JP2004224417A - 金属缶の開口カール部およびその製造方法 - Google Patents
金属缶の開口カール部およびその製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】外巻きのカール部21を、切断端部21aをカール部21の内部に巻き込んで閉じ込めるように、幅方向で押し潰された状態に形成して、このカール部21の上下両端付近を除く大部分で、幅方向で少なくとも三重以上に金属板を重ねて、金属板同士を樹脂被膜を介して互いに略当接させると共に、この金属板同士の当接部分を、少なくとも切断端部21aのある金属板の巻き込み外側面で、互いに融着した熱可塑性樹脂の被膜によって接着する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、両面が熱可塑性樹脂の被膜で被覆された金属板から少なくとも缶の開口部付近が形成され、缶の開口部に外巻きのカール部が形成されている金属缶に関し、特に、そのような金属缶の上端開口縁に沿って環状に形成されている外巻きのカール部の構造、および、そのような金属缶の開口カール部を製造するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
飲料缶詰の缶容器として、キャップによりリシール(再密閉)が可能なボトル型の金属缶が、近年、ビール,炭酸飲料,お茶等のような様々な飲料の缶詰において数多く使用されており、そのようなボトル型缶では、周壁にネジが形成された口頸部の上端開口縁が外巻きのカール部が形成されているが、この開口カール部については、飲料を充填した後で、キャップを装着して密封する際に、上方からの大きな押圧力をカール部が受けることから、これに耐え得る強度を有することが必要であり、また、飲料を充填・密封した後の製品(飲料缶詰)として、カートンケース内に収容されて輸送・保管されている時に落下衝撃を受けたり、店頭陳列時に落下衝撃を受けたりしても、容易に変形しないような耐変形性が必要があって、カール部に変形が起きると、キャップのシール材とカール部との間での密封性を良好に維持できないこととなる。
【0003】
一方、一般的に陽圧缶として使用されるボトル型缶に対して装着するキャップの上部には、開栓時のガス抜きの目的でベントスリットと呼ばれる小孔が円周方向に多数設けられており(ベントスリットを設けないと、開栓時にキャップと口頸部の間にガス圧が生じることでキャップが飛ばされることがある)、缶の内部はキャップの頂板裏面に取り付けられたシール材により密封されているが、そのようにキャップにベントスリットを設けることにより、キャップの装着後も口頸部とキャップの間に空気中の湿気や水が入り込んだり、或いは、金属缶の冷却や外気温の急激な変化により空気中の水分が結露したりすることで、たとえ両面が樹脂被膜で被覆された金属板から缶体が製造されていても、口頸部上端のカール部の切断端部(金属板が露出した切断端面)では、付着した水分により腐食が発生するような虞がある。
【0004】
そのようなカール部の切断端部での水分による腐食について、アルミ缶の場合にはそれ程ではないが、スチール缶の場合には、カール部の切断端部から錆が発生することで商品価値を著しく低下させる虞があることから、カール部の切断端部に水分を付着させないようにすることが必要である。そのためには、カール部の切断端部(金属板が露出した切断端面)に対して、溶液の塗料や溶融させた熱可塑性樹脂などで塗膜処理を施すという方法も考えられるが、そのような塗膜処理をカール部の切断端部に対して施す場合には、塗料の飛び散りや樹脂の糸引きというような問題を生じ易く、これを回避するためには新たな装置や新規技術の開発が必要となる。
【0005】
これに対して、缶の開口部に外巻きのカール部を形成する場合に、切断端部をカール部の内部に巻き込んで閉じ込めるようにカール部を形成するということが、例えば、特公昭56−14051号公報、実開昭56−24431号公報(第6図参照)、実開昭61−51314号公報(第6図参照)、実開昭62−22945号公報等により従来から公知となっており、そのようなカール部の構造によれば、カール部の切断端部に外部からの水分が付着するのを防止することができるため、スチール缶におけるカール部の切断端部の耐錆性という点では効果的である。
【0006】
しかしながら、そのように形成された従来公知のカール部の構造を見ると、例えば、特公昭56−14051号公報や、実開昭56−24431号公報(第6図参照)に開示されたような構造では、カール部が上方からの大きな押圧力を受けたり、落下衝撃を受けたような時に、強度的に充分な耐変形性を有するものとは思われず、カール部が変形してキャップ(シール材)との間での密封性が悪化する虞があり、一方、例えば、実開昭61−51314号公報(第6図参照)や、実開昭62−22945号公報に開示されたような構造では、樹脂製の筒状体を口頸部に嵌挿した後で、口頸部の上端部分を二重に巻き込むようにカール成形していることから、強度的には優れていると思われるが、樹脂製の筒状体に対してカールが常に強く押し付けられていないと、カール部がスプリングバック(カール成形による巻きが少し元に戻るように弛む)する虞があって、スプリングバックによりカール部の形状や寸法が一定しないことで、キャップ(シール材)との間での密封性にバラツキが生じる虞がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、上記のような問題を解消するために、缶の開口部に外巻きのカール部が形成される金属缶について、少なくとも缶の開口部付近を形成する金属板の内外両面を樹脂被膜により被覆しておくと共に、缶の開口部に形成される外巻きのカール部を、切断端部をカール部の内部に巻き込んで閉じ込めるように、幅方向で押し潰された状態に形成して、カール部の上下両端付近を除く大部分で、金属板同士が樹脂被膜を介して互いに略当接するように、幅方向で少なくとも三重以上(具体例では四重)に金属板が重なったものにする、ということが本出願に先だって本出願人により既に提案されており(特願2002−127869号)、更には、そのような幅方向で少なくとも三重以上(三重又は四重)に金属板が重なった構造を有するカール部について、金属板を被覆する樹脂被膜に加工用具による損傷を与えるようなことなくカール部を効果的に成形するための方法が、本出願に先だって本出願人により既に提案されている(特願2002−266714号)。
【0008】
本発明は、上記のような本出願人により提案された金属缶の開口カール部の効果を一層高めることを課題とするものであり、具体的には、切断端部をカール部の内部に巻き込んで閉じ込めるように、幅方向で押し潰された状態に形成されて、カール部の上下両端付近を除く大部分で、幅方向で少なくとも三重以上に金属板が重なっているような金属缶の開口カール部について、カール部の内部の切断端部にまで水分が侵入するのを一層効果的に防止できるようにすることを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような課題を解決するために、両面が熱可塑性樹脂の被膜で被覆された金属板から少なくとも缶の開口部付近が形成され、缶の開口部に外巻きのカール部が形成されている金属缶において、外巻きのカール部が、切断端部をカール部の内部に巻き込んで閉じ込めるように、幅方向で押し潰された状態に形成されており、このカール部の上下両端付近を除く大部分で、幅方向で少なくとも三重以上に金属板が重なって、金属板同士が樹脂被膜を介して互いに略当接していると共に、この金属板同士の当接部分が、少なくとも切断端部のある金属板の巻き込み外側面で、互いに融着した熱可塑性樹脂の被膜によって接着されていることを特徴とするものである。
【0010】
また、そのような金属缶の開口カール部を製造するための方法として、開口部の切断端部の付近が未だ円筒状で、その内外両面が熱可塑性樹脂の被膜により被覆されている金属缶に対して、開口部の切断端部から所定の長さの部分を外側に二重に折り畳んでから、フランジ加工と折り畳み加工とにより切断端部を巻き込むようなカール成形を少なくとも一回以上行なうことにより、金属板同士が樹脂被膜を介して幅方向で少なくとも三重以上に重なった外巻きのカール部を成形した後、カール部を局所的に加熱処理することにより、カール部の金属板同士の当接部分の、少なくとも切断端部のある金属板の巻き込み外側面で、金属板同士の間にある熱可塑性樹脂の被膜を軟化又は溶融させて、熱可塑性樹脂の被膜同士を互いに融着させるようにしたことを特徴とするものである。
【0011】
上記のような開口カール部の構造によれば、少なくとも切断端部のある金属板の巻き込み外側面で、重なった金属板同士を熱可塑性樹脂の被膜の融着によって接着している(即ち、外からのカール部内の切断端部への水等の侵入路を熱可塑性樹脂被膜同士の接合によって閉じている)ことから、カール部の幅方向での金属板の重なりが三重であっても、カール部の内部の切断端部にまで水分が侵入するのを確実に防止することができる。なお、カール部の幅方向での金属板の重なりを四重にした場合には、金属板同士を樹脂被膜を介して互いに略当接させているだけでも、カール部の内部の切断端部にまで水分が侵入するのを略確実に防止できるのではあるが、そのようなカール部に対して、仮に、金属板同士の当接状態を弛めるような何らかの外力が働いたとしても、金属板同士の当接部分に融着した樹脂被膜による接着部分を設けて、この部分で水分が侵入する隙間を生じないようにしていることから、カール部の内部の切断端部にまで水分が侵入するのを一層確実に防止することができる。
【0012】
また、上記のような開口カール部の製造方法によれば、例えば、縦断面が略円形状に形成されたカール部の下端の閉鎖部での金属板同士の当接部分に対して、開口部に沿って環状に形成されたカール部の円周方向に沿って、硬化型樹脂を塗布したり、溶融した熱可塑性樹脂材を付着させたり、或いは、レーザーを照射して樹脂被膜同士を融着させたりするような場合と比べて、成形されたカール部を適宜の加熱手段によって単に局所的に加熱処理するというだけで、カール部の金属板同士の当接部分の樹脂による接着を、適宜の簡単な手段によって容易に行なうことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の金属缶の開口カール部およびその製造方法の実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明の一実施形態について、図1は、本発明に係る金属缶の一例であるボトル型缶の全体を示し、図2は、キャップが缶に装着された状態での開口カール部の構造を拡大して示し、図3は、缶を開口してから開口端部の付近をカール部に成形する各工程を示し、図4は、図3に示した各工程での開口端部付近の加工状態を示し、図5は、図3に示した第3工程での加工装置を示し、図6は、図3に示した第4工程での加工装置を示し、図7は、成形されたカール部を局所的に加熱するための加熱装置の配置状態を示すものである。また、本発明の他の実施形態について、図8は、キャップが缶に装着された状態での開口カール部の構造を拡大して示し、図9は、カール部に成形するための各工程での開口端部付近の加工状態を示すものである。
【0014】
本発明の一実施形態に係る金属缶は、ボトル型のスチール缶(容量が190g)であって、図1に示すように、大径円筒状の胴部4から上方に、縦断面が円弧状のドーム形状(外方に突出する半球面状)の肩部3を介して、小径円筒状の口頸部2が一体的に成形されており、胴部4の下端側を縮径して形成されたネック部5の下端(ネック部5の下端開口縁に形成されたフランジ部)には、金属製で別部材の底蓋6が二重巻締めにより固着されている(なお、胴部4を含む缶本体の素材が鋼板ならば、缶蓋6の素材も鋼板にするのが好ましい)。
【0015】
そのようなボトル型缶1の口頸部2には、その上端開口縁に沿って環状に外巻きのカール部21が形成され、その下方(カール部21の下方の傾斜面22よりも下方)の円筒状の周壁にネジ23が形成され、ネジ23の下方に環状のビード部24が形成されていて、この口頸部2には、図示していないが、缶内に飲料が充填された後で、周知のキャップ装着装置(キャッパー)によって、金属製で別部品のキャップがリシール(再密閉)可能なように装着される。
【0016】
このボトル型缶1の口頸部2と肩部3と胴部4(及び胴部4の下端側に形成されるネック部5やフランジ部)は、鋼板の両面に樹脂被膜が被覆された樹脂被覆鋼板から一体成形されており、そのような樹脂被覆鋼板としては、例えば、ポリエステル樹脂,ポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂フィルム(具体的には、PBT:PETを6:4の割合で混合したポリエステル樹脂)を、缶内面側で25μmの厚さとなり、缶外面側で12μmの厚さとなるように、板厚が0.230mmの鋼板(具体的には、電解クロム酸処理鋼板)の両面に予めラミネートした樹脂被覆鋼板がある。
【0017】
なお、樹脂被覆鋼板に基材として使用される鋼板としては、各種の金属メッキを施した後にクロメート処理,リン酸処理,有機無機複合化成処理等の周知の化成処理を施した金属メッキ鋼板、例えば、ニッケルメッキ鋼板,錫メッキ鋼板,極薄錫メッキ鋼板,亜鉛メッキ鋼板,クロムメッキ鋼板や、鋼板に直接化成処理被膜を施した電解クロム酸処理鋼板(TFS−CT),リン酸処理鋼板,有機無機複合化成処理鋼板等の表面処理鋼板を挙げることができる。また、そのような鋼板の両面に樹脂被膜としてポリエステル樹脂,ポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂フィルムをラミネートする場合、鋼板の両面に熱可塑性樹脂フィルムを直接ラミネートする(熱接着する)場合と、接着剤層を介して熱接着する場合とがある。
【0018】
樹脂被覆鋼板からボトル型缶を製造するための方法については、図示していないが、その概略を以下に説明すると、先ず、樹脂被覆鋼板の両面を被覆する樹脂被膜(熱可塑性樹脂層)の上から適宜の高温揮発性潤滑剤を予め塗布しておいてから、カップ成形工程で、樹脂被覆鋼板を円板状のブランクに打ち抜くと共に、絞り加工を施すことで浅いカップ状に成形した後、更に、缶胴成形工程で、再絞り加工(ストレッチ加工を含む)としごき加工とを組み合わせて施すことにより、胴部が薄肉化された有底円筒状の中間成形品(口頸部や肩部を成形する前の深いカップ)を製造する。
【0019】
次いで、この有底円筒状の中間成形品に対して、トップドーム成形工程で、その底部側に複数回の絞り加工と再成形加工を施すことにより、小径の口頸部(未開口)とドーム状の肩部を成形してボトル型缶の基本形状としてから、更に、口頸部の未開口の端部に2回の口絞り成形を施した後、加熱して潤滑剤を揮発させ、胴部の開口端側をトリミングして中間成形品の高さを一定に切り揃えてから、胴部外面に装飾印刷を施し、その後、ネジ・カール成形工程で、未開口の口頸部の先端部を切断して口頸部を開口させてから、口頸部の上端開口縁に沿って環状に外巻きのカール部に成形し、その下方の円筒状の周壁にネジを成形し、ネジの下方に環状のビード部を形成する。
【0020】
そして、ネック・フランジ成形工程で、口頸部とは反対側となる胴部の開口端(下端)付近に対してネック・フランジ加工を施すことで、胴部の下端側にネック部とフランジ部を形成してから、底蓋巻締工程において、ネック部の下端開口縁に形成されたフランジ部に対して、二重巻き締め法により別体の底蓋を一体的に固着することで、図1に示すようなボトル型缶(キャップを装着する前の缶)が製造される。
【0021】
ところで、上記のように製造されるボトル型缶には、缶内に飲料が充填された後で、金属(好ましくはアルミニウム合金)製で別部品のキャップ(ピルファープルーフキャップ)を口頸部に被せてから、周知のキャッパー(キャップ装着装置)を使用して、トッププレッシャーによりキャップの頂部に上から押圧力を加えながら、ネジ形成ロールによりキャップのスカート部を側方から口頸部のネジ部に押圧して該スカート部にネジを形成し、更に、絞り込みロールにより該スカート部の下端部を側方から内側に絞り込むことで、該スカート部の下端部を口頸部の環状凹部に押し込んで口頸部にキャップを固定させているが、そのようなキャップ装着の際には、口頸部上端のカール部には上方からの大きな押圧力(883〜1274N)が作用することとなる。
【0022】
これに対して、本実施形態では、ネジ・カール成形工程において内外両面が熱可塑性樹脂の被膜で被覆された円筒状の口頸部の上端開口縁に沿って環状に成形された外巻きのカール部が、図2に示すように、開口部の切断端部21aをカール部21の内部に巻き込んで閉じ込めるように、幅方向で押し潰された状態となっており、上下両端部分を除く大部分では、金属板同士が樹脂被膜を介して互いに略当接するように、金属板が幅方向で三重に重なった状態になっていて、2回の口絞り成形により口頸部のカール形成部分とネジ形成部分との間に形成された傾斜面22に対して、カール部21の下端部が下方の傾斜面22に接触した状態となっている。そして、カール部21の幅方向で重なった金属板同士の当接部分では、互いに融着した熱可塑性樹脂の被膜によって金属板同士が接着された状態となっている。
【0023】
なお、本実施形態では、カール部21の幅方向で三重に重なった金属板同士の全てで、互いに融着した熱可塑性樹脂の被膜によって金属板同士の当接部分が接着されているが、この融着した熱可塑性樹脂の被膜による金属板同士の接着については、少なくとも切断端部のある金属板の巻き込み外側面(即ち、三重に重なった金属板の場合には、最も缶内側に位置する金属板とそれに当接する金属板との当接部分)で金属板同士が接着されていれば良く、必ずしも全ての金属板同士が当接部分で接着されている必要はない。
【0024】
上記のような本実施形態のボトル型缶のカール部21の構造によれば、カール部21を、幅方向で金属板同士が三重に重なるように押し潰された状態に形成して、カール部21の下端部を傾斜面22に接触させていることにより、キャップ装着時にキャッパーからの強い押圧力を上方から受けたり、缶詰製造後に缶詰を収容しているカートンが誤って落下されて缶が落下衝撃を受けたりしても、それによりカール部21が大きく変形するようなことはなく、カール部21がスプリングバックを起して形状や寸法にバラツキを生じるようなこともないため、キャップのシール材とカール部との間の密封性を安定的に維持することができる。
【0025】
また、カール部21は、押し潰された状態に形成されていて、全体として幅方向で薄くなっていることから、キャップ装着時でキャッパーからの押圧力によりキャップ3のシール材31とカール部21の頂部とが加圧接触した時に、シール材31の表面にカール部21の頂部が食い込む形となって、その結果、キャップ3のシール材31とカール部21との間の密封性を向上させることができる。
【0026】
さらに、缶体の製造時(未開口の口頸部の先端部を切断して開口した時)に、開口部の切断端部の付近で樹脂被膜が剥離して毛羽立つことにより、該切断端部の付近が見苦しい状態になっても、切断端部21aをカール部21の内部に巻き込んで閉じ込めていることで、そのような見苦しさを完全に隠蔽することができると共に、カール部21の内部で金属板同士が樹脂被膜を介して互いに略当接するように重なっていて、しかも、重なった金属板同士の当接部分が融着した熱可塑性樹脂の被膜によって接着されていることから、キャップ3のベントスリット32から外部の水分が侵入してきても、カール部21の内部に閉じ込められた切断端部21aにまで水分が到達するのを確実に防ぐことができる。その結果、水分による切断端部21aでの腐食の発生を確実に防止することができて、金属缶がスチール缶であっても、切断端部21aで錆が発生するのを確実に防止することができる。
【0027】
上記のようなカール部21を製造するための本実施形態の開口カール部製造方法について更に説明すると、図3に示すように、トップドーム成形工程で成形された未開口(プレス上がり)の口頸部に対して、ネジ・カール成形工程で、未開口の口頸部の先端部を切断(トリム)して口頸部を開口させてから、ネジ成形工程に先立つカール成形工程において、本実施形態の方法では、先ず、第1工程で、円筒状の開口部の切断端部から所定の長さの部分を外方に向けるようにフランジ加工してから、第2工程で、フランジ加工した部分を下方に向けるように折り畳んで、円筒状の開口部の切断端部から所定の長さの部分を外側に二重に折り畳むようにした後、この二重の折り畳み部分に対して、第3工程で、折り畳み部分を外方に向けるようにフランジ加工してから、第4工程で、フランジ加工された折り畳み部分を下方に向けるように更に折り畳み加工することにより、幅方向で押し潰された状態に金属板が三重に重なった外巻きのカール部を、開口端部に沿って環状に形成している。
【0028】
すなわち、図4に示すように、切断(トリム)により口頸部が開口されて、傾斜面22から上方が円筒状のカール形成部分21Aとなっている(A)の状態から、第1工程で(B)の状態にフランジ成形し、第2工程で(C)の状態に折り畳み成形して、開口端部に二重の折り畳み部分21Bを形成してから、この折り畳み部分21Bについて、第3工程で(D)の状態にフランジ成形し、次いで、第4工程で(E)の状態に折り畳み成形することにより、幅方向で押し潰された状態にカール部21が成形されることとなる。そのように成形されたカール部21は、その下端部が下方の傾斜面22に接触しており、その上下両端部分を除く大部分では、金属板同士が樹脂被膜を介して互いに略当接するように、幅方向で金属板が三重に重なった状態となっている。
【0029】
なお、上記のようなカール部21の成形について、本実施形態の方法では、第3工程で二重の折り畳み部分21Bを外方に向けるようにフランジ加工する際に、具体的には、図5に示すように、缶1の軸線方向に対して回転軸を傾斜させた(缶の軸線方向に対して0.5°〜8.0°、好ましくは1.0°〜5.0°傾斜させる。)円盤状のスピニングダイ(回転するフランジ加工用ヘッド)10を使用して、缶1とスピニングダイ10を同じ方向に回転させながら、スピニングダイ10の外縁加工面10aの円周方向の一部分を、缶1の開口部に内側から略線接触させた状態で、スピニングダイ10により上方からの押圧力を加えて、缶1の開口部を円周方向に沿って一部分ずつ順次にフランジ加工している。
【0030】
すなわち、スピニングダイ10を固定的に支持する軸部材11と、缶1を着脱可能に保持するマンドレル12とについて、何れか一方を回転自在に保持して他方を回転駆動させるか、或いは、両方を回転駆動させることにより、缶1とスピニングダイ10とを同じ方向に回転させ、しかも、缶1の軸線方向に対してスピニングダイ10の回転軸を僅かな角度で傾斜させた状態にしていることで、円盤状のスピニングダイ10の下端外縁に形成された円周方向に延びる加工面10aを、缶1の開口上端部に対して傾斜させた状態で内側から接触させて、スピニングダイ10の外縁加工面10aを缶1の開口部に部分的に内接させた略線接触(極めて短い幅の円弧状の面接触)の状態としながら、スピニングダイ10により上方から押圧力を加えることで、缶1の開口端部に形成された二重の折り畳み部分を、円周方向に沿って一部分ずつ順次に外方に向けるようにフランジ加工している。
【0031】
また、フランジ加工された折り畳み部分21Bを第4工程で下方に向けるように更に折り畳み加工する際に、具体的には、図6に示すように、缶1の軸線方向と直交する方向に移動する環状のインターナルローラー(折り畳み加工用ローラー)13を使用して、インターナルローラー13の内縁加工面13aの円周方向の一部分を、缶1の開口部に外側から略線接触させた状態で、回転自在に保持されたインターナルローラー13により側方からの押圧力を加えながら、回転する缶1の開口部を円周方向に沿って一部分ずつ順次に折り畳み加工するようにしている。
【0032】
すなわち、環状のインターナルローラー13がベアリング14を介して枠部材15に回動自在に保持されているのに対して、缶1を着脱可能に保持するマンドレル16には、インターナルローラー13の中央空間部を通過する回転駆動軸17が連結されていて、回転駆動軸17の駆動によりマンドレル16を介して缶1を回転させると共に、枠部材15を水平方向に動かしてインターナルローラー14を水平方向(缶1の軸線方向と直交する方向)に移動させ、インターナルローラー13の下端内縁に形成された円周方向に延びる加工面13aを、缶1の開口外端部に対して外側から接触させて、缶1の開口部をインターナルローラー13の内縁加工面13aに部分的に内接させた略線接触(極めて短い幅の円弧状の面接触)の状態として、インターナルローラー13により側方からの押圧力を加えることで、フランジ加工された二重の折り畳み部分を、円周方向に沿って一部分ずつ順次に下方に向けるように折り畳み加工している。
【0033】
上記のような具体的手段によりフランジ加工や折り畳み加工を行うことで、加工用具(スピニングダイ10やインターナルローラー13)と缶1の開口部との接触を一部分での略線接触の状態として、開口部を円周方向に沿って一部分ずつ順次に加工していくことにより、二重に折り畳まれた21Bが加工部分となっていて、この部分が円周方向で伸縮変形し難くなっていても、加工用具により加える力(押圧力)をあまり大きくすることなく、開口部の加工を少しずつ行なうことができて、その結果、缶の開口部の内面側を被覆している樹脂被膜が加工用具との接触によって損傷するのを防止することができる。
【0034】
上記のようなフランジ加工や折り畳み加工によって成形されたカール部21に対して、本実施形態の方法では、更に、カール部21を局所的に加熱処理することによって、カール部21の幅方向で三重に重なった金属板同士の当接部分で、金属板同士の間にある熱可塑性樹脂の被膜を軟化(熱可塑性樹脂がその粘着開始温度以上に加熱されて軟化した状態)又は溶融させて、熱可塑性樹脂の被膜同士を互いに融着させることにより、樹脂被膜を介して金属板同士を接着させるようにしている。なお、カール部を成形した後、カール部を加熱処理して、熱可塑性樹脂被膜が軟化又は溶融する温度にするので、たとえカール部の成形加工時に加工工具と接触するカール部外面の熱可塑性樹脂被膜に少し疵が付いた(筋状の凹部や毛羽立ちが発生した)としても、この加熱処理により疵が修復され(滑らかになる)、消費者が缶から直接に缶に充填されている飲料を飲む際に、カール部が唇にざらざら感を与えることがないという副次的効果もある。
【0035】
成形されたカール部21を加熱処理するための具体的な手段については、特に限定されるものではないが、例えば、誘導加熱コイルを使用した高周波誘導加熱法による加熱処理手段を適用することで、図7(A),(B)に示すように、搬送路43に沿って連続的に搬送している複数の缶1に対して、そのカール部21の高さの近傍の適所で搬送方向に沿って誘導加熱コイル42を配置するというだけの簡単な加熱装置41により、それぞれの缶1を回転させたりすることなく、各缶1を搬送させながら、誘導加熱コイル42に通電する電流を制御するだけで、それぞれの缶1のカール部21の金属板を好適な温度に昇温させて容易に加熱処理することができる。
【0036】
そのようなカール部21の加熱処理については、カール部21を成形してから、その下方にネジ等を成形するよりも前に、カール部21を含む口頸部の部分で、樹脂被膜の熱可塑性樹脂の融点近くの温度又は融点以上に加熱して、カール部21の金属板同士の当接部分で熱可塑性樹脂を軟化又は溶融させて、熱可塑性樹脂の被膜同士を互いに融着させると共に、その後で、直ちに冷風(20℃以下、好ましくは15℃以下)を吹きつける等の手段によって急冷することにより、カール部21を含む口頸部の部分の熱可塑性樹脂の被膜を非晶質化しておくことが、その後でネジ等の成形する上からは好ましい。
【0037】
なお、本実施形態の方法では、上記のように、高周波誘導加熱法等による加熱処理によって、カール部21の幅方向で三重に重なった金属板同士の当接部分の全てで、熱可塑性樹脂の被膜同士を互いに融着させて金属板同士を接着させているが、カール部21の構造の説明において既に述べたのと同様に、この金属板同士の間の樹脂被膜の融着については、少なくとも切断端部のある金属板の巻き込み外側面(即ち、三重に重なった金属板の場合には、最も缶内側に位置する金属板とそれに当接する金属板との当接部分)で行なわれるようにすれば良く、必ずしも全ての金属板同士の当接部分で行う必要はない。
【0038】
上記のようにカール部21を加熱処理している本実施形態の開口カール部の製造方法によれば、例えば、縦断面が略円形状に形成されたカール部の下端の閉鎖部での金属板同士の当接部分に対して、開口部に沿って環状に形成されたカール部の円周方向に沿って、硬化型樹脂を塗布したり、溶融した熱可塑性樹脂材を付着させたり、或いは、レーザーを照射して樹脂被膜同士を融着させたりするような場合と比べて、成形されたカール部を適宜の加熱手段(高周波誘導加熱、遠赤外線、近赤外線、熱風等)によって単に局所的に加熱処理するというだけで、カール部の金属板同士の当接部分の樹脂による接着を、適宜の簡単な手段によって容易に行なうことができる。
【0039】
以上、本発明の金属缶の開口カール部およびその製造方法の一実施形態について説明したが、本発明は、上記のような実施形態に限られるものではなく、例えば、上記の実施形態では、開口部の切断端部から所定の長さの部分を外側に二重に折り畳んだ後、カール部21を成形するためのフランジ加工と折り畳み加工を一回ずつ行なうことで、カール部21の金属板が幅方向で三重構造となるようにしているが、そのようなものに限らず、フランジ加工と折り畳み加工によるカール成形を二回繰り返して行なうことで、カール部21の金属板が幅方向で四重構造となるようにしても良い。
【0040】
そのような四重構造のカール部の場合には、図8に示すように、カール部21は、その上下両端部分を除く大部分では、金属板同士が樹脂被膜を介して互いに略当接するように、幅方向で四重に重なった状態となっており、カール部21の下端部は下方の傾斜面22に接触し、カール部21の上部付近は頂部に向かって先細りの状態となっていて、カール部21の幅方向で重なった金属板同士の当接部分では、互いに融着した熱可塑性樹脂の被膜によって金属板同士が接着された状態となっている。
【0041】
なお、カール部21の幅方向で重なった金属板同士の接着(融着した熱可塑性樹脂の被膜による接着)については、既に述べた三重構造のカール部の場合と同様に、少なくとも切断端部のある金属板の巻き込み外側面(即ち、四重に重なった金属板の場合には、最も缶外側に位置する金属板とそれに当接する金属板との当接部分)で金属板同士が接着されていれば良く、必ずしも全ての金属板同士が当接部分で接着されている必要はない。
【0042】
そのような四重構造のカール部の成形については、図9に示すように、先ず、三重構造のカール部の成形の場合と同様に、切断(トリム)により口頸部が開口されて、傾斜面22から上方が円筒状のカール形成部分21Aとなっている(A)の状態から、第1工程で(B)の状態にフランジ成形し、第2工程で(C)の状態に折り畳み成形して、開口端部に二重の折り畳み部分21Bを形成してから、この折り畳み部分21Bについて、第3工程で(D)の状態にフランジ成形し、次いで、第4工程で(E)の状態に折り畳み成形することにより、切断端部を巻き込むように三重構造のカール部21Cを成形している。そして、この三重構造のカール部21Cについて、更に、第5工程で(F)の状態にフランジ成形し、第6工程で(G)の状態を経て(H)のようにカール全体を幅方向で押し潰された状態に折り畳み成形することにより、カール部21を最終的な四重構造の形状に成形している。そして、そのように四重構造に成形されたカール部21に対して、更に、三重構造のカール部の場合と同様に、カール部21を局所的に加熱処理している。
【0043】
上記のように三重構造や四重構造の開口カール部に係る本発明は、上記の実施形態に示したようなタイプのボトル型缶に限らず、対象となる金属缶については、例えば、周知の深絞り加工方法や絞りしごき加工方法により缶胴と缶底を一体的に成形した缶体(所謂ドローアンドリドロー缶やDI缶)に対して、その上端開口部に口頸部や肩部を有する別体の缶蓋を巻締め固着したようなボトル型缶や、缶胴と缶底を一体的に成形した缶体の上端開口側に複数段のネックイン加工を施すことで口頸部と肩部を成形した(肩部を滑らかなスムーズネックとしても良い)ようなボトル型缶のような、上記の実施形態とは異なるタイプのボトル型缶であっても良い。
【0044】
さらには、ボトル型缶に限らず、ネックイン加工したDI缶の上端開口部をネジ付きの口部とした広口タイプのネジ付き缶であっても良いし、さらには、シームレス缶(胴部に縦方向の継ぎ目が無い)に限らず、溶接缶胴を使用した適宜のタイプのボトル型缶や広口タイプのネジ付き缶(溶接継目部をカール部に成形するネジ付き缶をも含む)であっても良い等、缶の開口部に外巻きのカール部が形成される金属缶である限りにおいて、対象となる金属缶のタイプは適宜に変更可能なものである。なお、対象となる金属缶の材質についても、上記の実施形態に示したスチール缶に限らず、アルミニウム板やアルミニウム合金板を使用したアルミ缶であっても良い。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したような本発明の金属缶の開口カール部によれば、カール部が幅方向で押し潰された状態に形成されていることで、カール部が変形したりカール部の形状や寸法にバラツキが生じたりしないため、キャップのシール材とカール部との間の密封性を安定的に維持することができ、また、キャップのシール材にカール部の頂部を食い込ませて、キャップのシール材とカール部との間の密封性を向上させることができる。そして、カール部の幅方向で重なった金属板同士の当接部分が、樹脂被膜同士の融着によって接着されていることで、カール部の内部に巻き込まれた切断端部にまで外部からの水分が侵入するのを一層確実に防止することができて、その結果、金属缶がスチール缶であっても、カール部の切断端部で錆が発生するのを一層確実に防止することができる。
また、本発明の金属缶の開口カール部製造方法によれば、単にカール部を局所的に加熱処理するというだけで、金属板を被覆している樹脂被膜同士の融着によって、カール部の金属板同士の当接部分での樹脂材料による接着を、簡単な装置によって容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属缶の開口カール部の一実施形態に係るボトル型缶について、(キャップを除いた)缶全体の外観を示す側面図。
【図2】キャップが缶に装着された状態での開口カール部の構造を拡大して示す拡大断面図。
【図3】ボトル型缶の開口部(口頸部の上端部)にカール部を成形するための各工程を示す断面説明図。
【図4】図3に示した各工程での開口端部付近の加工状態を示す拡大断面説明図。
【図5】図3に示した第3工程での加工装置を示す断面図。
【図6】図3に示した第4工程での加工装置を示す断面図。
【図7】成形されたカール部を局所的に加熱するための加熱装置の配置状態を示す(A)正面説明図、および(B)側面説明図。
【図8】本発明の他の実施形態について、キャップが缶に装着された状態での開口カール部の構造を拡大して示す拡大断面図。
【図9】図8に示した開口カール部について、カール部を成形するための各工程での開口端部付近の加工状態を示す拡大断面説明図。
【符号の説明】
1 缶(ボトル型缶)
2 口頸部
3 肩部
4 胴部
10 スピニングダイ
10a (スピニングダイの)外縁加工面
13 インターナルローラー
13a (インターナルローラーの)内縁加工面
21 カール部
21A (二重の)折り畳み部分
21a 切断端部
23 (口頸部の)ネジ
41 加熱装置
Claims (4)
- 両面が熱可塑性樹脂の被膜で被覆された金属板から少なくとも缶の開口部付近が形成され、缶の開口部に外巻きのカール部が形成されている金属缶において、外巻きのカール部が、切断端部をカール部の内部に巻き込んで閉じ込めるように、幅方向で押し潰された状態に形成されており、このカール部の上下両端付近を除く大部分で、幅方向で少なくとも三重以上に金属板が重なって、金属板同士が樹脂被膜を介して互いに略当接していると共に、この金属板同士の当接部分が、少なくとも切断端部のある金属板の巻き込み外側面で、互いに融着した熱可塑性樹脂の被膜によって接着されていることを特徴とする金属缶の開口カール部。
- 金属缶が、鋼板の両面に熱可塑性樹脂の被膜がラミネートされた樹脂被覆鋼板から口頸部と肩部と胴部が一体成形されて、口頸部の上端開口縁に外巻きのカール部が形成され、カール部よりも下方の口頸部周壁にネジが形成されているボトル型のスチール缶であることを特徴とする請求項1に記載の金属缶の開口カール部。
- 上記の請求項1又は2に記載した金属缶の開口カール部を製造するための方法において、開口部の切断端部の付近が未だ円筒状で、その内外両面が熱可塑性樹脂の被膜により被覆されている金属缶に対して、開口部の切断端部から所定の長さの部分を外側に二重に折り畳んでから、フランジ加工と折り畳み加工とにより切断端部を巻き込むようなカール成形を少なくとも一回以上行なうことにより、金属板同士が樹脂被膜を介して幅方向で少なくとも三重以上に重なった外巻きのカール部を成形した後、カール部を局所的に加熱処理することにより、カール部の金属板同士の当接部分の、少なくとも切断端部のある金属板の巻き込み外側面で、金属板同士の間にある熱可塑性樹脂の被膜を軟化又は溶融させて、熱可塑性樹脂の被膜同士を互いに融着させるようにしたことを特徴とする金属缶の開口カール部製造方法。
- カール成形のためのフランジ加工と折り畳み加工について、折り畳み部分をフランジ加工する際には、缶の軸線方向に対して回転軸を傾斜させた円盤状のスピニングダイを使用して、缶とスピニングダイを同じ方向に回転させながら、スピニングダイの外縁加工面の円周方向の一部分を、缶の開口部に内側から略線接触させた状態で、スピニングダイにより上方からの押圧力を加えて、缶の開口部を円周方向に沿って一部分ずつ順次にフランジ加工し、また、フランジ加工された折り畳み部分を下方に向けて更に折り畳み加工する際には、缶の軸線方向と直交する方向に移動する環状のインターナルローラーを使用して、回転自在に保持されたインターナルローラーの内縁加工面の円周方向の一部分を、回転する缶の開口部に外側から略線接触させた状態で、インターナルローラーにより側方からの押圧力を加えて、缶の開口部を円周方向に沿って一部分ずつ順次に折り畳み加工するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の金属缶の開口カール部製造方法。
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