JP2004295326A - 個人情報を秘匿した購買情報管理システム - Google Patents
個人情報を秘匿した購買情報管理システム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】個人情報を秘匿しつつ，個人毎の購買情報を収集，分析して，個人に適合した商品情報，広告情報などを提供する。
【解決手段】ＰＯＳ端末１を用いた商品の精算時に，購買情報を購買情報データベース３０に記録する。商品を購入したユーザが，ユーザ端未５から購買情報管理サーバ３にアクセスし，レシート１００に記載されているレシート番号１０１と，暗証番号と，個人情報とは無関係の購買者識別コード７とを入力すると，購買情報管理サーバ３は，ＰＯＳ端末１から得た購買情報と購買者識別コード７とを関連付けて購買情報データベース３０に記録する。電子レシートサーバ４は，ユーザ端末５からのアクセスに対し，購買者識別コード７に基づいて，購買情報データベース３０を検索し，ユーザの購買履歴情報，商品情報，広告情報をユーザ端末５へ送信する。
【選択図】 図１
【解決手段】ＰＯＳ端末１を用いた商品の精算時に，購買情報を購買情報データベース３０に記録する。商品を購入したユーザが，ユーザ端未５から購買情報管理サーバ３にアクセスし，レシート１００に記載されているレシート番号１０１と，暗証番号と，個人情報とは無関係の購買者識別コード７とを入力すると，購買情報管理サーバ３は，ＰＯＳ端末１から得た購買情報と購買者識別コード７とを関連付けて購買情報データベース３０に記録する。電子レシートサーバ４は，ユーザ端末５からのアクセスに対し，購買者識別コード７に基づいて，購買情報データベース３０を検索し，ユーザの購買履歴情報，商品情報，広告情報をユーザ端末５へ送信する。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は，ＰＯＳ（Ｐｏｉｎｔ Ｏｆ Ｓａｌｅｓ）端末により個人の購買情報を収集し，その購買情報を分析して個人に適合した情報を提供するための技術に関し，特に，個人情報を秘匿しつつ個人毎の購買情報を収集，分析し，個人に対し商品情報を提供することを可能とした購買情報管理システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年，スーパーなどで見られるように，顧客が商品を購買する場合，店舗側は，あらかじめ商品にバーコードを貼付しておき，そのバーコードをＰＯＳ端末で読み取ってレシートを発行し精算する方法が普及している。
【０００３】
一方，以下の特許文献１に記載されているように，個人が個人情報を申し込み用紙などに記入して店舗の会員に登録し，会員カードを取得し，精算時に該会員カードをＰＯＳ端末で読み取らせて，個人へポイント付与などのサービスを行うとともに購買情報と個人情報の結合を図ってデータベースなどへ蓄積し，購買情報と住所や性別，年齢などの顧客属性を調べ，該個人へ広告情報などを提供する方法がある。
【０００４】
また，以下の特許文献２に見られるように，ＰＯＳ端末の購買情報を分析して商品情報を個人へ自動的に提供する方法がある。しかし，これらの方法では，店舗側に対する個人情報の秘匿は前提とはなっていない。一般に，店舗側で個人の購買情報を基に該個人へ商品情報などを提供する場合に，氏名や住所等の個人情報無しに行うことは困難であった。
【０００５】
また，従来，店舗側で個人情報を扱う際には，第三者への情報の漏洩を防ぐための対策を施すのは常識となっているが，１００％のセキュリティはありえず，特にインターネット等のネットワークを介した場合には種々のセキュリティ問題が絶えることなく発覚している。このような背景から個人情報の漏洩や悪用を恐れ個人情報を登録して会員になることを避けている人達を，マーケッティングやデータマイニングの対象にするのが困難であった。
【０００６】
【特許文献１】
特開２００２−１０９３８２号公報
【特許文献１】
特開２０００−２０７４６０号公報
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は，上記問題を解決するためになされたもので，個人情報を秘匿しつつ，個人毎の購買情報を収集，分析して，個人に適合した商品情報，広告情報などの提供を可能にすることを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため，本発明は，レシートから得られる購買情報を収集し，この購買情報を，個人の属性とは切り離した個人を表す識別子に携帯電話や二次元バーコードなどの様々な手段で対応付け，次に収集した購買情報による購入履歴のみを基にして，商品情報を提供することを主要な特徴としている。これによって，ユーザに，個人の氏名，住所，年齢，電話番号などの属性情報の漏洩の心配をかけることなく個人の購買情報を取得することが可能になり，個人に有用な商品情報，広告情報の提供が可能になる。
【０００９】
具体的には，本発明は，１つまたは複数の店舗に配置したＰＯＳ端末へ入力される顧客の購買情報をネットワークを経由して購買情報データベースに記録，保持する購買情報管理システムにおいて，個人が店舗等で商品を購入する場合に，ＰＯＳ端末による精算時に，個人の購買情報をレシート番号とともに前記購買情報データベースに記録し，該個人は，別途，前記精算時に受け取ったレシートに記録されたレシート番号と，個人の個人情報とは異なる特定の購買者識別コードを前記購買情報データベースにアクセスして入力し，前記個人の購買情報と関連付けることを特徴とする。
【００１０】
また，個人が店舗等で商品等を購入する場合に，ＰＯＳ端末による精算時に，個人の購買情報をレシート番号または二次元バーコードとともに前記購買情報データベースに記録し，該個人は，別途，カメラ付きの通信端末により前記精算時に受け取ったレシートに記録されたレシート番号または二次元バーコードを撮影し，該撮影情報と個人の個人情報とは異なる特定の購買者識別コードを前記購買情報データベースに送信して，前記個人の購買情報と関連付けることを特徴とする。
【００１１】
さらに，個人が店舗等で商品等を購入する場合に，ＰＯＳ端末による精算時に，個人所有の通信端末から予め個人が取得した個人情報とは異なる購買者識別コードを二次元バーコードとして前記ＰＯＳ端末に入力し，前記ＰＯＳ端末は個人の購買情報を前記購買者識別コードとともに購買情報データベースに記録することを特徴とする。
【００１２】
また，個人が店舗等で商品等を購入する場合に，ＰＯＳ端末による精算時に，予め個人が取得した個人情報とは異なる購買者識別コードを記録した記録媒体から前記ＰＯＳ端末に前記購買者識別コードを読み取らせ，前記ＰＯＳ端末は個人の購買情報を前記購買者識別コードとともに購買情報データベースに記録することを特徴とする。
【００１３】
また，１つまたは複数の店舗に配置したＰＯＳ端末から入力される顧客の購買情報をネットワークを経由して記録，保持する購買情報データベースとは別に電子レシートサーバを設け，個人情報とは異なる購買者識別コードを基に個人が前記電子レシートサーバにアクセスした場合には，前記購買者識別コード毎に収集した前記購買情報データベースと連携して，個人の要求に従って整理または処理して該個人の購買情報を提供することを特徴とする。
【００１４】
また，購買情報データベースの購買情報を個人情報とは異なる購買者識別コード毎に購入パターンや新製品への購買意欲などを分析して分析データとして記録しておき，前記購買者識別コードを基に前記個人が該電子レシートサーバにアクセスした場合には，前記分析データと別途企業等が保有する商品管理データベースおよび／または広告管理データベースと連携させ，該個人に適合する商品情報や広告情報および該個人が購入した商品の付加情報などを提供することを特徴とする。
【００１５】
さらに購買情報データベースの購買情報を個人情報とは異なる購買者識別コード毎に購入パターンや新製品への購買意欲などを分析して分析データとして記録しておき，前記購買者識別コードを基に前記個人が電子レシートサーバにアクセスした場合には，前記分析データと別途企業等が保有する企業システムに予め記録された販売戦略および／または新商品開発戦略と連携させ，該個人に適合する新商品情報や該個人に適合しかつ企業が販売したい商品情報などを提供することを特徴とする。
【００１６】
【発明の実施の形態】
以下に，図を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【００１７】
〔システムの概要〕
図１は，本発明に係るシステム構成例を示す図であって，１は店舗に置かれたＰＯＳ端末，２はインターネットなどの通信網，３は購買情報管理サーバ，３０は購買情報データベース，４は電子レシートサーバ，５はユーザ端末，６はユーザが所有する携帯電話等の移動通信端末，７は個々のユーザの個人情報とは無関係な特定の購買者識別コード，８は商品管理サーバ，８０は商品管理データベース，９は広告管理サーバ，９０は広告管理データベースを表す。また，１００はＰＯＳ端末１から出力されたレシート，１０１はレシート１００に記録されたレシート番号を表す。図中，Ｓ−１〜Ｓ−７はそれぞれ動作を示す。
【００１８】
図１を用いて，本システムの基本的な動作を説明する。今，顧客であるユーザが店舗で買い物をしてＰＯＳ端末１で精算を行うと，ユーザは購買情報を記録したレシート１００を受け取り，購買情報はＰＯＳ端末１から通信網２を経由して購買情報管理サーバ３へ送信され，購買情報データベース３０に記録される（Ｓ−１）。
【００１９】
一方，ユーザはユーザ端未５または移動通信端末６を用いて購買情報管理サーバ３へアクセスし，受け取ったレシート１００に記載されているレシート番号１０１と，ユーザが予め購買情報データベース３０に登録しておいた暗証番号と，ユーザが任意に指定することによりシステム内でユニークに決められた個人情報とは無関係の購買者識別コード７とを投入して，購買情報データベース３０に記録された該ユーザの前記購買情報と，該ユーザの購買者識別コード７とを対応させて記録する（Ｓ−２）。
【００２０】
一方，電子レシートサーバ４は，ユーザ端末５からアクセス（Ｓ−３）があった場合に，該ユーザの要求に従って，該ユーザの購買者識別コード７に対応して記録されている購買情報を購買情報データベース３０から検索し（Ｓ−４），該ユーザの購買動向を調べ，商品情報を商品管理サーバ８の商品管理データベース８０から読み出し（Ｓ−５），また該ユーザに適切と思われる特価品などの広告情報を広告管理サーバ９が管理する広告管理データベース９０から読み出して（Ｓ−６），ユーザ端末５へ送信する（Ｓ−７）。ユーザ端末５の代わりに移動通信端末６で同様の動作を行ってもよい。
【００２１】
本発明によれば，個人を特定するような情報を秘匿しつつ個人毎の購買者識別コード７と購買情報とを対応付けることで，個人の購買動向などを分析でき，個人にとって自分に合った情報が得られるという利点がある。
【００２２】
〔第１の実施の形態〕
図２は，本発明の第１の実施の形態を説明する図であり，購買情報データベース３０のデータベース構造を詳しく示している。３１はユーザが購買した日付，３２は購買商品名，３３は購入価格，３４はレシート番号，３５は購入したユーザの購買者識別コード（ユーザＩＤともいう），の各フィールドである。図中，Ｓ−１１，Ｓ−１２はそれぞれ動作を示す。
【００２３】
ユーザが店舗で買い物をしてＰＯＳ端末１で精算し，レシート１００を受け取る。購買情報は，レシート番号とともにＰＯＳ端末１から購買情報管理サーバ３へ送信され，購買情報データベース３０に記録される（Ｓ−１１）。このとき購買情報データベース３０のユーザＩＤのフィールド３５には，購買者識別コード７は記録されていない。したがってこの状態では，誰が買い物をした購買情報なのかは不明である。
【００２４】
一方，ユーザは，自宅に戻りユーザ端末５から購買情報管理サーバ３にアクセスし，購買情報管理サーバ３に，予めシステムに登録した暗証番号とシステム内でユニークに決められた購買者識別コード７とを投入し，さらに買い物で受け取ったレシート１００のレシート番号１０１を投入すると，購買情報管理サーバ３は，購買情報データベース３０を検索し，レシート番号１０１に該当する購買情報を見つけ，ユーザから受信した購買者識別コード７をユーザＩＤのフィールド３５に書き込む（Ｓ−１２）。
【００２５】
この動作により購買情報データベース３０で購買情報と購買者識別コード７が対応付けられるが，購買者識別コード７だけでは個人を特定することはできないため，個人情報の秘匿が可能である利点がある。また購買者識別コード７は，購買情報管理サーバ３のＷｅｂ画面などによりユーザが任意に書き換えることができるようにしておくことで，さらに秘匿性を高めることができる利点がある。
【００２６】
ユーザが購買者識別コード７を取得する方法として，例えばユーザ端末５から購買情報管理サーバ３にアクセスし，ユーザ端末５に表示されたＷｅｂ画面から，ユーザが任意に決定したユーザＩＤと暗証番号（パスワード）とを入力する方法を用いることができる。購買情報管理サーバ３は，ユーザＩＤと暗証番号の入力に対して，同じユーザＩＤが既に登録されていないかどうかを確認した後，既登録がなければ，そのユーザＩＤを購買者識別コード７として暗証番号とともに登録し記憶する。なお，ユーザＩＤをユーザに入力させるのではなく，システムが一意に決定した購買者識別コード７をユーザからの要求により随時発行してもよい。一人のユーザが複数の購買者識別コード７を登録し所有してもよい。
【００２７】
本システムは，必ずしも購買情報管理サーバ３，電子レシートサーバ４を別のサーバとして実現しなければならないわけではなく，一つのサーバとして実現することもできる。また，電子レシートサーバ４が，商品管理サーバ８または広告管理サーバ９の機能を持つように構築することも可能である。
【００２８】
図３に，第１の実施の形態で用いる購買情報管理サーバ３の構成例を示す。購買情報管理サーバ３は，購買者識別コード発行手段３０１，購買情報受信手段３０２，購買情報記録手段３０３，購買者識別コード・レシート番号入力手段３０４，購買情報・購買者識別コード関連付け手段３０５，購買情報読み出し手段３０６を持ち，購買情報データベース３０を管理する。
【００２９】
購買者識別コード発行手段３０１は，ユーザに対し，ユーザ個人の氏名，住所，年齢，性別，職業，電話番号といった個人の属性を示す個人情報に関連付けられない，それぞれユニークな購買者識別コード７を発行する手段である。例えばユーザ端末５や移動通信端末６から，購買者識別コードの発行要求があると，購買者識別コード発行手段３０１は，購買者識別コード７としてのユーザＩＤおよび暗証番号の入力画面を要求元の端末に表示し，ユーザＩＤと暗証番号の入力を促す。ユーザＩＤと暗証番号の入力があれば，同一のユーザＩＤが既に登録されていないかどうかをチェックし，同一のユーザＩＤが登録されていないことを確認した上で，ユーザＩＤと暗証番号との組の情報を，図示省略した購買者識別コード管理データベースに登録する。同一のユーザＩＤが登録されていれば，その旨を表示し，ユーザに他のユーザＩＤの入力を促す。
【００３０】
さらに，購買者識別コード発行手段３０１は，ユーザからの要求により，既に発行したユーザＩＤを変更する手段も提供する。ユーザＩＤが変更された場合には，購買情報データベース３０中の該当するユーザＩＤのフィールド３５もすべて書き換える。
【００３１】
なお，購買者識別コード発行手段３０１は，購買情報管理サーバ３ではなく，他の装置に存在してもよい。他の装置でユーザに対し購買者識別コード７を発行した場合には，その装置からユーザＩＤと暗証番号との通知を受けて，その購買者識別コードを管理する。
【００３２】
購買情報受信手段３０２は，店舗に設置されたＰＯＳ端末１からユーザが購入した商品の購買情報とその精算時に発行されたレシート１００に記録されたレシート番号１０１とを受信する手段である。購買情報としては，日付，購買商品名または商品コード，購入価格などを受信する。購買情報記録手段３０３は，受信した購買情報をレシート番号１０１とともに購買情報データベース３０に記録する手段である。
【００３３】
購買者識別コード・レシート番号入力手段３０４は，ユーザ端末５またはユーザの移動通信端末６から，購買者識別コード７と商品の購入時に発行されたレシート１００に記録されたレシート番号１０１とを入力する手段である。購買情報・購買者識別コード関連付け手段３０５は，ユーザ端末５または移動通信端末６から入力したレシート番号１０１をキーにして購買情報データベース３０を検索し，該当するレシート番号１０１を持つ購買情報があれば，入力した購買者識別コード７をその購買情報に関連付けて購買情報データベース３０に記録する手段である。
【００３４】
購買情報読み出し手段３０６は，電子レシートサーバ４からの購買者識別コード７を指定した購買情報の読み出し要求に対し，その購買者識別コード７（ユーザＩＤ）を持つ購買情報を購買情報データベース３０から読み出し，電子レシートサーバ４へ送信する手段である。
【００３５】
〔第２の実施の形態〕
図４は，本発明の第２の実施の形態を説明する図である。１２０はＰＯＳ端末１から出力されたレシート，１２１はレシート番号，１２２はレシート１２０に記録されたレシート番号を表す二次元バーコード，６１はカメラ付き移動通信端末である。図中，Ｓ−２１，Ｓ−２２，Ｓ−２３はそれぞれ動作を示す。また，本発明の第２の実施の形態におけるシステム構成は，カメラ付き移動通信端末６１とレシート１２０以外は，図１に示す構成と同様である。
【００３６】
第１の実施の形態と同様にユーザが店舗で買い物をしてＰＯＳ端末１で精算し，レシート１２０を受け取る。購買情報は，ＰＯＳ端末１から購買情報管理サーバ３へ送信され，購買情報データベース３０に記録される（Ｓ−２１）。このとき購買情報データベース３０の購買情報には，購買者識別コード７は記録されていない。
【００３７】
一方，ユーザは，受け取ったレシート１２０に記録されているレシート番号１２１の二次元バーコード１２２をカメラ付き移動通信端末６１で撮影して読み込み（Ｓ−２２），カメラ付き移動通信端末６１から購買情報管理サーバ３にアクセスして，予めシステムから取得した暗証番号と，ユーザが任意に指定することによりシステム内でユニークに決められた購買者識別コード７と，レシートの二次元バーコード１２２またはそれを解読した結果とを送信する。
【００３８】
購買情報管理サーバ３では，購買情報データベース３０に，ユーザのカメラ付き移動通信端末６１から受信した購買者識別コード７を，レシート番号が一致する購買情報のレコードにおけるユーザＩＤのフィールド３５に書き込む（Ｓ−２３）。ここで，二次元バーコード１２２の解読は，カメラ付き移動通信端末６１で行うようにしてもよいし，購買情報管理サーバ３で行うようにしてもよい。二次元バーコード１２２の解読を購買情報管理サーバ３で行う場合，図３に示す購買情報管理サーバ３の購買者識別コード・レシート番号入力手段３０４は，カメラ付き移動通信端末６１で撮影された二次元バーコード１２２の画像を解読し，レシート番号を認識する。
【００３９】
本実施の形態によれば，ユーザがカメラ付き移動通信端末６１にてレシート番号の二次元バーコード１２２を読み取り，カメラ付き移動通信端末６１に記録しておいた購買者識別コード７とともに購買情報管理サーバ３へ送信することで買い物とほぼ同時に，購買情報と購買者識別コード７との対応付けができる利点がある。
【００４０】
〔第３の実施の形態〕
図５は，本発明の第３の実施の形態を説明する図である。１１はスキャナ等により二次元バーコードを読み取ることが可能なＰＯＳ端末，６２は二次元バーコードが表示可能な携帯端末である。図中，Ｓ−３１〜Ｓ−３４はそれぞれ動作を示す。第３の実施の形態では，前述した実施の形態と，ＰＯＳ端末１１，携帯端末６２が異なり，また，購買情報管理サーバ３の一部が異なる。
【００４１】
第３の実施の形態の場合，図３に示す購買情報管理サーバ３の購買者識別コード発行手段３０１は，ユーザからの購買者識別コード７の発行要求に対して，購買者識別コード７を表す二次元バーコードの画像ファイルをユーザ端末５へ送信する。また，購買者識別コード・レシート番号入力手段３０４，購買情報・購買者識別コード関連付け手段３０５はなく，代わりに購買情報受信手段３０２が購買情報と購買者識別コード７を表す二次元バーコード情報またはその解読結果とをＰＯＳ端末１１から受信するように構成されている。購買情報記録手段３０３は，ユーザの購買情報と購買者識別コード７とを関連付けて購買情報データベース３に登録する。
【００４２】
第３の実施の形態の動作は，以下のとおりである。ユーザは，予め購買情報管理サーバ３から個人情報を秘匿した状態で購買者識別コード７を表す二次元バーコードの画像ファイルをユーザ端末５などにダウンロードして（Ｓ−３１），該二次元バーコードの画像ファイルを携帯端末６２へ記憶媒体や通信ケーブル等を利用して転送しておく（Ｓ−３２）。携帯端未６２が通信網２に接続できる機種の場合には，直接，購買者識別コード７を表す二次元バーコードの画像ファイルを購買情報管理サーバ３からダウンロードしてもよい。
【００４３】
その後，ユーザが店舗で買い物をしてＰＯＳ端末１１で精算する場合に，携帯端末６２の画面に二次元バーコードを表示し，ＰＯＳ端末１１に読み取らせ（Ｓ−３３），該ＰＯＳ端末１１は，購買情報とともに二次元バーコード情報を購買情報管理サーバ３へ送信する。購買情報管理サーバ３では，受信した二次元バーコードを解析し，解析結果の購買者識別コード７を購買情報とともに購買情報データベース３０に記録する（Ｓ−３４）。なお，二次元バーコードをＰＯＳ端末１１が解読して，その結果を購買情報管理サーバ３へ送信してもよい。
【００４４】
本システムによれば，ユーザが購買時に携帯端末６２から購買者識別コード７の二次元バーコード情報をＰＯＳ端末１１に読み取らせるだけで，購買情報データベース３０で購買情報と購買者識別コード７の対応付けを行うことができ，買い物の後でユーザがいちいちレシート番号や購買者識別コード７を送信するという手間が省けるという利点がある。さらに購買者識別コード７が二次元バーコードされているため一般には解読しにくいという利点がある。
【００４５】
〔第４の実施の形態〕
図６は，本発明の第４の実施の形態を説明する図である。１２は，磁気カードまたはＩＣカードなどのデータを読み取ることができるＰＯＳ端末，１０はユーザが保有する磁気カードまたはＩＣカードである。図中，Ｓ−４１，Ｓ−４２はそれぞれ動作を示す。また，本発明の第４の実施の形態におけるシステム構成は，ＰＯＳ端末１２，磁気カードまたはＩＣカード１０および購買情報管理サーバ３の一部以外は，図１に示すシステム構成と同様である。
【００４６】
まずユーザは，購買者識別コード７が記録された磁気カード１０等を自動販売機等で購入するか店舗で無作為に配布しているものを手に入れておく。次に，ユーザが店舗で買い物をしてＰＯＳ端末１２で精算する場合に，ユーザは事前に入手した磁気カード１０等を店員に渡し，店員はその磁気カード１０等に記録されている購買者識別コード７をＰＯＳ端末１２に読み取らせる（Ｓ−４１）。ＰＯＳ端未１２は，購買情報とともに読み取った購買者識別コード７を購買情報管理サーバ３へ送信する（Ｓ−４２）。購買情報管理サーバ３は，受信した購買情報を購買者識別コード７とともに，購買情報データベース３０に記録する。
【００４７】
本システムによれば，誰が手に入れたか特定できないようにした磁気カード１０等に記録された購買者識別コード７と購買情報との対応付けを行うことで，個人を特定することは不可能であり，個人の秘匿性が守られたまま購買情報と購買者識別コード７との対応付けができる利点がある。また，買い物の後でユーザがいちいちレシート番号や購買者識別コード７を送信するという手間が省けるという利点がある。
【００４８】
〔第５の実施の形態〕
図７は，本発明の第５の実施の形態を説明する図である。２１はデータマイニングサーバ，２２はマーケッティングサーバ，２３は商品コード管理サーバ，２４は付加情報提供サーバである。図中，Ｓ−５１〜Ｓ−５７，Ｓ−６１〜Ｓ６７はそれぞれ動作を示す。また，本発明の第５の実施の形態におけるシステム構成は，データマイニングサーバ２１，マーケッティングサーバ２２，商品コード管理サーバ２３，付加情報提供サーバ２４以外は，図１に示すシステム構成と同様である。
【００４９】
今，購買情報データベース３０には，ユーザの購買履歴が購買情報として記録されている。ユーザが，ユーザ端末５から購買者識別コード７を付加して電子レシートサーバ４にアクセスし（Ｓ−５１），自分の今月分の購買履歴を家計簿情報として出力するように要求すると，電子レシートサーバ４は，購買情報管理サーバ３が管理する購買情報データベース３０から購買情報を読み出し（Ｓ−５２），購買履歴の整理を行うとともに，データマイニングサーバ２１に購買情報を送って無駄な買い物がないかなどユーザにとって有効な分析をし（Ｓ−５３），さらに購買情報を商品管理サーバ８に送って生産地や賞味期限などを調べ（Ｓ−５４），また，購買情報を付加情報提供サーバ２４に送って，購買情報から可能な料理のレシピや調理方法などを調べ（Ｓ−５５），さらに購買情報を広告管理サーバ９に送って，購買履歴からユーザが好む商品，例えば購入品の姉妹品や他メーカの類似品等の広告情報を取り出し（Ｓ−５６），これらの情報とともに家計簿情報をユーザに提供する（Ｓ−５７）。
【００５０】
図８に，電子レシートサーバ４と商品管理サーバ８および広告管理サーバ９との情報のやり取りの例を示す。
【００５１】
商品管理サーバ８は，各種の商品を商品管理データベース８０によって管理している。商品管理データベース８０には，商品を識別する商品ＩＤ，商品名，商品の分類を示すカテゴリ，価格，製造元情報もしくは生産地，賞味期限といった各種の商品情報が記録されている。
【００５２】
また，広告管理サーバ８は，各種の広告情報を広告管理データベース９０によって管理している。広告管理データベース９０には，商品を識別する商品ＩＤ，商品の分類を示すカテゴリ，広告内容，広告の画像を示す画像ＩＤや，特価品等の広告情報が記録されている。
【００５３】
電子レシートサーバ４は，例えばユーザＡの購買者識別コードをもとに，購買情報管理サーバ３から図８に示す購買情報ＰＡ を取得すると，その購買情報ＰＡ を商品管理サーバ８へ送り，商品管理データベース８０に予め登録されている各商品の詳細情報，例えば野菜や果物であれば，産地，生産者，農薬量といった情報を取得し，ユーザＡに提示する。同様に，広告管理サーバ９に購買情報ＰＡ を送り，広告管理サーバ９から，ユーザＡがよく購入する商品と関連の深い商品（例えば同じカテゴリの商品）の広告情報を得て，ユーザＡに提示する。
【００５４】
別の例として，ユーザがユーザ端末５から購買者識別コード７を付加して電子レシートサーバ４にアクセスして（Ｓ−６１），自分の購買履歴を家計簿情報として出力するように要求すると，電子レシートサーバ４は，購買情報管理サーバ３が管理する購買情報データベース３０からユーザの購買情報を取り出し（Ｓ−６２），データマイニングサーバ２１へ送って，ユーザがよく買う商品カテゴリのリスト，好みの色やタイプ，購入商品の組み合わせパターン等を抽出し（Ｓ−６３），抽出した結果をマーケッティングサーバ２２へ送って，商品カテゴリ毎に，推薦商品の選出基準の優先順が記述されるマーケッティングポリシーを参照し，推薦商品の絞り込み条件（価格帯や発売日など）を抽出し，さらにセール対象などの特に薦める商品カテゴリがあれば，それも抽出し（Ｓ−６４），抽出した条件とカテゴリを商品コード管理サーバ２３へ送って，該当する商品の商品コード（商品ＩＤ）を得て（Ｓ−６５），さらに広告管理サーバ９の広告管理データベース９０から該当する商品の広告情報を取り出して（Ｓ−６６），これらの情報をユーザ端末５へ送信する（Ｓ−６７）。
【００５５】
なお，ユーザは，家計簿情報の要求とは別に，これらの情報をお勧め情報としていつでも電子レシートサーバ４に対して要求することもできる。
【００５６】
図９に，電子レシートサーバ４と，データマイニングサーバ２１およびマーケッテイングサーバ２２との情報のやり取りの例を示す。
【００５７】
図９のように，データマイニングサーバ２１は，電子レシートサーバ４からユーザＢの購買情報ＰＢ を受信すると，その購買情報ＰＢ について，統計情報，重回帰分析，バスケット分析など，各種データマイニング手法を用いてデータマイニングを行う。データマイニングの結果として，例えばユーザＢの購入商品は，化粧品，衣服が多いとか，服は黒，靴は茶色が多いとか，服とハンカチを同時に買うことが多いといった購入パターン分析結果が得られる。この例では，購入パターン分析結果として，ユーザＢがよく買う商品カテゴリのリスト（化粧品，ジャケット）および好みのタイプや色等の情報が，データマイニングサーバ２１から電子レシートサーバ４へ送信される。電子レシートサーバ４は，ユーザＢからの要求があれば，その購入パターン分析結果の情報をユーザＢに提示する。
【００５８】
また，電子レシートサーバ４は，ユーザＢがよく買う商品カテゴリのリスト等の購入パターン分析結果をマーケッティングサーバ２２へ送る。マーケッティングサーバ２２は，化粧品，ジャケットといった商品カテゴリ毎に，推薦商品の選出基準の優先順が記述されるマーケッティングポリシーを参照し，推薦商品の絞り込み条件（価格帯や発売日など）や，さらにセール対象などの特に薦める商品カテゴリがあれば，それも抽出し，結果を電子レシートサーバ４へ通知する。マーケッティングポリシー中のクラスの情報は，例えば推薦商品３品のうち，クラスＡは２品，クラスＢは１品といった具合にランク付けを行う情報である。
【００５９】
電子レシートサーバ４は，商品絞り込み条件と商品カテゴリを商品コード管理サーバ２３へ送り，該当する商品の商品ＩＤを得て，その商品ＩＤをもとに，広告管理サーバ９から広告情報を取り出し，ユーザＢに提示する。
【００６０】
ここで，図中の購買情報管理サーバ３，電子レシートサーバ４およびその他の８〜２４の各種サーバまたはデータベース機能は，本購買情報管理システムを構築・運用する店舗にて１台，あるいは数台のサーバマシンを用いて構築してもよいし，各々のサーバ機能をアウトソーシングして第三者の提供する機能を利用してもよい。
【００６１】
本システムによれば，ユーザは，個人情報を秘匿した購買履歴から，購買情報を入力することなく家計簿情報を得ることができ，さらに購買品に関するアドバイスや情報を得ることができる。また自分の好みや年齢などを入力することなく，自分に適合する商品の情報を得ることができる利点がある。
【００６２】
【発明の効果】
以上説明したように，本発明によれば以下のような種々の利点がある。
【００６３】
個人を特定するような情報を秘匿しつつ個人毎の購買者識別コードと購買情報とを対応付けることで，個人の購買動向などを分析でき，個人にとって自分にあった情報が得られるという利点がある。
【００６４】
また，購買情報データベースで購買情報と購買者識別コードが対応付けられるが，購買者識別コードだけでは個人を特定することはできないため，個人情報の秘匿が可能である利点がある。購買者識別コードは，ユーザが任意に書き換えることができるようにしておくことで，さらに秘匿性を高めることができる利点がある。
【００６５】
また，ユーザがカメラ付き移動通信端末にてレシート番号を読み取り，移動通信端未に記録しておいた購買者識別コードとともに購買情報管理サーバへ送信することで買い物とほぼ同時に，購買情報と購買者識別コードとの対応付けができる利点がある。
【００６６】
さらに，ユーザが購買時に移動通信端末から購買者識別コードの二次元バーコード等のバーコード情報をＰＯＳ端末に読み取らせるだけで，購買情報と購買者識別コードの対応付けを行うことができ，さらに購買者識別コードがバーコード化されているため一般には解読しにくいという利点がある。また，誰が手に入れたか特定できないようにした磁気カード等に記録された購買者識別コードと購買情報との対応付けを行うことで，個人を特定することは不可能であり，個人の秘匿性が守られたまま購買情報と購買者識別コードとの対応付けができる利点がある。
【００６７】
さらにユーザは，個人情報を秘匿した購買履歴から，購買情報を入力することなく家計簿情報を得ることができ，さらに購買品に関するアドバイスや情報を得ることができる。また自分の好みや年齢などを入力することなく，自分に適合する商品の情報を得ることができる利点がある。
【００６８】
また，店舗側にとっては，以上のように購入履歴を利用することで，個人情報を用いなくともユーザの嗜好や購買パターンを知ることができ，個人情報の漏洩を気にするユーザをもマーケッティングやデータマイニングの対象とすることが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のシステム構成の概要を示す図である。
【図２】本発明の第１の実施の形態を説明する図である。
【図３】購買情報管理サーバの構成例を示す図である。
【図４】本発明の第２の実施の形態を説明する図である。
【図５】本発明の第３の実施の形態を説明する図である。
【図６】本発明の第４の実施の形態を説明する図である。
【図７】本発明の第５の実施の形態を説明する図である。
【図８】電子レシートサーバと，商品管理サーバおよび広告管理サーバとの情報のやり取りの例を示す図である。
【図９】電子レシートサーバと，データマイニングサーバおよびマーケッテイングサーバとの情報のやり取りの例を示す図である。
【符号の説明】
１，１１，１２ ＰＯＳ端末
２ 通信網
３ 購買情報管理サーバ
４ 電子レシートサーバ
５ ユーザ端末
６ 移動通信端末
７ 購買者識別コード
８ 商品管理サーバ
９ 広告管理サーバ
１０ 磁気カードまたはＩＣカード
２１ データマイニングサーバ
２２ マーケッティングサーバ
２３ 商品コード管理サーバ
２４ 付加情報提供サーバ
３０ 購買情報データベース
３１ 日付のフィールド
３２ 購買商品名のフィールド
３３ 購入価格のフィールド
３４ レシート番号のフィールド
３５ ユーザＩＤのフィールド
６１ カメラ付き移動通信端末
６２ 携帯端末
８０ 商品管理データベース
９０ 広告管理データベース
１００，１２０ レシート
１０１，１２１ レシート番号
１２２ 二次元バーコード
３０１ 購買者識別コード発行手段
３０２ 購買情報受信手段
３０３ 購買情報記録手段
３０４ 購買者識別コード・レシート番号入力手段
３０５ 購買情報・購買者識別コード関連付け手段
３０６ 購買情報読み出し手段
【発明の属する技術分野】
本発明は，ＰＯＳ（Ｐｏｉｎｔ Ｏｆ Ｓａｌｅｓ）端末により個人の購買情報を収集し，その購買情報を分析して個人に適合した情報を提供するための技術に関し，特に，個人情報を秘匿しつつ個人毎の購買情報を収集，分析し，個人に対し商品情報を提供することを可能とした購買情報管理システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年，スーパーなどで見られるように，顧客が商品を購買する場合，店舗側は，あらかじめ商品にバーコードを貼付しておき，そのバーコードをＰＯＳ端末で読み取ってレシートを発行し精算する方法が普及している。
【０００３】
一方，以下の特許文献１に記載されているように，個人が個人情報を申し込み用紙などに記入して店舗の会員に登録し，会員カードを取得し，精算時に該会員カードをＰＯＳ端末で読み取らせて，個人へポイント付与などのサービスを行うとともに購買情報と個人情報の結合を図ってデータベースなどへ蓄積し，購買情報と住所や性別，年齢などの顧客属性を調べ，該個人へ広告情報などを提供する方法がある。
【０００４】
また，以下の特許文献２に見られるように，ＰＯＳ端末の購買情報を分析して商品情報を個人へ自動的に提供する方法がある。しかし，これらの方法では，店舗側に対する個人情報の秘匿は前提とはなっていない。一般に，店舗側で個人の購買情報を基に該個人へ商品情報などを提供する場合に，氏名や住所等の個人情報無しに行うことは困難であった。
【０００５】
また，従来，店舗側で個人情報を扱う際には，第三者への情報の漏洩を防ぐための対策を施すのは常識となっているが，１００％のセキュリティはありえず，特にインターネット等のネットワークを介した場合には種々のセキュリティ問題が絶えることなく発覚している。このような背景から個人情報の漏洩や悪用を恐れ個人情報を登録して会員になることを避けている人達を，マーケッティングやデータマイニングの対象にするのが困難であった。
【０００６】
【特許文献１】
特開２００２−１０９３８２号公報
【特許文献１】
特開２０００−２０７４６０号公報
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は，上記問題を解決するためになされたもので，個人情報を秘匿しつつ，個人毎の購買情報を収集，分析して，個人に適合した商品情報，広告情報などの提供を可能にすることを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため，本発明は，レシートから得られる購買情報を収集し，この購買情報を，個人の属性とは切り離した個人を表す識別子に携帯電話や二次元バーコードなどの様々な手段で対応付け，次に収集した購買情報による購入履歴のみを基にして，商品情報を提供することを主要な特徴としている。これによって，ユーザに，個人の氏名，住所，年齢，電話番号などの属性情報の漏洩の心配をかけることなく個人の購買情報を取得することが可能になり，個人に有用な商品情報，広告情報の提供が可能になる。
【０００９】
具体的には，本発明は，１つまたは複数の店舗に配置したＰＯＳ端末へ入力される顧客の購買情報をネットワークを経由して購買情報データベースに記録，保持する購買情報管理システムにおいて，個人が店舗等で商品を購入する場合に，ＰＯＳ端末による精算時に，個人の購買情報をレシート番号とともに前記購買情報データベースに記録し，該個人は，別途，前記精算時に受け取ったレシートに記録されたレシート番号と，個人の個人情報とは異なる特定の購買者識別コードを前記購買情報データベースにアクセスして入力し，前記個人の購買情報と関連付けることを特徴とする。
【００１０】
また，個人が店舗等で商品等を購入する場合に，ＰＯＳ端末による精算時に，個人の購買情報をレシート番号または二次元バーコードとともに前記購買情報データベースに記録し，該個人は，別途，カメラ付きの通信端末により前記精算時に受け取ったレシートに記録されたレシート番号または二次元バーコードを撮影し，該撮影情報と個人の個人情報とは異なる特定の購買者識別コードを前記購買情報データベースに送信して，前記個人の購買情報と関連付けることを特徴とする。
【００１１】
さらに，個人が店舗等で商品等を購入する場合に，ＰＯＳ端末による精算時に，個人所有の通信端末から予め個人が取得した個人情報とは異なる購買者識別コードを二次元バーコードとして前記ＰＯＳ端末に入力し，前記ＰＯＳ端末は個人の購買情報を前記購買者識別コードとともに購買情報データベースに記録することを特徴とする。
【００１２】
また，個人が店舗等で商品等を購入する場合に，ＰＯＳ端末による精算時に，予め個人が取得した個人情報とは異なる購買者識別コードを記録した記録媒体から前記ＰＯＳ端末に前記購買者識別コードを読み取らせ，前記ＰＯＳ端末は個人の購買情報を前記購買者識別コードとともに購買情報データベースに記録することを特徴とする。
【００１３】
また，１つまたは複数の店舗に配置したＰＯＳ端末から入力される顧客の購買情報をネットワークを経由して記録，保持する購買情報データベースとは別に電子レシートサーバを設け，個人情報とは異なる購買者識別コードを基に個人が前記電子レシートサーバにアクセスした場合には，前記購買者識別コード毎に収集した前記購買情報データベースと連携して，個人の要求に従って整理または処理して該個人の購買情報を提供することを特徴とする。
【００１４】
また，購買情報データベースの購買情報を個人情報とは異なる購買者識別コード毎に購入パターンや新製品への購買意欲などを分析して分析データとして記録しておき，前記購買者識別コードを基に前記個人が該電子レシートサーバにアクセスした場合には，前記分析データと別途企業等が保有する商品管理データベースおよび／または広告管理データベースと連携させ，該個人に適合する商品情報や広告情報および該個人が購入した商品の付加情報などを提供することを特徴とする。
【００１５】
さらに購買情報データベースの購買情報を個人情報とは異なる購買者識別コード毎に購入パターンや新製品への購買意欲などを分析して分析データとして記録しておき，前記購買者識別コードを基に前記個人が電子レシートサーバにアクセスした場合には，前記分析データと別途企業等が保有する企業システムに予め記録された販売戦略および／または新商品開発戦略と連携させ，該個人に適合する新商品情報や該個人に適合しかつ企業が販売したい商品情報などを提供することを特徴とする。
【００１６】
【発明の実施の形態】
以下に，図を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【００１７】
〔システムの概要〕
図１は，本発明に係るシステム構成例を示す図であって，１は店舗に置かれたＰＯＳ端末，２はインターネットなどの通信網，３は購買情報管理サーバ，３０は購買情報データベース，４は電子レシートサーバ，５はユーザ端末，６はユーザが所有する携帯電話等の移動通信端末，７は個々のユーザの個人情報とは無関係な特定の購買者識別コード，８は商品管理サーバ，８０は商品管理データベース，９は広告管理サーバ，９０は広告管理データベースを表す。また，１００はＰＯＳ端末１から出力されたレシート，１０１はレシート１００に記録されたレシート番号を表す。図中，Ｓ−１〜Ｓ−７はそれぞれ動作を示す。
【００１８】
図１を用いて，本システムの基本的な動作を説明する。今，顧客であるユーザが店舗で買い物をしてＰＯＳ端末１で精算を行うと，ユーザは購買情報を記録したレシート１００を受け取り，購買情報はＰＯＳ端末１から通信網２を経由して購買情報管理サーバ３へ送信され，購買情報データベース３０に記録される（Ｓ−１）。
【００１９】
一方，ユーザはユーザ端未５または移動通信端末６を用いて購買情報管理サーバ３へアクセスし，受け取ったレシート１００に記載されているレシート番号１０１と，ユーザが予め購買情報データベース３０に登録しておいた暗証番号と，ユーザが任意に指定することによりシステム内でユニークに決められた個人情報とは無関係の購買者識別コード７とを投入して，購買情報データベース３０に記録された該ユーザの前記購買情報と，該ユーザの購買者識別コード７とを対応させて記録する（Ｓ−２）。
【００２０】
一方，電子レシートサーバ４は，ユーザ端末５からアクセス（Ｓ−３）があった場合に，該ユーザの要求に従って，該ユーザの購買者識別コード７に対応して記録されている購買情報を購買情報データベース３０から検索し（Ｓ−４），該ユーザの購買動向を調べ，商品情報を商品管理サーバ８の商品管理データベース８０から読み出し（Ｓ−５），また該ユーザに適切と思われる特価品などの広告情報を広告管理サーバ９が管理する広告管理データベース９０から読み出して（Ｓ−６），ユーザ端末５へ送信する（Ｓ−７）。ユーザ端末５の代わりに移動通信端末６で同様の動作を行ってもよい。
【００２１】
本発明によれば，個人を特定するような情報を秘匿しつつ個人毎の購買者識別コード７と購買情報とを対応付けることで，個人の購買動向などを分析でき，個人にとって自分に合った情報が得られるという利点がある。
【００２２】
〔第１の実施の形態〕
図２は，本発明の第１の実施の形態を説明する図であり，購買情報データベース３０のデータベース構造を詳しく示している。３１はユーザが購買した日付，３２は購買商品名，３３は購入価格，３４はレシート番号，３５は購入したユーザの購買者識別コード（ユーザＩＤともいう），の各フィールドである。図中，Ｓ−１１，Ｓ−１２はそれぞれ動作を示す。
【００２３】
ユーザが店舗で買い物をしてＰＯＳ端末１で精算し，レシート１００を受け取る。購買情報は，レシート番号とともにＰＯＳ端末１から購買情報管理サーバ３へ送信され，購買情報データベース３０に記録される（Ｓ−１１）。このとき購買情報データベース３０のユーザＩＤのフィールド３５には，購買者識別コード７は記録されていない。したがってこの状態では，誰が買い物をした購買情報なのかは不明である。
【００２４】
一方，ユーザは，自宅に戻りユーザ端末５から購買情報管理サーバ３にアクセスし，購買情報管理サーバ３に，予めシステムに登録した暗証番号とシステム内でユニークに決められた購買者識別コード７とを投入し，さらに買い物で受け取ったレシート１００のレシート番号１０１を投入すると，購買情報管理サーバ３は，購買情報データベース３０を検索し，レシート番号１０１に該当する購買情報を見つけ，ユーザから受信した購買者識別コード７をユーザＩＤのフィールド３５に書き込む（Ｓ−１２）。
【００２５】
この動作により購買情報データベース３０で購買情報と購買者識別コード７が対応付けられるが，購買者識別コード７だけでは個人を特定することはできないため，個人情報の秘匿が可能である利点がある。また購買者識別コード７は，購買情報管理サーバ３のＷｅｂ画面などによりユーザが任意に書き換えることができるようにしておくことで，さらに秘匿性を高めることができる利点がある。
【００２６】
ユーザが購買者識別コード７を取得する方法として，例えばユーザ端末５から購買情報管理サーバ３にアクセスし，ユーザ端末５に表示されたＷｅｂ画面から，ユーザが任意に決定したユーザＩＤと暗証番号（パスワード）とを入力する方法を用いることができる。購買情報管理サーバ３は，ユーザＩＤと暗証番号の入力に対して，同じユーザＩＤが既に登録されていないかどうかを確認した後，既登録がなければ，そのユーザＩＤを購買者識別コード７として暗証番号とともに登録し記憶する。なお，ユーザＩＤをユーザに入力させるのではなく，システムが一意に決定した購買者識別コード７をユーザからの要求により随時発行してもよい。一人のユーザが複数の購買者識別コード７を登録し所有してもよい。
【００２７】
本システムは，必ずしも購買情報管理サーバ３，電子レシートサーバ４を別のサーバとして実現しなければならないわけではなく，一つのサーバとして実現することもできる。また，電子レシートサーバ４が，商品管理サーバ８または広告管理サーバ９の機能を持つように構築することも可能である。
【００２８】
図３に，第１の実施の形態で用いる購買情報管理サーバ３の構成例を示す。購買情報管理サーバ３は，購買者識別コード発行手段３０１，購買情報受信手段３０２，購買情報記録手段３０３，購買者識別コード・レシート番号入力手段３０４，購買情報・購買者識別コード関連付け手段３０５，購買情報読み出し手段３０６を持ち，購買情報データベース３０を管理する。
【００２９】
購買者識別コード発行手段３０１は，ユーザに対し，ユーザ個人の氏名，住所，年齢，性別，職業，電話番号といった個人の属性を示す個人情報に関連付けられない，それぞれユニークな購買者識別コード７を発行する手段である。例えばユーザ端末５や移動通信端末６から，購買者識別コードの発行要求があると，購買者識別コード発行手段３０１は，購買者識別コード７としてのユーザＩＤおよび暗証番号の入力画面を要求元の端末に表示し，ユーザＩＤと暗証番号の入力を促す。ユーザＩＤと暗証番号の入力があれば，同一のユーザＩＤが既に登録されていないかどうかをチェックし，同一のユーザＩＤが登録されていないことを確認した上で，ユーザＩＤと暗証番号との組の情報を，図示省略した購買者識別コード管理データベースに登録する。同一のユーザＩＤが登録されていれば，その旨を表示し，ユーザに他のユーザＩＤの入力を促す。
【００３０】
さらに，購買者識別コード発行手段３０１は，ユーザからの要求により，既に発行したユーザＩＤを変更する手段も提供する。ユーザＩＤが変更された場合には，購買情報データベース３０中の該当するユーザＩＤのフィールド３５もすべて書き換える。
【００３１】
なお，購買者識別コード発行手段３０１は，購買情報管理サーバ３ではなく，他の装置に存在してもよい。他の装置でユーザに対し購買者識別コード７を発行した場合には，その装置からユーザＩＤと暗証番号との通知を受けて，その購買者識別コードを管理する。
【００３２】
購買情報受信手段３０２は，店舗に設置されたＰＯＳ端末１からユーザが購入した商品の購買情報とその精算時に発行されたレシート１００に記録されたレシート番号１０１とを受信する手段である。購買情報としては，日付，購買商品名または商品コード，購入価格などを受信する。購買情報記録手段３０３は，受信した購買情報をレシート番号１０１とともに購買情報データベース３０に記録する手段である。
【００３３】
購買者識別コード・レシート番号入力手段３０４は，ユーザ端末５またはユーザの移動通信端末６から，購買者識別コード７と商品の購入時に発行されたレシート１００に記録されたレシート番号１０１とを入力する手段である。購買情報・購買者識別コード関連付け手段３０５は，ユーザ端末５または移動通信端末６から入力したレシート番号１０１をキーにして購買情報データベース３０を検索し，該当するレシート番号１０１を持つ購買情報があれば，入力した購買者識別コード７をその購買情報に関連付けて購買情報データベース３０に記録する手段である。
【００３４】
購買情報読み出し手段３０６は，電子レシートサーバ４からの購買者識別コード７を指定した購買情報の読み出し要求に対し，その購買者識別コード７（ユーザＩＤ）を持つ購買情報を購買情報データベース３０から読み出し，電子レシートサーバ４へ送信する手段である。
【００３５】
〔第２の実施の形態〕
図４は，本発明の第２の実施の形態を説明する図である。１２０はＰＯＳ端末１から出力されたレシート，１２１はレシート番号，１２２はレシート１２０に記録されたレシート番号を表す二次元バーコード，６１はカメラ付き移動通信端末である。図中，Ｓ−２１，Ｓ−２２，Ｓ−２３はそれぞれ動作を示す。また，本発明の第２の実施の形態におけるシステム構成は，カメラ付き移動通信端末６１とレシート１２０以外は，図１に示す構成と同様である。
【００３６】
第１の実施の形態と同様にユーザが店舗で買い物をしてＰＯＳ端末１で精算し，レシート１２０を受け取る。購買情報は，ＰＯＳ端末１から購買情報管理サーバ３へ送信され，購買情報データベース３０に記録される（Ｓ−２１）。このとき購買情報データベース３０の購買情報には，購買者識別コード７は記録されていない。
【００３７】
一方，ユーザは，受け取ったレシート１２０に記録されているレシート番号１２１の二次元バーコード１２２をカメラ付き移動通信端末６１で撮影して読み込み（Ｓ−２２），カメラ付き移動通信端末６１から購買情報管理サーバ３にアクセスして，予めシステムから取得した暗証番号と，ユーザが任意に指定することによりシステム内でユニークに決められた購買者識別コード７と，レシートの二次元バーコード１２２またはそれを解読した結果とを送信する。
【００３８】
購買情報管理サーバ３では，購買情報データベース３０に，ユーザのカメラ付き移動通信端末６１から受信した購買者識別コード７を，レシート番号が一致する購買情報のレコードにおけるユーザＩＤのフィールド３５に書き込む（Ｓ−２３）。ここで，二次元バーコード１２２の解読は，カメラ付き移動通信端末６１で行うようにしてもよいし，購買情報管理サーバ３で行うようにしてもよい。二次元バーコード１２２の解読を購買情報管理サーバ３で行う場合，図３に示す購買情報管理サーバ３の購買者識別コード・レシート番号入力手段３０４は，カメラ付き移動通信端末６１で撮影された二次元バーコード１２２の画像を解読し，レシート番号を認識する。
【００３９】
本実施の形態によれば，ユーザがカメラ付き移動通信端末６１にてレシート番号の二次元バーコード１２２を読み取り，カメラ付き移動通信端末６１に記録しておいた購買者識別コード７とともに購買情報管理サーバ３へ送信することで買い物とほぼ同時に，購買情報と購買者識別コード７との対応付けができる利点がある。
【００４０】
〔第３の実施の形態〕
図５は，本発明の第３の実施の形態を説明する図である。１１はスキャナ等により二次元バーコードを読み取ることが可能なＰＯＳ端末，６２は二次元バーコードが表示可能な携帯端末である。図中，Ｓ−３１〜Ｓ−３４はそれぞれ動作を示す。第３の実施の形態では，前述した実施の形態と，ＰＯＳ端末１１，携帯端末６２が異なり，また，購買情報管理サーバ３の一部が異なる。
【００４１】
第３の実施の形態の場合，図３に示す購買情報管理サーバ３の購買者識別コード発行手段３０１は，ユーザからの購買者識別コード７の発行要求に対して，購買者識別コード７を表す二次元バーコードの画像ファイルをユーザ端末５へ送信する。また，購買者識別コード・レシート番号入力手段３０４，購買情報・購買者識別コード関連付け手段３０５はなく，代わりに購買情報受信手段３０２が購買情報と購買者識別コード７を表す二次元バーコード情報またはその解読結果とをＰＯＳ端末１１から受信するように構成されている。購買情報記録手段３０３は，ユーザの購買情報と購買者識別コード７とを関連付けて購買情報データベース３に登録する。
【００４２】
第３の実施の形態の動作は，以下のとおりである。ユーザは，予め購買情報管理サーバ３から個人情報を秘匿した状態で購買者識別コード７を表す二次元バーコードの画像ファイルをユーザ端末５などにダウンロードして（Ｓ−３１），該二次元バーコードの画像ファイルを携帯端末６２へ記憶媒体や通信ケーブル等を利用して転送しておく（Ｓ−３２）。携帯端未６２が通信網２に接続できる機種の場合には，直接，購買者識別コード７を表す二次元バーコードの画像ファイルを購買情報管理サーバ３からダウンロードしてもよい。
【００４３】
その後，ユーザが店舗で買い物をしてＰＯＳ端末１１で精算する場合に，携帯端末６２の画面に二次元バーコードを表示し，ＰＯＳ端末１１に読み取らせ（Ｓ−３３），該ＰＯＳ端末１１は，購買情報とともに二次元バーコード情報を購買情報管理サーバ３へ送信する。購買情報管理サーバ３では，受信した二次元バーコードを解析し，解析結果の購買者識別コード７を購買情報とともに購買情報データベース３０に記録する（Ｓ−３４）。なお，二次元バーコードをＰＯＳ端末１１が解読して，その結果を購買情報管理サーバ３へ送信してもよい。
【００４４】
本システムによれば，ユーザが購買時に携帯端末６２から購買者識別コード７の二次元バーコード情報をＰＯＳ端末１１に読み取らせるだけで，購買情報データベース３０で購買情報と購買者識別コード７の対応付けを行うことができ，買い物の後でユーザがいちいちレシート番号や購買者識別コード７を送信するという手間が省けるという利点がある。さらに購買者識別コード７が二次元バーコードされているため一般には解読しにくいという利点がある。
【００４５】
〔第４の実施の形態〕
図６は，本発明の第４の実施の形態を説明する図である。１２は，磁気カードまたはＩＣカードなどのデータを読み取ることができるＰＯＳ端末，１０はユーザが保有する磁気カードまたはＩＣカードである。図中，Ｓ−４１，Ｓ−４２はそれぞれ動作を示す。また，本発明の第４の実施の形態におけるシステム構成は，ＰＯＳ端末１２，磁気カードまたはＩＣカード１０および購買情報管理サーバ３の一部以外は，図１に示すシステム構成と同様である。
【００４６】
まずユーザは，購買者識別コード７が記録された磁気カード１０等を自動販売機等で購入するか店舗で無作為に配布しているものを手に入れておく。次に，ユーザが店舗で買い物をしてＰＯＳ端末１２で精算する場合に，ユーザは事前に入手した磁気カード１０等を店員に渡し，店員はその磁気カード１０等に記録されている購買者識別コード７をＰＯＳ端末１２に読み取らせる（Ｓ−４１）。ＰＯＳ端未１２は，購買情報とともに読み取った購買者識別コード７を購買情報管理サーバ３へ送信する（Ｓ−４２）。購買情報管理サーバ３は，受信した購買情報を購買者識別コード７とともに，購買情報データベース３０に記録する。
【００４７】
本システムによれば，誰が手に入れたか特定できないようにした磁気カード１０等に記録された購買者識別コード７と購買情報との対応付けを行うことで，個人を特定することは不可能であり，個人の秘匿性が守られたまま購買情報と購買者識別コード７との対応付けができる利点がある。また，買い物の後でユーザがいちいちレシート番号や購買者識別コード７を送信するという手間が省けるという利点がある。
【００４８】
〔第５の実施の形態〕
図７は，本発明の第５の実施の形態を説明する図である。２１はデータマイニングサーバ，２２はマーケッティングサーバ，２３は商品コード管理サーバ，２４は付加情報提供サーバである。図中，Ｓ−５１〜Ｓ−５７，Ｓ−６１〜Ｓ６７はそれぞれ動作を示す。また，本発明の第５の実施の形態におけるシステム構成は，データマイニングサーバ２１，マーケッティングサーバ２２，商品コード管理サーバ２３，付加情報提供サーバ２４以外は，図１に示すシステム構成と同様である。
【００４９】
今，購買情報データベース３０には，ユーザの購買履歴が購買情報として記録されている。ユーザが，ユーザ端末５から購買者識別コード７を付加して電子レシートサーバ４にアクセスし（Ｓ−５１），自分の今月分の購買履歴を家計簿情報として出力するように要求すると，電子レシートサーバ４は，購買情報管理サーバ３が管理する購買情報データベース３０から購買情報を読み出し（Ｓ−５２），購買履歴の整理を行うとともに，データマイニングサーバ２１に購買情報を送って無駄な買い物がないかなどユーザにとって有効な分析をし（Ｓ−５３），さらに購買情報を商品管理サーバ８に送って生産地や賞味期限などを調べ（Ｓ−５４），また，購買情報を付加情報提供サーバ２４に送って，購買情報から可能な料理のレシピや調理方法などを調べ（Ｓ−５５），さらに購買情報を広告管理サーバ９に送って，購買履歴からユーザが好む商品，例えば購入品の姉妹品や他メーカの類似品等の広告情報を取り出し（Ｓ−５６），これらの情報とともに家計簿情報をユーザに提供する（Ｓ−５７）。
【００５０】
図８に，電子レシートサーバ４と商品管理サーバ８および広告管理サーバ９との情報のやり取りの例を示す。
【００５１】
商品管理サーバ８は，各種の商品を商品管理データベース８０によって管理している。商品管理データベース８０には，商品を識別する商品ＩＤ，商品名，商品の分類を示すカテゴリ，価格，製造元情報もしくは生産地，賞味期限といった各種の商品情報が記録されている。
【００５２】
また，広告管理サーバ８は，各種の広告情報を広告管理データベース９０によって管理している。広告管理データベース９０には，商品を識別する商品ＩＤ，商品の分類を示すカテゴリ，広告内容，広告の画像を示す画像ＩＤや，特価品等の広告情報が記録されている。
【００５３】
電子レシートサーバ４は，例えばユーザＡの購買者識別コードをもとに，購買情報管理サーバ３から図８に示す購買情報ＰＡ を取得すると，その購買情報ＰＡ を商品管理サーバ８へ送り，商品管理データベース８０に予め登録されている各商品の詳細情報，例えば野菜や果物であれば，産地，生産者，農薬量といった情報を取得し，ユーザＡに提示する。同様に，広告管理サーバ９に購買情報ＰＡ を送り，広告管理サーバ９から，ユーザＡがよく購入する商品と関連の深い商品（例えば同じカテゴリの商品）の広告情報を得て，ユーザＡに提示する。
【００５４】
別の例として，ユーザがユーザ端末５から購買者識別コード７を付加して電子レシートサーバ４にアクセスして（Ｓ−６１），自分の購買履歴を家計簿情報として出力するように要求すると，電子レシートサーバ４は，購買情報管理サーバ３が管理する購買情報データベース３０からユーザの購買情報を取り出し（Ｓ−６２），データマイニングサーバ２１へ送って，ユーザがよく買う商品カテゴリのリスト，好みの色やタイプ，購入商品の組み合わせパターン等を抽出し（Ｓ−６３），抽出した結果をマーケッティングサーバ２２へ送って，商品カテゴリ毎に，推薦商品の選出基準の優先順が記述されるマーケッティングポリシーを参照し，推薦商品の絞り込み条件（価格帯や発売日など）を抽出し，さらにセール対象などの特に薦める商品カテゴリがあれば，それも抽出し（Ｓ−６４），抽出した条件とカテゴリを商品コード管理サーバ２３へ送って，該当する商品の商品コード（商品ＩＤ）を得て（Ｓ−６５），さらに広告管理サーバ９の広告管理データベース９０から該当する商品の広告情報を取り出して（Ｓ−６６），これらの情報をユーザ端末５へ送信する（Ｓ−６７）。
【００５５】
なお，ユーザは，家計簿情報の要求とは別に，これらの情報をお勧め情報としていつでも電子レシートサーバ４に対して要求することもできる。
【００５６】
図９に，電子レシートサーバ４と，データマイニングサーバ２１およびマーケッテイングサーバ２２との情報のやり取りの例を示す。
【００５７】
図９のように，データマイニングサーバ２１は，電子レシートサーバ４からユーザＢの購買情報ＰＢ を受信すると，その購買情報ＰＢ について，統計情報，重回帰分析，バスケット分析など，各種データマイニング手法を用いてデータマイニングを行う。データマイニングの結果として，例えばユーザＢの購入商品は，化粧品，衣服が多いとか，服は黒，靴は茶色が多いとか，服とハンカチを同時に買うことが多いといった購入パターン分析結果が得られる。この例では，購入パターン分析結果として，ユーザＢがよく買う商品カテゴリのリスト（化粧品，ジャケット）および好みのタイプや色等の情報が，データマイニングサーバ２１から電子レシートサーバ４へ送信される。電子レシートサーバ４は，ユーザＢからの要求があれば，その購入パターン分析結果の情報をユーザＢに提示する。
【００５８】
また，電子レシートサーバ４は，ユーザＢがよく買う商品カテゴリのリスト等の購入パターン分析結果をマーケッティングサーバ２２へ送る。マーケッティングサーバ２２は，化粧品，ジャケットといった商品カテゴリ毎に，推薦商品の選出基準の優先順が記述されるマーケッティングポリシーを参照し，推薦商品の絞り込み条件（価格帯や発売日など）や，さらにセール対象などの特に薦める商品カテゴリがあれば，それも抽出し，結果を電子レシートサーバ４へ通知する。マーケッティングポリシー中のクラスの情報は，例えば推薦商品３品のうち，クラスＡは２品，クラスＢは１品といった具合にランク付けを行う情報である。
【００５９】
電子レシートサーバ４は，商品絞り込み条件と商品カテゴリを商品コード管理サーバ２３へ送り，該当する商品の商品ＩＤを得て，その商品ＩＤをもとに，広告管理サーバ９から広告情報を取り出し，ユーザＢに提示する。
【００６０】
ここで，図中の購買情報管理サーバ３，電子レシートサーバ４およびその他の８〜２４の各種サーバまたはデータベース機能は，本購買情報管理システムを構築・運用する店舗にて１台，あるいは数台のサーバマシンを用いて構築してもよいし，各々のサーバ機能をアウトソーシングして第三者の提供する機能を利用してもよい。
【００６１】
本システムによれば，ユーザは，個人情報を秘匿した購買履歴から，購買情報を入力することなく家計簿情報を得ることができ，さらに購買品に関するアドバイスや情報を得ることができる。また自分の好みや年齢などを入力することなく，自分に適合する商品の情報を得ることができる利点がある。
【００６２】
【発明の効果】
以上説明したように，本発明によれば以下のような種々の利点がある。
【００６３】
個人を特定するような情報を秘匿しつつ個人毎の購買者識別コードと購買情報とを対応付けることで，個人の購買動向などを分析でき，個人にとって自分にあった情報が得られるという利点がある。
【００６４】
また，購買情報データベースで購買情報と購買者識別コードが対応付けられるが，購買者識別コードだけでは個人を特定することはできないため，個人情報の秘匿が可能である利点がある。購買者識別コードは，ユーザが任意に書き換えることができるようにしておくことで，さらに秘匿性を高めることができる利点がある。
【００６５】
また，ユーザがカメラ付き移動通信端末にてレシート番号を読み取り，移動通信端未に記録しておいた購買者識別コードとともに購買情報管理サーバへ送信することで買い物とほぼ同時に，購買情報と購買者識別コードとの対応付けができる利点がある。
【００６６】
さらに，ユーザが購買時に移動通信端末から購買者識別コードの二次元バーコード等のバーコード情報をＰＯＳ端末に読み取らせるだけで，購買情報と購買者識別コードの対応付けを行うことができ，さらに購買者識別コードがバーコード化されているため一般には解読しにくいという利点がある。また，誰が手に入れたか特定できないようにした磁気カード等に記録された購買者識別コードと購買情報との対応付けを行うことで，個人を特定することは不可能であり，個人の秘匿性が守られたまま購買情報と購買者識別コードとの対応付けができる利点がある。
【００６７】
さらにユーザは，個人情報を秘匿した購買履歴から，購買情報を入力することなく家計簿情報を得ることができ，さらに購買品に関するアドバイスや情報を得ることができる。また自分の好みや年齢などを入力することなく，自分に適合する商品の情報を得ることができる利点がある。
【００６８】
また，店舗側にとっては，以上のように購入履歴を利用することで，個人情報を用いなくともユーザの嗜好や購買パターンを知ることができ，個人情報の漏洩を気にするユーザをもマーケッティングやデータマイニングの対象とすることが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のシステム構成の概要を示す図である。
【図２】本発明の第１の実施の形態を説明する図である。
【図３】購買情報管理サーバの構成例を示す図である。
【図４】本発明の第２の実施の形態を説明する図である。
【図５】本発明の第３の実施の形態を説明する図である。
【図６】本発明の第４の実施の形態を説明する図である。
【図７】本発明の第５の実施の形態を説明する図である。
【図８】電子レシートサーバと，商品管理サーバおよび広告管理サーバとの情報のやり取りの例を示す図である。
【図９】電子レシートサーバと，データマイニングサーバおよびマーケッテイングサーバとの情報のやり取りの例を示す図である。
【符号の説明】
１，１１，１２ ＰＯＳ端末
２ 通信網
３ 購買情報管理サーバ
４ 電子レシートサーバ
５ ユーザ端末
６ 移動通信端末
７ 購買者識別コード
８ 商品管理サーバ
９ 広告管理サーバ
１０ 磁気カードまたはＩＣカード
２１ データマイニングサーバ
２２ マーケッティングサーバ
２３ 商品コード管理サーバ
２４ 付加情報提供サーバ
３０ 購買情報データベース
３１ 日付のフィールド
３２ 購買商品名のフィールド
３３ 購入価格のフィールド
３４ レシート番号のフィールド
３５ ユーザＩＤのフィールド
６１ カメラ付き移動通信端末
６２ 携帯端末
８０ 商品管理データベース
９０ 広告管理データベース
１００，１２０ レシート
１０１，１２１ レシート番号
１２２ 二次元バーコード
３０１ 購買者識別コード発行手段
３０２ 購買情報受信手段
３０３ 購買情報記録手段
３０４ 購買者識別コード・レシート番号入力手段
３０５ 購買情報・購買者識別コード関連付け手段
３０６ 購買情報読み出し手段
Claims (7)
- １つまたは複数の店舗に配置したＰＯＳ端末へ入力される顧客の購買情報をネットワークを経由して購買情報データベースに記録，保持する購買情報管理システムであって，
ユーザに対し，少なくともユーザ個人の氏名および住所に関連付けられない，それぞれユニークな購買者識別コードを発行する手段と，
少なくとも購買商品名を含む購買情報と，レシート番号情報と，購買者識別コードとの対応情報を格納する購買情報データベースと，
ＰＯＳ端末から，ユーザが購入した商品の購買情報とその精算時に発行されたレシートのレシート番号とを受信する手段と，
受信した購買情報をレシート番号とともに前記購買情報データベースに記録する手段と，
ユーザの端末から，前記購買者識別コードと前記精算時に発行されたレシートのレシート番号とを入力する手段と，
前記ユーザの端末から入力したレシート番号をキーにして前記購買情報データベースを検索し，入力した購買者識別コードを該当する購買情報に関連付けて前記購買情報データベースに記録する手段とを備える
ことを特徴とする個人情報を秘匿した購買情報管理システム。 - １つまたは複数の店舗に配置したＰＯＳ端末へ入力される顧客の購買情報をネットワークを経由して購買情報データベースに記録，保持する購買情報管理システムであって，
ユーザに対し，少なくともユーザ個人の氏名および住所に関連付けられない，それぞれユニークな購買者識別コードを発行する手段と，
少なくとも購買商品名を含む購買情報と，レシート番号またはそれを表すバーコード情報と，購買者識別コードとの対応情報を格納する購買情報データベースと，
ＰＯＳ端末から，ユーザが購入した商品の購買情報と，その精算時に発行されたレシートのレシート番号またはそれを表すバーコード情報とを受信する手段と，
受信した購買情報をレシート番号またはそれを表すバーコード情報とともに前記購買情報データベースに記録する手段と，
ユーザの端末から，前記購買者識別コードと前記精算時に発行されたレシートを撮影することにより得られたレシート番号またはそれを表すバーコード情報とを入力する手段と，
前記ユーザの端末から入力したレシート番号またはそれを表すバーコード情報をキーにして前記購買情報データベースを検索し，入力した購買者識別コードを該当する購買情報に関連付けて前記購買情報データベースに記録する手段とを備える
ことを特徴とする個人情報を秘匿した購買情報管理システム。 - １つまたは複数の店舗に配置したＰＯＳ端末へ入力される顧客の購買情報をネットワークを経由して購買情報データベースに記録，保持する購買情報管理システムであって，
ユーザに対し，少なくともユーザ個人の氏名および住所に関連付けられない，それぞれユニークな購買者識別コードを発行し，その購買者識別コードを表すバーコード情報をユーザの端末に転送する手段と，
少なくとも購買商品名を含む購買情報と，購買者識別コードとの対応情報を格納する購買情報データベースと，
ＰＯＳ端末から，ユーザが購入した商品の購買情報と，そのユーザが所有する端末に表示されたバーコード情報をＰＯＳ端末が読み取ることにより入力した購買者識別コードとを受信する手段と，
受信した購買情報と購買者識別コードとを関連付けて前記購買情報データベースに記録する手段とを備える
ことを特徴とする個人情報を秘匿した購買情報管理システム。 - １つまたは複数の店舗に配置したＰＯＳ端末へ入力される顧客の購買情報をネットワークを経由して購買情報データベースに記録，保持する購買情報管理システムであって，
ユーザに対し，少なくともユーザ個人の氏名および住所に関連付けられない，それぞれユニークな購買者識別コードを記録した記録媒体を発行する手段と，
少なくとも購買商品名を含む購買情報と購買者識別コードとの対応情報を格納する購買情報データベースと，
ＰＯＳ端末から，ユーザが購入した商品の購買情報とそのユーザが所有する前記記録媒体からＰＯＳ端末が読み取ることにより入力した購買者識別コードとを受信する手段と，
受信した購買情報と購買者識別コードとを関連付けて前記購買情報データベースに記録する手段とを備える
ことを特徴とする個人情報を秘匿した購買情報管理システム。 - 請求項１から請求項４までのいずれか１項に記載の個人情報を秘匿した購買情報管理システムにおいて，
ユーザの端末から前記購買者識別コードを指定した個人の購買情報の提供要求を入力する手段と，
前記入力された購買者識別コードに基づいて，前記購買情報データベースから該当する購買者識別コードに関連付けられた購買情報を検索する手段と，
前記検索の結果取得した個人の購買情報を，ユーザからの要求に従って整理または処理して前記要求元のユーザの端末に出力する手段とを備える
ことを特徴とする個人情報を秘匿した購買情報管理システム。 - 請求項５記載の個人情報を秘匿した購買情報管理システムにおいて，
前記購買情報データベースに記録された個人の購買情報に基づいて，前記購買者識別コード毎に購入パターンまたは商品の嗜好を分析する手段と，
分析結果に基づいて，該個人に適合する商品情報，広告情報または該個人が購入した商品に対する付加情報を，前記ユーザの端末に提供する手段とを備える
ことを特徴とする個人情報を秘匿した購買情報管理システム。 - 請求項５記載の個人情報を秘匿した購買情報管理システムにおいて，
前記購買情報データベースに記録された個人の購買情報に基づいて，前記購買者識別コード毎に購入パターンまたは商品の嗜好を分析する手段と，
分析した結果を，販売戦略または新商品開発戦略のための企業システムと連携させ，前記購買者識別コードを持つ個人に適合する新商品情報または企業が販売したい商品情報を前記ユーザの端末に提供する手段とを備える
ことを特徴とする個人情報を秘匿した購買情報管理システム。
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