JP2004279140A - プラズマ分光測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】測定対象領域外からの影響を取り除いて高精度なプラズマ分光画像を測定することが可能なプラズマ分光測定装置を提供すること。
【解決手段】プラズマ発光を集光する集光光学系(1)と、前記集光光学系の焦点近傍に配置される第1の視野制限手段(2)と、前記第1の視野制限手段通過後のプラズマ発光を第1の方向においては発散させ、かつ第1の方向と直交する第2の方向においては集光させる異方性集光光学系(3)と、前記異方性集光光学系の後方に配置され、前記第1の方向にあっては場所により透過波長が異なり、かつ前記第2の方向にあっては場所によらず透過波長が一定である異方性光学フィルタ(4)と、前記異方性光学フィルタを透過した光を電気信号に変換する二次元撮像素子(5)と、を具備する。
【選択図】 図1
【解決手段】プラズマ発光を集光する集光光学系(1)と、前記集光光学系の焦点近傍に配置される第1の視野制限手段(2)と、前記第1の視野制限手段通過後のプラズマ発光を第1の方向においては発散させ、かつ第1の方向と直交する第2の方向においては集光させる異方性集光光学系(3)と、前記異方性集光光学系の後方に配置され、前記第1の方向にあっては場所により透過波長が異なり、かつ前記第2の方向にあっては場所によらず透過波長が一定である異方性光学フィルタ(4)と、前記異方性光学フィルタを透過した光を電気信号に変換する二次元撮像素子(5)と、を具備する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、プラズマプロセス(例えば、酸化、窒化、酸窒化、CVD、エッチング、スパッタ等)において、プラズマの状態をモニタする等の用途に好適なプラズマ分光測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラズマプロセス(例えば、酸化、窒化、酸窒化、CVD、エッチング、スパッタ等)において、プラズマの状態をモニタするための方法としては、従来より種々のものが知られている。
【0003】
第1の方法は、発光波長に対応する準位の活性種(ラジカル、イオン等)の密度を発光強度の相対変化により推定するもので、一般には、『発光分光法』と称される。この発光分光法は、簡便で小型化が容易なことから多用される傾向にある。
【0004】
第2の方法は、半導体基板表面の面内均一性を得るためにエッチングの終点を検知するもので、プラズマプロセスに置かれた半導体基板表面に存在するプラズマ発光を、半導体基板表面と平行な光軸を有する光学系にて側方より集光し、これを長方形スリットを介して分光手段に結像させることにより、エッチングの終点到達を検出するものである(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
第3の方法は、所謂グレーティングを用いて、プラズマ発光を波長毎に分光するものである。周期的に刻んだ溝に光を当てると光の波長により回折する角度が相異する。グレーティングは、この性質を利用して対象となるプラズマ発光を波長毎に分光するものである。
【0006】
第4の方法は、波長帯を3分割して、それぞれの明るさの基板面からの位置的変化を経時的に望遠レンズを装備したビデオカメラで撮影するものである(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−181050号公報
【0008】
【特許文献2】
特公平6−101441号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のプラズマ状態のモニタ方法にあっては、以下のような問題点が存在する。
【0010】
第1の方法にあっては、エリア内の発光を平均的に受光しているため、プロセス状態が大きく変動しない限り、検出可能とはならない。このため、歩留まり低下の原因となる処理装置内でのプロセスの微妙なバラツキや異常をモニタできない場合がある。そのため、オペレータの勘と経験に頼った制御を行ったり、異常が起こる前に計画的なメンテナンスを行っているのが実態である。
【0011】
第2の方法にあっては、レンズ系の集光点に置かれた分光手段には、長方形スリットを通過した結像関係にある点以外の光も入射する。この光は集光されていないため結合効率は小さいが、結像関係にある点からの光に重畳されて受光される。加えて、プラズマからの発光は、場所により強度が大きく異なる。そのため、観測したいエッチングエリア以外のエリアがエッチング終点となって所定の発光が生ずると、モニタしている波長成分にその影響が現れるため、面内全域に亘って完全なエッチングの終点を検出するのは困難である。
【0012】
第3の方法にあっては、▲1▼波長によりグレーティングからの受光素子間の光路長が異なるため、受光素子上では1つの波長しか集光しない。換言すれば、他の波長はボケる結果となる。つまり、波長により受光素子上に集光するエリアが変動してしまう。これは、プラズマ発光のように、光源が同一面上にない場合には、分光するエリアが歪曲してしまい不都合である。▲2▼グレーティングに入射する光が拡がりを持つと、入射角により光路長が異なるため、同じ波長の光でも受光素子上の同じ位置に集光しない。換言すれば、1つの波長でもボケる。つまり、ある波長に対応した受光素子に他の波長の光が入射し影響を与える。これは、プラズマ発光のような波長間の強度比が大きい信号を分光するためには不都合である。
【0013】
第4の方法にあっては、通常の結像系を用いたのでは、結像面から離れた点からのプラズマ発光がぼやけて重畳して受光されるため、実質的には空間的に分離できていない。
【0014】
この発明は、従来のプラズマ状態のモニタ方法における上述の問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、測定対象領域外からの影響を取り除いて高精度なプラズマ分光画像を測定することが可能なプラズマ分光測定装置を提供することにある。
【0015】
この発明の他の目的とするところは、そのようなプラズマ分光測定装置が組み込まれたプラズマプロセス装置を提供することにある。
【0016】
この発明のさらに他の目的並びに作用効果は、明細書の以下の記載を参照することにより当業者であれば容易に理解される筈である。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明のプラズマ分光測定装置は、プラズマ発光を集光する集光光学系と、前記集光光学系の焦点近傍に配置される第1の視野制限手段と、前記第1の視野制限手段通過後のプラズマ発光を第1の方向においては発散させ、かつ第1の方向と直交する第2の方向においては集光させる異方性集光光学系と、前記異方性集光光学系の後方に配置され、前記第1の方向にあっては場所により透過波長が異なり、かつ前記第2の方向にあっては場所によらず透過波長が一定である異方性光学フィルタと、前記異方性光学フィルタを透過した光を電気信号に変換する二次元撮像素子と、を具備するものである。
【0018】
“異方性集光光学系の後方”とは、異方性集光光学系に対して、プラズマ発光が存在する方向とは反対側の方向を意味する。
【0019】
異方性集光光学系の集光点、すなわちプラズマ発光が結像する位置近傍に異方性光学フィルタ、あるいは異方性光学フィルタを密着させた二次元撮像素子を配置しても良い。この場合、像のボケの影響が最小限に抑えられ、空間的な分解能を最良のものとすることができる。
【0020】
好ましい実施の形態においては、前記異方性集光光学系への入射光を前記第1の方向において制限する第2の視野制限手段をさらに有するようにしてもよい。加えて、前記異方性光学フィルタが、各層の膜厚をリニアに変化させた多層膜フィルタであるようにしてもよい。
【0021】
上述のプラズマ分光測定装置をプラズマプロセス装置に適用するに際しては、前記第2の方向がプラズマ処理室内の半導体基板の表面と垂直な面に対応付けることが好ましい。
【0022】
このような本発明のプラズマ分光測定装置並びにそれを利用するプラズマプロセス装置にあっては、次のような作用効果を有する。
【0023】
(1)場所により透過波長が異なる異方性光学フィルタを使用するため、分光光学系を容易に実現できる。プラズマ装置内の位置に対応した発光(第2の方向)を異方性光学フィルタ近傍に結像させる光学系を設計すれば、分光時の像のボケが発生しない。そのため、ライン状の光源を分光するためのグレーティングにおける本質的な問題点が解消される。
【0024】
(2)第2の方向では光学フィルタへ垂直入射となるため、入射角度変動による透過波長の広がりが発生しない。また、第1の方向の入射角は任意の波長に対して固定(透過波長の位置により決まる)となる。各波長に対応する光学フィルタへの入射角度は常に一定のため、透過波長の広がりは発生しない。そのため、容易に実用的なプラズマ分光測定装置を実現できる。
【0025】
(3)第1の視野制限手段により光軸に平行な成分以外は受光しないため、空間分解能を高くできる。そのため、周辺に発光強度の大きな点がある場合でも、プラズマ分光画像を正確に測定することができ、微妙なプロセスのバラツキをモニタすることが可能である。
【0026】
(4)複数のモニタを用意することなく、プラズマ分光画像を測定することが可能であるため、ローコストなモニタを実現できる。
【0027】
(5)可動部を用いることなく、ライン状のプラズマ分光画像を測定することが可能であるため、塵や埃を発生することがない。また、プラズマ分光画像を一括して(高速に)測定できるため、短時間しか発生しないプロセスの変動に対して、安定したモニタが可能である。さらに、モニタの応答時間を短縮できる。
【0028】
(6)撮像素子として二次元CCDを用いることで、プラズマ分光画像を観測する点数、位置を自由に選択できる。そのため、重点的に観測したい場所のみのモニタが可能となる。また、分光装置の取り付け時の位置決めが容易となる。
【0029】
(7)撮像素子として二次元CCDを用いることで空間分解能とトレードオフでプラズマ分光画像を平均するライン数を設定できる。このため、発光強度が小さい位置でもS/Nよく信号を取得することができる。
【0030】
(8)撮像素子として二次元CCDを用いることで、感度を蓄積時間のみで変化させることが可能となる。そのため、信号のダイナミックレンジの大きな分光画像を測定することができる。
【0031】
(9)撮像素子に二次元MOSを用いることで、必要な波長のみを読み出すことができるため、プラズマ分光画像の取り込みの高速化、データサイズの小容量化を実現することができる。
【0032】
(10)本発明の装置はプラズマプロセスの現象の解明(研究用途)に利用でき、将来、研究の結果、測定結果とプロセス結果との関連が判明すればプロセスモニタとして利用できる可能性がある。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明のプラズマ分光測定装置並びにプラズマプロセス装置の好適な実施の一形態を添付図面に従って詳細に説明する。本発明の構成図(第1実施形態)が図1に示されている。
【0034】
同図に示されるように、本発明のプラズマ分光測定装置は、プラズマ発光を集光する集光光学系1と、集光光学系1の焦点近傍に配置される第1の視野制限手段2と、前記第1の視野制限手段2を通過した後のプラズマ発光を第1の方向(X)においては発散させ、かつ第1の方向(X)と直交する第2の方向(Y)においては集光させる異方性集光光学系3と、異方性集光光学系3の後方に配置され、第1の方向(X)にあっては場所により透過波長が異なり、かつ第2の方向(Y)にあっては場所によらず透過波長が一定である異方性光学フィルタ4と、異方性光学フィルタ4を透過した光を電気信号に変換する2次元撮像素子5とを備えている。
【0035】
集光光学系1は、プラズマプロセス装置の測定したい場所(図示せず)から距離Fの位置に配置される。ここで、距離Fとは、集光光学系1の焦点距離のことである。測定点からの光は集光光学系1を通過してコリメート光とされる。第1の視野制限手段2は、集光光学系1を通過する光の広がり角を制御ないし制限する。第1の視野制限手段2を通過したコリメート光は異方性集光光学系3により第1の方向(X)においては、図1(b)に示されるように発散される。同時に、第1の視野制限手段2を通過したコリメート光は、第1の方向(X)と直交する第2の方向(Y)においては、異方性集光光学系3の作用により集光され、光学フィルタ4の上に結像される。このような作用を実現するために、第1の視野制限手段2は異方性集光光学系3の前側焦点位置に配置される。同時に、光学フィルタ4ないしは撮像素子5は、異方性集光光学系3の後側焦点位置に配置される。ここで、異方性集光光学系3の焦点距離をfとして表す。
【0036】
先に述べたように、異方性光学フィルタ4は、第1の方向(X)にあっては場所により透過波長が異なり、かつ第2の方向(Y)にあっては場所によらず透過波長が一定である。このような光学フィルタの説明図が図2に示されている。
【0037】
同図(a)に示されるように、異方性光学フィルタ4は、撮像素子5の前面側に配置される。いま仮に、異方性光学フィルタ4の上に、第1の方向(X)に沿って、下一列に3個の点(A,B,C)をとり、同様に上一列に3個の点(D,E,F)をとる。点Aと点D、点Bと点E、点Cと点Fはそれぞれ第1の方向(X)における値が同じである。このような前提の下に、同図(b)にはA点及びD点における波長特性が、同図(c)にはB点及びE点における波長特性が、同図(d)には、C点及びF点における波長特性がそれぞれ示されている。それらの波長特性曲線から明らかなように、第1の方向(X)に沿う3点における透過率は異なるものの、それと直交する第2の方向(Y)における透過率は変わらないことが分かる。このように、本発明の要部である異方性光学フィルタ4は、第1の方向(X)にあっては場所により透過波長が異なるものの、第2の方向(Y)にあっては場所によらず透過波長が一定とされている。
【0038】
図1に戻って、2次元撮像素子5としては、例えばCCDエリアセンサ等を使用することができる。そして、この2次元撮像素子5は、異方性光学フィルタ4を通過した直後の光を受光し、これを電気信号に変換する。
【0039】
以上の構成によれば、図1(b)に示されるように、第1の方向(X)を例えば水平方向とすれば、水平方向に沿う各点からの光は、集光光学系1を通過した後、第1の視野制限手段2によって視野を制限され、しかる後、異方性集光光学系3を介して、第1の方向(X)において発散される。すなわち、水平面内の各点に存在する発光点から、様々な波長成分を含むプラズマ発光が到来したような場合、これら各点からのプラズマ発光は、異方性集光光学系3の発散作用によって互いに混合されかつ発散されて、異方性光学フィルタ4の上に照射される。そのため、個々の波長成分を満遍なく含む一定の広がりを持った光は、その固有の波長に対応する位置において、異方性光学フィルタ4を通過して、その背面側に置かれた2次元撮像素子5の受光面に到達して、電気信号に変換される。後に詳細に説明するように、これにより、第1の方向(X)に沿ったプラズマ発光の分光特性が得られるのである。
【0040】
一方、第2の方向(Y)においては、図1(a)に示されるように、高さ方向の各点から得られたプラズマ発光は、集光光学系1を経由して集光された後、第1の視野制限手段2でその視野を制限され、しかる後、異方性集光光学系3を介して集束されて、異方性光学フィルタ4の上に照射される。このとき、第1の視野制限手段2は、集光光学系1の焦点位置に配置されているから、いわゆるテレセントリック光学系が構築される。そのため、第1の視野制限手段2を通過して異方性集光光学系3に至る光は、集光光学系1の光軸と平行な成分に制限され、異方性光学フィルタ4の上には高さ方向の各点からのプラズマ発光が鮮明な像として結像される。これにより、後に詳細に説明するが、2次元撮像素子5から得られた映像中には、高さ方向の各点からのプラズマ発光に対応する光点が明瞭に映し出されることとなる。
【0041】
次に、本発明の構成図(第2実施形態)が図3に示されている。この第2実施形態においては、異方性集光光学系3Aの入射光を第1の方向(X)において制限する第2の視野制限手段6が設けられている。この第2の視野制限手段6により、撮像素子5に入射する第1の方向(X)における光線が制限され、これにより分光画像を得る領域が限定される。尚、発散する光の視野を制限する第2の視野制限手段6は、図3(a)において符号6′で示されるように、集光光学系1の近傍、あるいは同図中符号6で示される異方光学系6の近傍など、様々な場所に配置することができる。もっとも、ビームが広がった位置に配置することで、第2の視野制限手段6,6′に要求される位置決め精度を緩和することができる。尚、図3において、図1に示した第1実施形態と同一構成部分については同符号を付して説明は省略する。
【0042】
このように、異方性集光光学系3Aの入射光を第1の方向(X)において制限する第2の視野制限手段(6,6′)を設けることにより、分光画像を得る領域が正確に限定され、測定精度を向上させることができる。
【0043】
先に説明した異方性光学フィルタ4としては、具体的には様々な構造を採用することができる。そのような構造の一例が図4に示されている。同図(a)に示されるように、この異方性光学フィルタ41は、膜厚をリニアに変化させた多層膜フィルタを採用したものである。この例にあっては、同図(b)に示されるように、第1の方向(X)に沿った透過波長は、リニアに変化することが理解されるであろう。そして、この図4に示される膜厚をリニアに変化させた多層膜フィルタによる異方性光学フィルタによれば、観測したい波長が近い場合に特に有効であることが確認された。
【0044】
一方、光学フィルタの構造の他の一例が図5に示されている。同図(a)に示されるように、この異方性光学フィルタ42は、透過波長の異なる複数のフィルタ42a〜42gを一次元的に配置した構造を有する。このような構造によれば、同図(b)に示されるように、第1の方向(X)に沿った各場所における透過波長特性は階段状となる。そして、このような構造の異方性光学フィルタ42は、観測したい波長が離れている場合に有効であることが確認された。
【0045】
次に、第2の視野制限手段の具体的ないくつかの例が図6に示されている。同図(a)に示される第2の視野制限手段61は、遮光板61aのほぼ中央に直線状の穴61bを形成することにより、スリットを構成したものである。また、同図(b)に示される第2の視野制限手段62は、2枚の遮光板62a,62bを僅かな間隔を隔てて並べることにより、それらの遮光板の間に隙間62cを形成し、これによりスリットを実現したものである。また、同図(c)に示される第2の視野制限手段63は、遮光板63aのほぼ中央に1列にピンホール63bを配列することにより、ピンホール列を形成したものである。このように、第2の視野制限手段6としては、様々な構造を採用することができ、要するに、第1の方向(X)における発散光を制限するような構造であれば、長方形型スリットでもピンホールを1次元に配置したものでも差し支えないのである。
【0046】
次に、本発明のプラズマ分光測定装置の設置例を示す図が図7に示されている。同図において、符号7で示されるものが本発明のプラズマ分光測定装置、符号8で示されるものがプラズマプロセス装置である。
【0047】
先に説明したように、プラズマ分光測定装置7は、プラズマ発光を集光する集光光学系1と、集光光学系1の焦点近傍に配置される第1の視野制限手段2と、第1の視野制限手段2を通過した後のプラズマ発光を第1の方向(X)においては発散させ、かつ第1の方向(X)と直交する第2の方向(Y)においては集光させる異方性集光光学系3と、異方性集光光学系3の後方に配置されると共に、第1の方向(X)にあっては場所により透過波長が異なり、かつ第2の方向(Y)にあっては場所によらず透過波長が一定である異方性光学フィルタ4と、異方性光学フィルタ4を透過した光を電気信号に変換する2次元撮像素子5とを備えている。
【0048】
これに対して、プラズマプロセス装置8は、プラズマ10が充満するプラズマ処理室9内に処理対象となる半導体基板11を配置したものである。半導体基板11は、その表面を水平な姿勢に保った状態でプラズマ処理室9内に置かれている。尚、12はアンテナである。
【0049】
プラズマ分光測定装置7とプラズマプロセス装置8との配置関係において重要な点は、プラズマ分光測定装置7における第2の方向(Y)が、プラズマプロセス装置8内に置かれた半導体基板11の表面に対して垂直な方向と対応づけられる点である。繰り返せば、異方性集光光学系3の発散方向である第1の方向(X)と半導体基板11の表面とが平行な状態となり、異方性集光光学系3の集光方向である第2の方向(Y)が半導体基板11の表面に対して垂直な方向となるのである。
【0050】
これにより、プラズマ分光測定装置7では、プラズマプロセス装置8内のプラズマ雰囲気を水平方向多段にスライスした各面におけるプラズマ発光に対するプラズマ分光画像を精密に測定することが可能となる。すなわち、プラズマ処理室9内におけるプラズマ雰囲気は、高さ方向並びに水平方向のそれぞれにおいて様々な特性分布を有するものであるが、本発明のプラズマ分光測定装置7にあっては、高さ方向の各面からのプラズマ発光を混合かつ発散して異方性光学フィルタ4上に導入するので、個々の水平面のどこにどのようなプラズマ発光が存在しようとも、これを異方性光学フィルタ4を介して正確に分光分析することができるのである。しかも、第1の方向(X)と直交する第2の方向(Y)は、プラズマ処理室9内における高さ方向の各位置に対応すると共に、それら高さ方向からの光線は、いわゆるテレセントリック光学系の作用によって、異方性光学フィルタ4の表面に正確にボケを生ずることなく結像するため、撮像素子5からの電気信号に基づいて、プラズマ処理室9内の高さ方向の各層における成分分布を正確に測定することが可能となるのである。
【0051】
プラズマ分光測定装置の作用説明図が図8にさらに示されている。同図において、第1及び第2実施形態と同一構成部分については同符号を付して説明は省略する。
【0052】
同図に示されるように、第1の方向(X)と直交する第2の方向(Y)が半導体基板11の表面と垂直となるようにプラズマ分光測定装置を配置し、半導体基板11の表面と垂直方向のプラズマ分光画像を取得するのである。このとき、同図(b)に示されるように、半導体基板11表面の微小領域から到来するプラズマ発光は、集光光学系1、第1の視野制限手段2、第2の視野制限手段6、異方性集光光学系3を経た後発散されて、2次元撮像素子5の前面側に配置された異方性光学フィルタ4に照射される。これにより、半導体基板11のある高さにおける微小領域のプラズマ発光が正確に分光測定される。一方、同図(a)に示されるように、半導体基板11上の高さ方向の各点からのプラズマ発光は、同様にして、集光光学系1、第1の視野制限手段2、第2の視野制限手段6、異方性集光光学系3を経由した後、適宜集光されて、2次元撮像素子5の前面側に配置された異方性光学フィルタ4の上に結像される。このとき、第1の視野制限手段2が、集光光学系1の焦点位置に配置されてテレセントリック光学系が構成されるため、異方性光学フィルタ4上の光の像は極めて鮮明なものとなり、従前のグレーティングを用いた場合のようなボケを生ずることがない。そのため、半導体基板11上方の各高さ位置における発光波長を取得画像上に正確に反映することができる。
【0053】
次に、こうして得られた分光画像の説明図が図9に示されている。尚、同図において第1実施形態並びに第2実施形態と同一構成部分については同符号を付して説明は省略する。いま仮に、同図(a)に示されるように、半導体基板9の垂直上方に2点(P1,P2)をとり、それぞれの高さをa,bと設定する。このとき、同図(b)に示されるように、高さaを有するP1点の発光特性が2つの波長成分(λa1,λa2)を有し、同図(c)に示されるように、高さbを有するP2点における発光特性が、1個の波長成分(λb1)を有するものと想定する。
【0054】
この場合、本発明のプラズマ分光測定装置7においては、先に説明した分光作用並びに結像作用が直交2軸において別々に生ずるため、同図(d)に示されるように、CCD受光画像13においては、3個の光の点14,15,16が現れることとなる。ここで、点14と点15とは、同図(a)における高さaのP1点からのプラズマ発光に基づくものであり、そのうち点14は波長λa1に対応し、点15は波長λa2に対応する。また、点16は、同図(a)に示す高さbを有するP2点に対応するものであり、また波長λb1に対応するものである。
【0055】
このように、本発明により得られるCCD受光画像13によれば、そのXY座標上における各点の有する意味に基づき、プラズマ処理室9内における物質成分を正確に反映したものとなる。すなわち、このようなCCD受光画像によれば、画像上のXY座標値が波長並びに高さに対応し、ここで高さ方向は集光光学系1の特性により決定され、水平方向は異方性集光光学系3の特性により決定される。さらに、CCDの受光強度によって発光強度を知ることもできる。
【0056】
以上詳細に述べた実施形態によれば、プラズマ発光を集光する集光光学系1と、集光光学系1の焦点(F)近傍に配置される第1の視野制限手段2と、第1の視野制限手段2を通過した後のプラズマ発光を第1の方向(X)においては発散させ、かつ第1の方向(X)と直交する第2の方向(Y)においては集光させる異方性集光光学系3と、異方性集光光学系3の後方に配置され第1の方向(X)にあっては場所により透過波長が異なりかつ第2の方向(Y)にあっては場所によらず透過波長が一定である異方性光学フィルタ4と、異方性光学フィルタ4を透過した光を電気信号に変換する2次元撮像素子5とを有するものであり、さらに、異方性集光光学系3への入射光を第1の方向(X)において制限する第2の視野制限手段6を有するものであるため、これをプラズマプロセス装置8等に応用すれば、次のような様々な効果を得ることができる。
【0057】
(1)本発明によれば、場所により透過波長が異なる光学フィルタ4を用いるため、分光光学系が容易に実現できる。プラズマ装置内の位置に対応した発光(第2の方向Y)を光学フィルタ近傍に結像させる光学系を設計すれば、テレセントリック光学系として作用するため、分光時の像のボケが発生しなくなり、ライン状の光源を分光するためにグレーティングを使用した場合の問題点を解決することができる。
【0058】
(2)第2の方向(Y)では光学フィルタ4へ垂直入射となるため、入射角度変動による透過波長の広がりが発生しない。また、第1の方向(X)の入射角は任意の波長に対して固定(透過波長が位置により決まる)となる。各波長に対応する光学フィルタ4への入射角度は常に一定のため、透過波長の広がりは発生しない。このため、容易に実用的な分光測定装置が実現できる。
【0059】
(3)第1の視野制限手段2により光軸に平行な成分以外は受光しないため、空間分解能が高くできる。そのため、周辺に発光強度の大きな点がある場合でも、プラズマ分光画像を正確に測定でき、微妙なプロセスのバラツキをモニタすることも可能となる。
【0060】
(4)複数のモニタを用意することなく、プラズマ分光画像を測定することが可能となり、小型、ローコストなモニタを実現できる。
【0061】
(5)可動部がなくライン上のプラズマ分光画像を測定することが可能であるため、塵や埃を発生することがない。さらに、プラズマ分光画像を一括して(高速に)測定できるため、短時間しか発生しないプロセスの変動に対して安定したモニタが可能である。また、プロセスの変動を検出するまでの応答時間も短くできる。
【0062】
(6)撮像素子として2次元CCDを用いることで、プラズマ分光画像を観測する点数、位置を自由に選択できる。このため、重点的に観測したい場所のみのモニタが可能となり、また分光装置の取り付け時の位置決めも容易となる。
【0063】
(7)撮像素子として2次元CCDを用いることで、空間分解能とトレードオフでプラズマ分光画像を平均するライン数を設定できるため、発光強度が小さい位置でもS/Nよく信号を採取することができる。
【0064】
(8)撮像素子として2次元CCDを用いることで、感度を蓄積時間のみで変化させることができ、信号のダイナミックレンジの大きなプラズマ分光画像を測定することができる。
【0065】
(9)撮像素子に2次元MOSを用いることで、必要な波長のみを読み出すことができ、このためプラズマ分光画像の取り込みの高速化やデータサイズを小さくすることができる。
【0066】
(10)本発明の装置はプラズマプロセスの現象の解明(研究用途)に利用でき、将来、研究の結果、測定結果とプロセス結果との関連が判明すればプロセスモニタとして利用できる可能性がある。
【0067】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、測定対象領域内からの影響を取り除いて高精度なプラズマ分光画像を測定することが可能なプラズマ分光測定装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成図(第1実施形態)である。
【図2】光学フィルタの説明図である。
【図3】本発明の構成図(第2実施形態)である。
【図4】光学フィルタの説明図(その1)である。
【図5】光学フィルタの説明図(その2)である。
【図6】第2の視野制限手段の説明図である。
【図7】プラズマ分光測定装置の設置例を示す図である。
【図8】プラズマ分光測定装置の作用説明図である。
【図9】分光画像の説明図である。
【符号の説明】
1 集光光学系
2 第1の視野制限手段
3 異方性集光光学系
4 異方性光学フィルタ
5 2次元撮像素子
6,6′ 第2の視野制限手段
7 プラズマ分光測定装置
8 プラズマプロセス装置
9 プラズマ処理室
10 プラズマ
11 半導体基板
12 アンテナ
13 CCD受光画像
14,15,16 CCD受光画像上の光の点
41,42 異方性光学フィルタ
42a〜42g 透過波長の異なる複数のフィルタ
61,62,63 第2の視野制限手段
【発明の属する技術分野】
この発明は、プラズマプロセス(例えば、酸化、窒化、酸窒化、CVD、エッチング、スパッタ等)において、プラズマの状態をモニタする等の用途に好適なプラズマ分光測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラズマプロセス(例えば、酸化、窒化、酸窒化、CVD、エッチング、スパッタ等)において、プラズマの状態をモニタするための方法としては、従来より種々のものが知られている。
【0003】
第1の方法は、発光波長に対応する準位の活性種(ラジカル、イオン等)の密度を発光強度の相対変化により推定するもので、一般には、『発光分光法』と称される。この発光分光法は、簡便で小型化が容易なことから多用される傾向にある。
【0004】
第2の方法は、半導体基板表面の面内均一性を得るためにエッチングの終点を検知するもので、プラズマプロセスに置かれた半導体基板表面に存在するプラズマ発光を、半導体基板表面と平行な光軸を有する光学系にて側方より集光し、これを長方形スリットを介して分光手段に結像させることにより、エッチングの終点到達を検出するものである(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
第3の方法は、所謂グレーティングを用いて、プラズマ発光を波長毎に分光するものである。周期的に刻んだ溝に光を当てると光の波長により回折する角度が相異する。グレーティングは、この性質を利用して対象となるプラズマ発光を波長毎に分光するものである。
【0006】
第4の方法は、波長帯を3分割して、それぞれの明るさの基板面からの位置的変化を経時的に望遠レンズを装備したビデオカメラで撮影するものである(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−181050号公報
【0008】
【特許文献2】
特公平6−101441号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のプラズマ状態のモニタ方法にあっては、以下のような問題点が存在する。
【0010】
第1の方法にあっては、エリア内の発光を平均的に受光しているため、プロセス状態が大きく変動しない限り、検出可能とはならない。このため、歩留まり低下の原因となる処理装置内でのプロセスの微妙なバラツキや異常をモニタできない場合がある。そのため、オペレータの勘と経験に頼った制御を行ったり、異常が起こる前に計画的なメンテナンスを行っているのが実態である。
【0011】
第2の方法にあっては、レンズ系の集光点に置かれた分光手段には、長方形スリットを通過した結像関係にある点以外の光も入射する。この光は集光されていないため結合効率は小さいが、結像関係にある点からの光に重畳されて受光される。加えて、プラズマからの発光は、場所により強度が大きく異なる。そのため、観測したいエッチングエリア以外のエリアがエッチング終点となって所定の発光が生ずると、モニタしている波長成分にその影響が現れるため、面内全域に亘って完全なエッチングの終点を検出するのは困難である。
【0012】
第3の方法にあっては、▲1▼波長によりグレーティングからの受光素子間の光路長が異なるため、受光素子上では1つの波長しか集光しない。換言すれば、他の波長はボケる結果となる。つまり、波長により受光素子上に集光するエリアが変動してしまう。これは、プラズマ発光のように、光源が同一面上にない場合には、分光するエリアが歪曲してしまい不都合である。▲2▼グレーティングに入射する光が拡がりを持つと、入射角により光路長が異なるため、同じ波長の光でも受光素子上の同じ位置に集光しない。換言すれば、1つの波長でもボケる。つまり、ある波長に対応した受光素子に他の波長の光が入射し影響を与える。これは、プラズマ発光のような波長間の強度比が大きい信号を分光するためには不都合である。
【0013】
第4の方法にあっては、通常の結像系を用いたのでは、結像面から離れた点からのプラズマ発光がぼやけて重畳して受光されるため、実質的には空間的に分離できていない。
【0014】
この発明は、従来のプラズマ状態のモニタ方法における上述の問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、測定対象領域外からの影響を取り除いて高精度なプラズマ分光画像を測定することが可能なプラズマ分光測定装置を提供することにある。
【0015】
この発明の他の目的とするところは、そのようなプラズマ分光測定装置が組み込まれたプラズマプロセス装置を提供することにある。
【0016】
この発明のさらに他の目的並びに作用効果は、明細書の以下の記載を参照することにより当業者であれば容易に理解される筈である。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明のプラズマ分光測定装置は、プラズマ発光を集光する集光光学系と、前記集光光学系の焦点近傍に配置される第1の視野制限手段と、前記第1の視野制限手段通過後のプラズマ発光を第1の方向においては発散させ、かつ第1の方向と直交する第2の方向においては集光させる異方性集光光学系と、前記異方性集光光学系の後方に配置され、前記第1の方向にあっては場所により透過波長が異なり、かつ前記第2の方向にあっては場所によらず透過波長が一定である異方性光学フィルタと、前記異方性光学フィルタを透過した光を電気信号に変換する二次元撮像素子と、を具備するものである。
【0018】
“異方性集光光学系の後方”とは、異方性集光光学系に対して、プラズマ発光が存在する方向とは反対側の方向を意味する。
【0019】
異方性集光光学系の集光点、すなわちプラズマ発光が結像する位置近傍に異方性光学フィルタ、あるいは異方性光学フィルタを密着させた二次元撮像素子を配置しても良い。この場合、像のボケの影響が最小限に抑えられ、空間的な分解能を最良のものとすることができる。
【0020】
好ましい実施の形態においては、前記異方性集光光学系への入射光を前記第1の方向において制限する第2の視野制限手段をさらに有するようにしてもよい。加えて、前記異方性光学フィルタが、各層の膜厚をリニアに変化させた多層膜フィルタであるようにしてもよい。
【0021】
上述のプラズマ分光測定装置をプラズマプロセス装置に適用するに際しては、前記第2の方向がプラズマ処理室内の半導体基板の表面と垂直な面に対応付けることが好ましい。
【0022】
このような本発明のプラズマ分光測定装置並びにそれを利用するプラズマプロセス装置にあっては、次のような作用効果を有する。
【0023】
(1)場所により透過波長が異なる異方性光学フィルタを使用するため、分光光学系を容易に実現できる。プラズマ装置内の位置に対応した発光(第2の方向)を異方性光学フィルタ近傍に結像させる光学系を設計すれば、分光時の像のボケが発生しない。そのため、ライン状の光源を分光するためのグレーティングにおける本質的な問題点が解消される。
【0024】
(2)第2の方向では光学フィルタへ垂直入射となるため、入射角度変動による透過波長の広がりが発生しない。また、第1の方向の入射角は任意の波長に対して固定(透過波長の位置により決まる)となる。各波長に対応する光学フィルタへの入射角度は常に一定のため、透過波長の広がりは発生しない。そのため、容易に実用的なプラズマ分光測定装置を実現できる。
【0025】
(3)第1の視野制限手段により光軸に平行な成分以外は受光しないため、空間分解能を高くできる。そのため、周辺に発光強度の大きな点がある場合でも、プラズマ分光画像を正確に測定することができ、微妙なプロセスのバラツキをモニタすることが可能である。
【0026】
(4)複数のモニタを用意することなく、プラズマ分光画像を測定することが可能であるため、ローコストなモニタを実現できる。
【0027】
(5)可動部を用いることなく、ライン状のプラズマ分光画像を測定することが可能であるため、塵や埃を発生することがない。また、プラズマ分光画像を一括して(高速に)測定できるため、短時間しか発生しないプロセスの変動に対して、安定したモニタが可能である。さらに、モニタの応答時間を短縮できる。
【0028】
(6)撮像素子として二次元CCDを用いることで、プラズマ分光画像を観測する点数、位置を自由に選択できる。そのため、重点的に観測したい場所のみのモニタが可能となる。また、分光装置の取り付け時の位置決めが容易となる。
【0029】
(7)撮像素子として二次元CCDを用いることで空間分解能とトレードオフでプラズマ分光画像を平均するライン数を設定できる。このため、発光強度が小さい位置でもS/Nよく信号を取得することができる。
【0030】
(8)撮像素子として二次元CCDを用いることで、感度を蓄積時間のみで変化させることが可能となる。そのため、信号のダイナミックレンジの大きな分光画像を測定することができる。
【0031】
(9)撮像素子に二次元MOSを用いることで、必要な波長のみを読み出すことができるため、プラズマ分光画像の取り込みの高速化、データサイズの小容量化を実現することができる。
【0032】
(10)本発明の装置はプラズマプロセスの現象の解明(研究用途)に利用でき、将来、研究の結果、測定結果とプロセス結果との関連が判明すればプロセスモニタとして利用できる可能性がある。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明のプラズマ分光測定装置並びにプラズマプロセス装置の好適な実施の一形態を添付図面に従って詳細に説明する。本発明の構成図(第1実施形態)が図1に示されている。
【0034】
同図に示されるように、本発明のプラズマ分光測定装置は、プラズマ発光を集光する集光光学系1と、集光光学系1の焦点近傍に配置される第1の視野制限手段2と、前記第1の視野制限手段2を通過した後のプラズマ発光を第1の方向(X)においては発散させ、かつ第1の方向(X)と直交する第2の方向(Y)においては集光させる異方性集光光学系3と、異方性集光光学系3の後方に配置され、第1の方向(X)にあっては場所により透過波長が異なり、かつ第2の方向(Y)にあっては場所によらず透過波長が一定である異方性光学フィルタ4と、異方性光学フィルタ4を透過した光を電気信号に変換する2次元撮像素子5とを備えている。
【0035】
集光光学系1は、プラズマプロセス装置の測定したい場所(図示せず)から距離Fの位置に配置される。ここで、距離Fとは、集光光学系1の焦点距離のことである。測定点からの光は集光光学系1を通過してコリメート光とされる。第1の視野制限手段2は、集光光学系1を通過する光の広がり角を制御ないし制限する。第1の視野制限手段2を通過したコリメート光は異方性集光光学系3により第1の方向(X)においては、図1(b)に示されるように発散される。同時に、第1の視野制限手段2を通過したコリメート光は、第1の方向(X)と直交する第2の方向(Y)においては、異方性集光光学系3の作用により集光され、光学フィルタ4の上に結像される。このような作用を実現するために、第1の視野制限手段2は異方性集光光学系3の前側焦点位置に配置される。同時に、光学フィルタ4ないしは撮像素子5は、異方性集光光学系3の後側焦点位置に配置される。ここで、異方性集光光学系3の焦点距離をfとして表す。
【0036】
先に述べたように、異方性光学フィルタ4は、第1の方向(X)にあっては場所により透過波長が異なり、かつ第2の方向(Y)にあっては場所によらず透過波長が一定である。このような光学フィルタの説明図が図2に示されている。
【0037】
同図(a)に示されるように、異方性光学フィルタ4は、撮像素子5の前面側に配置される。いま仮に、異方性光学フィルタ4の上に、第1の方向(X)に沿って、下一列に3個の点(A,B,C)をとり、同様に上一列に3個の点(D,E,F)をとる。点Aと点D、点Bと点E、点Cと点Fはそれぞれ第1の方向(X)における値が同じである。このような前提の下に、同図(b)にはA点及びD点における波長特性が、同図(c)にはB点及びE点における波長特性が、同図(d)には、C点及びF点における波長特性がそれぞれ示されている。それらの波長特性曲線から明らかなように、第1の方向(X)に沿う3点における透過率は異なるものの、それと直交する第2の方向(Y)における透過率は変わらないことが分かる。このように、本発明の要部である異方性光学フィルタ4は、第1の方向(X)にあっては場所により透過波長が異なるものの、第2の方向(Y)にあっては場所によらず透過波長が一定とされている。
【0038】
図1に戻って、2次元撮像素子5としては、例えばCCDエリアセンサ等を使用することができる。そして、この2次元撮像素子5は、異方性光学フィルタ4を通過した直後の光を受光し、これを電気信号に変換する。
【0039】
以上の構成によれば、図1(b)に示されるように、第1の方向(X)を例えば水平方向とすれば、水平方向に沿う各点からの光は、集光光学系1を通過した後、第1の視野制限手段2によって視野を制限され、しかる後、異方性集光光学系3を介して、第1の方向(X)において発散される。すなわち、水平面内の各点に存在する発光点から、様々な波長成分を含むプラズマ発光が到来したような場合、これら各点からのプラズマ発光は、異方性集光光学系3の発散作用によって互いに混合されかつ発散されて、異方性光学フィルタ4の上に照射される。そのため、個々の波長成分を満遍なく含む一定の広がりを持った光は、その固有の波長に対応する位置において、異方性光学フィルタ4を通過して、その背面側に置かれた2次元撮像素子5の受光面に到達して、電気信号に変換される。後に詳細に説明するように、これにより、第1の方向(X)に沿ったプラズマ発光の分光特性が得られるのである。
【0040】
一方、第2の方向(Y)においては、図1(a)に示されるように、高さ方向の各点から得られたプラズマ発光は、集光光学系1を経由して集光された後、第1の視野制限手段2でその視野を制限され、しかる後、異方性集光光学系3を介して集束されて、異方性光学フィルタ4の上に照射される。このとき、第1の視野制限手段2は、集光光学系1の焦点位置に配置されているから、いわゆるテレセントリック光学系が構築される。そのため、第1の視野制限手段2を通過して異方性集光光学系3に至る光は、集光光学系1の光軸と平行な成分に制限され、異方性光学フィルタ4の上には高さ方向の各点からのプラズマ発光が鮮明な像として結像される。これにより、後に詳細に説明するが、2次元撮像素子5から得られた映像中には、高さ方向の各点からのプラズマ発光に対応する光点が明瞭に映し出されることとなる。
【0041】
次に、本発明の構成図(第2実施形態)が図3に示されている。この第2実施形態においては、異方性集光光学系3Aの入射光を第1の方向(X)において制限する第2の視野制限手段6が設けられている。この第2の視野制限手段6により、撮像素子5に入射する第1の方向(X)における光線が制限され、これにより分光画像を得る領域が限定される。尚、発散する光の視野を制限する第2の視野制限手段6は、図3(a)において符号6′で示されるように、集光光学系1の近傍、あるいは同図中符号6で示される異方光学系6の近傍など、様々な場所に配置することができる。もっとも、ビームが広がった位置に配置することで、第2の視野制限手段6,6′に要求される位置決め精度を緩和することができる。尚、図3において、図1に示した第1実施形態と同一構成部分については同符号を付して説明は省略する。
【0042】
このように、異方性集光光学系3Aの入射光を第1の方向(X)において制限する第2の視野制限手段(6,6′)を設けることにより、分光画像を得る領域が正確に限定され、測定精度を向上させることができる。
【0043】
先に説明した異方性光学フィルタ4としては、具体的には様々な構造を採用することができる。そのような構造の一例が図4に示されている。同図(a)に示されるように、この異方性光学フィルタ41は、膜厚をリニアに変化させた多層膜フィルタを採用したものである。この例にあっては、同図(b)に示されるように、第1の方向(X)に沿った透過波長は、リニアに変化することが理解されるであろう。そして、この図4に示される膜厚をリニアに変化させた多層膜フィルタによる異方性光学フィルタによれば、観測したい波長が近い場合に特に有効であることが確認された。
【0044】
一方、光学フィルタの構造の他の一例が図5に示されている。同図(a)に示されるように、この異方性光学フィルタ42は、透過波長の異なる複数のフィルタ42a〜42gを一次元的に配置した構造を有する。このような構造によれば、同図(b)に示されるように、第1の方向(X)に沿った各場所における透過波長特性は階段状となる。そして、このような構造の異方性光学フィルタ42は、観測したい波長が離れている場合に有効であることが確認された。
【0045】
次に、第2の視野制限手段の具体的ないくつかの例が図6に示されている。同図(a)に示される第2の視野制限手段61は、遮光板61aのほぼ中央に直線状の穴61bを形成することにより、スリットを構成したものである。また、同図(b)に示される第2の視野制限手段62は、2枚の遮光板62a,62bを僅かな間隔を隔てて並べることにより、それらの遮光板の間に隙間62cを形成し、これによりスリットを実現したものである。また、同図(c)に示される第2の視野制限手段63は、遮光板63aのほぼ中央に1列にピンホール63bを配列することにより、ピンホール列を形成したものである。このように、第2の視野制限手段6としては、様々な構造を採用することができ、要するに、第1の方向(X)における発散光を制限するような構造であれば、長方形型スリットでもピンホールを1次元に配置したものでも差し支えないのである。
【0046】
次に、本発明のプラズマ分光測定装置の設置例を示す図が図7に示されている。同図において、符号7で示されるものが本発明のプラズマ分光測定装置、符号8で示されるものがプラズマプロセス装置である。
【0047】
先に説明したように、プラズマ分光測定装置7は、プラズマ発光を集光する集光光学系1と、集光光学系1の焦点近傍に配置される第1の視野制限手段2と、第1の視野制限手段2を通過した後のプラズマ発光を第1の方向(X)においては発散させ、かつ第1の方向(X)と直交する第2の方向(Y)においては集光させる異方性集光光学系3と、異方性集光光学系3の後方に配置されると共に、第1の方向(X)にあっては場所により透過波長が異なり、かつ第2の方向(Y)にあっては場所によらず透過波長が一定である異方性光学フィルタ4と、異方性光学フィルタ4を透過した光を電気信号に変換する2次元撮像素子5とを備えている。
【0048】
これに対して、プラズマプロセス装置8は、プラズマ10が充満するプラズマ処理室9内に処理対象となる半導体基板11を配置したものである。半導体基板11は、その表面を水平な姿勢に保った状態でプラズマ処理室9内に置かれている。尚、12はアンテナである。
【0049】
プラズマ分光測定装置7とプラズマプロセス装置8との配置関係において重要な点は、プラズマ分光測定装置7における第2の方向(Y)が、プラズマプロセス装置8内に置かれた半導体基板11の表面に対して垂直な方向と対応づけられる点である。繰り返せば、異方性集光光学系3の発散方向である第1の方向(X)と半導体基板11の表面とが平行な状態となり、異方性集光光学系3の集光方向である第2の方向(Y)が半導体基板11の表面に対して垂直な方向となるのである。
【0050】
これにより、プラズマ分光測定装置7では、プラズマプロセス装置8内のプラズマ雰囲気を水平方向多段にスライスした各面におけるプラズマ発光に対するプラズマ分光画像を精密に測定することが可能となる。すなわち、プラズマ処理室9内におけるプラズマ雰囲気は、高さ方向並びに水平方向のそれぞれにおいて様々な特性分布を有するものであるが、本発明のプラズマ分光測定装置7にあっては、高さ方向の各面からのプラズマ発光を混合かつ発散して異方性光学フィルタ4上に導入するので、個々の水平面のどこにどのようなプラズマ発光が存在しようとも、これを異方性光学フィルタ4を介して正確に分光分析することができるのである。しかも、第1の方向(X)と直交する第2の方向(Y)は、プラズマ処理室9内における高さ方向の各位置に対応すると共に、それら高さ方向からの光線は、いわゆるテレセントリック光学系の作用によって、異方性光学フィルタ4の表面に正確にボケを生ずることなく結像するため、撮像素子5からの電気信号に基づいて、プラズマ処理室9内の高さ方向の各層における成分分布を正確に測定することが可能となるのである。
【0051】
プラズマ分光測定装置の作用説明図が図8にさらに示されている。同図において、第1及び第2実施形態と同一構成部分については同符号を付して説明は省略する。
【0052】
同図に示されるように、第1の方向(X)と直交する第2の方向(Y)が半導体基板11の表面と垂直となるようにプラズマ分光測定装置を配置し、半導体基板11の表面と垂直方向のプラズマ分光画像を取得するのである。このとき、同図(b)に示されるように、半導体基板11表面の微小領域から到来するプラズマ発光は、集光光学系1、第1の視野制限手段2、第2の視野制限手段6、異方性集光光学系3を経た後発散されて、2次元撮像素子5の前面側に配置された異方性光学フィルタ4に照射される。これにより、半導体基板11のある高さにおける微小領域のプラズマ発光が正確に分光測定される。一方、同図(a)に示されるように、半導体基板11上の高さ方向の各点からのプラズマ発光は、同様にして、集光光学系1、第1の視野制限手段2、第2の視野制限手段6、異方性集光光学系3を経由した後、適宜集光されて、2次元撮像素子5の前面側に配置された異方性光学フィルタ4の上に結像される。このとき、第1の視野制限手段2が、集光光学系1の焦点位置に配置されてテレセントリック光学系が構成されるため、異方性光学フィルタ4上の光の像は極めて鮮明なものとなり、従前のグレーティングを用いた場合のようなボケを生ずることがない。そのため、半導体基板11上方の各高さ位置における発光波長を取得画像上に正確に反映することができる。
【0053】
次に、こうして得られた分光画像の説明図が図9に示されている。尚、同図において第1実施形態並びに第2実施形態と同一構成部分については同符号を付して説明は省略する。いま仮に、同図(a)に示されるように、半導体基板9の垂直上方に2点(P1,P2)をとり、それぞれの高さをa,bと設定する。このとき、同図(b)に示されるように、高さaを有するP1点の発光特性が2つの波長成分(λa1,λa2)を有し、同図(c)に示されるように、高さbを有するP2点における発光特性が、1個の波長成分(λb1)を有するものと想定する。
【0054】
この場合、本発明のプラズマ分光測定装置7においては、先に説明した分光作用並びに結像作用が直交2軸において別々に生ずるため、同図(d)に示されるように、CCD受光画像13においては、3個の光の点14,15,16が現れることとなる。ここで、点14と点15とは、同図(a)における高さaのP1点からのプラズマ発光に基づくものであり、そのうち点14は波長λa1に対応し、点15は波長λa2に対応する。また、点16は、同図(a)に示す高さbを有するP2点に対応するものであり、また波長λb1に対応するものである。
【0055】
このように、本発明により得られるCCD受光画像13によれば、そのXY座標上における各点の有する意味に基づき、プラズマ処理室9内における物質成分を正確に反映したものとなる。すなわち、このようなCCD受光画像によれば、画像上のXY座標値が波長並びに高さに対応し、ここで高さ方向は集光光学系1の特性により決定され、水平方向は異方性集光光学系3の特性により決定される。さらに、CCDの受光強度によって発光強度を知ることもできる。
【0056】
以上詳細に述べた実施形態によれば、プラズマ発光を集光する集光光学系1と、集光光学系1の焦点(F)近傍に配置される第1の視野制限手段2と、第1の視野制限手段2を通過した後のプラズマ発光を第1の方向(X)においては発散させ、かつ第1の方向(X)と直交する第2の方向(Y)においては集光させる異方性集光光学系3と、異方性集光光学系3の後方に配置され第1の方向(X)にあっては場所により透過波長が異なりかつ第2の方向(Y)にあっては場所によらず透過波長が一定である異方性光学フィルタ4と、異方性光学フィルタ4を透過した光を電気信号に変換する2次元撮像素子5とを有するものであり、さらに、異方性集光光学系3への入射光を第1の方向(X)において制限する第2の視野制限手段6を有するものであるため、これをプラズマプロセス装置8等に応用すれば、次のような様々な効果を得ることができる。
【0057】
(1)本発明によれば、場所により透過波長が異なる光学フィルタ4を用いるため、分光光学系が容易に実現できる。プラズマ装置内の位置に対応した発光(第2の方向Y)を光学フィルタ近傍に結像させる光学系を設計すれば、テレセントリック光学系として作用するため、分光時の像のボケが発生しなくなり、ライン状の光源を分光するためにグレーティングを使用した場合の問題点を解決することができる。
【0058】
(2)第2の方向(Y)では光学フィルタ4へ垂直入射となるため、入射角度変動による透過波長の広がりが発生しない。また、第1の方向(X)の入射角は任意の波長に対して固定(透過波長が位置により決まる)となる。各波長に対応する光学フィルタ4への入射角度は常に一定のため、透過波長の広がりは発生しない。このため、容易に実用的な分光測定装置が実現できる。
【0059】
(3)第1の視野制限手段2により光軸に平行な成分以外は受光しないため、空間分解能が高くできる。そのため、周辺に発光強度の大きな点がある場合でも、プラズマ分光画像を正確に測定でき、微妙なプロセスのバラツキをモニタすることも可能となる。
【0060】
(4)複数のモニタを用意することなく、プラズマ分光画像を測定することが可能となり、小型、ローコストなモニタを実現できる。
【0061】
(5)可動部がなくライン上のプラズマ分光画像を測定することが可能であるため、塵や埃を発生することがない。さらに、プラズマ分光画像を一括して(高速に)測定できるため、短時間しか発生しないプロセスの変動に対して安定したモニタが可能である。また、プロセスの変動を検出するまでの応答時間も短くできる。
【0062】
(6)撮像素子として2次元CCDを用いることで、プラズマ分光画像を観測する点数、位置を自由に選択できる。このため、重点的に観測したい場所のみのモニタが可能となり、また分光装置の取り付け時の位置決めも容易となる。
【0063】
(7)撮像素子として2次元CCDを用いることで、空間分解能とトレードオフでプラズマ分光画像を平均するライン数を設定できるため、発光強度が小さい位置でもS/Nよく信号を採取することができる。
【0064】
(8)撮像素子として2次元CCDを用いることで、感度を蓄積時間のみで変化させることができ、信号のダイナミックレンジの大きなプラズマ分光画像を測定することができる。
【0065】
(9)撮像素子に2次元MOSを用いることで、必要な波長のみを読み出すことができ、このためプラズマ分光画像の取り込みの高速化やデータサイズを小さくすることができる。
【0066】
(10)本発明の装置はプラズマプロセスの現象の解明(研究用途)に利用でき、将来、研究の結果、測定結果とプロセス結果との関連が判明すればプロセスモニタとして利用できる可能性がある。
【0067】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、測定対象領域内からの影響を取り除いて高精度なプラズマ分光画像を測定することが可能なプラズマ分光測定装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成図(第1実施形態)である。
【図2】光学フィルタの説明図である。
【図3】本発明の構成図(第2実施形態)である。
【図4】光学フィルタの説明図(その1)である。
【図5】光学フィルタの説明図(その2)である。
【図6】第2の視野制限手段の説明図である。
【図7】プラズマ分光測定装置の設置例を示す図である。
【図8】プラズマ分光測定装置の作用説明図である。
【図9】分光画像の説明図である。
【符号の説明】
1 集光光学系
2 第1の視野制限手段
3 異方性集光光学系
4 異方性光学フィルタ
5 2次元撮像素子
6,6′ 第2の視野制限手段
7 プラズマ分光測定装置
8 プラズマプロセス装置
9 プラズマ処理室
10 プラズマ
11 半導体基板
12 アンテナ
13 CCD受光画像
14,15,16 CCD受光画像上の光の点
41,42 異方性光学フィルタ
42a〜42g 透過波長の異なる複数のフィルタ
61,62,63 第2の視野制限手段
Claims (4)
- プラズマ発光を集光する集光光学系と、
前記集光光学系の焦点近傍に配置される第1の視野制限手段と、
前記第1の視野制限手段通過後のプラズマ発光を第1の方向においては発散させ、かつ第1の方向と直交する第2の方向においては集光させる異方性集光光学系と、
前記異方性集光光学系の後方に配置され、前記第1の方向にあっては場所により透過波長が異なり、かつ前記第2の方向にあっては場所によらず透過波長が一定である異方性光学フィルタと、
前記異方性光学フィルタを透過した光を電気信号に変換する二次元撮像素子と、
を具備することを特徴とする分光測定装置。 - 前記異方性集光光学系への入射光を前記第1の方向において制限する第2の視野制限手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のプラズマ分光測定装置。
- 前記異方性光学フィルタが、各層の膜厚をリニアに変化させた多層膜フィルタであることを特徴とする請求項1又は2に記載の分光測定装置。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマ分光測定装置が適用され、かつ前記第2の方向がプラズマ処理室内の半導体基板の表面と垂直な面に対応付けられていることを特徴とするプラズマプロセス装置。
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2003
- 2003-03-13 JP JP2003068966A patent/JP2004279140A/ja active Pending
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