JP2004204680A - スクロールコンプレッサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ハウジング11内において可動スクロール部材45の基板65の背面65a側には、背圧室16が配置されている。背圧室16は、可動スクロール部材45と、ハウジング11に設けられたセンタフレーム31との間に区画形成されている。背圧室16と圧縮途中にある圧縮室47A,47Bとは、導入通路76を介して接続されている。可動スクロール部材45には、センタフレーム31に摺動可能なことで背圧室16をシールするシール部材75が備えられている。シール部材75において一部のシール機能を低下させることで、このシール機能低下部75aを介して背圧室16と吸入室51とが接続されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、車両空調装置の冷凍サイクルを構成する、冷媒圧縮用のスクロールコンプレッサに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のスクロールコンプレッサにおいては、ハウジング内に固定された基板及び渦巻壁からなる固定スクロール部材と、該固定スクロール部材の渦巻壁に噛み合わされる基板及び渦巻壁からなる可動スクロール部材とが備えられている。そして、可動スクロール部材の公転により、両渦巻壁間に形成された圧縮室が容積を減少しながら移動されて冷媒ガスの圧縮が行われる。
【0003】
ところで、近年、冷凍サイクルの冷媒として二酸化炭素が用いられるようになっている。二酸化炭素冷媒を用いた場合には、フロン冷媒を用いた場合よりも冷凍サイクル内の圧力が非常に高くなる。従って、スクロールコンプレッサにおいては、可動スクロール部材に対して、圧縮室内の圧力に基づく非常に大きなスラスト荷重が作用されることとなる。よって、可動スクロール部材の摺動環境が厳しくなり、スクロールコンプレッサの信頼性が低下する問題を生じてしまう。
【0004】
このような問題を解決するために、例えば、特許文献1の技術においては、可動スクロール部材の背面に背圧用ポケットが凹設され、該背圧用ポケットがハウジングに設けられた固定壁で塞がれて背圧室が形成されている。容積減少途中にある圧縮室と背圧室とは、導入通路を介して接続されている。従って、背圧室内の圧力によって、圧縮室内の圧力に基づく力(スラスト荷重)に対抗する力(背圧力)が可動スクロール部材に作用され、可動スクロール部材と固定壁との間の摺動抵抗が低下される。また、可動スクロール部材が固定スクロール部材に対して押し付けられて、圧縮室のシール性が向上される。
【0005】
前記背圧室内の圧力は、可動スクロール部材と固定壁との間の隙間(通過断面積)が変動することで、好適に調整される。すなわち、例えば、背圧室内の圧力が上昇すると、可動スクロール部材と固定壁との間の隙間が増大する。従って、該隙間を介した、背圧室から低圧領域への冷媒ガスの導出量が増大し、背圧室内の圧力の過大な上昇が抑制される。逆に、背圧室内の圧力が低下すると、可動スクロール部材と固定壁との隙間が減少する。従って、該隙間を介した、背圧室から低圧領域への冷媒ガスの導出量が絞られて、背圧室内の圧力の過小な低下が抑制される。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−249086号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記特許文献1の技術においては、可動スクロール部材と固定壁との間の隙間全体を、背圧室から低圧領域への冷媒ガスの導出通路として利用している。従って、該隙間の変動によって背圧室内の圧力を好適に調整可能とするためには、例えば、可動スクロール部材及び固定壁の対向面を高精度で加工する必要があり、スクロールコンプレッサの加工コストが上昇する問題を生じていた。
【0008】
特に、 二酸化炭素冷媒を用いた場合には、フロン冷媒を用いた場合よりも、背圧室内の圧力が非常に高い範囲で調整されることとなる。従って、背圧室内の圧力を好適に調整するためには、可動スクロール部材と固定壁との間の隙間を、最大でも非常に狭くなるように設定する必要がある。よって、前述した加工コストの上昇の問題がより深刻化されることとなっていた。
【0009】
本発明の目的は、安価な構成で、背圧室の調圧を好適に行うことが可能なスクロールコンプレッサを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明のスクロールコンプレッサは、ハウジング内において可動スクロール部材の基板の背面側に、背圧室が配置されている。背圧室は、可動スクロール部材と、ハウジングに設けられた固定壁との間に区画形成されている。背圧室と高圧領域とは導入通路を介して接続されている。可動スクロール部材及び固定壁の一方には、他方に摺動可能なことで背圧室をシールするシール部材が備えられている。そして、シール部材において一部のシール機能を低下させることで、このシール機能低下部を介して背圧室と低圧領域とが接続されている。
【0011】
さて、スクロールコンプレッサの運転開始により、高圧領域の圧力が上昇すると、該高圧領域の高圧ガスが、導入通路を介して背圧室に導入される。従って、背圧室内の圧力が上昇し、該背圧室内の圧力によって可動スクロール部材には、固定スクロール部材へ向けて付勢する力が作用される。また、可動スクロール部材には、圧縮室内の圧力に基づく力が、固定スクロール部材から離間する方向に作用される。従って、背圧室内の圧力に基づく力と圧縮室内の圧力に基づく力とのバランスに応じて、固定壁に対する可動スクロール部材の相対位置が決定される。
【0012】
例えば、前記背圧室内の圧力が上昇すると、可動スクロール部材が固定壁から離間する方向に変位される。従って、可動スクロール部材と固定壁との間の摺動抵抗を低下させることができる。また、可動スクロール部材が固定スクロール部材に対して押し付けられて、圧縮室のシール性が向上される。
【0013】
前記可動スクロール部材と固定壁との間の隙間が大きくなると、該隙間をシールするシール部材においては、シール機能低下部におけるガスの通過断面積も大きくなる。従って、背圧室から低圧領域へ導出されるガスの量が増加し、背圧室内の圧力が低下する。背圧室内の圧力が低下すると、可動スクロール部材が固定壁に近接する方向に変位される。よって、可動スクロール部材と固定スクロール部材との間の摺動抵抗を低下させることができる。
【0014】
前記可動スクロール部材と固定壁との間の隙間が小さくなると、シール部材のシール機能低下部におけるガスの通過断面積も小さくなる。従って、背圧室から低圧領域へ導出されるガスの量が減少し、背圧室内の圧力が上昇する。
【0015】
つまり、本発明において可動スクロール部材は、背圧室内の圧力に基づく力が、圧縮室内の圧力に基づく力に応じた好適な大きさとなるように、固定壁との隙間(距離)を変化させて、シール機能低下部の通過断面積を自律的に調節する。従って、例えば、可動スクロール部材と固定壁との間の隙間全体を、背圧室から低圧領域へのガスの導出通路として利用する従来技術と比較して、可動スクロール部材及び固定壁の対向面を高精度で加工する必要がなくなる。よって、スクロールコンプレッサの加工コストの上昇なしに、背圧室の調圧を好適に行うことが可能となる。
【0016】
請求項2の発明は請求項1において、前記シール機能低下部を簡単に設定する手法について言及するものである。すなわち、シール機能低下部は、円環状をなすシール部材の一部を離間することで形成されている。
【0017】
請求項3の発明は請求項1又は2において、前記可動スクロール部材は、固定スクロール部材と固定壁との接合により形成されたスクロール収容室内に収容されている。固定スクロール部材と固定壁との接合部分には、可動スクロール部材と固定壁との間のスラストクリアランスを調整するためのシムが介在されている。従って、可動スクロール部材と固定壁との間のスラストクリアランス、つまり両者間の隙間の最大値は、スクロールコンプレッサの製造時において、厚みが異なる複数のシムの中から好適な厚みのものを選択しそして組み付けることで、好適値に調整される。
【0018】
このように、スラストクリアランス調整用のシムを、ハウジングに固定された固定スクロール部材と、同じくハウジングに固定された固定壁との接合部分に介在させることで、例えば、可動スクロール部材と固定壁との摺動部分に介在させる場合と比較して、該シムの介在箇所におけるガス漏れを抑制することができる。
【0019】
請求項4の発明は請求項1〜3のいずれかにおいて、前記ハウジング内において、固定壁に対して可動スクロール部材と反対側には、軸支部材が固定されている。軸支部材には、可動スクロール部材を支持する偏心軸を備えた回転軸が回転可能に支持されている。固定壁と軸支部材との間に形成されたバランサ収容室には、偏心軸に設けられたバランサが収容されている。バランサは、可動スクロール部材が軸線周りで偏在されることによる回転軸のアンバランスを緩和するためのものである。
【0020】
つまり、本発明においては、回転軸を支持する軸支部材と、可動スクロール部材が摺動される固定壁とを別部材とした。そして、この軸支部材と固定壁との間にバランサ収容室を設け、該バランサ収容室にバランサを収容している。従って、例えば、軸支部材と固定部材とが一体物でかつ背圧室にバランサを収容する場合と比較して、背圧室のシールが容易となる。つまり、この比較例の場合、背圧室に回転軸の一部が入り込むこととなり、該背圧室のシールをリップシールによって行う必要がある。リップシールはその特性上、所望のシール性能を発揮すべく回転軸を強く締め付けるため、回転軸の動力損失が増大してしまい、背圧室の好適なシールと動力損失の軽減とを両立し得ないのである。
【0021】
請求項5の発明は請求項1〜4のいずれかにおいて、前記背圧室と低圧領域は、前記シール機能低下部とは別の通路を介して接続されている。この通路上には、背圧室側と低圧領域側との圧力差が所定値以上となった場合に開放する差圧弁が配設されている。
【0022】
上述したように、可動スクロール部材の変位によるシール機能低下部の通過断面積の調整は、背圧室内の圧力に基づく力と圧縮室内の圧力に基づく力とのバランスによって行われる。つまり、本発明においては、動作特性の異なる二つの弁(シール機能低下部及び差圧弁)を用いることで、背圧室の調圧を行うようにしている。従って、一方の弁のみでは好適に調圧することができない領域を、他方の弁との組み合わせによって互いにカバーする設定も実現可能となり、そうすれば背圧室の調圧をさらに好適に行い得ることとなる。
【0023】
請求項6の発明は請求項1〜5のいずれかにおいて、前記高圧領域は容積減少途中にある二つの圧縮室であって、該二つの圧縮室が導入通路を介して背圧室にそれぞれ接続されている。このように、二つの圧縮室から背圧室へ高圧ガスを供給することで、該高圧ガス供給に伴う圧縮室の減圧に起因した可動スクロール部材の傾きを抑制することができる。つまり、例えば、一方の圧縮室のみから背圧室へ高圧ガスを供給する構成の場合、該圧縮室は背圧室への高圧ガスの供給によって減圧される一方、該圧縮室に対して可動スクロール部材の軸線を介した反対側に位置する他方の圧縮室は減圧されないこととなる。従って、両圧縮室の圧力に基づき可動スクロール部材に作用する力が、軸線を介した反対側でアンバランスとなり、可動スクロール部材が軸線に対して傾き易くなってしまうのである。
【0024】
請求項7の発明は請求項1〜6のいずれかにおいて、前記ガスは、冷凍サイクルの二酸化炭素冷媒である。従来技術において述べたように、二酸化炭素冷媒を用いた場合には、フロン冷媒を用いた場合よりも、背圧室と低圧領域との間の冷媒通路の通過断面積を、最大でも非常に狭くなるように設定する必要がある。このような設定にも、シール部材の一部のシール機能を低下させる手法を用いることで、簡単かつ安価に対応することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のスクロールコンプレッサを、車両空調装置の冷凍サイクルに用いられる電動コンプレッサにおいて具体化した一実施形態について詳述する。なお、冷凍サイクルの冷媒としては、二酸化炭素が用いられている。
【0026】
図1に示すように、電動コンプレッサのハウジング11は、第1ハウジング構成体21と第2ハウジング構成体22の二つのハウジング構成体を接合固定することで構成されている。第1ハウジング構成体21は、円筒部23の図面右方側に底部24を有する有底円筒状をなし、アルミニウム合金のダイカスト鋳物によって構成されている。第2ハウジング構成体22は図面左方側が蓋となる有蓋円筒状をなし、アルミニウム合金のダイカスト鋳物によって構成されている。
【0027】
前記第1ハウジング構成体21において底部24の内壁面の中央部には、円筒状の軸支部24aが一体に突設されている。第1ハウジング構成体21内において円筒部23の開口端側には、中央部に挿通孔32aが貫通形成された軸支部材32が固定されている。第1ハウジング構成体21内には回転軸33が収容されている。回転軸33の右端側は、ベアリング34を介することで、第1ハウジング構成体21の軸支部24aによって回転可能に支持されている。回転軸33の左端側は軸支部材32の挿通孔32aを挿通され、該挿通孔32a内においてベアリング35を介することで、軸支部材32によって回転可能に支持されている。
【0028】
前記ハウジング11内には、軸支部材32を境とした図面右方側の領域にモータ収容室12が区画されている。モータ収容室12内において、第1ハウジング構成体21の円筒部23の内周面には、ステータ36が設けられている。モータ収容室12内において回転軸33には、ステータ36の内周側に位置するようにしてロータ37が固定されている。これらステータ36及びロータ37によって電動モータ13が構成されている。電動モータ13は、外部からステータ36への電力供給によって、ロータ37と回転軸33とを一体的に回転させる。
【0029】
前記第1ハウジング構成体21内において円筒部23の開口端側には、固定スクロール部材41が収容配置されている。固定スクロール部材41は、円板状をなす基板61の外周側に円筒状の外周壁62が立設されているとともに、基板61において外周壁62の内側に渦巻壁63が立設されてなる。第1ハウジング構成体21内において、固定スクロール部材41と軸支部材32との間には、固定壁としての円盤状のセンタフレーム31が配設されている。センタフレーム31の中央部には貫通孔31aが形成されている。貫通孔31a内においてモータ収容室12側の開口縁部には、円環状をなす当接部31bが、内側に向かって突設されている。
【0030】
前記固定スクロール部材41は、外周壁62の先端面を以て、センタフレーム31の外周縁部に接合されている。固定スクロール部材41とセンタフレーム31との接合部分には、円環状をなすシム68が介在されている。ハウジング11内には、固定スクロール部材41の基板61、固定スクロール部材41の外周壁62及びセンタフレーム31によって囲まれることで、スクロール収容室15が区画形成されている。
【0031】
前記回転軸33においてセンタフレーム31側の端面には、回転軸33の軸線Lに対して偏心した位置に偏心軸43が設けられている。偏心軸43はその大部分が、センタフレーム31の貫通孔31a内に配置されている。偏心軸43にはブッシュ44が外嵌固定されている。ブッシュ44には、スクロール収容室15内に収容配置された可動スクロール部材45が、固定スクロール部材41と対向するように、ベアリング46を介して相対回転可能に支持されている。
【0032】
前記ブッシュ44において軸支部材32側の端部には、バランサ44aが設けられている。バランサ44aは、可動スクロール部材45が軸線L周りで偏在されることによる回転軸33のアンバランスを緩和するためのものである。バランサ44aは、貫通孔31aの外において、軸支部材32とセンタフレーム31との間に形成されたバランサ収容室14内に配置されている。バランサ収容室14は、ベアリング35の隙間を介してモータ収容室12に連通されている。従って、バランサ収容室14は、モータ収容室12と同じ圧力雰囲気となっている。
【0033】
前記可動スクロール部材45は、円板状をなす基板65に、固定スクロール部材41へ向かって渦巻壁66が立設されてなる。基板65において背面65aの中心側には、ボス部67が突設されている。ボス部67は、センタフレーム31の貫通孔31a内において、ブッシュ44にベアリング46を介して外嵌されている。ボス部67の先端面には、円環状をなすチップシール77が設けられている。貫通孔31a内においてボス部67は、チップシール77を以てセンタフレーム31の当接部31bに摺動可能に当接されている。従って、貫通孔31a内において、バランサ収容室14に連続されたボス部67の内側の空間と、該ボス部67の外側の空間との連通は、チップシール77によって遮断されている。
【0034】
前記固定スクロール部材41と可動スクロール部材45とは、スクロール収容室15内において渦巻壁63,66を以って互いに噛み合わされているとともに、各渦巻壁63,66の先端面が相手のスクロール部材41,45の基板61,65に接合されている。従って、固定スクロール部材41の基板61及び渦巻壁63、可動スクロール部材45の基板65及び渦巻壁66は、スクロール収容室15内において圧縮室47を区画形成する。
【0035】
前記可動スクロール部材45の基板65とそれに対向するセンタフレーム31との間には、自転阻止機構48が配設されている。自転阻止機構48は、可動スクロール部材45において基板65の背面65aの外周部に複数設けられた円環孔48aと、センタフレーム31の端面31cに複数(図面においては一つのみ示す)植設され円環孔48aに遊嵌されたピン48bとからなっている。
【0036】
前記スクロール収容室15内において、固定スクロール部材41の外周壁62と可動スクロール部材45の渦巻壁66の最外周部との間には、吸入室51が区画形成されている。軸支部材32、シム68及びセンタフレーム31の外周側には、吸入室51とモータ収容室12とを接続する吸入通路39が形成されている。
【0037】
前記第1ハウジング構成体21の円筒部23において、モータ収容室12に対応した外周面には、吸入口50が形成されている。吸入口50には、図示しない外部冷媒回路の蒸発器につながる外部配管が接続されている。吸入口50はモータ収容室12と連通されている。従って、外部冷媒回路からの低圧冷媒ガスは、吸入口50、モータ収容室12及び吸入通路39を介して吸入室51へと導入される。
【0038】
前記ハウジング11内において、第2ハウジング構成体22と固定スクロール部材41との間には、吐出室52が区画形成されている。第2ハウジング構成体22には、吐出室52に連通する吐出口53が形成されている。吐出口53には、図示しない外部冷媒回路のガスクーラーにつながる外部配管が接続されている。従って、吐出室52の高圧冷媒ガスは、吐出口53を介して外部冷媒回路へと導出される。
【0039】
前記固定スクロール部材41において基板61の中心には、吐出孔41aが貫通形成されている。中心側の圧縮室47と吐出室52とは、吐出孔41aを介して接続されている。吐出室52内において固定スクロール部材41の基板61には、吐出孔41aを開閉するためのリード弁よりなる吐出弁55が配設されている。吐出弁55の開度は、固定スクロール部材41の基板61に固定配置されたリテーナ56によって規制される。
【0040】
そして、前記電動モータ13によって回転軸33が回転駆動されると、可動スクロール部材45が偏心軸43を介して固定スクロール部材41の軸心(回転軸33の軸線L)の周りで公転される。このとき、可動スクロール部材45は、自転阻止機構48によって自転が阻止されて、公転運動のみが許容される。この可動スクロール部材45の公転運動により、圧縮室47が両スクロール部材41,45の渦巻壁63,66の外周側から中心側へ容積を減少しつつ移動されることで、吸入室51から圧縮室47内に取り込まれた低圧冷媒ガスの圧縮が行われる。圧縮済みの高圧冷媒ガスは、吐出孔41aから吐出弁55を介して吐出室52へと吐出される。
【0041】
次に、前記可動スクロール部材45の背圧調整機能について説明する。
図1に示すように、前記スクロール収容室15内において、可動スクロール部材45の基板65の背面65a側には、背圧室16が配置されている。背圧室16は、可動スクロール部材45の基板65及びボス部67と、センタフレーム31とによって囲まれて形成されている。背圧室16とバランサ収容室14との連通は、可動スクロール部材45のボス部67とセンタフレーム31の当接部31bとの間に介在されたチップシール77によって遮断されている。
【0042】
図2及び図3(a)に示すように、前記可動スクロール部材45の基板65の背面65aにおいて、円環孔48aよりも外周側には、該円環孔48a群を取り囲むようにして、円環状のシール収容溝65bが形成されている。シール収容溝65b内には、チップシールよりなる円環状のシール部材75が嵌入されている。可動スクロール部材45の背面65aは、シール部材75を以て、センタフレーム31の端面31cに対して摺動可能でかつ弾発的に当接されている。つまり、可動スクロール部材45の背面65aとセンタフレーム31の端面31cとの間の隙間CLにはシール部材75が介在されており、該隙間CLの全体を介した背圧室16と吸入室51との連通は、シール部材75によって遮断されている。
【0043】
なお、前記可動スクロール部材45とセンタフレーム31との間の隙間CL(距離)の最大値、つまり両者31,45間のスラストクリアランスは、電動コンプレッサの製造時において、厚みが異なる複数のシム68の中から好適な厚みのものを選択しそして組み付けることで、好適値に調整されている。
【0044】
図1及び図2に示すように、前記可動スクロール部材45の基板65には、導入通路76が表裏方向に貫通形成されている。導入通路76は二つ備えられている。背圧室16と、高圧領域としての圧縮途中(容積減少途中)の圧縮室47Aとは、一方の導入通路76を介して接続されている。背圧室16と、圧縮室47Aとは別の圧縮途中の圧縮室47Bとは、他方の導入通路76を介して接続されている。各導入通路76は、基板65において偏心軸43の軸線を中心としたほぼ180°点対称位置で、対応する圧縮室47A,47Bにそれぞれ開口されている。
【0045】
前記各導入通路76上には固定絞り76aが配設されている。可動スクロール部材45において基板65の背面65aには、各導入通路76の背圧室16側が接続される収容凹部65cが二箇所に形成されている。各収容凹部65c内には、リード弁よりなる逆止弁78が収容配置されている。逆止弁78は、圧縮室47A,47Bから背圧室16への冷媒ガスの供給は許容し、該背圧室16から圧縮室47A,47Bへの冷媒ガスの逆流は阻止する。
【0046】
図2及び図3(a)に示すように、前記シール部材75の一部には、その他の部位よりもシール機能が低下されたシール機能低下部75aが設けられている。シール機能低下部75aは、円環状をなすシール部材75の一部を離間することで構成されている。背圧室16と、低圧領域たる吸入室51とは、可動スクロール部材45とセンタフレーム31との間の隙間CLにおいて、シール部材75のシール機能低下部75aを介して接続されている。なお、図2においてシール機能低下部75a(シール部材75の離間部分)は、理解を容易とするために寸法を誇張して描いてあり、実際には至極狭い隙間によって構成されている。
【0047】
さて、図1に示すように、電動コンプレッサの運転開始により、圧縮途中の圧縮室47A,47B内の圧力が背圧室16内の圧力より上昇すると、逆止弁78が開放されて、該圧縮室47A,47Bの高圧冷媒ガスが、各導入通路76を介して背圧室16に導入される。従って、背圧室16内の圧力が上昇し、該背圧室16内の圧力によって可動スクロール部材45には、固定スクロール部材41へ向けて付勢する力(背圧力)F1が作用される。また、可動スクロール部材45には、圧縮室47内の圧力に基づく力(スラスト荷重)F2が、固定スクロール部材41から離間する方向に作用される。従って、力F1と力F2とのバランスに応じて、センタフレーム31に対する可動スクロール部材45の相対位置が決定される。
【0048】
図3(a)に誇張して示すように、例えば、前記背圧室16内の圧力が上昇して力F1>力F2となると、可動スクロール部材45は、背面65aがセンタフレーム31の端面31cから離間する方向に変位される。従って、可動スクロール部材45の背面65aとセンタフレーム31の端面31cとの間の摺動抵抗を低下させることができる。また、力F1>力F2となれば、可動スクロール部材45が固定スクロール部材41に対して押し付けられて、圧縮室47のシール性が向上される。
【0049】
前記可動スクロール部材45がセンタフレーム31から離間して、該可動スクロール部材45とセンタフレーム31との間の隙間CLが大きくなると、シール部材75のシール機能低下部75aにおける冷媒ガスの通過断面積も大きくなる。従って、背圧室16から吸入室51へ導出される冷媒ガスの量が増加し、背圧室16内の圧力が低下して力F1が低下する。
【0050】
図3(b)に誇張して示すように、前記背圧室16内の圧力が低下して力F1<力F2となると、可動スクロール部材45は、背面65aがセンタフレーム31の端面31cへ近接する方向に変位される。よって、可動スクロール部材45と固定スクロール部材41との間の摺動抵抗を低下させることができる。
【0051】
前記可動スクロール部材45がセンタフレーム31に近接して、該可動スクロール部材45とセンタフレーム31との間の隙間CLが小さくなると、シール部材75のシール機能低下部75aにおける冷媒ガスの通過断面積も小さくなる。従って、背圧室16から吸入室51へ導出される冷媒ガスの量が減少し、背圧室16内の圧力が上昇して力F1が上昇する。
【0052】
このように、前記可動スクロール部材45は、背圧室16内の圧力に基づく力F1が、圧縮室47内の圧力に基づく力F2に応じた好適な大きさとなるように、背面65aとセンタフレーム31の端面31cとの隙間CL(距離)を変化させて、シール機能低下部75aの通過断面積を自律的に調節する。なお、本実施形態においては、圧縮室47のシール性を向上して圧縮効率を高めるために、可動スクロール部材45に作用する力F1が力F2を若干上回る状態が多くの時間もたらされるように、背圧室16の調圧を行う設定とされている。
【0053】
上記構成の本実施形態においては次のような効果を奏する。
(1)可動スクロール部材45は、背圧室16内の圧力に基づく力F1が、圧縮室47内の圧力に基づく力F2に応じた好適な大きさとなるように、センタフレーム31との隙間CLを変化させて、シール部材75におけるシール機能低下部75aの通過断面積を自律的に調節する。従って、例えば、可動スクロール部材45とセンタフレーム31との間の隙間CL全体を、背圧室16から吸入室51への冷媒ガスの導出通路として利用する従来技術と比較して、可動スクロール部材45及びセンタフレーム31の対向面31c,65aを高精度で加工する必要がなくなる。よって、電動コンプレッサの加工コストの上昇なしに、背圧室16の調圧を好適に行うことが可能となる。
【0054】
(2)シール部材75のシール機能低下部75aは、円環状をなすシール部材75の一部を離間することで形成されている。従って、シール機能低下部75aをシール部材75に対して簡単に設定することができる。
【0055】
(3)可動スクロール部材45とセンタフレーム31との間のスラストクリアランスを調整するためのシム68は、ハウジング11に固定された固定スクロール部材41と、同じくハウジング11に固定されたセンタフレーム31との接合部分に介在されている。従って、例えば、シム68を、可動スクロール部材45とセンタフレーム31との摺動部分に介在させる場合と比較して、該シム68の介在箇所における冷媒ガスの漏れを抑制することができる。これは、電動コンプレッサの圧縮効率の向上につながる。
【0056】
(4)回転軸33がベアリング35を介して支持される軸支部材32と、可動スクロール部材45が摺動されるセンタフレーム31とは別部材とされている。そして、この軸支部材32とセンタフレーム31との間にバランサ収容室14を形成し、該室14にバランサ44aを収容している。従って、例えば、軸支部材32とセンタフレーム31とが一体物でかつ背圧室16にバランサ44aを収容する場合(この態様も本発明を逸脱するものではない)と比較して、背圧室16のシールが容易となる。
【0057】
つまり、前記比較例の場合、背圧室16に回転軸33の一部が入り込むこととなり、該背圧室16のシールをリップシールによって行う必要がある。リップシールはその特性上、所望のシール性能を発揮すべく回転軸33を強く締め付けるため、回転軸33の動力損失が増大してしまい、背圧室16の好適なシールと動力損失の軽減とを両立し得ないのである。
【0058】
なお、前記比較例において、特許文献1のように、可動スクロール部材45の背面65aに背圧用ポケットを凹設し、該背圧用ポケットをセンタフレーム31で閉塞して背圧室を形成すれば、前述したリップシールによる回転軸33の封止の必要がなくなる。しかし、この場合、可動スクロール部材45の背面には、背圧室内の圧力以外にも一部に吸入圧力が作用されることとなるため、背圧調整機能の好適な設定が複雑となる問題を生じてしまう。また、可動スクロール部材45に背圧ポケットを凹設する必要があり、加工コストが上昇する問題を生じてしまう。
【0059】
(5)高圧領域は、容積減少途中にある二つの圧縮室47A,47Bである。導入通路76は二つ備えられている。そして、一方の圧縮室47Aと背圧室16とは一方の導入通路76を介して接続されているとともに、他方の圧縮室47Bと背圧室16とは他方の導入通路76を介して接続されている。このように、二つの圧縮室47A,47Bから背圧室16へ高圧冷媒ガスを供給することで、該高圧冷媒ガス供給に伴う圧縮室47A,47Bの減圧に起因した可動スクロール部材45の傾きを抑制することができる。
【0060】
つまり、例えば、一方の圧縮室47Aのみから背圧室16へ高圧ガスを供給する構成の場合(この態様も本発明の趣旨を逸脱するものではない)、該圧縮室47Aは背圧室16への高圧冷媒ガスの供給によって減圧される一方、該圧縮室47Aに対して可動スクロール部材45の軸線(偏心軸43の軸線)を介した反対側に位置する他方の圧縮室47Bは減圧されないこととなる。従って、両圧縮室47A,47Bの圧力に基づき可動スクロール部材45に作用する力が、軸線を介した反対側でアンバランスとなり、可動スクロール部材45が軸線に対して傾き易くなってしまうのである。
【0061】
(6)冷凍サイクルの冷媒には二酸化炭素冷媒が用いられている。従来技術において述べたように、二酸化炭素冷媒を用いた場合には、フロン冷媒を用いた場合よりも、背圧室16と吸入室51との間の冷媒ガス通路の通過断面積を、最大でも非常に狭くなるように設定する必要がある。このような設定にも、シール部材75の一部のシール機能を低下させる手法を用いることで、簡単かつ安価に対応することができる。
【0062】
なお、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で例えば以下の態様でも実施できる。
○上記実施形態を変更し、バランサ収容室14を低圧領域として把握するとともに、該バランサ収容室14と背圧室16との間を遮断するチップシール77を、シール部材として把握すること。そして、図4に示すように、チップシール77の一部を離間させてシール機能低下部77aとし、該シール機能低下部77aを介して背圧室16とバランサ収容室14とを接続すること。
【0063】
この場合、図1及び図4を参照しつつ作用を説明すると、例えば、前記背圧室16内の圧力が上昇して力F1>力F2となると、可動スクロール部材45は、ボス部67の先端面がセンタフレーム31の当接部31bから離間する方向に変位される。従って、ボス部67の先端面とセンタフレーム31の当接部31bとの間の隙間が大きくなり、チップシール77のシール機能低下部77aにおける冷媒ガスの通過断面積も大きくなる。よって、背圧室16からバランサ収容室14へ導出される冷媒ガスの量が増加し、背圧室16内の圧力が低下して力F1が低下する。
【0064】
前記背圧室16内の圧力が低下して力F1<力F2となると、可動スクロール部材45は、ボス部67の先端面がセンタフレーム31の当接部31bに近接する方向に変位される。従って、ボス部67の先端面とセンタフレーム31の当接部31bとの間の隙間が小さくなり、チップシール77のシール機能低下部77aにおける冷媒ガスの通過断面積も小さくなる。よって、背圧室16からバランサ収容室14へ導出される冷媒ガスの量が減少し、背圧室16内の圧力が上昇して力F1が上昇する。
【0065】
上記構成の本態様においても、安価な構成で背圧室16の調圧を好適に行うことができる等、上記実施形態と同様な効果を奏する。
○図5に示すように、上記実施形態の構成に加え、背圧室16と低圧領域(バランサ収容室14)とを、シール機能低下部75aとは別の通路81を介して接続する。そして、該通路81上に、背圧室16側とバランサ収容室14側との圧力差が所定値以上となった場合に開放する差圧弁82を配設すること。なお、差圧弁82は、背圧室16側の圧力とバランサ収容室14側の圧力とが前後に作用する球状の弁体82aと、該弁体82aを閉弁方向に付勢する付勢バネ82bと、バネ座82cとからなっている。
【0066】
上記実施形態において述べたように、シール機能低下部75aの通過断面積は、背圧室16内の圧力に基づく力F1と圧縮室47内の圧力に基づく力F2とのバランスに応じて調節される。つまり、図5の態様においては、動作特性の異なる二つの弁(シール機能低下部75a及び差圧弁82)を用いることで、背圧室16の調圧を行うようにしている。従って、一方の弁75a(82)のみでは好適に調圧することができない領域を、他方の弁82(75a)との組み合わせによって互いにカバーする設定も実現可能となり、そうすれば背圧室16の調圧をさらに好適に行い得ることとなる。
【0067】
○上記実施形態においては、円環状をなすシール部材75の1箇所を離間させてシール機能低下部75aを設定していた。これを変更し、シール部材の2、3、4、5或いは6箇所等、複数箇所を離間させて、シール部材の複数箇所にシール機能低下部を設定してもよい。
【0068】
○上記実施形態においては、円環状をなすシール部材75の一部を離間させてシール機能低下部75aを設定していた。これを変更し、シール部材の円環状を維持しつつ該シール部材の一部に溝を設けることで、シール機能低下部を設定してもよい。
【0069】
○上記実施形態においては、二つの圧縮室47A,47Bをそれぞれ独立した導入通路76で背圧室16に接続していた。これを変更し、二つの圧縮室47A,47Bからそれぞれ延びる二つの導入通路76を、途中で合流させて一つとして背圧室16に接続すること。このようにすれば、可動スクロール部材45(基板65)に対する収容凹部65cの加工が一箇所で済むし、逆止弁78も一つで済む。従って、電動コンプレッサのコストを削減することができる。
【0070】
○上記実施形態においては、圧縮途中にある圧縮室47A,47Bから背圧室16へ高圧冷媒ガスが導入される構成であった。これを変更し、中心側(圧縮済み)の圧縮室47、又は吐出室52を高圧領域として把握するとともに、該高圧領域に導入通路76の上流側を接続することで、圧縮途中にある圧縮室47A,47Bの冷媒ガスよりも高圧な冷媒ガスが背圧室16に導入されるようにすること。
【0071】
○上記実施形態においてスクロールコンプレッサは、電動コンプレッサに具体化されていた。しかし、これに限定されるものではなく、車両のエンジンによって駆動されるタイプのスクロールコンプレッサや、電動モータ及びエンジンの両方を駆動源として用いる所謂ハイブリッドタイプ(複合駆動型)のスクロールコンプレッサに具体化してもよい。
【0072】
【発明の効果】
上記構成の本発明によれば、安価な構成で、背圧室の調圧を好適に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動コンプレッサの縦断面図。
【図2】可動スクロール部材を取り出して示す背面図。
【図3】(a)は図1のシール部材付近の拡大図、(b)はシール機能低下部の通過断面積が小さくなった状態を示す図。
【図4】別例を示す可動スクロール部材の背面図。
【図5】別の別例を示す電動コンプレッサの要部拡大断面図。
【符号の説明】
11…ハウジング、14…バランサ収容室、15…スクロール収容室、16…背圧室、31…固定壁としてのセンタフレーム、32…軸支部材、41…固定スクロール部材、43…偏心軸、44a…バランサ、45…可動スクロール部材、47…圧縮室、47A,47B…高圧領域としての圧縮途中にある圧縮室、51…低圧領域としての吸入室、61…固定スクロール部材の基板、63…固定スクロール部材の渦巻壁、65…可動スクロール部材の基板、65a…背面、66…可動スクロール部材の渦巻壁、68…シム、75…シール部材、75a…シール機能低下部、76…導入通路、81…シール機能低下部とは別の通路、82…差圧弁。
Claims (7)
- ハウジング内に固定された基板及び渦巻壁からなる固定スクロール部材と、該固定スクロール部材の渦巻壁に噛み合わされる基板及び渦巻壁からなる可動スクロール部材とを備え、可動スクロール部材の公転により両渦巻壁間に形成された圧縮室が容積を減少しながら移動されてガスの圧縮が行われるスクロールコンプレッサであって、
前記ハウジング内において可動スクロール部材の基板の背面側には、該可動スクロール部材とハウジングに設けられた固定壁との間に背圧室が区画形成され、該背圧室と高圧領域とは導入通路を介して接続され、前記可動スクロール部材及び固定壁の一方には、他方に摺動可能なことで背圧室をシールするシール部材が備えられ、該シール部材において一部のシール機能を低下させることで、このシール機能低下部を介して背圧室と低圧領域とが接続されていることを特徴とするスクロールコンプレッサ。 - 前記シール機能低下部は、円環状をなすシール部材の一部を離間することで形成されている請求項1に記載のスクロールコンプレッサ。
- 前記可動スクロール部材は、固定スクロール部材と固定壁との接合により形成されたスクロール収容室内に収容されており、固定スクロール部材と固定壁との接合部分には、可動スクロール部材と固定壁との間のスラストクリアランスを調整するためのシムが介在されている請求項1又は2に記載のスクロールコンプレッサ。
- 前記ハウジング内において、固定壁に対して可動スクロール部材と反対側には軸支部材が固定されており、該軸支部材には、可動スクロール部材を支持する偏心軸を備えた回転軸が回転可能に支持されており、前記固定壁と軸支部材との間に形成されたバランサ収容室には、偏心軸に設けられたバランサが収容されている請求項1〜3のいずれかに記載のスクロールコンプレッサ。
- 前記背圧室と低圧領域は、前記シール機能低下部とは別の通路を介して接続されており、この通路上には、背圧室側と低圧領域側との圧力差が所定値以上となった場合に開放する差圧弁が配設されている請求項1〜4のいずれかに記載のスクロールコンプレッサ。
- 前記高圧領域は容積減少途中にある二つの圧縮室であって、該二つの圧縮室が導入通路を介して背圧室にそれぞれ接続されている請求項1〜5のいずれかに記載のスクロールコンプレッサ。
- 前記ガスは、冷凍サイクルの二酸化炭素冷媒である請求項1〜6のいずれかに記載のスクロールコンプレッサ。
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