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JP2004230306A - 可視光応答性を有する金属ナイトライド、金属オキシナイトライドからなる光触媒活性の改善方法 - Google Patents

可視光応答性を有する金属ナイトライド、金属オキシナイトライドからなる光触媒活性の改善方法 Download PDF

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Abstract

【目的】遷移金属ナイトライドおよび遷移金属オキシナイトライドからなる可視光活性光触媒の光触媒活性を改善する方法の提供
【構成】少なくとも1つの遷移金属を含む遷移金属ナイトライドおよび遷移金属オキシナイトライドからなる光触媒、特にLaTaON、MTaON(M:Ca、SrおよびBaから選択されるアルカリ土類金属)、Ta、TaON、LaTiON、TiN、およびMNbON(M:Ca、SrおよびBaから選択されるアルカリ土類金属)から選択される光触媒を0.2MPa(メガパスカル)を越えるアンモニア存在下、300℃以上で加熱処理することを特徴とする前記光触媒の光触媒活性の改善方法。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遷移金属ナイトライドおよび遷移金属オキシナイトライドからなる光触媒の光触媒活性を改善する方法に関する。
【0002】
【従来技術】
光で触媒反応を行う技術としては、光触媒能を有する固体化合物に光を照射し、生成した励起電子やホールで反応物を酸化、あるいは還元して目的物を得る方法が既に知られている。
中でも、水の光分解反応は光エネルギー変換の観点から興味が持たれている。また、水の光分解反応に活性を示す光触媒は、光吸収、電荷分離、表面での酸化還元反応といった機能を備えた高度な光機能材料と見ることができる。
【0003】
【非特許文献1】
Catal.Lett.,58(1999).153−155、Chem.Lett.,(1999),1207
【非特許文献2】
表面,Vol.36,No.12(1998),625−645
【特許文献1】
特開2002−66333、特許請求の範囲
【0004】
工藤、加藤等は、タンタル酸アルカリ、アルカリ土類等が、水の完全光分解反応に高い活性を示す光触媒であることを多くの先行文献を挙げて説明している〔例えば、前記非特許文献1および2〕。前記非特許文献2においては、水を水素または/および酸素に分解する反応を進めるのに有用な光触媒材料について解説しており、水の還元による水素生成反応、または酸化による酸素生成反応および水の完全光分解反応用光触媒についての多くの示唆をしている。
また、白金、NiOなどの助触媒を担持した光触媒などについいても言及している。
【0005】
しかしながら、ここで解説されているものは、非金属としては酸素を含むものが主である。また、多くの固体光触媒は価電子帯と伝導帯の間にある禁制帯の幅、即ち、バンドギャップエネルギ−が、3Evよりも大きいため、3eV未満の低いエネルギーの可視光で作動させることができない。一方、バンドギャップエネルギーが小さく、可視光で電子、ホールを生ずることのできる従来の固体光触媒のほとんどは水の光分解反応等の反応条件下で不安定である。例えばCdS、Cu−ZnS等のバンドギャップは2.4eVであるが酸化的な光腐食作用を受けるため、触媒反応が限定されている。
地表に到達する太陽光のほとんどはエネルギーの小さい可視光であり、太陽光で効率的に多様な触媒反応を進行させるためには可視光で作動しかつ安定な光触媒が必要不可欠である。しかしながら上述のように従来の技術で満足できるものは存在しない。
【0006】
ところで、前記したように地表で利用できる太陽光のほとんどは可視光であるので、可視光で励起電子とホールを生成でき、かつ種々の酸化および還元反応で安定な光触媒を提供することが本発明の課題である。
従来の安定な光触媒のほとんどは金属酸化物、すなわち非金属元素として酸素を含むものである。このようなものでは、伝導帯及び価電子帯のエネルギー的な位置関係は酸素の価電子、O2p軌道のエネルギーによって大きく支配されるため、バンドギャップエネルギ−が小さく、可視光で光触媒機能を発現させることができなかった。そこで、本発明者らは、価電子のエネルギーが酸素より高い元素を金属と化合させ、それらの価電子軌道を混成させた場合、価電子帯のエネルギー的位置が高くなり、バンドギャップエネルギーを小さくすることができ、かつ、このような化合物として光触媒反応条件下で安定であるものを見出すことができれば、可視光で作動する新しい光触媒を創出できるものと考えた。
【0007】
そこで、窒素原子の価電子は酸素原子のそれに比べ高いエネルギーをもつため、窒素原子を含有する金属化合物のバンドギャップエネルギーは金属酸化物のそれに比べ小さくすることができ、適切な量の窒素原子と結合した金属及び金属化合物は長波長の可視光の吸収によって励起電子とホールを生成することが可能となり、可視光で作動する光触媒となるであろうとの推測の下で、更に水の光分解等の反応条件下でも安定である化合物を見出すべく鋭意検討し、金属酸化物、金属塩等の前駆体を大気圧程度のアンモニア気流中で加熱し窒化して、少なくとも1つの遷移金属を含むオキシナイトライドからなる化合物が光触媒として機能することを発見している(前記特許文献1)。その化合物の多くはペロブスカイト結晶構造を取っていることにも言及している(K. Domen, A. Kudo and T. Ohnishi,J.Catal.,1986,102,92.)。また、それの光触媒反応における安定性の効果は前記結晶構造によるものと推測している。
【0008】
本発明者らは、前記原理に基づいて開発した光触媒として、LaTaON、MTaON(M:アルカリ土類金属)、Ta、TaONのようなタンタル系、LaTiON、TiNのようなチタン系、およびMNbON(M:アルカリ土類金属)のようなニオブ系の化合物を提案してきたが、光触媒の活性の改善の余地があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、前記窒化光触媒の光触媒活性を改善する方法を提供することである。
本発明者らは、前記光触媒が可視光活性を持つのは窒素化により酸素原子に代えて窒素原子を導入、置換することによるものであるから、窒素の導入、置換され方は、前記光触媒活性の活性の改善に相関するのではとの推測の下に、窒素の導入、置換の条件としてアンモニア圧を取り上げ、この条件と光触媒の活性の改善との関連を検討する中で、前記窒素化光触媒を少なくともアンモニア圧が0.2MPaより大きな条件、好ましくは0.8MPa以上の、より好ましくは10MPa以上のアンモニア圧の存在下で、300℃以上で、好ましくは400℃〜1000℃で加熱処理することにより光触媒の活性が改善されることを見出し前記課題を解決した。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも1つの遷移金属を含む遷移金属ナイトライドおよび遷移金属オキシナイトライドからなる光触媒を0.2MPa(メガパスカル)を越えるアンモニア存在下、300℃以上で加熱処理することを特徴とする前記光触媒の光触媒活性の改善方法である。好ましくは、遷移金属がLa、Ta、Nb、Ti、Zrからなる群から選択される少なくとも1つであることを前記光触媒活性の改善方法であり、より好ましくは、遷移金属ナイトライドおよび遷移金属オキシナイトライドからなる光触媒がLaTaON、MTaON(M:アルカリ土類金属)、Ta、TaON、LaTiON、TiN、およびMNbON(M:アルカリ土類金属)から選択されものであることを特徴とする請求項2に記載の光触媒活性の改善方法であり、また前記アルカリ土類金属がCa、SrおよびBaからなる群から選択される少なくとも1つである前記光触媒活性の改善方法である。
【0011】
また、好ましくは、アンモニア圧を0.8MPa以上とすることを特徴とする前記各光触媒活性の改善方法であり、より好ましくは、アンモニア圧を10MPa以上、加熱温度を400℃〜1000℃とすることを前記光触媒活性の改善方法である。
【0012】
【本発明の実施の態様】
本発明をより詳細に説明する。
I.一般的に窒化はアンモニア圧が高いほどよく進むが、前記従来の光触媒は大気圧程度のアンモニア圧で合成されるため窒素化が完全でなく、材料中に少量の窒素の欠陥等が存在することが考えられ、このような欠陥は少量でも光触媒の活性を妨げているものと考えられる。
そこで、これらの欠陥をとり除くのに、先行技術が遷移金属酸化物の窒化により光触媒活性の向上することの原理を押し進めて、窒素の導入、置換の改善を、アンモニア圧などとの関連で鋭意検討し、請求項に記載のアンモニア圧と温度による熱処理が光触媒の活性の改善に有効であること見出した。
【0013】
II.具体的には、前記先行技術の遷移金属ナイトライドおよび金属オキシナイトライド光触媒活性を向上させるためには0.2MPaを越えるアンモニアの存在下で加熱処理を行う必要がある。好ましい処理条件は0.8MPa以上のアンモニア存在下、300℃以上で加熱することである。加熱温度が300℃未満の場合はアンモニアの分解反応がほとんど進行せず、十分な窒化ができない。より好ましい処理は前記遷移金属ナイトライドおよび金属オキシナイトライドを10MPa以上のアンモニア存在下、400℃〜1000℃で加熱することである。400℃以上ではアンモニアの分解反応が進行し、効率的に材料の窒化を行えるが、1000℃を越えるとアンモニアの分解によって生じた水素が上記金属ナイトライド、金属オキシナイトライドの金属イオン(Ta5+、Ti5+、Nb5+)を還元し、光触媒活性を著しく低下させる。
【0014】
【実施例】
以下の実施例により本発明を具体的に説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
実施例1
試験管状のステンレス製耐圧容器の底部に1gのTaをいれ、高圧ガス導入装置に接続した。ステンレス製耐圧容器、高圧ガス導入装置内を真空ポンプで排気した後、液体アンモニア(99.999%)をステンレス製耐圧容器に導入した。その後、ステンレス製耐圧容器の温度を550℃まで昇温し、この温度で24時間保持してから室温まで冷却した。なお、昇温中の熱膨張の及び処理温度でのアンモニアの分解反応のため上記加熱処理中にステンレス耐圧容器の圧力は常に上昇するが、圧力調整弁を用いて加熱処理中の圧力を40MPaに保持した。
上記処理後のTaに白金0.5wt%担持した材料0.2gを80vol.%メタノール水溶液0.200dmに懸濁し、420nm以上の可視光を照射したときの、水素生成速度は30μmolh−1であった。処理前のTaにおける水素生成活性は上記と同様の方法で測定した場合5μmolh−1であった。明らかに高圧アンモニア存在下での加熱処理がTaの光触媒活性を向上させている。
【0015】
実施例2
試験管状のステンレス製耐圧容器の底部に1gのTaをいれ、高圧ガス導入装置に接続した。ステンレス製耐圧容器、高圧ガス導入装置内を真空ポンプで排気した後、液体アンモニア(99.999%)をステンレス製耐圧容器に導入した。その後、ステンレス製耐圧容器の温度を400℃まで昇温し、この温度で24時間保持してから室温まで冷却した。なお、昇温中の熱膨張の及び処理温度でのアンモニアの分解反応のため上記加熱処理中にステンレス耐圧容器の圧力は常に上昇するが、圧力調整弁を用いて加熱処理中の圧力を0.2MPaに保持した。
上記処理後のTaに白金0.5wt%担持した材料0.2gを80vol.%メタノール水溶液0.200dmに懸濁し、420nm以上の可視光を照射したときの、水素生成速度は8μmolh−1であり、明らかに高圧アンモニア存在下での加熱処理がTaの光触媒活性を向上させている。
【0016】
実施例3
試験管状のステンレス製耐圧容器の底部に1gのTaをいれ、高圧ガス導入装置に接続した。ステンレス製耐圧容器、高圧ガス導入装置内を真空ポンプで排気した後、液体アンモニア(99.999%)をステンレス製耐圧容器に導入した。その後、ステンレス製耐圧容器の温度を550℃まで昇温し、この温度で24時間保持してから室温まで冷却した。なお、昇温中の熱膨張の及び処理温度でのアンモニアの分解反応のため上記加熱処理中にステンレス耐圧容器の圧力は常に上昇するが、圧力調整弁を用いて加熱処理中の圧力を0.8MPaに保持した。
上記処理後のTaに白金0.5wt%担持した材料0.2gを90vol%メタノール水溶液0.200dmに懸濁し、420nm以上の可視光を照射したときの、水素生成速度は12μmolh−1であり、明らかに高圧アンモニア存在下での加熱処理がTaの光触媒活性を向上させている。
【0017】
実施例4
試験管状のステンレス製耐圧容器の底部に1gのTaONをいれ、高圧ガス導入装置に接続した。ステンレス製耐圧容器、高圧ガス導入装置内を真空ポンプで排気した後、液体アンモニア(99.999%)をステンレス製耐圧容器に導入した。その後、ステンレス製耐圧容器の温度を550℃まで昇温し、この温度で24時間保持してから室温まで冷却した。なお、昇温中の熱膨張の及び処理温度でのアンモニアの分解反応のため上記加熱処理中にステンレス耐圧容器の圧力は常に上昇するが、圧力調整弁を用いて加熱処理中の圧力を40MPaに保持した。上記処理後のTaONに白金1wt%担持した材料0.2gを10vol.%メタノール水溶液0.200dmに懸濁し、420nm以上の可視光を照射したときの、水素生成速度は70μmolh−1であった。処理前のTaONにおける水素生成活性は上記と同様の方法で測定した場合30μmolh−1であった。明らかに高圧アンモニア存在下での加熱処理がTaONの光触媒活性を向上させている。
【0018】
実施例5
試験管状のステンレス製耐圧容器の底部に1gのCaTaONをいれ、高圧ガス導入装置に接続した。ステンレス製耐圧容器、高圧ガス導入装置内を真空ポンプで排気した後、液体アンモニア(99.999%)をステンレス製耐圧容器に導入した。その後、ステンレス製耐圧容器の温度を550℃まで昇温し、この温度で24時間保持してから室温まで冷却した。なお、昇温中の熱膨張の及び処理温度でのアンモニアの分解反応のため上記加熱処理中にステンレス耐圧容器の圧力は常に上昇するが、圧力調整弁を用いて加熱処理中の圧力を40MPaに保持した。
上記処理後のCaTaONに白金1wt%担持した材料0.2gを10vol.%メタノール水溶液0.200dmに懸濁し、420nm以上の可視光を照射したときの、水素生成速度は40μmolh−1であった。処理前のCaTaONにおける水素生成活性は上記と同様の方法で測定した場合18μmolh−1であった。明らかに高圧アンモニア存在下での加熱処理がCaTaONの光触媒活性を向上させている。
【0019】
実施例6
試験管状のステンレス製耐圧容器の底部に1gのLaTiONをいれ、高圧ガス導入装置に接続した。ステンレス製耐圧容器、高圧ガス導入装置内を真空ポンプで排気した後、液体アンモニア(99.999%)をステンレス製耐圧容器に導入した。その後、ステンレス製耐圧容器の温度を500℃まで昇温し、この温度で24時間保持してから室温まで冷却した。なお、昇温中の熱膨張の及び処理温度でのアンモニアの分解反応のため上記加熱処理中にステンレス耐圧容器の圧力は常に上昇するが、圧力調整弁を用いて加熱処理中の圧力を40MPaに保持した。
上記処理後のLaTiONに白金0.5wt%担持した材料0.2gを10vol.%メタノール水溶液0.200dmに懸濁し、420nm以上の可視光を照射したときの、水素生成速度は52μmolh−1であった。処理前のLaTiONにおける水素生成活性は上記と同様の方法で測定した場合28μmolh−1であった。明らかに高圧アンモニア存在下での加熱処理がLaTiONの光触媒活性を向上させている。
【0020】
実施例7
試験管状のステンレス製耐圧容器の底部に1gのCaNbONをいれ、高圧ガス導入装置に接続した。ステンレス製耐圧容器、高圧ガス導入装置内を真空ポンプで排気した後、液体アンモニア(99.999%)をステンレス製耐圧容器に導入した。その後、ステンレス製耐圧容器の温度を550℃まで昇温し、この温度で24時間保持してから室温まで冷却した。なお、昇温中の熱膨張の及び処理温度でのアンモニアの分解反応のため上記加熱処理中にステンレス耐圧容器の圧力は常に上昇するが、圧力調整弁を用いて加熱処理中の圧力を40MPaに保持した。
上記処理後のCaNbONに白金1wt%担持した材料0.2gを10vol.%メタノール水溶液0.200dmに懸濁し、420nm以上の可視光を照射したときの、水素生成速度は30μmolh−1であった。処理前のCaNbONにおける水素生成活性は上記と同様の方法で測定した場合8μmolh−1であった。明らかに高圧アンモニア存在下での加熱処理がCaNbONの光触媒活性を向上させている。
【0021】
比較例1
試験管状のステンレス製耐圧容器の底部に1gのTaをいれ、高圧ガス導入装置に接続した。ステンレス製耐圧容器、高圧ガス導入装置内を真空ポンプで排気した後、液体アンモニア(99.999%)をステンレス製耐圧容器に導入した。その後、ステンレス製耐圧容器の温度を550℃まで昇温し、この温度で24時間保持してから室温まで冷却した。なお、昇温中の熱膨張の及び処理温度でのアンモニアの分解反応のため上記加熱処理中にステンレス耐圧容器の圧力は常に上昇するが、圧力調整弁を用いて加熱処理中の圧力を0.1MPaに保持した。
上記処理後のTaに白金0.5wt%担持した材料0.2gを80vol.%メタノール水溶液0.200dmに懸濁し、420nm以上の可視光を照射したときの、水素生成速度は処理前のTaにおける水素生成活性と同様であった。
【0022】
比較例2
試験管状のステンレス製耐圧容器の底部に1gのTaをいれ、高圧ガス導入装置に接続した。ステンレス製耐圧容器、高圧ガス導入装置内を真空ポンプで排気した後、液体アンモニア(99.999%)をステンレス製耐圧容器に導入した。その後、ステンレス製耐圧容器の温度を250℃まで昇温し、この温度で24時間保持してから室温まで冷却した。なお、昇温中の熱膨張のため上記加熱処理中にステンレス耐圧容器の圧力は常に上昇するが、圧力調整弁を用いて加熱処理中の圧力を40MPaに保持した。
上記処理後のTaに白金0.5wt%担持した材料0.2gを80vol.%メタノール水溶液0.200dmに懸濁し420nm以上の可視光を照射したときの、水素生成速度は処理前のTaにおける水素生成活性と同様であった。
【0023】
比較例3
試験管状のステンレス製耐圧容器の底部に1gのTaをいれ、高圧ガス導入装置に接続した。ステンレス製耐圧容器、高圧ガス導入装置内を真空ポンプで排気した後、液体アンモニア(99.999%)をステンレス製耐圧容器に導入した。その後、ステンレス製耐圧容器の温度を1200℃まで昇温し、この温度で24時間保持してから室温まで冷却した。なお、昇温中の熱膨張の及び処理温度でのアンモニアの分解反応のため上記加熱処理中にステンレス耐圧容器の圧力は常に上昇するが、圧力調整弁を用いて加熱処理中の圧力を40MPaに保持した。
上記処理によって得られた黒色粉末に白金0.5wt%担持した材料0.2gを80vol.%メタノール水溶液0.200dmに懸濁し、420nm以上の可視光を照射したとき、水素生成生成は全く観察されなかった。
【0024】
【発明の効果】
以上のように、本発明で提案したアンモニア圧および温度において、少なくとも1つの遷移金属を含む遷移金属ナイトライドおよび遷移金属オキシナイトライドからなる光触媒を加熱処理することにより、可視光領域の光による光触媒反応における水素発生が著しく向上していることから、太陽光を次世代エネルギーとしての水素に変換する光触媒として一層有望である。

Claims (6)

  1. 少なくとも1つの遷移金属を含む遷移金属ナイトライドおよび遷移金属オキシナイトライドからなる光触媒を0.2MPa(メガパスカル)を越えるアンモニア存在下、300℃以上で加熱処理することを特徴とする前記光触媒の光触媒活性の改善方法。
  2. 遷移金属がLa、Ta、Nb、Ti、Zrからなる群から選択される少なくとも1つであることを請求項1に記載の光触媒活性の改善方法。
  3. 遷移金属ナイトライドおよび遷移金属オキシナイトライドからなる光触媒がLaTaON、MTaON(M:アルカリ土類金属)、Ta、TaON、LaTiON、TiN、およびMNbON(M:アルカリ土類金属)から選択されるものであることを特徴とする請求項2に記載の光触媒活性の改善方法。
  4. アルカリ土類金属がCa、SrおよびBaからなる群から選択される少なくとも1つであることを請求項3に記載の光触媒活性の改善方法。
  5. アンモニア圧を0.8MPa以上とすることを特徴とする請求項1、2、3または4に記載の光触媒活性の改善方法。
  6. アンモニア圧を10MPa以上、加熱温度を400℃〜1000℃とすることを特徴とする請求項5に記載の光触媒活性の改善方法。
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