JP2004202090A - False teeth with base containing metal member - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有床義歯(局部床義歯及び全部床義歯)、特には、インプラントが不可能な患者への装着に適する有床義歯に関し、より具体的には、従来の有床義歯における欠点、即ち、骨吸収を効率的に予防し、更には、使用者の装着時・着脱時・咀嚼時の不具合を改善し、かつ、口腔内粘膜を有効に保護して適用することができる有床義歯に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、歯牙が喪失すると、喫食時の咀嚼が不十分なものとなり、消化不良を引き起こすばかりでなく、顔の風貌さえ変化する場合がある。また、歯牙は、人間の三大欲望の一つである食欲を満たすために重要な働きをし、更には、頭蓋骨、人体の姿勢のバランスをとる空間を形成しているものとさえ言われている。従って、歯牙が喪失すると、望ましくない様々な不利益が生じ得る。そこで、例えば、歯科インプラント(人工歯根)、即ち、歯科補綴用上部構造物を支持するために上顎及び下顎の顎骨内、もしくは顎骨上に外科的処置によって挿入されるよう設計された装置を埋めこむことなどが開発されている。
しかしながら、歯科インプラントは、例えば、口腔内の顎堤骨が少ない場合、止血困難な症状を有する場合、唾液分泌が少ない場合、口腔癌などで放射線障害のある場合などには患者に埋めこむことが不可能であるとされる。そのようにインプラント手術が不可能な場合には、義歯安定装置を患者の粘膜に直接埋めこむのではなく、装着者の顎堤に脱着可能な義歯床が人工歯を支持する有床義歯を用いることが提案される。
【0003】
このように、歯科インプラントの手術が不可能な場合等には、有床義歯(即ち、入れ歯)を使用する者が多い。有床義歯としては、従来、人工歯をアクリル系樹脂等の義歯床で支持するものが使用されていたが、義歯床が硬いために微妙な調節は困難で、不適切なものとなる場合が多く、例えば、痛いために咀嚼できない、口を開けた際に外れる、義歯床と口腔内粘膜の間に食渣が入り易いことによる咀嚼時の疼痛及び衛生面上の問題が生じ得る等の欠点があり、快適な食生活に支障をきたす場合が多かった。また、硬質アクリル系樹脂からなる義歯床が、口腔内粘膜、例えば、顎堤骨面等へ与える刺激が強過ぎるとされていた。
そこで、義歯床の顎堤・粘膜面に与える負担を最小限に止める入れ歯構造が開発されており、例えば、残存歯、歯周組織などに負担を与えず、歯面や粘膜面に密着するように、軟性裏層材として軟性材料を用いる歯牙用装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、歯科用成型体において、メタクリル系樹脂及び軟性材料の混合物を用いることにより、義歯床(メタクリル系樹脂)と軟性材料との接着性を高めることによる耐久性の向上が図られている(例えば、特許文献2及び3参照)。
【0004】
しかしながら、軟性材料が口腔内顎堤・粘膜に直接接する義歯においては、使用により、顎堤・粘膜への刺激(圧)があまりにも低いために、骨吸収が進行し、進行につれ疼痛が増すという問題が生じてきた。これにより、硬い食品だけでなく柔らかい食品でさえ咀嚼困難となり、ひいては消化不良を生じるといった事態を招く原因となる。
また、軟性材料は、種々の材料との接着性に問題がある場合が多く、従って、これと組み合せて用いる材料は限られたものとされていた。例えば、軟性材料であるシリコーンゴムは、金属との接着性が低く、義歯床等の材料として金属を用いることは困難であり、耐久性の面でも更なる向上が求められる。
尚、有床義歯全般に対しては、装着感、外れ難さ、圧迫感などを改善すること及び口腔内粘膜を有効に保護することが更に求められている。
【特許文献1】
特開2000−287998号公報
【特許文献2】
特公平7−2402号公報
【特許文献3】
特公平7−53644号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決すべく達成されたものであり、歯科インプラント手術が不可能な患者への使用に適する、有床義歯、即ち全部床義歯及び局部床義歯において、従来の有床義歯における問題、即ち、骨吸収を効率的に予防し、更に、使用者の装着時・着脱時・咀嚼時の不具合を改善し、かつ、口腔内顎堤・粘膜を有効に保護し、また、該義歯の耐久性を高めることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、有床義歯において、義歯床に、特定の態様にて金属部材を導入することにより、上記課題を克服することができるとの知見に基づく。
即ち、本発明は、第1態様において、少なくとも1本の人工歯と、該人工歯を支持する義歯床を有する有床義歯であって、
前記義歯床が、装着者の顎堤に係合する凹部を有し、かつ、該凹部面の一部が金属部材から構成されることを特徴とする該有床義歯を提供する。
また、本発明は、第2態様において、少なくとも1本の人工歯と、該人工歯を支持する義歯床を有する有床義歯であって、
前記義歯床が、前記人工歯の表面の一部に直接接触して支持する、アクリル系樹脂からなる第一床部材と、該第一床部材の表面の一部に直接接触する、アクリル系樹脂とゴム状物質との混合物からなる第二床部材と、該第二床部材を介して該第一床部材を支持し、装着者の顎堤係合用凹部を有する、ゴム状物質からなる第三床部材とからなり、
該凹部面の一部が金属部材から構成されることを特徴とする有床義歯を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
まず、本件明細書において、「有床義歯」とは、1歯以上全歯牙欠損によって生じる機能的、審美的変化を、人工的に回復するために、口腔粘膜に直接接する義歯床をもった義歯を意味する。また、有床義歯には、上顎用義歯及び下顎用義歯の両者が含まれる。
「人工歯」とは、天然歯の代用として人工的に作られた歯牙を意味する。人工歯としては、例えば、陶歯、レジン歯、場合によっては、金属歯等を用いることができる。これらは、欠損した歯牙、場合によっては残存する歯牙との関連において、形態、色調、光沢、大きさなどの解剖学的、機能学的に天然歯に類似させて、常法により作成することができる。本発明においては、義歯が、少なくとも1本の人工歯を有していれば特に限定されないが、例えば、2本以上の人工歯を有するのが好ましく、更に好ましくは、9本以上の人工歯を有し、更により好ましくは14本の人工歯を有する。これらの人工歯は、義歯装着者の顎堤の中心線に沿って連続して隣接するのが好ましい。また、本発明においては、上顎用義歯を作成する際には上顎用人工歯を選択し、下顎用義歯を作成する際には下顎用人工歯を選択するのが好ましい。複数の人工歯を用いる場合、装着者に求められる人工歯の種類・位置・色調・大きさ等を考慮して、それらの方向・間隔を常法により適宜決定することができる。
【0008】
本発明の第1態様において、「義歯床」は、有床義歯の一部であって、人工歯を直接接触することにより支持し、装着者の顎堤・粘膜に係合可能な凹部(以下、顎堤係合用凹部と称する)を有し、該顎堤係合用凹部面の一部は金属部材から構成される。また、義歯床は、アクリル系樹脂とゴム状物質が接着してなるものであるのが好ましい。この際、アクリル樹脂とゴム状物質が互いに直接接着・結合したものであってもよいが、例えば、プライマー、ボンディング用ライナーなどの接着剤を用いて両者を接着・結合することもできる。
また、本発明の第1態様においては、前記義歯床の顎堤係合用凹部面の一部は、金属部材から構成される。また、かかる金属部材は、前記義歯床内に一端部があり、他端部が前記顎堤係合用凹部面の一部を構成する形状を有するのが好ましい。また、金属部材は、好ましくは、金、銀、コバルトクロム合金、金合金、銀合金、金・銀・パラジウム合金、チタン、白金加金、ニッケルクロム合金及びステンレススチールからなる群より選ばれる金属を含むのがよい。
【0009】
以下、本発明の第1態様について、図を参照してより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定される訳ではない。
図1は、本発明の有床義歯の横断面図を示すが、人工歯1は、その表面の一部に義歯床2が直接接触することにより支持されている。義歯床2は、顎堤係合用凹部3を有する。顎堤係合用凹部3面の一部は、金属部材4の一部6より構成される。金属部材4は、義歯床2内に一端部5があり、他端部6が顎堤係合用凹部3から露出して、顎堤係合用凹部3面の一部を構成し、即ち、義歯床2内から、人工歯1とは直接接触せずに、人工歯に対向して延びる。
【0010】
ここで、他端部6の形状及び大きさは、装着者の口腔内顎堤・粘膜の形状・大きさ等を考慮して適宜決定することができる。また、他端部6が、装着者の口腔内顎堤・粘膜に直接接触するように設計することが好ましいが、この他端部6を介して装着者に疼痛を感じさせないようにするのが求められる。このため、例えば、装着者の口腔内顎堤・粘膜へ直接接触する金属部材の他端部6の形状を、装着者の口腔内顎堤・粘膜の形状及び大きさを考慮して適切に調節し、例えば、図1のような曲面状のものとすること、及び/又は金属部材の一端部5から他端部6までの距離(以下、“金属部材の長さ”と称する)を調節することが求められるかもしれない。尚、金属部材の長さを調節することにより、例えば、本発明の義歯は、図2に示す横断面となり得る。
また、前記“金属部材の長さ”方向に対して垂直な方向へ延びる距離(以下、“金属部材の厚さ”と称する)は、義歯全体又は義歯床層の耐久性、装着者に求められる義歯の大きさ、用いる金属の種類等を考慮して、適宜設定することができる。より具体的には、“金属部材の長さ”は、例えば、6mmまでとすることができ、例えば、1〜5mmとするのが好ましい。一方、“金属部材の厚さ”は、例えば、2〜6mmとすることができ、3〜5mmとするのが好ましい。尚、これらの“金属部材の長さ”及び“金属部材の厚さ”は、用いる人工歯の種類、用いる金属の種類、装着者に求められる義歯の大きさ、顎堤の大きさ等によって適宜設定することが好ましいが、人工歯の本数などによっては本質的に変動しない。
尚、図1における態様について、全部床義歯の場合における金属部材4の全体図を図7に示す。
【0011】
また、本発明の第2態様において、「義歯床」は、第一床部材、第二床部材及び第三床部材の少なくとも3層、即ち、人工歯の表面の一部に直接接触して支持する、アクリル系樹脂からなる第一床部材と、第一床部材の表面の一部に直接接触する、アクリル系樹脂とゴム状物質との混合物からなる第二床部材と、第二床部材を介して第一床部材を支持し、装着者の顎堤係合用凹部を有する、ゴム状物質からなる第三床部材とからなる。ここで、顎堤係合用凹部に対して、いわゆる裏装層を更に設けるか、削り落とし、又はいわゆる安定化剤を塗布する他、クラスプを用いて固定することもできるが、顎堤係合用凹部が装着者の口腔内顎堤・粘膜と直接接触して係合し、これにより装着者の顎堤・粘膜に本発明の義歯を安定させるのが好ましい。
【0012】
第一床部材を構成するアクリル系樹脂としては、義歯床用アクリル系樹脂、特には、粉液混合タイプの加熱重合レジンとして一般に市販されているものであれば用いることができる。具体的には、アクリル系樹脂としては、メタクリル系樹脂が含まれる。これらの具体例としては、例えば、ポリメチルメタクリレート及びメチルメタクリレートなどを挙げることができる。また、アクリル系樹脂には、少量の各種添加剤、例えば、エチルジメタクリレート(EDMA)等の架橋剤、三二酸化鉄(ベンガラ)及び酸化チタン等の顔料、過酸化ベンゾイル及びハイドロキノン等の重合触媒が含まれていてもよい。また、上記例として挙げたポリメチルメタクリレートは、メチルメタクリレートをモノマーとするホモポリマーであってもよいが、他のモノマー、例えば、ビニルモノマー、例えば、アルキルアクリレート(例えばメチルアクリレート)、メチルメタクリレート以外のアルキルメタクリレート、又はエチレングリコールジメタクリレートとのコポリマーであってもよい。これらのモノマー比は、義歯作成時の操作性を考慮し、又は、義歯床の特性、例えば曲げ強さ、曲げ弾性率、曲げたわみ、吸水量、機械的強度、可塑性及び溶解量等を考慮して適宜決定するのがよい。
第一床部材の使用量は、人工歯の本数や義歯に求められる大きさ等を考慮して適宜決定することができるが、人工歯が1本である場合には、0.5〜0.7gとすることができ、また、人工歯が14本である場合には、8〜10gとすることができる。
尚、これらのアクリル系樹脂の種類及び使用量は、上記第1態様において用い得るアクリル系樹脂についても同様とすることができる。
【0013】
第二床部材は、上記アクリル系樹脂と、ゴム状物質の混合物からなる。この混合物は、アクリル系樹脂とゴム状物質の比が、質量比で、例えば1:9〜9:1、好ましくは2:8〜8:2となるように決定するのが好ましい。アクリル系樹脂とゴム状物質の混合(練和)は、例えば、練和紙上において、スパチュラを用いて、両者が均一に混合されるまで行うのが好ましい。上述したような配合比及び/又は混合操作により、第二床部材(アクリル系樹脂とゴム状物質との混合物)と第一床部材(アクリル系樹脂)との接着性、及び第二床部材と第三床部材(ゴム状物質)との接着性の双方を良好なものとすることができる。また、第二床部材と金属部材とが接触する場合の接着性を考慮してもよい。
第二床部材の使用量は、人工歯の本数や義歯に求められる大きさ等を考慮して適宜決定することができるが、人工歯が1本である場合には、0.05〜0.15gとすることができ、また、人工歯が14本である場合には、1〜2gとすることができる。
尚、これと同様にして、上記第1態様においても、アクリル系樹脂とゴム状物質の接着を行うことができる。
【0014】
本発明における第三床部材は、ゴム状物質からなる。第三床部材は、上記第二床部材を介して第一床部材を支持する。即ち、第三床部材は、第一床部材と直接接触するよりむしろ、第二床部材を介して第一床部材を支持する。これは、第三床部材の第二床部材への接着性が良好であることを考慮したものであるが、所望の接着性が得られる範囲内での変更、例えば、第三床部材と第一床部材が低いレベルで直接接触するような設定への変更を排除するものではない。
また、第三床部材は、顎堤係合用凹部を有する。本発明の有床義歯は、第三床部材にこのような顎堤係合用凹部を有することにより、装着者の顎堤へのフィット感を良好にすることができ、柔らかいために義歯性口内炎になりにくく、直接接触することによる疼痛を抑えることができる。このような顎堤係合用凹部は、装着者の顎堤の大きさ・形状などを考慮して適宜調節するのが好ましく、このような調節は、常法により、例えば、装着者の口腔内に挿入し、中心咬合位で十分に咬合させ、一連の機能運動を行った後、口腔内から取りだし、はさみやナイフ等を用いて辺縁形態を整えることにより行うことができる。尚、かかる顎堤係合用凹部面の一部は、金属部材から構成される。
【0015】
また、ゴム状物質としては、生体適合性の高いものを選択するのが好ましく、例えば、シリコーンゴム、より具体的には、付加反応硬化型シリコーンゴム(例えば、両末端ビニル基封鎖ジオルガノポリシロキサン、オルガノハイドロフェンポリシロキサン等)、ラジカル反応硬化型シリコーンゴム(例えば、ビニル基含有ジオルガノポリシロキサン等)、縮合反応硬化型シリコーンゴム等を用いることができる。また、第三床部材は、1種類のゴム状物質からなっていてもよいが、2種以上のゴム状物質からなっていてもよい。また、第三床部材のゴム状物質は、所望の特性が得られるような硬度、例えば、JIS−A硬度で10〜80、特に20〜80又はJIS−K6301による硬度で20〜70、特には30〜50を有するのが好ましい。また、ゴム状物質の引張り強さ、圧縮弾性率、吸水率、溶解率等の特性については、得られる第三床部材に求められる特性を考慮して適宜設定することができる。また、第三床部材は、外観上歯肉に類似させるための着色剤を含んでいてもよく、又は、その他の各種添加剤、例えば充填剤等を含んでいてもよい。本発明においては、第三床部材用ゴム状物質として、例えば、東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社製の商品名CF5005及び信越化学工業株式会社製の商品名KE−1950−70(A−B)などを用いることができる。
第三床部材の使用量は、人工歯の本数や義歯に求められる大きさ等を考慮して適宜決定することができるが、人工歯が1本である場合には、0.7〜1.0gとすることができ、また、人工歯が14本である場合には、10〜15gとすることができる。
尚、これらのゴム状物質の種類及び使用量は、上記第1態様において用い得るゴム状物質についても同様とすることができる。
【0016】
また、第2態様においては、「金属部材」は、金属からなる部材であって、前記顎堤係合用凹部面の一部を構成する。また、前記金属部材は、第一床部材内に一端部があり、他端部が前記顎堤係合用凹部面の一部を構成する形状を有するのが好ましい。これにより、ある態様においては、例えば、このような形状を有する金属部材により、本発明の有床義歯全体、特には上記三床部材からなる義歯床を補強することもできる。
以下、本発明の第2態様について、図を参照して、より具体的に説明するが、本発明はこれらに限定される訳ではない。図3は、本発明の有床義歯の横断面図を示すが、人工歯1は、その表面の一部に、第一床部材7が直接接触することにより支持されている。第一床部材7の表面の一部には、第二床部材8が直接接触する。第三床部材9は、第二床部材8を介して第一床部材7を支持し、顎堤係合用凹部3を有する。金属部材4は、第一床部材7内に一端部5を有し、人工歯1に対向して延び、他端部6が顎堤係合用凹部3から露出して、該凹部3面の一部を構成する。金属部材4は、第二部材8を貫通する。尚、図4の態様についても、金属部材4は、第二部材8を貫通すると言える。更に、前記顎堤係合用凹部は、図5に示したような態様であってもよく、即ち、金属部材4、第一部材7、第二部材8及び第三部材9から構成されていてもよい。
尚、金属部材4については、第1態様において説明したような材料・形状・大きさとすることができる。
【0017】
また、第1態様及び第2態様に共通して、義歯が少なくとも2つの人工歯を有する場合には、金属部材が、例えば、図6に示すような装着者の顎堤の中心線10に沿って延びるのが好ましい。この顎堤の中心線10に沿って金属部材が延びる距離(以下、“金属部材の幅”と称する)は、用いられる人工歯の本数、例えば、作成する義歯が局部床義歯であるか全部床義歯であるかにより変動し、更には、装着者に求められる義歯の大きさ又は用いる人工歯の種類・大きさ等によっても変動する。人工歯が1本である局部床義歯を作成する場合、金属部材の幅は、例えば、2〜10mmとすることができ、好ましくは4〜6mmとするのがよい。一方、人工歯が14本の全部床義歯を作成する場合、金属部材の幅は、例えば、7〜15cmとすることができ、好ましくは8〜12cmとするのがよい。また、金属部材は、顎堤の末端11において、義歯床から金属部材の幅方向に露出しないのが好ましい。また、金属部材は、義歯床からその厚さ方向に露出しないのが好ましい。
本発明によれば、従来は、ゴム状物質、特には、シリコーンゴムとの接着性が困難であるとされていた金属部材であっても、義歯床において補強部材として用いることが可能である。
尚、図6における横断線12に沿った横断面が、図1〜5及び図9〜11に相当する。
【0018】
また、本発明の有床義歯が上顎用義歯である場合には、例えば、図8に示すように、金属部材4が、上顎口蓋部を覆う薄金属板13からなる金属部材と一体化しているのが好ましい。更に、本発明においては、金属部材が、図8に示すようなメッシュ部14を有していてもよい。メッシュ部14の空隙率・形状は、義歯床、特には、第一床部材及び第二床部材との接着性を考慮して適宜決定することができる。図8に示す金属部材を用いた場合の有床義歯の断面図を図9に示す。この際、金属部材における薄金属板13は、装着者の上顎口蓋全体を覆うようにその大きさ・形態を適宜決定することができる。例えば、薄金属板13の厚さは、例えば、1.0〜2.5mmとすることができ、好ましくは1.5〜2.0mmとするのがよい。本発明においては、上顎用義歯において、上顎口蓋部を覆う部材としての薄金属板13の厚さを上記程度の薄さしても、所望の強度が達成され、かつ、舌を動かし易くすることができ、更に、上顎への圧迫感を少なくすることができる。また、従来の非金属性部材と比べ、装着感が改善される。また、温かい食品を喫食した際、薄金属板を介して上顎口蓋部に温かさを十分に感じることができる。
【0019】
更に、本発明には、図10及び図11に示す態様も包含される。具体的に説明すると、図10は、メッシュ部14を有する金属部材を用いた場合の上顎用有床義歯の断面図である。図10においては、金属部材のメッシュ部14が第一床部材7と直接接触する。第二床部材8が、メッシュ部材14の他面側及び第一床部材の一部に直接接触する。メッシュ部材14は、顎堤中心線付近にかかる圧を、第二床部材8を介して受けとめることができる。図10では、メッシュ部14が、装着者の顎堤・粘膜が金属部材と直接接触せず、薄い第二床部材を介してその圧を受けとめるため、装着者に疼痛を与えずに、しかも骨吸収の進行を防止することができる程度の圧を与えることができる。
一方、図11は、メッシュ部14を有する金属部材を用いた場合の下顎用有床義歯の断面図である。図11においては、金属部材が、前記顎堤係合用凹部の一部を構成する他端部6と第一床部材と第二床部材との間に延びるメッシュ部14とを有する。
【0020】
以下、本発明の有床義歯の製造方法の例を記載する。
(下顎用有床義歯の作成)
まず、装着者の口腔内の形態の型取りにより、所定の形状及び寸法を有するパラフィンワックスを形成する。その上に、所定の本数の人工歯を、例えば、全部床義歯の場合においては顎堤の中心線に沿って配置して、有床義歯の原型を作成する。これを、所定の容器、例えば、歯科用ボトル式フラスコ内において、人工歯から埋設するようにして石膏に埋めた後、石膏を固める。その後、常法により加熱して、溶融したパラフィンワックスを除去し、石膏内に人工歯が配置された石膏割り型を得る。
石膏割り型のくぼみの中の人工歯の一部に直接接触するように、人工歯の本数等を考慮して、ペースト状アクリル系樹脂を0.5〜10g充填する。この上に、上述したような形態を有する金属部材(薄金属板を有さない)を、人工歯とは直接接触せずに、上記アクリル系樹脂内から人工歯に対向して延び、かつ、顎堤の中心線に沿って延びるように設置する。
【0021】
次いで、人工歯の本数等を考慮して、上記アクリル樹脂と、ゴム状物質を、上述した質量比で、スパチュラを用いて、混合紙上において混合(練和)する。この混合物(練和物)を、くぼみ内において露出するアクリル系樹脂全面を直接覆うように充填する。その後、ゴム状物質0.7〜15gを、くぼみ内において露出する上記混合物(練和物)全面を直接覆う。その際、金属部材については、人工歯に対向して延びる金属部材の長さ方向を覆うが、上記顎堤・粘膜接触部分が露出する状態とする(例えば図1参照)。これを、圧力鍋内において、20〜30分間加熱する。
冷却後、石膏から取りだし、研磨用バー等を用いて研削(バリ除去)する。次いで、酸化アルミナ及びコーティング材等を用いて義歯表面を仕上げ処理する。これを、装着者の口腔内に挿入し、中心咬合位で十分に咬合させ、一連の機能運動を行った後、口腔内から取りだし、はさみやナイフ等を用いて辺縁形態を整えて、下顎用有床義歯(例として図12参照)を得ることができる。
【0022】
(上顎用有床義歯の作成)
上顎用有床義歯(図13)は、下顎用有床義歯の作成方法と同様にして製造することができるが、図8に示したような金属部材を用いる。具体的には、アクリル系樹脂を充填した後、図8に示すような金属部材を、下顎用有床義歯と同様に操作し、人工歯とは直接接触せずに、アクリル系樹脂内から人工歯に対向して延び、かつ、顎底の中心に沿って延びるように設置する。
【0023】
【発明の効果】
本発明により、従来はゴム状物質との結着性が弱いとされていた金属を部材として用いることができるために、義歯全体としての耐久性が向上する補強が可能である。また、本発明の金属部材を介して、装着者の口腔内顎堤・粘膜に、疼痛が生じない程度の刺激(圧)、即ち、負荷をかけることが可能であり、これにより、従来のゴム状物質が顎堤・粘膜に接触する場合に生じていた骨吸収を効率的に防止することができる。骨吸収の防止が可能になることにより、疼痛が生じるのを極力抑えることができるため、柔らかい食品だけでなく、硬い食品でさえ咀嚼容易となり、ひいては消化不良を効率的に防止することができる。
また、上顎用義歯においては、上顎口蓋部に装着する部材として、金属を用いることができるので、かかる部材の厚さを従来より薄くすることができ、舌が動かし易く、上顎への圧迫感を少なくすることができる。更に、温かい食品を喫食した際、金属部材を介して上顎口蓋部に温かさを十分に感じることができる。長期間の装着によっても、義歯性口内炎を生じない有床義歯を提供することができる。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0024】
【実施例】
実施例1(下顎用有床義歯の作成)
まず、装着者の口腔内の形態の型取りにより作成した所定の形状及び寸法を有するパラフィンワックス上において14本の人工歯が顎堤の中心線に沿って配置されて支持された有床義歯の原型を作成した。これを、歯科用ボトル式フラスコ内に配置された石膏に人工歯から埋設するようにして埋めた後、石膏を固めた。その後、ボトル式フラスコを閉じ、加熱した。次いで、ボトル式フラスコを開け、くぼみの中の溶融したパラフィンワックスを除去し、石膏内に人工歯が配置された石膏割り型を得た。
くぼみ内において露出する人工歯の表面に直接接触するように、ペースト状アクリル系樹脂(株式会社ジーシー製:商品名ジーシーアクロン)8gを充填した。この上に、図7に示す金属部材を設置した。この金属部材は、コバルトクロム合金からなるものである。金属部材の一端部は人工歯とは直接接触せずに、上記アクリル系樹脂内にあり、人工歯に向かっており、かつ、顎堤の中心に沿って延びるように設置した。尚、金属部材は、長さ1mm、厚さ4mm、幅12cmのものとした。また、金属部材の顎堤・粘膜接触部分と上顎口蓋接触部分については、予め、装着者の顎堤・粘膜と上顎口蓋の形状及び大きさに合うように調節しておいた。
【0025】
次いで、練和紙上において、上記アクリル樹脂2gとペースト状付加型シリコーンゴム(信越化学工業株式会社製:商品名KE−1950−70(A−B))8gをスパチュラを用いて混合(練和)した。この混合物(練和物)1gを、くぼみ内において露出する上記アクリル系樹脂の全表面を直接覆うように充填した。その後、上記シリコーンゴム10gを、くぼみ内から露出する上記混合物(練和物)の全表面を直接覆うように、かつ、人工歯に対向して延びる金属部材部分を覆うが前記顎堤・粘膜接触部分を露出する状態となるように充填した。また、シリコーンゴムにより、装着者の顎堤・粘膜に係合するような凹部を、その一部が前記金属部材の顎堤・粘膜接触部分面により構成されるように作成した(図1参照)。これを、圧力鍋内において、20分間加熱した。
冷却後、石膏から取りだし、研磨用バーを用いて研削(バリ除去)をした。次いで、酸化アルミナ及びコーティング材を用いて義歯表面を仕上げ処理した。
装着者の口腔内に挿入し、中心咬合位で十分に咬合させ、一連の機能運動を行った後、口腔内から取りだし、はさみやナイフ等を用いて辺縁形態を整えて、下顎用有床義歯(図12)を得た。
【0026】
実施例2(上顎用有床義歯の作成)
図8に示す金属部材(厚さが2.0mmの薄金属板13を有する以外は図7と同様)を用い、これを、下顎用有床義歯と同様に操作し、人工歯とは直接接触せずに、アクリル系樹脂内から人工歯に対向して延び、かつ、顎堤の中心線に沿って延びるように設置した以外は、実施例1と同様の操作により上顎用有床義歯(図13)を得た。
【0027】
実施例3(性能評価)
実施例1及び2において作成した下顎用有床義歯及び上顎用有床義歯を、実際に全部床義歯が必要な装着者に用いたところ、以下のような結果が得られた。
(1)上顎口蓋部に装着されたメタルプレートが薄く、舌が動かし易かった。上顎への圧迫感がなかった。
(2)上顎用義歯及び下顎用義歯の両者ともに装着感が良好であった。特に、上顎用義歯については、従来の非金属性(軟性)裏装材が口蓋部に用いられている場合と比べ、装着感が顕著に良好であった。
(3)上顎用義歯について、従来の非金属性(軟性)裏装材が口蓋部に用いられている場合と比べ、剥がれ落ちが少なかった。
(4)口を大きく開いても外れ難かった。
(5)温かい食品を喫食した際、メタルプレートを介して上顎口蓋部に温かさを十分に感じることができた。
(6)咀嚼時に、義歯と口内粘膜の間に食渣が介在し難く、疼痛を感じなかった。硬い食品(煎餅)でさえ、疼痛を感じることなく咀嚼することができた。
(7)装着から30日後にも、義歯性口内炎を生じなかった。
(8)装着から180日後、骨吸収が生じておらず、装着感は依然として良好であり、噛み合わせても疼痛を生じなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有床義歯の横断面図の一態様を示す。
【図2】本発明の有床義歯の横断面図の一態様を示す。
【図3】本発明の有床義歯の横断面図の一態様を示す。
【図4】本発明の有床義歯の横断面図の一態様を示す。
【図5】本発明の有床義歯の横断面図の一態様を示す。
【図6】顎堤の中心線を示す。
【図7】本発明において用いることができる金属部材を示す。
【図8】本発明において、上顎用義歯を製造する際に用いることができる金属部材を示す。
【図9】図8に示す金属部材を用いて製造した本発明の上顎用有床義歯の横断面図の一態様を示す。
【図10】本発明の上顎用有床義歯の横断面図の例を示す。
【図11】本発明の下顎用有床義歯の横断面図の例を示す。
【図12】本発明の下顎用有床義歯(完成図)を示す。
【図13】本発明の上顎用有床義歯(完成図)を示す。
【符号の説明】
1 人工歯
2 義歯床
3 義歯床の顎堤係合用凹部
4 金属部材
5 金属部材の一端
6 金属部材の他端
7 第一部材
8 第二部材
9 第三部材
10 顎堤の中心線
11 顎堤の末端
12 横断線
13 薄金属板
14 メッシュ部[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to dentures (local dentures and full dentures), and in particular to dentures suitable for mounting on patients who cannot implant, and more specifically, the disadvantages of conventional dentures, In other words, it effectively prevents bone resorption, further improves the problems during wearing, detaching, and mastication of the user, and can effectively protect and apply the oral mucosa. About.
[0002]
[Prior art]
In general, the loss of teeth results in inadequate chewing during eating, which not only causes indigestion, but may even alter the appearance of the face. It is also said that teeth play an important role in satisfying one of the three major desires of humans, appetite, and even form a space that balances the skull and posture of the human body. I have. Thus, the loss of teeth can have various undesirable disadvantages. Thus, for example, dental implants (prosthetic roots), ie devices which are designed to be inserted by means of a surgical procedure into or on the maxilla and mandible to support the dental prosthesis superstructure, are implanted. Things are being developed.
However, dental implants can be implanted in patients, for example, when there are few jaw ridges in the oral cavity, when there is difficulty in hemostasis, when there is little saliva secretion, or when there is radiation damage due to oral cancer etc. It is considered impossible. If implant surgery is not possible in this way, instead of embedding the denture stabilizer directly into the patient's mucous membrane, use a denture that can be attached to and removed from the ridge of the wearer and that supports artificial teeth. It is suggested that:
[0003]
As described above, when the operation of the dental implant is impossible, many people use a denture with a denture (that is, dentures). Conventionally, artificial dentures that support artificial teeth with denture bases made of acrylic resin or the like have been used.However, because the denture base is hard, fine adjustment is difficult, and it may be inappropriate. Many disadvantages such as discomfort when chewing due to pain, disengagement when opening the mouth, pain during chewing and hygiene problems due to easy entry of food residue between denture base and oral mucosa And often hindered comfortable eating habits. Further, it has been considered that the denture base made of the hard acrylic resin gives too strong stimulation to the mucous membrane in the oral cavity, for example, the surface of the mandibular ridge.
Therefore, a denture structure has been developed that minimizes the burden on the ridges and mucosal surfaces of the denture base. Discloses a tooth device using a soft material as a soft backing material (for example, see Patent Document 1).
Further, in a dental molded article, by using a mixture of a methacrylic resin and a soft material, the durability of the denture base (methacrylic resin) and the soft material are improved by improving the adhesiveness (for example, ,
[0004]
However, in dentures in which the soft material is in direct contact with the oral ridge and mucous membrane, the bone resorption progresses due to the use of the dental ridge and mucous membrane because the irritation (pressure) to the ridge and mucous membrane is too low. A problem has arisen. As a result, it becomes difficult to chew not only hard foods but also soft foods, which may cause indigestion.
In addition, flexible materials often have problems in adhesiveness to various materials, and therefore, materials used in combination with these materials have been limited. For example, silicone rubber, which is a soft material, has low adhesiveness to metal, and it is difficult to use metal as a material for denture bases and the like, and further improvement in durability is required.
It should be noted that there is a further need to improve the feeling of wearing, the difficulty of detachment, the feeling of pressure, and the like, and the effective protection of the oral mucous membrane of general dentures.
[Patent Document 1]
JP 2000-287998 A
[Patent Document 2]
Japanese Patent Publication No. 7-2402
[Patent Document 3]
Japanese Patent Publication No. 7-53644
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been achieved in order to solve the above-mentioned problems, and has been developed for a denture having a complete denture, that is, a full denture and a local denture, which are suitable for use in patients who cannot perform dental implant surgery. The problem in dentures, that is, preventing bone resorption efficiently, further improving the problems of wearing, putting on and taking off and mastication of the user, and effectively protecting the oral ridge and mucous membrane, The purpose is to increase the durability of the denture.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The present invention is based on the finding that the above problem can be overcome by introducing a metal member into a denture base in a specific form in a denture base.
That is, in the first aspect, the present invention relates to a denture having at least one artificial tooth and a denture base supporting the artificial tooth,
The dental prosthesis is characterized in that the denture base has a concave portion that engages with the ridge of the wearer, and a part of the concave surface is made of a metal member.
Further, the present invention, in the second aspect, is a denture having at least one artificial tooth and a denture base supporting the artificial tooth,
A first floor member made of an acrylic resin, in which the denture base directly contacts and supports a part of the surface of the artificial tooth, and an acrylic resin that directly contacts a part of the surface of the first floor member And a second floor member made of a mixture of a rubber material and a third floor member made of a rubber material, the third floor member supporting the first floor member through the second floor member, and having a recess for engaging a chin ridge of a wearer. Consisting of floor members,
A denture with a floor is provided, wherein a part of the concave surface is formed of a metal member.
[0007]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
First, in the present specification, the term "covered denture" refers to a denture having a denture base directly in contact with the oral mucosa in order to artificially recover the functional and esthetic changes caused by the loss of one or more teeth. Means In addition, the denture includes both a denture for an upper jaw and a denture for a lower jaw.
"Artificial tooth" means a tooth artificially made as a substitute for a natural tooth. As the artificial teeth, for example, porcelain teeth, resin teeth, and in some cases, metal teeth and the like can be used. These can be created by anatomical and functional anatomical and functional resemblance to natural teeth, such as morphology, color, gloss, and size, in relation to missing or possibly remaining teeth. it can. In the present invention, the artificial tooth is not particularly limited as long as it has at least one artificial tooth. For example, it is preferable to have two or more artificial teeth, and more preferably, nine or more artificial teeth. And even more preferably 14 artificial teeth. These artificial teeth are preferably continuously adjacent to each other along the center line of the denture of the denture wearer. In the present invention, it is preferable to select an artificial tooth for an upper jaw when creating a denture for an upper jaw, and to select an artificial tooth for a lower jaw when creating a denture for a lower jaw. When a plurality of artificial teeth are used, their directions and intervals can be appropriately determined by a conventional method in consideration of the type, position, color tone, size, and the like of the artificial teeth required of the wearer.
[0008]
In the first aspect of the present invention, the “denture base” is a part of a denture having a denture that supports an artificial tooth by directly contacting the denture and can engage with the ridge and mucous membrane of a wearer (hereinafter, referred to as “denture base”). , And referred to as a ridge support engaging recess), and a part of the ridge support engaging recess surface is made of a metal member. Further, it is preferable that the denture base is formed by bonding an acrylic resin and a rubber-like substance. At this time, the acrylic resin and the rubber-like substance may be directly bonded and bonded to each other, but for example, both may be bonded and bonded using an adhesive such as a primer or a bonding liner.
In the first aspect of the present invention, a part of the concave portion for engaging the ridge of the denture base of the denture base is made of a metal member. Preferably, the metal member has one end in the denture base, and the other end has a shape constituting a part of the concave surface for jaw ridge engagement. Further, the metal member is preferably a metal selected from the group consisting of gold, silver, cobalt chromium alloy, gold alloy, silver alloy, gold / silver / palladium alloy, titanium, platinum alloy, nickel chromium alloy and stainless steel. Should be included.
[0009]
Hereinafter, the first embodiment of the present invention will be described more specifically with reference to the drawings, but the present invention is not limited thereto.
FIG. 1 shows a cross-sectional view of a denture with a denture according to the present invention. An
[0010]
Here, the shape and size of the
The distance extending in the direction perpendicular to the direction of the "length of the metal member" (hereinafter referred to as "thickness of the metal member") is required for the durability of the entire denture or the denture base layer and the wearer. It can be appropriately set in consideration of the size of the denture, the type of metal used, and the like. More specifically, the “length of the metal member” can be, for example, up to 6 mm, and is preferably, for example, 1 to 5 mm. On the other hand, the “thickness of the metal member” can be, for example, 2 to 6 mm, and is preferably 3 to 5 mm. The “length of the metal member” and the “thickness of the metal member” are appropriately determined according to the type of artificial tooth used, the type of metal used, the size of the denture required for the wearer, the size of the ridge, and the like. It is preferable to set, but it does not essentially vary depending on the number of artificial teeth and the like.
FIG. 7 shows an overall view of the
[0011]
Further, in the second aspect of the present invention, the “denture base” directly supports at least three layers of the first floor member, the second floor member, and the third floor member, that is, a part of the surface of the artificial tooth. A first floor member made of an acrylic resin, and a second floor member made of a mixture of an acrylic resin and a rubber-like substance, which directly contacts a part of the surface of the first floor member, and a second floor member. And a third floor member made of a rubber-like substance and having a concave portion for engaging the chin ridge of the wearer, supporting the first floor member through the third floor member. Here, a so-called backing layer may be further provided to the recess for engaging the ridge and / or a so-called stabilizing agent may be applied. Alternatively, the ridge may be fixed using a clasp. Is preferably in direct contact with and engaged with the intraoral ridge / mucosa of the wearer, thereby stabilizing the denture of the present invention on the ridge / mucosa of the wearer.
[0012]
As the acrylic resin constituting the first floor member, any acrylic resin for denture base, in particular, any resin that is generally commercially available as a heat-polymerizable resin of a powder-liquid mixture type can be used. Specifically, the acrylic resin includes a methacrylic resin. Specific examples of these include polymethyl methacrylate and methyl methacrylate. In addition, the acrylic resin may contain a small amount of various additives, for example, a crosslinking agent such as ethyl dimethacrylate (EDMA), a pigment such as iron sesquioxide (silver) and titanium oxide, and a polymerization catalyst such as benzoyl peroxide and hydroquinone. May be included. Further, the polymethyl methacrylate mentioned as the above example may be a homopolymer having methyl methacrylate as a monomer, but other monomers such as vinyl monomers, for example, alkyl acrylate (for example, methyl acrylate), other than methyl methacrylate It may be an alkyl methacrylate or a copolymer with ethylene glycol dimethacrylate. The ratio of these monomers is determined in consideration of the operability at the time of making the denture, or in consideration of the properties of the denture base, such as bending strength, bending elastic modulus, bending deflection, water absorption, mechanical strength, plasticity and dissolution. It is better to determine as appropriate.
The amount of the first floor member to be used can be appropriately determined in consideration of the number of artificial teeth, the size required for a denture, and the like. 7 g, and when the number of artificial teeth is 14, it can be 8 to 10 g.
The types and amounts of these acrylic resins can be the same for the acrylic resins that can be used in the first embodiment.
[0013]
The second floor member is made of a mixture of the acrylic resin and a rubber-like substance. This mixture is preferably determined so that the ratio of the acrylic resin to the rubber-like substance is, for example, from 1: 9 to 9: 1, preferably from 2: 8 to 8: 2 by mass. The mixing (kneading) of the acrylic resin and the rubber-like substance is preferably performed, for example, on a kneaded paper using a spatula until both are uniformly mixed. By the mixing ratio and / or mixing operation as described above, the adhesion between the second floor member (a mixture of an acrylic resin and a rubber-like substance) and the first floor member (acrylic resin), and the second floor member Both the adhesiveness to the third floor member (rubber-like substance) can be improved. Further, the adhesiveness when the second floor member and the metal member are in contact with each other may be considered.
The usage amount of the second floor member can be appropriately determined in consideration of the number of artificial teeth, the size required for a denture, and the like. The weight can be 15 g, and when the number of artificial teeth is 14, the weight can be 1 to 2 g.
In the same manner, in the first embodiment, the acrylic resin and the rubber-like substance can be bonded.
[0014]
The third floor member in the present invention is made of a rubber-like substance. The third floor member supports the first floor member via the second floor member. That is, the third floor member supports the first floor member via the second floor member, rather than directly contacting the first floor member. This is in consideration of good adhesion of the third floor member to the second floor member, but changes within a range in which the desired adhesion is obtained, for example, the third floor member and the second floor member This does not preclude changes to settings where one floor member makes direct contact at a low level.
Further, the third floor member has a recess for engaging the ridge. The denture with a floor of the present invention has such a concave portion for engaging the ridge on the third floor member, so that the fit of the wearer to the ridge can be improved. Less likely to cause pain due to direct contact. It is preferable that such a recess for engaging the ridge is appropriately adjusted in consideration of the size and shape of the ridge of the wearer, and such adjustment is performed by a conventional method, for example, in the mouth of the wearer. After performing a series of functional movements after insertion, sufficient occlusion at the central occlusal position, taking out from the oral cavity, it can be performed by adjusting the peripheral form using scissors, a knife or the like. Note that a part of the concave surface for jaw ridge engagement is made of a metal member.
[0015]
As the rubber-like substance, it is preferable to select a substance having high biocompatibility. For example, a silicone rubber, more specifically, an addition-curable silicone rubber (for example, a diorganopolysiloxane capped at both ends with a vinyl group) , Organohydrophenpolysiloxane, etc.), radical reaction-curable silicone rubber (for example, vinyl-containing diorganopolysiloxane, etc.), condensation reaction-curable silicone rubber, and the like. Further, the third floor member may be made of one kind of rubbery substance, or may be made of two or more kinds of rubbery substance. In addition, the rubber material of the third floor member has a hardness to obtain desired characteristics, for example, 10 to 80 in JIS-A hardness, particularly 20 to 80 in JIS-K6301, or 20 to 70 in JIS-K6301 in particular. Preferably it has from 30 to 50. The properties of the rubber-like substance, such as tensile strength, compression elastic modulus, water absorption, and dissolution rate, can be appropriately set in consideration of the properties required for the obtained third floor member. In addition, the third floor member may include a coloring agent for making the appearance similar to the gum, or may include other various additives such as a filler. In the present invention, as the rubber material for the third floor member, for example, trade name CF5005 manufactured by Dow Corning Toray Silicone Co., Ltd. and KE-1950-70 (AB) manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Can be used.
The amount of the third floor member to be used can be appropriately determined in consideration of the number of artificial teeth, the size required for a denture, and the like. The weight can be 0 g, and when the number of artificial teeth is 14, the weight can be 10 to 15 g.
The types and amounts of these rubber-like substances can be the same for the rubber-like substances that can be used in the first embodiment.
[0016]
Further, in the second aspect, the “metal member” is a member made of metal and constitutes a part of the concave surface for jaw ridge engagement. Preferably, the metal member has one end in the first floor member, and the other end has a shape that constitutes a part of the concave surface for jaw ridge engagement. Thus, in one embodiment, for example, the metal member having such a shape can reinforce the entire denture of the present invention, in particular, the denture base composed of the three-member member.
Hereinafter, the second embodiment of the present invention will be described more specifically with reference to the drawings, but the present invention is not limited thereto. FIG. 3 shows a cross-sectional view of the denture of the present invention. The
The
[0017]
When the denture has at least two artificial teeth in common with the first embodiment and the second embodiment, the metal member moves along the
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, it can be used as a reinforcing member in a denture base even if it is a metal member which was conventionally difficult to adhere | attach with a rubber-like substance, especially a silicone rubber.
In addition, the cross section along the
[0018]
In addition, when the denture of the present invention is a denture for an upper jaw, for example, as shown in FIG. 8, the
[0019]
Further, the present invention also includes the embodiments shown in FIGS. More specifically, FIG. 10 is a cross-sectional view of a maxillary floor denture when a metal member having the
On the other hand, FIG. 11 is a cross-sectional view of a denture with a lower jaw when a metal member having the
[0020]
Hereinafter, an example of the method for manufacturing a denture with a bed of the present invention will be described.
(Preparation of mandibular dentures)
First, a paraffin wax having a predetermined shape and dimensions is formed by molding a form in the mouth of the wearer. On top of that, a predetermined number of artificial teeth are arranged along the center line of the ridge, for example, in the case of a complete denture, to create a prototype of a denture. This is buried in gypsum in a predetermined container, for example, a dental bottle flask so as to be buried from artificial teeth, and then the gypsum is hardened. Thereafter, the mixture is heated by a conventional method to remove the melted paraffin wax, thereby obtaining a gypsum split mold in which artificial teeth are arranged in gypsum.
In consideration of the number of artificial teeth and the like, 0.5 to 10 g of a paste-form acrylic resin is filled so that the artificial teeth are directly in contact with a part of the artificial teeth in the gypsum split mold cavity. On this, a metal member having the above-described form (having no thin metal plate) extends from inside the acrylic resin to face the artificial tooth without directly contacting the artificial tooth, and Install along the center line of the ridge.
[0021]
Next, in consideration of the number of artificial teeth and the like, the acrylic resin and the rubber-like substance are mixed (kneaded) on a mixing paper at a mass ratio described above using a spatula. The mixture (kneaded material) is filled so as to directly cover the entire surface of the acrylic resin exposed in the recess. Thereafter, 0.7 to 15 g of the rubber-like substance is directly covered on the entire surface of the mixture (kneaded material) exposed in the depression. At this time, the metal member covers the length direction of the metal member extending to face the artificial tooth, but the above-mentioned ridge / mucosa contact portion is exposed (for example, see FIG. 1). This is heated in a pressure cooker for 20-30 minutes.
After cooling, it is removed from the gypsum and ground (burr removed) using a polishing bar or the like. Next, the surface of the denture is finished using alumina oxide and a coating material. This is inserted into the mouth of the wearer, fully occluded at the central occlusal position, and after performing a series of functional movements, removed from the oral cavity, trimmed with scissors or a knife, etc. Thus, it is possible to obtain an artificial denture for use (see FIG. 12 as an example).
[0022]
(Preparation of denture for upper jaw)
The upper denture for the upper jaw (FIG. 13) can be manufactured in the same manner as the method for preparing the lower denture for the lower jaw, but uses a metal member as shown in FIG. Specifically, after filling the acrylic resin, the metal member as shown in FIG. 8 is operated in the same manner as the mandibular denture, and is not directly in contact with the artificial teeth. Place it so that it extends opposite the teeth and along the center of the chin base.
[0023]
【The invention's effect】
According to the present invention, a metal that has been conventionally considered to have a weak binding property with a rubber-like substance can be used as a member, and thus reinforcement for improving the durability of the entire denture can be performed. In addition, it is possible to apply a stimulus (pressure), that is, a load to the intraoral ridge and mucous membrane of the wearer through the metal member of the present invention to such an extent that pain does not occur. It is possible to efficiently prevent bone resorption that occurs when the substance contacts the ridge and mucous membrane. Since bone resorption can be prevented, pain can be suppressed as much as possible, so that not only soft foods but also hard foods can be easily chewed, and indigestion can be efficiently prevented.
In addition, in the maxillary denture, metal can be used as a member to be attached to the maxillary palate, so that the thickness of such a member can be made thinner than before, the tongue can easily move, and a feeling of pressure on the upper jaw can be obtained. Can be reduced. Furthermore, when eating hot food, the upper palate can be sufficiently felt warm through the metal member. It is possible to provide a denture with a denture that does not cause denture stomatitis even when worn for a long period of time.
Hereinafter, the present invention will be described in detail with reference to Examples, but the present invention is not limited to the following Examples.
[0024]
【Example】
Example 1 (Preparation of mandibular denture)
First, 14 artificial teeth were placed along the center line of the jaw ridge and supported on paraffin wax having a predetermined shape and dimensions created by molding the form in the mouth of the wearer. Prototype was created. This was buried in a gypsum placed in a dental bottle flask by embedding it from artificial teeth, and then the gypsum was hardened. Thereafter, the bottle flask was closed and heated. Next, the bottle-type flask was opened, and the melted paraffin wax in the hollow was removed to obtain a gypsum split mold in which artificial teeth were arranged in gypsum.
The paste was filled with 8 g of an acrylic resin paste (manufactured by GC Co., Ltd., trade name: GC Acron) so as to directly contact the surface of the artificial tooth exposed in the cavity. On this, the metal member shown in FIG. 7 was installed. This metal member is made of a cobalt chromium alloy. One end of the metal member was placed in the acrylic resin, facing the artificial tooth, and extending along the center of the ridge, without directly contacting the artificial tooth. The metal member had a length of 1 mm, a thickness of 4 mm, and a width of 12 cm. In addition, the ridge / mucosa contact portion and the maxillary palate contact portion of the metal member were adjusted in advance to match the shape and size of the wearer's ridge / mucosa and maxillary palate.
[0025]
Next, 2 g of the acrylic resin and 8 g of paste-form addition type silicone rubber (trade name: KE-1950-70 (AB)) manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. were mixed on a kneaded paper using a spatula (mixing). did. 1 g of this mixture (kneaded material) was filled so as to directly cover the entire surface of the acrylic resin exposed in the recess. Thereafter, 10 g of the silicone rubber is directly covered on the entire surface of the mixture (kneaded material) exposed from the inside of the cavity and on the metal member portion extending opposite to the artificial tooth. It was filled so that the portion was exposed. In addition, a concave portion that is engaged with the wearer's ridge and mucous membrane was made of silicone rubber so that a part of the recess was constituted by the surface of the metal member that touched the ridge and mucous membrane (see FIG. 1). . This was heated in a pressure cooker for 20 minutes.
After cooling, it was taken out of the gypsum and ground (burr removal) using a polishing bar. Next, the denture surface was finished using alumina oxide and a coating material.
Insert into the oral cavity of the wearer, fully occlude at the central occlusal position, perform a series of functional movements, remove from the oral cavity, adjust the marginal shape using scissors, a knife, etc., and use the floor for the lower jaw A denture (FIG. 12) was obtained.
[0026]
Example 2 (Preparation of a denture for upper jaw)
Using the metal member shown in FIG. 8 (same as FIG. 7 except having a
[0027]
Example 3 (performance evaluation)
The following results were obtained when the lower denture for the lower jaw and the denture for the upper jaw created in Examples 1 and 2 were actually used for a wearer who needs a complete denture.
(1) The metal plate attached to the upper palate was thin, and the tongue was easy to move. There was no feeling of pressure on the upper jaw.
(2) Both the upper denture and the lower denture had good wearing feeling. In particular, regarding the upper denture, the feeling of wearing was remarkably good as compared with the case where a conventional nonmetallic (soft) lining material was used for the palate.
(3) The denture for the upper jaw had less peeling off compared to the case where the conventional nonmetallic (soft) lining material was used for the palate.
(4) Even if the mouth was wide open, it was difficult to come off.
(5) When eating hot food, the warmth was sufficiently felt in the upper palate via the metal plate.
(6) During chewing, food residue was not easily interposed between the denture and the oral mucosa, and no pain was felt. Even hard foods (rice crackers) could be chewed without pain.
(7) Denture stomatitis did not occur 30 days after wearing.
(8) After 180 days from the wearing, no bone resorption occurred, the feeling of wearing was still good, and no pain was caused even when biting.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows one embodiment of a cross-sectional view of a denture with a denture of the present invention.
FIG. 2 shows one embodiment of a cross-sectional view of a denture with a denture of the present invention.
FIG. 3 shows an embodiment of a cross-sectional view of a denture with a denture of the present invention.
FIG. 4 shows an embodiment of a cross-sectional view of a denture with a denture of the present invention.
FIG. 5 shows one embodiment of a cross-sectional view of the denture with a denture of the present invention.
FIG. 6 shows the center line of the ridge.
FIG. 7 shows a metal member that can be used in the present invention.
FIG. 8 shows a metal member that can be used when manufacturing an upper denture in the present invention.
9 shows an embodiment of a cross-sectional view of the upper denture with a maxillary prosthesis of the present invention manufactured using the metal member shown in FIG.
FIG. 10 shows an example of a cross-sectional view of an upper denture with a maxillary prosthesis according to the present invention.
FIG. 11 shows an example of a cross-sectional view of the mandibular denture according to the present invention.
FIG. 12 shows a denture with a lower denture (completed view) according to the present invention.
FIG. 13 shows a denture with a maxillary denture (completed view) according to the present invention.
[Explanation of symbols]
1 artificial teeth
2 denture base
3 Denture engaging recess for denture base
4 Metal members
5 One end of metal member
6 The other end of the metal member
7 First member
8 Second member
9 Third member
10 Centerline of the ridge
11 End of jaw ridge
12 Crossing Line
13 Thin metal plate
14 mesh part
Claims (8)
前記義歯床が、装着者の顎堤に係合する凹部を有し、かつ、該凹部面の一部が金属部材から構成されることを特徴とする該有床義歯。A denture having at least one artificial tooth and a denture base supporting the artificial tooth,
The denture with a denture, wherein the denture base has a concave portion that engages with the ridge of the wearer, and a part of the concave surface is made of a metal member.
前記義歯床が、前記人工歯の表面の一部に直接接触して支持する、アクリル系樹脂からなる第一床部材と、該第一床部材の表面の一部に直接接触する、アクリル系樹脂とゴム状物質との混合物からなる第二床部材と、該第二床部材を介して該第一床部材を支持し、装着者の顎堤係合用凹部を有する、ゴム状物質からなる第三床部材とからなり、
該凹部面の一部が金属部材から構成されることを特徴とする有床義歯。A denture having at least one artificial tooth and a denture base supporting the artificial tooth,
A first floor member made of an acrylic resin, in which the denture base directly contacts and supports a part of the surface of the artificial tooth, and an acrylic resin that directly contacts a part of the surface of the first floor member And a second floor member made of a mixture of a rubber material and a third floor member made of a rubber material, the third floor member supporting the first floor member through the second floor member, and having a recess for engaging a chin ridge of a wearer. Consisting of floor members,
A denture with a floor, wherein a part of the concave surface is made of a metal member.
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