JP2004236485A - 電圧駆動素子の過電流検知回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】過電流検知部は従来から良く知られた構成としながらも、電圧駆動素子の負荷短絡のような短絡電流による急激な大電流の過電流検知時間を短くする。
【解決手段】IGBT3の電流icを検出する第1の抵抗101に発生する電圧VsをCRフィルタ110に入力し、所定の遅延をさせた出力のコンデンサ112の端子間電圧Vs´を過電流検知閾値電圧Vthと比較器102で比較し、過電流を検知する過電流検知部100は従来の構成とするが、大電流の短絡電流により電圧VsがNPNトランジスタ144のベース・エミッタ間電圧(約0.7V)を超えるとNPNトランジスタ144がオンするとともに、PNPトランジスタ132もオンし、電源Vccからコンデンサ112を急速に充電し、コンデンサ112の端子間電圧Vs´が急速に上がり、短時間に過電流と検知できる。
【選択図】 図1
【解決手段】IGBT3の電流icを検出する第1の抵抗101に発生する電圧VsをCRフィルタ110に入力し、所定の遅延をさせた出力のコンデンサ112の端子間電圧Vs´を過電流検知閾値電圧Vthと比較器102で比較し、過電流を検知する過電流検知部100は従来の構成とするが、大電流の短絡電流により電圧VsがNPNトランジスタ144のベース・エミッタ間電圧(約0.7V)を超えるとNPNトランジスタ144がオンするとともに、PNPトランジスタ132もオンし、電源Vccからコンデンサ112を急速に充電し、コンデンサ112の端子間電圧Vs´が急速に上がり、短時間に過電流と検知できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電圧駆動素子に流れる過電流を検知する電圧駆動素子の過電流検知回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献】特開2002−135965号公報。
【0003】
上記特許文献に示された過電流検知回路は過電流の瞬時値が閾値を越えたことを検知する比較器と、過電流の平滑値が閾値を超えたことを検知する2つの比較器を使用して負荷短絡等による短絡電流のような瞬時的に大きな過電流と、負荷変動等による過電流の2種類の過電流を検知している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この従来例において、2つの比較器を設ける構成となっているため、2つの比較器を構成する回路規模が大きくなり、コスト高になるという問題があった
本発明は上述の課題を解決するためになされたもので、簡単な構成で負荷短絡等による短絡電流のような瞬時的に大きな過電流と、負荷変動等による過電流の両方を検知できる電圧駆動素子の過電流検知回路を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、電圧駆動素子に所定の電流値以上の電流が流れたことを、所定の電流値以上の電流が流れた時点から所定の遅延時間後に検知する1つの過電流検知手段と、電圧駆動素子に流れる電流の電流値に基づいて、過電流検知手段の遅延時間を調整する調整手段とを備えた。
【0006】
【発明の効果】
本発明によれば、過電流検知手段は電圧駆動素子に流れる電流の電流値に基づいて過電流検知手段の遅延時間を調整することにより、負荷短絡等による短絡電流のように、瞬時的に大電流となる過電流の短時間での検知と負荷変動等による過電流の両方の検知が出来る。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
【0008】
図1は本発明の実施の形態を示す電圧駆動素子の過電流検知回路であり、電圧駆動素子としてIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)を用いている。
【0009】
図1に沿って回路構成を説明する。入力信号INに基づいて駆動回路150がIGBT3をオン/オフすることにより、IGBT3が電源VbとIGBT3のコレクタ間に接続されているコイル1を駆動する。IGBT3のエミッタとアースとの間にはIGBT3に流れる電流icを検出するために第1の抵抗101が接続され、IGBT3に流れる電流icを電圧Vsに変換する。
【0010】
電圧Vsは第2の抵抗111とコンデンサ112で構成されるCRフィルタ110に入力され、CRフィルタ110によってノイズ除去および所定の遅延を受けたCRフィルタ110の出力であるコンデンサの端子間電圧Vs´は比較器102に入力され、過電流検知閾値電圧(所定の基準電圧)Vthと比較され、電流icが所定の電流値以上の場合はCRフィルタ110により所定の遅延を受けたコンデンサの端子間電圧Vs´が過電流検知閾値電圧Vthを超えるため、電流icは過電流と検知される。このCRフィルタ110の第2の抵抗111とコンデンサ112の値と比較器102の過電流検知閾値電圧Vthを設定することにより、IGBT3に所定の電流以上の過電流が流れた時点から、所定の遅延時間後に過電流と検知することが出来る。
【0011】
これら第1の抵抗101、CRフィルタ110および比較器102が過電流検知部100を構成している。この過電流検知部100は従来より用いられている過電流検知回路と同じ構成をしている。
【0012】
更に電圧Vsは第2のスイッチであるNPNトランジスタ144のベース保護用抵抗141を介してNPNトランジスタ144のベースに接続され、NPNトランジスタ144のエミッタはアースに接続され、NPNトランジスタ144のコレクタは第1のスイッチであるPNPトランジスタ132のベース保護および電流調整用抵抗142と第3の抵抗143を介して電源Vcc(第2の電源)に接続されている。なお、このNPNトランジスタ144のコレクタに抵抗142と第3の抵抗143を介して接続される第2の電源は図1では電源Vccとしているが、NPNトランジスタ144がオフのときにPNPトランジスタ132のエミッタ電圧がベース電圧以下となるような電源電圧であれば電源Vccと別の電源であっても良い。この抵抗141、抵抗142、第3の抵抗143およびNPNトランジスタ144でスイッチング制御部140を構成している。
【0013】
スイッチング制御部140の出力はPNPトランジスタ132のベースに接続され、PNPトランジスタ132のエミッタは電流iaの調整抵抗131を介して電源Vcc(第1の電源)に接続され、コレクタは第2の抵抗111とコンデンサ112および比較器102の入力の接続部に接続されている。この抵抗131およびPNPトランジスタ132で第1のスイッチング部130が構成されている。この第1のスイッチング部130とスイッチング制御部140で過電流検知部100が過電流を検知するまでの遅延時間を調整する遅延時間調整部120を構成している。
【0014】
この図1の回路図では過電流検知手段は過電流検知部100であり、遅延時間を調整する調整手段は遅延時間調整部120であり、第1のスイッチング手段はPNPトランジスタ132等であり、スイッチング制御手段はスッチング制御部140であり、第2のスイッチング手段はNPNトランジスタ144等である。
【0015】
次に各部の動作について説明する。電圧VsはCRフィルタ110に入力され、CRフィルタ110の出力であるコンデンサ112の端子間電圧Vs´と所定の過電流検知閾値電圧Vthを比較し、コンデンサ112の端子間電圧Vs´が過電流検知閾値電圧Vthを超えたときに、比較器102は過電流検知信号FAILをハイレベルとし、駆動回路150に過電流の発生を通知する。なお、過電流が発生し比較器102が過電流検知信号FAILをハイレベルとした後、比較器102がノイズ等で誤動作しないように、ある程度電流icが低下するまで過電流検知信号FAILをハイレベルのまま保持するように比較器102にはヒステレシス特性を持たせている。過電流検知信号FAILの立ち上がりを検出した駆動回路150はIGBT3をオフする。
【0016】
ここで、電圧VsはIGBT3のオン時間超過等に伴う電流の増加による過電流程度ではNPNトランジスタ144のベース・エミッタ間電圧(約0.7V)よりも低い値になるように第1の抵抗101を選択している。
【0017】
また、電圧Vsは抵抗141を介してNPNトランジスタ144のベースに印加されるため、IGBT3の負荷が短絡し、短絡電流が流れた場合、電圧Vsは急速にNPNトランジスタ144のベース・エミッタ間電圧(約0.7V)より高い値になり、NPNトランジスタ144をオンし、このNPNトランジスタ144のオンにより、PNPトランジスタ132もオンするためコンデンサ112は電源Vccにより急速に充電されることによりコンデンサ112の端子間電圧Vs´は急速に比較器102の過電流検知閾値電圧Vthより高くなり、短絡電流が発生してから短時間に過電流検知信号FAILをハイレベルとするため、IGBT3も短絡電流が発生してから短時間でオフとなる。
【0018】
次に図2のタイムチャートを用いて、負荷短絡等により短絡電流が発生した場合の各部の動作を詳細に説明する。
【0019】
時間t1で入力信号INをハイレベルにすることで、駆動回路150がIGBT3のゲートに電圧Vgeを印加し、IGBT3をオンさせる。負荷短絡が発生しているため、IGBT3に流れる電流icは急激に増加し始め、第1の抵抗101に発生する電圧Vsも図2に示すように急激に上昇する。しかしコンデンサ112の端子間電圧Vs´は第2の抵抗111とコンデンサ112によって決まる曲線201(実線および破線で示す)で上昇を始める。時間t2において、電圧VsがNPNトランジスタ144のベース・エミッタ間電圧(約0.7V)を超えると、抵抗141を介してNPNトランジスタ144にベース電流が流れ、NPNトランジスタ144がオンし、NPNトランジスタ144がオンに伴ってPNPトランジスタ132もオンする。このため電源Vccからコンデンサ112を充電する電流iaが発生し、コンデンサ112の端子間電圧Vs´の上昇速度が急激に大きくなり、曲線202(実線および破線で示す)に変化する。時間t3において、コンデンサ112の端子間電圧Vs´が過電流検知閾値電圧Vthを超えると比較器102の過電流検知信号FAILがハイレベルとなり、駆動回路150はIGBT3のゲートへの印加電圧Vgeを0Vとし、IGBT3をオフする。このように短絡電流の場合には急速なコンデンサ112への充電動作により、IGBT3をオフするまでの時間を短くでき、負荷短絡に伴う短絡電流によりIGBTが破壊するのを防止できる。このように短絡電流のような急激な大電流の場合にも、急激な電流の変化に対応するための専用の比較器を用いなくても、トランジスタ2個を使用した安価で簡単な構成で短時間に過電流検知ができる。もし急速なコンデンサ112への充電動作を行わず、過電流検知部100のみで過電流を検知した場合には時間t4で過電流を検知することになる。
【0020】
一方、IGBT3のオン時間超過に伴う電流増加などの過電流に対しては、電圧VsがNPNトランジスタ144のベース・エミッタ間電圧(約0.7V)より低くなるように第1の抵抗101を設定しているため、NPNトランジスタ144はオンせず、コンデンサ112の端子間電圧Vs´は従来から知られているCRフィルタ110の特性に沿った曲線203(破線で示す)に沿って上昇し、過電流発生から所定の遅延時間後の時間t5で過電流検知信号FAILがハイレベルとなり、IGBT3をオフする。
【0021】
図3は過電流値と過電流検知時間の関係および電圧駆動素子の破壊耐量との関係を示した図であり、曲線303(実線)および曲線304(破線)は従来の過電流検知回路に使用されていたと同じ構成の過電流検知部100におけるCRフィルタ110の遅延による過電流値と過電流検知時間の関係を示している。曲線305(実線)は本発明の過電流検知回路において短絡電流のように極めて大きな電流が流れた場合の過電流値と過電流検知時間の関係を示しおり、本発明による過電流検知回路の過電流値と過電流検知時間の関係は曲線303と曲線305である。
【0022】
図2で説明したように短絡電流(SC)のように電流値が大きい場合は時間t3で過電流検知を行い、IGBTのオン時間超過等に伴う過電流(OC)では時間t5で過電流検知を行っていることを示している。時間t4は従来の構成と同じ過電流検知部100のみで過電流検知を行った場合の時間を示している。
【0023】
ここで電圧駆動素子の破壊耐量を示す耐量曲線が301に示すような過電流と過電流発生時間の耐量を備える素子であれば、いずれの過電流検知時間においても過電流による素子の破壊を防止することができるが、このような破壊耐量を持つ素子は高価で、形状が大きくなる。一方、曲線302に示すような破壊耐量を持つ電圧駆動素子では時間t4で過電流検知したのでは、電圧駆動素子の破壊を防止することはできない。本発明のように2個のトランジスタで構成できる安価で簡単な構成で、曲線305の特性を持たせることで時間t3で過電流検知できることにより、電圧駆動素子の破壊は防止できる。
【0024】
以上本実施の形態によれば、負荷短絡による短絡電流のような大きな過電流に対しては第1のスイッチ部130よりコンデンサ112に急速に充電することにより、過電流検知時間を短くできる一方、IGBTのオン時間超過等に伴う過電流のような場合には過電流検知部110で従来から使用されているCRフィルタの遅延特性を利用した過電流検知ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す回路図。
【図2】本発明の実施の形態の動作を示すタイムチャート。
【図3】本発明の実施の形態の過電流値と過電流検知時間の関係および電圧制御素子の破壊耐量を示す図。
【符号の説明】
3 IGBT
100 過電流検知部
101 第1の抵抗
102 比較器
110 CRフィルタ
111 第2の抵抗
112 コンデンサ
120 遅延時間調整部
130 第1のスッチング部
132 PNPトランジスタ
140 スッチング制御部
143 第3の抵抗
144 NPNトランジスタ
【発明の属する技術分野】
本発明は電圧駆動素子に流れる過電流を検知する電圧駆動素子の過電流検知回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献】特開2002−135965号公報。
【0003】
上記特許文献に示された過電流検知回路は過電流の瞬時値が閾値を越えたことを検知する比較器と、過電流の平滑値が閾値を超えたことを検知する2つの比較器を使用して負荷短絡等による短絡電流のような瞬時的に大きな過電流と、負荷変動等による過電流の2種類の過電流を検知している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この従来例において、2つの比較器を設ける構成となっているため、2つの比較器を構成する回路規模が大きくなり、コスト高になるという問題があった
本発明は上述の課題を解決するためになされたもので、簡単な構成で負荷短絡等による短絡電流のような瞬時的に大きな過電流と、負荷変動等による過電流の両方を検知できる電圧駆動素子の過電流検知回路を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、電圧駆動素子に所定の電流値以上の電流が流れたことを、所定の電流値以上の電流が流れた時点から所定の遅延時間後に検知する1つの過電流検知手段と、電圧駆動素子に流れる電流の電流値に基づいて、過電流検知手段の遅延時間を調整する調整手段とを備えた。
【0006】
【発明の効果】
本発明によれば、過電流検知手段は電圧駆動素子に流れる電流の電流値に基づいて過電流検知手段の遅延時間を調整することにより、負荷短絡等による短絡電流のように、瞬時的に大電流となる過電流の短時間での検知と負荷変動等による過電流の両方の検知が出来る。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
【0008】
図1は本発明の実施の形態を示す電圧駆動素子の過電流検知回路であり、電圧駆動素子としてIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)を用いている。
【0009】
図1に沿って回路構成を説明する。入力信号INに基づいて駆動回路150がIGBT3をオン/オフすることにより、IGBT3が電源VbとIGBT3のコレクタ間に接続されているコイル1を駆動する。IGBT3のエミッタとアースとの間にはIGBT3に流れる電流icを検出するために第1の抵抗101が接続され、IGBT3に流れる電流icを電圧Vsに変換する。
【0010】
電圧Vsは第2の抵抗111とコンデンサ112で構成されるCRフィルタ110に入力され、CRフィルタ110によってノイズ除去および所定の遅延を受けたCRフィルタ110の出力であるコンデンサの端子間電圧Vs´は比較器102に入力され、過電流検知閾値電圧(所定の基準電圧)Vthと比較され、電流icが所定の電流値以上の場合はCRフィルタ110により所定の遅延を受けたコンデンサの端子間電圧Vs´が過電流検知閾値電圧Vthを超えるため、電流icは過電流と検知される。このCRフィルタ110の第2の抵抗111とコンデンサ112の値と比較器102の過電流検知閾値電圧Vthを設定することにより、IGBT3に所定の電流以上の過電流が流れた時点から、所定の遅延時間後に過電流と検知することが出来る。
【0011】
これら第1の抵抗101、CRフィルタ110および比較器102が過電流検知部100を構成している。この過電流検知部100は従来より用いられている過電流検知回路と同じ構成をしている。
【0012】
更に電圧Vsは第2のスイッチであるNPNトランジスタ144のベース保護用抵抗141を介してNPNトランジスタ144のベースに接続され、NPNトランジスタ144のエミッタはアースに接続され、NPNトランジスタ144のコレクタは第1のスイッチであるPNPトランジスタ132のベース保護および電流調整用抵抗142と第3の抵抗143を介して電源Vcc(第2の電源)に接続されている。なお、このNPNトランジスタ144のコレクタに抵抗142と第3の抵抗143を介して接続される第2の電源は図1では電源Vccとしているが、NPNトランジスタ144がオフのときにPNPトランジスタ132のエミッタ電圧がベース電圧以下となるような電源電圧であれば電源Vccと別の電源であっても良い。この抵抗141、抵抗142、第3の抵抗143およびNPNトランジスタ144でスイッチング制御部140を構成している。
【0013】
スイッチング制御部140の出力はPNPトランジスタ132のベースに接続され、PNPトランジスタ132のエミッタは電流iaの調整抵抗131を介して電源Vcc(第1の電源)に接続され、コレクタは第2の抵抗111とコンデンサ112および比較器102の入力の接続部に接続されている。この抵抗131およびPNPトランジスタ132で第1のスイッチング部130が構成されている。この第1のスイッチング部130とスイッチング制御部140で過電流検知部100が過電流を検知するまでの遅延時間を調整する遅延時間調整部120を構成している。
【0014】
この図1の回路図では過電流検知手段は過電流検知部100であり、遅延時間を調整する調整手段は遅延時間調整部120であり、第1のスイッチング手段はPNPトランジスタ132等であり、スイッチング制御手段はスッチング制御部140であり、第2のスイッチング手段はNPNトランジスタ144等である。
【0015】
次に各部の動作について説明する。電圧VsはCRフィルタ110に入力され、CRフィルタ110の出力であるコンデンサ112の端子間電圧Vs´と所定の過電流検知閾値電圧Vthを比較し、コンデンサ112の端子間電圧Vs´が過電流検知閾値電圧Vthを超えたときに、比較器102は過電流検知信号FAILをハイレベルとし、駆動回路150に過電流の発生を通知する。なお、過電流が発生し比較器102が過電流検知信号FAILをハイレベルとした後、比較器102がノイズ等で誤動作しないように、ある程度電流icが低下するまで過電流検知信号FAILをハイレベルのまま保持するように比較器102にはヒステレシス特性を持たせている。過電流検知信号FAILの立ち上がりを検出した駆動回路150はIGBT3をオフする。
【0016】
ここで、電圧VsはIGBT3のオン時間超過等に伴う電流の増加による過電流程度ではNPNトランジスタ144のベース・エミッタ間電圧(約0.7V)よりも低い値になるように第1の抵抗101を選択している。
【0017】
また、電圧Vsは抵抗141を介してNPNトランジスタ144のベースに印加されるため、IGBT3の負荷が短絡し、短絡電流が流れた場合、電圧Vsは急速にNPNトランジスタ144のベース・エミッタ間電圧(約0.7V)より高い値になり、NPNトランジスタ144をオンし、このNPNトランジスタ144のオンにより、PNPトランジスタ132もオンするためコンデンサ112は電源Vccにより急速に充電されることによりコンデンサ112の端子間電圧Vs´は急速に比較器102の過電流検知閾値電圧Vthより高くなり、短絡電流が発生してから短時間に過電流検知信号FAILをハイレベルとするため、IGBT3も短絡電流が発生してから短時間でオフとなる。
【0018】
次に図2のタイムチャートを用いて、負荷短絡等により短絡電流が発生した場合の各部の動作を詳細に説明する。
【0019】
時間t1で入力信号INをハイレベルにすることで、駆動回路150がIGBT3のゲートに電圧Vgeを印加し、IGBT3をオンさせる。負荷短絡が発生しているため、IGBT3に流れる電流icは急激に増加し始め、第1の抵抗101に発生する電圧Vsも図2に示すように急激に上昇する。しかしコンデンサ112の端子間電圧Vs´は第2の抵抗111とコンデンサ112によって決まる曲線201(実線および破線で示す)で上昇を始める。時間t2において、電圧VsがNPNトランジスタ144のベース・エミッタ間電圧(約0.7V)を超えると、抵抗141を介してNPNトランジスタ144にベース電流が流れ、NPNトランジスタ144がオンし、NPNトランジスタ144がオンに伴ってPNPトランジスタ132もオンする。このため電源Vccからコンデンサ112を充電する電流iaが発生し、コンデンサ112の端子間電圧Vs´の上昇速度が急激に大きくなり、曲線202(実線および破線で示す)に変化する。時間t3において、コンデンサ112の端子間電圧Vs´が過電流検知閾値電圧Vthを超えると比較器102の過電流検知信号FAILがハイレベルとなり、駆動回路150はIGBT3のゲートへの印加電圧Vgeを0Vとし、IGBT3をオフする。このように短絡電流の場合には急速なコンデンサ112への充電動作により、IGBT3をオフするまでの時間を短くでき、負荷短絡に伴う短絡電流によりIGBTが破壊するのを防止できる。このように短絡電流のような急激な大電流の場合にも、急激な電流の変化に対応するための専用の比較器を用いなくても、トランジスタ2個を使用した安価で簡単な構成で短時間に過電流検知ができる。もし急速なコンデンサ112への充電動作を行わず、過電流検知部100のみで過電流を検知した場合には時間t4で過電流を検知することになる。
【0020】
一方、IGBT3のオン時間超過に伴う電流増加などの過電流に対しては、電圧VsがNPNトランジスタ144のベース・エミッタ間電圧(約0.7V)より低くなるように第1の抵抗101を設定しているため、NPNトランジスタ144はオンせず、コンデンサ112の端子間電圧Vs´は従来から知られているCRフィルタ110の特性に沿った曲線203(破線で示す)に沿って上昇し、過電流発生から所定の遅延時間後の時間t5で過電流検知信号FAILがハイレベルとなり、IGBT3をオフする。
【0021】
図3は過電流値と過電流検知時間の関係および電圧駆動素子の破壊耐量との関係を示した図であり、曲線303(実線)および曲線304(破線)は従来の過電流検知回路に使用されていたと同じ構成の過電流検知部100におけるCRフィルタ110の遅延による過電流値と過電流検知時間の関係を示している。曲線305(実線)は本発明の過電流検知回路において短絡電流のように極めて大きな電流が流れた場合の過電流値と過電流検知時間の関係を示しおり、本発明による過電流検知回路の過電流値と過電流検知時間の関係は曲線303と曲線305である。
【0022】
図2で説明したように短絡電流(SC)のように電流値が大きい場合は時間t3で過電流検知を行い、IGBTのオン時間超過等に伴う過電流(OC)では時間t5で過電流検知を行っていることを示している。時間t4は従来の構成と同じ過電流検知部100のみで過電流検知を行った場合の時間を示している。
【0023】
ここで電圧駆動素子の破壊耐量を示す耐量曲線が301に示すような過電流と過電流発生時間の耐量を備える素子であれば、いずれの過電流検知時間においても過電流による素子の破壊を防止することができるが、このような破壊耐量を持つ素子は高価で、形状が大きくなる。一方、曲線302に示すような破壊耐量を持つ電圧駆動素子では時間t4で過電流検知したのでは、電圧駆動素子の破壊を防止することはできない。本発明のように2個のトランジスタで構成できる安価で簡単な構成で、曲線305の特性を持たせることで時間t3で過電流検知できることにより、電圧駆動素子の破壊は防止できる。
【0024】
以上本実施の形態によれば、負荷短絡による短絡電流のような大きな過電流に対しては第1のスイッチ部130よりコンデンサ112に急速に充電することにより、過電流検知時間を短くできる一方、IGBTのオン時間超過等に伴う過電流のような場合には過電流検知部110で従来から使用されているCRフィルタの遅延特性を利用した過電流検知ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す回路図。
【図2】本発明の実施の形態の動作を示すタイムチャート。
【図3】本発明の実施の形態の過電流値と過電流検知時間の関係および電圧制御素子の破壊耐量を示す図。
【符号の説明】
3 IGBT
100 過電流検知部
101 第1の抵抗
102 比較器
110 CRフィルタ
111 第2の抵抗
112 コンデンサ
120 遅延時間調整部
130 第1のスッチング部
132 PNPトランジスタ
140 スッチング制御部
143 第3の抵抗
144 NPNトランジスタ
Claims (5)
- 電圧駆動素子に所定の電流値以上の電流が流れたことを検知する電圧駆動素子の過電流検知回路において、
前記電圧駆動素子に前記所定の電流値以上の電流が流れたことを、前記所定の電流値以上の電流が流れた時点から所定の遅延時間後に検知する1つの過電流検知手段と、
前記電圧駆動素子に流れる電流の電流値に基づいて、前記過電流検知手段の遅延時間を調整する調整手段と
、を備えたことを特徴とする電圧駆動素子の過電流検知回路。 - 前記過電流検知手段は前記電圧駆動素子に流れる電流を電圧に変換する第1の抵抗と、該第1の抵抗によって変換された電圧を、CRフィルタを介して入力し、所定の基準電圧と比較する比較器とから成り、前記調整手段は前記CRフィルタに具備されたコンデンサに充電する電荷を調整することによって、前記過電流検知手段の遅延時間を調整することを特徴とする請求項1記載の電圧駆動素子の過電流検知回路。
- 前記調整手段は、少なくとも第1の電源と、一方が該第1の電源に接続されるとともに他方が前記コンデンサに接続された第1のスイッチング手段と、前記第1のスイッチング手段のスイッチングを制御するスイッチング制御手段とからなることを特徴とする請求項2記載の電圧駆動素子の過電流検知回路。
- 前記第1のスイッチング手段はトランジスタであって、前記スイッチング制御手段は、少なくとも第2の電源と、第2のスイッチング手段からなり、前記第1のスイッチング手段としてのトランジスタのベース端子へ印加する電圧を制御することを特徴とする請求項3記載の電圧駆動素子の過電流検知回路。
- 電圧駆動素子に所定の電流値以上の電流が流れたことを検知する電圧駆動素子の過電流検知回路において、前記電圧駆動素子の接地側端子とアース間に接続された第1の抵抗と、前記第1の抵抗の前記電圧駆動素子側に第2の抵抗の一方が接続され、前記第2の抵抗の他方がコンデンサの一方および比較器の入力に接続され、前記コンデンサの他方はアースに接続され、また、前記第1の抵抗の前記電圧駆動素子側がNPNトランジスタのベースに接続され、前記NPNトランジスタのエミッタはアースに接続され、前記NPNトランジスタのコレクタは第3の抵抗の一方に接続され、前記第3の抵抗の他方は第2の電源に接続され、前記第3の抵抗の前記NPNトランジスタ側はPNPトランジスタのベースに接続され、前記PNPトランジスタのエミッタは第1の電源に接続され、前記PNPトランジスタのコレクタは前記比較器の入力、前記コンデンサおよび前記第1の抵抗の接続部に接続されることを特徴とする電圧駆動素子の過電流検知回路。
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---|---|---|---|
JP2003025498A JP2004236485A (ja) | 2003-02-03 | 2003-02-03 | 電圧駆動素子の過電流検知回路 |
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Country | Link |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009291048A (ja) * | 2008-05-30 | 2009-12-10 | Toyota Industries Corp | 過電流保護回路 |
CN102377170A (zh) * | 2010-08-23 | 2012-03-14 | 三美电机株式会社 | 保护电路 |
JP2014143860A (ja) * | 2013-01-24 | 2014-08-07 | Furuno Electric Co Ltd | 過電流保護装置、及びこれを備える舶用電気機器 |
JP2015050816A (ja) * | 2013-08-30 | 2015-03-16 | 株式会社デンソー | 電気負荷駆動装置 |
JP7566570B2 (ja) | 2020-10-14 | 2024-10-15 | 東芝テック株式会社 | 電源装置 |
-
2003
- 2003-02-03 JP JP2003025498A patent/JP2004236485A/ja active Pending
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