JP2004218460A - ヒートパイプ冷却式水中モータポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数を削減して、構造を簡略化するとともに、高い冷却効果を得ることができるヒートパイプ冷却式水中モータポンプを提供する。
【解決手段】ヒートパイプ冷却式水中モータポンプ1は、立軸水中モータ2と、この水中モータ2によって駆動されるポンプ3とを備えて吸込水槽4内に設置されている。モータフレ−ム10の外周は、金属製のリング11によって取り囲まれ、この金属製のリング11に複数本のヒートパイプ12,12…それぞれの吸熱部12Aが円周方向に所定の間隔を隔てて上端から下向きに嵌合されている。また、ヒートパイプ12,12…それぞれの放熱部12Bが所定の間隔を隔てて下側から上向きで、かつ水密にカバー14に挿入されて揚水管9の内部に通じている。
【選択図】 図1
【解決手段】ヒートパイプ冷却式水中モータポンプ1は、立軸水中モータ2と、この水中モータ2によって駆動されるポンプ3とを備えて吸込水槽4内に設置されている。モータフレ−ム10の外周は、金属製のリング11によって取り囲まれ、この金属製のリング11に複数本のヒートパイプ12,12…それぞれの吸熱部12Aが円周方向に所定の間隔を隔てて上端から下向きに嵌合されている。また、ヒートパイプ12,12…それぞれの放熱部12Bが所定の間隔を隔てて下側から上向きで、かつ水密にカバー14に挿入されて揚水管9の内部に通じている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する利用分野】
本発明は、ヒートパイプを具備したヒートパイプ冷却式水中モータポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水中モータと、この水中モータによって駆動されるポンプとを備えた水中モータポンプにおいて、水中モータによって回転駆動されるポンプの羽根車により揚水された水またはその一部でモータフレームを冷却するようにした水中モータがある。この水中モータは、図5に示すように、ポンプケーシング50に羽根車51が回転自在に収容され、羽根車51の後面シュラウド部51aで昇圧された冷却水が、中間ケーシング52の複数の通水路の一部52aと冷却パイプ53を通りモータフレーム54と水冷ジャケット55で形成される水冷室56に導かれる。水冷室56内の冷却水は、モータフレーム54を介してコア室57の熱を吸収し、再び中間ケーシング52を通って羽根車51の後面シュラウド部51aに戻る。また、この循環される冷却水の一部は、水冷ジャケット55上部の吐き出しパイプ58から外部に排出され、ポンプ揚水と一部置換することにより冷却水の温度上昇を防止している。
【0003】
一方、羽根車51の後面シュラウド部51aで昇圧された冷却水は、中間ケーシング52の別の通水路52bを通り、冷却管59aを通過してラジエータ60に導かれる。ラジエータ60を通過する冷却水はコア室57の熱を吸収し、再び冷却管59bと中間ケーシング52を通って羽根車51の後面シュラウド部51aに戻る。
【0004】
ところが、図5の水中モータポンプでは、ラジエータ60への冷却水にポンプ揚水を使用している。通常の水中モータポンプは、雨水、下水、汚水などを取り扱うため、冷却水に使用される揚水の汚れがラジエータ60の内面に付着して冷却効果を低下させたり、冷却管59a,59bの内面にこびり付いて冷却水の流れを妨げるおそれがあった。
【0005】
そこで、図6および図7に示すように、モータ上部で主軸61の反ポンプ側軸端に、主軸61に固定された駆動側マグネット62aと従動軸62bに固定された従動側マグネット62cとからなるマグネット軸継手62を設け、従動軸62bの先端に羽根車63を固定し、この羽根車63を取り囲むようにケーシング64を設け、羽根車63とケーシング64とによりポンプ65を構成する。そして、ケーシング64は吸込管66aを介して冷却管59bに接続するとともに、吐出管66bを介してラジエータ60に接続することで、ラジエータ60、冷却管59a,59b、ケーシング64、吸込管66aおよび吐出管66bによって清水を循環させる閉ループを形成した水中モータが提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0006】
この水中モータの回転駆動により、羽根車51が回転駆動され、羽根車51の後面シュラウド部51aで昇圧された冷却水は中間ケーシング52の複数の通水路52aを通過して水冷室56に導かれる。水冷室56内の冷却水は、モータコア67,68およびコイルで発生した熱を吸収し、その後、再び中間ケーシング52を通って羽根車51の後面シュラウド部51aに戻る。
【0007】
羽根車51の回転駆動とともに、マグネット軸継手62を介してポンプ65が回転駆動されるため、ラジエータ60に冷却水が強制的に循環する。そして、ポンプ65とラジエータ60を接続する冷却管59a,59bは、モータフレーム54と水冷ジャケット55で形成される水冷室56内の冷却水で冷却され、ラジエータ60で奪い取ったコイルエンドおよびロータなどの熱はモータ外部に放出される。このように、モータ・コイルエンドの近傍にラジエータ60に接続されるポンプ65を設け、ポンプ65とラジエータ60とを水冷室56を通る冷却管59a,59bにより接続したため、ラジエータ60に供給する冷却水としてポンプの自揚水でなく清水を使用することができる。したがって、揚水の汚れがラジエータ60の内面に付着して冷却効果を低下させたり、冷却管59a,59bの内面にこびり付いて冷却水の流れを妨げるような不都合の発生は回避することができる。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−294250号公報(図1,図2,図3)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、水中モータの主な構成要素である主軸61、ステータコア67、ステータコイルおよびロータコア68以外に、モータフレーム54と水冷ジャケット55で形成される水冷室56、羽根車51の後面シュラウド部51aで昇圧された自揚水を水冷室56に導く通水路52aなどの自揚水冷却系が必要であるばかりか、ラジエータ60、冷却管59a,59b、ケーシング64、吸込管66aおよび吐出管66bによって清水を循環させる閉ループを形成し、マグネット軸継手62を介して主軸61ととも回転駆動されるポンプ65によってラジエータ60に清水からなる冷却水を強制的に循環させる清水冷却系が必要であるため、部品点数が多くなって構造を複雑にしているため、故障が発生し易いおそれを有している。
【0010】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、部品点数を削減して、構造を簡略化するとともに、高い冷却効果を得ることができるヒートパイプ冷却式水中モータポンプを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明に係るヒートパイプ冷却式水中モータポンプは、水中モータと、この水中モータによって駆動されるポンプとを備え、ヒートパイプの吸熱部が前記水中モータに吸熱可能に取付けられ、ヒートパイプの放熱部が前記吸熱部のレベル以上のレベルで前記ポンプの揚水管内に臨んで取付けられていることを特徴としている。
【0012】
また、前記ヒートパイプ冷却式水中モータポンプが吸込水槽外部の気中に設置されたインライン型であってもよい。なお、前記の「インライン型」とは、水中モータポンプが吸込配管系と吐出配管系とからなるパイプラインに介設されている型式をいう。
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、ヒートパイプの吸熱部で水中モータの熱により加熱されて蒸発(気化)する作動液の気化熱によって水中モータの熱を吸収する。蒸発した作動液の密度は小さくなる。このため、作動液は吸熱部のレベル以上のレベルにある放熱部に移動し、ここでポンプの自揚水により冷却されて放熱し凝縮(液化)する。凝縮した作動液の密度は大きくなる。これにより、作動液は放熱部のレベル以下のレベルにある吸熱部に還流される。このようなサイクルが繰り返されることにより、水中モータが冷却される。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、水中モータの空冷設備や水冷設備などを別途設ける必要がない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は請求項1に記載の発明の一実施の形態を一部破断して示す側面、図2は図1のA−A線拡大断面図であり、これらの図において、ヒートパイプ冷却式水中モータポンプ1は、立軸水中モータ2と、この水中モータ2によって駆動されるポンプ3とを備えて吸込水槽4内に設置されている。そして、水中モータ2の回転によりポンプ3の羽根車(図示省略)が回転駆動されて、吸込水槽4内の水が吸込口5からケーシング6に吸い込まれ、吐出口7から吐出曲管8、揚水管9の経路で揚水される。
【0016】
立軸水中モータ2の外周、つまりモータフレ−ム10の外周は、金属製のリング11によって隙間なく取り囲まれており、この金属製のリング11には、複数本のヒートパイプ12,12…それぞれの吸熱部12Aが円周方向に所定の間隔を隔てて上側から下向きに嵌合されている。
【0017】
一方、揚水管9における金属製のリング11の上端よりも少し高い位置、つまりヒートパイプ12の吸熱部12Aよりも少し高い位置に、立軸水中モータ2の中心軸線Cの方向に片寄って内部が揚水管9の内部に通じる張り出し部13を設け、この張り出し部13を椀型のカバー14によって水密かつ着脱可能に塞いである。そして、このカバー14には、図3に示すように、ヒートパイプ12,12…それぞれの放熱部12Bが所定の間隔を隔てて下側から上向きで、かつ水密に挿入されて揚水管9の内部に通じており、保持板15を介して揺動不能にカバー14に保持されている。吸熱部12Aと断熱部12Cは横方向の屈曲部を介して連続し、断熱部12Cと放熱部12Bは縦方向の屈曲部を介して連続している。
【0018】
このような構成であれば、ヒートパイプ12,12…それぞれの吸熱部12Aで水中モータ2の熱により加熱されて蒸発(気化)する水や代替えフロンなどの作動液の気化熱によって水中モータの熱を吸収する。蒸発した作動液の密度は小さくなる。このため、作動液は吸熱部12Aよりも少し高い位置にある放熱部12Bに移動し、ここでポンプ3の自揚水、つまり揚水管9内の自揚水に晒され冷却されて放熱し凝縮(液化)する。凝縮した作動液の密度は大きくなる。これにより、作動液は放熱部12Bよりも少し低い位置にある吸熱部12Aに還流される。このようなサイクルが繰り返されることにより、水中モータ2が冷却される。
【0019】
すなわち、水中モータ2の冷却が複数本のヒートパイプ12,12…によって行われるので、図5〜図7の従来例と比較して、部品点数を大幅に削減して、構造を簡略化することができるとともに、ヒートパイプ12,12…保有の優れた熱交換特性によって高度な冷却効果を得ることができる。
【0020】
また、揚水管9には、立軸水中モータ2の中心軸線Cの方向に片寄って内部が揚水管9の内部に通じる張り出し部13を設け、この張り出し部13を塞ぐカバー14にヒートパイプ12,12…それぞれの放熱部12Bを挿入して、放熱部12Bを揚水管9の揚水通過断面部から退避させてあるので、放熱部12Bによって揚水管9の断面積が縮小されて、揚水管9管内抵抗が増大するような不都合は生じない。しかも、立軸水中モータ2の中心軸線Cから張り出し部13とカバー14との合わせ面14Aまでの寸法Lを、中心軸線Cからポンプ3の吐出口7と吐出曲管8との合わせ面16までの寸法L以下に短縮することができるので、吸込水槽4における天井部(図示省略)の搬入孔(図示省略)から容易にヒートパイプ冷却式水中モータポンプ1を出し入れすることができる。
【0021】
一方、図4に示すように、吸込水槽4の近傍にドライピット17を設け、このドライピット17に図1〜図3で説明したヒートパイプ冷却式水中モータポンプ1を設置し、ポンプ3の吸込口5は吸込配管系18を介して吸込水槽4の内部に連通させた構成、すなわち、ヒートパイプ冷却式水中モータポンプ1が吸込水槽4外部のドライピット17内で大気中に設置された状態で、前記吸込配管系18と、吐出曲管8および揚水管9を備えた吐出配管系19とからなるパイプラインに介設されたインライン型であっても、前記実施の形態と同様に、ヒートパイプ12,12…保有の優れた熱交換特性によって高い冷却効果を得ることができるので、水中モータ2をドライピット17内で冷却するフアンなどの空冷設備や、ポンプ3の自揚水が循環する水冷室などの水冷設備を別途設ける必要がない。しかも、非常時において雨水などがドライピット17に流れ込んで、水中モータ2を水没させたとしても、何等の影響を受けることなく、ヒートパイプ12,12…保有の優れた熱交換特性によって高い冷却効果を発揮することができる。
【0022】
なお、前記実施の形態では、吸熱部12Aよりも少し高い位置に放熱部12Bを位置決めした構成で説明しているが、放熱部12Bの位置は吸熱部12Aと水平以上の位置であれば前記実施の形態と同様の作用・効果を奏することができる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のヒートパイプ冷却式水中モータポンプは構成されているので、以下のような格別な効果を奏する。
【0024】
請求項1に記載の発明によれば、水中モータの冷却がヒートパイプによって行われるので、従来例と比較して、部品点数を大幅に削減して、構造を簡略化することができるとともに、ヒートパイプ保有の優れた熱交換特性によって高い冷却効果を得ることができる。
【0025】
請求項2に記載の発明によれば、水中モータを冷却するフアンなどの空冷設備や、ポンプの自揚水が循環する水冷室などの水冷設備を別途設ける必要がない。しかも、非常時において水中モータが水没しても、何等の影響を受けることなく、ヒートパイプ保有の優れた熱交換特性によって高い冷却効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載の発明の一実施の形態を一部破断して示す側面である。
【図2】図1のA−A線拡大断面図である。
【図3】図1のB−B線拡大断面図である。
【図4】請求項2に記載の発明の一実施の形態を示す側面図である。
【図5】第1従来例の断面図である。
【図6】第2従来例の断面図である。
【図7】第2従来例の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ヒートパイプ冷却式水中モータポンプ
2 水中モータ
3 ポンプ
4 吸込水槽
9 揚水管
12 ヒートパイプ
12A ヒートパイプの吸熱部
12B ヒートパイプの放熱部
【発明の属する利用分野】
本発明は、ヒートパイプを具備したヒートパイプ冷却式水中モータポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水中モータと、この水中モータによって駆動されるポンプとを備えた水中モータポンプにおいて、水中モータによって回転駆動されるポンプの羽根車により揚水された水またはその一部でモータフレームを冷却するようにした水中モータがある。この水中モータは、図5に示すように、ポンプケーシング50に羽根車51が回転自在に収容され、羽根車51の後面シュラウド部51aで昇圧された冷却水が、中間ケーシング52の複数の通水路の一部52aと冷却パイプ53を通りモータフレーム54と水冷ジャケット55で形成される水冷室56に導かれる。水冷室56内の冷却水は、モータフレーム54を介してコア室57の熱を吸収し、再び中間ケーシング52を通って羽根車51の後面シュラウド部51aに戻る。また、この循環される冷却水の一部は、水冷ジャケット55上部の吐き出しパイプ58から外部に排出され、ポンプ揚水と一部置換することにより冷却水の温度上昇を防止している。
【0003】
一方、羽根車51の後面シュラウド部51aで昇圧された冷却水は、中間ケーシング52の別の通水路52bを通り、冷却管59aを通過してラジエータ60に導かれる。ラジエータ60を通過する冷却水はコア室57の熱を吸収し、再び冷却管59bと中間ケーシング52を通って羽根車51の後面シュラウド部51aに戻る。
【0004】
ところが、図5の水中モータポンプでは、ラジエータ60への冷却水にポンプ揚水を使用している。通常の水中モータポンプは、雨水、下水、汚水などを取り扱うため、冷却水に使用される揚水の汚れがラジエータ60の内面に付着して冷却効果を低下させたり、冷却管59a,59bの内面にこびり付いて冷却水の流れを妨げるおそれがあった。
【0005】
そこで、図6および図7に示すように、モータ上部で主軸61の反ポンプ側軸端に、主軸61に固定された駆動側マグネット62aと従動軸62bに固定された従動側マグネット62cとからなるマグネット軸継手62を設け、従動軸62bの先端に羽根車63を固定し、この羽根車63を取り囲むようにケーシング64を設け、羽根車63とケーシング64とによりポンプ65を構成する。そして、ケーシング64は吸込管66aを介して冷却管59bに接続するとともに、吐出管66bを介してラジエータ60に接続することで、ラジエータ60、冷却管59a,59b、ケーシング64、吸込管66aおよび吐出管66bによって清水を循環させる閉ループを形成した水中モータが提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0006】
この水中モータの回転駆動により、羽根車51が回転駆動され、羽根車51の後面シュラウド部51aで昇圧された冷却水は中間ケーシング52の複数の通水路52aを通過して水冷室56に導かれる。水冷室56内の冷却水は、モータコア67,68およびコイルで発生した熱を吸収し、その後、再び中間ケーシング52を通って羽根車51の後面シュラウド部51aに戻る。
【0007】
羽根車51の回転駆動とともに、マグネット軸継手62を介してポンプ65が回転駆動されるため、ラジエータ60に冷却水が強制的に循環する。そして、ポンプ65とラジエータ60を接続する冷却管59a,59bは、モータフレーム54と水冷ジャケット55で形成される水冷室56内の冷却水で冷却され、ラジエータ60で奪い取ったコイルエンドおよびロータなどの熱はモータ外部に放出される。このように、モータ・コイルエンドの近傍にラジエータ60に接続されるポンプ65を設け、ポンプ65とラジエータ60とを水冷室56を通る冷却管59a,59bにより接続したため、ラジエータ60に供給する冷却水としてポンプの自揚水でなく清水を使用することができる。したがって、揚水の汚れがラジエータ60の内面に付着して冷却効果を低下させたり、冷却管59a,59bの内面にこびり付いて冷却水の流れを妨げるような不都合の発生は回避することができる。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−294250号公報(図1,図2,図3)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、水中モータの主な構成要素である主軸61、ステータコア67、ステータコイルおよびロータコア68以外に、モータフレーム54と水冷ジャケット55で形成される水冷室56、羽根車51の後面シュラウド部51aで昇圧された自揚水を水冷室56に導く通水路52aなどの自揚水冷却系が必要であるばかりか、ラジエータ60、冷却管59a,59b、ケーシング64、吸込管66aおよび吐出管66bによって清水を循環させる閉ループを形成し、マグネット軸継手62を介して主軸61ととも回転駆動されるポンプ65によってラジエータ60に清水からなる冷却水を強制的に循環させる清水冷却系が必要であるため、部品点数が多くなって構造を複雑にしているため、故障が発生し易いおそれを有している。
【0010】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、部品点数を削減して、構造を簡略化するとともに、高い冷却効果を得ることができるヒートパイプ冷却式水中モータポンプを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明に係るヒートパイプ冷却式水中モータポンプは、水中モータと、この水中モータによって駆動されるポンプとを備え、ヒートパイプの吸熱部が前記水中モータに吸熱可能に取付けられ、ヒートパイプの放熱部が前記吸熱部のレベル以上のレベルで前記ポンプの揚水管内に臨んで取付けられていることを特徴としている。
【0012】
また、前記ヒートパイプ冷却式水中モータポンプが吸込水槽外部の気中に設置されたインライン型であってもよい。なお、前記の「インライン型」とは、水中モータポンプが吸込配管系と吐出配管系とからなるパイプラインに介設されている型式をいう。
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、ヒートパイプの吸熱部で水中モータの熱により加熱されて蒸発(気化)する作動液の気化熱によって水中モータの熱を吸収する。蒸発した作動液の密度は小さくなる。このため、作動液は吸熱部のレベル以上のレベルにある放熱部に移動し、ここでポンプの自揚水により冷却されて放熱し凝縮(液化)する。凝縮した作動液の密度は大きくなる。これにより、作動液は放熱部のレベル以下のレベルにある吸熱部に還流される。このようなサイクルが繰り返されることにより、水中モータが冷却される。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、水中モータの空冷設備や水冷設備などを別途設ける必要がない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は請求項1に記載の発明の一実施の形態を一部破断して示す側面、図2は図1のA−A線拡大断面図であり、これらの図において、ヒートパイプ冷却式水中モータポンプ1は、立軸水中モータ2と、この水中モータ2によって駆動されるポンプ3とを備えて吸込水槽4内に設置されている。そして、水中モータ2の回転によりポンプ3の羽根車(図示省略)が回転駆動されて、吸込水槽4内の水が吸込口5からケーシング6に吸い込まれ、吐出口7から吐出曲管8、揚水管9の経路で揚水される。
【0016】
立軸水中モータ2の外周、つまりモータフレ−ム10の外周は、金属製のリング11によって隙間なく取り囲まれており、この金属製のリング11には、複数本のヒートパイプ12,12…それぞれの吸熱部12Aが円周方向に所定の間隔を隔てて上側から下向きに嵌合されている。
【0017】
一方、揚水管9における金属製のリング11の上端よりも少し高い位置、つまりヒートパイプ12の吸熱部12Aよりも少し高い位置に、立軸水中モータ2の中心軸線Cの方向に片寄って内部が揚水管9の内部に通じる張り出し部13を設け、この張り出し部13を椀型のカバー14によって水密かつ着脱可能に塞いである。そして、このカバー14には、図3に示すように、ヒートパイプ12,12…それぞれの放熱部12Bが所定の間隔を隔てて下側から上向きで、かつ水密に挿入されて揚水管9の内部に通じており、保持板15を介して揺動不能にカバー14に保持されている。吸熱部12Aと断熱部12Cは横方向の屈曲部を介して連続し、断熱部12Cと放熱部12Bは縦方向の屈曲部を介して連続している。
【0018】
このような構成であれば、ヒートパイプ12,12…それぞれの吸熱部12Aで水中モータ2の熱により加熱されて蒸発(気化)する水や代替えフロンなどの作動液の気化熱によって水中モータの熱を吸収する。蒸発した作動液の密度は小さくなる。このため、作動液は吸熱部12Aよりも少し高い位置にある放熱部12Bに移動し、ここでポンプ3の自揚水、つまり揚水管9内の自揚水に晒され冷却されて放熱し凝縮(液化)する。凝縮した作動液の密度は大きくなる。これにより、作動液は放熱部12Bよりも少し低い位置にある吸熱部12Aに還流される。このようなサイクルが繰り返されることにより、水中モータ2が冷却される。
【0019】
すなわち、水中モータ2の冷却が複数本のヒートパイプ12,12…によって行われるので、図5〜図7の従来例と比較して、部品点数を大幅に削減して、構造を簡略化することができるとともに、ヒートパイプ12,12…保有の優れた熱交換特性によって高度な冷却効果を得ることができる。
【0020】
また、揚水管9には、立軸水中モータ2の中心軸線Cの方向に片寄って内部が揚水管9の内部に通じる張り出し部13を設け、この張り出し部13を塞ぐカバー14にヒートパイプ12,12…それぞれの放熱部12Bを挿入して、放熱部12Bを揚水管9の揚水通過断面部から退避させてあるので、放熱部12Bによって揚水管9の断面積が縮小されて、揚水管9管内抵抗が増大するような不都合は生じない。しかも、立軸水中モータ2の中心軸線Cから張り出し部13とカバー14との合わせ面14Aまでの寸法Lを、中心軸線Cからポンプ3の吐出口7と吐出曲管8との合わせ面16までの寸法L以下に短縮することができるので、吸込水槽4における天井部(図示省略)の搬入孔(図示省略)から容易にヒートパイプ冷却式水中モータポンプ1を出し入れすることができる。
【0021】
一方、図4に示すように、吸込水槽4の近傍にドライピット17を設け、このドライピット17に図1〜図3で説明したヒートパイプ冷却式水中モータポンプ1を設置し、ポンプ3の吸込口5は吸込配管系18を介して吸込水槽4の内部に連通させた構成、すなわち、ヒートパイプ冷却式水中モータポンプ1が吸込水槽4外部のドライピット17内で大気中に設置された状態で、前記吸込配管系18と、吐出曲管8および揚水管9を備えた吐出配管系19とからなるパイプラインに介設されたインライン型であっても、前記実施の形態と同様に、ヒートパイプ12,12…保有の優れた熱交換特性によって高い冷却効果を得ることができるので、水中モータ2をドライピット17内で冷却するフアンなどの空冷設備や、ポンプ3の自揚水が循環する水冷室などの水冷設備を別途設ける必要がない。しかも、非常時において雨水などがドライピット17に流れ込んで、水中モータ2を水没させたとしても、何等の影響を受けることなく、ヒートパイプ12,12…保有の優れた熱交換特性によって高い冷却効果を発揮することができる。
【0022】
なお、前記実施の形態では、吸熱部12Aよりも少し高い位置に放熱部12Bを位置決めした構成で説明しているが、放熱部12Bの位置は吸熱部12Aと水平以上の位置であれば前記実施の形態と同様の作用・効果を奏することができる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のヒートパイプ冷却式水中モータポンプは構成されているので、以下のような格別な効果を奏する。
【0024】
請求項1に記載の発明によれば、水中モータの冷却がヒートパイプによって行われるので、従来例と比較して、部品点数を大幅に削減して、構造を簡略化することができるとともに、ヒートパイプ保有の優れた熱交換特性によって高い冷却効果を得ることができる。
【0025】
請求項2に記載の発明によれば、水中モータを冷却するフアンなどの空冷設備や、ポンプの自揚水が循環する水冷室などの水冷設備を別途設ける必要がない。しかも、非常時において水中モータが水没しても、何等の影響を受けることなく、ヒートパイプ保有の優れた熱交換特性によって高い冷却効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載の発明の一実施の形態を一部破断して示す側面である。
【図2】図1のA−A線拡大断面図である。
【図3】図1のB−B線拡大断面図である。
【図4】請求項2に記載の発明の一実施の形態を示す側面図である。
【図5】第1従来例の断面図である。
【図6】第2従来例の断面図である。
【図7】第2従来例の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ヒートパイプ冷却式水中モータポンプ
2 水中モータ
3 ポンプ
4 吸込水槽
9 揚水管
12 ヒートパイプ
12A ヒートパイプの吸熱部
12B ヒートパイプの放熱部
Claims (2)
- 水中モータと、この水中モータによって駆動されるポンプとを備え、ヒートパイプの吸熱部が前記水中モータに吸熱可能に取付けられ、ヒートパイプの放熱部が前記吸熱部のレベル以上のレベルで前記ポンプの揚水管内に臨んで取付けられていることを特徴とするヒートパイプ冷却式水中モータポンプ。
- 前記ヒートパイプ冷却式水中モータポンプが吸込水槽外部の気中に設置されたインライン型である請求項1に記載のヒートパイプ冷却式水中モータポンプ。
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---|---|---|---|
JP2003004135A JP2004218460A (ja) | 2003-01-10 | 2003-01-10 | ヒートパイプ冷却式水中モータポンプ |
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
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Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010025989A1 (de) | 2008-09-08 | 2010-03-11 | Siemens Aktiengesellschaft | Pumpe |
KR101131391B1 (ko) | 2012-01-27 | 2012-04-02 | 최기순 | 공기순환형 수중펌프 |
US20200309153A1 (en) * | 2019-03-25 | 2020-10-01 | Pentair Water Pool And Spa, Inc. | Water cooled pump system |
KR102603139B1 (ko) * | 2023-04-06 | 2023-11-20 | 주식회사 성광이엔에프 | 히트파이프 결합형 냉각모듈이 구비된 기계적 증기 재압축 장치 |
-
2003
- 2003-01-10 JP JP2003004135A patent/JP2004218460A/ja active Pending
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