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JP2004226177A - 湿度センサー及び湿度の測定方法 - Google Patents

湿度センサー及び湿度の測定方法 Download PDF

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JP2004226177A
JP2004226177A JP2003012852A JP2003012852A JP2004226177A JP 2004226177 A JP2004226177 A JP 2004226177A JP 2003012852 A JP2003012852 A JP 2003012852A JP 2003012852 A JP2003012852 A JP 2003012852A JP 2004226177 A JP2004226177 A JP 2004226177A
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Japan
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humidity
electrode
metal oxide
humidity sensor
change
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JP2003012852A
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Kazutoshi Noda
和俊 野田
Ryuichi Osanawa
竜一 長縄
Masanori Andou
昌儀 安藤
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)

Abstract

【課題】新しい湿度センサー及び湿度の測定方法
【解決手段】水晶振動子及びこれをはさんで両側に設置されている電極から構成され、その電極表面が金属酸化膜により被覆され、又は電極が金属酸化物により構成されていることを特徴とする湿度センサー及びこのセンサーを用いて湿度を測定する方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、湿度センサー及び湿度の測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
空気中に含まれる水蒸気量を測定すること、すなわち、湿度を測定することは、工業上又は環境上、必要な事柄である。近年、環境分野のみならず、工場や事業所の製造装置或いは機器を管理運用するうえで湿度を一定に保持する必要があり、また、結露により不具合が起こる可能性を有する精密機械や機器の運用管理の点からも、正確で、小型で計量の機器に対する要望が高い。
従来から、湿度計にはいろいろなものが使用されてきた。
たとえば、(1)毛髪が水蒸気を吸収する際に起こる伸びを計測して湿度を計測する方法(いわゆる毛髪湿度計)、(2)電解質の電気抵抗が水蒸気によって変化する現象を利用する方法(特許文献1)、(3)有機物、半導体、セラミックス、金属酸化物などが水分を吸着することにより電気抵抗の変化を求める方法(特許文献2)、或いは電気容量の変化を求める方法(特許文献3)、(4)赤外線を利用した吸光度変化を見知する方法、(5)高分子化合物担体にクリスタルバイオレットやベタイン色素などの有機色素を含有した膜の可視吸収スペクトル或いは蛍光強度の湿度依存性を利用する方法、(6)高分子担体に担持した塩化コバルトの可視吸収スペクトルを利用する方法、(7)ポリアミドなどで被覆した水晶振動子による水分が吸着することによって生じる重量変化を検知する方法などがある。
【0003】
しかしながら、これらの方法は、いずれも、問題がある。問題点を挙げれば、以下の通りである。
(1)の方法では、作動可能な雰囲気温度が室温付近に限定されること、又、酸やアルカリなどの腐食性ガスが存在するような雰囲気では毛髪が変化するので使用できない。
(2)の方法では、その他の方法と比較すると、検知構造が複雑となり、また、電極、電解質などの検出部品の保守作業が必要である。
(3)の方法では、抵抗変化を利用する場合にあっては特に問題となることとして、水の吸着により生成されるHイオンの伝導性を利用することが多いため、吸着水量が少なくなる低湿度域では素子の抵抗が過大となる傾向があり、通常の方法で、抵抗値を正確に測定することが困難となる。この現象が湿度測定の妨げとなる。また、一般的に過大な素子抵抗による測定の困難さがある。さらに、乾湿材料として親水性高分子を利用する場合は、結露の可能性があるような高湿度領域では安定した出力や膜構造の劣化の問題が起こりやすいために、使用上の問題がある。
(4)の方法は、発光部、受光部、使用する光学部品等複雑な測定構成となり、大型の測定装置となり、高価になる傾向がある。
(5)及び(6)の方法は、有機色素、有機高分子等が耐熱性に欠けることから、作動湿度範囲が比較的狭く、雰囲気中に反応性の強い蒸気が存在すると不可逆変化を起こすおそれがある等の問題がある。
(7)の方法は、水分以外のガスなどの分子が吸着しても素子の重量変化として信号が出力されるため、水分だけを選択的に検知することが難しい問題がある。
このようなことから、従来の湿度センサーとは相違する新しい形式のセンサーが要望されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−28563号公報
【特許文献2】
特開平10−239264号公報
【特許文献3】
特開平9−43186号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、従来の形式とは相違する新しい湿度センサーを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者ら、前記課題について研究し、以下の事柄を見出して、本発明を完成させた。
水晶振動子をはさんで両側に設置されている電極から構成され、その電極表面が金属酸化膜により被覆され、又は電極が金属酸化物により構成されている湿度センサーを形成し、このセンサーに水蒸気を含む気体と接触させると、水蒸気の含有量に応じて、金属酸化物表面で物理的な水分子(水分)の吸脱着反応が起こる。水晶振動子の電極により形成される振動部分では、この水蒸気の吸着量に応じた重量変化が起こり、一定の周波数で共振している水晶振動子の発振周波数が下がる現象が起こり、この周波数変化として捉えることができる。よって、共振周波数変化により、水蒸気の含有量、すなわち、湿度の変化を測定することができる。
【0007】
電極表面を被覆する金属酸化物の薄膜には、金属酸化膜又は電極が酸化クロムにより構成される、又は酸化銅により構成される、又は、ニッケル、コバルト、マンガンから選ばれる単一金属成分で構成されているか、又は、これらの中から選ばれる金属の混合物からなる酸化物半導体である場合である。
またはニッケル、コバルト、マンガンの単一または任意の比率で含有させて作製した酸化物半導体と錫の酸化物半導体を複層化したものや膜を使用することができる。
前記の電極表面材料としては、酸化クロム、酸化銅などの半導体性金属材料を用いることが望ましいが、測定する環境などに応じて、ニッケル、コバルト、マンガンの単一または任意の比率で含有させて作製した酸化物半導体、またはニッケル、コバルト、マンガンの単一または任意の比率で含有させて作製した酸化物半導体と錫の酸化物半導体を複層化して作製した金属酸化膜を使用することができる。
なお、電極材料そのものは一般的に利用されている金、銀等の公知の材料で問題なく、検知する電極表面が上記酸化クロム、酸化銅等であればよい。そのため、公知の手法によって金等の電極材料表面にこれら金属酸化物が被覆されていればよい。被覆厚も、水分の吸着現象が現れる程度で、かつ水晶振動子自体が電気的に発振可能であれば、任意の厚さでよい。また、電極に対する被覆面も任意の大きさでよいが、ベースの電極面積以下が好ましい。水晶振動子の電極材料そのものとして一般的に利用されている、クロム、銅、ニッケルなどの表面に公知の手法などでそれ自身の酸化膜として作成し使用することも可能である。
【0008】
本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)水晶振動子及びこれをはさんで両側に設置されている電極から構成され、その電極表面が金属酸化膜により被覆され、又は電極が金属酸化物により構成されていることを特徴とする湿度センサー。
(2)電極表面の金属酸化膜又は電極が酸化クロムにより構成されていることを特徴とする(1)記載の湿度センサー。
(3)電極表面の金属酸化膜又は電極が酸化銅により構成されていることを特徴とする(1)記載の湿度センサー。
(4)電極表面の金属酸化膜又は電極がニッケル、コバルト、マンガンから選ばれる単一金属成分で構成されているか、又は、これらの中から選ばれる金属の混合物からなる酸化物半導体であることを特徴とする請求項1記載の湿度センサー。
(5)電極表面の金属酸化膜又は電極がニッケル、コバルト、マンガンから選ばれる単一金属成分で構成されているか、又は、これらの中から選ばれる金属の混合物からなる酸化物半導体であり、さらに錫の酸化物により複合化していることを特徴とする(1)1記載の湿度センサー。
(6)前記(1)乃至(5)のいずれか記載の湿度センサーを測定対象とする気体と接触させて共振周波数の変化を測定することを特徴とする湿度の測定方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の湿度センサーは以下のように構成されている。
水晶振動子及びこれをはさんで両側に設置されている電極から構成され、その電極表面が金属酸化膜により被覆され、又は電極が金属酸化物により構成されているものである。
水晶振動子は、種々の電子機器では周波数、時間などの基準として圧電振動子、特に、周波数の精度、安定度に対して優れた性能を有していることから、多用されている。この水晶振動子の共振周波数は、外形形状により決定される。例えば、数MHz乃至数十MHzの周波数帯で一般的に用いられているATカットの厚み滑り水晶振動子の場合、棒状の人工水晶を結晶軸に対して所定の角度板状に切断し、丸板、矩形、短冊などの水晶片としている。このようなATカットの水晶振動子では、水晶片の厚みによって共振周波数が決定される。水晶片の板面を、所望の共振周波数に応じた厚みに研磨する。そして、このように所望の厚みとして、真空蒸着などの公知の手段を用いて、相対する面に励振電極を形成し、この励振電極を両側縁部へ導き出すようにしている。そして、水晶片の両側縁部をベースとした部分に設けた一対の端子の先端部に固着した保持部材で挟持し、ここに導電性接着剤などを塗布して固着し、機械的に保持し、励振電極と端子との電気的な接続を行っているものが一般的な様式である。そして、水晶振動子を検知素子としてではなく、通信機器や電気機器などの基準周波数として利用するためなどにこの素子を利用するような、最も標準的な使用方法としている場合などは、全体をカバーで覆い、真空或いは不活性ガスの雰囲気で気密に封止するのが、一般的な様式である。
【0010】
本発明では、電極表面または電極材料に、金属酸化物が用いられる。金属酸化物の特性として、水蒸気の含有量に応じて、金属酸化物表面で物理的な水分子(水分)の吸脱着反応が起こるものであれば、そのような金属酸化物を用いる事ができる。
金属酸化物が、酸化クロムにより構成されているもの、又は酸化銅により構成されているもの、ニッケル、コバルト、マンガンの単一、又は任意の比率で含有させて作製した酸化物半導体、ニッケル、コバルト、マンガンの単一または任意の比率で含有させて作製した酸化物半導体と錫の酸化物半導体を複層化して用いることができる。
【0011】
電極表面のみが前記の材料により構成されている場合には、電極材料そのものは一般的に利用されている金、銀等の公知の材料で問題なく、検知する電極表面が上記酸化クロム、酸化銅等であればよい。そのため、公知の手法によって金等の電極材料表面にこれら金属酸化物が被覆されていればよい。被覆厚も、水分の吸着現象が現れる程度で、かつ水晶振動子自体が電気的に発振可能であれば、任意の厚さでよい。
また、電極に対する被覆面も任意の大きさでよいが、ベースの電極面積以下が好ましい。水晶振動子の電極材料そのものとして一般的に利用されている、クロム、銅、ニッケルなどの表面に公知の手法などでそれ自身の酸化膜として作成し使用することも可能である。
電極材料が前記の材料により構成されている場合には、あえて、更に同じ材料により電極表面を被覆する必要はない。
【0012】
ニッケル及びコバルトを任意の比率で含有させる場合には、それぞれ任意の比率で差し支えないが、1:99〜1:1とすることが好ましい。
ニッケル及びマンガンを任意の比率で含有させる場合には、それぞれ任意の比率で差し支えないが、1:99〜1:1とすることが、好ましい。コバルト及びマンガンを任意の比率で含有させて作製する場合、それぞれ任意の比率で差し支えないが、コバルト、マンガンを原子比で1:1程度とすることが好ましい。
ニッケル、コバルト及びマンガンを任意の比率で含有させて作製する場合、それぞれ任意の比率で差し支えないが、ニッケル、コバルト、マンガンを原子比で1:99:99〜1:1:1とすることが好ましい。
ニッケル、コバルト、マンガンから選ばれる単一金属成分で構成されているか、又は、これらの中から選ばれる金属の混合物からなる酸化物半導体に対して、さらに錫の酸化物を複層化する場合は、水晶振動子自体が電気的に発振可能であれば、任意の厚さでよいが、100nm程度が好ましい。
【0013】
本発明では、上記複合酸化物の他に、本発明の効果を損なわない範囲内で他の成分(有機成分、金属塩等)が含まれていても差し支えない。
【0014】
薄膜の形成方法は、特に制限されず、公知の薄膜形成方法をそのまま採用できる。例えば、スパッタ法、真空蒸着法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等の気相法、あるいは無機酸金属塩(硝酸ニッケル、硝酸銅等)、有機金属塩(ナフテン酸銅、オクチル酸ニッケル、ナフテン酸ニッケル等)、金属アルコキシド(ジメトキシ銅、アセチルアセトン銅等)などの溶液を素子電極上に塗布し、熱分解する方法等のいずれの方法も採用できる。
【0015】
上記の金属等の溶液を熱分解する方法では、例えば所望の複合酸化物が得られるような金属成分比で各溶液を混合し、得られた混合溶液を電極表面上に塗布し、乾燥した後、通常は空気中(大気)等の酸素を含む雰囲気とすれば良い。熱分解方法では、混合溶液中に有機化合物を添加することもできる。この場合には、例えば樟脳(C1016O)、尿素(CO(NH)等のような常温で固体の有機化合物を添加してもよく、加熱により昇華又は分解して気化・飛散するので、これらを添加することによって一層多孔質で表面積の大きなものが得られる。この結果、多くの水分を吸着することが可能となるため、湿度変化により周波数変化がより鋭敏となる。添加量は、原料中の比率が通常1:0.01〜1:5程度、好ましくは1:0.05〜1:1とすれば良い。なお、これらの有機化合物は、2種以上用いることもできる。
【0016】
薄膜の厚さは、周波数変化を検知できる限り特に制限されない。一般的に、スパッタ法で形成される薄膜のように均質で緻密な薄膜の場合は、比較的表面積が小さいので通常1〜200nm程度、好ましくは1〜100nmすれば良い。一方、金属塩等の溶液を塗布する上記方法では、一般に形成される薄膜の表面積が大きいので上記範囲よりも厚い薄膜(例えば5〜500nm程度)であっても周波数変化を検出することができる。なお、これらの条件は複層した場合についても同様である。
【0017】
ここで、本発明の金属酸化物による周波数変化が空気中の湿度変化に応じて変化する理由として以下の機構が考えられる。酸化物よりも高い誘電率をもつ水が金属酸化物(金属酸化物を薄膜として用いる場合)の薄膜表面に物理吸着することにより膜全体の重量が増加し、それに伴って周波数変化が増大することが考えられる。
【0018】
水晶振動子による測定法に際しては、その測定値は電気信号から読みとるために、測定者によって読みとり値に差が生じない。しかも、水晶振動子は電気機器などに使用されている汎用品であり、携帯型の小型、低価格の測定器が製作可能である。
【0019】
水晶振動子による従来の湿度測定手段として、これまでポリアミド等や脂質、アミン系などの有機系または高分子系膜を検知膜として利用した方法がある。しかし、これらの物質を検知膜とした使用した水晶振動子による測定法では、湿度以外にも測定対象中に含まれるガスでも吸着反応が起こるため、湿度のみの測定を行うことが難しかった。そのため、高感度に検知するためには、その対策を十分に行う必要性があり、高コストな機器となる。
これに対し、酸化クロムなど水晶振動子の電極表面または電極材料そのものを利用した測定法では、検知膜を作製するための行程を大幅に省略することも可能である。さらに、測定対象中に含まれるガスによる吸着反応もほとんど起こらないため、効率よく有効に検知、測定することが可能になる。
なお、一般的に使用されている金や銀、酸化銀などの電極表面では湿度による吸着はほとんど起こらないか微少の変化である。
【0020】
【実施例】
実施例1
図1に本発明の一実施形態による湿度測定手法の概略を示す。この場合、実験室内において水を空気(窒素)でバブリングすることによる簡易的な加湿部を用いて測定を行う例を示している。なお、必ずしもこのような手法を用いることはなく、測定雰囲気中に放置した状態でも測定は可能である。
供給用ガス(空気)として、今回は市販の窒素(ボンベ)を用いた。まずボンベから減圧器で適当な任意の圧力で窒素が出力され、測定部2にゴミ等の汚れが素子内に取り込まれないようにするためにフィルター1を設置する。なお、必ずしもこのようなフィルターを設置する必要はなく、測定環境によっては省略してもよい。フィルターを通過した窒素は、流量計3で任意の流量に調節または必要に応じて遮断(締切)する。一方はそのまま測定部2につながったパイプと、もう一方は純水等を密閉容器内入れ、そこに流量計3から流れてきた窒素をバブリングすることによって湿度を発生させる加湿部4がつながったパイプから構成されている。ここで、低湿度の窒素と、加湿部4によって飽和に近い湿度の窒素が測定部2に供給されるようになっている。そこで、必要な湿度に応じて片方または両方を任意の流量を混合させることによって、任意の湿度を測定部2に供給するようになっている。
次に、任意の湿度を含んだ窒素は測定部2に送られ、測定用プローブに設置された、例えば酸化クロムで被覆されているような水晶振動子5の電極表面で、測定環境中の湿度としての水分子が吸着することにより重量変化が生じ、その変化量を周波数変化に変換して測定する原理である。その周波数変化は、公知の測定器としてのカウンター等によって測定が可能である。なお、ここで使用した酸化クロムの素子は、ATカット、9MHzの金ベース水晶振動子電極に真空蒸着法により酸化クロムを100nm程度の薄膜として片面に被覆したものを使用した。なお、湿度変化を確認するため、公知で市販の電気抵抗や電気容量の変化を測定する湿度計と温度計を同じ流量系統に設置して確認を行った。より安定した測定を行う場合などは、水晶振動子5の振動周波数を安定した一定の信号として得るため、加熱及び/または冷却が可能な恒温装置(部)6を使用し、測定部2の内部の温度を一定にしたり、または制御することができる構造とすることが望ましい。なお、本測定手法において、必ずしもこのような装置は必要ではない。
【0021】
前記のようにして構成した測定装置に、ここでは湿度約20%の窒素(加湿部2を通過しない方)を5分間、湿度95%の窒素(加湿部2を通過する方)を5分間、それぞれ200ml/minの流量にして周波数変化を測定した。なお、必ずしも窒素ではなく空気その他のガスでもよい。また、比較対照のために金電極のみの水晶振動子を測定部2に設置して、前記同様な湿度濃度で測定した。
【0022】
図2に、相対湿度20%−95%交互切替測定時の応答特性と周波数変化の関係の例を示す。この例では、横軸は、時間(単位 時:分:秒)を表し、縦軸は、ATカット、9MHzの金ベース水晶振動子電極に真空蒸着法により酸化クロムを100nm程度の薄膜として片面に被覆した素子を使用した場合の、湿度に対する周波数変化量(単位 Hz)を表している。
初めに、相対湿度約20%の窒素を測定部2に約5分間流した場合、周波数変化は、ほぼゼロであることが示されている。次に、加湿部4を通過した相対湿度約95%の窒素を同様に測定部2に約5分間流した場合、数秒以内に急激に周波数変化(周波数が下がる)が起こり、約5分後には200Hz程度変化したことが示されている。次に、再び、相対湿度約20%の窒素を測定部2に約5分間流し、その後、相対湿度約95%の窒素を同様に測定部2に約5分間流す行程を3回繰り替えした結果を表している。加湿した結果として、3回繰り返したこの例では、ほぼ同様な周波数変化が起こり、かつ応答性も同様であった。また、基準となる相対湿度約20%の窒素を流した場合も、ほぼ同じ周波数まで戻っていることが分かった。
参考までに、金電極(ATカット、9MHzの金ベースの水晶振動子素子)による周波数変化を、この例と同様な湿度、行程で実験を行ったが、周波数変化は数Hz程度とほとんど変化しないことが分かった。つまり、酸化クロムの電極素子を使用した場合は、この例では最大200Hz程度(基本周波数9MHz、20℃)の検知特性であることが分かった。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、このような湿度測定法では、電極表面に直接水分が吸着するため、水晶振動子の基本共振周波数を高くするなど公知の技術を利用して高感度に測定が可能になる。また、現場環境に携行し、そこでの迅速な測定も可能となるため、省力化、低コスト化の効果が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による湿度測定手法の構成を示す概念図である。
【図2】相対湿度20%−95%交互切替測定時の応答特性と周波数変化の関係の例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 フィルター
2 測定部
3 流量計
4 水晶振動子
5 加湿部
6 恒温装置(部)

Claims (6)

  1. 水晶振動子及びこれをはさんで両側に設置されている電極から構成され、その電極表面が金属酸化膜により被覆され、又は電極が金属酸化物により構成されていることを特徴とする湿度センサー。
  2. 電極表面の金属酸化膜又は電極が酸化クロムにより構成されていることを特徴とする請求項1記載の湿度センサー。
  3. 電極表面の金属酸化膜又は電極が酸化銅により構成されていることを特徴とする請求項1記載の湿度センサー。
  4. 電極表面の金属酸化膜又は電極がニッケル、コバルト、マンガンから選ばれる単一金属成分で構成されているか、又は、これらの中から選ばれる金属の混合物からなる酸化物半導体であることを特徴とする請求項1記載の湿度センサー。
  5. 電極表面の金属酸化膜又は電極がニッケル、コバルト、マンガンから選ばれる単一金属成分で構成されているか、又は、これらの中から選ばれる金属の混合物からなる酸化物半導体であり、さらに錫の酸化物により複合化していることを特徴とする請求項1記載の湿度センサー。
  6. 請求項1乃至5のいずれか記載の湿度センサーを測定対象とする気体と接触させて共振周波数の変化を測定することを特徴とする湿度の測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009250896A (ja) * 2008-04-09 2009-10-29 National Institute Of Advanced Industrial & Technology アンモニア測定素子、アンモニア測定装置、アンモニアの測定方法、塩素測定素子、塩素測定装置及び塩素の測定方法
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