JP2004222438A - 電気二重層キャパシタの電圧バランス均等化回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単なバランス回路を付加するだけで、直列に接続された電気二重層キャパシタの電圧バランスが均等になるよう充電することができる電圧バランス均等化回路を提供する。
【解決手段】直列接続された電気二重層キャパシタ1a,1bの各々に並列に、バランス回路6が接続した構成となっており、バランス回路6は、ツェナーダイオード5と抵抗3とを直列接続しただけの簡単な構成となっている。
バランス回路6において、ツェナーダイオード5のカソード側端子は電気二重層キャパシタ1の正極側端子に接続され、ツェナーダイオード5のアノード側端子は抵抗3の一方の端子に接続され、抵抗3の他方の端子は、電気二重層キャパシタ1の負極側端子に接続される。
【選択図】 図1
【解決手段】直列接続された電気二重層キャパシタ1a,1bの各々に並列に、バランス回路6が接続した構成となっており、バランス回路6は、ツェナーダイオード5と抵抗3とを直列接続しただけの簡単な構成となっている。
バランス回路6において、ツェナーダイオード5のカソード側端子は電気二重層キャパシタ1の正極側端子に接続され、ツェナーダイオード5のアノード側端子は抵抗3の一方の端子に接続され、抵抗3の他方の端子は、電気二重層キャパシタ1の負極側端子に接続される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、直列接続した電気二重層キャパシタの各電気二重層キャパシタにバランス回路を並列に接続することで各キャパシタの電圧バランスを均等化する電気二重層キャパシタの電圧バランス均等化回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気二重層キャパシタは、繰り返し充放電に強く、静電容量が極めて大きいとの特徴から、大電流を瞬時に充放電する必要のある瞬低補償や電気自動車等の用途に使われている。
【0003】
このような用途において、一般に、電気二重層キャパシタの定格電圧が低いため電気二重層キャパシタを直列に接続しキャパシタモジュールを構成することで所定の電圧を得る方法が採られている。この場合、キャパシタモジュールが充放電電を繰り返すと、直列に接続した各電気二重層キャパシタ毎に分担する電圧のアンバランスが次第に大きくなるため、各キャパシタの電圧バランスを均等化する必要があり、そのための回路が提案されている。
【0004】
図6は従来の電気二重層キャパシタの電圧バランス均等化回路の一例である。
【0005】
図6に示すように、バランス回路64は直列接続された各電気二重層キャパシタ61a,61b(以下電気二重層キャパシタ61と総称する)に並列に接続される。なお図6では、便宜上、電気二重層キャパシタ61の直列接続数が最も少ないケースとして、電気二重層キャパシタ61a,61bを2個直列接続した場合の回路構成を示したが、3個以上直列接続した場合も同様である。
【0006】
バランス回路64の主回路は、トランジスタ62と抵抗63とを直列に接続することで構成される。ここで、トランジスタ62のコレクタ端子は電気二重層キャパシタ61の正極側端子に接続され、トランジスタ62のエミッタ端子は抵抗63の一方の端子に接続され、抵抗63の他方の端子は、電気二重層キャパシタ61の負極側端子に接続される。また、トランジスタ62のベース端子には不図示の制御回路が接続されている。
【0007】
電気二重層キャパシタ61は、大きな電荷が蓄積できる大容量コンデンサで、蓄積エネルギー量によって端子電圧が変化する。端子電圧が定格電圧に近づくほど蓄積しているエネルギー量が大きく、定格電圧に達してからもさらに充電を行うと、端子電圧は定格電圧を超えて過充電状態となる。1つの電気二重層キャパシタ61を充電する場合、電気二重層キャパシタ61の端子電圧を監視して、この端子電圧が定格電圧に達したならば電気二重層キャパシタ61の充電動作を停止すればよい。しかし2個以上の電気二重層キャパシタ61大容量キャパシタが直列に接続していると、充電電流は電気二重層キャパシタ61を共通に流れるため、電気二重層キャパシタ61の静電容量や内部抵抗、また蓄積電荷を自己放電する漏れ抵抗により電気二重層キャパシタ61の端子電圧にばらつきが生じる。
【0008】
電気二重層キャパシタ61の端子電圧がばらつくと、充電動作でエネルギーを蓄積する際、最も早く定格電圧に達する電気二重層キャパシタ61が充電制限となり、他の電気二重層キャパシタ61に十分なエネルギーを蓄積できないといった問題が生じる。そこでトランジスタ62と抵抗63を直列に接続してバランス回路64を構成し、大容量キャパシタ1と並列にバランス回路4を接続して電気二重層キャパシタ61の端子電圧を均等化することとしたものである。
【0009】
図7は電気二重層キャパシタ61充電時の端子電圧を示す図である。
【0010】
ここでは、2つの電気二重層キャパシタ61a,bが直列に接続されており、一方の電気二重層キャパシタ61aの正極側は端子P1にて不図示の充電装置の接続され負極側は端子P2にて他方の電気二重層キャパシタ61bの正極側に接続される。さらに、電気二重層キャパシタ61bの負極側は、端子P3にて不図示の充電装置に接続される。したがって、充電電流は端子P1、端子P2そして端子P3の順に流れることとなる。
【0011】
次に、図7を用いてバランス回路64の動作を説明する。図7において、Vpを一方の電気二重層キャパシタ61aの端子電圧、Vnを他方の電気二重層キャパシタ61bの端子電圧とする。
【0012】
期間Aは充電動作期間で、期間Aにおいて、充電電流は端子P1、電気二重層キャパシタ61a、端子P2、電気二重層キャパシタ61b、そして端子P3の順に流れる。2つの電気二重層キャパシタ61a,bの静電容量の特性が全く同じであれば両端子電圧波形の傾きは同一であるが、一般に静電容量の特性には多少の差は避けられないので、充電電流は同じことから、充電動作期間中の電気二重層キャパシタ61a,bの端子電圧は不均一となる。すなわち、静電容量が大きい電気二重層キャパシタ61bの電圧Vnの傾きは緩やかで、静電容量が小さい電気二重層キャパシタ61aの電圧Vpの傾きは急になり、静電容量の小さい電気二重層キャパシタ61aが先に定格電圧に達してしまう。
【0013】
期間Bは均等充電期間で、まだ定格電圧に達していない電気二重層キャパシタ61bを定格電圧まで充電するため、さらに充電動作を継続する期間である。このとき他方の上側電気二重層キャパシタ61aは既に定格電圧に到達していることから、バランス回路64中のトランジスタ62をオンして抵抗63に電流を流し充電電流をバイパスさせて電気二重層キャパシタ61aの電圧上昇を抑制する。
【0014】
期間Cは電圧均等期間で、2つの電気二重層キャパシタ61a,bの端子電圧Vp,Vnの各々が定格電圧に達したことで充電動作を停止して、端子電圧が均等化されている期間である。
【0015】
このようにして従来のバランス回路64においては、電気二重層キャパシタ61a,bを定格電圧を越すことなく、定格電圧まで充電することができる。
【0016】
なお、図8に示すように、2つの電気二重層キャパシタ61の電圧を検出して、どれか1つの電気二重層キャパシタ61の電圧が定格電圧に達したことで充電電流を絞り、バランス回路64中のトランジスタ62の動作許容電流にて均等充電を継続する方法もある。
【0017】
【特許文献1】
特開平6−343225号公報
【0018】
【特許文献2】
特開2000−217250号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、図7の動作を行う従来の電圧バランス均等回路では、電気二重層キャパシタ61の充電電流を十分許容できるトランジスタ62の電流容量が必要であり、かつトランジスタ62のゲートを制御する回路が必要なため、IC回路を用いた大がかりな回路により充電電流をバイパスしていた。また図8の動作を行う電圧バランス均等化回路では、トランジスタ62を小型にすることができるが、各電気二重層キャパシタ61a,bの端子電圧を検出して充電装置の電流を絞る必要があるためトランジスタ62のゲートを制御する回路の回路構成が複雑になることと、定格電流にくらべて微弱な電流で充電をおこなうために均等充電時間が長くなり損失が増加するといった問題が生じていた。
【0020】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、簡単なバランス回路を付加するだけで、電気二重層キャパシタの電圧バランスが均等になるよう充電することができる電気二重層キャパシタの電圧バランス均等化回路を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電気二重層キャパシタの電圧バランス均等化回路は、直列接続した電気二重層キャパシタの各電気二重層キャパシタにバランス回路を並列接続してなる電気二重層キャパシタの電圧バランス均等化回路であって、前記バランス回路はツェナーダイオードと抵抗とを直列接続してなることを特徴とする。
【0022】
このように、本発明に係る電気二重層キャパシタの電圧バランス均等化回路によれば、直列接続された電気二重層キャパシタの1つの端子電圧が設定電圧以上になると、充電電流は、ツェナーダイオードと抵抗とを直列接続してなるバランス回路に分流するので、簡単なバランス回路を付加するだけで、直列接続された電気二重層キャパシタの電圧バランスが均等になるよう充電することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る電気二重層キャパシタの電圧バランス均等化回路一実施の形態を図1乃至図5を参照して詳細に説明する。なお、図6に示した従来の構成と同一構成には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0024】
図1は本発明の第1の実施の形態を示した構成図である。
【0025】
図1に示すように、本実施の形態における電気二重層キャパシタの電圧バランス均等化回路は、直列接続された2個の電気二重層キャパシタ1a,1b(以下電気二重層キャパシタ1と総称する)の各々に並列に、バランス回路6を接続した構成となっている。
【0026】
バランス回路6は、ツェナーダイオード5と抵抗3とを直列接続しただけの簡単な構成となっている。すなわち、バランス回路6において、ツェナーダイオード5のカソード側端子は電気二重層キャパシタ1の正極側端子に接続され、ツェナーダイオード5のアノード側端子は抵抗3の一方の端子に接続され、抵抗3の他方の端子は、電気二重層キャパシタ1の負極側端子に接続される。
【0027】
また、ツェナーダイオード5の設定電圧は各電気二重層キャパシタ1の定格電圧より低い電圧値とする。なお、ツェナーダイオード5の設定電圧とは、逆方向バイアスの電圧を増加させていったとき、逆方向電流が急激に増加するときの電圧をいい、電気二重層キャパシタ1の定格電圧とは、電気二重層キャパシタ1が許容する最大電圧をいう。
【0028】
図2は、第1の実施の形態における電気二重層キャパシタ1充電時の端子電圧を示す図である。
【0029】
ここでは、2つの電気二重層キャパシタ1a,bが直列に接続されており、一方の電気二重層キャパシタ1aの正極側は端子P1にて不図示の充電装置の接続され、負極側は端子P2にて他方の電気二重層キャパシタ1bの正極側に接続される。さらに、電気二重層キャパシタ1bの負極側は、端子P3にて不図示の充電装置に接続される。したがって、充電電流は端子P1、端子P2そして端子P3の順に流れることとなる。
【0030】
期間Aは充電動作期間で、期間Aにおいて、電気二重層キャパシタ1aまたは1bが定格電圧に達するまでは、充電電流は端子P1、電気二重層キャパシタ1a、端子P2、電気二重層キャパシタ1b、そして端子P3の順に流れる。
【0031】
本図において、静電容量のバラツキにより、静電容量が大きい電気二重層キャパシタ1bの電圧Vnの傾きは緩やかで、静電容量が小さい電気二重層キャパシタ1aの電圧Vpの傾きは急になり、時刻T0で充電を開始したとき、時刻T1で静電容量の小さい電気二重層キャパシタ1aが先に設定電圧に達し、続いて、時刻T2で静電容量の大きい電気二重層キャパシタ1bが設定電圧に達する。
【0032】
ツェナーダイオード5は設定電圧以上の電圧が印加されると、オフ状態からオン状態に変化して電流が流れる。時刻T1で電気二重層キャパシタ1aの端子電圧がツェナーダイオード5の設定電圧以上に上昇すると、ツェナーダイオード5がオンしてツェナーダイオード5と抵抗3を介してバランス回路6に電流i2が流れる。抵抗3はバランス回路6に流れる電流i2を制限するので、ツェナーダイオード5の設定電圧を超えて充電している期間、充電電流はバイパス回路6に流れる電流i2と大容量キャパシタ1aに流れる電流i1とに分流して流れる。
【0033】
同様に時刻T2で、電気二重層キャパシタ1bの端子電圧がツェナーダイオード5の設定電圧以上に上昇すると、ツェナーダイオード5がオンしてツェナーダイオード5と抵抗3を介してバランス回路6に電流i4が流れる。抵抗3はバランス回路6に流れる電流i4を制限するので、時刻T2以降、充電電流はバイパス回路6に流れる電流i4と大容量キャパシタ1bに流れる電流i3とに分流して流れる。
【0034】
期間Dは電圧均等化動作期間で、この期間、時刻T3で、電気二重層キャパシタ1a,1bの端子電圧が定格電圧になる前に充電動作を停止すると、各電気二重層キャパシタ1a,1bの電荷がツェナーダイオード5を介して抵抗3から放電されてゆき、時刻T4で、電気二重層キャパシタ1bの電圧Vnはツェナーダイオード5の設定電圧となり、時刻T5で、電気二重層キャパシタ1aの電圧Vpはツェナーダイオード5の設定電圧となる。ツェナーダイオード5は設定電圧以下に端子電圧が落ちるとオン状態からオフ状態になるため、抵抗3での放電動作が終了して大容量キャパシタ電圧はツェナーダイオード5の設定電圧で維持される。
【0035】
期間Cは電圧均等期間で、抵抗3での放電動作が終了して電気二重層キャパシタ1a,1bの端子電圧Vp,Vnの各々が設定電圧にて均等化されている期間である。
【0036】
このように第1の実施の形態によれば、直列接続された電気二重層キャパシタ1のうちの1つの端子電圧が設定電圧以上になると、充電電流は、バランス回路6に分流するので、直列接続された電気二重層キャパシタ1の電圧バランスが均等になるよう充電することができる。ここで、バランス回路6はツェナーダイオード5と抵抗3とで構成された簡単な直列回路からなり、ゲートを制御するための複雑なIC回路等を必要としないためバランス回路6のコスト低減と信頼性の向上をはかることができる。
【0037】
なお、本実施の形態において、最も電気二重層キャパシタ1の直列接続数が少ない場合として2個直列接続した場合を示したが、直列数がさらに多くなっても同様に、電圧バランスを均等化することができる。
【0038】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図3は本発明の第2の実施の形態を示した構成図である。
【0039】
図3に示すように、本実施の形態における電気二重層キャパシタの電圧バランス均等化回路は、キャパシタモジュール7、電圧検出回路8及び充電装置9により構成され、キャパシタモジュール7は、第1の実施の形態と同様の構成、すなわち、直列接続された2個の電気二重層キャパシタ1a,1bの各々に並列に、ツェナーダイオード5と抵抗3とを直列接続してなるバランス回路6が接続した構成となっている。
【0040】
電圧検出回路8は、キャパシタモジュール7の電圧、つまり、直列接続された2個の電気二重層キャパシタ1a,1bの端子P1及びP3間の電圧を検出し、充電装置9にフィードバックする。充電装置9は、電圧検出回路8の検出値を取り込み、検出電圧がキャパシタモジュール7の設定電圧に達したら充電動作を停止する。
【0041】
図4は、第2実施の形態における電気二重層キャパシタ1の端子電圧を示す図である。
【0042】
期間Aは充電動作期間を示し、この期間、充電装置9は、時刻T0で充電を開始し、キャパシタモジュール7の電圧が設定電圧に達する時刻T1で充電動作を停止する。
【0043】
ここで、キャパシタモジュール7の設定電圧はツェナーダイオード5の設定電圧の直列個数倍とし、もしツェナーダイオード5の設定電圧が2.2Vで、キャパシタモジュールが大容量キャパシタ1およびバラン回路6を2個直列接続してキャパシタモジュール7を構成していたら、キャパシタモジュールの設定電圧は2.2V×2個=4.4Vとなる。
【0044】
充電装置9が、キャパシタモジュール7の設定電圧で充電動作を停止する時刻T1において、キャパシタモジュール7内の電気二重層キャパシタ1の平均電圧はツェナーダイオード5の設定電圧となる。一方、静電容量にバラツキがあるため、静電容量が大きい電気二重層キャパシタ1bの電圧Vnは、静電容量が小さい電気二重層キャパシタ1aの電圧Vpより小さくなる。したがって、時刻T1において、静電容量が大きい電気二重層キャパシタ1bの電圧Vnはツェナーダイオード5の設定電圧を越え、静電容量が小さい電気二重層キャパシタ1aの電圧Vpはツェナーダイオード5の設定電圧以下となる。
【0045】
期間Dは電圧均等化動作期間を示し、この期間、時刻T1で、ツェナーダイオード5の設定電圧を超えて電圧が印加された電気二重層キャパシタ1aは、抵抗3で放電され、時刻T2で、ツェナーダイオード5の設定電圧まで電圧が減少する。他の電気二重層キャパシタ1bは充電終了時の電圧を維持することから、モジュール内の大容量キャパシタ端子電圧Vp,Vnは電圧差が縮まって電圧バランスを均等化することができる。
【0046】
期間Cは電圧均等期間で、抵抗3での放電動作が終了して電気二重層キャパシタ1a,1bの端子電圧Vp,Vnの電圧差が縮まった状態で維持されている期間である。また、時刻T3で、充電装置9で充電を開始しすると、上述の期間A及び期間Dの動作で説明したとおり、キャパシタモジュール7の電圧が設定電圧に達する時刻T4で充電動作を停止し、ツェナーダイオード5の設定電圧を超えて電圧が印加された電気二重層キャパシタ1aは、抵抗3で放電され、時刻T5で、ツェナーダイオード5の設定電圧まで電圧が減少するので、モジュール内の大容量キャパシタ端子電圧Vp,Vnはさらに電圧差が縮まる。
【0047】
このように第2の実施の形態によれば、キャパシタモジュール7の電圧が設定電圧に達すると、自動的に充電動作が停止されるので、直列接続された電気二重層キャパシタ1のうち端子電圧が設定電圧を超えて電圧が印加されている電気二重層キャパシタ1は、抵抗3で放電されてツェナーダイオード5の設定電圧まで電圧が減少し、それ以外の電気二重層キャパシタ1は充電終了時の電圧を維持することから、モジュール内の電気二重層キャパシタ端子電圧は電圧差が縮まって電圧バランスを均等化することができる。
【0048】
これにより、電気二重層キャパシタ1のモジュール電圧を過充電から保護して、ツェナーダイオード5と抵抗3とを直列接続してなる簡単なバランス回路で電気二重層キャパシタ1の電圧バランスを均等化することができ、バランス回路のコスト低減と信頼性の向上をはかることが可能となる。
【0049】
なお、本実施の形態において、最も電気二重層キャパシタ1の直列接続数が少ない場合として2個直列接続した場合を示したが、直列数がさらに多くなっても同様に、電圧バランスを均等化することができる。
【0050】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図5は本発明の第3の実施の形態における電気二重層キャパシタ1の端子電圧を示す図である。
【0051】
第3の実施の形態は、回路構成は、第2に実施の形態と同一で、期間Eの電圧均等充電を定期的に行って電圧の均等化を図るものである。すなわち、定期的に時刻T1、T3になると充電装置9は自動的に充電を開始し、時刻T2または時刻T4にてモジュール電圧が設定電圧に達すると自動的に充電を停止するので、モジュール内の電気二重層キャパシタ端子電圧が均等化され電圧差が縮まった状態が常に維持される。
【0052】
このように第3の実施の形態によれば電気二重層キャパシタ1のモジュール電圧を過電圧から保護し、また定期的に電圧均等充電を実施するので電気二重層キャパシタ1の定格電圧とツェナーダイオード5の設定電圧を均等充電の間隔に合わせて最適設計することができる。また、ツェナーダイオード5と抵抗3とを直列接続してなる簡単なバランス回路で電気二重層キャパシタ1の電圧バランスを均等化することができ、バランス回路のコスト低減と信頼性の向上をはかることが可能となる。
【0053】
なお、本実施の形態において、最も電気二重層キャパシタ1の直列接続数が少ない場合として2個直列接続した場合を示したが、直列数がさらに多くなっても同様に、電圧バランスを均等化することができることは言うまでもない。
【0054】
【発明の効果】
上記のように、本発明に係る電気二重層キャパシタの電圧バランス均等化回路によれば、簡単なバランス回路を付加するだけで、直列接続された電気二重層キャパシタの電圧バランスが均等になるよう充電することができ、バランス回路のコスト低減と信頼性の向上をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示した構成図である。
【図2】第1の実施の形態における電気二重層キャパシタ1充電時の端子電圧を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態を示した構成図である。
【図4】第2実施の形態における電気二重層キャパシタ1の端子電圧を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態における電気二重層キャパシタ1の端子電圧を示す図である。
【図6】従来の電気二重層キャパシタの電圧バランス均等化回路の一例である
【図7】従来例において電気二重層キャパシタ充電時の端子電圧を示す図である。
【図8】従来例において電気二重層キャパシタ充電時の端子電圧を示す他の例である
【符号の説明】
1 電気二重層キャパシタ
3 抵抗
5 ツェナーダイオード
6 バランス回路
7 キャパシタモジュール
8 電圧検出回路
9 充電装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、直列接続した電気二重層キャパシタの各電気二重層キャパシタにバランス回路を並列に接続することで各キャパシタの電圧バランスを均等化する電気二重層キャパシタの電圧バランス均等化回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気二重層キャパシタは、繰り返し充放電に強く、静電容量が極めて大きいとの特徴から、大電流を瞬時に充放電する必要のある瞬低補償や電気自動車等の用途に使われている。
【0003】
このような用途において、一般に、電気二重層キャパシタの定格電圧が低いため電気二重層キャパシタを直列に接続しキャパシタモジュールを構成することで所定の電圧を得る方法が採られている。この場合、キャパシタモジュールが充放電電を繰り返すと、直列に接続した各電気二重層キャパシタ毎に分担する電圧のアンバランスが次第に大きくなるため、各キャパシタの電圧バランスを均等化する必要があり、そのための回路が提案されている。
【0004】
図6は従来の電気二重層キャパシタの電圧バランス均等化回路の一例である。
【0005】
図6に示すように、バランス回路64は直列接続された各電気二重層キャパシタ61a,61b(以下電気二重層キャパシタ61と総称する)に並列に接続される。なお図6では、便宜上、電気二重層キャパシタ61の直列接続数が最も少ないケースとして、電気二重層キャパシタ61a,61bを2個直列接続した場合の回路構成を示したが、3個以上直列接続した場合も同様である。
【0006】
バランス回路64の主回路は、トランジスタ62と抵抗63とを直列に接続することで構成される。ここで、トランジスタ62のコレクタ端子は電気二重層キャパシタ61の正極側端子に接続され、トランジスタ62のエミッタ端子は抵抗63の一方の端子に接続され、抵抗63の他方の端子は、電気二重層キャパシタ61の負極側端子に接続される。また、トランジスタ62のベース端子には不図示の制御回路が接続されている。
【0007】
電気二重層キャパシタ61は、大きな電荷が蓄積できる大容量コンデンサで、蓄積エネルギー量によって端子電圧が変化する。端子電圧が定格電圧に近づくほど蓄積しているエネルギー量が大きく、定格電圧に達してからもさらに充電を行うと、端子電圧は定格電圧を超えて過充電状態となる。1つの電気二重層キャパシタ61を充電する場合、電気二重層キャパシタ61の端子電圧を監視して、この端子電圧が定格電圧に達したならば電気二重層キャパシタ61の充電動作を停止すればよい。しかし2個以上の電気二重層キャパシタ61大容量キャパシタが直列に接続していると、充電電流は電気二重層キャパシタ61を共通に流れるため、電気二重層キャパシタ61の静電容量や内部抵抗、また蓄積電荷を自己放電する漏れ抵抗により電気二重層キャパシタ61の端子電圧にばらつきが生じる。
【0008】
電気二重層キャパシタ61の端子電圧がばらつくと、充電動作でエネルギーを蓄積する際、最も早く定格電圧に達する電気二重層キャパシタ61が充電制限となり、他の電気二重層キャパシタ61に十分なエネルギーを蓄積できないといった問題が生じる。そこでトランジスタ62と抵抗63を直列に接続してバランス回路64を構成し、大容量キャパシタ1と並列にバランス回路4を接続して電気二重層キャパシタ61の端子電圧を均等化することとしたものである。
【0009】
図7は電気二重層キャパシタ61充電時の端子電圧を示す図である。
【0010】
ここでは、2つの電気二重層キャパシタ61a,bが直列に接続されており、一方の電気二重層キャパシタ61aの正極側は端子P1にて不図示の充電装置の接続され負極側は端子P2にて他方の電気二重層キャパシタ61bの正極側に接続される。さらに、電気二重層キャパシタ61bの負極側は、端子P3にて不図示の充電装置に接続される。したがって、充電電流は端子P1、端子P2そして端子P3の順に流れることとなる。
【0011】
次に、図7を用いてバランス回路64の動作を説明する。図7において、Vpを一方の電気二重層キャパシタ61aの端子電圧、Vnを他方の電気二重層キャパシタ61bの端子電圧とする。
【0012】
期間Aは充電動作期間で、期間Aにおいて、充電電流は端子P1、電気二重層キャパシタ61a、端子P2、電気二重層キャパシタ61b、そして端子P3の順に流れる。2つの電気二重層キャパシタ61a,bの静電容量の特性が全く同じであれば両端子電圧波形の傾きは同一であるが、一般に静電容量の特性には多少の差は避けられないので、充電電流は同じことから、充電動作期間中の電気二重層キャパシタ61a,bの端子電圧は不均一となる。すなわち、静電容量が大きい電気二重層キャパシタ61bの電圧Vnの傾きは緩やかで、静電容量が小さい電気二重層キャパシタ61aの電圧Vpの傾きは急になり、静電容量の小さい電気二重層キャパシタ61aが先に定格電圧に達してしまう。
【0013】
期間Bは均等充電期間で、まだ定格電圧に達していない電気二重層キャパシタ61bを定格電圧まで充電するため、さらに充電動作を継続する期間である。このとき他方の上側電気二重層キャパシタ61aは既に定格電圧に到達していることから、バランス回路64中のトランジスタ62をオンして抵抗63に電流を流し充電電流をバイパスさせて電気二重層キャパシタ61aの電圧上昇を抑制する。
【0014】
期間Cは電圧均等期間で、2つの電気二重層キャパシタ61a,bの端子電圧Vp,Vnの各々が定格電圧に達したことで充電動作を停止して、端子電圧が均等化されている期間である。
【0015】
このようにして従来のバランス回路64においては、電気二重層キャパシタ61a,bを定格電圧を越すことなく、定格電圧まで充電することができる。
【0016】
なお、図8に示すように、2つの電気二重層キャパシタ61の電圧を検出して、どれか1つの電気二重層キャパシタ61の電圧が定格電圧に達したことで充電電流を絞り、バランス回路64中のトランジスタ62の動作許容電流にて均等充電を継続する方法もある。
【0017】
【特許文献1】
特開平6−343225号公報
【0018】
【特許文献2】
特開2000−217250号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、図7の動作を行う従来の電圧バランス均等回路では、電気二重層キャパシタ61の充電電流を十分許容できるトランジスタ62の電流容量が必要であり、かつトランジスタ62のゲートを制御する回路が必要なため、IC回路を用いた大がかりな回路により充電電流をバイパスしていた。また図8の動作を行う電圧バランス均等化回路では、トランジスタ62を小型にすることができるが、各電気二重層キャパシタ61a,bの端子電圧を検出して充電装置の電流を絞る必要があるためトランジスタ62のゲートを制御する回路の回路構成が複雑になることと、定格電流にくらべて微弱な電流で充電をおこなうために均等充電時間が長くなり損失が増加するといった問題が生じていた。
【0020】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、簡単なバランス回路を付加するだけで、電気二重層キャパシタの電圧バランスが均等になるよう充電することができる電気二重層キャパシタの電圧バランス均等化回路を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電気二重層キャパシタの電圧バランス均等化回路は、直列接続した電気二重層キャパシタの各電気二重層キャパシタにバランス回路を並列接続してなる電気二重層キャパシタの電圧バランス均等化回路であって、前記バランス回路はツェナーダイオードと抵抗とを直列接続してなることを特徴とする。
【0022】
このように、本発明に係る電気二重層キャパシタの電圧バランス均等化回路によれば、直列接続された電気二重層キャパシタの1つの端子電圧が設定電圧以上になると、充電電流は、ツェナーダイオードと抵抗とを直列接続してなるバランス回路に分流するので、簡単なバランス回路を付加するだけで、直列接続された電気二重層キャパシタの電圧バランスが均等になるよう充電することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る電気二重層キャパシタの電圧バランス均等化回路一実施の形態を図1乃至図5を参照して詳細に説明する。なお、図6に示した従来の構成と同一構成には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0024】
図1は本発明の第1の実施の形態を示した構成図である。
【0025】
図1に示すように、本実施の形態における電気二重層キャパシタの電圧バランス均等化回路は、直列接続された2個の電気二重層キャパシタ1a,1b(以下電気二重層キャパシタ1と総称する)の各々に並列に、バランス回路6を接続した構成となっている。
【0026】
バランス回路6は、ツェナーダイオード5と抵抗3とを直列接続しただけの簡単な構成となっている。すなわち、バランス回路6において、ツェナーダイオード5のカソード側端子は電気二重層キャパシタ1の正極側端子に接続され、ツェナーダイオード5のアノード側端子は抵抗3の一方の端子に接続され、抵抗3の他方の端子は、電気二重層キャパシタ1の負極側端子に接続される。
【0027】
また、ツェナーダイオード5の設定電圧は各電気二重層キャパシタ1の定格電圧より低い電圧値とする。なお、ツェナーダイオード5の設定電圧とは、逆方向バイアスの電圧を増加させていったとき、逆方向電流が急激に増加するときの電圧をいい、電気二重層キャパシタ1の定格電圧とは、電気二重層キャパシタ1が許容する最大電圧をいう。
【0028】
図2は、第1の実施の形態における電気二重層キャパシタ1充電時の端子電圧を示す図である。
【0029】
ここでは、2つの電気二重層キャパシタ1a,bが直列に接続されており、一方の電気二重層キャパシタ1aの正極側は端子P1にて不図示の充電装置の接続され、負極側は端子P2にて他方の電気二重層キャパシタ1bの正極側に接続される。さらに、電気二重層キャパシタ1bの負極側は、端子P3にて不図示の充電装置に接続される。したがって、充電電流は端子P1、端子P2そして端子P3の順に流れることとなる。
【0030】
期間Aは充電動作期間で、期間Aにおいて、電気二重層キャパシタ1aまたは1bが定格電圧に達するまでは、充電電流は端子P1、電気二重層キャパシタ1a、端子P2、電気二重層キャパシタ1b、そして端子P3の順に流れる。
【0031】
本図において、静電容量のバラツキにより、静電容量が大きい電気二重層キャパシタ1bの電圧Vnの傾きは緩やかで、静電容量が小さい電気二重層キャパシタ1aの電圧Vpの傾きは急になり、時刻T0で充電を開始したとき、時刻T1で静電容量の小さい電気二重層キャパシタ1aが先に設定電圧に達し、続いて、時刻T2で静電容量の大きい電気二重層キャパシタ1bが設定電圧に達する。
【0032】
ツェナーダイオード5は設定電圧以上の電圧が印加されると、オフ状態からオン状態に変化して電流が流れる。時刻T1で電気二重層キャパシタ1aの端子電圧がツェナーダイオード5の設定電圧以上に上昇すると、ツェナーダイオード5がオンしてツェナーダイオード5と抵抗3を介してバランス回路6に電流i2が流れる。抵抗3はバランス回路6に流れる電流i2を制限するので、ツェナーダイオード5の設定電圧を超えて充電している期間、充電電流はバイパス回路6に流れる電流i2と大容量キャパシタ1aに流れる電流i1とに分流して流れる。
【0033】
同様に時刻T2で、電気二重層キャパシタ1bの端子電圧がツェナーダイオード5の設定電圧以上に上昇すると、ツェナーダイオード5がオンしてツェナーダイオード5と抵抗3を介してバランス回路6に電流i4が流れる。抵抗3はバランス回路6に流れる電流i4を制限するので、時刻T2以降、充電電流はバイパス回路6に流れる電流i4と大容量キャパシタ1bに流れる電流i3とに分流して流れる。
【0034】
期間Dは電圧均等化動作期間で、この期間、時刻T3で、電気二重層キャパシタ1a,1bの端子電圧が定格電圧になる前に充電動作を停止すると、各電気二重層キャパシタ1a,1bの電荷がツェナーダイオード5を介して抵抗3から放電されてゆき、時刻T4で、電気二重層キャパシタ1bの電圧Vnはツェナーダイオード5の設定電圧となり、時刻T5で、電気二重層キャパシタ1aの電圧Vpはツェナーダイオード5の設定電圧となる。ツェナーダイオード5は設定電圧以下に端子電圧が落ちるとオン状態からオフ状態になるため、抵抗3での放電動作が終了して大容量キャパシタ電圧はツェナーダイオード5の設定電圧で維持される。
【0035】
期間Cは電圧均等期間で、抵抗3での放電動作が終了して電気二重層キャパシタ1a,1bの端子電圧Vp,Vnの各々が設定電圧にて均等化されている期間である。
【0036】
このように第1の実施の形態によれば、直列接続された電気二重層キャパシタ1のうちの1つの端子電圧が設定電圧以上になると、充電電流は、バランス回路6に分流するので、直列接続された電気二重層キャパシタ1の電圧バランスが均等になるよう充電することができる。ここで、バランス回路6はツェナーダイオード5と抵抗3とで構成された簡単な直列回路からなり、ゲートを制御するための複雑なIC回路等を必要としないためバランス回路6のコスト低減と信頼性の向上をはかることができる。
【0037】
なお、本実施の形態において、最も電気二重層キャパシタ1の直列接続数が少ない場合として2個直列接続した場合を示したが、直列数がさらに多くなっても同様に、電圧バランスを均等化することができる。
【0038】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図3は本発明の第2の実施の形態を示した構成図である。
【0039】
図3に示すように、本実施の形態における電気二重層キャパシタの電圧バランス均等化回路は、キャパシタモジュール7、電圧検出回路8及び充電装置9により構成され、キャパシタモジュール7は、第1の実施の形態と同様の構成、すなわち、直列接続された2個の電気二重層キャパシタ1a,1bの各々に並列に、ツェナーダイオード5と抵抗3とを直列接続してなるバランス回路6が接続した構成となっている。
【0040】
電圧検出回路8は、キャパシタモジュール7の電圧、つまり、直列接続された2個の電気二重層キャパシタ1a,1bの端子P1及びP3間の電圧を検出し、充電装置9にフィードバックする。充電装置9は、電圧検出回路8の検出値を取り込み、検出電圧がキャパシタモジュール7の設定電圧に達したら充電動作を停止する。
【0041】
図4は、第2実施の形態における電気二重層キャパシタ1の端子電圧を示す図である。
【0042】
期間Aは充電動作期間を示し、この期間、充電装置9は、時刻T0で充電を開始し、キャパシタモジュール7の電圧が設定電圧に達する時刻T1で充電動作を停止する。
【0043】
ここで、キャパシタモジュール7の設定電圧はツェナーダイオード5の設定電圧の直列個数倍とし、もしツェナーダイオード5の設定電圧が2.2Vで、キャパシタモジュールが大容量キャパシタ1およびバラン回路6を2個直列接続してキャパシタモジュール7を構成していたら、キャパシタモジュールの設定電圧は2.2V×2個=4.4Vとなる。
【0044】
充電装置9が、キャパシタモジュール7の設定電圧で充電動作を停止する時刻T1において、キャパシタモジュール7内の電気二重層キャパシタ1の平均電圧はツェナーダイオード5の設定電圧となる。一方、静電容量にバラツキがあるため、静電容量が大きい電気二重層キャパシタ1bの電圧Vnは、静電容量が小さい電気二重層キャパシタ1aの電圧Vpより小さくなる。したがって、時刻T1において、静電容量が大きい電気二重層キャパシタ1bの電圧Vnはツェナーダイオード5の設定電圧を越え、静電容量が小さい電気二重層キャパシタ1aの電圧Vpはツェナーダイオード5の設定電圧以下となる。
【0045】
期間Dは電圧均等化動作期間を示し、この期間、時刻T1で、ツェナーダイオード5の設定電圧を超えて電圧が印加された電気二重層キャパシタ1aは、抵抗3で放電され、時刻T2で、ツェナーダイオード5の設定電圧まで電圧が減少する。他の電気二重層キャパシタ1bは充電終了時の電圧を維持することから、モジュール内の大容量キャパシタ端子電圧Vp,Vnは電圧差が縮まって電圧バランスを均等化することができる。
【0046】
期間Cは電圧均等期間で、抵抗3での放電動作が終了して電気二重層キャパシタ1a,1bの端子電圧Vp,Vnの電圧差が縮まった状態で維持されている期間である。また、時刻T3で、充電装置9で充電を開始しすると、上述の期間A及び期間Dの動作で説明したとおり、キャパシタモジュール7の電圧が設定電圧に達する時刻T4で充電動作を停止し、ツェナーダイオード5の設定電圧を超えて電圧が印加された電気二重層キャパシタ1aは、抵抗3で放電され、時刻T5で、ツェナーダイオード5の設定電圧まで電圧が減少するので、モジュール内の大容量キャパシタ端子電圧Vp,Vnはさらに電圧差が縮まる。
【0047】
このように第2の実施の形態によれば、キャパシタモジュール7の電圧が設定電圧に達すると、自動的に充電動作が停止されるので、直列接続された電気二重層キャパシタ1のうち端子電圧が設定電圧を超えて電圧が印加されている電気二重層キャパシタ1は、抵抗3で放電されてツェナーダイオード5の設定電圧まで電圧が減少し、それ以外の電気二重層キャパシタ1は充電終了時の電圧を維持することから、モジュール内の電気二重層キャパシタ端子電圧は電圧差が縮まって電圧バランスを均等化することができる。
【0048】
これにより、電気二重層キャパシタ1のモジュール電圧を過充電から保護して、ツェナーダイオード5と抵抗3とを直列接続してなる簡単なバランス回路で電気二重層キャパシタ1の電圧バランスを均等化することができ、バランス回路のコスト低減と信頼性の向上をはかることが可能となる。
【0049】
なお、本実施の形態において、最も電気二重層キャパシタ1の直列接続数が少ない場合として2個直列接続した場合を示したが、直列数がさらに多くなっても同様に、電圧バランスを均等化することができる。
【0050】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図5は本発明の第3の実施の形態における電気二重層キャパシタ1の端子電圧を示す図である。
【0051】
第3の実施の形態は、回路構成は、第2に実施の形態と同一で、期間Eの電圧均等充電を定期的に行って電圧の均等化を図るものである。すなわち、定期的に時刻T1、T3になると充電装置9は自動的に充電を開始し、時刻T2または時刻T4にてモジュール電圧が設定電圧に達すると自動的に充電を停止するので、モジュール内の電気二重層キャパシタ端子電圧が均等化され電圧差が縮まった状態が常に維持される。
【0052】
このように第3の実施の形態によれば電気二重層キャパシタ1のモジュール電圧を過電圧から保護し、また定期的に電圧均等充電を実施するので電気二重層キャパシタ1の定格電圧とツェナーダイオード5の設定電圧を均等充電の間隔に合わせて最適設計することができる。また、ツェナーダイオード5と抵抗3とを直列接続してなる簡単なバランス回路で電気二重層キャパシタ1の電圧バランスを均等化することができ、バランス回路のコスト低減と信頼性の向上をはかることが可能となる。
【0053】
なお、本実施の形態において、最も電気二重層キャパシタ1の直列接続数が少ない場合として2個直列接続した場合を示したが、直列数がさらに多くなっても同様に、電圧バランスを均等化することができることは言うまでもない。
【0054】
【発明の効果】
上記のように、本発明に係る電気二重層キャパシタの電圧バランス均等化回路によれば、簡単なバランス回路を付加するだけで、直列接続された電気二重層キャパシタの電圧バランスが均等になるよう充電することができ、バランス回路のコスト低減と信頼性の向上をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示した構成図である。
【図2】第1の実施の形態における電気二重層キャパシタ1充電時の端子電圧を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態を示した構成図である。
【図4】第2実施の形態における電気二重層キャパシタ1の端子電圧を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態における電気二重層キャパシタ1の端子電圧を示す図である。
【図6】従来の電気二重層キャパシタの電圧バランス均等化回路の一例である
【図7】従来例において電気二重層キャパシタ充電時の端子電圧を示す図である。
【図8】従来例において電気二重層キャパシタ充電時の端子電圧を示す他の例である
【符号の説明】
1 電気二重層キャパシタ
3 抵抗
5 ツェナーダイオード
6 バランス回路
7 キャパシタモジュール
8 電圧検出回路
9 充電装置
Claims (3)
- 直列接続した電気二重層キャパシタの各電気二重層キャパシタにバランス回路を並列接続してなる電気二重層キャパシタの電圧バランス均等化回路であって、
前記バランス回路はツェナーダイオードと抵抗とを直列接続してなることを特徴とする電気二重層キャパシタの電圧バランス均等化回路。 - 前記直列接続した電気二重層キャパシタの端子電圧を検出し、当該端子電圧が定格電圧を越えないように充電電流を制御する充電装置を付加したことを特徴とする請求項1に記載の電気二重層キャパシタの電圧バランス均等化回路。
- 前記直列接続した電気二重層キャパシタの端子電圧を検出し、当該端子電圧が定格電圧を越えないよう充電電流を制御し、かつ、定期的に定格電圧まで均等充電する充電装置を付加したことを特徴とする請求項1に記載の電気二重層キャパシタの電圧バランス均等化回路。
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Legal Events
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Effective date: 20050809 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
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A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20061212 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |