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JP2004276998A - シート状蓋体 - Google Patents

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JP2004276998A JP2003074763A JP2003074763A JP2004276998A JP 2004276998 A JP2004276998 A JP 2004276998A JP 2003074763 A JP2003074763 A JP 2003074763A JP 2003074763 A JP2003074763 A JP 2003074763A JP 2004276998 A JP2004276998 A JP 2004276998A
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Abstract

【課題】容器としての密封性に優れ、簡便、迅速、かつ、安全、確実に湯切りすることができるシート状蓋体を提供すると共に、特に脱落の虞のない排湯口を有するシート状蓋体を安価に提供することにある。
【解決手段】排湯口形成用摘み突片と開封用兼注湯口形成用摘み突片とを備えたシート状蓋体であって、該シート状蓋体は表基材と裏基材とが接着層を介して積層されると共に前記表基材と前記裏基材との層間は前記排湯口形成用摘み突片側に位置する網点離型層からなる剥離領域と該剥離領域と隣接する非剥離領域との2領域に区画され、前記剥離領域の前記排湯口形成用摘み突片に剥離用切線と前記剥離領域の前記開封用兼注湯口形成用摘み突片側に突出切線とがそれぞれ内面側となる前記裏基材から前記表基材にその一部が至るように設けられていることを特徴とするシート状蓋体。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、即席麺等の包装容器に用いるシート状蓋体に関し、さらに詳しくは、焼きそばや生麺等に代表される即席食品のように容器内で麺を湯戻しした後に湯切りを行う用途に用いるシート状蓋体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、焼きそばや生麺等に代表されるような容器内で麺を湯戻しした後に湯切りして用いる容器は、発泡ポリスチレン等のプラスチック成形容器本体に焼きそばや袋入り生麺等の即席麺、具、調味料等を収容し、排湯口となる切欠が周縁に設けられたプラスチック成形蓋をプラスチック成形容器本体に嵌合し、全体を収縮フィルムにて包装した形態のものが一般的に使用されている。
【0003】
しかしながら、この種の容器は容器本体に蓋を着脱する操作が面倒であるといった問題、蓋に設けられた切欠を起こして通孔を確保する操作が結構手間であると共に切欠を手指で起こす際に手指を怪我する虞があるといった問題、通孔を確保するための切欠をフランジ部の一部にしか形成することができないために排湯時に多少時間がかかるといった問題、また、排湯時に手指等で容器本体と蓋を保持して排湯しなければならないが、容器容量に対して湯戻しに必要な湯量が多いために熱湯をこぼす虞があり、細心の注意を払わねばならないといった問題や熱湯をこぼした時には火傷の虞があるといった問題、また、排湯時に容器を傾けて湯を通孔から排出しなければならないが、湯を含んだ相当な重量の麺が一方に偏在するので、容器本体から蓋が外れないように容器本体と蓋とを所定以上の力で押さえつけねばならず、手指が疲れるといった問題や熱いといった問題、また、時には湯戻しした麺を容器からこぼしてしまうといった問題、さらには、容器はシュリンクフィルムで外装されてはいるものの、容器本体と蓋とが密封されておらず、虫等の混入する可能性があるといった問題等があった。
【0004】
プラスチック成形品からなる容器の上記したような問題を解決するものとして、プラスチック成形蓋に代えて内層が熱接着性樹脂からなるシート状蓋体を用い、これをプラスチック成形容器本体のフランジ部で熱接着して密封すると共に、湯戻しする際には、シート状蓋体に予め設けられた注湯口形成手段を用いて注湯口を形成して注湯すると共に、排湯時にはシート状蓋体に予め設けられた排湯口形成手段を用いて排湯口を形成し、この排湯口から排湯するように構成した容器がある(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1記載の容器は、プラスチック成形品からなる容器の有する上記した問題を解決することができるという優れた効果を奏するものであるが、蓋体には蓋体の層間に剥離領域と該剥離領域内に少なくとも非剥離領域を設けると共に、この非剥離領域と略一致するように排湯するための排湯口となる排湯口形成用ハーフカットを設ける必要がある。この理由としては、非剥離領域と排湯口形成用ハーフカットの位置がずれると排湯口形成用ハーフカットが剥離領域に形成されることになり、排湯口形成用ハーフカットの部分が蓋体の加工時に脱落したり、あるいは、製品となった後に即席麺等の内容物上に脱落する可能性があるからである。そのため、非剥離領域と排湯口形成用ハーフカットとの位置合わせは結構煩雑な作業になると共に排湯口形成用ハーフカットを形成するための、たとえば、ダイロール等は蓋体のサイズにより一点一様となるために管理の煩雑さは言うに及ばず、結果としてコストアップに繋がるものであった。
【0006】
【特許文献1】
実公昭61−3810号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、容器としての密封性に優れ、湯切り操作の手間がかからずに簡便、迅速、かつ、安全、確実に湯切りすることができるシート状蓋体を提供すると共に、特に脱落の虞のない排湯口を有するシート状蓋体を安価に提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するために、請求項1記載の本発明は、上面に開口部を有する有底状容器本体の前記開口部を形成する上周面に周状熱接着部で剥離可能に熱接着して密封する前記開口部と略同じ外形を有すると共に周縁の対向する位置に排湯口形成用摘み突片と開封用兼注湯口形成用摘み突片とを備えたシート状蓋体において、該シート状蓋体は表基材と裏基材とが接着層を介して積層されると共に前記表基材と前記裏基材との層間は前記排湯口形成用摘み突片側に位置する網点離型層からなる剥離領域と該剥離領域と隣接する非剥離領域との2領域に区画され、前記剥離領域の前記排湯口形成用摘み突片に剥離用切線が内面側となる前記裏基材から前記表基材にその一部が至るように設けられると共に前記剥離用切線より前記開封用兼注湯口形成用摘み突片側の前記剥離領域内に排湯口を形成するための前記開封用兼注湯口形成用摘み突片側に突出する突出切線が内面側となる前記裏基材から前記表基材にその一部が至るように前記排湯口形成用摘み突片と前記開封用兼注湯口形成用摘み突片とを結ぶ直線に対して直交する方向に一定間隔を開けて横一列ないし千鳥状に複数列設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項2記載の本発明は、請求項1記載のシート状蓋体において、前記剥離用切線に対応する前記剥離領域がベタ離型層からなることを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項3記載の本発明は、請求項1、2のいずれかに記載のシート状蓋体において、前記網点離型層はその網点面積率が50〜95%であることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
上記の本発明について、図面等を用いて以下に詳述する。
図1は本発明にかかるシート状蓋体を用いた容器の概略斜視図、図2は本発明にかかるシート蓋体の第1実施形態を示す裏面図、図3は図2のX‐X線拡大断面図、図4は図2に示すシート状蓋体の要部透視図、図5は本発明にかかるシート状蓋体に設ける剥離用切線の他の実施例の要部を示す図、図6は本発明にかかるシート状蓋体の第2実施形態を示す図4に対応する図、図7は本発明にかかるシート状蓋体を用いた容器の湯切りする状態を示す平面図であり、図中の1、1’はシート状蓋体、2は開封用兼注湯口形成用摘み突片、3は排湯口形成用摘み突片、4は剥離領域、5は非剥離領域、6は剥離用切線、7は突出切線、10は表基材、20は裏基材、30は接着層、40は網点離型層、41はベタ離型層、50は容器本体、51は容器本体開口部上周面、Aは容器、Fは排湯蓋をそれぞれ示す。
【0012】
図1は本発明にかかるシート状蓋体を用いた容器の概略斜視図であって、容器Aは上面に開口部(図示せず)を有する容器本体50の前記開口部(図示せず)を形成する上周面51に、開封用兼注湯口形成用摘み突片2と排湯口形成用摘み突片3とを対向する外周縁に有する前記開口部(図示せず)と略同じ外形のシート状蓋体1を周状熱接着部(図示せず)で剥離可能に熱接着して密封したものである。図1において、前記蓋体1は表面側が見えている。
【0013】
図2は本発明にかかるシート状蓋体の第1実施形態を示す裏面図、図3は図2のX−X線拡大断面図、図4は図2に示すシート状蓋体の要部透視図であって、シート状蓋体1は表基材10と裏基材20とが接着層30を介して積層されると共に前記接着層30と前記裏基材20との層間は前記排湯口形成用摘み突片3側に網点離型層40が設けられた剥離領域4と、該剥離領域4に隣接する非剥離領域5とに区画されると共に、前記剥離領域4の前記排湯口形成用摘み突片3に剥離用切線6が内面側となる前記裏基材20から前記網点離型層40と前記接着層30を貫通して前記表基材10にその一部が至るようにジグザク状にその頂点部を未切断状態にして前記排湯口形成用摘み突片3と前記開封用兼注湯口形成用摘み突片2とを結ぶ直線に対して直交する方向に平行に設けられると共に前記剥離用切線6より前記開封用兼注湯口形成用摘み突片2側の前記剥離領域4内に排湯口を形成するための前記開封用兼注湯口形成用摘み突片側に突出する略U字状突出切線(以下、突出切線と呼称する)7が内面側となる前記裏基材20から前記表基材10にその一部が至るように前記排湯口形成用摘み突片3と前記開封用兼注湯口形成用摘み突片2とを結ぶ直線に対して直交する方向に平行に横二列千鳥状に設けられている。それ故に、前記剥離用切線6と前記突出切線7は図2に示すようにシート状蓋体1の裏面側(内面側)から見ることができるが、表面側からは見ることができない。なお、図2上における前記開封用兼注湯口形成用摘み突片2および前記排湯口形成用摘み突片3の両立上り部を繋ぐ円弧状破線は、容器本体50(図1参照)の開口部(図示せず)の外周縁の位置を示しているものであって、その他の図に示す円弧状破線も同じ意味である。そして、前記剥離用切線6は前記排湯口形成用摘み突片3の容器本体50(図1参照)の開口部(図示せず)の外周縁の位置ないしこの位置より先端側に形成される。
【0014】
前記剥離領域4に設ける前記突出切線7の大きさや個数、あるいは、配列は、図示した大きさや個数、あるいは、配列に限るものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲のものであればよいものであり、麺の太さや湯切り速度等を勘案して適宜決められるべきものである。また、前記剥離用切線6についても例示したジグザク状に限るものではなく、たとえば、図5に示すように斜線を千鳥状に多数配設したものであってもよいし、また、図示はしないが、ハの字状、ヘの字状、一の字状、十の字状、×の字状が微小な間隔をおいて前記排湯口形成用摘み突片3と前記開封用兼注湯口形成用摘み突片2とを結ぶ直線に対して直交する方向に平行に横一列あるいは千鳥となるように複数列規則性をもって設けられていればよいものである。
【0015】
また、前記剥離領域4を前記網点離型層40で形成することにより、シート状蓋体1の形状に型抜きする際等に、前記剥離領域4は表基材10と裏基材20とが部分的に接着しているために、前記剥離領域4の表基材10と裏基材20とが剥離するのを防止することができると共に、特に図2上の符号αで示した部分、すなわち、シート状蓋体1の外端縁と突出切線7で囲まれた部分の裏基材20が脱落するのを防止することができる。なお、前記網点離型層40の網点面積率は50〜95%が適当である。網点面積率が50%より低いと剥離し辛くなり、湯切り口を形成することができない虞をあり、また、95%より高いとシート状蓋体1の形状に型抜きする際に前記剥離領域4の表基材10と裏基材20とが剥離する虞、あるいは、図2上の符号αで示した部分、すなわち、シート状蓋体1の外端縁と突出切線7で囲まれた部分の裏基材20が脱落する虞がある。
【0016】
図6は本発明にかかるシート状蓋体の第2実施形態を示す図4に対応する図であって、シート状蓋体1’は、図4に示したシート状蓋体1の前記剥離用切線6に対応する前記剥離領域4をベタ離型層41で形成したものであって、これ以外は図4に示すシート状蓋体1と同じである。このように構成することにより、排湯口を形成するために前記排湯口形成用摘み突片3を摘んで剥離した際に、網点離型層4からなる場合に比べて、より確実に剥離界面が前記剥離用切線6で剥離領域4に移行させることができる。
【0017】
次に、本発明のシート状蓋体を構成する表基材、裏基材について説明する。前記表基材10としては、少なくとも印刷適性のある基材を備えていれば単層であっても複層であってもよく、また、前記裏基材20としては、少なくとも熱接着性樹脂層を備えた構成からなるものであれば特に限定されるものではなく、シート状蓋体1、1’に求められる物性により種々の構成を採ることができるものである。たとえば、シート状蓋体1、1’に腰が要求される場合には、前記表基材10として40g/m以上の紙、より具体的には50〜80g/mのコート紙ないし晒しクラフト紙が適当であり、また、豪華な意匠とするために表面光沢をもたせる意味から、あるいはまた、シート状蓋体1、1’を容器から引き剥がす際の芯材の一つとする意味から、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド等の一軸、二軸方向に延伸した厚さが6〜20μmの合成樹脂製フィルム等を表層に用いることができる。また、シート状蓋体1、1’にデッドホールド適性が求められる場合等には前記裏基材20としてアルミニウム箔を層構成中に用いることができ、また、前記裏基材20に強度が要求される場合等にはポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド等の一軸、二軸方向に延伸した厚さが6〜20μmの合成樹脂製フィルムを層構成中に用いることができる。なお、前記表基材10及び前記裏基材20を構成する上記した紙、合成樹脂製フィルム、アルミニウム箔等は必要に応じて必要な面にコロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理等の易接着処理を適宜施すことができる。
【0018】
また、前記裏基材20に用いる熱接着性樹脂層としては、容器本体50(図1参照)と剥離可能に熱接着するように構成する必要があり、容器本体50(図1参照)を構成する材料により適宜選択して用いることが肝要であるが、通常容器本体50(図1参照)はポリスチレンペーパー、ハイインパクトポリスチレンシート、ポリプロピレンシート、ポリアミドとポリエチレンないしポリプロピレンとの積層シート、ポリエチレンとポリプロピレンとの積層シート等を周知の真空成形法や圧空成形法で成形して容器としたもの、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル等の射出成形用樹脂を射出成形して容器としたもの、あるいは、各種の射出成形用樹脂を多層で射出成形して、たとえば、酸素ガスバリアー性等をもたせたもの、あるいは、発泡スチレン製容器、紙製容器、あるいは、これらからなる二重容器などが用いられるために、前記熱接着性樹脂層としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル酸樹脂、メタクリル酸樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、ポリエステル樹脂等から適宜選択して用いることにより、容器本体50に対して剥離可能に熱接着することができる。
【0019】
次に、本発明のシート状蓋体を構成する離型層及び接着層について説明する。前記網点離型層40、および、前記ベタ離型層41を形成する離型剤としては、前記離型剤が塗布される被塗布面あるいは剥離界面の設計方法により適宜選択されるべきものであって、特に限定するものではなく、また、前記網点離型剤40、および、前記ベタ離型層41の塗布量についても適宜決められるべきものである。また、前記表基材10と前記裏基材20とを積層する前記接着層30としては、Tダイ押出機を用いてポリエチレン等を加熱溶融押出しすることにより形成したポリエチレン層等が適当である。この場合、必要に応じて必要な面に周知の適宜のアンカー塗布剤を塗布することができる。
【0020】
次に、本発明のシート状蓋体の代表的な層構成を例示するならば、(1)〔絵柄印刷層/紙〕/離型層//ポリエチレン層(接着層)/熱接着性樹脂層、(2)〔絵柄印刷層/紙〕/離型層//ポリエチレン層(接着層)/アルミニウム箔/熱接着性樹脂層、(3)〔絵柄印刷層/紙〕/離型層//ポリエチレン層(接着層)/合成紙/熱接着性樹脂層、(4)〔絵柄印刷層/紙〕/離型層//ポリエチレン層(接着層)/合成樹脂製フィルム/ポリエチレン層/アルミニウム箔/熱接着性樹脂層、(5)〔合成樹脂製フィルム/絵柄印刷層/ポリエチレン層/紙〕/離型層//ポリエチレン層(接着層)/合成樹脂製フィルム/ポリエチレン層/アルミニウム箔/熱接着性樹脂層、(6)〔合成樹脂製フィルム/絵柄印刷層/ポリエチレン層/合成樹脂製フィルム〕/離型層//ポリエチレン層(接着層)/合成樹脂製フィルム/ポリエチレン層/アルミニウム箔/熱接着性樹脂層、(7)〔絵柄印刷層/紙〕/ポリエチレン層(接着層)/離型層//アルミニウム箔/熱接着性樹脂層、(8)〔絵柄印刷層/紙〕/ポリエチレン層(接着層)/離型層//合成紙/熱接着性樹脂層、(9)〔絵柄印刷層/紙〕/ポリエチレン層(接着層)/離型層//合成樹脂製フィルム/ポリエチレン層/アルミニウム箔/熱接着性樹脂層、(10)〔合成樹脂製フィルム/絵柄印刷層/ポリエチレン層/紙〕/ポリエチレン層(接着層)/離型層//合成樹脂製フィルム/ポリエチレン層/アルミニウム箔/熱接着性樹脂層、等々を挙げることができる。なお、上記層構成において、〔〕で囲んだ層が表基材10であり、下線で示した層が裏基材20であり、//で示した個所が剥離界面である。
【0021】
【実施例】
次に、上記した本発明について、以下に実施例を挙げて具体的に説明する。
実施例1
両面コロナ放電処理を施した20μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下、OPPと呼称する)の一方の面にグラビア印刷法でアクリル系樹脂からなる離型剤(青色顔料で着色されている)とイソシアネート系アンカー剤を互いに隣接するように巻取り方向にエンドレスに印刷して離型剤により形成された網点離型層(網点面積率:85%)からなる剥離領域4とイソシアネート系アンカー剤塗布面からなる非剥離領域5とを形成した印刷フィルムを作製した。この印刷フィルムの塗布面と50g/mの晒しクラフトとをTダイ押出機で加熱溶融ポリエチレンを15μm厚さとなるように押出してサンドイッチラミネーションして第1中間積層体を作製した。その後、前記第1中間積層体の前記OPP面の他方の面にイミン系アンカー剤を塗布し、この塗布面と7μmのアルミニウム箔の一方の面とをTダイ押出機で加熱溶融ポリエチレンを15μm厚さとなるように押出してサンドイッチラミネーションすると共にアルミニウム箔の他方の面にTダイ押出機でエチレン−メタクリル酸共重合体(以下、EMAAと呼称する)を20μm厚さに押出して第2中間積層体を作製した。その後、剥離用切線6と突出切線7を形成する突出刃を円周上に設けたダイロールで前記剥離用切線6と前記突出切線7が前記剥離領域4に位置するように前記第2中間積層体のエチレン−メタクリル酸共重合体を設けた側から前記晒しクラフトにその一部が至るように巻取り方向にエンドレスに加工して図4に示すような位置関係となる第3中間積層体を作製した。さらに、前記第3中間積層体の前記晒しクラフト面と予め美麗な絵柄印刷層をグラビア印刷法にて一方の面に設けた12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETと呼称する)とを前記絵柄印刷層にイソシアネート系アンカー剤を塗布して後に該アンカー剤塗布面が前記晒しクラフト側に位置するように、かつ、前記絵柄印刷層と前記離型層との幅方向の位置を合わせてTダイ押出機で加熱溶融ポリエチレンを15μm厚さとなるように押出してサンドイッチラミネーションして長尺シート状積層体を作製した。なお、前記長尺シート状積層体において、表基材10としては、PET12μm/絵柄印刷層/ポリエチレン15μm/晒しクラフト50g/mであり、裏基材20としては、OPP20μ/ポリエチレン15μm/アルミニウム箔7μm/EMAA20μmであり、この場合の剥離界面は離型層とOPPとの層間である。なお、本実施例においては巾方向の位置合わせを容易にするために青色着色した離型剤を用いたが、着色顔料は青色に限ることはなく、また、着色しなくてもよいものである。
【0022】
その後、前記長尺シート状積層体を枚葉状に大断ち、小断ち加工すると共に、図2に示す形状に抜き加工して、本発明のシート状蓋体を得た。このシート状蓋体を即席焼きそば麺を収容したポリスチレン製容器本体にカップシール機で熱接着して図1に示す容器を作製し、その後に、図1に示す開封用兼注湯口形成用摘み突片2を手指で摘まんでポリスチレン製容器本体の開口部を1/2程度で引き剥がして開口し、この開口から所定量の熱湯を注湯して後に開口をシート状蓋体で封をし、所定時間経過後に排湯口形成用摘み突片3を手指で摘んで引き剥がすと、剥離界面が剥離用切線6で網点離型層からなる剥離領域4に移行し、さらに剥離操作を続けると図7に示すように前記突出切線7が形成された裏基材20からなる排湯蓋Fが容器本体50に接着された状態で表基材10が剥離される。この状態で前記突出切線7が下側となるようにして湯切り(排湯)操作をすると、湯や麺の重量で前記突出切線7が逆U字状に開口し、この開口からスムーズに湯切り(排湯)することができた。
【0023】
なお、実施例で説明したように、本発明のシート状蓋体は、離型層やこの離型層により構成される剥離領域に設ける剥離用切線、突出切線を巻取り方向に直交する方向(幅方向)のみ位置合わせをして巻取り方向にエンドレスに設けることができ、それだけ容易に製造することができるために高い生産性で製造することができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明のシート状蓋体は、今まで縷々説明してきたように、従来技術の項で説明したような剥離領域内に非剥離領域を設け、この非剥離領域と略一致するように排湯するための排湯口形成用ハーフカットからなる排湯口を設ける必要がなく、巻取り方向に連続して設けられた剥離領域に排湯するための排湯口となる突出切線や剥離用切線を連続して形成するために、従来技術の非剥離領域と排湯口形成用ハーフカットとの位置合わせという結構煩雑な作業を排除することができるために生産性を向上させることができ、それだけ安価にすることができると共に排湯口となる部分が加工時や製品となった後に即席麺等の内容物上に脱落する虞がなく、また、排湯口を形成するための突出刃を設けたダイロールはシート状蓋体のサイズに関係なく共用することができるという優れた効果を奏するものである。さらにまた、本発明のシート状蓋体は、容器としての密封性に優れ、湯切り操作の手間がかからずに簡便、迅速、かつ、安全、確実に湯切りすることができるという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるシート状蓋体を用いた容器の概略斜視図である。
【図2】本発明にかかるシート蓋体の第1実施形態を示す裏面図である。
【図3】図2のX‐X線拡大断面図である。
【図4】図2に示すシート状蓋体の要部透視図である。
【図5】本発明にかかるシート状蓋体に設ける剥離用切線の他の実施例の要部を示す図である。
【図6】本発明にかかるシート状蓋体の第2実施形態を示す図4に対応する図である。
【図7】本発明にかかるシート状蓋体を用いた容器の湯切りする状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1、1’ シート状蓋体
2 開封用兼注湯口形成用摘み突片
3 排湯口形成用摘み突片
4 剥離領域
5 非剥離領域
6 剥離用切線
7 突出切線
10 表基材
20 裏基材
30 接着層
40 網点離型層
41 ベタ離型層
50 容器本体
51 容器本体開口部上周面
A 容器
F 排湯蓋

Claims (3)

  1. 上面に開口部を有する有底状容器本体の前記開口部を形成する上周面に周状熱接着部で剥離可能に熱接着して密封する前記開口部と略同じ外形を有すると共に周縁の対向する位置に排湯口形成用摘み突片と開封用兼注湯口形成用摘み突片とを備えたシート状蓋体において、該シート状蓋体は表基材と裏基材とが接着層を介して積層されると共に前記表基材と前記裏基材との層間は前記排湯口形成用摘み突片側に位置する網点離型層からなる剥離領域と該剥離領域と隣接する非剥離領域との2領域に区画され、前記剥離領域の前記排湯口形成用摘み突片に剥離用切線が内面側となる前記裏基材から前記表基材にその一部が至るように設けられると共に前記剥離用切線より前記開封用兼注湯口形成用摘み突片側の前記剥離領域内に排湯口を形成するための前記開封用兼注湯口形成用摘み突片側に突出する突出切線が内面側となる前記裏基材から前記表基材にその一部が至るように前記排湯口形成用摘み突片と前記開封用兼注湯口形成用摘み突片とを結ぶ直線に対して直交する方向に一定間隔を開けて横一列ないし千鳥状に複数列設けられていることを特徴とするシート状蓋体。
  2. 前記剥離用切線に対応する前記剥離領域がベタ離型層からなることを特徴とする請求項1記載のシート状蓋体。
  3. 前記網点離型層はその網点面積率が50〜95%であることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載のシート状蓋体。
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