【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ダストが少なくて取り扱い易く且つ容易に水分散できる顆粒状の易水分散性樹脂粉末の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境保全の観点から、コーティング材料や各種添加剤等に用いられる合成樹脂は、無公害、省資源で作業性等の観点から溶剤系樹脂より水分散型樹脂や水溶性樹脂等の合成樹脂水分散体に移行しつつある。この合成樹脂水分散体のうち、水を加えて攪拌混合することにより、容易に水に分散する粉末樹脂は水再分散性樹脂粉末あるいは易水分散性樹脂粉末と呼ばれ、輸送や保管、廃棄処理等の容易さから、従来より土木用、紙用、接着剤用又は塗料用等のバインダー、セメントやモルタルへの混入剤として適用されている。
【0003】
上記の樹脂粉末は、通常、合成樹脂水性エマルションを乾燥粉末化することにより製造されている。乾燥樹脂粉末化方法は種々あり、例えば噴霧乾燥法、凍結乾燥法、減圧乾燥法等が挙げられるが、一般に生産性などの観点から合成樹脂水性エマルジョンを熱風中に噴霧分散させ、該熱風で搬送しながら急速に乾燥して粉体や顆粒を得る噴霧乾燥法が広く採用されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。そして乾燥した粉末樹脂は、フィルタ砕解機を介して、特定の粒度以下をカットすることでダストの少ない製品とすることが可能となる。
【0004】
しかしながら上記噴霧乾燥方法のように熱風を使用すると、樹脂が熱により変質する場合があり、樹脂組成が制限される場合が存在する。乾燥時に低温処理する手法が採られる場合もあるが、製造効率という点からは実用的ではない。また得られた粉末状樹脂の易水分散性は特に良好であるとは言い難い。
【0005】
一方、凍結乾燥法(いわゆるフリーズドライ)では、易水分散性に優れる樹脂粉末を製造することは可能であるが、製造コストが高く限られた用途での応用にとどまっているのが現状である。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−247228号公報
【特許文献2】
特開平5−194754号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ダストが少なくて取り扱い易く、且つ容易に水分散できる顆粒状の易水分散性樹脂粉末を安価に製造する方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、樹脂の水性懸濁液中で、
(1)該懸濁液と反応しない気体を、実質的に圧力をかけずに細かい気泡にして分散させる、
(2)該懸濁液に溶解しない溶剤微粒子を分散させる、
の2つの方法のいずれか一方の方法によって、もしくは両方の方法を併用することによって、得られる樹脂懸濁液を乾燥することで良好な水分散性を有する顆粒状の易水分散性樹脂粉末が得られることを見出し本発明に到達した。
【0009】
即ち本発明は、
1.樹脂の水性懸濁液中に、(1)強撹拌下、該懸濁液と反応しない気体を誘導し細かい気泡として分散させる、及び/又は(2)該懸濁液に溶解しない溶剤微粒子を分散させる、ことによって得られた樹脂懸濁液を噴霧乾燥する、あるいは液体の機械的分離及び乾燥するにより、顆粒状の樹脂粉末とすることを特徴とする易水分散性樹脂粉末の製造方法、
2.1項記載の製法により得られる顆粒状の易水分散性樹脂粉末、
3.2項記載の易水分散性樹脂粉末を含有する組成物、
に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明方法において樹脂の水性懸濁液は、通常の乳化重合法または微細懸濁重合法により得られる。例えば乳化重合により製造される樹脂エマルションとしては、特に制限なく従来公知のものが列記でき、例えばアクリル(スチレン)樹脂系エマルション、酢酸ビニル樹脂系エマルション、エチレン酢酸ビニル樹脂系エマルションおよびSBR等のラテックス等が挙げられる。また該樹脂の水性懸濁液として、上述のような樹脂エマルション以外の水系樹脂をブレンドあるいは複合化粒子化等の公知の方法により複合化せしめた樹脂も使用可能である。
【0011】
上記樹脂エマルションの製造方法としては、特に限定されるものではなく、公知慣用の方法が列記でき、例えば、乳化剤を含有する水相中へ重合性不飽和単量体群を滴下、重合開始剤により重合せしめる方法、予め乳化剤等により重合性不飽和単量体の水分散液を調整し重合開始剤により重合せしめる方法、乳化剤の替わりに合成あるいは天然の水溶性高分子を用いる方法、カルボン酸基含有の重合性不飽和単量体群を予め重合せしめ、該酸基を中和後、残りの重合性不飽和単量体群を重合するいわゆるソープフリー乳化重合法等が挙げられる。更に、例えば、特開平5−194681号公報や特開平7−187741号公報記載のコア−シェル粒子構造を有するエマルションの製造方法も使用することができる。
【0012】
本発明方法では、上記樹脂の水性懸濁液中で、
(1)該懸濁液と反応しない気体を、実質的に圧力をかけずに細かい気泡にして分散させる、
(2)該懸濁液に溶解しない溶剤微粒子を分散させる、
の2つの方法のいずれか一方の方法によって、もしくは両方の方法を併用することによって、得られる樹脂懸濁液を乾燥する。
【0013】
上記(1)方法において、上記懸濁液と反応しない気体としては、特に制限はないが、例えば空気、窒素、二酸化炭素などが挙げられる。
【0014】
本発明では樹脂の水性懸濁液に、強撹拌下、上記懸濁液と反応しない気体を誘導し、実質的に圧力をかけずに細かい気泡として分散させる。具体的には、分散機中で、樹脂懸濁液(エマルション)中に、懸濁液1m3当たり空気0.5〜3m3、好ましくは1〜1.5m3を誘導するようにして実施するのが望ましい。これは、激しい撹拌(その際、エネルギー損失は、0.5kWh/懸濁液kgである)によって、懸濁液中で同時に、20μm以下の細かい気泡の形に分離されるからである。
【0015】
その際、不連続的にも、連続的にも作動する分散装置、例えばウルトラ−トゥラックス(ドイツIKA社製、Ultra−Turrax)又はディスパックス−リアクター(ドイツIKA社製、Dispax−Reaktor)を使用することができる。ディスパックス−リアクターを使用する場合、ウルトラ−トゥラックスで、取り巻く外気を自動的に吸い込む間に、常法で使用される一般的に約1〜3バールの圧縮空気を、懸濁液中に誘導することができる。 また、上記装置によらなくとも既存のエアーポンプやジェット噴射装置などの気泡発生装置、および各種攪拌機等の組み合わせにより、懸濁液中に同じく微小な気泡を導入することが可能である。
【0016】
本発明では上記のように標準圧下でガス処理の間及び後、樹脂懸濁液を取り扱えるので非常に有利である。
【0017】
一方、上記(2)方法において、上記懸濁液に溶解しない溶剤微粒子は、水を連続相とし、有機溶剤を非連続相とする乳化物であって、通常、水、及び必要に応じて乳化剤の存在下で、有機溶剤を微細に分散して得られるものである。
【0018】
上記有機溶剤としては、水と混和しない疎水性の有機溶剤であることが望ましく、例えばn−ヘキサン、n−オクタン、2,2,2−トリメチルペンタン、イソオクタン、n−ノナン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;ミネラルスピリット、「スワゾール1000」(丸善石油化学(株)製品)、石油エーテル、石油ベンゼン、石油ナフサ等の石油系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル等のエステル系溶剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上適宜選択して混合してもよい。これらのうち、特に沸点が水よりも高沸点であるものを選択することが好適である。また上記疎水性の有機溶剤には、必要に応じてアルコール系、エーテル系、アルコールエーテル系などの水混和性有機溶剤を一部併用することもできる。該水混和性有機溶剤の使用量は、全有機溶剤使用量の20重量%以下程度であることが好ましい。
【0019】
上記有機溶剤を水中に分散する場合の使用量は、水と有機溶剤の合計100重量部に対して20〜80重量部程度であることが望ましい。
【0020】
乳化剤としては、公知のアニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤が使用できる。アニオン性乳化剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアリルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩及等が挙げられる。ノニオン性乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体等が挙げられる。
【0021】
上記溶剤微粒子は、例えば有機溶剤と乳化剤との混合物をディスパー等で攪拌しながら徐々に水を加える、或いは有機溶剤をディスパー等で攪拌しながらあらかじめ乳化剤を溶解させた乳化剤水溶液に加える、などの方法によって分散し、さらに必要に応じて高いエネギーをかけることによって強制的に分散・乳化する、などの方法によって得ることができる。高いエネルギーをかけて分散できる装置としては、例えば特許登録第2577314号公報などに開示されている遠心力で薄膜状にして高エネルギーを得ることのできる装置(TKフィルミックス)、或いは超高圧エネルギーを加えて流体同士を衝突させ、水中へ微細な液滴の状態に強制的分散する分散機、などが例示できる。超高圧エネルギーを加える分散機としては、流体を超高圧に加圧可能なチャンバー(分散部)内の流路の壁に衝突したり、互いに対向衝突したり排出されたりすることにより、キャビテーション、乱流、剪断力、衝撃力などの少なくとも1つが生じ、分散、破砕されて微細化する超高圧ホモジナイザーが挙げられる。具体的にはナノマイザー、アルティマイザーと言われる機種が該当する。
【0022】
上記の通り溶剤微粒子の水分散液が得られ、該溶剤微粒子の平均粒子径は、通常、0.01〜100μm、好ましくは0.05〜60μmの範囲内である。
【0023】
上記溶剤微粒子の水分散液は、前記樹脂の水性懸濁液100重量部に、有機溶剤重量として10〜100重量部、好ましくは20〜80重量部となるように導入され、分散されることが望ましい。
【0024】
上記(1)又は(2)の方法で、或いは両方の方法によって得られた樹脂懸濁液の乾燥は、公知方法により行なうことができ、例えばガス処理した樹脂懸濁液を上から噴霧塔中に噴射させ、下から向流で、熱ガス、例えば空気又は窒素を供給し、かつ次いで樹脂顆粒を小球として下に沈殿させる噴霧乾燥によるか、又は液体の機械的分離、例えば濾過、一般的に水50〜80重量%の残留湿気を有する得られた樹脂ケーキの、例えばストランドへの成形プレスによる形成及び引き続くバンド−又はキャビネット乾燥により行なわれる。(2)の方法による樹脂樹脂懸濁液の場合には噴霧乾燥を行なうことが望ましい。(1)の方法による懸濁液中の生じた気泡は、プレスケーキ中にも得られ、従って、乾燥時に顆粒中に空洞が生じ、これは、ガス処理していない試料に比べて、一般的に150%まで、特に50〜100%の容量増加を生じる。
【0025】
本発明では、上記の通り乾燥後に顆粒状の樹脂粉末が得られる。ここで顆粒状とは、主として球形状で、平均粒子径が10〜1000μm、好ましくは60〜600μm程度で、嵩密度が0.01〜0.6程度の粉末である。得られる樹脂粉末の嵩密度あるいは粒子径は、気泡あるいは溶剤微粒子の導入量、噴霧機の形態、圧力および回転速度等、供給される樹脂懸濁液の濃度および粘度等により適宜調整し得る。
【0026】
本発明で得られる樹脂粉末に、貯蔵安定性を向上せしめるため、必要に応じて抗粘結剤を使用することもできる。ガラス転移点が比較的低い樹脂は、貯蔵中の積載等により粉末同士が粘結、凝集しブロック化することがあり、この現象の防止のため抗粘結剤を添加する方法が知られている。乾燥粉末化後の樹脂粉末に添加し均一に混合する方法、樹脂エマルションを乾燥する際に抗粘結剤を同時に噴霧する方法の何れも採りうるが、均一混合性と選択的な表面付着性が得られより少量で粘結防止効果が得られることから後者の方法が好ましい。
【0027】
上記抗粘結剤としては、微粒子の無機粉末が好ましく、例えば、炭酸カルシウム、クレー、無水珪酸、珪酸アルミニウム、シリカ、タルク、アルミナホワイト等が使用され得る。抗粘結剤の量は特に限定されないが、樹脂粉末100重量部に対し0.1〜20重量部の範囲が好ましい。
【0028】
本発明で得られた樹脂粉末は、例えば、水性塗料や水性インキ用のビヒクル用途、PET、ナイロン、PEN、PVA、PP、PE、ST等のフィルム表面処理剤用途、繊維、紙、プラスチック、建材、壁紙、断熱材等の接着剤用途、セメント・モルタル改質剤用途、人工皮革、繊維仕上、シートやカーペット等のバックコート剤といった繊維加工剤用途、壁紙等のプラスチゾル用途等に使用することができる。
【0029】
本発明で得られた樹脂粉末に各種添加剤を配合することもできる。例えば、接着剤用途における粘性改良剤、保水剤、粘着付与剤、増粘剤等、塗料用バインダーや水性インキ用バインダー用途における粘性改良剤、増粘剤、顔料分散剤、安定剤、消泡剤等、繊維仕上用途におけるレベリング剤、帯電防止剤、繊維柔軟剤、増粘剤、消泡剤等、セメントやモルタル改質剤用途におけるAE剤、減水剤、保水剤、増粘剤、流動化剤、防水剤等が挙げられる。これらの添加剤はその添加剤の形態により、乾燥前の樹脂エマルションに添加しても良いし、乾燥する際に同時に噴霧する方法、あるいは乾燥後の樹脂粉末に添加する方法も可能である。
【0030】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中、「部」および「%」はいずれも重量基準を意味する。
【0031】
合成樹脂粉末の製造
実施例1
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口、撹拌機を備えたガラス製容器に、片末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコール(PVA:重合度1500、鹸化度96.0mol%、メルカプト基含量1.5×10− 5当量/g)8部とイオン交換水90部を仕込み、95℃で完全溶解させた。このPVA水溶液を希硫酸によりpH=4に調整し、150rpmで撹拌しながら酢酸ビニル10部を添加した。次いで、この系を窒素置換した後、60℃まで昇温した。濃度5%の酒石酸水溶液5部を添加した後、濃度0.5%の過酸化水素水溶液の連続添加を行うことにより乳化重合を開始した。2時間かけて酢酸ビニル60部と「Veoba10」(ジャパンエポキシレジン(株)製、バーサティック酸エステル)30部の混合物を連続的に添加し、重合開始3時間後に、残存単量体濃度が1%以下になった時点で重合を終了した。固形分濃度50.5%の安定なポリ酢酸ビニル系エマルションを得た(樹脂Tgは20℃)。
【0032】
次いで得られたエマルションを、ヤンケ・ウント・クンケル社(Fa.Janke und Kunkel;Stauffen/Breisgau)製のウルトラ−トゥラックス−装置を用いて、大気中で5分間処理し、空気による気泡を導入して、エマルションの容量を2倍にした。
【0033】
このエマルション100部と水100部との均一混合物、および該エマルション中の固形分に対して3%量の無水珪酸微粉末(平均粒径2μm)を抗粘結剤として、それぞれ別々に100℃の熱風中に同時噴霧して乾燥させて、サイクロン中に一緒に運ばれた空気流から分離させた直径約50〜200μmの小球にした。得られた粉末顆粒は、未処理試料である後述の比較例1の樹脂粉末に対して約2倍の嵩容量を有し、水またはお湯中に容易に再乳化可能であった。
【0034】
実施例2
実施例1に比較して樹脂Tgを高めに設定するため単量体組成を変化させ設計した以外は合成手法は実施例1と同様に行った。還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口、撹拌機を備えたガラス製容器に、片末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコール(PVA:重合度1500、鹸化度96.0mol%、メルカプト基含量1.5×10− 5当量/g)8部とイオン交換水90部を仕込み、95℃で完全溶解させた。このPVA水溶液を希硫酸によりpH=4に調整し、150rpmで撹拌しながら酢酸ビニル10部を添加した。次いで、この系を窒素置換した後、60℃まで昇温した。濃度5%の酒石酸水溶液5部を添加した後、濃度0.5%の過酸化水素水溶液の連続添加を行うことにより乳化重合を開始した。2時間かけて酢酸ビニル90部を連続的に添加し、重合開始3時間後に、残存酢酸ビニル濃度が1%以下になった時点で重合を終了した。固形分濃度50.5%の安定なポリ酢酸ビニルエマルションを得た(樹脂Tgは32℃)。
【0035】
次いで得られたエマルションを、ヤンケ・ウント・クンケル社(Fa.Janke und Kunkel;Stauffen/Breisgau)製のウルトラ−トゥラックス−装置を用いて、大気中で5分間処理し、空気による気泡を導入して、エマルションの容量を2倍にした。
【0036】
このエマルション100部と水100部との均一混合物、および該エマルション中の固形分に対して3%量の無水珪酸微粉末(平均粒径2μm)を抗粘結剤として、それぞれ別々に100℃の熱風中に同時噴霧して乾燥させて、サイクロン中に一緒に運ばれた空気流から分離させた直径約50〜200μmの小球にした。得られた粉末顆粒は、未処理試料である後述の比較例2の樹脂粉末に対して約2倍の嵩容量を有し、水またはお湯中に容易に再乳化可能であった。
【0037】
実施例3
「スワゾール100」(丸善石油化学(株)製品)65部と上水30部、そして乳化剤としてポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルを5部加え、ディスパーにて強制乳化させ平均粒子径200nmの溶剤微粒子分散液を得た。該溶剤微粒子分散液を、実施例2と同様にして得た固形分濃度50.5%の安定なポリ酢酸ビニルエマルションに、30/70(重量比)でブレンドし混合懸濁液を得た。
【0038】
この混合懸濁液100部と水50部との均一混合物、および該懸濁液中の固形分に対し3%量の無水珪酸微粉末(平均粒径2μm)を抗粘結剤として、それぞれ別々に100℃の熱風中に同時噴霧して乾燥させて、サイクロン中に一緒に運ばれた空気流から分離させた直径約50〜200μmの小球にした。得られた粉末顆粒は、未処理試料である後述の比較例2の樹脂粉末に対して約2倍の嵩容量を有し、水またはお湯中に容易に再乳化可能であった。
【0039】
実施例4
実施例1と同様にして得た固形分濃度50.5%の安定なポリ酢酸ビニルエマルションを、鈴木産業(株)製の「ミクロパワーS」(超微細気泡発生装置)により5分間処理し、空気による気泡を導入して、エマルションの容量を2倍にした。
【0040】
続いて、吸引濾過及び洗浄後に、得られた空洞プレスケーキを成形プレスによってストランドに形成し、かつ80℃で10時間乾燥させた。以上により合成樹脂顆粒を得た。得られた顆粒は、未処理試料である後述の比較例3の樹脂粉末に対して、約2倍の嵩容量を有し、水またはお湯中に容易に再乳化可能であった。
【0041】
比較例1〜3
実施例1、2及び4において、夫々、気泡分散処理を行わない以外は、実施例1、2及び4と同様に操作して各樹脂粉末を得た。
【0042】
合成樹脂粉末の評価試験
上記の通り得られた各合成樹脂粉末100部にイオン交換水100部を添加し、攪拌機により十分攪拌することにより得られた水性分散液について、下記の方法により評価試験を行なった。結果を表1に示す。
【0043】
(1)水分散性:合成樹脂粉末をイオン交換水に再分散した際の水分散性を下記基準で評価した。
○:均一に分散している。(325メッシュオンは20%以下)
△:実質的に分散しているが、分散粒子の粒径が大きい
(325メッシュオンは30〜50%)
×:分散性不良。(325メッシュオンは60%以上)
−:合成樹脂粉末が得られない
【0044】
(2)造膜性:水性分散液をガラス板上に塗布し、50℃で乾燥させた皮膜の状態を評価した。
○:均一で、かつ強靱な皮膜が得られる
△:皮膜は得られるが、脆い
×:均一な皮膜が得られない
−:合成樹脂粉末の水性分散液が得られない
【0045】
(3)耐ブロッキング性:合成樹脂粉末を容器に入れ、25g/cm2の荷重をかけて、20℃,65%RH下で10日間放置後の状態を観察した。
○:ブロッキングは、ほとんど生じない
△:ブロッキングにより、一部が塊になった
×:ブロッキングにより、全体が塊になった
−:合成樹脂粉末が得られない
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】
本発明方法によれば、ダストが少なく取り扱いが容易で、且つ簡単に水分散可能である顆粒状の樹脂粉末を安価に製造することができる。得られた樹脂粉末は、水または温水に容易に再分散可能であり、攪拌棒等の簡便な道具を用いての手動による攪拌をはじめ、ディスパー等の機械的攪拌の際に、何ら問題を生じない。
【0048】
従って本発明方法により得られた樹脂粉末は、印刷インキ及び塗料への使用だけでなく、接着剤、セメント・モルタル改質剤など各種用途への使用が可能である。[0001]
[Industrial applications]
The present invention relates to a method for producing a granular water-dispersible resin powder that is easy to handle and easily dispersible in water with little dust.
[0002]
[Prior art]
In recent years, from the viewpoint of environmental preservation, synthetic resins used for coating materials and various additives, etc., are more water-soluble resins and water-soluble resins than solvent-based resins from the viewpoints of pollution-free, resource saving, and workability. Moving to aqueous dispersion. Of this synthetic resin aqueous dispersion, a powder resin that is easily dispersed in water by adding water and stirring and mixing is called a water redispersible resin powder or an easily water dispersible resin powder, and is transported, stored, and disposed of. Conventionally, it is used as a binder for civil engineering, paper, adhesives, paints, and the like, and as a contaminant in cement and mortar because of its ease of processing.
[0003]
The above-mentioned resin powder is usually produced by dry-pulverizing a synthetic resin aqueous emulsion. There are various drying resin powdering methods, for example, a spray drying method, a freeze drying method, a reduced pressure drying method and the like. In general, from the viewpoint of productivity and the like, a synthetic resin aqueous emulsion is spray-dispersed in hot air and conveyed by the hot air. A spray drying method of rapidly drying while drying to obtain powders and granules is widely used (for example, see Patent Documents 1 and 2). The dried powder resin is cut to a specific particle size or less through a filter disintegrator, thereby making it possible to obtain a product with less dust.
[0004]
However, when hot air is used as in the above spray drying method, the resin may be deteriorated by heat, and the resin composition may be limited. A method of performing low-temperature treatment during drying may be employed, but is not practical in terms of production efficiency. Further, it is difficult to say that the water-dispersibility of the obtained powdery resin is particularly good.
[0005]
On the other hand, the freeze-drying method (so-called freeze drying) makes it possible to produce a resin powder having excellent water dispersibility, but at present the production cost is high and the application is limited. .
[0006]
[Patent Document 1]
JP-A-5-247228 [Patent Document 2]
JP-A-5-194754
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a method for inexpensively producing a granular water-dispersible resin powder which is easy to handle with little dust and can be easily dispersed in water.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies to solve the above problems, and as a result, in an aqueous suspension of a resin,
(1) dispersing a gas that does not react with the suspension into fine bubbles without substantially applying pressure;
(2) dispersing solvent fine particles that do not dissolve in the suspension;
By drying any one of the two methods, or by using both methods in combination, a granular water-dispersible resin powder having good water dispersibility can be obtained by drying the obtained resin suspension. The present inventors have found that the present invention can be obtained and arrived at the present invention.
[0009]
That is, the present invention
1. In an aqueous suspension of a resin, (1) a gas that does not react with the suspension is induced and dispersed as fine bubbles under strong stirring, and / or (2) a solvent fine particle that does not dissolve in the suspension is dispersed. Spray drying the obtained resin suspension, or by mechanically separating and drying the liquid, a method for producing a water-dispersible resin powder, characterized in that it is a granular resin powder,
2.1 granular easily water-dispersible resin powder obtained by the production method according to the item 2,
3.2 A composition containing the water-dispersible resin powder according to item 2,
About.
[0010]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
In the method of the present invention, the aqueous suspension of the resin is obtained by a usual emulsion polymerization method or fine suspension polymerization method. For example, as the resin emulsion produced by emulsion polymerization, conventionally known resin emulsions can be listed without any particular limitation. For example, acrylic (styrene) resin emulsion, vinyl acetate resin emulsion, ethylene vinyl acetate resin emulsion, latex such as SBR, etc. Is mentioned. As the aqueous suspension of the resin, a resin obtained by compounding an aqueous resin other than the resin emulsion as described above by a known method such as blending or forming composite particles can be used.
[0011]
The method for producing the resin emulsion is not particularly limited, and known and commonly used methods can be listed.For example, a polymerizable unsaturated monomer group is dropped into an aqueous phase containing an emulsifier, and a polymerization initiator is used. A method of polymerizing, a method of preparing an aqueous dispersion of a polymerizable unsaturated monomer in advance with an emulsifier or the like and polymerizing with a polymerization initiator, a method of using a synthetic or natural water-soluble polymer in place of the emulsifier, containing a carboxylic acid group The polymerizable unsaturated monomer group is polymerized in advance, the acid group is neutralized, and the remaining polymerizable unsaturated monomer group is polymerized, so-called soap-free emulsion polymerization method. Further, for example, the method for producing an emulsion having a core-shell particle structure described in JP-A-5-194681 and JP-A-7-187741 can also be used.
[0012]
In the method of the present invention, in the aqueous suspension of the resin,
(1) dispersing a gas that does not react with the suspension into fine bubbles without substantially applying pressure;
(2) dispersing solvent fine particles that do not dissolve in the suspension;
The resulting resin suspension is dried by either one of the two methods or by using both methods in combination.
[0013]
In the above method (1), the gas that does not react with the suspension is not particularly limited, and examples thereof include air, nitrogen, and carbon dioxide.
[0014]
In the present invention, a gas that does not react with the suspension is induced into the aqueous suspension of the resin under vigorous stirring, and dispersed as fine bubbles without substantially applying pressure. Specifically, in a dispersing machine, the resin suspension (emulsion) is introduced in such a manner that 0.5 to 3 m 3 , preferably 1 to 1.5 m 3 of air is introduced per 1 m 3 of the suspension. It is desirable. This is because vigorous stirring (where the energy loss is 0.5 kWh / kg of suspension) simultaneously separates in suspension into the form of fine bubbles of less than 20 μm.
[0015]
In this case, use is made of a dispersing device that operates both discontinuously and continuously, for example, Ultra-Turrax (Ultra-Turrax, IKA, Germany) or Dispax-Reactor (Dispax-Reaktor, IKA, Germany). can do. When using a Dispax-reactor, the Ultra-Turrax introduces compressed air, commonly used in a customary manner, typically about 1 to 3 bar, into the suspension, while automatically sucking in the surrounding air. can do. Even without using the above-described device, it is possible to introduce the same minute bubbles into the suspension by using a combination of existing bubble generating devices such as an air pump and a jet injection device and various stirrers.
[0016]
The invention is very advantageous in that it allows handling of the resin suspension during and after gassing under standard pressure as described above.
[0017]
On the other hand, in the above method (2), the solvent fine particles that do not dissolve in the suspension are emulsions in which water is used as a continuous phase and an organic solvent is used as a discontinuous phase. Usually, water and, if necessary, an emulsifier are used. The organic solvent is obtained by finely dispersing the organic solvent in the presence of.
[0018]
The organic solvent is desirably a hydrophobic organic solvent that is immiscible with water, such as n-hexane, n-octane, 2,2,2-trimethylpentane, isooctane, n-nonane, cyclohexane, methylcyclohexane, and the like. Aliphatic hydrocarbon solvents; aromatic solvents such as toluene and xylene; mineral spirits, “Swazol 1000” (manufactured by Maruzen Petrochemical Co., Ltd.), petroleum solvents such as petroleum ether, petroleum benzene, petroleum naphtha; methyl ethyl ketone And ketone solvents such as methyl isobutyl ketone and ester solvents such as butyl acetate. These may be used alone, or two or more kinds may be appropriately selected and mixed. Among these, it is particularly preferable to select those having a boiling point higher than that of water. Further, as the hydrophobic organic solvent, a water-miscible organic solvent such as an alcohol-based, ether-based, or alcohol-ether-based solvent may be partially used, if necessary. The amount of the water-miscible organic solvent used is preferably about 20% by weight or less of the total amount of the organic solvent used.
[0019]
The amount of the organic solvent to be dispersed in water is preferably about 20 to 80 parts by weight based on 100 parts by weight of water and the organic solvent in total.
[0020]
As the emulsifier, known anionic emulsifiers and nonionic emulsifiers can be used. Examples of the anionic emulsifier include sodium alkylbenzene sulfonate, sodium dialkyl sulfosuccinate, sodium dodecylbenzene sulfonate, sodium lauryl sulfate, polyoxyethylene alkyl ether sulfate, polyoxyethylene polycyclic phenyl ether sulfate, polyoxyethylene allyl ether sulfate. Salts, polyoxyethylene alkylphenyl ether sulfate and the like. Examples of the nonionic emulsifier include polyoxyethylene alkylphenyl ether, polyoxyethylene alkyl ether, polyoxyethylene-polyoxypropylene block copolymer, and the like.
[0021]
The solvent fine particles are, for example, slowly adding water while stirring a mixture of an organic solvent and an emulsifier with a disper or the like, or adding an organic solvent to an emulsifier aqueous solution in which the emulsifier is previously dissolved while stirring with a disper or the like. And forcibly disperse and emulsify by applying high energy if necessary. As a device capable of dispersing by applying high energy, for example, a device capable of obtaining high energy by forming a thin film by centrifugal force (TK Filmix) disclosed in Japanese Patent No. 2577314 or the like, or an ultra-high pressure energy In addition, a disperser that causes fluids to collide with each other and forcibly disperse them into fine droplets in water can be exemplified. As a disperser that applies ultra-high pressure energy, cavitation, turbulence, and turbulence are caused by colliding against the wall of a flow path in a chamber (dispersion unit) capable of pressurizing a fluid to ultra-high pressure, colliding against each other, and discharging. An ultra-high-pressure homogenizer that generates at least one of a flow, a shearing force, and an impact force, and is dispersed, crushed, and miniaturized is exemplified. Specifically, a model called a nanomizer or an ultimateizer corresponds to this.
[0022]
As described above, an aqueous dispersion of the solvent fine particles is obtained, and the average particle diameter of the solvent fine particles is usually in the range of 0.01 to 100 μm, preferably 0.05 to 60 μm.
[0023]
The aqueous dispersion of the solvent fine particles is introduced and dispersed in 100 parts by weight of the aqueous suspension of the resin so as to have an organic solvent weight of 10 to 100 parts by weight, preferably 20 to 80 parts by weight. desirable.
[0024]
Drying of the resin suspension obtained by the above method (1) or (2) or both methods can be carried out by a known method. For example, a gas-treated resin suspension can be dried from above in a spray tower. By spray drying in which a hot gas, for example air or nitrogen, is fed in countercurrent from below and the resin granules are then precipitated as small spheres, or by mechanical separation of liquids, for example filtration, generally The resulting resin cake having a residual moisture of 50 to 80% by weight of water is formed, for example by means of a forming press into strands and subsequent band or cabinet drying. In the case of the resin-resin suspension by the method (2), it is desirable to perform spray drying. The resulting air bubbles in the suspension according to the method of (1) are also obtained in the press cake, thus creating cavities in the granules upon drying, which are generally less pronounced than in the ungassed sample. Up to 150%, especially 50-100%.
[0025]
In the present invention, a granular resin powder is obtained after drying as described above. Here, the granular form is a powder mainly having a spherical shape, an average particle diameter of 10 to 1000 μm, preferably about 60 to 600 μm, and a bulk density of about 0.01 to 0.6. The bulk density or particle size of the obtained resin powder can be appropriately adjusted by the amount of bubbles or solvent fine particles introduced, the form of the sprayer, the pressure and the rotation speed, the concentration and viscosity of the supplied resin suspension, and the like.
[0026]
In order to improve the storage stability, the resin powder obtained in the present invention may optionally contain an anti-binding agent. In a resin having a relatively low glass transition point, powders are sometimes caustic, agglomerated and blocked due to loading during storage, and a method of adding an anti-caking agent to prevent this phenomenon is known. . A method of adding to the resin powder after drying and pulverizing and uniformly mixing, and a method of simultaneously spraying an anti-binding agent when drying the resin emulsion can be adopted, but uniform mixing and selective surface adhesion are possible. The latter method is preferred because the anti-caking effect can be obtained with a smaller amount than that obtained.
[0027]
As the anti-caking agent, fine inorganic powders are preferable. For example, calcium carbonate, clay, silicic anhydride, aluminum silicate, silica, talc, alumina white and the like can be used. The amount of the anti-binding agent is not particularly limited, but is preferably in the range of 0.1 to 20 parts by weight based on 100 parts by weight of the resin powder.
[0028]
The resin powder obtained in the present invention is used, for example, for vehicle applications for water-based paints and water-based inks, for film surface treatment agents such as PET, nylon, PEN, PVA, PP, PE, and ST, for fibers, paper, plastics, and building materials. It can be used for adhesives such as wallpaper, heat insulating material, cement / mortar modifier, artificial leather, fiber finishing, textile processing agent such as back coating agent for sheets and carpets, and plastisol application for wallpaper etc. it can.
[0029]
Various additives can be blended with the resin powder obtained in the present invention. For example, viscosity improvers for adhesives, water retention agents, tackifiers, thickeners, etc., viscosity improvers for paint binders and aqueous ink binders, thickeners, pigment dispersants, stabilizers, defoamers Etc. Leveling agent, antistatic agent, fiber softener, thickener, defoamer, etc. for textile finishing applications, AE agent for cement and mortar modifier, water reducing agent, water retention agent, thickener, fluidizer And a waterproofing agent. Depending on the form of the additive, these additives may be added to the resin emulsion before drying, a method of spraying simultaneously with drying, or a method of adding to the resin powder after drying.
[0030]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described specifically with reference to Examples, but the present invention is not limited thereto. In the examples, "parts" and "%" all mean on a weight basis.
[0031]
Production of synthetic resin powder Example 1
In a glass container equipped with a reflux condenser, a dropping funnel, a thermometer, a nitrogen inlet, and a stirrer, a polyvinyl alcohol having a mercapto group at one end (PVA: polymerization degree 1500, saponification degree 96.0 mol%, mercapto group content 1.5 × 10 - 5 g of eq / g) 90 parts 8 parts of ion-exchanged water were completely dissolved at 95 ° C.. This PVA aqueous solution was adjusted to pH = 4 with dilute sulfuric acid, and 10 parts of vinyl acetate was added while stirring at 150 rpm. Next, after the system was replaced with nitrogen, the temperature was raised to 60 ° C. After adding 5 parts of a 5% aqueous tartaric acid solution, emulsion polymerization was started by continuously adding a 0.5% aqueous hydrogen peroxide solution. A mixture of 60 parts of vinyl acetate and 30 parts of "Veoba10" (Versatic acid ester manufactured by Japan Epoxy Resin Co., Ltd.) was continuously added over 2 hours, and after 3 hours from the start of polymerization, the concentration of the residual monomer was 1%. % At the time of the polymerization. A stable polyvinyl acetate emulsion having a solid content of 50.5% was obtained (resin Tg was 20 ° C.).
[0032]
The resulting emulsion is then treated in the atmosphere for 5 minutes using an Ultra-Turrax device manufactured by Janke und Kunkel (Staffen / Breisgau) to introduce air bubbles. To double the volume of the emulsion.
[0033]
A homogenous mixture of 100 parts of this emulsion and 100 parts of water, and 3% of silica fine powder (average particle size of 2 μm) based on the solid content in the emulsion were each separately used as an anti-binding agent at 100 ° C. Co-sprayed in hot air and dried into small spheres about 50-200 μm in diameter separated from the air stream carried together in the cyclone. The resulting powder granules had about twice the bulk capacity of the untreated sample, a resin powder of Comparative Example 1 described later, and could be easily re-emulsified in water or hot water.
[0034]
Example 2
The synthesis method was the same as in Example 1, except that the monomer composition was changed and designed to set the resin Tg higher than in Example 1. In a glass container equipped with a reflux condenser, a dropping funnel, a thermometer, a nitrogen inlet, and a stirrer, a polyvinyl alcohol having a mercapto group at one end (PVA: polymerization degree 1500, saponification degree 96.0 mol%, mercapto group content 1.5 × 10 - 5 g of eq / g) 90 parts 8 parts of ion-exchanged water were completely dissolved at 95 ° C.. This PVA aqueous solution was adjusted to pH = 4 with dilute sulfuric acid, and 10 parts of vinyl acetate was added while stirring at 150 rpm. Next, after the system was replaced with nitrogen, the temperature was raised to 60 ° C. After adding 5 parts of a 5% aqueous tartaric acid solution, emulsion polymerization was started by continuously adding a 0.5% aqueous hydrogen peroxide solution. 90 parts of vinyl acetate was continuously added over 2 hours, and 3 hours after the start of the polymerization, the polymerization was terminated when the residual vinyl acetate concentration became 1% or less. A stable polyvinyl acetate emulsion having a solid content of 50.5% was obtained (resin Tg was 32 ° C.).
[0035]
The resulting emulsion is then treated in the atmosphere for 5 minutes using an Ultra-Turrax device manufactured by Janke und Kunkel (Staffen / Breisgau) to introduce air bubbles. To double the volume of the emulsion.
[0036]
A homogenous mixture of 100 parts of this emulsion and 100 parts of water, and 3% of silica fine powder (average particle size of 2 μm) based on the solid content in the emulsion were each separately used as an anti-binding agent at 100 ° C. Co-sprayed in hot air and dried into small spheres about 50-200 μm in diameter separated from the air stream carried together in the cyclone. The resulting powder granules had about twice the bulk capacity of the untreated resin powder of Comparative Example 2 described later, and could be easily re-emulsified in water or hot water.
[0037]
Example 3
65 parts of "Swazol 100" (manufactured by Maruzen Petrochemical Co., Ltd.), 30 parts of tap water, and 5 parts of polyoxyethylene alkylphenyl ether as an emulsifier, forcibly emulsified with a disper, and dispersed in a solvent fine particle having an average particle diameter of 200 nm Got. The solvent fine particle dispersion was blended with a stable polyvinyl acetate emulsion having a solid content of 50.5% obtained in the same manner as in Example 2 at a ratio of 30/70 (weight ratio) to obtain a mixed suspension.
[0038]
A homogenous mixture of 100 parts of the mixed suspension and 50 parts of water, and 3% of silica fine powder (average particle size of 2 μm) based on the solid content in the suspension were separately used as anti-binding agents. Were sprayed together in hot air at 100 ° C. and dried to form small balls of about 50-200 μm diameter separated from the air stream carried together in the cyclone. The resulting powder granules had about twice the bulk capacity of the untreated resin powder of Comparative Example 2 described later, and could be easily re-emulsified in water or hot water.
[0039]
Example 4
A stable polyvinyl acetate emulsion having a solid content concentration of 50.5% obtained in the same manner as in Example 1 was treated for 5 minutes with "Micropower S" (ultrafine bubble generator) manufactured by Suzuki Sangyo Co., Ltd. The volume of the emulsion was doubled by introducing air bubbles.
[0040]
Subsequently, after suction filtration and washing, the obtained hollow press cake was formed into a strand by a molding press and dried at 80 ° C. for 10 hours. Thus, synthetic resin granules were obtained. The obtained granules had about twice the bulk capacity of the resin powder of Comparative Example 3 described below, which was an untreated sample, and could be easily re-emulsified in water or hot water.
[0041]
Comparative Examples 1-3
In Examples 1, 2, and 4, each resin powder was obtained in the same manner as in Examples 1, 2, and 4, except that the bubble dispersion treatment was not performed.
[0042]
Evaluation test of synthetic resin powder An aqueous dispersion obtained by adding 100 parts of ion-exchanged water to 100 parts of each synthetic resin powder obtained as described above and sufficiently stirring with a stirrer is described below. An evaluation test was performed. Table 1 shows the results.
[0043]
(1) Water dispersibility: The water dispersibility when the synthetic resin powder was redispersed in ion-exchanged water was evaluated according to the following criteria.
:: uniformly dispersed. (325 mesh on is less than 20%)
Δ: Substantially dispersed, but the particle size of the dispersed particles is large (325 to 50%).
X: Poor dispersibility. (325 mesh on is 60% or more)
-: Synthetic resin powder cannot be obtained.
(2) Film forming property: The aqueous dispersion was applied on a glass plate and dried at 50 ° C. to evaluate the state of the film.
:: A uniform and tough film is obtained. △: A film is obtained, but brittle. X: A uniform film is not obtained.-: An aqueous dispersion of synthetic resin powder is not obtained.
(3) Blocking resistance: The synthetic resin powder was put in a container, a load of 25 g / cm 2 was applied, and the state after standing at 20 ° C. and 65% RH for 10 days was observed.
:: Blocking hardly occurs. △: Partially clumped due to blocking. X: Whole clumped due to blocking.-: Synthetic resin powder could not be obtained.
[Table 1]
[0047]
【The invention's effect】
According to the method of the present invention, it is possible to produce inexpensively a granular resin powder that is easy to handle with little dust and easily dispersible in water. The obtained resin powder can be easily redispersed in water or hot water, and causes any problems at the time of manual stirring using a simple tool such as a stirring rod or mechanical stirring such as a disper. Absent.
[0048]
Therefore, the resin powder obtained by the method of the present invention can be used not only for printing inks and paints but also for various uses such as adhesives, cement / mortar modifiers, and the like.