JP2004293500A - 内燃機関排気管用断熱材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】玄武岩を溶解して長繊維状にしたバサルトヤーンを多数本収束剤で束ね、解繊してバルキー状となし、得られたバルキー状物を複数拠り合わせて編糸とし、編糸を筒状もしくは平布状に組編して内燃機関排気管用断熱材を得る。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の内燃機関の排気管用断熱材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車エンジンの排気ガスは、排気管を通って触媒コンバーターに送られ、触媒コンバーターで大気汚染物質を除去した後にマフラーから大気中に放出される。そして、触媒コンバーターでは、触媒反応の効率の観点から、排気ガス温度が高いことが望まれる。そのため、排気ガスの温度低下を防ぐために、排気管等の排気系の断熱が行われており、従来から排気管用断熱材としてガラス繊維マットやシリカ繊維マット、セラミック繊維ニードルマットを鉄板等の遮熱板の内側に取り付けられたものが使用されている(例えば、特許文献1参照)。また、EGR管(排気還流管)やオイルチューブ用の断熱材として、アルミ箔繊維製のフレキシブルチューブやガラス繊維製のスリーブが使用されている。
【0003】
しかし、触媒コンバーターの触媒活性化を促進するために排気ガスはより高温となっており、自動車の排気系では800℃を超える温度に加熱される部分が増えているが、ガラス繊維マットは約700℃まで、シリカ繊維マットは約800℃までしか耐熱性がなく、十分な断熱を行うことが難しくなってきている。また、近年では環境問題が重視されているが、ガラス繊維マットやシリカ繊維マットは、廃棄処分に際して焼却処分をしようとしても各繊維が溶融して焼却炉の壁に付着するため、焼却処分できないという不都合がある。更には、酸に侵され易いため、融雪材(主成分CaCl2)を撒く寒冷地での使用に適さないという問題もある。
【0004】
また、セラミック繊維ニードルマットは、耐熱性に優れるものの、短繊維で構成されているために繊維が飛散しやすく、エンジンの振動等により繊維の飛散や脱落の恐れがあり、形状安定性が悪い。更に、セラミック繊維ニードルマットは、所謂ショットを含み、そのショットが作業時に脱落するため、ハンドリング性も悪い。
【0005】
また、EGR管やオイルチューブ用の断熱材として用いられているアルミ箔繊維製フレキシブルチューブやガラス繊維製スリーブでは、フレキシブルチューブは約400℃以上の温度では熱劣化が激しく、使用されている接着剤からガスが発生するという問題もある。また、ガラス繊維製スリーブは、一般にE−ガラス繊維からなり、約200℃から繊維が硬直し始め、約500℃になると振動に対して特に脆くなり、破損しやすい。
【特許文献1】
特開平9−49426号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、従来のガラス繊維マットやシリカ繊維マット、セラミック繊維ニードルマットを用いた断熱材では達成できない、800℃を超える高温に十分に耐え得る優れた耐熱性と優れた形状安定性とを有し、更には廃棄処分に当たって容易に焼却処分でき、ハンドリング性も良好な内燃機関排気管用断熱材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、玄武岩を溶解し長繊維状としたバサルトヤーンを用いることで、800℃を超える高温に十分に耐え得る優れた耐熱性が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、上記目的を達成するために、以下の内燃機関排気管用断熱材及びその製造方法を提供する。
(1)玄武岩を溶解し繊維状としたバサルトヤーンのバルキー状物からなる編糸を、筒状もしくは平布状に組編してなることを特徴とする内燃機関排気管用断熱材
(2)玄武岩を溶解して長繊維状にしたバサルトヤーンを多数本収束剤で束ね、解繊してバルキー状となし、得られたバルキー状物を複数拠り合わせて編糸とし、編糸を筒状もしくは平布状に組編することを特徴とする内燃機関排気管用断熱材の製造方法
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に関して詳細に説明する。
【0010】
本発明で用いるバサルトヤーンは、玄武岩を溶解し、それを多孔のブッシングより引き出してフィラメント状の長繊維のヤーンとしたものである。
【0011】
本発明の内燃機関排気管用断熱材を製造するには、先ず、この長繊維状のバサルトヤーンを多数本束ね、収束剤を使用して長尺のバサルトヤーンの束とする。バサルトヤーン1本の繊維径は必要に応じて適宜設定することができるが、9〜17μmが好ましい。また、バサルトヤーンの束におけるバサルトヤーンの本数も必要に応じて適宜設定することができるが、500〜4000本が好ましい。
【0012】
次いで、上記のバサルトヤーンの束を解繊してバルキー状となし、得られたバルキー状物を複数本拠り合わせて編糸とする。尚、バサルトヤーンの束の解繊は、周知の繊維状物の解繊方法、並びにバルキー状物を編糸状に編組する方法は、何れも公知の方法により行うことができる。また、編糸の繊維径は、使用部位に合わせて適宜設定することができるが、0.3〜1.0mmが好ましい。
【0013】
そして、上記の如くして得られた編糸を、周知の方法で筒状(スリーブ状)または平布上に編祖して本発明の内燃機関排気管用断熱材が得られる。内燃機関排気管用断熱材としての厚さは、使用部位に合わせて適宜設定することができるが、0.5〜3.0mmが好ましい。
【0014】
本発明の内燃機関排気管用断熱材は、バサルトヤーンの溶融温度が約1600℃であり、ガラス繊維やシリカ繊維よりも高温での使用に十分に耐え得る。また、バサルトヤーンは、燃焼により容易に分解して焼却炉の炉壁に付着することもなく、廃棄処分においても有利である。更に、繊維の飛散や脱落もなく、形状安定性に優れており、ハンドリング性も良好である。
【0015】
本発明の内燃機関排気管用断熱材は、従来の内燃機関排気管用断熱材と同様にしてエンジン等の排気管に装着される。即ち、筒状の内燃機関排気管用断熱材はそのまま排気管に外挿すればよく、平布の内燃機関排気管用断熱材は排気管に巻付けばよく、何れも装着箇所において優れた耐熱性を長期にわたり良好に維持する。
【0016】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0017】
玄武岩から得た長繊維状のバサルトヤーンを、収束剤としてポリビニルアルコールをバサルトヤーンに対して1.5重量%用いて、一束当たり1000本の束とし、これを解繊してバルキー状長繊維となし、得られたバルキー状長繊維3本を拠り合わせて編糸とした。そして、この編糸を用いて平布を編組し、これを重ねて厚さ6mmのマット状物を得た。
【0018】
また、比較のために、ガラス繊維、シリカ繊維及びセラミック繊維を用いて厚さ6mmのマットを作製した。
【0019】
上記で作製したバサルト製平布からなるマット、ガラス繊維製マット、シリカ繊維製マット及びセラミック繊維製マットを、900℃の電気炉にて8時間加熱した後、その収縮度合を求めた。結果を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
表1に示すように、ガラス繊維製マットは溶けて形状を保持していなかった。また、シリカ製マットは収縮量が30%と大きい。これに対し、本発明に係るバサルト製平布からなるマットは収縮率が2.1%と極く僅かであり、セラミック繊維製マットと遜色の無い耐熱性を備えることがわかる。
【0022】
また、バサルト製平布を焼却したところ、粉末状になって、廃棄処分に際して容易に焼却処分できるものであった。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、800℃を超える高温にも十分に耐え得る優れた耐熱性と優れた形状安定性とを有し、更に廃棄処分に当たって容易に焼却処分でき、ハンドリング性も良好な内燃機関排気管用断熱材が提供される。
Claims (2)
- 玄武岩を溶解し繊維状としたバサルトヤーンのバルキー状物からなる編糸を、筒状もしくは平布状に組編してなることを特徴とする内燃機関排気管用断熱材。
- 玄武岩を溶解して長繊維状にしたバサルトヤーンを多数本収束剤で束ね、解繊してバルキー状となし、得られたバルキー状物を複数拠り合わせて編糸とし、編糸を筒状もしくは平布状に組編することを特徴とする内燃機関排気管用断熱材の製造方法。
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JP2003090032A JP2004293500A (ja) | 2003-03-28 | 2003-03-28 | 内燃機関排気管用断熱材及びその製造方法 |
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2003
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