【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スロットレスブラシレスモータに関し、特に、光ディスクドライブ等に使用され、それに挿入された光ディスクを回転駆動するためのスピンドルモータ等として使用されるスロットレスブラシレスモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスクドライブでは、それに挿入された光ディスクを回転駆動するためのスピンドルモータを備えている。この種のスピンドルモータとしては、一般に、ブラシレスモータが使用されている。
【0003】
以下、図1を参照して、一般的なブラシレスモータについて説明する。尚、図示のブラシレスモータは、特許文献1に開示されているものである。
【0004】
図1に於いて、スピンドルモータ1はフレーム2上に設けられている。フレーム2の上面には回路基板3が配設されると共に、中央に軸受ハウジング4が立設されている。軸受ハウジング4に軸受5が嵌着されている。
【0005】
スピンドルモータ1はロータヨーク6を備えている。このロータヨーク6は、図1に示されるように、浅い逆凹字形に形成され、中央部にボス6aが立設されている。このロータヨーク6の外周内側面には円環状のロータマグネット7が嵌着されている。このロータマグネット7は、S極およびN極が交互かつ等間隔に着磁された永久磁石である。ロータマグネット7の内側には放射状に複数個のティース8が配設されている。これらティース8の各々にはコイル9が巻回されている。コイル9は回路基板3上に形成されている。
【0006】
このような構成において、コイル9に駆動電流を流すと、その周りに磁界が生じる。この発生した磁界がロータマグネット7に作用することによりスピンドルモータ1が回転駆動する。これにより、ボス部6aに固着されたディスクホルダ20およびこのディスクホルダ20に嵌合される光ディスク(図示せず)が時計廻りに回転することになる。
【0007】
軸受5にはスピンドルモータ1の回転軸10が回転自在に軸着されている。この回転軸10をロータヨーク6に突設したボス部6aの孔部6bに嵌合して、ロータヨーク6と回転軸10とが一体的に回転できるように構成されている。
【0008】
ロータヨーク6のボス部6aの外周面にはディスクホルダ20の中心部に開穿された嵌合孔21が嵌合される。この嵌合孔21を形成する積層孔壁部21aが下方へ突設されてロータヨーク6のボス部6aに嵌合孔21が嵌着できるように構成されている。
【0009】
尚、本発明は、ディスクホルダ20自体については関係しないので、その詳細な説明については省略するが、その詳細を知りたい方は、特許文献1を参照されたい。
【0010】
とにかく、ボス部6aの外周側面には、ディスクホルダ20の中心部に開穿した嵌合孔21が嵌合され、ディスクホルダ20を回転軸10の回転に同調して一体的に回転できるように構成されている。
【0011】
前述したように、複数個のティース8は周方向に等間隔に形成されており、突極とも呼ばれる。
【0012】
ところで、上記のブラシレスモータは、隣り合うティース8とティース8との間の空間部が、ティース8に比べてロータマグネット(永久磁石)7の対向部位の磁極(以下、「ロータの磁極」という。)の磁気抵抗を大きくする。このため、ロータの磁極がティース8とティース8との間の空間部に対向するときと、ロータの磁極がティース8に対向するときとでは、ロータの回転トルクに差を生じる。ロータ回転中に生ずるこのようなトルク変動は、この技術分野において「コギング」と呼ばれている。そして、コギングによるトルク変動の大きさはコギングトルクと呼ばれる。
【0013】
コギングトルクが大きい場合、ブラシレスモータの回転速度の変動を生じ、回転の円滑さが損なわれ、高性能化が図れないことになる。
【0014】
コギングトルクを軽減するために、ティースを無くしたスロットレスブラシレスモータが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2では、絶縁フィルム上に導電性プリントコイルを形成してステータ巻線を形成し、小型化が可能なスロットレスブラシレスモータのステータ構造を得ている。詳述すると、上記導電性プリントコイルは、角状でかつうず巻き型に形成されていると共に、U相コイル、V相コール及びW相コイルが順次独立して形成されている。
【0015】
また、本発明に関連する先行技術文献として、駆動コイルとして空芯コイルを用いるものにおいて、大きなトルクが得られ、回転が滑らかになるモータの駆動コイル構造がある(例えば、特許文献3参照)。この特許文献3では、駆動コイルを第1の空芯コイル部と第2の空芯コイル部とで構成している。第1の空芯コイル部と第2の空芯コイル部は、コイルの内周部の一部が重なり合うように周方向にずらして重ね合わせている。重ね合わせたコイル内周部は電気的に接続し、第1の空芯コイル部の外周部と第2の空芯コイル部の外周部とを外部接続用電極として用いている。
【0016】
【特許文献1】
特開2002−288910号公報
【0017】
【特許文献2】
特開2002−78264号公報
【0018】
【特許文献3】
特開平9−19094号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献2に開示されているスロットレスブラシレスモータでは、U相コイル、V相コイル及びW相コイルが、互いに重ね合わされることなく、順次独立して形成されている。そのため、後で図面を参照して詳細に説明するように、トルク効率を高くすることが困難である。
【0020】
一方、特許文献3に開示されているモータは、各駆動コイルを2つのコイル部に分割し、分割した2つのコイルを互いにずらして重ね合わせたものであって、隣接する駆動コイル同士を互いに重ね合わせたものではない。
【0021】
それ故に本発明の課題は、コギングが無く、巻線効率が高く、低電流化を図ることができる、スロットレスブラシレスモータを提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、三相コイル(34)を含むステータ(4,31,32,33,34)と、このステータと対向して回転可能に配置され、回転軸の外周にS極およびN極が交互かつ等間隔に着磁された永久磁石(7)を含むロータ(6,7)と、から構成されたスロットレスブラシレスモータ(30)であって、三相コイル(34)を構成するU相コイル、V相コイルおよびW相コイルの隣接するもの同士が、各コイルの実質的に半分の幅に相当する部分が周方向において互いに重なり合うように、配置されていることを特徴とするスロットレスブラシレスモータが得られる。
【0023】
上記スロットレスブラシレスモータは、ロータがステータの外側に配置されたアウターロータ型スロットレスブラシレスモータである。この場合、上記三相コイル(34)は、例えば、積層コア(31)の外周面に絶縁フィルム(33)を介して巻回される。
【0024】
また、上記スロットレスブラシレスモータは、ロータがステータの内側に配置されたインナーロータ型スロットレスブラシレスモータであっても良い。
【0025】
尚、上記括弧内の参照符号は、本発明の理解を容易にするために付したものであり、一例にすぎず、これらに限定されないのは勿論である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
図2を参照して、本発明の一実施の形態に係るスロットレスブラシレスモータ30について説明する。図示のスロットレスブラシレスモータ30は、光ディスクドライブに使用され、それに挿入された光ディスクを回転駆動するためのスピンドルモータとして使用されるものである。また、図示のスロットレスブラシレスモータ30は、図1に示されたブラシレスモータ1とは、ステータ(ステータアセンブリ)の構成が相違する点を除いて、実質的に同一の構成を有し、作用効果を奏する。したがって、図1のものと同様の機能を有するものには同一の参照符号を付して、それらの説明を省略する。
【0028】
スロットレスブラシレスモータ30のステータアセンブリ(ステータ)は、ロータマグネット7の内側に配設された積層コア31を有する。この積層コア31は、環状の鉄心311を複数枚積層することによって構成されている。この積層コア31は、コアホルダ32によって保持されている。積層コア31の外周面には、円筒状の絶縁フィルム33を介して複数個のコイル34が、後述するように、周方向に配設されている。複数個のコイル34は三相コイルを構成する。これらコイル34とロータマグネット7とは、図2に示されるように、所定のギャップを空けて対向配置される。
【0029】
図3に示されるように、各コイル34は渦巻き状に形成されている。そして、図4に示されるように、各コイル34はその約半分の位置でコイルの厚み分だけ曲率半径を変えるような形状とされる。
【0030】
図5および図6に示されるように、互いに隣接するコイル34は、各コイルの実質的に半分に相当する幅部分が周方向において互いに重なり合うように配置される。
【0031】
図7に示されるように、各コイル34は、三相コイルのU相コイル、V相コイルおよびW相コイルのいずれかを構成する。図7は三相コイルが18個の例を示している。すなわち、三相コイルは、U相コイル、V相コイルおよびW相コイルをそれぞれ6個ずつ有する。図7において、6個のU相コイルを、それぞれ、初段(第1段)から最終段(第6段)まで、U1コイル、U2コイル、・・・、U6コイルで区別して示している。同様に、6個のV相コイルを、それぞれ、初段(第1段)から最終段(第6段)まで、V1コイル、V2コイル、・・・、V6コイルで区別して示している。6個のW相コイルを、それぞれ、初段(第1段)から最終段(第6段)まで、W1コイル、W2コイル、・・・、W6コイルで区別して示している。近接するU相コイル同士の巻き終わり端子と巻き始め端子、近接するV相コイル同士の巻き終わり端子と巻き始め端子、近接するW相コイル同士の巻き終わり端子と巻き始め端子が、それぞれ、電気的に接続されるように、かつ、最終段のU相コイル(U6コイル)、V相コイル(V6コイル)、およびW相コイル(W6コイル)の巻き終わり端子が共通に電気的に接続されるように、結線される。
【0032】
図5に示されるように、図示の例では、コイル34の数が18個あるので、各コイル34の周方向の幅は、角度に換算して実質的に40°ある。そして、実質的に20°の角度に相当する幅だけ、隣接するコイル34が周方向において重ね合わされた状態で配置される。
【0033】
各コイル34を構成するコイル線は、表面が絶縁された自己融着線で構成されている。したがって、18個のコイル34を、上述したように重ね合わせた状態で、加圧圧着することによって、図5に示されるように、全体として円形(円筒形)を成すように固定される。その後、図7に示されるように結線される。
【0034】
このように、本発明によるスロットレスブラシレスモータ30では、三相コイル34を構成するU相コイル、V相コイルおよびW相コイルの隣接するもの同士を、各コイルの実質的に半分の幅に相当する部分が周方向において互いに重なり合うように、配置しているので、トルク効率(巻線効率)を高めることができる。
【0035】
以下、図8を参照して、本発明のように隣接するコイル同士を重ね合わせたスロットレスブラシレスモータと、特許文献2のような各コイルが独立に形成された(隣接するコイルの重ね合わせがない)スロットレスブラシレスモータとにおける、トルク効率を比較する。
【0036】
図8において、(A)は特許文献2に開示されたスロットレスブラシレスモータのトルク効率を説明するための図であり、(B)は本発明の実施の形態に係るスロットレスブラシレスモータ30のトルク効率を説明するための図である。本例では、ロータマグネットの一周(360°)を10°の角度ずつ1〜36の連続番号で示してある。尚、番号1はロータマグネットの0°〜10°の角度範囲を示す。
【0037】
スロットレスブラシレスモータでは、そのロータを所定の回転方向に回転(正転)するために、三相コイルを構成するU相コイル、V相コイル、及びW相コイルのうち、2つのコイルには互いに逆方向の電流を流し、残りのコイルには電流を流さないように、三相コイルに流す電流を制御している。図8では、各コイルに流す電流の方向を上向き矢印“↑”と、下向き矢印“↓”で区別して図示している。電流を流さないコイルには、横棒“−”を付してある。各コイルにおいて、トルクに寄与するのは周方向両側の部分であり、両側部分では電流の流れる方向が互いに逆である。図示の例では、U相コイルとV相コイルとに互いに逆方向に電流を流し、W相コイルには電流を流さない状態を示している。
【0038】
さらに、ここでは、次のことを仮定する。ロータマグネットのN極とコイルの上向き矢印“↑”で示す電流の方向とが対向するときおよびロータマグネットのS極とコイルの下向き矢印“↓”で示す電流の方向とが対向するときは、スロットレスブラシレスモータのロータに対して所定の回転方向(正転方向)に回転(正転)させるトルク(以下、「正転トルク」という。)が作用する。一方、ロータマグネットのN極とコイルの下向き矢印“↓”で示す電流の方向とが対向するときおよびロータマグネットのS極とコイルの上向き矢印“↑”で示す電流の方向とが対向するときは、スロットレスブラシレスモータのロータに対して所定の回転方向とは逆方向(逆転方向)に回転(逆転)させるトルク(以下、「逆転トルク」という。)が作用する。
【0039】
最初に図8(A)を参照して、特許文献2に開示されたスロットレスブラシレスモータのトルク効率について説明する。ここでは次のことを仮定する。ロータマグネットのN極及びS極の各極数は、6極で全体として12極あるとする。換言すれば、ロータマグネットは30°の角度間隔で磁極が反転している。一方、三相コイルを構成するU相コイル、V相コイル、およびW相コイルは、それぞれ、3個ずつあり、全体で9個のコイルがある。したがって、各コイルの幅は40°の角度範囲を持ち、かつ、9個のコイルは、40°の角度間隔で周方向に独立して配置される。
【0040】
図8(A)の最下行から明らかなように、ロータマグネットが0°〜50°の角度範囲では、ロータマグネットに対して正転トルクTnが作用している。以下同様に、50°〜60°の角度範囲では逆転トルクTiが、60°〜80°の角度範囲では正転トルクTnが、120°〜180°の角度範囲では正転トルクTnが作用し、180°〜190°の角度範囲では逆転トルクTiが、190°〜210°の角度範囲では正転トルクTnが、240°〜290°の角度範囲では正転トルクTnが、290°〜300°の角度範囲では逆転トルクTiが、300°〜320°の角度範囲では正転トルクTnが、それぞれ、ロータマグネットに対して作用する。したがって、特許文献2に開示されたスロットレスブラシレスモータのトルク効率は50%となる。
【0041】
次に図8(B)を参照して、本発明の実施の形態に係るスロットレスブラシレスモータのトルク効率について説明する。ここでは次のことを仮定する。ロータマグネット7のN極及びS極の各極数は、6極で全体として12極あるとする。換言すれば、ロータマグネット7は30°の角度間隔で磁極が反転している。一方、三相コイルを構成するU相コイル、V相コイル、およびW相コイルは、それぞれ、6個ずつあり、全体で18個のコイルがある。したがって、各コイルの幅は40°の角度範囲を持ち、かつ、18個のコイルは、20°の角度間隔で周方向に重ね合わされた状態で配置される。
【0042】
図8(B)の最下行から明らかなように、ロータマグネット7が0°〜40°の角度範囲では、ロータマグネット7に対して正転トルクTnが作用している。以下同様に、40°〜50°の角度範囲では逆転トルクTiが、50°〜100°の角度範囲では正転トルクTnが、100°〜110°の角度範囲では逆転トルクTiが、110°〜160°の角度範囲では正転トルクTnが、160°〜170°の角度範囲では逆転トルクTiが、170°〜220°の角度範囲では正転トルクTnが、220°〜230°の角度範囲では逆転トルクTiが、230°〜280°の角度範囲では正転トルクTnが、280°〜290°の角度範囲では逆転トルクTiが、290°〜340°の角度範囲では正転トルクTnが、340°〜350°の角度範囲では逆転トルクTiが、350°〜360°(0°)の角度範囲では正転トルクTnが、それぞれ、ロータマグネット7に対して作用する。したがって、本発明の実施の形態に係るスロットレスブラシレスモータのトルク効率は約66.7%となる。
【0043】
このように、本発明の実施の形態に係るスロットレスブラシレスモータ30の方が、特許文献2に開示されたスロットレスブラシレスモータに比べて、トルク効率が高くなることが分かる。
【0044】
また、図2に図示した本発明の実施の形態に係るスロットレスブラシレスモータは、図1に図示した従来のブラシレスモータに比較して電流消費が低く、トルク損失が小さい。例えば、回転数が9000rpmの場合、トルクが10g・cmだけ必要である。従来のブラシレスモータ(図1)では、電流消費が20g・cmあるので、10g・cmのトルク損失がある。これに対して、本発明の実施の形態に係るスロットレスブラシレスモータ(図2)では、電流消費が13〜14g・cmであって、3〜4g・cmのトルク損失があるに過ぎない。
【0045】
本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更・変形が可能なのは勿論である。例えば、上記実施の形態では、ロータがステータに対して外側にあるアウターロータ型のスロットレスブラシレスモータを例に挙げて説明しているが、ロータがステータに対して内側にあるインナーロータ型のスロットレスブラシレスモータにも同様に適用可能なのは勿論である。また、本発明によるスロットレスブラシレスモータは、光ディスクドライブ用のスピンドルモータだけでなく、他の用途にも使用可能なのは勿論である。
【0046】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ステータの三相コイルを構成するU相コイル、V相コイルおよびW相コイルの隣接するもの同士を、各コイルの実質的に半分の幅に相当する部分が周方向において互いに重なり合うように、配置したので、コギングが無く、トルク効率が高く、低電流化を図ることができるスロットレスブラシレスモータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のブラシレスモータ(スピンドルモータ)の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るスロットレスブラシレスモータ(スピンドルモータ)の構成を示す断面図である。
【図3】図2に示すスロットレスブラシレスモータに使用される1個のコイルを示す図で、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【図4】図3に示したコイルを、重ね合わせ可能なように形状を加工(変形)した図で、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【図5】図2に示したスロットレスブラシレスモータに使用される三相コイルを示す平面図である。
【図6】図5に示した三相コイルの一部分を示す正面図である。
【図7】図5に示した三相コイルの結線状態を示す結線図である。
【図8】従来のスロットレスブラシレスモータと本発明によるスロットレスブラシレスモータのトルク効率を説明するための図である。
【符号の説明】
4 軸受ハウジング
5 軸受
6 ロータヨーク
7 ロータマグネット
10 回転軸
20 ディスクホルダ
30 スロットレスブラシレスモータ
31 積層コア
32 コアホルダ
33 絶縁フィルム
34 三相コイル[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a slotless brushless motor, and more particularly, to a slotless brushless motor used in an optical disk drive or the like and used as a spindle motor or the like for rotationally driving an optical disk inserted therein.
[0002]
[Prior art]
The optical disk drive includes a spindle motor for rotating and driving the optical disk inserted therein. As this kind of spindle motor, a brushless motor is generally used.
[0003]
Hereinafter, a general brushless motor will be described with reference to FIG. The illustrated brushless motor is disclosed in Patent Document 1.
[0004]
In FIG. 1, a spindle motor 1 is provided on a frame 2. A circuit board 3 is provided on the upper surface of the frame 2 and a bearing housing 4 is provided upright at the center. A bearing 5 is fitted to the bearing housing 4.
[0005]
The spindle motor 1 has a rotor yoke 6. As shown in FIG. 1, the rotor yoke 6 is formed in a shallow inverted concave shape, and a boss 6a is provided upright at the center. An annular rotor magnet 7 is fitted to the inner peripheral surface of the rotor yoke 6. The rotor magnet 7 is a permanent magnet in which S poles and N poles are magnetized alternately and at equal intervals. A plurality of teeth 8 are arranged radially inside the rotor magnet 7. Each of these teeth 8 is wound with a coil 9. The coil 9 is formed on the circuit board 3.
[0006]
In such a configuration, when a driving current flows through the coil 9, a magnetic field is generated around the driving current. The generated magnetic field acts on the rotor magnet 7 to rotate the spindle motor 1. As a result, the disk holder 20 fixed to the boss 6a and the optical disk (not shown) fitted to the disk holder 20 rotate clockwise.
[0007]
The rotating shaft 10 of the spindle motor 1 is rotatably mounted on the bearing 5. The rotating shaft 10 is fitted into a hole 6b of a boss 6a protruding from the rotor yoke 6, so that the rotor yoke 6 and the rotating shaft 10 can be integrally rotated.
[0008]
A fitting hole 21 formed in the center of the disc holder 20 is fitted to the outer peripheral surface of the boss 6 a of the rotor yoke 6. The laminated hole wall portion 21 a forming the fitting hole 21 is configured to protrude downward so that the fitting hole 21 can be fitted to the boss portion 6 a of the rotor yoke 6.
[0009]
Since the present invention does not relate to the disk holder 20 itself, a detailed description thereof will be omitted. However, if you want to know the details, refer to Patent Document 1.
[0010]
Anyway, a fitting hole 21 formed in the center of the disk holder 20 is fitted to the outer peripheral side surface of the boss 6a so that the disk holder 20 can be integrally rotated in synchronization with the rotation of the rotating shaft 10. It is configured.
[0011]
As described above, the teeth 8 are formed at equal intervals in the circumferential direction, and are also called salient poles.
[0012]
In the brushless motor described above, the space between the adjacent teeth 8 is a magnetic pole (hereinafter, referred to as a “magnetic pole of the rotor”) at a position facing the rotor magnet (permanent magnet) 7 as compared with the teeth 8. ) To increase the magnetic resistance. Therefore, there is a difference in the rotational torque of the rotor between when the magnetic pole of the rotor faces the space between the teeth 8 and when the magnetic pole of the rotor faces the teeth 8. Such torque fluctuations that occur during rotor rotation are referred to in the art as "cogging." The magnitude of the torque fluctuation due to cogging is called cogging torque.
[0013]
When the cogging torque is large, the rotation speed of the brushless motor fluctuates, the smoothness of rotation is impaired, and high performance cannot be achieved.
[0014]
In order to reduce cogging torque, a slotless brushless motor without teeth has been proposed (for example, see Patent Document 2). In Patent Document 2, a stator structure of a slotless brushless motor that can be downsized is obtained by forming a conductive winding on an insulating film to form a conductive printed coil. More specifically, the conductive printed coil is formed in a square and spiral shape, and a U-phase coil, a V-phase coil, and a W-phase coil are sequentially and independently formed.
[0015]
Further, as a prior art document related to the present invention, there is a drive coil structure of a motor that uses an air-core coil as a drive coil to obtain a large torque and to smoothly rotate (for example, see Patent Document 3). In Patent Literature 3, the drive coil includes a first air-core coil portion and a second air-core coil portion. The first air-core coil portion and the second air-core coil portion are superposed so as to be shifted in the circumferential direction so that a part of the inner peripheral portion of the coil overlaps. The inner peripheral portions of the superposed coils are electrically connected, and the outer peripheral portion of the first air core coil portion and the outer peripheral portion of the second air core coil portion are used as external connection electrodes.
[0016]
[Patent Document 1]
JP 2002-288910 A
[Patent Document 2]
JP-A-2002-78264
[Patent Document 3]
JP-A-9-19094
[Problems to be solved by the invention]
In the slotless brushless motor disclosed in Patent Literature 2, the U-phase coil, the V-phase coil, and the W-phase coil are formed independently of each other without being overlapped with each other. Therefore, it is difficult to increase the torque efficiency as will be described later in detail with reference to the drawings.
[0020]
On the other hand, the motor disclosed in Patent Literature 3 divides each drive coil into two coil portions and superimposes the two divided coils so as to be shifted from each other. Not a combination.
[0021]
Therefore, an object of the present invention is to provide a slotless brushless motor that does not have cogging, has high winding efficiency, and can achieve low current.
[0022]
[Means for Solving the Problems]
According to the present invention, a stator (4, 31, 32, 33, 34) including a three-phase coil (34), and an S-pole and an N-pole arranged on the outer periphery of the rotating shaft so as to be rotatable facing the stator. And a rotor (6, 7) including permanent magnets (7) magnetized alternately and at equal intervals, and a slotless brushless motor (30) comprising a three-phase coil (34). The adjacent ones of the phase coil, the V-phase coil and the W-phase coil are arranged so that portions corresponding to substantially half the width of each coil overlap with each other in the circumferential direction. A brushless motor is obtained.
[0023]
The slotless brushless motor is an outer rotor type slotless brushless motor in which a rotor is disposed outside a stator. In this case, the three-phase coil (34) is wound around the outer peripheral surface of the laminated core (31) via the insulating film (33), for example.
[0024]
The slotless brushless motor may be an inner rotor type slotless brushless motor in which a rotor is arranged inside a stator.
[0025]
It should be noted that the reference numerals in the parentheses are provided to facilitate understanding of the present invention, and are merely examples, and it is a matter of course that the present invention is not limited to these.
[0026]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0027]
A slotless brushless motor 30 according to one embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. The illustrated slotless brushless motor 30 is used for an optical disk drive, and is used as a spindle motor for rotating and driving an optical disk inserted therein. The illustrated slotless brushless motor 30 has substantially the same configuration as the brushless motor 1 shown in FIG. 1 except that the configuration of the stator (stator assembly) is different. To play. Therefore, components having the same functions as those in FIG. 1 are denoted by the same reference numerals, and description thereof will be omitted.
[0028]
The stator assembly (stator) of the slotless brushless motor 30 has a laminated core 31 disposed inside the rotor magnet 7. The laminated core 31 is configured by laminating a plurality of annular iron cores 311. The laminated core 31 is held by a core holder 32. A plurality of coils 34 are provided on the outer peripheral surface of the laminated core 31 via a cylindrical insulating film 33 in a circumferential direction as described later. The plurality of coils 34 constitute a three-phase coil. The coil 34 and the rotor magnet 7 are opposed to each other with a predetermined gap as shown in FIG.
[0029]
As shown in FIG. 3, each coil 34 is formed in a spiral shape. Then, as shown in FIG. 4, each coil 34 is shaped so as to change the radius of curvature by the thickness of the coil at approximately half the position.
[0030]
As shown in FIGS. 5 and 6, the coils 34 adjacent to each other are arranged such that the width portions substantially corresponding to half of each coil overlap each other in the circumferential direction.
[0031]
As shown in FIG. 7, each coil 34 forms one of a U-phase coil, a V-phase coil, and a W-phase coil of a three-phase coil. FIG. 7 shows an example in which there are 18 three-phase coils. That is, the three-phase coil has six U-phase coils, six V-phase coils, and six W-phase coils. In FIG. 7, the six U-phase coils are distinguished from the first stage (first stage) to the last stage (sixth stage) by U1 coils, U2 coils,..., U6 coils, respectively. Similarly, the six V-phase coils are indicated by V1 coils, V2 coils,..., V6 coils from the first stage (first stage) to the last stage (sixth stage). The six W-phase coils are indicated by W1 coils, W2 coils,..., W6 coils from the first stage (first stage) to the last stage (sixth stage). The winding end terminal and winding start terminal of adjacent U-phase coils, the winding end terminal and winding start terminal of adjacent V-phase coils, and the winding end terminal and winding start terminal of adjacent W-phase coils are electrically connected to each other. And the winding end terminals of the U-phase coil (U6 coil), V-phase coil (V6 coil), and W-phase coil (W6 coil) of the final stage are electrically connected in common. Is connected.
[0032]
As shown in FIG. 5, in the illustrated example, since the number of coils 34 is 18, the circumferential width of each coil 34 is substantially 40 ° in terms of angle. Then, the adjacent coils 34 are arranged in a state of being superposed in the circumferential direction by a width substantially corresponding to an angle of 20 °.
[0033]
The coil wire constituting each coil 34 is formed of a self-fusing wire whose surface is insulated. Therefore, the 18 coils 34 are fixed to form a circular (cylindrical) shape as a whole, as shown in FIG. 5, by pressure-compression bonding in a state of being overlapped as described above. Thereafter, the connection is made as shown in FIG.
[0034]
Thus, in the slotless brushless motor 30 according to the present invention, the adjacent ones of the U-phase coil, the V-phase coil, and the W-phase coil constituting the three-phase coil 34 correspond to substantially half the width of each coil. Since the portions to be overlapped with each other in the circumferential direction are arranged, the torque efficiency (winding efficiency) can be increased.
[0035]
Hereinafter, referring to FIG. 8, a slotless brushless motor in which adjacent coils are overlapped with each other as in the present invention, and each of the coils as in Patent Document 2 are formed independently (the overlapping of adjacent coils is not limited). No) Compare torque efficiency with slotless brushless motor.
[0036]
8A is a diagram for explaining the torque efficiency of the slotless brushless motor disclosed in Patent Document 2, and FIG. 8B is a diagram illustrating the torque of the slotless brushless motor 30 according to the embodiment of the present invention. It is a figure for explaining efficiency. In this example, one circumference (360 °) of the rotor magnet is indicated by a serial number of 1 to 36 at an angle of 10 °. The number 1 indicates an angle range of 0 ° to 10 ° of the rotor magnet.
[0037]
In the slotless brushless motor, two of the U-phase coil, the V-phase coil, and the W-phase coil, which constitute a three-phase coil, are rotated by the rotor in a predetermined rotation direction (forward rotation). The current flowing in the three-phase coil is controlled so that the current flows in the opposite direction and does not flow in the remaining coils. In FIG. 8, the direction of the current flowing through each coil is indicated by an upward arrow “↑” and a downward arrow “↓”. The coils through which no current flows are marked with a horizontal bar "-". In each coil, the portions that contribute to the torque are the portions on both sides in the circumferential direction, and the current flow directions are opposite to each other on both side portions. The illustrated example shows a state in which currents flow in the U-phase coil and the V-phase coil in directions opposite to each other, and no current flows in the W-phase coil.
[0038]
Further, the following is assumed here. When the north pole of the rotor magnet and the direction of the current indicated by the upward arrow “↑” of the coil face each other, and when the S pole of the rotor magnet and the current direction indicated by the downward arrow “↓” of the coil face each other, the slot is used. A torque (hereinafter, referred to as “forward rotation torque”) for rotating (forward rotation) in a predetermined rotation direction (forward rotation direction) acts on the rotor of the brushless motor. On the other hand, when the north pole of the rotor magnet and the current direction indicated by the downward arrow "↓" of the coil face each other, and when the S pole of the rotor magnet faces the current direction indicated by the upward arrow "↑" of the coil, A torque (hereinafter referred to as "reverse rotation torque") for rotating (reverse rotation) in a direction (reverse rotation direction) opposite to a predetermined rotation direction acts on the rotor of the slotless brushless motor.
[0039]
First, the torque efficiency of the slotless brushless motor disclosed in Patent Document 2 will be described with reference to FIG. Here, the following is assumed. It is assumed that the number of N and S poles of the rotor magnet is 6 poles and 12 poles as a whole. In other words, the magnetic poles of the rotor magnet are reversed at an angular interval of 30 °. On the other hand, there are three U-phase coils, three V-phase coils, and three W-phase coils that constitute the three-phase coil, and there are nine coils in total. Therefore, the width of each coil has an angular range of 40 °, and the nine coils are arranged independently in the circumferential direction at an angular interval of 40 °.
[0040]
As is clear from the bottom row of FIG. 8A, when the rotor magnet is in the angle range of 0 ° to 50 °, the normal rotation torque Tn acts on the rotor magnet. Similarly, the reverse rotation torque Ti acts in the angle range of 50 ° to 60 °, the normal rotation torque Tn acts in the angle range of 60 ° to 80 °, and the normal rotation torque Tn acts in the angle range of 120 ° to 180 °. The reverse rotation torque Ti is in the range of 180 ° to 190 °, the normal rotation torque Tn is in the range of 190 ° to 210 °, and the normal rotation torque Tn is 290 ° to 300 ° in the range of 240 ° to 290 °. The reverse rotation torque Ti acts on the rotor magnet in the angle range, and the normal rotation torque Tn acts on the rotor magnet in the angle range of 300 ° to 320 °. Therefore, the torque efficiency of the slotless brushless motor disclosed in Patent Document 2 is 50%.
[0041]
Next, the torque efficiency of the slotless brushless motor according to the embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. Here, the following is assumed. The number of N and S poles of the rotor magnet 7 is assumed to be 6 poles and 12 poles as a whole. In other words, the magnetic poles of the rotor magnet 7 are reversed at angular intervals of 30 °. On the other hand, there are six U-phase coils, six V-phase coils, and six W-phase coils that constitute the three-phase coil, and there are 18 coils in total. Therefore, the width of each coil has an angular range of 40 °, and the 18 coils are arranged in a state of being superposed in the circumferential direction at an angular interval of 20 °.
[0042]
As is clear from the bottom row of FIG. 8B, the forward rotation torque Tn acts on the rotor magnet 7 when the rotor magnet 7 is in the angle range of 0 ° to 40 °. Similarly, in the angle range of 40 ° to 50 °, the reverse rotation torque Ti, in the angle range of 50 ° to 100 °, the forward rotation torque Tn, and in the angle range of 100 ° to 110 °, the reverse rotation torque Ti becomes 110 ° to 110 °. In the angle range of 160 °, the forward rotation torque Tn, in the angle range of 160 ° to 170 °, the reverse rotation torque Ti, in the angle range of 170 ° to 220 °, the forward rotation torque Tn, and in the angle range of 220 ° to 230 °, When the reverse rotation torque Ti is in the angle range of 230 ° to 280 °, the forward rotation torque Tn is in the angle range of 280 ° to 290 °, and in the angle range of 290 ° to 340 °, the forward rotation torque Tn is 340. The reverse rotation torque Ti acts on the rotor magnet 7 in the angle range of ° to 350 °, and the forward rotation torque Tn acts in the angle range of 350 ° to 360 ° (0 °). Therefore, the torque efficiency of the slotless brushless motor according to the embodiment of the present invention is about 66.7%.
[0043]
Thus, it can be seen that the slotless brushless motor 30 according to the embodiment of the present invention has higher torque efficiency than the slotless brushless motor disclosed in Patent Document 2.
[0044]
In addition, the slotless brushless motor according to the embodiment of the present invention illustrated in FIG. 2 has lower current consumption and smaller torque loss than the conventional brushless motor illustrated in FIG. For example, when the rotation speed is 9000 rpm, only 10 g · cm of torque is required. In the conventional brushless motor (FIG. 1), since the current consumption is 20 g · cm, there is a torque loss of 10 g · cm. On the other hand, in the slotless brushless motor (FIG. 2) according to the embodiment of the present invention, the current consumption is 13 to 14 g · cm, and there is only a torque loss of 3 to 4 g · cm.
[0045]
The present invention is not limited to the above-described embodiment, and it goes without saying that various changes and modifications can be made without departing from the spirit of the present invention. For example, in the above embodiment, the outer rotor type slotless brushless motor in which the rotor is located outside the stator is described as an example, but the inner rotor type slot where the rotor is located inside the stator is described. It is needless to say that the present invention can be similarly applied to a brushless motor. In addition, the slotless brushless motor according to the present invention can be used not only for a spindle motor for an optical disk drive but also for other uses.
[0046]
【The invention's effect】
As is apparent from the above description, according to the present invention, the adjacent ones of the U-phase coil, the V-phase coil and the W-phase coil constituting the three-phase coil of the stator are substantially half the width of each coil. Are arranged such that the portions corresponding to each other overlap in the circumferential direction, so that there can be provided a slotless brushless motor having no cogging, high torque efficiency, and low current.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a sectional view showing a configuration of a conventional brushless motor (spindle motor).
FIG. 2 is a cross-sectional view showing a configuration of a slotless brushless motor (spindle motor) according to one embodiment of the present invention.
3A and 3B are diagrams showing one coil used in the slotless brushless motor shown in FIG. 2, wherein FIG. 3A is a front view and FIG. 3B is a plan view.
FIGS. 4A and 4B are diagrams in which the shape shown in FIG. 3 is processed (deformed) so as to be superimposable, wherein FIG. 4A is a front view and FIG. 4B is a plan view.
FIG. 5 is a plan view showing a three-phase coil used in the slotless brushless motor shown in FIG.
6 is a front view showing a part of the three-phase coil shown in FIG.
FIG. 7 is a connection diagram showing a connection state of the three-phase coil shown in FIG. 5;
FIG. 8 is a diagram for explaining torque efficiency of a conventional slotless brushless motor and a slotless brushless motor according to the present invention.
[Explanation of symbols]
Reference Signs List 4 bearing housing 5 bearing 6 rotor yoke 7 rotor magnet 10 rotating shaft 20 disk holder 30 slotless brushless motor 31 laminated core 32 core holder 33 insulating film 34 three-phase coil