JP2004211935A - Gas liquefier - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス液化装置に係り、特に、ヘリウムガス液化装置として用いるのに好適な、冷凍機(好ましくはGMサイクル冷凍機等の蓄冷式冷凍機)を複数台使用し、外部から供給するガス(例えばヘリウムガス)を、その冷凍機の各冷却ステージにおいて順次冷却し、最終的にガス液化温度(例えば液体ヘリウム温度4.2K)以下で冷凍能力を有する冷凍機(例えば4KレベルのGM冷凍機(4K−GM冷凍機と称する)等)により冷却される凝縮器によって供給ガスを凝縮液化させるガス液化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヘリウムガス液化装置として、特許文献1に記載されているように、例えば4K−GM冷凍機等の蓄冷器式冷凍機を図1に示す如く複数台(図1では、4、5の2台)使用するものが提案されている。
【0003】
この蓄冷器式冷凍機4、5は、図1に示すように2段式が通常であり、冷凍を発生する膨張シリンダ部に第1段7、9と第2段8、10の2つの冷却ステージを有している。4K温度レベルのGM冷凍機では、第1段冷却ステージ7、9の温度は通常25K〜50Kレベル、第2段冷却ステージ8、10の温度は4Kレベルである。
【0004】
図において、2は凝縮液化された液体ヘリウムを蓄える液体ヘリウム容器、3は周囲と真空断熱されたクライオスタット、11は第1段熱接触部材、13は外部からのヘリウムガスの供給配管(予冷配管)、14は液体ヘリウム容器2からの蒸発配管、15は液体ヘリウム容器2への液化配管、16、17は熱交換器、21は凝縮器である。
【0005】
このようなヘリウムガス液化装置において、外部から供給配管13を介してヘリウムガスを供給して液化する場合、常温で大気圧(1atm)の供給ヘリウムガスをまず第1段冷却ステージ7、9で予冷し、次に第2段冷却ステージ8の凝縮器21に導いて凝縮液化させる。液化されるヘリウムガスは、液体ヘリウム容器2からの蒸発ガスや、ヘリウムボンベのガス等が対象となる。液体ヘリウムは通常ほぼ大気圧で貯液されており、供給されるガスは、液化装置内でほぼ大気圧で冷却、液化されている。
【0006】
このようなヘリウムガス液化装置において、第1段冷却ステージ7、9での冷却最低温度は、蓄冷器の効率等から25〜30Kが限界である。又、第2段冷却ステージ8、10における熱負荷は、第1段冷却ステージ温度のヘリウムガスを液化温度まで冷却するのに要する負荷であり、温度25〜30Kのガスを4.2Kガス温度まで冷却するための顕熱量と液化温度のガスを凝縮して液体とするに要する蒸発潜熱量との和となる。ヘリウムガスの顕熱量は比較的大きいため、図1に示した如く、一部のGM冷凍機5の第2段冷却ステージ10を4.2Kではなく6K温度ステージとして使用して、ガスをまず6K程度まで冷却し、最終的に残りのGM冷凍機4の第2段冷却ステージ10を4K温度ステージとして凝縮液化を行なう方法が特許文献1に記載されている。
【0007】
一方、特許文献2には、ジュールトムソン(JT)効果を利用した液化装置として、GM−JT式液化機が記載されている。これは、基本的に、図2に示す如く、10KレベルのGM冷凍機24に、熱交換器32、33、34、JT弁35、JT回路用圧縮機31等の機器から構成されるJT回路を付加した冷凍機である。
【0008】
図において、22は、GM冷凍機用の圧縮機、27、28は、それぞれ、GM冷凍機24の第1段、第2段冷却ステージである。
【0009】
このGM−JT式液化機では、JT回路用圧縮機31によってヘリウムガスを約15〜20atmに加圧し、GM冷凍機24の冷却ステージ27、28と熱交換器32、33、34によって順次冷却する。最終的に、数K、15atm程度のヘリウムガスを、JT弁35から膨張させてガスの一部を液化して液体ヘリウム容器等の冷凍負荷36に供給し、液化しなかった残りのガスは戻りガスとして圧縮機31で回収し、再度加圧循環させる。
【0010】
【特許文献1】
特開平11−118349号公報
【特許文献2】
特開平10−245208号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1のヘリウムガス液化装置において、温度6Kのガスを4.2Kのガスにまで冷却する冷熱量(顕熱量)は、4.2Kのガスを液化するのに必要な冷熱量(潜熱量)の60%程度の大きさであり、この4K温度での負荷を低減することが、液化効率を改善する上でのポイントとなっていた。
【0012】
一方、特許文献2に記載のGM−JT式液化機では、本発明の一部の実施形態と同様にJT弁を使用してはいるが、全量を液化せず、一部が戻りガスとなっているため、熱交換器32、33、34やJT回路用圧縮機31が必要であり、構成が複雑であるという問題点を有していた。
【0013】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、簡単な構成で、液化効率を向上させて、所要動力を低減することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、冷凍機を複数台使用し、外部から供給するガスを、その冷凍機の各冷却ステージにおいて順次冷却し、最終的にガス液化温度以下で冷凍能力を有する冷凍機により冷却される凝縮器によって供給ガスを凝縮液化させるガス液化装置において、外部供給ガスの圧力を大気圧より高くすると共に、前記凝縮器の上流側で圧力を大気圧に戻すようにして、前記課題を解決したものである。
【0015】
又、前記圧力を、絞り弁又はオリフィスを用いて大気圧に戻すようにしたものである。
【0016】
又、前記凝縮器に、液化されたガスを移送するためのトランスファチューブを設けて、別の液体容器に挿入して運転できるようにしたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して、4K−GM冷凍機を2台使用する場合を例にとって、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0018】
本実施形態は、図1に示したような従来例と同様のヘリウムガス液化装置において、図3に示す如く、外部から供給配管13を介して供給されるヘリウムガスの圧力を、大気圧レベルではなく、4〜7atmに高めると共に、熱交換器16に代えて熱交換器41、42を設けて、それぞれGM冷凍機5、4の第1段冷却ステージ9、7で60K、30Kに冷却し、更に、熱交換器17の出側に、例えばJT弁のような絞り弁44を設けて、凝縮器21の入側で圧力を大気圧(1atm)に戻すようにしたものである。
【0019】
他の点に関しては、図1に示した従来例と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0020】
本実施形態においては、供給配管13から供給されるヘリウムガスを、2台のGM冷凍機5、4の第1段冷却ステージ9、7でほぼ30Kまで冷却し、次にGM冷凍機5の第2段冷却ステージ10でほぼ6Kまで冷却する。次に、GM冷凍機4の第2段冷却ステージ8の凝縮器21で凝縮液化するが、該凝縮器21の前に設けられた絞り弁44によって、ヘリウムガスを大気圧レベルまで膨張させてから凝縮器21に供給する。従って、凝縮液化された液体ヘリウムは、液体ヘリウム容器2に、従来と同様にほぼ大気圧で貯液される。
【0021】
このようにして、絞り弁44により、6K、数atmのヘリウムガスを1atmに自由膨張させると、ジュールトムソン効果によって、圧力4atmでは約30%、7atmでは約50%のガスが液化し、残りは4.2Kのガスとなる。従って、凝縮器21では、残りの70〜50%の4.2Kガスを凝縮すれば全量を液化できる。よって、外部供給ヘリウムガスを数atmで供給することにより、従来のように約1atmで供給した場合に比べて、冷凍機第2段冷却ステージ8の4.2K冷凍負荷を1/2〜1/3に低減することができる。
【0022】
なお、膨張前の圧力値には、その温度によって液化率が最大となる値が存在する。6Kのガスを1atmまで膨張させる場合、液化率は圧力が約7atmの場合に最大となる。圧送ポンプの吐出圧力が低い場合等では、圧力が4atm程度であっても効率上は相当に有用である。なお、液化率が最大となる圧力は温度によって異なり、例えば膨張前ガス温度が5Kの場合には4atm、7Kの場合には11atm、8Kの場合は14atm程度である。
【0023】
ここで、供給配管13に供給されるガスの圧力を数atmとすることは、ボンベガスの場合は、もともとボンベ圧力が高い(150atm程度)ので、減圧するだけであり、特に問題はない。なお、液体ヘリウム蒸発ガスを回収して液化する場合、蒸発ガスは1atmであることが多いので加圧する必要はあるが、もともと蒸発ガスを回収して液化装置へ圧送するためにもポンプは必要であり、数atmに加圧することは、装置的にも比較的容易である。
【0024】
なお前記第1実施形態においては、GM冷凍機4、5と液体ヘリウム容器2が共に同じクライオスタット3内に収納されていたが、本発明の適用対象はこれに限定されず、図4に示す第2実施形態のように、凝縮器21にトランスファチューブ50を設けて、別の液体ヘリウム容器52に挿入して運転するような構成とすることもできる。
【0025】
図において、54は本発明に係る絞り弁、56は供給ガスの圧力を調整するための圧力調整弁、58は安全弁である。
【0026】
なお、前記実施形態においては、いずれも冷凍機として4K−GM冷凍機が用いられていたが、本発明の適用対象はこれに限定されず、他の蓄冷器式冷凍機や、蓄冷器式以外の冷凍機を用いたものにも同様に適用できることは明らかである。液化するガスの種類もヘリウムに限定されず、絞り弁44の代りに単純なオリフィス等の他の絞り部を設けても良い。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、構成を複雑化することなく、液化効率を向上させて、所要動力を低減することが可能となる。
【0028】
なお、本発明の実施形態では、特許文献2のJT弁と同様の作用を有すると解することも可能と見られる絞り弁を使用してはいるが、本発明の対象である液化サイクルでは、最終的に4K−GM冷凍機等で全量を液化する方式であり、戻りガスがないため、熱交換器、JT回路用圧縮機を有しない点で特許文献2より有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】特開平11−118349号に記載された従来のヘリウムガス液化装置の構成を示す断面図
【図2】特開平10−245208号に記載されたGM−JT式液化機の構成を示すフロー図
【図3】本発明の第1実施形態の構成を示す断面図
【図4】同じく第2実施形態の構成を示す断面図
【符号の説明】
2、52…液体ヘリウム容器
3…クライオスタット
4、5…GM冷凍機
7、8、9、10…冷却ステージ
21…凝縮器
44、54…絞り弁
50…トランスファチューブ
56…圧力調整弁[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a gas liquefaction apparatus, and in particular, uses a plurality of refrigerators (preferably regenerative refrigerators such as a GM cycle refrigerator) suitable for use as a helium gas liquefaction apparatus, and supplies gas supplied from outside. (For example, helium gas) is sequentially cooled in each cooling stage of the refrigerator, and finally a refrigerator having a refrigerating capacity at a gas liquefaction temperature (for example, liquid helium temperature of 4.2 K) or lower (for example, a 4K level GM refrigerator). (Referred to as a 4K-GM refrigerator) and the like.
[0002]
[Prior art]
As described in Patent Document 1, as a helium gas liquefaction apparatus, for example, a plurality of regenerator refrigerators such as a 4K-GM refrigerator are shown in FIG. 1 (two in FIG. 1, four and five). What to use has been proposed.
[0003]
The
[0004]
In the figure, 2 is a liquid helium container for storing condensed and liquefied liquid helium, 3 is a cryostat insulated from the surroundings, 11 is a first-stage thermal contact member, 13 is a supply pipe for helium gas from outside (pre-cooling pipe). , 14 is an evaporation pipe from the
[0005]
In such a helium gas liquefaction apparatus, when helium gas is supplied from outside via the
[0006]
In such a helium gas liquefaction apparatus, the minimum cooling temperature in the
[0007]
On the other hand,
[0008]
In the figure, 22 is a compressor for the GM refrigerator, and 27 and 28 are the first and second cooling stages of the GM
[0009]
In the GM-JT liquefier, the helium gas is pressurized to about 15 to 20 atm by the JT circuit compressor 31 and is sequentially cooled by the
[0010]
[Patent Document 1]
JP-A-11-118349 [Patent Document 2]
JP-A-10-245208
[Problems to be solved by the invention]
However, in the helium gas liquefaction apparatus disclosed in Patent Document 1, the amount of cold energy (sensible heat) for cooling a gas at a temperature of 6K to a gas at 4.2K is the amount of cold energy (latent heat) required to liquefy the 4.2K gas. Volume) of about 60%, and reducing the load at this 4K temperature was a point in improving the liquefaction efficiency.
[0012]
On the other hand, in the GM-JT type liquefier described in
[0013]
The present invention has been made to solve the above-mentioned conventional problems, and has an object to improve liquefaction efficiency and reduce required power with a simple configuration.
[0014]
[Means for Solving the Problems]
The present invention uses a plurality of refrigerators, sequentially cools gas supplied from the outside in each cooling stage of the refrigerator, and finally condenses cooled by a refrigerator having a refrigerating capacity below the gas liquefaction temperature. In a gas liquefaction apparatus for condensing and liquefying a supply gas by a vessel, the pressure of the external supply gas is made higher than the atmospheric pressure, and the pressure is returned to the atmospheric pressure on the upstream side of the condenser to solve the above problem. is there.
[0015]
Further, the pressure is returned to the atmospheric pressure by using a throttle valve or an orifice.
[0016]
Further, a transfer tube for transferring the liquefied gas is provided in the condenser so that the condenser can be operated by being inserted into another liquid container.
[0017]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described in detail with reference to the drawings, taking a case where two 4K-GM refrigerators are used as an example.
[0018]
In the present embodiment, in a helium gas liquefaction apparatus similar to the conventional example as shown in FIG. 1, as shown in FIG. 3, the pressure of helium gas supplied from the outside via a
[0019]
Other points are the same as those of the conventional example shown in FIG.
[0020]
In this embodiment, the helium gas supplied from the
[0021]
In this way, when helium gas of 6K and several atm is freely expanded to 1 atm by the throttle valve 44, about 30% of the gas is liquefied at a pressure of 4atm and about 50% at a pressure of 7atm due to the Joule-Thomson effect, and the rest is It becomes 4.2K gas. Therefore, in the
[0022]
The pressure value before expansion has a value at which the liquefaction rate becomes maximum depending on the temperature. When a 6K gas is expanded to 1 atm, the liquefaction rate is maximum when the pressure is about 7 atm. In the case where the discharge pressure of the pressure pump is low, the efficiency is considerably useful even if the pressure is about 4 atm. The pressure at which the liquefaction rate becomes maximum varies depending on the temperature. For example, when the gas temperature before expansion is 5K, it is about 4 atm, when it is 7K, it is about 11 atm, and when it is 8K, it is about 14 atm.
[0023]
Here, setting the pressure of the gas supplied to the
[0024]
In the first embodiment, the
[0025]
In the drawing, 54 is a throttle valve according to the present invention, 56 is a pressure adjusting valve for adjusting the pressure of the supplied gas, and 58 is a safety valve.
[0026]
In each of the above embodiments, a 4K-GM refrigerator is used as a refrigerator. However, the application of the present invention is not limited to this, and other regenerator refrigerators and other than regenerator refrigerators It is apparent that the present invention can be similarly applied to the one using the refrigerator. The type of gas to be liquefied is not limited to helium, and another throttle unit such as a simple orifice may be provided instead of the throttle valve 44.
[0027]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to improve the liquefaction efficiency and reduce the required power without complicating the configuration.
[0028]
In the embodiment of the present invention, a throttle valve which is considered to have the same effect as the JT valve of
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a configuration of a conventional helium gas liquefaction apparatus described in JP-A-11-118349. FIG. 2 is a view showing a configuration of a GM-JT type liquefier described in JP-A-10-245208. FIG. 3 is a cross-sectional view showing the configuration of the first embodiment of the present invention. FIG. 4 is a cross-sectional view showing the configuration of the second embodiment.
2, 52
Claims (3)
外部供給ガスの圧力を大気圧より高くすると共に、
前記凝縮器の上流側で圧力を大気圧に戻すようにしたことを特徴とするガス液化装置。Using a plurality of refrigerators, a gas supplied from the outside is sequentially cooled in each cooling stage of the refrigerator, and finally supplied gas by a condenser cooled by a refrigerator having a refrigerating capacity below the gas liquefaction temperature. In a gas liquefaction device for condensing and liquefying
While increasing the pressure of the external supply gas above atmospheric pressure,
A gas liquefaction apparatus wherein the pressure is returned to the atmospheric pressure on the upstream side of the condenser.
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