JP2004295776A - 画像認識装置および画像認識プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】人間の頭部検出を行う場合において、楕円テンプレートを用意する。Hough変換により注目エッジ画素を中心としたテンプレート画素に投票を行なうときに、注目エッジ画素のエッジ法線方向からある範囲の角度内にあるテンプレート画素(ハッチングで示される画素)のみに対して投票が行なわれる。これにより、楕円中心付近に投票を集中させることができ、不要な位置に投票が行われることを防ぐことができる。
【選択図】 図6
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は画像認識装置および画像認識プログラムに関し、特に入力された画像に基づいて侵入者の監視、移動人物の計数、人物の在不在判定、装置の操作者などの状態把握、および認証のための人物領域切出しなどを行なう際に利用することができる画像認識装置および画像認識プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、画像中から人間の頭部と考えられる部分を検出することで、侵入者の監視、移動人物の計数、人物の在不在の判定、装置の操作者などの状態の把握、人物認証のための人物領域の切出しなどを行なう手法が知られている。
【0003】
頭部検出の手法の1つとして、頭部を楕円と仮定して、楕円テンプレートによるHough変換によって頭部を検出する技術が知られている。Hough変換に関しては、たとえば以下の特許文献1の技術が知られている。これは、顔抽出装置および顔抽出方法などに関する技術であり、複数サイズの楕円テンプレートを用いてHough変換による頭部検出を行なうものである。
【0004】
また、下記の特許文献2は、高階層(低解像度)で粗く検出した領域を、低階層(高解像度)で詳細に検出することで、検出性能および速度を向上させる技術を開示している。
【0005】
以下に、Hough変換についての基本的な処理を説明する。
図27は、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラなどで得られた画像(入力画像)と、Hough変換で用いられる楕円(または円)のテンプレート画像との具体例を示す図である。
【0006】
図28に示されるように、この入力画像をエッジ画像に変換する処理が行なわれる。図28のエッジ画像のエッジを示す画素のすべてに対して、以下の処理が行なわれる。
【0007】
図29を参照して、1つのエッジ画素を注目エッジ画素(図中黒抜きで示される画素)として、それを中心としてエッジ画像に対してテンプレート画像を重ね合わせる。このテンプレート画像を構成する画素(楕円または円を構成する画素)に一致する画素をテンプレート投票対象画素(図中ハッチングで示される画素)とし、その画素に投票(たとえば+1など)を行なう。
【0008】
図30に示されるように、すべてのエッジ画素に対して投票を行ない、その投票値を集計することで、図31に示されるような投票結果を示す画像を得ることができる。
【0009】
図31においては、色の濃い部分が投票数の多かった画素であり、色の薄い部分は投票数の少なかった画素である。投票値のピークは、人の楕円形の頭部の中心位置に集まり、これにより人物の頭部領域の存在とその位置とを知ることができる。
【0010】
ところで、被写体までの撮影距離が固定ではなく、正確な距離情報の取得もできない場合には、同じサイズの頭部であっても撮影距離によって画像上での楕円のサイズは異なる。また、大人と子供などでは元々頭部サイズが異なる。さらに、頭部の輪郭形状は個人差があり、また顔の向きや傾きによっても変化する。これにより、ある単一の楕円テンプレートを用いただけでは、テンプレートと頭部形状とが一致しないことが多い。すなわち、撮影距離や頭部サイズの個体差に対応できずに、投票のピーク点が不明確となり、頭部の検出精度に劣化が生じるケースが存在する。
【0011】
図32および図33はこのような問題を説明するために示された図である。
図32に示されるように、人物の撮影距離が想定よりも近い場合のエッジ画像が得られたものとする。この場合、テンプレート画像の楕円のサイズよりも、得られたエッジ画像の楕円(頭部)のサイズのほうが大きくなってしまう。
【0012】
エッジ画像の楕円よりも小さなサイズのテンプレート画像で投票が行なわれる結果、図33に示されるように、投票のピークがぼけてしまい、楕円中心の検出が不可能となってしまうのである。
【0013】
このような問題を解決するために、複数サイズの階層テンプレートや、複数解像度(複数サイズ)の階層画像を用いる技術が知られている(特許文献1など)。図34は1つのエッジ画像に対して、複数サイズのテンプレートを用いる技術を示した図であり、図35は、エッジ画像のサイズを複数に変換し、1つのテンプレート画像で検出を行なう技術を示した図である。
【0014】
改良されたHough変換においては、このように複数サイズのテンプレートや複数サイズの画像を利用することで、上述のような問題に対応している。
【0015】
しかしながら、あらゆる撮影距離やあらゆる頭部サイズにも対応できるように、膨大な数の異なるサイズのテンプレートを用意したり、膨大な数の異なるサイズのエッジ画像を用意することは、メモリの容量的にも処理速度的にも現実的ではない。したがって、検出する頭部のサイズをある程度限定した上で、いくつかの限定された数のテンプレート(またはいくつかの限定された数の階層画像)でその範囲をカバーすることが現実的である。
【0016】
【特許文献1】
特開2001−222719号公報
【0017】
【特許文献2】
特開平7−49949号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、処理速度やメモリ容量などの関係上、予め用意するテンプレート画像やエッジ画像の階層数には限界がある。したがって、画像上での検出対象の頭部サイズとテンプレートサイズとが一致しない場合が多く発生し、依然として検出精度が不十分となる可能性がある。すなわち、いずれの階層においても、図33に示されるようにHough変換の投票ピークが不明瞭になるため、検出性能が低下するのである。
【0019】
より具体的には、図36を参照して、1つのエッジ画像に対して複数のテンプレート画像を用いた場合でも、入力されたエッジ画像内の頭部を示す楕円は、予め作成された階層テンプレートのうちのどの階層とも一致しない場合が生じうる。サイズの一致するテンプレートが、階層と階層との間に存在するような場合である(図中、破線のテンプレート)。すなわち、図36においてテンプレートは4つ用意されているが、そのうち2つはテンプレートのほうが大き過ぎであり、他の2つはテンプレートのほうが小さ過ぎなのである。
【0020】
同様の問題はエッジ画像のサイズを複数階層用意する場合にも考えられ、図37に示されるように、エッジ画像のサイズを4つ用意するとしても、大きいほうの2つではテンプレートのほうが小さ過ぎ、小さいほうの2つではテンプレートのほうが大き過ぎ、テンプレートの楕円とサイズの一致する頭部は、階層と階層との間に存在する場合が生じうるのである(図中、破線のテンプレート)。
【0021】
さらに、従来の技術においては以下のような問題がある。頭部を検出する場合に、仮に画像上の物体の移動領域、侵入領域を時間差分や背景差分を利用することで限定し、検出精度を上げることができたとしても、画像中には頭部の輪郭以外にも、顔の部位や服の模様などによるさまざまなエッジが存在する。このようなエッジに対してもHough変換の投票がなされてしまうことで、局所的な投票ピークが多く発生してしまうのである。これにより、楕円の中心以外においても多く投票が行なわれ、楕円の中心以外を誤検出することがある。
【0022】
より詳しくは、図38に示される人物のエッジ画像に対してHough変換が行なわれたときには、図39に示されるように、目や口などの部位、服の模様や皺、ノイズなどによって、頭部の中心以外にも局所的な投票ピークが複数存在することとなる。また、投票値は位置変化に応じて連続的に変化することが多いため、頭部中心であると思われる投票ピークのみを抽出することが困難なのである。
【0023】
この発明は上述の問題点を解決するためになされたものであり、画像上の不要なエッジによって検出精度が低下することのない画像認識装置および画像認識プログラムを提供することを目的としている。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためこの発明のある局面に従うと、画像認識装置は、画像を取得する取得手段と、取得された画像に基づいてエッジ画像を作成するエッジ画像作成手段と、エッジ画像に対してテンプレートを用いてHough変換を行なう変換手段と、Hough変換の際に、エッジの方向またはエッジの法線方向に応じて投票を制御する制御手段とを備える。
【0025】
好ましくは制御手段は、エッジの法線方向付近のみにおいて前記Hough変換の投票が行なわれ、それ以外では投票が行なわれないように制御を行なう。
【0026】
この発明によると、Hough変換の際に、エッジの方向またはエッジの法線方向に応じて投票を制御するため、画像上の不要なエッジによって検出精度が低下することのない画像認識装置を提供することが可能となる。
【0027】
好ましくは制御手段は、エッジの法線方向から離れている度合いに応じて投票数を変更するように制御を行なう。
【0028】
この発明に従うと、より検出精度を高めることができる装置を提供することが可能となる。
【0029】
好ましくは取得手段は動画像を入力する。
この発明に従うと、動画像から物体の検出を行うことができるようになる。
【0030】
この発明の他の局面に従うと、画像認識プログラムは、画像を取得する取得ステップと、取得された画像に基づいてエッジ画像を作成するエッジ画像作成ステップと、エッジ画像に対してテンプレートを用いてHough変換を行なう変換ステップと、Hough変換の際に、エッジの方向またはエッジの法線方向に応じて投票を制御する制御ステップとをコンピュータに実行させる。
【0031】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態における画像認識装置を採用した監視装置の概略構成を示す図である。図1を参照して、監視装置100は、カメラヘッド120と、コントロールボックス101とから構成される。カメラヘッド120は、撮影可能な範囲を撮影して画像を出力する電荷結合素子(CCD)と、カメラの撮影方向を水平方向および垂直方向に変更するためのパン・ティルト駆動機構121と、撮影倍率を調整するズーム駆動機構122と、レンズ123とを含む。
【0032】
コントロールボックス101は、監視装置100の全体を制御するための中央演算装置(CPU)102と、カメラヘッド120のCCDが出力する画像を取込むための画像入力部103と、取込まれた画像を処理するための画像処理部105と、取込まれた画像または画像処理部105で処理された画像を保存するための画像記録部104と、CPU102からの指示によりカメラヘッド120のパン・ティルト駆動機構121およびズーム駆動機構122とを制御するためのPTZ(Pan−Tilt−Zoom)制御部106と、時計を内蔵して時刻情報をCPU102に提供するタイマ108と、外部の情報通信端末やパーソナルコンピュータなどとローカルエリアネットワーク(LAN)130を介して通信するための外部通信部107と、記録媒体140に記録されたプログラムやデータ等を読込み、または、記録媒体140に必要なデータを書込むための外部記憶装置109とを含む。
【0033】
CPU102は、予め内部に記憶しているプログラムを実行することにより、後述する監視処理を実行する。
【0034】
画像入力部103は、カメラヘッド120のCCDが出力する画像を受信し、画像記憶部104に送信する。
【0035】
画像記録部104では、画像入力部103より受信する動画像を記録したり、静止画像を記録することが可能である。画像記録部104は、リングバッファであり、画像入力部103で入力された動画像を記録する場合には、現在の画像入力部103で受取られた画像から所定の期間遡った時間までの画像を記録することが可能である。画像記録部104は、背景画像も記録する。
【0036】
PTZ制御部106は、CPU102からの指示により、カメラヘッド120のパン・ティルト駆動機構121およびズーム駆動機構122を制御することにより、レンズ123で撮影する方向と、レンズ123の撮影倍率とを変更させる。カメラヘッド120の画角は、レンズ123で撮影する方向と、レンズ123の撮影倍率とにより定まる。したがって、PTZ制御部106は、カメラヘッド120の画角を制御する。
【0037】
記憶装置109は、CPU102からの指示により、コンピュータ読取可能な記録媒体140に記録されたプログラムやデータを読取ったり、監視装置100に対して遠隔操作により設定される設定値等の必要な情報を書込む。
【0038】
コンピュータ読取可能な記録媒体140は、磁気テープやカセットテープ、磁気ディスク、光ディスク(CD−ROM/MO/MD/DVD等)、ICカード(メモリカードを含む)、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリなどの半導体メモリ等の固定的にプログラムを担持する媒体である。また、記録媒体140をネットワークからプログラムがダウンロードされるように流動的にプログラムを担持する記録媒体とすることもできる。
【0039】
ここでいうプログラムとは、CPU102により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む概念である。
【0040】
外部通信部107は、LAN130と接続されている。このため、LAN130に接続されたパーソナルコンピュータ(PC)111とCPU102との間で通信が可能となっている。これにより、PC111のユーザは、カメラヘッド120を遠隔操作することが可能である。また、PC111のユーザは、カメラヘッド120を遠隔操作することにより、カメラヘッド120で撮影された画像をPC111のディスプレイで見ることができる。さらに、監視装置100が監視動作を行なう場合に必要な設定情報を、PC111から入力することができる。このようにして、設定された設定値は記憶装置109に記憶される。
【0041】
PC111に代えて、LAN130とインターネット132を経由して接続されたPC133、携帯電話またはPDA134からも、同様に、監視装置100を遠隔操作することができる。
【0042】
なお、外部通信部107をLAN130と接続する例を示したが、外部通信部107は、モデムを経由して一般公衆回線に接続するようにしてもよい。この場合、一般公衆回線に接続された他のPCから、監視装置100を遠隔操作することが可能となる。
【0043】
外部通信部107は、監視装置100を使用する者を制限するために、ユーザIDやパスワードを用いた認証処理を行なうようにしている。これにより、監視装置100を遠隔操作することのできる権限を有する者のみが、監視装置100を遠隔操作することが可能となる。
【0044】
なお、本実施の形態における画像認識装置を、パーソナルコンピュータなどにより構成することも可能である。
【0045】
図2は、パーソナルコンピュータにより合成された画像認識装置のブロック図である。
【0046】
図を参照して、画像認識装置は、装置全体の制御を行なうCPU601と、動画像または静止画像を入力するカメラ621と、プリンタ603と、画像の表示を行なうためのディスプレイ605と、外部ネットワークなどと接続するためのLANまたはモデムカード607と、キーボードやマウスなどにより構成される入力装置609と、フレキシブルディスクFから情報を読取ったり、フレキシブルディスクFに情報を記録するフレキシブルディスクドライブ611と、CD−ROM613aから情報を読取るCD−ROMドライブ613と、大容量の記憶装置であるハードディスクドライブ615と、データを一時的に記憶するRAM617と、装置の基本的な動作などを記録するROM619とから構成される。
【0047】
図3は、本実施の形態における画像認識装置で実行される処理の一部の概略を説明するための図である。
【0048】
本実施の形態においては、複数の解像度を持つ階層画像と、単一サイズのテンプレートとを用いてHough変換を行なうことで、画像中から人間の頭部とその位置とを決定する。
【0049】
図3を参照して、本実施の形態における画像認識装置では、入力される動画像フレームのうち、連続する2つのフレームに対して明度画像を作成し、予め設定した縮小倍率によって複数のサイズの明度画像(階層明度画像)を作成する。なお、階層数は予め決定しておくが、図3においては階層数をNで示している。
【0050】
各階層ごとに、連続する2つのフレームを用いてその時間差分画像(フレーム差分画像とも呼ばれる)を作成するとともに、時間的に後になるフレーム(図中のフレーム2)を用いて空間差分画像を作成している。
【0051】
時間差分画像は、画素単位でフレーム間で画素値の差分を算出し、しきい値によって2値化することで画像中の変化領域のみを抽出するものである。
【0052】
図4は、時間差分画像の作成手法を説明するための図である。図4の上部に示されるように3つのフレームの連続する画像が得られた場合においては、それらのうち連続するフレーム同士の差分を求めることで、図4の下に示されるような画像中の変化領域を求めるのである。
【0053】
空間差分画像は、単一画像上における画素値変化を示したものであり、たとえばSOBELフィルタや2次微分フィルタなどの出力画像をしきい値処理したものである。本実施の形態においては、空間差分画像としてSOBELフィルタの出力を用いることとしている。
【0054】
図5は、SOBELフィルタの形状を示す図である。
SOBELフィルタを用いることで、水平方向と垂直方向のそれぞれのフィルタ出力をもとに、エッジの強さと方向とを求めることができる。すなわち、水平SOBELフィルタの出力をFshとし、垂直SOBELフィルタの出力をFsvとすると、エッジの強さEは、
E=(Fsh2+Fsv2)1/2
で表わされ、エッジの法線ベクトル(u,v)は、
(u,v)=(Fsh/E,Fsv/E)
で表わされる。
【0055】
なお、エッジの強さと方向とを算出できるものであれば、2次微分フィルタやブロックマッチングなどを利用した他のエッジ検出方法を採用するようにしてもよい。
【0056】
また、時間差分や空間差分で用いられるしきい値は、予め経験的に設定したものであってもよいし、入力画像ごとに動的に算出するようにしてもよい。
【0057】
図3に示されるように、時間差分画像と空間差分画像とのAND画像をとることで、動いているエッジのみを抽出することが可能となる。AND画像は、時間差分画像と空間差分画像とに対して、画素ごとに論理積演算を行なったものであり、論理積画像とも呼ばれる。
【0058】
このようにして求められたAND画像をエッジ画像として用い、各階層ごとにHough変換の投票処理を行ない、最終的に階層間の投票値の関係(画像とテンプレートとのマッチング度の関係)を利用して、投票値の多い投票ピークを楕円中心として検出する。
【0059】
なお、本実施の形態においては、頭部の検出を容易に行なうために、図6に示されるように、投票を行なう際にエッジの方向またはエッジの法線方向に応じて投票を制御することを特徴としている。すなわち、本実施の形態においてはSOBELフィルタによって求めたエッジの法線方向を利用して、テンプレート上の投票位置を限定することにより、検出精度を高めている。
【0060】
図6を参照して、注目エッジ画素P(=楕円テンプレート中心)とテンプレート上の各投票対象画素Qとの間に、
cosθ<(PQ・n)/(|PQ||n|)
の関係が成立する場合にのみ、画素Qの位置の投票(たとえば投票値に+1)を行なう。
【0061】
なお、上記の式において、PQは点Pから点Qに向かうベクトルを示し、nはエッジの法線ベクトルを示し、θは法線方向からどれだけ離れた場所までを投票対象画素とするかを示す角度である。
【0062】
なお、cosθの値(またはそれに基づく値など)を投票値として加算するようにしてもよい。これは、エッジの法線方向から離れている度合いに応じて投票数を変更するものであり、法線方向に近い位置にある画素に対する投票の重みを、遠い位置にある画素に対する投票の重みよりも重くするものである。これにより、エッジの法線方向から離れた部分の投票数に対して、より楕円中心部分において投票数が多くなるようにすることができる。
【0063】
図6に示されるように、注目エッジ画素のエッジ法線方向からある範囲の角度内にあるテンプレート画素(ハッチングで示される画素)のみに対して投票が行なわれる。これにより、楕円中心付近に投票が集中することとなり、また輪郭から一定距離離れた位置には線状に少ない数の投票がなされる。
【0064】
これにより、図38に示されるようなエッジ画像を処理したときに、図39に示されるように投票値が各所に存在することがなくなり、図7に示されるように楕円の中心のみに投票ピークが集中する画像とすることができる。これにより、図8に示されるように、投票数のピークを楕円中心として容易に検出することが可能となる。
【0065】
以上のようにして、本実施の形態によると投票位置をエッジの法線方向のみに限定することで、無駄な投票を削減して、投票値の大きさと投票のピーク度合いをもとに頭部中心位置の検出を行なうHough変換において、誤検出を低減させることができる。
【0066】
すなわち、楕円テンプレートをそのまま使用して投票した場合には、目や口などの部位、服の模様、皺、ノイズなど、微小エッジが集中する付近の投票値が高くなる傾向にある。投票値は楕円中心であってもある程度の連続性をもって変化するため、単純に投票ピークを選択するだけでは頭部中心のみを抽出することは困難であった。
【0067】
これと比較して、本実施の形態においては法線方向付近のみを選択して楕円テンプレートを用いて投票を行なうため、楕円中心においては法線方向付近に限定しない場合とほぼ同程度の投票がされる。一方、その周囲での投票値はかなり減り、局所エッジが集中する位置の付近の投票に関しても、局所的に少量の投票ピークが発生するにとどまる。あとは、比較的長めのエッジに対して一定距離だけ離れた位置に線上に投票ピーク(投票数は低い)が現われるだけである。したがって、投票ピークのうちある程度投票値が多いもののみを選択することで、頭部中心のみを容易に検出することが可能となる。
【0068】
これにより、顔部位や背景模様のエッジ、服の模様などによって発生するテクスチャエッジなどの影響による検出精度の低下を低減させることができる。
【0069】
また、本実施の形態においては、複数サイズのエッジ画像を用いて検出を行なうが、このとき各階層間での関係を利用して、検出された頭部を示す楕円の候補をさらに絞り込むことで、最終的な頭部の候補の選出を行なうこととしている。
【0070】
図9は、この概念を説明するための図である。図を参照して、左に示される3つの画像は、階層画像中のある連続した3階層に対する投票結果を示している。
【0071】
画像中の楕円部分では、投票結果は点(投票ピーク)あるいは、理想的な投票ピーク位置に中心を有し、周上にある程度多い投票数を有する楕円形状となる。このため、この画像を縮小することで隣接階層間で位置は変わらず投票値のみが変化する投票ピークを得ることができる(図9の右部分参照)。画像縮小によって投票数はある程度広い範囲ごとにまとめることができるからである。まとまった後の画像においては、頭部中心位置での投票ピークは、隣接階層間で位置が変化せず、投票数は階層方向になだらかに変化する。
【0072】
一方、楕円以外のエッジやノイズなどに起因する局所的な投票に関しては、画像を縮小した場合に、投票ピークの位置が階層間で変化するか、階層間で連続して存在しないこととなる。このようなピークは除去することができる。
【0073】
すなわち、本実施の形態においては画像を縮小した後に各階層ごとに検出した投票ピークが、階層方向に連続して存在する場合にのみ、それを頭部に起因するピークとして捕らえ、投票値の最も多い階層における投票ピークを頭部楕円の中心位置として検出している。
【0074】
より詳しくは、図9を参照して、皺や模様などに起因する投票ピークについて、縮小画像では皺や模様が消えるため、投票ピークも消え、階層方向の投票ピークの連続性は低い。また、投票の際のサンプリングの粗さやノイズに起因する投票ピークに関しては、画像サイズによってピークの位置が変わったり、ピークが消滅したりするため、削除することが可能である。
【0075】
このような処理によって、以下のような効果がある。
・撮影距離の違いや個人差によって画像上に生じる、頭部サイズの変化に対応して頭部検出を行なうことができる。
【0076】
・離散的に限定された数のテンプレートまたは階層画像しか用いない場合においても、検出精度を大きく低下させずに頭部検出を行なうことができる。
【0077】
・画像中のノイズに対する検出精度の低下を防ぐことができる。
次に図10を参照して、説明を簡略化するため、楕円を円と仮定して頭部候補を絞り込む方法について説明する。なお、楕円では直径が長軸方向と短軸方向とで異なるため、ここでの説明においては、直径が単一である円として説明しているが、楕円の場合には、長軸の直径に合わせる、長軸と短軸の直径の平均を利用するなどすればよい。
【0078】
図10を参照して、階層が1つ異なれば、最終的に検出される頭部円の直径は、図10の左半分に示すように、D×(1−R)だけ異なることになる(なお、ここにDは、テンプレート円の直径サイズを示し、Rは画像の縮小率を示す)。したがって、D×(1−R)を縮小倍率として各階層での投票結果画像を縮小することで、本来円中心が検出されるべき階層およびその隣接する前後の階層において円中心位置に投票ピークを作成することができる。
【0079】
投票画像の縮小方法においては、図11に示すように、縮小前の画素値のすべての平均を取るように縮小することが望ましい。
【0080】
すなわち、図11においては、たとえばテンプレート円の直径がD=30画素で、階層間の縮小倍率がR=0.9の場合に、投票画像の縮小率が30×(1−0.9)=3となった場合の例を示している。
【0081】
このような処理の後に、各階層における投票ピーク点に対して、上下いずれかの隣接階層において、同じ位置付近に投票ピークが存在するピーク点のみを選択し、上下いずれにも同じ位置に投票ピーク点が存在しない場合、孤立ピークとして除去する。
【0082】
図12は、ピーク点の算出方法を説明するための図である。
図12を参照して、A0を中心として、A1〜A8から構成される3×3のマトリックスにおいて、以下のように、変数A,B,Cを定義する。
【0083】
A={Vi(i=1,2,…,8)>V0となるiの個数}
B=V0×K/Vmax
ピーク度C=A+B
なお、
ViはAiにおける投票値を示し、
Vmaxは、理想的な楕円の場合の楕円中心の投票値を示し、
Kは固定係数を示す。
【0084】
ここで、C>Tpeakの場合、A0をピーク点として選定する。ここに、変数Tpeakは、注目画素A0をピーク画素として選択するか否かを決定するためのしきい値である。計数KおよびTpeakは、テンプレート形状やノイズ量を考慮して決定する。
【0085】
このようにして、図13に示されるように、テンプレートに合致する楕円の中央部分にピーク点を得ることができる。
【0086】
図11の右半分に示される縮小された階層投票画像を、入力画像のサイズになるように正規化を行なうことでサイズ合わせを行ない、重ね合せることで、図14に示されるような空間が作成される。この場合に、各階層ごとに縮小投票画像から検出された各投票ピーク点の縮小前の投票画像における位置を注目点として、階層投票画像を重ねた場合の楕円内部の投票値の総和をピーク点の持つ重みとして各ピーク点ごとに設定する。
【0087】
上記図10で説明したように、階層が1つ異なれば楕円の直径はD×(1−R)異なるため、階層内の一方向の距離と階層間の距離の概念を合わせるため、図14右部分に示されるように各階層の間隔を設定する。
【0088】
すなわち、図14において、第1階層(入力画像と同サイズでの投票結果プレーン)から第5階層までの各階層間の距離は、D(1−R)、D(1−R)/R、D(1−R)/R2、D(1−R)/R3とされる。
【0089】
これによって、図14の空間中X方向(画像の横方向)、Y方向(画像の縦方向)、H方向(階層方向)の3次元空間に、投票重みを有するピーク点が点在する状態を作り出すことができる。
【0090】
この空間に対してクラスタリングを行ない、クラスタ内のサンプルの投票値の総和がある程度大きいクラスタのクラスタ中心のみを選択することで、この点を頭部中心として抽出する。クラスタリングの方式は、K平均法クラスタリング、自己収束型クラスタリングなど周知の技術を適用することができる。また、投票値を利用して処理速度や孤立点除去などにおいて修正を加えたものを用いてもよい。
【0091】
図14では、クラスタリングの結果、グループAとグループBとが検出されたクラスタとなっている。グループAの投票総数は65(=20+30+15)であるのに対して、グループBでは13(=8+5)となっている。カメラ画角、想定撮影距離範囲、テンプレート形状、画像上のノイズ量などによって理想的な頭部での投票数が経験的に決定でき、これをもとに決定したしきい値とクラスタ内の投票総数とを比較することで、より確からしいクラスタのクラスタ中心のみを頭部中心として選択することができる。
【0092】
図14の例では、たとえばしきい値を30とすることで、グループAは選択し、グループBは除去することができる。
【0093】
図14に示すように、楕円などの投票値であれば、階層方向にほぼ同じ位置にピークが現われるが、図15に示されるようにたとえば人物の首から肩にかけての滑らかな円弧を検出した場合には、そのピークは図16に示されるように各階層において移動することとなる。各階層における位置の差が大きいときには、このようなピーク点は楕円の検出結果ではないとして削除される。
【0094】
図17は、本実施の形態における画像認識装置が実行する処理を示すフローチャートである。
【0095】
ステップS101において、時刻T=T0における初期フレーム画像を入力する。ステップS103において、この画像の階層明度画像を作成する。以降、新たなフレーム画像が入力されるごとに階層明度画像は作成される。ステップS105において残りの処理対象フレームがないかが判定され、NOであればステップS107において時刻Tにおけるフレーム画像F(T)が入力され、ステップS109で頭部検出処理が行なわれる。
【0096】
ステップS111において時刻TにΔTが加算され、ステップS105へ戻る。
【0097】
ステップS105でYESであれば、移動人物検出処理を終了する。
図18は、図17の頭部検出処理(S109)の詳細を示すフローチャートである。
【0098】
図を参照して、ステップS201において階層エッジ画像が作成され、ステップS203でHough変換の投票が行なわれる。ステップS205で、投票結果に基づいた楕円の中心を選択する処理が行なわれる。
【0099】
図19は、図18の階層エッジ画像作成処理(S201)の内容を示すフローチャートである。
【0100】
図を参照して、ステップS301において、画像F(T)に対する階層明度画像が作成される。ステップS303において、F(T)に対する階層明度画像と、F(T−1)に対する階層明度画像とを用いて、各階層ごとにフレーム差分画像を作成する。
【0101】
ステップS305において、F(T)に対する階層明度画像を用いて、各階層ごとにSOBEL画像とエッジ法線テーブルを作成する。
【0102】
ステップS306において、階層ごとにフレーム差分画像とSOBEL画像の論理積画像(AND画像)を作成する。
【0103】
この処理により、新たなフレーム画像のみに対して空間差分画像を、前の時刻のフレーム画像も利用することで時間差分画像を階層ごとに作成することができる。空間差分画像においては、エッジ法線方向も同時に求め、各画素ごとにエッジ法線方向が記述された画像上の2次元テーブルが作成される。このテーブルは、後の法線方向の利用時に使用される。
【0104】
図20は、図18の投票処理(S203)の内容を示すフローチャートである。
【0105】
図を参照して、ステップS401において、注目画素を画像中の最初のエッジ画素とし、ステップS403において、注目画素に基づいてテンプレート位置を設定する。
【0106】
ステップS405において、エッジ法線テーブルとテンプレートとを基に、投票対象画素を選択して、対象画素の投票数を1増加させる。
【0107】
ステップS407において次のエッジ画素を特定し、ステップS409で最後のエッジ画素であるかを判定し、NOであればステップS403へ戻り、YESであれば投票処理を終了する。
【0108】
このようにして、階層ごとに空間差分と時間差分の論理積を演算することで、階層エッジ画像が作成され、各階層ごとのエッジ画素に対してテンプレートを用いた投票が行なわれる。
【0109】
図21は、図18の楕円中心選択処理(S205)の内容を示すフローチャートである。
【0110】
図を参照して、ステップS501において投票画像の縮小が行なわれ、ステップS503でピーク点の検出が行なわれる。ステップS505でピーク点の選択(楕円中心でないと考えられるものを除外する処理)が行なわれ、ステップS507で、クラスタリングが行なわれる。
【0111】
このような処理により、階層間の関係を用いて頭部中心を検出することができる。また、投票においてはエッジ画像上の各画素を注目画素として設定したテンプレートを1画素ごとに走査しながら、テンプレート上の投票対象画素の位置の画素に対して投票を行なっていく。この際、上述したようにエッジの法線方向を利用して投票対象画素を制限して投票は行なわれる。
【0112】
各階層ごとの投票結果を縮小することで、楕円中心付近において投票ピークが階層方向に連続するようにした後に、投票ピークの検出が行なわれる。クラスタ内サンプルの投票総数がある程度大きなクラスタ中心のみが頭部中心として検出される。
【0113】
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態における画像認識装置を用いた監視装置のハードウェア構成は第1の実施の形態におけるそれと同一であるため、ここでの説明は繰返さない。
【0114】
本実施の形態においては、入力画像と階層テンプレート画像とを用いて、Hough変換を行なうこととしている。
【0115】
図22は、本実施の形態における画像認識装置の処理を説明するための図である。図に示されるように、時系列に入力された2つのフレームを用いて、時間差分画像と空間差分画像とを作成し、それからAND画像を作成する。
【0116】
一方、予め設定された縮小倍率によって階層テンプレート画像を作成する。階層数は予め決定しておくが、図22の例では階層数はNとしている。
【0117】
各階層テンプレートを用いた投票画像は、各階層ごとに第1の実施の形態と同様に縮小後に投票ピーク点の抽出を行なう。投票ピークの階層間の連続性を用いて孤立ピークの除去を行なう。次に、図23に示されるようにクラスタリング空間を作成し、クラスタリングによって頭部の中心を抽出する。このクラスタリング空間が第1の実施の形態のそれと異なるのは、階層番号の若いものほど、検出対象となる楕円サイズが大きいという点である。これにより、クラスタリング空間の第1階層から第5階層までの各階層間の間隔は、図23の右に示されるものとなる。
【0118】
図24は、本実施の形態における画像認識装置が行なう処理を示すフローチャートである。
【0119】
図を参照して、ステップS601で階層テンプレート画像の作成が行なわれ、ステップS603で時刻T=T0におけるフレーム画像F(0)が入力される。
【0120】
ステップS605において、画像F(0)に対する明度画像の作成が行なわれ、ステップS607で残りの処理対象フレームがないかが判定される。
【0121】
ステップS607でNOであれば、ステップS609で時刻Tにおけるフレーム画像F(T)の入力が行なわれ、ステップS611で頭部の検出処理が行なわれる。ステップS613で時刻TにΔTを加算する処理が行なわれ、ステップS607へ戻る。
【0122】
なお、ステップS607でYESであれば、移動人物検出処理を終了する。
図25は、図24の頭部検出処理(S611)を示すフローチャートである。
【0123】
図を参照して、ステップS701でエッジ画像の作成が行なわれ、ステップS703で投票が行なわれる。ステップS705において、楕円の中心を選択する処理が行なわれる。
【0124】
図26は、図25のエッジ画像作成処理(S701)を示すフローチャートである。
【0125】
図を参照して、ステップS801において、画像F(T)に対する明度画像の作成が行なわれる。ステップS803において、F(T)に対する明度画像と、F(T−1)に対する明度画像のフレーム差分画像の作成が行なわれる。ステップS805において、F(T)に対する明度画像に対する、SOBEL画像作成とエッジ法線テーブルの作成が行なわれる。
【0126】
ステップS807において、フレーム差分とSOBEL画像の論理積画像の作成が行なわれる。
【0127】
なお、図25における投票処理(S703)、および楕円中心選択処理(S705)は、第1の実施の形態における図20および図21で示される処理と同じであるためここでの説明は繰返さない。
【0128】
第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、精度よく物体の検出を行うことができるという効果がある。
【0129】
なお、上述の実施の形態におけるフローチャートの処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードさせるようにしてもよい。
【0130】
また、上述の実施の形態における処理はソフトウェアにより実行することとしてもよいし、ハードウェア回路を用いて実行するようにしてもよい。
【0131】
また、上述の実施の形態における装置などはネットワークに接続された環境においても、接続されていない環境においても適用することができる。
【0132】
[発明の他の構成例]
上記実施の形態には、以下の発明が含まれている。
【0133】
(1) 画像を取得する取得ステップと、
前記取得された画像に基づいてエッジ画像を作成するエッジ画像作成ステップと、
前記エッジ画像に対してテンプレートを用いてHough変換を行なう変換ステップと、
前記Hough変換の際に、エッジの方向またはエッジの法線方向に応じて投票を制御する制御ステップとを含む、画像認識方法。
【0134】
(2) 画像を取得する取得ステップと、
前記取得された画像に基づいてエッジ画像を作成するエッジ画像作成ステップと、
前記エッジ画像に対してテンプレートを用いてHough変換を行なう変換ステップと、
前記Hough変換の際に、エッジの方向またはエッジの法線方向に応じて投票を制御する制御ステップとをコンピュータに実行させる、画像認識プログラムを記録した、コンピュータ読取可能な記録媒体。
【0135】
(3) 前記制御ステップは、エッジの法線方向付近のみにおいて前記Hough変換の投票が行なわれ、それ以外では投票が行なわれないように制御を行なう、(1)または(2)に記載の画像認識方法、または記録媒体。
【0136】
(4) 前記制御ステップは、エッジの法線方向から離れている度合いに応じて投票数を変更するように制御を行なう、(1)〜(3)のいずれかに記載の画像認識方法、または記録媒体。
【0137】
(5) 前記取得ステップは動画像を入力する、(1)〜(4)のいずれかに記載の画像認識方法、または記録媒体。
【0138】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0139】
【発明の効果】
以上のようにして本発明においては、不要エッジによって大きく検出性能が低下することのない画像認識装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像認識装置を採用した監視装置の構成を示すブロック図である。
【図2】監視装置の他の構成例を示す図である。
【図3】第1の実施の形態における処理の流れを示す図である。
【図4】時間差分画像の作成方法を説明するための図である。
【図5】空間差分画像を作成するためのフィルタを示す図である。
【図6】エッジの法線方向を利用してテンプレート上の投票位置を限定する方法を説明するための図である。
【図7】図6の手法による効果を説明するための図である。
【図8】楕円中心の検出方法を説明するための図である。
【図9】階層間での関係を利用して物体の検出を行なう手法について説明するための図である。
【図10】頭部候補を絞り込む方法について説明するための図である。
【図11】画像の縮小方法を説明するための図である。
【図12】ピーク点の決定方法を説明するための図である。
【図13】ピーク点を説明するための図である。
【図14】クラスタリングを行なうための空間を示す図である。
【図15】頭部以外のピーク点の除外方法を説明するための第1の図である。
【図16】頭部以外のピーク点の除外方法を説明するための第2の図である。
【図17】第1の実施の形態における移動人物検出処理を示すフローチャートである。
【図18】図17の頭部検出処理(S109)を示すフローチャートである。
【図19】図18の階層エッジ画像作成処理(S201)を示すフローチャートである。
【図20】図18の投票処理(S203)を示すフローチャートである。
【図21】図18の楕円中心選択処理(S205)を示すフローチャートである。
【図22】第2の実施の形態における画像認識処理を示す図である。
【図23】第2の実施の形態において作成されるクラスタリングのための空間を示す図である。
【図24】第2の実施の形態における移動人物検出処理を示すフローチャートである。
【図25】図24の頭部検出処理(S611)を示すフローチャートである。
【図26】図25のエッジ画像作成処理(S701)を示すフローチャートである。
【図27】入力画像とテンプレート画像との具体例を示す図である。
【図28】図27の画像から作成されるエッジ画像の具体例を示す図である。
【図29】図28の画像に対してHough変換による投票が行なわれる過程を示す図である。
【図30】投票値の加算手法を説明するための図である。
【図31】投票結果を説明するための図である。
【図32】Hough変換の問題点を示す第1の図である。
【図33】Hough変換の問題点を示す第2の図である。
【図34】図32および図33に示される問題を解決するための手法を示す図である。
【図35】図32および図33に示される問題を解決するための手法を示す図である。
【図36】図34の手法の問題点を説明するための図である。
【図37】図35の手法の問題点を説明するための図である。
【図38】エッジ画像の具体例を示す図である。
【図39】Hough変換の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
100 監視装置、101 コントロールボックス、102 CPU、103画像入力部、104 画像記録部、105 画像処理部、106 PTZ制御部、107 外部通信部、108 タイマ、109 記憶装置、120 カメラヘッド、121 パン・ティルト駆動機構、122 ズーム駆動機構、123 レンズ、132 インターネット、140 記録媒体。
Claims (5)
- 画像を取得する取得手段と、
前記取得された画像に基づいてエッジ画像を作成するエッジ画像作成手段と、
前記エッジ画像に対してテンプレートを用いてHough変換を行なう変換手段と、
Hough変換の際に、エッジの方向またはエッジの法線方向に応じて投票を制御する制御手段とを備えた、画像認識装置。 - 前記制御手段は、エッジの法線方向付近のみにおいて前記Hough変換の投票が行なわれ、それ以外では投票が行なわれないように制御を行なう、請求項1に記載の画像認識装置。
- 前記制御手段は、エッジの法線方向から離れている度合いに応じて投票数を変更するように制御を行なう、請求項1または2に記載の画像認識装置。
- 前記取得手段は動画像を入力する、請求項1〜3のいずれかに記載の画像認識装置。
- 画像を取得する取得ステップと、
前記取得された画像に基づいてエッジ画像を作成するエッジ画像作成ステップと、
前記エッジ画像に対してテンプレートを用いてHough変換を行なう変換ステップと、
前記Hough変換の際に、エッジの方向またはエッジの法線方向に応じて投票を制御する制御ステップとをコンピュータに実行させる、画像認識プログラム。
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