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JP2004292382A - ミネラル吸収促進剤及び骨粗鬆症用予防及び/又は改善剤 - Google Patents

ミネラル吸収促進剤及び骨粗鬆症用予防及び/又は改善剤 Download PDF

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JP2004292382A
JP2004292382A JP2003088154A JP2003088154A JP2004292382A JP 2004292382 A JP2004292382 A JP 2004292382A JP 2003088154 A JP2003088154 A JP 2003088154A JP 2003088154 A JP2003088154 A JP 2003088154A JP 2004292382 A JP2004292382 A JP 2004292382A
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treatment
cell wall
yeast cell
osteoporosis
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JP2003088154A
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Tomohiko Nakamura
智彦 中村
Mai Mizutani
麻衣 水谷
Yoshiharu Shirasu
由治 白須
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Kirin Brewery Co Ltd
Original Assignee
Kirin Brewery Co Ltd
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Abstract

【課題】酵母細胞壁画分を有効成分とするミネラル吸収促進剤及び該酵母細胞壁画分を有効成分とする骨粗鬆症の予防及び/又は改善剤、更には該酵母細胞壁画分を有効成分とする骨粗鬆症用薬理活性組成物を提供すること。
【解決手段】酵母菌体をアルカリ処理後水洗浄、物理的粉砕処理及び可溶性菌体成分の除去処理を行うことにより得られる酵母細胞壁画分を有効成分とするミネラル吸収促進剤、酵母菌体をアルカリ処理後水洗浄、及び可溶性菌体成分の除去処理を行うことにより得られる酵母細胞壁画分を有効成分とする骨粗鬆症の予防及び/又は改善剤からなる。本発明の有効成分は、ミネラルの吸収を促進させ、骨密度の増加及び骨粗鬆症予防並びに症状の改善に有効であり、副作用が少なく安全で、水への分散性が高く、より摂取しやすい素材としての薬理活性組成物を提供する。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酵母細胞壁画分を有効成分とするミネラル吸収促進剤及び該酵母細胞壁画分を有効成分とする骨粗鬆症の予防及び/又は改善剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
人類は加齢に伴い、体内カルシウム分布・濃度の調節能が変化することで骨組織における骨形成と骨吸収のバランスが崩れ始めるが、昨今、生活様式が機械化され身体への負担が軽減されているにも関わらず、足腰の衰えからくる疾患により病院を訪れる者の人数は増加の一途をたどっている。近年、老齢人口の増加に伴い、寝たきり老人や痴呆老人の治療及び介護が大きな社会問題となっているが、これらの大きな要因は、骨粗鬆症からくる腰の曲がりや痛み、それが原因として起こる骨折のしやすさと言われている。
【0003】
骨は18歳くらいまでに形成され、その後20歳代から30歳代にかけて強靭な骨形成が進むが、世代を問わず女性の社会進出が一層盛んとなっている現在では、女性のライフスタイルの乱れにより女性ホルモンの分泌に異常をきたし、その結果、生理不順や骨密度の低下等が誘引される。また、女性は妊娠や授乳により大量のカルシウムが胎児に供給されるため、骨に十分な量のカルシウムを貯えておく必要がある。女性は50歳頃から閉経を迎え、それと同時に女性ホルモンの分泌が著しく減少することで、骨量および骨密度が急激に減少する。従来から、骨量や骨密度の減少を抑制するためには、運動による刺激、食品からの十分なカルシウム及びマグネシウムの摂取、腸管からのカルシウム吸収を促進する活性型ビタミンDの補給等の、骨が減少する原因を改善していくことが重要と言われてきた。しかしながら、個々のライフスタイルや時間的な制約から常日頃から運動を継続すること、または、食事によりカルシウム、マグネシウム等のミネラル及び活性型ビタミンDを効率良く摂取し続けることは困難である。
【0004】
一方、従来、酵母又は酵母菌体構成成分を有効成分とする薬理用組成物に関する技術としては、特許公報に多くのものが開示されている。例えば、酵母を有効成分とする妊娠維持、流産の防止や胎児の発育促進に有用な組成物(特開平4−305530号公報)や、酵母菌体破砕液の遠心分離上清をプロテアーゼ処理し加熱後沈殿を除去することで得られる、酵母由来リボ核酸のミネラル吸収促進作用及びその製造方法(特開平6−287141号公報)や、ミネラル強化酵母を含有することを特徴とする高機能性食品(特開2000−253851号公報)や、流動食中に酵母、特にミネラル成分、好ましくはその微量元素を高含量に含む酵母を配合した流動性等の物性に優れた流動食(特開2001−46016号公報)や、酒酵母クロムを20〜50質量%含有するミネラル含有組成物又は治療用組成物(特開2002−332236号公報)や、亜鉛含有量の多い乾燥酵母と、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、卵殻カルシウムとを含む塩と、必要に応じてL−グルタミン酸塩とを含有させる食品添加用組成物(特開2002−330727号公報)が開示されている。
【0005】
また、ミネラル強化酵母を懸濁液中で熱水抽出して得られるミネラル分を含有する栄養補給用食品(特開2002−335913号公報)や、ミネラルの供給素材として、好ましくは粒径4μm以下の粒子の割合が50%以上となるよう、酵母の細胞を破砕したミネラル高含有酵母の噴霧乾燥物を含有することを特徴とする経口経管栄養組成物(特開2002−300861号公報)や、マンガン、銅又はモリブデンをミネラル成分とするミネラル酵母を含有する食品組成物(特開2003−198号公報)が開示されている。しかしながら、これらの技術の手段はいずれも、酵母構成成分にミネラルの栄養源を求めたに留まり、ミネラル以外の酵母構成成分のミネラル吸収促進作用に関するものではない。また、酵母に含まれるミネラル分を濃縮した食品素材及びミネラル補給剤に関する技術が開示されているが(特開平9−205号公報)、ミネラル吸収促進または骨粗鬆症予防等の有効性については判定されておらず、実際に摂取した場合の効果の如何は不明である。
【0006】
更に、酵母から抽出した酵母エキスに含まれるリボ核酸を摂取することでミネラル吸収促進作用を期待した技術が開示されているが(特開平5−292916号公報)、試験管内での擬似モデルによりミネラル吸収能を評価しているのみであり、摂取されたリボ核酸の生体内における動態、すなわち、胃や小腸における消化、分解及び吸収等の作用については全く考慮していないことから、ミネラル吸収促進作用の発現に重要となる消化管内におけるカルシウムの可溶化作用が十分に引き起こされ、ひいては、骨形成の促進が生じるかについては不明である。
【0007】
一方、酵母細胞壁を有効成分として薬理活性組成物として利用する技術としては、生酵母を自己消化またはプロテアーゼ等の酵素処理により細胞内の可溶性エキスを除去したエキス抽出残渣の酵母細胞壁をミネラル吸収促進剤として、鉄分の吸収に利用する技術が開示されている(特開2002−255832号公報)。しかしながら、該公報に開示されたものは、酵母細胞壁のラットへの投与により鉄のみかけの吸収率(%)が対照に比べ上昇したとする結果を示しているものの、試験群間の値に有意差を認めてはいない。また、鉄欠乏性貧血ラットに乾燥酵母、酵母細胞壁及び酵母エキスを投与することで、それらのヘモグロビン再生率(%)及びヘモグロビン増加(g/L)を比較しているが、酵母細胞壁は対照に対しては有意な効果があるという結果であるものの、乾燥酵母との間には有意差を認めておらず、さらには、酵母細胞壁とともに酵母エキスも混合し投与している。したがって、該公報の記載からは、酵母細胞壁に特異な効果を確認することができないものである。
【0008】
【特許文献1】
特開平4−305530号公報。
【特許文献2】
特開平5−292916号公報。
【特許文献3】
特開平6−287141号公報。
【特許文献4】
特開平9−205号公報。
【特許文献5】
特開2000−253851号公報。
【特許文献6】
特開2001−46016号公報。
【特許文献7】
特開2002−255832号公報。
【特許文献8】
特開2002−332236号公報。
【特許文献9】
特開2002−330727号公報。
【特許文献10】
特開2002−335913号公報。
【特許文献11】
特開2002−300861号公報。
【特許文献12】
特開2003−198号公報。
【非特許文献1】
Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry, vol.62, p837, 1998。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、酵母細胞壁画分を有効成分とする安全な且つ効力の優れたミネラル吸収促進剤及び該酵母細胞壁画分を有効成分とする骨粗鬆症の予防及び/又は改善剤を提供することにある。
【0010】
近年、食物繊維などの難消化性成分を摂取することで、消化管におけるミネラル吸収が亢進されるという報告がなされている(K. Saito et al., Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry, vol.62, p837, 1998)。摂取された難消化性成分は、大腸で腸内細菌により資化され発酵産物である短鎖脂肪酸へと変換されるが、この生成された短鎖脂肪酸は速やかに腸管から吸収され、大腸のエネルギー源となって大腸機能の正常化、活性化へ貢献すると言われている。かかる短鎖脂肪酸産生の促進素材として、ビフィズス菌や乳酸菌などの腸内細菌や、その成長促進因子であるオリゴ糖及び水可溶性食物繊維が挙げられるが、ビフィズス菌や乳酸菌などの腸内細菌を摂取しても、大腸へ達する前に胃酸の影響によりそのほとんどが死滅し、短鎖脂肪酸の高産生には寄与しないという問題があり、また、オリゴ糖を摂取すると、腸内常在細菌に資化されて短鎖脂肪酸を産生するものの、食物繊維のような膨潤性に乏しく、腸内細菌との接触性や消化管への物理的刺激に欠けることから、短鎖脂肪酸産生や腸管上皮細胞の代謝回転促進という観点から問題があった。
【0011】
また、オリゴ糖は通常甘味を有していることから、食品に配合して使用する場合、その食品の本来の風味を損ねてしまうという弊害があった。更に、オリゴ糖や水可溶性食物繊維の摂取によっては、下痢や腹痛の発症といった副作用の表れる問題があった。したがって、食物繊維などの難消化性成分を摂取することで、消化管におけるミネラル吸収が亢進されるという報告はあるものの、その効果的な解決策が見い出されていないのが現状である。
現在、食生活や身体の生理的バランスから骨密度の減少、骨粗鬆症の問題が増大しており、それらを原因とする骨折など現代人が抱える特有の疾病に対する予防・治療法の開発が期待されている。特に、健康食品のような形での活性物質の摂取は、副作用が少なく簡便であることから、このような疾病の予防・治療法として関心が高まってきている。
【0012】
本発明の課題は、これらのニーズに応えるもので、高齢者の骨量減少抑制及び骨粗鬆症の予防を始めとして、骨粗鬆症患者の症状改善、一般女性や妊婦の骨量及び骨密度の維持改善を目的として、ミネラルの吸収を効果的に促進させ、更には、骨密度の増加及び骨粗鬆症予防並びに症状の改善に有効な、副作用が少なく安全な、水への分散性が高く、より摂取しやすい素材としてのミネラル吸収促進剤及び骨粗鬆症の予防及び/又は改善剤、更には骨粗鬆症用薬理活性組成物を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく、ミネラルの吸収を促進し、骨密度の増加や骨粗鬆症の予防及び/又は改善に有効であり、且つ飲食のような形で安全に摂取できる物質について、鋭意探索した結果、酵母菌体をアルカリ処理後水洗浄、物理的粉砕処理及び可溶性菌体成分の除去処理を行うことにより得られる酵母細胞壁画分が、安全な且つ効力の優れたミネラル吸収促進剤としての作用があり、また、酵母菌体をアルカリ処理後水洗浄、及び可溶性菌体成分の除去処理を行うことにより得られる酵母細胞壁画分が、骨粗鬆症の予防及び/又は改善剤として有効であることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、酵母菌体をアルカリ処理後水洗浄、物理的粉砕処理及び可溶性菌体成分の除去処理を行うことにより得られる酵母細胞壁画分を有効成分とするミネラル吸収促進剤、及び酵母菌体をアルカリ処理後水洗浄、及び可溶性菌体成分の除去処理を行うことにより得られる酵母細胞壁画分を有効成分とする骨粗鬆症の予防及び/又は改善剤からなるものである。本発明における物理的粉砕処理は、高圧ホモジナイザーや超音波発生器のような粉砕処理によって行われる。
【0014】
骨密度の増加や骨粗鬆症の予防及び/又は改善に有効な物質を探索する中で、ミネラルの吸収を促進し、且つ、飲食のような形で安全に摂取できる物質としては、食物繊維のようなものが考えられる。体に、摂取された食物繊維は消化管内において腸内細菌により分解を受け、発酵産物として酢酸、プロピオン酸及び酪酸などの短鎖脂肪酸が産生される。大腸内の短鎖脂肪酸産生に伴い、大腸の粘膜側に短鎖脂肪酸が豊富に存在することで大腸におけるミネラル吸収が亢進されることが明らかとなっている。この作用は、短鎖脂肪酸によるpHの低下及び浸透圧の上昇という物理的な影響から、大腸内にあるミネラルの可溶化率が上昇することで、大腸の粘膜側から管腔側へ通過するミネラル量が増加することが要因の一つと考えられている。したがって、より発酵性の高い食物繊維を摂取することが、大腸におけるミネラル吸収の促進効果を高める重要なポイントとなる(C. Demigne et al., Journal of Nutrition, vol.119, p1625, 1989)。
【0015】
本発明者らは、このような視点にたって、鋭意探索の結果、酵母の細胞内成分である酵母エキスを除去して得られる酵母細胞壁画分についての研究過程において、酵母細胞壁画分が水不溶性食物繊維を含有するにも関わらず、水への分散性、膨潤性に優れ、また摂取後の大腸における腸内細菌による資化性が高く、他の食物繊維素材に比べてより多くの短鎖脂肪酸を産生させる作用を持つことを見い出した。そこで、酵母細胞壁画分の薬理作用について種々検討を重ねたところ、酵母菌体をアルカリ処理後水洗浄し、更に可溶性菌体成分を除去するか、或いは可溶性菌体成分を除去した酵母菌体をアルカリ処理後水洗浄して得た酵母細胞壁画分を、高圧ホモジナイザーのような物理的粉砕処理を施して得られる酵母細胞壁画分が、消化管内における腸内細菌の短鎖脂肪酸産生の資化基質となる食物繊維含量を高め、しかも、自己消化による特有の異味異臭のない、摂取に適した酵母細胞壁画分となることを見い出し、本発明をなした。
【0016】
すなわち具体的には本発明は、酵母菌体をアルカリ処理後水洗浄、物理的粉砕処理及び可溶性菌体成分の除去処理を行うことにより得られる酵母細胞壁画分を有効成分とするミネラル吸収促進剤(請求項1)や、物理的粉砕処理が高圧ホモジナイザー処理によって行われることを特徴とする請求項1記載のミネラル吸収促進剤(請求項2)や、溶性菌体成分の除去処理が、自己消化及び/又は酵素処理によって行われることを特徴とする請求項1又は2記載のミネラル吸収促進剤(請求項3)や、酵母菌体をアルカリ処理後水洗浄、及び可溶性菌体成分の除去処理を行うことにより得られる酵母細胞壁画分を有効成分とする骨粗鬆症の予防及び/又は改善剤(請求項4)や、酵母菌体をアルカリ処理後水洗浄、物理的粉砕処理及び可溶性菌体成分の除去処理を行うことにより得られる酵母細胞壁画分を有効成分とする骨粗鬆症の予防及び/又は改善剤(請求項5)や、物理的粉砕処理が高圧ホモジナイザー処理によって行われることを特徴とする請求項5記載の骨粗鬆症の予防及び/又は改善剤(請求項6)や、可溶性菌体成分の除去処理が、自己消化及び/又は酵素処理によって行われることを特徴とする請求項4〜6のいずれか記載の骨粗鬆症の予防及び/又は改善剤(請求項7)からなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明は、酵母菌体をアルカリ処理後水洗浄し、更に可溶性菌体成分を除去するか、或いは可溶性菌体成分を除去した酵母菌体をアルカリ処理後水洗浄して得た酵母細胞壁画分を、高圧ホモジナイザーや超音波発生器のような物理的粉砕処理を施して得られる酵母細胞壁画分を有効成分とするミネラル吸収促進剤、及び、酵母菌体をアルカリ処理後水洗浄、及び可溶性菌体成分の除去処理を行うことにより得られる酵母細胞壁画分を有効成分とする骨粗鬆症の予防及び/又は改善剤からなるものである。
【0018】
(原料酵母)
本発明の酵母細胞壁画分の原料となる酵母としては、分類学上酵母に属するもので可食性の酵母であれば特に制限はなく、例えば、ビール醸造工程の副生成物であるビール酵母の他、ワイン酵母、パン酵母、トルラ酵母、アルコール酵母、清酒用酵母などを挙げることができ、より具体的には、ビール酵母、パン酵母の属するサッカロマイセス属のサッカロマイセス・セレビッシェ(Saccharomyces cerevisiae)或いはサッカロマイセス・パストリアヌス(Saccharomyces pastorianus)、その他サッカロマイセス・ルーキシ(Saccharomyces rouxii)、サッカロマイセス・カールスバーゲンシス(Saccharomyces carlsbergensis)、サッカロマイセス・ポンベ(Saccharomyces pombe)、またメタノール資化性酵母であるキャンディダ属のキャンディダ・ウティリス(Candida utilis)、キャンディダ・トロピカリス(Candida tropicalis)、キャンディダ・リポリティカ(Candida lipolytica)、キャンディダ・フレーベリ(Candida flaveri)、キャンディダ・ボイジニィ(Candida boidinii)等を、さらにロドトルラ・ミニュータ(Rhodotrura minuta)等を例示することができる。そして、これら酵母は、単独あるいは組み合わせて使用することができる。また、酵母としては生酵母を用いることが好ましいが、乾燥酵母等の生酵母以外の形態の酵母を用いる場合であっても、例えば水中等に懸濁して生酵母同様に処理することもできる。さらに、使用する酵母の形状や大きさに特に制限はなく、その大きさは1〜20μmの範囲のものが好ましい。
【0019】
(酵母細胞壁画分の調製)
本発明において用いる酵母細胞壁画分の調製には、酵母菌体をアルカリ処理後水洗浄し、更に可溶性菌体成分を除去するか、或いは可溶性菌体成分を除去した酵母菌体をアルカリ処理後水洗浄することにより、酵母菌体から例えば蛋白質、アミノ酸、核酸などの水又は極性溶剤に可溶性の菌体成分のような可溶性菌体成分が除去された酵母細胞壁画分を調製することにより行う。酵母菌体から可溶性菌体成分を除去するには、通常酵素処理により酵母菌体を溶菌して可溶性菌体成分を菌体外に分離・除去することにより行われる。かかる酵素処理方法としては、酵母菌体の酵素を使用するいわゆる自己消化法や、外部からプロテアーゼ、ヌクレアーゼ、グルカナーゼ、エステラーゼなどの酵素を添加する酵素添加法や、それらを併用する方法などを例示することがでる。かかる酵素処理酵母菌体から、可溶性菌体成分を遠心分離などの除去処理を施すことによって酵母細胞壁画分を得ることができる。上記例示の酵素処理方法は、いずれも酵母菌体内成分を酵母エキスとして製造する際に用いる方法であることからして、製造コストの点を考慮すると、酵母細胞壁画分として、酵母エキス製造における副生成物である酵母エキス抽出残渣を利用することが有利である。
【0020】
本発明で用いる酵母細胞壁画分の調製を、酵母エキス製造における副生成物である酵母エキス抽出残渣を利用して行う場合の該酵母エキスの製造方法としては、例えば、特開平8−56611号公報に示される、加熱失活させた酵母の水懸濁液を酵素で分解処理した後、キトサンまたはキトサンとポリアクリル酸塩を添加して水不溶物の除去を行い、酵母エキス水溶液を得る酵母エキスの製造方法や、特開平9−56361号公報に示される、高圧ホモジナイザー処理した酵母菌体懸濁液を中性〜弱アルカリ性に調整し、該酵母菌体懸濁液にエンド型プロテアーゼを含む酵素剤を添加し、自己消化させる酵母エキスの製造方法や、特開平11−332511号公報に示される、原料となる酵母菌体を、加温処理した後に、核酸分解酵素の含まれる条件下で、かつ5´−ヌクレオチドを分解する酵素活性が抑制される条件下で菌体成分を消化し抽出する酵母エキスの製造法などが挙げられる。また、これらの技術以外にも、公知の酵母エキスの製造における酵母エキス抽出残渣を有効に用いることができる。
【0021】
本発明で用いる酵母細胞壁画分の調製に際しては、酵母菌体又は酵母エキス抽出残渣を、生理活性効果の増大及び臭い等の物性の改善のために、アルカリ処理後、水洗浄処理を行う。例えば、酵母細胞壁画分として、酵母菌体又は酵母エキス抽出残渣を、アルコール処理及び/又はオゾン処理することなく、水洗浄又はアルカリ処理後水洗浄、若しくは水洗浄又はアルカリ処理後水洗浄に加え、本発明にしたがって、高圧ホモジナイザー処理等のような物理粉砕処理を行うことにより、より優れたミネラル吸収促進作用及び骨粗鬆症の予防や症状改善効果を奏するばかりでなく、自己消化による特有の異味異臭がなく、摂取に適した酵母細胞壁画分を得ることができる。かかるアルカリ処理後の水洗浄処理としては、酵母エキス抽出工程においてスラリー状の酵母菌体をアルカリ処理後水洗浄し、酵母菌体から得られた酵母エキス抽出残渣をさらにアルカリ処理し、その後水洗浄処理することが好ましいが、酵母菌体あるいは酵母エキス抽出残渣のいずれか一方に対してアルカリ処理後水洗浄を行ってもよい。
【0022】
上記スラリー状の酵母菌体のアルカリ処理としては、例えば、固形分濃度を5〜20重量%、好ましくは8〜12重量%、より好ましくは約10重量%に調整した酵母菌体スラリーに、そのpHが8〜12、好ましくは9〜10となるように水酸化ナトリウムを添加し、0〜20℃、好ましくは0〜10℃での攪拌処理を挙げることができる。また、かかるアルカリ処理後の水洗浄としては、通常の水洗浄方法を用いることができ、アルカリ処理後の菌体を遠心分離機等で脱水した後に行うことが洗浄効率の点からして好ましく、かかる洗浄工程は複数回行うこともできる。また、上記酵母エキス抽出残渣のアルカリ処理としては、例えば、固形分濃度を5〜20重量%、好ましくは8〜12重量%、より好ましくは約10重量%に調整した酵母エキス抽出残渣スラリーに、そのpHが8〜12、好ましくは9〜10となるように水酸化ナトリウムを添加し、0〜70℃、好ましくは0〜50℃、より好ましくは10〜30℃での攪拌処理を挙げることができる。
【0023】
また、かかるアルカリ処理後の水洗浄としては、通常の水洗浄方法を用いることができ、アルカリ処理後の酵母エキス抽出残渣を遠心分離機等で脱水した後に行うことが洗浄効率の点からして好ましく、かかる洗浄工程は複数回行うこともできる。エタノール処理、オゾン処理、酸処理を行うことなく、このようなアルカリ処理後水洗浄処理により、異味異臭原因物質が簡便かつ低コストで除去することができ、単独で摂取する場合はもちろん、他の食品素材と混合使用する場合であっても、かかる食品素材の風味を損なうことがない無味無臭の酵母細胞壁画分を得ることができる。
【0024】
本発明においては、酵素処理を速やかに行うとともに、より効力の優れた酵母細胞壁画分を得るために、酵素処理前や上記アルカリ処理前の酵母菌体に、物理粉砕処理(高圧ホモジナイザーなどにより細胞壁の物理的破壊を伴う前処理)を施す。物理粉砕処理として高圧ホモジナイザー(例えばHigh pressure homogenizer、APV製)や超音波発生器(例えばUltrasonics、Telsonics製)による粉砕処理等が挙げられる。このうち、高圧ホモジナイザーを用いる前処理は、例えば100〜1000kg/cmの圧力下冷却しながら行うことが望ましい。さらには、酵母細胞壁画分の食物繊維含量を高めることを目的として、アルカリ処理後水洗浄後の酵母菌体に、高圧ホモジナイザーなどにより細胞壁の物理的破壊を伴う後処理を行うこともできる。この高圧ホモジナイザーを用いる後処理は、例えば100〜1000kg/cmの圧力下冷却しながら行うことが望ましい。このような物理処理は、その効力の増大とともに、酵母菌体の分散性向上(食感の向上)や洗浄性の向上(異味異臭物質除去性の向上)を得る目的で、酵素処理後や上記アルカリ処理後の酵母菌体に施すことも出来る。
【0025】
(薬理活性組成物)
本発明において酵母細胞壁画分を有効成分とするミネラル吸収促進剤及び骨粗鬆症の予防及び/又は改善剤は、薬理活性組成物として摂取することができる。
ここで、薬理活性組成物とは、酵母細胞壁画分を単独又は酵母細胞壁画分と他の成分若しくは素材との混合物からなり、酵母細胞壁画分の有する薬理作用の対象となる疾病に対する予防及び/又は症状改善用の製剤、並びに飲食品素材に配合した飲食品としての形態をとった飲食可能な組成物をいう。
本発明における、ミネラル吸収促進効果、骨密度上昇効果及び骨密度減少抑制効果を有する酵母細胞壁画分は、一般に消化管内でクロム、鉄等の3価のカチオンやカルシウム、マグネシウム、マンガン、モリブデン、セレン、鉄、銅、亜鉛等の2価のカチオンや、ナトリウム、カリウム等の1価のカチオンを始めとしたミネラルの可溶化率を向上させるために有効であるといわれている、短鎖脂肪酸の産生基質となりうる食物繊維などの難消化性成分を豊富に含有することが必要であるとともに、その難消化性成分は消化管内において腸内細菌により良好に発酵されることが好ましい。さらに、本発明に用いられる酵母細胞壁画分に含まれる食物繊維成分は60%以上であることが好ましい。
【0026】
本発明に用いられる酵母細胞壁画分に含有される食物繊維には、主にβ−1,3−グルカン、β−1,6−グルカン、及びα−1,6−マンナンから構成されるものであり、その中でも主体をなすβ−1,3−グルカンとβ−1,6−グルカンが豊富に含有されることで消化管内における高い発酵性が保証されるため、本発明における酵母細胞壁画分にはより多くのβ−グルカンが含有されることが好ましい。さらに、本発明に用いられる酵母細胞壁画分に含まれるβ−グルカンは、通常の酸加水分解法により酵母細胞壁画分を分解した後、高速液体クロマトグラフィーを用いた絶対検量線法により容易に測定することが可能であるが、該画分に含まれるβ−グルカン量は、41%以上であることが好ましく、より好ましくは、49%以上であることが好ましい。なお、上記用途剤としての効果を発揮するものであれば、酵母菌体をそのまま物理破砕処理することにより得られる酵母細胞壁画分でも構わない。
【0027】
本発明の酵母細胞壁画分はミネラルの吸収促進剤、骨粗鬆症の予防、症状改善素材として、ヨーグルト、ドリンクヨーグルト、ジュース、牛乳、豆乳、酒類、コーヒー、紅茶、緑茶、煎茶、玉露、ウーロン茶、ウコン茶、プーアル茶、ジャスミン茶、スポーツ飲料、ミネラルウオーター等の各種飲料や、プリン、クッキー、パン、ケーキ、ドーナツ、ゼリーなどの洋菓子、煎餅、羊羹、大福、おはぎ、カステラなどの和菓子、冷菓、チューインガム等のパン・菓子類や、うどん、そば等の麺類や、かまぼこ、ハム、魚肉ソーセージ等の魚肉練り製品や、ハム、ソーセージ、ハンバーグ等の畜肉製品や、みそ、しょう油、ソース、ドレッシング、マヨネーズ、甘味料等の調味類や、たこ焼き、お好み焼き、焼きそば等の鉄板焼き食品や、豆腐、こんにゃく、その他漬物、佃煮、餃子、コロッケ、サンドイッチ、ピザ、ハンバーガー、サラダ等の各種総菜へ配合して飲食品として使用することで、より本発明の効果を発揮でき、特に、咀嚼力が減退するとともに、歯の状態が悪化した高齢者、食事内容に過敏な妊婦、体重増加の気になる女性のQOL(quality of life)の改善に貢献することができる。
【0028】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。なお、特にことわらない限り、実施例中に示された酵母菌体重量は全て実状態での重量(ドライウエイト)である。なお、これより以下、カルシウムは「Ca」と表記する。
【0029】
調製例1
ビール醸造工程より副生成物として得られる、発酵後ビール酵母スラリーの重量を精確に量った後、固形分が10重量%になるように加水した。水酸化ナトリウムをpH9となるまで添加し、10℃で攪拌処理を行った後、遠心分離を行い、沈殿画分に加水して洗浄後、再度遠心分離を行った。固形分が10重量%になるように加水した懸濁物を50℃、17時間の反応条件で自己消化させた後、遠心分離して、可溶性菌体成分を除去した自己消化残渣を酵母細胞壁画分とした。この酵母細胞壁画分のタンパク質含量は23.7%、食物繊維含量(AOAC法)は60.3%であった。
【0030】
調製例2
ビール醸造工程より副生成物として得られる、発酵後ビール酵母スラリーの重量を精確に量った後、固形分が10重量%になるように加水した。水酸化ナトリウムをpH9となるまで添加し、10℃で攪拌処理を行った後、遠心分離を行い、沈殿画分に加水して洗浄後、再度遠心分離を行った。固形分が10重量%になるように加水した懸濁物を700kg/cmの圧力下冷却しながら高圧ホモジナイザー処理を行った後、懸濁物を50℃、7時間の反応条件で自己消化させた後、さらにプロテアーゼを添加し50℃で18時間酵素反応を行った後、遠心分離を行い可溶性菌体成分を除去し、ここで得られる自己消化・酵素反応残渣を酵母細胞壁画分とした。この酵母細胞壁画分のタンパク質含量は21.3%、食物繊維含量(AOAC法)は62.7%であった。
【0031】
調製例3
ビール醸造工程より副生成物として得られる、発酵後ビール酵母スラリーの重量を精確に量った後、固形分が10重量%になるように加水した。水酸化ナトリウムをpH9となるまで添加し、10℃で攪拌処理を行った後、遠心分離を行い、沈殿画分に加水して洗浄後、再度遠心分離を行った。固形分が10重量%になるように加水した懸濁物を700kg/cmの圧力下冷却しながら高圧ホモジナイザー処理を行った後、懸濁物を50℃、7時間の反応条件で自己消化させた後、さらにプロテアーゼを添加し50℃で18時間酵素反応を行った後、遠心分離を行い可溶性菌体成分を除去した。この画分の固形分が10重量%になるように加水して洗浄後に遠心分離を行う操作を2度繰り返し、ここで得られる沈殿画分を酵母細胞壁画分とした。この酵母細胞壁画分のタンパク質含量は14.0%、食物繊維含量(AOAC法)は67.3%であった。
【0032】
調製例4
ビール醸造工程より副生成物として得られる、発酵後ビール酵母スラリーの重量を精確に量った後、固形分が10重量%になるように加水した。水酸化ナトリウムをpH9となるまで添加し、10℃で攪拌処理を行った後、遠心分離を行い、沈殿画分に加水して洗浄後、再度遠心分離を行った。固形分が10重量%になるように加水した懸濁物を700kg/cmの圧力下冷却しながら高圧ホモジナイザー処理を行った後、懸濁物を50℃、7時間の反応条件で自己消化させた後、さらにプロテアーゼを添加し50℃で18時間酵素反応を行った後、遠心分離を行い可溶性菌体成分を除去した。得られた自己消化・酵素反応残渣に加水して洗浄後、再度遠心分離を行った後、固形分が10重量%になるように加水した懸濁物を700kg/cmの圧力下冷却しながら高圧ホモジナイザー処理を行い酵母細胞壁画分とした。この酵母細胞壁画分の成分分析値を表1に示す。
【0033】
【表1】
Figure 2004292382
【0034】
試験例1
調製例2で得られた酵母細胞壁画分(以下「本発明品1」という)の水中での膨潤能と、他の代表的な食物繊維素材の膨潤能との比較を行うため、消化管内を人工的に再現した環境下における水中沈定体積を測定した。サンプルとして本発明品1の他、市販のセルロース、小麦ふすま、コーンファイバー、ビートファイバー、及び酵母細胞壁(田辺製薬株式会社製「イムセルBF」、以下「比較例品」という)を用い、これら各1gをそれぞれ100mLメジューム瓶にとり、1/15Mリン酸緩衝液(NaHPOを4.7g、KHPOを4.5gとり、蒸留水を加え1Lに定容、pH6.8)を50mL加えて攪拌した。超音波処理及び脱気処理を1分間行い、さらに超音波処理を3分間継続して行った後、100mLメスシリンダーに移し、上記緩衝液を加えて100mLに定容した。24時間静置後、各サンプルの沈定体積(mL/g)の測定を行った。結果を表2に示す。表2からもわかるように、本発明品1は他の代表的な食物繊維素材及び類似の酵母細胞壁素材である比較例品に比べて、水中での高い膨潤能を有することが判明した。以上のことから、骨密度上昇及び減少抑制に顕著な効果を発揮する本発明品は、水不溶性食物繊維を含有するにも関わらず、膨潤性、すなわち、水への分散性が極めて高いことが明らかとなり、より摂取しやすい素材としての薬理用組成物を提供されることが可能であることを確認した。
【0035】
【表2】
Figure 2004292382
【0036】
試験例2
調製例3で得られた酵母細胞壁画分(以下「本発明品2」という)の、健常ラットを用いた消化管からのCa吸収及び骨密度に与える影響についての実験を行った。供試動物として、Wistar系雄性ラット(7週齢、150〜170g)を用い、試験飼料投与前の1週間、表3に示す対照群の組成飼料で予備飼育を行い、実験環境への馴化を行った後、これらラットを各群8匹ずつに区分けして使用した。供試飼料(被検サンプル)としては、表3に組成が示されている調製例3により調製された本発明品2群、食物繊維成分を配合しない対照群及び酵母細胞壁画分と等量の酵母細胞壁(イムセルBF)を含む比較例品群を用い、供試飼料は自由摂取にてラットに与え、2週間飼育した。なお、本発明品2又は比較例品のタンパク質含量及び脂質含量を測定することで、飼料中のタンパク質含量及び脂質含量が均等になるようカゼイン及び大豆油の配合量を補正した。供試飼料の投与2週間後、糞便、右側大腿骨及び腹部大動脈血の採取を行い、糞便排泄量、糞便中Ca排泄量及び血清中Ca濃度の測定を行った。採取した糞便は直ちに凍結乾燥を行った後、乾燥重量を測定し、採取した血液は直ちに遠心分離を行い血清を分取した。また、大腿骨については、骨密度及び骨塩量をpQCT法にて測定した。
【0037】
骨は大きく分けて皮質骨と海綿骨に分かれるが、代謝回転は内部にある海綿骨のほうが速く、中心部の海綿骨がもろくなることで骨全体の強度も低下するため、海綿骨の骨密度を高めることが骨粗鬆症予防に重要なポイントの一つとなることから、総骨密度、海綿骨骨密度、全骨塩量及び海綿骨骨塩量を指標として効果を判定した。結果を表4に示す。本発明で得られた本発明品の摂取により、糞便中へのCa排泄量が有意に減少したことから、Caの体内への吸収率が向上したことが判明した。さらに、総骨密度、海綿骨骨密度、全骨塩量及び海綿骨骨塩量の比較においては、本発明品2群が他の2群に比べ有意に高い値となった。以上のことから、本発明品2には骨密度上昇効果のあることが明らかとなり、これは、本発明品を始めとした食物繊維成分を摂取しない場合、もしくは、比較例品を摂取した場合に比べて顕著に高い効果であった。
【0038】
【表3】
Figure 2004292382
【0039】
【表4】
Figure 2004292382
【0040】
試験例3
調製例4で得られた酵母細胞壁画分(以下「本発明品3」という)の健常ラットを用いた消化管からのCa吸収及び骨密度に与える影響についての実験を行った。供試動物として、Wistar系雄性ラット(7週齢、150〜170g)を用い、試験飼料投与前の1週間、表5に示す対照群の組成飼料で予備飼育を行い、実験環境への馴化を行った後、これらラットを各群8匹ずつに区分けして使用した。供試飼料(被検サンプル)としては、表5に組成が示されている調製例4により調製された本発明品群、食物繊維分を配合しない対照群及び酵母細胞壁画分と等量の酵母細胞壁(イムセルBF)を含む比較例品群を用い、供試飼料は自由摂取にてラットに与え、2週間飼育した。なお、本発明品3又は比較例品のタンパク質含量及び脂質含量を測定することで、飼料中のタンパク質含量及び脂質含量が均等になるようカゼイン及び大豆油の配合量を補正した。供試飼料の投与2週間後、糞便、右側大腿骨及び腹部大動脈血の採取を行い、糞便排泄量、糞便中Ca排泄量及び血清中Ca濃度の測定を行った。採取した糞便は直ちに凍結乾燥を行った後、乾燥重量を測定し、採取した血液は直ちに遠心分離を行い血清を分取した。また、大腿骨については、骨密度及び骨塩量をpQCT法にて測定した。
【0041】
なお、効果の判定は、試験例2と同様に、総骨密度、海綿骨骨密度、全骨塩量及び海綿骨骨塩量を効果の指標とした。結果を表6に示す。本発明で得られた本発明品3の摂取により、糞便中へのCa排泄量が有意に減少したことから、Caの体内への吸収率が向上したことが判明した。さらに、海綿骨骨塩量の比較においては、本発明品3群が比較例品群に比べ有意に高い値となった。また、海綿骨骨密度について本発明品群と比較例品群とを比較したところ、p値が5%水準では有意でなかったものの、p=0.07と限りなく有意に近い結果にて本発明品3の比較例品に対する高い効果が判明した。以上のことから、本発明品3には骨組織増強効果のあることが明らかとなり、これは、本発明品3を始めとした食物繊維成分を摂取しない場合、もしくは、比較例品を摂取した場合に比べて顕著に高い効果であった。
【0042】
【表5】
Figure 2004292382
【0043】
【表6】
Figure 2004292382
【0044】
試験例4
調製例2で得られた酵母細胞壁画分(以下「本発明品1」という)の、食餌中のCa量の低減により作製した骨密度減少モデルラット(骨粗鬆症モデル)を用いた骨密度に与える影響についての実験を行った。供試動物として、SD系雄性ラット(3週齢、45〜55g)を用い、表7に示すLow Ca飼料(0.003% Ca)にて2週間飼育することで骨密度減少モデルを作製した後、これらラットを各群8匹ずつに区分けした。引き続きラットへ供試する飼料として、本発明品1配合飼料及び対照飼料に含まれる食物繊維含量が均等になるよう、代表的な食物繊維素材であるセルロース(旭化成株式会社製、アビセル)を比較例品(以下「比較例品2」)として配合した対照飼料を設定した。供試飼料として表8に組成を示した、Normal Ca含有比較例品2配合飼料(0.5% Ca)、Normal Ca含有10%本発明品1配合飼料(0.5% Ca)、High Ca含有比較例品2配合飼料(1.2% Ca)、およびHigh Ca含有10%本発明品1配合飼料(1.2% Ca)をそれぞれ2週間自由摂取させた。各飼料中のCa含量は、飼料組成であるAIN−93Gを基本としたミネラル混合組成物中のCa含量を調整することで補正した。供試飼料の投与2週間後、右側大腿骨及び腹部大動脈血の採取を行った。採取した血液は直ちに遠心分離を行い血清を分取した後、血清中Ca濃度の測定を行った。また、大腿骨については、骨密度及び骨塩量をpQCT法にて測定した。
【0045】
骨は大きく分けて皮質骨と海綿骨に分かれるが、食餌中のCa量の低減によって骨密度が減少する場合、まず初めに皮質骨から骨吸収作用が進行することで骨密度の低下が起こることから、総骨密度及び皮質骨骨密度を指標として効果を判定した。結果を表9及び表10に示す。Normal Ca飼料では本発明品1の配合による骨密度への影響に有意な差は観察されなかったが、High Ca飼料においては本発明品1の摂取により対照と比較し総骨密度および皮質骨骨密度の減少が有意に抑制された。以上のことから、本発明品1には食餌中のCa量の低減によって生じる骨密度の減少によって生じる骨粗鬆症様の症状を抑制する効果のあることが明らかとなった。この効果は、食物繊維素材である比較例品2を摂取した場合に比べて顕著に高いものであった。
【0046】
【表7】
Figure 2004292382
【0047】
【表8】
Figure 2004292382
【0048】
【表9】
Figure 2004292382
【0049】
【表10】
Figure 2004292382
【0050】
試験例5
卵巣摘出手術を行うことでエストロゲン欠乏により発症する閉経性骨粗鬆症モデルラットを用い、調製例2で得られた酵母細胞壁画分(以下「本発明品1」という)摂取が骨密度に及ぼす影響を評価する実験を行った。
Wistar系雌性ラット(8週齢、180〜210g)を固形飼料(CE−2、日本クレア製)にて1週間馴化後、ラットを各群10匹ずつに区分けした。表11に示す、High Ca含有10%本発明品1配合飼料(2.5% Ca)及び本発明品を配合しないHigh Ca飼料(2.5% Ca)を対照飼料として1週間投与した後、両側卵巣摘出術を行った。引き続き、同一の試験飼料をそれぞれ3週間自由摂取させた後、右側大腿骨及び腹部大動脈血の採取を行った。採取した血液は直ちに遠心分離を行い血清を分取した後、血清中Ca濃度の測定を行った。また、大腿骨については、骨密度をpQCT法にて測定した。
【0051】
エストロゲン欠乏により発症する閉経性骨粗鬆症モデルの場合、中心部の海綿骨からもろくなることで骨全体の強度が低下するため、海綿骨の骨密度を高めることが骨粗鬆症予防に重要なポイントの一つとなることから、総骨密度及び海綿骨骨密度を指標として効果を判定した。なお、本発明品1無配合飼料を摂取する偽手術群を別途設定することで卵巣摘出ラットの骨密度低下を確認した。結果を表12に示す。本発明品1の摂取により対照と比較し海綿骨骨密度の減少が有意に抑制された。以上のことから、本発明品の摂取により、Ca吸収もしくは骨形成が助長され骨粗鬆症の症状改善もしくは予防に貢献することが明らかとなった。
【0052】
【表11】
Figure 2004292382
【0053】
【表12】
Figure 2004292382
【0054】
試験例6
本発明における酵母細胞壁画分は摂取された後、胃内における消化酵素や物理的作用の影響をほとんど受けることなく下部消化管に到達し、そこで腸内細菌の発酵基質となることで酢酸、プロピオン酸及び酪酸といった短鎖脂肪酸に変換されるが、該短鎖脂肪酸の作用によって消化管内が酸性域に保たれることで消化管粘膜側に存在するカルシウムを始めとしたミネラルの可溶化率が高まり、よって、ミネラル吸収が促進され、ひいては、骨密度上昇効果及び骨密度減少抑制効果が発揮される。本発明における酵母細胞壁画分は、短鎖脂肪酸の産生基質となりうる食物繊維などの難消化性成分を豊富に含有するが、その食物繊維成分が豊富に含有されることを調べるため、調製例2で得られた酵母細胞壁画分(以下「本発明品1」という)、調製例3で得られた酵母細胞壁画分(以下「本発明品2」という)、調製例4で得られた酵母細胞壁画分(以下「本発明品3」という)及び類似の酵母細胞壁(田辺製薬株式会社製「イムセルBF」、以下「比較例品」という)に存在する食物繊維含量について、AOAC公定のプロスキー法により測定を行った。その結果(表13)、本発明品1、本発明品2及び本発明品3には60%以上の食物繊維が含まれていることが判明した。一方、比較例品に含まれるグルコース量は54.5%であることが分かり、十分なミネラル吸収促進、骨密度の上昇及び骨密度減少抑制効果の発現には、60%以上の食物繊維の存在が必要であることを確認した。
【0055】
【表13】
Figure 2004292382
【0056】
試験例7
本発明における酵母細胞壁画分には、短鎖脂肪酸の産生基質となりうる食物繊維などの難消化性成分を豊富に含有ことが試験例6から明らかとなったが、本発明品中にある食物繊維の中でも主体をなすβ−1,3−グルカン及びβ−1,6−グルカンが豊富に含有されることを調べるため、調製例3で得られた酵母細胞壁画分(以下「本発明品2」という)、調製例4で得られた酵母細胞壁画分(以下「本発明品3」という)及び類似の酵母細胞壁(田辺製薬株式会社製「イムセルBF」、以下「比較例品」という)に存在するβ−グルカン由来のグルコース含量について、通常の酸加水分解法により本発明品又は比較例品を分解した後、高速液体クロマトグラフィーを用いた絶対検量線法により測定を行った。
【0057】
その結果(表14)、本発明品2及び本発明品3には49%以上のグルコースが含まれていることが判明した。一方、比較例品に含まれるグルコース量は40.1%であることが分かり、十分なミネラル吸収促進、骨密度の上昇及び骨密度減少抑制効果の発現には、41%以上のグルコース、すなわち、グルコースを構成糖とする多糖であるβ−グルカンの存在が重要であることを確認した。また、腸内細菌細胞の資化されうる構成多糖を成すグルコース及びマンノースの合計含有量の比較においては、本発明品2及び本発明品3には75%以上の多糖類が含まれていることが判明した。一方、比較例品に含まれる多糖類の総量には61.8%であることが分かり、十分なミネラル吸収促進、骨密度の上昇及び骨密度減少抑制効果の発現には、63%以上の多糖成分、すなわち、グルコース及びマンノースを構成糖とする多糖成分の存在が重要であることを確認した。
【0058】
【表14】
Figure 2004292382
【0059】
試験例8
本発明における酵母細胞壁画分は、摂取され消化管に到達した後、腸内細菌の発酵基質となることで、酢酸、プロピオン酸及び酪酸といった短鎖脂肪酸に変換され、それらの該短鎖脂肪酸の作用によって消化管内に存在するカルシウムを始めとしたミネラルの可溶化率が高まることで、ミネラルの吸収促進が発現され、ひいては、骨密度上昇効果及び骨密度減少抑制効果がもたらされる。本発明における酵母細胞壁画分が、腸内細菌によりどの程度発酵され短鎖脂肪酸が産生されるかについて調べるため、調製例3で得られた酵母細胞壁画分(以下「本発明品2」という)、調製例4で得られた酵母細胞壁画分(以下「本発明品3」という)及び類似の酵母細胞壁(田辺製薬株式会社製「イムセルBF」、以下「比較例品」という)を正常ラットに投与し、摂取後の盲腸内に産生される短鎖脂肪酸量を測定する実験を行った。供試動物として、Wistar系雄性ラット(7週齢、150〜170g)を用い、試験飼料投与前の1週間、試験例2の表3に示す対照群の組成飼料で予備飼育を行い、実験環境への馴化を行った後、ラットを各群8匹ずつに区分けして使用した。
【0060】
試験群としては、試験例2の表3に組成が示されている調製例3により調製された本発明品2群、試験例3の表5に組成が示されている調製例4により調製された本発明品3群、及び酵母細胞壁画分と等量の比較例品を含む比較例品群を設定し、供試飼料は自由摂取にてラットに与え、2週間飼育した。なお、食物繊維素材を含有しない飼料を投与する対照群も設定した。本発明品2、本発明品3又は比較例品のタンパク質含量及び脂質含量を測定することで、飼料中のタンパク質含量及び脂質含量が均等になるようカゼイン及び大豆油の配合量を補正した。供試飼料の投与2週間後に解剖を行い、盲腸内にある発酵産物を採取した後、直ちに加水し十分に分散させ、遠心分離及びろ過することで短鎖脂肪酸の抽出を行い、この抽出液を盲腸内容物抽出液として分取した。該抽出液に存在する短鎖脂肪酸含量について、高速液体クロマトグラフィーを用いた絶対検量線法により測定を行った。その結果(表15)、本発明品2又は本発明品3を摂取することで対照及び比較例品に比べて有意に高い短鎖脂肪酸産生が観察された。また、この効果は、比較例品を摂取した場合に比べて顕著に高いものであった。以上のことから、本発明品の摂取により、Ca吸収もしくは骨形成が促進され骨粗鬆症の症状改善もしくは予防に有効であることが明らかとなった。
【0061】
【表15】
Figure 2004292382
【0062】
【発明の効果】
本発明のミネラル吸収促進剤により、高齢者の骨量減少抑制及び骨粗鬆症の予防を始めとして、骨粗鬆症患者の症状改善、一般女性や妊婦の骨量及び骨密度の維持改善を目的として、Ca等のミネラルの吸収を効果的に促進させ、更には、骨密度の増加及び骨粗鬆症の予防ならびに症状の改善に有効な、副作用が少なく安全な、薬理活性組成物を提供することができる。本発明の有効成分は、水への分散性が高く、より摂取しやすい素材として、種々の薬理活性組成物としての投与形態或いはこれを含有してなる飲食品として摂取することができる。

Claims (7)

  1. 酵母菌体をアルカリ処理後水洗浄、物理的粉砕処理及び可溶性菌体成分の除去処理を行うことにより得られる酵母細胞壁画分を有効成分とするミネラル吸収促進剤。
  2. 物理的粉砕処理が高圧ホモジナイザー処理によって行われることを特徴とする請求項1記載のミネラル吸収促進剤。
  3. 可溶性菌体成分の除去処理が、自己消化及び/又は酵素処理によって行われることを特徴とする請求項1又は2記載のミネラル吸収促進剤。
  4. 酵母菌体をアルカリ処理後水洗浄、及び可溶性菌体成分の除去処理を行うことにより得られる酵母細胞壁画分を有効成分とする骨粗鬆症の予防及び/又は改善剤。
  5. 酵母菌体をアルカリ処理後水洗浄、物理的粉砕処理及び可溶性菌体成分の除去処理を行うことにより得られる酵母細胞壁画分を有効成分とする骨粗鬆症の予防及び/又は改善剤。
  6. 物理的粉砕処理が高圧ホモジナイザー処理によって行われることを特徴とする請求項5記載の骨粗鬆症の予防及び/又は改善剤。
  7. 可溶性菌体成分の除去処理が、自己消化及び/又は酵素処理によって行われることを特徴とする請求項4〜6のいずれか記載の骨粗鬆症の予防及び/又は改善剤。
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