JP2004295080A - 光拡散シート - Google Patents
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Abstract
【課題】 光線透過率が高く、輝度のバラツキが少ない均一な拡散光を放出し、導光板のドットを隠す隠蔽性が良好で、熱伸縮による皺の発生を抑制でき、製造の際に目ヤニ現象が生じず、バックライトユニットの導光板やレンズフィルムを傷付ける恐れもない光拡散シートを提供すること、並びに、隠蔽性の更なる向上と熱伸縮による皺の更なる抑制を達成できる光拡散シートを提供することを課題としている。
【解決手段】 光拡散剤1cが15〜35重量%含有された透光性樹脂よりなるコア層1aの上下に、透光性樹脂よりなる表面層1bが一体化されたシートであって、その表裏両面に微細な凹凸1dが形成された構成の光拡散シート1とする。光拡散剤が表面層1bにも含有され、その含有率がコア層1と異なるようにしてもよい。
【選択図】図1
【解決手段】 光拡散剤1cが15〜35重量%含有された透光性樹脂よりなるコア層1aの上下に、透光性樹脂よりなる表面層1bが一体化されたシートであって、その表裏両面に微細な凹凸1dが形成された構成の光拡散シート1とする。光拡散剤が表面層1bにも含有され、その含有率がコア層1と異なるようにしてもよい。
【選択図】図1
Description
本発明は液晶ディスプレイのバックライトユニットや電飾看板、照明カバー、アーケード、採光板、バルコニーの目隠し板などに用いられる光拡散シートに関する。
液晶ディスプレイの一般的なバックライトユニットは、裏面に光拡散用のドットが印刷された導光板と、この導光板の片側又は両側に配置された光源(冷陰極管等)と、この導光板の上に重ねられた光拡散シートと、この光拡散シートの上又は上下に重ねられたレンズフィルム(プリズムシート)等で構成されている。
斯かるバックライトユニットに組み込まれる光拡散シートは、導光板からの光を均一に拡散し、表示画面でドットが視認されるのを防止したり、光損失を抑えて拡散光を液晶パネル面へ均一に放出する役目を果たすものである。
このような光拡散シートとして、本出願人は、両面に凹凸が形成された透光性樹脂からなる単層シートであって、特定範囲の平均面粗さと表面積率を有する光拡散シートや、この単層シートに更に光拡散剤を含有させた光拡散シートを提案した(特許文献1)。
これらの光拡散シートは、光損失を少なく抑えて、輝度のバラツキが少ない均一な拡散光を放出する等の長所を有するものであり、特に、光拡散剤が含有された光拡散シートは隠蔽性が良好で、熱伸縮による皺の発生を抑制し得るものであった。
けれども、光拡散剤を含まない光拡散シートは、導光板上のドットを見えなくする隠蔽性が十分でなく、熱伸縮による皺も発生しやすいという問題があった。これに対し、光拡散剤を含有させた光拡散シートは隠蔽性が良好で、熱伸縮による皺も発生しにくいものであるが、光拡散剤を含んだ透光性樹脂をシート状に押出成形した後、シボ付けロールで両面に凹凸を形成して製造すると、押出成形の際に光拡散剤が押出成形機の押出口の周囲に付着して大きい粒子に成長し(所謂目ヤニ現象)、押出されたシートの表面に該粒子に因る線状痕が付くため、数時間に一回の頻度で押出口の周囲を掃除して付着粒子を除去しなければならないという問題があった。また、光拡散剤を含有させた光拡散シートを液晶ディスプレイのバックライトユニットに組み込むと、光拡散シートの両面から突き出した光拡散剤がバックライトユニットの導光板やレンズフィルムを傷付ける恐れもあった。
一方、光拡散剤に起因する上記の問題を多少無視してまでも、光拡散シートの隠蔽性の更なる向上や、熱伸縮による皺の更なる抑制が強く要望されているのも事実である。
特開2002−221612号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、光線透過率が高く、輝度のバラツキが少ない均一な拡散光を放出し、導光板のドットを隠す隠蔽性が良好で、熱伸縮による皺の発生を抑制でき、製造の際に目ヤニ現象が生じず、バックライトユニットの導光板やレンズフィルムを傷付ける恐れもない光拡散シートを提供すること、並びに、隠蔽性の更なる向上と熱伸縮による皺の更なる抑制を達成できる光拡散シートを提供すること、を解決課題としている。
上記課題を解決するため、本発明の光拡散シートは、光拡散剤が15〜35重量%含有された透光性樹脂よりなるコア層の上下に、透光性樹脂よりなる表面層が一体化されたシートであって、その表裏両面に微細な凹凸が形成されていることを特徴とするものである。
本発明の光拡散シートにおいては、光拡散剤が表面層に含有され、その含有量がコア層とは異なっていてもよいし、或はコア層に含有されている光拡散剤と異なる光拡散剤が表面層に10〜40重量%含有されていてもよい。そして、コア層の厚みが50〜200μmであり、シート全体の厚みが60〜300μmであることが望ましく、表裏両面の算術平均粗さが0.5〜10.0μmの範囲にあることが望ましく、表裏両面の表面積率が1.0010〜1.5000の範囲にあることが望ましく、出光面となる片面の表面積率が入光面となる反対面の表面積率と同じかもしくは大きいことが望ましい。また、本発明の光拡散シートにおいては、コア層に含有されている光拡散剤がタルクなどの無機質粒子であり、コア層と表面層の透光性樹脂がポリプロピレンであることが望ましく、更に、表面層にも光拡散剤が含有されている光拡散シートの場合は、コア層に含有されている光拡散剤がガラス粒子を除くタルクなどの無機質粒子であり、コア層と表面層の透光性樹脂がポリプロピレンであり、表面層に含有されている光拡散剤がガラス粒子であることが望ましい。そして、上記のポリプロピレンは結晶化度が30〜80%であることが望ましい。
尚、本発明における「算術平均粗さ」とは、JIS B 0601に基づいて測定される値をいい、「表面積率」とは、測定面が平坦面であると仮定したときの面積S0に対する実際の表面積Sの割合(S/S0)をいう。
本発明の光拡散シートは、例えば三層共押出成形機を用いて、光拡散剤を含んだ透光性樹脂を押出すと同時に、その上下に光拡散剤を含まない透光性樹脂を重ねて押出すことにより、三層積層構造のシートを成形した後、シボ付けロール等で該シートの表裏両面に微細な凹凸を形成する等の方法によって製造されるが、上記のように光拡散剤を含んだ透光性樹脂の上下に光拡散剤を含まない透光性樹脂を重ねて共押出しすると、光拡散剤が押出口の周囲に付着して大きい粒子に成長することがないので、所謂目ヤニ現象による線状痕がシートの両面に付くことはない。従って、押出口の頻繁な掃除が不要となり、効率良く共押出成形できるので生産性が大幅に向上する。
また、この光拡散シートのように、光拡散剤を含んだコア層の上下に光拡散剤を含まない表面層が積層一体化されていると、光拡散剤がシートの表裏両面から突き出すことがないので、バックライトユニットに組み込んだときに導光板やレンズフィルムを傷付ける心配が解消される。
本発明の光拡散シートをバックライトユニットに組み込んで導光板の上に重ねると、導光板の内部を適度に反射しながら進む光の大部分が、該シートの裏面に形成された微細な凹凸の作用によって、該シートの裏面全体から略均等に該シート内へ入光するため、光損失が減少し、入光量の部分的なバラツキも殆ど生じない。そして、該シート内へ入った光は、コア層に15〜35重量%含まれる光拡散剤によって拡散され、該シートの表面に形成された微細な凹凸によって更に拡散されて放出される。従って、この光拡散シートは、光線透過率が高く、放出される拡散光の輝度のバラツキがなく、隠蔽性が良好である。
また、本発明の光拡散シートのようにコア層に光拡散剤が15〜35重量%含まれていると、コア層の線膨脹率が低下すると共にコア層の弾性率が上昇するため、光拡散シートが導光板の熱で昇温しても、皺の発生が抑制される。
本発明の光拡散シートにおいて、表面層にもコア層と含有率を異ならせて光拡散剤を含有させたもの、或はコア層に含有されている光拡散剤と異なる光拡散剤を表面層に10〜40重量%含有させたものは、表面層の光拡散剤によって表面層の線膨張率が低下すると共に表面層の弾性率が上昇し、これによって光拡散シート全体の線膨張率が低下すると共に弾性率が上昇するため、導光板の熱による皺の発生が更に抑制されるようになる。尚、表面層に光拡散剤を含有させると、上述した所謂目ヤニ現象の問題やバックライトの導光板等を傷つける問題が復活することになるが、これらの問題は、表面層に含有させる光拡散剤の種類や含有量を選択、調整することにより、最小限に食い止めることができる。
また、本発明の光拡散シートにおいてコア層の厚みを50〜200μmとし、シート全体の厚みを60〜300μmとしたものは、光線透過率や輝度が高いわりには隠蔽性が良好であり、熱伸縮による皺も生じ難くなる。コア層の厚みが50μm未満で、シート全体の厚みが60μm未満であると、光線透過率や輝度は更に向上するが、線膨張率が高くなると共に剛性が低下して皺が生じやすくなり、隠蔽性も低下する恐れがある。逆に、コア層の厚みが200μmを越え、シート全体の厚みが300μmを越えると、皺が生じ難く隠蔽性も向上するが、光線透過率や輝度が低下するといった不都合を生じる。
また、本発明の光拡散シートにおいて、微細な凹凸を形成した表裏両面の算術平均粗さを0.5〜10.0μmの範囲としたものは、光拡散シートを導光板に重ねたときに導光板から光が入りやすい粗さであるため、光損失が大幅に減少すると共に、入光量のバラツキがなくなる。しかも、この0.5〜10.0μmの算術平均粗さは、光の拡散にも適したものであるため、光拡散シートから放出される光の拡散作用も一層向上するようになる。
更に、本発明の光拡散シートにおいて、表裏両面の表面積率をいずれも1.0010〜1.5000の範囲にしたものは、表裏両面の凹凸が入光および光の拡散に適した細かさで分布することになるため、入光量や拡散性が向上し、特に、出光面となる片面の表面積率が入光面となる反対面の表面積率と同じかそれより大きい場合は、該片面の凹凸が反対面より細かくなって光を均一かつ充分に拡散させながら放出できるようになる。
また、本発明の光拡散シートは、コア層に含まれる光拡散剤がタルクなどの無機質粒子であり、コア層と表面層の透光性樹脂がポリプロピレンであることが特に望ましく、このような光拡散シートは、後述の実験データで裏付けられるように、光線透過率が高く、ヘイズ値が大きく、輝度が高く、線膨脹率が低く、弾性率が大きいため、優れた隠蔽性、明るさ、防皺性等を有する。そして、コア層の光拡散剤と異なる光拡散剤を表面層にも含有させた光拡散シートの場合は、コア層に含有されている光拡散剤がガラス粒子以外のタルクなどの無機質粒子であり、コア層と表面層の透光性樹脂がポリプロピレンであり、表面層に含有されている光拡散剤がガラス粒子であることが望ましい。このような光拡散シートは、後述の実験データで裏付けられるように、防皺性が更に向上するという利点がある。コア層と表面層の透光性樹脂として結晶化度が30〜80%の範囲のポリプロピレンを使用した光拡散シートは、高温時の剛性が大きくて皺が生じ難く、透過光量が多くて輝度の高い光拡散シートを得ることができる。
以下、図面に基づいて本発明の代表的な実施形態を説明するが、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。
図1は本発明に係る光拡散シートの一実施形態を示す断面図である。
この光拡散シート1は、光拡散剤1cを含有した透光性樹脂よりなるコア層1aの上下に、透光性樹脂よりなる表面層1b,1bを積層一体化した三層構造のシートであって、その表裏両面1d,1dに微細な凹凸を形成したものである。
コア層1aの透光性樹脂としては、全光線透過率の高いポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合体(例えばポリ−4−メチルペンテン−1等)、ポリ塩化ビニル、環状ポリオレフィン(例えばシクロポリオレフィン等)、アクリル樹脂、ポリスチレン、アイオノマーなどの熱可塑性樹脂が好ましく使用される。これらの中でも、ポリプロピレンは耐熱性が良く、結晶化度を上げると、弾性率が向上して熱変形や皺を生じ難くなると共に、屈折率の上昇により光拡散剤との屈折率差が減少して透過光量が増大し輝度が高くなる等の利点を有するため、きわめて好ましく使用される。特に、結晶化度が30〜80%のポリプロピレンは、剛性が大きい上に、光拡散剤として好ましく使用されるタルクの屈折率(1.54)に近似した1.48〜1.52程度の屈折率を有するため、タルクと併用してコア層1aを形成すると、全光線透過量が多くて輝度の高い光拡散シートを得ることができる。ポリプロピレンの更に好ましい結晶化度は50〜60%である。
表面層1bの透光性樹脂も、上記のコア層1aの透光性樹脂と同じものが使用され、ポリプロピレンが特に好ましく使用される。
コア層1aに含有させる光拡散剤1cは、光を拡散する役割と熱伸縮を抑制して皺の発生を防止する役割を果たすもので、コア層1aの透光性樹脂と光屈折率が異なる無機質粒子、金属酸化物粒子、有機ポリマー粒子が単独でもしくは組み合わせて使用される。無機質粒子としては、ガラス〔Aガラス(ソーダ石灰ガラス)、Cガラス(硼珪酸ガラス)、Eガラス(低アルカリガラス)〕、シリカ、マイカ、合成マイカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、タルク、モンモリロナイト、カオリンクレー、ベントナイト、ヘクトライト等の粒子が、また、金属酸化物粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ等の粒子が、また、有機ポリマー粒子としては、アクリルビーズ、スチレンビーズ、ベンゾグアナミン等の粒子が使用される。これらの中では、線膨脹率の低い無機質粒子が、コア層1aの熱伸縮を抑制する観点から好ましく使用され、特に、タルク粒子などの無機質粒子、特にタルク粒子は、アスペクト比が3〜500と大きくてコア層1aの線膨脹率を低下させる上に、ポリプロピレンの結晶核剤として作用することによりポリプロピレンの結晶化度を高めながら結晶粒径を細かく均一に分散することができるので、線膨脹率を低下させると共に弾性率を向上させることができ、低添加量でコア層1aの機械的強度も向上させることができる、等の理由から最適である。また、ガラス粒子は、それ自体が透明であり光をよく透過させるので、コア層1aの光透過を良好にでき、輝度の向上したシートを得るうえで好ましい。なお、これらの光拡散剤の形状は、球状、板状、繊維状などの如何なる形状であっも使用され得る。
これらの光拡散剤1cは、その平均粒径が0.1〜100μm、好ましくは0.5〜50μm、より好ましくは1〜30μmであるものが使用される。粒径が0.1μmより小さいと、凝集しやすいために分散性が悪く、均一に分散できたとしても光の波長の方が大きいので散乱効率が悪くなる。それゆえ、0.5μm以上の、更には1.0μm以上の大きさの粒子が好ましいのである。また、粒径が100μmより大きいと、光散乱が不均一になるし、光線透過率の低下や粒子が見えたりするので好ましくない。それゆえ、50μmまでの大きさの、更には30μmまでの大きさの粒子が好ましいのである。
コア層1aにおける光拡散剤1cの含有率は、15〜35重量%とする必要があり、好ましくは18〜30重量%の含有率とされる。15重量%未満では、光拡散が不充分になるため隠蔽性が低下すると共に、熱伸縮の抑制も不充分になるためシートに皺が発生しやすくなるといった不都合を生ずる。一方、35重量%より多くなると、光拡散剤1cによる散乱・反射・吸収でコア層1aの光線透過率及び輝度が低下するため、そのような光拡散シートを組み込んだバックライトユニットを用いてディスプレイを背後から照らしても表示が見辛いといった不都合を生ずる。
コア層1aの厚みは50〜200μmにすることが望ましく、光拡散シートの全体の厚みは60〜300μmとすることが望ましい。そして、表面層1bの厚みは、上記のコア層1aの厚み条件とシート全体の厚み条件を同時に満足する範囲に決定すればよい。コア層1aの厚みが50μmより薄くなり、シート全体の厚みが60μmより薄くなると、前述したように、光拡散シートの光線透過率や輝度は向上するけれども、線膨張率が高くなると共に弾性率が低下するため皺が生じやすくなり、また光拡散も弱くなるため隠蔽性が低下するようになる。逆にコア層の厚みが200μmより厚くなり、シート全体の厚みが300μmより厚くなると、光拡散シートの熱伸縮が抑制されて皺が防止され、隠蔽性も向上するが、光線透過率や輝度が低下するためディスプレイの表示が見辛くなる。コア層1aのより好ましい厚みは60〜180μm、さらに好ましい厚みは70〜120μmであり、全体のより好ましい厚みは80〜200μm、さらに好ましい厚みは100〜150μmである。
表面層1bの厚みは、上記のようにコア層1aの厚み条件とシート全体の厚み条件を同時に満足する範囲に決定すればよいが、この表面層1bは、コア層1aの上下両面から突出する光拡散剤1cの粒子を被覆するために形成されるものであるから、その厚みを4〜50μm程度、好ましくは5〜30μm程度、さらに好ましくは6〜10μm程度とすることが望ましい。表面層1bが4μmより薄くなると、光拡散剤1cの被覆が不充分になり、一部の光拡散剤が光拡散シート1の表裏両面1d,1dに露出する恐れが生ずる。一方、表面層1bを50μmより厚く形成しても、それに見合った作用効果が得られず、却って皺発生の原因となる。
尚、この表面層1bには光拡散剤を含有させることもできるが、これについては図2にもう一つの実施形態を挙げて後述することにする。
この光散乱シート1の表裏両面1d,1dは、微細な凹凸を形成することによって、その算術平均粗さRaが0.5〜10.0μm、好ましくは0.6〜8.0μmとされている。このように0.5〜10.0μmの算術平均粗さRaを有する両面は、導光板から光が均一に入りやすく、光の透過性も高いため、光損失が大幅に減少すると共に、均一に強く拡散された拡散光を放出できるようになる。凹凸は、先端が丸みをもった形状に形成することが望ましく、このようにすると、光散乱シート1をバックライトユニットに組み込んだときに、その上下のレンズフィルム3や導光板2を傷付ける恐れが皆無になる。尚、表面の算術平均粗さRaと裏面の算術平均粗さRaは同一であっても異なっていてもよい。
一方、表裏両面1d,1dの凹凸による表面積率は1.0010〜1.5000の範囲内にあって、かつ、出光面となる表面1dの表面積率が入光面となる反対側の裏面1dの表面積率と同じか、もしくは大きいことが望ましい。具体的には、出光面となる表面1dの表面積率を1.0050〜1.5000、好ましくは1.0200〜1.3000とし、入光面となる裏面1dの表面積率を1.0010〜1.1000、好ましくは1.0050〜1.0200とする。このようにすると、裏面1dから光が一層良く入るようになり、表面1dで強く拡散されて放出される利点がある。
以上のような構成の光拡散シート1は、例えば、三層共押出成形機を用いて、光拡散剤を18〜35重量%含んだ原料の透光性樹脂(必要に応じて各種添加剤を配合したもの)をフィルム状ないしシート状に押出すと同時に、その上下に光拡散剤を含まない原料の透光性樹脂を重ねて押出すことにより、コア層1aの上下に表面層1b,1bを一体に積層した三層構造のシートを成形した後、上下一対のシボ付けロールの間を通すか、或は、微細な凹凸を有するプレス板で押圧することによって、シートの表裏両面1d,1dに微細な凹凸を形成して製造される。このように光拡散剤を含んだ透光性樹脂の上下に光拡散剤を含まない透光性樹脂を重ねて共押出しすると、光拡散剤が押出口の周囲に付着して大きい粒子に成長する所謂目ヤニ現象がなくなって、線状痕がシートの両面に付かないため、押出口の頻繁な掃除が不要となる。従って、かなり長時間連続して効率良く共押出成形できるので、生産性が大幅に向上する。
このような光拡散シート1を、図1に示すように反射シート5の上の導光板2に載置し、その上にレンズフィルム3を重ねると共に、導光板2の側部に光源4を設けてバックライトユニットを組み立てると、光拡散シート1は上下のレンズフィルム3と導光板2とに接触するが、このように接触しても、表面層1b,1bによって光拡散剤1cが光拡散シート1の表裏両面1d,1dから突き出していないため、レンズフィルム3や導光板2を傷付けることはない。
そして、光源4から光を導光板2に入射すると、既述したように、光拡散シート1の凹凸を形成した裏面1dが入光に適した算術平均粗さと表面積率を有するため、導光板2の内部を適度に反射、出光しながら進む光の殆どがシート1の裏面1d全体から略均等にシート1内へ入光する。入光した光はコア層1aの光拡散剤1cで拡散され、更に、凹凸を形成した表面1dで拡散されてレンズフィルム3の方へ放出されるが、この出光面となる表面1dは、既述したように拡散に適した算術平均粗さと裏面1dより大きい表面積率を有するため、光の拡散が強く且つ均一である。従って、この光拡散シート1は、光損失が少なく、均一な散乱光を放出でき、部分的な輝度のバラツキがなく、隠蔽性が良好で導光板2裏面のドットが見えることもない。
また、この光拡散シート1は、コア層1aに15〜35重量%の光拡散剤1cを含有させることによって、線膨脹率を低下させると共に弾性率を向上させているため、バックライトユニットが熱を持っても、熱伸縮が抑制されて皺が発生し難い。
図2は本発明の他の実施形態に係る光拡散シートを示す断面図である。
この光拡散シート10は、光拡散剤1cを15〜35重量%含んだ透光性樹脂よりなる前述のコア層1aの上下に、光拡散剤1eを10〜40重量%含んだ透光性樹脂よりなる表面層1b,1bを一体化したシートであって、その表裏両面に前述の微細な凹凸1d,1dを形成したものである。
表面層1bの光拡散剤1eとしては、コア層1aに含有させる前述の各種の光拡散剤1cをいずれも使用することができるが、コア層1a及び表面層1bの光拡散剤として同一のものを含有させる場合は各含有量を異ならせる必要があり、また、異なる光拡散剤を含有させる場合は各含有量は同一でもよいし、異ならせてもよい。即ち、コア層1aの光拡散剤1cが例えばタルク粉末であるとすれば、表面層1bの光拡散剤1eが同じタルク粉末であれば含有量を異ならせ、タルク粉末以外の光拡散剤であれば同一含有量でもあっても異なる含有量であってもよいのである。
表面層1bに含有させる光拡散剤1eの好ましい例としては、光屈折率が表面層1bの透光性樹脂と異なる前述の有機ポリマー粒子や、線膨張率の低い前述のガラス粒子その他の無機質粒子が挙げられる。有機ポリマー粒子やガラス粒子等は表面が滑らかな球体であり、表面層1bの凹凸表面1dから突出してもバックライトユニットのレンズフィルム等を傷付ける心配がなく、また、押出成形の際に目ヤニ現象を生じることも少ないため表面層1bに含有させても実害は殆ど見られない。むしろ、光の集光性を高めたり、熱伸縮による皺の発生を抑制したり、光拡散性の更なる向上を図ることができるといったメリットの方が大きい。
特に、ガラス粒子はそれ自体が透明性を有しているため光線透過率を該表面層1bで阻害することがなく、10〜40重量%、好ましくは20〜35重量%含有させ線膨張率を該表面層1bでも低下させても、光拡散シート10の輝度を低下させないので好ましい。このガラス粒子のうちでも、後述する実施例で示す如く、Aガラス粒子はEガラス粒子に比べて光拡散シート10の輝度が高くすることができるので特に好ましい。
表面層1bにおける光拡散剤1eの含有量は10〜40重量%とすることが必要であって、含有量が10重量%未満の場合は、表面層1bの線膨張率の低下や弾性率の上昇が不十分となるため、光拡散シート10の熱伸縮による皺の発生を顕著に抑制することが難しくなる。一方、光拡散剤1eの含有量が40重量%を越えると、線膨張率や弾性率は向上するが、光透過性が悪くなり光拡散シートの輝度が劣るといった不都合を生じる。
この光拡散シート10は、光拡散剤1eを表面層1bに含有させた点を除いて、前記の光拡散シート1と同様に構成されたものであるから、その同様の構成については説明を省略する。
以上のような構成の光拡散シート10は、表面層1bにガラス粒子以外の光拡散剤1eを含有させている場合は、前述の光拡散シート1に比べると、全光線透過率が若干低下する傾向が見られ、また、多層共押出成形の際には多少の目ヤニ現象も見られるが、その反面、この表面層1bに含まれる光拡散剤1eによって前述の光拡散シート1よりも曇り度を向上させることができ、さらに皺の発生を顕著に抑制することができるなどの長所を有し、この長所の方が上記短所を遥かに上回るため有用性を十分に具備するものである。特に、光拡散剤1eとしてガラス粒子を含有させると全光線透過率も低下することなく皺の発生を抑制できるという著しい効果を具備させることができる。
次に、本発明の更に具体的な実施例と比較例を説明する。
三層共押出成形機を使用し、光拡散剤として平均粒径が7.2μmのタルク粉末を30重量%含有させたポリプロピレンを厚さ116μmのシート状に押出すと同時に、その上下に光拡散剤を含まないポリプロピレンを重ねて7μmの厚さに共押出しすることにより、全体の厚みが130μmの三層構造のシートを成形した。そして、このシートを上下のシボ付けロールの間を通して、表裏両面に微細な凹凸を有する光拡散シートを作製した。
DEKTAK II[日本真空技術(株)製]を使用し、上記の光拡散シートについて、長さ5mmの測定範囲で算術平均粗さRaを測定したところ、入光面となる裏面のRaは0.81μm、出光面となる表面のRaは4.96μmであった。また、超深度形状測定顕微鏡VK−8550[(株)キーエンス製]を用いて上記の光拡散シートの表面積率を測定したところ、入光面となる裏面の表面積率は1.0183、出光面となる表面の表面積率は1.0787であった。
上記の光拡散シートについて、ヘイズメーター NDH2000〔日本電色工業(株)製〕を用いて全光線透過率とヘイズ値を測定したところ、全光線透過率は87.9%、ヘイズ値は91.6%であった。
また、上記の光拡散シートについて、TMA8140C[理学電機(株)製]を用いて、20℃と60℃における線膨脹率を測定したところ、20℃の線膨脹率は3.6×10−5/℃であり、60℃の線膨脹率は5.6×10−5/℃であった。
更に、上記の光拡散シートについて、DMS6100[セイコーインスツルメンツ(株)製]を用いて、60℃における弾性率を測定したところ、2,110MPaであった。
また、上記シートのポリプロピレンの結晶化度を示差熱分析(DSC)の方法で測定(測定条件:昇温10℃/分、140〜220℃)したところ、結晶化度は44.7%であった。
次に、上記の光拡散シートを液晶ディスプレイ用のバックライトユニットの導光板の上に載置して光源を点灯し、光拡散シートから20cmの距離に輝度計[ミノルタ(株)製のft−1°p]を置いて輝度を測定したところ、1302cd/m2であった。また、同時に導光板裏面のドットが隠蔽されるかどうかを目視で観察したところ、ドットは完全に隠蔽されて視認不可能であり、ドット隠蔽性は良好であった。更に、皺の発生の有無を目視で観察したところ、皺の発生は皆無であった。
これらの測定結果及び観察結果を、下記の表1にまとめて掲載する。
光拡散剤のタルク粉末の含有率を21重量%に変更した以外は実施例1と同様にして、光拡散シートを作製した。このシートについて、実施例1と同様に、全光線透過率、ヘイズ値、輝度、20℃と60℃における線膨脹率、ドット隠蔽性、皺の有無を調べた。その結果を下記の表1に併記する。
[比較例1,2]
光拡散剤のタルク粉末の含有率を40重量%(比較例1)と12重量%(比較例2)に変更した以外は、実施例1と同様にして光拡散シートを作製した。これらの光拡散シートについて、実施例1と同様に、全光線透過率、ヘイズ値、輝度、20℃と60℃における線膨脹率、60℃における弾性率、ドット隠蔽性、皺の有無を調べた。その結果を下記の表1に併記する。なお、比較例1の光拡散シートについての輝度、線膨脹率、弾性率の測定は、該光拡散シートが割れるため測定不可であった。
光拡散剤のタルク粉末の含有率を40重量%(比較例1)と12重量%(比較例2)に変更した以外は、実施例1と同様にして光拡散シートを作製した。これらの光拡散シートについて、実施例1と同様に、全光線透過率、ヘイズ値、輝度、20℃と60℃における線膨脹率、60℃における弾性率、ドット隠蔽性、皺の有無を調べた。その結果を下記の表1に併記する。なお、比較例1の光拡散シートについての輝度、線膨脹率、弾性率の測定は、該光拡散シートが割れるため測定不可であった。
この表1において、○はドット隠蔽性が良好でドットの視認が困難であることを、×はドット隠蔽性が不良でドットの視認が可能であることを示す。
この表1を見ると、タルク含有率が多くなるほど、光拡散シートの線膨脹率が小さくなると共に、弾性率が高くなり、皺が発生し難くなることがわかる。そして、実施例1,2のシートのようにタルクの含有率が30重量%と21重量%であって、本発明の光拡散剤の含有率の範囲内にあるものは、皺が発生せず、コア層の脆弱化によって割れることもないのに対し、比較例2のシートのようにタルク含有率が12重量%と少なくて本発明の光拡散剤の含有率の範囲を下回るものは、コア層の脆弱化はないものの、線膨脹率が高く弾性率が低いため皺が発生することがわかる。また、比較例1のシートのようにタルク含有率が40重量%と多くて本発明の光拡散剤の含有率の範囲を上回るものは、コア層が脆弱化するため割れやすく、実用性を欠くことがわかる。
また、この表1を見ると、タルク含有率が多くなるほど、光の反射や拡散が強くなるため、全光線透過率や輝度が少しずつ低下し、ヘイズ値が少しずつ高くなることがわかる。そして、タルクをそれぞれ30重量%と21重量%含む実施例1,2の光拡散シートは、光の反射や拡散が適度であるため、良好な全光線透過率と輝度とヘイズ値を合わせ持ち、ドット隠蔽性が良好で均一な明るさを有するシートとなるのに対し、比較例1のシートのようにタルク含有率が40重量%と高過ぎるものは、隠蔽性には優れるものの、全光線透過率が低いため明るさに劣るシートとなることがわかる。また、比較例2のシートのようにタルク含有率が12重量%と低過ぎるものは、輝度や明るさに優れるものの、光の拡散が弱くヘイズ値が低いため、ドット隠蔽性に劣るシートとなることがわかる。
タルク粉末を30重量%含有させたポリプロピレンを124μmの厚さのシート状に押出すと同時に、その上下に光拡散剤を含まないポリプロピレンを3μmの厚さに共押出して、シートを成形した。そして、このシートを実施例1のゴムロールとは異なるシボ付けロールの間を通して、表裏両面に微細な凹凸を有する実施例3の光拡散シートを作製した。
タルク粉末を30重量%含有させたポリプロピレンを112〜115μmの厚さのシート状に押出すと同時に、その上下に光拡散剤を含まないポリプロピレンを6〜7μmの厚さに共押出して、シートを成形した。そして、このシートを実施例1のゴムロールとは異なるシボ付けロールの間を通して、表裏両面に微細な凹凸を有する実施例4の光拡散シートを作製した。
タルク粉末を30重量%含有させたポリプロピレンを93〜96μmの厚さのシート状に押出すと同時に、その上下に光拡散剤を含まないポリプロピレンを15μmの厚さに共押出して、シートを成形した。そして、このシートを実施例1のゴムロールとは異なるシボ付けロールの間を通して、表裏両面に微細な凹凸を有する実施例5の光拡散シートを作製した。
タルク粉末を30重量%含有させたポリプロピレンを90〜95μmの厚さのシート状に押出すと同時に、その上下に光拡散剤を含まないポリプロピレンを18μmの厚さに共押出して、シートを成形した。そして、このシートを実施例1のゴムロールとは異なるシボ付けロールの間を通して、表裏両面に微細な凹凸を有する実施例6の光拡散シートを作製した。
タルク粉末を30重量%含有させたポリプロピレンを77〜80μmの厚さのシート状に押出すと同時に、その上下に光拡散剤を含まないポリプロピレンを20〜21μmの厚さに共押出して、シートを成形した。そして、このシートを実施例1のゴムロールとは異なるシボ付けロールの間を通して、表裏両面に微細な凹凸を有する実施例7の光拡散シートを作製した。
タルク粉末を30重量%含有させたポリプロピレンを68μmの厚さのシート状に押出すと同時に、その上下に光拡散剤を含まないポリプロピレンを31μmの厚さに共押出して、シートを成形した。そして、このシートを実施例1のゴムロールとは異なるシボ付けロールの間を通して、表裏両面に微細な凹凸を有する実施例8の光拡散シートを作製した。
実施例3〜8で得られた全体の厚さが117〜131μmの範囲内にある光拡散シートについて、実施例1と同様に、全光線透過率、ヘイズ値、輝度、20℃と60℃における線膨脹率、60℃における弾性率、ドット隠蔽性、結晶化度、算術平均粗さ、皺の有無を調べた。その結果を下記の表2に掲載する。
この表2において、○はドット隠蔽性が良好でドットの視認が困難であることを、△はドット隠蔽性が少し不良でドットをわずかに視認できることを示す。
この表2から、全体の厚みが117〜131μmである実施例3〜7の光拡散シートにおいて、コア層の厚みが薄くなるほど、表面層の厚みが厚くなるほど、光拡散シートの全光線透過率や輝度が向上し、ヘイズ値が低下することがわかる。そして、コア層の厚みが77〜115μmの範囲内で、且つ、全体の厚みが117〜131μmの範囲内にある実施例4〜7のシートは、いずれも良好な全光線透過率と輝度とヘイズを合わせ持ち、しかも、線膨脹率が低く弾性率が高いため、ドット隠蔽性が良好で均一な明るさを有する皺が生じないシートであることがわかる。一方、実施例8の光拡散シートのようにコア層の厚みが68μmと薄くなると、輝度や明るさに優れるものの、光の拡散がやや弱くなり、線膨脹率も高くなるため、ドット隠蔽性が充分に発揮されず、また皺もわずかに生じており、コア層の厚みをこれ以上薄くできないことがわかる。また、これに対し、コア層の厚みが最も大きい実施例3の光拡散シートは、ドット隠蔽性に優れ、皺を生じることもないが、全光線透過率が他のシートと比べて低いため、輝度や明るさが若干低いシートであることがわかる。このように、コア層の厚みにより光拡散シートの特性が異なり、最もバランスのとれた特性を発揮できるコア層の厚みは70〜120μm程度であり、これより薄いコア層を有する光拡散シートは発熱量の小さい光源において使用すべきであり、また、これより厚いコア層を有する光拡散シートは発熱量の大きい強い光源において使用すべきであることがわかる。
三層共押出成形機を使用し、光拡散剤として平均粒径が7.2μmのタルク粉末を21重量%含有させたポリプロピレンを厚さ108μmのシート状に押出すと同時に、その上下に、上記光拡散剤と異なる光拡散剤として平均粒径が10μmのEガラス粒子を30重量%含有させたポリプロピレンを重ねて11μmの厚さに共押出しすることにより、全体の厚みが130μmの三層構造のシートを成形した。そして、このシートを上下のシボ付けロールの間を通して、表裏両面に微細な凹凸を有する光拡散シートを作製した。この光拡散シートについて、実施例1と同様に、全光線透過率、ヘイズ値、輝度、20℃と60℃における線膨脹率、60℃における弾性率、ドット隠蔽性、皺の有無を調べた結果を下記の表3に示す。
Eガラス粒子に代えて、平均粒径が18μmのAガラス粒子を30重量%含有させた以外は実施例9と同様にして、全体の厚みが130μmの三層構造の光拡散シートを作製し、このシートについて実施例1と同様に、全光線透過率、ヘイズ、輝度、20℃と60℃における線膨脹率、60℃における弾性率、ドット隠蔽性、皺の有無を調べた。その結果を下記の表3に示す。
三層共押出成形機を使用し、光拡散剤として平均粒径が7.2μmのタルク粉末を21重量%含有させたポリプロピレンを厚さ108μmのシート状に押出すと同時に、その上下に光拡散剤を含まないポリプロピレンを重ねて11μmの厚さに共押出しすることにより、全体の厚みが130μmの三層構造のシートを成形した。そして、このシートを上下のシボ付けロールの間を通して、表裏両面に微細な凹凸を有する光拡散シートを作製した。この光拡散シートについて、実施例1と同様に、全光線透過率、ヘイズ値、輝度、20℃と60℃における線膨脹率、60℃における弾性率、ドット隠蔽性、皺の有無を調べ結果を下記の表3に示す。
この表3において、○はドット隠蔽性が良好でドットの視認が困難であることを、△はドット隠蔽性が少し不良でドットをわずかに視認できることを示す。
この表3を見ると、Eガラス粒子やAガラス粒子を表面層に30重量%含んだ実施例9,10の光拡散シートは、ガラス粒子を表面層に含まない実施例11の光拡散シートに比べて、全光線透過率や輝度があまり変わらないにも拘わらず、線膨張率が低下し、且つ、弾性率が向上しており、これによって防皺性が一層改善されることがわかり、事実皺も発生しなかった。しかも、EガラスやAガラスの粒子を含んだ実施例9,10の光拡散シートは、ガラス粒子を含まない実施例11の光拡散シートに比べてヘーズ値が向上しており、これによって導光板のドット隠蔽性が更に改善されることがわかる。また、Eガラス粒子を含んだ実施例9のシートと、Aガラス粒子を含んだ実施例10のシートを対比すると、全光線透過率や輝度は実施例10のシートの方が少し高くなっており、このことから、明るい光拡散シートを得るためにはAガラス粒子を含有させた方が良いことがわかる。
1 光拡散シート
1a コア層
1b 表面層
1c 光拡散剤
1d 光拡散シートの表裏両面
1e 表面層に含有される光拡散剤
2 導光板
3 レンズフィルム(プリズムシート)
4 光源
1a コア層
1b 表面層
1c 光拡散剤
1d 光拡散シートの表裏両面
1e 表面層に含有される光拡散剤
2 導光板
3 レンズフィルム(プリズムシート)
4 光源
Claims (10)
- 光拡散剤が15〜35重量%含有された透光性樹脂よりなるコア層の上下に、透光性樹脂よりなる表面層が一体化されたシートであって、その表裏両面に微細な凹凸が形成されている光拡散シート。
- 光拡散剤が表面層にも含有され、その含有率がコア層と異なる請求項1に記載の光拡散シート。
- コア層に含有されている光拡散剤と異なる光拡散剤が表面層に10〜40重量%含有されている請求項1又は請求項2に記載の光拡散シート。
- コア層の厚みが50〜200μmであり、シート全体の厚みが60〜300μmである請求項1〜請求項3のいずれかに記載の光拡散シート。
- 表裏両面の算術平均粗さが0.5〜10.0μmの範囲にある請求項1〜請求項3のいずれかに記載の光拡散シート。
- 表裏両面の表面積率が1.0010〜1.5000の範囲にある請求項1〜請求項3のいずれかに記載の光拡散シート。
- 出光面となる片面の表面積率が入光面となる反対面の表面積率と同じか、もしくは大きい請求項6に記載の光拡散シート。
- コア層に含有されている光拡散剤がタルクなどの無機質粒子であり、コア層と表面層の透光性樹脂がポリプロピレンである請求項1に記載の光拡散シート。
- コア層に含有されている光拡散剤がガラス粒子を除くタルクなどの無機質粒子であり、コア層と表面層の透光性樹脂がポリプロピレンであり、表面層に含有されている光拡散剤がガラス粒子である請求項2又は請求項3に記載の光拡散シート。
- ポリプロピレンの結晶化度が30〜80%である請求項8又は請求項9に記載の光拡散シート。
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