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JP2004203957A - Carbon black-producing installation and method for producing the carbon black - Google Patents

Carbon black-producing installation and method for producing the carbon black Download PDF

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JP2004203957A
JP2004203957A JP2002372133A JP2002372133A JP2004203957A JP 2004203957 A JP2004203957 A JP 2004203957A JP 2002372133 A JP2002372133 A JP 2002372133A JP 2002372133 A JP2002372133 A JP 2002372133A JP 2004203957 A JP2004203957 A JP 2004203957A
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carbon black
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temperature combustion
refractory
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Japanese (ja)
Inventor
Shinichi Kanamaru
慎一 金丸
Takaharu Yamamoto
隆晴 山本
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a carbon black-producing installation which can enhance the temperature of a high temperature combustion gas flow to stably and efficiently produce the carbon black having small particle diameters and large aggregate diameters, and to provide a method for producing the carbon black. <P>SOLUTION: This carbon black-producing installation 10 for feeding a raw material oil into a high temperature combustion gas flow formed in a high temperature combustion gas-producing region 11 to produce the carbon black in a carbon black producing region 12 and then guiding the product into a reaction-stopping region 13 to stop the carbon black-producing reaction is characterized by forming the main portion or all portions of the furnace inner wall of a high temperature combustion gas-producing region 11 with a magnesia-based refractory material 18, forming the main portion or all portions of the furnace inner wall of a carbon black-producing region 12 with an alumina-based refractory material 23, and using a spinel-based refractory material 24 in the furnace inner wall between the magnesia-based refractory material 18 and the alumina-based refractory material 23. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO&NCIPI

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーボンブラックの製造設備及びその製造方法に関し、詳しくは高温燃焼ガス流の温度を高温化して小粒子径かつ大凝集体径のカーボンブラックを生産性良く製造することが可能な製造設備及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カーボンブラックは顔料、充填剤、及び補強用顔料、耐候性改善剤等に広く使用されている。カーボンブラックの製法としては、一般に円筒状のカーボンブラック製造炉の高温燃焼ガス発生領域に、炉軸方向又は接線方向から酸素含有ガスと燃料を導入して、これらの燃焼によって得られた高温燃焼ガス流を、引き続いて設置されたカーボンブラック生成領域に移動させながら、高温燃焼ガス流中に原料油を導入してカーボンブラックを生成させるファーネス式製造法が広く知られている。
【0003】
樹脂着色剤、印刷インキ、塗料において着色剤として使用されるカーボンブラックは黒度、分散性、光沢、着色力に優れたものが求められ、また主に自動車用タイヤの補強剤として使用されるカーボンブラックは耐摩耗性に優れたものが求められる。そして、このようなカーボンブラックの特性は、カーボンブラックを構成している1次粒子の粒径に起因すると考えられ、この1次粒子径を小さくするように製造条件が制御されていた。
しかし、最近カーボンブラックのこれらの特性が、むしろ1次粒子が凝集した凝集体の効果としてよりよく説明できる場合があることが次第に明らかになってきた。例えば、着色力などの光学的性質や配合ゴム組成物の動的粘弾性特性や補強性に対しては、凝集体径とその凝集体径分布が大きな役割を果たしていると考えられている。また、凝集体径は、ゴムに配合した場合の引張応力や押し出し特性、インキや塗料のビヒクル並びに樹脂に配合した場合の分散性や黒度、粘度等に多大な影響を与えることが明らかとなっている。
【0004】
従って、この凝集体径やその分布を制御することが、カーボンブラックの特性そのものを制御することにつながってくる。カーボンブラックの1次粒子径と凝集体径を制御するには、原料油の高温熱分解化、原料油導入位置における高温燃焼ガス流の高流速化等が重要な条件因子となることが明らかとなっている。
ここで、原料油の導入位置における高温燃焼ガス流の高流速化といった物理的条件を実操業のカーボンブラック製造炉で実現しようとする場合、多大のエネルギー供給設備が必要となる。しかし、高温燃焼ガス流の高流速化を図っても、製造されたカーボンブラックに飛躍的な特性の改善効果は発現せず、設備投資に見合った成果を得ることは困難であった。
そこで、カーボンブラックの製造設備において、高温燃焼ガス発生領域で発生させる高温燃焼ガス流の温度を更に高温化することにより、原料油の導入位置近傍での高温燃焼ガス流の高温化が達成できれば、小粒子径のカーボンブラックを効率的に生産することが可能になり、更に、原料油の噴霧条件を調整する等によって、様々な凝集体(ストラクチャー)径を有するカーボンブラックを生産できると考えられる。
【0005】
ところが、従来のカーボンブラックの製造設備のカーボンブラック生成領域では、高温燃焼ガス流と接触する炉内壁にはアルミナ系耐火物(例えば、アルミナ含有量が99重量%のハイアルミナ質煉瓦、アルミナ含有量が99.9重量%以上の超高アルミナ質煉瓦)が使用されていた。このため、1800℃以上の高温燃焼ガス流をカーボンブラック生成領域に導入すると、アルミナ系耐火物はその軟化温度(約1800℃)以上の高温燃焼ガス流に曝されることになり、短期間で溶損あるいは煉瓦の変形などの現象が発生し、操業ができないという問題があった。
従って、炉内壁を構成するアルミナ系耐火物に接触する高温燃焼ガス流の温度を軟化温度未満となるように調整していたが、高温燃焼ガス流の温度を軟化温度未満でできるだけ高い温度、例えば1700℃程度としても、長期間の運転では煉瓦を構成しているアルミナ粒子に粒成長等が発生して機械的強度の低下等の問題が生じる。そこで、高温燃焼ガス流の温度はアルミナ系耐火物において顕著な変化が生じにくいように、例えばアルミナ系耐火物の表面温度が1700℃以下となるように制限して操業を行っていた。
【0006】
アルミナ系耐火物より高温に耐える超高温用耐火物としては、従来よりジルコニア耐火物が知られている。ジルコニア耐火物は2700℃の高融点を持ち、非常な高温に耐えうるものであるが、温度が900〜1200℃の間で相変化を起して、急激な収縮と膨張という体積変化が発生する特徴を有している。そのため、カーボンブラックの製造設備に使用した場合では、繰り返しの温度変化に伴う繰り返し体積変化により機械的強度が著しく低下することが考えられ、実用上問題となる。
また、ジルコニアにカルシア、イットリア等の添加物を固溶させてジルコニアの相変化を抑止する提案(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)がなされているが、高温下で長時間の運転では固溶している添加物がジルコニアから離脱して、ジルコニアに相変化を出現さる。このため、ジルコニア耐火物の耐熱衝撃性や耐熱強度が低下してしまい、カーボンブラックの製造設備の内壁材として長時間の運転に耐えられるまでには至っていない。
また、高温に耐える炉材を用いたカーボンブラックの製造装置として、マグネシア−クロム煉瓦を用いる提案もなされていた(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
【特許文献1】
特公昭57−23673号公報
【特許文献2】
特開平4−103670号公報
【特許文献3】
特開平11−80582号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このため、高温燃焼ガス流を発生させる高温燃焼ガス発生領域の炉内壁は、安定して高温に耐えられるマグネシア系耐火物で構成していた。また、カーボンブラック生成領域の炉内壁は、導入した原料油が熱分解反応を起こすために高温燃焼ガス流の温度が低下すること、かつ、原料油の熱分解反応で高温燃焼ガス流の雰囲気が還元雰囲気となることから、アルミナ系耐火物で構成していた。
しかし、マグネシア系耐火物は耐火温度が高い反面、熱膨張率が高く、炉壁から剥がれやすい(つまり耐スポーリング性が低い)ものである。それ故、マグネシア系耐火物を用いて炉を設計する際には、熱膨張による体積増加を予め考慮するなどの配慮が必要となる。そればかりか、炉内での使用部位においても、耐スポーリング性が低くてもカーボンブラックの製造上問題とならない炉内部位にしか使用できない、という問題があった。
マグネシア−クロム系耐火物ではクロムを含むので、廃棄物の取扱も問題となるなど、工業的使用には未だ課題があった。
【0009】
更に、マグネシア系耐火物とアルミナ系耐火物とは、高温下の操業中に脱落が生じないように相互に熱膨張により押し合って、その界面は圧着状態となるように配置されている。ここで、マグネシア系耐火物とアルミナ系耐火物との界面の温度は、例えば1300℃以上となる。このため、マグネシア系耐火物を構成しているマグネシア粒子とアルミナ系耐火物を構成しているアルミナ粒子が接触している部分では固相反応によりスピネルが生じ、マグネシア系耐火物とアルミナ系耐火物の界面ではスピネル層が形成され、このスピネル層は時間と共に徐々に成長していくことが判明した。更に、マグネシア粒子とアルミナ粒子が反応してスピネル粒子を生成した場合、体積は増加する。
【0010】
しかし、マグネシア系耐火物とアルミナ系耐火物の界面は圧着状態で、スピネル生成で増加した体積の吸収代は存在しない。このため、界面には大きな圧縮応力が発生して界面近傍ではマグネシア系耐火物及びアルミナ系耐火物に割れが発生する。そしてこの割れは次第に成長して最終的には内壁材の脱落にまで発展し、カーボンブラックの製造を中止させる事態となる。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、高温燃焼ガス流の温度を高温化して小粒子径かつ大凝集体径のカーボンブラックを安定して効率的に製造することが可能なカーボンブラックの製造設備及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明の要旨は、高温燃焼ガス流を形成させる高温燃焼ガス発生領域と、前記高温燃焼ガス流に原料油を供給してカーボンブラックを生成させるカーボンブラック生成領域と、該カーボンブラック生成領域に後続してカーボンブラックの生成反応を停止させる反応停止領域とを有するカーボンブラックの製造設備において、これら三つの領域のうち、少なくとも1つの領域の炉内壁の主要部又は全部を、好ましくは前記高温燃焼ガス発生領域の炉内壁の主要部又は全部をスピネル系耐火物としたものである。
なかでも好ましくは、前記高温燃焼ガス発生領域の炉内壁の主要部又は全部をマグネシア系耐火物で、前記カーボンブラック生成領域の炉内壁の主要部又は全部をスピネル系耐火物でそれぞれ構成したものである。特に好ましくは、前記高温燃焼ガス発生領域の炉内壁の主要部又は全部をマグネシア系耐火物で、前記カーボンブラック生成領域の炉内壁の主要部又は全部をアルミナ系耐火物でそれぞれ構成し、しかも、前記マグネシア系耐火物と前記アルミナ系耐火物の間の炉内壁にはスピネル系耐火物を使用している。
【0012】
ここで、マグネシア系耐火物とは、例えばマグネシアの含有量が95重量%以上である耐火物、スピネル系耐火物とは、例えばアルミナとマグネシアのスピネルの含有量が85重量%以上である耐火物を指す。なお、スピネル系耐火物がマグネシアスピネル煉瓦の際には、例えば、マグネシアとアルミナの重量比が20:80〜97:3であるものを指す。アルミナ系耐火物とは、例えばアルミナの含有量が90重量%以上である耐火物をいう。
従って、マグネシア系耐火物の耐用温度は2200〜2400℃、スピネル系耐火物の耐用温度は1750〜2000℃、アルミナ系耐火物の耐用温度は1800〜1850℃である。このため、発生させる高温燃焼ガス流の温度を1750〜2000℃とすることができ、原料油を供給する位置での高温燃焼ガス流の温度もこの温度範囲に維持することができる。また、マグネシア系耐火物とアルミナ系耐火物との間にスピネル系耐火物が存在する際には、マグネシア系耐火物とアルミナ系耐火物が反応することを防止できる。
【0013】
また、アルミナ系耐火物に比べて耐用温度の高いスピネル系耐火物を用いてカーボンブラック生成領域の炉内壁の主要部又は全部を構成すると、カーボンブラック生成領域の炉内壁の耐熱温度を向上させることができる。その結果、より高い温度を有する高温燃焼ガス流をカーボンブラック生成領域内に導入することができ、カーボンブラック生成反応の温度を1900〜2000℃まで上昇させてカーボンブラックの生成反応を起こさせることができる。
【0014】
本発明に係るカーボンブラックの製造設備において、前記マグネシア系耐火物はマグネシア質煉瓦又はマグネシア質不定形耐火材とすることができる。また、本発明に係るカーボンブラックの製造設備において、前記スピネル系耐火物はスピネル質煉瓦又はスピネル質不定形耐火材とすることができる。
【0015】
使用中の炉内壁寸法の変化を小さくして、高強度の炉内壁を構成する場合は、マグネシア系耐火物としてマグネシア質煉瓦、スピネル系耐火物としてスピネル質煉瓦を使用することが好ましい。炉内壁の構築を短期間で、簡便に、低コストで行う場合は、マグネシア系耐火物としてマグネシア質不定形耐火材、スピネル系耐火物としてスピネル質不定形耐火材を使用することが好ましい。
【0016】
ここで、マグネシア質煉瓦、及びスピネル質煉瓦の厚みを25〜150mmにすれば、カーボンブラック製造時の温度変動に伴う熱衝撃による亀裂の発生を低減できる。好ましい厚みは30〜120mm、更に好ましくは50〜100mmである。厚みが25mm未満であると、施工上、充分な強度を有する炉内壁を構築するのが難しい。厚みが150mmを超えると、煉瓦内に生じる温度差が大きくなって、熱衝撃による亀裂が発生し易くなる。
また、炉内壁にマグネシア質不定形耐火材、スピネル質不定形耐火材を使用した場合、各不定形耐火材には厚さ方向へ進展する亀裂と共に、炉内壁に平行に進展する亀裂が生じる。このため、各不定形耐火物の施工厚さを35mm以上とすることで、亀裂発生による脱落を防止できる。なお、施工厚さを35mm未満とした場合、破断した不定形耐火材の競り面積が少なくなり脱落する可能性が高くなる。
【0017】
本発明に係るカーボンブラックの製造設備において、前記反応停止領域の炉内壁の主要部又は全部にアルミナ系耐火物を用いることができる。更に、前記アルミナ系耐火物はアルミナ質煉瓦又はアルミナ質不定形耐火材とすることができる。反応停止領域では、高温燃焼ガス流の温度は反応停止領域の入口側で1600〜1800℃、出口側で800〜1200℃となる。このため、反応停止領域の炉内壁の主要部又は全部にアルミナ系耐火物を用いることができる。
また、炉内壁寸法の変化を小さくして、高強度の炉内壁を構成する場合は、アルミナ系耐火物としてアルミナ質煉瓦を使用することが好ましい。炉内壁の構築を短期間で、簡便に、低コストで行う場合は、アルミナ系耐火物としてアルミナ質不定形耐火材を使用することが好ましい。
【0018】
本発明に係るカーボンブラックの製造設備において、前記スピネル系耐火物は前記スピネル質煉瓦であって、該スピネル質煉瓦をマグネシアスピネル煉瓦にすることが好ましく、更に、前記マグネシアスピネル煉瓦はマグネシアとアルミナを主成分として、該マグネシアと該アルミナとの重量比は20:80〜97:3であることが好ましい。
マグネシアスピネル煉瓦を使用することで、高温下での寸法安定性に優れた炉内壁を構成することができる。ここで、マグネシアとアルミナとの重量比を20:80〜97:3にすることで、アルミナを含有するマグネシアスピネル煉瓦からマグネシアを含有するマグネシアスピネル煉瓦までの多様な特性を有するマグネシアスピネル煉瓦を得ることができる。
【0019】
本発明のいま1つの要旨は、先述のカーボンブラックの製造設備を使用したカーボンブラックの製造方法であって、前記原料油を供給する位置での前記高温燃焼ガス流の温度を1750℃以上、好ましくは1900℃以上にすることを特徴とする。
原料油を供給する位置での高温燃焼ガス流の温度を1750℃以上、例えば1750〜2000℃とすることにより、カーボンブラック生成領域での温度をこれと同様の高温条件下にすることができる。
そのため、原料油の気化、熱分解、蒸発、凝縮の一連の変化を素早く、かつ、均一に生じさせて、多数のカーボンブラック前駆体を形成することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の第1の実施の形態に係るカーボンブラックの製造設備の概略説明図、図2は本発明の第2の実施の形態に係るカーボンブラックの製造設備の概略説明図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係るカーボンブラックの製造設備10は、高温燃焼ガス流を形成させる高温燃焼ガス発生領域11と、高温燃焼ガス発生領域11の下流側に接続され高温燃焼ガス流に供給された原料油からカーボンブラックを生成させるカーボンブラック生成領域12と、カーボンブラック生成領域12に後続してカーボンブラックの生成反応を停止させる反応停止領域13とを有している。以下、これらについて詳細に説明する。
【0021】
高温燃焼ガス発生領域11は、高温燃焼ガス流の発生室14と、発生室14の上流側の隔壁17に設けられた複数の燃焼用バーナ15とを有している。各燃焼用バーナ15は、燃料と酸素含有ガスとを供給して混合燃焼し、発生室14の軸心に沿って流れる高温燃焼ガス流を発生させている。
燃焼用バーナ15から供給する燃料としては、一般に水素、一酸化炭素、天然ガス、石油ガス並びに重油等の石油系液体燃料、クレオソート油等の石炭系液体燃料が使用できる。
また、酸素含有ガスとしては一般に空気、酸素又はそれらの混合物を使用できる。発生室14の炉内壁は、2200〜2400℃の高温に耐えられるマグネシア系耐火物の一例であるマグネシア質煉瓦18で構成されており、マグネシア質煉瓦18の外側には一般用耐火物19が配置され、更にその外側には鉄皮20が設けられている。
【0022】
カーボンブラック生成領域12は、発生室14に後続し徐々に径が縮径しているテーパー部21と、テーパー部21に接続したチョーク部22と、原料油の噴霧ノズル16とを備えている。
ここで、噴霧ノズル16は、中央に原料油の供給管、その周囲に冷却部を備えて、チョーク部22の側壁に対して進退可能に配置されている。噴霧ノズル16から供給された原料油は、テーパー部21で高温燃焼ガス流中に混合して急激に加熱されて気化し、チョーク部22内で熱分解、蒸発、凝縮の一連の変化を経由して多数のカーボンブラック前駆体を形成して1次粒子を生成し、更にこの1次粒子が凝集して凝集体を形成する。
なお、原料油としては、一般にベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン、アントラセン等の芳香族炭化水素、クレオソート油、カルボン酸油等の石炭系炭化水素、エチレンヘビーエンドオイル、FCCオイル等の石油系重質油、アセチレン系不飽和炭化水素、エチレン系炭化水素、ペンタンやヘキサン等の脂肪族飽和炭化水素などが好適に使用される。
【0023】
テーパー部21及びチョーク部22の炉内壁はアルミナ系耐火物の一例であるアルミナ質煉瓦23で構成され、マグネシア質煉瓦18とアルミナ質煉瓦23の間の炉内壁はスピネル系耐火物の一例であるスピネル質煉瓦24で構成されている。また、アルミナ質煉瓦23とスピネル質煉瓦24の外側には一般用耐火物19が配置され、更にその外側には鉄皮20が設けられている。
テーパー部21において、マグネシア質煉瓦18とアルミナ質煉瓦23の間の炉内壁をスピネル質煉瓦24で構成することにより、マグネシア質煉瓦18とアルミナ質煉瓦23が直接接触するのを防止して、マグネシア質煉瓦18とアルミナ質煉瓦23が反応してスピネルを生成することを防止できる。
更に、マグネシア質煉瓦18とアルミナ質煉瓦23の間にスピネル質煉瓦24を使用することで、原料油が供給されて高温燃焼ガス流の雰囲気が還元性となる領域からマグネシア質煉瓦18を後退させることにより、還元雰囲気によるマグネシア質煉瓦18の損傷を防止することができる。その結果、高温下で安定して長期間にわたって、カーボンブラックの製造設備10を運転することができる。
【0024】
反応停止領域13は、カーボンブラック生成領域12のチョーク部22から流入した高温燃焼ガス流の温度を低下させる冷却室25と、冷却室25の軸方向の異なる位置に多段にわたって設けられ高温燃焼ガス流に対して冷媒を供給するノズル26とを有している。
冷却室25の炉内壁はアルミナ質煉瓦23で構成され、その外側には一般用耐火物19が配置され、更に、その外側には鉄皮20が設けられている。
また、ノズル26は、冷却室25の炉内壁に、例えば、周方向を4、6、又は8等分のように偶数等分する位置にそれぞれ設けられている。偶数等分した位置にノズル26を設けることにより、高温燃焼ガス流の流れ方向に対して垂直方向から、高温燃焼ガス流に対して冷媒を均一に供給することができる。ここで、ノズル26から供給する冷媒としては、水等の冷媒液体、窒素ガス等の非酸化性ガスを使用することができる。また、水等の冷媒液体と窒素ガス等の非酸化性ガスを併用することもできる。
【0025】
このような構成とすることにより、冷却室25内に導入した高温燃焼ガス流の温度を急冷することができ、最終的には800〜1200℃にまで低下させることができる。このため、カーボンブラックの生成反応を急速に停止させることが可能となる。急冷されたカーボンブラックを含む高温燃焼ガス流は、反応停止領域13の図示しない出口からカーボンブラックの製造設備10の外部に放出され、カーボンブラックは図示しない捕集バッグフィルター等でガスと分離されて回収される。
【0026】
次に、本発明の一実施の形態に係るカーボンブラックの製造設備10を適用したカーボンブラックの製造方法について詳細に説明する。
高温ガス発生領域11の発生室14に燃料と酸素含有ガスを吹き込んで燃焼させ、発生室14の軸心周りに旋回しながら軸心方向に流れる高温燃焼ガス流(例えば、1850〜1950℃)を形成する。この高温燃焼ガス流をカーボンブラック生成領域12に設けられたテーパー部21に導き、噴霧ノズル16から原料油を供給し高温燃焼ガス流と混合する。
このとき、原料油を供給する位置での高温燃焼ガス流の温度は1750〜1900℃となるので、原料油は急激に加熱されて気化し、チョーク部22内を移動している間に熱分解、蒸発、凝縮の一連の変化が短時間に生じ、多数のカーボンブラック前駆体が形成される。このため、前駆体から生成する1次粒子の径は小さくなる。本実施の形態においては、具体的には一次粒子径が5〜30μmのカーボンブラックの製造に好適である。
【0027】
チョーク部22内での高温燃焼ガス流の温度は1750℃以上、例えば1750〜1900℃である。生成した1次粒子同士はチョーク部22内を移動中に活発に衝突して凝集し、凝集体を形成する。
一次粒子同士の衝突を激しくすることで、カーボンブラックの凝集体を大きなものにすることができる。これは、例えば、原料油の導入を分割してカーボンブラック生成領域内に導入したり、またカーボンブラック生成領域の下流側に内径を急拡大させた急拡大部を形成して気流の乱れを生じさせるなどして、カーボンブラックの一次粒子の衝突を生じさせればよい。本実施の形態においては、一次粒子径が小さく、しかも高ストラクチャーのカーボンブラック、具体的には100〜300ミリリットル/gの高ストラクチャーのカーボンブラックを製造することができる。なお、本実施の形態においては、ストラクチャーの大きさは、JISK6221に従い求めた値を採用している。
【0028】
チョーク部22内で形成されたカーボンブラックの凝集体を含んだ高流速の高温燃焼ガス流を、チョーク部22の終端部27から冷却室25に流出させる。冷却室25の直径はチョーク部22の直径と比較して拡径しているので、高温燃焼ガス流の流速は低下する。
更に、冷却室25の炉内壁には、高温燃焼ガス流に対して対称的に配置された複数のノズル26が多段にわたって設けられている。これらのノズル26から、高温燃焼ガス流の流れ方向に対して垂直方向から水を噴霧することにより、高温燃焼ガス流の温度を急冷してカーボンブラックの生成反応を急速に停止させる。そして、高温燃焼ガス流の温度を最終的には200〜300℃にまで低下させる。その結果、高温燃焼ガス流中に含まれていたカーボンブラックの凝集体は、冷却用に噴出した水から形成された水蒸気と冷却された燃焼ガスとの混合ガス流中に含有されて反応停止領域13の図示しない出口からカーボンブラックの製造設備10の外部に放出され、捕集バッグフィルター等で混合ガスと分離して回収される。
【0029】
図2に示すように、本発明の第2の実施の形態に係るカーボンブラックの製造設備29は、テーパー部21の炉内壁及びチョーク部22の炉内壁をいずれもスピネル質煉瓦24で構成したことが特徴である。なお、第1の実施の形態に係るカーボンブラックの製造設備10と同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第2の実施の形態に係るカーボンブラックの製造設備28を使用したカーボンブラックの製造方法では、テーパー部21の炉内壁及びチョーク部22の炉内壁をいずれもスピネル質煉瓦24で構成するので、カーボンブラック生成領域12における高温燃焼ガス流の温度を1750〜1950℃とより高温にしてカーボンブラックの生成を行うことが特徴となっている。このため、例えば、1次粒子系が5〜30nmの小粒径のカーボンブラックを製造できる。また、先述したように、凝集体径を任意に設定できることが特徴となっている。ただし、第2の実施の形態に係るカーボンブラックの製造設備28を適用したカーボンブラックの製造方法は、第1の実施の形態に係るカーボンブラックの製造方法と実質的に同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0030】
以上、本発明は前記した実施の形態について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、例えば、高温燃焼ガス発生領域の、例えば1800℃以上の高温部のみにマグネシア質煉瓦を使用してもよい。マグネシア質煉瓦とアルミナ質煉瓦の間にスピネル質煉瓦を1層だけ配置することも可能である。反応停止領域の下流側、例えば1200℃以下の温度となる範囲には一般用耐火物を使用することが可能である。また、各炉内壁を煉瓦で構成したが不定形耐火材で構成しても、各炉内壁を煉瓦と不定形耐火材を組み合わせて構成してもよい。更に、発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明のカーボンブラックの製造設備及びカーボンブラックの製造方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
【0031】
【実施例】
[実施例1〜6]
カーボンブラックの製造設備として、内径500mm、長さ1700mmの高温燃焼ガス発生領域と、高温燃焼ガス発生領域に引き続き設けられ、原料油の一例であるクレオソート油を導入する2本の噴霧ノズルを貫設した、内径50mm、長さ700mmの絞り部を有するカーボンブラック生成領域と、これに引き続き設けられ、冷却水を噴霧して反応を停止させる内径200mm長さ2600mmの反応停止領域を順次結合して構成したファーネス式カーボンブラック製造炉を使用した。なお、燃焼用バーナは高温燃焼ガス発生領域の最上流部の隔壁に配設しており、酸素富化空気と天然ガス(LNG)を混合燃焼させることで、1750℃の高温燃焼ガス流を軸心方向に沿って形成する。
ここで、高温燃焼ガス発生領域の最上流部分はマグネシア質煉瓦(化学組成はマグネシア含有量99.4%)でライニングし、下流側にはマグネシアスピネル煉瓦をライニングした。なお、マグネシアスピネル煉瓦は、マグネシアとアルミナの含有率がそれぞれ、26%と72%、51%と48%、及び84%と15%である3種類の異なる組成のものを、表1、表2に示す組み合わせで用いた。
【0032】
【表1】

Figure 2004203957
【0033】
【表2】
Figure 2004203957
【0034】
また、カーボンブラック生成領域には、上述の3種のマグネシアスピネル煉瓦をライニングした。更に、反応停止領域には、高アルミナ質煉瓦(アルミナ含有量99.7%)をライニングした。
このように構成したファーネス式カーボンブラック製造炉を、50時間連続運転した後に、高温燃焼ガス発生領域にライニングした各煉瓦の稼働面の状況の観察結果、製造したカーボンブラックの特性、製造条件と併せて、表1、表2に示す。
なお、表1、表2に記載したDBP吸油量は、JISK6221に準拠して測定値である。また、カーボンブラック粒子径は、カーボンブラックをクロロフォルムに投入し、200kHzの超音波を20分間照射して分散させて、これを支持膜に固定して電子顕微鏡で観察し、各粒子の投影面積の平均値から等価円換算で算出した粒子径を示している。
【0035】
[比較例1、2]
実施例1と同じ形状のファーネス式カーボンブラック製造炉で、高温燃焼ガス発生領域の最上流部分はマグネシア質煉瓦(化学組成はマグネシア含有量99.4%)でライニングし、高温燃焼ガス発生領域の下流側、カーボンブラック生成領域、及び反応停止領域は全て高アルミナ質煉瓦(アルミナ含有量99.7%)でライニングし、高温燃焼ガス温度を1800℃、及び1900℃として運転を行った。高温燃焼ガス発生領域にライニングした各煉瓦の稼働面の状況の観察結果、製造したカーボンブラックの特性、製造条件と併せて、表1、表2に示す。
【0036】
以上のように、本発明のカーボンブラックの製造設備を用いれば、1750℃以上の高温燃焼ガス温度条件の下で、長期にわたり炉内壁に溶損や亀裂等の損傷の発生もなく、安定した運転ができる。
従って、本カーボンブラックの製造設備は、樹脂着色剤、印刷インキ、塗料において着色剤として使用できる黒度、分散性、光沢、着色力に優れた小粒径のカーボンブラックの製造に極めて有効である。
【0037】
【発明の効果】
請求項1及びこれに従属する請求項3〜9記載のカーボンブラックの製造設備においては、高温燃焼ガス発生領域、カーボンブラック生成領域、及び反応停止領域のうち少なくとも1つの領域の炉内壁に予めスピネル系耐火物を使用するので、原料油を供給する位置での高温燃焼ガス流の温度を1750〜1950℃にでき、小粒子径かつ大凝集体径のカーボンブラックを効率的に生産することが可能となる。
【0038】
請求項2及びこれに従属する請求項4〜9記載のカーボンブラックの製造設備においては、高温燃焼ガス発生領域の炉内壁の主要部又は全部をマグネシア系耐火物で、カーボンブラック生成領域の炉内壁の主要部又は全部をアルミナ系耐火物でそれぞれ構成し、しかも、マグネシア系耐火物とアルミナ系耐火物の間の炉内壁にはスピネル系耐火物を使用したので、マグネシア系耐火物とアルミナ系耐火物とは反応せず、高温下で安定して炉内壁材として使用することができる。
【0039】
請求項3記載のカーボンブラックの製造設備においては、高温燃焼ガス発生領域の炉内壁の主要部又は全部をマグネシア系耐火物で、カーボンブラック生成領域の炉内壁の主要部又は全部をスピネル系耐火物でそれぞれ構成したので、原料油を供給する位置での高温燃焼ガス流の温度を更に高くすることができ、小粒子径かつ大凝集体径のカーボンブラックを更に効率的に生産することが可能となる。
【0040】
請求項4記載のカーボンブラックの製造設備においては、マグネシア系耐火物はマグネシア質煉瓦又はマグネシア質不定形耐火材であり、請求項5記載のカーボンブラックの製造設備においては、スピネル系耐火物はスピネル質煉瓦又はスピネル質不定形耐火材であるので、要求される特性、施工性、経済性を考慮して最適な炉内壁を構成することが可能となる。
【0041】
請求項6記載のカーボンブラックの製造設備においては、反応停止領域の炉内壁の主要部又は全部にアルミナ系耐火物を用いたので、高温燃焼ガス流の温度を急激に低下させても炉内壁に損傷が生じにくく、長期間安定して使用することができる。
【0042】
請求項7記載のカーボンブラックの製造設備においては、アルミナ系耐火物はアルミナ質煉瓦又はアルミナ質不定形耐火材であるので、要求される特性、施工性、経済性を考慮して最適な炉内壁を構成することが可能となる。
【0043】
請求項8記載のカーボンブラックの製造設備においては、スピネル質煉瓦がマグネシアスピネル煉瓦であるので、高温下での寸法安定性に優れた炉内壁を構成することができ、カーボンブラックの製造設備の安定操業を長期にわたって維持することが可能となる。
【0044】
請求項9記載のカーボンブラックの製造設備においては、マグネシアスピネル煉瓦がマグネシアとアルミナとを含み、マグネシアとアルミナとの重量比が20:80〜97:3であるので、多様な特性を有するマグネシアスピネル煉瓦を得ることができ、カーボンブラックの製造設備の操業条件に合わせて最適なマグネシアスピネル煉瓦を使用することが可能になる。その結果、カーボンブラックの製造設備の安定操業を長期にわたって維持することが可能となる。
【0045】
請求項10及び11記載のカーボンブラックの製造方法においては、原料油を供給する位置での高温燃焼ガス流の温度を1750℃以上とするので、1次粒子径の小さなカーボンブラックを多数生成させることができ、これらの1次粒子を凝集させることにより大きな凝集体径に成長させることが可能となる。
【0046】
特に、請求項11記載のカーボンブラックの製造方法においては、原料油を給油する位置での高温燃焼ガス流の温度を1900℃以上とするので、原料油の気化、熱分解、蒸発、凝縮の一連の変化を更に素早く、かつ、均一に生じさせて、更に多数のカーボンブラック前駆体を形成することができる。その結果、1次粒子径のより小さなカーボンブラックを多数生成させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るカーボンブラックの製造設備の概略説明図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係るカーボンブラックの製造設備の概略説明図である。
【符号の説明】
10:カーボンブラックの製造設備、11:高温燃焼ガス発生領域、12:カーボンブラック生成領域、13:反応停止領域、14:発生室、15:燃焼用バーナ、16:噴霧ノズル、17:隔壁、18:マグネシア質煉瓦、19:一般用耐火物、20:鉄皮、21:テーパー部、22:チョーク部、23:アルミナ質煉瓦、24:スピネル質煉瓦、25:冷却室、26:ノズル、27:終端部、28:カーボンブラックの製造設備[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a carbon black production facility and a production method thereof, and more particularly, to a production facility capable of producing carbon black having a small particle diameter and a large aggregate diameter with high productivity by increasing the temperature of a high-temperature combustion gas stream. And its manufacturing method.
[0002]
[Prior art]
Carbon black is widely used for pigments, fillers, reinforcing pigments, weather resistance improvers, and the like. As a method of producing carbon black, generally, an oxygen-containing gas and a fuel are introduced into a high-temperature combustion gas generation region of a cylindrical carbon black production furnace from a furnace axial direction or a tangential direction, and the high-temperature combustion gas obtained by the combustion is introduced. Furnace-type production methods in which a feedstock is introduced into a high-temperature combustion gas stream to produce carbon black while moving the stream to a carbon black production region that is subsequently installed are widely known.
[0003]
Carbon black used as a colorant in resin colorants, printing inks and paints is required to be excellent in blackness, dispersibility, gloss and coloring power, and is mainly used as a reinforcing agent for automobile tires. Black is required to have excellent wear resistance. Such characteristics of carbon black are considered to be caused by the particle size of the primary particles constituting the carbon black, and the production conditions have been controlled so as to reduce the primary particle size.
However, it has recently become increasingly clear that these properties of carbon black may sometimes be better explained as an effect of aggregates of primary particles. For example, it is considered that the diameter of the aggregate and the distribution of the aggregate diameter play a large role in optical properties such as coloring power, dynamic viscoelastic properties and reinforcing properties of the compounded rubber composition. It is also clear that the aggregate diameter has a great effect on the tensile stress and extrusion characteristics when compounded with rubber, the dispersibility, blackness, and viscosity when compounded with ink and paint vehicles and resins. ing.
[0004]
Therefore, controlling the diameter and distribution of the aggregates leads to controlling the characteristics of the carbon black itself. In order to control the primary particle size and agglomerate size of carbon black, it is clear that high-temperature pyrolysis of the feedstock and high flow rate of the high-temperature combustion gas flow at the feedstock introduction position are important condition factors. Has become.
Here, when physical conditions such as a high flow rate of a high-temperature combustion gas flow at a feedstock introduction position are to be realized in a carbon black production furnace in actual operation, a large amount of energy supply equipment is required. However, even if the flow rate of the high-temperature combustion gas flow is increased, the produced carbon black does not exhibit a remarkable effect of improving characteristics, and it has been difficult to obtain a result commensurate with capital investment.
Therefore, in a carbon black manufacturing facility, if the temperature of the high-temperature combustion gas stream generated in the high-temperature combustion gas generation region is further increased, if the temperature of the high-temperature combustion gas stream near the feed oil introduction position can be increased, It is considered that carbon black having a small particle diameter can be efficiently produced, and that carbon black having various aggregate (structure) diameters can be produced by adjusting the spraying conditions of the raw material oil.
[0005]
However, in the carbon black producing region of the conventional carbon black production equipment, an alumina-based refractory (for example, high-alumina brick having an alumina content of 99% by weight, alumina content) But 99.9% by weight or more of ultra-high alumina brick). Therefore, when a high-temperature combustion gas flow of 1800 ° C. or more is introduced into the carbon black generation region, the alumina-based refractory is exposed to a high-temperature combustion gas flow of its softening temperature (about 1800 ° C.) or more. Phenomena such as erosion or deformation of bricks occur, and there is a problem that operation cannot be performed.
Therefore, although the temperature of the high-temperature combustion gas flow in contact with the alumina-based refractory constituting the furnace inner wall was adjusted to be lower than the softening temperature, the temperature of the high-temperature combustion gas flow was set to a temperature as high as possible below the softening temperature, for example, Even at a temperature of about 1700 ° C., in a long-term operation, there occurs a problem such as a drop in mechanical strength due to grain growth or the like occurring in the alumina particles constituting the brick. Therefore, the operation has been performed with the temperature of the high-temperature combustion gas flow limited so that a remarkable change does not occur in the alumina-based refractory, for example, so that the surface temperature of the alumina-based refractory is 1700 ° C. or less.
[0006]
Zirconia refractories have been known as refractories for ultra-high temperatures that can withstand higher temperatures than alumina-based refractories. Zirconia refractories have a high melting point of 2700 ° C. and can withstand very high temperatures, but undergo a phase change at temperatures between 900 and 1200 ° C., causing a volume change of rapid shrinkage and expansion. Has features. Therefore, when used in a production facility for carbon black, the mechanical strength is considered to be significantly reduced due to repeated volume changes accompanying repeated temperature changes, which poses a practical problem.
Further, a proposal has been made to suppress the phase change of zirconia by dissolving additives such as calcia and yttria in zirconia (for example, see Patent Literature 1 and Patent Literature 2). The solid solution additive is released from the zirconia, and a phase change appears in the zirconia. For this reason, the thermal shock resistance and the thermal strength of the zirconia refractory are reduced, and the zirconia refractory has not been able to withstand long-term operation as an inner wall material of a carbon black production facility.
Further, as a carbon black manufacturing apparatus using a furnace material that can withstand high temperatures, a proposal has been made to use magnesia-chrome bricks (for example, see Patent Document 3).
[0007]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Publication No. 57-23673
[Patent Document 2]
JP-A-4-103670
[Patent Document 3]
JP-A-11-80582
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
For this reason, the furnace inner wall in the high-temperature combustion gas generation region that generates the high-temperature combustion gas flow has been made of a magnesia-based refractory that can stably withstand high temperatures. In addition, the inner wall of the furnace in the carbon black production region is exposed to the fact that the temperature of the high-temperature combustion gas flow is reduced due to the thermal cracking reaction of the introduced raw material oil, and the atmosphere of the high-temperature combustion gas flow is reduced by the thermal decomposition reaction of the raw material oil. Since the atmosphere was a reducing atmosphere, it was composed of an alumina-based refractory.
However, the magnesia-based refractory has a high refractory temperature, but has a high coefficient of thermal expansion and is easily peeled from the furnace wall (that is, low in spalling resistance). Therefore, when designing a furnace using a magnesia-based refractory, it is necessary to consider a volume increase due to thermal expansion in advance. In addition, there is a problem that even in a part to be used in a furnace, it can be used only in a part in a furnace where spalling resistance is low and does not cause a problem in production of carbon black.
Since magnesia-chromium refractories contain chromium, there is still a problem in industrial use, such as handling of waste.
[0009]
Further, the magnesia-based refractory and the alumina-based refractory are pressed against each other by thermal expansion so that they do not fall off during operation at a high temperature, and their interfaces are arranged in a pressed state. Here, the temperature of the interface between the magnesia-based refractory and the alumina-based refractory is, for example, 1300 ° C. or higher. For this reason, a spinel is generated by a solid-phase reaction at the part where the magnesia particles constituting the magnesia-based refractory and the alumina particles constituting the alumina-based refractory are in contact, and the magnesia-based refractory and the alumina-based refractory It was found that a spinel layer was formed at the interface, and this spinel layer gradually grew over time. Further, when the magnesia particles and the alumina particles react to generate spinel particles, the volume increases.
[0010]
However, the interface between the magnesia-based refractory and the alumina-based refractory is in a pressed state, and there is no absorption allowance for the volume increased by spinel formation. For this reason, a large compressive stress is generated at the interface, and cracks occur in the magnesia-based refractory and the alumina-based refractory near the interface. Then, the cracks gradually grow and eventually develop into falling off of the inner wall material, and the production of carbon black is stopped.
The present invention has been made in view of such circumstances, and a carbon black capable of stably and efficiently producing a carbon black having a small particle diameter and a large aggregate diameter by increasing the temperature of a high-temperature combustion gas stream. It is an object to provide a manufacturing facility and a manufacturing method thereof.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
The gist of the present invention meeting the above object is to provide a high-temperature combustion gas generation region for forming a high-temperature combustion gas flow, a carbon black generation region for supplying a raw material oil to the high-temperature combustion gas flow to generate carbon black, In a carbon black production facility having a reaction stop region for stopping the carbon black formation reaction following the formation region, a main part or all of the furnace inner wall of at least one of the three regions is preferably removed. The main part or all of the furnace inner wall in the high-temperature combustion gas generation region is made of a spinel refractory.
Among them, preferably, the main part or all of the furnace inner wall in the high-temperature combustion gas generation region is made of magnesia-based refractory, and the main part or all of the furnace inner wall in the carbon black generation region is made of spinel-based refractory. is there. Particularly preferably, the main part or all of the furnace inner wall of the high-temperature combustion gas generation region is made of magnesia-based refractory, and the main part or all of the furnace inner wall of the carbon black generation region is made of alumina-based refractory, and A spinel-based refractory is used for the furnace inner wall between the magnesia-based refractory and the alumina-based refractory.
[0012]
Here, the magnesia-based refractory is, for example, a refractory having a magnesia content of 95% by weight or more, and the spinel-based refractory is, for example, a refractory having an alumina and magnesia spinel content of 85% by weight or more. Point to. When the spinel-based refractory is a magnesia-spinel brick, for example, the weight ratio of magnesia to alumina is 20:80 to 97: 3. The alumina-based refractory is, for example, a refractory having an alumina content of 90% by weight or more.
Accordingly, the service temperature of magnesia-based refractories is 2200 to 2400 ° C, the service temperature of spinel-based refractories is 1750 to 2000 ° C, and the service temperature of alumina-based refractories is 1800 to 1850 ° C. For this reason, the temperature of the generated high-temperature combustion gas stream can be set to 1750 to 2000 ° C., and the temperature of the high-temperature combustion gas stream at the position where the feed oil is supplied can be maintained in this temperature range. In addition, when the spinel-based refractory exists between the magnesia-based refractory and the alumina-based refractory, it is possible to prevent the magnesia-based refractory from reacting with the alumina-based refractory.
[0013]
In addition, when a main part or all of the inner wall of the furnace in the carbon black generation region is configured using a spinel-based refractory having a higher service temperature than an alumina-based refractory, the heat resistance temperature of the furnace inner wall in the carbon black generation region can be improved. Can be. As a result, a high-temperature combustion gas stream having a higher temperature can be introduced into the carbon black generation region, and the temperature of the carbon black generation reaction can be raised to 1900 to 2000 ° C. to cause the carbon black generation reaction. it can.
[0014]
In the carbon black manufacturing equipment according to the present invention, the magnesia-based refractory can be a magnesia brick or a magnesia-shaped refractory material. Further, in the carbon black manufacturing equipment according to the present invention, the spinel-based refractory can be a spinel-type brick or a spinel-shaped irregular-shaped refractory.
[0015]
In the case where a change in the size of the furnace inner wall during use is reduced to form a high-strength furnace inner wall, it is preferable to use a magnesia brick as a magnesia refractory and a spinel brick as a spinel refractory. When the furnace inner wall is constructed in a short period of time, simply and at low cost, it is preferable to use a magnesia-based irregular refractory as a magnesia-based refractory and a spinel-based irregular-shaped refractory as a spinel-based refractory.
[0016]
Here, if the thickness of the magnesia brick and the spinel brick is set to 25 to 150 mm, it is possible to reduce the occurrence of cracks due to thermal shock due to temperature fluctuation during carbon black production. The preferred thickness is 30 to 120 mm, more preferably 50 to 100 mm. If the thickness is less than 25 mm, it is difficult to construct a furnace inner wall having a sufficient strength in construction. If the thickness exceeds 150 mm, the temperature difference generated in the brick increases, and cracks due to thermal shock are likely to occur.
When a magnesia-based irregular refractory material or a spinel-based irregular-shaped refractory material is used for the furnace inner wall, each irregular-shaped refractory material has a crack that propagates in the thickness direction and a crack that extends parallel to the furnace inner wall. For this reason, by setting the working thickness of each irregular-shaped refractory to 35 mm or more, it is possible to prevent the refractory from falling off due to cracks. When the construction thickness is less than 35 mm, the auction area of the broken refractory material is reduced and the possibility of falling off is increased.
[0017]
In the carbon black production equipment according to the present invention, an alumina-based refractory can be used for a main portion or all of the inner wall of the furnace in the reaction stop region. Further, the alumina-based refractory can be an alumina brick or an amorphous refractory material. In the reaction stop region, the temperature of the high-temperature combustion gas flow is 1600 to 1800 ° C on the inlet side of the reaction stop region and 800 to 1200 ° C on the outlet side. For this reason, an alumina-based refractory can be used for the main part or all of the furnace inner wall in the reaction stop region.
Further, in the case where a change in the size of the furnace inner wall is reduced to form a high-strength furnace inner wall, it is preferable to use an alumina brick as the alumina-based refractory. When the furnace inner wall is constructed in a short period of time, simply and at low cost, it is preferable to use an alumina-based amorphous refractory material as the alumina-based refractory.
[0018]
In the carbon black manufacturing equipment according to the present invention, the spinel-based refractory is the spinel brick, and the spinel brick is preferably a magnesia spinel brick, and further, the magnesia spinel brick is made of magnesia and alumina. As a main component, the weight ratio between the magnesia and the alumina is preferably 20:80 to 97: 3.
By using magnesia spinel bricks, a furnace inner wall having excellent dimensional stability at high temperatures can be formed. Here, by setting the weight ratio of magnesia to alumina to 20:80 to 97: 3, magnesia spinel bricks having various characteristics from magnesia spinel bricks containing magnesia to magnesia spinel bricks containing magnesia are obtained. be able to.
[0019]
Another aspect of the present invention is a method for producing carbon black using the above-described carbon black production facility, wherein the temperature of the high-temperature combustion gas stream at a position for supplying the feedstock oil is 1750 ° C. or higher, preferably Is 1900 ° C. or higher.
By setting the temperature of the high-temperature combustion gas flow at the position where the feed oil is supplied to 1750 ° C. or higher, for example, 1750 to 2000 ° C., the temperature in the carbon black generation region can be set to the same high-temperature condition.
Therefore, a series of changes of the vaporization, thermal decomposition, evaporation, and condensation of the feedstock can be quickly and uniformly caused to form a large number of carbon black precursors.
[0020]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Next, embodiments of the present invention will be described with reference to the accompanying drawings to provide an understanding of the present invention.
Here, FIG. 1 is a schematic explanatory view of a carbon black manufacturing facility according to the first embodiment of the present invention, and FIG. 2 is a schematic explanatory view of a carbon black manufacturing facility according to the second embodiment of the present invention. It is.
As shown in FIG. 1, a carbon black production facility 10 according to a first embodiment of the present invention includes a high-temperature combustion gas generation region 11 for forming a high-temperature combustion gas flow, and a downstream side of the high-temperature combustion gas generation region 11. A carbon black generation region 12 for generating carbon black from the raw material oil supplied to the high-temperature combustion gas stream and a reaction stop region 13 following the carbon black generation region 12 for stopping the carbon black generation reaction. are doing. Hereinafter, these will be described in detail.
[0021]
The high-temperature combustion gas generation region 11 has a high-temperature combustion gas flow generation chamber 14 and a plurality of combustion burners 15 provided in a partition wall 17 on the upstream side of the generation chamber 14. Each combustion burner 15 supplies a fuel and an oxygen-containing gas, performs mixed combustion, and generates a high-temperature combustion gas flow flowing along the axis of the generation chamber 14.
As the fuel supplied from the combustion burner 15, a petroleum-based liquid fuel such as hydrogen, carbon monoxide, natural gas, petroleum gas and heavy oil, and a coal-based liquid fuel such as creosote oil can be generally used.
In addition, air, oxygen or a mixture thereof can be generally used as the oxygen-containing gas. The inner wall of the furnace of the generation chamber 14 is composed of a magnesia brick 18 which is an example of a magnesia refractory that can withstand a high temperature of 2200 to 2400 ° C., and a general refractory 19 is arranged outside the magnesia brick 18. Further, an outer shell 20 is provided on the outside thereof.
[0022]
The carbon black generation region 12 includes a tapered portion 21 having a diameter gradually reduced following the generation chamber 14, a choke portion 22 connected to the tapered portion 21, and a feed oil spray nozzle 16.
Here, the spray nozzle 16 is provided with a feed pipe for the raw oil at the center and a cooling unit around the feed pipe, and is disposed so as to be capable of moving forward and backward with respect to the side wall of the choke unit 22. The feed oil supplied from the spray nozzle 16 is mixed into the high-temperature combustion gas flow at the tapered portion 21 and rapidly heated and vaporized, and undergoes a series of changes of thermal decomposition, evaporation and condensation in the choke portion 22. To form primary particles by forming a large number of carbon black precursors, and the primary particles further aggregate to form an aggregate.
The feedstock oils generally include aromatic hydrocarbons such as benzene, toluene, xylene, naphthalene, and anthracene; coal-based hydrocarbons such as creosote oil and carboxylic acid oil; and petroleum-based heavy oils such as ethylene heavy-end oil and FCC oil. High-quality oils, acetylene-based unsaturated hydrocarbons, ethylene-based hydrocarbons, and aliphatic saturated hydrocarbons such as pentane and hexane are preferably used.
[0023]
The furnace inner walls of the tapered portion 21 and the choke portion 22 are formed of alumina bricks 23 which are an example of an alumina refractory, and the furnace inner wall between the magnesia bricks 18 and the alumina bricks 23 is an example of a spinel refractory. It is composed of spinel bricks 24. Further, a general refractory 19 is arranged outside the alumina brick 23 and the spinel brick 24, and a steel shell 20 is further provided outside.
In the taper portion 21, the inner wall of the furnace between the magnesia brick 18 and the alumina brick 23 is formed of the spinel brick 24, thereby preventing the magnesia brick 18 and the alumina brick 23 from directly contacting each other, The bricks 18 and the alumina bricks 23 can be prevented from reacting to form spinel.
Further, by using the spinel bricks 24 between the magnesia bricks 18 and the alumina bricks 23, the raw oil is supplied, and the magnesia bricks 18 are retracted from the region where the atmosphere of the high-temperature combustion gas flow becomes reducing. This can prevent the magnesia brick 18 from being damaged by the reducing atmosphere. As a result, the carbon black production facility 10 can be operated stably at a high temperature for a long period of time.
[0024]
The reaction stop region 13 includes a cooling chamber 25 for lowering the temperature of the high-temperature combustion gas flow flowing from the choke portion 22 of the carbon black generation region 12, and a high-temperature combustion gas flow provided in multiple stages at different positions in the cooling chamber 25 in the axial direction. And a nozzle 26 for supplying a coolant to the nozzle.
The furnace inner wall of the cooling chamber 25 is made of alumina bricks 23, a general refractory 19 is arranged outside the furnace brick 23, and a steel shell 20 is provided outside the furnace refractory 19.
The nozzles 26 are provided on the inner wall of the furnace of the cooling chamber 25, for example, at positions where the circumferential direction is evenly divided into four, six, or eight equal parts. By providing the nozzles 26 at evenly divided positions, the coolant can be uniformly supplied to the high-temperature combustion gas flow from a direction perpendicular to the flow direction of the high-temperature combustion gas flow. Here, as the refrigerant supplied from the nozzle 26, a refrigerant liquid such as water or a non-oxidizing gas such as nitrogen gas can be used. Further, a refrigerant liquid such as water and a non-oxidizing gas such as nitrogen gas can be used in combination.
[0025]
With such a configuration, the temperature of the high-temperature combustion gas stream introduced into the cooling chamber 25 can be rapidly cooled, and can be finally reduced to 800 to 1200 ° C. For this reason, it is possible to rapidly stop the carbon black generation reaction. The high-temperature combustion gas flow containing the quenched carbon black is discharged from the outlet (not shown) of the reaction stop region 13 to the outside of the carbon black manufacturing equipment 10, and the carbon black is separated from the gas by a not-shown collection bag filter or the like. Collected.
[0026]
Next, a method for producing carbon black using the carbon black production facility 10 according to one embodiment of the present invention will be described in detail.
The fuel and the oxygen-containing gas are blown into the generation chamber 14 of the high-temperature gas generation area 11 to burn it, and a high-temperature combustion gas flow (for example, 1850 to 1950 ° C.) flowing in the axial direction while rotating around the axis of the generation chamber 14 is generated. Form. This high-temperature combustion gas flow is guided to the tapered portion 21 provided in the carbon black generation region 12, and the feed oil is supplied from the spray nozzle 16 and mixed with the high-temperature combustion gas flow.
At this time, since the temperature of the high-temperature combustion gas flow at the position where the raw oil is supplied is 1750 to 1900 ° C., the raw oil is rapidly heated and vaporized, and is thermally decomposed while moving in the choke portion 22. , A series of changes of evaporation, condensation occur in a short time, and a large number of carbon black precursors are formed. For this reason, the diameter of the primary particles generated from the precursor becomes small. Specifically, the present embodiment is suitable for producing carbon black having a primary particle diameter of 5 to 30 μm.
[0027]
The temperature of the high-temperature combustion gas flow in the choke section 22 is 1750 ° C. or more, for example, 1750 to 1900 ° C. The generated primary particles actively collide with each other while moving in the chalk portion 22 and aggregate to form an aggregate.
By increasing the collision between the primary particles, the aggregate of carbon black can be made large. This is because, for example, the introduction of the feedstock oil is divided and introduced into the carbon black generation region, or a rapid expansion portion having a suddenly enlarged inner diameter is formed on the downstream side of the carbon black generation region, causing turbulence in the air flow. For example, collision of primary particles of carbon black may be caused. In the present embodiment, a high-structure carbon black having a small primary particle size and high structure, specifically, a high-structure carbon black of 100 to 300 ml / g can be produced. In the present embodiment, the size of the structure adopts a value obtained according to JIS K6221.
[0028]
A high-velocity high-temperature combustion gas flow containing carbon black aggregates formed in the choke portion 22 flows out from the terminal end portion 27 of the choke portion 22 to the cooling chamber 25. Since the diameter of the cooling chamber 25 is larger than the diameter of the choke portion 22, the flow velocity of the high-temperature combustion gas flow decreases.
Further, a plurality of nozzles 26 arranged symmetrically with respect to the high-temperature combustion gas flow are provided on the furnace inner wall of the cooling chamber 25 in multiple stages. By spraying water from these nozzles 26 in a direction perpendicular to the flow direction of the high-temperature combustion gas flow, the temperature of the high-temperature combustion gas flow is rapidly cooled to rapidly stop the carbon black generation reaction. Then, the temperature of the high-temperature combustion gas stream is finally reduced to 200 to 300C. As a result, the aggregates of carbon black contained in the high-temperature combustion gas flow are contained in the mixed gas flow of water vapor formed from water jetted for cooling and the cooled combustion gas, and the reaction is stopped. The exhaust gas 13 is discharged from the outlet (not shown) to the outside of the carbon black production facility 10 and separated and collected from the mixed gas by a collecting bag filter or the like.
[0029]
As shown in FIG. 2, in the carbon black production facility 29 according to the second embodiment of the present invention, both the furnace inner wall of the tapered portion 21 and the furnace inner wall of the choke portion 22 are made of spinel bricks 24. Is the feature. The same components as those of the carbon black production facility 10 according to the first embodiment are denoted by the same reference numerals, and detailed description thereof will be omitted.
In the method for manufacturing carbon black using the carbon black manufacturing equipment 28 according to the second embodiment, since both the furnace inner wall of the tapered portion 21 and the furnace inner wall of the choke portion 22 are made of the spinel brick 24, carbon It is characterized in that carbon black is generated by setting the temperature of the high-temperature combustion gas flow in the black generation region 12 to a higher temperature of 1750 to 1950 ° C. Therefore, for example, carbon black having a small particle size of 5 to 30 nm in primary particle system can be produced. Further, as described above, the feature is that the aggregate diameter can be arbitrarily set. However, the method for producing carbon black to which the carbon black production equipment 28 according to the second embodiment is applied is substantially the same as the method for producing carbon black according to the first embodiment. Description is omitted.
[0030]
As described above, the present invention has been described with reference to the above embodiment. However, the present invention is not limited to this embodiment. For example, magnesia is applied only to a high-temperature portion of, for example, 1800 ° C. or higher in a high-temperature combustion gas generation region. A quality brick may be used. It is also possible to arrange only one layer of spinel brick between magnesia brick and alumina brick. A general refractory can be used downstream of the reaction stop region, for example, in a range where the temperature is 1200 ° C. or lower. Further, although each furnace inner wall is made of a brick, it may be made of an irregular refractory material, or each furnace inner wall may be made of a combination of a brick and an irregular refractory material. Further, changes within a range that does not change the gist of the invention are possible, and a part or all of the above-described respective embodiments and modifications are combined to provide a carbon black manufacturing facility and a carbon black manufacturing method of the present invention. The configuration is also included in the scope of rights of the present invention.
[0031]
【Example】
[Examples 1 to 6]
As a production facility for carbon black, a high-temperature combustion gas generation region having an inner diameter of 500 mm and a length of 1700 mm, and two spray nozzles provided continuously to the high-temperature combustion gas generation region and introducing creosote oil, which is an example of a feed oil, are passed through. The carbon black producing region having a constricted portion having an inner diameter of 50 mm and a length of 700 mm, and a reaction stopping region having an inner diameter of 200 mm and a length of 2600 mm, which is provided subsequently thereto and in which the reaction is stopped by spraying cooling water, are sequentially connected. The furnace type carbon black production furnace configured was used. The burner for combustion is disposed on the partition wall at the most upstream part of the high-temperature combustion gas generation region, and mixes and burns oxygen-enriched air and natural gas (LNG) so that the high-temperature combustion gas flow at 1750 ° C. Formed along the direction of the center.
Here, the uppermost stream portion of the high-temperature combustion gas generation region was lined with magnesia brick (chemical composition: magnesia content: 99.4%), and magnesia spinel brick was lined downstream. As for the magnesia spinel bricks, three different compositions having magnesia and alumina contents of 26% and 72%, 51% and 48%, and 84% and 15%, respectively, are shown in Tables 1 and 2. Were used in the combination shown in FIG.
[0032]
[Table 1]
Figure 2004203957
[0033]
[Table 2]
Figure 2004203957
[0034]
The above three types of magnesia spinel bricks were lined in the carbon black generation region. Further, a high alumina brick (alumina content: 99.7%) was lined in the reaction stop region.
After the furnace type carbon black production furnace thus configured was operated continuously for 50 hours, the results of observation of the working surfaces of the bricks lined in the high-temperature combustion gas generation region, the characteristics of the produced carbon black, the production conditions, The results are shown in Tables 1 and 2.
The DBP oil absorption shown in Tables 1 and 2 is a measured value based on JIS K6221. The carbon black particle diameter was measured by charging carbon black into chloroform, irradiating it with 200 kHz ultrasonic waves for 20 minutes, dispersing it, fixing it on a support film, observing it with an electron microscope, and measuring the projected area of each particle. It shows the particle diameter calculated from the average value in terms of equivalent circle.
[0035]
[Comparative Examples 1 and 2]
In the furnace type carbon black production furnace having the same shape as in Example 1, the most upstream portion of the high-temperature combustion gas generation region was lined with magnesia brick (chemical composition: magnesia content: 99.4%) to form a high-temperature combustion gas generation region. The downstream side, the carbon black generation region, and the reaction stop region were all lined with high alumina bricks (alumina content: 99.7%), and the operation was performed with the high temperature combustion gas temperature at 1800 ° C. and 1900 ° C. Tables 1 and 2 show the observation results of the working surface of each brick lined in the high-temperature combustion gas generation region, the characteristics of the produced carbon black, and the production conditions.
[0036]
As described above, the use of the carbon black production facility of the present invention enables stable operation without causing damage such as melting or cracking on the furnace inner wall for a long period of time under a high-temperature combustion gas temperature condition of 1750 ° C. or more. Can be.
Therefore, the present carbon black production facility is extremely effective for producing carbon black having a small particle size and excellent in blackness, dispersibility, gloss and coloring power, which can be used as a colorant in resin colorants, printing inks and paints. .
[0037]
【The invention's effect】
In the carbon black manufacturing facility according to the first aspect and the dependent claims 3 to 9, the spinel is formed on a furnace inner wall in at least one of a high-temperature combustion gas generation region, a carbon black generation region, and a reaction stop region. Since a refractory is used, the temperature of the high-temperature combustion gas stream at the position where the raw oil is supplied can be set to 1750 to 1950 ° C., and carbon black having a small particle diameter and a large aggregate diameter can be efficiently produced. It becomes.
[0038]
In the carbon black manufacturing facility according to the second aspect and the dependent claims 4 to 9, the main part or all of the furnace inner wall in the high-temperature combustion gas generating region is made of a magnesia refractory, and the furnace inner wall in the carbon black generating region. The main part or the whole is made of alumina refractory, and the inner wall of the furnace between magnesia refractory and alumina refractory is made of spinel refractory, so magnesia refractory and alumina refractory are used. It does not react with materials and can be used stably at high temperatures as a furnace inner wall material.
[0039]
The main part or all of the furnace inner wall in the high-temperature combustion gas generation region is made of magnesia refractory, and the main part or all of the furnace inner wall in the carbon black generation region is made of spinel refractory. Since the temperature of the high-temperature combustion gas flow at the position where the feed oil is supplied can be further increased, it is possible to more efficiently produce carbon black having a small particle diameter and a large aggregate diameter. Become.
[0040]
In the carbon black manufacturing equipment according to the fourth aspect, the magnesia-based refractory is a magnesia brick or a magnesia amorphous refractory, and in the carbon black manufacturing equipment according to the fifth aspect, the spinel-based refractory is spinel. Since it is a refractory brick or an amorphous refractory material, it is possible to form an optimum furnace inner wall in consideration of required characteristics, workability, and economic efficiency.
[0041]
In the carbon black production equipment according to claim 6, since the alumina-based refractory is used for the main part or the whole of the furnace inner wall in the reaction stop region, even if the temperature of the high-temperature combustion gas flow is rapidly lowered, the furnace inner wall is formed. It is hardly damaged and can be used stably for a long time.
[0042]
In the carbon black production equipment according to claim 7, since the alumina-based refractory is an alumina brick or an amorphous amorphous refractory material, an optimum furnace inner wall in consideration of required characteristics, workability, and economy. Can be configured.
[0043]
In the facility for producing carbon black according to claim 8, since the spinel brick is a magnesia spinel brick, it is possible to form a furnace inner wall having excellent dimensional stability at high temperatures, and to stabilize the carbon black production facility. Operation can be maintained for a long time.
[0044]
In the carbon black production facility according to the ninth aspect, the magnesia spinel brick includes magnesia and alumina, and the weight ratio of magnesia to alumina is 20:80 to 97: 3, so that the magnesia spinel has various characteristics. A brick can be obtained, and an optimal magnesia spinel brick can be used according to the operating conditions of a carbon black manufacturing facility. As a result, it is possible to maintain stable operation of the carbon black production facility for a long period of time.
[0045]
In the method for producing carbon black according to the tenth and eleventh aspects, the temperature of the high-temperature combustion gas stream at the position where the raw oil is supplied is set to 1750 ° C. or more, so that a large number of carbon blacks having a small primary particle diameter are generated. By aggregating these primary particles, it is possible to grow them into a large aggregate diameter.
[0046]
In particular, in the method for producing carbon black according to the eleventh aspect, the temperature of the high-temperature combustion gas flow at the position where the raw oil is supplied is 1900 ° C. or more, so that a series of vaporization, thermal decomposition, evaporation, and condensation of the raw oil is performed. Can be caused more quickly and uniformly to form a larger number of carbon black precursors. As a result, it is possible to generate many carbon blacks having a smaller primary particle diameter.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic explanatory view of a carbon black production facility according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a schematic explanatory view of a facility for producing carbon black according to a second embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
10: production equipment for carbon black, 11: high-temperature combustion gas generation area, 12: carbon black generation area, 13: reaction stop area, 14: generation chamber, 15: combustion burner, 16: spray nozzle, 17: partition wall, 18 : Magnesia brick, 19: general refractory, 20: iron shell, 21: tapered portion, 22: chalk portion, 23: alumina brick, 24: spinel brick, 25: cooling room, 26: nozzle, 27: Terminal part, 28: carbon black manufacturing equipment

Claims (11)

高温燃焼ガス流を形成させる高温燃焼ガス発生領域と、前記高温燃焼ガス流に原料油を供給してカーボンブラックを生成させるカーボンブラック生成領域と、該カーボンブラック生成領域に後続してカーボンブラックの生成反応を停止させる反応停止領域とを有するカーボンブラックの製造設備において、前記高温燃焼ガス発生領域、カーボンブラック生成領域、及び反応停止領域のうち少なくとも1つの領域の炉内壁に予めスピネル系耐火物を使用することを特徴とするカーボンブラックの製造設備。A high-temperature combustion gas generation region for forming a high-temperature combustion gas flow, a carbon black generation region for supplying a raw material oil to the high-temperature combustion gas flow to generate carbon black, and a carbon black generation region subsequent to the carbon black generation region. In a facility for producing carbon black having a reaction stopping region for stopping a reaction, a spinel-based refractory is previously used on a furnace inner wall of at least one of the high-temperature combustion gas generating region, the carbon black generating region, and the reaction stopping region. Manufacturing equipment for carbon black. 高温燃焼ガス流を形成させる高温燃焼ガス発生領域と、前記高温燃焼ガス流に原料油を供給してカーボンブラックを生成させるカーボンブラック生成領域と、該カーボンブラック生成領域に後続してカーボンブラックの生成反応を停止させる反応停止領域とを有するカーボンブラックの製造設備において、前記高温燃焼ガス発生領域の炉内壁の主要部又は全部をマグネシア系耐火物で、前記カーボンブラック生成領域の炉内壁の主要部又は全部をアルミナ系耐火物でそれぞれ構成し、しかも、前記マグネシア系耐火物と前記アルミナ系耐火物の間の炉内壁にはスピネル系耐火物を使用したことを特徴とするカーボンブラックの製造設備。A high-temperature combustion gas generation region for forming a high-temperature combustion gas flow, a carbon black generation region for supplying a raw material oil to the high-temperature combustion gas flow to generate carbon black, and a carbon black generation region subsequent to the carbon black generation region. In a facility for producing carbon black having a reaction stop region for stopping the reaction, a main part or all of the furnace inner wall of the high-temperature combustion gas generation region is made of magnesia refractory, and a main part of the furnace inner wall of the carbon black generation region or A facility for producing carbon black, characterized in that the whole is made of an alumina-based refractory, and a spinel-based refractory is used for a furnace inner wall between the magnesia-based refractory and the alumina-based refractory. 請求項1記載のカーボンブラックの製造設備において、前記高温燃焼ガス発生領域の炉内壁の主要部又は全部をマグネシア系耐火物で、前記カーボンブラック生成領域の炉内壁の主要部又は全部をスピネル系耐火物でそれぞれ構成したことを特徴とするカーボンブラックの製造設備。2. The carbon black production facility according to claim 1, wherein the main part or all of the furnace inner wall in the high-temperature combustion gas generation region is made of magnesia refractory, and the main part or all of the furnace inner wall in the carbon black generation region is made of spinel refractory. 3. A carbon black manufacturing facility, each of which is made of a material. 請求項2及び3のいずれか1項に記載のカーボンブラックの製造設備において、前記マグネシア系耐火物はマグネシア質煉瓦又はマグネシア質不定形耐火材であることを特徴とするカーボンブラックの製造設備。4. The facility for producing carbon black according to claim 2, wherein the magnesia-based refractory is a magnesia brick or a magnesia-based refractory material. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のカーボンブラックの製造設備において、前記スピネル系耐火物はスピネル質煉瓦又はスピネル質不定形耐火材であることを特徴とするカーボンブラックの製造設備。The facility for producing carbon black according to any one of claims 1 to 4, wherein the spinel-based refractory is a spinel brick or a spinel-shaped irregular refractory. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のカーボンブラックの製造設備において、前記反応停止領域の炉内壁の主要部又は全部にアルミナ系耐火物を用いたことを特徴とするカーボンブラックの製造設備。The carbon black production facility according to any one of claims 1 to 5, wherein an alumina-based refractory is used for a main part or all of the inner wall of the furnace in the reaction stop region. . 請求項6記載のカーボンブラックの製造設備において、前記アルミナ系耐火物はアルミナ質煉瓦又はアルミナ質不定形耐火材であることを特徴とするカーボンブラックの製造設備。7. The carbon black production equipment according to claim 6, wherein the alumina-based refractory is an alumina brick or an alumina amorphous refractory. 請求項5記載のカーボンブラックの製造設備において、前記スピネル系耐火物は前記スピネル質煉瓦であって、該スピネル質煉瓦がマグネシアスピネル煉瓦であることを特徴とするカーボンブラックの製造設備。6. The carbon black production equipment according to claim 5, wherein the spinel-based refractory is the spinel brick, and the spinel brick is a magnesia spinel brick. 請求項8記載のカーボンブラックの製造設備において、前記マグネシアスピネル煉瓦がマグネシアとアルミナとを含み、該マグネシアと該アルミナとの重量比が20:80〜97:3であることを特徴とするカーボンブラックの製造設備。9. The carbon black production facility according to claim 8, wherein the magnesia spinel brick contains magnesia and alumina, and a weight ratio of the magnesia to the alumina is from 20:80 to 97: 3. Manufacturing equipment. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のカーボンブラックの製造設備を使用したカーボンブラックの製造方法であって、
前記原料油を供給する位置での前記高温燃焼ガス流の温度を1750℃以上とすることを特徴とするカーボンブラックの製造方法。
A method for producing carbon black using the facility for producing carbon black according to any one of claims 1 to 7,
A method for producing carbon black, characterized in that the temperature of the high-temperature combustion gas stream at a position where the feedstock is supplied is 1750 ° C. or higher.
請求項10に記載のカーボンブラックの製造方法において、前記原料油を給油する位置での前記高温燃焼ガス流の温度を1900℃以上とすることを特徴とするカーボンブラックの製造方法。The method for producing carbon black according to claim 10, wherein the temperature of the high-temperature combustion gas flow at a position where the raw oil is supplied is 1900 ° C. or more.
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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