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JP2004287070A - Method for manufacturing electronic photosensitive material, electronic photosensitive material, image forming method, image forming apparatus, and process cart for image forming apparatus - Google Patents

Method for manufacturing electronic photosensitive material, electronic photosensitive material, image forming method, image forming apparatus, and process cart for image forming apparatus Download PDF

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JP2004287070A
JP2004287070A JP2003078812A JP2003078812A JP2004287070A JP 2004287070 A JP2004287070 A JP 2004287070A JP 2003078812 A JP2003078812 A JP 2003078812A JP 2003078812 A JP2003078812 A JP 2003078812A JP 2004287070 A JP2004287070 A JP 2004287070A
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crystal
dispersion
photosensitive member
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達也 新美
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a method for manufacturing an electronic photosensitive material less in coating film defects by using an immersion coating system. <P>SOLUTION: The method for manufacturing a electronic photosensitive material using the immersion coating system equipped with a circulation device is characterized by using a dispersion liquid obtained by dispersing together a binder resin, a titanyl phtahloyanine crystal which has a maximum diffraction peak at least at 27.2° as the diffraction peak (±0.2°) of a Bragg angle 2θ with a characteristic X-ray (wavelength 1.542Å) of CuKα, further has major peaks at 9.4°, 9.6° and 24.0°, has a peak at 7.3° as the diffraction peak on the lowest angle side, does not have a peak in a range of ≥7.4 and ≤9.4° and in which the average size of the primary particles is 0.2 μm as a coating liquid for a photosensitive layer and by providing the circulation system of the coating system with a filter of 10 μm in effective pore diameter. <P>COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定のX線回折スペクトルを有し、特定の一次粒子サイズを有するチタニルフタロシアニン結晶を含有した分散液を使用し、特定の塗工装置により塗工される電子写真感光体の製造方法に関する。また、前記製造方法を用いて作製した電子写真感光体に関する。更に、特定の粒子サイズ及び粒度分布を有する特定のX線回折スペクトルを与えるフタロシアニンを含有する電子写真感光体を使用した画像形成方法、画像形成装置、画像形成装置用プロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真方式を用いた情報処理システム機の発展は目覚ましいものがある。特に情報をデジタル信号に変換して、光によって情報記録を行なう光プリンターは、そのプリント品質、信頼性において向上が著しい。このデジタル記録技術はプリンターのみならず通常の複写機にも応用され、所謂デジタル複写機が開発されている。また、従来からあるアナログ複写にこのデジタル記録技術を搭載した複写機は、種々様々な情報処理機能が付加されるため、今後その需要性が益々高まっていくと予想される。
【0003】
光プリンターの光源としては現在のところ小型で安価で信頼性の高い半導体レーザー(LD)や発光ダイオード(LED)が多く使われている。現在よく使われているLEDの発光波長は660nmであり、LDの発光波長域は近赤外光領域にある。このため可視光領域から近赤外光領域に高い感度を有する電子写真感光体(以降、単に「感光体」ともいう)の開発が望まれている。
【0004】
電子写真感光体の感光波長域は感光体に使用される電荷発生物質の感光波長域によってほぼ決まってしまう。そのため従来から各種アゾ顔料、多環キノン系顔料、三方晶形セレン、各種フタロシアニン顔料等多くの電荷発生物質が開発されている。それらの内、特開平3−35064号公報(特許文献1)、特開平3−35245号公報(特許文献2)、特開平3−37669号公報(特許文献3)、特開平3−269064号公報(特許文献4)、特開平7−319179号公報(特許文献5)等に記載されているチタニルフタロシアニン(以下、TiOPcと略記される場合がある)は600〜800nmの長波長光に対して高感度を示すため、光源がLEDやLDである電子写真プリンターやデジタル複写機用の感光体用材料として極めて重要かつ有用である。
【0005】
一方、カールソンプロセスおよび類似プロセスにおいて繰り返し使用される電子写真感光体の条件としては、感度、受容電位、電位保持性、電位安定性、残留電位、分光特性等に代表される静電特性が優れていることが要求される。とりわけ、高感度感光体についてはくり返し使用による帯電性の低下と残留電位の上昇が、感光体の寿命特性を支配するということが多くの感光体で経験的に知られており、前記チタニルフタロシアニンもこの例外ではない。したがって、チタニルフタロシアニンを用いた感光体の繰り返し使用による安定性は未だ充分とは言えず、その技術の完成が熱望されていた。
【0006】
チタニルフタロシアニン顔料の基本構造は次の一般式で表わされる。
【化1】

Figure 2004287070
式中、X、X、X、Xは各々独立に各種ハロゲン原子を表わし、n、m、l、kは各々独立的に0〜4の数字を表わす。
【0007】
TiOPcの合成法や電子写真特性に関する文献としては、例えば特開昭57−148745号公報(特許文献6)、特開昭59−36254号公報(特許文献7)、特開昭59−44054号公報(特許文献8)、特開昭59−31965号公報(特許文献9)、特開昭61−239248号公報(特許文献10)、特開昭62−67094号公報(特許文献11)などが挙げられる。
【0008】
また、TiOPcには種々の結晶型が知られており、特開昭59−49544号公報(特許文献12)、前記特開昭61−239248号公報、前記特開昭62−67094号公報、特開昭63−366号公報(特許文献13)、特開昭63−116158号公報(特許文献14)、特開昭63−196067号公報(特許文献15)、特開昭64−17066号公報(特許文献16)、特開平2−8256号公報(特許文献17)、特開平3−255456号公報(特許文献18)、特開平11−5919号公報(特許文献19)、特開2001−19871号公報(特許文献20)等に各々結晶型の異なるTiOPcが記載されている。
【0009】
このうち、特開昭64−17066号公報、特開平2−8256号公報、特開平11−5919号公報、特開2001−19871号公報等に記載されるCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニンは、非常に高感度であり、780nmのレーザーダイオード(LD)を露光光源とする電子写真装置に使用される感光体として極めて有用である。中でも、前記特開2001−19871号公報に記載されるCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.4°以上9.4゜未満の範囲にピークを有さないチタニルフタロシアニン結晶は、これを電荷発生物質に用いた感光体において、繰り返し使用による帯電性の低下が極めて少なく、非常に有用であることが知られている。
【0010】
しかしながら、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニンは、結晶型としては準安定状態にあり、熱エネルギーや機械的なストレスにより、他の結晶型に転移しやすいという問題点を有している。チタニルフタロシアニンにおいては、この結晶型が特異的に高感度を示すことが知られており、前述のように結晶の一部が他の結晶型に転移してしまうと、特有の光感度が発現されなくなってしまう。
【0011】
上述のようにストレス等により結晶型が変化してしまう現象は、結晶多型である有機結晶には観察されることではある。
しかしながら、チタニルフタロシアニン以外のフタロシアニン類では、このような結晶型の変化により光感度が非常に大きく変わってしまうという現象は見い出だされてはいない。この違いは、ブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン結晶が類い希なる高感度を示し、またこの結晶が別の結晶へ結晶転移した場合の光感度のギャップの大きさを表わす結果であり、過去に知られてきた他のフタロシアニン類や別の有機電荷発生材料の常識(結晶転移してもそれほど大きな特性の変化がないこと)が通用しないことを顕著に表わすものである。
【0012】
このため、上述の結晶型を有するチタニルフタロシアニン結晶を用いた分散液を作製する際には、他の有機材料を用いた公知技術のように、過剰の分散エネルギーを与えることにより、一次粒子レベルもしくはそれ以下まで分散を継続するという手法を適用することができずに、顔料粒子の小粒径化および粗大粒子の除去を困難にしていた。
【0013】
一方、現在のデジタル複写機やデジタルプリンターには、画像書き込み光にLDやLEDを用いているが、通常の出力画像においては印字部の面積が高々10%程度であるため、LDやLEDの寿命(光源の劣化)、感光体の光疲労を考慮して、印字部に画像光を書き込み反転現像することにより、画像出力するネガ・ポジ現像が主流である。
【0014】
ネガ・ポジ現像の場合、画像光が書き込まれない部分は地肌(白地)になるものであるが、使用する感光体によっては初期状態から、あるいは繰り返し使用により、本来白地であるはずの地肌に微少な点欠陥が発生し、画像全体がややグレーがかった画像になってしまうことがある(これを地肌汚れと呼ぶ)。
また、原稿にはない地肌部での点欠陥(先の地肌汚れよりもやや大きい:黒ポチと呼ばれる)が発生することがあり、図面における点、英文原稿におけるピリオド、カンマなどと見間違えられることがあり、画像としては致命的な欠陥であると言える。
【0015】
このような点欠陥は、顔料等の分散膜から構成される層に由来することが多い。従って、この様な点欠陥を減少させるためには、顔料等の分散性が良好な分散液を作製する必要がある。この際、分散液中の顔料粒子サイズとしては、できるだけ細かい方が好ましいが、概ね一次粒子サイズとして0.2μm以下であれば、上述のような点欠陥がかなり減少するものである。
【0016】
このような分散液を作製するために、ここまでには様々な分散機・分散システムが提案され、分散効率を上げる方法が考案されてきた。例えば、特開平4−337362号公報(特許文献21)、特開平5−188614号公報(特許文献22)、特開平7−289870号公報(特許文献23)、特開平8−44086号公報(特許文献24)、特開平8−123045号公報(特許文献25)、特開平8−272111号公報(特許文献26)、特開平9−211873号公報(特許文献27)、特開平11−30871号公報(特許文献28)、特開平11−258827号公報(特許文献29)、特開2000−126638号公報(特許文献30)、特開2000−181104号公報(特許文献31)、特開2000−281931号公報(特許文献32)、特開2001−265027号公報(特許文献33)、特開2001−290292号公報(特許文献34)等が挙げられる。
【0017】
これらはいずれも様々な分散装置、分散条件を用いる、あるいは改良することにより、合成された平均サイズの大きな顔料粒子を用いて、作製する分散液中の顔料粒子を出来る限り微細化する(粒子サイズを小さくする)技術である。
【0018】
このような分散技術は、分散液作製に際して使用する顔料の一次粒子サイズまでいかに効率よく分散するかという点に関しては、優れた技術であるといえる。しかしながら、一次粒子サイズよりも細かい状態にすることはきわめて困難であり、分散液中の粒子サイズの限界は、基本的には使用する顔料の一次粒子サイズで決まるといっても過言ではない。中には、巨大なエネルギーを与えることにより、一次粒子そのものを粉砕してしまうものも含まれるが、これらは結晶そのものを壊してしまうため、後述するような不具合点(例えば、分散効率の低下、結晶型の転移等)を有しているものであった。
【0019】
この結晶転移を防ぐために分散条件をマイルドなものにすると、上述のように平均粒径の大きな分散液が作製されるか、あるいは粗大粒子が残った分散液が作製されてしまう。このように平均粒径の大きな分散液を使用した場合には、電荷発生物質粒子の表面積が小さくなり、電荷輸送物質との電荷の授受がされにくくなり、結果として光感度の低下や繰り返し使用時の残留電位上昇といった問題が発生する。また、粗大粒子が残存した場合には、ネガ・ポジ現像における地汚れ、黒ポチといった問題が発生する。
このように、チタニルフタロシアニン顔料粒子の分散においては、結晶型の安定と粒子の微細化がトレード・オフの関係になっており、これを簡便に解決する手段がなかった。
【0020】
分散液中の顔料の粒子サイズを小さくするための別のアプローチとして、分散されやすい顔料、即ち、一次粒子の極めて小さい顔料を用いるという方法が考えられる。この方法は、使用する顔料の一次粒子を予め小さなものを合成し、分散に際しては過剰のエネルギーを与えることなく、粒子サイズの小さな分散液を得ようというものである。この方法は、分散効率を向上するだけでなく、上述のチタニルフタロシアニンに代表される様な結晶転移しやすい顔料を用いる際には極めて有効な方法であると考えられる。
【0021】
しかしながら、ここまでに顔料合成という観点からのアプローチはほとんど見あたらない。この点に関しては、唯一、特開2000−239556号公報(特許文献35)に類似の技術が開示されている。特開2000−239556号公報においては、結晶変換と同時に分散手段を併用する手段を用いて分散液を作製する方法が開示されている。確かにこの方法であると、結晶変換により形成された顔料の一次粒子サイズの分散液を形成することが出来るが、分散液はその後、塗工液として使用されることを考慮すると、結晶変換溶媒が塗工溶媒として最適なものではあるとは限らず、塗工に際して制約を有するという欠点を有している。また、顔料粉末として保管が出来ないため、保管上の制約も負荷されてしまう。
【0022】
以上のことから、電子写真感光体の電荷発生物質として極めて有用なチタニルフタロシアニン結晶を結晶転移させることなく、平均粒子サイズの小さな分散液を作製するために、一次粒子サイズの小さなチタニルフタロシアニン結晶およびその製造方法の開発が熱望されていた。
【0023】
また、上述ような点欠陥は主に感光体の局部的な電位リークに基づく現象であることがほとんどであり、感光体の耐圧性の向上、帯電均一性の向上、電位保持均一性の向上が主たる課題になっている。
本発明者がこの現象について鋭意検討を重ねた結果、以下のことが判った。
【0024】
電子写真装置における現像後、転写前の状態で感光体を停止することにより、上述の点欠陥が発生する部位を特定した。点欠陥が発生する部位に対応する感光体表面にはトナー粒子が現像されているが、その部位を光学顕微鏡を用いて注意深く観察したところ、そのほとんどに対応して電荷発生層中の電荷発生物質のやや大きめの粒子(以下、粗大粒子と呼ぶ場合がある)に基づく欠陥が観察された。
【0025】
したがって、上述の点欠陥は感光体動作における帯電印加時の電位リークが、この粗大粒子を起点として起こっていると考えられる。この電位リークが感光体非画像部(光書き込みを行なっていない地肌部)で起こることにより、表面電位が局部的に低下し、そこにトナーが現像されることにより、画像上、点欠陥として現れてしまうものである。このことから、これら電荷発生物質の粗大粒子を完全に取り除かないと、前記画像欠陥を防止することができないことが判った。
【0026】
ここまでに知られているチタニルフタロシアニン等を用いた分散液、あるいは感光体においては、粒子の平均粒径の大きさが議論の対象となってきた。本発明者も平均粒子サイズをコントロールすることで、分散液の安定性(沈降性等)の向上、極端な塗膜欠陥の防止、光感度特性の安定化(高感度化)を制御してきた。しかしながら、上述した画像上の微少欠陥に関しては、完全には理解しきれていなかった。
【0027】
分散液の更なる観察により、微小欠陥に関して検討した結果、上記現象は次のように理解された。通常、平均粒子サイズを測定するような方法においては、極端に大きな粒子が数%以上も存在するような場合には、その存在が検出できるものであるが、全体の1%以下程度のような微量になってくると、その測定は検出限界以下になってしまうものである。その結果として、平均粒子サイズの測定だけでは粗大粒子の存在が検出されずに、上述のような微小欠陥に関する解釈を困難にしていた。
【0028】
図1および2に、分散条件を固定して分散時間だけを変更した2種類の分散液の状態を電子顕微鏡で観察した写真を示す。図中のスケール・バーは0.5mmである。同一条件における分散時間の短い分散液を図1に示すが、分散時間の長い分散液の図2と比較して、粗大粒子が残っている様子が観測される。図1中の黒い粒が粗大粒子である。
【0029】
この2種類の分散液の平均粒径並びに粒度分布を公知の方法に従って、市販の粒度分布測定装置(堀場製作所製:超遠心式自動粒度分布測定装置、CAPA700)により測定した。その結果を図3に示す。図3における「A」が図1に示す分散液に対応し、「B」が図2に示す分散液に対応する。
両者を比較すると、粒度分布に関してはほとんど差が認められない。また、両者の平均粒径値は、「A」が0.29μm、「B」が0.28μmと求められ、測定誤差を加味した上では、両者に全くの差異が認められない。
【0030】
したがって、公知の平均粒径(粒子サイズ)の規定だけでは、微量な粗大粒子の残存を検出できずに、昨今の高解像度のネガ・ポジ現像には対応できていないことが理解される。この微量な粗大粒子の存在は、塗工液を顕微鏡レベルで観察することにより、初めて認識できたものである。
【0031】
一方、前述のような非常に光感度を示す有機顔料は、ほぼ例外なく非常に凝集力が大きい。これは、有機顔料が一般的に単量体で存在せず、会合体を形成してはじめて光キャリア発生を示すからである。この現象の詳細の全ては明らかではないが、分子間の水素結合等により最低でも数千の分子が会合し、一次粒子を形成して、有機顔料の最低単位が形成されている。またこれら一次粒子は更に高度な会合を生じて、二次粒子を形成することで有機顔料を形成する。
【0032】
有機顔料の粉体を観察すれば明らかであるが、合成後の合成液中の有機顔料粒子を取り出して、その粒子サイズを観察すると、ほとんどの場合、長径でサブミクロンのオーダーである。これをだんだん乾固していくと次第に二次粒子を形成するようになり、最終的に乾燥した粉体の状態では、ミリオーダーの固まりとして取り出される。この固まりは、二次粒子(および一次粒子)の集合体であり、機械的な剪断力等により、サブミリオーダーの大きさに粉砕することが出来る。
【0033】
このような有機顔料粉体を各種の分散方法により、最低でも1μm以下の粒子サイズを有する分散液を作製するものであるが、分散液中に含まれる顔料粒子同士は、粒子間のクーロン反発による分散安定性とビヒクルとの親和性の悪さ(例えば塗れ性の悪さなど)による凝集性が同時に混在し、分散と凝集の平衡状態を保って存在している。
【0034】
しかしながら、顔料粒子の比重はとビヒクルの比重より大きいため、分散液を静置保管を行うと顔料粒子は必ず沈降する。これを防ぐために、ビヒクル中にバインダー樹脂を用い、ビヒクルの粘度を上昇させることにより沈降速度を低下させるなどの手段が用いられる。ところが、浸漬塗工法においては、塗膜の膜厚は塗工液の粘度のべき乗に比例して大きくなるため、感光層(特に電荷発生層)のような薄膜を形成する場合には、自ずと粘度の上限があり、必ずしも有効な手段ではない。
【0035】
また、粒子の沈降を防ぐ手段として、塗工液を循環する方法も用いられる。これは浸漬塗工の際の塗工層内の液面を一定にすること、塗工1回ごとに新しい液を供給できること等の効果も加わり、浸漬塗工法では一般的に用いられている技術である。
しかしながら、この方法においても循環系内でコーナーのような部分において循環が不十分な箇所(液溜まり部)が発生したり、塗工中には循環を停止しなければならない(循環装置の振動により塗膜欠陥を生じる場合がある。特に薄膜の場合にはこの問題は顕著である)といった事情があり、粒子の凝集を完全に防げるものではない。
更に、本発明で用いるチタニルフタロシアニン結晶は結晶多型の顔料であり、前述のように物理的・熱的なストレスによって他の結晶型に容易に結晶転移してしまうものである。このため、循環装置においても分散液を循環させるためのポンプ等の循環用部材の出力をあまり大きくすることは出来ずに、循環流量そのものにも余裕度大きくすることは出来ない。このため、前述のような凝集を循環の作用だけによって解決することは困難を極める。また、結晶転移した顔料粒子は一般的に結晶成長したものであり、粒子サイズが大きくなっている。従って、結晶転移をさせてしまうことは、結晶型を変化させてしまうだけでなく、凝集物の存在量も多くしてしまうことになる。
【0036】
更に、循環系の中に適当な濾過装置を設けて、生成した凝集物を取り除いてしまう方法も存在する。しかしながら、凝集物の生成量があまり多い場合には、濾過装置での圧損が大きく、循環用部材への負荷が大きく、最悪の場合には循環そのものが不可能になる。また、一般的にはビヒクル中にはバインダー樹脂が併用されるが、濾過されるほとんどの物質が顔料粒子の凝集物であるため、凝集物の生成量が多い場合には、分散液の組成をも変化させてしまう。
本発明のように、電子写真感光体にこの分散液を使用する場合には、顔料/バインダー樹脂比というものが感光体の特性を大きく変化させるものであり、単純に凝集物を取り除いて行った場合には、製造される感光体の静電特性が安定しなくなり、感光体の製造そのものが不安定になってしまう。
【0037】
以上の点から、一般的には塗工装置内の分散液の状態を確認したり、製造される感光体の特性、塗膜状態などを確認した上で、これらの特性が確保できなくなった時点を分散液の寿命として、塗工装置内の分散液を交換する等の方法により、製造を継続しているものであった。
【0038】
このように、チタニルフタロシアニン(CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン)を用いた感光体を、簡便な方法で長期間、安定して製造できる手段がなかった。
【0039】
【特許文献1】
特開平3−35064号公報
【特許文献2】
特開平3−35245号公報
【特許文献3】
特開平3−37669号公報
【特許文献4】
特開平3−269064号公報
【特許文献5】
特開平7−319179号公報
【特許文献6】
特開昭57−148745号公報
【特許文献7】
特開昭59−36254号公報
【特許文献8】
特開昭59−44054号公報
【特許文献9】
特開昭59−31965号公報
【特許文献10】
特開昭61−239248号公報
【特許文献11】
特開昭62−67094号公報
【特許文献12】
特開昭59−49544号公報
【特許文献13】
特開昭63−366号公報
【特許文献14】
特開昭63−116158号公報
【特許文献15】
特開昭63−196067号公報
【特許文献16】
特開昭64−17066号公報
【特許文献17】
特開平2−8256号公報
【特許文献18】
特開平3−255456号公報
【特許文献19】
特開平11−5919号公報
【特許文献20】
特開2001−19871号公報
【特許文献21】
特開平4−337362号公報
【特許文献22】
特開平5−188614号公報
【特許文献23】
特開平7−289870号公報
【特許文献24】
特開平8−44086号公報
【特許文献25】
特開平8−123045号公報
【特許文献26】
特開平8−272111号公報
【特許文献27】
特開平9−211873号公報
【特許文献28】
特開平11−30871号公報
【特許文献29】
特開平11−258827号公報
【特許文献30】
特開2000−126638号公報
【特許文献31】
特開2000−181104号公報
【特許文献32】
特開2000−281931号公報
【特許文献33】
特開2001−265027号公報
【特許文献34】
特開2001−290292号公報
【特許文献35】
特開2000−239556号公報
【0040】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、長期間にわたる浸漬塗工方法においても、分散安定性および結晶安定性に富み、分散液の寿命を長くし、感光層(電荷発生層)のような薄膜が形成されても、塗工に際して塗膜欠陥の少ない電子写真感光体の製造方法を提供することにある。別の目的は、前記従来技術の欠点を改善し、非常に高感度であり、ネガ・ポジ現像を使用した高速デジタル複写機、デジタルプリンターに搭載が可能で、初期および繰り返し使用後にも地汚れ・黒ポチ等の画像欠陥が少なく、安定した画像出力が可能な電子写真感光体を提供することにある。更に別の目的は、ネガ・ポジ現像を使用し、高速印字が可能で、初期および繰り返し使用後にも異常画像の少ない、安定した画像を得ることのできる画像形成方法、画像形成装置、画像形成装置用プロセスカートリッジを提供することにある。
【0041】
【課題を解決するための手段】
有機顔料を電荷発生物質として用いた電子写真感光体においては、感光層中の電荷発生物質粒子サイズにより様々な特性が左右される。例えば、光キャリア発生過程において、電荷発生物質により生成された光キャリアを電荷輸送物質に受け渡す前に電荷発生物質粒子サイズが大きいと、粒子内部での光キャリアの失活確率が高くなってしまう。また、光キャリアを電荷輸送物質に受け渡す際に、顔料粒子が大きいと必然的に表面積が小さくなり両者の接触量が小さくなり、キャリア注入効率が低下してしまう。更には、電荷発生物質粒子が大きいと感光層(電荷発生層)の塗膜欠陥の確率が高くなり、これに基づく画像欠陥が発生しやすくなるといった問題点が発生する。
【0042】
このようなことから、感光層(電荷発生層)における電荷発生物質の粒子サイズを出来る限り小さくすることが望まれている。感光層(電荷発生層)は通常、湿式塗工法により形成されるため、感光層における電荷発生物質の粒子サイズを小さくするためには、これを形成する塗工分散液中の電荷発生物質粒子サイズを小さくする必要がある。
【0043】
このように感光層を塗工するための分散液中の電荷発生物質粒子サイズを小さくするために、様々な分散方法が提案されているが、いずれも電荷発生物質の凝集構造である二次粒子をいかに一次粒子に粉砕・分散するかが大きな課題である。これらの方法においては、分散エネルギーの巨大化、分散時間の延長等により、出来る限り一次粒子に近づける工夫がなされているが、この一次粒子サイズは、電荷発生物質の合成段階で決定されており、通常の方法ではこの一次粒子サイズよりも小さな粒子にすることは困難を要する。
【0044】
一方、古くから用いられているボールミリングなどの方法よりも、更に強い分散エネルギーを与えることの出来る分散方式の提案がなされ、一次粒子を更に砕いてしまうような方法も近年では開発されている。このような場合には、一次粒子が多少大きくても、巨大な分散エネルギーにより結晶そのものを粉砕してしまうことにより、電荷発生物質の粒子サイズを小さなものにしてしまうものである。このような方式は、使用する電荷発生物質の結晶安定性の高い材料に非常に適していると言える。
【0045】
ところが、有機系電荷発生物質の場合、同じ化学構造式で表される材料でも、特定の結晶型のみが特異的な機能を発現する場合も少なくない。このような特定結晶型は化学的なストレス以外に、単純な物理的・機械的なストレスによっても簡単に結晶型が変化してしまう場合がある。このような材料を用いる場合には、上述のように一次粒子そのものを粉砕してしまうような過剰の分散エネルギーを与えることは、粒子を粉砕する作用よりも先に結晶型を変化させてしまう現象が起こってしまう。この結果、特異的な機能を発現する材料を用いたつもりでも、その機能が十分に発揮されない材料に変化してしまうケースが多々存在する。
【0046】
本発明において用いられるフタロシアニン結晶、特にチタニルフタロシアニン結晶は、結晶多型の材料であり、特別に光キャリア発生効率の高い結晶型は、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有する結晶のみであり、それ以外の結晶型の材料も電荷発生物質としての機能は有するものの、現在の電子写真プロセスの要求する高速化、感光体小径化、繰り返し使用時の高い安定性に満足する特性を有するものではない。従って、前記結晶型は特異的な結晶型であると言える。
【0047】
しかしながら、この少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン結晶は、チタニルフタロシアニン結晶としては準安定状態であり、結晶安定性の低い材料である。従って、前述の如き機械的、物理的なストレスを過剰に与えることは、その結晶を安定結晶型である他の結晶型へ転移してしまうものである。
【0048】
このように、電荷発生物質としての高い機能を有するチタニルフタロシアニン結晶であるが、電子写真感光体への適応の際には、粒子の微細化と結晶安定性がトレード・オフの関係になっており、これを容易に解決する方法がなかった。
【0049】
上述の如き課題に対して、本発明者はチタニルフタロシアニン結晶の粉砕・分散工程の解析を試み、以下の知見を得た。
即ち、チタニルフタロシアニン結晶の分散工程において、目的とする粒子サイズまで分散する際に、目的とする粒子サイズよりも大きい一次粒子が存在するために過剰の分散エネルギーを与えなければならないこと。また、一次粒子の凝集体である二次粒子を一次粒子まで分散するのに必要なエネルギーと、巨大な一次粒子を更に細かく粉砕するエネルギーでは格段な差異があること。
そして、前者においては結晶に掛かる力が分散そのものに与えられ、結晶転移には至らないこと。後者においては、与えられるエネルギーが粉砕に作用すると同時に結晶転移が進行してしまうこと。
【0050】
以上のことから、本発明者は、分散に供されるチタニルフタロシアニン結晶の一次粒子を出来る限り細かいものにすることにより、過剰な分散エネルギーを与えることなく、粒子サイズの細かく、かつ結晶安定性の高い分散液を作製できるということを見いだした。
【0051】
本発明におけるチタニルフタロシアニン結晶一次粒子の平均粒子サイズは、以下のように定義されるものである。
結晶変換されたチタニルフタロシアニン結晶を含む液を、透過型電子顕微鏡(TEM)により観察し、得られたTEM像をTEM写真として撮影し、映し出されたチタニルフタロシアニン結晶を30個任意に選び出し、それぞれの長径の大きさを測定する。測定した30個体の長径の算術平均を求めて、平均粒子サイズとする。
【0052】
次に、本発明者はチタニルフタロシアニン結晶の合成からのアプローチを試み、以下の知見を得た。
即ち、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン結晶は、一般的にそれよりも更に結晶安定性の低いチタニルフタロシアニンから合成される。良く用いられる手法としては、常法に従って合成された合成粗品(クルード)を、硫酸等によりアシッド・ペースト処理と呼ばれる方法により、最も結晶安定性の低いと思われる不定形チタニルフタロシアニン(もしくは低結晶性のチタニルフタロシアニン)に変換する。これを様々な方法により結晶変換することにより、目的の結晶型を有するチタニルフタロシアニン結晶を得る。この結晶変換に際して、最も多く利用される方法が、水の存在下で適当な有機溶媒と共に結晶転移させる方法である。
【0053】
本発明者は、この結晶変換前後におけるチタニルフタロシアニン結晶粒子のモルフォロジーに着目した。前述のアシッド・ペースト処理後の不定形チタニルフタロシアニン(もしくは低結晶性のチタニルフタロシアニン)の粒子サイズは、チタニルフタロシアニンの酸溶液状態から、溶解度の低い水に析出させたものであり、一次粒子サイズは小さいものである。アシッド・ペースト処理の条件にもよるが、通常は0.1μm以下程度の微細な粒子(針状に近い形状)を形成している。引き続き、結晶変換処理を行ったチタニルフタロシアニン結晶は、結晶転移と同時に結晶成長するものであり、通常はより確実に結晶変換を行った後に、この結晶を分別・濾過して取り出すものであるから、一次粒子がかなり大きなもの(およそ0.3〜0.4μm程度、大きいものでは1μm程度)になっている。
以上のことから、本発明で用いられるチタニルフタロシアニン結晶の一次粒子サイズは、この結晶変換工程によって決定されていることが分かった。
【0054】
本発明において、特に良好に使用される特定の結晶型であるCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.4°以上9.4゜未満の範囲にピークを有さず、更に26.3゜にピークを有さないチタニルフタロシアニン結晶は、前記特開2001−19871号公報に開示されている。しかしながら、この公報に開示されている条件でチタニルフタロシアニン結晶を作製すると、上述のように一次粒子の大きな結晶が得られるものであり、上述の如き問題点を有しているものであった。
【0055】
このように、ここまで課題とされてきたチタニルフタロシアニン結晶の分散における粒子の微細化と結晶安定性のトレード・オフという関係の解消方法は、使用するチタニルフタロシアニン結晶の一次粒子を以下に小さく合成するかということになる。
この点に鑑み検討した結果、前記微細粒子である不定形チタニルフタロシアニン(もしくは低結晶性のチタニルフタロシアニン)を原料に用い、水の存在下で有機溶媒により結晶変換を行なう際に、可能な限り結晶変換時間を短く設定し(結晶変換条件にもよるが、概ね1時間未満、好ましくは30分未満)、結晶成長が起こる前(一次粒子サイズが0.2μm以上に成長する前)に有機溶媒中より分別・濾過を行い、所望の結晶を取り出してしまうことにより、一次粒子の微細な結晶を得ることができることが分かった。
【0056】
本発明者は、地汚れ・黒ポチといったネガ・ポジ現像に致命的な画像欠陥に着目し、上記課題を解決すべく、欠陥部の感光体中の塗膜状態と画像欠陥部の対応に関して鋭意検討を行ない、感光体中の塗膜を特定の方法によりコントロールすることで、上記欠陥を限りなく減少させることを見いだし、本発明を完成するに至った。従って、本発明の課題は下記(1)〜(21)によって達成される。
【0057】
(1)循環装置を備えた浸漬塗工装置を用いた電子写真感光体の製造方法において、感光層用塗工液としてCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.4°以上9.4゜未満の範囲にピークを有さず、かつ一次粒子の平均サイズが0.2μm以下であるチタニルフタロシアニン結晶をバインダー樹脂と共に有機溶媒中で分散して得られた分散液を用い、該塗工装置の循環系に有効孔径10μm以下のフィルターを設けたこと特徴とする電子写真感光体の製造方法。
【0058】
(2)前記チタニルフタロシアニンは、更に26.3゜にピークを有さないことを特徴とする前記(1)に記載の電子写真感光体の製造方法。
【0059】
(3)前記チタニルフタロシアニン結晶が、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも7.0〜7.5゜に最大回折ピークを有し、その回折ピークの半値巾が1゜以上である一次粒子の平均サイズが0.1μm以下の不定形チタニルフタロシアニンもしくは低結晶性チタニルフタロシアニンを水の存在下で有機溶媒により結晶変換を行ない、結晶変換後の一次粒子の平均サイズが0.2μm以上に成長する前に、有機溶媒より結晶変換後のチタニルフタロシアニンを分別、濾過されたものであることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の電子写真感光体の製造方法。
【0060】
(4)前記有機溶媒が、少なくともテトラヒドロフラン、トルエン、塩化メチレン、二硫化炭素、オルトジクロロベンゼン、1,1,2−トリクロロエタンの中から選ばれる一種を含むことを特徴とする前記(3)に記載の電子写真感光体の製造方法。
【0061】
(5)塗工装置投入前の分散液中のチタニルフタロシアニン結晶粒子の体積平均粒径が0.2μm以下で、その標準偏差が0.2μm以下になるまで分散を行なったものであることを特徴とする前記(1)又は(4)に記載の分散液の電子写真感光体の製造方法。
【0062】
(6)前記チタニルフタロシアニン結晶の分散に用いるメディア径が、0.5mm以下であることを特徴とする前記(5)に記載の電子写真感光体の製造方法。
【0063】
(7)導電性支持体上に、少なくとも電荷発生層、電荷輸送層を積層した電子写真感光体であって、該電荷発生層を前記(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法にて形成したことを特徴とする電子写真感光体。
【0064】
(8)前記電荷輸送層に高分子電荷輸送物質を含有することを特徴とする前記(7)に記載の電子写真感光体。
【0065】
(9)前記電子写真感光体が、電荷輸送層上に保護層を積層したことを特徴とする前記(7)又は(8)に記載の電子写真感光体。
【0066】
(10)前記保護層に比抵抗1010Ω・cm以上の無機顔料又は金属酸化物を含有することを特徴とする前記(9)に記載の電子写真感光体。
【0067】
(11)前記金属酸化物が、比抵抗1010Ω・cm以上のアルミナ、酸化チタン、シリカのいずれかであることを特徴とする前記(10)に記載の電子写真感光体。
【0068】
(12)前記金属酸化物が、比抵抗1010Ω・cm以上のα−アルミナであることを特徴とする前記(11)に記載の電子写真感光体。
【0069】
(13)前記保護層に高分子電荷輸送物質を含有することを特徴とする前記(9)〜(12)のいずれかに記載の電子写真感光体。
【0070】
(14)前記電子写真感光体の導電性支持体表面が、陽極酸化皮膜処理されたものであることを特徴とする前記(7)〜(13)のいずれかに記載の電子写真感光体。
【0071】
(15)電子写真感光体に、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写を繰り返し行なう画像形成方法であって、該電子写真感光体が前記(7)〜(14)のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成方法。
【0072】
(16)少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段、および電子写真感光体を具備してなる画像形成要素を具備してなる画像形成装置であって、該電子写真感光体が前記(7)〜(14)のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
【0073】
(17)前記画像形成要素を複数配列したことを特徴とする前記(16)に記載の画像形成装置。
【0074】
(18)前記帯電手段が帯電部材を感光体に接触もしくは近接配置したものであることを特徴とする前記(16)又は(17)に記載の画像形成装置。
【0075】
(19)前記帯電部材と電子写真感光体間の空隙が200μm以下であることを特徴とする前記(18)に記載の画像形成装置。
【0076】
(20)前記帯電手段が直流成分に交流成分を重畳し、電子写真感光体に帯電を与えるものであることを特徴とする前記(18)又は(19)に記載の画像形成装置。
【0077】
(21)少なくとも電子写真感光体を具備してなる画像形成装置用プロセスカートリッジであって、該電子写真感光体が前記(7)〜(14)のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
【0078】
【発明の実施の形態】
以下本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の製造方法においては、使用する分散液(及び分散液中に含有されるチタニルフタロシアニン結晶)と循環装置に特徴があるものである。
以下に具体的な方法について述べる。
【0079】
初めにチタニルフタロシアニン結晶の合成粗品の合成法について述べる。
フタロシアニン類の合成方法は古くから知られており、Moser等による「Phthalocyanine Compounds」(1963年)、「ThePhthalocyanines」(1983年)、特開平6−293769号公報等に記載されている。
【0080】
例えば、第1の方法は、無水フタル酸類、金属あるいはハロゲン化金属及び尿素の混合物を高沸点溶媒の存在下あるいは不存在下において加熱する方法である。この場合、必要に応じてモリブデン酸アンモニウム等の触媒が併用される。
第2の方法は、フタロニトリル類とハロゲン化金属を高沸点溶媒の存在下あるいは不存在下において加熱する方法である。この方法は、第1の方法で製造できないフタロシアニン類、例えば、アルミニウムフタロシアニン類、インジウムフタロシアニン類、オキソバナジウムフタロシアニン類、オキソチタニウムフタロシアニン類、ジルコニウムフタロシアニン類等に用いられる。
第3の方法は、無水フタル酸あるいはフタロニトリル類とアンモニアを先ず反応させて、例えば1,3−ジイミノイソインドリン類等の中間体を製造し、次いでハロゲン化金属と高沸点溶媒中で反応させる方法である。
第4の方法は、尿素等存在下で、フタロニトリル類と金属アルコキシドを反応させる方法である。特に、第4の方法はベンゼン環への塩素化(ハロゲン化)が起こらず、電子写真用材料の合成法としては、極めて有用な方法である。
【0081】
次に、不定形チタニルフタロシアニン(低結晶性チタニルフタロシアニン)の合成法について述べる。この方法は、フタロシアニン類を硫酸に溶解した後、水で希釈し、再析出させる方法であり、アシッド・ペースト法あるいはアシッド・スラリー法と呼ばれるものが使用できる。
【0082】
具体的な方法としては、上記の合成粗品を10〜50倍量の濃硫酸に溶解し、必要に応じて不溶物を濾過等により除去し、これを硫酸の10〜50倍量の十分に冷却した水もしくは氷水にゆっくりと投入し、チタニルフタロシアニンを再析出させる。析出したチタニルフタロシアニンを濾過した後、イオン交換水で洗浄・濾過を行い、濾液が中性になるまで十分にこの操作を繰り返す。最終的に、綺麗なイオン交換水で洗浄した後、濾過を行い、固形分濃度で5〜15wt%程度の水ペーストを得る。このように作製したものが本発明に用いる不定形チタニルフタロシアニン(低結晶性チタニルフタロシアニン)である。
この際、この不定形チタニルフタロシアニン(低結晶性チタニルフタロシアニン)が、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも7.0〜7.5゜に最大回折ピークを有するものであることが好ましい。特に、その回折ピークの半値巾が1゜以上であることがより好ましい。更に、一次粒子の平均粒子サイズが0.1μm以下であることは、続く結晶変換にとって十分に重要なことである。
【0083】
図4に、好ましい不定形チタニルフタロシアニンの粒子状態を表す電子顕微鏡写真(スケールバー:0.2μm)を示す。粒子状態の観察には、透過型電子顕微鏡(TEM; 日立、H−9000NAR)を用いた。上述の不定形チタニルフタロシアニン水ペーストを、イオン交換水にて顔料濃度が1重量%程度になるように希釈を行い、導電性ネット上にすくい取り、そのまま乾燥して、観察を行った。
【0084】
次に結晶変換方法について述べる。結晶変換は、前記不定形チタニルフタロシアニン(低結晶性チタニルフタロシアニン)を所望の結晶型(CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有する結晶型)に変換する工程である。
特に、前記結晶型のうち、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.4°以上9.4゜未満の範囲にピークを有さないチタニルフタロシアニン結晶が良好に用いられ、更に26.3゜にピークを有さないチタニルフタロシアニン結晶は特に良好に用いられる。
【0085】
具体的な方法としては、前記不定形チタニルフタロシアニン(低結晶性チタニルフタロシアニン)を乾燥せずに、水の存在下の元で有機溶媒と共に混合・撹拌することにより、前記結晶型を得るものである。この際、結晶変換後チタニルフタロシアニン結晶の一次粒子の長径を0.2μm以下に制御することが本発明のポイントである。
この際、使用される有機溶媒は、所望の結晶型を得られるものであれば、いかなる有機溶媒も使用出来るが、特にテトラヒドロフラン、トルエン、塩化メチレン、二硫化炭素、オルトジクロロベンゼン、1,1,2−トリクロロエタンの中から選ばれる1種を選択すると、良好な結果が得られる。これら有機溶媒は単独で用いることが好ましいが、これらの有機溶媒を2種以上混合する、あるいは他の溶媒と混合して用いることも可能である。
【0086】
結晶変換の操作において、本発明者が観察したところによれば、前述の不定形チタニルフタロシアニン(低結晶性チタニルフタロシアニン)は、一次粒径が0.1μm以下(そのほとんどが0.01〜0.05μm程度)であるが、結晶変換の際に際しては、結晶成長と共に結晶が変換されることが分かった。通常、この種の結晶変換においては、原料の残存をおそれて十分な結晶変換時間を確保し、結晶変換が十二分に行われた後に、濾過を行い、所望の結晶型を有するチタニルフタロシアニン結晶を得るものである。このため、原料として十分に小さな一次粒子を有する原料を用いているにもかかわらず、結晶変換後の結晶としては一次粒子の大きな結晶(概ね0.3〜0.5μm)を得ているものである。
【0087】
このような結晶変換後のチタニルフタロシアニン結晶の一次粒子の状態を図5に示す。図5の観察も図4の場合と同様に、TEMにより行った(図中のスケールバー:0.2μm)。写真中央付近に非常に大きな一次粒子が2つ認められる。
【0088】
このように作製されたチタニルフタロシアニン結晶を分散するにあたっては、分散後の粒子サイズを小さなもの(0.2μm以下程度)にするため、強いシェアを与えることで分散を行い、更には必要に応じて一次粒子を粉砕する強いエネルギーを与えて分散を行っている。この結果、前述の如き、粒子の一部が所望の結晶型でない結晶型へと転移してしまうものである。
【0089】
一方、本発明においては、結晶変換に際して結晶成長がほとんど起こらない範囲(図4に観察される不定形チタニルフタロシアニン粒子のサイズが、結晶変換後において遜色ない小ささ、概ね0.2μm以下に保たれる範囲)で、結晶変換が完了した時点を見極めることで、可能な限り一次粒子サイズの小さなチタニルフタロシアニン結晶を得ようというものである。結晶変換後の粒子サイズは、結晶変換時間に比例して大きくなる。このため前述のように、結晶変換の効率を高くし、短時間で完了させることが重要である。このためには、いくつかの重要なポイントが挙げられる。
【0090】
1つは、結晶変換溶媒を前述のように適正なものを選択し、結晶変換効率を高めること。もう1つは、結晶変換を短時間に完了させるために、溶媒とチタニルフタロシアニン水ペースト(前述の如き作製した原料)を十分に接触させるために強い撹拌を用いるものである。具体的には、撹拌力の非常に強いプロペラを用いた撹拌、ホモジナイザー(ホモミキサー)のような強烈な撹拌(分散)手段を用いるなどの手法により、短時間での結晶変換を実現させるものである。これらの条件により、原料が残存することなく、結晶変換が十分に行われ、かつ結晶成長が起こらない状態のチタニルフタロシアニン結晶を得ることができる。
【0091】
また、上述のように結晶粒子サイズと結晶変換時間は比例関係にあるため、所定の反応(結晶変換)が完了したら、反応を直ちに停止させる方法も有効な手段である。上述のように結晶変換を行った後、直ちに結晶変換の起こりにくい溶媒を大量に添加することが前記手段として挙げられる。結晶変換の起こりにくい溶媒としては、アルコール系、エステル系などの溶媒が挙げられる。これらの溶媒を結晶変換溶媒に対して、10倍程度加えることにより、結晶変換を停止することができる。
【0092】
このようにして作製される一次粒子サイズは、細かいほど感光体の課題に対しては良好な結果を示すものであるが、顔料作製にかかる次工程(顔料の濾過工程)、分散液での分散安定性を考慮すると、あまり小さすぎても副作用がでる場合がある。即ち、一次粒子が非常に細かい場合には、これを濾過する工程において濾過時間が非常に長くなってしまうという問題が発生する。また、一次粒子が細かすぎる場合には、分散液中での顔料粒子の表面積が大きくなるため、粒子の再凝集の可能性が高くなる。従って、適切な顔料粒子の粒子サイズは、およそ0.05μm〜0.2μm程度の範囲である。
【0093】
図6には、短時間で結晶変換を行った場合のチタニルフタロシアニン結晶のTEM像(スケールバー:0.2μm)を示す。図5の場合とは異なり、粒子サイズが小さく、ほぼ均一であり、図5に観察されるような粗大粒子は全く認められない。
【0094】
続いて、結晶変換されたチタニルフタロシアニン結晶は直ちに濾過されることにより、結晶変換溶媒と分別される。この濾過に際しては、適当なサイズのフィルターを用いることにより行われる。この際、減圧濾過を用いることが最も適当である。
その後、分別されたチタニルフタロシアニン結晶は、必要に応じて加熱乾燥される。加熱乾燥に使用する乾燥機は、公知のものがいずれも使用可能であるが、大気下で行う場合には送風型の乾燥機が好ましい。更に、乾燥速度を早め、本発明の効果をより顕著に発現させるために減圧下の乾燥も非常に有効な手段である。特に、高温で分解する、あるいは結晶型が変化する様な材料に対しては有効な手段である。特に10mmHgよりも真空度が高い状態で乾燥することが有効である。
【0095】
ここで、本発明で使用する様な高い光キャリア発生能を有する有機顔料は一般的に凝集力が非常に強い。結晶を濾過・分別した後に、上述のように乾燥を行うと、一次粒子が凝集して二次粒子を形成する。これは通常の分散装置により一次粒子まで分散が行えるものであるが、結晶変換溶媒とその後引き続き用いる分散液の分散溶媒が同一のものであれば、敢えて乾燥しなくても良い。その場合には、濾過後のチタニルフタロシアニン結晶のウェットケーキをそのまま、必要に応じてバインダー樹脂を溶解した分散溶媒に直接投入し、分散を実施すればよい。この方法は、二次粒子の大きな塊を分散する必要がなく、本発明の効果をより一層顕著なものとする。
【0096】
次に分散液に関して説明する。特定の分散液は以下のように作製される。
分散液は、前述の電荷発生物質を、バインダー樹脂と共に有機溶媒中に分散したものである。この際、前記電荷発生物質は特定の結晶型を維持している場合に良好な特性を示すものであるから、分散操作によって結晶型が変化してしまわないようにすることが肝心である。特に、本発明で使用する特定結晶は、熱エネルギーや機械的なシェアにより、他の結晶型へ結晶転移しやすいため、注意が必要である。
【0097】
分散装置としては、ビーズミル、ボールミル、アトライター、サンドミル、超音波等を用いることができるが、分散効率、結晶転移の少なさを考慮すると、循環方式のビーズミルの使用が最も好ましい。この際、可能な限り顔料の小粒径化を行ない、更に粒度分布が狭い方が好ましいため、できる限り細かい分散メディアを使用する方が望ましい。
【0098】
本発明者等の検討結果では、メディア径が0.5mm以下である場合に良好な結果を与えた。それ以上である場合には、平均粒径が小さくなりにくい、平均粒径が小さくなるものの粒度分布が広がってしまう等の不具合点を生じた。しかしながら、あまり細かくなってしまうと、分散エネルギーを伝えにくい、メディアの摩耗が大きくなる等の問題が生じるため、0.1mm以上であることが好ましい。
【0099】
分散操作時の初期状態(分散を何段階かに分けて行なう場合には一次分散)より、顔料粒子をバインダー樹脂と共に共存させておくことは重要なことである。本発明者の検討によれば、前記特定結晶型を与えるチタニルフタロシアニン結晶は、溶媒と共に存在するだけで結晶型の転移が起こりやすいものであるが、バインダー樹脂を共存させる(ビヒクルとして、溶媒中にバインダー樹脂を溶解させた状態にする)ことにより、この結晶転移速度を極端に低下できることが判った。
【0100】
このように条件を決定し、慎重に分散を行なっても本発明に使用する顔料には更なる課題が残される。それは、粒子サイズと結晶安定性のトレード・オフの関係である。顔料の分散は適当なメディアを使用することにより実施されるが、その分散はメディア同士あるいは顔料とメディアの衝突において行なわれる。したがって、どの様な分散方法を用いても粗大粒子の残存は可能性として存在する。通常はこれを避けるため、分散時間を長くすることにより、粗大粒子の残存をなるべく減らそうとするものである。これは、分散液中の平均粒径を分散時間に対してプロットすれば明らかになることであり、通常用いられる分散条件は所定時間よりも短い時間で、平均粒径は所定の値に到達している。しかしながら、それ以上の分散時間を与えることにより、粗大粒子の存在を減らしているのである。
【0101】
このような方法は、結晶型が安定した顔料に対して使用できるものであるが、本発明に使用するような結晶安定性の乏しい顔料を用いた場合には、過剰な分散エネルギーを顔料に与えることができずに、粗大粒子が残存した状態で分散を終了させるか、あるいは結晶転移を覚悟した上で、粗大粒子がなくなる状態まで分散を行なうかのいずれかの選択を迫られることになる。いずれの選択肢を選択した場合にも、顔料本来の特性を活かしきることができずに、ここまでの感光体においては何らかの不具合を抱えたまま製造されている。
【0102】
この点に鑑み、本発明においては、結晶転移がないことを必須条件とし、更に粗大粒子を残存させない方法を提供するものである。すなわち、分散において結晶転移が起こらない程度の最適分散エネルギーを与え、分散を行なった後、所定サイズ以上の粗大粒子を適当なフィルター等を用いることにより除去してしまうものである。
【0103】
この際の適当な分散エネルギーとは、分散液における顔料粒子の平均粒径が、使用する顔料粒子の1次粒子のレベルに到達する最低のエネルギーを指すものである。本発明で使用する特定の結晶型を有する顔料の合成後の1次粒子サイズは、概ね0.2〜0.3μm程度であるから、平均粒径が0.3μm以下程度でほぼ1次粒子サイズに到達していることになる。この程度のエネルギーは粒子凝集の粉砕エネルギーとして消費されるため、結晶転移に繋がるものではない。しかしながら、これ以上のエネルギーを与えることは、結晶転移をさせる方向に働くため、好ましくない。
【0104】
また必要に応じて、上述のように作製した分散液を塗工装置に投入する前に適当なフィルターにして濾過操作を行っても良い。分散液を濾過するフィルターに関しては、除去したい粗大粒子のサイズによって異なるものであるが、本発明者の検討によれば、600dpi程度の解像度を必要とする電子写真装置で使用される感光体としては、最低でも3μm以上の粗大粒子の存在は画像に対して影響を及ぼす。したがって、有効孔径が3μm以下のフィルターを使用すべきである。より好ましくは1μm以下の有効孔径を有するフィルターを使用することである。
この有効孔径に関しては、細かいほど粗大粒子の除去に効果があるものであるが、あまり細かすぎると、必要な顔料粒子そのものも濾過されてしまうため、適切なサイズが存在する。また、細かすぎた場合には、濾過に時間がかかる、フィルターが目詰まりを起こす、ポンプ等を使用して送液する場合には負荷がかかりすぎる等の問題を生じる。なお、ここで使用されるフィルターの材質は、当然のことながら濾過する分散液に使用される溶媒に対して耐性のあるものが使用される。
【0105】
また、濾過操作を有効にするためには、顔料粒子の平均粒径だけでなく、その分布が重要である。粒度分布が広い場合には、平均粒径がいくら小さくても濾過の効率が落ちたり、必要な顔料粒子を除去してしまうという問題を発生させる。上述の顔料粒子サイズは、市販の粒径測定器等で測定することが可能であるが、同時に粒度分布の標準偏差を求めるものである。この際、体積平均粒径が0.2μm以下であり、標準偏差が0.2μm以下程度であれば、粒度分布が充分に狭く、濾過に際して問題を生じさせない範囲である。更に、濾過後に1μm以上の粗大粒子を含有しないことが肝要である。
本発明における顔料の平均粒径とは、特別な記載のない限り、体積平均粒径であり、超遠心式自動粒度分布測定装置:CAPA−700(堀場製作所製)により求めたものである。この際、累積分布の50%に相当する粒子径(Median系)として算出されたものである。また、同時に標準偏差も測定するものである。
【0106】
次に、循環塗工装置について説明する。
以上のように作製した分散液を用い、濾過装置を備えた循環式浸漬塗工装置によって、本発明の電子写真感光体は製造される。
図7に代表的な循環方式の浸漬塗工装置の概略図を示す。
【0107】
ここで、1は塗工槽、2はフィルター、3は循環ポンプ、4は撹拌羽根、5はストレージタンク、6は撹拌モーター、7は導電性支持体、8は昇降機を表す。配管中の矢印は、循環される塗工液の流れる方向を示す。
塗工装置には、前述の様に作製された分散液が投入される。ストレージタンク5では、浸漬塗工により蒸発された分散溶媒での希釈や、図示しない保温用のジャケットによる液温の調整などが行われる。この際、撹拌モーター6により動作される撹拌羽根によりストレージタンク内が撹拌され、分散液が均一化される。
【0108】
ストレージタンク内の分散液は循環ポンプ3によりフィルター2を経て、塗工槽1へと供給される。使用されるポンプとしては、分散液中の顔料粒子にストレスを与えない構造のものが良好に用いられる。ギヤポンプのように剪断力を与えて液を送液するタイプは向かず、一軸偏芯ネジポンプのような剪断力がかからないタイプのポンプが好ましい。
ポンプ3により送液された分散液はフィルター2を経て塗工槽に供給されるが、フィルター2により循環の間は常に濾過される。
【0109】
ここで用いられるフィルターは、有効孔径3μmで一度濾過された分散液を濾過するものであるが、前述のように循環装置中の分散液滞留部で発生した凝集物、あるいはわずかな結晶転移により発生した凝集物などを濾過する役割を担うものである。ここでは、有効孔径10μm以下のフィルターを用いることが重要であり、好ましくは有効孔径5μm以下のフィルターを用いることが重要である。一般的には有効孔径が細かいほど、凝集物等を濾過できることになるが、循環装置に投入前の分散液濾過工程のように1パスの濾過ではなく、循環装置中においては連続循環になるため、ポンプにはかなりの負荷がかかる。また、必要以上に細かい場合には、必要な顔料粒子を除去してしまう可能性があり、またそれを避けるために定期的なフィルター交換の頻度が非常に高くなってしまい、製造には向かなくなる。従って、適切な範囲がある。
【0110】
本発明者の検討によれば、600dpi程度の解像度を必要とする画像形成装置で使用される感光体としては、最低でも3μm以上の粗大粒子の存在は画像に対して影響を及ぼす。しかしながら、先のように1パスの場合には有効孔径3μm以下のフィルターを使用すべきであったが、連続循環濾過の場合には、それほど細かくなくても効果が期待でき、前述のように有効孔径10μm以下(好ましくは5μm以下)のフィルターを用いることで発明の効果が発揮される。フィルターの有効孔径の下限側としては、最も細かい場合でも1μm以上のフィルターを使用することが望ましい。これ以下の場合には、前述のような問題点が発生するため、好ましくない。なお、ここで使用されるフィルターの材質は、当然のことながら濾過する分散液に使用される溶媒に対して耐性のあるものが使用される。
【0111】
次いで、フィルターを通過した分散液は、塗工槽2に供給されるが、塗工槽容量を超えた分は塗工槽上端でオーバーフローされ、ストレージタンク5に戻される。この循環のタイミングに関しては、感光体の塗工動作中を含めて、常に循環を行っても構わないが、循環ポンプの振動等を拾い、塗膜欠陥を生じることがあるため、好ましくは塗工を行っている最中には循環を停止すべきである。
なお、ここでいう塗工を行っている最中とは、少なくとも導電性支持体が昇降機動作の範囲の下端に停止してから、支持体下端部が塗工槽上端を出るまでの間をいうものである。支持体が下降状態にある場合には、むしろ循環を継続することで、分散(塗工)液に浸漬された支持体表面近傍の分散液が均一化されて望ましい。
【0112】
循環流量に関しては、ポンプの送液能力、循環系の圧力上昇程度等によって決定されるものであるが、好ましくは支持体体積よりも大きい体積分の分散液を、塗工タクト間に送液出来るだけの循環流量を確保すべきである。これにより、塗工槽中の分散液が全て入れ替わることになり、前回塗工された分散液の履歴を残さないことになり、良好な塗膜を形成できるようになる。
また、図示していないが、塗工槽の上端には開閉式のフタを設けることが望ましい。浸漬塗工方法は基本的に開放系で塗工が行われるため、分散液中の有機溶媒の蒸発が発生する。このことは、循環により常に新しい液(濃度の低い)が供給されることにより、その現象は促進される。有機溶媒の大気への拡散は、感光体製造のコストを増大させるだけでなく、地球環境への影響も問題になるものである。このため、開閉式のフタを設け、塗工タクトの間を含めた塗工されない期間はフタが閉じていることが望ましい。
【0113】
また、目的とする感光体を作製する方法は、以下の通りである。
本発明においては、感光体のうち感光層(電荷発生層)に特徴があるものであり、電荷発生層の形成方法に関して記載する。前述の分散液を用い、前述の浸漬塗工装置により電荷発生層が形成される。電荷発生層は湿式塗工法により形成されるものであるから、特定の塗工液(分散液)を作製し、更に特定の浸漬塗工装置にて、これを塗布乾燥することにより達成される。
【0114】
次に、本発明の電子写真感光体を図面に沿って説明する。
図8は、本発明の電子写真感光体を表わす断面図であり、導電性支持体31上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層35と電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層37とが設けられている。
図9は、本発明の電子写真感光体の別の構成例を示す断面図であり、電荷発生層35と電荷輸送層37の上に、保護層39が積層された構成をとっている。
【0115】
導電性支持体31としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に記載されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体31として用いることができる。
また、これらの中でも陽極酸化皮膜処理を簡便に行なうことのできるアルミニウムからなる円筒状支持体が最も良好に使用できる。ここでいうアルミニウムとは、純アルミ系あるいはアルミニウム合金のいずれをも含むものである。具体的には、JIS1000番台、3000番台、6000番台のアルミニウムあるいはアルミニウム合金が最も適している。
【0116】
陽極酸化皮膜は各種金属、各種合金を電解質溶液中において陽極酸化処理したものであるが、中でもアルミニウムもしくはアルミニウム合金を電解質溶液中で陽極酸化処理を行なったアルマイトと呼ばれる被膜が本発明に用いる感光体には最も適している。特に、反転現像(ネガ・ポジ現像)に用いた際に発生する点欠陥(黒ポチ、地汚れ)を防止する点で優れている。
陽極酸化処理は、クロム酸、硫酸、蓚酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸などの酸性浴中において行なわれる。このうち、硫酸浴による処理が最も適している。一例を挙げると、硫酸濃度:10〜20%、浴温:5〜25℃、電流密度:1〜4A/dm、電解電圧:5〜30V、処理時間:5〜60分程度の範囲で処理が行なわれるが、これに限定するものではない。
【0117】
このように作製される陽極酸化皮膜は、多孔質であり、また絶縁性が高いため、表面が非常に不安定な状況である。このため、作製後の経時変化が存在し、陽極酸化皮膜の物性値が変化しやすい。これを回避するため、陽極酸化皮膜を更に封孔処理することが望ましい。封孔処理には、フッ化ニッケルや酢酸ニッケルを含有する水溶液に陽極酸化皮膜を浸漬する方法、陽極酸化皮膜を沸騰水に浸漬する方法、加圧水蒸気により処理する方法などがある。このうち、酢酸ニッケルを含有する水溶液に浸漬する方法が最も好ましい。
【0118】
封孔処理に引き続き、陽極酸化皮膜の洗浄処理が行なわれる。これは、封孔処理により付着した金属塩等の過剰なものを除去することが主な目的である。これが支持体(陽極酸化皮膜)表面に過剰に残存すると、この上に形成する塗膜の品質に悪影響を与えるだけでなく、一般的に低抵抗成分が残ってしまうため、逆に地汚れの発生原因にもなってしまう。洗浄は純水1回の洗浄でも構わないが、通常は他段階の洗浄を行なう。この際、最終の洗浄液が可能な限りきれいな(脱イオンされた)ものであることが好ましい。また、他段階の洗浄工程のうち1工程に接触部材による物理的なこすり洗浄を施すことが望ましい。以上のようにして形成される陽極酸化皮膜の膜厚は、5〜15μm程度が望ましい。これより薄すぎる場合には陽極酸化皮膜としてのバリア性の効果が充分でなく、これより厚すぎる場合には電極としての時定数が大きくなりすぎて、残留電位の発生や感光体のレスポンスが低下する場合がある。
【0119】
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものも、本発明の導電性支持体31として用いることができる。
この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などがあげられる。
また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂があげられる。
このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
【0120】
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、ポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体(31)として良好に用いることができる。
【0121】
次に電荷発生層35について説明する。
電荷発生層35は、電荷発生材料として特定の合成法により合成され、特定のX線回折スペクトルを示し、特定の一次粒子サイズを有するチタニルフタロシアニン結晶を主成分とする層であり、所定の操作により分散液として作製された後、循環式浸漬塗工装置に投入され、有効孔径10μm以下のフィルターにて連続濾過を行った分散液を用いて形成される層である。
【0122】
電荷発生層35は、前記チタニルフタロシアニン結晶を必要に応じてバインダー樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、これを導電性支持体上に塗布し、乾燥することにより形成される。
必要に応じて電荷発生層35に用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。中でも、ポリビニルブチラールに代表されるポリビニルアセタールは良好に使用され、特にアセチル化度が4mol%以上のポリビニルアセタール(ブチラール)は良好に使用される。
結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。
【0123】
電荷発生層35には、上述した特定のTiOPcの他にその他の電荷発生材料を併用することも可能であり、その代表として、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、他のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等が挙げられ用いられる。このように他の電荷発生材料を併用する場合には、併用する電荷発生材料粒子も上述した特定粒度分布を有する平均粒径であることが重要である。
【0124】
ここで用いられる溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が良好に使用される。塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
【0125】
電荷発生層35の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
【0126】
電荷輸送層37は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電荷輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げられる。
これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
【0127】
本発明の感光体は、高速印字のデジタル複写機、デジタルプリンターに用いられるため、上述した電荷輸送物質の中でも高速移動度を有するものが有効に使用される。具体的には、感光体の実使用電界(概ね1×10V/cmのオーダー)における電荷輸送層の移動度が、1×10−5(cm/Vsec)以上であれば、充分に本発明に使用する電荷発生物質の特性を引き出すことができる。
【0128】
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0129】
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は5〜100μm程度とすることが好ましい。ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。
【0130】
また、電荷輸送層には電荷輸送物質としての機能とバインダー樹脂の機能を持った高分子電荷輸送物質も良好に使用される。これら高分子電荷輸送物質から構成される電荷輸送層は耐摩耗性に優れたものである。高分子電荷輸送物質としては、公知の材料が使用できるが、特に、トリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートが良好に用いられる。中でも、下記(1)〜(10)式で表される高分子電荷輸送物質が良好に用いられ、これらを以下に例示し、具体例を示す。
【0131】
【化2】
Figure 2004287070
式中、R、R、Rはそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子、Rは水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基、R、Rは置換もしくは無置換のアリール基、o、p、qはそれぞれ独立して0〜4の整数、k、jは組成を表し、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表し5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、または下記一般式で表される2価基を表す。
【0132】
【化3】
Figure 2004287070
101、R102は各々独立して置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表す。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表す。)または、
【化4】
Figure 2004287070
(aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R103、R104は置換または無置換のアルキル基又はアリール基を表す)を表す。ここで、R101とR102、R103とR104は、それぞれ同一でも異なってもよい。
【0133】
【化5】
Figure 2004287070
式中、R、Rは置換もしくは無置換のアリール基、Ar、Ar、Arは同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、(1)式の場合と同じである。
【0134】
【化6】
Figure 2004287070
式中、R、R10は置換もしくは無置換のアリール基、Ar、Ar、Arは同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、(1)式の場合と同じである。
【0135】
【化7】
Figure 2004287070
式中、R11、R12は置換もしくは無置換のアリール基、Ar、Ar、Arは同一又は異なるアリレン基、pは1〜5の整数を表す。X、k、jおよびnは、(1)式の場合と同じである。
【0136】
【化8】
Figure 2004287070
式中、R13、R14は置換もしくは無置換のアリール基、Ar10、Ar11、Ar12は同一又は異なるアリレン基、X、Xは置換もしくは無置換のエチレン基、又は置換もしくは無置換のビニレン基を表す。X、k、jおよびnは、(1)式の場合と同じである。
【0137】
【化9】
Figure 2004287070
式中、R15、R16、R17、R18は置換もしくは無置換のアリール基、Ar13、Ar14、Ar15、Ar16は同一又は異なるアリレン基、Y、Y、Yは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表し同一であっても異なってもよい。X、k、jおよびnは、(1)式の場合と同じである。
【0138】
【化10】
Figure 2004287070
式中、R19、R20は水素原子、置換もしくは無置換のアリール基を表し、R19とR20は環を形成していてもよい。Ar17、Ar18、Ar19は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、(1)式の場合と同じである。
【0139】
【化11】
Figure 2004287070
式中、R21は置換もしくは無置換のアリール基、Ar20、Ar21、Ar22、Ar23は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、(1)式の場合と同じである。
【0140】
【化12】
Figure 2004287070
式中、R22、R23、R24、R25は置換もしくは無置換のアリール基、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、Ar28は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、(1)式の場合と同じである。
【0141】
【化13】
Figure 2004287070
式中、R26、R27は置換もしくは無置換のアリール基、Ar29、Ar30、Ar31は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、(1)式の場合と同じである。
【0142】
また、電荷輸送層に使用される高分子電荷輸送物質として、上述の高分子電荷輸送物質の他に、電荷輸送層の成膜時には電子供与性基を有するモノマーあるいはオリゴマーの状態で、成膜後に硬化反応あるいは架橋反応をさせることで、最終的に2次元あるいは3次元の架橋構造を有する重合体も含むものである。
【0143】
これら電子供与性基を有する重合体から構成される電荷輸送層、あるいは架橋構造を有する重合体は耐摩耗性に優れたものである。通常、電子写真プロセスにおいては、帯電電位(未露光部電位)は一定であるため、繰り返し使用により感光体の表面層が摩耗すると、その分だけ感光体にかかる電界強度が高くなってしまう。この電界強度の上昇に伴い、地汚れの発生頻度が高くなるため、感光体の耐摩耗性が高いことは、地汚れに対して有利である。これら電子供与性基を有する重合体から構成される電荷輸送層は、自身が高分子化合物であるため成膜性に優れ、低分子分散型高分子からなる電荷輸送層に比べ、電荷輸送部位を高密度に構成することが可能で電荷輸送能に優れたものである。このため、高分子電荷輸送物質を用いた電荷輸送層を有する感光体には高速応答性が期待できる。
【0144】
その他の電子供与性基を有する重合体としては、公知単量体の共重合体や、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマーや、また、例えば特開平3−109406号公報、特開2000−206723号公報、特開2001−34001号公報等に開示されているような電子供与性基を有する架橋重合体などを用いることも可能である。この場合にも、先の移動度を満足できるような材料が有効に使用出来る。
【0145】
本発明においては、電荷輸送層37中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。
可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなど一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂に対して0〜30重量%程度が適当である。
レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいは、オリゴマーが使用され、その使用量は結着樹脂に対して、0〜1重量%が適当である。
【0146】
結着樹脂としては、先に電荷輸送層37で挙げた結着樹脂をそのまま用いるほかに、分散液の作製方法のところで挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。もちろん、先に挙げた高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。結着樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、結着樹脂100重量部に対する電荷輸送物質の量は1〜190重量部が好ましく、さらに好ましくは50〜150重量部である。
【0147】
単層感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を必要ならば電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコートなどで塗工して形成できる。単層感光層の膜厚は、5〜100μm程度が適当である。
【0148】
本発明の電子写真感光体には、導電性支持体31と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。
このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
【0149】
これらの下引き層は前述の感光層の如く適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、Alを陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
【0150】
本発明の電子写真感光体には、感光層保護の目的で、保護層が感光層の上に設けられることもある。近年、日常的にコンピュータの使用が行なわれるようになり、プリンタによる高速出力とともに、装置の小型化も望まれている。したがって、保護層を設け、耐久性を向上させることによって、本発明の高感度で異常欠陥のない感光体を有用に用いることができる。
【0151】
保護層に使用される材料としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。中でも、ポリカーボネートもしくはポリアリレートが最も良好に使用できる。
【0152】
保護層にはその他、耐摩耗性を向上する目的でポリテトラフルオロエチレンのような弗素樹脂、シリコーン樹脂、及びこれらの樹脂に酸化チタン、酸化錫、チタン酸カリウム、シリカ等の無機フィラー、また有機フィラーを分散したもの等を添加することができる。
【0153】
また、感光体の保護層に用いられるフィラー材料のうち有機性フィラー材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、a−カーボン粉末等が挙げられ、無機性フィラー材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、チタン酸カリウムなどの無機材料が挙げられる。特に、フィラーの硬度の点からは、この中でも無機材料を用いることが有利である。特に、シリカ、酸化チタン、アルミナが有効に使用できる。更に、この中でも六方ちょう密構造を有するα−アルミナが最も有効に使用できる。
【0154】
保護層中のフィラー濃度は使用するフィラー種により、また感光体を使用する電子写真プロセス条件によっても異なるが、保護層の最表層側において全固形分に対するフィラーの比で5重量%以上、好ましくは10重量%以上、50重量%以下、好ましくは30重量%以下程度が良好である。
【0155】
また、使用するフィラーの体積平均粒径は、0.1μm〜2μmの範囲が良好に使用され、好ましくは0.3μm〜1μmの範囲である。この場合、平均粒径が小さすぎると耐摩耗性が充分に発揮されず、大きすぎると塗膜の表面性が悪くなったり、塗膜そのものが形成できなかったりするからである。
なお、本発明におけるフィラーの平均粒径とは、特別な記載のない限り体積平均粒径であり、超遠心式自動粒度分布測定装置:CAPA−700(堀場製作所製)により求めたものである。この際、累積分布の50%に相当する粒子径(Median系)として算出されたものである。また、同時に測定される各々の粒子の標準偏差が1μm以下であることが重要である。これ以上の標準偏差の値である場合には、粒度分布が広すぎて、本発明の効果が顕著に得られなくなってしまう場合がある。
【0156】
また、本発明で使用するフィラーのpHも解像度やフィラーの分散性に大きく影響する。
その理由の一つとしては、フィラー、特に金属酸化物は製造時に塩酸等が残存することが考えられる。その残存量が多い場合には、画像ボケの発生は避けられず、またそれは残存量によってはフィラーの分散性にも影響を及ぼす場合がある。
【0157】
もう一つの理由としては、フィラー、特に金属酸化物の表面における帯電性の違いによるものである。通常、液体中に分散している粒子はプラスあるいはマイナスに帯電しており、それを電気的に中性に保とうとして反対の電荷を持つイオンが集まり、そこで電気二重層が形成されることによって粒子の分散状態を安定化している。粒子から遠ざかるに従いその電位(ゼータ電位)は徐々に低くなり、粒子から充分に離れて電気的に中性である領域の電位はゼロとなる。したがって、ゼータ電位の絶対値の増加によって、粒子の反発力が高くなることによって安定性は高くなり、ゼロに近づくに従い凝集しやすく不安定になる。一方、系のpH値によってゼータ電位は大きく変動し、あるpH値において電位はゼロとなり等電点を持つことになる。したがって、系の等電点からできるだけ遠ざけて、ゼータ電位の絶対値を高めることによって分散系の安定化が図られることになる。
【0158】
本発明の構成においては、フィラーとしては前述の等電点におけるpHが、少なくとも5以上を示すものが画像ボケ抑制の点から好ましく、より塩基性を示すフィラーであるほどその効果が高くなる傾向があることが確認された。等電点におけるpHが高い塩基性を示すフィラーは、系が酸性であった方がゼータ電位はより高くなることにより、分散性及びその安定性は向上することになる。
ここで、本発明におけるフィラーのpHは、ゼータ電位から等電点におけるpH値を記載した。この際、ゼータ電位の測定は、大塚電子(株)製レーザーゼータ電位計にて測定した。
【0159】
更に、画像ボケが発生しにくいフィラーとしては、電気絶縁性が高いフィラー(比抵抗が1010Ω・cm以上)が好ましく、フィラーのpHが5以上を示すものやフィラーの誘電率が5以上を示すものが特に有効に使用できる。また、pHが5以上のフィラーあるいは誘電率が5以上のフィラーを単独で使用することはもちろん、pHが5以下のフィラーとpHが5以上のフィラーとを2種類以上を混合したり、誘電率が5以下のフィラーと誘電率が5以上のフィラーとを2種類以上混合したりして用いることも可能である。また、これらのフィラーの中でも高い絶縁性を有し、熱安定性が高い上に、耐摩耗性が高い六方細密構造であるα型アルミナは、画像ボケの抑制や耐摩耗性の向上の点から特に有用である。
【0160】
本発明において使用するフィラーの比抵抗は以下のように定義される。フィラーのような粉体は、充填率によりその比抵抗値が異なるので、一定の条件下で測定する必要がある。本発明においては、特開平5−94049号公報の図1、特開平5−113688号公報の図1に示された測定装置と同様の構成の装置を用いて、フィラーの比抵抗値を測定し、この値を用いた。測定装置において、電極面積は4.0cmである。測定前に片側の電極に4kgの荷重を1分間かけ、電極間距離が4mmになるように試料量を調節する。測定の際は、上部電極の重量(1kg)の荷重状態で測定を行ない、印加電圧は100Vにて測定する。10Ω・cm以上の領域は、HIGH RESISTANCE METER(横河ヒューレットパッカード)、それ以下の領域についてはデジタルマルチメーター(フルーク)により測定した。これにより得られた比抵抗値を本発明の云うところの比抵抗値と定義するものである。
【0161】
フィラーの誘電率は以下のように測定した。上述のような比抵抗の測定と同様なセルを用い、荷重をかけた後に、静電容量を測定し、これより誘電率を求めた。静電容量の測定は、誘電体損測定器(安藤電気製)を使用した。
【0162】
更に、これらのフィラーは少なくとも一種の表面処理剤で表面処理させることが可能であり、そうすることがフィラーの分散性の面から好ましい。フィラーの分散性の低下は残留電位の上昇だけでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、さらには耐摩耗性の低下をも引き起こすため、高耐久化あるいは高画質化を妨げる大きな問題に発展する可能性がある。
【0163】
表面処理剤としては、従来用いられている表面処理剤すべてを使用することができるが、フィラーの絶縁性を維持できる表面処理剤が好ましい。例えば、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、高級脂肪酸等、あるいはこれらとシランカップリング剤との混合処理や、Al、TiO、ZrO、シリコーン、ステアリン酸アルミニウム等、あるいはそれらの混合処理がフィラーの分散性及び画像ボケの点からより好ましい。
シランカップリング剤による処理は、画像ボケの影響が強くなるが、上記の表面処理剤とシランカップリング剤との混合処理を施すことによりその影響を抑制できる場合がある。
【0164】
表面処理量については、用いるフィラーの平均一次粒径によって異なるが、3〜30wt%が適しており、5〜20wt%がより好ましい。表面処理量がこれよりも少ないとフィラーの分散効果が得られず、また多すぎると残留電位の著しい上昇を引き起こす。
【0165】
これらフィラー材料は単独もしくは2種類以上混合して用いられる。フィラーの表面処理量に関しては、上述のようにフィラー量に対する使用する表面処理剤の重量比で定義される。
これらフィラー材料は、適当な分散機を用いることにより分散できる。また、保護層の透過率の点から使用するフィラーは1次粒子レベルまで分散され、凝集体が少ない方が好ましい。
【0166】
また、保護層には残留電位低減、応答性改良のため、電荷輸送物質を含有しても良い。電荷輸送物質は、電荷輸送層の説明のところに記載した材料を用いることができる。電荷輸送物質として、低分子電荷輸送物質を用いる場合には、保護層中における濃度傾斜を設けても構わない。耐摩耗性向上のため、表面側を低濃度にすることは有効な手段である。
【0167】
ここでいう濃度とは、保護層を構成する全材料の総重量に対する低分子電荷輸送物質の重量の比を表わし、濃度傾斜とは上記重量比において表面側において濃度が低くなるような傾斜を設けることを示す。
また、高分子電荷輸送物質を用いることは、感光体の耐久性を高める点で非常に有利である。
【0168】
保護層のフィラー以外の成分を高分子だけで構成することにより、機械的な耐摩耗性を向上させるだけでなく、化学的な安定性を高めることも出来る。高分子は低分子に比べて化学的な反応性に乏しく、帯電部材から発生する酸化性ガスへの耐性、あるいは放電によるスパッタリング効果に対する耐性も高い。保護層のように耐摩耗性の高い膜を表面に有する場合、繰り返し使用での画像ボケの問題が非常に顕著になる。これは、感光体表面に、酸化性ガスの吸着や低抵抗物質の付着(吸着)が起こるためであると考えられるが、上述のようにフィラー及び高分子成分だけから構成される保護層を採用した場合には、吸着サイトが減少することになり、画像ボケに対して高い効果を示すものである。
【0169】
保護層の形成法としては通常の塗布法が採用される。なお保護層の厚さは0.1〜10μm程度が適当である。また、以上のほかに真空薄膜作成法にて形成したa−C、a−SiCなど公知の材料を保護層として用いることができる。
【0170】
上述したように、感光層(電荷輸送層)に高分子電荷輸送物質を使用したり、あるいは感光体の表面に保護層を設けることは、各々の感光体の耐久性(耐摩耗性)を高めるだけでなく、後述のようなタンデム型フルカラー画像形成装置中で使用される場合には、モノクロ画像形成装置にはない新たな効果をも生み出すものである。
【0171】
フルカラーの画像の場合、様々な形態の画像が入力されるが、逆に定型的な画像も入力される場合がある。例えば、日本語の文書等における検印の存在などである。検印のようなものは通常、画像領域の端の方に位置され、また使用される色も限定される。また、フルカラー機もタンデム方式のものが主流になりつつあり、印刷速度が非常に向上してきた。このため、ビジネス文書の出力も多くなってきており、例えば会社のロゴを使用したような書式(書面)を出力するケースも増えている。このような場合には、特定の箇所にだけ印字が行われるため、感光体使用の偏りは一段と大きくなる。
【0172】
ランダムな画像が常に書き込まれているような状態においては、画像形成要素中の感光体には、平均的に画像書き込み、現像、転写が行なわれることになるが、上述のように特定の部分に数多くの画像形成が繰り返されたり、特定の画像形成要素ばかり使用された場合には、その耐久性のバランスを欠くことにつながる。このような状態で表面の耐久性(物理的・化学的・機械的)の小さな感光体が使用された場合には、この差が顕著になり、画像上の問題になりやすい。一方、感光体を高耐久化した場合には、このような局所的な変化量が小さく、結果的に画像上の欠陥として現われにくくなるため、高耐久化を実現すると共に、出力画像の安定性をも増すことになり、非常に有効である。
【0173】
本発明の感光体においては感光層と保護層との間に中間層を設けることも可能である。
中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成法としては、前述のごとく通常の塗布法が採用される。なお、中間層の厚さは0.05〜2μm程度が適当である。
【0174】
次に、図面を用いて本発明の電子写真装置およびプロセスカートリッジを詳しく説明する。
図10は、本発明の電子写真プロセスおよび電子写真装置を説明するための概略図であり、下記するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
【0175】
図10において、感光体1は導電性支持体上にした特定の製造方法にて形成された電荷発生層と電荷輸送層が設けられてなる。帯電部材3、転写前チャージャ7、転写チャージャ10、分離チャージャ11、クリーニング前チャージャ13には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャ)、帯電ローラを始めとする公知の手段が用いられる。
【0176】
帯電部材は、感光体1に対し接触もしくは近接配置したものが良好に用いられる。また、帯電部材により感光体に帯電を施す際、帯電部材に直流成分に交流成分を重畳した電界により感光体に帯電を与えることにより、帯電ムラを低減することが可能で効果的である。
特に、後述のタンデム型のフルカラー画像形成装置においては、モノクロ画像形成装置の場合に発生する帯電ムラによるハーフトーン画像の濃度ムラの問題に加え、カラーバランス(色再現性)の低下という大きな問題につながる。直流成分に交流成分を重畳することにより、前記問題点は大きく改善されるものであるが、交流成分の条件(周波数、ピーク間電圧)が大きすぎる場合には、感光体へのハザードが大きくなり、感光体の劣化を早めてしまう場合がある。このため、交流成分の重畳は必要最低限にとどめるべきである。
【0177】
交流成分の周波数に関しては感光体線速等により変化するものであるが、3kHz以下、好ましくは2kHz以下が妥当である。ピーク間電圧に関しては、帯電部材への印加電圧と感光体への帯電電位の関係をプロットすると、電圧を印可しているにもかかわらず感光体が帯電しない領域があり、ある点から帯電が立ち上がる電位が認められる。この立ち上り電位の2倍程度がピーク間電圧としては最適な電位(通常、1200〜1500V程度)になる。しかしながら、感光体の帯電能が低かったり、線速が非常に大きい場合には、前記の如く立上り電位の2倍のピーク間電圧では不足する場合がある。逆に帯電性が良好な場合には、2倍以下でも充分に電位安定性を示すことがある。したがって、ピーク間電圧は立上り電位の3倍以下、好ましくは2倍以下が好ましい。ピーク間電圧を絶対値として書き直せば、3kV以下、好ましくは2kV以下、より好ましくは1.5kV以下で使用されることが望ましい。
【0178】
ここでいう接触方式の帯電部材とは、感光体表面に帯電部材の表面が接触するタイプのものであり、帯電ローラ、帯電ブレード、帯電ブラシの形状がある。中でも帯電ローラや帯電ブラシが良好に使用される。
また、近接配置した帯電部材とは、感光体表面と帯電部材表面の間に200μm以下の空隙(ギャップ)を有するように非接触状態で近接配置したタイプのものである。このギャップは、大きすぎた場合には帯電が不安定になりやすく、また小さすぎた場合には、感光体に残留したトナーが存在する場合に、帯電部材表面が汚染されてしまう可能性がある。したがって、ギャップは10〜200μm、好ましくは10〜100μmの範囲が適当である。空隙の距離から、コロトロン、スコロトロンに代表される公知のチャージ・ワイヤータイプの帯電器、接触方式の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電ブレードなどの接触帯電部材とは区別されるものである。
【0179】
このような近接配置された帯電部材は、その表面が感光体表面と非接触状態で設置されるため、帯電部材表面へのトナー汚染が少ない、帯電部材表面の摩耗が少ない、帯電部材表面の物理的/化学的劣化が少ないといった利点を有し、帯電部材そのものの高耐久化も実現できるものである。接触帯電部材を使用して上記のような不具合が発生し、帯電部材の耐久性が低くなった場合、電子写真装置内での繰り返し使用において、帯電能力が低下したり、帯電が不均一になったりする。この帯電不良を回避するために、繰り返し使用においては帯電能力の低下にあわせて帯電部材への印加電圧を上昇させるなどの処置を施す。その場合には、感光体にかかる帯電によるハザードが大きくなり、結果として感光体の耐久性を低下させたり、異常画像の発生を生み出す。更に帯電部材への印加電圧上昇に伴って、帯電部材そのものの耐久性も低下させてしまう。しかしながら、非接触帯電部材を使用することにより、帯電部材の高耐久化に伴って、帯電部材の帯電能が安定することにより、帯電部材、感光体、ひいてはシステム全体の耐久性・安定性を向上させることになる。
【0180】
本発明において使用される近接配置された帯電部材は、感光体表面との空隙を適切に制御できる機構のものであれば良い。例えば、感光体の回転軸と帯電部材の回転軸を機械的に固定して、適正ギャップを有するような配置にすれば良い。中でも、帯電ローラの形状の帯電部材を用い、帯電部材の非画像形成部両端にギャップ形成部材を配置して、この部分のみを感光体表面に当接させ、画像形成領域を非接触配置させる方法、あるいは感光体非画像形成部両端ギャップ形成部材を配置して、この部分のみを帯電部材表面に当接させ画像形成領域を非接触配置させるような方法が、簡便な方法でギャップを安定して維持できる方法である。特に特開2002−148904号公報、特開2002−148905号公報に記載された方法は良好に使用できる。
帯電部材側にギャップ形成部材を配置した近接帯電機構の一例を図11に示す。
【0181】
転写手段には、一般に上記の帯電器が使用できるが、図10に示されるように転写チャージャー10と分離チャージャー11を併用したものが効果的である。
【0182】
また、画像露光部5の光源にはLDもしくはLEDが用いられる。除電ランプ2等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
【0183】
かかる光源等は、図10に示される工程の他に光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体に光が照射される。
【0184】
さて、現像ユニット6により感光体1上に現像されたトナーは、転写紙9に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体1上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、ファーブラシ14およびブレード15により、感光体より除去される。
クリーニングは、クリーニングブラシだけで行なわれることもあり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いられる。
【0185】
電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
【0186】
図12には、本発明による画像形成プロセスの別の例を示す。感光体21は導電性支持体上に、電荷発生層と電荷輸送層が設けられてなる。駆動ローラー22a、22bにより駆動され、帯電器23による帯電、光源24による像露光、現像(図示せず)、帯電器25を用いる転写、光源26によるクリーニング前露光、ブラシ27によるクリーニング、光源28による除電が繰返し行なわれる。図12においては、感光体21(勿論支持体が透光性である)に支持体側より画像露光の光照射が行なわれる。また、画像露光源24は、LDもしくはLEDが好ましく用いられる。
【0187】
以上の図示した画像形成プロセスは、本発明における実施形態を例示するものであって、もちろん他の実施形態も可能である。例えば、図12において感光層側よりクリーニング前露光を行っているが、これは透光性支持体側から行ってもよいし、また、除電光の照射を支持体側から行ってもよい。
一方、光照射工程は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示されているが、他に転写前露光、像露光のプレ露光、およびその他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行なうこともできる。
【0188】
以上に示すような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ1つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状等は多く挙げられるが、一般的な例として、図13に示すものが挙げられる。感光体16は導電性支持体上に特定の製造方法にて形成された電荷発生層と電荷輸送層が設けられてなる。
【0189】
図14は、本発明のタンデム方式のフルカラー画像形成装置を説明するための概略図であり、下記するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図14において、符号1C、1M、1Y、1Kはドラム状の感光体であり、この感光体1C、1M、1Y、1Kは図中の矢印方向に回転し、その周りに少なくとも回転順に帯電部材2C、2M、2Y、2K、現像部材4C、4M、4Y、4K、クリーニング部材5C、5M、5Y、5Kが配置されている。
【0190】
帯電部材2C、2M、2Y、2Kは、感光体表面を均一に帯電するための帯電装置を構成する帯電部材である。この帯電部材2C、2M、2Y、2Kと現像部材4C、4M、4Y、4Kの間の感光体裏面側より、図示しない露光部材からのレーザー光3C、3M、3Y、3Kが照射され、感光体1C、1M、1Y、1Kに静電潜像が形成されるようになっている。そして、このような感光体1C、1M、1Y、1Kを中心とした4つの画像形成要素6C、6M、6Y、6Kが、転写材搬送手段である転写搬送ベルト10に沿って並置されている。
【0191】
転写搬送ベルト10は各画像形成ユニット6C、6M、6Y、6Kの現像部材4C、4M、4Y、4Kとクリーニング部材5C、5M、5Y、5Kの間で感光体1C、1M、1Y、1Kに当接しており、転写搬送ベルト10の感光体側の裏側に当たる面(裏面)には転写バイアスを印加するための転写ブラシ11C、11M、11Y、11Kが配置されている。
【0192】
各画像形成要素6C、6M、6Y、6Kは現像装置内部のトナーの色が異なることであり、その他は全て同様の構成となっている。
【0193】
図14に示す構成のカラー画像形成装置において、画像形成動作は次のようにして行われる。
まず、各画像形成要素6C、6M、6Y、6Kにおいて、感光体1C、1M、1Y、1Kが矢印方向(感光体と連れ周り方向)に回転する帯電部材2C、2M、2Y、2Kにより帯電され、次に感光体の内側に配置された露光部(図示しない)でレーザー光3C、3M、3Y、3Kにより、作成する各色の画像に対応した静電潜像が形成される。次に現像部材4C、4M、4Y、4Kにより潜像を現像してトナー像が形成される。
【0194】
現像部材4C、4M、4Y、4Kは、それぞれC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のトナーで現像を行う現像部材で、4つの感光体1C、1M、1Y、1K上で作られた各色のトナー像は転写紙上で重ねられる。
【0195】
転写紙7は給紙コロ8によりトレイから送り出され、一対のレジストローラ9で一旦停止し、上記感光体上への画像形成とタイミングを合わせて転写搬送ベルト10に送られる。転写搬送ベルト10上に保持された転写紙7は搬送されて、各感光体1C、1M、1Y、1Kとの当接位置(転写部)で各色トナー像の転写が行われる。感光体上のトナー像は、転写ブラシ11C、11M、11Y、11Kに印加された転写バイアスと感光体1C、1M、1Y、1Kとの電位差から形成される電界により、転写紙7上に転写される。
【0196】
そして4つの転写部を通過して4色のトナー像が重ねられた記録紙7は定着装置12に搬送され、トナーが定着されて、図示しない排紙部に排紙される。また、転写部で転写されずに各感光体1C、1M、1Y、1K上に残った残留トナーは、クリーニング装置5C、5M、5Y、5Kで回収される。
【0197】
なお、図14の例では画像形成要素は転写紙搬送方向上流側から下流側に向けて、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の色の順で並んでいるが、この順番に限るものでは無く、色順は任意に設定されるものである。また、黒色のみの原稿を作成する際には、黒色以外の画像形成要素(6C、6M、6Y)が停止するような機構を設けることは本発明に特に有効に利用できる。更に、図14において帯電部材は感光体と当接しているが、両者の間に適当なギャップ(10〜200μm程度)を設けてやることにより、両者の摩耗量が低減できると共に、帯電部材へのトナーフィルミングが少なくて済み良好に使用できる。
【0198】
以上に示すような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、各々の電子写真要素はプロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段等の少なくとも1つを含んだ1つの装置(部品)である。
【0199】
【実施例】
以下、本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明が実施例により制約を受けるものではない。なお、部はすべて重量部である。
まず、本発明におけるチタニルフタロシアニンの具体的な合成例を述べる。
【0200】
(顔料作製例1)
1,3−ジイミノイソインドリン292部とスルホラン1800部を混合し、窒素気流下でチタニウムテトラブトキシド204部を滴下する。滴下終了後、徐々に180℃まで昇温し、反応温度を170℃〜180℃の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行った。反応終了後、放冷した後析出物を濾過し、クロロホルムで粉体が青色になるまで洗浄し、つぎにメタノールで数回洗浄し、さらに80℃の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チタニルフタロシアニンを得た。
【0201】
得られた熱水洗浄処理した粗チタニルフタロシアニン顔料のうち60部を96%硫酸1000部に 3〜5℃下撹拌、溶解し、ろ過した。得られた硫酸溶液を氷水35000部中に撹拌しながら滴下し、析出した結晶を濾過、ついで洗浄液が中性になるまで水洗を繰り返し、チタニルフタロシアニン顔料の水ペーストを得た。
【0202】
この水ペーストにテトラヒドロフラン1500部を加え、室温下でホモミキサー(ケニス、MARKIIfモデル)により強烈に撹拌(2000rpm)し、ペーストの濃紺色の色が淡い青色に変化したら(撹拌開始後20分)、撹拌を停止し、直ちに減圧濾過を行った。濾過装置上で得られた結晶をテトラヒドロフランで洗浄し、顔料のウェットケーキ98部を得た。これを減圧下(5mmHg)、70℃で2日間乾燥して、チタニルフタロシアニン結晶78部を得た。これを顔料1とする。
【0203】
(顔料作製例2)
顔料作製例1における結晶変換溶媒をテトラヒドロフランからトルエンに変更した以外は、顔料作製例1と同様に処理を行い、チタニルフタロシアニン結晶を得た。これを顔料2とする。
【0204】
(顔料作製例3)
顔料作製例1における結晶変換溶媒をテトラヒドロフランから塩化メチレンに変更した以外は、顔料作製例1と同様に処理を行い、チタニルフタロシアニン結晶を得た。これを顔料3とする。
【0205】
(比較顔料作製例1)
顔料作製例1における結晶変換溶媒をテトラヒドロフランから2−ブタノンに変更した以外は、顔料作製例1と同様に処理を行ない、チタニルフタロシアニン結晶を得た。これを顔料4とする。
【0206】
(比較顔料作製例2)
顔料作製例1におけるテトラヒドロフランによる結晶変換処理に際して、特開2001−19871号公報に記載の合成例1の方法に準じて、結晶変換時間を4時間に設定した以外は顔料作製例1と同様に処理し、チタニルフタロシアニン結晶を得た。これを顔料5とする。
【0207】
(比較顔料作製例3)
顔料作製例1において、テトラヒドロフランによる結晶変換処理に際して、特開2001−19871号公報に記載の合成例1の方法に準じて、結晶変換時間を4時間に設定し、更に一昼夜静置保管して、翌日濾過を行なった以外は、顔料作製例1と同様に処理し、チタニルフタロシアニン結晶を得た。これを顔料6とする。
【0208】
顔料作製例1で作製された水ペーストの一部をイオン交換水でおよそ1重量%になるように希釈し、表面を導電性処理した銅製のネットですくい取り、チタニルフタロシアニンの粒子サイズを透過型電子顕微鏡(TEM、日立:H−9000NAR)にて、75000倍の倍率で観察を行った。平均粒子サイズとして、以下のように求めた。
上述のように観察されたTEM像をTEM写真として撮影し、映し出されたチタニルフタロシアニン粒子(針状に近い形)を30個任意に選び出し、それぞれの長径の大きさを測定する。測定した30個体の長径の算術平均を求めて、平均粒子サイズとした。
以上の方法により求められた顔料作製例1における水ペースト中の平均粒子サイズは、0.06μmであった。
【0209】
顔料作製例1〜3、比較顔料作製例1〜3における濾過直前の結晶変換後チタニルフタロシアニン結晶を、上記の水ペーストと同じ方法によりTEM観察を行った。それぞれ、所定の結晶変換処理を行い、濾過直前の液をサンプリングし、それぞれの結晶変換溶媒でおよそ1重量%になるように希釈し、測定に供した。求めた平均粒子サイズを表1に示す。
なお、顔料作製例1〜3、比較顔料作製例1〜3で作製されたチタニルフタロシアニン結晶は、水ペーストとは異なり結晶の形が同一ではなかった(三角形に近い形、四角形に近い形など)。このため、結晶の最も大きな対角線の長さを長径として、計算を行った。
【0210】
【表1】
Figure 2004287070
【0211】
顔料作製例1で得られた水ペーストの一部を80℃の減圧下(5mmHg)で、2日間乾燥して、低結晶性チタニルフタロシアニン粉末を得た。
上述のように得られた水ペーストの乾燥粉末と、顔料作製例1〜4および比較顔料作製例1〜2で得られたチタニルフタロシアニン結晶についてのX線回折スペクトルを以下に示す条件で測定した。
X線管球:Cu 電 圧:40kV 電 流:20mA
走査速度:1°/分 走査範囲:3°〜40° 時定数:2秒
【0212】
水ペーストの乾燥粉末のX線回折スペクトルを図15に示す。また、顔料作製例1〜3および比較顔料作製例1〜3で得られたチタニルフタロシアニン結晶については、いずれの場合にも同様のX線回折スペクトルを示したため、代表例として顔料作製例1で得られたチタニルフタロシアニン結晶のX線回折スペクトルを図12に示す。比較顔料作製例1で得られたチタニルフタロシアニン結晶のX線回折スペクトルは、顔料作製例1〜3および比較顔料作製例2〜3で得られたチタニルフタロシアニン結晶と異なるX線回折スペクトルであった(最低角が7.5°に存在する)。これを図13に示す。
【0213】
(比較顔料作製例4)
特開平1−299874号公報に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、実施例1で作製したウェットケーキ(水ペースト)を乾燥し、乾燥物1gをポリエチレングリコール50gに加え、100gのガラスビーズと共に、サンドミルを1時間行った。結晶転移後、希硫酸、水酸化アンモニウム水溶液で順次洗浄し、乾燥して顔料を得た。これを顔料7とする。
【0214】
(比較顔料作製例5)
特開平3−269064号公報に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、実施例1で作製したウェットケーキを乾燥し、乾燥物1gをイオン交換水10gとモノクロルベンゼン1gの混合溶媒中で1時間撹拌(50℃)した後、メタノールとイオン交換水で洗浄し、乾燥して顔料を得た。これを顔料8とする。
【0215】
(比較顔料作製例6)
特開平2−8256号公報に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、フタロジニトリル9.8gと1−クロロナフタレン75mlを撹拌混合し、窒素気流下で四塩化チタン2.2mlを滴下する。滴下終了後、徐々に200℃まで昇温し、反応温度を200℃〜220℃の間に保ちながら3時間撹拌して反応を行った。反応終了後、放冷し130℃になったところ熱時ろ過し、ついで1−クロロナフタレンで粉体が青色になるまで洗浄、つぎにメタノールで数回洗浄し、さらに80℃の熱水で数回洗浄した後、乾燥し顔料を得た。これを顔料9とする。
【0216】
(比較顔料作製例7)
特開昭64−17066号公報に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、α型TiOPc5部を食塩10gおよびアセトフェノン5gと共にサンドグラインダーにて100℃−10時間結晶変換処理を行った。これをイオン交換水及びメタノールで洗浄し、希硫酸水溶液で精製し、イオン交換水で酸分が無くなるまで洗浄した後、乾燥して顔料を得た。これを顔料10とする。
【0217】
(比較顔料作製例8)
特開平11−5919号公報に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、o−フタロジニトリル20.4部、四塩化チタン部7.6部をキノリン50部中で200℃にて2時間加熱反応後、水蒸気蒸留で溶媒を除き、2%塩化水溶液、続いて2%水酸化ナトリウム水溶液で精製し、メタノール、N,N−ジメチルホルムアミドで洗浄後、乾燥し、チタニルフタロシアニン21.3部を得た。このチタニルフタロシアニン2部を5℃の98%硫酸40部の中に少しずつ溶解し、その混合物を約1時間、5℃以下の温度を保ちながら攪拌する。続いて硫酸溶液を高速攪拌した400部の氷水中に、ゆっくりと注入し、析出した結晶を濾過する。結晶を酸が残量しなくなるまで蒸留水で洗浄し、ウエットケーキを得る。そのケーキ(含有フタロシアニン量2部と仮定して)をTHF100部中で約5時間攪拌を行い、ろ過、洗浄を行い、乾燥して顔料を得た。これを顔料11とする。
【0218】
以上の比較顔料作製例4〜8で作製した顔料は先ほどと同様の方法でX線回折スペクトルを測定し、それぞれの公報に記載のスペクトルと同様であることを確認した。表2に先の表1と同様な評価結果を示す。
【0219】
【表2】
Figure 2004287070
【0220】
(分散液の作製)
以上のように作製した顔料1〜11を以下の割合でバインダー樹脂および溶媒と混合し、直径0.5mmのジルコニアビーズと共に分散を行なった。
顔料(顔料1〜11のそれぞれの顔料) 15部
ポリビニルブチラール(積水化学製:BX−1) 10部
2−ブタノン 300部
各々、堀場製作所製:CAPA−700で平均粒径を測定しながら分散を行ない、先の観察による一次粒子サイズと同等の粒径になったところで分散を終了し、2−ブタノンを300部加えて希釈を行ないながら、ビーズミル装置より分散液を取り出した。希釈前の分散液をスライドガラスに塗布し、先程と同様なX線回折測定を行ない、合成後の顔料のX線回折スペクトルを違いがないことを確認した。分散液の名称は、顔料番号に対応して顔料1〜11の順に、分散液1〜11とする。
【0221】
(分散液の作製2)
分散液1の作製において、使用した分散メディアを直径0.3μmのジルコニアビーズに変更した以外は、分散液1と同様に作製した(これを分散液12とする)。
【0222】
(分散液の作製3)
分散液1の作製において、使用した分散メディアを直径0.8μmのジルコニアビーズに変更した以外は、分散液1と同様に作製した(これを分散液13とする)。
【0223】
(実施例1〜5および比較例1〜8)
以上のように作製した分散液1〜11を、図7に示すような循環装置を兼ね備えた浸漬塗工装置に投入した。いずれも循環系に設置されたフィルターは、有効孔径5μmのもの(アドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−5−CS)を用いた。これら分散液は、この循環塗工装置に入れたまま、2ヶ月間の循環保存テストを行った。
初期(投入直後)および2ヶ月後に平均粒径およびその標準偏差を堀場製作所製:CAPA700にて測定した。また、以下の様に電子写真感光体を作製し、感光体の電荷発生層の塗膜を、光学顕微鏡にて250倍のスケールで観察し、その際の粗大粒子の存在状態を確認した。結果を表2に示す。
【0224】
(感光体の作製)
感光体作製例1:
直径60mmのアルミニウムシリンダー(JIS1050)に、下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、および電荷輸送層塗工液を、順次塗布・乾燥し、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、19μmの電荷輸送層を形成し、積層感光体を作製した(これを感光体1とする)。
【0225】
[下引き層塗工液]
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製) 70部
アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S
(固形分50%)、大日本インキ化学工業製) 15部
メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60
(固形分60%)、大日本インキ化学工業製) 10部
2−ブタノン 100部
【0226】
[電荷発生層塗工液]
前記の分散液1を用いた。
【0227】
[電荷輸送層塗工液]
ポリカーボネート(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
【化14】
Figure 2004287070
テトラヒドロフラン 80部
【0228】
【表3】
Figure 2004287070
<塗膜の状態ランク>
1:目視でも、光学顕微鏡レベルでも塗膜中に粗大粒子がほとんど観察されない
2:目視では粗大粒子が観察されないが、光学顕微鏡レベルでわずかに観察されるレベル
3:目視でもわずかに粗大粒子が観察されるレベル
4:目視でも明らかに粗大粒子が観察されるレベル
【0229】
各々の分散液を、スライドガラス上に塗布し、先の条件と同様にX線回折測定を行った。その結果、分散液1〜12に関しては、使用した顔料と同じスペクトルを示したが、分散液13に関しては、わずかではあるが、26.3度に新たなピークが発現した。
【0230】
(実施例6)
実施例1における循環塗工槽に設置されたフィルターを有効孔径3μmのもの(アドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−3−CS)に変更した以外は、実施例1と同様に評価を行った。
【0231】
(実施例7)
実施例1における循環塗工槽に設置されたフィルターを有効孔径10μmのもの(アドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−10−CS)に変更した以外は、実施例1と同様に評価を行った。
【0232】
(比較例9)
実施例1における循環塗工槽に設置されたフィルターを有効孔径25μmのもの(アドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−25−CS)に変更した以外は、実施例1と同様に評価を行った。
【0233】
(比較例10)
実施例1において、循環塗工槽にフィルターを設置しない以外は、実施例1と同様に評価を行った。
【0234】
以上の実施例6、7および比較例9、10の結果を実施例1の結果と併せて表3に示す。
【表4】
Figure 2004287070
<塗膜の状態ランク>
1:目視でも、光学顕微鏡レベルでも塗膜中に粗大粒子がほとんど観察されない
2:目視では粗大粒子が観察されないが、光学顕微鏡レベルでわずかに観察されるレベル
3:目視でもわずかに粗大粒子が観察されるレベル
4:目視でも明らかに粗大粒子が観察されるレベル
【0235】
(感光体の評価)
以上のように循環装置投入直後および2ヶ月保存後に作製した感光体を図7に示す電子写真装置(書き込み光源は780nmのLD、帯電部材はスコロトロン・チャージャを使用)に装着し、3万枚の画像出力を行なった。この際の、初期及び3万枚目の白ベタ画像を出力し、地肌汚れの評価を行なった。
同時に、現像部における感光体の表面電位〔黒ベタ画像部および非画像部(地肌部)〕を測定するために、現像器が装着される位置に電位計がセットできるような治具を用いて、初期及び3万枚の画像出力後の感光体表面電位を測定した。なお、全ての感光体において初期の地肌電位が−900Vになるように印加電圧を設定し、以後のランニングにおいては、その印加電圧でランニングを継続した。結果を表4に示す。
【0236】
【表5】
Figure 2004287070
<塗膜の状態ランク>
5:地汚れほとんどなし、4:わずかにあり、3:実使用限界レベル、2以下:実使用には耐えないレベル
【0237】
(実施例8)
実施例1における循環保存2ヶ月後の分散液を使用して、実施例1における電荷輸送層塗工液を以下の組成のものに変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製した。
[電荷輸送層塗工液]
下記構造式の高分子電荷輸送物質(重量平均分子量:約140000) 10部
【化15】
Figure 2004287070
塩化メチレン 70部
【0238】
(実施例9)
実施例1における循環保存2ヶ月後の分散液を使用して、実施例1における電荷輸送層を22μmに変更し、下記組成の保護層塗工液を用いて、スプレー法にて塗布乾燥して、電荷輸送層上に3μmの保護層を設けた以外は、実施例1と同様に感光体を作製した。
[保護層塗工液]
Z型ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
【化16】
Figure 2004287070
α−アルミナ微粒子(比抵抗:2.5×1012Ω・cm、
平均一次粒径:0.5μm) 2部
テトラヒドロフラン 80部
シクロヘキサノン 400部
【0239】
(実施例10)
実施例9の保護層塗工液を以下のものに変更した以外は、実施例9と同様に感光体を作製した。
[保護層塗工液]
Z型ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
【化17】
Figure 2004287070
シリカ微粉末(比抵抗:4×1013Ω・cm、
平均一次粒径:0.3μm) 2部
テトラヒドロフラン 80部
シクロヘキサノン 400部
【0240】
(実施例11)
実施例9の保護層塗工液を以下のものに変更した以外は、実施例9と同様に感光体を作製した。
[保護層塗工液]
Z型ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
【化18】
Figure 2004287070
酸化チタン微粒子(比抵抗:1.5×1010Ω・cm、
平均一次粒径:0.5μm) 2部
テトラヒドロフラン 80部
シクロヘキサノン 400部
【0241】
(実施例12)
実施例9の保護層塗工液を以下のものに変更した以外は、実施例9と同様に感光体を作製した。
[保護層塗工液]
Z型ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
【化19】
Figure 2004287070
酸化錫−酸化アンチモン粉末(比抵抗:10Ω・cm、
平均1次粒径:0.4μm) 2部
テトラヒドロフラン 80部
シクロヘキサノン 400部
【0242】
(実施例13)
実施例9の保護層塗工液を以下のものに変更した以外は、実施例9と同様に感光体を作製した。
[保護層塗工液]
下記構造式の高分子電荷輸送物質(重量平均分子量:約140000) 17部
【化20】
Figure 2004287070
α−アルミナ微粒子(比抵抗:2.5×1012Ω・cm、
平均一次粒径:0.5μm) 2部
テトラヒドロフラン 80部
シクロヘキサノン 400部
【0243】
(実施例14)
実施例1における循環保存2ヶ月後の分散液を使用して、実施例1において、アルミニウムシリンダー(JIS1050)を以下の陽極酸化皮膜処理を行ない、次いで下引き層を設けずに、実施例1と同様に電荷発生層、電荷輸送層を設け、感光体を作製した。
[陽極酸化皮膜処理]
支持体表面の鏡面研磨仕上げを行ない、脱脂洗浄、水洗浄を行なった後、液温20℃、硫酸15vol%の電解浴に浸し、電解電圧15Vにて30分間陽極酸化皮膜処理を行なった。更に、水洗浄を行なった後、7%の酢酸ニッケル水溶液(50℃)にて封孔処理を行なった。その後純水による洗浄を経て、6μmの陽極酸化皮膜が形成された支持体を得た。
【0244】
実施例8〜14で作製した電子写真感光体を、先の実施例1(2ヶ月後分散液の結果のみ)と同様の評価を行なった。加えて、3万枚の画像出力における感光体の摩耗量を測定した。結果を表5に示す。
【0245】
【表6】
Figure 2004287070
使用した分散液はいずれも実施例1の分散液1を循環保存2ヶ月行ったものである。
【0246】
また、上の評価に加えて、初期及び3万枚後に1ドットのハーフトーン画像を出力し、画像評価を行った。結果を表6に示す。
【0247】
【表7】
Figure 2004287070
【0248】
(実施例15)
実施例1における循環保存2ヶ月後の分散液を使用して、実施例1のアルミシリンダーを直径30mmのものに変え、実施例1と同じ組成の感光体を作製した。
この感光体を図12に示すような電子写真装置用プロセスカートリッジにセットし、電子写真装置に搭載した。以下のプロセス条件にて、連続20000枚の画像出力を行なった。
評価は、初期及び20000枚後に、白ベタ画像とハーフトーン画像を出力し、評価に供した。
帯電条件:スコロトロン帯電(地肌部の電位が−850Vになるように調整)
書き込み:780nmのLD(ポリゴン・ミラー使用)
【0249】
(実施例16)
実施例15における帯電部材を接触式の帯電ローラに変更し、下記の帯電条件に変更した以外は、実施例15と同様に評価を行なった。
帯電条件:DCバイアス −1570V
【0250】
(実施例17)
実施例15における帯電部材を図10に示すような近接帯電用ローラ(両端のギャップは100μm)に変更し、下記の帯電条件に変更した以外は実施例15と同様に評価を行なった。
帯電条件:DCバイアス −1570V
【0251】
(実施例18)
実施例15における帯電部材を図10に示すような近接帯電用ローラ(両端のギャップは250μm)に変更し、下記の帯電条件に変更した以外は実施例15と同様に評価を行なった。
帯電条件:DCバイアス −1570V
【0252】
(実施例19)
実施例15における帯電条件を以下のように変更した以外は、実施例15と同様に評価を行なった。
Figure 2004287070
【0253】
(実施例20)
実施例17における帯電条件を以下のように変更した以外は、実施例17と同様に評価を行なった。
Figure 2004287070
【0254】
以上の結果を表8に示す。なお、表中の白ベタ画像の評価は、先の表4と同様に地汚れランクで表わす。
【表8】
Figure 2004287070
【0255】
(実施例21)
実施例1における循環保存2ヶ月後の分散液を使用して、実施例1のアルミシリンダーを直径30mmのものに変え、実施例1と同じ組成の感光体を作製した。この感光体を図10に示すフルカラー電子写真装置に装着し、4つの画像形成要素は以下に示すプロセス条件にてフルカラー画像20000枚の画像評価を行なった。評価は、初期及び2万枚後の白ベタ画像、フルカラー画像を評価した。また、黒現像部での感光体画像部と非画像部の表面電位を実施例1と同様な方法で評価した。
Figure 2004287070
【0256】
(実施例22)
実施例21における感光体において、電荷発生層塗工液として、循環保存2ヶ月後の比較例10で使用した分散液を用いた以外は実施例21と同様に評価を行なった。
以上の結果を表9に示す。
【0257】
【表9】
Figure 2004287070
【0258】
最後に、本発明で使用するチタニルフタロシアニン結晶の特徴であるブラッグ角θの最低角ピークである7.3°について、公知材料の最低角7.5°と同一であるか否かについて検証する。
【0259】
(測定例1)
実施例1で得られた顔料1(最低角7.3°)に特開昭61−239248号公報に記載の顔料(最大回折ピークを7.5°に有する)と同様に作製したものを3重量%添加し、乳鉢で混合して、先程と同様にX線回折スペクトルを測定した。測定例1のX線回折スペクトルを図18に示す。
【0260】
(測定例2)
比較例1で得られた顔料(最低角7.5°)に特開昭61−239248号公報に記載の顔料(最大回折ピークを7.5°に有する)と同様に作製したものを3重量%添加し、乳鉢で混合して、先程と同様にX線回折スペクトルを測定した。測定例2のX線回折スペクトルを図19に示す。
【0261】
図18のスペクトルにおいては、低角側に7.3°と7.5°の2つの独立したピークが存在し、少なくとも7.3°と7.5°のピークは異なるものであることが判る。一方、図19のスペクトルにおいては、低角側のピークは7.5°のみに存在し、図18のスペクトルとは明らかに異なっている。
以上のことから、本願発明のチタニルフタロシアニン結晶における最低角ピークである7.3°は、公知のチタニルフタロシアニン結晶における7.5°のピークとは異なるものであることが判る。
【0262】
【発明の効果】
以上の記載から明らかなように、本発明によれば、特定の濾過処理を行い、かつ、これを特定の濾過装置を有する循環方式の浸漬塗工装置で使用することにより、長期にわたる浸漬塗工法による製造においても、分散安定性および結晶安定性に富み、塗工に際して塗膜欠陥の少ない製造方法が提供される。また、上述の方法において感光体を作製することによって、地汚れ・黒ポチ等の画像欠陥が少なく、安定した画像出力が可能な電子写真感光体が提供される。更に、ネガ・ポジ現像を使用し、高速印字が可能で、初期および繰り返し使用後にも異常画像の少ない、安定した画像を得ることのできる画像形成装置、および画像形成装置用プロセスカートリッジが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】顕微鏡で観察した分散液Aの(粗大粒子が残った状態)の図面代用写真である。
【図2】顕微鏡で観察した分散液Bの(粗大粒子が残っていない状態)の図面代用写真である。
【図3】図1と図2の分散液A、Bの粒度分布の比較を示す図である。
【図4】顕微鏡で観察した不定形チタニルフタロシアニンの図面代用写真である。
【図5】顕微鏡で観察した結晶変換後のチタニルフタロシアニンの図面代用写真である。
【図6】顕微鏡で観察した短時間で結晶変換を行なったチタニルフタロシアニン結晶の図面代用写真である。
【図7】本発明の循環方式の浸漬塗工装置の概略図である。
【図8】本発明の電子写真感光体を表わす断面図である。
【図9】本発明の電子写真感光体の別の構成例を表わす断面図である。
【図10】本発明の電子写真プロセス及び電子写真装置を説明するための概略図である。
【図11】帯電部材側にギャップ形成部材を配置した近接帯電機構の一例を示す図である。
【図12】本発明による電子写真プロセスの別の例を示す図である。
【図13】プロセスカートリッジの形状の一般的な例を示す図である。
【図14】本発明のタンデム方式のフルカラー電子写真装置を説明するための概略図である。
【図15】顔料作製例1で得られた水ペーストの乾燥粉末のX線回折スペクトルを示す図である。
【図16】顔料作製例1で得られたチタニルフタロシアニン結晶のX線回折スペクトルを示す図である。
【図17】比較顔料作製例1で得られたチタニルフタロシアニン結晶のX線回折スペクトルを示す図である。
【図18】測定例1で作製した顔料のX線回折スペクトルを示す図である。
【図19】測定例2で作製した顔料のX線回折スペクトルを示す図である。
【符号の説明】
(図7において)
1 塗工槽
2 フィルター
3 循環ポンプ
4 攪拌羽根
5 ストレージタンク
6 攪拌モーター
7 導電性支持体
8 昇降機
(図8〜14において)
1C、1M、1Y、1K 感光体
2C、2M、2Y、2K 帯電部材
3C、3M、3Y、3K レーザー光
4C、4M、4Y、4K 現像部材
5C、5M、5Y、5K クリーニング部材
6C、6M、6Y、6K 画像形成要素
7 転写紙
8 給紙コロ
9 レジストローラ
10 転写搬送ベルト
11C、11M、11Y、11K 転写ブラシ
16 感光体
17 帯電チャージャ
18 クリーニングブラシ
19 画像露光部
20 現像ローラ
21 感光体
22a 駆動ローラ
22b 駆動ローラ
23 帯電チャージャ
24 像露光源
25 転写チャージャ
26 クリーニング前露光
27 クリーニングブラシ
28 除電光源
29 感光体
30 帯電ローラ
31 ギャップ形成部材
32 金属シャフト
33 画像形成領域
34 非画像形成領域
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
39 保護層
40 導電性支持体
41 感光体
42 除電ランプ
43 帯電チャージャ
44 画像露光部
45 現像ユニット
46 転写前チャージャ
47 レジストローラ
48 転写紙
49 転写チャージャ
50 分離チャージャ
51 分離爪
52 クリーニング前チャージャ
53 ファーブラシ
54 クリーニングブラシ[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing an electrophotographic photoreceptor which is coated with a specific coating apparatus using a dispersion containing a titanyl phthalocyanine crystal having a specific X-ray diffraction spectrum and a specific primary particle size. About. In addition, the present invention relates to an electrophotographic photosensitive member manufactured by using the above-described manufacturing method. Further, the present invention relates to an image forming method, an image forming apparatus, and a process cartridge for an image forming apparatus using a phthalocyanine-containing electrophotographic photoreceptor which gives a specific X-ray diffraction spectrum having a specific particle size and a specific particle size distribution.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art In recent years, the development of information processing system machines using an electrophotographic system has been remarkable. In particular, an optical printer that converts information into a digital signal and records information by light has remarkably improved in print quality and reliability. This digital recording technology is applied not only to printers but also to ordinary copying machines, and so-called digital copying machines have been developed. In addition, a copier equipped with the digital recording technology in a conventional analog copy is added with various information processing functions, and therefore, it is expected that the demand thereof will be further increased in the future.
[0003]
At present, small, inexpensive and highly reliable semiconductor lasers (LDs) and light emitting diodes (LEDs) are widely used as light sources for optical printers. The emission wavelength of the LED that is currently frequently used is 660 nm, and the emission wavelength range of the LD is in the near-infrared light range. Therefore, development of an electrophotographic photosensitive member having high sensitivity from a visible light region to a near infrared light region (hereinafter, also simply referred to as “photosensitive member”) is desired.
[0004]
The photosensitive wavelength range of an electrophotographic photosensitive member is substantially determined by the photosensitive wavelength range of a charge generating substance used in the photosensitive member. Therefore, many charge generating substances such as various azo pigments, polycyclic quinone pigments, trigonal selenium, and various phthalocyanine pigments have been developed. Among them, JP-A-3-35064 (Patent Document 1), JP-A-3-35245 (Patent Document 2), JP-A-3-37669 (Patent Document 3), and JP-A-3-26964. Titanyl phthalocyanine (hereinafter sometimes abbreviated as TiOPc) described in (Patent Document 4), JP-A-7-319179 (Patent Document 5), and the like has a high property with respect to long wavelength light of 600 to 800 nm. Because of its sensitivity, it is extremely important and useful as a photoconductor material for electrophotographic printers and digital copying machines in which the light source is an LED or LD.
[0005]
On the other hand, electrophotographic photoreceptors that are repeatedly used in the Carlson process and similar processes have excellent electrostatic characteristics such as sensitivity, receiving potential, potential holding property, potential stability, residual potential, and spectral characteristics. Is required. In particular, for high-sensitivity photoreceptors, it has been empirically known in many photoreceptors that a decrease in chargeability and an increase in residual potential due to repeated use govern the life characteristics of the photoreceptor. This is not an exception. Therefore, the stability of the photoreceptor using titanyl phthalocyanine by repeated use is not yet sufficient, and there has been an eager desire to complete the technology.
[0006]
The basic structure of a titanyl phthalocyanine pigment is represented by the following general formula.
Embedded image
Figure 2004287070
Where X 1 , X 2 , X 3 , X 4 Each independently represents various halogen atoms, and n, m, l, and k each independently represent a number from 0 to 4.
[0007]
References relating to the synthesis method and electrophotographic characteristics of TiOPc include, for example, JP-A-57-148745 (Patent Document 6), JP-A-59-36254 (Patent Document 7), and JP-A-59-44054. (Patent Document 8), JP-A-59-31965 (Patent Document 9), JP-A-61-239248 (Patent Document 10), and JP-A-62-67094 (Patent Document 11). Can be
[0008]
Also, various crystal types are known for TiOPc. JP-A-59-49544 (Patent Document 12), JP-A-61-239248, JP-A-62-67094, and JP-A-63-366 (Patent Document 13), JP-A-63-116158 (Patent Document 14), JP-A-63-1960067 (Patent Document 15), and JP-A-64-17066 ( JP-A-2-8256 (Patent Document 17), JP-A-3-255456 (Patent Document 18), JP-A-11-5919 (Patent Document 19), and JP-A-2001-19871. Publications (Patent Document 20) and the like describe TiOPc having different crystal types.
[0009]
Among them, the characteristic X-rays (wavelength 1.542 °) of CuKα described in JP-A-64-17066, JP-A-2-8256, JP-A-11-5919, JP-A-2001-19871 and the like are described. Titanyl phthalocyanine having a maximum diffraction peak at least at 27.2 ° as a diffraction peak (± 0.2 °) at a Bragg angle of 2θ with respect to) is very sensitive, and a 780 nm laser diode (LD) is used as an exposure light source. It is extremely useful as a photoreceptor used in an electrophotographic apparatus. Above all, as the diffraction peak (± 0.2 °) of the Bragg angle 2θ with respect to the characteristic X-ray (wavelength 1.542 °) of CuKα described in JP-A-2001-19871, the maximum diffraction peak is at least 27.2 °. The titanyl phthalocyanine crystal having a peak at 7.3 ° as a diffraction peak on the lowest angle side and having no peak in a range of 7.4 ° or more and less than 9.4 ° has a charge generation property of It is known that the photoreceptor used as the substance has a very small reduction in chargeability due to repeated use and is very useful.
[0010]
However, titanyl phthalocyanine having a maximum diffraction peak at least at 27.2 ° as a diffraction peak (± 0.2 °) at a Bragg angle of 2θ with respect to the characteristic X-ray (wavelength 1.542 °) of CuKα is metastable as a crystal form. State, and has a problem that it is likely to be transferred to another crystal type due to thermal energy or mechanical stress. In titanyl phthalocyanine, it is known that this crystal form shows high sensitivity specifically, and when a part of the crystal is transferred to another crystal form as described above, a specific light sensitivity is developed. Will be gone.
[0011]
The phenomenon in which the crystal type changes due to stress or the like as described above is what is observed in organic crystals that are polymorphic.
However, for phthalocyanines other than titanyl phthalocyanine, no phenomenon has been found in which the photosensitivity changes significantly due to such a change in crystal form. The difference is that a titanyl phthalocyanine crystal having a maximum diffraction peak at least at 27.2 ° as a diffraction peak (± 0.2 °) at a Bragg angle of 2θ is extremely rare, and this crystal is different from another crystal. This is a result that indicates the size of the gap in photosensitivity when crystal transition occurs, and it is common knowledge of other phthalocyanines and other organic charge generation materials that have been known in the past. ) Clearly shows that it does not work.
[0012]
For this reason, when preparing a dispersion using the titanyl phthalocyanine crystal having the above-described crystal form, as in a known technique using another organic material, by giving an excessive dispersion energy, the primary particle level or The technique of continuing dispersion to less than this cannot be applied, making it difficult to reduce the pigment particle size and remove coarse particles.
[0013]
On the other hand, current digital copying machines and digital printers use LDs or LEDs as image writing light. However, in a normal output image, the area of the printing portion is at most about 10%, so that the life of the LDs and LEDs is reduced. In consideration of (deterioration of the light source) and light fatigue of the photoreceptor, negative / positive development for outputting an image by writing image light on a printing portion and performing reversal development is mainstream.
[0014]
In the case of negative-positive development, the portion where no image light is written becomes a background (white background). However, depending on the photoreceptor to be used, the background is supposed to be originally a white background due to repeated use. A point defect may occur, and the whole image may become a slightly grayish image (this is called background contamination).
In addition, point defects (slightly larger than the previous background dirt: called black spots) may occur in the background areas that are not included in the manuscript, and may be mistaken for points in drawings, periods, and commas in English manuscripts. It can be said that the image is a fatal defect.
[0015]
Such point defects are often derived from a layer composed of a dispersion film of a pigment or the like. Therefore, in order to reduce such point defects, it is necessary to prepare a dispersion having good dispersibility of pigments and the like. At this time, the pigment particle size in the dispersion is preferably as small as possible. However, if the primary particle size is approximately 0.2 μm or less, the point defects as described above are considerably reduced.
[0016]
In order to produce such a dispersion, various dispersers and dispersion systems have been proposed so far, and methods for increasing the dispersion efficiency have been devised. For example, JP-A-4-337362 (Patent Document 21), JP-A-5-188614 (Patent Document 22), JP-A-7-289870 (Patent Document 23), and JP-A-8-44086 (Patent Document 2) Reference 24), Japanese Patent Application Laid-Open No. H8-123045 (Patent Document 25), Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-272111 (Patent Document 26), Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-212873 (Patent Document 27), and Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-30871. (Patent Document 28), JP-A-11-258827 (Patent Document 29), JP-A-2000-126638 (Patent Document 30), JP-A-2000-181104 (Patent Document 31), and JP-A-2000-281931 Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-290292 (Patent Document 32), Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-290292 (Patent Document 3) ), And the like.
[0017]
All of them use various dispersing apparatuses and dispersion conditions or improve them to use the synthesized pigment particles having a large average size to make the pigment particles in the dispersion liquid to be produced as fine as possible (particle size). Technology to reduce the
[0018]
Such a dispersion technique can be said to be an excellent technique in terms of how efficiently the pigment used in preparing the dispersion is dispersed to the primary particle size. However, it is extremely difficult to make the state smaller than the primary particle size, and it is no exaggeration to say that the limit of the particle size in the dispersion is basically determined by the primary particle size of the pigment used. Some of these include those that pulverize the primary particles themselves by applying a huge amount of energy, but these break the crystals themselves, which causes the following disadvantages (for example, a decrease in dispersion efficiency, Crystal type transition).
[0019]
If the dispersion conditions are made mild to prevent this crystal transition, a dispersion having a large average particle size will be produced as described above, or a dispersion having coarse particles left will be produced. When such a dispersion having a large average particle size is used, the surface area of the charge generating substance particles becomes small, making it difficult to transfer charges to and from the charge transporting substance. This causes a problem such as an increase in the residual potential. If the coarse particles remain, problems such as background stain and black spots in negative-positive development occur.
As described above, in the dispersion of the titanyl phthalocyanine pigment particles, there is a trade-off relationship between the stability of the crystal form and the miniaturization of the particles, and there is no means for simply solving this.
[0020]
Another approach for reducing the particle size of the pigment in the dispersion is to use a pigment that is easily dispersed, that is, a pigment having an extremely small primary particle. According to this method, small primary particles of a pigment to be used are synthesized in advance, and a dispersion liquid having a small particle size is obtained without giving excessive energy at the time of dispersion. This method is considered to be an extremely effective method when not only improving the dispersion efficiency but also when using a pigment which is liable to crystal transition as represented by the above-mentioned titanyl phthalocyanine.
[0021]
However, few approaches from the point of view of pigment synthesis have been found so far. In this regard, only a similar technique is disclosed in JP-A-2000-239556 (Patent Document 35). Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-239556 discloses a method for preparing a dispersion liquid by using a means that uses a dispersing means simultaneously with the crystal conversion. Certainly, with this method, a dispersion of the primary particle size of the pigment formed by the crystal transformation can be formed, but considering that the dispersion is subsequently used as a coating liquid, the crystal transformation solvent is used. However, it is not always the most suitable as a coating solvent, and has a drawback that it has limitations in coating. In addition, since it cannot be stored as a pigment powder, restrictions on storage are also imposed.
[0022]
From the above, without crystal transition of titanyl phthalocyanine crystal which is extremely useful as a charge generating substance of an electrophotographic photoreceptor, in order to prepare a dispersion having a small average particle size, a titanyl phthalocyanine crystal having a small primary particle size and its The development of a manufacturing method was eagerly desired.
[0023]
In addition, most of the above point defects are mainly phenomena based on local potential leakage of the photoconductor, and the improvement of the pressure resistance of the photoconductor, the improvement of the charging uniformity, and the improvement of the potential holding uniformity. It is a major issue.
As a result of intensive studies on this phenomenon by the present inventors, the following has been found.
[0024]
After the development in the electrophotographic apparatus, the photoreceptor was stopped in a state before the transfer, so that the site where the above-mentioned point defect occurred was specified. The toner particles are developed on the surface of the photoconductor corresponding to the point where the point defect occurs, and the area is carefully observed using an optical microscope. Defects based on slightly larger particles (hereinafter sometimes referred to as coarse particles) were observed.
[0025]
Therefore, it is considered that the above-mentioned point defect is caused by the potential leak at the time of application of the charge in the operation of the photoconductor starting from the coarse particles. This potential leak occurs in the non-image portion of the photoreceptor (the background portion on which the optical writing is not performed), whereby the surface potential is locally reduced, and the toner is developed there, thereby appearing as a point defect on the image. It will be. From this, it was found that the image defects could not be prevented unless the coarse particles of these charge generating substances were completely removed.
[0026]
In a dispersion or a photoreceptor using titanyl phthalocyanine or the like which has been known so far, the size of the average particle diameter of the particles has been the subject of discussion. The present inventor has also controlled the average particle size to improve the stability (sedimentation, etc.) of the dispersion, prevent extreme coating film defects, and stabilize the photosensitivity (higher sensitivity). However, the aforementioned minute defects on the image have not been completely understood.
[0027]
The above phenomenon was understood as follows as a result of examining the minute defects by further observation of the dispersion. Usually, in a method such as measuring the average particle size, when extremely large particles are present at several percent or more, the presence can be detected. When the amount becomes very small, the measurement falls below the detection limit. As a result, the measurement of the average particle size alone does not detect the presence of coarse particles, making it difficult to interpret the above minute defects.
[0028]
FIGS. 1 and 2 show photographs obtained by observing the state of two kinds of dispersion liquids in which only the dispersion time is changed while fixing the dispersion conditions, using an electron microscope. The scale bar in the figure is 0.5 mm. FIG. 1 shows a dispersion having a short dispersion time under the same conditions. Compared with FIG. 2 of a dispersion having a long dispersion time, it is observed that coarse particles remain. The black particles in FIG. 1 are coarse particles.
[0029]
The average particle size and the particle size distribution of these two dispersions were measured by a commercially available particle size distribution analyzer (Horiba Seisakusho: ultracentrifugal automatic particle size analyzer, CAPA700) according to known methods. The result is shown in FIG. "A" in FIG. 3 corresponds to the dispersion shown in FIG. 1, and "B" corresponds to the dispersion shown in FIG.
When comparing the two, there is hardly any difference in the particle size distribution. In addition, the average particle size of the two was determined to be 0.29 μm for “A” and 0.28 μm for “B”, and no difference was observed between the two after taking measurement errors into account.
[0030]
Therefore, it can be understood that only the definition of the known average particle size (particle size) cannot detect residual small amounts of coarse particles and cannot cope with recent high-resolution negative-positive development. The presence of the minute amount of coarse particles was first recognized by observing the coating solution at a microscope level.
[0031]
On the other hand, the organic pigments having extremely high photosensitivity as described above have very large cohesive force almost without exception. This is because the organic pigment is generally not present as a monomer and generates photocarriers only when an aggregate is formed. Although the details of this phenomenon are not entirely clear, at least thousands of molecules associate with each other due to hydrogen bonding between the molecules and form primary particles to form the minimum unit of the organic pigment. Further, these primary particles form a higher degree of association and form an organic pigment by forming secondary particles.
[0032]
As is clear from observation of the powder of the organic pigment, the organic pigment particles in the synthesized solution after the synthesis are taken out and the particle size is observed. In most cases, the long diameter is on the order of submicron. When this is gradually dried, secondary particles are gradually formed, and finally, in the state of a dried powder, it is taken out as a millimeter-order mass. This mass is an aggregate of secondary particles (and primary particles), and can be pulverized to a sub-millimeter size by mechanical shearing force or the like.
[0033]
Such an organic pigment powder is prepared by various dispersion methods to prepare a dispersion having a particle size of at least 1 μm or less. Pigment particles contained in the dispersion are caused by Coulomb repulsion between the particles. Cohesiveness due to poor dispersion stability and poor affinity with the vehicle (for example, poor wettability) coexist at the same time, and exist in an equilibrium state of dispersion and cohesion.
[0034]
However, since the specific gravity of the pigment particles is larger than the specific gravity of the vehicle, the pigment particles always settle when the dispersion is stored and stored. To prevent this, means such as using a binder resin in the vehicle and increasing the viscosity of the vehicle to lower the sedimentation velocity are used. However, in the dip coating method, the thickness of the coating film increases in proportion to the power of the viscosity of the coating solution, so that when forming a thin film such as a photosensitive layer (especially a charge generation layer), the viscosity of the coating film naturally increases. Is not always an effective means.
[0035]
A method of circulating the coating liquid is also used as a means for preventing the sedimentation of the particles. This has the additional effects of keeping the liquid level in the coating layer constant during dip coating, and being able to supply a new liquid for each coating, and is a technique commonly used in dip coating. It is.
However, even in this method, an insufficiently circulated portion (liquid pool portion) occurs in a portion such as a corner in the circulating system, or the circulating must be stopped during coating (due to the vibration of the circulating device). In some cases, this may cause coating film defects, especially in the case of a thin film), which does not completely prevent the aggregation of particles.
Further, the titanyl phthalocyanine crystal used in the present invention is a polymorphic pigment, and easily undergoes a crystal transition to another crystal type due to physical / thermal stress as described above. Therefore, even in the circulation device, the output of a circulation member such as a pump for circulating the dispersion liquid cannot be increased so much, and the margin of the circulation flow rate cannot be increased. For this reason, it is extremely difficult to solve the above-mentioned aggregation only by the action of circulation. The pigment particles that have undergone crystal transition are generally those that have undergone crystal growth, and have a large particle size. Therefore, causing the crystal transition not only changes the crystal form, but also increases the amount of aggregates.
[0036]
Further, there is a method in which a suitable filtration device is provided in the circulation system to remove generated aggregates. However, when the generation amount of the aggregate is too large, the pressure loss in the filtration device is large, the load on the circulation member is large, and in the worst case, the circulation itself becomes impossible. In general, a binder resin is also used in the vehicle, but since most of the substances to be filtered are aggregates of pigment particles, when a large amount of aggregates are generated, the composition of the dispersion liquid is changed. Will also change.
As in the present invention, when this dispersion is used for an electrophotographic photoreceptor, the pigment / binder resin ratio greatly changes the characteristics of the photoreceptor, and the aggregation is simply removed. In this case, the electrostatic characteristics of the manufactured photoreceptor become unstable, and the manufacture of the photoreceptor itself becomes unstable.
[0037]
From the above points, generally, after confirming the state of the dispersion liquid in the coating apparatus, and confirming the characteristics of the manufactured photoreceptor, the state of the coating film, etc., when these characteristics can no longer be secured Was used as the lifetime of the dispersion, and the production was continued by a method such as replacing the dispersion in the coating apparatus.
[0038]
Thus, titanyl phthalocyanine (a titanyl phthalocyanine having a maximum diffraction peak at least 27.2 ° as a diffraction peak (± 0.2 °) at a Bragg angle 2θ with respect to characteristic X-rays of CuKα (wavelength 1.542 °)) is used. There is no means for stably producing the photoreceptor by a simple method for a long period of time.
[0039]
[Patent Document 1]
JP-A-3-35064
[Patent Document 2]
JP-A-3-35245
[Patent Document 3]
JP-A-3-37669
[Patent Document 4]
JP-A-3-269064
[Patent Document 5]
JP-A-7-319179
[Patent Document 6]
JP-A-57-148745
[Patent Document 7]
JP-A-59-36254
[Patent Document 8]
JP-A-59-44054
[Patent Document 9]
JP-A-59-31965
[Patent Document 10]
JP-A-61-239248
[Patent Document 11]
JP-A-62-67094
[Patent Document 12]
JP-A-59-49544
[Patent Document 13]
JP-A-63-366
[Patent Document 14]
JP-A-63-116158
[Patent Document 15]
JP-A-63-196067
[Patent Document 16]
JP-A 64-17066
[Patent Document 17]
JP-A-2-8256
[Patent Document 18]
JP-A-3-255456
[Patent Document 19]
JP-A-11-5919
[Patent Document 20]
JP 2001-19871 A
[Patent Document 21]
JP-A-4-337362
[Patent Document 22]
JP-A-5-188614
[Patent Document 23]
JP-A-7-289870
[Patent Document 24]
JP-A-8-44086
[Patent Document 25]
JP-A-8-123045
[Patent Document 26]
JP-A-8-272111
[Patent Document 27]
JP-A-9-212873
[Patent Document 28]
JP-A-11-30871
[Patent Document 29]
JP-A-11-258827
[Patent Document 30]
JP-A-2000-1226638
[Patent Document 31]
JP 2000-181104 A
[Patent Document 32]
JP-A-2000-281931
[Patent Document 33]
JP 2001-265027 A
[Patent Document 34]
JP 2001-290292 A
[Patent Document 35]
JP 2000-239556 A
[0040]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a dip coating method for a long period of time, which is rich in dispersion stability and crystal stability, prolongs the life of the dispersion liquid, and is capable of forming a thin film such as a photosensitive layer (charge generation layer). Another object of the present invention is to provide a method for producing an electrophotographic photosensitive member having few coating film defects during coating. Another object is to improve the drawbacks of the above-mentioned prior art, to have extremely high sensitivity, to be able to be mounted on high-speed digital copiers and digital printers using negative-positive development, and to prevent soiling even after initial and repeated use. An object of the present invention is to provide an electrophotographic photoreceptor which has few image defects such as black spots and can output a stable image. Still another object is to provide an image forming method, an image forming apparatus, and an image forming apparatus capable of performing high-speed printing using negative / positive development, obtaining a stable image with little abnormal images even after initial and repeated use. To provide a process cartridge.
[0041]
[Means for Solving the Problems]
In an electrophotographic photoreceptor using an organic pigment as a charge generating substance, various characteristics are affected by the size of the charge generating substance particles in the photosensitive layer. For example, in the photocarrier generation process, if the particle size of the charge generation material is large before the photocarrier generated by the charge generation material is transferred to the charge transport material, the probability of deactivation of the photocarrier inside the particle increases. . In addition, when transferring the photocarriers to the charge transport material, if the pigment particles are large, the surface area is inevitably small, the contact amount between the two is reduced, and the carrier injection efficiency is reduced. Further, when the charge generating substance particles are large, the probability of a coating film defect in the photosensitive layer (charge generating layer) increases, which causes a problem that an image defect easily occurs.
[0042]
For these reasons, it is desired to reduce the particle size of the charge generation substance in the photosensitive layer (charge generation layer) as much as possible. Since the photosensitive layer (charge generation layer) is usually formed by a wet coating method, in order to reduce the particle size of the charge generation substance in the photosensitive layer, the particle size of the charge generation substance in the coating dispersion forming the photosensitive layer is reduced. Need to be smaller.
[0043]
In order to reduce the particle size of the charge generating material in the dispersion for coating the photosensitive layer in this way, various dispersion methods have been proposed, but each of the secondary particles has an aggregate structure of the charge generating material. A major issue is how to pulverize and disperse this into primary particles. In these methods, the dispersion energy is increased, the dispersion time is extended, etc., so that the primary particles are made as close as possible.However, the primary particle size is determined at the stage of synthesizing the charge generation material, It is difficult to make the particles smaller than the primary particle size by a usual method.
[0044]
On the other hand, there has been proposed a dispersion method capable of giving a stronger dispersion energy than a method such as ball milling which has been used for a long time, and a method of further crushing primary particles has been developed in recent years. In such a case, even if the primary particles are somewhat large, the crystal itself is pulverized by the huge dispersion energy, thereby reducing the particle size of the charge generating substance. Such a method can be said to be very suitable for a material having a high crystal stability of the charge generating substance used.
[0045]
However, in the case of an organic charge generation material, even in the case of materials represented by the same chemical structural formula, only a specific crystal type often exerts a specific function. Such a specific crystal type may be easily changed by a simple physical or mechanical stress in addition to the chemical stress. When such a material is used, as described above, giving excessive dispersion energy to pulverize the primary particles themselves changes the crystal form before the action of pulverizing the particles. Will happen. As a result, there are many cases in which a material that exhibits a specific function is changed to a material that does not sufficiently exhibit the function, even though the material is intended to be used.
[0046]
The phthalocyanine crystal used in the present invention, particularly the titanyl phthalocyanine crystal, is a polymorphic material, and a crystal type having a particularly high photocarrier generation efficiency has a Bragg angle 2θ with respect to the characteristic X-ray (wavelength 1.542 °) of CuKα. Only crystals having a maximum diffraction peak at least at 27.2 ° as a diffraction peak (± 0.2 °), and other crystal-type materials also have a function as a charge generating material, but are presently used in electrophotographic processes. However, it does not have the characteristics satisfying the high speed, the small diameter of the photoreceptor, and the high stability at the time of repeated use. Therefore, it can be said that the crystal type is a specific crystal type.
[0047]
However, the titanyl phthalocyanine crystal having the maximum diffraction peak at least at 27.2 ° is a metastable state as a titanyl phthalocyanine crystal, and is a material having low crystal stability. Therefore, when the mechanical and physical stresses are excessively applied as described above, the crystal is transformed into another crystal form which is a stable crystal form.
[0048]
As described above, titanyl phthalocyanine crystal having a high function as a charge generating substance, but when applied to an electrophotographic photoreceptor, there is a trade-off relationship between finer particles and crystal stability. There was no easy solution to this.
[0049]
In order to solve the above-mentioned problems, the present inventor has attempted to analyze the pulverizing and dispersing steps of titanyl phthalocyanine crystals, and has obtained the following knowledge.
That is, in the step of dispersing the titanyl phthalocyanine crystal, when dispersing to the target particle size, excessive dispersion energy must be given due to the presence of primary particles larger than the target particle size. In addition, there is a remarkable difference between the energy required to disperse the secondary particles, which are aggregates of the primary particles, down to the primary particles and the energy required to further pulverize the huge primary particles.
In the former, the force acting on the crystal is given to the dispersion itself, and does not lead to the crystal transition. In the latter case, the applied energy acts on the pulverization and, at the same time, the crystal transition proceeds.
[0050]
From the above, the present inventor, by making the primary particles of titanyl phthalocyanine crystal subjected to dispersion as fine as possible, without giving excessive dispersion energy, fine particle size, and crystal stability It has been found that a high dispersion can be produced.
[0051]
The average particle size of the primary particles of the titanyl phthalocyanine crystal in the present invention is defined as follows.
The liquid containing the crystal-converted titanyl phthalocyanine crystal was observed with a transmission electron microscope (TEM), the obtained TEM image was taken as a TEM photograph, and 30 projected titanyl phthalocyanine crystals were arbitrarily selected. Measure the length of the major axis. The arithmetic average of the long diameters of the 30 individuals measured is determined to be the average particle size.
[0052]
Next, the present inventor tried an approach from the synthesis of titanyl phthalocyanine crystal, and obtained the following knowledge.
That is, a titanyl phthalocyanine crystal having a maximum diffraction peak at least at 27.2 ° is generally synthesized from titanyl phthalocyanine having lower crystal stability. As a frequently used technique, a crude crude product (crude) synthesized according to a conventional method is treated with an acid-paste treatment using sulfuric acid or the like to form amorphous titanyl phthalocyanine (or low crystallinity), which is considered to have the lowest crystal stability. To titanyl phthalocyanine). This is subjected to crystal conversion by various methods to obtain a titanyl phthalocyanine crystal having a desired crystal form. In this crystal transformation, the method most frequently used is a method in which crystal transition is carried out together with a suitable organic solvent in the presence of water.
[0053]
The inventor paid attention to the morphology of the titanyl phthalocyanine crystal particles before and after the crystal transformation. The particle size of the amorphous titanyl phthalocyanine (or low-crystalline titanyl phthalocyanine) after the above-mentioned acid paste treatment is obtained by precipitating from the acid solution state of titanyl phthalocyanine in water having low solubility, and the primary particle size is It is small. Although it depends on the conditions of the acid paste treatment, fine particles (a shape close to needles) of about 0.1 μm or less are usually formed. Subsequently, the titanyl phthalocyanine crystal that has been subjected to the crystal conversion treatment is a crystal that grows at the same time as the crystal transition, and usually, after performing the crystal conversion more reliably, the crystal is separated and filtered out, so that The primary particles are quite large (about 0.3 to 0.4 μm, and about 1 μm for large ones).
From the above, it was found that the primary particle size of the titanyl phthalocyanine crystal used in the present invention was determined by this crystal conversion step.
[0054]
In the present invention, a diffraction peak (± 0.2 °) of Bragg angle 2θ with respect to characteristic X-ray (wavelength: 1.542 °) of CuKα, which is a particularly preferred crystal form, is at least 27.2 °. 7. It has a diffraction peak, further has a major peak at 9.4 °, 9.6 °, and 24.0 °, and has a peak at 7.3 ° as the lowest diffraction peak, and A titanyl phthalocyanine crystal having no peak in the range of 4 ° to less than 9.4 ° and further having no peak in 26.3 ° is disclosed in JP-A-2001-19871. However, when a titanyl phthalocyanine crystal is prepared under the conditions disclosed in this publication, a crystal having large primary particles is obtained as described above, and has the above-described problems.
[0055]
As described above, the method of eliminating the relationship between the fineness of the particles and the trade-off of crystal stability in the dispersion of the titanyl phthalocyanine crystal, which has been an issue so far, synthesizes the primary particles of the titanyl phthalocyanine crystal to be used in the following small size. That would be.
As a result of an examination in view of this point, when the amorphous particles of amorphous titanyl phthalocyanine (or low crystallinity titanyl phthalocyanine), which are fine particles, are used as a raw material and the crystal conversion is carried out with an organic solvent in the presence of water, the crystallinity becomes as small as possible. The conversion time is set short (generally less than 1 hour, preferably less than 30 minutes, depending on the crystal conversion conditions), and the organic solvent is used before crystal growth occurs (before the primary particle size grows to 0.2 μm or more). It was found that finer primary particles could be obtained by further separating and filtering to take out desired crystals.
[0056]
The present inventor has focused on image defects that are fatal to negative / positive development such as background stains and black spots, and in order to solve the above-mentioned problems, eagerly dealt with the correspondence between the state of the coating film on the photoconductor of the defective portion and the image defective portion. The present inventors have conducted studies and found that the above defects can be reduced as much as possible by controlling the coating film in the photoreceptor by a specific method, thereby completing the present invention. Therefore, the object of the present invention is achieved by the following (1) to (21).
[0057]
(1) In a method of manufacturing an electrophotographic photoreceptor using a dip coating device equipped with a circulation device, a diffraction peak of a Bragg angle 2θ with respect to a characteristic X-ray of CuKα (wavelength 1.542 °) as a coating solution for a photosensitive layer ± 0.2 °), has a maximum diffraction peak at least at 27.2 °, further has major peaks at 9.4 °, 9.6 °, and 24.0 °, and has the lowest angle side. A titanyl phthalocyanine crystal having a peak at 7.3 ° as a diffraction peak, having no peak in the range of 7.4 ° to less than 9.4 °, and having an average primary particle size of 0.2 μm or less is used as a binder. A method for producing an electrophotographic photosensitive member, comprising using a dispersion obtained by dispersing in an organic solvent together with a resin, and providing a filter having an effective pore size of 10 μm or less in a circulation system of the coating apparatus.
[0058]
(2) The method for producing an electrophotographic photoreceptor according to (1), wherein the titanyl phthalocyanine further has no peak at 26.3 °.
[0059]
(3) The titanyl phthalocyanine crystal has a maximum diffraction peak at least at 7.0 to 7.5 ° as a diffraction peak (± 0.2 °) at a Bragg angle of 2θ with respect to the characteristic X-ray of CuKα (wavelength 1.542 °). Having an average size of primary particles having a half-width of the diffraction peak of 1 ° or more of the diffraction peak is 0.1 μm or less amorphous titanyl phthalocyanine or low-crystalline titanyl phthalocyanine is subjected to crystal conversion with an organic solvent in the presence of water, The above-mentioned (1) or (2), wherein the titanyl phthalocyanine after the crystal conversion is separated from the organic solvent and filtered before the average size of the primary particles after the crystal conversion becomes 0.2 μm or more. The method for producing an electrophotographic photoreceptor according to the item 2).
[0060]
(4) The organic solvent according to (3), wherein the organic solvent contains at least one selected from tetrahydrofuran, toluene, methylene chloride, carbon disulfide, orthodichlorobenzene, and 1,1,2-trichloroethane. A method for producing an electrophotographic photoreceptor.
[0061]
(5) The volume average particle size of the titanyl phthalocyanine crystal particles in the dispersion before the coating device is introduced is 0.2 μm or less, and the dispersion is performed until the standard deviation becomes 0.2 μm or less. The method for producing an electrophotographic photosensitive member of the dispersion according to the above (1) or (4).
[0062]
(6) The method for producing an electrophotographic photosensitive member according to (5), wherein a diameter of a medium used for dispersing the titanyl phthalocyanine crystal is 0.5 mm or less.
[0063]
(7) An electrophotographic photoreceptor in which at least a charge generation layer and a charge transport layer are laminated on a conductive support, wherein the charge generation layer is manufactured by the method according to any one of (1) to (6). An electrophotographic photosensitive member characterized by being formed by:
[0064]
(8) The electrophotographic photosensitive member according to (7), wherein the charge transport layer contains a polymer charge transport material.
[0065]
(9) The electrophotographic photosensitive member according to (7) or (8), wherein the electrophotographic photosensitive member has a protective layer laminated on a charge transport layer.
[0066]
(10) The protective layer has a specific resistance of 10 10 The electrophotographic photosensitive member according to the above (9), which contains an inorganic pigment or a metal oxide of Ω · cm or more.
[0067]
(11) The metal oxide has a specific resistance of 10 10 The electrophotographic photoreceptor according to the above (10), wherein the electrophotographic photoreceptor is any one of alumina, titanium oxide and silica having a resistance of Ω · cm or more.
[0068]
(12) The metal oxide has a specific resistance of 10 10 The electrophotographic photosensitive member according to (11), wherein the electrophotographic photosensitive member is α-alumina of Ω · cm or more.
[0069]
(13) The electrophotographic photoreceptor according to any one of (9) to (12), wherein the protective layer contains a polymer charge transport material.
[0070]
(14) The electrophotographic photosensitive member according to any one of (7) to (13), wherein a surface of the electroconductive support of the electrophotographic photosensitive member is subjected to an anodic oxide film treatment.
[0071]
(15) An image forming method in which at least charging, image exposure, development, and transfer are repeatedly performed on the electrophotographic photosensitive member, wherein the electrophotographic photosensitive member is any one of the above (7) to (14). An image forming method, which is a photoreceptor.
[0072]
(16) An image forming apparatus including at least a charging unit, an image exposing unit, a developing unit, a transfer unit, and an image forming element including an electrophotographic photosensitive member, wherein the electrophotographic photosensitive member is the above ( (7) An image forming apparatus, which is the electrophotographic photosensitive member according to any one of (14) to (14).
[0073]
(17) The image forming apparatus according to (16), wherein a plurality of the image forming elements are arranged.
[0074]
(18) The image forming apparatus according to (16) or (17), wherein the charging unit includes a charging member in contact with or close to the photosensitive member.
[0075]
(19) The image forming apparatus according to (18), wherein a gap between the charging member and the electrophotographic photosensitive member is 200 μm or less.
[0076]
(20) The image forming apparatus according to (18) or (19), wherein the charging unit superimposes an alternating current component on a direct current component to charge the electrophotographic photosensitive member.
[0077]
(21) A process cartridge for an image forming apparatus including at least an electrophotographic photosensitive member, wherein the electrophotographic photosensitive member is the electrophotographic photosensitive member according to any one of (7) to (14). A process cartridge for an image forming apparatus, comprising:
[0078]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in more detail.
The production method of the present invention is characterized by the dispersion used (and the titanyl phthalocyanine crystal contained in the dispersion) and the circulation device.
The specific method is described below.
[0079]
First, a method for synthesizing a crude product of titanyl phthalocyanine crystal will be described.
Methods for synthesizing phthalocyanines have been known for a long time, and are described in, for example, Moser et al., "Phthalocyanine Compounds" (1963), "The Phthalocyanines" (1983), and JP-A-6-293768.
[0080]
For example, the first method is a method of heating a mixture of phthalic anhydride, a metal or a metal halide and urea in the presence or absence of a high-boiling solvent. In this case, a catalyst such as ammonium molybdate is used as needed.
The second method is a method in which phthalonitriles and a metal halide are heated in the presence or absence of a high boiling point solvent. This method is used for phthalocyanines that cannot be produced by the first method, for example, aluminum phthalocyanines, indium phthalocyanines, oxovanadium phthalocyanines, oxotitanium phthalocyanines, zirconium phthalocyanines, and the like.
A third method is to first react ammonia with phthalic anhydride or phthalonitriles to produce an intermediate such as 1,3-diiminoisoindoline, and then react with a metal halide in a high boiling solvent. It is a way to make it.
The fourth method is a method in which a phthalonitrile is reacted with a metal alkoxide in the presence of urea or the like. In particular, the fourth method does not cause chlorination (halogenation) to a benzene ring, and is a very useful method for synthesizing an electrophotographic material.
[0081]
Next, a method for synthesizing amorphous titanyl phthalocyanine (low crystalline titanyl phthalocyanine) will be described. In this method, a phthalocyanine is dissolved in sulfuric acid, then diluted with water and reprecipitated, and a method called an acid paste method or an acid slurry method can be used.
[0082]
As a specific method, the above-mentioned synthetic crude product is dissolved in 10 to 50 times the volume of concentrated sulfuric acid, and if necessary, insolubles are removed by filtration or the like, and this is sufficiently cooled to 10 to 50 times the volume of sulfuric acid. Slowly put into water or ice water to reprecipitate titanyl phthalocyanine. After filtration of the precipitated titanyl phthalocyanine, washing and filtration are performed with ion-exchanged water, and this operation is sufficiently repeated until the filtrate becomes neutral. Finally, after washing with clean ion-exchanged water, filtration is performed to obtain a water paste having a solid concentration of about 5 to 15 wt%. The product thus prepared is amorphous titanyl phthalocyanine (low crystalline titanyl phthalocyanine) used in the present invention.
At this time, this amorphous titanyl phthalocyanine (low-crystalline titanyl phthalocyanine) has a diffraction peak (± 0.2 °) at a Bragg angle 2θ of at least 7.0 to 7 with respect to the characteristic X-ray of CuKα (wavelength 1.542 °). It preferably has a maximum diffraction peak at 0.5 °. In particular, the half width of the diffraction peak is more preferably 1 ° or more. Furthermore, it is important that the average particle size of the primary particles is 0.1 μm or less for the subsequent crystal transformation.
[0083]
FIG. 4 shows an electron micrograph (scale bar: 0.2 μm) showing a preferred amorphous titanyl phthalocyanine particle state. For observation of the particle state, a transmission electron microscope (TEM; Hitachi, H-9000NAR) was used. The above-mentioned amorphous titanyl phthalocyanine water paste was diluted with ion-exchanged water so that the pigment concentration became about 1% by weight, scooped on a conductive net, dried as it was, and observed.
[0084]
Next, a crystal conversion method will be described. In the crystal transformation, the amorphous titanyl phthalocyanine (low-crystalline titanyl phthalocyanine) is converted at least as a diffraction peak (± 0.2 °) at a Bragg angle 2θ with respect to a desired crystal form (characteristic X-ray of CuKα (wavelength 1.542 °)). (A crystal form having a maximum diffraction peak at 27.2 °).
In particular, among the above crystal forms, they further have major peaks at 9.4 °, 9.6 °, and 24.0 °, and have a peak at 7.3 ° as the diffraction peak on the lowest angle side, A titanyl phthalocyanine crystal having no peak in the range of 7.4 ° or more and less than 9.4 ° is preferably used, and a titanyl phthalocyanine crystal having no peak at 26.3 ° is particularly preferably used.
[0085]
As a specific method, the amorphous form of titanyl phthalocyanine (low-crystalline titanyl phthalocyanine) is not dried, but is mixed and stirred with an organic solvent in the presence of water to obtain the crystal form. . At this time, the point of the present invention is to control the major axis of the primary particles of the titanyl phthalocyanine crystal after the crystal conversion to 0.2 μm or less.
At this time, as the organic solvent used, any organic solvent can be used as long as a desired crystal form can be obtained. In particular, tetrahydrofuran, toluene, methylene chloride, carbon disulfide, orthodichlorobenzene, 1,1,1 Good results are obtained when one selected from 2-trichloroethane is selected. These organic solvents are preferably used alone, but it is also possible to use a mixture of two or more of these organic solvents or a mixture with another solvent.
[0086]
According to observations made by the present inventors in the operation of crystal transformation, the above-mentioned amorphous titanyl phthalocyanine (low-crystalline titanyl phthalocyanine) has a primary particle size of 0.1 μm or less (mostly 0.01 to 0.1 μm). However, it was found that the crystal was converted along with the crystal growth during the crystal conversion. Usually, in this type of crystal conversion, a sufficient crystal conversion time is secured due to fear of remaining raw materials, and after the crystal conversion is performed sufficiently, filtration is performed, and titanyl phthalocyanine crystal having a desired crystal form is obtained. Is what you get. For this reason, despite using a raw material having sufficiently small primary particles as the raw material, a crystal having a large primary particle (generally 0.3 to 0.5 μm) is obtained as a crystal after the crystal conversion. is there.
[0087]
FIG. 5 shows the state of the primary particles of the titanyl phthalocyanine crystal after such crystal conversion. The observation in FIG. 5 was also performed by TEM as in the case of FIG. 4 (scale bar in the figure: 0.2 μm). Two very large primary particles are observed near the center of the photograph.
[0088]
In dispersing the titanyl phthalocyanine crystal thus produced, in order to reduce the particle size after dispersion (about 0.2 μm or less), dispersion is performed by giving a strong shear, and further, if necessary. Dispersion is performed by giving strong energy to crush primary particles. As a result, as described above, some of the particles are transformed into a crystal form other than the desired crystal form.
[0089]
On the other hand, in the present invention, the range in which crystal growth hardly occurs during the crystal conversion (the size of the amorphous titanyl phthalocyanine particles observed in FIG. 4 is kept as small as that after the crystal conversion, approximately 0.2 μm or less. In this case, a titanyl phthalocyanine crystal having a primary particle size as small as possible is obtained by determining the point in time when the crystal conversion is completed. The particle size after the crystal conversion increases in proportion to the crystal conversion time. Therefore, as described above, it is important to increase the efficiency of crystal conversion and complete the conversion in a short time. There are several important points for this.
[0090]
One is to select an appropriate crystal conversion solvent as described above to increase the crystal conversion efficiency. The other is to use strong stirring to sufficiently contact the solvent and the aqueous paste of titanyl phthalocyanine (the raw material prepared as described above) in order to complete the crystal conversion in a short time. More specifically, a method of using a propeller having a very strong stirring power, or using an intense stirring (dispersion) means such as a homogenizer (homomixer) to realize crystal conversion in a short time. is there. Under these conditions, it is possible to obtain a titanyl phthalocyanine crystal in which the crystal conversion is sufficiently performed and no crystal growth occurs without leaving any raw material.
[0091]
Further, as described above, since the crystal grain size and the crystal conversion time are in a proportional relationship, a method of immediately stopping the reaction when a predetermined reaction (crystal conversion) is completed is also an effective means. As described above, a large amount of a solvent that is unlikely to undergo crystal transformation immediately after the crystal transformation is performed as described above can be cited as the means. Examples of the solvent that does not easily undergo crystal transformation include alcohol-based and ester-based solvents. Crystal conversion can be stopped by adding these solvents about 10 times to the crystal conversion solvent.
[0092]
The smaller the primary particle size produced in this way is, the better the result for the problem of the photoreceptor is. However, the next step (pigment filtration step) related to pigment production, the dispersion in the dispersion liquid, Considering stability, side effects may occur even if they are too small. That is, when the primary particles are very fine, there is a problem that the filtration time is very long in the step of filtering the primary particles. On the other hand, if the primary particles are too fine, the surface area of the pigment particles in the dispersion becomes large, and the possibility of reaggregation of the particles increases. Thus, suitable pigment particle sizes are in the range of about 0.05 μm to about 0.2 μm.
[0093]
FIG. 6 shows a TEM image (scale bar: 0.2 μm) of the titanyl phthalocyanine crystal when the crystal conversion is performed in a short time. Unlike the case of FIG. 5, the particle size is small and almost uniform, and no coarse particles as observed in FIG. 5 are observed at all.
[0094]
Subsequently, the crystal-converted titanyl phthalocyanine crystal is immediately filtered to be separated from the crystal conversion solvent. This filtration is performed by using a filter of an appropriate size. At this time, it is most appropriate to use vacuum filtration.
Thereafter, the separated titanyl phthalocyanine crystals are heated and dried as necessary. Any known dryer can be used for the heating and drying. However, when the drying is performed in the atmosphere, a blow dryer is preferable. Further, drying under reduced pressure is also a very effective means for increasing the drying speed and more remarkably exhibiting the effects of the present invention. In particular, it is an effective means for a material that decomposes at a high temperature or changes its crystal form. In particular, it is effective to dry in a state where the degree of vacuum is higher than 10 mmHg.
[0095]
Here, an organic pigment having a high photocarrier generation ability as used in the present invention generally has a very strong cohesive force. When the crystals are filtered and separated and then dried as described above, the primary particles aggregate to form secondary particles. In this method, primary particles can be dispersed by a usual dispersing apparatus. However, if the crystal conversion solvent and the dispersion solvent used subsequently are the same, it is not necessary to intentionally dry. In this case, the wet cake of the titanyl phthalocyanine crystal after the filtration may be directly added to the dispersion solvent in which the binder resin is dissolved, if necessary, to perform dispersion. This method does not need to disperse large lumps of secondary particles, and makes the effect of the present invention more remarkable.
[0096]
Next, the dispersion will be described. A specific dispersion is made as follows.
The dispersion is obtained by dispersing the above-described charge generating substance together with a binder resin in an organic solvent. At this time, since the charge generating substance shows good characteristics when a specific crystal form is maintained, it is important to prevent the crystal form from being changed by the dispersion operation. In particular, the specific crystal used in the present invention requires attention because it tends to undergo a crystal transition to another crystal type due to thermal energy or mechanical share.
[0097]
As a dispersing device, a bead mill, a ball mill, an attritor, a sand mill, an ultrasonic wave, or the like can be used. However, in consideration of the dispersion efficiency and the low crystal transition, the use of a circulating type bead mill is most preferable. At this time, it is preferable to reduce the particle size of the pigment as much as possible, and it is preferable that the particle size distribution is narrow. Therefore, it is preferable to use a dispersion medium that is as fine as possible.
[0098]
According to the study results of the present inventors, good results were given when the media diameter was 0.5 mm or less. When the average particle diameter is more than that, there are disadvantages such as that the average particle diameter is hardly reduced and the average particle diameter is reduced, but the particle size distribution is widened. However, if the thickness is too small, problems such as difficulty in transmitting the dispersion energy and increase in abrasion of the media occur. Therefore, the thickness is preferably 0.1 mm or more.
[0099]
It is important that the pigment particles coexist with the binder resin from the initial state at the time of the dispersion operation (primary dispersion when dispersion is performed in several stages). According to the study of the present inventors, the titanyl phthalocyanine crystal giving the specific crystal form is liable to undergo transition of the crystal form only by being present together with the solvent, but is allowed to coexist with a binder resin (as a vehicle in the solvent as a vehicle). By dissolving the binder resin), it was found that this crystal transition rate can be extremely reduced.
[0100]
Even if the conditions are determined in this way and the dispersion is carefully performed, the pigment used in the present invention still has a further problem. It is a trade-off between grain size and crystal stability. The dispersion of the pigment is carried out by using a suitable medium, and the dispersion is performed in the collision between the media or between the pigment and the media. Therefore, no matter what dispersion method is used, coarse particles remain as a possibility. Usually, in order to avoid this, the dispersion time is lengthened to reduce the remaining coarse particles as much as possible. This is evident if the average particle size in the dispersion is plotted against the dispersion time, and the commonly used dispersion conditions are shorter than the predetermined time, and the average particle size reaches the predetermined value. ing. However, by providing longer dispersion times, the presence of coarse particles is reduced.
[0101]
Such a method can be used for a pigment having a stable crystal form, but when a pigment having poor crystal stability as used in the present invention is used, an excessive dispersion energy is given to the pigment. Therefore, it is necessary to select either to end the dispersion in a state where the coarse particles remain, or to perform the dispersion until the coarse particles disappear after preparing for the crystal transition. Regardless of which option is selected, the inherent characteristics of the pigment cannot be fully utilized, and the photoconductors thus far have been manufactured with some problems.
[0102]
In view of this point, in the present invention, it is an object of the present invention to provide a method that does not have crystal transition and that does not leave coarse particles. That is, after the dispersion is performed by applying an optimum dispersion energy to such an extent that no crystal transition occurs in the dispersion, coarse particles having a predetermined size or more are removed by using an appropriate filter or the like.
[0103]
The appropriate dispersion energy at this time refers to the lowest energy at which the average particle size of the pigment particles in the dispersion reaches the level of the primary particles of the pigment particles used. Since the primary particle size of the pigment having a specific crystal type used in the present invention after synthesis is generally about 0.2 to 0.3 μm, the average primary particle size is about 0.3 μm or less and the primary particle size is approximately 0.3 μm or less. Has been reached. This level of energy is consumed as energy for crushing particles, and does not lead to crystal transition. However, applying more energy than that is not preferable because it acts in the direction of causing crystal transition.
[0104]
If necessary, a filtering operation may be performed using a suitable filter before the dispersion liquid prepared as described above is put into the coating apparatus. The filter for filtering the dispersion varies depending on the size of the coarse particles to be removed. However, according to the study of the present inventor, as a photoreceptor used in an electrophotographic apparatus requiring a resolution of about 600 dpi, The presence of coarse particles having a size of at least 3 μm affects the image. Therefore, a filter having an effective pore size of 3 μm or less should be used. More preferably, a filter having an effective pore size of 1 μm or less is used.
Regarding the effective pore diameter, the finer the pore size, the more effective it is at removing coarse particles. However, if the pore diameter is too small, the necessary pigment particles themselves are also filtered, so that an appropriate size exists. In addition, when it is too fine, problems such as a long time for filtration, clogging of the filter, and too much load when the liquid is sent using a pump or the like arise. The filter material used here is, of course, a material that is resistant to the solvent used in the dispersion to be filtered.
[0105]
In order to make the filtration operation effective, not only the average particle size of the pigment particles but also the distribution thereof is important. If the particle size distribution is wide, no matter how small the average particle size, there is a problem that the efficiency of filtration is lowered or necessary pigment particles are removed. The above-mentioned pigment particle size can be measured with a commercially available particle size measuring instrument or the like, but at the same time, the standard deviation of the particle size distribution is determined. At this time, if the volume average particle size is 0.2 μm or less and the standard deviation is about 0.2 μm or less, the particle size distribution is sufficiently narrow, and is within a range that does not cause a problem during filtration. Furthermore, it is important not to contain coarse particles of 1 μm or more after filtration.
The average particle size of the pigment in the present invention is a volume average particle size unless otherwise specified, and is determined by an ultracentrifugal automatic particle size distribution analyzer: CAPA-700 (manufactured by Horiba, Ltd.). In this case, the particle diameter was calculated as a particle diameter (Median type) corresponding to 50% of the cumulative distribution. At the same time, the standard deviation is measured.
[0106]
Next, the circulation coating device will be described.
The electrophotographic photoreceptor of the present invention is manufactured by a circulation type dip coating device equipped with a filtration device using the dispersion liquid prepared as described above.
FIG. 7 shows a schematic diagram of a typical circulation type dip coating apparatus.
[0107]
Here, 1 is a coating tank, 2 is a filter, 3 is a circulation pump, 4 is a stirring blade, 5 is a storage tank, 6 is a stirring motor, 7 is a conductive support, and 8 is an elevator. The arrow in the pipe indicates the direction in which the circulated coating liquid flows.
The dispersion prepared as described above is supplied to the coating apparatus. In the storage tank 5, dilution with the dispersion solvent evaporated by dip coating, adjustment of the liquid temperature by a not-shown jacket for heat retention, and the like are performed. At this time, the inside of the storage tank is stirred by the stirring blades operated by the stirring motor 6, and the dispersion liquid is homogenized.
[0108]
The dispersion in the storage tank is supplied to the coating tank 1 via the filter 2 by the circulation pump 3. As the pump to be used, a pump having a structure that does not give stress to the pigment particles in the dispersion is preferably used. A pump that applies a shear force to feed a liquid like a gear pump is not suitable, and a pump that does not apply a shear force such as a uniaxial eccentric screw pump is preferable.
The dispersion liquid sent by the pump 3 is supplied to the coating tank via the filter 2, but is constantly filtered by the filter 2 during circulation.
[0109]
The filter used here filters the dispersion once filtered with an effective pore diameter of 3 μm. However, as described above, the filter is formed by agglomerates generated in the dispersion staying portion in the circulation device or by slight crystal transition. It plays a role in filtering the aggregates formed. Here, it is important to use a filter having an effective pore size of 10 μm or less, and preferably to use a filter having an effective pore size of 5 μm or less. Generally, the finer the effective pore diameter, the more the aggregates and the like can be filtered. However, this is not a one-pass filtration as in the dispersion liquid filtration step before being put into the circulation device, but is a continuous circulation in the circulation device. , The pump is heavily loaded. If it is too fine, it may remove necessary pigment particles, and to avoid it, the frequency of regular filter replacement becomes very high. Disappears. Therefore, there is an appropriate range.
[0110]
According to the study of the present inventor, as a photoreceptor used in an image forming apparatus that requires a resolution of about 600 dpi, the presence of coarse particles of at least 3 μm affects the image. However, as described above, in the case of one pass, a filter having an effective pore diameter of 3 μm or less should be used. However, in the case of continuous circulation filtration, the effect can be expected even if it is not so fine, and as described above, the effect is effective. By using a filter having a pore size of 10 μm or less (preferably 5 μm or less), the effect of the present invention is exhibited. As the lower limit of the effective pore size of the filter, it is desirable to use a filter having a size of 1 μm or more even in the finest case. If it is less than this, the above-mentioned problem occurs, which is not preferable. The filter material used here is, of course, a material that is resistant to the solvent used in the dispersion to be filtered.
[0111]
Next, the dispersion liquid that has passed through the filter is supplied to the coating tank 2, and the amount exceeding the coating tank capacity overflows at the upper end of the coating tank and is returned to the storage tank 5. Regarding the timing of this circulation, the circulation may always be performed, including during the coating operation of the photoreceptor. However, since the vibration of the circulating pump may be picked up and a coating film defect may occur, the coating is preferably performed. Circulation should be stopped during the process.
Note that, during the coating being performed here, at least from when the conductive support stops at the lower end of the range of the elevator operation, until the lower end of the support exits the upper end of the coating tank. Things. When the support is in a lowered state, it is preferable that the circulation is continued, so that the dispersion near the surface of the support immersed in the dispersion (coating) liquid is made uniform.
[0112]
The circulating flow rate is determined by the pumping capacity of the pump, the degree of pressure increase in the circulating system, and the like. Preferably, a dispersion liquid having a volume larger than the support volume can be sent between the coating tacts. Only the circulation flow should be ensured. As a result, all the dispersions in the coating tank are replaced, and the history of the previously applied dispersion is not left, so that a good coating film can be formed.
Although not shown, it is desirable to provide an openable / closable lid at the upper end of the coating tank. In the dip coating method, since the coating is basically performed in an open system, evaporation of the organic solvent in the dispersion occurs. This is facilitated by the fact that the circulation always supplies new liquid (low concentration). Diffusion of the organic solvent into the atmosphere not only increases the cost of manufacturing the photoconductor, but also has a problem on the global environment. For this reason, it is desirable to provide an openable / closable lid, and to close the lid during a period in which the coating is not performed including the time between the coating tacts.
[0113]
The method for producing the desired photoreceptor is as follows.
In the present invention, the photosensitive layer (charge generation layer) of the photoreceptor is characterized, and a method for forming the charge generation layer will be described. The charge generation layer is formed by the dip coating device using the dispersion described above. Since the charge generation layer is formed by a wet coating method, it can be achieved by preparing a specific coating liquid (dispersion liquid) and then applying and drying this with a specific dip coating apparatus.
[0114]
Next, the electrophotographic photosensitive member of the present invention will be described with reference to the drawings.
FIG. 8 is a cross-sectional view showing the electrophotographic photoreceptor of the present invention, in which a charge generation layer 35 mainly composed of a charge generation substance and a charge transport layer mainly composed of a charge transport substance are provided on a conductive support 31. 37 are provided.
FIG. 9 is a cross-sectional view showing another configuration example of the electrophotographic photoreceptor of the present invention, in which a protection layer 39 is laminated on a charge generation layer 35 and a charge transport layer 37.
[0115]
The conductive support 31 has a volume resistance of 10 10 What shows conductivity of Ωcm or less, for example, aluminum, nickel, chromium, nichrome, copper, gold, silver, metals such as platinum, tin oxide, metal oxides such as indium oxide, by evaporation or sputtering, by film Or cylindrical plastic or paper-coated, or aluminum, aluminum alloy, nickel, stainless steel, etc. plates and extruded, drawn out, etc., then tubed, then cut, super-finished, polished, etc. Surface-treated tubes and the like can be used. Further, an endless nickel belt and an endless stainless belt described in JP-A-52-36016 can also be used as the conductive support 31.
Among them, a cylindrical support made of aluminum, which can be easily subjected to the anodic oxide film treatment, can be most preferably used. The aluminum referred to here includes both pure aluminum and aluminum alloy. Specifically, JIS 1000 series, 3000 series, and 6000 series aluminum or aluminum alloy is most suitable.
[0116]
The anodized film is obtained by anodizing various metals and various alloys in an electrolyte solution. Among them, a film called alumite obtained by anodizing aluminum or an aluminum alloy in an electrolyte solution is a photoreceptor used in the present invention. Is most suitable for In particular, it is excellent in preventing point defects (black spots, background stain) generated when used in reversal development (negative / positive development).
The anodic oxidation treatment is performed in an acidic bath such as chromic acid, sulfuric acid, oxalic acid, phosphoric acid, boric acid, and sulfamic acid. Of these, treatment with a sulfuric acid bath is most suitable. For example, sulfuric acid concentration: 10 to 20%, bath temperature: 5 to 25 ° C, current density: 1 to 4 A / dm 2 The treatment is performed within the range of about 5 to 30 minutes and the treatment time is about 5 to 60 minutes, but the present invention is not limited to this.
[0117]
Since the anodic oxide film thus produced is porous and has high insulation properties, the surface is very unstable. For this reason, there is a temporal change after the production, and the physical property value of the anodic oxide film is likely to change. In order to avoid this, it is desirable to further seal the anodic oxide film. Examples of the sealing treatment include a method of immersing the anodic oxide film in an aqueous solution containing nickel fluoride and nickel acetate, a method of immersing the anodic oxide film in boiling water, and a method of performing treatment with pressurized steam. Among them, the method of immersing in an aqueous solution containing nickel acetate is most preferable.
[0118]
Subsequent to the sealing treatment, a cleaning treatment of the anodic oxide film is performed. The main purpose of this is to remove excess metal salts and the like attached by the sealing treatment. If this remains on the surface of the support (anodic oxide film) excessively, it not only adversely affects the quality of the coating film formed thereon, but also generally causes low resistance components to remain. It will also be the cause. The washing may be a single washing with pure water, but usually washing at another stage is performed. At this time, it is preferable that the final cleaning liquid is as clean (deionized) as possible. In addition, it is desirable to perform physical rubbing cleaning with a contact member in one of the other cleaning steps. The thickness of the anodic oxide film formed as described above is desirably about 5 to 15 μm. If it is too thin, the barrier effect of the anodic oxide film is not sufficient, and if it is too thick, the time constant of the electrode becomes too large, resulting in the generation of residual potential and reduced photoconductor response. May be.
[0119]
In addition, a material obtained by dispersing a conductive powder in a suitable binder resin on the above support and applying the same can also be used as the conductive support 31 of the present invention.
Examples of the conductive powder include carbon black, acetylene black, metal powder such as aluminum, nickel, iron, nichrome, copper, zinc and silver, and metal oxide powder such as conductive tin oxide and ITO. Can be
The binder resins used simultaneously include polystyrene, styrene-acrylonitrile copolymer, styrene-butadiene copolymer, styrene-maleic anhydride copolymer, polyester, polyvinyl chloride, and vinyl chloride-vinyl acetate copolymer. , Polyvinyl acetate, polyvinylidene chloride, polyarylate resin, phenoxy resin, polycarbonate, cellulose acetate resin, ethyl cellulose resin, polyvinyl butyral, polyvinyl formal, polyvinyl toluene, poly-N-vinyl carbazole, acrylic resin, silicone resin, epoxy resin, Thermoplastic, thermosetting or photo-curable resins such as melamine resin, urethane resin, phenol resin and alkyd resin.
Such a conductive layer can be provided by dispersing the conductive powder and the binder resin in an appropriate solvent, for example, tetrahydrofuran, dichloromethane, methyl ethyl ketone, toluene, or the like, and applying the dispersion.
[0120]
Further, a heat-shrinkable tube containing the above-mentioned conductive powder in a material such as polyvinyl chloride, polypropylene, polyester, polystyrene, polyvinylidene chloride, polyethylene, chloride rubber, and polytetrafluoroethylene-based fluororesin on a suitable cylindrical substrate. A conductive layer provided with a conductive layer can also be favorably used as the conductive support (31) of the present invention.
[0121]
Next, the charge generation layer 35 will be described.
The charge generation layer 35 is a layer composed of a titanyl phthalocyanine crystal as a main component, which is synthesized as a charge generation material by a specific synthesis method, exhibits a specific X-ray diffraction spectrum, and has a specific primary particle size. After being prepared as a dispersion, it is charged into a circulation type dip coating apparatus, and is a layer formed using a dispersion that has been subjected to continuous filtration with a filter having an effective pore diameter of 10 μm or less.
[0122]
The charge generation layer 35 is obtained by dispersing the titanyl phthalocyanine crystal in a suitable solvent together with a binder resin as necessary using a ball mill, an attritor, a sand mill, ultrasonic waves, or the like, and applying this on a conductive support. It is formed by drying.
As necessary, the binder resin used for the charge generation layer 35 includes polyamide, polyurethane, epoxy resin, polyketone, polycarbonate, silicone resin, acrylic resin, polyvinyl butyral, polyvinyl formal, polyvinyl ketone, polystyrene, polysulfone, and poly-N -Vinyl carbazole, polyacrylamide, polyvinyl benzal, polyester, phenoxy resin, vinyl chloride-vinyl acetate copolymer, polyvinyl acetate, polyphenylene oxide, polyamide, polyvinyl pyridine, cellulose resin, casein, polyvinyl alcohol, polyvinyl pyrrolidone, etc. No. Above all, polyvinyl acetal represented by polyvinyl butyral is preferably used, and polyvinyl acetal (butyral) having an acetylation degree of 4 mol% or more is preferably used.
The amount of the binder resin is suitably 0 to 500 parts by weight, preferably 10 to 300 parts by weight, per 100 parts by weight of the charge generating substance.
[0123]
In the charge generation layer 35, it is also possible to use other charge generation materials in addition to the above-mentioned specific TiOPc. Representative examples thereof include monoazo pigments, disazo pigments, trisazo pigments, perylene pigments, perinone pigments, Examples thereof include quinacridone pigments, quinone condensed polycyclic compounds, squaric acid dyes, other phthalocyanine pigments, naphthalocyanine pigments, and azurenium salt dyes. As described above, when another charge generating material is used in combination, it is important that the charge generating material particles used in combination also have an average particle diameter having the above-described specific particle size distribution.
[0124]
Examples of the solvent used here include isopropanol, acetone, methyl ethyl ketone, cyclohexanone, tetrahydrofuran, dioxane, ethyl cellosolve, ethyl acetate, methyl acetate, dichloromethane, dichloroethane, monochlorobenzene, cyclohexane, toluene, xylene, ligroin, etc. In particular, ketone solvents, ester solvents, and ether solvents are preferably used. As a method for applying the coating solution, a method such as a dip coating method, a spray coat, a beat coat, a nozzle coat, a spinner coat, and a ring coat can be used.
[0125]
The thickness of the charge generation layer 35 is suitably about 0.01 to 5 μm, and preferably 0.1 to 2 μm.
[0126]
The charge transport layer 37 can be formed by dissolving or dispersing a charge transport material and a binder resin in a suitable solvent, applying the solution on the charge generation layer, and drying. If necessary, a plasticizer, a leveling agent, an antioxidant and the like can be added.
The charge transport materials include a hole transport material and an electron transport material.
Examples of the charge transporting material include chloranil, bromanil, tetracyanoethylene, tetracyanoquinodimethane, 2,4,7-trinitro-9-fluorenone, 2,4,5,7-tetranitro-9-fluorenone, 2,4 , 5,7-Tetranitroxanthone, 2,4,8-trinitrothioxanthone, 2,6,8-trinitro-4H-indeno [1,2-b] thiophen-4-one, 1,3,7-trione Electron accepting substances such as nitrodibenzothiophene-5,5-dioxide, benzoquinone derivatives and the like.
Examples of the hole transport material include poly-N-vinylcarbazole and derivatives thereof, poly-γ-carbazolylethylglutamate and derivatives thereof, pyrene-formaldehyde condensate and derivatives thereof, polyvinylpyrene, polyvinylphenanthrene, polysilane, and oxazole derivatives. Oxadiazole derivative, imidazole derivative, monoarylamine derivative, diarylamine derivative, triarylamine derivative, stilbene derivative, α-phenylstilbene derivative, benzidine derivative, diarylmethane derivative, triarylmethane derivative, 9-styrylanthracene derivative, pyrazoline Derivatives, divinylbenzene derivatives, hydrazone derivatives, indene derivatives, butadiene derivatives, pyrene derivatives, etc., bisstilbene derivatives, enamine derivatives, etc. And other known materials.
These charge transport materials are used alone or in combination of two or more.
[0127]
Since the photoreceptor of the present invention is used in digital copiers and digital printers for high-speed printing, among the above-mentioned charge transport materials, those having high mobility are effectively used. Specifically, the actually used electric field (approximately 1 × 10 5 (On the order of V / cm), the mobility of the charge transport layer is 1 × 10 -5 (Cm 2 / Vsec) or more, the characteristics of the charge generating substance used in the present invention can be sufficiently brought out.
[0128]
As the binder resin, polystyrene, styrene-acrylonitrile copolymer, styrene-butadiene copolymer, styrene-maleic anhydride copolymer, polyester, polyvinyl chloride, vinyl chloride-vinyl acetate copolymer, polyvinyl acetate, Polyvinylidene chloride, polyalate, phenoxy resin, polycarbonate, cellulose acetate resin, ethyl cellulose resin, polyvinyl butyral, polyvinyl formal, polyvinyl toluene, poly-N-vinyl carbazole, acrylic resin, silicone resin, epoxy resin, melamine resin, urethane resin, phenol Thermoplastic or thermosetting resins such as resin and alkyd resin.
[0129]
The amount of the charge transporting material is suitably 20 to 300 parts by weight, preferably 40 to 150 parts by weight based on 100 parts by weight of the binder resin. Further, the thickness of the charge transport layer is preferably about 5 to 100 μm. As the solvent used here, tetrahydrofuran, dioxane, toluene, dichloromethane, monochlorobenzene, dichloroethane, cyclohexanone, methyl ethyl ketone, acetone and the like are used.
[0130]
For the charge transport layer, a polymer charge transport material having both a function as a charge transport material and a function as a binder resin is preferably used. The charge transport layer composed of these polymeric charge transport materials has excellent abrasion resistance. As the polymer charge transporting substance, known materials can be used, and particularly, a polycarbonate containing a triarylamine structure in a main chain and / or a side chain is preferably used. Among them, polymer charge transport materials represented by the following formulas (1) to (10) are preferably used.
[0131]
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Figure 2004287070
Where R 1 , R 2 , R 3 Are each independently a substituted or unsubstituted alkyl group or halogen atom, R 4 Is a hydrogen atom or a substituted or unsubstituted alkyl group, R 5 , R 6 Is a substituted or unsubstituted aryl group, o, p, and q are each independently an integer of 0 to 4, k and j each represent a composition, and 0.1 ≦ k ≦ 1, 0 ≦ j ≦ 0.9, and n Represents the number of repeating units and is an integer of 5 to 5000. X represents an aliphatic divalent group, a cycloaliphatic divalent group, or a divalent group represented by the following general formula.
[0132]
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Figure 2004287070
R 101 , R 102 Each independently represents a substituted or unsubstituted alkyl group, aryl group or halogen atom. l and m are integers of 0 to 4, Y is a single bond, a linear, branched or cyclic alkylene group having 1 to 12 carbon atoms, -O-, -S-, -SO-, -SO 2 —, —CO—, —CO—O—Z—O—CO— (wherein Z represents an aliphatic divalent group) or
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Figure 2004287070
(A is an integer of 1 to 20, b is an integer of 1 to 2000, R 103 , R 104 Represents a substituted or unsubstituted alkyl group or an aryl group). Where R 101 And R 102 , R 103 And R 104 May be the same or different.
[0133]
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Figure 2004287070
Where R 7 , R 8 Is a substituted or unsubstituted aryl group, Ar 1 , Ar 2 , Ar 3 Represents the same or different arylene groups. X, k, j and n are the same as in the case of equation (1).
[0134]
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Figure 2004287070
Where R 9 , R 10 Is a substituted or unsubstituted aryl group, Ar 4 , Ar 5 , Ar 6 Represents the same or different arylene groups. X, k, j and n are the same as in the case of equation (1).
[0135]
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Figure 2004287070
Where R 11 , R 12 Is a substituted or unsubstituted aryl group, Ar 7 , Ar 8 , Ar 9 Represents the same or different arylene group, and p represents an integer of 1 to 5. X, k, j and n are the same as in the case of equation (1).
[0136]
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Figure 2004287070
Where R Thirteen , R 14 Is a substituted or unsubstituted aryl group, Ar 10 , Ar 11 , Ar 12 Are the same or different arylene groups, X 1 , X 2 Represents a substituted or unsubstituted ethylene group or a substituted or unsubstituted vinylene group. X, k, j and n are the same as in the case of equation (1).
[0137]
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Figure 2004287070
Where R Fifteen , R 16 , R 17 , R 18 Is a substituted or unsubstituted aryl group, Ar Thirteen , Ar 14 , Ar Fifteen , Ar 16 Are the same or different arylene groups, Y 1 , Y 2 , Y 3 Represents a single bond, a substituted or unsubstituted alkylene group, a substituted or unsubstituted cycloalkylene group, a substituted or unsubstituted alkylene ether group, an oxygen atom, a sulfur atom, and a vinylene group, and may be the same or different. X, k, j and n are the same as in the case of equation (1).
[0138]
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Figure 2004287070
Where R 19 , R 20 Represents a hydrogen atom, a substituted or unsubstituted aryl group; 19 And R 20 May form a ring. Ar 17 , Ar 18 , Ar 19 Represents the same or different arylene groups. X, k, j and n are the same as in the case of equation (1).
[0139]
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Figure 2004287070
Where R 21 Is a substituted or unsubstituted aryl group, Ar 20 , Ar 21 , Ar 22 , Ar 23 Represents the same or different arylene groups. X, k, j and n are the same as in the case of equation (1).
[0140]
Embedded image
Figure 2004287070
Where R 22 , R 23 , R 24 , R 25 Is a substituted or unsubstituted aryl group, Ar 24 , Ar 25 , Ar 26 , Ar 27 , Ar 28 Represents the same or different arylene groups. X, k, j and n are the same as in the case of equation (1).
[0141]
Embedded image
Figure 2004287070
Where R 26 , R 27 Is a substituted or unsubstituted aryl group, Ar 29 , Ar 30 , Ar 31 Represents the same or different arylene groups. X, k, j and n are the same as in the case of equation (1).
[0142]
In addition, as the polymer charge transporting material used in the charge transporting layer, in addition to the above-described polymer charge transporting material, in the state of a monomer or oligomer having an electron donating group when forming the charge transporting layer, A polymer having a two-dimensional or three-dimensional crosslinked structure is finally included by a curing reaction or a crosslinking reaction.
[0143]
A charge transport layer composed of a polymer having an electron donating group or a polymer having a crosslinked structure is excellent in abrasion resistance. Normally, in an electrophotographic process, the charging potential (potential of an unexposed portion) is constant. Therefore, when the surface layer of the photoconductor is worn by repeated use, the electric field intensity applied to the photoconductor increases accordingly. As the electric field intensity increases, the frequency of occurrence of background contamination increases. Therefore, the high wear resistance of the photoconductor is advantageous against background contamination. The charge transport layer composed of a polymer having these electron donating groups is excellent in film-forming properties because it is a polymer compound itself, and has a charge transport site as compared with the charge transport layer composed of a low molecular weight dispersed polymer. It can be formed at high density and has excellent charge transporting ability. Therefore, a high-speed response can be expected for a photoreceptor having a charge transport layer using a polymer charge transport material.
[0144]
Other polymers having an electron donating group include copolymers of known monomers, block polymers, graft polymers, star polymers, and, for example, JP-A-3-109406, JP-A-2000- It is also possible to use a crosslinked polymer having an electron donating group as disclosed in JP-A-206723, JP-A-2001-34001 and the like. Also in this case, a material that can satisfy the above mobility can be effectively used.
[0145]
In the present invention, a plasticizer or a leveling agent may be added to the charge transport layer 37.
As the plasticizer, those used as plasticizers for general resins such as dibutyl phthalate and dioctyl phthalate can be used as they are, and the amount of the plasticizer is suitably about 0 to 30% by weight based on the binder resin.
As the leveling agent, silicone oils such as dimethyl silicone oil and methyl phenyl silicone oil, and polymers or oligomers having a perfluoroalkyl group in a side chain are used. 1% by weight is suitable.
[0146]
As the binder resin, in addition to using the binder resin previously described for the charge transport layer 37 as it is, a mixture of the binder resins described in the method of preparing the dispersion may be used. Of course, the above-mentioned polymer charge transport materials can also be used favorably. The amount of the charge generating substance is preferably 5 to 40 parts by weight based on 100 parts by weight of the binder resin, and the amount of the charge transporting substance is preferably 1 to 190 parts by weight, more preferably 50 to 150 parts by weight, based on 100 parts by weight of the binder resin. It is.
[0147]
The single-layer photosensitive layer is formed by dip coating or spraying a coating liquid obtained by dispersing a charge generating substance and a binder resin together with a charge transporting substance, if necessary, using a solvent such as tetrahydrofuran, dioxane, dichloroethane, or cyclohexane using a dispersing machine or the like. It can be formed by coating with a coat or a bead coat. The thickness of the single-layer photosensitive layer is suitably about 5 to 100 μm.
[0148]
In the electrophotographic photoreceptor of the present invention, an undercoat layer can be provided between the conductive support 31 and the photosensitive layer. The undercoat layer generally contains a resin as a main component. However, considering that the photosensitive layer is coated thereon with a solvent, these resins may be resins having high solvent resistance to general organic solvents. desirable.
Examples of such a resin include water-soluble resins such as polyvinyl alcohol, casein, and sodium polyacrylate, copolymer-soluble nylons, alcohol-soluble resins such as methoxymethylated nylon, polyurethane, melamine resins, phenol resins, alkyd-melamine resins, and epoxy resins. Curable resins that form a three-dimensional network structure, such as resins, are exemplified. Further, a fine powder pigment of a metal oxide exemplified by titanium oxide, silica, alumina, zirconium oxide, tin oxide, indium oxide and the like may be added to the undercoat layer in order to prevent moiré and reduce residual potential.
[0149]
These undercoat layers can be formed using an appropriate solvent and a coating method as in the above-described photosensitive layer. Further, a silane coupling agent, a titanium coupling agent, a chromium coupling agent, or the like can be used as the undercoat layer of the present invention. In addition, the undercoat layer of the present invention includes Al 2 O 3 Provided by anodic oxidation, organic substances such as polyparaxylylene (parylene) or SiO 2 , SnO 2 , TiO 2 , ITO, CeO 2 Also, inorganic materials such as those provided by a vacuum thin film forming method can be used favorably. In addition, known materials can be used. The thickness of the undercoat layer is suitably from 0 to 5 μm.
[0150]
In the electrophotographic photoreceptor of the present invention, a protective layer may be provided on the photosensitive layer for the purpose of protecting the photosensitive layer. 2. Description of the Related Art In recent years, computers have been used on a daily basis, and there is a demand for high-speed output by a printer and downsizing of the apparatus. Therefore, by providing the protective layer and improving the durability, the photosensitive member of the present invention having high sensitivity and free from abnormal defects can be effectively used.
[0151]
Materials used for the protective layer include ABS resin, ACS resin, olefin-vinyl monomer copolymer, chlorinated polyether, allyl resin, phenol resin, polyacetal, polyamide, polyamideimide, polyacrylate, polyallyl sulfone, polybutylene, Polybutylene terephthalate, polycarbonate, polyarylate, polyether sulfone, polyethylene, polyethylene terephthalate, polyimide, acrylic resin, polymethylbenthene, polypropylene, polyphenylene oxide, polysulfone, polystyrene, AS resin, butadiene-styrene copolymer, polyurethane, polychloride Resins such as vinyl, polyvinylidene chloride, and epoxy resin are exemplified. Among them, polycarbonate or polyarylate can be most preferably used.
[0152]
In addition to the protective layer, a fluorine resin such as polytetrafluoroethylene, a silicone resin, and an inorganic filler such as titanium oxide, tin oxide, potassium titanate, silica, etc. A filler or the like dispersed therein can be added.
[0153]
Further, among the filler materials used for the protective layer of the photoreceptor, examples of the organic filler material include a fluororesin powder such as polytetrafluoroethylene, a silicone resin powder, an a-carbon powder, and the like. Are metal powders such as copper, tin, aluminum and indium; metals such as silica, tin oxide, zinc oxide, titanium oxide, indium oxide, antimony oxide, bismuth oxide, tin oxide doped with antimony, and tin-doped indium oxide. Inorganic materials such as oxides and potassium titanate are exemplified. Particularly, from the viewpoint of the hardness of the filler, it is advantageous to use an inorganic material among them. In particular, silica, titanium oxide, and alumina can be effectively used. Further, among these, α-alumina having a hexagonal close-packed structure can be used most effectively.
[0154]
Although the filler concentration in the protective layer varies depending on the type of filler used and the electrophotographic process conditions using the photoreceptor, the ratio of the filler to the total solid content on the outermost layer side of the protective layer is 5% by weight or more, preferably 10% by weight or more and 50% by weight or less, preferably about 30% by weight or less are good.
[0155]
The volume average particle diameter of the filler to be used is preferably 0.1 μm to 2 μm, and more preferably 0.3 μm to 1 μm. In this case, if the average particle size is too small, the abrasion resistance is not sufficiently exhibited, and if the average particle size is too large, the surface properties of the coating film deteriorate, or the coating film itself cannot be formed.
The average particle size of the filler in the present invention is a volume average particle size unless otherwise specified, and is determined by an ultracentrifugal automatic particle size distribution analyzer: CAPA-700 (manufactured by Horiba, Ltd.). In this case, the particle diameter was calculated as a particle diameter (Median type) corresponding to 50% of the cumulative distribution. It is important that the standard deviation of each particle measured at the same time is 1 μm or less. If the value of the standard deviation is larger than this, the effect of the present invention may not be obtained remarkably because the particle size distribution is too wide.
[0156]
Further, the pH of the filler used in the present invention greatly affects the resolution and the dispersibility of the filler.
As one of the reasons, it is considered that hydrochloric acid or the like remains during the production of fillers, especially metal oxides. When the residual amount is large, the occurrence of image blur is inevitable, and depending on the residual amount, it may affect the dispersibility of the filler.
[0157]
Another reason is that the chargeability on the surface of the filler, especially the metal oxide, is different. Usually, particles dispersed in a liquid are positively or negatively charged, and ions having opposite charges gather in an attempt to keep it electrically neutral, where an electric double layer is formed. Stabilizes the dispersed state of the particles. As the distance from the particle increases, its potential (zeta potential) gradually decreases, and the potential of a region sufficiently far from the particle and electrically neutral becomes zero. Therefore, the stability increases as the repulsive force of the particles increases due to the increase in the absolute value of the zeta potential, and the particles tend to aggregate and become unstable as the value approaches zero. On the other hand, the zeta potential varies greatly depending on the pH value of the system, and at a certain pH value, the potential becomes zero and has an isoelectric point. Therefore, the dispersion system is stabilized by increasing the absolute value of the zeta potential as far as possible from the isoelectric point of the system.
[0158]
In the constitution of the present invention, as the filler, those having a pH at the above-mentioned isoelectric point of at least 5 are preferable from the viewpoint of suppressing image blur, and the more the filler is more basic, the higher the effect tends to be. It was confirmed that there was. The filler having a high pH at the isoelectric point and exhibiting a basic property has a higher zeta potential when the system is acidic, so that the dispersibility and the stability thereof are improved.
Here, the pH of the filler in the present invention is a pH value at the isoelectric point from the zeta potential. At this time, the zeta potential was measured with a laser zeta potentiometer manufactured by Otsuka Electronics Co., Ltd.
[0159]
Further, as a filler which is less likely to cause image blur, a filler having a high electrical insulation property (a specific resistance of 10 10 Ω · cm or more), and those having a filler pH of 5 or more and those having a filler dielectric constant of 5 or more can be used particularly effectively. In addition, a filler having a pH of 5 or more or a filler having a dielectric constant of 5 or more may be used alone, or a mixture of two or more fillers having a pH of 5 or less and a filler having a pH of 5 or more may be used. It is also possible to use a mixture of two or more fillers having a dielectric constant of 5 or less and a filler having a dielectric constant of 5 or more. Among these fillers, α-alumina, which has high insulation properties, high thermal stability, and high abrasion resistance, has a hexagonal close-packed structure, is used to suppress image blur and improve abrasion resistance. Especially useful.
[0160]
The specific resistance of the filler used in the present invention is defined as follows. Since the specific resistance of a powder such as a filler varies depending on the filling rate, it is necessary to measure the powder under a certain condition. In the present invention, the specific resistance value of the filler was measured using an apparatus having the same configuration as the measuring apparatus shown in FIG. 1 of JP-A-5-94049 and FIG. 1 of JP-A-5-113688. This value was used. In the measuring device, the electrode area is 4.0 cm 2 It is. Before the measurement, a load of 4 kg is applied to one electrode on one side for 1 minute, and the amount of the sample is adjusted so that the distance between the electrodes becomes 4 mm. At the time of the measurement, the measurement is performed under a load state of the weight (1 kg) of the upper electrode, and the applied voltage is measured at 100V. 10 6 The region of Ω · cm or more was measured with a HIGH RESISTANCE METER (Yokogawa Hewlett-Packard), and the region below Ω · cm was measured with a digital multimeter (Fluque). The specific resistance value thus obtained is defined as the specific resistance value according to the present invention.
[0161]
The dielectric constant of the filler was measured as follows. After applying a load using the same cell as that for measuring the specific resistance as described above, the capacitance was measured, and the dielectric constant was determined from this. The capacitance was measured using a dielectric loss measuring device (manufactured by Ando Electric).
[0162]
Furthermore, these fillers can be surface-treated with at least one surface treatment agent, and it is preferable to do so from the viewpoint of filler dispersibility. A decrease in the dispersibility of the filler not only increases the residual potential, but also causes a decrease in the transparency of the coating film, the occurrence of coating film defects, and a decrease in abrasion resistance, which hinders high durability or high image quality. It can evolve into a big problem.
[0163]
As the surface treatment agent, all the surface treatment agents conventionally used can be used, but a surface treatment agent capable of maintaining the insulating property of the filler is preferable. For example, titanate-based coupling agents, aluminum-based coupling agents, zirco-aluminate-based coupling agents, higher fatty acids, etc., or a mixture treatment of these with a silane coupling agent, Al 2 O 3 , TiO 2 , ZrO 2 , Silicone, aluminum stearate, etc., or a mixture thereof is more preferable from the viewpoint of filler dispersibility and image blur.
The treatment with the silane coupling agent has a strong effect of image blur, but the effect of mixing the surface treatment agent with the silane coupling agent may be suppressed in some cases.
[0164]
The surface treatment amount varies depending on the average primary particle size of the filler used, but 3 to 30% by weight is suitable, and 5 to 20% by weight is more preferable. If the amount of the surface treatment is smaller than this, the effect of dispersing the filler cannot be obtained, and if the amount is too large, the residual potential is significantly increased.
[0165]
These filler materials are used alone or in combination of two or more. The surface treatment amount of the filler is defined by the weight ratio of the surface treatment agent used to the filler amount as described above.
These filler materials can be dispersed by using an appropriate disperser. Further, from the viewpoint of the transmittance of the protective layer, it is preferable that the filler used is dispersed to the level of the primary particles and the amount of the aggregate is small.
[0166]
Further, the protective layer may contain a charge transporting substance for reducing the residual potential and improving the response. As the charge transporting substance, the materials described in the description of the charge transporting layer can be used. When a low molecular charge transport material is used as the charge transport material, a concentration gradient in the protective layer may be provided. It is an effective means to reduce the concentration on the surface side in order to improve abrasion resistance.
[0167]
The concentration here represents the ratio of the weight of the low-molecular charge transporting substance to the total weight of all the materials constituting the protective layer, and the concentration gradient is such that the concentration becomes lower on the surface side at the above weight ratio. It indicates that.
The use of a charge transport polymer is very advantageous in that the durability of the photoreceptor is improved.
[0168]
When the components other than the filler of the protective layer are composed of only a polymer, not only the mechanical abrasion resistance can be improved but also the chemical stability can be enhanced. Higher polymers have lower chemical reactivity than lower molecules, and have high resistance to oxidizing gas generated from the charging member or high resistance to sputtering effect by discharge. When a film having high abrasion resistance such as a protective layer is provided on the surface, the problem of image blurring due to repeated use becomes very prominent. This is thought to be due to adsorption of oxidizing gas and adhesion (adsorption) of a low-resistance substance to the surface of the photoreceptor. As described above, the protective layer composed of only the filler and the polymer component is employed. In this case, the number of adsorption sites is reduced, which shows a high effect on image blur.
[0169]
As a method for forming the protective layer, a normal coating method is employed. The thickness of the protective layer is suitably about 0.1 to 10 μm. In addition to the above, known materials such as aC and a-SiC formed by a vacuum thin film forming method can be used as the protective layer.
[0170]
As described above, the use of a polymeric charge transport material in the photosensitive layer (charge transport layer) or the provision of a protective layer on the surface of the photoconductor increases the durability (wear resistance) of each photoconductor. In addition, when used in a tandem-type full-color image forming apparatus as described below, it produces a new effect not found in a monochrome image forming apparatus.
[0171]
In the case of a full-color image, various types of images are input. On the contrary, a standard image may be input. For example, the presence of a seal in a Japanese document or the like. Something like a stamp is usually located near the edge of the image area, and the colors used are also limited. Also, tandem type full color machines are becoming mainstream, and the printing speed has been greatly improved. For this reason, the output of business documents has been increasing, and the number of cases of outputting a format (a document) using, for example, a company logo has also increased. In such a case, since printing is performed only at a specific location, the bias in the use of the photoconductor is further increased.
[0172]
In a state where a random image is always written, image writing, development and transfer are performed on the photoreceptor in the image forming element on average. When a large number of image formations are repeated or when only a specific image formation element is used, the durability of the image formation element is not balanced. When a photoreceptor having a small surface durability (physical, chemical, mechanical) is used in such a state, the difference becomes remarkable, which tends to cause an image problem. On the other hand, when the photoreceptor is made highly durable, such a local change amount is small, and as a result, it becomes difficult to appear as a defect on an image. It is also very effective.
[0173]
In the photoreceptor of the present invention, an intermediate layer may be provided between the photosensitive layer and the protective layer.
The intermediate layer generally uses a binder resin as a main component. Examples of these resins include polyamide, alcohol-soluble nylon, water-soluble polyvinyl butyral, polyvinyl butyral, and polyvinyl alcohol. As a method for forming the intermediate layer, a normal coating method is employed as described above. The thickness of the intermediate layer is suitably about 0.05 to 2 μm.
[0174]
Next, the electrophotographic apparatus and the process cartridge of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
FIG. 10 is a schematic diagram for explaining the electrophotographic process and the electrophotographic apparatus of the present invention, and the following modified examples also belong to the category of the present invention.
[0175]
In FIG. 10, a photoreceptor 1 is provided with a charge generation layer and a charge transport layer formed on a conductive support by a specific manufacturing method. For the charging member 3, the pre-transfer charger 7, the transfer charger 10, the separation charger 11, and the pre-cleaning charger 13, known means such as a corotron, a scorotron, a solid state charger (solid state charger), and a charging roller are used. Can be
[0176]
As the charging member, one that is in contact with or close to the photoconductor 1 is preferably used. In addition, when charging the photosensitive member by the charging member, the charging member is charged by an electric field in which an AC component is superimposed on a DC component, thereby effectively reducing charging unevenness.
In particular, in a tandem-type full-color image forming apparatus to be described later, in addition to the problem of density unevenness of a halftone image due to uneven charging caused in the case of a monochrome image forming apparatus, there is a major problem of deterioration in color balance (color reproducibility). Connect. By superimposing the AC component on the DC component, the above problem is greatly improved. However, if the conditions of the AC component (frequency and peak-to-peak voltage) are too large, the hazard to the photoconductor becomes large. In some cases, the deterioration of the photoconductor is accelerated. For this reason, the superposition of the AC component should be kept to the minimum necessary.
[0177]
The frequency of the AC component varies depending on the linear speed of the photoreceptor or the like, but 3 kHz or less, preferably 2 kHz or less is appropriate. Regarding the peak-to-peak voltage, when plotting the relationship between the voltage applied to the charging member and the charging potential to the photoconductor, there is a region where the photoconductor is not charged even though the voltage is applied, and charging rises from a certain point. A potential is observed. Approximately twice the rising potential is an optimal potential (usually about 1200 to 1500 V) as a peak-to-peak voltage. However, when the charging ability of the photoconductor is low or the linear velocity is extremely high, the peak-to-peak voltage twice as high as the rising potential may be insufficient as described above. Conversely, when the chargeability is good, even if the chargeability is twice or less, the potential stability may be sufficiently exhibited. Therefore, the peak-to-peak voltage is preferably three times or less, and more preferably twice or less, the rising potential. If the peak-to-peak voltage is rewritten as an absolute value, it is desirable that the voltage be used at 3 kV or less, preferably 2 kV or less, more preferably 1.5 kV or less.
[0178]
Here, the contact-type charging member is of a type in which the surface of the charging member comes into contact with the surface of the photoreceptor, and includes a charging roller, a charging blade, and a charging brush. Among them, a charging roller and a charging brush are preferably used.
In addition, the charging member disposed close to the charging member is a type in which the charging member is disposed in a non-contact state so as to have a gap (gap) of 200 μm or less between the surface of the photoconductor and the surface of the charging member. If this gap is too large, charging tends to be unstable, and if it is too small, the surface of the charging member may be contaminated if toner remaining on the photoreceptor exists. . Therefore, the gap is suitably in the range of 10 to 200 μm, preferably 10 to 100 μm. From the distance of the air gap, it is distinguished from a known charging wire type charger such as a corotron and a scorotron, and a contact charging member such as a contact type charging roller, a charging brush, and a charging blade.
[0179]
Since the surface of such a charging member is placed in a state of non-contact with the surface of the photoreceptor, there is little toner contamination on the surface of the charging member, little wear on the surface of the charging member, and physical properties of the surface of the charging member. In this case, the charging member has an advantage that it has little static / chemical deterioration, and a high durability of the charging member itself can be realized. When the above-mentioned problems occur due to the use of the contact charging member and the durability of the charging member is reduced, the charging ability is reduced or the charging becomes non-uniform in repeated use in the electrophotographic apparatus. Or In order to avoid this charging failure, measures such as increasing the voltage applied to the charging member in accordance with the reduction of the charging ability are taken in repeated use. In that case, the hazard due to the charging of the photoconductor increases, and as a result, the durability of the photoconductor is reduced, and an abnormal image is generated. Further, as the voltage applied to the charging member increases, the durability of the charging member itself also decreases. However, by using a non-contact charging member, the charging capability of the charging member is stabilized due to the high durability of the charging member, thereby improving the durability and stability of the charging member, the photoreceptor, and eventually the entire system. Will be.
[0180]
The charging member arranged in close proximity to be used in the present invention may have any mechanism capable of appropriately controlling the gap with the surface of the photoreceptor. For example, the rotation axis of the photoreceptor and the rotation axis of the charging member may be mechanically fixed so as to have an appropriate gap. Among them, a method in which a charging member having a shape of a charging roller is used, gap forming members are arranged at both ends of a non-image forming portion of the charging member, and only this portion is brought into contact with the photoreceptor surface, and an image forming region is arranged in a non-contact manner. Alternatively, a method of arranging a gap forming member at both ends of the photoreceptor non-image forming portion and abutting only this portion on the surface of the charging member to dispose the image forming region in a non-contact manner stably stabilizes the gap by a simple method. It is a method that can be maintained. In particular, the methods described in JP-A-2002-148904 and JP-A-2002-148905 can be used favorably.
FIG. 11 shows an example of a proximity charging mechanism in which a gap forming member is arranged on the charging member side.
[0181]
As the transfer means, generally, the above-mentioned charger can be used. However, as shown in FIG. 10, a combination of the transfer charger 10 and the separation charger 11 is effective.
[0182]
Further, an LD or LED is used as a light source of the image exposure unit 5. As a light source such as the static elimination lamp 2, a general light emitting material such as a fluorescent lamp, a tungsten lamp, a halogen lamp, a mercury lamp, a sodium lamp, a light emitting diode (LED), a semiconductor laser (LD), and an electroluminescence (EL) can be used. . To irradiate only light in a desired wavelength range, various filters such as a sharp cut filter, a band pass filter, a near infrared cut filter, a dichroic filter, an interference filter, and a color temperature conversion filter can be used.
[0183]
Such a light source or the like irradiates the photoreceptor with light by providing a transfer step, a charge removal step, a cleaning step, or a pre-exposure step using light irradiation in addition to the step shown in FIG.
[0184]
The toner developed on the photoconductor 1 by the developing unit 6 is transferred to the transfer paper 9, but not all of the toner is transferred, and some toner remains on the photoconductor 1. Such toner is removed from the photoconductor by the fur brush 14 and the blade 15.
Cleaning may be performed only with a cleaning brush, and a known brush such as a fur brush or a mag fur brush is used as the cleaning brush.
[0185]
When a positive (negative) charge is applied to the electrophotographic photosensitive member and image exposure is performed, a positive (negative) electrostatic latent image is formed on the surface of the photosensitive member. If this is developed with a negative (positive) polarity toner (electric detection fine particles), a positive image can be obtained, and if it is developed with a positive (negative) polarity toner, a negative image can be obtained.
A known method is applied to the developing means, and a known method is also used for the charge removing means.
[0186]
FIG. 12 shows another example of the image forming process according to the present invention. The photoreceptor 21 has a charge generation layer and a charge transport layer provided on a conductive support. It is driven by the drive rollers 22a and 22b, and is charged by the charger 23, image exposure by the light source 24, development (not shown), transfer using the charger 25, pre-cleaning exposure by the light source 26, cleaning by the brush 27, cleaning by the light source 28 Static elimination is performed repeatedly. In FIG. 12, the photosensitive member 21 (of course, the support is translucent) is irradiated with light for image exposure from the support side. As the image exposure source 24, an LD or an LED is preferably used.
[0187]
The illustrated image forming process is an example of an embodiment of the present invention, and other embodiments are of course possible. For example, although the pre-cleaning exposure is performed from the photosensitive layer side in FIG. 12, this may be performed from the translucent support side, or the irradiation of the static elimination light may be performed from the support side.
On the other hand, in the light irradiation step, image exposure, pre-cleaning exposure, and charge removal exposure are shown, but in addition, pre-transfer exposure, pre-exposure of image exposure, and other known light irradiation steps are provided, and the photoconductor is exposed to light. Irradiation can also be performed.
[0188]
The image forming means as described above may be fixedly incorporated in a copying apparatus, a facsimile, or a printer, or may be incorporated in the apparatus in the form of a process cartridge. The process cartridge is one device (part) that includes a photoconductor, and further includes a charging unit, an exposure unit, a developing unit, a transfer unit, a cleaning unit, and a discharging unit. There are many shapes and the like of the process cartridge, and as a general example, the one shown in FIG. The photoreceptor 16 is provided with a charge generation layer and a charge transport layer formed on a conductive support by a specific manufacturing method.
[0189]
FIG. 14 is a schematic diagram for explaining a tandem-type full-color image forming apparatus of the present invention, and the following modified examples also belong to the category of the present invention.
In FIG. 14, reference numerals 1C, 1M, 1Y, and 1K denote drum-shaped photoconductors. The photoconductors 1C, 1M, 1Y, and 1K rotate in the direction of the arrow in FIG. , 2M, 2Y, 2K, developing members 4C, 4M, 4Y, 4K, and cleaning members 5C, 5M, 5Y, 5K.
[0190]
The charging members 2C, 2M, 2Y, and 2K are charging members constituting a charging device for uniformly charging the surface of the photoconductor. Laser light 3C, 3M, 3Y, 3K from an exposure member (not shown) is irradiated from the back side of the photosensitive member between the charging members 2C, 2M, 2Y, 2K and the developing members 4C, 4M, 4Y, 4K, An electrostatic latent image is formed on each of 1C, 1M, 1Y, and 1K. Then, four image forming elements 6C, 6M, 6Y, and 6K centering on such photoconductors 1C, 1M, 1Y, and 1K are arranged side by side along a transfer conveyance belt 10 that is a transfer material conveyance unit.
[0191]
The transfer conveyance belt 10 contacts the photoconductors 1C, 1M, 1Y, and 1K between the developing members 4C, 4M, 4Y, and 4K and the cleaning members 5C, 5M, 5Y, and 5K of the image forming units 6C, 6M, 6Y, and 6K. Transfer brushes 11C, 11M, 11Y, and 11K for applying a transfer bias are disposed on a surface (rear surface) of the transfer conveyance belt 10 that is in contact with the photoconductor side of the transfer conveyance belt 10 (rear surface).
[0192]
Each of the image forming elements 6C, 6M, 6Y, and 6K is different in the color of the toner inside the developing device, and all the other components have the same configuration.
[0193]
In the color image forming apparatus having the configuration shown in FIG. 14, the image forming operation is performed as follows.
First, in each of the image forming elements 6C, 6M, 6Y, and 6K, the photoconductors 1C, 1M, 1Y, and 1K are charged by the charging members 2C, 2M, 2Y, and 2K that rotate in the arrow direction (the direction along the photoconductor). Then, an electrostatic latent image corresponding to the image of each color to be formed is formed by the laser beams 3C, 3M, 3Y, and 3K in an exposure unit (not shown) arranged inside the photoconductor. Next, the latent images are developed by the developing members 4C, 4M, 4Y, and 4K to form toner images.
[0194]
Developing members 4C, 4M, 4Y, and 4K are developing members that perform development with C (cyan), M (magenta), Y (yellow), and K (black) toners, respectively, and include four photoconductors 1C, 1M, and 1Y. 1K are superimposed on transfer paper.
[0195]
The transfer paper 7 is sent out of a tray by a paper feed roller 8, temporarily stopped by a pair of registration rollers 9, and sent to a transfer conveyance belt 10 at the same time as the image formation on the photosensitive member. The transfer paper 7 held on the transfer / conveyance belt 10 is conveyed, and the transfer of the toner image of each color is performed at a contact position (transfer portion) with each of the photoconductors 1C, 1M, 1Y, and 1K. The toner image on the photoconductor is transferred onto the transfer paper 7 by an electric field formed by a transfer bias applied to the transfer brushes 11C, 11M, 11Y, and 11K and a potential difference between the photoconductors 1C, 1M, 1Y, and 1K. You.
[0196]
Then, the recording paper 7 on which the four color toner images are superimposed through the four transfer units is conveyed to the fixing device 12, where the toner is fixed, and is discharged to a discharge unit (not shown). Further, residual toner remaining on each of the photoconductors 1C, 1M, 1Y, and 1K without being transferred by the transfer unit is collected by the cleaning devices 5C, 5M, 5Y, and 5K.
[0197]
In the example of FIG. 14, the image forming elements are arranged in the order of C (cyan), M (magenta), Y (yellow), and K (black) from the upstream side to the downstream side in the transfer paper transport direction. However, the order is not limited to this order, and the color order is arbitrarily set. In addition, when a black-only document is created, providing a mechanism for stopping the image forming elements (6C, 6M, 6Y) other than black can be particularly effectively used in the present invention. Further, in FIG. 14, the charging member is in contact with the photoreceptor, but by providing an appropriate gap (about 10 to 200 μm) between the two, the amount of wear of both can be reduced and the charging member Less toner filming and good use.
[0198]
The image forming means as described above may be fixedly incorporated in a copying machine, a facsimile, or a printer, but each electrophotographic element may be incorporated in the apparatus in the form of a process cartridge. The process cartridge is one device (part) that includes a photoconductor and further includes at least one of a charging unit, an exposing unit, a developing unit, a transferring unit, a cleaning unit, and a discharging unit.
[0199]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described with reference to examples, but the present invention is not limited by the examples. All parts are parts by weight.
First, a specific synthesis example of titanyl phthalocyanine in the present invention will be described.
[0200]
(Pigment Production Example 1)
292 parts of 1,3-diiminoisoindoline and 1800 parts of sulfolane are mixed, and 204 parts of titanium tetrabutoxide are added dropwise under a nitrogen stream. After completion of the dropwise addition, the temperature was gradually raised to 180 ° C., and the reaction was carried out by stirring for 5 hours while maintaining the reaction temperature between 170 ° C. and 180 ° C. After the reaction, the precipitate was filtered after standing to cool, washed with chloroform until the powder turned blue, then washed with methanol several times, further washed with hot water of 80 ° C. several times, and dried. Crude titanyl phthalocyanine was obtained.
[0201]
60 parts of the obtained crude titanyl phthalocyanine pigment subjected to the hot water washing treatment was stirred and dissolved in 1,000 parts of 96% sulfuric acid at 3 to 5 ° C. and filtered. The obtained sulfuric acid solution was dropped into 35,000 parts of ice water while stirring, and the precipitated crystals were filtered and then washed repeatedly with water until the washing liquid became neutral, to obtain a water paste of titanyl phthalocyanine pigment.
[0202]
1500 parts of tetrahydrofuran is added to this water paste, and the mixture is vigorously stirred (2000 rpm) at room temperature with a homomixer (Kennis, MARKIIf model). When the dark blue color of the paste changes to pale blue (20 minutes after the start of stirring), The stirring was stopped, and filtration under reduced pressure was immediately performed. The crystals obtained on the filter were washed with tetrahydrofuran to obtain 98 parts of a pigment wet cake. This was dried at 70 ° C. under reduced pressure (5 mmHg) for 2 days to obtain 78 parts of titanyl phthalocyanine crystals. This is referred to as Pigment 1.
[0203]
(Pigment Production Example 2)
The same treatment as in Pigment Production Example 1 was carried out except that the crystal conversion solvent in Pigment Production Example 1 was changed from tetrahydrofuran to toluene, to obtain titanyl phthalocyanine crystals. This is designated as Pigment 2.
[0204]
(Pigment Production Example 3)
The same procedure as in Pigment Production Example 1 was carried out except that the crystal conversion solvent in Pigment Production Example 1 was changed from tetrahydrofuran to methylene chloride, to obtain titanyl phthalocyanine crystals. This is referred to as Pigment 3.
[0205]
(Comparative pigment preparation example 1)
The same procedure as in Pigment Preparation Example 1 was carried out except that the crystal conversion solvent in Pigment Preparation Example 1 was changed from tetrahydrofuran to 2-butanone, to obtain titanyl phthalocyanine crystals. This is designated as Pigment 4.
[0206]
(Comparative pigment preparation example 2)
In the crystal conversion treatment using tetrahydrofuran in Pigment Production Example 1, the same treatment as in Pigment Production Example 1 was performed except that the crystal conversion time was set to 4 hours in accordance with the method of Synthesis Example 1 described in JP-A-2001-19871. Thus, a titanyl phthalocyanine crystal was obtained. This is designated as Pigment 5.
[0207]
(Comparative pigment preparation example 3)
In Pigment Production Example 1, during the crystal conversion treatment with tetrahydrofuran, according to the method of Synthesis Example 1 described in JP-A-2001-19871, the crystal conversion time was set to 4 hours, and further left and stored overnight. Except for performing filtration the next day, the same treatment as in Pigment Production Example 1 was performed to obtain a titanyl phthalocyanine crystal. This is referred to as Pigment 6.
[0208]
A portion of the water paste prepared in Pigment Preparation Example 1 was diluted to about 1% by weight with ion-exchanged water, and the surface thereof was skived with a conductive net made of copper, and the particle size of titanyl phthalocyanine was reduced to a transmission type. Observation was performed with an electron microscope (TEM, Hitachi: H-9000NAR) at a magnification of 75,000 times. The average particle size was determined as follows.
The TEM image observed as described above is taken as a TEM photograph, and 30 projected titanyl phthalocyanine particles (near needle-like shape) are arbitrarily selected, and the size of the major axis is measured. The arithmetic average of the longer diameters of the 30 individuals measured was determined to be the average particle size.
The average particle size in the water paste in Pigment Production Example 1 determined by the above method was 0.06 μm.
[0209]
TEM observation of the titanyl phthalocyanine crystal after the crystal conversion immediately before filtration in Pigment Production Examples 1 to 3 and Comparative Pigment Production Examples 1 to 3 was performed in the same manner as in the above water paste. Each was subjected to a predetermined crystal conversion treatment, and the liquid immediately before filtration was sampled, diluted with each crystal conversion solvent to about 1% by weight, and provided for measurement. Table 1 shows the obtained average particle sizes.
The titanyl phthalocyanine crystals produced in Pigment Production Examples 1 to 3 and Comparative Pigment Production Examples 1 to 3 did not have the same crystal shape unlike water paste (a shape close to a triangle, a shape close to a square, and the like). . For this reason, the calculation was performed with the length of the largest diagonal line of the crystal as the major axis.
[0210]
[Table 1]
Figure 2004287070
[0211]
A part of the water paste obtained in Pigment Production Example 1 was dried at 80 ° C. under reduced pressure (5 mmHg) for 2 days to obtain low crystalline titanyl phthalocyanine powder.
The X-ray diffraction spectra of the dried powder of the water paste obtained as described above and the titanyl phthalocyanine crystals obtained in Pigment Production Examples 1 to 4 and Comparative Pigment Production Examples 1 and 2 were measured under the following conditions.
X-ray tube: Cu voltage: 40 kV Current: 20 mA
Scanning speed: 1 ° / min Scanning range: 3 ° to 40 ° Time constant: 2 seconds
[0212]
FIG. 15 shows an X-ray diffraction spectrum of the dried powder of the water paste. In addition, the titanyl phthalocyanine crystals obtained in Pigment Production Examples 1 to 3 and Comparative Pigment Production Examples 1 to 3 showed the same X-ray diffraction spectrum in each case. FIG. 12 shows an X-ray diffraction spectrum of the obtained titanyl phthalocyanine crystal. The X-ray diffraction spectrum of the titanyl phthalocyanine crystal obtained in Comparative Pigment Production Example 1 was different from that of the titanyl phthalocyanine crystals obtained in Pigment Production Examples 1 to 3 and Comparative Pigment Production Examples 2 to 3 ( The lowest angle is at 7.5 °). This is shown in FIG.
[0213]
(Comparative pigment preparation example 4)
A pigment was prepared according to the method described in JP-A-1-299874. That is, the wet cake (water paste) prepared in Example 1 was dried, 1 g of the dried product was added to 50 g of polyethylene glycol, and a sand mill was performed for 1 hour together with 100 g of glass beads. After the crystal transition, the resultant was washed with dilute sulfuric acid and an aqueous solution of ammonium hydroxide in that order, and dried to obtain a pigment. This is designated as Pigment 7.
[0214]
(Comparative pigment preparation example 5)
A pigment was prepared according to the method described in JP-A-3-269064. That is, the wet cake prepared in Example 1 was dried, and 1 g of the dried product was stirred for 1 hour (50 ° C.) in a mixed solvent of 10 g of ion-exchanged water and 1 g of monochlorobenzene, and then washed with methanol and ion-exchanged water. Drying gave a pigment. This is referred to as Pigment 8.
[0215]
(Comparative pigment preparation example 6)
A pigment was prepared according to the method described in JP-A-2-8256. That is, 9.8 g of phthalodinitrile and 75 ml of 1-chloronaphthalene are stirred and mixed, and 2.2 ml of titanium tetrachloride is added dropwise under a nitrogen stream. After completion of the dropwise addition, the temperature was gradually raised to 200 ° C., and the reaction was carried out by stirring for 3 hours while maintaining the reaction temperature between 200 ° C. and 220 ° C. After the completion of the reaction, the mixture was allowed to cool to 130 ° C., filtered while hot, washed with 1-chloronaphthalene until the powder turned blue, washed several times with methanol, and further washed with hot water at 80 ° C. After washing twice, it was dried to obtain a pigment. This is designated as Pigment 9.
[0216]
(Comparative pigment preparation example 7)
A pigment was prepared according to the method described in JP-A 64-17066. That is, 5 parts of α-type TiOPc was subjected to a crystal conversion treatment with a sand grinder at 100 ° C. for 10 hours together with 10 g of salt and 5 g of acetophenone. This was washed with ion-exchanged water and methanol, purified with a dilute aqueous sulfuric acid solution, washed with ion-exchanged water until there was no acid content, and then dried to obtain a pigment. This is designated as Pigment 10.
[0219]
(Comparative pigment preparation example 8)
A pigment was prepared according to the method described in JP-A-11-5919. That is, after 20.4 parts of o-phthalodinitrile and 7.6 parts of titanium tetrachloride were heated and reacted in 50 parts of quinoline at 200 ° C. for 2 hours, the solvent was removed by steam distillation, and a 2% aqueous chloride solution was added. The product was purified with a 2% aqueous sodium hydroxide solution, washed with methanol and N, N-dimethylformamide, and dried to obtain 21.3 parts of titanyl phthalocyanine. 2 parts of this titanyl phthalocyanine is dissolved little by little in 40 parts of 98% sulfuric acid at 5 ° C., and the mixture is stirred for about 1 hour while maintaining the temperature at 5 ° C. or less. Subsequently, the sulfuric acid solution is slowly poured into 400 parts of ice water with high-speed stirring, and the precipitated crystals are filtered. The crystals are washed with distilled water until no more acid remains, to obtain a wet cake. The cake (assuming the amount of phthalocyanine contained was 2 parts) was stirred in 100 parts of THF for about 5 hours, filtered, washed, and dried to obtain a pigment. This is designated as Pigment 11.
[0218]
X-ray diffraction spectra of the pigments produced in Comparative Pigment Production Examples 4 to 8 were measured in the same manner as above, and it was confirmed that the spectra were the same as those described in the respective publications. Table 2 shows the same evaluation results as in Table 1 above.
[0219]
[Table 2]
Figure 2004287070
[0220]
(Preparation of dispersion liquid)
The pigments 1 to 11 prepared as described above were mixed with a binder resin and a solvent at the following ratio, and dispersed together with zirconia beads having a diameter of 0.5 mm.
15 parts of pigment (each pigment of pigments 1 to 11)
Polyvinyl butyral (Sekisui Chemical: BX-1) 10 parts
300 parts of 2-butanone
Dispersion is carried out while measuring the average particle diameter with HORIBA, Ltd .: CAPA-700. When the particle diameter becomes equivalent to the primary particle size observed in the previous observation, the dispersion is terminated, and 300 parts of 2-butanone is added. The dispersion was taken out from the bead mill while performing the dilution. The dispersion before dilution was applied to a slide glass, and the same X-ray diffraction measurement as described above was performed. It was confirmed that there was no difference in the X-ray diffraction spectrum of the synthesized pigment. The names of the dispersions are referred to as dispersions 1 to 11 in the order of pigments 1 to 11 corresponding to the pigment numbers.
[0221]
(Preparation of dispersion liquid 2)
Dispersion 1 was prepared in the same manner as Dispersion 1 except that the dispersion medium used was changed to zirconia beads having a diameter of 0.3 μm (this is referred to as Dispersion 12).
[0222]
(Preparation of dispersion liquid 3)
Dispersion 1 was prepared in the same manner as Dispersion 1 except that the dispersion medium used was changed to zirconia beads having a diameter of 0.8 μm (this is referred to as Dispersion 13).
[0223]
(Examples 1 to 5 and Comparative Examples 1 to 8)
The dispersion liquids 1 to 11 prepared as described above were put into a dip coating device having a circulation device as shown in FIG. In each case, a filter having an effective pore size of 5 μm (made by Advantech Co., Ltd., cotton wind cartridge filter, TCW-5-CS) was used as a filter installed in the circulation system. These dispersions were subjected to a two-month circulation storage test while being kept in the circulation coating apparatus.
Initially (immediately after charging) and two months later, the average particle size and its standard deviation were measured by Horiba Seisakusho: CAPA700. Further, an electrophotographic photoreceptor was prepared as follows, and the coating film of the charge generation layer of the photoreceptor was observed with an optical microscope at a scale of 250 times, and the existence state of coarse particles at that time was confirmed. Table 2 shows the results.
[0224]
(Preparation of photoconductor)
Photoconductor production example 1:
An undercoat layer coating solution, a charge generation layer coating solution, and a charge transport layer coating solution having the following compositions are sequentially applied to an aluminum cylinder having a diameter of 60 mm (JIS 1050) and dried, and a 3.5 μm undercoat layer A 0.2 μm charge generation layer and a 19 μm charge transport layer were formed to produce a laminated photoreceptor (this is referred to as photoreceptor 1).
[0225]
[Coating liquid for undercoat layer]
Titanium oxide (CR-EL: Ishihara Sangyo Co., Ltd.) 70 parts
Alkyd resin (Beccolite M6401-50-S
(Solid content: 50%), manufactured by Dainippon Ink and Chemicals, Inc. 15 parts
Melamine resin (Super Beckamine L-121-60
(Solid content 60%), manufactured by Dainippon Ink and Chemicals
2-butanone 100 parts
[0226]
[Coating solution for charge generation layer]
Dispersion 1 described above was used.
[0227]
[Charge transport layer coating solution]
Polycarbonate (Iupilon Z300: manufactured by Mitsubishi Gas Chemical Company) 10 parts
7 parts of charge transport material of the following structural formula
Embedded image
Figure 2004287070
80 parts of tetrahydrofuran
[0228]
[Table 3]
Figure 2004287070
<Coating condition>
1: Coarse particles are hardly observed in the coating film both visually and at the optical microscope level.
2: Coarse particles are not visually observed, but are slightly observed at the optical microscope level
3: Level at which slightly coarse particles are visually observed
4: Level at which coarse particles are clearly observed visually
[0229]
Each dispersion was applied on a slide glass and subjected to X-ray diffraction measurement under the same conditions as above. As a result, the dispersions 1 to 12 showed the same spectrum as that of the pigment used, but the dispersion 13 showed a slight but new peak at 26.3 degrees.
[0230]
(Example 6)
Evaluation was performed in the same manner as in Example 1 except that the filter installed in the circulation coating tank in Example 1 was changed to a filter having an effective pore diameter of 3 μm (Advantech Co., Ltd., cotton wind cartridge filter, TCW-3-CS). Was.
[0231]
(Example 7)
Evaluation was performed in the same manner as in Example 1 except that the filter installed in the circulation coating tank in Example 1 was changed to a filter having an effective pore diameter of 10 μm (Advantech, cotton wind cartridge filter, TCW-10-CS). Was.
[0232]
(Comparative Example 9)
Evaluation was performed in the same manner as in Example 1 except that the filter installed in the circulation coating tank in Example 1 was changed to a filter having an effective pore diameter of 25 μm (Advantech Co., Ltd., cotton wind cartridge filter, TCW-25-CS). Was.
[0233]
(Comparative Example 10)
Evaluation was performed in the same manner as in Example 1 except that no filter was provided in the circulation coating tank.
[0234]
Table 3 shows the results of Examples 6 and 7 and Comparative Examples 9 and 10 together with the results of Example 1.
[Table 4]
Figure 2004287070
<Coating condition>
1: Coarse particles are hardly observed in the coating film both visually and at the optical microscope level.
2: Coarse particles are not visually observed, but are slightly observed at the optical microscope level
3: Level at which slightly coarse particles are visually observed
4: Level at which coarse particles are clearly observed visually
[0235]
(Evaluation of photoconductor)
The photoreceptor prepared as described above immediately after being put into the circulation device and after storage for 2 months was mounted on an electrophotographic apparatus shown in FIG. 7 (a writing light source was a 780 nm LD, and a charging member was a scorotron charger). Image output was performed. At this time, the initial and 30,000th white solid images were output, and the background stain was evaluated.
At the same time, in order to measure the surface potential (black solid image area and non-image area (background area)) of the photoreceptor in the developing unit, a jig capable of setting an electrometer at a position where the developing device is mounted is used. The surface potential of the photoreceptor was measured at the initial stage and after the image output of 30,000 sheets. The applied voltage was set so that the initial background potential of all the photoconductors was -900 V, and in the subsequent running, the running was continued at the applied voltage. Table 4 shows the results.
[0236]
[Table 5]
Figure 2004287070
<Coating condition>
5: Almost no soil, 4: Slight, 3: Actual use limit level, 2 or less: Level that cannot withstand actual use
[0237]
(Example 8)
A photoconductor was prepared by the same way as that of Example 1 except that the coating liquid of the charge transport layer in Example 1 was changed to the one having the following composition, using the dispersion liquid after two months of circulating storage in Example 1. .
[Charge transport layer coating solution]
10 parts of a polymer charge transport material having the following structural formula (weight average molecular weight: about 140000)
Embedded image
Figure 2004287070
70 parts of methylene chloride
[0238]
(Example 9)
The charge transport layer in Example 1 was changed to 22 μm using the dispersion liquid after 2 months of circulating storage in Example 1, and the protective layer coating liquid having the following composition was applied and dried by a spray method. A photoconductor was prepared in the same manner as in Example 1, except that a protective layer having a thickness of 3 μm was provided on the charge transport layer.
[Protective layer coating solution]
Z-type polycarbonate 10 parts
7 parts of charge transport material of the following structural formula
Embedded image
Figure 2004287070
α-alumina fine particles (specific resistance: 2.5 × 10 12 Ω · cm,
(Average primary particle size: 0.5 μm) 2 parts
80 parts of tetrahydrofuran
Cyclohexanone 400 parts
[0239]
(Example 10)
A photoconductor was prepared by the same way as that of Example 9 except that the coating liquid for the protective layer in Example 9 was changed to the following.
[Protective layer coating solution]
Z-type polycarbonate 10 parts
7 parts of charge transport material of the following structural formula
Embedded image
Figure 2004287070
Silica fine powder (specific resistance: 4 × 10 Thirteen Ω · cm,
(Average primary particle size: 0.3 μm) 2 parts
80 parts of tetrahydrofuran
Cyclohexanone 400 parts
[0240]
(Example 11)
A photoconductor was prepared by the same way as that of Example 9 except that the coating liquid for the protective layer in Example 9 was changed to the following.
[Protective layer coating solution]
Z-type polycarbonate 10 parts
7 parts of charge transport material of the following structural formula
Embedded image
Figure 2004287070
Titanium oxide fine particles (specific resistance: 1.5 × 10 10 Ω · cm,
(Average primary particle size: 0.5 μm) 2 parts
80 parts of tetrahydrofuran
Cyclohexanone 400 parts
[0241]
(Example 12)
A photoconductor was prepared by the same way as that of Example 9 except that the coating liquid for the protective layer in Example 9 was changed to the following.
[Protective layer coating solution]
Z-type polycarbonate 10 parts
7 parts of charge transport material of the following structural formula
Embedded image
Figure 2004287070
Tin oxide-antimony oxide powder (specific resistance: 10 6 Ω · cm,
(Average primary particle size: 0.4 μm) 2 parts
80 parts of tetrahydrofuran
Cyclohexanone 400 parts
[0242]
(Example 13)
A photoconductor was prepared by the same way as that of Example 9 except that the coating liquid for the protective layer in Example 9 was changed to the following.
[Protective layer coating solution]
17 parts of a polymer charge transport material having the following structural formula (weight average molecular weight: about 140000)
Embedded image
Figure 2004287070
α-alumina fine particles (specific resistance: 2.5 × 10 12 Ω · cm,
(Average primary particle size: 0.5 μm) 2 parts
80 parts of tetrahydrofuran
Cyclohexanone 400 parts
[0243]
(Example 14)
In Example 1, the aluminum cylinder (JIS 1050) was subjected to the following anodic oxidation coating treatment using the dispersion liquid after 2 months of circulating storage in Example 1, and then the same as in Example 1 except that no undercoat layer was provided. Similarly, a charge generating layer and a charge transport layer were provided to prepare a photoreceptor.
[Anodic oxide film treatment]
The surface of the support was mirror-polished, degreased and washed with water, immersed in an electrolytic bath containing 20 vol. Further, after water washing, sealing treatment was performed with a 7% nickel acetate aqueous solution (50 ° C.). Thereafter, the substrate was washed with pure water to obtain a support having a 6 μm anodic oxide film formed thereon.
[0244]
The electrophotographic photoreceptors produced in Examples 8 to 14 were evaluated in the same manner as in Example 1 (only the result of the dispersion liquid after 2 months). In addition, the abrasion amount of the photoreceptor at 30,000 sheets of image output was measured. Table 5 shows the results.
[0245]
[Table 6]
Figure 2004287070
All of the used dispersion liquids were obtained by carrying out the circulation storage of the dispersion liquid 1 of Example 1 for 2 months.
[0246]
In addition to the above evaluation, a halftone image of one dot was output at the initial stage and after 30,000 copies, and the image was evaluated. Table 6 shows the results.
[0247]
[Table 7]
Figure 2004287070
[0248]
(Example 15)
A photoreceptor having the same composition as in Example 1 was prepared by using the dispersion obtained in Example 1 after two months of circulating storage, and changing the aluminum cylinder of Example 1 to one having a diameter of 30 mm.
The photosensitive member was set in a process cartridge for an electrophotographic apparatus as shown in FIG. 12 and mounted on the electrophotographic apparatus. Under the following process conditions, continuous image output of 20,000 sheets was performed.
In the evaluation, a white solid image and a halftone image were output at the initial stage and after 20,000 sheets, and were used for evaluation.
Charging condition: Scorotron charging (adjusted so that the potential of the background portion becomes -850 V)
Writing: 780nm LD (using polygon mirror)
[0249]
(Example 16)
Evaluation was performed in the same manner as in Example 15 except that the charging member in Example 15 was changed to a contact-type charging roller, and the following charging conditions were changed.
Charging condition: DC bias -1570V
[0250]
(Example 17)
The evaluation was performed in the same manner as in Example 15 except that the charging member in Example 15 was changed to a proximity charging roller (the gap at both ends was 100 μm) as shown in FIG. 10 and the following charging conditions were changed.
Charging condition: DC bias -1570V
[0251]
(Example 18)
The evaluation was performed in the same manner as in Example 15 except that the charging member in Example 15 was changed to a proximity charging roller (the gap at both ends was 250 μm) as shown in FIG. 10 and the following charging conditions were changed.
Charging condition: DC bias -1570V
[0252]
(Example 19)
Evaluation was performed in the same manner as in Example 15 except that the charging conditions in Example 15 were changed as follows.
Figure 2004287070
[0253]
(Example 20)
Evaluation was performed in the same manner as in Example 17 except that the charging conditions in Example 17 were changed as follows.
Figure 2004287070
[0254]
Table 8 shows the above results. The evaluation of the solid white image in the table is represented by the background dirt rank, as in Table 4 above.
[Table 8]
Figure 2004287070
[0255]
(Example 21)
A photoreceptor having the same composition as in Example 1 was prepared by using the dispersion obtained in Example 1 after two months of circulating storage, and changing the aluminum cylinder of Example 1 to one having a diameter of 30 mm. This photoreceptor was mounted on a full-color electrophotographic apparatus shown in FIG. 10, and image evaluation of 20,000 full-color images was performed on the four image forming elements under the following process conditions. For evaluation, a solid white image and a full-color image at the initial stage and after 20,000 sheets were evaluated. Further, the surface potentials of the photoconductor image area and the non-image area in the black developing section were evaluated in the same manner as in Example 1.
Figure 2004287070
[0256]
(Example 22)
The evaluation was performed in the same manner as in Example 21 except that the dispersion used in Comparative Example 10 after two months of circulating storage was used as the coating liquid for the charge generation layer in the photoreceptor in Example 21.
Table 9 shows the results.
[0257]
[Table 9]
Figure 2004287070
[0258]
Finally, it is verified whether the lowest angle peak of 7.3 ° of the Bragg angle θ, which is a feature of the titanyl phthalocyanine crystal used in the present invention, is the same as the lowest angle of known materials of 7.5 °.
[0259]
(Measurement example 1)
Pigment 1 (minimum angle 7.3 °) obtained in Example 1 was prepared in the same manner as the pigment described in JP-A-61-239248 (having the maximum diffraction peak at 7.5 °). % By weight and mixed in a mortar, and the X-ray diffraction spectrum was measured in the same manner as above. FIG. 18 shows the X-ray diffraction spectrum of Measurement Example 1.
[0260]
(Measurement example 2)
The pigment (lowest angle 7.5 °) obtained in Comparative Example 1 was prepared in the same manner as the pigment described in JP-A-61-239248 (having the maximum diffraction peak at 7.5 °), and 3% by weight. % And mixed in a mortar, and the X-ray diffraction spectrum was measured in the same manner as above. FIG. 19 shows the X-ray diffraction spectrum of Measurement Example 2.
[0261]
In the spectrum of FIG. 18, two independent peaks at 7.3 ° and 7.5 ° exist on the low angle side, and it can be seen that at least the peaks at 7.3 ° and 7.5 ° are different. . On the other hand, in the spectrum of FIG. 19, the peak on the low angle side exists only at 7.5 °, which is clearly different from the spectrum of FIG.
From the above, it can be seen that the lowest angle peak of 7.3 ° in the titanyl phthalocyanine crystal of the present invention is different from the peak of 7.5 ° in the known titanyl phthalocyanine crystal.
[0262]
【The invention's effect】
As apparent from the above description, according to the present invention, by performing a specific filtration process, and using this in a circulation type dip coating device having a specific filtration device, a long-term dip coating method Also provides a production method which is rich in dispersion stability and crystal stability and has few coating film defects during coating. In addition, by producing a photoreceptor by the above-described method, an electrophotographic photoreceptor that has few image defects such as background stains and black spots and can output a stable image is provided. Further, there is provided an image forming apparatus capable of performing high-speed printing using negative / positive development, producing a stable image with little abnormal images even after initial and repeated use, and a process cartridge for the image forming apparatus. .
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a photograph as a substitute for a drawing of dispersion A (with coarse particles remaining) observed with a microscope.
FIG. 2 is a drawing-substituting photograph of the dispersion B (in a state where no coarse particles remain) observed with a microscope.
FIG. 3 is a diagram showing a comparison of particle size distributions of dispersions A and B in FIGS. 1 and 2;
FIG. 4 is a drawing substitute photograph of amorphous titanyl phthalocyanine observed with a microscope.
FIG. 5 is a drawing substitute photograph of titanyl phthalocyanine after crystal transformation observed with a microscope.
FIG. 6 is a drawing substitute photograph of a titanyl phthalocyanine crystal that has been subjected to crystal transformation in a short time and observed with a microscope.
FIG. 7 is a schematic view of a circulation type dip coating apparatus of the present invention.
FIG. 8 is a cross-sectional view illustrating the electrophotographic photosensitive member of the present invention.
FIG. 9 is a cross-sectional view illustrating another configuration example of the electrophotographic photosensitive member of the present invention.
FIG. 10 is a schematic diagram for explaining an electrophotographic process and an electrophotographic apparatus of the present invention.
FIG. 11 is a diagram illustrating an example of a proximity charging mechanism in which a gap forming member is arranged on the charging member side.
FIG. 12 is a diagram showing another example of the electrophotographic process according to the present invention.
FIG. 13 is a diagram illustrating a general example of the shape of a process cartridge.
FIG. 14 is a schematic diagram for explaining a tandem type full-color electrophotographic apparatus of the present invention.
FIG. 15 is a view showing an X-ray diffraction spectrum of a dry powder of a water paste obtained in Pigment Production Example 1.
FIG. 16 is a view showing an X-ray diffraction spectrum of a titanyl phthalocyanine crystal obtained in Pigment Production Example 1.
17 is a view showing an X-ray diffraction spectrum of the titanyl phthalocyanine crystal obtained in Comparative Pigment Production Example 1. FIG.
FIG. 18 is a view showing an X-ray diffraction spectrum of the pigment produced in Measurement Example 1.
FIG. 19 is a view showing an X-ray diffraction spectrum of the pigment produced in Measurement Example 2.
[Explanation of symbols]
(In FIG. 7)
1 Coating tank
2 Filter
3 circulation pump
4 stirring blades
5 Storage tank
6 Stirring motor
7 Conductive support
8 Elevator
(In FIGS. 8 to 14)
1C, 1M, 1Y, 1K photoconductor
2C, 2M, 2Y, 2K Charging member
3C, 3M, 3Y, 3K laser light
4C, 4M, 4Y, 4K developing member
5C, 5M, 5Y, 5K Cleaning member
6C, 6M, 6Y, 6K image forming element
7 Transfer paper
8 Paper feed rollers
9 Registration roller
10 Transfer belt
11C, 11M, 11Y, 11K transfer brush
16 Photoconductor
17 Charger
18 Cleaning brush
19 Image exposure section
20 Developing roller
21 Photoconductor
22a drive roller
22b drive roller
23 Charger
24 Image exposure source
25 Transfer Charger
26 Exposure before cleaning
27 Cleaning brush
28 Static elimination light source
29 Photoconductor
30 charging roller
31 Gap forming member
32 metal shaft
33 Image formation area
34 Non-image forming area
35 charge generation layer
37 charge transport layer
39 Protective layer
40 conductive support
41 Photoconductor
42 Static elimination lamp
43 Charger
44 Image exposure unit
45 Developing unit
46 Pre-transcription charger
47 Registration Roller
48 Transfer paper
49 Transfer Charger
50 Separate charger
51 Separating claw
52 Charger before cleaning
53 fur brush
54 Cleaning brush

Claims (21)

循環装置を備えた浸漬塗工装置を用いた電子写真感光体の製造方法において、感光層用塗工液としてCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.4°以上9.4゜未満の範囲にピークを有さず、かつ一次粒子の平均サイズが0.2μm以下であるチタニルフタロシアニン結晶をバインダー樹脂と共に有機溶媒中で分散して得られた分散液を用い、該塗工装置の循環系に有効孔径10μm以下のフィルターを設けたこと特徴とする電子写真感光体の製造方法。In the method for producing an electrophotographic photoreceptor using a dip coating device equipped with a circulation device, a diffraction peak (± 0. 2)), having a maximum diffraction peak at least at 27.2 °, further having major peaks at 9.4 °, 9.6 °, and 24.0 °, and as a diffraction peak at the lowest angle side. A titanyl phthalocyanine crystal having a peak at 7.3 °, having no peak in the range of 7.4 ° or more and less than 9.4 °, and having an average primary particle size of 0.2 μm or less is formed into an organic material together with a binder resin. A method for producing an electrophotographic photoreceptor, comprising using a dispersion obtained by dispersing in a solvent and providing a filter having an effective pore diameter of 10 μm or less in a circulation system of the coating apparatus. 前記チタニルフタロシアニンは、更に26.3゜にピークを有さないことを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。The method according to claim 1, wherein the titanyl phthalocyanine further has no peak at 26.3 °. 前記チタニルフタロシアニン結晶が、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも7.0〜7.5゜に最大回折ピークを有し、その回折ピークの半値巾が1゜以上である一次粒子の平均サイズが0.1μm以下の不定形チタニルフタロシアニンもしくは低結晶性チタニルフタロシアニンを水の存在下で有機溶媒により結晶変換を行ない、結晶変換後の一次粒子の平均サイズが0.2μm以上に成長する前に、有機溶媒より結晶変換後のチタニルフタロシアニンを分別、濾過されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真感光体の製造方法。The titanyl phthalocyanine crystal has a maximum diffraction peak at least at 7.0 to 7.5 ° as a diffraction peak (± 0.2 °) at a Bragg angle of 2θ with respect to characteristic X-rays of CuKα (wavelength 1.542 °), Amorphous titanyl phthalocyanine or low-crystalline titanyl phthalocyanine having an average size of 0.1 μm or less of primary particles having a half width of the diffraction peak of 1 ° or more is subjected to crystal transformation with an organic solvent in the presence of water, and after the crystal transformation. 3. The electrophotograph according to claim 1 or 2, wherein titanyl phthalocyanine after crystal conversion from an organic solvent is separated and filtered before the primary particles have an average size of 0.2 [mu] m or more. Manufacturing method of photoreceptor. 前記有機溶媒が、少なくともテトラヒドロフラン、トルエン、塩化メチレン、二硫化炭素、オルトジクロロベンゼン、1,1,2−トリクロロエタンの中から選ばれる一種を含むことを特徴とする請求項3に記載の電子写真感光体の製造方法。The electrophotographic photosensitive member according to claim 3, wherein the organic solvent contains at least one selected from tetrahydrofuran, toluene, methylene chloride, carbon disulfide, orthodichlorobenzene, and 1,1,2-trichloroethane. How to make the body. 塗工装置投入前の分散液中のチタニルフタロシアニン結晶粒子の体積平均粒径が0.2μm以下で、その標準偏差が0.2μm以下になるまで分散を行なったものであることを特徴とする請求項1又は4に記載の分散液の電子写真感光体の製造方法。The volume average particle size of the titanyl phthalocyanine crystal particles in the dispersion before the coating device is charged is 0.2 μm or less, and the dispersion is performed until the standard deviation is 0.2 μm or less. Item 5. The method for producing an electrophotographic photosensitive member of the dispersion according to Item 1 or 4. 前記チタニルフタロシアニン結晶の分散に用いるメディア径が、0.5mm以下であることを特徴とする請求項5に記載の電子写真感光体の製造方法。6. The method according to claim 5, wherein a diameter of a medium used for dispersing the titanyl phthalocyanine crystal is 0.5 mm or less. 導電性支持体上に、少なくとも電荷発生層、電荷輸送層を積層した電子写真感光体であって、該電荷発生層を請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法にて形成したことを特徴とする電子写真感光体。An electrophotographic photoreceptor having at least a charge generation layer and a charge transport layer laminated on a conductive support, wherein the charge generation layer is formed by the production method according to any one of claims 1 to 6. An electrophotographic photosensitive member characterized by the following. 前記電荷輸送層に高分子電荷輸送物質を含有することを特徴とする請求項7に記載の電子写真感光体。The electrophotographic photosensitive member according to claim 7, wherein the charge transport layer contains a polymer charge transport material. 前記電子写真感光体が、電荷輸送層上に保護層を積層したことを特徴とする請求項7又は8に記載の電子写真感光体。9. The electrophotographic photoconductor according to claim 7, wherein the electrophotographic photoconductor has a protective layer laminated on a charge transport layer. 前記保護層に比抵抗1010Ω・cm以上の無機顔料又は金属酸化物を含有することを特徴とする請求項9に記載の電子写真感光体。The electrophotographic photosensitive member according to claim 9, characterized in that it contains the protective layer Resistivity 10 over 10 Omega · cm inorganic pigments or metal oxide. 前記金属酸化物が、比抵抗1010Ω・cm以上のアルミナ、酸化チタン、シリカのいずれかであることを特徴とする請求項10に記載の電子写真感光体。The metal oxide is, specific resistance 10 10 Omega · cm or more alumina, titanium oxide, electrophotographic photosensitive member according to claim 10, wherein the silica is either. 前記金属酸化物が、比抵抗1010Ω・cm以上のα−アルミナであることを特徴とする請求項11に記載の電子写真感光体。The electrophotographic photosensitive member according to claim 11, wherein the metal oxide is α-alumina having a specific resistance of 10 10 Ω · cm or more. 前記保護層に高分子電荷輸送物質を含有することを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載の電子写真感光体。The electrophotographic photoconductor according to any one of claims 9 to 12, wherein the protective layer contains a polymer charge transport material. 前記電子写真感光体の導電性支持体表面が、陽極酸化皮膜処理されたものであることを特徴とする請求項7〜13のいずれかに記載の電子写真感光体。The electrophotographic photoreceptor according to any one of claims 7 to 13, wherein a surface of the electroconductive support of the electrophotographic photoreceptor has been subjected to an anodic oxide film treatment. 電子写真感光体に、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写を繰り返し行なう画像形成方法であって、該電子写真感光体が請求項7〜14のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成方法。An image forming method in which at least charging, image exposure, development, and transfer are repeatedly performed on an electrophotographic photosensitive member, wherein the electrophotographic photosensitive member is the electrophotographic photosensitive member according to any one of claims 7 to 14. A characteristic image forming method. 少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段、および電子写真感光体を具備してなる画像形成要素を具備してなる画像形成装置であって、該電子写真感光体が請求項7〜14のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。15. An image forming apparatus including at least an image forming element including a charging unit, an image exposing unit, a developing unit, a transfer unit, and an electrophotographic photosensitive member, wherein the electrophotographic photosensitive member is provided. An image forming apparatus comprising the electrophotographic photosensitive member according to any one of the above. 前記画像形成要素を複数配列したことを特徴とする請求項16に記載の画像形成装置。17. The image forming apparatus according to claim 16, wherein a plurality of the image forming elements are arranged. 前記帯電手段が帯電部材を感光体に接触もしくは近接配置したものであることを特徴とする請求項16又は17に記載の画像形成装置。18. The image forming apparatus according to claim 16, wherein the charging unit includes a charging member in contact with or close to the photosensitive member. 前記帯電部材と電子写真感光体間の空隙が200μm以下であることを特徴とする請求項18に記載の画像形成装置。19. The image forming apparatus according to claim 18, wherein a gap between the charging member and the electrophotographic photosensitive member is 200 μm or less. 前記帯電手段が直流成分に交流成分を重畳し、電子写真感光体に帯電を与えるものであることを特徴とする請求項18又は19に記載の画像形成装置。20. The image forming apparatus according to claim 18, wherein the charging unit superposes an AC component on a DC component to charge the electrophotographic photosensitive member. 少なくとも電子写真感光体を具備してなる画像形成装置用プロセスカートリッジであって、該電子写真感光体が請求項7〜14のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。A process cartridge for an image forming apparatus comprising at least an electrophotographic photosensitive member, wherein the electrophotographic photosensitive member is the electrophotographic photosensitive member according to any one of claims 7 to 14. Process cartridge for equipment.
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