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JP2004343877A - 回転電機のコイル - Google Patents

回転電機のコイル Download PDF

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JP2004343877A
JP2004343877A JP2003136756A JP2003136756A JP2004343877A JP 2004343877 A JP2004343877 A JP 2004343877A JP 2003136756 A JP2003136756 A JP 2003136756A JP 2003136756 A JP2003136756 A JP 2003136756A JP 2004343877 A JP2004343877 A JP 2004343877A
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JP
Japan
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coil
iron core
insulator
electric machine
wire
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JP2003136756A
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English (en)
Inventor
Norio Yamaguchi
憲隆 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

【課題】回転電機のコイルの導線を簡単な構造で効率的に冷却できるようにする。
【解決手段】回転電機のコイル11は、鉄心12の周囲を覆うインシュレータ13の巻回部15a,16aに平角線14を複数層に重ねて巻回してなり、インシュレータ13の巻回部15a,16aと平角線14との間に形成された隙間19に、インシュレータ13の溝15e,15f,15gと鉄心12との間に形成された流路を通してワニス20が充填される。平角線14の熱がワニス20およびインシュレータ13を介して鉄心12に伝達されることで、その放熱を効果的に行わせて平角線14を冷却することができる。しかも冷媒やそれを循環させるポンプ等が不要になるので、コストダウンに寄与することができる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄心の周囲を覆う絶縁部材の巻回部に導線を複数層に重ねて巻回した回転電機のコイルに関する。
【0002】
【従来の技術】
回転電機を運転するとコイルの導線が発熱して温度上昇するが、その導線を充分に冷却しないと回転電機の出力の低下や導線の耐久性の低下が発生することが知られている。特に、鉄心を覆う絶縁部材の四角形断面の巻回部に導線を巻回したとき、導線を正確な四角形に巻回することは困難であり、導線が四角形の頂点部だけに接触して直線部から浮き上がってしまい、そこに隙間が発生することが避けられなかった。そのため、前記隙間が断熱空間として機能することで、導線の熱が絶縁部材を介して鉄心に伝達され難くなり、導線の冷却性が一層低下する問題があった。
【0003】
そこで、回転電機に冷却手段を設けてコイルの冷却を図るものが、下記特許文献により公知である。この回転電機は、アウターコア(ステータ)にコイルの一端を固定して中性点を形成する中性点用ブスバーの内部を中空にして冷却通路を構成し、この冷却通路に絶縁オイルを流通させることでコイルを冷却するようになっている。
【0004】
【特許文献】
特開2000−197311号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来のものは、冷却通路に絶縁オイルを流通させるためにオイルタンクやオイルポンプを必要とするため、回転電機が大型化したりコストが上昇したりする問題がある。またアウターコア(ステータ)およびインナーコア(ロータ)の両方が回転するタイプの回転電機では前記オイルタンクやオイルポンプを廃止することができるが、このような回転電機は一般的でないために用途が制限されてしまう問題がある。
【0006】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、回転電機のコイルの導線を簡単な構造で効率的に冷却できるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、鉄心の周囲を覆う絶縁部材の巻回部に導線を複数層に重ねて巻回した回転電機のコイルにおいて、絶縁部材の巻回部と導線との間に形成された隙間に、絶縁部材に形成した流路を通して熱伝導性部材を充填したことを特徴とする回転電機のコイルが提案される。
【0008】
上記構成によれば、鉄心の周囲を覆う絶縁部材の巻回部と、そこに巻回された導線との間に形成された隙間に、絶縁部材に形成した流路を通して熱伝導性部材を充填したので、導線の熱を熱伝導性部材および絶縁部材を介して鉄心に伝達することで、その放熱を効果的に行わせて導線を冷却することができる。しかも冷媒やそれを循環させるポンプ等が不要になるので、コストダウンに寄与することができる。
【0009】
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記流路を、絶縁部材に形成した溝と鉄心の表面との間に形成したことを特徴とする回転電機のコイルが提案される。
【0010】
上記構成によれば、隙間に熱伝導性部材を充填するための流路を絶縁部材に形成した溝と鉄心の表面との間に形成したので、流路を簡単に形成することができる。
【0011】
尚、実施例のインシュレータ13は本発明の絶縁部材に対応し、実施例の平角線14は本発明の導線に対応し、実施例の第1〜第3溝15e,15f,15gは本発明の溝に対応し、実施例のワニス20は本発明の熱伝導性部材に対応する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0013】
図1〜図6は本発明の一実施例を示すもので、図1は発電電動機のステータの部分正面図、図2は図1の2方向矢視図、図3は図2の3−3線断面図、図4は図2の4方向矢視図、図5はコイルの分解斜視図、図6は発電電動機の各部の温度分布を示すグラフである。
【0014】
図1、図2および図4に示すように、ハイブリッド車両の走行用駆動源として用いられる発電電動機の環状をなすステータ10は、同一構造を有する複数個(実施例では24個)のコイル11…を円周方向に結合してなり、図1には24個のコイル11…のうちの5個が示される。各々のコイル11は、多数の鋼板を積層した鉄心12の外周を絶縁部材としての合成樹脂製のインシュレータ13で覆い、そのインシュレータ13に導線としての平角線14を複数層に巻回してなる。鉄心12の径方向の外端部は、その円周方向の両端部に凸部12aおよび凹部12bを備えており、それらの凸部12aおよび凹部12bが交互に嵌合することで円周方向に結合される。
【0015】
図5に示すように、インシュレータ13は鉄心12の外周に嵌合可能なように第1半体15および第2半体16に2分割されており、組み立てられた第1、第2半体15,16は、平角線14が巻回される長方形断面の巻回部15a,16aと、巻回部15a,16aの径方向外側に連なる概略コ字状の外側フランジ部15b,16bと、巻回部15a,16aの径方向内側に連なる概略コ字状の内側フランジ部15c,16cとを備える。インシュレータ13の第2半体16の内側フランジ部16cには平角線14の巻き始め部分を平角線ホルダ17と協働して係止する2個の切欠16d,16dが形成され、外側フランジ部16bには平角線14の巻き終わり部分を平角線ホルダ18と協働して係止する1個の切欠16eが形成される。
【0016】
図3および図5から明らかなように、インシュレータ13の第1半体15が鉄心12に接する内面に、内側フランジ部15cに開口する流入口15dと、この流入口15dから径方向外向きに延びる第1溝15eと、この第1溝15eの端部から円周方向両側に延びる2本の第2溝15f,15fと、これらの第2溝15f,15fの端部から軸方向に延びる2本の第3溝15g,15gと、これらの第3溝15g,15gの端部を巻回部15aの外面に連通させる2個の流出口15h,15hとが形成される。
【0017】
鉄心12を覆うようにインシュレータ13を装着すると、第1半体15の第1溝15e、第2溝15f,15f、第3溝15g,15gと鉄心12の表面との間に流路が形成される。これらの第1溝15e、第2溝15f,15fおよび第3溝15g,15gは第1半体15を金型成形する際に一体に形成されるため、特別の機械加工を必要とせずに前記流路を容易に構成することができる。
【0018】
図3に示すように、インシュレータ13の巻回部15a,16aに平角線14を巻回すると、平角線14が巻回部15a,16aに完全に密着しないため、巻回部15a,16aと最内層の平角線14との間に隙間19,19が発生する。そこで、インシュレータ13の第1半体15の流入口15dから熱伝導性部材としてのワニス20を注入し、そのワニス20を第1半体15の第1溝15e、第2溝15f,15f、第3溝15g,15gおよび流出口15h,15hを経て前記隙間19,19に充填する。
【0019】
このようにして巻回部15a,16aと最内層の平角線14との間の隙間19,19にワニス20が充填されると、隙間19,19が断熱空間として機能しなくなるため、平角線14の熱がワニス20およびインシュレータ13を経て鉄心12に効率的に伝達されるようになり、平角線14の放熱性を高めて冷却効果を高めることができる。特に、液体のワニス20は前記隙間19,19に隈なく行き渡るので熱伝達効率が高まるだけでなく、インシュレータ13に対する平角線14の密着性を高めることができる。
【0020】
図6のグラフは、平角線14の表面と、鉄心12およびインシュレータ13と、発電電動機のハウジングの表面と、発電電動機を支持するテストベンチとの温度分布を、隙間19,19にワニス20を充填したものと、しないもの(ノーマル)とについて示すものである。
【0021】
ワニス20を充填したものは、しないものに比べて、平角線14の表面の温度が約7℃低下し、ハウジングの表面の温度が約6℃低下しており、特に平角線14の表面の温度低下により発電電動機の性能向上およびコイル11…の耐久性向上を図ることができる。発電電動機を3000rpmで連続運転して性能を比較した結果、ワニス20を充填したものは出力が4.1kW、トルクが13Nmであるのに対し、ワニス20を充填しないものは出力が3.5kW、トルクが11Nmであり、ワニス20の充填による性能向上が確認された。
【0022】
このように、インシュレータ13の巻回部15a,16aと最内層の平角線14との間の隙間19,19にワニス20を充填するだけで簡単な構造で平角線14を効果的に冷却することができるの、冷媒やそれを循環させるポンプ等が不要になってコストダウンに寄与することができる。
【0023】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0024】
例えば、本発明のコイル11は、ハイブリッド車両の発電電動機以外の任意の回転電機に対して適用することができ、しかもステータコイルに限定されずにロータコイルにも適用することができる。
【0025】
また導線は実施例の平角線14に限定されず、丸線等の他の導線を使用することができる。
【0026】
また熱伝導性部材は実施例のワニス20に限定されず、シリコン樹脂やグリス等を採用することができる。これらの熱伝導性部材は隙間19,19への注入後にも液体の状態に保持されても良いし固化させても良いが、回転するロータコイルに適用する場合には、漏れを防止するために固化させることが望ましい。ただし、液体の状態に保持される場合には、流入口15dを塞ぐ等の対応が必要である。
【0027】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、鉄心の周囲を覆う絶縁部材の巻回部と、そこに巻回された導線との間に形成された隙間に、絶縁部材に形成した流路を通して熱伝導性部材を充填したので、導線の熱を熱伝導性部材および絶縁部材を介して鉄心に伝達することで、その放熱を効果的に行わせて導線を冷却することができる。しかも冷媒やそれを循環させるポンプ等が不要になるので、コストダウンに寄与することができる。
【0028】
また請求項2に記載された発明によれば、隙間に熱伝導性部材を充填するための流路を絶縁部材に形成した溝と鉄心の表面との間に形成したので、流路を簡単に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発電電動機のステータの部分正面図
【図2】図1の2方向矢視図
【図3】図2の3−3線断面図
【図4】図2の4方向矢視図
【図5】コイルの分解斜視図
【図6】発電電動機の各部の温度分布を示すグラフ
【符号の説明】
12 鉄心
13 インシュレータ(絶縁部材)
14 平角線(導線)
15a 巻回部
15e 第1溝(溝)
15f 第2溝(溝)
15g 第3溝(溝)
16a 巻回部
19 隙間
20 ワニス(熱伝導性部材)

Claims (2)

  1. 鉄心(12)の周囲を覆う絶縁部材(13)の巻回部(15a,16a)に導線(14)を複数層に重ねて巻回した回転電機のコイルにおいて、
    絶縁部材(13)の巻回部(15a,16a)と導線(14)との間に形成された隙間(19)に、絶縁部材(13)に形成した流路を通して熱伝導性部材(20)を充填したことを特徴とする回転電機のコイル。
  2. 前記流路を、絶縁部材(13)に形成した溝(15e,15f,15g)と鉄心(12)の表面との間に形成したことを特徴とする、請求項1に記載の回転電機のコイル。
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