JP2004207609A - グリッドアレイパッケージ、及びグリッドアレイパッケージを搭載するプリント回路板 - Google Patents
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Abstract
【課題】グリッドアレイパッケージにバス配線のような複数のデジタル信号配線が接続された場合、信号配線の特性インピーダンスの不整合により、信号の反射や減衰のため信号の品質を損なっていた。
【解決手段】複数の信号配線を介してデジタル信号を送受信するグリッドアレイパッケージにおいて、インターポーザ部に複数の信号配線に対する基準電位配線を設け、基準電位配線にはインターボーザ部に搭載された複数の終端抵抗部品が接続されており、基準電位配線は該複数の終端抵抗部品を介して複数の信号配線のそれぞれと接続されている。また基準電位配線はグリッドアレイパッケージをプリント配線板に実装した際に、複数の信号配線をまたぐように形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】複数の信号配線を介してデジタル信号を送受信するグリッドアレイパッケージにおいて、インターポーザ部に複数の信号配線に対する基準電位配線を設け、基準電位配線にはインターボーザ部に搭載された複数の終端抵抗部品が接続されており、基準電位配線は該複数の終端抵抗部品を介して複数の信号配線のそれぞれと接続されている。また基準電位配線はグリッドアレイパッケージをプリント配線板に実装した際に、複数の信号配線をまたぐように形成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、グリッドアレイパッケージ、及びグリッドアレイパッケージを搭載するプリント回路板の構造及び配線に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、DDRメモリやSRAMなどに用いているSSTLやHSTL(EIA/JEDEC Standard:JESD8−6)のように、低電圧で100MHzを超える信号伝送が可能なインターフェースは、送受信するデジタル信号の品質を確保しなければならない。そのため、従来受信する半導体部品側の信号配線は、図10に示す様に、駆動電圧(VCCO)とは別の基準電位(VTT)に終端抵抗を介して接続されていた。図中100はプリント回路板である。101は多層のプリント配線板であり、102はプリント配線板101に実装されたデジタル信号を受信するグリッドアレイパッケージである。103はデジタル信号が伝送される信号配線で、ここでは4本の配線が設けられている。104は前述の信号配線103にその一端が接続された終端抵抗部品であり、伝送されるデジタル信号のインピーダンス特性に応じた抵抗値を有している。終端抵抗部品104の抵抗値は、通常40Ω〜120Ω程度のものが使用される。105はスルーホールであり、終端抵抗部品104の他端と配線106を介して接続されている。信号配線103は、終端抵抗部品104、スルーホール105を介して、他の配線層に設けられた不図示の電位の安定に十分な面積を持つ基準電位配線と接続されている。107はグラウンド配線であり、プリント配線板101の表面層の、半導体部品102、信号配線103、終端抵抗104、配線106以外の部分に形成されている。
【0003】
しかしながら信号の高速化が進むに連れ、前述のSSTLやHSTLの高速信号インターフェースでは、信号の反射や減衰による電磁波ノイズの発生や、信号の品質低下が大きな問題となっている。そのため、プリント配線板の配線設計時に信号配線全域においてグラウンド配線との間の特性インピーダンスを一定に保つ事が重要となっている。
【0004】
一般にプリント配線板上の信号配線の特性インピーダンスは、用いられているプリント配線板の配線構造によって異なる。図11はマイクロストリップ構造の信号配線の断面図であり、図中111は信号配線、112はグラウンド配線、113は誘電体である。この時に信号配線111の特性インピーダンスZは、配線幅w、層間h、配線厚t、誘電率εとすると
【0005】
【外1】
で表すことができる。
【0006】
また、図12はコプレーナストリップ構造の信号配線の断面図であり、図中121は信号配線、122はグラウンド配線、123は誘電体である。この時に信号配線121の特性インピーダンスZは、配線幅w、配線間隔s、誘電体厚h、配線厚t、誘電率εとすると
【0007】
【外2】
で表すことができる。
【0008】
(式1)(式2)から分かるように、信号配線の特性インピーダンスは信号配線の配線幅、グラウンド配線との間のクリアランス、配線を施す配線層の層間距離、層間の材料特性により定まる。通常、配線層の層間距離や配線層間の誘電体の材料特性はあらかじめ定まっているため、信号配線の特性インピーダンスは、信号配線の配線幅やグラウンド配線との間のクリアランスにより定まる。
【0009】
従って、信号配線の特性インピーダンスを信号配線全域に亙って一定に保つためには、信号配線の配線幅やグラウンド配線との間のクリアランスを一定しなければならない。
【0010】
また終端抵抗部品は、信号配線から分岐した配線で接続するので、分岐接続の場所の違いによる反射の影響を少なくするためには、信号配線のグリッドアレイパッケージに搭載されたICへの入力端子の近くに配置すればするほどその効果が大きくなる。
【0011】
しかしながら、前述の図10に示したようなプリント配線板101上に終端抵抗105を配置し、終端抵抗105を介して信号配線103と基準電位と接続する場合では、終端抵抗105を配置するために、配置する箇所では信号配線103の配線同士や信号配線とグラウンド配線のクリアランスが広がってしまう事が多い。そのため、信号配線のインピーダンスを一定に保つことができず、信号の反射や減衰を引き起こす要因となってしまう。
【0012】
また終端抵抗部品104は、終端抵抗部品を配置するスペースを確保するため、必ずグリッドアレイパッケージからある一定の距離(矢印A)の長さの配線を介して接続しなければならない。またこの距離(矢印A)は、信号配線103が高密度になればなるほど長くしなければならない。そのため、終端抵抗部品104の効果がうすれ、伝送する信号の反射や減衰が発生してしまう。
【0013】
そこで、特開平11−354674には、グリッドアレイパッケージの実装面側に、半田ボールの周囲を囲む格子状に溝を形成し、その溝に終端抵抗部品を搭載することが記載されている。これにより、終端抵抗部品を信号配線のグリッドアレイパッケージに搭載されたICへの入力端子の直近に配置することができるため、回路の低ノイズ化を実現できる。また、プリント配線板に配線形成し、追加部品を搭載する必要がなくなり、実装面積の低減と作業の容易化を図ることもできる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
近年、信号の高速化に伴い、バス配線等による複数の信号配線を設ける事が増えている。前述の特開平11−354674に示した従来の技術において、終端抵抗部品は、半田ボールを介してプリント配線板の基準電位と接続することになる。これをグリッドアレイパッケージに複数の信号配線が接続される形態に応用する場合、グリッドアレイパッケージの実装面側に搭載された複数の終端抵抗部品の各々に接続された半田ボールを、プリント配線板の基準電位と接続しなければならない。そのため、複数の半田ボールのすべてに対して基準電位となる配線を設けなければならない。
【0015】
しかしながら、グリッドアレイパッケージの実装面側にあたるプリント配線板の領域は、各グリッドの間を利用して信号配線が複雑に引き出されている。そのため配線が非常に密集した状態となっている。この配線が密集した領域に、更に基準電位となる配線を形成する事は非常に困難であり、プリント配線板の回路設計の自由度を大きく損なうものである。また基準電位となる配線を形成する事は、終端抵抗の数が増えれば増えるほどより困難になる。特に複数の配線のうち、内側に位置する信号配線に対しては、基準電位の配線を接続することが不可能な場合も考えられる。また、基準電位の配線が非常に細く屈曲した複雑な配線にする事は、配線自体のインピーダンスやインダクタンスが変化しやすく、基準電位の電圧電圧変動の要因ともなるので、好ましい形態とは言えない。また、各終端抵抗部品に対する基準電位の配線の接続状態が、終端抵抗部品毎に異なってしまうため、終端抵抗までの特性が一定せず、各信号配線の分岐部分の反射特性がばらつく事もあった。また、各信号配線の配線長が異なり、反射特性も異なるため、信号の到達するタイミングにずれが生じてしまい、スキュー等の問題も発生する。
【0016】
また、基準電位をスルーホールを介した他の配線層に設けることも可能であるが、通常スルーホールの径は配線よりも太いため、今度は複数のスルーホールを設けるための領域が必要となる。そのため、やはりプリント配線板の設計の自由度を大きく損なうものとなる。また複数のスルーホールが連続して形成されると、完全に領域が分離された状態になり、回路設計の自由度を大きく損なうものとなる。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するため本発明においては、ICパッケージ部と該ICパッケージ部が搭載されたインターポーザ部とを有し、複数の信号配線を介してデジタル信号を送受信するグリッドアレイパッケージにおいて、該インターポーザ部に該複数の信号配線に対する基準電位配線を設け、該基準電位配線には該インターボーザ部に搭載された複数の終端抵抗部品が接続されており、該基準電位配線は該複数の終端抵抗部品を介して該複数の信号配線のそれぞれと接続されているグリッドアレイパッケージを提供している。
【0018】
また本発明においては、前記インターポ−ザ部には第1、第2のスルーホールが形成されており、前記信号配線は第1のスルーホールを介して前記ICパッケージ部と接続されており、前記終端抵抗部品は第2のスルーホールを介して前記信号配線と接続されているグリッドアレイパッケージを提供している。
【0019】
また本発明においては、前記インターポ−ザ部には第3のスルーホールが形成されており、前記信号配線は第3のスルーホールを介して前記ICパッケージ部及び前記終端抵抗部品と接続されているグリッドアレイパッケージを提供している。
【0020】
また本発明においては、前記基準電位配線は、外部の基準電位配線と接続するための接続部が形成されているグリッドアレイパッケージを提供している。
【0021】
また本発明においては、前記接続部は、前記インターポーザに形成されたスルーホールであることグリッドアレイパッケージを提供している。
【0022】
また本発明においては、ICパッケージ部と該ICパッケージ部が搭載されたインターポーザ部とを有するグリッドアレイパッケージを、複数のデジタル信号を送受信する信号配線を有するプリント配線板に実装したプリント回路板において、該インターポーザ部には、該複数の信号配線に対する長尺状の第1の基準電位配線が該複数の信号配線をまたぐように設けられており、該複数の信号配線のそれぞれと該第1の基準電位配線は、該インターボーザ部に搭載された複数の終端抵抗部品を介して接続されているグリッドアレイパッケージを搭載するプリント回路板を提供している。
【0023】
また本発明においては、前記インターポ−ザ部には第1、第2のスルーホールが形成されており、前記信号配線は第1のスルーホールを介して前記ICパッケージ部と接続されており、前記終端抵抗部品は第2のスルーホールを介して前記信号配線と接続されているグリッドアレイパッケージを搭載するプリント回路板を提供している。
【0024】
また本発明においては、前記インターポ−ザ部には第3のスルーホールが形成されており、前記信号配線は第3のスルーホールを介して前記ICパッケージ部及び前記終端抵抗部品と接続されているグリッドアレイパッケージを搭載するプリント回路板を提供している。
【0025】
また本発明においては、前記プリント配線板には、前記基準電位配線よりも面積の大きい第2の基準電位配線が形成されており、前記第1の基準電位配線は該複数の信号配線をまたいだ少なくとも一方の端部において、第2の基準電位配線と接続されているグリッドアレイパッケージを搭載するプリント回路板を提供している。
【0026】
また本発明においては、前記第1の基準電位配線と前記第2の基準電位配線とは、前記インターポーザに形成されたスルーホールを介して接続されているグリッドアレイパッケージを搭載するプリント回路板を提供している。
【0027】
また本発明においては、前記プリント配線板は、複数層からなる多層プリント配線板であり、前記第2の基準電位配線は、前記プリント配線板の部品を実装する層とは異なる層に形成されており、スルーホールにより前記第1の基準電位配線と接続されているグリッドアレイパッケージを搭載するプリント回路板を提供している。
【0028】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0029】
(第1の実施の形態)
図1、図2、図3は本発明の第1の実施の形態を示している。図1はグリッドアレイパッケージをプリント配線板に実装したプリント回路板の斜視図であり、図2はその上面図であり、図3は実装部を拡大した断面図である。
【0030】
図中1はプリント回路板であり、2はプリント配線板である。3はグリッドアレイパッケージであり、ICチップ4が内蔵されたICパッケージ部5と、ICパッケージ部5と複数の半田ボール21により電気的に接続されている基板となるインターポーザ部6とにより形成されている。インターポーザ部6には複数のスルーホール22が形成されており、上面のICパッケージ部5と半田ボール21を介して電気的に接続された配線23を下面側に引き出している。7はプリント配線板2の上面に形成された高速デジタル信号を伝送する複数の信号配線である。信号配線7はスルーホール22の下端部に形成された半田ボール24により、グリッドアレイパッケージ3と接続される。8はインターポーザ部6の上面のICパッケージ部5の外側にあたる部分に設けられた複数の終端抵抗部品である。終端抵抗部品8は一端がインターポーザ部6の上面に設けられた配線25に接続されている。配線25はインターポーザ部6に設けられたスルーホール26及びインターポーザ部6の下面に位置する半田ボール27を介して信号配線7に接続されている。終端抵抗部品8はお互いが平行に形成された信号配線7の各々に接続されるため、信号配線7の真上に各々が並行に配置されている。これにように配置することで、複数の終端抵抗部品8を信号配線7のグリッドアレイパッケージ3への入力端子である半田ボール24の近くに配置する事ができる。
【0031】
9はインターポーザ部6の上面に設けられた基準電位となる基準電位配線であり、並行して配置された複数の終端抵抗部品8の他端が接続されている。従って基準電位配線9は複数の信号配線7をまたぐようにして形成された長尺状をなしている。10はプリント配線板2の上面の信号配線7の両側に設けられた基準電位配線9よりも大きい基準電位配線であり、不図示のプリント配線板内のグランド配線層やシャーシに接続されており、非常に安定した電位を有している。基準電位配線10は導電性の接続用部材11により、基準電位配線9に設けられた接続用ランド12と接続されている。基準電位配線10は信号配線7の配線を妨げないように配置する必要があるため、信号配線7の両側に設けられており、基準電位配線9との接続は、長尺の両端において行われる。
【0032】
このようにして、信号配線7は半田ボール27、スルーホール26、配線25、終端抵抗部品8、基準電位配線9、接続用ランド12、接続用部材11を介して基準電位配線10と接続され終端されている。たとえば、高速バス信号配線7の駆動電圧が1.5Vであり、特性インピーダンスが50Ωである場合、基準電位配線9、10の基準電圧を0.75Vとし、終端抵抗部品8には50Ωの抵抗値を有する部品を使用する事で、高速バス信号配線7を終端する事ができる。尚プリント配線板2の信号配線7、グリッドアレイパッケージ3の実装部、基準電位配線10の周囲の領域には、通常グラウンド配線13が形成されている。
【0033】
尚、基準電位配線9と基準電位配線10は接続用部材11により接続されているが、本実施の形態はそれに限られるものではなく、スルーホールを介して接続しても良い。図4はその時のプリント回路板の斜視図であり、図5は基準電位配線9と基準電位配線10の接続状態を示した断面図である。図4、5において図1、図3と同じ部材には同じ符号を付している。基準電位配線9はインターポーザ部6に形成されたスルーホール28とその下端面に配置された半田ボール29により、基準電位配線10と電気的に接続されている。スルーホール28と半田ボール29を使用することにより接続用部材11が不要になる。また、スルーホール28は他のスルーホール22、26と同時に形成する事ができ、半田ボール29は他の半田ボール24、27と同様に配置し接続する事ができる。そのため、他の実装プロセス等を行う必要がなく非常の簡単に、低コストで基準電位配線9と基準電位配線10を接続する事ができる。
【0034】
また、基準電位配線9と基準電位配線10の接続部は、長尺状の基準電位配線9の両端に形成されているが、本実施の形態はそれに限られるものではなく、どちらか一方の端にのみ形成して良い。ただし、一方の端の場合は両端の場合に比べて、電位の安定度は低くなる。
【0035】
また、基準電位配線9は長尺状のものが1つ形成されているが、本実施の形態はそれに限られるものではなく、2つ以上の複数個形成してもかまわない。たとえば、図6に示すように、図1における基準電位配線9を長尺方向に2つに分割した基準電位配線9−1,9−2を形成し、それぞれを接続用部材11により異なる基準電位配線10と接続するようにしてもかまわない。
【0036】
また、基準電位配線10はプリント配線板2の上面層に形成されているが、本実施の形態はそれに限られるものではなく、多層のプリント配線板を用い、上面層とは異なる層に基準電位層を形成し、スルーホールを介して接続しても良い。この場合、基準電位配線9と基準電位配線10の接続部を高速バス信号配線7の中央部において形成してもよい。ただし、高速バス信号配線7の中央部にスルーホールを形成する必要があるため、スルーホールを形成する両側の信号配線の間隔を若干広げておく必要がある。
【0037】
また、終端抵抗部品8、基準電位配線9、配線25はインターボーザ部6の上面に形成されているが、本実施の形態はそれに限られるものではなく、インターボーザ部6の下面に形成しても良い。下面に形成することにより、スルーホール26を形成する必要はない。
【0038】
以上説明したように本実施の形態においては、終端抵抗がグリッドアレイパッケージのインターボーザ部に配置されているので、ICパッケージ部5の信号入力端子の直近に配置されており、特性インピーダンスの不整合による反射ノイズの発生を抑制する事ができる。また、プリント配線板上の信号配線は全領域に亙って、信号配線の配線幅やグラウンド配線との間のクリアランスを一定に保てことができるため、プリント配線板の特性インピーダンスを一定に保つ事ができ信号品質の確保が可能になる。
【0039】
また、バス配線等の複数の信号配線を終端する場合においても、プリント配線板上やグリッドアレイパッケージ内に複雑な基準電位配線を設ける必要がなく、またプリント配線板に複数のスルーホールを形成する必要もない。そのため、プリント配線板の領域を規制する事なく、回路設計の自由度を大幅に向上させるものである。
【0040】
また、終端抵抗部品と接続する基準電位配線は、長尺の配線領域であるため、配線自体に複雑なインピーダンスやインダクタンスを持つ事もなく均一であるため、すべての終端抵抗部品を同じ条件で配置する事ができる。そのため複数の配線であっても、安定した信号配線の終端を行うことができる。
【0041】
(第2の実施の形態)
図7、図8は、本発明による第2の実施の形態を示している。図6はグリッドアレイパッケージをプリント配線板に実装したプリント回路板の斜視図であり、図7は実装部を拡大した断面図である。図7、図8において、第1の実施の形態を示した図1、図3と同じ部材には同じ符号を付しその説明は省略する。
【0042】
図7、図8において、インターポーザ部6には複数のスルーホール32が形成されており、スルーホール32の下端部に配置された半田ボール33により信号配線7と接続されている。また、スルーホール32の上端部に配置された半田ボール31によりICパッケージ部5と接続されている。また、インターポーザ部6の上面に搭載された複数の終端抵抗部品8の一端は、配線35により半田ボール31に接続されている。
【0043】
尚、図8において終端抵抗8はICパッケージ部5の最外周の半田ボール31と接続されているが、本実施の形態はそれに限られるものではなく、信号配線7の数が多い場合には、図9に示すグリッドアレイパッケージを上面からICパッケージ部5を透視した平面図のように、ICパッケージ部5の最外周以外の半田ボールと接続する事もできる。
【0044】
以上のような構成にすることで、前述の第1の実施の形態に比べ、更にICパッケージ部5の信号入力端子の直近に終端抵抗部品8を配置する事ができるため、より反射の影響を小さくすることができ、信号品質の確保が可能になる。また、インターポーザ部の下面に設ける半田ボールの数を、終端抵抗部品8の数と同数だけ減らすことができため、半導体部品および、半導体部品が実装されたプリント回路板のコストを安くすることができる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ICパッケージ部とICパッケージ部が搭載されたインターポーザ部とを有し、複数の信号配線を介してデジタル信号を送受信するグリッドアレイパッケージにおいて、インターポーザ部に複数の信号配線に対する基準電位配線を設け、基準電位配線にはインターボーザ部に搭載された複数の終端抵抗部品が接続されており、基準電位配線は複数の終端抵抗部品を介して複数の信号配線のそれぞれと接続する事により、終端抵抗部品をICパッケージ5の信号入力端子の直近に配置する事ができ、特性インピーダンスの不整合による反射ノイズの発生を抑制する事ができる。
【0046】
また、基準電位配線はグリッドアレイパッケージをプリント配線板に実装した際に、複数の信号配線をまたぐように形成することで、容易にプリント配線板の基準電位配線と接続する事ができる。
【0047】
また、基準電位配線をプリント配線板上の信号配線をまたぐように形成しているため、プリント配線板上の信号配線の、信号配線の全領域に亙って、信号配線の配線幅やグラウンド配線との間のクリアランスを一定に保つことができ、信号の反射や減衰を防止し、プリント配線板の特性インピーダンスを一定に保つ事ができ信号品質の確保が可能になる。
【0048】
また、バス配線等の複数の信号配線を終端する場合においても、プリント配線板上に複雑な基準電位配線を設ける必要がなく、また複数のスルーホールを形成する必要もないため、プリント配線板の領域を規制する事なく、設計の自由度を大幅に向上させるものである。
【0049】
また、終端抵抗と接続する基準電位配線は、長尺の配線領域であるため、配線自体に複雑なインピーダンスやインダクタンスを持つ事もなく、すべての終端抵抗部品を全く同じ条件で使用する事が可能となるため、終端抵抗の機能を充分に発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示すプリント回路板の斜視図
【図2】第1の実施の形態を示すプリント回路板の上面図
【図3】第1の実施の形態を示すプリント回路板の実装部を拡大した断面図
【図4】第1の実施の形態の変形例を示すプリント回路板の斜視図
【図5】第1の実施の形態の変形例を示すプリント回路板の実装部を拡大した断面図
【図6】第1の実施の形態の変形例を示すプリント回路板の斜視図
【図7】第2の実施の形態を示すプリント回路板の斜視図
【図8】第2の実施の形態を示すプリント回路板の実装部を拡大した断面図
【図9】第2の実施の形態のグリッドアレイパッケージを上面からICパッケージ部5を透視した平面図
【図10】従来例の終端抵抗部品の配置図
【図11】マイクロストリップ構造の信号配線の断面図
【図12】ストリップ構造の信号配線の断面図
【符号の説明】
1、100 プリント回路板
2、101 プリント配線板
3、102 グリッドアレイパッケージ
4 ICチップ
5 ICパッケージ部
6 インターポーザ部
7、103、111、121 信号配線
8、104 終端抵抗部品
9、10 基準電位配線
11 接続用部材
12 接続用ランド
13、107、112、122 グラウンド配線
21、24、27、29、31,33 半田ボール
22、26、28、32、105 スルーホール
23、25、106 配線
113、123 誘電体
【発明の属する技術分野】
本発明は、グリッドアレイパッケージ、及びグリッドアレイパッケージを搭載するプリント回路板の構造及び配線に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、DDRメモリやSRAMなどに用いているSSTLやHSTL(EIA/JEDEC Standard:JESD8−6)のように、低電圧で100MHzを超える信号伝送が可能なインターフェースは、送受信するデジタル信号の品質を確保しなければならない。そのため、従来受信する半導体部品側の信号配線は、図10に示す様に、駆動電圧(VCCO)とは別の基準電位(VTT)に終端抵抗を介して接続されていた。図中100はプリント回路板である。101は多層のプリント配線板であり、102はプリント配線板101に実装されたデジタル信号を受信するグリッドアレイパッケージである。103はデジタル信号が伝送される信号配線で、ここでは4本の配線が設けられている。104は前述の信号配線103にその一端が接続された終端抵抗部品であり、伝送されるデジタル信号のインピーダンス特性に応じた抵抗値を有している。終端抵抗部品104の抵抗値は、通常40Ω〜120Ω程度のものが使用される。105はスルーホールであり、終端抵抗部品104の他端と配線106を介して接続されている。信号配線103は、終端抵抗部品104、スルーホール105を介して、他の配線層に設けられた不図示の電位の安定に十分な面積を持つ基準電位配線と接続されている。107はグラウンド配線であり、プリント配線板101の表面層の、半導体部品102、信号配線103、終端抵抗104、配線106以外の部分に形成されている。
【0003】
しかしながら信号の高速化が進むに連れ、前述のSSTLやHSTLの高速信号インターフェースでは、信号の反射や減衰による電磁波ノイズの発生や、信号の品質低下が大きな問題となっている。そのため、プリント配線板の配線設計時に信号配線全域においてグラウンド配線との間の特性インピーダンスを一定に保つ事が重要となっている。
【0004】
一般にプリント配線板上の信号配線の特性インピーダンスは、用いられているプリント配線板の配線構造によって異なる。図11はマイクロストリップ構造の信号配線の断面図であり、図中111は信号配線、112はグラウンド配線、113は誘電体である。この時に信号配線111の特性インピーダンスZは、配線幅w、層間h、配線厚t、誘電率εとすると
【0005】
【外1】
で表すことができる。
【0006】
また、図12はコプレーナストリップ構造の信号配線の断面図であり、図中121は信号配線、122はグラウンド配線、123は誘電体である。この時に信号配線121の特性インピーダンスZは、配線幅w、配線間隔s、誘電体厚h、配線厚t、誘電率εとすると
【0007】
【外2】
で表すことができる。
【0008】
(式1)(式2)から分かるように、信号配線の特性インピーダンスは信号配線の配線幅、グラウンド配線との間のクリアランス、配線を施す配線層の層間距離、層間の材料特性により定まる。通常、配線層の層間距離や配線層間の誘電体の材料特性はあらかじめ定まっているため、信号配線の特性インピーダンスは、信号配線の配線幅やグラウンド配線との間のクリアランスにより定まる。
【0009】
従って、信号配線の特性インピーダンスを信号配線全域に亙って一定に保つためには、信号配線の配線幅やグラウンド配線との間のクリアランスを一定しなければならない。
【0010】
また終端抵抗部品は、信号配線から分岐した配線で接続するので、分岐接続の場所の違いによる反射の影響を少なくするためには、信号配線のグリッドアレイパッケージに搭載されたICへの入力端子の近くに配置すればするほどその効果が大きくなる。
【0011】
しかしながら、前述の図10に示したようなプリント配線板101上に終端抵抗105を配置し、終端抵抗105を介して信号配線103と基準電位と接続する場合では、終端抵抗105を配置するために、配置する箇所では信号配線103の配線同士や信号配線とグラウンド配線のクリアランスが広がってしまう事が多い。そのため、信号配線のインピーダンスを一定に保つことができず、信号の反射や減衰を引き起こす要因となってしまう。
【0012】
また終端抵抗部品104は、終端抵抗部品を配置するスペースを確保するため、必ずグリッドアレイパッケージからある一定の距離(矢印A)の長さの配線を介して接続しなければならない。またこの距離(矢印A)は、信号配線103が高密度になればなるほど長くしなければならない。そのため、終端抵抗部品104の効果がうすれ、伝送する信号の反射や減衰が発生してしまう。
【0013】
そこで、特開平11−354674には、グリッドアレイパッケージの実装面側に、半田ボールの周囲を囲む格子状に溝を形成し、その溝に終端抵抗部品を搭載することが記載されている。これにより、終端抵抗部品を信号配線のグリッドアレイパッケージに搭載されたICへの入力端子の直近に配置することができるため、回路の低ノイズ化を実現できる。また、プリント配線板に配線形成し、追加部品を搭載する必要がなくなり、実装面積の低減と作業の容易化を図ることもできる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
近年、信号の高速化に伴い、バス配線等による複数の信号配線を設ける事が増えている。前述の特開平11−354674に示した従来の技術において、終端抵抗部品は、半田ボールを介してプリント配線板の基準電位と接続することになる。これをグリッドアレイパッケージに複数の信号配線が接続される形態に応用する場合、グリッドアレイパッケージの実装面側に搭載された複数の終端抵抗部品の各々に接続された半田ボールを、プリント配線板の基準電位と接続しなければならない。そのため、複数の半田ボールのすべてに対して基準電位となる配線を設けなければならない。
【0015】
しかしながら、グリッドアレイパッケージの実装面側にあたるプリント配線板の領域は、各グリッドの間を利用して信号配線が複雑に引き出されている。そのため配線が非常に密集した状態となっている。この配線が密集した領域に、更に基準電位となる配線を形成する事は非常に困難であり、プリント配線板の回路設計の自由度を大きく損なうものである。また基準電位となる配線を形成する事は、終端抵抗の数が増えれば増えるほどより困難になる。特に複数の配線のうち、内側に位置する信号配線に対しては、基準電位の配線を接続することが不可能な場合も考えられる。また、基準電位の配線が非常に細く屈曲した複雑な配線にする事は、配線自体のインピーダンスやインダクタンスが変化しやすく、基準電位の電圧電圧変動の要因ともなるので、好ましい形態とは言えない。また、各終端抵抗部品に対する基準電位の配線の接続状態が、終端抵抗部品毎に異なってしまうため、終端抵抗までの特性が一定せず、各信号配線の分岐部分の反射特性がばらつく事もあった。また、各信号配線の配線長が異なり、反射特性も異なるため、信号の到達するタイミングにずれが生じてしまい、スキュー等の問題も発生する。
【0016】
また、基準電位をスルーホールを介した他の配線層に設けることも可能であるが、通常スルーホールの径は配線よりも太いため、今度は複数のスルーホールを設けるための領域が必要となる。そのため、やはりプリント配線板の設計の自由度を大きく損なうものとなる。また複数のスルーホールが連続して形成されると、完全に領域が分離された状態になり、回路設計の自由度を大きく損なうものとなる。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するため本発明においては、ICパッケージ部と該ICパッケージ部が搭載されたインターポーザ部とを有し、複数の信号配線を介してデジタル信号を送受信するグリッドアレイパッケージにおいて、該インターポーザ部に該複数の信号配線に対する基準電位配線を設け、該基準電位配線には該インターボーザ部に搭載された複数の終端抵抗部品が接続されており、該基準電位配線は該複数の終端抵抗部品を介して該複数の信号配線のそれぞれと接続されているグリッドアレイパッケージを提供している。
【0018】
また本発明においては、前記インターポ−ザ部には第1、第2のスルーホールが形成されており、前記信号配線は第1のスルーホールを介して前記ICパッケージ部と接続されており、前記終端抵抗部品は第2のスルーホールを介して前記信号配線と接続されているグリッドアレイパッケージを提供している。
【0019】
また本発明においては、前記インターポ−ザ部には第3のスルーホールが形成されており、前記信号配線は第3のスルーホールを介して前記ICパッケージ部及び前記終端抵抗部品と接続されているグリッドアレイパッケージを提供している。
【0020】
また本発明においては、前記基準電位配線は、外部の基準電位配線と接続するための接続部が形成されているグリッドアレイパッケージを提供している。
【0021】
また本発明においては、前記接続部は、前記インターポーザに形成されたスルーホールであることグリッドアレイパッケージを提供している。
【0022】
また本発明においては、ICパッケージ部と該ICパッケージ部が搭載されたインターポーザ部とを有するグリッドアレイパッケージを、複数のデジタル信号を送受信する信号配線を有するプリント配線板に実装したプリント回路板において、該インターポーザ部には、該複数の信号配線に対する長尺状の第1の基準電位配線が該複数の信号配線をまたぐように設けられており、該複数の信号配線のそれぞれと該第1の基準電位配線は、該インターボーザ部に搭載された複数の終端抵抗部品を介して接続されているグリッドアレイパッケージを搭載するプリント回路板を提供している。
【0023】
また本発明においては、前記インターポ−ザ部には第1、第2のスルーホールが形成されており、前記信号配線は第1のスルーホールを介して前記ICパッケージ部と接続されており、前記終端抵抗部品は第2のスルーホールを介して前記信号配線と接続されているグリッドアレイパッケージを搭載するプリント回路板を提供している。
【0024】
また本発明においては、前記インターポ−ザ部には第3のスルーホールが形成されており、前記信号配線は第3のスルーホールを介して前記ICパッケージ部及び前記終端抵抗部品と接続されているグリッドアレイパッケージを搭載するプリント回路板を提供している。
【0025】
また本発明においては、前記プリント配線板には、前記基準電位配線よりも面積の大きい第2の基準電位配線が形成されており、前記第1の基準電位配線は該複数の信号配線をまたいだ少なくとも一方の端部において、第2の基準電位配線と接続されているグリッドアレイパッケージを搭載するプリント回路板を提供している。
【0026】
また本発明においては、前記第1の基準電位配線と前記第2の基準電位配線とは、前記インターポーザに形成されたスルーホールを介して接続されているグリッドアレイパッケージを搭載するプリント回路板を提供している。
【0027】
また本発明においては、前記プリント配線板は、複数層からなる多層プリント配線板であり、前記第2の基準電位配線は、前記プリント配線板の部品を実装する層とは異なる層に形成されており、スルーホールにより前記第1の基準電位配線と接続されているグリッドアレイパッケージを搭載するプリント回路板を提供している。
【0028】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0029】
(第1の実施の形態)
図1、図2、図3は本発明の第1の実施の形態を示している。図1はグリッドアレイパッケージをプリント配線板に実装したプリント回路板の斜視図であり、図2はその上面図であり、図3は実装部を拡大した断面図である。
【0030】
図中1はプリント回路板であり、2はプリント配線板である。3はグリッドアレイパッケージであり、ICチップ4が内蔵されたICパッケージ部5と、ICパッケージ部5と複数の半田ボール21により電気的に接続されている基板となるインターポーザ部6とにより形成されている。インターポーザ部6には複数のスルーホール22が形成されており、上面のICパッケージ部5と半田ボール21を介して電気的に接続された配線23を下面側に引き出している。7はプリント配線板2の上面に形成された高速デジタル信号を伝送する複数の信号配線である。信号配線7はスルーホール22の下端部に形成された半田ボール24により、グリッドアレイパッケージ3と接続される。8はインターポーザ部6の上面のICパッケージ部5の外側にあたる部分に設けられた複数の終端抵抗部品である。終端抵抗部品8は一端がインターポーザ部6の上面に設けられた配線25に接続されている。配線25はインターポーザ部6に設けられたスルーホール26及びインターポーザ部6の下面に位置する半田ボール27を介して信号配線7に接続されている。終端抵抗部品8はお互いが平行に形成された信号配線7の各々に接続されるため、信号配線7の真上に各々が並行に配置されている。これにように配置することで、複数の終端抵抗部品8を信号配線7のグリッドアレイパッケージ3への入力端子である半田ボール24の近くに配置する事ができる。
【0031】
9はインターポーザ部6の上面に設けられた基準電位となる基準電位配線であり、並行して配置された複数の終端抵抗部品8の他端が接続されている。従って基準電位配線9は複数の信号配線7をまたぐようにして形成された長尺状をなしている。10はプリント配線板2の上面の信号配線7の両側に設けられた基準電位配線9よりも大きい基準電位配線であり、不図示のプリント配線板内のグランド配線層やシャーシに接続されており、非常に安定した電位を有している。基準電位配線10は導電性の接続用部材11により、基準電位配線9に設けられた接続用ランド12と接続されている。基準電位配線10は信号配線7の配線を妨げないように配置する必要があるため、信号配線7の両側に設けられており、基準電位配線9との接続は、長尺の両端において行われる。
【0032】
このようにして、信号配線7は半田ボール27、スルーホール26、配線25、終端抵抗部品8、基準電位配線9、接続用ランド12、接続用部材11を介して基準電位配線10と接続され終端されている。たとえば、高速バス信号配線7の駆動電圧が1.5Vであり、特性インピーダンスが50Ωである場合、基準電位配線9、10の基準電圧を0.75Vとし、終端抵抗部品8には50Ωの抵抗値を有する部品を使用する事で、高速バス信号配線7を終端する事ができる。尚プリント配線板2の信号配線7、グリッドアレイパッケージ3の実装部、基準電位配線10の周囲の領域には、通常グラウンド配線13が形成されている。
【0033】
尚、基準電位配線9と基準電位配線10は接続用部材11により接続されているが、本実施の形態はそれに限られるものではなく、スルーホールを介して接続しても良い。図4はその時のプリント回路板の斜視図であり、図5は基準電位配線9と基準電位配線10の接続状態を示した断面図である。図4、5において図1、図3と同じ部材には同じ符号を付している。基準電位配線9はインターポーザ部6に形成されたスルーホール28とその下端面に配置された半田ボール29により、基準電位配線10と電気的に接続されている。スルーホール28と半田ボール29を使用することにより接続用部材11が不要になる。また、スルーホール28は他のスルーホール22、26と同時に形成する事ができ、半田ボール29は他の半田ボール24、27と同様に配置し接続する事ができる。そのため、他の実装プロセス等を行う必要がなく非常の簡単に、低コストで基準電位配線9と基準電位配線10を接続する事ができる。
【0034】
また、基準電位配線9と基準電位配線10の接続部は、長尺状の基準電位配線9の両端に形成されているが、本実施の形態はそれに限られるものではなく、どちらか一方の端にのみ形成して良い。ただし、一方の端の場合は両端の場合に比べて、電位の安定度は低くなる。
【0035】
また、基準電位配線9は長尺状のものが1つ形成されているが、本実施の形態はそれに限られるものではなく、2つ以上の複数個形成してもかまわない。たとえば、図6に示すように、図1における基準電位配線9を長尺方向に2つに分割した基準電位配線9−1,9−2を形成し、それぞれを接続用部材11により異なる基準電位配線10と接続するようにしてもかまわない。
【0036】
また、基準電位配線10はプリント配線板2の上面層に形成されているが、本実施の形態はそれに限られるものではなく、多層のプリント配線板を用い、上面層とは異なる層に基準電位層を形成し、スルーホールを介して接続しても良い。この場合、基準電位配線9と基準電位配線10の接続部を高速バス信号配線7の中央部において形成してもよい。ただし、高速バス信号配線7の中央部にスルーホールを形成する必要があるため、スルーホールを形成する両側の信号配線の間隔を若干広げておく必要がある。
【0037】
また、終端抵抗部品8、基準電位配線9、配線25はインターボーザ部6の上面に形成されているが、本実施の形態はそれに限られるものではなく、インターボーザ部6の下面に形成しても良い。下面に形成することにより、スルーホール26を形成する必要はない。
【0038】
以上説明したように本実施の形態においては、終端抵抗がグリッドアレイパッケージのインターボーザ部に配置されているので、ICパッケージ部5の信号入力端子の直近に配置されており、特性インピーダンスの不整合による反射ノイズの発生を抑制する事ができる。また、プリント配線板上の信号配線は全領域に亙って、信号配線の配線幅やグラウンド配線との間のクリアランスを一定に保てことができるため、プリント配線板の特性インピーダンスを一定に保つ事ができ信号品質の確保が可能になる。
【0039】
また、バス配線等の複数の信号配線を終端する場合においても、プリント配線板上やグリッドアレイパッケージ内に複雑な基準電位配線を設ける必要がなく、またプリント配線板に複数のスルーホールを形成する必要もない。そのため、プリント配線板の領域を規制する事なく、回路設計の自由度を大幅に向上させるものである。
【0040】
また、終端抵抗部品と接続する基準電位配線は、長尺の配線領域であるため、配線自体に複雑なインピーダンスやインダクタンスを持つ事もなく均一であるため、すべての終端抵抗部品を同じ条件で配置する事ができる。そのため複数の配線であっても、安定した信号配線の終端を行うことができる。
【0041】
(第2の実施の形態)
図7、図8は、本発明による第2の実施の形態を示している。図6はグリッドアレイパッケージをプリント配線板に実装したプリント回路板の斜視図であり、図7は実装部を拡大した断面図である。図7、図8において、第1の実施の形態を示した図1、図3と同じ部材には同じ符号を付しその説明は省略する。
【0042】
図7、図8において、インターポーザ部6には複数のスルーホール32が形成されており、スルーホール32の下端部に配置された半田ボール33により信号配線7と接続されている。また、スルーホール32の上端部に配置された半田ボール31によりICパッケージ部5と接続されている。また、インターポーザ部6の上面に搭載された複数の終端抵抗部品8の一端は、配線35により半田ボール31に接続されている。
【0043】
尚、図8において終端抵抗8はICパッケージ部5の最外周の半田ボール31と接続されているが、本実施の形態はそれに限られるものではなく、信号配線7の数が多い場合には、図9に示すグリッドアレイパッケージを上面からICパッケージ部5を透視した平面図のように、ICパッケージ部5の最外周以外の半田ボールと接続する事もできる。
【0044】
以上のような構成にすることで、前述の第1の実施の形態に比べ、更にICパッケージ部5の信号入力端子の直近に終端抵抗部品8を配置する事ができるため、より反射の影響を小さくすることができ、信号品質の確保が可能になる。また、インターポーザ部の下面に設ける半田ボールの数を、終端抵抗部品8の数と同数だけ減らすことができため、半導体部品および、半導体部品が実装されたプリント回路板のコストを安くすることができる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ICパッケージ部とICパッケージ部が搭載されたインターポーザ部とを有し、複数の信号配線を介してデジタル信号を送受信するグリッドアレイパッケージにおいて、インターポーザ部に複数の信号配線に対する基準電位配線を設け、基準電位配線にはインターボーザ部に搭載された複数の終端抵抗部品が接続されており、基準電位配線は複数の終端抵抗部品を介して複数の信号配線のそれぞれと接続する事により、終端抵抗部品をICパッケージ5の信号入力端子の直近に配置する事ができ、特性インピーダンスの不整合による反射ノイズの発生を抑制する事ができる。
【0046】
また、基準電位配線はグリッドアレイパッケージをプリント配線板に実装した際に、複数の信号配線をまたぐように形成することで、容易にプリント配線板の基準電位配線と接続する事ができる。
【0047】
また、基準電位配線をプリント配線板上の信号配線をまたぐように形成しているため、プリント配線板上の信号配線の、信号配線の全領域に亙って、信号配線の配線幅やグラウンド配線との間のクリアランスを一定に保つことができ、信号の反射や減衰を防止し、プリント配線板の特性インピーダンスを一定に保つ事ができ信号品質の確保が可能になる。
【0048】
また、バス配線等の複数の信号配線を終端する場合においても、プリント配線板上に複雑な基準電位配線を設ける必要がなく、また複数のスルーホールを形成する必要もないため、プリント配線板の領域を規制する事なく、設計の自由度を大幅に向上させるものである。
【0049】
また、終端抵抗と接続する基準電位配線は、長尺の配線領域であるため、配線自体に複雑なインピーダンスやインダクタンスを持つ事もなく、すべての終端抵抗部品を全く同じ条件で使用する事が可能となるため、終端抵抗の機能を充分に発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示すプリント回路板の斜視図
【図2】第1の実施の形態を示すプリント回路板の上面図
【図3】第1の実施の形態を示すプリント回路板の実装部を拡大した断面図
【図4】第1の実施の形態の変形例を示すプリント回路板の斜視図
【図5】第1の実施の形態の変形例を示すプリント回路板の実装部を拡大した断面図
【図6】第1の実施の形態の変形例を示すプリント回路板の斜視図
【図7】第2の実施の形態を示すプリント回路板の斜視図
【図8】第2の実施の形態を示すプリント回路板の実装部を拡大した断面図
【図9】第2の実施の形態のグリッドアレイパッケージを上面からICパッケージ部5を透視した平面図
【図10】従来例の終端抵抗部品の配置図
【図11】マイクロストリップ構造の信号配線の断面図
【図12】ストリップ構造の信号配線の断面図
【符号の説明】
1、100 プリント回路板
2、101 プリント配線板
3、102 グリッドアレイパッケージ
4 ICチップ
5 ICパッケージ部
6 インターポーザ部
7、103、111、121 信号配線
8、104 終端抵抗部品
9、10 基準電位配線
11 接続用部材
12 接続用ランド
13、107、112、122 グラウンド配線
21、24、27、29、31,33 半田ボール
22、26、28、32、105 スルーホール
23、25、106 配線
113、123 誘電体
Claims (11)
- ICパッケージ部と該ICパッケージ部が搭載されたインターポーザ部とを有し、複数の信号配線を介してデジタル信号を送受信するグリッドアレイパッケージにおいて、該インターポーザ部に該複数の信号配線に対する基準電位配線を設け、該基準電位配線には該インターボーザ部に搭載された複数の終端抵抗部品が接続されており、該基準電位配線は該複数の終端抵抗部品を介して該複数の信号配線のそれぞれと接続されている事を特徴とするグリッドアレイパッケージ。
- 前記インターポ−ザ部には第1、第2のスルーホールが形成されており、前記信号配線は第1のスルーホールを介して前記ICパッケージ部と接続されており、前記終端抵抗部品は第2のスルーホールを介して前記信号配線と接続されていることを特徴とする請求項1に記載のグリッドアレイパッケージ。
- 前記インターポ−ザ部には第3のスルーホールが形成されており、前記信号配線は第3のスルーホールを介して前記ICパッケージ部及び前記終端抵抗部品と接続されていることを特徴とする請求項1に記載のグリッドアレイパッケージ。
- 前記基準電位配線は、外部の基準電位配線と接続するための接続部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のグリッドアレイパッケージ。
- 前記接続部は、前記インターポーザに形成されたスルーホールであることを特徴とする請求項4に記載のグリッドアレイパッケージ。
- ICパッケージ部と該ICパッケージ部が搭載されたインターポーザ部とを有するグリッドアレイパッケージを、複数のデジタル信号を送受信する信号配線を有するプリント配線板に実装したプリント回路板において、該インターポーザ部には、該複数の信号配線に対する長尺状の第1の基準電位配線が該複数の信号配線をまたぐように設けられており、該複数の信号配線のそれぞれと該第1の基準電位配線は、該インターボーザ部に搭載された複数の終端抵抗部品を介して接続されている事を特徴とするグリッドアレイパッケージを搭載するプリント回路板。
- 前記インターポ−ザ部には第1、第2のスルーホールが形成されており、前記信号配線は第1のスルーホールを介して前記ICパッケージ部と接続されており、前記終端抵抗部品は第2のスルーホールを介して前記信号配線と接続されていることを特徴とする請求項6に記載のグリッドアレイパッケージを搭載するプリント回路板。
- 前記インターポ−ザ部には第3のスルーホールが形成されており、前記信号配線は第3のスルーホールを介して前記ICパッケージ部及び前記終端抵抗部品と接続されていることを特徴とする請求項6に記載のグリッドアレイパッケージを搭載するプリント回路板。
- 前記プリント配線板には、前記基準電位配線よりも大きい面積を持つ第2の基準電位配線が形成されており、前記第1の基準電位配線は該複数の信号配線をまたいだ少なくとも一方の端部において、第2の基準電位配線と接続されていることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載のグリッドアレイパッケージを搭載するプリント回路板。
- 前記第1の基準電位配線と前記第2の基準電位配線とは、前記インターポーザに形成されたスルーホールを介して接続されていることを特徴とする請求項9に記載のグリッドアレイパッケージを搭載するプリント回路板。
- 前記プリント配線板は、複数層からなる多層プリント配線板であり、前記第2の基準電位配線は、前記プリント配線板の部品を実装する層とは異なる層に形成されており、スルーホールにより前記第1の基準電位配線と接続されていることを特徴とする請求項9に記載のグリッドアレイパッケージを搭載するプリント回路板。
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