【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明フィルム等のプラスチックシートに微細な多数の孔をパターン状に開け、この部分において生じる光の散乱によって文字等のパターンを現出させると共に、必要に応じてこの現出していたパターンを消失できるようにし、真偽判定を行えるようにした偽造防止媒体およびこの偽造防止媒体を用いた偽造防止シールに係り、特にその孔の部分に水等の液体を塗布することで、それまで見えていたパターンを消失せしめることを可能とし、簡単に真偽の判定ができ、かつ偽造・改ざん・変造を困難とする偽造防止媒体および偽造防止シールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真技術を利用した複写機が普及し、これを利用すると誰でも簡単に紙等に印刷された文字や画像等を複写することが出来るようになった。特に、最近のカラーデジタル複写機によれば、本物か複写物かの見分けが極めて困難な複写物さえ容易に作成することが出来るようになった。
【0003】
係るカラー複写は便利である反面、これを悪用して株券、債券、約束手形、小切手等の有価証券や、入場券、搭乗券、各種証明書、保証書、懸賞用に使用されているシール等を複写し、不正に使用するという問題を増加させている。このため、容易に複写が出来ないようにこれらの有価証券や証明書等に偽造防止対策を施す提案が種々なされている。
【0004】
例えば、カラー複写によって得られる複写物の色が原稿の色と異なるように再生されるようにした技術が提案されている。つまり、原稿とされ得る有価証券等を非常に淡い色で着色すると、複写物では淡い色の部分が正確に再現できないことを利用した技術である。また、原稿に大きさの異なる網点を形成しておくことより、もし複写しても小さい網点の再現性が悪化し、精巧な複写が出来ないようにした技術もある。また、カラー複写機には無い色である、例えば緑、紫、橙、金、銀等で印刷することで複写物の色の再現性を悪化させることを利用した技術もある。また、電磁波のうち人間の視認度が低い波長領域、例えば380nm〜450nmおよび650nm〜780nm当たりの波長域に特定の反射特性を有する2種類のインキを用いてパターンを形成することで、目視による観察では同色に認識されるが、カラー複写機による複写物上では異なる色に再現されるようにした技術もある。
【0005】
しかし、カラー複写機では、3色に分解されてメモリに格納されたデジタルデータを変更することによって、出力する色を補正することが可能である。また、カラー複写機と同様の原理を利用してカラースキャナーで読み込んだデジタルデータをコンピュータで補正し、カラープリンターまたはカラー複写機で出力するようなデジタルプレスも普及しつつある。従って、現在では多少の手間をかければ、原稿の色を精巧に再現することが可能になってきており、上記のような技術では偽造を完全に防止することは非常に困難になってきている。
【0006】
また、カラー複写機では再現不可能な特殊部分を有価証券等に設けておく技術も提案されている。このうち、ホログラム箔などのOVD箔を有価証券等の表面上に設ける技術はすでに実用化されている。これによれば、ホログラムの銀面が光を鏡面反射するため、カラー複写機のCCDラインセンサに反射光が入射せず、原稿で銀面だった部分が複写物では黒色に再現される。また、屈折率の異なるセラミックを適当な膜厚を持つ複数層に積層すると、見る角度によって色が変化する特殊な光学薄膜が形成される。かかる光学薄膜の性質は、複写物上では得ることができないので、色変化の有無を真偽判定の手段として利用すれば、容易に真偽判定が可能となる。さらに、この方法で形成された薄膜を細かく砕き、その破片をインキに混入して印刷を行う方法も提案されている。
【0007】
一方、カラー複写機では忠実な再現を不可能とし、簡単な検証器を用いて真偽の判定が行われるようにした手法も提案されている。例えば、無色または、有色インキ中に蛍光物質を混入させた蛍光インキによりパターンを印刷してなる印刷物は、カラー複写して原稿と同じような複写物が得られたとしても、蛍光インキによりパターン部における蛍光発光までもは再現できず、ブラックライト(紫外線発光管)からの紫外線の照射による可視光域での発光の有無を確認することで真偽判定が可能となる。
また、高分子液晶の配向と非配向の状態を利用して潜像を形成し、それを特殊フィルターを介して観察することで潜像を可視化し真偽判定する技術も提案されている(特許文献1参照)。
【0008】
また、ランタノイド系化合物の特性を利用して、異なる光源、例えば太陽光と蛍光灯等により異なる色に見えるようにしたインキを用い、真偽判定に使用する方法も提案されている(特許文献2参照)。
【0009】
しかしながら、これらの技術では、特殊な検証器が必要であり、検証器が無い場合には真偽判定が出来ないという問題がある。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−98829号公報(段落番号0011)
【特許文献2】
特開平10−278460号公報(段落番号0013)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述の問題点に鑑みなされた本発明は、特に特殊な検証器を使用しなくても簡単に真偽判定が可能で、かつカラー複写機等による偽造が困難な偽造防止媒体および偽造防止シールの提供を課題とする。
【0012】
【発明を解決するための手段】
上記の課題を達成するためになされ、請求項1に記載の発明は、基材上に少なくとも印刷層と該印刷層が透けて見えるOVDを持つ透明性OVD層とがこの順序で設けてあり、該透明性OVD層の一部には光を散乱させる多数の微細な孔を文字、記号、マーク等のパターン状に形成してなる多孔質部を有することを特徴とする偽造防止媒体である。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の偽造防止媒体において、前記透明性OVD層が、回折光を生じさせる微細な凹凸パターンを備えていることを特徴とする。
【0014】
さらにまた、請求項3に記載の発明は、請求項1記載の偽造防止媒体において、前記透明性OVD層が、多数の光学薄膜によって虹彩を生じさせる光学干渉薄膜を用いていることを特徴とする。
【0015】
さらにまた、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至4に記載の偽造防止媒体を構成する前記基材の印刷層と透明性OVD層が設けていない側に粘着層が設けてあることを特徴とする偽造防止シールである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
図1は本発明の偽造防止シールの一実施形態を示す平面図であり、図2は図1の偽造防止シールのX−X線における概略断面構成説明図である。また、図3は本発明の偽造防止シールに対して真偽判定を行っている時の状態を示す説明図であり、図4は、図1に示す状態の説明図のX−X線における断面説明図である。
【0018】
一方、図5は本発明の偽造防止媒体の一実施形態を示す平面図であり、図6は図5の偽造防止媒体のX−X線における概略断面構成説明図である。また、図7は本発明の偽造防止媒体に対して真偽判定を行っている時の状態を示す説明図であり、図8は、図7に示す状態の説明図のX−X線における断面説明図である。
【0019】
図2に示す本発明の偽造防止シール1は、基材11の一方の面上に印刷層12、透明性OVD層13が順次設けられており、基材11の他方の面には粘着層15が設けられている。
一方、図6に示す本発明の偽造防止媒体20は、基材21の一方の面上に印刷層22、透明性OVD層23が順次設けられている。そして、透明性OVD層13、23の一部には多数の微細な孔が形成され、それらにより文字、記号、絵柄等の形状をなす多孔質部14、24がそれぞれ形成されている。この多孔質部14、24は、図示の如く、開口部分が数ミクロンの微細な縦穴が多数開けられた状態になっており、ここれらの孔の部分において光の散乱が生じて透明性が失われ、白っぽく見えるようになっている。特に透明性OVD層13、23の下層の印刷層12、22の色相が白色以外の場合、多孔質部14、24が白色のインキにて印刷されたように明瞭に見えるようになる。
【0020】
このような構成になる偽造防止シール1や偽造防止媒体20の透明性OVD層13、23を水16、26で濡らすと、図4や図5に示したように、多孔質部14、23を構成する微細な孔の中に水16、26が入り込み、その部分における光の散乱が無くなることで、それまで図1や図4に示したような状態で見えていた文字、記号等が消失してしまう。
このようにして文字、記号等が消えた状態の偽造防止シールや偽造防止媒体は、水16、26をふき取るか、水16、26を蒸発させることにより、個々の孔の部分から水が排除されると、文字、記号等が再び出現することになる。従って、このような現象の有無を利用して真偽判定を行うことが可能となる。しかも、この現象は可逆であるため、繰り返しの真偽判定方法として利用ができる。
【0021】
前記印刷層12、22が白色を主とした絵柄である場合は、前記したように水を使用するのでは無く、例えば水系の有色ペンを使用して透明性OVD層13、23の多孔質部14、24の上をなぞった上で、紙やガーゼ等でその部分をを拭き取ると、多孔質部14、24の各孔の中にのみ有色ペンのインキが残り、文字が出現する。
【0022】
また、この透明性OVD層13、23は、OVDを持つ層でもあるため、見る角度を違えることにより色が様々に変化するものでもあり、水を作用させることによって所定のパターンを可逆的に現出、消去させることができるようにした前記の効果と相俟って、目視による真偽判定方法を多様化ならしめ、本発明における偽造防止の効果を一段と高くすることが期待出来る。
【0023】
ここで、OVD(Optical(ly) Variable Device)とは光の干渉を利用した画像表示であり、ホログラム(回折格子)層、虹彩性多層フィルム等の立体画像の表現や見る角度により色が変化するカラーシフトを可能とするものである。ホログラムや回折格子のごときOVDとしては、光の干渉縞を微細な凹凸パターンとして平面に記録するレリーフ型や体積方向に干渉縞を記録する体積型が具体的には挙げられる。一方、ホログラムや回折格子と手法が異なり、光学特性の異なるセラミックスや金属材料の薄膜を積層し、見る角度により色の変化(カラーシフト)を生じるようにした光学干渉膜もその例である。
【0024】
前記したレリーフ型のホログラム(回折格子)は、光学的な撮影方式により微細な凹凸パターンからなるレリーフ型のマスター版を作製してから、このマスター版より電気メッキ法でニッケル製等の複製用のプレス版を得、このプレス版にて量産を行う。すなわち、このプレス版を加熱しOVD形成層に押し当て、凹凸パターンを複製する。
【0025】
本発明における透明性OVD層は、プレス版にて成形可能であるという性能も要求され、その構成素材は透明性を有する熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線あるいは電子線硬化性樹脂等のいずれであっても良い。例を挙げれば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂や、反応性水酸基を有するアクリルポリオールやポリエステルポリオール等にポリイソシアネートを架橋剤として添加、架橋したウレタン樹脂や、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂等の熱硬化樹脂、エポキシ(メタ)アクリル、ウレタン(メタ)アクリレート等の紫外線あるいは電子線硬化樹脂を単独もしくはこれらを複合して使用できる。また上記以外のものであっても、OVDを形成可能である公知の材料であれば、使用可能である。
【0026】
また、透明性OVD層は、屈折率の異なる2種類以上のポリマーを交互に積層した虹彩性多層フィルムで構成されていても良い。この虹彩性多層フィルムの積層材料として用いられるポリマーとしては、高屈折率ポリマーとしてポリエチレンナフタレート(PEN;1.63=屈折率n:以下同じ)、ポリパーボネート(PC;1.59)、ポリスチレン(PST;1.59)、ポリエチレンテレフタレート(PET;1.58)等があり、また低屈折率ポリマーとしてナイロン(NY;1.53)、ポリメチルメタアクリレート(PMMA;1.49)、ポリメチルペンテン(1.46)、フッ素系PMMA(1.4)等がある。これらのポリマーの中から高屈折率材料より少なくとも一種、低屈折率材料より少なくとも一種を選択し、所定の厚さで交互に積層させることにより、特定の波長の可視光に対して吸収あるいは反射を示すようになり、虹彩色を呈する。
【0027】
上記虹彩性多層フィルムの光学特性をより強調させるためにその下面に光吸収層を設けることもできる。虹彩性多層フィルムはその光吸収層の層厚により特定の波長を吸収し、それ以外の波長を反射させる性質を持っているが、前記吸収波長をこの光吸収層にて吸収することにより、反射波長のみがより明瞭に見えるようになる。この光吸収層の色相は、虹彩性多層フィルムによって吸収される光の波長を吸収出来るもので有れば特に限定はなく、一般的には濃色の色を用い、その中では黒色が一般的に選択される。
【0028】
一方、前述の如く、多孔質部14、24は、透明性OVD層13、23の一部に多数の微細な孔を開けることで成り立っており、この多数の微細な孔における光の散乱により、白く見える。多孔質部14、24を構成するの微細な個々の孔の開口は1〜100μm程度である。この微細な孔はレーザーもしくは電子線を照射することで、所定の大きさの開口と深さで形成することができる。
【0029】
他方、偽造防止シール1の基材11の前記透明性OVD層13等が形成されていない面上に形成する粘着層15は、接する基材11を変質させたり、冒すものでなければ、一般的な粘着剤により形成することが出来る。
【0030】
例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル系ポリアミド、アクリル系、ブチルゴム系、天然ゴム系、シリコン系、ポリイソブチル系の粘着剤を単独、もしくはアルキルメタクリレート、ビニルエステル、アクリルニトリル、スチレン、ビニルモノマー等の凝集成分、不飽和カルボン酸、ヒドロキシ基含有モノマー、アクリルニトリル等に代表される改質成分や重合開始剤、可塑剤、硬化剤、硬化促進剤、酸化防止剤等の添加剤を必要に応じて添加したものを用いることが出来る。
【0031】
また、この粘着層15の形成には公知のグラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法などの印刷方法やバーコート法、グラビア法、ロールコート法などの塗布方法等を用いることが出来る。
【0032】
【実施例】
本発明を、具体的な実施例を挙げて詳細に説明する。
<実施例1>
上質紙系のタック紙上にアルミニウム蒸着を施した粘着剤付きのホログラムシート(厚さ16μm)をラミネートした。次に、ラミネートされたシートのホログラム形成面の一部にレーザー光により開口直径が10μm程度で深さが10μm程度の孔を複数個、パターン状に開けることにより、文字と絵柄を形成し、実施例1に係る偽造防止シールを得た。
【0033】
<実施例2>
上質紙系のタック紙の全面を黒色で印刷し、その上に粘着剤付きの虹彩性多層フィルム(厚さ19μm)をラミネートした。次に、ラミネートされたフィルムの虹彩性多層フィルム面上にレーザー光により開口直径が10μm程度で深さが10μm程度の孔を多数開けることにより、文字と絵柄を形成し、実施例2に係る偽造防止シールを得た。
【0034】
上記実施例1および実施例2の偽造防止シールは、見た目ではホログラム効果およびカラーシフト効果がそれぞれ確認できた。そして、さらにこれらのシールの上に水を付けたところ、シール上で見えていた文字と絵柄とが消え、またシールから水を排除することより、それまで消失していた文字と絵柄が再び現出し、可逆的にパターンを現出・消失できることが確認できた。
【0035】
【発明の効果】
本発明の偽造防止媒体および偽造防止シールは、その一部を構成する透明性OVD層に微小な孔を多数開けることにより、その部分で光の散乱を起こして文字や絵柄が可視化できるようにしている。そして、この孔に水等の液体を入れ、その部分における光の散乱が生じないようにすることでそれまで見えていた文字等が消えたようになるため、この現象を利用して真偽判定が行える。また、目視によりカラーシフトが確認されるため、それを真偽の判定に利用できると共に、水のような比較的入手し易い媒体を用いて真偽判定が出来ることより、より一層の偽造防止効果と簡便な真偽の判定方法が期待出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の偽造防止シールの一実施形態を示す平面説明図である。
【図2】図1に示す偽造防止シールのX−X線における概略断面構成説明図である。
【図3】本発明の偽造防止シールに対して真偽判定を行っている時の状態を示す説明図である。
【図4】図3に示す状態の説明図のX−X線における断面説明図である。
【図5】本発明の偽造防止媒体の一実施形態を示す平面説明図である。
【図6】図5に示す偽造防止媒体のX−X線における概略断面構成説明図である。
【図7】本発明の偽造防止媒体に対して真偽判定を行っている時の状態を示す説明図である。
【図8】図7に示す状態の説明図のX−X線における断面説明図である。
【符号の説明】
1 偽造防止シール
11、21 基材
12、22 印刷層
13、23 透明性OVD層
14、24 多孔質部
15 粘着層
16、26 水[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
In the present invention, a large number of fine holes are formed in a plastic sheet such as a transparent film in a pattern, and patterns of characters and the like are made to appear by scattering of light generated in this portion, and if necessary, the pattern that has appeared is made. Related to a forgery prevention medium and a forgery prevention seal using the forgery prevention medium, and in particular, applying a liquid such as water to the hole portion so that it can be seen until then. The present invention relates to a forgery prevention medium and a forgery prevention seal which make it possible to make a pattern disappear, make it easy to judge the authenticity, and make it difficult to forge, falsify or alter.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art In recent years, copiers using electrophotographic technology have become widespread, and by using them, anyone can easily copy characters, images, and the like printed on paper or the like. In particular, according to recent color digital copying machines, it has become possible to easily create even a copy in which it is extremely difficult to distinguish between a real copy and a copy.
[0003]
While such color copying is convenient, it can be exploited to make securities such as stock certificates, bonds, promissory notes, checks, etc., admission tickets, boarding passes, various certificates, guarantees, stickers used for sweepstakes, etc. Increasing the problem of copying and unauthorized use. For this reason, various proposals have been made to take countermeasures against such securities, certificates, and the like so that copying is not easily performed.
[0004]
For example, a technique has been proposed in which a color of a copy obtained by color copying is reproduced differently from the color of a document. In other words, this technique utilizes the fact that if a security or the like that can be an original is colored with a very light color, the light color portion cannot be accurately reproduced in a copy. In addition, there is a technique in which reproducibility of small halftone dots is deteriorated even if copying is performed by forming halftone dots having different sizes on a document, so that precise copying cannot be performed. There is also a technique that utilizes the deterioration of color reproducibility of a copy by printing in a color not available in a color copying machine, for example, green, purple, orange, gold, silver, or the like. In addition, a pattern is formed using two types of inks having specific reflection characteristics in a wavelength range where human visibility is low among electromagnetic waves, for example, a wavelength range around 380 nm to 450 nm and a wavelength range around 650 nm to 780 nm. However, there is a technique in which different colors are reproduced on a copy made by a color copying machine.
[0005]
However, in a color copying machine, it is possible to correct the output color by changing the digital data which is separated into three colors and stored in the memory. In addition, digital presses have been widely used in which digital data read by a color scanner is corrected by a computer using the same principle as a color copying machine and output by a color printer or a color copying machine. Therefore, at present, it is becoming possible to reproduce the color of the original document elaborately with a little effort, and it is very difficult to completely prevent forgery with the above-described technology. .
[0006]
In addition, a technique has been proposed in which a special portion that cannot be reproduced by a color copying machine is provided in securities or the like. Among them, the technique of providing an OVD foil such as a hologram foil on the surface of securities or the like has already been put to practical use. According to this, since the silver surface of the hologram mirror-reflects light, the reflected light does not enter the CCD line sensor of the color copying machine, and the portion that was the silver surface in the original is reproduced in black in the copy. Further, when ceramics having different refractive indices are laminated in a plurality of layers having an appropriate film thickness, a special optical thin film whose color changes depending on a viewing angle is formed. Since the properties of such an optical thin film cannot be obtained on a copy, if the presence or absence of a color change is used as a means for judging the authenticity, the authenticity can be easily determined. Further, a method has been proposed in which a thin film formed by this method is finely crushed, and a fragment thereof is mixed with ink to perform printing.
[0007]
On the other hand, there has been proposed a method in which faithful reproduction cannot be performed with a color copying machine, and a true / false judgment is performed using a simple verifier. For example, a printed matter obtained by printing a pattern with a fluorescent ink in which a fluorescent substance is mixed in a colorless or colored ink, can be printed in a color pattern using fluorescent ink even if a copy similar to the original is obtained by color copying. Cannot be reproduced even in the case of, and it is possible to determine the authenticity by confirming the presence or absence of light emission in the visible light region due to irradiation of ultraviolet light from a black light (ultraviolet light emitting tube).
Also, a technology has been proposed in which a latent image is formed by utilizing the orientation and non-orientation of a polymer liquid crystal, and the latent image is visualized by observing the latent image through a special filter to determine whether the image is true or false. Reference 1).
[0008]
In addition, a method has been proposed in which the characteristics of a lanthanoid compound are used to use a different light source, for example, an ink which is made to look different colors by sunlight and a fluorescent lamp, and is used for authenticity determination (Patent Document 2). reference).
[0009]
However, these techniques require a special verifier, and if there is no verifier, there is a problem that the authenticity cannot be determined.
[0010]
[Patent Document 1]
JP 2002-98829 A (paragraph number 0011)
[Patent Document 2]
JP-A-10-278460 (paragraph number 0013)
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
SUMMARY OF THE INVENTION In view of the above-described problems, the present invention provides a forgery-preventing medium and a forgery-preventing seal that can be easily authenticated without using a special verifier, and that is difficult to forge by a color copying machine or the like. Providing is an issue.
[0012]
[Means for Solving the Invention]
In order to achieve the above object, the invention according to claim 1 includes, on a substrate, at least a printing layer and a transparent OVD layer having an OVD through which the printing layer can be seen, This anti-counterfeit medium is characterized in that a part of the transparent OVD layer has a porous portion in which a number of fine holes for scattering light are formed in a pattern of characters, symbols, marks and the like.
[0013]
According to a second aspect of the present invention, in the anti-counterfeit medium according to the first aspect, the transparent OVD layer is provided with a fine uneven pattern for generating diffracted light.
[0014]
Furthermore, the invention according to claim 3 is the anti-counterfeit medium according to claim 1, wherein the transparent OVD layer uses an optical interference thin film that causes an iris by a plurality of optical thin films. .
[0015]
Furthermore, in the invention according to claim 4, an adhesive layer is provided on a side of the base material constituting the anti-counterfeit medium according to claims 1 to 4, on which the printed layer and the transparent OVD layer are not provided. It is a forgery prevention seal characterized by the following.
[0016]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0017]
FIG. 1 is a plan view showing an embodiment of the forgery prevention seal of the present invention, and FIG. 2 is a schematic cross-sectional configuration view of the forgery prevention seal of FIG. 1 taken along line XX. FIG. 3 is an explanatory view showing a state in which authenticity determination is performed on the forgery prevention seal of the present invention, and FIG. 4 is a sectional view taken along line XX of the explanatory view of the state shown in FIG. FIG.
[0018]
On the other hand, FIG. 5 is a plan view showing an embodiment of the forgery prevention medium of the present invention, and FIG. 6 is a schematic cross-sectional configuration explanatory view of the forgery prevention medium of FIG. 7 is an explanatory diagram showing a state when authenticity determination is performed on the forgery prevention medium of the present invention. FIG. 8 is a sectional view taken along line XX of the explanatory diagram of the state shown in FIG. FIG.
[0019]
The anti-counterfeit seal 1 of the present invention shown in FIG. 2 has a printing layer 12 and a transparent OVD layer 13 sequentially provided on one surface of a substrate 11, and an adhesive layer 15 on the other surface of the substrate 11. Is provided.
On the other hand, the forgery prevention medium 20 of the present invention shown in FIG. 6 has a printing layer 22 and a transparent OVD layer 23 sequentially provided on one surface of a substrate 21. A large number of fine holes are formed in a part of the transparent OVD layers 13 and 23, and porous portions 14 and 24 each having a shape such as a character, a symbol, and a picture are formed by the holes. As shown in the figure, the porous portions 14 and 24 have a state in which a large number of fine vertical holes each having an opening of several microns are formed, and light is scattered in these holes to lose transparency. It has become whitish. In particular, when the hue of the print layers 12 and 22 below the transparent OVD layers 13 and 23 is other than white, the porous portions 14 and 24 can be clearly seen as if they were printed with white ink.
[0020]
When the transparent OVD layers 13 and 23 of the anti-counterfeit seal 1 and anti-counterfeit medium 20 having such a configuration are wetted with water 16 and 26, as shown in FIGS. The water 16 and 26 enter the minute pores, and the scattering of light in those parts disappears, so that the characters, symbols, etc., which had been seen in the state shown in FIGS. 1 and 4, disappear. Would.
In this manner, the anti-counterfeit seal or the anti-counterfeit medium in which characters, symbols, etc. have disappeared is wiped off the water 16, 26 or evaporated, so that water is removed from the individual holes. Then, characters, symbols, etc. appear again. Therefore, it is possible to make a true / false decision using the presence or absence of such a phenomenon. In addition, since this phenomenon is reversible, it can be used as a method of repeatedly determining the authenticity.
[0021]
When the printing layers 12 and 22 have a pattern mainly composed of white, instead of using water as described above, the porous portions of the transparent OVD layers 13 and 23 may be formed using, for example, a water-based colored pen. After tracing over the tops 14 and 24 and wiping the portions with paper or gauze, the colored pen ink remains only in the holes of the porous portions 14 and 24, and characters appear.
[0022]
Further, since the transparent OVD layers 13 and 23 are layers having OVD, the color changes variously depending on the viewing angle, and a predetermined pattern is reversibly expressed by applying water. Combined with the above-mentioned effect that can be output and erased, it can be expected that the authenticity determination method by visualization is diversified, and the effect of preventing forgery in the present invention is further enhanced.
[0023]
Here, OVD (Optical (ly) Variable Device) is an image display using light interference, and the color changes according to the viewing angle and the viewing angle of a stereoscopic image such as a hologram (diffraction grating) layer and an iris multilayer film. This enables color shift. Specific examples of OVDs such as holograms and diffraction gratings include a relief type that records light interference fringes as a fine uneven pattern on a plane and a volume type that records interference fringes in the volume direction. On the other hand, an optical interference film is different from a hologram or a diffraction grating, in which thin films of ceramics or metal materials having different optical characteristics are laminated, and a color change (color shift) is caused depending on a viewing angle.
[0024]
The relief-type hologram (diffraction grating) is prepared by preparing a relief-type master plate having a fine concavo-convex pattern by an optical photographing method, and then performing electroplating on the master plate for duplication of nickel or the like. A press plate is obtained and mass production is performed with this press plate. That is, the press plate is heated and pressed against the OVD forming layer to duplicate the concave / convex pattern.
[0025]
The transparent OVD layer in the present invention is also required to have a performance of being moldable by a press plate, and the constituent material is any one of a thermoplastic resin, a thermosetting resin, an ultraviolet ray or an electron beam curable resin having transparency. It may be. Examples include thermoplastic resins such as acrylic resins, epoxy resins, cellulosic resins, and vinyl resins, and urethanes obtained by adding a polyisocyanate as a crosslinking agent to an acrylic polyol or polyester polyol having a reactive hydroxyl group as a crosslinking agent. Resins, thermosetting resins such as melamine resins and phenolic resins, and ultraviolet or electron beam curing resins such as epoxy (meth) acrylic and urethane (meth) acrylates can be used alone or in combination. In addition, materials other than those described above can be used as long as they are known materials capable of forming OVD.
[0026]
Further, the transparent OVD layer may be composed of an iris multilayer film in which two or more polymers having different refractive indexes are alternately laminated. As the polymer used as a laminating material of the iris multilayer film, polyethylene naphthalate (PEN; 1.63 = refractive index n: the same applies hereinafter), polycarbonate (PC; 1.59), polystyrene as a high refractive index polymer (PST; 1.59), polyethylene terephthalate (PET; 1.58) and the like. Nylon (NY; 1.53), polymethyl methacrylate (PMMA; 1.49), polymethyl Penten (1.46), fluorinated PMMA (1.4) and the like. By selecting at least one kind of high refractive index material and at least one kind of low refractive index material from these polymers and alternately laminating them at a predetermined thickness, they absorb or reflect visible light of a specific wavelength. As shown in FIG.
[0027]
In order to further enhance the optical characteristics of the iris multilayer film, a light absorbing layer may be provided on the lower surface thereof. The iris multilayer film has a property of absorbing a specific wavelength depending on the thickness of the light absorbing layer and reflecting other wavelengths. Only the wavelength becomes more clearly visible. The hue of the light absorbing layer is not particularly limited as long as it can absorb the wavelength of light absorbed by the iris multilayer film. In general, a dark color is used. Is selected.
[0028]
On the other hand, as described above, the porous portions 14 and 24 are formed by forming a large number of fine holes in a part of the transparent OVD layers 13 and 23. Looks white. The openings of the fine individual holes constituting the porous portions 14 and 24 are about 1 to 100 μm. These fine holes can be formed with a predetermined size of opening and depth by irradiating a laser or an electron beam.
[0029]
On the other hand, the adhesive layer 15 formed on the surface of the base material 11 of the anti-counterfeit seal 1 on which the transparent OVD layer 13 and the like are not formed is a general one unless the base material 11 in contact therewith is altered or affected. It can be formed by an appropriate adhesive.
[0030]
For example, vinyl chloride-vinyl acetate copolymer, polyester-based polyamide, acrylic-based, butyl rubber-based, natural rubber-based, silicone-based, polyisobutyl-based pressure-sensitive adhesive alone, or alkyl methacrylate, vinyl ester, acrylonitrile, styrene, vinyl monomer Aggregating components such as, unsaturated carboxylic acid, hydroxy group-containing monomer, modifying components typified by acrylonitrile, and additives such as polymerization initiator, plasticizer, curing agent, curing accelerator, antioxidant, etc. Those added accordingly can be used.
[0031]
The adhesive layer 15 can be formed by a known printing method such as a gravure printing method, an offset printing method, a screen printing method, or a coating method such as a bar coating method, a gravure method, or a roll coating method.
[0032]
【Example】
The present invention will be described in detail with reference to specific examples.
<Example 1>
A hologram sheet (16 μm in thickness) with an adhesive, which was subjected to aluminum vapor deposition, was laminated on a high-quality paper-based tack paper. Next, a plurality of holes having an opening diameter of about 10 μm and a depth of about 10 μm are formed in a pattern on a part of the hologram forming surface of the laminated sheet with a laser beam, thereby forming characters and pictures. An anti-counterfeit seal according to Example 1 was obtained.
[0033]
<Example 2>
The entire surface of the high quality paper-based tack paper was printed in black, and an iris multilayer film (19 μm in thickness) with an adhesive was laminated thereon. Next, a large number of holes having an opening diameter of about 10 μm and a depth of about 10 μm were formed by laser light on the iris multilayer film surface of the laminated film to form characters and pictures, and the forgery according to Example 2 was performed. A prevention seal was obtained.
[0034]
The anti-counterfeit seals of Example 1 and Example 2 could visually confirm the hologram effect and the color shift effect, respectively. Then, when water was put on these seals, the letters and patterns that were visible on the seals disappeared, and by removing the water from the seals, the letters and patterns that had been lost until then appeared again. It was confirmed that the pattern was able to appear and disappear reversibly.
[0035]
【The invention's effect】
The anti-counterfeit medium and anti-counterfeit seal of the present invention are provided with a number of small holes in the transparent OVD layer that constitutes a part thereof, so that light scattering occurs in the part and the characters and pictures can be visualized. I have. Then, a liquid such as water is put into this hole to prevent scattering of light in that part, so that the characters and the like that have been seen so far have disappeared. Can be performed. In addition, since the color shift is visually confirmed, the color shift can be used for authenticity determination, and since the authenticity can be determined using a relatively easily available medium such as water, the forgery prevention effect can be further improved. It can be expected that a simple true / false judgment method can be realized.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory plan view showing an embodiment of a forgery prevention seal of the present invention.
FIG. 2 is a schematic cross-sectional configuration explanatory diagram of the forgery prevention seal shown in FIG. 1 taken along line XX.
FIG. 3 is an explanatory view showing a state in which a true / false judgment is performed on the forgery prevention seal of the present invention.
FIG. 4 is an explanatory cross-sectional view taken along line XX of the explanatory diagram of the state shown in FIG. 3;
FIG. 5 is an explanatory plan view showing an embodiment of a forgery prevention medium of the present invention.
FIG. 6 is a schematic cross-sectional configuration explanatory view of the forgery prevention medium shown in FIG. 5, taken along line XX.
FIG. 7 is an explanatory diagram showing a state when authenticity determination is performed on the forgery prevention medium of the present invention.
8 is a cross-sectional explanatory view taken along line XX of the explanatory view of the state shown in FIG. 7;
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Forgery prevention seal 11, 21 Base material 12, 22 Printing layer 13, 23 Transparent OVD layer 14, 24 Porous part 15 Adhesive layer 16, 26 Water