JP2004212201A - モータ巻線の地絡検出装置、モータ駆動装置、ステージ装置、露光装置、及び半導体デバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】モータを実際に作動させない状態でモータの巻線の地絡を検出することができる地絡検出装置を提供する。
【解決手段】PWM制御回路21は、U相PWM駆動増幅器22U、V相PWM駆動増幅器22V、W相PWM駆動増幅器22WからU相コイル23U、V相コイル23V、W相コイル23Wへの給電を停止すると共に、地絡検出用リレー27のコイルを無励磁とする。すると、接点27U、27V、27Wの接続が図に示すような状態となり、発振器26からの出力電圧が、U相コイル23U、V相コイル23V、W相コイル23Wに同時に印加される。U相コイル23U、V相コイル23V、W相コイル23Wのいずれかで地絡が発生すると、地絡しているコイルに電流が流れて、零相電流検出器24にこの電流に応じた電圧が発生する。
【選択図】 図1
【解決手段】PWM制御回路21は、U相PWM駆動増幅器22U、V相PWM駆動増幅器22V、W相PWM駆動増幅器22WからU相コイル23U、V相コイル23V、W相コイル23Wへの給電を停止すると共に、地絡検出用リレー27のコイルを無励磁とする。すると、接点27U、27V、27Wの接続が図に示すような状態となり、発振器26からの出力電圧が、U相コイル23U、V相コイル23V、W相コイル23Wに同時に印加される。U相コイル23U、V相コイル23V、W相コイル23Wのいずれかで地絡が発生すると、地絡しているコイルに電流が流れて、零相電流検出器24にこの電流に応じた電圧が発生する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータ巻線の地絡検出装置、モータ駆動装置、ステージ装置、露光装置、及び半導体デバイスの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造工程においては、レチクル上に形成された所定の回路パターンをウエハに露光転写するリソグラフィ工程が含まれる。この露光転写には露光装置が使用される。露光装置においては、レチクルとウエハをそれぞれレチクルステージ、ウエハステージに固定し、これらレチクルステージ、ウエハステージをリニアモータにより同期して駆動しながら、露光転写を行うことが行われている。
【0003】
レチクルステージ駆動系及びウエハステージ駆動系は、単電源を駆動電源として各リニアモータをそれぞれ駆動するモータ駆動装置を搭載する。このような投影露光装置におけるモータ駆動の例については、例えば特開2002−136177号公報に記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−136177号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなステージ駆動用のモータを初め、他の3相巻線を有するモータにおいても、その巻線がケース等に地絡することがある。このような地絡が発生したことを検出し、電源を遮断するために、漏電遮断器が設けられる場合がある。漏電遮断器は周知のものであるが、各巻線に給電される電流の和(符号を考慮したもので、通常零相電流と呼ばれる)を検出し、それが所定の値を超えた場合に給電を停止するものである。このような漏電遮断器は、モータが作動している状態において発生した地絡を検出するのには有効な手段である。
【0006】
しかしながら、地絡は、保守点検等の、モータが作動していない状態においても発生することがある。このような場合には、モータを作動させる前に、稼働時のような大きな電流を流すことなく地絡を検出することが好ましい。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、モータを実際に作動させない状態でモータの巻線の地絡を検出することができるモータ巻線の地絡検出装置、この地絡検出装置を有するモータ駆動装置、ステージ装置、露光装置、さらには、この露光装置を使用した半導体デバイスの製造方法を提供することを課題とする
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の手段は、3相巻線を有するモータの巻線の地絡を検出する装置であって、前記巻線を流れる電流のうち零相電流を検出する零相電流検出器と、前記3相の巻線に同相の交流電圧を印加する電源装置と、当該電源装置から交流電圧を印加したときに前記零相電流検出器により検出された零相電流が閾値を超えたことを判定する判定装置とを有することを特徴とするモータ巻線の地絡検出装置(請求項1)である。
【0009】
本手段においては、モータを駆動する電源と別の電源を有し、この電源から3相の巻線に同相の交流電圧を印加する。なお、地絡を検出するためには単相の交流で十分である。また、地絡検出用としては、モータに力が発生しない程度の高い周波数で駆動することが望ましい。また、流す電流は少ない電流で十分である。このような構成にすれば、巻線に地絡が無ければ、零相電流検出器の検出電流は0となる。もし、どれかの巻線が地絡していると、零相電流検出器の検出電流が0でなくなる。判定装置は、この検出電流が閾値を超えたとき、地絡が発生していると判定する。この場合、電流が流れても、各巻線に印加される電圧が同相であるので、モータは駆動されない。
【0010】
本手段によれば、モータを実際に作動させない状態でモータの巻線の地絡を検出することができる。
一般に地絡が起きると大きな電流が流れるので、地絡検出用の電源装置の電圧は、モータ駆動用電源装置の電圧に比べて小さなものでよい。
【0011】
前記課題を解決するための第2の手段は、3相巻線を有するモータの巻線の地絡を検出する装置であって、前記3相の巻線に直流電圧を印加する電源装置と、当該電源装置から直流電圧を印加したときに前記電源装置から流出する電流の和が閾値を超えたことを判定する判定装置とを有することを特徴とするモータ巻線の地絡検出装置(請求項2)である。
【0012】
本手段は、地絡検出のために巻線に印加する電圧が直流である点が前記第1の手段と異なっているのみで、その作用は同じである。電源装置から流出する電流(符号付き、マイナスのときは流入)を検出する装置として、零相電流検出器が設けられている場合はそれを使用することができる。しかし、前記第1の手段においては、零相電流検出器として一般に使用されているコイル(CT)を使用したのに対し、本手段においては、電源から流れる電流を検出するだけでよい。地絡が発生すると、抵抗が非常に小さくなるため、地絡検出用の電源は小さなものでよい。このため、モータにはほとんど力を発生することはない。
【0013】
前記課題を解決するための第3の手段は、前記第1の手段又は第2の手段であって、前記電源装置には、それから流出する電流を制限する電流制限装置が付属されていることを特徴とするもの(請求項3)である。
【0014】
実際に地絡が発生した場合、巻線に電圧を印加すると大電流が流れ、電源装置を破損したり、巻線のダメージをさらに大きくしたりすることがある。本手段においては、電流制限装置が設けられているので、このような事態の発生を防止することができる。なお、電流制限装置としては、周知のものが使用できるほか、単に抵抗を直列につなぐだけでもよい。
【0015】
前記課題を解決するための第4の手段は、モータへの給電を制御することによってモータを駆動するモータ駆動装置であって、前記第1から第3の手段のいずれかであるモータ巻線の地絡検出装置を備えることを特徴とするモータ駆動装置(請求項4)である。
【0016】
前記課題を解決するための第5の手段は、移動対象物を搭載するステージと、前記移動対象物を移動させるために前記ステージを駆動するモータと、前記モータを駆動するモータ駆動装置とを備え、当該モータ駆動装置が前記第4の手段であるモータ駆動装置であることを特徴とするステージ装置(請求項5)である。
【0017】
前記課題を解決するための第6の手段は、レチクルに形成された所定のパターンを感応基板上に露光転写する露光装置であって、レチクルを搭載して移動させるステージ装置及び感応基板を搭載して移動させるステージ装置の少なくとも一方を備え、当該ステージ装置が請求項5に記載のステージ装置であることを特徴とする露光装置(請求項6)である。
【0018】
これら、第4の手段から第6の手段においては、いずれも前記第1の手段から第3の手段のいずれかであるモータ巻線の地絡検出装置が設けられているので、モータを実際に作動させない状態でモータの巻線の地絡を検出することができる。
【0019】
前記課題を解決するための第7の手段は、前記第6の手段である露光装置を使用して、レチクルに形成された所定のパターンをウエハに露光転写する工程を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法(請求項7)である。
【0020】
本手段においては、前記第6の手段である露光装置を使用しているので、安定して半導体デバイスの製造を行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態の第1の例であるモータ巻線の地絡検出装置を使用するモータ駆動装置の回路の概要を示す図である。3相リニアモータ23の速度制御回路等のマイナーループである電流制御回路からの指令信号が、PWM制御回路21に送られる。
【0022】
PWM制御回路21は、この信号を受けて、U相、V相、W相に流す電流を制御するためのパルス信号を決定し、それぞれU相PWM駆動増幅器22U、V相PWM駆動増幅器22V、W相PWM駆動増幅器22Wに送出する。U相PWM駆動増幅器22U、V相PWM駆動増幅器22V、W相PWM駆動増幅器22Wは、それぞれ指令されたパルスに相当するパルス駆動電圧を、U相コイル23U、V相コイル23V、W相コイル23Wに印加し、3相リニアモータ23を駆動する。
【0023】
U相コイル23U、V相コイル23V、W相コイル23Wは、図に示すようにスター接続されており、その中性点は接地されていない。U相PWM駆動増幅器22U、V相PWM駆動増幅器22V、W相PWM駆動増幅器22WからU相コイル23U、V相コイル23V、W相コイル23Wへの配線には、図に示すように零相電流検出器24が設けられており、各配線に流れる電流の和、すなわち零相電流を検出している。この場合、零相電流検出器24には零相変流器(CT)が用いられているが、ホール素子を使用したもの等公知の零相電流検出器が使用できる。漏電検出器25は、この零相電流の検出値が閾値を超えたかどうかを検出し、超えた場合には、PWM制御回路21に信号を送る。PWM制御回路21は、この信号を受けて3相リニアモータ23への給電を停止する。
【0024】
この実施の形態においては、以上の構成の他に、発振器26とブレーキ用リレー27が設けられている。発振器26は、所定の交流電圧を出力する。ブレーキ用リレー27は、3つのC接点27U、27V、27Wを有し、これらの接点は、リレーコイル(図示せず)が無励磁のとき、図に示すような接続とされている。このリレーコイルは、通常の制御状態の場合は、PWM制御回路21からの信号によって励磁されており、各接点27U、27V、27Wの接続は、図に示すものと逆になっている。すなわち、発振器26からの出力は回路に接続されない状態となり、U相コイル23U、V相コイル23V、W相コイル23Wは、短絡されない状態にある。
【0025】
3相リニアモータ23の非駆動状態において地絡を検出する場合には、PWM制御回路21は、U相PWM駆動増幅器22U、V相PWM駆動増幅器22V、W相PWM駆動増幅器22WからU相コイル23U、V相コイル23V、W相コイル23Wへの給電を停止すると共に、ブレーキ用リレー27のコイルを無励磁とする。
【0026】
すると、接点27U、27V、27Wの接続が図に示すような状態となり、発振器26からの出力電圧が、U相コイル23U、V相コイル23V、W相コイル23Wに同時に印加される。もし地絡がなければ、各相コイルに印加される電圧は一緒なので、どの配線にも電流は流れず、従って零相電流検出器24の出力は0である。
【0027】
しかし、U相コイル23U、V相コイル23V、W相コイル23Wのいずれかで地絡が発生すると、地絡しているコイルに電流が流れて、零相電流検出器24にこの電流に応じた電圧が発生する。よって、漏電検出器25が、この零相電流の検出値が閾値を超えたかどうかを検出し、超えた場合には、PWM制御回路21に信号を送る。PWM制御回路21は、この信号を受けて地絡があったことを検知し、3相リニアモータ23への給電を行わない等、必要な動作を行う。
【0028】
この構成においては、3相リニアモータ23を駆動するわけではないので、発振器26は、電圧、出力とも小さいもので十分である。地絡がない場合はもちろん、地絡があった場合でも、各相コイルに印加される電圧は同相なので、3相リニアモータ23が駆動されることはない。
【0029】
図2は、本発明の実施の形態の第2の例であるモータ巻線の地絡検出装置を使用するモータ駆動装置の回路の概要を示す図である。図2において、図1に示された構成要素と同じ構成要素には、同じ符号を付してその説明を省略する。また、図2において、3相リニアモータ23の駆動状態におけるPWM制御回路21、U相PWM駆動増幅器22U、V相PWM駆動増幅器22V、W相PWM駆動増幅器22Wの作動は、図1に示した回路における作動と同じであるので、その説明を省略する。
【0030】
ブレーキ用リレー27は、3つのC接点27U、27V、27Wを有し、これらの接点は、リレーコイル(図示せず)が無励磁のとき、図に示すような接続とされている。このリレーコイルは、通常の制御状態の場合は、PWM制御回路21からの信号によって励磁されており、各接点の接続は、図に示すものと逆になっている。すなわち、直流電源装置28からの出力は回路に接続されない状態となり、U相コイル23U、V相コイル23V、W相コイル23Wは、短絡されない状態にある。
【0031】
3相リニアモータ23の非駆動状態において地絡を検出する場合には、PWM制御回路21は、U相PWM駆動増幅器22U、V相PWM駆動増幅器22V、W相PWM駆動増幅器22WからU相コイル23U、V相コイル23V、W相コイル23Wへの給電を停止すると共に、ブレーキ用リレー27のコイルを無励磁とする。
【0032】
すると、接点27U、27V、27Wの接続が図に示すような状態となり、直流電源装置28からの電圧が、微少電流検出器29、電流制限抵抗Rを介して、U相コイル23U、V相コイル23V、W相コイル23Wに印加される。もし地絡がなければ、各相コイルに印加される電圧は一緒なので、どの配線にも電流は流れず、従って微少電流検出器29により検出される電流は0である。
【0033】
しかし、U相コイル23U、V相コイル23V、W相コイル23Wのいずれかで地絡が発生すると、地絡しているコイルに電流が流れて、微少電流検出器29がこの電流が閾値を超えたことを検出する。このとき、微少電流検出器29はPWM制御回路21に信号を送る。PWM制御回路21は、この信号を受けて地絡があったことを検知し、必要な動作を行う。
【0034】
この構成においては、3相リニアモータ23を駆動するわけではないので、直流電源装置28は、電圧、出力とも小さいもので十分である。地絡がない場合はもちろん、地絡があった場合でも、各相コイルに印加される電圧は直流なので、3相リニアモータ23が駆動されることはない。また、電流制限抵抗Rが設けられているので、地絡があった場合でも流れる電流は制限され、直流電源装置28や、各相のコイルを破損させることがない。
【0035】
本発明の実施の形態の1例である露光装置の概要を図5に示す。この投影露光装置は、レチクルのパターンの縮小像をウエハの各ショット領域に露光するステッパー型(ステップアンドリピート型)の投影露光装置である。図5において、照明光学系1からの露光光ILが、ダイクロイックミラー2により反射されてレチクルRのパターン領域を照明する。ダイクロイックミラー2により反射された後の露光光ILの光軸に平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な2次元平面内で、図5の紙面に平行な方向にX軸、紙面に垂直な方向にY軸を取る。
【0036】
レチクルRは、レチクル側Yステージ3Y及びレチクル側Xステージ3Xを介して、レチクルベース4上に搭載される。レチクル側Xステージ3Xは、レチクルベース4に対して、固定子5A及び可動子5Bからなるリニアモータ(以下、「リニアモータ5」と呼ぶ)によりX方向に駆動される。レチクル側Yステージ3Yは、レチクル側Xステージ3Xに対して、不図示のリニアモータによりY方向に駆動される。
【0037】
また、レチクル側Yステージ3Y上に、X軸用の移動鏡6X及び不図示のY軸用の移動鏡が固定されている。移動鏡6X、及び外部に設置されたX軸用のレチクル側のレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)7Xにより、レチクル側Xステージ3XのX座標XRが計測される。不図示のY軸用の移動鏡、及びY軸用のレチクル干渉計7Yにより、レチクル側Yステージ3YのY座標YRが計測される。計測されたX座標XR及びY座標YRは、装置全体の動作を統括制御する中央制御系8に、コネクタ17,18を介して供給される。レチクル側Yステージ3Y、レチクル側Xステージ3X、レチクルベース4、X軸用のリニアモータ5、及びY軸用のリニアモータからなるステージ系を、レチクルステージ装置3と呼ぶ。
【0038】
露光光ILのもとで、レチクルRのパターンの像は、投影倍率β(βは例えば1/4)の投影光学系PLを介して縮小されて、ウエハWの各ショット領域に投影露光される。ウエハWは、ウエハ側Yステージ10Y及びウエハ側Xステージ10Xを介して、ウエハベース11上に搭載されている。ウエハ側Xステージ10Xは、ウエハベース11に対して、固定子12A及び可動子12Bからなるリニアモータ(以下、「リニアモータ12」と呼ぶ)を介してX方向に駆動される。ウエハ側Yステージ10Yは、ウエハ側Xステージ10Xに対して、不図示のリニアモータによりY方向に駆動される。
【0039】
また、ウエハ側Yステージ10Y上に、X軸用の移動鏡13X及び不図示のY軸用の移動鏡が固定されている。移動鏡13X、及び外部に設置されたX軸用のウエハ側のレーザ干渉計(以下、「ウエハ干渉計」という)14Xにより、ウエハ側Xステージ10XのX座標XWが計測される。不図示のY軸用の移動鏡、及びY軸用のウエハ干渉計14Yにより、ウエハ側Yステージ10YのY座標YWが計測される。計測されたX座標XW及びY座標YWは、中央制御系8にコネクタ19,20を介して供給される。ウエハ側Yステージ10Y、ウエハ側Xステージ10X、ウエハベース11、X軸用のリニアモータ12、及びY軸用のリニアモータ、並びにウエハWのZ方向への位置及び傾斜角を制御するZレベリングステージ(図示せず)からなるステージ系を、ウエハステージ装置10と呼ぶ。
【0040】
この例においては、リニアモータとして3相リニアモータを使用している。例えばリニアモータ12を例に説明する。リニアモータ12は、固定子12Aと可動子12Bとで構成され、固定子12Aは3相の電機子巻線(図示せず)からなり、可動子12Bはウエハ側Xステージ10Xの側面に極性が順次反転してX方向に並べて固定された4個の永久磁石(図示せず)からなる。すなわち、リニアモータ12は、ムービング・マグネット型のリニアモータである。
【0041】
中央制御系8は、レチクルステージ駆動系15を介してレチクル側のX軸用のリニアモータ5及びY軸用のリニアモータの動作を制御して、レチクルRの位置決めを行うとともに、ウエハステージ駆動系16を介してウエハ側のX軸用のリニアモータ12及びY軸用のリニアモータの動作を制御して、ウエハWの位置決めを行う。このような制御により、レチクルRのパターンは、ウエハWの各ショット領域に縮小されて露光される。
以上説明した実施の形態は、図5に示す従来の投影露光値のレチクルステージ駆動系15、ウエハステージ駆動系16に、前述のような、本発明の実施の形態の1例であるモータ巻線の地絡検出装置を有するものである。
【0042】
以下、本発明に係る半導体デバイスの製造方法の実施の形態の例を説明する。図3は、本発明の半導体デバイス製造方法の一例を示すフローチャートである。この例の製造工程は以下の各主工程を含む。
(1) ウエハを製造するウエハ製造工程(又はウエハを準備するウエハ準備工程)
(2) 露光に使用するレチクル(マスク)を製作するレチクル(マスク)製造工程(又はレチクル(マスク)を準備するレチクル(マスク)準備工程)
(3) ウエハに必要な加工処理を行うウエハプロセッシング工程
(4) ウエハ上に形成されたチップを1個ずつ切り出し、動作可能にならしめるチップ組立工程
(5) できたチップを検査するチップ検査工程
なお、それぞれの工程はさらにいくつかのサブ工程からなっている。
【0043】
これらの主工程の中で、半導体のデバイスの性能に決定的な影響を及ぼす主工程がウエハプロセッシング工程である。この工程では、設計された回路パターンをウエハ上に順次積層し、メモリやMPUとして動作するチップを多数形成する。このウエハプロセッシング工程は以下の各工程を含む。
(1) 絶縁層となる誘電体薄膜や配線部、あるいは電極部を形成する金属薄膜等を形成する薄膜形成工程(CVDやスパッタリング等を用いる)
(2) この薄膜層やウエハ基板を酸化する酸化工程
(3) 薄膜層やウエハ基板等を選択的に加工するためにマスク(レチクル)を用いてレジストのパターンを形成するリソグラフィ工程
(4) レジストパターンに従って薄膜層や基板を加工するエッチング工程(例えばドライエッチング技術を用いる)
(5) イオン・不純物注入拡散工程
(6) レジスト剥離工程
(7)さらに加工されたウエハを検査する検査工程
なお、ウエハプロセッシング工程は必要な層数だけ繰り返し行い、設計通り動作する半導体デバイスを製造する。
【0044】
図4は、図3のウエハプロセッシング工程の中核をなすリソグラフィ工程を示すフローチャートである。このリソグラフィ工程は以下の各工程を含む。
(1)前段の工程で回路パターンが形成されたウエハ上にレジストをコートするレジスト塗布工程
(2)レジストを露光する露光工程
(3)露光されたレジストを現像してレジストのパターンを得る現像工程
(4)現像されたレジストパターンを安定化させるためのアニール工程
【0045】
以上の半導体デバイス製造工程、ウエハプロセッシング工程、リソグラフィ工程については、周知のものであり、これ以上の説明を要しないであろう。本発明に係る半導体デバイスの製造方法の実施の形態においては、本欄において説明した露光装置を使用してリソグラフィ工程を実施している。よって、安定した操業状態で半導体デバイスを製造することができる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、モータを実際に作動させない状態でモータの巻線の地絡を検出することができるモータ巻線の地絡検出装置、この地絡検出装置を有するモータ駆動装置、ステージ装置、露光装置、さらには、この露光装置を使用した半導体デバイスの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1の例であるモータ巻線の地絡検出装置を使用するモータ駆動装置の回路の概要を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態の第2の例であるモータ巻線の地絡検出装置を使用するモータ駆動装置の回路の概要を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態の1例である半導体デバイスの製造法を示すフローチャートである。
【図4】リソグラフィ工程を示すフローチャートである。
【図5】投影露光装置の概要を示す図である。
【符号の説明】
21:PWM制御回路、22U:U相PWM駆動増幅器、22V:V相PWM駆動増幅器、22W:W相PWM駆動増幅器、23:3相にリアモータ、23U:U相コイル、23V:V相コイル、23W:W相コイル、24:零相電流検出器、25:漏電検出器、26:発振器、27:ブレーキ用リレー、27U、27V、27W:接点、28:直流電源装置、29:微少電流検出器、R:電流制限抵抗
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータ巻線の地絡検出装置、モータ駆動装置、ステージ装置、露光装置、及び半導体デバイスの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造工程においては、レチクル上に形成された所定の回路パターンをウエハに露光転写するリソグラフィ工程が含まれる。この露光転写には露光装置が使用される。露光装置においては、レチクルとウエハをそれぞれレチクルステージ、ウエハステージに固定し、これらレチクルステージ、ウエハステージをリニアモータにより同期して駆動しながら、露光転写を行うことが行われている。
【0003】
レチクルステージ駆動系及びウエハステージ駆動系は、単電源を駆動電源として各リニアモータをそれぞれ駆動するモータ駆動装置を搭載する。このような投影露光装置におけるモータ駆動の例については、例えば特開2002−136177号公報に記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−136177号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなステージ駆動用のモータを初め、他の3相巻線を有するモータにおいても、その巻線がケース等に地絡することがある。このような地絡が発生したことを検出し、電源を遮断するために、漏電遮断器が設けられる場合がある。漏電遮断器は周知のものであるが、各巻線に給電される電流の和(符号を考慮したもので、通常零相電流と呼ばれる)を検出し、それが所定の値を超えた場合に給電を停止するものである。このような漏電遮断器は、モータが作動している状態において発生した地絡を検出するのには有効な手段である。
【0006】
しかしながら、地絡は、保守点検等の、モータが作動していない状態においても発生することがある。このような場合には、モータを作動させる前に、稼働時のような大きな電流を流すことなく地絡を検出することが好ましい。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、モータを実際に作動させない状態でモータの巻線の地絡を検出することができるモータ巻線の地絡検出装置、この地絡検出装置を有するモータ駆動装置、ステージ装置、露光装置、さらには、この露光装置を使用した半導体デバイスの製造方法を提供することを課題とする
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の手段は、3相巻線を有するモータの巻線の地絡を検出する装置であって、前記巻線を流れる電流のうち零相電流を検出する零相電流検出器と、前記3相の巻線に同相の交流電圧を印加する電源装置と、当該電源装置から交流電圧を印加したときに前記零相電流検出器により検出された零相電流が閾値を超えたことを判定する判定装置とを有することを特徴とするモータ巻線の地絡検出装置(請求項1)である。
【0009】
本手段においては、モータを駆動する電源と別の電源を有し、この電源から3相の巻線に同相の交流電圧を印加する。なお、地絡を検出するためには単相の交流で十分である。また、地絡検出用としては、モータに力が発生しない程度の高い周波数で駆動することが望ましい。また、流す電流は少ない電流で十分である。このような構成にすれば、巻線に地絡が無ければ、零相電流検出器の検出電流は0となる。もし、どれかの巻線が地絡していると、零相電流検出器の検出電流が0でなくなる。判定装置は、この検出電流が閾値を超えたとき、地絡が発生していると判定する。この場合、電流が流れても、各巻線に印加される電圧が同相であるので、モータは駆動されない。
【0010】
本手段によれば、モータを実際に作動させない状態でモータの巻線の地絡を検出することができる。
一般に地絡が起きると大きな電流が流れるので、地絡検出用の電源装置の電圧は、モータ駆動用電源装置の電圧に比べて小さなものでよい。
【0011】
前記課題を解決するための第2の手段は、3相巻線を有するモータの巻線の地絡を検出する装置であって、前記3相の巻線に直流電圧を印加する電源装置と、当該電源装置から直流電圧を印加したときに前記電源装置から流出する電流の和が閾値を超えたことを判定する判定装置とを有することを特徴とするモータ巻線の地絡検出装置(請求項2)である。
【0012】
本手段は、地絡検出のために巻線に印加する電圧が直流である点が前記第1の手段と異なっているのみで、その作用は同じである。電源装置から流出する電流(符号付き、マイナスのときは流入)を検出する装置として、零相電流検出器が設けられている場合はそれを使用することができる。しかし、前記第1の手段においては、零相電流検出器として一般に使用されているコイル(CT)を使用したのに対し、本手段においては、電源から流れる電流を検出するだけでよい。地絡が発生すると、抵抗が非常に小さくなるため、地絡検出用の電源は小さなものでよい。このため、モータにはほとんど力を発生することはない。
【0013】
前記課題を解決するための第3の手段は、前記第1の手段又は第2の手段であって、前記電源装置には、それから流出する電流を制限する電流制限装置が付属されていることを特徴とするもの(請求項3)である。
【0014】
実際に地絡が発生した場合、巻線に電圧を印加すると大電流が流れ、電源装置を破損したり、巻線のダメージをさらに大きくしたりすることがある。本手段においては、電流制限装置が設けられているので、このような事態の発生を防止することができる。なお、電流制限装置としては、周知のものが使用できるほか、単に抵抗を直列につなぐだけでもよい。
【0015】
前記課題を解決するための第4の手段は、モータへの給電を制御することによってモータを駆動するモータ駆動装置であって、前記第1から第3の手段のいずれかであるモータ巻線の地絡検出装置を備えることを特徴とするモータ駆動装置(請求項4)である。
【0016】
前記課題を解決するための第5の手段は、移動対象物を搭載するステージと、前記移動対象物を移動させるために前記ステージを駆動するモータと、前記モータを駆動するモータ駆動装置とを備え、当該モータ駆動装置が前記第4の手段であるモータ駆動装置であることを特徴とするステージ装置(請求項5)である。
【0017】
前記課題を解決するための第6の手段は、レチクルに形成された所定のパターンを感応基板上に露光転写する露光装置であって、レチクルを搭載して移動させるステージ装置及び感応基板を搭載して移動させるステージ装置の少なくとも一方を備え、当該ステージ装置が請求項5に記載のステージ装置であることを特徴とする露光装置(請求項6)である。
【0018】
これら、第4の手段から第6の手段においては、いずれも前記第1の手段から第3の手段のいずれかであるモータ巻線の地絡検出装置が設けられているので、モータを実際に作動させない状態でモータの巻線の地絡を検出することができる。
【0019】
前記課題を解決するための第7の手段は、前記第6の手段である露光装置を使用して、レチクルに形成された所定のパターンをウエハに露光転写する工程を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法(請求項7)である。
【0020】
本手段においては、前記第6の手段である露光装置を使用しているので、安定して半導体デバイスの製造を行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態の第1の例であるモータ巻線の地絡検出装置を使用するモータ駆動装置の回路の概要を示す図である。3相リニアモータ23の速度制御回路等のマイナーループである電流制御回路からの指令信号が、PWM制御回路21に送られる。
【0022】
PWM制御回路21は、この信号を受けて、U相、V相、W相に流す電流を制御するためのパルス信号を決定し、それぞれU相PWM駆動増幅器22U、V相PWM駆動増幅器22V、W相PWM駆動増幅器22Wに送出する。U相PWM駆動増幅器22U、V相PWM駆動増幅器22V、W相PWM駆動増幅器22Wは、それぞれ指令されたパルスに相当するパルス駆動電圧を、U相コイル23U、V相コイル23V、W相コイル23Wに印加し、3相リニアモータ23を駆動する。
【0023】
U相コイル23U、V相コイル23V、W相コイル23Wは、図に示すようにスター接続されており、その中性点は接地されていない。U相PWM駆動増幅器22U、V相PWM駆動増幅器22V、W相PWM駆動増幅器22WからU相コイル23U、V相コイル23V、W相コイル23Wへの配線には、図に示すように零相電流検出器24が設けられており、各配線に流れる電流の和、すなわち零相電流を検出している。この場合、零相電流検出器24には零相変流器(CT)が用いられているが、ホール素子を使用したもの等公知の零相電流検出器が使用できる。漏電検出器25は、この零相電流の検出値が閾値を超えたかどうかを検出し、超えた場合には、PWM制御回路21に信号を送る。PWM制御回路21は、この信号を受けて3相リニアモータ23への給電を停止する。
【0024】
この実施の形態においては、以上の構成の他に、発振器26とブレーキ用リレー27が設けられている。発振器26は、所定の交流電圧を出力する。ブレーキ用リレー27は、3つのC接点27U、27V、27Wを有し、これらの接点は、リレーコイル(図示せず)が無励磁のとき、図に示すような接続とされている。このリレーコイルは、通常の制御状態の場合は、PWM制御回路21からの信号によって励磁されており、各接点27U、27V、27Wの接続は、図に示すものと逆になっている。すなわち、発振器26からの出力は回路に接続されない状態となり、U相コイル23U、V相コイル23V、W相コイル23Wは、短絡されない状態にある。
【0025】
3相リニアモータ23の非駆動状態において地絡を検出する場合には、PWM制御回路21は、U相PWM駆動増幅器22U、V相PWM駆動増幅器22V、W相PWM駆動増幅器22WからU相コイル23U、V相コイル23V、W相コイル23Wへの給電を停止すると共に、ブレーキ用リレー27のコイルを無励磁とする。
【0026】
すると、接点27U、27V、27Wの接続が図に示すような状態となり、発振器26からの出力電圧が、U相コイル23U、V相コイル23V、W相コイル23Wに同時に印加される。もし地絡がなければ、各相コイルに印加される電圧は一緒なので、どの配線にも電流は流れず、従って零相電流検出器24の出力は0である。
【0027】
しかし、U相コイル23U、V相コイル23V、W相コイル23Wのいずれかで地絡が発生すると、地絡しているコイルに電流が流れて、零相電流検出器24にこの電流に応じた電圧が発生する。よって、漏電検出器25が、この零相電流の検出値が閾値を超えたかどうかを検出し、超えた場合には、PWM制御回路21に信号を送る。PWM制御回路21は、この信号を受けて地絡があったことを検知し、3相リニアモータ23への給電を行わない等、必要な動作を行う。
【0028】
この構成においては、3相リニアモータ23を駆動するわけではないので、発振器26は、電圧、出力とも小さいもので十分である。地絡がない場合はもちろん、地絡があった場合でも、各相コイルに印加される電圧は同相なので、3相リニアモータ23が駆動されることはない。
【0029】
図2は、本発明の実施の形態の第2の例であるモータ巻線の地絡検出装置を使用するモータ駆動装置の回路の概要を示す図である。図2において、図1に示された構成要素と同じ構成要素には、同じ符号を付してその説明を省略する。また、図2において、3相リニアモータ23の駆動状態におけるPWM制御回路21、U相PWM駆動増幅器22U、V相PWM駆動増幅器22V、W相PWM駆動増幅器22Wの作動は、図1に示した回路における作動と同じであるので、その説明を省略する。
【0030】
ブレーキ用リレー27は、3つのC接点27U、27V、27Wを有し、これらの接点は、リレーコイル(図示せず)が無励磁のとき、図に示すような接続とされている。このリレーコイルは、通常の制御状態の場合は、PWM制御回路21からの信号によって励磁されており、各接点の接続は、図に示すものと逆になっている。すなわち、直流電源装置28からの出力は回路に接続されない状態となり、U相コイル23U、V相コイル23V、W相コイル23Wは、短絡されない状態にある。
【0031】
3相リニアモータ23の非駆動状態において地絡を検出する場合には、PWM制御回路21は、U相PWM駆動増幅器22U、V相PWM駆動増幅器22V、W相PWM駆動増幅器22WからU相コイル23U、V相コイル23V、W相コイル23Wへの給電を停止すると共に、ブレーキ用リレー27のコイルを無励磁とする。
【0032】
すると、接点27U、27V、27Wの接続が図に示すような状態となり、直流電源装置28からの電圧が、微少電流検出器29、電流制限抵抗Rを介して、U相コイル23U、V相コイル23V、W相コイル23Wに印加される。もし地絡がなければ、各相コイルに印加される電圧は一緒なので、どの配線にも電流は流れず、従って微少電流検出器29により検出される電流は0である。
【0033】
しかし、U相コイル23U、V相コイル23V、W相コイル23Wのいずれかで地絡が発生すると、地絡しているコイルに電流が流れて、微少電流検出器29がこの電流が閾値を超えたことを検出する。このとき、微少電流検出器29はPWM制御回路21に信号を送る。PWM制御回路21は、この信号を受けて地絡があったことを検知し、必要な動作を行う。
【0034】
この構成においては、3相リニアモータ23を駆動するわけではないので、直流電源装置28は、電圧、出力とも小さいもので十分である。地絡がない場合はもちろん、地絡があった場合でも、各相コイルに印加される電圧は直流なので、3相リニアモータ23が駆動されることはない。また、電流制限抵抗Rが設けられているので、地絡があった場合でも流れる電流は制限され、直流電源装置28や、各相のコイルを破損させることがない。
【0035】
本発明の実施の形態の1例である露光装置の概要を図5に示す。この投影露光装置は、レチクルのパターンの縮小像をウエハの各ショット領域に露光するステッパー型(ステップアンドリピート型)の投影露光装置である。図5において、照明光学系1からの露光光ILが、ダイクロイックミラー2により反射されてレチクルRのパターン領域を照明する。ダイクロイックミラー2により反射された後の露光光ILの光軸に平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な2次元平面内で、図5の紙面に平行な方向にX軸、紙面に垂直な方向にY軸を取る。
【0036】
レチクルRは、レチクル側Yステージ3Y及びレチクル側Xステージ3Xを介して、レチクルベース4上に搭載される。レチクル側Xステージ3Xは、レチクルベース4に対して、固定子5A及び可動子5Bからなるリニアモータ(以下、「リニアモータ5」と呼ぶ)によりX方向に駆動される。レチクル側Yステージ3Yは、レチクル側Xステージ3Xに対して、不図示のリニアモータによりY方向に駆動される。
【0037】
また、レチクル側Yステージ3Y上に、X軸用の移動鏡6X及び不図示のY軸用の移動鏡が固定されている。移動鏡6X、及び外部に設置されたX軸用のレチクル側のレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)7Xにより、レチクル側Xステージ3XのX座標XRが計測される。不図示のY軸用の移動鏡、及びY軸用のレチクル干渉計7Yにより、レチクル側Yステージ3YのY座標YRが計測される。計測されたX座標XR及びY座標YRは、装置全体の動作を統括制御する中央制御系8に、コネクタ17,18を介して供給される。レチクル側Yステージ3Y、レチクル側Xステージ3X、レチクルベース4、X軸用のリニアモータ5、及びY軸用のリニアモータからなるステージ系を、レチクルステージ装置3と呼ぶ。
【0038】
露光光ILのもとで、レチクルRのパターンの像は、投影倍率β(βは例えば1/4)の投影光学系PLを介して縮小されて、ウエハWの各ショット領域に投影露光される。ウエハWは、ウエハ側Yステージ10Y及びウエハ側Xステージ10Xを介して、ウエハベース11上に搭載されている。ウエハ側Xステージ10Xは、ウエハベース11に対して、固定子12A及び可動子12Bからなるリニアモータ(以下、「リニアモータ12」と呼ぶ)を介してX方向に駆動される。ウエハ側Yステージ10Yは、ウエハ側Xステージ10Xに対して、不図示のリニアモータによりY方向に駆動される。
【0039】
また、ウエハ側Yステージ10Y上に、X軸用の移動鏡13X及び不図示のY軸用の移動鏡が固定されている。移動鏡13X、及び外部に設置されたX軸用のウエハ側のレーザ干渉計(以下、「ウエハ干渉計」という)14Xにより、ウエハ側Xステージ10XのX座標XWが計測される。不図示のY軸用の移動鏡、及びY軸用のウエハ干渉計14Yにより、ウエハ側Yステージ10YのY座標YWが計測される。計測されたX座標XW及びY座標YWは、中央制御系8にコネクタ19,20を介して供給される。ウエハ側Yステージ10Y、ウエハ側Xステージ10X、ウエハベース11、X軸用のリニアモータ12、及びY軸用のリニアモータ、並びにウエハWのZ方向への位置及び傾斜角を制御するZレベリングステージ(図示せず)からなるステージ系を、ウエハステージ装置10と呼ぶ。
【0040】
この例においては、リニアモータとして3相リニアモータを使用している。例えばリニアモータ12を例に説明する。リニアモータ12は、固定子12Aと可動子12Bとで構成され、固定子12Aは3相の電機子巻線(図示せず)からなり、可動子12Bはウエハ側Xステージ10Xの側面に極性が順次反転してX方向に並べて固定された4個の永久磁石(図示せず)からなる。すなわち、リニアモータ12は、ムービング・マグネット型のリニアモータである。
【0041】
中央制御系8は、レチクルステージ駆動系15を介してレチクル側のX軸用のリニアモータ5及びY軸用のリニアモータの動作を制御して、レチクルRの位置決めを行うとともに、ウエハステージ駆動系16を介してウエハ側のX軸用のリニアモータ12及びY軸用のリニアモータの動作を制御して、ウエハWの位置決めを行う。このような制御により、レチクルRのパターンは、ウエハWの各ショット領域に縮小されて露光される。
以上説明した実施の形態は、図5に示す従来の投影露光値のレチクルステージ駆動系15、ウエハステージ駆動系16に、前述のような、本発明の実施の形態の1例であるモータ巻線の地絡検出装置を有するものである。
【0042】
以下、本発明に係る半導体デバイスの製造方法の実施の形態の例を説明する。図3は、本発明の半導体デバイス製造方法の一例を示すフローチャートである。この例の製造工程は以下の各主工程を含む。
(1) ウエハを製造するウエハ製造工程(又はウエハを準備するウエハ準備工程)
(2) 露光に使用するレチクル(マスク)を製作するレチクル(マスク)製造工程(又はレチクル(マスク)を準備するレチクル(マスク)準備工程)
(3) ウエハに必要な加工処理を行うウエハプロセッシング工程
(4) ウエハ上に形成されたチップを1個ずつ切り出し、動作可能にならしめるチップ組立工程
(5) できたチップを検査するチップ検査工程
なお、それぞれの工程はさらにいくつかのサブ工程からなっている。
【0043】
これらの主工程の中で、半導体のデバイスの性能に決定的な影響を及ぼす主工程がウエハプロセッシング工程である。この工程では、設計された回路パターンをウエハ上に順次積層し、メモリやMPUとして動作するチップを多数形成する。このウエハプロセッシング工程は以下の各工程を含む。
(1) 絶縁層となる誘電体薄膜や配線部、あるいは電極部を形成する金属薄膜等を形成する薄膜形成工程(CVDやスパッタリング等を用いる)
(2) この薄膜層やウエハ基板を酸化する酸化工程
(3) 薄膜層やウエハ基板等を選択的に加工するためにマスク(レチクル)を用いてレジストのパターンを形成するリソグラフィ工程
(4) レジストパターンに従って薄膜層や基板を加工するエッチング工程(例えばドライエッチング技術を用いる)
(5) イオン・不純物注入拡散工程
(6) レジスト剥離工程
(7)さらに加工されたウエハを検査する検査工程
なお、ウエハプロセッシング工程は必要な層数だけ繰り返し行い、設計通り動作する半導体デバイスを製造する。
【0044】
図4は、図3のウエハプロセッシング工程の中核をなすリソグラフィ工程を示すフローチャートである。このリソグラフィ工程は以下の各工程を含む。
(1)前段の工程で回路パターンが形成されたウエハ上にレジストをコートするレジスト塗布工程
(2)レジストを露光する露光工程
(3)露光されたレジストを現像してレジストのパターンを得る現像工程
(4)現像されたレジストパターンを安定化させるためのアニール工程
【0045】
以上の半導体デバイス製造工程、ウエハプロセッシング工程、リソグラフィ工程については、周知のものであり、これ以上の説明を要しないであろう。本発明に係る半導体デバイスの製造方法の実施の形態においては、本欄において説明した露光装置を使用してリソグラフィ工程を実施している。よって、安定した操業状態で半導体デバイスを製造することができる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、モータを実際に作動させない状態でモータの巻線の地絡を検出することができるモータ巻線の地絡検出装置、この地絡検出装置を有するモータ駆動装置、ステージ装置、露光装置、さらには、この露光装置を使用した半導体デバイスの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1の例であるモータ巻線の地絡検出装置を使用するモータ駆動装置の回路の概要を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態の第2の例であるモータ巻線の地絡検出装置を使用するモータ駆動装置の回路の概要を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態の1例である半導体デバイスの製造法を示すフローチャートである。
【図4】リソグラフィ工程を示すフローチャートである。
【図5】投影露光装置の概要を示す図である。
【符号の説明】
21:PWM制御回路、22U:U相PWM駆動増幅器、22V:V相PWM駆動増幅器、22W:W相PWM駆動増幅器、23:3相にリアモータ、23U:U相コイル、23V:V相コイル、23W:W相コイル、24:零相電流検出器、25:漏電検出器、26:発振器、27:ブレーキ用リレー、27U、27V、27W:接点、28:直流電源装置、29:微少電流検出器、R:電流制限抵抗
Claims (7)
- 3相巻線を有するモータの巻線の地絡を検出する装置であって、前記巻線を流れる電流のうち零相電流を検出する零相電流検出器と、前記3相の巻線に同相の交流電圧を印加する電源装置と、当該電源装置から交流電圧を印加したときに前記零相電流検出器により検出された零相電流が閾値を超えたことを判定する判定装置とを有することを特徴とするモータ巻線の地絡検出装置。
- 3相巻線を有するモータの巻線の地絡を検出する装置であって、前記3相の巻線に直流電圧を印加する電源装置と、当該電源装置から直流電圧を印加したときに前記電源装置から流出する電流の和が閾値を超えたことを判定する判定装置とを有することを特徴とするモータ巻線の地絡検出装置。
- 請求項1又は請求項2に記載のモータ巻線の地絡検出装置であって、前記電源装置には、それから流出する電流を制限する電流制限装置が付属されていることを特徴とするモータ巻線の地絡検出装置。
- モータへの給電を制御することによってモータを駆動するモータ駆動装置であって、請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載のモータ巻線の地絡検出装置を備えることを特徴とするモータ駆動装置。
- 移動対象物を搭載するステージと、前記移動対象物を移動させるために前記ステージを駆動するモータと、前記モータを駆動するモータ駆動装置とを備え、当該モータ駆動装置が請求項4に記載のモータ駆動装置であることを特徴とするステージ装置。
- レチクルに形成された所定のパターンを感応基板上に露光転写する露光装置であって、レチクルを搭載して移動させるステージ装置及び感応基板を搭載して移動させるステージ装置の少なくとも一方を備え、当該ステージ装置が請求項5に記載のステージ装置であることを特徴とする露光装置。
- 請求項6に記載の露光装置を使用して、レチクルに形成された所定のパターンをウエハに露光転写する工程を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
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