガスを送る圧力配管として用いられる。
【0067】
また、金属筒状体(1)(10)(15)(25)は、天然ガスボンベおよび天然ガスボンベから天然ガスを送り出す圧力配管を備えている天然ガス供給システムと、天然ガスを燃料とするエンジンとを備えている天然ガス自動車において、天然ガスボンベからエンジンに天然ガスを送る圧力配管として用いられる。
【0068】
さらに、金属筒状体(1)(10)(15)(25)は、酸素ガスボンベおよび酸素ガスボンベから酸素ガスを送り出す圧力配管を備えている酸素ガス供給システムにおいて、圧力配管として用いられる。
【0069】
但し、この発明による金属筒状体の用途は、上記のような圧力配管に限定されない。
【0070】
実施形態5
この実施形態は図5〜図8に示すものである。
【0071】
図5はこの実施形態のガスボンベ用ライナを示し、図6はガスボンベ用ライナを利用した高圧水素タンクを示す。また、図7および図8はガスボンベ用ライナの製造方法を示す。
【0072】
図5において、ガスボンベ用ライナ(30)は、上記実施形態1の金属筒状体(1)からなる胴(31)と、胴(31)の両端部に接合されかつ胴(31)の両端開口、すなわち金属筒状体(1)の空間(6)の両端開口を閉鎖するアルミニウム製鏡板(32)(33)とよりなる。
【0073】
両鏡板(32)(33)は、それぞれ切削加工または鍛造により形成されたものであり、一方の鏡板(32)には口金取付部(32a)が一体に形成されている。両鏡板(32)(33)は、それぞれたとえばJIS A2000系合金、JIS A5000系合金、JIS A6000系合金およびJIS A7000系合金のうちのいずれかにより形成形成されている。
【0074】
ここで、胴(31)を構成する金属筒状体(1)と両鏡板(32)(33)は、すべてのものが同じ材料で形成されていてもよいし、あるいはこれら3つのうち少なくとも2つのものが異なる材料で形成されていてもよい。
【0075】
胴(31)と両鏡板(32)(33)とは、適当な方法により金属的に接合されている。ここでは、胴(31)と両鏡板(32)(33)とは、両者の突き合わせ部において、全周にわたって摩擦攪拌接合されている。接合部のビードを(34)で示す。
【0076】
図6に示すように、ガスボンベ用ライナ(30)は、周囲の全体が、たとえばカーボン繊維強化樹脂などからなる繊維強化樹脂層(35)で覆われ、高圧ガスボンベ(36)として用いられる。
【0077】
以下、図7および図8を参照して、ガスボンベ用ライナ(30)の製造方法について説明する。
【0078】
まず、ポートホール押出機(図示略)により、金属筒状体(1)を押出成形する。また、口金取付部(32a)を有する鏡板(32)と、口金取付部を有さない鏡板(33)を、鍛造または切削加工によって形成する。さらに、先端部にテーパ部を介して小径部(41a)が同軸上に一体に形成された円柱状回転子(41)と、回転子(41)の小径部(41a)の端面に小径部(41a)と同軸上に一体に形成されかつ小径部(41a)よりも小径であるピン状プローブ(42)とを備えている摩擦攪拌接合用工具(40)を用意する(図7参照)。回転子(41)およびプローブ(42)は、円筒状胴(31)および鏡板(32)(33)よりも硬質でかつ接合時に発生する摩擦熱に耐えうる耐熱性を有する材料で形成されている。
【0079】
ついで、金属筒状体(1)の筒状部(5)の一端面に一方の鏡板(32)の端面を突き合わせる。筒状部(5)の端面および鏡板(32)の端面はいずれも平坦面であり、突き合わせ部において、両端面が面接触するように突き合わされる。また、筒状部(5)および鏡板(32)の突き合わせ部の肉厚は等しくなっている。ついで、摩擦攪拌接合用工具(40)を回転させながら、筒状部(5)と鏡板(32)との突き合わせ部における周方向の1個所にプローブ(42)を埋入するとともに、工具(40)における小径部(41a)とプローブ(42)との間の肩部を、筒状部(5)および鏡板(32)に押し付ける。このとき、埋入したプローブ(42)の先端と筒状部(5)の内周面との距離を、0.1mm以上でかつ筒状部(5)の肉厚の1/2以下とすることが好ましい。この距離が0.1mm未満であると、後述するプローブ(42)による摩擦攪拌接合の際に筒状部(5)の内周面に周方向に伸びるV溝が形成され、十分な耐圧性が得られなくなるおそれがある。また、筒状部(5)の肉厚の1/2を越えると、筒状部(5)および鏡板(32)の厚さ方向の全体のうち接合される部分の厚さが薄くなり、やはり十分な耐圧性が得られなくなるおそれがある。また、上記肩部の押し付けにより、接合開始時および接合途中に生じることのある軟化部の肉の飛散を防止して良好な接合状態を得ることができるとともに、筒状部(5)および鏡板(32)と上記肩部との摺動によって摩擦熱をさらに発生させてプローブ(42)と筒状部(5)および鏡板(32)との接触部およびその近傍の軟化を促進することができ、しかも接合部の表面へのバリ等の凹凸の発生を防止することができる。
【0080】
ついで、胴(31)および鏡板(32)と摩擦攪拌接合用工具(40)とを相対的に移動させることによって、プローブ(42)を上記突き合わせ部の周方向に移動させる。すると、プローブ(42)の回転により発生する摩擦熱と、筒状部(5)および鏡板(32)と上記肩部との摺動により発生する摩擦熱とによって、上記突き合わせ部の近傍において筒状部(5)および鏡板(32)の母材となる金属は軟化するとともに、この軟化部がプローブ(42)の回転力を受けて攪拌混合され、さらにこの軟化部がプローブ(42)通過溝を埋めるように塑性流動した後、摩擦熱を急速に失って冷却固化するという現象が、プローブ(42)の移動に伴って繰り返されることにより、筒状部(5)と鏡板(32)とが接合されていく。そして、プローブ(42)が上記突き合わせ部の全周にわたって移動して埋入位置に戻ったときに筒状部(5)と鏡板(32)とが全周にわたって接合される。このとき、ビード(34)が形成される。
【0081】
ついで、プローブ(42)が埋入位置に戻った後、あるいは埋入位置を通過した後に、筒状部(5)および鏡板(32)の突き合わせ部に配置した当て部材までプローブ(42)を移動させ、ここでプローブ(42)を引き抜く。また、他方の鏡板(33)も、上記と同様にして筒状部(5)に接合する。こうして、ガスボンベ用ライナ(30)が製造される。
【0082】
ガスボンベ用ライナ(30)を用いての高圧水素ガスボンベ(36)の製造は、ガスボンベ用ライナ(30)の周囲の全体を繊維強化樹脂層(35)で覆うことによって行われる。
【0083】
実施形態6
この実施形態は図9および図10に示すものである。
【0084】
図9において、この実施形態のガスボンベ用ライナ(50)の場合、上記実施形態5における胴(31)を構成する金属筒状体(1)の筒状部(5)の両端部が切除されることにより胴(51)が形成されており、補強部(7)の両端部は筒状部(5)の両端よりも外方に突出している。そして、両鏡板(32)(33)は補強部(7)の両端突出部(7a)に嵌め被せられた状態で金属筒状体(1)に接合されている。その他の構成は上記実施形態5のガスボンベ用ライナ(30)と同じである。
【0085】
ガスボンベ用ライナ(50)は、周囲の全体が、たとえばカーボン繊維強化樹脂などからなる繊維強化樹脂層で覆われ、高圧ガスボンベとして用いられる。
【0086】
ガスボンベ用ライナ(50)は、図10に示す方法で製造される。すなわち、金属筒状体(1)の筒状部(5)の両端部を所定長さにわたって切除し、補強部(7)の両端部を外方に突出させて胴(51)を製造する。ついで、両鏡板(32)(33)を、補強部(7)の両端突出部(7a)に嵌め被せる。その後は、実施形態5の場合と同じ方法により、胴(51)の両端部に鏡板(32)(33)を摩擦攪拌接合する。こうして、ガスボンベ用ライナ(50)が製造される。
【0087】
なお、上記実施形態5および6においては、金属筒状体(1)および鏡板(32)(33)は摩擦攪拌接合されているが、これに限定されるものではなく、その他の適宜な方法、たとえば溶融溶接などの一般的な溶接法により接合されていてもよい。
【0088】
実施形態7
この実施形態は図11〜図13に示すものである。
【0089】
図11において、ガスボンベ用ライナ(60)は、両端が開口した円筒状胴(61)と、胴(61)の両端部に接合されかつ胴(61)の両端開口を閉鎖するアルミニウム製鏡板(32)(33)とよりなる。
【0090】
胴(61)は、両端が開口した横断面円形の筒状であるアルミニウム製胴本体(62)内に、実施形態1の金属筒状体(1)が、その両端部が胴本体(62)の両端よりも外方に突出するように嵌め入れられたものである。金属筒状体(1)における胴本体(62)からの外方突出部を(1a)で示す。
【0091】
胴本体(62)は、短筒状ブランクをフローフォーミングにより軸方向にしごき加工して形成された管や、マンドレル押出管などの継ぎ目無し管からなることがある。また、胴本体(62)は、全長にわたる複数の溶着部により複数の構成部分が互いに溶着されているポートホール押出管や、電縫管などの継ぎ目有り管からなることがある。胴本体(62)は、たとえばJIS A2000系合金、JIS A5000系合金、JIS A6000系合金およびJIS A7000系合金のうちのいずれかにより形成される。
【0092】
ここで、胴本体(62)が継ぎ目有り管からなる場合、金属筒状体(1)の第1溶着部(3A)と胴本体(62)の継ぎ目とは、耐圧性を考慮して周方向にずらされていることが好ましい。
【0093】
両鏡板(32)(33)は、それぞれ金属筒状体(1)の外方突出部(1a)に嵌め被せられて胴本体(62)に当接させられ、胴本体(62)と両鏡板(32)(33)との当接部分において、胴本体(62)、金属筒状体(1)および両鏡板(32)(33)が摩擦攪拌接合されている。接合部のビードを(63)で示す。
【0094】
胴本体(62)、金属筒状体(1)および両鏡板(32)(33)は、すべてが同一のアルミニウム材料からなることがあり、また、胴本体(62)、金属筒状体(1)および両鏡板(32)(33)のうちの少なくとも2つが異なるアルミニウム材料からなることがある。
【0095】
ガスボンベ用ライナ(60)は、周囲の全体が、たとえばカーボン繊維強化樹脂などからなる繊維強化樹脂層で覆われ、高圧ガスボンベとして用いられる。
【0096】
以下、図12および図13を参照して、ガスボンベ用ライナ(60)の製造方法について説明する。
【0097】
まず、両端が開口した筒状胴本体(62)と、胴本体(62)の内周面に密接しうる筒状部(5)を有する胴本体(62)よりも長い金属筒状体(1)と、金属筒状体(1)の端部に嵌め被せうる2つの鏡板(32)(33)とを用意する。一方の鏡板(32)には口金取付部(32a)を形成しておく。
【0098】
ついで、金属筒状体(1)を冷却して収縮させた状態で、その両端部が胴本体(62)の両端よりも外方に突出するように胴本体(62)内に嵌め入れ(図12参照)、両鏡板(32)(33)をそれぞれ金属筒状体(1)の外方突出部(1a)に嵌め被せて胴本体(62)の両端面に両鏡板(32)(33)の端面を当接させる。金属筒状体(1)の温度が上昇して元の状態に膨張すると、金属筒状体(1)と、胴本体(62)および両鏡板(32)(33)とが仮止めされる。
【0099】
ついで、摩擦攪拌接合用工具(40)を回転させながら、胴本体(62)と一方の鏡板(32)との突き合わせ部における周方向の1個所に、プローブ(42)を、その先端部が金属筒状体(1)の筒状部(5)に至るまで埋入する。このとき、工具(40)における小径部(41a)とプローブ(42)との間の肩部を、胴本体(62)および鏡板(32)に押し付ける(図13参照)。
【0100】
ついで、胴本体(62)、金属筒状体(1)および鏡板(32)と摩擦攪拌接合用工具(40)とを相対的に移動させることによって、プローブ(42)を上記突き合わせ部の周方向に移動させる。すると、プローブ(42)の回転により発生する摩擦熱と、胴本体(62)および鏡板(32)と上記肩部との摺動により発生する摩擦熱とによって、上記突き合わせ部の近傍(図13に鎖線Aで示す部分)において胴本体(62)、金属筒状体(1)の筒状部(5)および鏡板(32)は軟化するとともに、この軟化部がプローブ(42)の回転力を受けて攪拌混合され、さらにこの軟化部がプローブ(42)通過溝を埋めるように塑性流動した後、摩擦熱を急速に失って冷却固化するという現象が、プローブ(42)の移動に伴って繰り返されることにより、胴本体(62)と金属筒状体(1)の筒状部(5)と鏡板(32)とが接合されていく。そして、プローブ(42)が上記突き合わせ部の全周にわたって移動して埋入位置に戻ったときに胴本体(62)と金属筒状体(1)の筒状部(5)と鏡板(32)とが全周にわたって接合される。
【0101】
ついで、プローブ(42)が埋入位置に戻った後、あるいは埋入位置を通過した後に、上記突き合わせ部に配置した当て部材までプローブ(42)を移動させ、ここでプローブ(42)を引き抜く。また、他方の鏡板(33)も、上記と同様にして胴本体(62)および金属筒状体(1)の筒状部(5)に摩擦攪拌接合する。こうして、ガスボンベ用ライナ(60)が製造される。
【0102】
上述した摩擦攪拌接合の際に、金属筒状体(1)の働きにより、胴本体(62)および両鏡板(32)(33)の内側への変形が防止される。
【0103】
実施形態8
この実施形態は図14に示すものである。
【0104】
図14において、この実施形態のガスボンベ用ライナ(70)の場合、両端が開口した円筒状胴(61)と、胴(61)の一端部に接合されかつ胴(61)の一端開口を閉鎖するアルミニウム製鏡板(32)と、胴(61)を構成する胴本体(71)の他端に一体に形成されかつ胴(61)の他端開口を閉鎖する鏡板部(72)とよりなる。鏡板部(72)内へは金属筒状体(1)は入り込んでいない。胴本体(71)は、カップ状ブランクにしごき加工を施すことにより形成されている。その他の構成は実施形態7のガスボンベ用ライナ(60)と同様である。胴本体(71)、金属筒状体(1)および鏡板(33)を形成する材料についても、実施形態7のガスボンベ用ライナ(60)と同様である。
【0105】
ガスボンベ用ライナ(70)は、周囲の全体が、たとえばカーボン繊維強化樹脂などからなる繊維強化樹脂層で覆われ、高圧ガスボンベとして用いられる。
【0106】
ガスボンベ用ライナ(70)は、以下に述べる方法で製造される。
【0107】
まず、カップ状ブランクにしごき加工を施すことにより、端部に鏡板部(72)が一体に形成された胴本体(71)をつくる。また、胴本体(71)の内周面に密接しうる筒状部(5)を有する胴本体(71)よりも長い金属筒状体(1)と、金属筒状体(1)の端部に嵌め被せうる1つの鏡板(32)とを用意する。
【0108】
ついで、金属筒状体(1)を冷却して収縮させた状態で、その一端部が胴本体(71)の開口端よりも外方に突出するように、鏡板部(72)が形成されていない側の開口から胴本体(71)内に嵌め入れ、鏡板(32)を金属筒状体(1)の外方突出部(1a)に嵌め被せて胴本体(71)の端面に鏡板(32)の端面を当接させる。金属筒状体(1)の温度が上昇して元の状態に膨張すると、金属筒状体(1)と、胴本体(71)および鏡板(32)とが仮止めされる。
【0109】
その後、実施形態7の場合と同様にして、胴本体(71)、金属筒状体(1)および鏡板(32)を摩擦攪拌接合する。こうして、ガスボンベ用ライナ(70)が製造される。
【0110】
上述した摩擦攪拌接合の際に、金属筒状体(1)の働きにより、胴本体(71)および鏡板(32)の内側への変形が防止される。
【0111】
実施形態9
この実施形態は図15に示すものである。
【0112】
図15において、この実施形態のガスボンベ用ライナ(80)の場合、胴(61)を構成する胴本体(81)の一端に口金取付部(82a)を有する鏡板部(82)が一体に形成され、これにより胴(61)の一端開口は閉鎖されている。鏡板部(82)内へは金属筒状体(1)は入り込んでいない。その他の構成は実施形態7のガスボンベ用ライナ(60)と同様である。胴本体(81)、金属筒状体(1)および鏡板(33)を形成する材料についても、実施形態7のガスボンベ用ライナ(60)と同様である。
【0113】
ガスボンベ用ライナ(80)は、周囲の全体が、たとえばカーボン繊維強化樹脂などからなる繊維強化樹脂層で覆われ、高圧ガスボンベとして用いられる。
【0114】
ガスボンベ用ライナ(80)は、以下に述べる方法で製造される。
【0115】
短筒状ブランクをフローフォーミングにより軸方向にしごき加工して形成された管や、マンドレル押出管などの継ぎ目無し管の一端部にスピニング加工、プレス加工、あるいは鍛造により口金取付部(82a)を有する鏡板部(82)を一体に形成することにより胴本体(81)をつくる。
【0116】
そして、鏡板部(82)が形成されていない側の開口から胴本体(81)内に金属筒状体(1)を嵌め入れることを除いては、実施形態8の場合と同様にしてガスボンベ用ライナ(80)が製造される。
【0117】
上記実施形態6〜9のガスボンベ用ライナ(50)(60)(70)(80)を用いての高圧水素ガスボンベの製造は、ガスボンベ用ライナ(50)(60)(70)(80)の周囲の全体を繊維強化樹脂層で覆うことによって行われる。
【0118】
なお、上記実施形態7〜9においては、胴本体(62)(71)(81)、金属筒状体(1)および鏡板(32)(33)は摩擦攪拌接合されているが、これに限定されるものではなく、その他の適宜な方法、たとえば溶融溶接などの一般的な溶接法により接合されていてもよい。
【0119】
上記実施形態5〜9のガスボンベ用ライナ(30)(50)(60)(70)(80)を有する高圧ガスボンベは、燃料水素ガスボンベ、燃料電池、および燃料水素ガスボンベから燃料電池に燃料水素ガスを送る圧力配管を備えた燃料電池システムにおける燃料水素ガスボンベとして用いられる。燃料電池システムは、燃料電池自動車に搭載される。また、燃料電池システムはコージェネレーションシステムにも用いられる。
【0120】
また、高圧ガスボンベは、天然ガスボンベおよび天然ガスボンベから天然ガスを送り出す圧力配管を備えた天然ガス供給システムにおける天然ガスボンベとして用いられる。天然ガス供給システムは、発電機および発電機駆動装置とともにコージェネレーションシステムに用いられる。また、天然ガス供給システムは、天然ガスを燃料とするエンジンを備えている天然ガス自動車に用いられる。
【0121】
さらに、高圧ガスボンベは、酸素ガスボンベおよび酸素ガスボンベから酸素ガスを送り出す圧力配管を備えた酸素ガス供給システムにおける酸素ガスボンベとして用いられる。
【0122】
上記実施形態5〜9のガスボンベ用ライナにおいて、金属筒状体(1)として、実施形態2〜4のもの、あるいは他の横断面形状のものを用いることができる。金属筒状体(1)の筒状部(5)の横断面形状が楕円形やその他の異形の場合には、その形状に合わせて鏡板や胴本体などの他の部材の形状も適宜変更される。
【0123】
【発明の効果】
上記1)〜3)の金属筒状体によれば、ポートホール押出管のすべての溶着部のうち、横断面において、一端が筒状部の外周面に露出した溶着部の他端が、補強部により仕切られた内部空間に露出しておらず、しかも筒状部内を複数の空間に仕切る補強部を有するので、金属筒状体の耐圧性が優れたものになり、たとえば高圧ガスを流す圧力配管などの耐圧管に用いたとしても、溶着部での破壊が防止される。また、ポートホール押出管からなるので、偏肉が生じることはなく、しかも長尺、大型化を図ることができる。さらに、補強部を有する複雑な横断面形状のものを簡単に得ることができる。
【0124】
上記4)の金属筒状体によれば、耐圧性が一層向上する。
【0125】
上記12)のガスボンベ用ライナによれば、胴の耐圧性が優れたものになり、溶着部での破壊が防止される。また、胴がポートホール押出管よりなるので、偏肉が生じることはなく、しかも長尺、大型化を図ることができる。さらに、複雑な横断面形状のものを簡単に得ることができる。
【0126】
上記13)のガスボンベ用ライナによれば、金属筒状体の筒状部および鏡板が補強部により内側から支えられるので、接合時の作業性が向上し、しかも摩擦攪拌接合による接合時には、筒状部および鏡板の内側への変形が防止される。
【0127】
上記14)のガスボンベ用ライナによれば、胴を構成する金属筒状体と鏡板とが摩擦攪拌接合されているので、比較的簡単かつ確実にこれらを外側から接合することができる。また、摩擦攪拌接合部は軟化することがないので、高圧ガスを封入した際にも接合部の破壊が防止される。また、接合部の組織が微細化されるので、たとえば水素ガスボンベに用いた場合にも水素脆化が抑制される。さらに、ガスボンベ用ライナの内面に溶融スパッタやヒュームが残留することはないので、自動車、住宅、輸送機械等において、水素ガスや天然ガスを燃料とする発電システムに損傷を与えることが防止される。
【0128】
上記15)および16)のガスボンベ用ライナの製造方法によれば、上記13)および14)のガスボンベ用ライナを比較的簡単に製造することができる。また、金属筒状体の筒状部および鏡板が補強部により内側から支えられるので、接合時の作業性が向上し、しかも摩擦攪拌接合による接合時には、筒状部および鏡板の内側への変形が防止される。
【0129】
上記17)および18)のガスボンベ用ライナによれば、胴は、胴本体および金属筒状体の筒状部との2重構造であり、しかも筒状部にその内部を複数の空間に仕切る複数の補強部が一体に形成されているので、従来のガスボンベ用ライナに比べて耐圧性が向上する。また、胴本体と鏡板との当接部分において、胴本体、金属筒状体および鏡板が接合されているので、接合部の耐圧性も十分なものになる。さらに、鏡板が金属筒状体における胴本体から突出した外方突出部に嵌め被せられて、胴本体および補強部材に接合されているので、接合作業時の作業性が向上する。
【0130】
上記19)のガスボンベ用ライナによれば、胴本体、金属筒状体および鏡板とが摩擦攪拌接合されているので、比較的簡単かつ確実にこれらを外側から接合することができる。また、摩擦攪拌接合部は軟化することがないので、高圧ガスを封入した際にも接合部の破壊が防止される。また、接合部の組織が微細化されるので、たとえば水素ガスボンベに用いた場合にも水素脆化が抑制される。さらに、ガスボンベ用ライナの内面に溶融スパッタやヒュームが残留することはないので、自動車、住宅、輸送機械等において、水素ガスや天然ガスを燃料とする発電システムに損傷を与えることが防止される。さらに、接合作業時には、胴本体および鏡板が金属筒状体により内側から支持されるので、胴本体および鏡板の変形が防止される。
上記21)のガスボンベ用ライナによれば、金属筒状体の位置決めを確実に行うことができるとともに、金属筒状体と胴本体との密着性を高めて耐圧性を向上させることができる。金属筒状体と胴本体との間に隙間があれば、金属筒状体は、内圧が高まった場合に膨らむとともに低くなった場合に収縮し、このような脈動を繰り返すことにより、疲労破壊を起こすおそれがある。
【0131】
上記24)および25)のガスボンベ用ライナの製造方法によれば、上記17)および18)のガスボンベ用ライナを比較的簡単に製造することができる。
【0132】
上記26)のガスボンベ用ライナの製造方法によれば、上記21)のガスボンベ用ライナと同様な効果を奏する。
【0133】
上記27)のガスボンベ用ライナの製造方法によれば、胴本体、金属筒状体および鏡板を、外側から比較的簡単かつ確実に接合することができる。また、摩擦攪拌接合部は軟化することがないので、高圧ガスを封入した際にも接合部の破壊が防止される。また、接合部の組織が微細化されるので、たとえば水素ガスボンベに用いた場合にも水素脆化が抑制される。さらに、ガスボンベ用ライナの内面に溶融スパッタやヒュームが残留することはないので、自動車、住宅、輸送機械等において、水素ガスや天然ガスを燃料とする発電システムに損傷を与えることが防止される。さらに、接合作業時には、胴本体および鏡板が金属筒状体により内側から支持されるので、胴本体および鏡板の変形が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態1の金属筒状体を示す横断面図である。
【図2】この発明の実施形態2の金属筒状体を示す横断面図である。
【図3】この発明の実施形態3の金属筒状体を示す横断面図である。
【図4】この発明の実施形態4の金属筒状体を示す横断面図である。
【図5】この発明の実施形態5のガスボンベ用ライナを示す斜視図である。
【図6】図5のガスボンベ用ライナを用いた高圧ガスボンベを示す縦断面図である。
【図7】図5のガスボンベ用ライナを製造する方法を示す斜視図である。
【図8】図5のガスボンベ用ライナを製造する方法を示す部分拡大縦断面図である。
【図9】この発明の実施形態6のガスボンベ用ライナを示す斜視図である。
【図10】図9のガスボンベ用ライナを製造する方法を示す斜視図である。
【図11】この発明の実施形態7のガスボンベ用ライナを示す斜視図である。
【図12】図11のガスボンベ用ライナを製造する方法を示す斜視図である。
【図13】図11のガスボンベ用ライナを製造する方法を示す部分拡大縦断面図である。
【図14】この発明の実施形態8のガスボンベ用ライナを示す斜視図である。
【図15】この発明の実施形態9のガスボンベ用ライナを示す斜視図である。
【符号の説明】
(1)(10)(15)(25):金属筒状体
(1a):外方突出部
(3A)(23A):第1溶着部
(3B)(23B):第2溶着部
(3C)(23C):第3溶着部
(4A)(22A):第1管構成部分
(4B)(22B):第2管構成部分
(5):筒状部
(6)(18)(19):空間
(7)(17):補強部
(7a):外方突出部
(8)(21):補強壁
(20):内筒状部
(30)(50)(60)(70)(80):ガスボンベ用ライナ
(31)(61):胴
(32)(33):鏡板
(40):摩擦攪拌接合用工具
(42):プローブ
(62)(71)(81):胴本体
(72)(82):鏡板部
(82a):口金取付部
【発明の属する技術分野】
この発明は、たとえば自動車産業、住宅産業、軍事産業、航空宇宙産業、医療産業等において、発電のための燃料となる高圧の燃料水素ガスや天然ガス、または高圧の酸素ガスが通される高圧配管として用いられたり、あるいは発電のための燃料となる水素ガスや天然ガスを貯蔵するガスボンベ、または酸素ガスを貯蔵するガスボンベのライナを構成する部品として用いられる金属筒状体、これを用いたガスボンベ用ライナおよびガスボンベ用ライナの製造方法に関する。
【0002】
この明細書において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
【0003】
【従来の技術】
金属筒状体として、金属板をロールフォーミングして筒状とし、その突き合わせ部を高周波溶接してなる電縫管が、長尺、大径化が可能であることから広く用いられている。
【0004】
ところで、電縫管は熱影響を受けて溶接部の強度が低下しているので、溶接部において応力集中による疲労破壊が発生するおそれがあり、高圧ガスが通される圧力配管や、ガスボンベ用ライナを構成する部品については電縫管の使用は認可されていないのが現状である。
【0005】
そこで、圧力配管や、ガスボンベ用ライナを構成する部品として、マンドレル押出管やポートホール押出管などを用いることが考えられている。
【0006】
しかしながら、マンドレル押出管は偏肉が生じやすく、しかも大径および/または長尺のものを得ることができないという問題がある。また、複雑な横断面形状のものを得ることができないという問題がある。一方、ポートホール押出管によればこのような問題を解決しうるが、次のような問題がある。すなわち、ポートホール押出管は、周知のごとく、ポートホールダイスのポート部においてビレットから流れてきた金属材料が一旦分離し、チャンバ部において分離した金属材料を再度溶着させることにより製造されるものであり、全長にわたる複数の溶着部により複数の管構成部分が互いに溶着されたものであるが、この溶着部がポートホール押出管の周壁を貫通して存在し、しかも溶着部では強度および伸びなどの機械的性質や耐食性が管構成部分に比べて劣り、圧力配管や、ガスボンベ用ライナを構成する部品に用いた場合に、溶着部において応力集中によって破壊するおそれがある。
【0007】
ところで、ポートホール押出管の溶着部を改質すれば、圧力配管や、ガスボンベ用ライナを構成する部品への使用も可能になるのであると考えられる。ポートホール押出管の溶着部の耐食性を改善する方法としては、押出に用いられるビレットに種々の熱処理を施すことが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0008】
一方、上述したガスボンベに入れられる高圧ガスの圧力は主として20〜35MPa程度であるが、この種のガスボンベ用ライナとして、従来、アルミニウムからなるカップ状ブランクの胴部をフローフォーミングにより軸方向にしごき加工して、円筒状胴部の両端に鏡板部を一体に設け、少なくとも一方の鏡板部をクロージング成形により形成して、鏡板部を胴部よりも厚肉とし、その鏡板部の中心部に設けられた口栓部に口金取付用の穴を形成したものが知られている(たとえば特許文献2、請求項1参照)。
【0009】
また、押出成形されたアルミニウム製筒体の両端に鏡板が溶接により接合されたガスボンベ用ライナも知られている(たとえば特許文献2、段落0014参照)。
【0010】
さらに、アルミニウム製円筒状胴と、円筒状胴の両端開口を閉鎖する鏡板と、胴と鏡板との当接部分の内側に両者に跨るように配置された車輪状の支持構造部材とを備えており、胴、鏡板および支持構造部材が摩擦攪拌接合されたガスボンベ用ライナが記載されている(たとえば特許文献3参照)。
【0011】
【特許文献1】
特開平11−172387号公報(特許請求の範囲)
【0012】
【特許文献2】
特開平11−104762号公報(請求項1、段落0014)
【0013】
【特許文献3】
特開平10−160097号公報(特許請求の範囲、図1)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、溶着部の機械的性質を改善する方法については未だ知られておらず、ポートホール押出管の圧力配管や、ガスボンベ用ライナを構成する部品への使用は見合わされているのが現状である。また、ガスボンベに入れられる高圧ガスの圧力は、将来的には70MPa程度になると考えられているが、上述した従来のガスボンベ用ライナにおいても、十分な耐圧性が得られないおそれがある。
【0015】
この発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、長尺、大型化が可能であるとともに補強部を有する複雑な横断面形状とすることができ、しかも耐圧性に優れた金属筒状体、これを用いた耐圧性に優れたガスボンベ用ライナおよびその製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために以下の態様からなる。
【0017】
1)両端が開口した筒状部および筒状部に全長にわたって一体に形成されかつ筒状部内を両端が開口した複数の空間に仕切る補強部からなるポートホール押出管により構成されており、ポートホール押出管が、全長にわたる複数の溶着部により複数の管構成部分が互いに溶着されることによって形成され、横断面において、一端が筒状部の外周面に露出した溶着部の他端が、補強部により仕切られた筒状部の内部空間に露出していない金属筒状体。
【0018】
2)ポートホール押出管の補強部が、筒状部の内周面から中心線に向かって内方に伸びかつ筒状部の中心線上で相互に一体化された複数の補強壁を備えており、筒状部外周面における補強壁の厚さ方向の中間部と対応する部分から補強壁の幅方向の中間部に至る第1の溶着部と、第1溶着部に連なって筒状部の中心線まで伸びる第2の溶着部と、第1溶着部と第2溶着部との連接部から補強壁の両側面に伸びる第3の溶着部とを有している上記1)記載の金属筒状体。
【0019】
3)ポートホール押出管の補強部が、筒状部と同心状に形成された内筒状部と、筒状部の中心線から放射状に伸びる複数の面上に位置しかつ筒状部と内筒状部とを連結する複数の補強壁とを備えており、筒状部外周面における補強壁の厚さ方向の中間部と対応する部分から補強壁の幅方向の中間部に至る第1の溶着部と、第1溶着部に連なって内筒状部の内周面まで伸びる第2の溶着部と、第1溶着部と第2溶着部との連接部から補強壁の両側面に伸びる第3の溶着部とを有している上記1)記載の金属筒状体。
【0020】
4)連結壁が、筒状部の中心線の周りに等角度間隔で形成されている上記2)または3)記載の金属筒状体。
【0021】
5)燃料水素ガスボンベ、燃料電池、および燃料水素ガスボンベから燃料電池に燃料水素ガスを送る圧力配管を備えており、圧力配管が上記1)〜4)のうちのいずれかに記載された金属筒状体よりなる燃料電池システム。
【0022】
6)上記5)記載の燃料電池システムを搭載した燃料電池自動車。
【0023】
7)上記5)記載の燃料電池システムを備えたコージェネレーションシステム。
【0024】
8)天然ガスボンベおよび天然ガスボンベから天然ガスを送り出す圧力配管を備えており、圧力配管が上記1)〜4)のうちのいずれかに記載された金属筒状体よりなる天然ガス供給システム。
【0025】
9)上記8)記載の天然ガス供給システムと、発電機と、発電機駆動装置を備えており、圧力配管が天然ガスボンベから発電機駆動装置に天然ガスを送るようになっているコージェネレーションシステム。
【0026】
10)上記8)記載の天然ガス供給システムと、天然ガスを燃料とするエンジンとを備えており、圧力配管が天然ガスボンベからエンジンに天然ガスを送るようになっている天然ガス自動車。
【0027】
11)酸素ガスボンベおよび酸素ガスボンベから酸素ガスを送り出す圧力配管を備えており、圧力配管が上記1)〜4)のうちのいずれかに記載された金属筒状体よりなる酸素ガス供給システム。
【0028】
12)上記1)〜4)のうちのいずれかに記載の金属筒状体からなる胴と、胴の両端部に接合されかつ胴の両端開口を閉鎖する鏡板とよりなるガスボンベ用ライナ。
【0029】
13)胴を構成する金属筒状体の補強部の両端部が筒状部よりも外方に突出しており、鏡板がこの突出部に嵌め被された状態で筒状部および補強部に接合されている上記12)記載のガスボンベ用ライナ。
【0030】
14)鏡板が胴に摩擦攪拌接合されている上記12)または13)記載のガスボンベ用ライナ。
【0031】
15)上記1)〜4)のうちのいずれかに記載の金属筒状体の筒状部の両端部を切除することにより、補強部の両端部を筒状部よりも外方に突出させて胴を形成し、鏡板を補強部の突出部に嵌め被せて筒状部に接合するガスボンベ用ライナの製造方法。
【0032】
16)胴を構成する金属筒状体の筒状部の端部に鏡板を突き合わせ、ついで筒状部と鏡板との突き合わせ部に、両者に跨るように摩擦攪拌接合用工具のプローブを埋入した後、金属筒状体および鏡板とプローブとを相対的に移動させることによって、プローブを上記突き合わせ部の全周にわたって移動させて筒状部と鏡板とを摩擦攪拌接合する上記15)記載のガスボンベ用ライナの製造方法。
【0033】
17)両端が開口した胴と、胴の両端部に接合されかつ胴の両端開口を閉鎖する鏡板とにより形成され、胴が、両端が開口した筒状胴本体内に、上記1)〜4)のうちのいずれかに記載の金属筒状体を、両端部が胴本体の両端よりも外方に突出するように嵌め入れることにより構成され、両鏡板がそれぞれ金属筒状体の外方突出部に嵌め被せられ、胴本体と鏡板との当接部分において、胴本体、金属筒状体および鏡板が接合されているガスボンベ用ライナ。
【0034】
18)両端が開口した胴と、胴の一端部に接合されて胴の一端開口を閉鎖する鏡板と、胴の他端部に一体に形成されて胴の他端開口を閉鎖する鏡板部とにより形成され、胴が、一端が開口するとともに他端が一体に形成された鏡板部により閉鎖された筒状胴本体内に、上記1)〜4)のうちのいずれかに記載の金属筒状体を、一端部が胴本体の一端よりも外方に突出するように嵌め入れることにより構成され、鏡板が金属筒状体の外方突出部に嵌め被せられ、胴本体と鏡板との当接部分において、胴本体、金属筒状体および鏡板が接合されているガスボンベ用ライナ。
【0035】
19)胴本体、金属筒状体および鏡板が摩擦攪拌接合されている上記17)または18)記載のガスボンベ用ライナ。
【0036】
20)胴本体が継ぎ目無し管または継ぎ目有り管からなる上記17)〜19)のうちのいずれかに記載のガスボンベ用ライナ。
【0037】
21)金属筒状体が、胴本体内に冷やしばめされている上記17)〜20)のうちのいずれかに記載のガスボンベ用ライナ。
【0038】
22)胴本体、金属筒状体および鏡板が、同一のアルミニウム材料からなる上記17)〜21)のうちのいずれかに記載のガスボンベ用ライナ。
【0039】
23)胴本体、金属筒状体および鏡板のうちの少なくとも2つが、異なるアルミニウム材料からなる上記17)〜21)のうちのいずれかに記載のガスボンベ用ライナ。
【0040】
24)上記17)記載のガスボンベ用ライナを製造する方法であって、両端が開口した筒状胴本体と、上記1)〜4)のうちのいずれかに記載の金属筒状体と、金属筒状体の端部に嵌め被せうる2つの鏡板とを用意し、金属筒状体を、両端部が胴本体の両端よりも外方に突出するように胴本体内に嵌め入れ、両鏡板をそれぞれ金属筒状体の外方突出部に嵌め被せ、胴本体と鏡板との当接部分において、胴本体、金属筒状体および鏡板を外側から接合するガスボンベ用ライナの製造方法。
【0041】
25)上記18)記載のガスボンベ用ライナを製造する方法であって、一端が開口するとともに他端が一体に形成された鏡板部により閉鎖された筒状胴本体と、上記1)〜4)のうちのいずれかに記載の金属筒状体と、金属筒状体の端部に嵌め被せうる1つの鏡板とを用意し、金属筒状体を、一端部が胴本体の開口端よりも外方に突出するように胴本体内に嵌め入れ、鏡板を金属筒状体の外方突出部に嵌め被せ、胴本体と鏡板との当接部分において、胴本体、金属筒状体および鏡板を外側から接合するガスボンベ用ライナの製造方法。
【0042】
26)金属筒状体を胴本体内に冷やしばめする上記24)または25)記載のガスボンベ用ライナの製造方法。
【0043】
27)胴本体と鏡板との当接部分に、両者に跨りかつ先端部が金属筒状体の筒状部に至るように摩擦攪拌接合用工具のプローブを埋入した後、胴本体、金属筒状体および鏡板とプローブとを相対的に移動させることによって、プローブを上記当接部分の全周にわたって移動させ、胴本体、金属筒状体および鏡板を摩擦攪拌接合する上記24)〜26)のうちのいずれかに記載のガスボンベ用ライナの製造方法。
【0044】
28)燃料水素ガスボンベ、燃料電池、および燃料水素ガスボンベから燃料電池に燃料水素ガスを送る圧力配管を備えており、燃料水素ガスボンベが上記12)〜14)および17)〜23)のうちのいずれかに記載されたガスボンベ用ライナを有している燃料電池システム。
【0045】
29)上記28)記載の燃料電池システムを搭載した燃料電池自動車。
【0046】
30)上記28)記載の燃料電池システムを備えたコージェネレーションシステム。
【0047】
31)天然ガスボンベおよび天然ガスボンベから天然ガスを送り出す圧力配管を備えており、天然ガスボンベが上記12)〜14)および17)〜23)のうちのいずれかに記載されたガスボンベ用ライナを有している天然ガス供給システム。
【0048】
32)上記31)記載の天然ガス供給システムと、発電機と、発電機駆動装置を備えているコージェネレーションシステム。
【0049】
33)上記31)記載の天然ガス供給システムと、天然ガスを燃料とするエンジンとを備えている天然ガス自動車。
【0050】
34)酸素ガスボンベおよび酸素ガスボンベから酸素ガスを送り出す圧力配管を備えており、酸素ガスボンベが上記12)〜14)および17)〜23)のうちのいずれかに記載されたガスボンベ用ライナを有している酸素ガス供給システム。
【0051】
【発明の実施形態】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。全図面を通じて同一部分および同一物には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0052】
実施形態1
この実施形態は図1に示すものである。
【0053】
図1において、金属筒状体(1)は全長にわたる複数の溶着部(3A)(3B)(3C)により複数の管構成部分(4A)(4B)が互いに溶着されているポートホール押出管(2)からなり、両端が開口した横断面円形の筒状部(5)と、筒状部(5)に全長にわたって一体に形成されかつ筒状部(5)内を両端が開口した複数、ここでは4つの空間(6)に仕切る補強部(7)とよりなる。補強部(7)は、筒状部(5)の内周面から中心線に向かって内方に伸びかつ筒状部(5)の中心線上で相互に一体化された空間(6)と同数の補強壁(8)よりなる。ここでは、すべての補強壁(8)は、筒状部(5)の中心線の周りに等角度間隔で形成されている。
【0054】
ポートホール押出管(2)は、筒状部(5)における1つの補強壁(8)の厚さ方向の中心部からこれに隣接する補強壁(8)の厚さ方向の中心部まで至る部分筒状部(4a)、および部分筒状部(4a)の両側縁から筒状部(5)の中心線に向かって径方向内方に伸びかつ補強壁(8)の幅方向(筒状部(5)の径方向)の中間部に至る平坦部(4b)よりなる補強壁(8)と同数の第1管構成部分(4A)と、各第1管構成部分(4A)の平坦部(4b)の先端どうしを連結する2つの平坦部(4c)よりなる第1管構成部分(4A)と同数の略L形第2管構成部分(4B)とから構成されている。これらの管構成部分(4A)(4B)は、筒状部(5)外周面における補強壁(8)の厚さ方向の中心部と対応する部分から補強壁(8)の幅方向の中間部に至る第1溶着部(3A)と、第1溶着部(3A)に連なって筒状部(5)の中心線まで伸びる第2溶着部(3B)と、第1溶着部(3A)と第2溶着部(3B)との連接部から補強壁(8)の両側面に伸びる第3溶着部(3C)とにより互いに溶着されている。したがって、横断面において、一端が筒状部(5)の外周面に露出した第1溶着部(3A)の他端は、補強部(7)により仕切られた内部空間(6)には露出していない。
【0055】
ポートホール押出管(2)は、たとえばJIS A2000系合金、JIS A5000系合金、JIS A6000系合金およびJIS A7000系合金のうちのいずれかにより形成されている。
【0056】
実施形態2
この実施形態は図2に示すものである。
【0057】
図2において、金属筒状体(10)を構成するポートホール押出管(2)における補強部(7)の補強壁(8)の数は8つであり、したがって第2管構成部分(4B)は略V形となっている。その他の構成は実施形態1の金属筒状体と同じである。
【0058】
実施形態3
この実施形態は図3に示すものである。
【0059】
図3において、金属筒状体(15)を構成するポートホール押出管(16)の補強部(17)は、筒状部(5)内を複数、ここでは5つの空間(18)(19)に仕切るものであり、筒状部(5)と同心状に形成された横断面円形の内筒状部(20)と、筒状部(5)の中心線から放射状に伸びる複数の面上に位置しかつ筒状部(5)と内筒状部(20)とを連結する複数、ここでは空間(18)(19)の数より1つ少ない補強壁(21)とを有している。すべての補強壁(21)は、筒状部(5)の中心線の周りに等角度間隔で形成されている。
【0060】
ポートホール押出管(16)は、筒状部(5)における1つの補強壁(21)の厚さ方向の中心部からこれに隣接する補強壁(21)の厚さ方向の中心部まで至る部分筒状部(22a)、および部分筒状部(22a)の両側縁から筒状部(5)の中心線に向かって伸びかつ補強壁(21)の内筒状部(20)側端部に至る平坦部(22b)よりなる補強壁(21)と同数の第1管構成部分(22A)と、内筒状部(20)における1つの補強壁(21)の厚さ方向の中心部からこれに隣接する補強壁(21)の厚さ方向の中心部まで至る部分内筒状部(22c)、および部分内筒状部(22c)の両側縁から径方向外方に向かって伸びかつ第1管構成部分(22A)の2つの平坦部(22b)に連なる平坦部(22d)よりなる第1管構成部分(22A)と同数の第2管構成部分(22B)とから構成されている。これらの管構成部分(22A)(22B)は、筒状部(5)外周面における補強壁(21)の厚さ方向の中心部と対応する部分から補強壁(21)の内筒状部(20)側端部に至る第1溶着部(23A)と、第1溶着部(23A)に連なって内筒状部(20)の内周面まで伸びる第2溶着部(23B)と、第1溶着部(23A)と第2溶着部(23B)との連接部から補強壁(21)の両側面に伸びる第3溶着部(23C)とにより互いに溶着されている。したがって、横断面において、一端が筒状部(5)の外周面に露出した第1溶着部(23A)の他端は、補強部(17)により仕切られた内部空間(18)(19)には露出していない。
【0061】
実施形態4
この実施形態は図4に示すものである。
【0062】
図4において、金属筒状体(25)を構成するポートホール押出管(2)の筒状部(5)は横断面楕円形(数学的に定義される楕円形に限らず、楕円形に近い形状、たとえば長円形も含む。以下同じ)である。そして、補強部(7)の補強壁(8)は、楕円形筒状部(5)の長径上および短径上に位置しており、長径上に位置する補強壁(8)の幅が短径上に位置する補強壁(8)の幅よりも大きくなっているとともに、第1および第2管構成部分(4A)(4B)の形状が、筒状部(5)が横断面楕円形であることにより、筒状部(5)が横断面円形の場合と異なっている。その他の構成は実施形態1の金属筒状体(1)と同じである。
【0063】
上記実施形態2〜4において、金属筒状体(10)(15)(25)を構成するポートホール押出管(2)(16)は、たとえばJIS A2000系合金、JIS A5000系合金、JIS A6000系合金およびJIS A7000系合金のうちのいずれかにより形成されている。
【0064】
なお、図示は省略したが、実施形態2の金属筒状体(10)における筒状部(5)の横断面形状を楕円形に変えてもよい。この場合も、補強部(7)の補強壁(8)の幅と、第1および第2管構成部分(4A)(4B)の形状が、筒状部(5)が横断面楕円形であることにより、筒状部(5)が横断面円形の場合と異なったものになる。さらに、実施形態3の金属筒状体(15)における筒状部(5)および内筒状部(20)の横断面形状を楕円形に変えてもよい。この場合も、補強部(17)の補強壁(21)の幅と、第1および第2管構成部分(22A)(22B)の形状が、筒状部(5)および内筒状部(20)が横断面楕円形であることにより、筒状部(5)および内筒状部(20)が横断面円形の場合と異なったものになる。さらに、金属筒状体の横断面形状は、これらのものに限定されない。
【0065】
上記実施形態1〜4の金属筒状体(1)(10)(15)(25)は、燃料水素ガスボンベ、燃料電池、および燃料水素ガスボンベから燃料電池に燃料水素ガスを送る圧力配管を備えている燃料電池システムにおいて、圧力配管として用いられる。このような燃料電池システムは、燃料電池自動車に搭載されたり、あるいはしコージェネレーションシステムに使用される。
【0066】
また、金属筒状体(1)(10)(15)(25)は、天然ガスボンベおよび天然ガスボンベから天然ガスを送り出す圧力配管を備えている天然ガス供給システムと、発電機と、発電機駆動装置を備えているコージェネレーションシステムにおいて、天然ガスボンベから発電機駆動装置に天然ガスを送る圧力配管として用いられる。
【0067】
また、金属筒状体(1)(10)(15)(25)は、天然ガスボンベおよび天然ガスボンベから天然ガスを送り出す圧力配管を備えている天然ガス供給システムと、天然ガスを燃料とするエンジンとを備えている天然ガス自動車において、天然ガスボンベからエンジンに天然ガスを送る圧力配管として用いられる。
【0068】
さらに、金属筒状体(1)(10)(15)(25)は、酸素ガスボンベおよび酸素ガスボンベから酸素ガスを送り出す圧力配管を備えている酸素ガス供給システムにおいて、圧力配管として用いられる。
【0069】
但し、この発明による金属筒状体の用途は、上記のような圧力配管に限定されない。
【0070】
実施形態5
この実施形態は図5〜図8に示すものである。
【0071】
図5はこの実施形態のガスボンベ用ライナを示し、図6はガスボンベ用ライナを利用した高圧水素タンクを示す。また、図7および図8はガスボンベ用ライナの製造方法を示す。
【0072】
図5において、ガスボンベ用ライナ(30)は、上記実施形態1の金属筒状体(1)からなる胴(31)と、胴(31)の両端部に接合されかつ胴(31)の両端開口、すなわち金属筒状体(1)の空間(6)の両端開口を閉鎖するアルミニウム製鏡板(32)(33)とよりなる。
【0073】
両鏡板(32)(33)は、それぞれ切削加工または鍛造により形成されたものであり、一方の鏡板(32)には口金取付部(32a)が一体に形成されている。両鏡板(32)(33)は、それぞれたとえばJIS A2000系合金、JIS A5000系合金、JIS A6000系合金およびJIS A7000系合金のうちのいずれかにより形成形成されている。
【0074】
ここで、胴(31)を構成する金属筒状体(1)と両鏡板(32)(33)は、すべてのものが同じ材料で形成されていてもよいし、あるいはこれら3つのうち少なくとも2つのものが異なる材料で形成されていてもよい。
【0075】
胴(31)と両鏡板(32)(33)とは、適当な方法により金属的に接合されている。ここでは、胴(31)と両鏡板(32)(33)とは、両者の突き合わせ部において、全周にわたって摩擦攪拌接合されている。接合部のビードを(34)で示す。
【0076】
図6に示すように、ガスボンベ用ライナ(30)は、周囲の全体が、たとえばカーボン繊維強化樹脂などからなる繊維強化樹脂層(35)で覆われ、高圧ガスボンベ(36)として用いられる。
【0077】
以下、図7および図8を参照して、ガスボンベ用ライナ(30)の製造方法について説明する。
【0078】
まず、ポートホール押出機(図示略)により、金属筒状体(1)を押出成形する。また、口金取付部(32a)を有する鏡板(32)と、口金取付部を有さない鏡板(33)を、鍛造または切削加工によって形成する。さらに、先端部にテーパ部を介して小径部(41a)が同軸上に一体に形成された円柱状回転子(41)と、回転子(41)の小径部(41a)の端面に小径部(41a)と同軸上に一体に形成されかつ小径部(41a)よりも小径であるピン状プローブ(42)とを備えている摩擦攪拌接合用工具(40)を用意する(図7参照)。回転子(41)およびプローブ(42)は、円筒状胴(31)および鏡板(32)(33)よりも硬質でかつ接合時に発生する摩擦熱に耐えうる耐熱性を有する材料で形成されている。
【0079】
ついで、金属筒状体(1)の筒状部(5)の一端面に一方の鏡板(32)の端面を突き合わせる。筒状部(5)の端面および鏡板(32)の端面はいずれも平坦面であり、突き合わせ部において、両端面が面接触するように突き合わされる。また、筒状部(5)および鏡板(32)の突き合わせ部の肉厚は等しくなっている。ついで、摩擦攪拌接合用工具(40)を回転させながら、筒状部(5)と鏡板(32)との突き合わせ部における周方向の1個所にプローブ(42)を埋入するとともに、工具(40)における小径部(41a)とプローブ(42)との間の肩部を、筒状部(5)および鏡板(32)に押し付ける。このとき、埋入したプローブ(42)の先端と筒状部(5)の内周面との距離を、0.1mm以上でかつ筒状部(5)の肉厚の1/2以下とすることが好ましい。この距離が0.1mm未満であると、後述するプローブ(42)による摩擦攪拌接合の際に筒状部(5)の内周面に周方向に伸びるV溝が形成され、十分な耐圧性が得られなくなるおそれがある。また、筒状部(5)の肉厚の1/2を越えると、筒状部(5)および鏡板(32)の厚さ方向の全体のうち接合される部分の厚さが薄くなり、やはり十分な耐圧性が得られなくなるおそれがある。また、上記肩部の押し付けにより、接合開始時および接合途中に生じることのある軟化部の肉の飛散を防止して良好な接合状態を得ることができるとともに、筒状部(5)および鏡板(32)と上記肩部との摺動によって摩擦熱をさらに発生させてプローブ(42)と筒状部(5)および鏡板(32)との接触部およびその近傍の軟化を促進することができ、しかも接合部の表面へのバリ等の凹凸の発生を防止することができる。
【0080】
ついで、胴(31)および鏡板(32)と摩擦攪拌接合用工具(40)とを相対的に移動させることによって、プローブ(42)を上記突き合わせ部の周方向に移動させる。すると、プローブ(42)の回転により発生する摩擦熱と、筒状部(5)および鏡板(32)と上記肩部との摺動により発生する摩擦熱とによって、上記突き合わせ部の近傍において筒状部(5)および鏡板(32)の母材となる金属は軟化するとともに、この軟化部がプローブ(42)の回転力を受けて攪拌混合され、さらにこの軟化部がプローブ(42)通過溝を埋めるように塑性流動した後、摩擦熱を急速に失って冷却固化するという現象が、プローブ(42)の移動に伴って繰り返されることにより、筒状部(5)と鏡板(32)とが接合されていく。そして、プローブ(42)が上記突き合わせ部の全周にわたって移動して埋入位置に戻ったときに筒状部(5)と鏡板(32)とが全周にわたって接合される。このとき、ビード(34)が形成される。
【0081】
ついで、プローブ(42)が埋入位置に戻った後、あるいは埋入位置を通過した後に、筒状部(5)および鏡板(32)の突き合わせ部に配置した当て部材までプローブ(42)を移動させ、ここでプローブ(42)を引き抜く。また、他方の鏡板(33)も、上記と同様にして筒状部(5)に接合する。こうして、ガスボンベ用ライナ(30)が製造される。
【0082】
ガスボンベ用ライナ(30)を用いての高圧水素ガスボンベ(36)の製造は、ガスボンベ用ライナ(30)の周囲の全体を繊維強化樹脂層(35)で覆うことによって行われる。
【0083】
実施形態6
この実施形態は図9および図10に示すものである。
【0084】
図9において、この実施形態のガスボンベ用ライナ(50)の場合、上記実施形態5における胴(31)を構成する金属筒状体(1)の筒状部(5)の両端部が切除されることにより胴(51)が形成されており、補強部(7)の両端部は筒状部(5)の両端よりも外方に突出している。そして、両鏡板(32)(33)は補強部(7)の両端突出部(7a)に嵌め被せられた状態で金属筒状体(1)に接合されている。その他の構成は上記実施形態5のガスボンベ用ライナ(30)と同じである。
【0085】
ガスボンベ用ライナ(50)は、周囲の全体が、たとえばカーボン繊維強化樹脂などからなる繊維強化樹脂層で覆われ、高圧ガスボンベとして用いられる。
【0086】
ガスボンベ用ライナ(50)は、図10に示す方法で製造される。すなわち、金属筒状体(1)の筒状部(5)の両端部を所定長さにわたって切除し、補強部(7)の両端部を外方に突出させて胴(51)を製造する。ついで、両鏡板(32)(33)を、補強部(7)の両端突出部(7a)に嵌め被せる。その後は、実施形態5の場合と同じ方法により、胴(51)の両端部に鏡板(32)(33)を摩擦攪拌接合する。こうして、ガスボンベ用ライナ(50)が製造される。
【0087】
なお、上記実施形態5および6においては、金属筒状体(1)および鏡板(32)(33)は摩擦攪拌接合されているが、これに限定されるものではなく、その他の適宜な方法、たとえば溶融溶接などの一般的な溶接法により接合されていてもよい。
【0088】
実施形態7
この実施形態は図11〜図13に示すものである。
【0089】
図11において、ガスボンベ用ライナ(60)は、両端が開口した円筒状胴(61)と、胴(61)の両端部に接合されかつ胴(61)の両端開口を閉鎖するアルミニウム製鏡板(32)(33)とよりなる。
【0090】
胴(61)は、両端が開口した横断面円形の筒状であるアルミニウム製胴本体(62)内に、実施形態1の金属筒状体(1)が、その両端部が胴本体(62)の両端よりも外方に突出するように嵌め入れられたものである。金属筒状体(1)における胴本体(62)からの外方突出部を(1a)で示す。
【0091】
胴本体(62)は、短筒状ブランクをフローフォーミングにより軸方向にしごき加工して形成された管や、マンドレル押出管などの継ぎ目無し管からなることがある。また、胴本体(62)は、全長にわたる複数の溶着部により複数の構成部分が互いに溶着されているポートホール押出管や、電縫管などの継ぎ目有り管からなることがある。胴本体(62)は、たとえばJIS A2000系合金、JIS A5000系合金、JIS A6000系合金およびJIS A7000系合金のうちのいずれかにより形成される。
【0092】
ここで、胴本体(62)が継ぎ目有り管からなる場合、金属筒状体(1)の第1溶着部(3A)と胴本体(62)の継ぎ目とは、耐圧性を考慮して周方向にずらされていることが好ましい。
【0093】
両鏡板(32)(33)は、それぞれ金属筒状体(1)の外方突出部(1a)に嵌め被せられて胴本体(62)に当接させられ、胴本体(62)と両鏡板(32)(33)との当接部分において、胴本体(62)、金属筒状体(1)および両鏡板(32)(33)が摩擦攪拌接合されている。接合部のビードを(63)で示す。
【0094】
胴本体(62)、金属筒状体(1)および両鏡板(32)(33)は、すべてが同一のアルミニウム材料からなることがあり、また、胴本体(62)、金属筒状体(1)および両鏡板(32)(33)のうちの少なくとも2つが異なるアルミニウム材料からなることがある。
【0095】
ガスボンベ用ライナ(60)は、周囲の全体が、たとえばカーボン繊維強化樹脂などからなる繊維強化樹脂層で覆われ、高圧ガスボンベとして用いられる。
【0096】
以下、図12および図13を参照して、ガスボンベ用ライナ(60)の製造方法について説明する。
【0097】
まず、両端が開口した筒状胴本体(62)と、胴本体(62)の内周面に密接しうる筒状部(5)を有する胴本体(62)よりも長い金属筒状体(1)と、金属筒状体(1)の端部に嵌め被せうる2つの鏡板(32)(33)とを用意する。一方の鏡板(32)には口金取付部(32a)を形成しておく。
【0098】
ついで、金属筒状体(1)を冷却して収縮させた状態で、その両端部が胴本体(62)の両端よりも外方に突出するように胴本体(62)内に嵌め入れ(図12参照)、両鏡板(32)(33)をそれぞれ金属筒状体(1)の外方突出部(1a)に嵌め被せて胴本体(62)の両端面に両鏡板(32)(33)の端面を当接させる。金属筒状体(1)の温度が上昇して元の状態に膨張すると、金属筒状体(1)と、胴本体(62)および両鏡板(32)(33)とが仮止めされる。
【0099】
ついで、摩擦攪拌接合用工具(40)を回転させながら、胴本体(62)と一方の鏡板(32)との突き合わせ部における周方向の1個所に、プローブ(42)を、その先端部が金属筒状体(1)の筒状部(5)に至るまで埋入する。このとき、工具(40)における小径部(41a)とプローブ(42)との間の肩部を、胴本体(62)および鏡板(32)に押し付ける(図13参照)。
【0100】
ついで、胴本体(62)、金属筒状体(1)および鏡板(32)と摩擦攪拌接合用工具(40)とを相対的に移動させることによって、プローブ(42)を上記突き合わせ部の周方向に移動させる。すると、プローブ(42)の回転により発生する摩擦熱と、胴本体(62)および鏡板(32)と上記肩部との摺動により発生する摩擦熱とによって、上記突き合わせ部の近傍(図13に鎖線Aで示す部分)において胴本体(62)、金属筒状体(1)の筒状部(5)および鏡板(32)は軟化するとともに、この軟化部がプローブ(42)の回転力を受けて攪拌混合され、さらにこの軟化部がプローブ(42)通過溝を埋めるように塑性流動した後、摩擦熱を急速に失って冷却固化するという現象が、プローブ(42)の移動に伴って繰り返されることにより、胴本体(62)と金属筒状体(1)の筒状部(5)と鏡板(32)とが接合されていく。そして、プローブ(42)が上記突き合わせ部の全周にわたって移動して埋入位置に戻ったときに胴本体(62)と金属筒状体(1)の筒状部(5)と鏡板(32)とが全周にわたって接合される。
【0101】
ついで、プローブ(42)が埋入位置に戻った後、あるいは埋入位置を通過した後に、上記突き合わせ部に配置した当て部材までプローブ(42)を移動させ、ここでプローブ(42)を引き抜く。また、他方の鏡板(33)も、上記と同様にして胴本体(62)および金属筒状体(1)の筒状部(5)に摩擦攪拌接合する。こうして、ガスボンベ用ライナ(60)が製造される。
【0102】
上述した摩擦攪拌接合の際に、金属筒状体(1)の働きにより、胴本体(62)および両鏡板(32)(33)の内側への変形が防止される。
【0103】
実施形態8
この実施形態は図14に示すものである。
【0104】
図14において、この実施形態のガスボンベ用ライナ(70)の場合、両端が開口した円筒状胴(61)と、胴(61)の一端部に接合されかつ胴(61)の一端開口を閉鎖するアルミニウム製鏡板(32)と、胴(61)を構成する胴本体(71)の他端に一体に形成されかつ胴(61)の他端開口を閉鎖する鏡板部(72)とよりなる。鏡板部(72)内へは金属筒状体(1)は入り込んでいない。胴本体(71)は、カップ状ブランクにしごき加工を施すことにより形成されている。その他の構成は実施形態7のガスボンベ用ライナ(60)と同様である。胴本体(71)、金属筒状体(1)および鏡板(33)を形成する材料についても、実施形態7のガスボンベ用ライナ(60)と同様である。
【0105】
ガスボンベ用ライナ(70)は、周囲の全体が、たとえばカーボン繊維強化樹脂などからなる繊維強化樹脂層で覆われ、高圧ガスボンベとして用いられる。
【0106】
ガスボンベ用ライナ(70)は、以下に述べる方法で製造される。
【0107】
まず、カップ状ブランクにしごき加工を施すことにより、端部に鏡板部(72)が一体に形成された胴本体(71)をつくる。また、胴本体(71)の内周面に密接しうる筒状部(5)を有する胴本体(71)よりも長い金属筒状体(1)と、金属筒状体(1)の端部に嵌め被せうる1つの鏡板(32)とを用意する。
【0108】
ついで、金属筒状体(1)を冷却して収縮させた状態で、その一端部が胴本体(71)の開口端よりも外方に突出するように、鏡板部(72)が形成されていない側の開口から胴本体(71)内に嵌め入れ、鏡板(32)を金属筒状体(1)の外方突出部(1a)に嵌め被せて胴本体(71)の端面に鏡板(32)の端面を当接させる。金属筒状体(1)の温度が上昇して元の状態に膨張すると、金属筒状体(1)と、胴本体(71)および鏡板(32)とが仮止めされる。
【0109】
その後、実施形態7の場合と同様にして、胴本体(71)、金属筒状体(1)および鏡板(32)を摩擦攪拌接合する。こうして、ガスボンベ用ライナ(70)が製造される。
【0110】
上述した摩擦攪拌接合の際に、金属筒状体(1)の働きにより、胴本体(71)および鏡板(32)の内側への変形が防止される。
【0111】
実施形態9
この実施形態は図15に示すものである。
【0112】
図15において、この実施形態のガスボンベ用ライナ(80)の場合、胴(61)を構成する胴本体(81)の一端に口金取付部(82a)を有する鏡板部(82)が一体に形成され、これにより胴(61)の一端開口は閉鎖されている。鏡板部(82)内へは金属筒状体(1)は入り込んでいない。その他の構成は実施形態7のガスボンベ用ライナ(60)と同様である。胴本体(81)、金属筒状体(1)および鏡板(33)を形成する材料についても、実施形態7のガスボンベ用ライナ(60)と同様である。
【0113】
ガスボンベ用ライナ(80)は、周囲の全体が、たとえばカーボン繊維強化樹脂などからなる繊維強化樹脂層で覆われ、高圧ガスボンベとして用いられる。
【0114】
ガスボンベ用ライナ(80)は、以下に述べる方法で製造される。
【0115】
短筒状ブランクをフローフォーミングにより軸方向にしごき加工して形成された管や、マンドレル押出管などの継ぎ目無し管の一端部にスピニング加工、プレス加工、あるいは鍛造により口金取付部(82a)を有する鏡板部(82)を一体に形成することにより胴本体(81)をつくる。
【0116】
そして、鏡板部(82)が形成されていない側の開口から胴本体(81)内に金属筒状体(1)を嵌め入れることを除いては、実施形態8の場合と同様にしてガスボンベ用ライナ(80)が製造される。
【0117】
上記実施形態6〜9のガスボンベ用ライナ(50)(60)(70)(80)を用いての高圧水素ガスボンベの製造は、ガスボンベ用ライナ(50)(60)(70)(80)の周囲の全体を繊維強化樹脂層で覆うことによって行われる。
【0118】
なお、上記実施形態7〜9においては、胴本体(62)(71)(81)、金属筒状体(1)および鏡板(32)(33)は摩擦攪拌接合されているが、これに限定されるものではなく、その他の適宜な方法、たとえば溶融溶接などの一般的な溶接法により接合されていてもよい。
【0119】
上記実施形態5〜9のガスボンベ用ライナ(30)(50)(60)(70)(80)を有する高圧ガスボンベは、燃料水素ガスボンベ、燃料電池、および燃料水素ガスボンベから燃料電池に燃料水素ガスを送る圧力配管を備えた燃料電池システムにおける燃料水素ガスボンベとして用いられる。燃料電池システムは、燃料電池自動車に搭載される。また、燃料電池システムはコージェネレーションシステムにも用いられる。
【0120】
また、高圧ガスボンベは、天然ガスボンベおよび天然ガスボンベから天然ガスを送り出す圧力配管を備えた天然ガス供給システムにおける天然ガスボンベとして用いられる。天然ガス供給システムは、発電機および発電機駆動装置とともにコージェネレーションシステムに用いられる。また、天然ガス供給システムは、天然ガスを燃料とするエンジンを備えている天然ガス自動車に用いられる。
【0121】
さらに、高圧ガスボンベは、酸素ガスボンベおよび酸素ガスボンベから酸素ガスを送り出す圧力配管を備えた酸素ガス供給システムにおける酸素ガスボンベとして用いられる。
【0122】
上記実施形態5〜9のガスボンベ用ライナにおいて、金属筒状体(1)として、実施形態2〜4のもの、あるいは他の横断面形状のものを用いることができる。金属筒状体(1)の筒状部(5)の横断面形状が楕円形やその他の異形の場合には、その形状に合わせて鏡板や胴本体などの他の部材の形状も適宜変更される。
【0123】
【発明の効果】
上記1)〜3)の金属筒状体によれば、ポートホール押出管のすべての溶着部のうち、横断面において、一端が筒状部の外周面に露出した溶着部の他端が、補強部により仕切られた内部空間に露出しておらず、しかも筒状部内を複数の空間に仕切る補強部を有するので、金属筒状体の耐圧性が優れたものになり、たとえば高圧ガスを流す圧力配管などの耐圧管に用いたとしても、溶着部での破壊が防止される。また、ポートホール押出管からなるので、偏肉が生じることはなく、しかも長尺、大型化を図ることができる。さらに、補強部を有する複雑な横断面形状のものを簡単に得ることができる。
【0124】
上記4)の金属筒状体によれば、耐圧性が一層向上する。
【0125】
上記12)のガスボンベ用ライナによれば、胴の耐圧性が優れたものになり、溶着部での破壊が防止される。また、胴がポートホール押出管よりなるので、偏肉が生じることはなく、しかも長尺、大型化を図ることができる。さらに、複雑な横断面形状のものを簡単に得ることができる。
【0126】
上記13)のガスボンベ用ライナによれば、金属筒状体の筒状部および鏡板が補強部により内側から支えられるので、接合時の作業性が向上し、しかも摩擦攪拌接合による接合時には、筒状部および鏡板の内側への変形が防止される。
【0127】
上記14)のガスボンベ用ライナによれば、胴を構成する金属筒状体と鏡板とが摩擦攪拌接合されているので、比較的簡単かつ確実にこれらを外側から接合することができる。また、摩擦攪拌接合部は軟化することがないので、高圧ガスを封入した際にも接合部の破壊が防止される。また、接合部の組織が微細化されるので、たとえば水素ガスボンベに用いた場合にも水素脆化が抑制される。さらに、ガスボンベ用ライナの内面に溶融スパッタやヒュームが残留することはないので、自動車、住宅、輸送機械等において、水素ガスや天然ガスを燃料とする発電システムに損傷を与えることが防止される。
【0128】
上記15)および16)のガスボンベ用ライナの製造方法によれば、上記13)および14)のガスボンベ用ライナを比較的簡単に製造することができる。また、金属筒状体の筒状部および鏡板が補強部により内側から支えられるので、接合時の作業性が向上し、しかも摩擦攪拌接合による接合時には、筒状部および鏡板の内側への変形が防止される。
【0129】
上記17)および18)のガスボンベ用ライナによれば、胴は、胴本体および金属筒状体の筒状部との2重構造であり、しかも筒状部にその内部を複数の空間に仕切る複数の補強部が一体に形成されているので、従来のガスボンベ用ライナに比べて耐圧性が向上する。また、胴本体と鏡板との当接部分において、胴本体、金属筒状体および鏡板が接合されているので、接合部の耐圧性も十分なものになる。さらに、鏡板が金属筒状体における胴本体から突出した外方突出部に嵌め被せられて、胴本体および補強部材に接合されているので、接合作業時の作業性が向上する。
【0130】
上記19)のガスボンベ用ライナによれば、胴本体、金属筒状体および鏡板とが摩擦攪拌接合されているので、比較的簡単かつ確実にこれらを外側から接合することができる。また、摩擦攪拌接合部は軟化することがないので、高圧ガスを封入した際にも接合部の破壊が防止される。また、接合部の組織が微細化されるので、たとえば水素ガスボンベに用いた場合にも水素脆化が抑制される。さらに、ガスボンベ用ライナの内面に溶融スパッタやヒュームが残留することはないので、自動車、住宅、輸送機械等において、水素ガスや天然ガスを燃料とする発電システムに損傷を与えることが防止される。さらに、接合作業時には、胴本体および鏡板が金属筒状体により内側から支持されるので、胴本体および鏡板の変形が防止される。
上記21)のガスボンベ用ライナによれば、金属筒状体の位置決めを確実に行うことができるとともに、金属筒状体と胴本体との密着性を高めて耐圧性を向上させることができる。金属筒状体と胴本体との間に隙間があれば、金属筒状体は、内圧が高まった場合に膨らむとともに低くなった場合に収縮し、このような脈動を繰り返すことにより、疲労破壊を起こすおそれがある。
【0131】
上記24)および25)のガスボンベ用ライナの製造方法によれば、上記17)および18)のガスボンベ用ライナを比較的簡単に製造することができる。
【0132】
上記26)のガスボンベ用ライナの製造方法によれば、上記21)のガスボンベ用ライナと同様な効果を奏する。
【0133】
上記27)のガスボンベ用ライナの製造方法によれば、胴本体、金属筒状体および鏡板を、外側から比較的簡単かつ確実に接合することができる。また、摩擦攪拌接合部は軟化することがないので、高圧ガスを封入した際にも接合部の破壊が防止される。また、接合部の組織が微細化されるので、たとえば水素ガスボンベに用いた場合にも水素脆化が抑制される。さらに、ガスボンベ用ライナの内面に溶融スパッタやヒュームが残留することはないので、自動車、住宅、輸送機械等において、水素ガスや天然ガスを燃料とする発電システムに損傷を与えることが防止される。さらに、接合作業時には、胴本体および鏡板が金属筒状体により内側から支持されるので、胴本体および鏡板の変形が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態1の金属筒状体を示す横断面図である。
【図2】この発明の実施形態2の金属筒状体を示す横断面図である。
【図3】この発明の実施形態3の金属筒状体を示す横断面図である。
【図4】この発明の実施形態4の金属筒状体を示す横断面図である。
【図5】この発明の実施形態5のガスボンベ用ライナを示す斜視図である。
【図6】図5のガスボンベ用ライナを用いた高圧ガスボンベを示す縦断面図である。
【図7】図5のガスボンベ用ライナを製造する方法を示す斜視図である。
【図8】図5のガスボンベ用ライナを製造する方法を示す部分拡大縦断面図である。
【図9】この発明の実施形態6のガスボンベ用ライナを示す斜視図である。
【図10】図9のガスボンベ用ライナを製造する方法を示す斜視図である。
【図11】この発明の実施形態7のガスボンベ用ライナを示す斜視図である。
【図12】図11のガスボンベ用ライナを製造する方法を示す斜視図である。
【図13】図11のガスボンベ用ライナを製造する方法を示す部分拡大縦断面図である。
【図14】この発明の実施形態8のガスボンベ用ライナを示す斜視図である。
【図15】この発明の実施形態9のガスボンベ用ライナを示す斜視図である。
【符号の説明】
(1)(10)(15)(25):金属筒状体
(1a):外方突出部
(3A)(23A):第1溶着部
(3B)(23B):第2溶着部
(3C)(23C):第3溶着部
(4A)(22A):第1管構成部分
(4B)(22B):第2管構成部分
(5):筒状部
(6)(18)(19):空間
(7)(17):補強部
(7a):外方突出部
(8)(21):補強壁
(20):内筒状部
(30)(50)(60)(70)(80):ガスボンベ用ライナ
(31)(61):胴
(32)(33):鏡板
(40):摩擦攪拌接合用工具
(42):プローブ
(62)(71)(81):胴本体
(72)(82):鏡板部
(82a):口金取付部
Claims (34)
- 両端が開口した筒状部および筒状部に全長にわたって一体に形成されかつ筒状部内を両端が開口した複数の空間に仕切る補強部からなるポートホール押出管により構成されており、ポートホール押出管が、全長にわたる複数の溶着部により複数の管構成部分が互いに溶着されることによって形成され、横断面において、一端が筒状部の外周面に露出した溶着部の他端が、補強部により仕切られた筒状部の内部空間に露出していない金属筒状体。
- ポートホール押出管の補強部が、筒状部の内周面から中心線に向かって内方に伸びかつ筒状部の中心線上で相互に一体化された複数の補強壁を備えており、筒状部外周面における補強壁の厚さ方向の中間部と対応する部分から補強壁の幅方向の中間部に至る第1の溶着部と、第1溶着部に連なって筒状部の中心線まで伸びる第2の溶着部と、第1溶着部と第2溶着部との連接部から補強壁の両側面に伸びる第3の溶着部とを有している請求項1記載の金属筒状体。
- ポートホール押出管の補強部が、筒状部と同心状に形成された内筒状部と、筒状部の中心線から放射状に伸びる複数の面上に位置しかつ筒状部と内筒状部とを連結する複数の補強壁とを備えており、筒状部外周面における補強壁の厚さ方向の中間部と対応する部分から補強壁の幅方向の中間部に至る第1の溶着部と、第1溶着部に連なって内筒状部の内周面まで伸びる第2の溶着部と、第1溶着部と第2溶着部との連接部から補強壁の両側面に伸びる第3の溶着部とを有している請求項1記載の金属筒状体。
- 補強壁が、筒状部の中心線の周りに等角度間隔で形成されている請求項2または3記載の金属筒状体。
- 燃料水素ガスボンベ、燃料電池、および燃料水素ガスボンベから燃料電池に燃料水素ガスを送る圧力配管を備えており、圧力配管が請求項1〜4のうちのいずれかに記載された金属筒状体よりなる燃料電池システム。
- 請求項5記載の燃料電池システムを搭載した燃料電池自動車。
- 請求項5記載の燃料電池システムを備えたコージェネレーションシステム。
- 天然ガスボンベおよび天然ガスボンベから天然ガスを送り出す圧力配管を備えており、圧力配管が請求項1〜4のうちのいずれかに記載された金属筒状体よりなる天然ガス供給システム。
- 請求項8記載の天然ガス供給システムと、発電機と、発電機駆動装置を備えており、圧力配管が天然ガスボンベから発電機駆動装置に天然ガスを送るようになっているコージェネレーションシステム。
- 請求項8記載の天然ガス供給システムと、天然ガスを燃料とするエンジンとを備えており、圧力配管が天然ガスボンベからエンジンに天然ガスを送るようになっている天然ガス自動車。
- 酸素ガスボンベおよび酸素ガスボンベから酸素ガスを送り出す圧力配管を備えており、圧力配管が請求項1〜4のうちのいずれかに記載された金属筒状体よりなる酸素ガス供給システム。
- 請求項1〜4のうちのいずれかに記載の金属筒状体からなる胴と、胴の両端部に接合されかつ胴の両端開口を閉鎖する鏡板とよりなるガスボンベ用ライナ。
- 胴を構成する金属筒状体の補強部の両端部が筒状部よりも外方に突出しており、鏡板がこの突出部に嵌め被された状態で筒状部および補強部に接合されている請求項12記載のガスボンベ用ライナ。
- 鏡板が胴に摩擦攪拌接合されている請求項12または13記載のガスボンベ用ライナ。
- 請求項1〜4のうちのいずれかに記載の金属筒状体の筒状部の両端部を切除することにより、補強部の両端部を筒状部よりも外方に突出させて胴を形成し、鏡板を補強部の突出部に嵌め被せて筒状部に接合するガスボンベ用ライナの製造方法。
- 胴を構成する金属筒状体の筒状部の端部に鏡板を突き合わせ、ついで筒状部と鏡板との突き合わせ部に、両者に跨るように摩擦攪拌接合用工具のプローブを埋入した後、金属筒状体および鏡板とプローブとを相対的に移動させることによって、プローブを上記突き合わせ部の全周にわたって移動させて筒状部と鏡板とを摩擦攪拌接合する請求項15記載のガスボンベ用ライナの製造方法。
- 両端が開口した胴と、胴の両端部に接合されかつ胴の両端開口を閉鎖する鏡板とにより形成され、胴が、両端が開口した筒状胴本体内に、請求項1〜4のうちのいずれかに記載の金属筒状体を、両端部が胴本体の両端よりも外方に突出するように嵌め入れることにより構成され、両鏡板がそれぞれ金属筒状体の外方突出部に嵌め被せられ、胴本体と鏡板との当接部分において、胴本体、金属筒状体および鏡板が接合されているガスボンベ用ライナ。
- 両端が開口した胴と、胴の一端部に接合されて胴の一端開口を閉鎖する鏡板と、胴の他端部に一体に形成されて胴の他端開口を閉鎖する鏡板部とにより形成され、胴が、一端が開口するとともに他端が一体に形成された鏡板部により閉鎖された筒状胴本体内に、請求項1〜4のうちのいずれかに記載の金属筒状体を、一端部が胴本体の一端よりも外方に突出するように嵌め入れることにより構成され、鏡板が金属筒状体の外方突出部に嵌め被せられ、胴本体と鏡板との当接部分において、胴本体、金属筒状体および鏡板が接合されているガスボンベ用ライナ。
- 胴本体、金属筒状体および鏡板が摩擦攪拌接合されている請求項17または18記載のガスボンベ用ライナ。
- 胴本体が継ぎ目無し管または継ぎ目有り管からなる請求項17〜19のうちのいずれかに記載のガスボンベ用ライナ。
- 金属筒状体が、胴本体内に冷やしばめされている請求項17〜21のうちのいずれかに記載のガスボンベ用ライナ。
- 胴本体、金属筒状体および鏡板が、同一のアルミニウム材料からなる請求項17〜21のうちのいずれかに記載のガスボンベ用ライナ。
- 胴本体、金属筒状体および鏡板のうちの少なくとも2つが、異なるアルミニウム材料からなる請求項17〜21のうちのいずれかに記載のガスボンベ用ライナ。
- 請求項17記載のガスボンベ用ライナを製造する方法であって、
両端が開口した筒状胴本体と、請求項1〜4のうちのいずれかに記載の金属筒状体と、金属筒状体の端部に嵌め被せうる2つの鏡板とを用意し、金属筒状体を、両端部が胴本体の両端よりも外方に突出するように胴本体内に嵌め入れ、両鏡板をそれぞれ金属筒状体の外方突出部に嵌め被せ、胴本体と鏡板との当接部分において、胴本体、金属筒状体および鏡板を外側から接合するガスボンベ用ライナの製造方法。 - 請求項18記載のガスボンベ用ライナを製造する方法であって、
一端が開口するとともに他端が一体に形成された鏡板部により閉鎖された筒状胴本体と、請求項1〜4のうちのいずれかに記載の金属筒状体と、金属筒状体の端部に嵌め被せうる1つの鏡板とを用意し、金属筒状体を、一端部が胴本体の開口端よりも外方に突出するように胴本体内に嵌め入れ、鏡板を金属筒状体の外方突出部に嵌め被せ、胴本体と鏡板との当接部分において、胴本体、金属筒状体および鏡板を外側から接合するガスボンベ用ライナの製造方法。 - 金属筒状体を胴本体内に冷やしばめする請求項24または25記載のガスボンベ用ライナの製造方法。
- 胴本体と鏡板との当接部分に、両者に跨りかつ先端部が金属筒状体の筒状部に至るように摩擦攪拌接合用工具のプローブを埋入した後、胴本体、金属筒状体および鏡板とプローブとを相対的に移動させることによって、プローブを上記当接部分の全周にわたって移動させ、胴本体、金属筒状体および鏡板を摩擦攪拌接合する請求項24〜26のうちのいずれかに記載のガスボンベ用ライナの製造方法。
- 燃料水素ガスボンベ、燃料電池、および燃料水素ガスボンベから燃料電池に燃料水素ガスを送る圧力配管を備えており、燃料水素ガスボンベが請求項12〜14および17〜23のうちのいずれかに記載されたガスボンベ用ライナを有している燃料電池システム。
- 請求項28記載の燃料電池システムを搭載した燃料電池自動車。
- 請求項28記載の燃料電池システムを備えたコージェネレーションシステム。
- 天然ガスボンベおよび天然ガスボンベから天然ガスを送り出す圧力配管を備えており、天然ガスボンベが請求項12〜14および17〜23のうちのいずれかに記載されたガスボンベ用ライナを有している天然ガス供給システム。
- 請求項31記載の天然ガス供給システムと、発電機と、発電機駆動装置を備えているコージェネレーションシステム。
- 請求項31記載の天然ガス供給システムと、天然ガスを燃料とするエンジンとを備えている天然ガス自動車。
- 酸素ガスボンベおよび酸素ガスボンベから酸素ガスを送り出す圧力配管を備えており、酸素ガスボンベが請求項12〜14および17〜23のうちのいずれかに記載されたガスボンベ用ライナを有している酸素ガス供給システム。
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