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JP2004278824A - 冷凍サイクル装置及び空気調和機 - Google Patents

冷凍サイクル装置及び空気調和機 Download PDF

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JP2004278824A JP2003067430A JP2003067430A JP2004278824A JP 2004278824 A JP2004278824 A JP 2004278824A JP 2003067430 A JP2003067430 A JP 2003067430A JP 2003067430 A JP2003067430 A JP 2003067430A JP 2004278824 A JP2004278824 A JP 2004278824A
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賢治 松村
Susumu Nakayama
進 中山
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敦彦 横関
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Abstract

【課題】より実用的な効率を向上させ、省エネ性を改善した冷凍サイクル装置及び空気調和機を得る。
【解決手段】低段側圧縮機10a、高段側圧縮機10b、四方弁20、熱源側熱交換器30、利用側熱交換器90、減圧機構40、を順次配管で接続した冷凍サイクル装置において、低段側圧縮機10a及び高段側圧縮機10bの回転数をそれぞれ独立に可変可能とし、両者の回転数比を制御する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍サイクル装置に係わり、特に、成績係数の高い空気調和機に好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来の二段圧縮式冷凍サイクル装置では、圧縮機に吸い込まれた冷媒は低段側圧縮機で中間圧に圧縮され、その後高段側の圧縮機に吸入され吐出される。そして、二段圧縮式冷凍サイクル装置は単段冷凍サイクルに比べ、低段側では冷媒流量が少ないため圧縮仕事が減少する。一般的に中間圧力(pm)は圧縮機吐出圧力(pd)と圧縮機吸入圧力(ps)の相乗平均pm=(pd×ps)^0.5が理論的にもっとも効率が良いとされ、この圧力を実現するためには、排除体積の設計は高段側排除体積(Vth2)と低段側排除体積(Vth1)との比Vth2/Vth1=0.74±0.03程度がもっともいい組み合わせとなる。
【0003】
また、低段側圧縮機から高段側圧縮機へのガス流量不足を防止すると共に、低段側圧縮機からのガス流出量の過剰を防止するため、低段側圧縮機のシリンダ容積に対して高段側圧縮機のシリンダ容積を85%以下に設定することが特許文献1に記載されている。
【0004】
さらに、低段側圧縮機及び高段側圧縮機を周波数可変の圧縮機とすることが、例えば特許文献2に記載のように知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−87892号公報
【特許文献2】
特開平5−203270号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術においては、実際の冷凍サイクルが理論とは異なるため、つまり、冷凍サイクル内の冷媒圧力損失等の影響からpm=(pd×ps)^0.5ではCOPの向上の観点より、最適とは言い難いものであった。
【0007】
本発明の目的は、より実用的な効率を向上させ、省エネ性を改善した冷凍サイクル装置及び空気調和機を得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、低段側圧縮機、高段側圧縮機、四方弁、熱源側熱交換器、利用側熱交換器、減圧機構、を順次配管で接続した冷凍サイクル装置において、低段側圧縮機及び高段側圧縮機の回転数をそれぞれ独立に可変可能とし、両者の回転数比を制御するものである。
【0009】
上記のものにおいて、低段側圧縮機あるいは高段側圧縮機のいずれかを停止させて運転することが望ましい。
【0010】
上記のものにおいて、低段側圧縮機における排除体積と回転数の積に対して高段側圧縮機における排除体積と回転数の積の比が略0.8となるように制御されることが望ましい。
【0011】
上記のものにおいて、低段側圧縮機の容量は、高段側圧縮機の容量よりも大きくされたことが望ましい。
【0012】
上記のものにおいて、低段側圧縮機における排除体積と回転数の積に対して高段側圧縮機における排除体積と回転数の積の比と、熱源側から利用側に至る接続配管の長さ、とに関連して回転数比が制御されることが望ましい。
【0013】
上記のものにおいて、低段側圧縮機と高段側圧縮機との接続を並列に切り替え可能としたことが望ましい。
【0014】
さらに、本発明は、圧縮機、四方弁、室外熱交換器、室内熱交換器、減圧機構、を順次配管で接続した空気調和機において、冷媒を中間圧に圧縮する低段側圧縮機と、該低段側圧縮機で圧縮された冷媒をさらに圧縮する高段側圧縮機と、低段側圧縮機及び高段側圧縮機の回転数をそれぞれ独立に制御するインバータと、を備え、低段側圧縮機と高段側圧縮機との回転数比が可変とされるものである。
【0015】
さらに、本発明は、圧縮機、四方弁、室外熱交換器、室内熱交換器、減圧機構、を順次配管で接続した空気調和機において、圧縮機は低段側圧縮機と高段側圧縮機とで構成され、それぞれの回転数は独立に制御され、高負荷時には低段側圧縮機及び高段側圧縮機が運転され、低負荷時にはいずれかが運転されるものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図を参照して説明する。
図1において、10aは低段側インバータ駆動圧縮機、10bは高段側インバータ駆動圧縮機、20は冷暖房運転に応じて冷媒の流れ方向を切り替える四方弁、30は熱源側熱交換器、40は熱源側の電子膨張弁、50は中間冷却器、60aは液阻止弁、80は利用側の電子膨張弁、90は利用側熱交換器、90aは液側接続配管、90bはガス側接続配管、60bはガス阻止弁であり、200a、200bは圧縮機駆動用モータ、210a、210bは圧縮部である。中間冷却器50は余剰冷媒をためる受液器としても機能する。70aは液側接続配管、70bはガス側接続配管であり、冷媒は低段側圧縮部210aで中間圧力に圧縮され中間冷却器50に入り混合され、飽和蒸気が圧縮部210bで吸入され、高段側圧縮機10bに吸入され吐出される。この冷凍サイクルは、単段冷凍サイクルに比べ、低段側は冷媒流量が少ないため圧縮仕事が減少し成績係数(COP)が大きくなる。
【0017】
図中矢印は冷媒の流れる方向を示し、実践は冷房、破線は暖房である。低段側圧縮機10aの排除体積はVth1、回転数はfr1とし、高段側圧縮機10bの排除体積はVth2、回転数はfr2とする。室外機(熱源側)から室内機(利用側)に至る接続配管の長さは7.5mとしている。Vth1とVth2を同一とすれば同一の圧縮機を利用できるので、低コスト化に有利であり、異なるように、例えば低段側圧縮機の容量を高段側圧縮機の容量よりも大きくすればCOPの向上に有利となる。
【0018】
図2は、二段冷凍サイクルのp−h線図を示し、通常、冷凍サイクルは凝縮器にいくらか過冷却度(SC)をとった方が効率がいいことが知られており、この二段圧縮冷凍サイクルに過冷却度をとると図2に示す太線のサイクルとなる。しかし、過冷却度をとることで凝縮器から中間冷却器50へ入る冷媒の蒸気量が減るため二段冷凍サイクルの効果が小さくなる。また、実際の冷凍サイクルでは蒸発器や接続配管の圧力損失が影響するので、蒸発器比エンタルピ差を大きくし低段側冷媒流量を小さくすることで圧力損失を低減する。
【0019】
そこで、図3に示す太線の冷凍サイクルのように中間圧力を理論値より下げ、発生蒸気量を確保し、また蒸発器比エンタルピ差を拡大するサイクルとする。この効果をグラフ化したものを図4に示し、図の横軸が中間圧力の設定値で左端が低段側圧縮機吸入圧力、右端が高段側圧縮機吐出圧力である。縦軸はCOPを示す。図中破線は理論的に良いとされる中間圧力=(吸入圧力×吐出圧力)^0.5の位置である。
細線の圧力損失がなく過冷却度(SC)をほとんどとらない理論サイクルでは最高点が破線上にあるが、実際の冷凍サイクルの場合、吸入側に最高点がずれることになる。また、SCが大きい方がずれ量が大きい傾向にあり、最もCOPの高いSC=10Kふきんでは(Pd/Pm)/(pm/ps)は1.3±0.2に中間圧力を設定すると、最も効果があることになる。これを体積比で表すと(Vth2×fr2)/(Vth1×fr1)=0.80±0.03となり、本実施の形態では、低段側圧縮機10aにおける排除体積と回転数の積に対して高段側圧縮機10bにおける排除体積と回転数の積の比が略0.8となるように低段側圧縮機10aと高段側圧縮機10bの回転数比を維持し、かつ負荷に応じてそれぞれの回転数を増減させる。
また、接続配管長により低圧側圧力損失が大きくなるので、接続配管長が長い場合はfr1とfr2の回転数比(割合)を図5に示すように接続配管の長さに関連して変化させ、つまり、体積比を大きくすることで冷凍サイクルのバランス点を変化させる。図5は、接続配管長によるCOPが最高となる体積比の増加のを示している。
【0020】
さらに、低段側圧縮機10aと高段側圧縮機10bの回転数を独立に変化させるので、起動時に冷房能力、暖房能力の立ち上がりを速くしたい場合や、負荷が大きい場合は、回転数比(体積比)に関係なく、それぞれの圧縮機を最大で回転させ、高能力で対応する。
【0021】
さらに、冷凍サイクルを暖房として利用する場合、熱源側熱交換器30は蒸発器となり着霜することが多くあり、着霜が進むと四方弁20を切り替え冷房運転とし熱源側熱交換器30を高温の凝縮器とすることで霜を溶かす除霜運転を行う。しかし、この場合暖房したいのにもかかわらず利用側熱交換器が蒸発器となるので、冷風が吹き利用者に対して不快となる。本実施の形態では、除霜運転時に低段側圧縮機10aの回転数を低下させ、高段側圧縮機10bの回転数を増加させることで蒸発器となる利用側熱交換器90への冷媒供給を極端に減らし、凝縮器となる熱源側熱交換器30へ冷媒供給を増やしての凝縮能力を大幅に増加させ、除霜を行う。これにより、極端な冷風とならずに、かつ除霜時間も短縮でき、不快な運転を避けることができる。
【0022】
さらに、圧縮機を二台で冷凍サイクルを構成するので、圧縮機機構部を潤滑する油の均油を図っている。図6は図1のA部を詳細であり、この均油方法を示している。
400aは低段側圧縮機10aの油面、400bは高段側圧縮機10bの油面を示し、300aと300bはそれぞれの圧縮機の油のオーバーフロー分を各々の圧縮機の吐出は排出する回路である。この排出路により、一方の圧縮機に偏った油はオーバーフロして圧縮機外に排出され、冷凍サイクル内を循環し、再び圧縮機に吸込まれる。したがって、一方の圧縮機へ油が偏ることなく、それぞれの圧縮機に適正な油量が確保される。また、冷凍サイクルが大きく油の戻りが遅い場合は図10のようにする。つまり、低段側の油のオーバーフロー分300aは高段側の吸入へ排出し、高段側の吐出に油分離器330を設けてキャピラリ340を通して油を低段側の吸入へ戻す。これにより、油が冷凍サイクル内を通らず早く均等になる。
【0023】
図7は他の実施の形態を示し、図1のものに対して、開閉弁310a、310b、320a、320bを持つ回路を付加している。開閉弁310aを開、310bを閉、320aを開、320bを閉とすると図1と同じ冷凍サイクルとなる。回転数が可変の圧縮機でもその内部機構上の制限から回転数の上限が存在し、それ以上能力を増加させることができないので、そのときは開閉弁310aを閉、310bを開、320aを閉、320bを開として二台の圧縮機を並列に切り替え、吸込み冷媒量を増加し、能力を増加させる。また、図8は図7のものに均油回路を付加した例を示している。
【0024】
回転数可変の可能な圧縮機はその構造上の理由等から回転数の下限を持ち、負荷が小さく最低回転数でも冷凍サイクルの能力が大きい場合、圧縮機を断続運転して負荷に合わせる運転をする必要がある。しかし、この断続運転は効率が悪く、省エネ(電力)の点から断続運転無しとして能力を落とすことが望ましい。そこで、以上説明した冷凍サイクルにおいて、片側の圧縮機のみ動かすことが可能な切り替え回路を備え、より小さな能力で冷凍サイクルの運転を行い、省電力化を図っている。また、低段側圧縮機10aの容量は、高段側圧縮機10bの容量よりも大きくし、低負荷時には排除体積の小さい高段側圧縮機10bのみ運転することで、冷凍サイクルの能力下限値を大幅に下げている。さらに、この状態で回転数比を変えれば、高段側の排除体積をさらに小さくでき、より低能力を実現している。
【0025】
さらに、高段側の排除体積を低段側の排除体積の80%としてそれぞれの圧縮機を独立に回転数制御すれば、各圧縮機はどちらも同じ回転数で回せば良いので、制御回路等を簡単にすることができる。
【0026】
図9は、さらに他の実施の形態を示し、図1で説明したものに対して、逆止弁500を4個を利用して中間冷却器50が冷暖房両運転ともに入口から出口に接続されるようにしている。
【0027】
また、図1で説明したものでは、凝縮器からの冷媒と低段側圧縮機10aからの冷媒が中間冷却器50内で混合するため内部で温度分布が生じ混合不十分な状態で高段側圧縮機10bに冷媒が吸込まれたり、また中間冷却器50内ではげしい相変化が起き内部が発泡する恐れがある。しかし、図9に示すものでは低段側圧縮機10aからの冷媒は中間冷却器50に入る前に混合するようにし、中間冷却器50に流入する前に配管内で二相流を利用して混合するので、充分な混合が得られ、冷媒として例えばR401Aを用いる場合には、特に効率向上となる。
【0028】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、能力範囲が大きく、より実用的な効率を向上させ、省エネ性を改善した冷凍サイクル装置及び空気調和機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施の形態を示す冷凍サイクル図。
【図2】一実施の形態を説明する冷凍サイクルp−h線図。
【図3】一実施の形態を示す冷凍サイクルp−h線図。
【図4】中間圧力と成績係数(COP)の関係を示すグラフ。
【図5】配管長と最適体積比の関係を示すグラフ。
【図6】一実施の形態による均油回路を示す冷凍サイクル図。
【図7】他の実施の形態を示す冷凍サイクル図。
【図8】他の実施の形態による均油回路を示す冷凍サイクル図。
【図9】さらに他の実施の形態を示す冷凍サイクル図。
【図10】さらに他の実施の形態による均油回路を示す冷凍サイクル図。
【符号の説明】
20…四方弁、30…熱源側熱交換器、40…熱源側の電子膨張弁、50…中間冷却器、60a…液阻止弁、60b…ガス阻止弁、70a…利用側の電子膨張弁、70a…液側接続管、70b…ガス側接続管、80…利用側の電子膨張弁、90…利用側熱交換器、200…モータ、210a…低段側圧縮部、210b…高段側圧縮部、10a…低段側圧縮機、10b…高段側圧縮機、200a、200b…圧縮機モータ、210a、210b…圧縮部、310a、310b、320a、320b…開閉弁、500…逆止弁。

Claims (8)

  1. 低段側圧縮機、高段側圧縮機、四方弁、熱源側熱交換器、利用側熱交換器、減圧機構、を順次配管で接続した冷凍サイクル装置において、
    前記低段側圧縮機及び前記高段側圧縮機の回転数をそれぞれ独立に可変可能とし、両者の回転数比を制御することを特徴とする冷凍サイクル装置。
  2. 請求項1に記載のものにおいて、前記低段側圧縮機あるいは前記高段側圧縮機のいずれかを停止させて運転することを特徴とする冷凍サイクル装置。
  3. 請求項1に記載のものにおいて、前記低段側圧縮機における排除体積と回転数の積に対して前記高段側圧縮機における排除体積と回転数の積の比が略0.8となるように制御されることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  4. 請求項1に記載のものにおいて、前記低段側圧縮機の容量は、前記高段側圧縮機の容量よりも大きくされたことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  5. 請求項1に記載のものにおいて、前記低段側圧縮機における排除体積と回転数の積に対して前記高段側圧縮機における排除体積と回転数の積の比と、熱源側から利用側に至る接続配管の長さ、とに関連して前記回転数比が制御されることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  6. 請求項1に記載のものにおいて、前記低段側圧縮機と前記高段側圧縮機との接続を並列に切り替え可能としたことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  7. 圧縮機、四方弁、室外熱交換器、室内熱交換器、減圧機構、を順次配管で接続した空気調和機において、
    冷媒を中間圧に圧縮する低段側圧縮機と、該低段側圧縮機で圧縮された冷媒をさらに圧縮する高段側圧縮機と、
    前記低段側圧縮機及び前記高段側圧縮機の回転数をそれぞれ独立に制御するインバータと、
    を備え、前記低段側圧縮機と前記高段側圧縮機との回転数比が可変とされることを特徴とする空気調和機。
  8. 圧縮機、四方弁、室外熱交換器、室内熱交換器、減圧機構、を順次配管で接続した空気調和機において、
    前記圧縮機は低段側圧縮機と高段側圧縮機とで構成され、それぞれの回転数は独立に制御され、高負荷時には前記低段側圧縮機及び前記高段側圧縮機が運転され、低負荷時にはいずれかが運転されることを特徴とする空気調和機。
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