JP2004233653A - ミラー駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】梁を大きく湾曲させた場合であっても破損を防止でき、ミラーをより大きく変位させることができるミラー駆動装置を提供する。
【解決手段】基板と、一方の主面にミラー膜が形成されたミラープレートと、一端部で基板に固定され他端部が接続部を介してミラープレートの他方の主面に接続された梁部を有しその梁部の他端部が上下するアクチュエーターとを備えたミラー駆動装置であって、梁部をシリコン窒化膜を含むように構成した。
【選択図】 図1
【解決手段】基板と、一方の主面にミラー膜が形成されたミラープレートと、一端部で基板に固定され他端部が接続部を介してミラープレートの他方の主面に接続された梁部を有しその梁部の他端部が上下するアクチュエーターとを備えたミラー駆動装置であって、梁部をシリコン窒化膜を含むように構成した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として光スイッチに使用されるミラー駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
データ通信量が飛躍的に増大しているテレコミュニケーションシステム等に利用される光通信システムにおいて、その高速化のために波長分割多重(WDM)による高密度化が不可欠である。そのための高速・大容量光通信システムの光ネットワークでは、中継地や分岐点に設置されるクロスコネクト装置(XC)や挿入・分岐多重装置(ADM)を電気式から光式に転換する必要がある。それらの装置の光化に光スイッチは不可欠な部品である。この光化したXC、ADM等に使用される光スイッチは、例えば円形の複数のミラーの方向を所望の方向に変化させる駆動機構部とを備えてなり、そのミラーの方向を変化させることにより光をスイッチングする。このような光スイッチの駆動機構としては、ミラーが形成されたプレートを2軸のジンバルにより支持して、方向を変化させる方法がある。この方法では、ミラーとなる反射膜が成膜されたポリシリコンのプレートを直交する2軸の回転自由度を持つジンバルで支持し、プレートとその下の電極間に電圧をかけ静電力によりミラーの傾き角を制御している。この構成部品は全てウェハープロセスによりシリコン基板表面に形成され、ジンバルとプレートは弱いばねで接続されている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
【非特許文献1】
ディー.ティー.ニールソン(D.T.Neilson)著、「フリー プロビィジョンド 112×112マイクロ−メカニカル オプティカル クロスコネクトウイズ 35.8Tb/s デモンストレーティド キャパシティー(Fully Provisioned 112×112 Micro−Mechanical Optical Crossconnect With 35.8 Tb/s Demonstrated Capacity)」、OFC2000(テクニカル・ダイジェスト)、米国、オプティカル・ソサイアティ・オブ・アメリカ(Optical Society of America)、2000年3月5日、第1巻、PD12−2、pp1−2
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のミラー駆動装置は、駆動電圧が大きいという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は、駆動電圧を低くできるミラー駆動装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために、本発明に係るミラー駆動装置は、基板と、一方の主面にミラー膜が形成されたミラープレートと、一端部が接続部を介して上記ミラープレートに接続され他端部で基板に固定された梁部を有しその梁部の一端部が上下するアクチュエーターとを備えたミラー駆動装置であって、上記梁部をシリコン窒化膜を含むように構成したこと、又は上記梁部に上記一端部から上記他端部に至る長手方向にその中心軸が交差するように切欠き部を形成したことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る実施の形態のミラー駆動装置について説明する。
図1は、本実施の形態1のミラー駆動装置(マイクロミラー)の平面図であり、図2は図1のA−A’線についての断面図であり、図3は図1のB−B’線についての断面図である。尚、本明細書において、上面とはミラー側の面を意味し、下面とはミラーと反対側に位置する面を意味するものとする。
【0008】
実施の形態1のミラー駆動装置において、ミラーの駆動機構は、図1に示すように、3つのアクチュエーター20によって構成される。具体的には、図1〜図3に示すように、第1基板1の上方に、ピボット31によって揺動可能に配置されたミラープレート6が、3箇所で接続バネ3を介して各アクチュエーター20の梁の部分(梁部)10の一端部(移動端)12に接続され、その梁部10の他端部(固定部)11が第1基板1の上面に固定されることにより構成されている。
【0009】
より詳細には、本実施の形態1のミラー駆動装置において、各アクチュエーター20は、上下に移動可能な移動端12と固定部11とを有しかつその上面に上部電極4を備えた梁部10と、他方の電極を兼ねる第1基板1上とによって構成され、上部電極4と第1基板1との間に印加された電圧に対応した静電力によって移動端12を上下させることができる。
以上のように構成されたミラー駆動機構は、所望の反射方向に対応させて3つのアクチュエーター20に印加する電圧を制御することによってミラープレート6を所望の方向に向けることができる。
【0010】
ここで、特に本実施の形態1のミラー駆動装置は、アクチュエーター20の主要部を構成する梁部絶縁膜5がSiNxで表されるシリコン窒化膜からなることを特徴とし、これにより梁部10の剛性を小さくすることができる。
従って、特に本実施の形態1のミラー駆動装置のアクチュエーター20は、小さな静電力により大きな変位(上下の変位)を得ることが可能となりかつ破壊を防止できることから高い信頼性が実現できる。
【0011】
以下、本発明に係る実施の形態1のミラー駆動装置の製造方法について説明する。
図4〜図9は、本実施の形態1のミラー駆動装置の製造方法における、ミラー駆動機構部の加工プロセスの流れを示す断面図である。図4〜図9の断面は、図1のC−C’線(梁部10の固定部11から移動端12に至る円弧の部分とその円弧と移動端12において連続し移動端からミラープレートの中心に向う直線部分からなる)についての断面を平面的に描いたものである。
【0012】
本方法ではまず、図4に示す、シリコン単結晶からなる第1基板1上にSiOx層108を介して活性シリコン層(単結晶シリコン層)106が形成されたSOI基板を用い、活性シリコン層106を所定の形状(ミラープレートの形状:本実施の形態1では円形)にエッチングすることによりミラープレート6を形成する(図5)。
尚、本実施の形態1では、SOI基板として、例えば、活性層シリコン106の厚さが10μm、SiOx酸化膜層108の厚さが2.5μm、シリコン基板部分の厚さが450μmのものを用いる。
以上のように、薄膜形成技術により形成したものではないいわゆるバルクシリコンである活性層シリコン106を用いてミラープレート6を形成すると、高い平面度を有しかつ撓み変形の少ないミラープレートを容易に作製できる。
具体的には、光スイッチに用いられるミラー駆動装置のミラープレート6には、反射面の曲率半径が3m程度又はそれ以上の曲率半径であることが必要とされるが、活性層シリコン106を用いてミラープレート6を構成すると曲率半径が3m以上の平面度の良い反射面を作製できる。
尚、本発明は、SOI基板の作製方法により限定されるものではなく、例えば、貼り合わせ法により作製されたものであってもよいし、活性層シリコンをエピタキシャル成長により作製したものであってもよい。
【0013】
ミラープレート6を形成した後、梁部10、接続バネ3を構成するためのシリコン窒化膜(SiNx膜)をミラープレート6を覆うようにCVD等により形成した後、エッチングにより梁部10、接続バネ3の形状にパターンニングする(図6)。
エッチングにより残す部分は、(1)ミラープレート6の外側に、アクチュエーター20の固定部11を構成するための矩形形状の部分とその部分からミラープレート6の外周に沿った円弧形状の部分とその先端部にあたる移動端12からなる梁部の絶縁層(梁部絶縁層5)、(2)ミラープレート6の上面と側面及びその側面から外側に張り出したつばの部分(本明細書において、ミラープレート6の上面の絶縁膜をプレート絶縁膜5aという。)、(3)梁部の移動端12とミラープレート6から外側に張り出したつばの部分とを一体的に接続する接続バネ3の部分である(図1及び図6参照)。
【0014】
このようにして、梁部の絶縁層(梁部絶縁層5)、プレート絶縁膜5a、つばの部分及び接続バネ3が同一材料でかつ一体で構成される。
このように、梁部の絶縁層(梁部絶縁層5)、プレート絶縁膜5a及び接続バネ3を同一材料で一体的に構成すると、各結合部分における破損を防止でき、信頼性を高くできる。
また、プレート絶縁膜5aと接続バネ3の間に、ミラープレートの外周全体に亙ってつばの部分を一体で形成することによってより効果的にプレート絶縁膜5aと接続バネ3の間の破損を防止することができる。
【0015】
また、本実施の形態1のミラー駆動装置において、梁部絶縁層5を低応力(剛性の低い)のシリコン窒化膜を用いて構成している点が極めて重要な要素であり、これにより、極めて低い駆動電圧でミラープレート6の傾き制御を可能としている(後述の試作評価結果により実証)。さらに、梁部絶縁層5、プレート絶縁膜5a及び接続バネ3を低応力のシリコン窒化膜で一体的に構成することにより各結合部分における破損をより効果的に防止でき、極めて信頼性を高くできる。すなわち、シリコン窒化膜より剛性の高い材料で梁部絶縁層5、プレート絶縁膜5a及び接続バネ3を構成すると、低駆動電圧化が難しくなるだけではなく、同じミラー傾き角が得られるように駆動したとき、梁部絶縁層の固定部分や接続バネの部分等により大きな力が集中し、破損しやすくなるが、梁部絶縁層5の剛性を低くすることにより固定部分や接続部分等に集中する力を緩和でき、高い信頼性が得られる。
【0016】
また、本実施の形態1のミラー駆動装置において、梁部絶縁層5等をシリコン窒化膜で構成することによってさらに以下のような利点がある。
第1に、梁部10及び接続バネ3は機械的強度が等方的な材料を用いて構成することが好ましいが、シリコン窒化膜は機械的強度が等方的である。
従って、梁部絶縁層5等をシリコン窒化膜で構成することによって、梁部の変形状態とかかる力の向きによらず剛性が一定となり、復元力のバラツキを小さくできる。また、例えば、結晶方位により機械的強度が異なる場合、その最弱方位で破損しやすいが、機械的強度が等方的であると力がかかる方向により機械的強度が異なることの影響がなくなり、梁部10及び接続バネ3の破損を防止でき信頼性を高くできる。
【0017】
第2に、本実施の形態1のように、犠牲層としてSiO2を用いる場合には、梁部10(梁部絶縁層5)等は、フッ化水素(HF)エッチング液に対して耐性がある材料を用いることが好ましい(すくなくとも、SiO2よりフッ化水素に対するエッチングレートの小さい材料とし、好ましくはエッチング選択比が10以上になるように材料を選択する。)が、シリコン窒化膜はフッ化水素(HF)エッチング液に対して耐性がある。
尚、シリコン窒化膜の50%HFに対するエッチングレートは、5〜6nm/分であり、シリコン熱酸化膜の50%HFに対するエッチングレートは、1300nm/分程度である。
【0018】
また、アクチュエーターの復元力のバラツキを小さく抑えるために、梁部10の膜厚を精度よく制御する必要があるので、梁部10及び接続バネ3は成膜プロセス(CVD、スパッタリング、蒸着等)で形成した膜を用いることが好ましく、より低応力なシリコン窒化膜(SiNx膜)を得るために、大気圧以下の圧力で成長させるLPCVD(低圧化学気相成長法)により成膜することがより好ましい。
尚、本明細書において、シリコン窒化膜(SiNx膜)は、xが特定の値のものに限定されるものではなく、例えば、低圧化学気相成長法における成膜条件により所望の物性(本発明では特に低い剛性)を実現するように任意に組成が設定されるものである。
【0019】
次に、上部電極4、上部電極4に制御電圧を印加するための配線、ミラー膜(反射膜)7を構成するための金属膜(本実施の形態1では、Au膜を用い、Au膜とSiNxとの密着力を強化するために下地としてNi−Cr膜を形成した)を成膜した後、所定の形状にパターンニングする(図1,図7)。
ここで、上部電極4は、梁部絶縁層5のほぼ全面に重ねて形成されるが、上部電極4の外周が梁部絶縁層5の外周より若干内側に位置するようにすることが好ましい。
尚、上部電極4に制御電圧を印加するための配線は図示していない。
また、実施の形態1のようにミラー膜7及び上部電極等を形成した後、犠牲層であるSiO2を除去する場合には、ミラー膜7等もSiO2を除去するためのフッ酸に対して耐性のある金属を緻密に形成する必要がある。このことを考慮して、本実施の形態1では、フッ酸に対して耐性がありかつ緻密に形成することができるAu膜を用いている。
【0020】
次に、第1基板1に、ミラープレート6を揺動可能に支持するピボット31を貫通させるための貫通孔100をエッチングにより形成する(図8)。
そして、犠牲層であるSiOx膜108をエッチングにより除去する(図9)。このエッチングの際、梁部絶縁層5の下のSiOx膜108は、層5の下を横方向に進むエッチング(サイドエッチング)により除去される。
また、本実施の形態1では、梁部10の固定部11は、図9に示すように、固定部11の下に残ったSiOx膜によって第1基板1に固定される。
従って、本実施の形態1では、梁部10の下に位置するSiOx膜108が十分除去され、固定部11と第1基板1とを固定するのに十分なSiOx膜108が固定部11の下に残されるように、固定部11の面積及びエッチングの時間が設定される。
【0021】
以上のようにして、それぞれ第1基板1上に固定部11で固定され、移動端12と第1基板1との距離を変化させることができるように撓むことが可能な3つの梁部10と、その移動端12においてそれぞれ接続バネ3によって接続されることにより基板から浮いた状態で保持されたミラープレート6が形成される。
【0022】
そして、上述のようにしてミラー駆動機構に係る構造体が形成された第1基板1を、ピボット31が形成された第2基板30と組み合わせることにより、本実施の形態1のミラー駆動装置が完成される。
具体的には、第1基板1と第2基板30とはピボット31が貫通孔100を貫通してその先端が第1基板の上面から突出するように配置されて、プレート6がピボット31の先端で揺動可能に支持されるように、第2基板の上面が第一の基板の下面とを例えば接着剤によって接合する。
尚、この際、ピボット31が第1基板1の開口部の略中央に位置するように、好ましくは、同軸となるように配置されて第1基板と第2基板とは接合される。また、第2基板30は、例えば、シリコン基板を用いて構成し、そのピボット31は、円錐形状又は角錐形状等にシリコンのバルクマイクロマシニングで容易に加工することができる。
【0023】
以上説明した実施の形態1のミラー駆動装置においては、アクチュエーター20を構成する梁部絶縁膜5等をシリコン窒化膜により構成しているので、梁部10の剛性を小さくすることができ、小さな静電力により大きな変位(上下の変位)を得ることが可能となりかつ破壊を防止できる。これにより高い信頼性が実現できる。
【0024】
(実施の形態1に係るミラー駆動装置の試作評価結果)
以下、実施の形態1のミラー駆動装置を実際に作製して評価した結果を説明する。
尚、この試作評価したミラー駆動装置の主要部の寸法は以下の表1に示すように設定した。
【0025】
表1
【0026】
また、本試作検討において、梁部等を構成するためのシリコン窒化膜の成膜条件は以下のようにした。
シリコン窒化膜の成膜条件:
ガス;NH3/SiC12H2、
成膜圧力;350mTorr、
成膜温度;800℃、
成膜速度;0.29μm/hr。
【0027】
以上のようにして作製したミラー駆動装置は、ミラーの押上げ量を約70μmとしたときに、約15Vの駆動電圧で、ミラープレート6を4度傾けることができた。
ここで、ミラーの押上げ量約70μmとは、傾きが無い(0度)状態で、第1基板1とミラープレート6の間隔が約70μmであることを意味する。
これは従来技術の欄で説明した非特許文献1に開示された平行平板電極型のミラー駆動装置の構成における駆動電圧(200−300Vの駆動電圧)に比較して1桁以上の低電圧化が図られたことになる。
尚、比較として挙げた平行平板電極型のミラー駆動装置の駆動電圧は、非特許文献1において直接記載されたものではないが、平行平板電極型のミラー駆動装置の構成では、ミラープレートを5度程度傾けるために200V−300Vの駆動電圧が必要であることが一般的な認識である。
以上の評価結果により本実施の形態1のミラー駆動装置は極めて低電圧化が可能であることが確認された。
尚、本評価サンプルでは、梁部絶縁膜5の厚さは、0.7μmに設定したが、本実施の形態1では、梁部絶縁膜5の膜厚によって制限されるものではない。
しかしながら、犠牲層を除去するプロセスを経て製造される場合の製造の容易さ、及び破損等を防止する観点から、梁部絶縁膜5の膜厚は0.4μm〜0.9μmの範囲に設定することが好ましい。
【0028】
実施の形態2.
実施の形態2のミラー駆動装置は、図10及び図11に示すように、実施の形態1のミラー駆動装置の梁部10に切り欠き部2を形成した以外は、実施の形態1のミラー駆動装置と同様に構成される。
ここで、図10及び図11において、実施の形態1と同様のものには同様の符号を付して示している。
【0029】
この実施の形態2のミラー駆動装置では、アクチュエーター20の主要部を構成する梁部10がそれぞれ切り欠き部2を有しているので、これにより梁部10の剛性を実施の形態1に比較してより小さくすることができる。
従って、特に本実施の形態2のミラー駆動装置のアクチュエーター20は、小さな静電力により大きな変位(上下の変位)を得ることが可能となる。
また、梁部10をより低剛性にできることから、固定部等の接続部分にかかる力を小さくでき、破壊をより効果的に防止できる。
【0030】
尚、実施の形態2のミラー駆動装置は、梁部10の形状加工の際、同時に切り欠き部を形成できるので、実施の形態1のミラー駆動装置の製造方法と同様な方法により製造することができる。
すなわち、実施の形態2では、実施の形態1の製造方法において、梁部絶縁層5は、切り欠き部2が形成されるようにパターンニングされる。また、実施の形態2において、切り欠き部2は、梁部10をより低剛性にするために、好ましくは切り欠き部2の中心軸が長手方向(固定部11から移動端12に至る方向)に交差するように、より好ましくは直交するように形成される。
また、切り欠き部2は、梁部10のたわみ変形をより容易にするために、複数個形成することが好ましく、本実施の形態2では3つ形成した例で示している。
さらに、本実施の形態2では、より好ましい形態として、3つの切り欠きをほぼ等間隔に形成し、さらに3つの切り欠き2のうち両側に位置する2つの切り欠き2は梁部絶縁層5の内側側面(ミラープレート6に近い側の側面)に形成し、中央に位置する切り欠き2を外側側面(ミラープレート6から離れた側の側面)に形成するようにして、交互に配置している。
【0031】
尚、本実施の形態2では、梁部絶縁膜5、接続バネ3をシリコン窒化(SiNx)膜により構成したが、実施の形態2では、切り欠き部2によって梁部10の剛性を低くできるので、梁部絶縁膜5等の材料はシリコン窒化(SiNx)膜に限られるものではない。
しかしながら、実施の形態1でも説明したように、梁部絶縁膜5及び接続バネ3は復元力のバラツキを小さくしかつ梁部10及び接続バネ3の破損を防止するために、機械的強度が等方的な材料を用いて構成することが好ましい点、犠牲層として、SiO2を用いる場合には、梁部10(梁部絶縁層5)等は、フッ化水素(HF)エッチング液に対して耐性がある材料を用いることが好ましい点等を考慮すると、梁部絶縁層の材料としては窒化シリコンを用いることが好ましい。また、梁部10はより低応力であることが望ましい点からも、梁部絶縁層5はSiNx膜で形成することが好ましく、さらにシリコン窒化膜はLPCVD(低圧化学気相成長法)により成膜することが好ましい。
【0032】
以上説明した実施の形態2のミラー駆動装置は、半導体製造技術を用いて作製されたアクチュエーター20において、梁部10に切り欠き2を形成しているので、梁部10の剛性を小さくすることができ、小さな静電力により大きな変位(上下の変位)を得ることが可能となりかつ破壊を防止できることから高い信頼性が実現できる。
例えば、ミラープレート6の直径を1mm、梁部10の膜厚を0.5μm、梁部の幅を150μmとし、長さが100μmの切り欠き2を3つ形成したもの(本発明)と、切り欠き2を形成しないもの剛性を、有限要素法を用いてシミュレーションした結果、切り欠き2を形成した本実施の形態2は、切り欠き2を形成しないものに比べて、約5倍変形しやすいことが確認された。
【0033】
変形例.
以上の実施の形態2の説明において、基板及び各層として実施の形態1と同様の材料を用いて構成したとして説明した。しかしながら、本発明はこれらの例示した材料に限られるものではない。
例えば、梁部絶縁膜5の例として、SiNx膜を挙げたが、本実施の形態2では、ポリシリコン、アモルファスシリコン膜等を用いるようにしてもよい。
【0034】
以上の実施の形態1及び2では、上部電極4及び反射膜7として、Cr下地のAu膜を例として挙げたが、本発明では、下地層として、NiCr、Ti、Ti/Ptを用いることもできる。
また、実施の形態では、上部電極4と反射膜7とを同一の材料(Cr下地のAu膜)を用いたが本発明では、上部電極4と反射膜7とは異なる材料により構成されていてもよい。
【0035】
本発明において、プレート膜上にミラー膜としてAu膜を形成する場合、プレート膜のベースとなる膜の材質に対して、Au膜の密着力を改善すること、及びベースとなる材質とAu膜との反応を防止する構成をとることが好ましい。具体的には、ミラープレート6をシリコン単結晶により構成し、プレート膜をSiNx膜により構成し、かつミラー膜としてAuを用いる場合、Au膜とプレート膜との間の密着力を高くするために、Au膜とプレート膜の間の密着強化膜として例えば、Cr膜を形成することが好ましく、また、Au膜とプレート膜との間の反応を防止するための反応防止膜として、例えばTi/Pt膜を形成することが好ましい。尚、ここでは、密着強化膜としてCr膜を、反応防止膜としてTi/Pt膜を例としてあげたが、本発明はこれらのものに限定されるものではなく、同様の効果のある膜であれば用いることができる。
尚、光通信における信号波長が1.55μmである場合、ミラー膜として用いる金属の膜厚は100nm以上あればよい。
【0036】
以上の実施の形態1及び2の説明では、1つのミラープレート部分に関して説明した。しかしながら、本発明はミラープレートが1つのものに限られるものではなく、それぞれアクチュエーターを備え反射方向を変更できる2つ以上のミラープレートがアレー状又はマトリクス状に配列されたミラー駆動装置に適用できることは言うまでもない。
【0037】
本実施の形態1及び2では、静電アクチュエーターについて説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、少なくとも一端部で基板に固定され他端部でミラープレートに接続された梁部を含むようなアクチュエーターに幅広く適用できる。
【0038】
さらに、本実施の形態1及び2のミラー駆動装置では、ピボット31が形成された第2基板30を用いて、ミラープレートをピボット31の先端で揺動可能に支持している。
しかしながら、本発明はこれに限られるものではなく、ミラープレートを揺動可能に支持することができる他の手段を適用することもできる。
【0039】
またさらに、本実施の形態1及び2のミラー駆動装置では、本発明の好ましい形態として、ミラープレートと貫通孔は互いに同軸の円形とし、梁部10は長手方向がプレート6の外周に沿った円弧形状になるように形成した。
このように、梁部10の長手方向がプレート6の外周に沿った円弧形状になるように形成することにより、梁部10を長くできるので、移動端11の変位を大きくでき、ミラーの反射方向を大きく変化させることができる。
【0040】
また、本実施の形態1及び2のミラー駆動装置では、本発明の好ましい形態として、1つのミラープレートに対して3つのアクチュエーターでミラー駆動機構を構成しているので、反射方向の制御を容易にできる。
【0041】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明に係るミラー駆動装置は、上記アクチュエーターの梁部を低応力にできるので、梁を大きく湾曲させた場合であっても破損を防止でき、ミラーをより大きく変位させることができるミラー駆動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態1のミラー駆動装置の平面図である。
【図2】図1のA−A’線についての断面図である。
【図3】図1のB−B’線についての断面図である。
【図4】本発明に係る実施の形態1のミラー駆動装置の製造方法において、第1基板として用いるSOI基板の断面図である。
【図5】実施の形態1のミラー駆動装置の製造方法において、ミラープレートの形状加工後の断面図である。
【図6】実施の形態1のミラー駆動装置の製造方法において、梁部絶縁層を形成した後の断面図である。
【図7】実施の形態1のミラー駆動装置の製造方法において、上部電極及びミラー膜を形成した後の断面図である。
【図8】実施の形態1のミラー駆動装置の製造方法において、貫通孔を形成した後の断面図である。
【図9】実施の形態1のミラー駆動装置の製造方法において、犠牲層108を除去した後の断面図である。
【図10】本発明に係る実施の形態2のミラー駆動装置の平面図である。
【図11】図10のA−A’線についての断面図である。
【符号の説明】
1 第1基板、2 切り欠き、3 接続バネ、4 上部電極、5 梁部絶縁膜、6 ミラープレート、7 ミラー膜(反射膜)、8 固定部接続層、10 梁部、11 固定部、12 移動端、20 アクチュエーター、30 第2基板、31 ピボット、100 貫通孔。
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として光スイッチに使用されるミラー駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
データ通信量が飛躍的に増大しているテレコミュニケーションシステム等に利用される光通信システムにおいて、その高速化のために波長分割多重(WDM)による高密度化が不可欠である。そのための高速・大容量光通信システムの光ネットワークでは、中継地や分岐点に設置されるクロスコネクト装置(XC)や挿入・分岐多重装置(ADM)を電気式から光式に転換する必要がある。それらの装置の光化に光スイッチは不可欠な部品である。この光化したXC、ADM等に使用される光スイッチは、例えば円形の複数のミラーの方向を所望の方向に変化させる駆動機構部とを備えてなり、そのミラーの方向を変化させることにより光をスイッチングする。このような光スイッチの駆動機構としては、ミラーが形成されたプレートを2軸のジンバルにより支持して、方向を変化させる方法がある。この方法では、ミラーとなる反射膜が成膜されたポリシリコンのプレートを直交する2軸の回転自由度を持つジンバルで支持し、プレートとその下の電極間に電圧をかけ静電力によりミラーの傾き角を制御している。この構成部品は全てウェハープロセスによりシリコン基板表面に形成され、ジンバルとプレートは弱いばねで接続されている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
【非特許文献1】
ディー.ティー.ニールソン(D.T.Neilson)著、「フリー プロビィジョンド 112×112マイクロ−メカニカル オプティカル クロスコネクトウイズ 35.8Tb/s デモンストレーティド キャパシティー(Fully Provisioned 112×112 Micro−Mechanical Optical Crossconnect With 35.8 Tb/s Demonstrated Capacity)」、OFC2000(テクニカル・ダイジェスト)、米国、オプティカル・ソサイアティ・オブ・アメリカ(Optical Society of America)、2000年3月5日、第1巻、PD12−2、pp1−2
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のミラー駆動装置は、駆動電圧が大きいという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は、駆動電圧を低くできるミラー駆動装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために、本発明に係るミラー駆動装置は、基板と、一方の主面にミラー膜が形成されたミラープレートと、一端部が接続部を介して上記ミラープレートに接続され他端部で基板に固定された梁部を有しその梁部の一端部が上下するアクチュエーターとを備えたミラー駆動装置であって、上記梁部をシリコン窒化膜を含むように構成したこと、又は上記梁部に上記一端部から上記他端部に至る長手方向にその中心軸が交差するように切欠き部を形成したことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る実施の形態のミラー駆動装置について説明する。
図1は、本実施の形態1のミラー駆動装置(マイクロミラー)の平面図であり、図2は図1のA−A’線についての断面図であり、図3は図1のB−B’線についての断面図である。尚、本明細書において、上面とはミラー側の面を意味し、下面とはミラーと反対側に位置する面を意味するものとする。
【0008】
実施の形態1のミラー駆動装置において、ミラーの駆動機構は、図1に示すように、3つのアクチュエーター20によって構成される。具体的には、図1〜図3に示すように、第1基板1の上方に、ピボット31によって揺動可能に配置されたミラープレート6が、3箇所で接続バネ3を介して各アクチュエーター20の梁の部分(梁部)10の一端部(移動端)12に接続され、その梁部10の他端部(固定部)11が第1基板1の上面に固定されることにより構成されている。
【0009】
より詳細には、本実施の形態1のミラー駆動装置において、各アクチュエーター20は、上下に移動可能な移動端12と固定部11とを有しかつその上面に上部電極4を備えた梁部10と、他方の電極を兼ねる第1基板1上とによって構成され、上部電極4と第1基板1との間に印加された電圧に対応した静電力によって移動端12を上下させることができる。
以上のように構成されたミラー駆動機構は、所望の反射方向に対応させて3つのアクチュエーター20に印加する電圧を制御することによってミラープレート6を所望の方向に向けることができる。
【0010】
ここで、特に本実施の形態1のミラー駆動装置は、アクチュエーター20の主要部を構成する梁部絶縁膜5がSiNxで表されるシリコン窒化膜からなることを特徴とし、これにより梁部10の剛性を小さくすることができる。
従って、特に本実施の形態1のミラー駆動装置のアクチュエーター20は、小さな静電力により大きな変位(上下の変位)を得ることが可能となりかつ破壊を防止できることから高い信頼性が実現できる。
【0011】
以下、本発明に係る実施の形態1のミラー駆動装置の製造方法について説明する。
図4〜図9は、本実施の形態1のミラー駆動装置の製造方法における、ミラー駆動機構部の加工プロセスの流れを示す断面図である。図4〜図9の断面は、図1のC−C’線(梁部10の固定部11から移動端12に至る円弧の部分とその円弧と移動端12において連続し移動端からミラープレートの中心に向う直線部分からなる)についての断面を平面的に描いたものである。
【0012】
本方法ではまず、図4に示す、シリコン単結晶からなる第1基板1上にSiOx層108を介して活性シリコン層(単結晶シリコン層)106が形成されたSOI基板を用い、活性シリコン層106を所定の形状(ミラープレートの形状:本実施の形態1では円形)にエッチングすることによりミラープレート6を形成する(図5)。
尚、本実施の形態1では、SOI基板として、例えば、活性層シリコン106の厚さが10μm、SiOx酸化膜層108の厚さが2.5μm、シリコン基板部分の厚さが450μmのものを用いる。
以上のように、薄膜形成技術により形成したものではないいわゆるバルクシリコンである活性層シリコン106を用いてミラープレート6を形成すると、高い平面度を有しかつ撓み変形の少ないミラープレートを容易に作製できる。
具体的には、光スイッチに用いられるミラー駆動装置のミラープレート6には、反射面の曲率半径が3m程度又はそれ以上の曲率半径であることが必要とされるが、活性層シリコン106を用いてミラープレート6を構成すると曲率半径が3m以上の平面度の良い反射面を作製できる。
尚、本発明は、SOI基板の作製方法により限定されるものではなく、例えば、貼り合わせ法により作製されたものであってもよいし、活性層シリコンをエピタキシャル成長により作製したものであってもよい。
【0013】
ミラープレート6を形成した後、梁部10、接続バネ3を構成するためのシリコン窒化膜(SiNx膜)をミラープレート6を覆うようにCVD等により形成した後、エッチングにより梁部10、接続バネ3の形状にパターンニングする(図6)。
エッチングにより残す部分は、(1)ミラープレート6の外側に、アクチュエーター20の固定部11を構成するための矩形形状の部分とその部分からミラープレート6の外周に沿った円弧形状の部分とその先端部にあたる移動端12からなる梁部の絶縁層(梁部絶縁層5)、(2)ミラープレート6の上面と側面及びその側面から外側に張り出したつばの部分(本明細書において、ミラープレート6の上面の絶縁膜をプレート絶縁膜5aという。)、(3)梁部の移動端12とミラープレート6から外側に張り出したつばの部分とを一体的に接続する接続バネ3の部分である(図1及び図6参照)。
【0014】
このようにして、梁部の絶縁層(梁部絶縁層5)、プレート絶縁膜5a、つばの部分及び接続バネ3が同一材料でかつ一体で構成される。
このように、梁部の絶縁層(梁部絶縁層5)、プレート絶縁膜5a及び接続バネ3を同一材料で一体的に構成すると、各結合部分における破損を防止でき、信頼性を高くできる。
また、プレート絶縁膜5aと接続バネ3の間に、ミラープレートの外周全体に亙ってつばの部分を一体で形成することによってより効果的にプレート絶縁膜5aと接続バネ3の間の破損を防止することができる。
【0015】
また、本実施の形態1のミラー駆動装置において、梁部絶縁層5を低応力(剛性の低い)のシリコン窒化膜を用いて構成している点が極めて重要な要素であり、これにより、極めて低い駆動電圧でミラープレート6の傾き制御を可能としている(後述の試作評価結果により実証)。さらに、梁部絶縁層5、プレート絶縁膜5a及び接続バネ3を低応力のシリコン窒化膜で一体的に構成することにより各結合部分における破損をより効果的に防止でき、極めて信頼性を高くできる。すなわち、シリコン窒化膜より剛性の高い材料で梁部絶縁層5、プレート絶縁膜5a及び接続バネ3を構成すると、低駆動電圧化が難しくなるだけではなく、同じミラー傾き角が得られるように駆動したとき、梁部絶縁層の固定部分や接続バネの部分等により大きな力が集中し、破損しやすくなるが、梁部絶縁層5の剛性を低くすることにより固定部分や接続部分等に集中する力を緩和でき、高い信頼性が得られる。
【0016】
また、本実施の形態1のミラー駆動装置において、梁部絶縁層5等をシリコン窒化膜で構成することによってさらに以下のような利点がある。
第1に、梁部10及び接続バネ3は機械的強度が等方的な材料を用いて構成することが好ましいが、シリコン窒化膜は機械的強度が等方的である。
従って、梁部絶縁層5等をシリコン窒化膜で構成することによって、梁部の変形状態とかかる力の向きによらず剛性が一定となり、復元力のバラツキを小さくできる。また、例えば、結晶方位により機械的強度が異なる場合、その最弱方位で破損しやすいが、機械的強度が等方的であると力がかかる方向により機械的強度が異なることの影響がなくなり、梁部10及び接続バネ3の破損を防止でき信頼性を高くできる。
【0017】
第2に、本実施の形態1のように、犠牲層としてSiO2を用いる場合には、梁部10(梁部絶縁層5)等は、フッ化水素(HF)エッチング液に対して耐性がある材料を用いることが好ましい(すくなくとも、SiO2よりフッ化水素に対するエッチングレートの小さい材料とし、好ましくはエッチング選択比が10以上になるように材料を選択する。)が、シリコン窒化膜はフッ化水素(HF)エッチング液に対して耐性がある。
尚、シリコン窒化膜の50%HFに対するエッチングレートは、5〜6nm/分であり、シリコン熱酸化膜の50%HFに対するエッチングレートは、1300nm/分程度である。
【0018】
また、アクチュエーターの復元力のバラツキを小さく抑えるために、梁部10の膜厚を精度よく制御する必要があるので、梁部10及び接続バネ3は成膜プロセス(CVD、スパッタリング、蒸着等)で形成した膜を用いることが好ましく、より低応力なシリコン窒化膜(SiNx膜)を得るために、大気圧以下の圧力で成長させるLPCVD(低圧化学気相成長法)により成膜することがより好ましい。
尚、本明細書において、シリコン窒化膜(SiNx膜)は、xが特定の値のものに限定されるものではなく、例えば、低圧化学気相成長法における成膜条件により所望の物性(本発明では特に低い剛性)を実現するように任意に組成が設定されるものである。
【0019】
次に、上部電極4、上部電極4に制御電圧を印加するための配線、ミラー膜(反射膜)7を構成するための金属膜(本実施の形態1では、Au膜を用い、Au膜とSiNxとの密着力を強化するために下地としてNi−Cr膜を形成した)を成膜した後、所定の形状にパターンニングする(図1,図7)。
ここで、上部電極4は、梁部絶縁層5のほぼ全面に重ねて形成されるが、上部電極4の外周が梁部絶縁層5の外周より若干内側に位置するようにすることが好ましい。
尚、上部電極4に制御電圧を印加するための配線は図示していない。
また、実施の形態1のようにミラー膜7及び上部電極等を形成した後、犠牲層であるSiO2を除去する場合には、ミラー膜7等もSiO2を除去するためのフッ酸に対して耐性のある金属を緻密に形成する必要がある。このことを考慮して、本実施の形態1では、フッ酸に対して耐性がありかつ緻密に形成することができるAu膜を用いている。
【0020】
次に、第1基板1に、ミラープレート6を揺動可能に支持するピボット31を貫通させるための貫通孔100をエッチングにより形成する(図8)。
そして、犠牲層であるSiOx膜108をエッチングにより除去する(図9)。このエッチングの際、梁部絶縁層5の下のSiOx膜108は、層5の下を横方向に進むエッチング(サイドエッチング)により除去される。
また、本実施の形態1では、梁部10の固定部11は、図9に示すように、固定部11の下に残ったSiOx膜によって第1基板1に固定される。
従って、本実施の形態1では、梁部10の下に位置するSiOx膜108が十分除去され、固定部11と第1基板1とを固定するのに十分なSiOx膜108が固定部11の下に残されるように、固定部11の面積及びエッチングの時間が設定される。
【0021】
以上のようにして、それぞれ第1基板1上に固定部11で固定され、移動端12と第1基板1との距離を変化させることができるように撓むことが可能な3つの梁部10と、その移動端12においてそれぞれ接続バネ3によって接続されることにより基板から浮いた状態で保持されたミラープレート6が形成される。
【0022】
そして、上述のようにしてミラー駆動機構に係る構造体が形成された第1基板1を、ピボット31が形成された第2基板30と組み合わせることにより、本実施の形態1のミラー駆動装置が完成される。
具体的には、第1基板1と第2基板30とはピボット31が貫通孔100を貫通してその先端が第1基板の上面から突出するように配置されて、プレート6がピボット31の先端で揺動可能に支持されるように、第2基板の上面が第一の基板の下面とを例えば接着剤によって接合する。
尚、この際、ピボット31が第1基板1の開口部の略中央に位置するように、好ましくは、同軸となるように配置されて第1基板と第2基板とは接合される。また、第2基板30は、例えば、シリコン基板を用いて構成し、そのピボット31は、円錐形状又は角錐形状等にシリコンのバルクマイクロマシニングで容易に加工することができる。
【0023】
以上説明した実施の形態1のミラー駆動装置においては、アクチュエーター20を構成する梁部絶縁膜5等をシリコン窒化膜により構成しているので、梁部10の剛性を小さくすることができ、小さな静電力により大きな変位(上下の変位)を得ることが可能となりかつ破壊を防止できる。これにより高い信頼性が実現できる。
【0024】
(実施の形態1に係るミラー駆動装置の試作評価結果)
以下、実施の形態1のミラー駆動装置を実際に作製して評価した結果を説明する。
尚、この試作評価したミラー駆動装置の主要部の寸法は以下の表1に示すように設定した。
【0025】
表1
【0026】
また、本試作検討において、梁部等を構成するためのシリコン窒化膜の成膜条件は以下のようにした。
シリコン窒化膜の成膜条件:
ガス;NH3/SiC12H2、
成膜圧力;350mTorr、
成膜温度;800℃、
成膜速度;0.29μm/hr。
【0027】
以上のようにして作製したミラー駆動装置は、ミラーの押上げ量を約70μmとしたときに、約15Vの駆動電圧で、ミラープレート6を4度傾けることができた。
ここで、ミラーの押上げ量約70μmとは、傾きが無い(0度)状態で、第1基板1とミラープレート6の間隔が約70μmであることを意味する。
これは従来技術の欄で説明した非特許文献1に開示された平行平板電極型のミラー駆動装置の構成における駆動電圧(200−300Vの駆動電圧)に比較して1桁以上の低電圧化が図られたことになる。
尚、比較として挙げた平行平板電極型のミラー駆動装置の駆動電圧は、非特許文献1において直接記載されたものではないが、平行平板電極型のミラー駆動装置の構成では、ミラープレートを5度程度傾けるために200V−300Vの駆動電圧が必要であることが一般的な認識である。
以上の評価結果により本実施の形態1のミラー駆動装置は極めて低電圧化が可能であることが確認された。
尚、本評価サンプルでは、梁部絶縁膜5の厚さは、0.7μmに設定したが、本実施の形態1では、梁部絶縁膜5の膜厚によって制限されるものではない。
しかしながら、犠牲層を除去するプロセスを経て製造される場合の製造の容易さ、及び破損等を防止する観点から、梁部絶縁膜5の膜厚は0.4μm〜0.9μmの範囲に設定することが好ましい。
【0028】
実施の形態2.
実施の形態2のミラー駆動装置は、図10及び図11に示すように、実施の形態1のミラー駆動装置の梁部10に切り欠き部2を形成した以外は、実施の形態1のミラー駆動装置と同様に構成される。
ここで、図10及び図11において、実施の形態1と同様のものには同様の符号を付して示している。
【0029】
この実施の形態2のミラー駆動装置では、アクチュエーター20の主要部を構成する梁部10がそれぞれ切り欠き部2を有しているので、これにより梁部10の剛性を実施の形態1に比較してより小さくすることができる。
従って、特に本実施の形態2のミラー駆動装置のアクチュエーター20は、小さな静電力により大きな変位(上下の変位)を得ることが可能となる。
また、梁部10をより低剛性にできることから、固定部等の接続部分にかかる力を小さくでき、破壊をより効果的に防止できる。
【0030】
尚、実施の形態2のミラー駆動装置は、梁部10の形状加工の際、同時に切り欠き部を形成できるので、実施の形態1のミラー駆動装置の製造方法と同様な方法により製造することができる。
すなわち、実施の形態2では、実施の形態1の製造方法において、梁部絶縁層5は、切り欠き部2が形成されるようにパターンニングされる。また、実施の形態2において、切り欠き部2は、梁部10をより低剛性にするために、好ましくは切り欠き部2の中心軸が長手方向(固定部11から移動端12に至る方向)に交差するように、より好ましくは直交するように形成される。
また、切り欠き部2は、梁部10のたわみ変形をより容易にするために、複数個形成することが好ましく、本実施の形態2では3つ形成した例で示している。
さらに、本実施の形態2では、より好ましい形態として、3つの切り欠きをほぼ等間隔に形成し、さらに3つの切り欠き2のうち両側に位置する2つの切り欠き2は梁部絶縁層5の内側側面(ミラープレート6に近い側の側面)に形成し、中央に位置する切り欠き2を外側側面(ミラープレート6から離れた側の側面)に形成するようにして、交互に配置している。
【0031】
尚、本実施の形態2では、梁部絶縁膜5、接続バネ3をシリコン窒化(SiNx)膜により構成したが、実施の形態2では、切り欠き部2によって梁部10の剛性を低くできるので、梁部絶縁膜5等の材料はシリコン窒化(SiNx)膜に限られるものではない。
しかしながら、実施の形態1でも説明したように、梁部絶縁膜5及び接続バネ3は復元力のバラツキを小さくしかつ梁部10及び接続バネ3の破損を防止するために、機械的強度が等方的な材料を用いて構成することが好ましい点、犠牲層として、SiO2を用いる場合には、梁部10(梁部絶縁層5)等は、フッ化水素(HF)エッチング液に対して耐性がある材料を用いることが好ましい点等を考慮すると、梁部絶縁層の材料としては窒化シリコンを用いることが好ましい。また、梁部10はより低応力であることが望ましい点からも、梁部絶縁層5はSiNx膜で形成することが好ましく、さらにシリコン窒化膜はLPCVD(低圧化学気相成長法)により成膜することが好ましい。
【0032】
以上説明した実施の形態2のミラー駆動装置は、半導体製造技術を用いて作製されたアクチュエーター20において、梁部10に切り欠き2を形成しているので、梁部10の剛性を小さくすることができ、小さな静電力により大きな変位(上下の変位)を得ることが可能となりかつ破壊を防止できることから高い信頼性が実現できる。
例えば、ミラープレート6の直径を1mm、梁部10の膜厚を0.5μm、梁部の幅を150μmとし、長さが100μmの切り欠き2を3つ形成したもの(本発明)と、切り欠き2を形成しないもの剛性を、有限要素法を用いてシミュレーションした結果、切り欠き2を形成した本実施の形態2は、切り欠き2を形成しないものに比べて、約5倍変形しやすいことが確認された。
【0033】
変形例.
以上の実施の形態2の説明において、基板及び各層として実施の形態1と同様の材料を用いて構成したとして説明した。しかしながら、本発明はこれらの例示した材料に限られるものではない。
例えば、梁部絶縁膜5の例として、SiNx膜を挙げたが、本実施の形態2では、ポリシリコン、アモルファスシリコン膜等を用いるようにしてもよい。
【0034】
以上の実施の形態1及び2では、上部電極4及び反射膜7として、Cr下地のAu膜を例として挙げたが、本発明では、下地層として、NiCr、Ti、Ti/Ptを用いることもできる。
また、実施の形態では、上部電極4と反射膜7とを同一の材料(Cr下地のAu膜)を用いたが本発明では、上部電極4と反射膜7とは異なる材料により構成されていてもよい。
【0035】
本発明において、プレート膜上にミラー膜としてAu膜を形成する場合、プレート膜のベースとなる膜の材質に対して、Au膜の密着力を改善すること、及びベースとなる材質とAu膜との反応を防止する構成をとることが好ましい。具体的には、ミラープレート6をシリコン単結晶により構成し、プレート膜をSiNx膜により構成し、かつミラー膜としてAuを用いる場合、Au膜とプレート膜との間の密着力を高くするために、Au膜とプレート膜の間の密着強化膜として例えば、Cr膜を形成することが好ましく、また、Au膜とプレート膜との間の反応を防止するための反応防止膜として、例えばTi/Pt膜を形成することが好ましい。尚、ここでは、密着強化膜としてCr膜を、反応防止膜としてTi/Pt膜を例としてあげたが、本発明はこれらのものに限定されるものではなく、同様の効果のある膜であれば用いることができる。
尚、光通信における信号波長が1.55μmである場合、ミラー膜として用いる金属の膜厚は100nm以上あればよい。
【0036】
以上の実施の形態1及び2の説明では、1つのミラープレート部分に関して説明した。しかしながら、本発明はミラープレートが1つのものに限られるものではなく、それぞれアクチュエーターを備え反射方向を変更できる2つ以上のミラープレートがアレー状又はマトリクス状に配列されたミラー駆動装置に適用できることは言うまでもない。
【0037】
本実施の形態1及び2では、静電アクチュエーターについて説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、少なくとも一端部で基板に固定され他端部でミラープレートに接続された梁部を含むようなアクチュエーターに幅広く適用できる。
【0038】
さらに、本実施の形態1及び2のミラー駆動装置では、ピボット31が形成された第2基板30を用いて、ミラープレートをピボット31の先端で揺動可能に支持している。
しかしながら、本発明はこれに限られるものではなく、ミラープレートを揺動可能に支持することができる他の手段を適用することもできる。
【0039】
またさらに、本実施の形態1及び2のミラー駆動装置では、本発明の好ましい形態として、ミラープレートと貫通孔は互いに同軸の円形とし、梁部10は長手方向がプレート6の外周に沿った円弧形状になるように形成した。
このように、梁部10の長手方向がプレート6の外周に沿った円弧形状になるように形成することにより、梁部10を長くできるので、移動端11の変位を大きくでき、ミラーの反射方向を大きく変化させることができる。
【0040】
また、本実施の形態1及び2のミラー駆動装置では、本発明の好ましい形態として、1つのミラープレートに対して3つのアクチュエーターでミラー駆動機構を構成しているので、反射方向の制御を容易にできる。
【0041】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明に係るミラー駆動装置は、上記アクチュエーターの梁部を低応力にできるので、梁を大きく湾曲させた場合であっても破損を防止でき、ミラーをより大きく変位させることができるミラー駆動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態1のミラー駆動装置の平面図である。
【図2】図1のA−A’線についての断面図である。
【図3】図1のB−B’線についての断面図である。
【図4】本発明に係る実施の形態1のミラー駆動装置の製造方法において、第1基板として用いるSOI基板の断面図である。
【図5】実施の形態1のミラー駆動装置の製造方法において、ミラープレートの形状加工後の断面図である。
【図6】実施の形態1のミラー駆動装置の製造方法において、梁部絶縁層を形成した後の断面図である。
【図7】実施の形態1のミラー駆動装置の製造方法において、上部電極及びミラー膜を形成した後の断面図である。
【図8】実施の形態1のミラー駆動装置の製造方法において、貫通孔を形成した後の断面図である。
【図9】実施の形態1のミラー駆動装置の製造方法において、犠牲層108を除去した後の断面図である。
【図10】本発明に係る実施の形態2のミラー駆動装置の平面図である。
【図11】図10のA−A’線についての断面図である。
【符号の説明】
1 第1基板、2 切り欠き、3 接続バネ、4 上部電極、5 梁部絶縁膜、6 ミラープレート、7 ミラー膜(反射膜)、8 固定部接続層、10 梁部、11 固定部、12 移動端、20 アクチュエーター、30 第2基板、31 ピボット、100 貫通孔。
Claims (20)
- 基板と、一方の主面にミラー膜が形成されたミラープレートと、一端部が接続部を介して上記ミラープレートに接続され他端部で基板に固定された梁部を有しその梁部の一端部が上下するアクチュエーターとを備えたミラー駆動装置であって、
上記梁部は、シリコン窒化膜を含んでなることを特徴とするミラー駆動装置。 - 上記接続部がさらにシリコン窒化膜からなり、該接続部と上記梁部のシリコン窒化膜とが一体で形成された請求項1記載のミラー駆動装置。
- 上記ミラー膜は、上記ミラープレート上にシリコン窒化膜を介して形成されており、該シリコン窒化膜は上記接続部及び上記梁部のシリコン窒化膜と一体で形成された請求項2記載のミラー駆動装置。
- 上記シリコン窒化膜は低圧化学気相成長法により成膜された請求項1〜3のうちのいずれか1つに記載のミラー駆動装置。
- 上記梁部と接続部とは、上記基板上にシリコン窒化膜を成膜してそのシリコン窒化膜を形状加工した後に、上記梁部の他端部を除いて基板から分離してなる請求項1〜4のうちのいずれか1つに記載のミラー駆動装置。
- 上記シリコン窒化膜は、上記基板上にシリコン酸化膜を介して成膜され、上記梁部と接続部とは形状加工された後に上記シリコン酸化膜をHF溶液で除去することにより上記基板から分離された請求項5記載のミラー駆動装置。
- 上記梁部は、上記一端部から上記他端部に至る長手方向にその中心軸が交差するように形成された切欠き部を有する請求項1〜6のうちのいずれか1つに記載のミラー駆動装置。
- 基板と、一方の主面にミラー膜が形成されたミラープレートと、一端部が接続部を介して上記ミラープレートに接続され他端部で基板に固定された梁部を有しその梁部の一端部が上下するアクチュエーターとを備えたミラー駆動装置であって、
上記梁部は、上記一端部から上記他端部に至る長手方向にその中心軸が交差するように形成された切欠き部を有することを特徴とするミラー駆動装置。 - 上記接続部は、上記梁部と同一材料によりその梁部と一体で形成された接続バネである請求項8記載のミラー駆動装置。
- 基板と、一方の主面にミラー膜が形成されたミラープレートと、一端部が接続部を介して上記ミラープレートに接続され他端部で基板に固定された梁部を有しその梁部の一端部が上下するアクチュエーターとを備えたミラー駆動装置であって、
上記接続部は、上記梁部と同一材料によりその梁部と一体で形成された接続バネであることを特徴とするミラー駆動装置。 - 上記ミラープレートと上記ミラー膜の間に、上記梁部及び上記接続バネと同一材料により上記接続バネと一体的に接続されたプレート膜を有する請求項9又は10記載のミラー駆動装置。
- 上記梁部と接続部とは、上記基板上に絶縁層を成膜してその絶縁層を形状加工した後に、上記梁部の他端部を除いて基板から分離してなる請求項8〜11のうちのいずれか1つに記載のミラー駆動装置。
- 上記絶縁層は、上記基板上に犠牲層を介して成膜され、上記梁部と接続部とは形状加工された後に上記犠牲層をHF溶液で除去することにより上記基板から分離されるものであって、
上記梁部及び接続部が上記犠牲層よりHF溶液に対するエッチングレートの小さい材料からなる請求項12記載のミラー駆動装置。 - 上記梁部と接続部とは、等方的な機械的強度を有する材料からなる請求項8〜13記載のうちのいずれか1つに記載のミラー駆動装置。
- 上記基板はシリコン単結晶基板であり、
上記ミラープレートは、上記シリコン単結晶基板の上に酸化シリコン層を介してシリコン単結晶層が形成されてなるSOI基板において該シリコン単結晶層が上記ミラープレートの形状に加工された後に上記シリコン単結晶基板から分離されてなる請求項1〜14のうちのいずれか1つに記載のミラー駆動装置。 - 上記ミラープレート1つに対して上記アクチュエーターを複数個設けた請求項1〜15のうちのいずれか1つに記載のミラー駆動装置。
- 上記基板は導電性を有する半導体基板であってかつ上記梁部には電極が形成されており、上記アクチュエーターは上記梁部に形成された上記電極と上記基板との間の電位差に対応して上記梁部の上記一端部が上下する静電アクチュエーターである請求項1〜16のうちのいずれか1つに記載のミラー駆動装置。
- 上記基板は上記ミラープレートの下に貫通孔を有し、かつ上記ミラー駆動装置は上記基板とは別にさらに一方の主面にピボットが形成された第2基板を有しており、上記基板と上記第2基板とは上記ピボットが上記貫通孔を貫通してその先端が上記基板の上面から突出するように配置されて、上記ミラープレートが上記ピボットの先端で揺動可能に支持された請求項1〜17のうちのいずれか1つに記載のミラー駆動装置。
- 上記ミラープレートと貫通孔は互いに同軸の円形であって、上記梁部は長手方向が該ミラープレートの外周に沿った円弧形状になるように形成されている請求項18記載のミラー駆動装置。
- 上記ミラープレート1つに対して上記アクチュエーターを3つ備えた請求項1〜19のうちのいずれか1つに記載のミラー駆動装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2003-01-30 JP JP2003022092A patent/JP2004233653A/ja active Pending
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