JP2004279578A - 導電性ロール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】軸体1と、その外周に形成された導電性発泡弾性層(スポンジ層)2と、上記導電性発泡弾性層2の外周に形成されたゴム層(抵抗調整層)3と、上記ゴム層3の外周に形成された誘電保護層4とを備えた導電性ロールであって、上記ゴム層3が、無機フィラーの使用により比重1.45〜1.70の範囲に設定され、かつその層の厚みが200〜800μmの範囲に設定されている。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機,プリンター,ファクシミリ等の電子写真装置に用いられる帯電ロール等の導電性ロールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、プリンター等の電子写真複写機による複写はつぎのようにして行われる。すなわち、軸中心に回転する感光ドラムに原稿像を静電潜像として形成し、これにトナーを付着させてトナー像を形成し、このトナー像を複写紙に転写することにより複写を行うものである。この場合において、上記感光ドラム表面に対して静電潜像を形成させるためには、予め感光ドラム表面を帯電させ、この帯電部分に対して原稿像を光学系を介して投射し、光の当たった部分の帯電を打ち消すことにより静電潜像をつくるといったことが行われる。そして、上記静電潜像の形成に先立って感光ドラム表面を帯電させる方式としては、最近では、導電性ロールの一種である帯電ロールを、感光ドラム表面に直接接触させる方式(接触帯電方式)が採用されている。
【0003】
プリンター等の電子写真装置に用いられる導電性ロールには、上記帯電ロール以外にも、現像ロール、転写ロール等がある。そして、これら導電性ロールとしては、例えば、軸体となる芯金と、その外周面に形成された導電性弾性体層と、上記導電性弾性体層の外周面に形成されたゴム層(抵抗調整層)と、上記ゴム層の外周面に形成された保護層とを備えた多層構造のロールが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−208290号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような方式により複写を行う際、帯電ロールと感光ドラムとの接触部付近で帯電音が発生するのであるが、近年におけるプリンター等の電子写真装置の高速化や、その装置におけるカートリッジの簡素化に伴い、従来よりも帯電音が聴こえ易い状況となってるため、この帯電音は非常に耳障りである。現時点では、上記帯電音をロール特性により抑制する試みは充分になされていないのであるが、従来の考えでは、ロール最内層である導電性弾性体層のスポンジ化により、ロール硬度が抑えられることから、これにより帯電音も抑えられるようになるとされている。
【0006】
しかしながら、感光ドラム帯電時における帯電ロールのゴム層(抵抗調整層)の振動により、たとえロール最内層をスポンジ化した場合であっても、それだけでは所定レベル以上の音の抑制に限界があり、充分な低騒音化が達成されない。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、耐振性に優れ、感光ドラム帯電時に生じる帯電音等の静音化がなされる導電性ロールの提供をその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、軸体と、その外周に形成された導電性発泡弾性層と、上記導電性発泡弾性層の外周に形成されたゴム層と、上記ゴム層の外周に形成された誘電保護層とを備えた導電性ロールであって、上記ゴム層が、無機フィラーの使用により比重1.45〜1.70の範囲に設定され、かつその層の厚みが200〜800μmの範囲に設定されているという構成をとる。
【0009】
すなわち、本発明者らは、前記課題を解決すべく、導電性発泡弾性層(スポンジ層)の外周面に形成されるゴム層(通常、抵抗調整層となる)の材料を中心に鋭意研究を重ねた。その研究の過程で、上記ゴム層形成材料として通常用いられるゴム材に、ロール硬度に影響を与えないよう、補強性の弱い無機フィラーを高充填し、上記ゴム層の比重を高くすると、帯電音等の発生が抑えられるようになることを突き止めた。さらに、従来では上記ゴム層の厚みが厚すぎ、歪みを生じ易くなっており、これも、うなり音を発生し易くしている要因であることを突き止めた。このような知見にもとづき、上記のように高比重化したゴム材を用い、かつその厚みを特定の範囲(200〜800μm)に設定することにより、ロールの成形性が向上し、所期の目的を達成できるようになることを見いだし、本発明に到達した。
【0010】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
【0011】
本発明の導電性ロールは、例えば、図1に示すように、軸体1の外周面に沿って導電性発泡弾性層(スポンジ層)2が形成され、上記導電性発泡弾性層2の外周面にゴム層(抵抗調整層)3が形成され、さらに上記ゴム層3の外周面に誘電保護層4が形成されて構成されている。そして、本発明では、上記ゴム層3が、特定の比重および厚みを有している。
【0012】
上記軸体1としては、特に限定されるものではなく、例えば、金属製の中実体からなる芯金や、内部を中空にくり抜いた金属製の円筒体等が用いられる。そして、その金属材料としては、ステンレス、アルミニウム、鉄にメッキを施したもの等があげられる。
【0013】
上記軸体1の外周面に形成される導電性発泡弾性層(スポンジ層)2用材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリノルボルネンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(H−NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、天然ゴム(NR)等の少なくとも一種からなるゴムに、発泡剤、導電剤、架橋剤、架橋促進剤、オイル等を適宜添加したものがあげられる。
【0014】
上記発泡剤としては、例えば、無機系発泡剤、有機系発泡剤のいずれを用いてもよく、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。また、上記導電剤としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラックや、グラファイト、チタン酸カリウム、c−TiO2 (「c−」は、導電性を有するという表示)、c−ZnO、c−SnO2 、イオン導電剤(四級アンモニウム塩、ホウ酸塩、界面活性剤等)等があげられ、単独であるいは2種以上併せて用いられる。また、上記架橋剤としては、例えば硫黄、過酸化物等の従来公知のものがあげられる。
【0015】
なお、上記導電性発泡弾性層2用材料は、それにより形成される導電性発泡弾性層2の体積抵抗率が、およそ101 〜106 Ω・cmの範囲内となるよう、適宜調製される。
【0016】
上記導電性発泡弾性層2の外周面に形成されるゴム層(抵抗調整層)3用材料としては、無機フィラーにより高比重化したゴム材が用いられる。
【0017】
上記ゴム材としては、特に限定されるものではなく、例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、エピクロルヒドリンゴム、アクリルゴム等があげられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0018】
上記ゴム材に充填される無機フィラーとしては、ゴム層3の押出成形時に、その成形作業が行い易いよう、補強性の弱いものが用いられる。また、上記無機フィラーは、その平均粒子径が0.01〜150μmの範囲内であると、成形性の点で好ましい。そして、上記無機フィラーのなかでも、磁性酸化鉄(マグネタイト)等の酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、鉄、チタン、亜鉛等の金属材料からなる微粒子は、カーボンやシリカ等の無機フィラーと比較して表面活性が小さいために凝集しにくいこと、ならびに、その粒子形状が略球状のものが多いために繊維材等のように配向しないことから、好ましい。これらの微粒子は、単独であるいは2種以上併せて用いられる。なお、無機フィラーであっても、繊維状のものや、へき開して鱗片状になるものは、例えば押出成形の際に配向し、ゴム材の硬度アップの要因となり、またゴム層3の押出成形が行いにくくなることから、本発明においては好ましくない。
【0019】
上記無機フィラーの配合割合は、ゴム層3の比重が特定の範囲内(比重1.45〜1.70)となるよう適宜調整する必要がある。そして、比重を上記範囲内とするためには、上記無機フィラーの配合割合は、通常、上記ゴム材100重量部(以下、「部」と略す)に対し20〜90部の割合で配合される。
【0020】
なお、上記ゴム層3用材料には、上記各成分に加え、カーボンブラック(FEF,SRF,ケッチェンブラック,アセチレンブラック等)等の電子導電剤、第四級アンモニウム塩等のイオン導電剤、シリカ等の絶縁性充填剤、加硫剤、加硫促進剤、帯電防止剤、亜鉛華,ステアリン酸といった各種助剤等を、必要に応じて配合してもよい。
【0021】
また、上記ゴム層3用材料は、それにより形成されるゴム層3の体積抵抗率が、およそ105 〜1011Ω・cmの半導電領域内となるよう、適宜調製される。
【0022】
上記ゴム層3の外周面に形成される誘電保護層4用材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、N−メトキシメチル化ナイロン等のポリアミド系樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等があげられ、単独でもしくは2種以上併せて用いられる。また、導電性付与のため、カーボンブラック等の従来公知の導電剤が、上記材料中に適宜添加される。
【0023】
なお、上記誘電保護層4用材料は、それにより形成される導電性発泡弾性層2の体積抵抗率が、およそ108 〜1013Ω・cmの範囲内となるよう、適宜調製される。
【0024】
本発明の導電性ロールは、例えば、つぎのようにして作製することができる。すなわち、まず、前記導電性発泡弾性層2用の各成分をニーダーやロール等の混練機を用いて混練し、導電性発泡弾性層2用材料を調製する。また、前記ゴム層3用の各成分を、バンバリーミキサーまたはニーダーにより混練したあと、ロールを用いて混練し、ゴム層3用材料(コンパウンド)を調製する。さらに、前記誘電保護層4用材料をMEK等の有機溶剤に溶解し、サンドミル等で分散することにより、誘電保護層4用材料のコーティング液を作製する。
【0025】
ついで、軸体1の外周面に接着剤を塗布し、この表面に、上記導電性発泡弾性層2用材料およびゴム層3用材料を、押出機を用いて共押出成形する。そして、これを金型内で同時架橋を行い、軸体1の外周面に導電性発泡弾性層2が形成され、この導電性発泡弾性層2の外周面にゴム層3が形成されてなるロールを作製する。さらに、上記ゴム層3の外周面に、上記誘電保護層4用材料であるコーティング液を、ロールコーティング法、スプレーコーティング法、ディッピング法等により塗布し、乾燥した後、所定の条件で加熱架橋を行い、所定厚みの誘電保護層4を形成する。このようにして、導電性発泡弾性層2の外周面にゴム層3が形成され、さらにその外周面に誘電保護層4が形成された三層構造の導電性ロール(図1参照)を作製することができる。なお、上記導電性発泡弾性層2およびゴム層3の作製方法は、上記のように共押出成形に限定されず、例えば、各層を順次押出成形してもよく、また、各層を予めチューブ状に形成し、後から軸体1を挿入して一体化してもよい。
【0026】
このようにして得られる本発明の導電性ロールにおいて、上記ゴム層3の比重は、1.45〜1.70の範囲に設定される必要があり、好ましくは1.60〜1.70の範囲内である。すなわち、上記比重が1.45未満であると、帯電音等の騒音抑制において、所定レベル以上の音の抑制(ロールから30cm離れた地点での騒音が51dB以下となる抑制)が得られないからであり、逆に、上記比重が1.70を超えると、無機フィラーを充填し過ぎであることから、ゴム層3の加工成形性に劣るからである。
【0027】
また、上記ゴム層3の厚みは、200〜800μmの範囲に設定される必要があり、好ましくは400〜600μmの範囲内である。すなわち、上記ゴム層3の厚みが200μm未満であると、感光ドラムと連れ回りとする際に、ロールが潰れ、上記連れ回りを行うことができないからであり、逆に、厚みが800μmを超えると、成形時の発泡を阻害し易くなり、ロール成形性に劣るようになるからである。
【0028】
なお、上記ゴム層3以外の各層の厚みは、特に限定はないが、上記導電性発泡弾性層2の厚みは、通常、1〜10mmの範囲内に設定され、好ましくは2〜4mmの範囲内であり、また、上記誘電保護層4の厚みは、1〜50μmの範囲内に設定するのが好ましく、特に好ましくは3〜30μmの範囲内である。
【0029】
また、先に述べたように、上記導電性発泡弾性層2の体積抵抗率は、通常、101 〜106 Ω・cmの範囲内に設定され、上記ゴム層(抵抗調整層)3の体積抵抗率は、通常、105 〜1011Ω・cmの範囲内に設定され、上記誘電保護層4の体積抵抗率は、通常、108 〜1013Ω・cmの範囲内に設定される。
【0030】
さらに、本発明の導電性ロールは、前記図1に示したような三層構造に限定されるものではなく、例えば、上記導電性発泡弾性層2とゴム層3との間に、軟化剤移行防止層や接着剤層等を、必要に応じ設け、四層以上の層構造としても差し支えない。
【0031】
そして、本発明の導電性ロールは、主に、DC/AC重畳帯電システムを備えた電子写真装置用の帯電ロールとして好適に用いることができるが、これに限定されるものではなく、先にも述べたように、電子写真装置用の現像ロール,転写ロール等としても用いることができる。
【0032】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0033】
【実施例1】
〔導電性発泡弾性層用材料の調製〕
EPDM(三井化学社製、EPT4045)100部と、カーボンブラック(ケッチェンブラックEC、ケッチェンブラックインターナショナル社製)25部と、酸化亜鉛5部と、ステアリン酸1部と、プロセスオイル(出光石油化学社製、ダイアナプロセスPW380)30部と、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(発泡剤)15部と、硫黄1部と、ジベンゾチアゾールジスルフィド(架橋促進剤)2部と、テトラメチルチウラムモノサルファイド(架橋促進剤)1部とを配合して、ロールを用いて混練して、導電性発泡弾性層用材料を調製した。
【0034】
〔ゴム層(抵抗調整層)用材料の調製〕
NBR(日本ゼオン社製、ニポールDN3335)100部と、磁性酸化鉄粉末(戸田工業社製のマグネタイト粉末)30部と、電子導電剤であるFEFカーボンブラック(東海カーボン社製、シーストSO)45部と、イオン導電剤である第四級アンモニウム塩(アルキルトリメチルアンモニウムパークロライド)1部と、絶縁性充填剤であるシリカ(日本シリカ社製、ニプシールER)50部と、酸化亜鉛5部と、ステアリン酸1部と、ジベンゾチアゾールジスルフィド(架橋促進剤)1部と、テトラメチルチウラムモノサルファイド(架橋促進剤)1部と、硫黄1部とを、ニーダーにより混練したあと、さらに、ロールを用いて混練し、ゴム層用材料(コンパウンド)を調製した。
【0035】
〔誘電保護層用材料の調製〕
フッ素変性アクリレート樹脂(大日本インキ社製、ディフェンサTR230K)50部と、フッ素化オレフィン系樹脂(アトフィナジャパン社製、カイナーSL)50部と、導電性酸化チタン(石原テクノ社製、タイペークET−300W)100部とを、MEK200部に溶解し、これらをサンドミルを用いて分散して、誘電保護層用材料を調製した。
【0036】
〔導電性ロールの作製〕
直径6mmの金属製シャフトからなる芯金を用意し、この外周面に接着剤を塗布した後、この表面に、上記導電性発泡弾性層用材料およびゴム層用材料を、押出機を用いて共押出成形した。そして、これを金型内で同時架橋、発泡を行い(170℃×30分)、芯金の外周面に、スポンジからなる導電性発泡弾性層(厚み3mm)が形成され、この導電性発泡弾性層の外周面にゴム層(厚み500μm)が形成されてなるロールを作製した。続いて、上記ゴム層の外周面に、上記誘電保護層用材料をディッピング法により塗布した後、乾燥し、誘電保護層(厚み5μm)を形成し、これにより、目的とする三層構造の導電性ロールを得た。
【0037】
【実施例2】
ゴム層用材料における磁性酸化鉄(マグネタイト)粉末の配合割合を、60部に変更した。これ以外は、実施例1と同様にしてゴム層用材料を調製し、実施例1と同様の三層構造の導電性ロールを得た。
【0038】
【実施例3】
ゴム層用材料における磁性酸化鉄(マグネタイト)粉末の配合割合を、90部に変更した。これ以外は、実施例1と同様にしてゴム層用材料を調製し、実施例1と同様の三層構造の導電性ロールを得た。
【0039】
【比較例1】
ゴム層用材料において、磁性酸化鉄(マグネタイト)粉末を配合しなかった。これ以外は、実施例1と同様にしてゴム層用材料を調製し、実施例1と同様の三層構造の導電性ロールを得た。
【0040】
【比較例2】
ゴム層用材料における磁性酸化鉄(マグネタイト)粉末の配合割合を、15部に変更した。これ以外は、実施例1と同様にしてゴム層用材料を調製し、実施例1と同様の三層構造の導電性ロールを得た。
【0041】
【比較例3】
ゴム層用材料における磁性酸化鉄(マグネタイト)粉末の配合割合を、120部に変更した。これ以外は、実施例1と同様にしてゴム層材料を調製し、実施例1と同様の三層構造の導電性ロールを得た。
【0042】
このようにして得られた各導電性ロールを用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を、後記の表1に示した。
【0043】
〔比重〕
各ロールのゴム層(抵抗調整層)から切り出した試験片をもとに、自動比重測定装置(東洋精機社製)により、抵抗調整層の比重を求めた。
【0044】
〔音圧レベル〕
得られた各ロールを帯電ロールとして用い、図2に示すような測定系により、感光ドラムに帯電させる際の帯電音の測定を行った。すなわち、まず、図示のように、感光ドラム(直径30mm)21を、45rpmの割合で回転させ(図示の矢印a方向)、それと連れ回るよう帯電ロール20を回転させた(図示の矢印b方向)。同時に、上記帯電ロール20に、電源22により、900Hz,2kVpp,DC600Vの電圧を印加した。そして、帯電ロール20と感光ドラム21との接触部から30cm離れた地点にて、騒音計23(小野測器社製の高感度精密騒音計)を用い、帯電音測定を行った。その結果、その帯電音が51dB以下であるものを○、52dBであるものを△、53dB以上であるものを×とし、音圧レベルの評価を行った。
【0045】
〔加工成形性〕
ゴム層用材料のゴム練り加工において、間隙5mmで上下に並べた2本の6インチロールを用いて混練する際に、上記材料をシート状に出すことができたものを○、シート状にならずボソボソになってしまったものを×とし、加工成形性の評価を行った。
【0046】
【表1】
【0047】
全実施例品は、そのゴム層(抵抗調整層)の厚みが所定範囲内にあり、かつ、その比重が、本発明にて要求される所定範囲内にある。そして、上記表1の結果より、全実施例品は、音圧レベルおよび加工成形性の双方の評価に対し、優れた特性を有するロールとなっていることがわかる。
【0048】
これに対して、比較例品は、そのゴム層(抵抗調整層)の比重が、本発明にて要求される所定範囲から外れている。そして、上記表1の結果より、全比較例品は、実施例品のように、音圧レベル,加工成形性ともに本発明にて要求されるレベルを満たしたものとはならなかったことがわかる。
【0049】
【発明の効果】
以上のように、本発明の導電性ロールは、軸体と、その外周に形成された導電性発泡弾性層と、上記導電性発泡弾性層の外周に形成されたゴム層と、上記抵抗調整層の外周に形成された誘電保護層とを備えており、上記ゴム層が、無機フィラーが高充填されたゴム材によって形成された高比重かつ薄膜のゴム層である。そのため、帯電音等が抑えられ、かつゴム層の厚みに起因するうなり音の発生もなくなり、ロール成形性が向上するようになる。そして、DC/AC重畳帯電システムを備えた小型軽量プリンターや、高速プリンター等の電子写真装置に適し、充分な低騒音化を図ることができる。
【0050】
特に、上記無機フィラーが、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、鉄、チタン、亜鉛等の金属材料からなる微粒子であると、ゴム層中で無機フィラーが凝集しにくいこと等から、成形性が向上し、しかも電気抵抗等のばらつきもより抑えられ、本発明の導電性ロールの諸性能がより向上するようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性ロールの一例を示す断面図である。
【図2】帯電音の測定方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 軸体
2 導電性発泡弾性層
3 ゴム層
4 誘電保護層
Claims (2)
- 軸体と、その外周に形成された導電性発泡弾性層と、上記導電性発泡弾性層の外周に形成されたゴム層と、上記ゴム層の外周に形成された誘電保護層とを備えた導電性ロールであって、上記ゴム層が、無機フィラーの使用により比重1.45〜1.70の範囲に設定され、かつその層の厚みが200〜800μmの範囲に設定されていることを特徴とする導電性ロール。
- 上記無機フィラーが、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、鉄、チタン、亜鉛からなる群から選ばれた少なくとも一つの金属材料からなる微粒子である請求項1記載の導電性ロール。
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