JP2004212638A - 光変調素子及び平面表示素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】静電気力により電気機械的動作をさせる光変調素子の可動部における電荷チャージを低減し、駆動特性の経時劣化を防止する。
【解決手段】静電気力による可撓部9の変位動作と、この可撓部9の弾性復帰動作とにより可撓部9を通過する光の変調を行う電気機械的な光変調素子21において、可撓部9の可撓部接触面が導電性を有する材料からなる。
【選択図】 図1
【解決手段】静電気力による可撓部9の変位動作と、この可撓部9の弾性復帰動作とにより可撓部9を通過する光の変調を行う電気機械的な光変調素子21において、可撓部9の可撓部接触面が導電性を有する材料からなる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気機械動作により光の透過率を変化させる光変調素子及び平面表示素子に関し、特に、光変調素子の動作時における電荷チャージ発生の防止に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マイクロマシニングにより作製された可撓薄膜を、静電気力により機械的動作させることで光変調を行う電気機械的な光変調素子が知られている。この光変調素子としては、例えば透明な電極とダイヤフラムからなる可撓薄膜を、支持部を介して導光板上の固定電極に架設したものがある。
この光変調素子では、両電極間に所定の電圧を印加することで電極間に静電気力を発生させ、可撓薄膜を固定電極に向かって撓ませる。これに伴って素子自体の光学的特性が変化して、光変調素子に光が透過する。一方、印加電圧をゼロにすることで可撓薄膜が弾性復帰し、光変調素子は光を遮光する。このようにして光変調が行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平11−258558号公報
【0004】
ところで、可撓薄膜を静電気力によって変形させたり弾性復帰させる場合、印加電圧Vgsと可撓薄膜の変位の関係はヒステリシス特性を示す。従って、印加電圧Vgsと光透過率Tとの関係も図20に示すようにヒステリシス特性を示すことになる。
このヒステリシス特性によれば、光変調要素がOFF(光遮蔽)の状態では、VgsがVth(L) 以下でOFF状態を維持し、VgsがVth(H) 以上になるとON状態を維持する。そして、光変調要素は、VgsがVs(H)以上でON状態を維持したままとなり、Vs(L)以下となるとOFF状態に飽和する。尚、Vgsの極性が負の場合は、正極性の縦軸対称の特性となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の光変調素子は、可動部である可撓薄膜が、絶縁材料からなり、且つこの可撓薄膜が絶縁性を有する支持部によって架設されているため、可撓薄膜が撓みにより可動されると、固定電極を覆う絶縁層の固定部接触面に接触し、光変調素子の連続駆動により、可撓薄膜が固定部接触面に対して接触・離反を繰り返すと、電気的に絶縁状態となっている可撓薄膜には電荷チャージが発生する。
この電荷チャージは、可撓薄膜の正常な撓みを阻害する等して、光変調素子の駆動特性を経時劣化させる要因となった。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、静電気力により電気機械的動作をさせる光変調素子の可動部における電荷チャージの発生を低減し、もって、駆動特性の経時劣化防止を図ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る請求項1記載の光変調素子は、静電気力による可撓部の変位動作と、該可撓部の弾性復帰動作とにより該可撓部を通過する光の変調を行う電気機械的な光変調素子において、前記可撓部の可撓部接触面が導電性を有する材料からなることを特徴とする。
【0007】
この光変調素子では、可撓部の可撓部接触面が導電性を有する材料からなり、可撓部が固定部接触面に対して接触・離反を繰り返しても、摩擦によって発生し帯電した電荷が徐々にディスチャージされて可撓部に蓄えられることがない。従って、静電気力によって可撓部を変位動作させる電気機械的な光変調素子の連続駆動において、可撓部の正常な撓みを維持することができ、光変調素子の駆動特性における経時劣化が防止されることになる。
【0008】
請求項2記載の光変調素子は、静電気力による可撓部の変位動作と、該可撓部の弾性復帰動作とにより該可撓部を通過する光の変調を行う電気機械的な光変調素子において、可撓部接触面と、該可撓部接触面に接触する固定部接触面との双方に、導電性を有する材料の層が設けられたことを特徴とする。
【0009】
この光変調素子では、可撓部接触面と、可撓部接触面に接触する固定部接触面との双方に、導電性を有する材料の層が設けられ、可撓部が固定部に対して接触する都度、両者に設けられた材料の層の電位が同電位となり、可撓部に電荷チャージが発生しない。従って、この光変調素子においても、可撓部の正常な撓みを維持することができ、光変調素子の駆動特性における経時劣化が防止されることになる。
【0010】
請求項3記載の光変調素子は、前記導電性を有する材料は、体積抵抗が1010Ωcm以下であることを特徴とする。
【0011】
この光変調素子では、導電性を有する材料は、体積抵抗が1010Ωcm以下であり、可撓部が固定部に対して繰り返し接触しても、可撓部に電荷が蓄えられることなく、電荷チャージが発生しない。
【0012】
請求項4記載の光変調素子は、前記可撓部接触面と前記固定部接触面とに設けられた導電性を有する材料の層(導体)同士が、電気的に接続されていることを特徴とする。
【0013】
この光変調素子では、可撓部接触面と前記固定部接触面とに設けられた導体同士が、予め電気的に接続された状態となり、可撓部接触面と固定部接触面との接触時又は離反時にかかわらず、両者に設けられた導体の電位が等しくなり、可撓部に電荷チャージが発生しない。従って、この光変調素子においても、可撓部の正常な撓みを維持することができ、光変調素子の駆動特性における経時劣化が防止される。
【0014】
請求項5記載の光変調素子は、電気的に接続された前記導体同士が、接地されていることを特徴とする。
【0015】
この光変調素子では、予め電気的に接続された可撓部接触面と固定部接触面とに設けられた導体同士が接地され、導体同士のみならず、他の部材に対しても導体同士が常に電位ゼロの安定した状態に保たれることになる。従って、この光変調素子においても、可撓部の正常な撓みを維持することができ、光変調素子の駆動特性における経時劣化が防止される。
【0016】
請求項6記載の光変調素子は、前記可撓部が、絶縁性を有する支持部によって架設されていることを特徴とする。
【0017】
この光変調素子では、可撓部が絶縁性を有する支持部によって架設されるが、請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の構成をとることにより、絶縁性を有する支持部によって架設されても、上記した作用により可撓部に電荷チャージが蓄えられることがない。つまり、支持部を用いた可撓部支持構造においても、可撓部の正常な撓みが維持できる。
【0018】
請求項7記載の光変調素子は、前記可撓部が、犠牲層によって形成された可撓空間を隔てて固定部接触面に対向配置されていることを特徴とする。
【0019】
この光変調素子では、可撓部が犠牲層によって形成された可撓空間を有して固定部接触面に対向配置されるが、請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の構成をとることにより、上記した作用により可撓部に電荷チャージが蓄えられることがない。つまり、支持部を用いない比較的製作容易な可撓部支持構造においても、可撓部の正常な撓みが維持できる。
【0020】
請求項8記載の平面表示素子は、請求項1〜請求項7のいずれか1項記載の光変調素子を2次元のマトリクス状に配列し、前記可撓部に設けられる電極と、固定部に設けられる電極とのいずれか一方の電極に、走査信号を印加して各画素を選択し、いずれか他方の電極に、画像信号を印加して各光変調素子を駆動することを特徴とする。
【0021】
この平面表示素子では、光変調素子が2次元のマトリクス状に配列され、走査電極信号に従い各画素が選択され、画素電極にデータ信号が与えられて画像が表示される。そして、各画素を構成する光変調素子が、請求項1〜請求項7のいずれか1項記載の構成をとることにより、可撓部に電荷チャージが蓄えられなくなる。これにより、光変調素子の駆動特性における経時劣化が発生せず、画素抜け等のない高品位な画像が長期間にわたって表示可能になる。
【0022】
請求項9記載の平面表示素子は、前記電極に、交流信号が印加されることを特徴とする。
【0023】
この平面表示素子では、可撓部と、固定部接触面との双方の電極に交流信号が印加され、時間と共に双方の電極の電位が正の向き又は負の向きに増大することになる。これにより、請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の構成による作用とも相まって、可撓部に電荷チャージが蓄えられなくなり、光変調素子の駆動特性における経時劣化が発生せず、画素抜け等のない高品位な画像が長期間にわたって表示可能になる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る光変調素子及び平面表示素子の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る光変調素子の第一実施形態を示す断面図、図2は図1に示した光変調素子の動作状態を説明する断面図である。
【0025】
可撓部である可撓薄膜を電気機械動作させて光変調させる動作原理としては、可撓薄膜と透明な信号電極とを離反又は接触させることによる導光拡散作用(以下、導光拡散と称する。)を利用することができる。導光拡散では、空隙を光の透過抵抗として、空隙が形成されている際には、信号電極からの出射光を遮断若しくは減衰させる一方、可撓薄膜を信号電極に接触させた時のみに、信号電極からの出射光を可撓薄膜へ導光(モード結合)させ、その光を可撓薄膜において拡散させることで、可撓薄膜からの出射光の強度を制御する(光変調する)。
【0026】
図1に示すように、固定部である導光板1上には、紫外線に対して透明な一方の電極(信号電極)3を形成してある。この例としては、電子密度の高いITOなどの金属酸化物、非常に薄い金属薄膜(アルミ等)、金属微粒子を透明絶縁体に分散した薄膜、又は高濃度ドープしたワイドバンドギャップ半導体などが好適である。
【0027】
信号電極3の上には、絶縁性を有する支持部7を形成してある。支持部7には、例えばシリコン酸化物、シリコン窒化物、セラミック、樹脂等を用いることができる。支持部7の上端面には、可撓部となるダイヤフラム9を形成してある。ダイヤフラム9は、導電性を有する材料からなる。信号電極3とダイヤフラム9との間には、可撓空間(キャビティ)11が形成されている。
導電性を有する材料は、体積抵抗が1010Ωcm以下に設定されている。また、ダイヤフラム9の屈折率は、導光板1の屈折率と同等かそれ以上が好ましい。
【0028】
ダイヤフラム9の上には、光拡散層13、例えば、無機、有機透明材料の表面に凹凸を形成したもの、マイクロプリズム、マイクロレンズを形成したものや、無機、有機多孔質材料、又は屈折率の異なる微粒子を透明基材に分散したものなどを形成してある。
【0029】
光拡散層13の上には、紫外線に対して透明な他方の電極17を形成してある。例として電極3と同様の材料のものを用いることができる。ダイヤフラム9、光拡散層13、電極17は、可撓薄膜を構成している。
【0030】
導光板1とダイヤフラム9との間には可撓空間11が存在するが、この可撓空間11は支持部7の高さで略決定される。可撓空間11の高さは、例えば、0.1μmから10μm程度が好ましい。この可撓空間11は、通常、犠牲層のエッチングにより形成される。
【0031】
また、上述の構成例の他に、ダイヤフラム9と光拡散層13とを同一の材料で構成しても良い。例えば、窒化シリコン膜でダイヤフラム9を構成し、上面側の表面に凹凸を形成することによって、拡散機能を持たせることができる。この場合には、導光板1上の電極3と接触するダイヤフラム9の可撓部接触面に、既述したような導電性を有する材料からなる層を設ける。
【0032】
このように構成した光変調素子21の光変調の動作原理を説明する。
電圧OFF時、両電極3、17の電圧がゼロで、ダイヤフラム9と導光板1との間に可撓空間11(例:空気)が存在する場合、
導光板1の屈折率をnwとすると、空気との界面における全反射臨界角θcは、
θc=sin−1(nw) となる。
従って、紫外線は、界面への入射角θが、θ>θcのとき、図1に示すように、導光板1内を全反射しながら進む。
【0033】
電圧ON時、両電極3、17に電圧を印加し、ダイヤフラム9と導光板1表面とを接触又は十分な距離に近づけた場合、図2に示すように、紫外線は、ダイヤフラム9側に伝搬透過し、更に光拡散層13により拡散されて表面側に出射する。
【0034】
この実施形態による光変調素子21によれば、電圧印加によるダイヤフラム9の位置制御により、光変調を行うことができる。そして、ダイヤフラム9が導電性を有する材料からなり、ダイヤフラム9の可撓部接触面が、固定部接触面(導光板1の接触面)に対して接触・離反を繰り返しても、摩擦によって発生し帯電した電荷が徐々にディスチャージされてダイヤフラム9に蓄えられることがない。従って、静電気力によってダイヤフラム9を変位動作させる電気機械的な光変調素子の連続駆動においても、ダイヤフラム9の正常な撓みを維持することができ、光変調素子21の駆動特性における経時劣化を防止することができる。
【0035】
また、この光変調素子21では、電圧の値により、ダイヤフラム9と導光板1との間隙距離、接触面積を変化させることができる。これによって、透過光量の制御が可能となる。このような作用を利用することにより、印加電圧を可変して階調制御も可能にできる。
【0036】
次に、本発明に係る光変調素子の第二実施形態を説明する。
図3は第二実施形態の光変調部を示す断面図である。なお、以下の各実施の形態において、図1に示した部材と同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0037】
この実施の形態による光変調素子23は、ダイヤフラム24の接触面と、導光板1の接触面との双方に、導電性を有する材料層(導体)25、25が設けられている。ダイヤフラム24は、完全な絶縁体からなる。導体25、25は、それぞれが絶縁され、ダイヤフラム24の可撓によって接触することで、同電位となるようになっている。また、本実施の形態では、導体25、25同士は、ダイヤフラム24が非動作時に非接触となる。
【0038】
従って、ダイヤフラム24が導光板1に対して接触する都度、両者に設けられた導体25、25の電位が同電位となり、ダイヤフラム24に電荷チャージが発生しない。従って、この光変調素子23においても、ダイヤフラム24の正常な撓みを維持することができ、光変調素子23の駆動特性における経時劣化を防止することができる。
【0039】
なお、本実施の形態において、導体25、25は、予め電気的に接続されているものであってもよい。この場合、導体25、25同士は、ダイヤフラム24が非動作時においても接触状態となる。従って、ダイヤフラム24と導光板1との接触時又は離反時にかかわらず、両者に設けられた導体25、25の電位が等しくなり、ダイヤフラム24に電荷チャージが発生しない。従って、この光変調素子においても、可撓部の正常な撓みを維持することができ、光変調素子の駆動特性における経時劣化を防止することができる。
【0040】
また、電気的に接続された導体25、25同士は、接地されてもよい。このような構成の光変調素子によれば、導体25、25同士のみならず、他の部材に対しても導体が常に電位ゼロの安定した状態に保たれることになる。従って、この光変調素子においても、可撓部の正常な撓みを維持することができる。
【0041】
次に、本発明に係る光変調素子の第三実施形態を説明する。
図4は第三実施形態の光変調部を示す平面図、図5は図4のA−A断面図、図6は図4のB−B断面図、図7は図4に示した画素部の等価回路図である。
【0042】
上述した第一、第二実施形態の光変調素子21、23は単純マトリクス駆動を可能としたが、本発明に係る光変調素子はアクティブ駆動を行うものであってもよい。
即ち、この実施形態による光変調素子31では、画素毎に能動素子(例としてTFT)33を設けてある。TFT33は、ゲート電極35、絶縁膜37、a−Si:H層39、一方の電極(ドレイン電極)41、一方の電極(ソース電極)43から構成される。このTFT33は、基板45上に形成される。
【0043】
TFT33のソース電極43には、画素電極47が接続される。ドレイン電極41には、列毎の画像信号ライン49が接続される。ゲート電極35には、行毎の走査信号ライン51が接続される。
【0044】
画素電極47は、光変調部53にあるダイヤフラム9の上部に積層される。ダイヤフラム9は、支持部7に架橋される。また、画素電極47と対向して、基板45には他の電極(共通電極)55が設けられ、電位Vcomが印加される。
【0045】
このように構成された光変調素子31の光変調部53では、ゲート電極35に接続された走査信号ライン51にTFT33を導通させる電圧が印加される。そして、ドレイン電極41に接続された画像信号ライン49に所望の画像信号電圧が印加されると、ドレイン電極41とソース電極43とが導通する。従って、画像信号電圧が、画素電極47に印加されることになる。これにより、共通電極55の電位Vcomと画素電極47の電位との電圧により静電気応力が働き、所望の光変調を行うことができる。
【0046】
この後に他の行の走査のため、TFT33が非導通となっても上述の光変調状態は維持され、複数の行のマトリクス変調が可能となる。
【0047】
次に、本発明に係る光変調素子の第四実施形態を説明する。
可撓薄膜を電気機械動作させて光変調させる動作原理としては、ファブリペロー干渉を利用することができる。ファブリペロー干渉では、二枚の平面が向かい合わせに平行に配置された状態において、入射光線は、反射と透過を繰り返して多数の光線に分割され、これらは互いに平行となる。透過光線は、無限遠において重なり合い干渉する。面の垂線と入射光線のなす角をiとすれば、相隣る二光線間の光路差はx=nt・cosiで与えられる。但し、nは二面間の屈折率、tは間隔である。光路差xが波長λの整数倍であれば透過線は互いに強め合い、半波長の奇数倍であれば互いに打ち消し合う。即ち、反射の際の位相変化がなければ、
2nt・cosi=mλ で透過光最大となり、
2nt・cosi=(2m+1)λ/2 で透過光最小となる。但し、mは正整数である。
【0048】
即ち、光路差xが所定の値となるように、可撓薄膜を移動させることにより、信号電極側から出射される光を、光変調して可撓薄膜から出射させることが可能となる。
【0049】
このようなファブリペロー干渉を利用した光変調素子の具体例を図8〜図15を参照して説明する。
図8は第四実施形態の光変調素子を示す平面図、図9は図8のC−C断面図、図10は図8のD−D断面図、図11は図8に示した光変調素子の動作状態を説明する断面図、図12はブラックライト用低圧水銀ランプの分光特性を示す説明図、図13は光変調素子の光強度透過率を示す説明図、図14は低圧水銀ランプによるバックライトの分光特性を示す説明図、図15は光変調素子の光強度透過率を示す説明図である。
【0050】
本実施の形態では、光変調素子91が以下のように構成されている。
紫外線に対して透明な基板71上には、誘電体多層膜ミラー73を設けてある。基板71上には、誘電体多層膜ミラー73を挟んで両側に一方の電極(電極)75を一対設けてある。基板71上には、電極75の左右側(図8の左右側)に支持部7を設けてある。支持部7の上端面には、ダイヤフラム9を設けてある。誘電体多層膜ミラー73に対向するダイヤフラム9の下面には、誘電体多層膜ミラー77を設けてある。誘電体多層膜ミラー73と誘電体多層膜ミラー77との間には、可撓空間11が形成されている。ダイヤフラム9の表面には、電極75と対向するように、他方の電極(電極)79を一対設けてある。なお、図中、80はスペーサである。
【0051】
図11に示すように、板状の平面光源ユニット81の側面には、ブラックライト用紫外線ランプ(低圧水銀ランプ)83を配設してある。平面光源ユニット81は、ブラックライト用低圧水銀ランプ83からの紫外線を側面から取り入れて、表面側から出射する。
【0052】
低圧水銀ランプ83の内壁にブラックライト用の蛍光体(例えば、BaSi2O5 :Pb2+) を塗布した場合、その発光紫外線の分光特性は、図12のようになる。即ち、360nm付近に中心波長λ0を持つ。この紫外線をバックライト光として使用する。
【0053】
このように構成される光変調素子91の光変調部85において、電圧OFFのときの可撓空間11の間隔をtoff とする(図11の左側の状態)。これは素子作製時に制御可能である。また電圧を印加したとき静電気力により可撓空間11の間隔が短くなるがこれをtonとする(図11の右側の状態)。tonの制御は、印加する静電気力とダイヤフラム9が変形したとき発生する復元力のバランスで可能である。より安定な制御を行うには、変位が一定となるようにスペーサを電極上に形成してもよい。このスペーサは絶縁体の場合、その比誘電率(1以上)により、印加電圧を低減する効果がある。また、導電性の場合には、更にこの効果は大きくなる。また、電極とスペーサとは、同一材料で形成してもよい。
【0054】
ここで、ton、toff を下記のように設定する。(m=1)。
ton =1/2×λ0=180nm (λ0:紫外線の中心波長)
toff =3/4×λ0=270nm
【0055】
また、誘電体多層膜ミラー73、77は、光強度反射率をR=0.85とする。更に、可撓空間11は空気又は希ガスとし、その屈折率はn=1とする。紫外線は、コリメートされているので光変調部85に入射する入射角iは、略ゼロである。このときの光変調部85の光強度透過率は図13のようになる。従って、電圧を印加しないときはtoff =270nmであり、紫外線はほとんど透過しない。一方、電圧を印加してton=180nmとなると、紫外線は透過する。
【0056】
この光変調部85を有した光変調素子91によれば、このようにして、ダイヤフラム9を撓ませることにより、多層膜干渉効果を発生させて、紫外線の光変調を行うことができる。そして、ダイヤフラム9が導電性を有する材料からなり、ダイヤフラム9が固定部接触面(導光板1の接触面)に対して接触・離反を繰り返しても、摩擦によって発生し帯電した電荷が徐々にディスチャージされてダイヤフラム9に蓄えられることがない。従って、ダイヤフラム9を変位動作させる連続駆動においても、光変調素子91の駆動特性における経時劣化を防止することができる。
【0057】
なお、干渉の条件を満たせば、可撓空間11の間隔t、屈折率n、誘電体多層膜ミラー73、77の光強度反射率Rなどはいずれの組合せでも良い。
【0058】
また、電圧の値により、間隔tを連続的に変化させると、透過スペクトルの中心波長を任意に変化させることが可能である。これにより透過光量を連続的に制御することも可能である。即ち、印加電圧による階調制御が可能となる。
【0059】
この実施形態による光変調部85の変形例として、上述のブラックライト用低圧水銀ランプ83に代えて、低圧水銀ランプによるバックライトを用いることもできる。
即ち、低圧水銀ランプの直接発光分光特性は、254nmの線スペクトルが主な成分である。このランプを光源とし、石英ガラスなどによる導光板と組み合わせてバックライトユニットを構成する。他の波長は、フィルターなどでカットする。このとき、紫外線バックライトの分光特性は図14のようになる。
【0060】
また、光変調部において、有効画素エリアの構成材料(ダイヤフラム、誘電体多層膜ミラー、基板など)は、254nmの紫外線を透過する材料とする。
【0061】
ここで、ton、toff を下記のように設定する。(m=1)。
ton =1/2×λ0=127nm (λ0:紫外線の中心波長)
toff =3/4×λ0=191nm
【0062】
その他の条件は、上述の例と同じでR=0.85、n=1、i=0とする。このときの光変調素子の光強度透過率は図15のようになる。従って、電圧を印加しないときはtoff =191nmであり、紫外線は殆ど透過せず、電圧を印加してton=127nmになると紫外線は透過する。このようにして光変調が可能である。
【0063】
特にこの変形例の場合、紫外線は線スペクトルなので非常に高いエネルギー透過率を示し、高効率でコントラストの高い変調が可能となる。
【0064】
なお、この変形例においても、干渉の条件を満たせば、可撓空間11の間隔t、屈折率n、誘電体多層膜ミラー73、77の光強度反射率Rなどはいずれの組合せでも良い。
【0065】
また、この変形例においても、電圧の値により、間隔tを連続的に変化させると、透過スペクトルの中心波長を任意に変化させることが可能である。これにより透過光量を連続的に制御することも可能である。即ち、印加電圧による階調制御が可能となる。
【0066】
なお、上記した各実施の形態における光変調素子は、可撓薄膜が支柱等の支持部によって支持される構造の場合を例に説明したが、本発明に係る光変調素子は、図16に示すように、ダイヤフラム9が、犠牲層によって形成された可撓空間11を有して固定部接触面に対向配置されるものであってもよい。
このような構成とすることにより、支柱を用いない比較的製作容易な可撓部支持構造においても、可撓部の正常な撓みを維持することができる。
【0067】
次に、上記の光変調素子21を用いた本発明の第五実施形態に係る平面表示素子を説明する。
図17は第五実施形態に係る平面表示素子の断面図、図18は図17のE−E矢視図である。
導光板1上には帯状の透明な一方の電極(信号電極)3を、間隔を有して平行に複数並設してある。導光板1上には隣接する信号電極3同士を仕切る支柱7を形成してある。支柱7は、例えば導光板1と同質材料をエッチングすることにより形成することができる。導光板1の側面には、光源となる紫外線ランプ(低圧水銀ランプ)83を配設してあり、低圧水銀ランプ83からの光は、導光板1の表面(図17の上面)へ導かれる。
【0068】
支柱7の上端面には、信号電極3から離れた位置で透明なダイヤフラム9を接合してある。従って、信号電極3とダイヤフラム9との間には、可撓空間11が形成されている。ダイヤフラム9の上面には、信号電極3と直交する方向に長い透明な帯状の他方の電極(走査電極)17を、間隔を有して平行に複数並設してある。即ち、信号電極3と走査電極17とは、図18に示すように、相互に直交する方向に並んだ格子状に配設されている。信号電極3と走査電極17とは、所定のものを選択することで、特定の対向電極部を指定できるマトリックス電極となっている。導光板1、信号電極3、ダイヤフラム9、走査電極17は、光変調部103を構成している。
【0069】
それぞれの信号電極3と走査電極17とには電源105を接続してあり、電源105は画像情報に基づきそれぞれ所定のものに選択的に電圧が印加できるようになっている。
【0070】
このように構成される平面表示素子107は、導光板1を透明ガラス板の他、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどの樹脂フィルムにより形成することができる。
【0071】
また、信号電極3、走査電極17は、透明な導電性材料で構成される。この透明電極は、紫外線を透過する材料又は光学特性を有する。一般的には微粒子化により透明になされた金属或いは導電性を有する金属酸化物で構成される。この金属としては、金、銀、パラジウム、亜鉛、アルミニウムなどを用いることができ、金属化合物としては、酸化イリジウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウムなどを用いることができる。具体的には、SnO2 膜(ネサ膜)、ITO膜などを挙げることができる。
【0072】
信号電極3、走査電極17は、導光板1又はダイヤフラム9の表面に上述した導電性材料の薄膜を、スパッタリング法、真空蒸着法により積層し、この薄膜の表面にレジストを塗布して、露光、現像を行うことで形成できる。露光はフォトレジストの上にフォトマスクを配置し、その上から紫外線を照射して行い、現像はフォトレジストの可溶部が除去できる現像液にて処理することにより行う。
【0073】
信号電極3、走査電極17に接続される電源供給回路も、これら信号電極3及び走査電極17の形成と同時にパターン形成することができる。
【0074】
図19は図17に示した平面表示素子の動作時の状態を示す断面図である。
この平面表示素子107では、信号電極3と走査電極17との間に電源105により電圧を印加すると、静電気力によってダイヤフラム9が吸引されて可撓空間11側に撓む。これにより、導光板1からダイヤフラム9を透過して出射される光が変調されることになる。従って、画像情報に基づき、電源105の電圧をそれぞれの信号電極3と走査電極17とに選択的に印加することで、所望の表示制御が可能となる。なお、図19中108は波長選択用の色フィルターを示す。
【0075】
従って、平面表示素子107によれば、ダイヤフラム9に電荷チャージが発生しなくなり、光変調素子21の駆動特性における経時劣化が発生せず、画素抜け等のない高品位な画像を長期間にわたって表示可能になる。
【0076】
また、平面表示素子107は、電極3、17に、交流信号が印加されてもよい。つまり、ダイヤフラム9と、導光板1との双方の電極3、17に交流信号が印加され、時間と共に双方の電極の電位が正の向き又は負の向きに増大することになる。これにより、上記した光変調素子21の構成による作用とも相まって、ダイヤフラム9における電荷チャージをより確実に防止することができる。
【0077】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る光変調素子によれば、可撓部の可撓部接触面が導電性を有する材料からなるので、可撓部が固定部接触面に対して接触・離反を繰り返しても、摩擦によって発生し帯電した電荷が徐々にディスチャージされて可撓部に蓄えられることがない。これにより、光変調素子の連続駆動によっても、可撓部の正常な撓みを維持することができ、光変調素子の駆動特性における経時劣化を防止することができる。
【0078】
また、本発明に係る光変調素子によれば、可撓部接触面と、該可撓部接触面に接触する固定部接触面との双方に、導電性を有する材料からなる層が設けられているので、可撓部が固定部に対して接触する都度、両者に設けられた層(導体)の電位が同電位となり、可撓部に電荷チャージが発生しない。これにより、光変調素子の連続駆動によっても、可撓部の正常な撓みを維持することができ、光変調素子の駆動特性における経時劣化を防止することができる。
【0079】
また、本発明に係る平面表示素子によれば、光変調素子が2次元のマトリクス状に配列され、走査電極信号に従い各画素が選択され、画素電極にデータ信号が与えられて画像が表示される。そして、各画素を構成する光変調素子は、可撓部に電荷チャージが発生しないので、光変調素子の駆動特性における経時劣化が発生せず、画素抜け等のない高品位な画像を長期間にわたって表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光変調素子の第一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1に示した光変調素子の動作状態を説明する断面図である。
【図3】第二実施形態の光変調部を示す断面図である。
【図4】第三実施形態の光変調部を示す平面図である。
【図5】図4のA−A断面図である。
【図6】図4のB−B断面図である。
【図7】図4に示した画素部の等価回路図である。
【図8】第四実施形態の光変調素子を示す平面図である。
【図9】図8のC−C断面図である。
【図10】図8のD−D断面図である。
【図11】図8に示した光変調素子の動作状態を説明する断面図である。
【図12】ブラックライト用低圧水銀ランプの分光特性を示す説明図である。
【図13】光変調素子の光強度透過率を示す説明図である。
【図14】低圧水銀ランプによるバックライトの分光特性を示す説明図である。
【図15】光変調素子の光強度透過率を示す説明図である。
【図16】犠牲層によって製作されたダイヤフラムを非駆動時(a)、駆動時(b)で示した説明図である。
【図17】第五実施形態に係る平面表示素子の断面図である。
【図18】図17のE−E矢視図である。
【図19】図17に示した光変調素子の動作時の状態を示す断面図である。
【図20】従来の光変調素子のヒステリシス特性を示す図である。
【符号の説明】
3、75 固定部に設けられる電極
7 支柱(支持部)
9、24 ダイヤフラム(可撓部)
11 犠牲層によって形成された可撓空間
17、79 可撓部に設けられる電極
21、31、91 光変調素子
25 導体
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気機械動作により光の透過率を変化させる光変調素子及び平面表示素子に関し、特に、光変調素子の動作時における電荷チャージ発生の防止に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マイクロマシニングにより作製された可撓薄膜を、静電気力により機械的動作させることで光変調を行う電気機械的な光変調素子が知られている。この光変調素子としては、例えば透明な電極とダイヤフラムからなる可撓薄膜を、支持部を介して導光板上の固定電極に架設したものがある。
この光変調素子では、両電極間に所定の電圧を印加することで電極間に静電気力を発生させ、可撓薄膜を固定電極に向かって撓ませる。これに伴って素子自体の光学的特性が変化して、光変調素子に光が透過する。一方、印加電圧をゼロにすることで可撓薄膜が弾性復帰し、光変調素子は光を遮光する。このようにして光変調が行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平11−258558号公報
【0004】
ところで、可撓薄膜を静電気力によって変形させたり弾性復帰させる場合、印加電圧Vgsと可撓薄膜の変位の関係はヒステリシス特性を示す。従って、印加電圧Vgsと光透過率Tとの関係も図20に示すようにヒステリシス特性を示すことになる。
このヒステリシス特性によれば、光変調要素がOFF(光遮蔽)の状態では、VgsがVth(L) 以下でOFF状態を維持し、VgsがVth(H) 以上になるとON状態を維持する。そして、光変調要素は、VgsがVs(H)以上でON状態を維持したままとなり、Vs(L)以下となるとOFF状態に飽和する。尚、Vgsの極性が負の場合は、正極性の縦軸対称の特性となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の光変調素子は、可動部である可撓薄膜が、絶縁材料からなり、且つこの可撓薄膜が絶縁性を有する支持部によって架設されているため、可撓薄膜が撓みにより可動されると、固定電極を覆う絶縁層の固定部接触面に接触し、光変調素子の連続駆動により、可撓薄膜が固定部接触面に対して接触・離反を繰り返すと、電気的に絶縁状態となっている可撓薄膜には電荷チャージが発生する。
この電荷チャージは、可撓薄膜の正常な撓みを阻害する等して、光変調素子の駆動特性を経時劣化させる要因となった。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、静電気力により電気機械的動作をさせる光変調素子の可動部における電荷チャージの発生を低減し、もって、駆動特性の経時劣化防止を図ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る請求項1記載の光変調素子は、静電気力による可撓部の変位動作と、該可撓部の弾性復帰動作とにより該可撓部を通過する光の変調を行う電気機械的な光変調素子において、前記可撓部の可撓部接触面が導電性を有する材料からなることを特徴とする。
【0007】
この光変調素子では、可撓部の可撓部接触面が導電性を有する材料からなり、可撓部が固定部接触面に対して接触・離反を繰り返しても、摩擦によって発生し帯電した電荷が徐々にディスチャージされて可撓部に蓄えられることがない。従って、静電気力によって可撓部を変位動作させる電気機械的な光変調素子の連続駆動において、可撓部の正常な撓みを維持することができ、光変調素子の駆動特性における経時劣化が防止されることになる。
【0008】
請求項2記載の光変調素子は、静電気力による可撓部の変位動作と、該可撓部の弾性復帰動作とにより該可撓部を通過する光の変調を行う電気機械的な光変調素子において、可撓部接触面と、該可撓部接触面に接触する固定部接触面との双方に、導電性を有する材料の層が設けられたことを特徴とする。
【0009】
この光変調素子では、可撓部接触面と、可撓部接触面に接触する固定部接触面との双方に、導電性を有する材料の層が設けられ、可撓部が固定部に対して接触する都度、両者に設けられた材料の層の電位が同電位となり、可撓部に電荷チャージが発生しない。従って、この光変調素子においても、可撓部の正常な撓みを維持することができ、光変調素子の駆動特性における経時劣化が防止されることになる。
【0010】
請求項3記載の光変調素子は、前記導電性を有する材料は、体積抵抗が1010Ωcm以下であることを特徴とする。
【0011】
この光変調素子では、導電性を有する材料は、体積抵抗が1010Ωcm以下であり、可撓部が固定部に対して繰り返し接触しても、可撓部に電荷が蓄えられることなく、電荷チャージが発生しない。
【0012】
請求項4記載の光変調素子は、前記可撓部接触面と前記固定部接触面とに設けられた導電性を有する材料の層(導体)同士が、電気的に接続されていることを特徴とする。
【0013】
この光変調素子では、可撓部接触面と前記固定部接触面とに設けられた導体同士が、予め電気的に接続された状態となり、可撓部接触面と固定部接触面との接触時又は離反時にかかわらず、両者に設けられた導体の電位が等しくなり、可撓部に電荷チャージが発生しない。従って、この光変調素子においても、可撓部の正常な撓みを維持することができ、光変調素子の駆動特性における経時劣化が防止される。
【0014】
請求項5記載の光変調素子は、電気的に接続された前記導体同士が、接地されていることを特徴とする。
【0015】
この光変調素子では、予め電気的に接続された可撓部接触面と固定部接触面とに設けられた導体同士が接地され、導体同士のみならず、他の部材に対しても導体同士が常に電位ゼロの安定した状態に保たれることになる。従って、この光変調素子においても、可撓部の正常な撓みを維持することができ、光変調素子の駆動特性における経時劣化が防止される。
【0016】
請求項6記載の光変調素子は、前記可撓部が、絶縁性を有する支持部によって架設されていることを特徴とする。
【0017】
この光変調素子では、可撓部が絶縁性を有する支持部によって架設されるが、請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の構成をとることにより、絶縁性を有する支持部によって架設されても、上記した作用により可撓部に電荷チャージが蓄えられることがない。つまり、支持部を用いた可撓部支持構造においても、可撓部の正常な撓みが維持できる。
【0018】
請求項7記載の光変調素子は、前記可撓部が、犠牲層によって形成された可撓空間を隔てて固定部接触面に対向配置されていることを特徴とする。
【0019】
この光変調素子では、可撓部が犠牲層によって形成された可撓空間を有して固定部接触面に対向配置されるが、請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の構成をとることにより、上記した作用により可撓部に電荷チャージが蓄えられることがない。つまり、支持部を用いない比較的製作容易な可撓部支持構造においても、可撓部の正常な撓みが維持できる。
【0020】
請求項8記載の平面表示素子は、請求項1〜請求項7のいずれか1項記載の光変調素子を2次元のマトリクス状に配列し、前記可撓部に設けられる電極と、固定部に設けられる電極とのいずれか一方の電極に、走査信号を印加して各画素を選択し、いずれか他方の電極に、画像信号を印加して各光変調素子を駆動することを特徴とする。
【0021】
この平面表示素子では、光変調素子が2次元のマトリクス状に配列され、走査電極信号に従い各画素が選択され、画素電極にデータ信号が与えられて画像が表示される。そして、各画素を構成する光変調素子が、請求項1〜請求項7のいずれか1項記載の構成をとることにより、可撓部に電荷チャージが蓄えられなくなる。これにより、光変調素子の駆動特性における経時劣化が発生せず、画素抜け等のない高品位な画像が長期間にわたって表示可能になる。
【0022】
請求項9記載の平面表示素子は、前記電極に、交流信号が印加されることを特徴とする。
【0023】
この平面表示素子では、可撓部と、固定部接触面との双方の電極に交流信号が印加され、時間と共に双方の電極の電位が正の向き又は負の向きに増大することになる。これにより、請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の構成による作用とも相まって、可撓部に電荷チャージが蓄えられなくなり、光変調素子の駆動特性における経時劣化が発生せず、画素抜け等のない高品位な画像が長期間にわたって表示可能になる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る光変調素子及び平面表示素子の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る光変調素子の第一実施形態を示す断面図、図2は図1に示した光変調素子の動作状態を説明する断面図である。
【0025】
可撓部である可撓薄膜を電気機械動作させて光変調させる動作原理としては、可撓薄膜と透明な信号電極とを離反又は接触させることによる導光拡散作用(以下、導光拡散と称する。)を利用することができる。導光拡散では、空隙を光の透過抵抗として、空隙が形成されている際には、信号電極からの出射光を遮断若しくは減衰させる一方、可撓薄膜を信号電極に接触させた時のみに、信号電極からの出射光を可撓薄膜へ導光(モード結合)させ、その光を可撓薄膜において拡散させることで、可撓薄膜からの出射光の強度を制御する(光変調する)。
【0026】
図1に示すように、固定部である導光板1上には、紫外線に対して透明な一方の電極(信号電極)3を形成してある。この例としては、電子密度の高いITOなどの金属酸化物、非常に薄い金属薄膜(アルミ等)、金属微粒子を透明絶縁体に分散した薄膜、又は高濃度ドープしたワイドバンドギャップ半導体などが好適である。
【0027】
信号電極3の上には、絶縁性を有する支持部7を形成してある。支持部7には、例えばシリコン酸化物、シリコン窒化物、セラミック、樹脂等を用いることができる。支持部7の上端面には、可撓部となるダイヤフラム9を形成してある。ダイヤフラム9は、導電性を有する材料からなる。信号電極3とダイヤフラム9との間には、可撓空間(キャビティ)11が形成されている。
導電性を有する材料は、体積抵抗が1010Ωcm以下に設定されている。また、ダイヤフラム9の屈折率は、導光板1の屈折率と同等かそれ以上が好ましい。
【0028】
ダイヤフラム9の上には、光拡散層13、例えば、無機、有機透明材料の表面に凹凸を形成したもの、マイクロプリズム、マイクロレンズを形成したものや、無機、有機多孔質材料、又は屈折率の異なる微粒子を透明基材に分散したものなどを形成してある。
【0029】
光拡散層13の上には、紫外線に対して透明な他方の電極17を形成してある。例として電極3と同様の材料のものを用いることができる。ダイヤフラム9、光拡散層13、電極17は、可撓薄膜を構成している。
【0030】
導光板1とダイヤフラム9との間には可撓空間11が存在するが、この可撓空間11は支持部7の高さで略決定される。可撓空間11の高さは、例えば、0.1μmから10μm程度が好ましい。この可撓空間11は、通常、犠牲層のエッチングにより形成される。
【0031】
また、上述の構成例の他に、ダイヤフラム9と光拡散層13とを同一の材料で構成しても良い。例えば、窒化シリコン膜でダイヤフラム9を構成し、上面側の表面に凹凸を形成することによって、拡散機能を持たせることができる。この場合には、導光板1上の電極3と接触するダイヤフラム9の可撓部接触面に、既述したような導電性を有する材料からなる層を設ける。
【0032】
このように構成した光変調素子21の光変調の動作原理を説明する。
電圧OFF時、両電極3、17の電圧がゼロで、ダイヤフラム9と導光板1との間に可撓空間11(例:空気)が存在する場合、
導光板1の屈折率をnwとすると、空気との界面における全反射臨界角θcは、
θc=sin−1(nw) となる。
従って、紫外線は、界面への入射角θが、θ>θcのとき、図1に示すように、導光板1内を全反射しながら進む。
【0033】
電圧ON時、両電極3、17に電圧を印加し、ダイヤフラム9と導光板1表面とを接触又は十分な距離に近づけた場合、図2に示すように、紫外線は、ダイヤフラム9側に伝搬透過し、更に光拡散層13により拡散されて表面側に出射する。
【0034】
この実施形態による光変調素子21によれば、電圧印加によるダイヤフラム9の位置制御により、光変調を行うことができる。そして、ダイヤフラム9が導電性を有する材料からなり、ダイヤフラム9の可撓部接触面が、固定部接触面(導光板1の接触面)に対して接触・離反を繰り返しても、摩擦によって発生し帯電した電荷が徐々にディスチャージされてダイヤフラム9に蓄えられることがない。従って、静電気力によってダイヤフラム9を変位動作させる電気機械的な光変調素子の連続駆動においても、ダイヤフラム9の正常な撓みを維持することができ、光変調素子21の駆動特性における経時劣化を防止することができる。
【0035】
また、この光変調素子21では、電圧の値により、ダイヤフラム9と導光板1との間隙距離、接触面積を変化させることができる。これによって、透過光量の制御が可能となる。このような作用を利用することにより、印加電圧を可変して階調制御も可能にできる。
【0036】
次に、本発明に係る光変調素子の第二実施形態を説明する。
図3は第二実施形態の光変調部を示す断面図である。なお、以下の各実施の形態において、図1に示した部材と同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0037】
この実施の形態による光変調素子23は、ダイヤフラム24の接触面と、導光板1の接触面との双方に、導電性を有する材料層(導体)25、25が設けられている。ダイヤフラム24は、完全な絶縁体からなる。導体25、25は、それぞれが絶縁され、ダイヤフラム24の可撓によって接触することで、同電位となるようになっている。また、本実施の形態では、導体25、25同士は、ダイヤフラム24が非動作時に非接触となる。
【0038】
従って、ダイヤフラム24が導光板1に対して接触する都度、両者に設けられた導体25、25の電位が同電位となり、ダイヤフラム24に電荷チャージが発生しない。従って、この光変調素子23においても、ダイヤフラム24の正常な撓みを維持することができ、光変調素子23の駆動特性における経時劣化を防止することができる。
【0039】
なお、本実施の形態において、導体25、25は、予め電気的に接続されているものであってもよい。この場合、導体25、25同士は、ダイヤフラム24が非動作時においても接触状態となる。従って、ダイヤフラム24と導光板1との接触時又は離反時にかかわらず、両者に設けられた導体25、25の電位が等しくなり、ダイヤフラム24に電荷チャージが発生しない。従って、この光変調素子においても、可撓部の正常な撓みを維持することができ、光変調素子の駆動特性における経時劣化を防止することができる。
【0040】
また、電気的に接続された導体25、25同士は、接地されてもよい。このような構成の光変調素子によれば、導体25、25同士のみならず、他の部材に対しても導体が常に電位ゼロの安定した状態に保たれることになる。従って、この光変調素子においても、可撓部の正常な撓みを維持することができる。
【0041】
次に、本発明に係る光変調素子の第三実施形態を説明する。
図4は第三実施形態の光変調部を示す平面図、図5は図4のA−A断面図、図6は図4のB−B断面図、図7は図4に示した画素部の等価回路図である。
【0042】
上述した第一、第二実施形態の光変調素子21、23は単純マトリクス駆動を可能としたが、本発明に係る光変調素子はアクティブ駆動を行うものであってもよい。
即ち、この実施形態による光変調素子31では、画素毎に能動素子(例としてTFT)33を設けてある。TFT33は、ゲート電極35、絶縁膜37、a−Si:H層39、一方の電極(ドレイン電極)41、一方の電極(ソース電極)43から構成される。このTFT33は、基板45上に形成される。
【0043】
TFT33のソース電極43には、画素電極47が接続される。ドレイン電極41には、列毎の画像信号ライン49が接続される。ゲート電極35には、行毎の走査信号ライン51が接続される。
【0044】
画素電極47は、光変調部53にあるダイヤフラム9の上部に積層される。ダイヤフラム9は、支持部7に架橋される。また、画素電極47と対向して、基板45には他の電極(共通電極)55が設けられ、電位Vcomが印加される。
【0045】
このように構成された光変調素子31の光変調部53では、ゲート電極35に接続された走査信号ライン51にTFT33を導通させる電圧が印加される。そして、ドレイン電極41に接続された画像信号ライン49に所望の画像信号電圧が印加されると、ドレイン電極41とソース電極43とが導通する。従って、画像信号電圧が、画素電極47に印加されることになる。これにより、共通電極55の電位Vcomと画素電極47の電位との電圧により静電気応力が働き、所望の光変調を行うことができる。
【0046】
この後に他の行の走査のため、TFT33が非導通となっても上述の光変調状態は維持され、複数の行のマトリクス変調が可能となる。
【0047】
次に、本発明に係る光変調素子の第四実施形態を説明する。
可撓薄膜を電気機械動作させて光変調させる動作原理としては、ファブリペロー干渉を利用することができる。ファブリペロー干渉では、二枚の平面が向かい合わせに平行に配置された状態において、入射光線は、反射と透過を繰り返して多数の光線に分割され、これらは互いに平行となる。透過光線は、無限遠において重なり合い干渉する。面の垂線と入射光線のなす角をiとすれば、相隣る二光線間の光路差はx=nt・cosiで与えられる。但し、nは二面間の屈折率、tは間隔である。光路差xが波長λの整数倍であれば透過線は互いに強め合い、半波長の奇数倍であれば互いに打ち消し合う。即ち、反射の際の位相変化がなければ、
2nt・cosi=mλ で透過光最大となり、
2nt・cosi=(2m+1)λ/2 で透過光最小となる。但し、mは正整数である。
【0048】
即ち、光路差xが所定の値となるように、可撓薄膜を移動させることにより、信号電極側から出射される光を、光変調して可撓薄膜から出射させることが可能となる。
【0049】
このようなファブリペロー干渉を利用した光変調素子の具体例を図8〜図15を参照して説明する。
図8は第四実施形態の光変調素子を示す平面図、図9は図8のC−C断面図、図10は図8のD−D断面図、図11は図8に示した光変調素子の動作状態を説明する断面図、図12はブラックライト用低圧水銀ランプの分光特性を示す説明図、図13は光変調素子の光強度透過率を示す説明図、図14は低圧水銀ランプによるバックライトの分光特性を示す説明図、図15は光変調素子の光強度透過率を示す説明図である。
【0050】
本実施の形態では、光変調素子91が以下のように構成されている。
紫外線に対して透明な基板71上には、誘電体多層膜ミラー73を設けてある。基板71上には、誘電体多層膜ミラー73を挟んで両側に一方の電極(電極)75を一対設けてある。基板71上には、電極75の左右側(図8の左右側)に支持部7を設けてある。支持部7の上端面には、ダイヤフラム9を設けてある。誘電体多層膜ミラー73に対向するダイヤフラム9の下面には、誘電体多層膜ミラー77を設けてある。誘電体多層膜ミラー73と誘電体多層膜ミラー77との間には、可撓空間11が形成されている。ダイヤフラム9の表面には、電極75と対向するように、他方の電極(電極)79を一対設けてある。なお、図中、80はスペーサである。
【0051】
図11に示すように、板状の平面光源ユニット81の側面には、ブラックライト用紫外線ランプ(低圧水銀ランプ)83を配設してある。平面光源ユニット81は、ブラックライト用低圧水銀ランプ83からの紫外線を側面から取り入れて、表面側から出射する。
【0052】
低圧水銀ランプ83の内壁にブラックライト用の蛍光体(例えば、BaSi2O5 :Pb2+) を塗布した場合、その発光紫外線の分光特性は、図12のようになる。即ち、360nm付近に中心波長λ0を持つ。この紫外線をバックライト光として使用する。
【0053】
このように構成される光変調素子91の光変調部85において、電圧OFFのときの可撓空間11の間隔をtoff とする(図11の左側の状態)。これは素子作製時に制御可能である。また電圧を印加したとき静電気力により可撓空間11の間隔が短くなるがこれをtonとする(図11の右側の状態)。tonの制御は、印加する静電気力とダイヤフラム9が変形したとき発生する復元力のバランスで可能である。より安定な制御を行うには、変位が一定となるようにスペーサを電極上に形成してもよい。このスペーサは絶縁体の場合、その比誘電率(1以上)により、印加電圧を低減する効果がある。また、導電性の場合には、更にこの効果は大きくなる。また、電極とスペーサとは、同一材料で形成してもよい。
【0054】
ここで、ton、toff を下記のように設定する。(m=1)。
ton =1/2×λ0=180nm (λ0:紫外線の中心波長)
toff =3/4×λ0=270nm
【0055】
また、誘電体多層膜ミラー73、77は、光強度反射率をR=0.85とする。更に、可撓空間11は空気又は希ガスとし、その屈折率はn=1とする。紫外線は、コリメートされているので光変調部85に入射する入射角iは、略ゼロである。このときの光変調部85の光強度透過率は図13のようになる。従って、電圧を印加しないときはtoff =270nmであり、紫外線はほとんど透過しない。一方、電圧を印加してton=180nmとなると、紫外線は透過する。
【0056】
この光変調部85を有した光変調素子91によれば、このようにして、ダイヤフラム9を撓ませることにより、多層膜干渉効果を発生させて、紫外線の光変調を行うことができる。そして、ダイヤフラム9が導電性を有する材料からなり、ダイヤフラム9が固定部接触面(導光板1の接触面)に対して接触・離反を繰り返しても、摩擦によって発生し帯電した電荷が徐々にディスチャージされてダイヤフラム9に蓄えられることがない。従って、ダイヤフラム9を変位動作させる連続駆動においても、光変調素子91の駆動特性における経時劣化を防止することができる。
【0057】
なお、干渉の条件を満たせば、可撓空間11の間隔t、屈折率n、誘電体多層膜ミラー73、77の光強度反射率Rなどはいずれの組合せでも良い。
【0058】
また、電圧の値により、間隔tを連続的に変化させると、透過スペクトルの中心波長を任意に変化させることが可能である。これにより透過光量を連続的に制御することも可能である。即ち、印加電圧による階調制御が可能となる。
【0059】
この実施形態による光変調部85の変形例として、上述のブラックライト用低圧水銀ランプ83に代えて、低圧水銀ランプによるバックライトを用いることもできる。
即ち、低圧水銀ランプの直接発光分光特性は、254nmの線スペクトルが主な成分である。このランプを光源とし、石英ガラスなどによる導光板と組み合わせてバックライトユニットを構成する。他の波長は、フィルターなどでカットする。このとき、紫外線バックライトの分光特性は図14のようになる。
【0060】
また、光変調部において、有効画素エリアの構成材料(ダイヤフラム、誘電体多層膜ミラー、基板など)は、254nmの紫外線を透過する材料とする。
【0061】
ここで、ton、toff を下記のように設定する。(m=1)。
ton =1/2×λ0=127nm (λ0:紫外線の中心波長)
toff =3/4×λ0=191nm
【0062】
その他の条件は、上述の例と同じでR=0.85、n=1、i=0とする。このときの光変調素子の光強度透過率は図15のようになる。従って、電圧を印加しないときはtoff =191nmであり、紫外線は殆ど透過せず、電圧を印加してton=127nmになると紫外線は透過する。このようにして光変調が可能である。
【0063】
特にこの変形例の場合、紫外線は線スペクトルなので非常に高いエネルギー透過率を示し、高効率でコントラストの高い変調が可能となる。
【0064】
なお、この変形例においても、干渉の条件を満たせば、可撓空間11の間隔t、屈折率n、誘電体多層膜ミラー73、77の光強度反射率Rなどはいずれの組合せでも良い。
【0065】
また、この変形例においても、電圧の値により、間隔tを連続的に変化させると、透過スペクトルの中心波長を任意に変化させることが可能である。これにより透過光量を連続的に制御することも可能である。即ち、印加電圧による階調制御が可能となる。
【0066】
なお、上記した各実施の形態における光変調素子は、可撓薄膜が支柱等の支持部によって支持される構造の場合を例に説明したが、本発明に係る光変調素子は、図16に示すように、ダイヤフラム9が、犠牲層によって形成された可撓空間11を有して固定部接触面に対向配置されるものであってもよい。
このような構成とすることにより、支柱を用いない比較的製作容易な可撓部支持構造においても、可撓部の正常な撓みを維持することができる。
【0067】
次に、上記の光変調素子21を用いた本発明の第五実施形態に係る平面表示素子を説明する。
図17は第五実施形態に係る平面表示素子の断面図、図18は図17のE−E矢視図である。
導光板1上には帯状の透明な一方の電極(信号電極)3を、間隔を有して平行に複数並設してある。導光板1上には隣接する信号電極3同士を仕切る支柱7を形成してある。支柱7は、例えば導光板1と同質材料をエッチングすることにより形成することができる。導光板1の側面には、光源となる紫外線ランプ(低圧水銀ランプ)83を配設してあり、低圧水銀ランプ83からの光は、導光板1の表面(図17の上面)へ導かれる。
【0068】
支柱7の上端面には、信号電極3から離れた位置で透明なダイヤフラム9を接合してある。従って、信号電極3とダイヤフラム9との間には、可撓空間11が形成されている。ダイヤフラム9の上面には、信号電極3と直交する方向に長い透明な帯状の他方の電極(走査電極)17を、間隔を有して平行に複数並設してある。即ち、信号電極3と走査電極17とは、図18に示すように、相互に直交する方向に並んだ格子状に配設されている。信号電極3と走査電極17とは、所定のものを選択することで、特定の対向電極部を指定できるマトリックス電極となっている。導光板1、信号電極3、ダイヤフラム9、走査電極17は、光変調部103を構成している。
【0069】
それぞれの信号電極3と走査電極17とには電源105を接続してあり、電源105は画像情報に基づきそれぞれ所定のものに選択的に電圧が印加できるようになっている。
【0070】
このように構成される平面表示素子107は、導光板1を透明ガラス板の他、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどの樹脂フィルムにより形成することができる。
【0071】
また、信号電極3、走査電極17は、透明な導電性材料で構成される。この透明電極は、紫外線を透過する材料又は光学特性を有する。一般的には微粒子化により透明になされた金属或いは導電性を有する金属酸化物で構成される。この金属としては、金、銀、パラジウム、亜鉛、アルミニウムなどを用いることができ、金属化合物としては、酸化イリジウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウムなどを用いることができる。具体的には、SnO2 膜(ネサ膜)、ITO膜などを挙げることができる。
【0072】
信号電極3、走査電極17は、導光板1又はダイヤフラム9の表面に上述した導電性材料の薄膜を、スパッタリング法、真空蒸着法により積層し、この薄膜の表面にレジストを塗布して、露光、現像を行うことで形成できる。露光はフォトレジストの上にフォトマスクを配置し、その上から紫外線を照射して行い、現像はフォトレジストの可溶部が除去できる現像液にて処理することにより行う。
【0073】
信号電極3、走査電極17に接続される電源供給回路も、これら信号電極3及び走査電極17の形成と同時にパターン形成することができる。
【0074】
図19は図17に示した平面表示素子の動作時の状態を示す断面図である。
この平面表示素子107では、信号電極3と走査電極17との間に電源105により電圧を印加すると、静電気力によってダイヤフラム9が吸引されて可撓空間11側に撓む。これにより、導光板1からダイヤフラム9を透過して出射される光が変調されることになる。従って、画像情報に基づき、電源105の電圧をそれぞれの信号電極3と走査電極17とに選択的に印加することで、所望の表示制御が可能となる。なお、図19中108は波長選択用の色フィルターを示す。
【0075】
従って、平面表示素子107によれば、ダイヤフラム9に電荷チャージが発生しなくなり、光変調素子21の駆動特性における経時劣化が発生せず、画素抜け等のない高品位な画像を長期間にわたって表示可能になる。
【0076】
また、平面表示素子107は、電極3、17に、交流信号が印加されてもよい。つまり、ダイヤフラム9と、導光板1との双方の電極3、17に交流信号が印加され、時間と共に双方の電極の電位が正の向き又は負の向きに増大することになる。これにより、上記した光変調素子21の構成による作用とも相まって、ダイヤフラム9における電荷チャージをより確実に防止することができる。
【0077】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る光変調素子によれば、可撓部の可撓部接触面が導電性を有する材料からなるので、可撓部が固定部接触面に対して接触・離反を繰り返しても、摩擦によって発生し帯電した電荷が徐々にディスチャージされて可撓部に蓄えられることがない。これにより、光変調素子の連続駆動によっても、可撓部の正常な撓みを維持することができ、光変調素子の駆動特性における経時劣化を防止することができる。
【0078】
また、本発明に係る光変調素子によれば、可撓部接触面と、該可撓部接触面に接触する固定部接触面との双方に、導電性を有する材料からなる層が設けられているので、可撓部が固定部に対して接触する都度、両者に設けられた層(導体)の電位が同電位となり、可撓部に電荷チャージが発生しない。これにより、光変調素子の連続駆動によっても、可撓部の正常な撓みを維持することができ、光変調素子の駆動特性における経時劣化を防止することができる。
【0079】
また、本発明に係る平面表示素子によれば、光変調素子が2次元のマトリクス状に配列され、走査電極信号に従い各画素が選択され、画素電極にデータ信号が与えられて画像が表示される。そして、各画素を構成する光変調素子は、可撓部に電荷チャージが発生しないので、光変調素子の駆動特性における経時劣化が発生せず、画素抜け等のない高品位な画像を長期間にわたって表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光変調素子の第一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1に示した光変調素子の動作状態を説明する断面図である。
【図3】第二実施形態の光変調部を示す断面図である。
【図4】第三実施形態の光変調部を示す平面図である。
【図5】図4のA−A断面図である。
【図6】図4のB−B断面図である。
【図7】図4に示した画素部の等価回路図である。
【図8】第四実施形態の光変調素子を示す平面図である。
【図9】図8のC−C断面図である。
【図10】図8のD−D断面図である。
【図11】図8に示した光変調素子の動作状態を説明する断面図である。
【図12】ブラックライト用低圧水銀ランプの分光特性を示す説明図である。
【図13】光変調素子の光強度透過率を示す説明図である。
【図14】低圧水銀ランプによるバックライトの分光特性を示す説明図である。
【図15】光変調素子の光強度透過率を示す説明図である。
【図16】犠牲層によって製作されたダイヤフラムを非駆動時(a)、駆動時(b)で示した説明図である。
【図17】第五実施形態に係る平面表示素子の断面図である。
【図18】図17のE−E矢視図である。
【図19】図17に示した光変調素子の動作時の状態を示す断面図である。
【図20】従来の光変調素子のヒステリシス特性を示す図である。
【符号の説明】
3、75 固定部に設けられる電極
7 支柱(支持部)
9、24 ダイヤフラム(可撓部)
11 犠牲層によって形成された可撓空間
17、79 可撓部に設けられる電極
21、31、91 光変調素子
25 導体
Claims (9)
- 静電気力による可撓部の変位動作と、該可撓部の弾性復帰動作とにより該可撓部を通過する光の変調を行う電気機械的な光変調素子において、
前記可撓部の可撓部接触面が導電性を有する材料からなることを特徴とする光変調素子。 - 静電気力による可撓部の変位動作と、該可撓部の弾性復帰動作とにより該可撓部を通過する光の変調を行う電気機械的な光変調素子において、
可撓部接触面と、該可撓部接触面に接触する固定部接触面との双方に、導電性を有する材料の層が設けられたことを特徴とする光変調素子。 - 前記導電性を有する材料は、体積抵抗が1010Ωcm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の光変調素子。
- 前記可撓部接触面と前記固定部接触面とに設けられた導電性を有する材料の層(導体)同士が、電気的に接続されていることを特徴とする請求項2記載の光変調素子。
- 電気的に接続された前記導体同士が、接地されていることを特徴とする請求項4記載の光変調素子。
- 前記可撓部が、絶縁性を有する支持部によって架設されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の光変調素子。
- 前記可撓部が、犠牲層によって形成された可撓空間を隔てて固定部接触面に対向配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の光変調素子。
- 請求項1〜請求項7のいずれか1項記載の光変調素子を2次元のマトリクス状に配列し、前記可撓部に設けられる電極と、固定部に設けられる電極とのいずれか一方の電極に、走査信号を印加して各画素を選択し、いずれか他方の電極に、画像信号を印加して各光変調素子を駆動することを特徴とする平面表示素子。
- 前記電極に、交流信号が印加されることを特徴とする請求項8記載の平面表示素子。
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