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JP2004274170A - 通信システム、端末装置、無線通信装置、情報送信装置、中継装置、管理サーバ及び通信方法 - Google Patents

通信システム、端末装置、無線通信装置、情報送信装置、中継装置、管理サーバ及び通信方法 Download PDF

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JP2004274170A
JP2004274170A JP2003058995A JP2003058995A JP2004274170A JP 2004274170 A JP2004274170 A JP 2004274170A JP 2003058995 A JP2003058995 A JP 2003058995A JP 2003058995 A JP2003058995 A JP 2003058995A JP 2004274170 A JP2004274170 A JP 2004274170A
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Japan
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communication
wireless
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JP2003058995A
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Toshiaki Saeki
俊彰 佐伯
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NTT Docomo Inc
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NTT Docomo Inc
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Publication date
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Abstract

【課題】ユーザが、ユーザに適した情報を容易に取得でき、その情報を、情報の送信側や受信側が望む情報の単位毎に適した取り決めに従って送受信する。
【解決手段】無線通信装置10a〜10dが、近距離無線により無線情報を送信する。端末装置30a,30bが、その無線情報を受信する。通信システム1は、受信した無線情報に基づいて、提供情報を特定する。通信システム1は、配信サーバ40a,40bから、端末装置30a,30bに提供情報を送信する際の通信ポリシーを、オブジェクト単位毎に決定し、設定する。そして、配信サーバ40a,40bが、特定した提供情報を送信し、端末装置30a,30bが、その提供情報を受信する。その際、通信システム1は、設定された通信ポリシーに基づいて、提供情報の送信をオブジェクト単位毎に制御する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信システム、端末装置、無線通信装置、情報送信装置、中継装置、管理サーバ及び通信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、端末装置は、情報を送信する際に、相手装置との間でその通信品質やその制御基準を設定する。そして、端末装置は、設定した通信品質やその制御基準に従って通信を行う(例えば、特許文献1参照)。又、無線基地局から無線端末に配信する情報を、その情報の構成要素の優先度に応じて複数のレイヤに区切り、そのレイヤ毎にチャネル割り当てを行う方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
一方、近年、多くの情報が提供され、情報を利用するユーザは様々な情報を入手することができる。又、将来は、いつでもどこでも様々な情報が入手できるユビキタス社会が実現すると考えられている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−275145号公報
【0005】
【特許文献2】
特開2002−95065号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、端末装置が送信する情報全体を、一律に設定した通信品質や制御基準に従って送信する場合には、情報を構成する各データに適した通信品質で情報を送信することができなかった。又、情報をその構成要素の優先度に応じて区切り、チャネルを割り当てる場合にも、一律の条件で情報が区切られてしまう。そのため、情報を提供する情報送信装置や、情報を受信する端末装置が望む情報の単位毎に適したチャネル割当を行うことができなかった。更に、ユーザは、様々な情報を入手できるようになったものの、その情報量が膨大であるため、ユーザに適した情報を容易に取得することができなかった。
【0007】
そこで、本発明は、ユーザが、ユーザに適した情報を容易に取得でき、その情報を、情報の送信側や受信側が望む情報の単位毎に適した取り決めに従って送受信できる通信システム、端末装置、無線通信装置、情報送信装置、中継装置、管理サーバ及び通信方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る通信システムは、情報送信装置と無線通信装置と端末装置の少なくとも2者間で行われる提供情報の送受信を行う通信システムである。本発明に係る通信システムは、近距離無線により無線情報を送信する近距離無線送信手段と、近距離無線送信手段が送信した無線情報を受信する近距離無線受信手段と、近距離無線受信手段が受信した無線情報に基づいて、提供情報を特定する提供情報特定手段と、提供情報特定手段が特定した提供情報を送信する情報送信装置と、情報送信装置が送信した提供情報を受信する端末装置と、情報送信装置から端末装置に提供情報を送信する際の通信ポリシーを、オブジェクト単位毎に決定し、設定する通信ポリシー設定手段と、通信ポリシー設定手段が設定した通信ポリシーに基づいて、提供情報の送信をオブジェクト単位毎に制御する通信制御手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
ここで、「通信ポリシー」とは、情報を送信する側と、情報を受信する側との間の取り決めであり、送信側から受信側に情報を送信する際の取り決めである。又、「オブジェクト単位」とは、情報の送信側や、情報の受信側が、ある情報を送信する場合に、1つの通信ポリシーの設定を望む情報の単位である。
【0010】
このような通信システムによれば、近距離無線送信手段が、近距離無線により無線情報を送信する。近距離無線受信手段が、その無線情報を受信する。提供情報特定手段は、受信した無線情報に基づいて、提供情報を特定する。そして、情報送信装置が、特定した提供情報を送信し、端末装置が、その提供情報を受信する。そのため、提供情報を利用するユーザは、ユーザに適した情報を容易に取得できる。
【0011】
更に、通信ポリシー設定手段が、情報送信装置から端末装置に提供情報を送信する際の通信ポリシーを、オブジェクト単位毎に決定し、設定する。そして、通信制御手段が、設定された通信ポリシーに基づいて、提供情報の送信をオブジェクト単位毎に制御する。そのため、通信システムは、情報の送信側である情報送信装置や、情報の受信側である端末装置が望む情報の単位毎に適した取り決めに従って、提供情報を送受信できる。
【0012】
提供情報を構成するデータ単位として通信ポリシーを設定し、当該通信ポリシーに基づいて通信リソースを確保し、当該通信ポリシーに基づいてオブジェクトの送受信を制御することで、複数のオブジェクトを組み合わせて構成したマルチメディアコンテンツを送受信するに際し、高額の料金を支払ってもよいから全てのオブジェクトを最高の通信品質で受信したい、特定のオブジェクトについては通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、コンテンツを受信するユーザの多様なニーズに柔軟に応えることができる。また、特定のオブジェクトについては通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、ユーザによって合意された特定の条件下で通信品質を落とすといった送受信制御ができるため、限られた通信リソースを多くのユーザに対して効率よく割り当てることができる。
【0013】
また領域単位、コミュニティ単位に通信ポリシーを設定し、当該通信ポリシーに基づいて通信リソースを確保し、当該通信ポリシーに基づいてコンテンツの送受信を制御することで、高額の料金を支払ってもよいからあらゆるユーザ状態(例えばユーザの存在する位置、所定のサービスに関するユーザ登録の有無)においてもコンテンツを最高の通信品質で受信したい、特定のユーザ状態にあるときは通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、コンテンツを受信するユーザの多様なニーズに柔軟に応えることができる。また、特定のユーザ状態にあるときは通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、ユーザによって合意された特定の条件下で通信品質を落とすといった送受信制御ができるため、限られた通信リソースを多くのユーザに対して効率よく割り当てることができる。
【0014】
またセッション、コネクション、またはトンネルを単位として通信ポリシーを設定し、当該通信ポリシーに基づいて通信リソースを確保し、当該通信ポリシーに基づいてコンテンツの送受信を制御することで、高額の料金を支払ってもよいから全てのコネクション、セッションあるいはトンネルを利用したオブジェクトやコンテンツの送受信について最高の通信品質を確保したい、特定のコネクション、セッションあるいはトンネルを利用したオブジェクトやコンテンツの送受信については通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、コンテンツを受信するユーザの多様なニーズに柔軟に応えることができる。また、特定のコネクション、セッションあるいはトンネルを利用したオブジェクトやコンテンツの送受信については通信品質を落としても良いから料金を安くして欲しいなどというような、ユーザによって合意された特定の条件下で通信品質を落とすといった送受信制御ができるため、限られた通信リソースを多くのユーザに対して効率よく割り当てることができる。
【0015】
又、提供情報特定手段は、測定情報、位置情報、時間情報、情報送信装置と端末装置との間のネットワークの状況、情報送信装置と端末装置との間の通信リソースの状況、提供情報に関する情報、情報送信装置に関する情報、端末装置に関する情報、近距離無線送信手段に関する情報、近距離無線受信手段に関する情報、近距離無線受信手段と近距離無線送信手段との関係、提供情報の送受信に関する通信料金、通信ポリシー設定手段が設定した通信ポリシー又は要求されるリアルタイム性の少なくとも1つと、受信した無線情報とに基づいて、提供情報を特定することが好ましい。これによれば、提供情報特定手段は、無線情報だけでなく、その他の様々な情報に基づいて、提供情報を特定することができる。そのため、ユーザは、よりユーザに適した提供情報を取得することができる。
【0016】
又、通信システムは、提供情報特定手段に対して、提供情報に関する情報を提供する提示手段を備え、提供情報特定手段は、提示手段が提供した提供情報に関する情報に基づいて、提供情報を特定するようにしてもよい。これによれば、提供情報特定手段は、提示手段によって提供された提供情報に関する情報に基づいて、提供情報を容易に特定できる。
【0017】
更に、近距離無線受信手段は、複数の無線情報を受信し、提供情報特定手段は、無線情報の優先度に従って、複数の無線情報に基づく提供情報を順番に特定することが好ましい。これによれば、ユーザは、複数の無線情報に基づく提供情報を取得できる。そして、提供情報特定手段が、無線情報の優先度に従って、複数の無線情報のうち、優先度が高いものから順番に用い、提供情報を順番に特定することにより、ユーザは、ユーザにより適した提供情報から優先して取得することができる。又、通信システムは、複数の無線情報の優先度を設定する優先度設定手段を備えるようにしてもよい。これによれば、通信システムは、複数の無線情報の優先度を設定することができる。
【0018】
通信ポリシー設定手段は、提供情報特定手段が特定した提供情報、測定情報、位置情報、時間情報、情報送信装置と端末装置との間のネットワークの状況、情報送信装置と端末装置との間の通信リソースの状況、情報送信装置に関する情報、端末装置に関する情報、近距離無線送信手段に関する情報、近距離無線受信手段に関する情報、端末装置と近距離無線送信手段との関係、通信ポリシーの達成度、提供情報の送受信に関する通信料金又は要求されるリアルタイム性の少なくとも1つに基づいて、通信ポリシーを決定し、設定することが好ましい。これによれば、通信ポリシー設定手段は、様々な情報に基づいて、通信ポリシーを決定し、設定することができる。そのため、情報送信装置と端末装置は、より適切な通信ポリシーに従って、提供情報を送受信できる。
【0019】
更に、通信システムは、通信ポリシーの設定条件を制御する設定条件制御手段を備え、通信ポリシー設定手段は、設定条件制御手段が制御した設定条件に基づいて、通信ポリシーを決定し、設定するようにしてもよい。これによれば、通信システムは、通信ポリシーの設定条件を制御できる。そのため、通信システムは、様々な設定条件に基づいて、通信ポリシーを決定し、設定できる。
【0020】
又、複数の通信ポリシー設定手段が、相互に通信ポリシーの調整を行うことが好ましい。これによれば、情報送信装置と端末装置は、より適切な通信ポリシーに従って、提供情報を送受信できる。又、通信ポリシー設定手段は、通信ポリシーの適用を制限するようにしてもよい。
【0021】
又、通信ポリシー設定手段は、通信ポリシーとしては、例えば、情報送信装置から端末装置に、特定した提供情報を送信する際の品質、通信形態、通信料金、通信スケジュール、変換方法、同期制御方法、通信ポリシーの設定規則、要求されるリアルタイム性の少なくとも1つに関する取り決めを設定することが好ましい。
【0022】
更に、通信システムは、情報送信装置から端末装置への提供情報の送信を中継する中継手段を備え、通信ポリシー設定手段は、提供情報を情報送信装置から中継手段に送信する際の通信ポリシーと、提供情報を中継手段から端末装置に送信する際の通信ポリシーを決定し、設定するようにしてもよい。これによれば、情報送信装置は、中継手段を介して提供情報を端末装置に送信できる。更に、通信システムは、情報送信装置から中継手段への提供情報の送信と、中継手段から端末装置への提供情報の送信、それぞれに適した通信ポリシーに従って、提供情報の送受信ができる。
【0023】
更に、通信システムは、設定した通信ポリシーに基づいて、提供情報の送信に通信リソースを予め割り当てるリソース割当手段を備えることが好ましい。これによれば、情報送信装置は、通信ポリシーを実現するために必要な通信リソースを予め確保してから、提供情報を送信することができる。
【0024】
又、通信システムは、設定した通信ポリシーに基づいて、提供情報を変換する変換手段を備えることが好ましい。これによれば、通信システムは、通信ポリシーを実現するために必要な提供情報の変換を行うことができる。
【0025】
更に、通信システムは、近距離無線送信手段による無線情報の送信を制限する無線情報制限手段を備えることが好ましい。又、通信システムは、情報送信装置による提供情報の送信を制限する提供情報制限手段を備えることが好ましい。これらによれば、無線情報や提供情報の利用が特定のユーザに限られている場合に、そのユーザにのみ無線情報や提供情報を送信できる。又、無線情報や提供情報を同時に送信できるユーザ数を制限している場合に、制限された数のユーザにだけ無線情報や提供情報を送信できる。
【0026】
又、通信システムは、情報送信装置と端末装置との間のネットワークの状況、情報送信装置と端末装置との間の通信リソースの状況、情報送信装置の状況、端末装置の状況、近距離無線送信手段の状況、近距離無線受信手段の状況、通信ポリシーの達成度の少なくとも1つを取得する取得手段を備えることが好ましい。これによれば、通信システムは、ネットワークの状況や通信リソースの状況、情報送信装置や端末装置の状況、近距離無線送信手段や近距離無線受信手段の状況、通信ポリシーの達成度を把握できる。そして、通信システムは、取得したこれらの情報に基づいて、提供情報の特定や通信ポリシーの設定、提供情報や無線情報の送信の制限などを行うことができる。
【0027】
更に、通信システムは、提供情報を利用するための処理を行う処理手段を備えるようにしてもよい。これによれば、通信システムは、提供情報に、それを利用するための処理を付加できる。提供情報を利用するための処理には、例えば、提供情報の翻訳や、提供情報を実行するためのプログラムの提供などがある。又、通信システムは、提供情報の送受信に関する通信料金を課金する課金手段を備えることが好ましい。これによれば、通信システムは、提供情報の送受信に関する通信料金を課金できる。
【0028】
又、近距離無線送信手段が、他の近距離無線送信手段による無線情報の送信に関する送信情報に基づいて、無線情報を送信することが好ましい。これによれば、近距離無線送信手段は、他の近距離無線送信手段が送信した無線情報を考慮して、より適切な無線情報を近距離無線受信手段に送信できる。
【0029】
本発明に係る端末装置は、無線通信装置が近距離無線により送信した無線情報を受信する近距離無線受信手段と、近距離無線受信手段が受信した無線情報に基づいて、提供情報を特定する提供情報特定手段と、情報送信装置が送信する提供情報特定手段が特定した提供情報を、受信する提供情報受信手段と、情報送信装置から端末装置に提供情報を送信する際の通信ポリシーを、オブジェクト単位毎に決定し、設定する通信ポリシー設定手段とを備えることを特徴とする。
【0030】
このような端末装置によれば、近距離無線受信手段が、近距離無線送信手段が送信した無線情報を受信する。提供情報特定手段は、受信した無線情報に基づいて、提供情報を特定する。そして、提供情報受信手段が、情報送信装置が送信する提供情報特定手段が特定した提供情報を受信する。そのため、提供情報を利用するユーザは、ユーザに適した情報を容易に取得できる。更に、通信ポリシー設定手段が、情報送信装置から端末装置に提供情報を送信する際の通信ポリシーを、オブジェクト単位毎に設定する。そのため、情報送信装置と端末装置は、情報送信装置や端末装置が望む情報の単位毎に適した取り決めに従って、提供情報を送受信できる。
【0031】
本発明に係る無線通信装置は、近距離無線により無線情報を送信する近距離無線送信手段と、端末装置が受信した無線情報に基づいて、提供情報を特定する提供情報特定手段と、情報送信装置から端末装置に提供情報を送信する際の通信ポリシーを、オブジェクト単位毎に決定し、設定する通信ポリシー設定手段とを備えることを特徴とする。
【0032】
このような無線通信装置によれば、近距離無線送信手段が、無線情報を近距離無線により送信する。そして、提供情報特定手段が、端末装置が受信した無線情報に基づいて、提供情報を特定する。そのため、提供情報を利用するユーザは、ユーザに適した情報を容易に取得できる。更に、通信ポリシー設定手段が、情報送信装置から端末装置に提供情報を送信する際の通信ポリシーを、オブジェクト単位毎に決定し、設定する。そのため、情報送信装置と端末装置は、情報送信装置や端末装置が望む情報の単位毎に適した取り決めに従って、提供情報を送受信できる。
【0033】
更に、無線通信装置は、情報送信装置から端末装置への提供情報の送信を中継する中継手段を備えることが好ましい。これによれば、情報送信装置は、無線通信装置を介して提供情報を端末装置に中継できる。
【0034】
又、中継手段が、他の無線通信装置による提供情報の中継の際の通信ポリシーに基づいて、提供情報を中継するようにしてもよい。これによれば、無線通信装置は、既に設定され、他の無線通信装置が用いている通信ポリシーを利用して、提供情報を中継できる。そのため、例えば、無線通信装置は、ある端末装置への提供情報の中継を、他の無線通信装置から容易に引き継ぐことができる。又、無線通信装置は、ある環境に適するように設定された通信ポリシーを、その環境においてそのまま利用でき、新たな通信ポリシーの設定を省略できる。
【0035】
更に、近距離無線送信手段が、他の前記無線通信装置による無線情報の送信に関する送信情報に基づいて、無線情報を送信することが好ましい。これによれば、無線通信装置は、他の無線通信装置が送信した無線情報を考慮して、より適切な無線情報を送信できる。
【0036】
本発明に係る情報送信装置は、無線通信装置が近距離無線により送信し、端末装置が受信した無線情報に基づいて、提供情報を特定する提供情報特定手段と、提供情報特定手段が特定した提供情報を端末装置に送信する情報送信手段と、オブジェクト単位毎に設定された情報送信装置から端末装置に特定した提供情報を送信する際の通信ポリシーに基づいて、提供情報の送信をオブジェクト単位毎に制御する通信制御手段とを備えることを特徴とする。
【0037】
このような情報送信装置によれば、提供情報特定手段が、端末装置が受信した無線情報に基づいて、提供情報を特定する。そして、情報送信手段が、特定した提供情報を送信する。そのため、提供情報を利用するユーザは、ユーザに適した情報を容易に取得できる。更に、通信制御手段が、オブジェクト単位毎に設定された通信ポリシーに基づいて、提供情報の送信をオブジェクト単位毎に制御する。そのため、情報送信装置と端末装置は、情報送信装置や端末装置が望む情報の単位毎に適した取り決めに従って、提供情報を送受信できる。
【0038】
又、情報送信装置は、通信ポリシーを、オブジェクト単位毎に決定し、設定する通信ポリシー設定手段を備えることが好ましい。これによれば、情報送信装置が、通信ポリシーを決定し、設定できる。
【0039】
本発明に係る中継装置は、無線通信装置が近距離無線により送信し、端末装置が受信した無線情報に基づいて特定された提供情報を、情報送信装置から端末装置に送信する際に、提供情報の送信を中継する中継手段と、情報送信装置から中継手段に提供情報を送信する際の通信ポリシーと、中継手段から端末装置に提供情報を送信する際の通信ポリシーを、オブジェクト単位毎に設定する通信ポリシー設定手段と、通信ポリシー設定手段が設定した通信ポリシーに基づいて、提供情報の送信をオブジェクト単位毎に制御する通信制御手段とを備えることを特徴とする。
【0040】
このような中継装置によれば、情報送信装置は、端末装置が受信した無線情報に基づいて特定した提供情報を、中継装置を介して端末装置に送信できる。そのため、提供情報を利用するユーザは、ユーザに適した情報を容易に取得できる。更に、中継装置は、オブジェクト単位毎に設定された通信ポリシーに基づいて、提供情報の送信をオブジェクト単位毎に制御する。そのため、情報送信装置と端末装置は、情報送信装置や端末装置が望む情報の単位毎に適した取り決めに従って、提供情報を送受信できる。しかも、中継装置、情報送信装置及び端末装置は、情報送信装置から中継装置への提供情報の送信と、中継装置から端末装置への提供情報の送信、それぞれに適した通信ポリシーに従って、提供情報の送受信ができる。
【0041】
本発明に係る管理サーバは、端末装置が受信した無線通信装置が近距離無線により送信した無線情報に基づいて、提供情報を特定する提供情報特定手段と、情報送信装置から端末装置に提供情報を送信する際の通信ポリシーを、オブジェクト単位毎に決定し、設定する通信ポリシー設定手段とを備えることを特徴とする。
【0042】
このような管理サーバによれば、提供情報特定手段が、端末装置が受信した無線情報に基づいて、提供情報を特定する。そのため、提供情報を利用するユーザは、ユーザに適した情報を容易に取得できる。更に、通信ポリシー設定手段が、情報送信装置から端末装置に提供情報を送信する際の通信ポリシーを、オブジェクト単位毎に決定し、設定する。そのため、情報送信装置と端末装置は、情報送信装置や端末装置が望む情報の単位毎に適した取り決めに従って、提供情報を送受信できる。
【0043】
更に、管理サーバは、情報送信装置から端末装置への提供情報の送信を中継する中継手段を備えることが好ましい。これによれば、これによれば、情報送信装置は、管理サーバを介して提供情報を端末装置に中継できる。
【0044】
本発明に係る通信方法は、無線通信装置が、近距離無線により無線情報を送信し、端末装置が、無線情報を受信し、端末装置が受信した無線情報に基づいて、提供情報を特定し、情報送信装置から端末装置に提供情報を送信する際の通信ポリシーを、オブジェクト単位毎に決定して設定し、情報送信装置が、提供情報を、設定した通信ポリシーに基づいて送信することを特徴とする。又、近距離無線による無線情報の送信は、無線通信装置が、端末装置からの送信要求に基づき、無線情報を送信するようにしてもよい。
【0045】
更に、提供情報に関する情報を提供し、提供情報の特定は、提供された提供情報に関する情報に基づいて行うようにしてもよい。又、端末装置が、複数の無線通信装置から複数の無線情報を受信し、提供情報の特定は、無線情報の優先度に従って、複数の無線情報に基づく提供情報を順番に特定することにより行うようにしてもよい。又、通信ポリシーの設定条件を制御し、通信ポリシーの設定は、制御した設定条件に基づいて行うようにしてもよい。又、情報送信装置、端末装置又は無線通信装置の少なくとも2つは、通信ポリシーの調整を行うことが好ましい。又、通信ポリシーの適用を制限するようにしてもよい。
【0046】
又、中継装置が、情報送信装置から端末装置への提供情報の送信を中継し、通信ポリシーの設定は、情報送信装置から中継装置に提供情報を送信する際の通信ポリシーと、中継装置から端末装置に提供情報を送信する際の通信ポリシーを決定し、設定することにより行うようにしてもよい。更に、設定した通信ポリシーに基づいて、提供情報の送信に通信リソースを予め割り当てることが好ましい。又、設定した通信ポリシーに基づいて、提供情報を変換することが好ましい。更に、無線通信装置や情報送信装置による無線情報の送信を制限するようにしてもよい。
【0047】
又、情報送信装置と端末装置との間のネットワークの状況、情報送信装置と端末装置との間の通信リソースの状況、情報送信装置の状況、無線通信装置の状況、端末装置の状況、通信ポリシーの達成度の少なくとも1つを取得することが好ましい。更に、通信方法は、提供情報を利用するための処理を行うことが好ましい。又、提供情報の送受信に関する通信料金を課金することが好ましい。又、無線通信装置が、他の無線通信装置による無線情報の送信に関する送信情報に基づいて、無線情報を送信するようにしてもよい。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0049】
[第1の実施の形態]
〈通信システム〉
まず、通信システム1全体について説明する。図1に示すように、通信システム1は、複数の無線通信装置10a,10b,10c,10dと、管理サーバ20と、複数の端末装置30a,30bと、複数の配信サーバ40a,40bと、中継装置50と、処理サーバ60と、課金サーバ70とを備える。
【0050】
通信システム1では、無線通信装置10a〜10dが、端末装置30a,30bに近距離無線により無線情報を送信する。ここで近距離とは、移動体通信で行われる移動機と基地局間のような距離に比べて、はるかに近い距離を指し、RF−ID(Radio Frequency IDentification)、無線LAN(Local Area Network)、ブルートゥース(Bluetooth、登録商標)、赤外線等で提供される近距離通信にて提供される交信可能距離をいう。端末装置30a,30bは、近距離無線通信により無線情報を送受信する機構を装備する。
【0051】
無線情報は、無線通信装置10a〜10dが近距離無線により端末装置30a,30bに送信する情報である。端末装置30a,30bが、無線情報を受信する。そして、通信システム1は、端末装置30a,30bが受信した無線情報に基づいて、提供情報を特定する。提供情報は、配信サーバ40a,40bが端末装置30a,30bに送信する情報である。提供情報の特定は、無線通信装置10d、管理サーバ20、端末装置30a又は配信サーバ40aのいずれが行ってもよい。尚、通信システム1は、提供情報の特定に加え、処理サーバ60が行う処理を特定してもよい。
【0052】
更に、通信システム1は、配信サーバ40a,40bから端末装置30a,30bに、特定した提供情報を送信する際の通信ポリシーを、オブジェクト単位毎に決定し、設定する。通信ポリシーの設定は、無線通信装置10d、管理サーバ20、端末装置30a、配信サーバ40a、中継装置50のいずれが行ってもよい。又、通信ポリシーの設定は、無線通信装置10d、管理サーバ20、端末装置30a、配信サーバ40a、中継装置50のいずれが単独で行ってもよく、2つ以上が共同で行ってもよい。通信ポリシーの設定には、通信ポリシーを制御すること、通信ポリシーを調整すること、一度設定した通信ポリシーを再度設定し直して変更すること、通信ポリシーの適用を制限することなどが含まれる。更に、通信システム1は、提供情報を送信する際の通信ポリシーに加え、処理サーバ60が行う処理に関する情報(以下、「処理情報」という)を送信する際の通信ポリシーを決定し、設定してもよい。尚、通信システム1は、提供情報を送信する際の通信ポリシーを決定し、設定した後に、提供情報を特定してもよい。
【0053】
そして、配信サーバ40a,40bが、設定した通信ポリシーに基づいて、オブジェクト単位毎に、特定した提供情報を端末装置30a,30bに送信する。配信サーバ40a,40bは、処理サーバ60による処理を受けた提供情報や、処理サーバ60が行う処理に用いる処理情報も送信する。又、処理サーバ60が、処理を行った提供情報や、処理情報を端末装置30a,30bに送信する場合もある。
【0054】
尚、配信サーバ40a,40bや処理サーバ60は、提供情報や処理情報を、無線情報を受信した端末装置に送信してもよく、無線情報を受信した端末装置以外の端末装置に送信してもよい。配信サーバ40a,40bや処理サーバ60は、提供情報や処理情報を、端末装置30a,30bに、直接送信してもよい。又、配信サーバ40a,40bや処理サーバ60は、提供情報や処理情報を、端末装置30a,30bに、無線通信装置10c,10d、管理サーバ20又は中継装置50を介して送信してもよい。
【0055】
このように、通信システム1は、配信サーバ40a,40bと無線通信装置10c,10dと端末装置30a,30bの少なくとも二者間で行われる提供情報の送受信を行う通信システムである。
【0056】
配信サーバ40a,40b、処理サーバ60が、提供情報や処理情報を、端末装置30a,30bに送信する場合の経路は、以下に示すように複数存在する。配信サーバ40a,40b、処理サーバ60が、端末装置30a,30bに直接送信する場合の経路には、経路1a〜1dがある。又、配信サーバ40a,40b、処理サーバ60が、中継装置50を介して端末装置30a,30bに送信する場合の経路には、配信サーバ40a,40b、処理サーバ60から中継装置50までの経路2a〜2cと、中継装置50から端末装置30a,30bまでの経路3a,3bとを組み合わせた経路がある。又、配信サーバ40b、処理サーバ60が、管理サーバ20及び無線通信装置10c,10dを介して端末装置30bに送信する場合の経路には、配信サーバ40b、処理サーバ60から管理サーバ20までの経路4a,4bと、管理サーバ20から無線通信装置10c,10dまでの経路5a,5bと、無線通信装置10c,10dから端末装置30bまでの経路6a,6bとを組み合わせた経路がある。
【0057】
更に、配信サーバ40a,40b、処理サーバ60が、中継装置50、管理サーバ20及び無線通信装置10c,10dを介して端末装置30bに送信する場合の経路には、配信サーバ40a,40b、処理サーバ60から中継装置50までの経路2a〜2cと、中継装置50から管理サーバ20までの経路4cと、管理サーバ20から無線通信装置10c,10dまでの経路5a,5bと、無線通信装置10c,10dから端末装置30bまでの経路6a,6bとを組み合わせた経路がある。尚、配信サーバ40a,40bと処理サーバ60との間で、提供情報や処理情報を送受信する経路には、経路7a,7bがある。
【0058】
そして、端末装置30a,30bは、送信された提供情報や処理情報を受信する。尚、端末装置30a,30bは、無線通信装置10a〜10dからの無線情報の受信と、配信サーバ40a,40b、処理サーバ60からの提供情報や処理情報の受信を並行して行ってもよい。更に、通信システム1では、課金サーバ70が、このような無線情報や提供情報、処理情報の送受信に関する通信料金、処理サーバ60による処理に関する処理料金を課金する。そのため、端末装置30a、管理サーバ20、配信サーバ40a,40b、中継装置50、処理サーバ60は、図1中点線で示すように、通信料金の算出に必要な情報(以下、「算出情報」という)を、課金サーバ70に送信する。尚、本実施形態では、算出情報には処理料金の算出に必要な情報も含まれる。
【0059】
又、通信システム1において、無線通信装置10a〜10dと端末装置30a,30bとは、無線を介して通信する。端末装置30a,30bと、配信サーバ40a,40bや中継装置50、処理サーバ60とは、ネットワークを介して通信する。管理サーバ20、配信サーバ40a,40b、中継装置50、処理サーバ60、課金サーバ70は、相互にネットワークを介して通信する。無線通信装置10a,10bと管理サーバ20とは、ネットワークを介して通信する。ネットワークの種類は、特に限定されない。例えば、ネットワークとしては、移動通信網、有線通信網、インターネット、専用線、仮想プライベートネットワーク(VPN:Virtual Private Network)、ATM(Asynchronous Transfer Mode)網、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)網、CATV(Cable Television)網、光ファイバ網、ISDN(Integrated Services Digital Network)等を用いることができる。又、ネットワークは、公衆の通信網であってもよく、私設のローカル通信網であってもよい。
【0060】
次に、各装置について詳細に説明する。
【0061】
〔無線通信装置〕
無線通信装置10a〜10dは、近距離無線により無線情報を端末装置30a,30bに送信する。無線通信装置10a〜10dは、あらゆる物体に付けられる。無線通信装置10a〜10dは、例えば、人、商品、所有物、印刷物、看板、ポスター、掲示板、装置、食料品、家電製品、荷物、バスや電車などの移動手段、建物や橋、信号機などの建造物などに付けられる。無線通信装置10a〜10dが付けられている物体を、その無線通信装置10a〜10dの対象物という。
【0062】
無線情報には、対象物に関する対象物情報がある。対象物情報には、対象物を識別する識別子(以下「モノID」という)がある。モノIDとしては、例えば、装置や食料品の製造番号や製造記号、人、商品、所有物、看板、荷物、移動手段、建造物に付与した番号や記号、文字などを用いることができる。対象物情報は、例えば、対象物の説明文や説明図、対象物の映像、対象物と関連するサービス名、サービス内容、サービス利用料金、サービス提供時間などのサービス情報などがある。又、例えば、対象物が装置の場合、対象物情報には、装置の型番、構成部品、製造元等の装置に関する情報がある。対象物が食料品の場合、対象物情報には、食料品の種類、原材料、製造過程、値段、消費期限等の食料品に関する情報がある。対象物が建造物や看板の場合、対象物情報には、その位置情報などがある。対象物がバスや電車の場合、その運行経路、停留所名や停車駅名、時刻表、移動速度などがある。又、対象物が個人の所有物である鞄などの場合、対象物情報には、鞄に関する情報だけでなく、その鞄に入っている物に関する情報がある。同様に、対象物が部屋の壁である場合、対象物情報には、その部屋にある物に関する情報がある。このように、対象物情報は、対象物そのものだけでなく、対象物に関わる複数の物体に関する情報を含んでもよい。
【0063】
又、複数の無線通信装置10a〜10dは、領域を特定できる。例えば、建物の壁や天井に付けられた複数の無線通信装置10a〜10dや、看板や橋、信号機に付けられた複数の無線通信装置10a〜10dが、領域を特定する。特定する領域は、2次元の領域であっても、3次元の領域であってもよい。複数の無線通信装置10a〜10dが特定する領域を、複数の無線通信装置10a〜10dの対象領域という。1つの無線通信装置が、重複して複数の対象領域の特定に加わってもよい。無線情報には、この対象領域に関する対象領域情報がある。対象領域情報には、対象領域を識別する識別子(以下「領域ID」という)がある。領域IDとしては、対象領域に付与した番号や記号、文字などを用いることができる。又、対象領域情報には、領域に存在する物や人に関する情報や、領域の位置情報、温度や湿度等の領域の状況などがある。
【0064】
更に、無線情報には、無線通信装置10a〜10dに関する無線通信装置情報がある。無線通信装置情報には、無線通信装置10a〜10dを識別する識別子(以下「タグID」という)がある。タグIDとしては、無線通信装置10a〜10dに付与した番号や記号、文字などを用いることができる。又、無線通信装置情報には、無線通信装置10a〜10d全体に関する情報と、無線通信装置10a〜10dを構成する各構成に関する情報がある。又、無線通信装置情報には、無線通信装置10a〜10dの位置情報、無線通信装置10a〜10dの処理能力や通信速度、容量などの無線通信装置の性能に関する情報、無線通信装置10a〜10dの負荷状況や処理状況、無線通信装置10a〜10dが希望する通信ポリシー、通信料金の希望上限額、提供してもよい無線通信装置10a〜10dに関する通信リソース、希望するオブジェクト単位、要求する品質、要求されるリアルタイム性などがある。尚、要求されるリアルタイム性とは、情報の送信を急ぐ程度をいう。情報の送信を急ぐほど、要求されるリアルタイム性が高く、情報の送信がゆっくりであってもよいほど、要求されるリアルタイム性が低い。
【0065】
具体的には、送信完了予定時刻が早いほど、送信開始から完了までの送信所要時間や許容遅延時間が短いほど、移動速度が大きいほど、現在の送信完了予定時刻が現在時刻に近いほど、通信速度が大きいほど、許容ジッターが小さいほど、課金単価が高いほど、未送信のデータ容量が大きいほど、要求されるリアルタイム性が高くなるように定められる。
【0066】
又、複数の無線通信装置10a〜10dは、グループを形成してもよい(以下、複数の無線通信装置が形成するグループを「タググループ」という)。例えば、特定の領域に存在する無線通信装置10a〜10dでタググループを形成できる。又、タググループに属することができる一定数を定め、任意の無線通信装置10a〜10dが一定数集合することによりタググループを形成できる。又、特定の領域に存在する無線通信装置10a〜10dを、一定数で区切ったタググループを形成できる。無線通信装置情報には、このタググループを識別する識別子(以下「タググループID」という)や、タググループに関する情報がある。タググループIDとしては、タググループに付与した番号や記号、文字などを用いることができる。
【0067】
更に、無線情報には、ユーザに通知する広告情報がある。広告情報には、不特定多数のユーザを対象に通知する情報や、特定のユーザを対象に通知する情報がある。広告情報には、例えば、講演会や学会発表、討論会、コンサートなどのイベント情報、会議の開催情報、テレビやラジオなどの放送情報、店舗情報、遊戯施設情報、観光情報、映画情報、商品やサービスに関する情報、アドレス情報、配信情報などがある。イベント情報や開催情報には、例えば、場所や開始時刻などがある。放送情報には、放送開始時刻や番組内容、出演者情報などがある。店舗情報や遊戯施設情報、観光情報には、場所、利用時間、値段、割引情報などがある。商品やサービスに関する情報は、名称、特徴、値段などがある。アドレス情報には、URL(Uniform Resource Locator)で表記されたアドレスや、そのリストなどがある。
【0068】
配信情報は、提供情報の送信に関する情報である。配信情報には、提供情報の送信を予告する予告通知がある。予告通知には、送信開始日時、送信される提供情報の受信の準備の指示などが含まれる。尚、無線通信装置10a〜10dは、配信情報を、特定の領域に存在する端末装置30a,30bや、特定のユーザに限って送信してもよい。又、複数の無線通信装置10a〜10dが、配信情報を送信してもよい。又、広告情報は、無線通信装置10a〜10dが存在する位置や時間に応じた情報を用いることが好ましい。
【0069】
無線通信装置10a〜10dは、広告情報に応じて配置されることが好ましい。具体的には、無線通信装置10a〜10dは、広告情報を必要とするユーザや、広告情報を利用する可能性のあるユーザが多数存在する場所にある物体に付けられて、配置される。例えば、講演会や学会発表に関する情報を送信する無線通信装置10a〜10dは、学校や研究所などに配置する。コンサートに関する情報を送信する無線通信装置10a〜10dは、コンサート会場周辺に配置する。会議の開催情報を送信する無線通信装置10a〜10dは、会社に配置する。店舗情報や遊戯施設情報を送信する無線通信装置10a〜10dは、店舗や遊戯施設内に配置する。観光情報を送信する無線通信装置10a〜10dは、観光地に配置する。又、無線通信装置10a〜10dは、無線通信装置10a〜10dの性能に応じて配置されてもよい。
【0070】
無線通信装置10a〜10dの種類には、機能により分類した場合、アクティブタグ、パッシブタグ、セミパッシブタグがある。アクティブタグは、無線通信装置の方から無線情報を送信する無線通信装置である。パッシブタグは、要求を受けて無線情報を送信する無線通信装置である。セミパッシブタグは、無線装置の方から無線情報を送信し、かつ、要求を受けた場合には要求に応じて無線情報送信する無線通信装置である。即ち、セミパッシブタグは、アクティブタグとパッシブタグ両方の機能を備えている。前者ほど、低価格化、小型化が可能であり、大量に物体に付けられる利点がある。又、アクティブタグとセミパッシブタグは、無線通信装置の方から無線情報を送信する場合、定期的に送信してもよく、ランダムに送信してもよい。アクティブタグ、パッシブタグ、セミパッシブタグは、無線情報をマルチキャスト送信できる。
【0071】
又、図2(a)〜(c)、図3に示すように、無線通信装置10a〜10dは、無線通信部11a〜11dを備える。無線通信部11a〜11dは、近距離無線により無線情報を、端末装置30a,30bに送信する近距離無線送信手段である。無線通信部11a〜11dは、端末装置30a,30bから近距離無線により情報を受信する。無線通信部11a〜11dは、電波や赤外線を用いて情報を送受信する。
【0072】
無線通信装置10a〜10dの種類には、この無線通信部11a〜11dの種類により分類した場合、例えば、無線通信部11a〜11dにIrDAを用いるIrDAタグ、無線通信部11a〜11dにブルートゥース(登録商標)を用いるブルートゥースタグ、無線通信部11a〜11dがRF電波による通信を行うRFタグやRF−IDタグ、無線通信部11a〜11dに無線LANインタフェースを用いる無線LANタグ、無線通信部11a〜11dにバーコードを用いるバーコードタグ、無線通信部11a〜11dにDSRCを用いるDSRCタグがある。
【0073】
次に、無線通信装置10a〜10dの具体的な構成について説明する。図2(a)に示すように、無線通信装置10aは、無線通信部11aと、無線情報記憶部12とを備える。無線情報記憶部12は、無線情報を記憶する無線情報記憶手段である。無線通信部11aは、無線情報記憶部12から、定期的に又はランダムに無線情報を取得する。無線通信部11aは、取得した無線情報を端末装置30a,30bに送信する。このように無線通信装置10aは、アクティブタグとして機能する。
【0074】
図2(b)に示すように、無線通信装置10bは、無線通信部11bと、無線情報記憶部12と、無線情報提供部12bと、ユーザ情報データベース13とを備える。ユーザ情報データベース13は、端末装置30a,30bに関する端末情報を記憶する端末情報記憶手段である。
【0075】
端末情報には、端末装置30a,30bを使用するユーザを識別する識別子(以下「ユーザID」という)がある。ユーザIDとしては、例えば、電話番号、UIM(User Identify Module)カードID、社員番号、クレジットカード番号、契約者番号、自動車運転免許証番号、銀行口座番号、住民番号、端末装置30a,30bの識別子(以下「端末ID」という)、ユーザに付与した番号や記号、文字などを用いることができる。又、端末情報には、パスワードがある。
【0076】
又、端末情報には、例えば、ユーザの年齢、性別、資産、住所、職業、嗜好、提供情報を送信する宛先アドレス、契約内容などのユーザの属性情報がある。又、端末情報には、端末装置30a,30b全体に関する情報と、端末装置30a,30bを構成する各構成に関する情報がある。端末情報には、端末装置30a,30bの位置情報、端末装置の処理能力や通信速度、容量などの端末装置の性能に関する情報、端末装置の負荷状況や処理状況、端末装置30a,30bが希望する通信ポリシーや情報、処理の種類、通信料金や処理料金の希望上限額、提供してもよい端末装置30a,30bに関する通信リソース、希望するオブジェクト単位、要求する品質、要求されるリアルタイム性などがある。例えば、端末装置30a,30bは、通信ポリシーとして、端末装置の性能や、端末装置30a,30bが受信する他の提供情報や処理情報を考慮して、提供情報の送信に適用可能な通信ポリシーを要求する。又、端末情報には、端末装置30a,30bがこれまでに受信した無線情報、提供情報、処理情報、端末装置30a,30bがこれまでに利用した処理に関する情報などの履歴に関する情報がある。
【0077】
又、複数の端末装置30a,30bは、グループを形成してもよい(以下、複数の端末装置が形成するグループを「端末グループ」という)。例えば、特定の領域に存在する端末装置30a,30bで端末グループを形成できる。又、端末グループに属することができる一定数を定め、任意の端末装置30a,30bが一定数集合することにより端末グループを形成できる。又、特定の領域に存在する端末装置30a,30bを、一定数で区切った端末グループを形成できる。端末情報には、この端末グループを識別する識別子(以下「端末グループID」という)や、端末グループに関する情報がある。端末グループIDとしては、端末グループに付与した番号や記号、文字などを用いることができる。
【0078】
無線情報には、不特定多数のユーザが利用できる情報と、特定のユーザにその利用を限定した情報がある。無線情報の利用を許可されたユーザを、特に無線情報ユーザという。同様に、提供情報には、不特定多数のユーザが利用できる情報と、特定のユーザにその利用を限定した情報がある。提供情報の利用を許可されたユーザを、特に提供情報ユーザという。処理サーバ60が行う処理には、不特定多数のユーザが利用できる処理と、特定のユーザにその利用を限定した処理がある。処理の利用を許可されたユーザを、特に処理ユーザという。
【0079】
例えば、会社や学校、団体が、その社員や生徒、会員だけに利用を許可する場合には、社員や生徒、会員が無線情報ユーザ、提供情報ユーザ、処理ユーザとなる。無線情報や提供情報、処理を提供する事業者が、その利用について契約をした者だけに利用を許可する場合には、契約者が無線情報ユーザ、提供情報ユーザ、処理ユーザとなる。無線通信装置が個人の所有物に付されている場合や、個人が提供情報を提供する場合には、所有者自身や提供者自身、所有者や提供者が利用を許可する家族や友人が、無線情報ユーザ、提供情報ユーザとなる。端末情報には、ユーザが無線情報ユーザであるか否か、ユーザが提供情報ユーザであるか否か、ユーザが処理ユーザであるか否かも含まれる。ユーザ情報データベース13は、ユーザIDに対応付けて、その他の端末情報を記憶する。
【0080】
無線通信部11bは、端末装置30a,30bから、無線情報の送信の要求を受信する。無線通信部11bは、受信した要求を無線情報提供部12bに入力する。無線情報の送信の要求には、ユーザIDとパスワードが含まれる。又、無線通信部11bは、無線情報提供部12bから無線情報を取得する。無線通信部11bは、取得した無線情報を端末装置30a,30bに送信する。
【0081】
無線情報提供部12bは、無線通信部11bから、無線情報の送信の要求を取得する。無線情報提供部12bは、要求してきたユーザが、無線情報ユーザであるか否かを認証する。具体的には、無線情報提供部12bは、無線情報の送信の要求に含まれるユーザIDとパスワードが、ユーザ情報データベース13に記憶された無線情報ユーザのユーザIDとパスワードと一致するかを判断する。無線情報提供部12bは、ユーザIDとパスワードが一致する場合には、無線情報ユーザであると判断する。そして、無線情報提供部12bは、無線情報記憶部12から無線情報を取得する。無線情報提供部12bは、取得した無線情報を無線通信部11bに入力する。一方、無線情報提供部12bは、ユーザIDとパスワードが一致しない場合には、無線情報ユーザではないと判断する。この場合、無線情報提供部12bは無線情報を取得しない。そのため、無線情報ユーザでない場合には無線情報は送信されない。このようにして、無線情報提供部12bは、無線情報の送信を無線情報ユーザに制限する。
【0082】
又、無線情報提供部12bは、同時に無線情報を送信するユーザ数を制限してもよい。無線情報提供部12bは、無線通信部11bが無線情報を送信している端末装置30a,30bの数を、無線通信部11bから取得する。そして、無線情報提供部12bは、無線情報の送信の要求を取得した際に、制限するユーザ数と、無線情報を送信している端末装置30a,30bの数とを比較する。無線情報提供部12bは、無線情報を送信している端末装置30a,30bの数が、制限するユーザ数未満の場合には、無線情報記憶部12から無線情報を取得する。一方、無線情報提供部12bは、無線情報を送信している端末装置30a,30bの数が、制限するユーザ数以上の場合には、無線情報を取得しない。
【0083】
又、無線通信装置10bは、無線通信装置10bの方から無線情報を送信する際に、端末装置30a,30bに対して、ユーザIDとパスワードを要求してもよい。この場合、無線情報提供部12bが、ユーザIDとパスワードの要求を無線通信部11bに入力する。無線通信部11bは、端末装置30a,30bに、ユーザIDとパスワードの要求を送信する。無線通信部11bは、端末装置30a,30bからのユーザIDとパスワードを含む応答を受信する。無線通信部11bは、受信した応答を無線情報提供部12bに入力する。そして、無線情報提供部12bが、応答してきたユーザが、無線情報ユーザであるか否かを認証する。無線情報提供部12bは、ユーザIDとパスワードが一致する場合には、無線情報記憶部12から無線情報を取得する。一方、無線情報提供部12bは、ユーザIDとパスワードが一致しない場合には、無線情報を取得しない。このようにして、無線通信装置10bの方から無線情報を送信する場合であっても、無線情報の送信を無線情報ユーザに制限できる。
【0084】
更に、無線情報提供部12bは、端末装置30a,30bの性能に応じて、無線情報の送信を制限してもよい。この場合には、無線情報提供部12bは、無線情報の受信に必要な端末装置30a,30bの性能を記憶しておく。無線情報提供部12bは、要求や応答に含まれるユーザIDに基づいて、ユーザ情報データベース13から端末装置の性能に関する情報を取得する。無線情報提供部12bは、取得した端末装置の性能に関する情報と必要な性能を比較して、無線情報の送信を制限する。又、無線情報提供部12bは、ユーザの年齢などの属性情報に応じて、無線情報の送信を制限してもよい。この場合には、無線情報提供部12bは、無線情報の送信が可能なユーザの属性情報を記憶しておく。無線情報提供部12bは、要求や応答に含まれるユーザIDに基づいて、ユーザ情報データベース13からユーザの属性情報を取得する。無線情報提供部12bは、取得した属性情報と送信が可能な属性情報を比較して、無線情報の送信を制限する。
【0085】
このように、無線情報提供部12bは、無線通信部11bによる無線情報の送信を制限する無線情報制限手段として機能する。これにより、無線通信装置10bは、無線情報の利用が特定のユーザに限られている場合に、そのユーザにのみ無線情報を送信できる。又、無線通信装置10bは、無線情報を同時に送信できるユーザ数を制限したい場合に、制限された数のユーザにだけ無線情報を送信できる。又、無線通信装置10bは、アクティブタグ、パッシブタグ、セミパッシブタグのいずれとしても機能できる。
【0086】
図2(c)に示すように、無線通信装置10cは、無線通信部11cと、通信部14cとを備える。通信部14cは、管理サーバ20から、無線情報、ユーザIDやパスワードの要求、提供情報、処理情報、提供情報の特定に関する情報(以下、「特定情報」という)、提供情報の特定結果、通信ポリシーの設定に関する情報(以下、「通信ポリシー設定情報」という)、設定した通信ポリシーに関する情報(以下、「設定情報」という)、提供情報の送信の制御に関する情報(以下、「送信制御情報」という)を受信する。尚、本実施形態では、特定情報や特定結果には、処理の特定に関する情報や処理の特定結果も含まれる。又、送信制御情報には、処理情報の送信の制御に関する情報も含まれる。
【0087】
通信部14cは、受信した情報を無線通信部11cに入力する。尚、通信部14cが受信する無線情報は、無線通信装置10cの方から端末装置30a,30bに送信する無線情報であってもよく、端末装置30a,30bからの要求に応じて送信する無線情報であってもよく、両者であってもよい。通信部14cは、無線通信部11cから、無線情報の送信の要求、ユーザIDやパスワードを含む応答、特定した提供情報の送信の要求、特定した処理の実行の要求、特定情報、特定結果、通信ポリシー設定情報、設定情報、送信制御情報を取得する。通信部14cは、取得した要求や情報を管理サーバ20に送信する。
【0088】
無線通信部11cは、通信部14cから情報を取得する。無線通信部11cが取得する情報は、端末装置30a,30bに対する情報と、無線通信装置10cに対する情報に分けられる。無線通信部11cは、端末装置30a,30bに対する情報を、端末装置30a,30bに送信する。端末装置30a,30bに対する情報には、例えば、無線情報、ユーザIDやパスワードの要求、提供情報、処理情報、特定情報、特定結果、通信ポリシー設定情報、設定情報、送信制御情報がある。このようにして、通信部14cと無線通信部11cとは、配信サーバ40a,40bや処理サーバ60から端末装置30a,30bへの提供情報、処理情報の送信を中継する中継手段として機能する。又、無線通信部11cは、無線通信装置10cに対する情報に含まれる指示に従う。例えば、無線通信部11cは、無線通信装置10cに対する送信制御情報に従い、端末装置30a,30bに提供情報を送信する。
【0089】
無線通信部11cは、端末装置30a,30bから、無線情報の送信の要求、ユーザIDやパスワードを含む応答、特定した提供情報の送信の要求、特定した処理の実行の要求、特定情報、特定結果、通信ポリシー設定情報、設定情報、送信制御情報を受信する。無線通信部11cは、受信した要求や情報を通信部14cに入力する。
【0090】
このように、無線通信装置10cは、管理サーバ20から、無線通信装置10cの方からが端末装置30a,30bに送信する無線情報、端末装置30a,30bからの要求に応じて送信する無線情報のいずれか、又は、両者を受信し、端末装置30a,30bに送信できる。よって、無線通信装置10cは、アクティブタグ、パッシブタグ、セミパッシブタグのいずれとしても機能できる。
【0091】
図3に示すように、無線通信装置10dは、無線通信部11dと、無線情報記憶部12と、無線情報提供部12dと、ユーザ情報データベース13と、通信部14dと、提供情報特定部15と、通信ポリシー設定部16と、通信ポリシーデータベース16aと、通信制御部17と、変換部18と、監視部19aと、時計部19bと、無線装置情報記憶部19cと、測定部19dとを備える。
【0092】
無線通信部11dは、端末装置30a,30bから、ユーザIDを含む無線情報の送信の要求を受信する。あるいは、無線通信部11dは、無線情報提供部12dから、ユーザIDの要求を取得する。無線通信部11dは、端末装置30a,30bに、取得したユーザIDの要求を送信する。無線通信部11dは、端末装置30a,30bからユーザIDを含む応答を受信する。無線通信部11dは、受信した要求や応答を無線情報提供部12dに入力する。又、無線通信部11dは、無線情報提供部12dから無線情報を取得する。無線通信部11dは、取得した無線情報を端末装置30a,30bに送信する。
【0093】
無線情報提供部12dは、無線通信部11dから、無線情報の送信の要求や、ユーザIDの要求に対する応答を取得する。無線情報提供部12dは、要求や応答に含まれるユーザIDに基づいて、ユーザ情報データベース13を検索する。そして、無線情報提供部12dは、ユーザIDに対応付けられている端末情報を取得する。又、無線情報提供部12dは、時計部19bから現在時刻などの時間情報を取得する。時計部19bは、時刻を提供する。又、時計部19bは、時間を測定する。
【0094】
無線情報提供部12dは、取得した端末情報、時間情報に基づいて、無線情報記憶部12を検索する。そして、無線情報提供部12dは、端末情報、時間情報に適した無線情報を特定する。無線情報提供部12dは、特定した無線情報を、無線情報記憶部12から取得する。無線情報提供部12dは、取得した無線情報を無線通信部11dに入力する。このように、無線情報提供部12dは、送信する無線情報を特定する無線情報特定手段として機能する。
【0095】
又、無線通信装置10dが、無線情報ユーザへの無線情報を送信する場合には、無線通信部11d及び無線情報提供部12dは、図2(b)に示した無線通信部11b及び無線情報提供部12bと同様にして、無線情報ユーザであるか否かの認証を行い、無線情報の送信を無線情報ユーザに制限する。無線通信部11d及び無線情報提供部12dは、無線通信部11b及び無線情報提供部12bと同様にして、同時に無線情報を送信するユーザ数を制限してもよい。又、無線通信部11d及び無線情報提供部12dは、端末装置30a,30bの性能やユーザの属性情報に応じて、無線情報の送信を制限してもよい。又、無線通信装置10dは、アクティブタグ、パッシブタグ、セミパッシブタグのいずれとしても機能できる。
【0096】
通信部14dは、管理サーバ20から、無線情報記憶部12に格納する無線情報を受信する。無線情報提供部12dは、通信部14dから、受信した無線情報を取得する。無線情報提供部12dは、取得した無線情報を無線情報記憶部12に格納する。これにより、無線情報記憶部12が記憶する無線情報が更新される。このように、無線情報提供12dは、無線情報を更新する無線情報更新手段としても機能する。
【0097】
監視部19aは、配信サーバ40a,40bと端末装置30a,30bとの間のネットワークの状況を監視する。具体的には、監視部19aは、無線通信部11dを介して、配信サーバ40a,40bと端末装置30a,30bとの間のネットワークのうち、例えば、図1に示した無線通信装置10dと端末装置30bとの間の経路6bの状況を取得する。監視部19aは、通信部14dを介して、配信サーバ40a,40bと端末装置30a,30bとの間のネットワークのうち、図1に示した無線通信装置10dと管理サーバ20との間の経路5bの状況を取得する。
【0098】
ネットワークの状況には、ネットワークにおけるトラヒック量(通信量)、輻輳状況、それらの変化量、平均値などがある。トラヒック量は、ネットワーク全体のトラヒック量であってもよく、ある領域におけるトラヒック量であってもよい。領域におけるトラヒック量には、領域に存在する端末装置30a,30bの数、領域内で、ある時点において通信を行っている端末装置30a,30bの数(以下「同時利用数」という)がある。トラヒック量を監視する領域は、新たに設定してもよく、基地局がカバーするセルなどの既存の領域を用いてもよい。監視部19aは、例えば、通信部14dを介して、ネットワーク上に配置された監視装置から、ネットワークの状況を取得する。又、監視部19aは、通信部14dを介して、ネットワークを構成する基地局から、基地局がカバーするセルにおけるトラヒック量などを取得できる。
【0099】
又、監視部19aは、配信サーバ40a,40bと端末装置30a,30bとの間の通信リソースの状況を監視する。具体的には、監視部19aは、無線通信部11dから、配信サーバ40a,40bと端末装置30a,30bとの間の通信リソースのうち、無線通信装置10dと端末装置30bとの間の通信リソースの状況を取得する。通信リソースの状況は、ネットワーク全体の通信リソースの状況であってもよく、ある領域における通信リソースの状況であってもよい。監視部19aは、通信部14dから、配信サーバ40a,40bと端末装置30a,30bとの間の通信リソースのうち、無線通信装置10dと管理サーバ20との間の通信リソースの状況を取得する。通信リソースの状況には、情報の送受信に使用している使用通信リソース量、使用していない空き通信リソース量、それらの変化量、平均値がある。
【0100】
更に、監視部19aは、無線通信部11d、通信部14d、通信制御部17、変換部18の状況を監視する。監視部19aは、無線通信部11d、通信部14d、通信制御部17、無線情報提供部12d、変換部18から、その負荷状況や処理状況を取得する。例えば、監視部19aは、無線通信部11dが情報の送受信をしている通信中の端末装置30a,30bの数、無線通信部11dと端末装置30a,30bとの間の通信路の数、通信部14dが管理サーバ20と送受信しているデータ量、通信制御部17が制御している通信路の数、無線情報提供部12dが行う処理量、変換部18が行うデータ変換量などの負荷状況を取得する。監視部19aは、無線通信部11dや通信部14dが送受信を終了させた情報の割合、無線情報提供部12dが終了させた処理量の割合、変換部18が変換を終了させたデータ量の割合などの処理状況を取得する。更に、監視部19aは、無線通信部11d、通信部14d、通信制御部17、変換部18の負荷状況や処理状況から、無線通信装置10a〜10d全体の負荷状況や処理状況を求めてもよい。
【0101】
又、監視部19aは、通信ポリシーの達成度を監視する。監視部19aは、通信ポリシー設定部16から、設定した通信ポリシーを取得する。監視部19aは、無線通信部11d、通信部14d、通信制御部17、変換部18から、設定した通信ポリシーに関係する実際の状況を取得する。監視部19aは、取得した通信ポリシーと、実際の状況とを比較することにより、通信ポリシーの達成度を求める。尚、通信ポリシーの達成度は、通信ポリシーをどの程度達成できたかを表すものであればよい。そのため、通信ポリシーの達成度は、通信ポリシーを達成できた割合で示してもよく、通信ポリシーを達成できなかった割合、即ち、通信ポリシーと実際の状況との乖離割合で示してもよい。又、監視部19aは、通信ポリシーとは関係なく、通信品質やデータ品質、通信スケジュールの実際の状況を監視してもよい。
【0102】
このようなネットワークの状況、通信リソースの状況、無線通信部11d、通信部14d、通信制御部17、変換部18の状況、通信ポリシーの達成度、通信品質やデータ品質、通信スケジュールの実際の状況などの監視部19aが監視する情報を監視情報という。このように、監視部19aは、監視情報を取得する取得手段として機能する。監視部19aは、監視情報を、提供情報特定部15、通信ポリシー設定部16、通信制御部17に入力する。監視部19aは、現在の監視情報を入力してもよく、過去の監視情報を入力してもよい。
【0103】
監視部19aは、監視情報の取得、監視情報の提供情報特定部15、通信ポリシー設定部16、通信制御部17への入力を、定期的に行ってもよく、ランダムに行ってもよく、連続的に行ってもよい。更に、監視部19aは、提供情報特定部15や通信ポリシー設定部16、通信制御部17から、監視情報の提供の要求を受ける。そして、監視部19aは、その要求に応じて、監視情報を提供情報特定部15や通信ポリシー設定部16、通信制御部17に入力してもよい。無線通信装置情報記憶部19cは、無線通信装置情報を記憶する。
【0104】
測定部19dは、無線通信装置10dに関する状態を測定する無線通信装置測定手段である。測定部19dは、無線通信装置10dに関する状態として、例えば、無線通信装置10d自体、無線通信装置10dが備える各構成、無線通信装置10d周辺の状態を測定する。具体的には、測定部19dは、無線通信装置10dの位置、無線通信装置10d周辺の気温や湿度、無線通信装置10dの進行方向、無線通信装置10d周辺の映像、無線通信装置10dの移動速度、無線通信装置10dと端末装置30a,30bとの距離や相対速度、無線通信装置10dから所定の範囲内に存在する端末装置30a,30bの数を測定する。そのため、測定部19dとしては、例えば、GPS(Global Positioning System)装置、温度計、湿度計、方位センサ、カメラ等の撮影手段、速度計を用いることができる。
【0105】
又、測定部19dは、無線通信装置10dと端末装置30a,30bとの距離を、例えば、以下のようにして測定できる。無線通信部11aは、端末装置30a,30bから、端末装置30a,30bの位置情報を受信する。測定部19dは、無線通信部11aから、端末装置30a,30bの位置情報を取得する。更に、測定部19dは、無線通信装置10dの位置をGPS衛星などを用いて測定する。測定部19dは、取得した端末装置30a,30bの位置情報と、測定した無線通信装置10dの位置とから、無線通信装置10dと端末装置30a,30bとの距離を求める。
【0106】
又、測定部19dは、端末装置30a,30bから受信する複数の電波の強度を測定する。測定部19dは、強度が閾値以上の電波の数を求めることにより、無線通信装置10dから所定の範囲内に存在する端末装置30a,30bの数を求める。測定部32は、電波の強度の閾値を、範囲の広さに応じて設定する。
【0107】
このように、測定した状態に関する情報を測定情報という。測定は、定期的に行ってもよく、ランダムに行ってもよく、連続的に行ってもよい。又、測定部19dは、提供情報特定部15、通信ポリシー設定部16、通信制御部17からの測定情報の提供の要求に応じて、測定してもよい。測定部19dは、測定情報を、提供情報特定部15、通信ポリシー設定部16、通信制御部17に入力する。測定部19dは、現在の測定情報を入力してもよく、過去の測定情報を入力してもよい。
【0108】
無線通信部11dは、無線通信部11dが送信した無線情報を受信した端末装置30a,30bから、特定情報、特定結果、特定した提供情報の送信の要求、特定した処理の実行の要求を受信する。無線通信部11dは、受信した特定情報を提供情報特定部15に入力する。無線通信部11dは、受信した特定情報、特定結果、特定した提供情報の送信の要求、特定した処理の実行の要求を通信部14dに入力する。又、無線通信部11dは、提供情報特定部15又は通信部14dから特定情報、特定結果を取得する。無線通信部11dは、取得した特定情報、特定結果を端末装置30a,30bに送信する。
【0109】
通信部14dは、管理サーバ20から、特定情報、特定結果を受信する。通信部14dは、受信した特定情報を提供情報特定部15又は無線通信部11dに入力する。通信部14dは、受信した特定結果を無線通信部11dに入力する。又、通信部14dは、提供情報特定部15から、特定情報、特定結果、特定した提供情報の送信の指示、特定した処理の実行の指示を取得する。又、通信部14dは、無線通信部11dから、特定情報、特定結果、特定した提供情報の送信の要求、特定した処理の実行の要求を取得する。通信部14dは、取得した特定情報、特定結果、提供情報の送信の要求、処理の実行の要求を管理サーバ20に送信する。
【0110】
提供情報特定部15は、端末装置30a,30bが受信した無線情報に基づいて、提供情報を特定する提供情報特定手段である。提供情報特定部15は、提供情報の特定に加えて、処理を特定してもよい。又、提供情報特定部15は、特定情報を通知する特定情報通知手段としても機能する。
【0111】
提供情報特定部15は、無線情報通信部11dから、特定情報を取得する。提供情報特定部15は、ユーザIDに基づいて、ユーザ情報データベース13を検索する。そして、提供情報特定部15は、ユーザIDに対応付けられている端末情報を取得する。提供情報特定部15は、時計部19bから時間情報を取得する。提供情報特定部15は、監視部19aから監視情報を取得する。提供情報特定部15は、無線通信装置情報記憶部19cから、無線通信装置情報を取得する。提供情報特定部15は、測定部19dから測定情報を取得する。
【0112】
提供情報特定部15は、取得した特定情報、端末情報、時間情報、監視情報、無線通信装置情報、測定情報に基づいて、提供情報、処理を特定する。提供情報特定部15は、特定した特定結果を通信ポリシー設定部16に入力する。又、提供情報特定部15は、配信サーバ40a,40bや処理サーバ60に対して、特定した提供情報の送信や、特定した処理の実行を指示する。提供情報特定部15は、特定した提供情報の送信の指示や、特定した処理の実行の指示、特定結果、特定情報を、通信部14dに入力する。提供情報特定部15は、特定結果、特定情報を、無線通信部11dに入力する。
【0113】
又、提供情報特定部15は、取得した特定情報、端末情報、時間情報、監視情報、無線通信装置情報、測定情報に基づいて、特定情報を通知する。提供情報特定部15は、端末装置30a、管理サーバ20、配信サーバ40aに特定情報を通知する。提供情報特定部15は、通知する特定情報を、無線通信部11d、通信部14dに入力する。
【0114】
通信ポリシーデータベース16aは、通信ポリシーに関する情報を記憶する通信ポリシー記憶手段である。通信ポリシーデータベース16aは、通信ポリシーの設定規則、通信ポリシーの設定条件、オブジェクト単位の決定規則、通信ポリシーの達成目標値の算出規則を記憶する。又、通信ポリシーデータベース16aは、設定した通信ポリシー、通信ポリシーの達成目標値、オブジェクト単位、通信ポリシーの達成度、これまでに設定した通信ポリシーの履歴に関する情報を、端末装置毎、提供情報や処理情報毎に記憶する。
【0115】
無線通信部11dは、端末装置30a,30bから、通信ポリシー設定情報、設定情報を受信する。通信部14dは、管理サーバ20から、通信ポリシー設定情報、設定情報を受信する。無線通信部11dは、受信した通信ポリシー設定情報や設定情報を、通信ポリシー設定部15や通信部14d、通信制御部17に入力する。通信部14dは、受信した通信ポリシー設定情報や設定情報を、通信ポリシー設定部15や無線通信部11d、通信制御部17に入力する。
【0116】
無線通信部11dは、通信ポリシー設定部16や通信部14dから通信ポリシー設定情報や設定情報を取得する。無線通信部11dは、取得した通信ポリシー設定情報や設定情報を端末装置30a,30bに送信する。通信部14dは、通信ポリシー設定部16や無線通信部11dから通信ポリシー設定情報や設定情報を取得する。通信部14dは、取得した通信ポリシー設定情報や設定情報を管理サーバ20に送信する。
【0117】
通信ポリシー設定部16は、配信サーバ40a,40bから端末装置30a,30bに、提供情報を送信する際の通信ポリシーを、オブジェクト単位毎に決定し、設定する通信ポリシー設定手段である。通信ポリシー設定部16は、処理情報を送信する際の通信ポリシーも設定する。又、通信ポリシー設定部16は、通信ポリシー設定情報を通知する設定情報通知手段としても機能する。
【0118】
通信ポリシー設定部16は、無線情報通信部11d、通信部14dから、通信ポリシー設定情報、設定情報を取得する。通信ポリシー設定部16は、提供情報特定部15から特定結果を取得する。通信ポリシー設定部16は、ユーザIDに基づいて、ユーザ情報データベース13を検索する。そして、通信ポリシー設定部16は、ユーザIDに対応付けられている端末情報を取得する。通信ポリシー設定部16は、時計部19bから時間情報を取得する。通信ポリシー設定部16は、監視部19aから監視情報を取得する。通信ポリシー設定部16は、無線通信装置情報記憶部19cから、無線通信装置情報を取得する。通信ポリシー設定部16は、測定部19dから測定情報を取得する。通信ポリシー設定部16は、通信ポリシーデータベース16aから、通信ポリシーの設定規則、通信ポリシーの設定条件、オブジェクト単位の決定規則、達成目標値の算出規則、通信ポリシーの達成度、通信ポリシーの履歴に関する情報を取得する。
【0119】
通信ポリシー設定部16は、取得した特定結果、通信ポリシー設定情報、端末情報時間情報、監視情報、無線通信装置情報、測定情報、通信ポリシーの設定規則、通信ポリシーの設定条件、オブジェクト単位の決定規則、通信ポリシーの達成度、通信ポリシーの履歴に関する情報に基づいて、通信ポリシーを決定し、設定する。又、通信ポリシー設定部16は、設定した通信ポリシー、達成目標値の算出規則に基づいて、通信ポリシーの達成目標値を設定する。通信ポリシー設定部16は、通信ポリシー設定情報、設定情報を、無線通信部11d、通信部14dに入力する。通信ポリシー設定部16は、設定情報を通信制御部17に入力する。
【0120】
尚、通信ポリシー設定部16が通信ポリシーを決定し、設定してから、提供情報特定部15が提供情報を特定してもよい。この場合、通信ポリシー設定部16は、特定結果以外の情報に基づいて、通信ポリシーを決定し、設定する。そして、通信ポリシー設定部16は、設定情報を提供情報特定部15に入力する。提供情報特定部15は、通信ポリシー設定部16から、設定情報を取得する。そして、提供情報特定部15は、取得した設定情報に基づいて提供情報を特定する。これらの点以外は、提供情報特定部15が提供情報を特定してから、通信ポリシー設定部16が通信ポリシーを決定し、設定する場合と同様である。
【0121】
又、通信ポリシー設定部16は、取得した特定結果、通信ポリシー設定情報、端末情報、時間情報、監視情報、無線通信装置情報、測定情報、通信ポリシーの設定規則、通信ポリシーの設定条件、オブジェクト単位の決定規則、達成目標値の算出規則、通信ポリシーの達成度、通信ポリシーの履歴に関する情報に基づいて、通信ポリシー設定情報を通知する。通信ポリシー設定部16は、端末装置30a、管理サーバ20、配信サーバ40a、中継装置50に通信ポリシー設定情報を通知する。通信ポリシー設定部16は、通知する通信ポリシー設定情報を、無線通信部11d、通信部14dに入力する。
【0122】
又、通信ポリシー設定部16は、設定した通信ポリシーや達成目標値、オブジェクト単位、取得した設定情報、取得した監視情報を、通信ポリシーデータベース16aに格納する。これにより、通信ポリシーデータベース16aが更新される。又、通信ポリシー設定部16は、通信ポリシーデータベース16aから、設定した通信ポリシーを取得し、監視部19aに入力する。
【0123】
通信制御部17は、設定した通信ポリシーに基づいて、提供情報の送信をオブジェクト単位毎に制御する通信制御手段である。通信制御部17は、処理情報の送信も制御する。通信制御部17は、通信ポリシー設定部16から、設定情報を取得する。又、通信制御部17は、無線通信部11d、通信部14dから、設定情報、通信ポリシー設定情報を取得する。通信制御部17は、ユーザ情報データベース13から、端末情報を取得する。通信制御部17は、時計部19bから時間情報を取得する。通信制御部17は、監視部19aから監視情報を取得する。通信制御部17は、無線通信装置情報記憶部19cから、無線通信装置情報を取得する。通信制御部17は、測定部19dから測定情報を取得する。
【0124】
通信制御部17は、取得した設定情報、通信ポリシー設定情報、端末情報、時間情報、監視情報、無線通信装置情報、測定情報に基づいて、オブジェクト単位毎に送信制御情報を決定する。通信制御部17は、決定した送信制御情報を、無線通信部11d、通信部14dに入力する。又、無線通信部11dは、端末装置30a,30bから、送信制御情報を受信する。無線通信部11dは、受信した送信制御情報を、通信部14d又は通信制御部17に入力する。通信部14dは、管理サーバ20から、送信制御情報を受信する。通信部14dは、受信した送信制御情報を、無線通信部11d又は通信制御部17に入力する。無線通信部11dは、通信制御部17又は通信部14dから送信制御情報を取得する。無線通信部11dは、取得した送信制御情報を端末装置30a,30bに送信する。通信部14dは、通信制御部17又は無線通信部11dから送信制御情報を取得する。通信部14dは、取得した送信制御情報を管理サーバ20に送信する。
【0125】
又、通信制御部17は、時間情報と、決定した送信制御情報、又は、無線通信部11d、通信部14dから取得した送信制御情報とに基づいて、無線通信部11d、通信部14d、変換部18を制御する。このように、通信制御部17は、通信ポリシー設定部16が設定した通信ポリシーに関する設定情報に基づいて、オブジェクト単位毎に決定した送信制御情報を用いて、無線通信部11d、通信部14d、変換部18を制御する。これにより、通信制御部17は、設定した通信ポリシーに基づいて、提供情報の送信をオブジェクト単位毎に制御することができる。
【0126】
通信部14dは、管理サーバ20から、提供情報、処理情報を受信する。通信部14dは、通信制御部17の制御に従って、受信した提供情報、処理情報を、無線通信部11d又は変換部18に入力する。無線通信部11dは、通信部14d又は変換部18から、提供情報、処理情報を取得する。無線通信部11dは、通信制御部17の制御に従って、取得した提供情報、処理情報をオブジェクト単位毎に端末装置30a,30bに送信する。
【0127】
このようにして、通信部14dと、無線通信部11dとは、配信サーバ40a,40bや処理サーバ60から端末装置30a,30bへの提供情報、処理情報の送信を中継する中継手段として機能する。更に、無線通信部11dは、通信制御部17から、通信ポリシー設定部16が設定した通信ポリシーに関する設定情報に基づいて決定した送信制御情報に基づいた制御を受ける。そのため、無線通信部11dは、通信部14dが受信した提供情報、処理情報を、通信ポリシーに基づいて端末装置30a,30bに送信できる。
【0128】
変換部18は、設定した通信ポリシーに基づいて、提供情報を変換する変換手段である。変換部18は、通信制御部17から、通信ポリシー設定部16が設定した通信ポリシーに関する設定情報に基づいて決定した送信制御情報による制御を受ける。変換部18は、通信部14dから提供情報、処理情報を取得する。変換部18は、通信制御部17の制御に従って、提供情報、処理情報をオブジェクト単位毎に変換する。変換部18は、変換した提供情報、処理情報を無線通信部11dに入力する。
【0129】
又、提供情報特定部15、通信ポリシー設定部16、通信制御部17、監視部19aは、算出情報を、通信部14dに入力する。通信部14dは、取得した算出情報を、管理サーバ20に送信する。
【0130】
〔管理サーバ〕
管理サーバ20は、無線通信装置10c,10dを制御する。例えば、管理サーバ20は、配信サーバ40b、中継装置50又は処理サーバ60と、無線通信装置10c,10dとの間の情報の送受信を中継する。管理サーバ20は、無線通信装置10cに代わり、端末情報や無線情報を管理する。そして、管理サーバ20は、無線通信装置10cに代わり、無線情報ユーザの認証や無線情報の送信の制限を行う。管理サーバ20は、無線情報を無線通信装置10c,10dに提供する。
【0131】
図4に示すように、管理サーバ20は、無線情報データベース22と、無線情報提供部22aと、ユーザ情報データベース23と、通信部24と、提供情報特定部25と、通信ポリシー設定部26と、通信ポリシーデータベース26aと、通信制御部27と、変換部28aと、リソース割当部28bと、監視部29aと、時計部29bと、管理サーバ情報記憶部29cとを備える。
【0132】
ユーザ情報データベース23、通信ポリシーデータベース26a、時計部29bは、図3に示したユーザ情報データベース13、通信ポリシーデータベース16a、時計部19bと同様である。通信部24は、無線通信装置10c,10d、配信サーバ40b、中継装置50、処理サーバ60、課金サーバ70と通信する。無線情報データベース22は、無線情報記憶手段である。無線情報データベース22は、無線情報を、無線通信装置10c,10d毎に記憶する。例えば、無線情報データベース22は、タグIDに対応付けて、各無線通信装置10c,10dが送信する無線情報を記憶する。
【0133】
無線通信装置10cがアクティブタグ、セミパッシブタグとして機能する場合、無線情報提供部22aは、定期的又はランダムに無線情報データベース22から無線情報を取得する。一方、無線通信装置10cがパッシブタグ、セミパッシブタグとして機能する場合、通信部24は、無線通信装置10cから無線情報の要求を受信する。通信部24は、受信した無線情報の要求を無線情報提供部22aに入力する。無線情報提供部22aは、無線情報の要求を取得した際に、無線情報データベース22から無線情報を取得する。無線情報提供部22aは、無線通信装置10cのタグIDに基づいて、そのタグIDに対応付けられた無線情報を取得する。無線情報提供部22aは、取得した無線情報を通信部24に入力する。
【0134】
尚、無線情報提供部22aは、無線情報制限手段や無線情報特定手段としても機能できる。その場合、無線情報提供部22aは、ユーザIDやパスワードを含む無線情報の要求を取得する。又は、無線情報提供部22aは、ユーザIDやパスワードの要求を通信部24に入力する。通信部24は、無線通信装置10cに、ユーザIDやパスワードの要求を送信する。通信部24は、無線通信装置10cから、ユーザIDやパスワードを含む応答を受信する。無線情報提供部22aは、通信部24から、受信した応答を取得する。
【0135】
無線情報提供部22aは、図2(b)に示した無線情報提供部12bと同様にして、要求や応答に含まれるユーザID、パスワードと、ユーザ情報データベース23に記憶されたユーザID、パスワードを用いて、無線情報ユーザであるか否かの認証を行う。そして、無線情報提供部22aは、無線情報の送信を無線情報ユーザに制限する。あるいは、無線情報提供部22aは、図2(b)に示した無線情報提供部12bと同様にして、同時に無線情報を送信するユーザ数を制限してもよい。又、無線情報提供部22aは、端末装置30a,30bの性能やユーザの属性情報に応じて、無線情報の送信を制限してもよい。
【0136】
これによれば、管理サーバ20は、無線情報の利用が特定のユーザに限られている場合に、そのユーザにのみ無線情報を送信できる。又、管理サーバ20は、無線情報を同時に送信できるユーザ数を制限したい場合に、制限された数のユーザにだけ無線情報を送信できる。尚、無線情報提供部22aは、無線情報の送信を制限するユーザ数を、例えば、ネットワークの状況や通信リソースの状況、配信サーバ40a,40b、処理サーバ60、中継装置50、管理サーバ20、無線通信装置10d、端末装置30a,30bの処理状況や負荷状況、通信ポリシーの達成度、通信品質やデータ品質、通信スケジュールの実際の状況などに基づいて定めることができる。
【0137】
又、無線情報提供部22aは、図3に示した無線情報提供部12dと同様にして、要求や応答に含まれるユーザIDに基づいて、ユーザ情報データベース23から、端末情報を取得する。時計部29bから、時間情報を取得する。そして、無線情報提供部22aは、端末情報に基づいて、無線情報を特定する。無線情報提供部22aは、特定した無線情報を、無線情報データベース22から取得する。
【0138】
更に、無線情報提供部22aは、無線通信装置10dに格納する無線情報を、無線情報データベース22から取得する。無線情報提供部22aは、無線通信装置10dのタグIDに基づいて、そのタグIDに対応付けられた無線情報を取得する。無線情報提供部22aは、取得した無線情報を通信部24に入力する。
【0139】
通信部24は、無線情報提供部22aから、無線情報を取得する。通信部24は、取得した無線情報を無線通信装置10c,10dに送信する。このように、通信部24は、無線通信装置10c,10dに無線情報を提供する無線情報提供手段として機能する。尚、通信部24は、複数の無線通信装置10cに、無線情報を送信してもよい。
【0140】
監視部29aは、図3に示した監視部19aと同様にして、監視情報を取得する。具体的には、通信部29aは、通信部24を介して、配信サーバ40bと端末装置30a,30bとの間のネットワークのうち、例えば、図1に示した無線通信装置10c,10dと管理サーバ20との間の経路5a,5bの状況、配信サーバ40b、中継装置50又は処理サーバ60と、管理サーバ20との間の経路4a,4c,4bの状況を取得する。又、監視部29aは、リソース割当部28b又は通信部24から、配信サーバ40bと端末装置30a,30bとの間の通信リソースのうち、無線通信装置10c,10dと管理サーバ20との間の通信リソースの状況、配信サーバ40b、中継装置50又は処理サーバ60と、管理サーバ20との間の通信リソースの状況を取得する。
【0141】
更に、監視部29aは、通信部24、通信制御部27、変換部28a、リソース割当部28bの状況を監視する。監視部29aは、通信部24、通信制御部27、変換部28a、リソース割当部28bから、その負荷状況や処理状況を取得する。例えば、監視部29aは、通信部24が情報の送受信を行っている通信中の無線通信装置10c,10d、配信サーバ40b、中継装置50、処理サーバ60の数、通信部24と、無線通信装置10c,10d、配信サーバ40b、中継装置50、処理サーバ60との間の通信路の数、通信部24が送受信しているデータ量、通信制御部27が制御している通信路の数、変換部28aが行うデータ変換量、リソース割当部28bが行う処理量などの負荷状況を取得する。監視部29aは、通信部24が送受信を終了させた情報の割合、変換部28aが変換を終了させたデータ量の割合、リソース割当部28bが終了させた処理量の割合などの処理状況を取得する。更に、監視部29aは、通信部24、通信制御部27、変換部28a、リソース割当部28bの負荷状況や処理状況から、管理サーバ20全体の負荷状況や処理状況を求めてもよい。
【0142】
又、監視部29aは、通信ポリシーの達成度や、通信品質やデータ品質、通信スケジュールの実際の状況を監視する。その際、監視部29aは、通信ポリシー設定部26から、設定した通信ポリシーを取得する。監視部29aは、通信部24、通信制御部27、変換部28a、リソース割当部28bから、設定した通信ポリシーに関係する実際の状況を取得する。又、監視部29aは、提供情報特定部25、通信ポリシー設定部26からの監視情報の提供の要求に応じて、監視情報を取得する。監視部29aは、監視情報を、提供情報特定部25、通信ポリシー設定部26、通信制御部27に入力する。監視部29aは、現在の監視情報を入力してもよく、過去の監視情報を入力してもよい。
【0143】
管理サーバ情報記憶部29cは、管理サーバ20に関する管理サーバ情報を記憶する。管理サーバ情報には、管理サーバ20の識別子(以下「管理サーバID」という)、管理サーバ20の位置情報、管理サーバ20の処理能力や通信速度、容量などの管理サーバ20の性能に関する情報、管理サーバ20の負荷状況や処理状況、管理サーバ20が希望する通信ポリシー、通信料金の希望上限額、提供してもよい管理サーバ20に関する通信リソース、希望するオブジェクト単位、要求する品質、要求されるリアルタイム性などがある。又、管理サーバ情報には、管理サーバ20全体に関する情報と、管理サーバ20を構成する各構成に関する情報がある。尚、管理サーバ情報記憶部29cは、管理サーバ20が管理する無線通信装置10c,10dの無線通信装置情報も記憶する。尚、管理サーバIDとしては、管理サーバ20に付与した番号や記号、文字などを用いることができる。
【0144】
通信部24は、配信サーバ40b、中継装置50から、特定情報、特定結果を受信する。通信部24は、無線通信装置10c,10dから、特定情報、特定結果、特定した提供情報の送信の要求、特定した処理の実行の要求、特定した提供情報の送信の指示、特定した処理の実行の指示を受信する。通信部24は、処理サーバ60から、特定情報を受信する。通信部24は、受信した特定情報を提供情報特定部25に入力する。
【0145】
通信部24は、提供情報特定部25から特定情報、特定結果、特定した提供情報の送信の指示、特定した処理の実行の指示を取得する。通信部24は、無線通信装置10c,10dに、受信した特定情報、特定結果、又は、提供情報特定部25から取得した特定情報、特定結果を送信する。通信部24は、配信サーバ40b、中継装置50、処理サーバ60に、受信した特定情報、特定結果、特定した提供情報の送信の要求、特定した処理の実行の要求、特定した提供情報の送信の指示、特定した処理の実行の指示、又は、提供情報特定部25から取得した特定情報、特定結果、特定した提供情報の送信の指示、特定した処理の実行の指示を送信する。
【0146】
提供情報特定部25は、図3に示した提供情報特定部15と同様にして、提供情報、処理を特定する。又、提供情報特定部25は、特定情報を、無線通信装置10d、端末装置30a、配信サーバ40aに特定情報を通知する。その際、提供情報特定部25は、通信部24、ユーザ情報データベース23、時計部29b、監視部29a、管理サーバ情報記憶部29cから、特定情報、端末情報、時間情報、監視情報、管理サーバ情報、無線通信装置情報を取得する。提供情報特定部25は、特定した特定結果を通信ポリシー設定部26に入力する。又、提供情報特定部25は、配信サーバ40a,40bや処理サーバ60に対して、特定した提供情報の送信や、特定した処理の実行を指示する。提供情報特定部25は、特定した提供情報の送信の指示や、特定した処理の実行の指示、特定結果、特定情報を、通信部24に入力する。
【0147】
通信部24は、無線通信装置10c、配信サーバ40b、中継装置50、処理サーバ60から、通信ポリシー設定情報を受信する。又、通信部24は、無線通信装置10c、配信サーバ40b、中継装置50から、設定情報を受信する。通信部24は、受信した通信ポリシー設定情報、設定情報を通信ポリシー設定部25、通信制御部27に入力する。通信部24は、通信ポリシー設定部26から通信ポリシー設定情報、設定情報を取得する。通信部24は、受信した通信ポリシー設定情報、設定情報、又は、通信ポリシー設定部26から取得した通信ポリシー設定情報、設定情報を、無線通信装置10c、配信サーバ40b、中継装置50、処理サーバ60に送信する。
【0148】
通信ポリシー設定部26は、図3に示した通信ポリシー設定部16と同様にして、提供情報、処理情報を送信する際の通信ポリシーを決定し、設定する。又、通信ポリシー設定部26は、無線通信装置10d、端末装置30a、配信サーバ40a、中継装置50に通信ポリシー設定情報を通知する。その際、通信ポリシー設定部26は、提供情報特定部25、通信部24、ユーザ情報データベース23、監視部29a、時計部29b、管理サーバ情報記憶部29c、通信ポリシーデータベース26aから、特定結果、通信ポリシー設定情報、端末情報、監視情報、管理サーバ情報、無線通信装置情報、時間情報、通信ポリシーの設定規則、通信ポリシーの設定条件、オブジェクト単位の決定規則、達成目標値の算出規則、通信ポリシーの達成度、通信ポリシーの履歴に関する情報を取得する。
【0149】
通信ポリシー設定部26は、通信ポリシー設定情報、設定情報を、通信部24に入力する。通信ポリシー設定部26は、設定情報を通信制御部27に入力する。又、通信ポリシー設定部26は、通信ポリシーの達成目標値の設定、設定した通信ポリシー及び達成目標値、オブジェクト単位、取得した設定情報、取得した監視情報の通信ポリシーデータベース26aへの格納を行う。又、通信ポリシー設定部26は、通信ポリシーデータベース26aから、設定した通信ポリシーを取得し、監視部29aに入力する。尚、図3に示した提供情報特定部15、通信ポリシー設定部16と同様に通信ポリシー設定部26が通信ポリシーを決定し、設定してから、提供情報特定部25が提供情報を特定してもよい。
【0150】
通信制御部27は、図3に示した通信制御部17と同様にして、オブジェクト単位毎に送信制御情報を決定する。その際、通信制御部27は、通信ポリシー設定部26、通信部24、ユーザ情報データベース23、監視部29a、時計部29b、管理サーバ情報記憶部29cから、設定情報、通信ポリシー設定情報、端末情報、監視情報、管理サーバ情報、無線通信装置情報、時間情報を取得する。
【0151】
通信制御部27は、決定した送信制御情報を、通信部24に入力する。又、通信部24は、無線通信装置10c,10d、配信サーバ40b、中継装置50から送信制御情報を受信する。通信部24は、通信制御部27から取得した送信制御情報、又は、受信した送信制御情報を、無線通信装置10c,10d、配信サーバ40b、中継装置50、処理サーバ60に送信する。又、通信制御部27は、時間情報と、決定した送信制御情報、又は、通信部24から取得した送信制御情報に基づいて、通信部24、変換部28a、リソース割当部28bを制御する。
【0152】
通信部24は、配信サーバ40b、中継装置50、処理サーバ60から、提供情報、処理情報を受信する。通信部24は、通信制御部27の制御に従い、受信した提供情報、処理情報そのままを、オブジェクト単位毎に無線通信装置10c,10dに送信する。あるいは、通信部24は、通信制御部27の制御に従い、受信した提供情報、処理情報を変換部28aに入力する。そして、通信部24は、変換部28aから、変換された提供情報、処理情報を取得する。通信部24は、通信制御部27の制御に従い、取得した提供情報、処理情報を、オブジェクト単位毎に無線通信装置10c,10dに送信する。このようにして、通信部24は、配信サーバ40a,40bや処理サーバ60から端末装置30a,30bへの提供情報、処理情報の送信を中継する中継手段として機能する。
【0153】
変換部28aは、通信部24から提供情報を取得する。変換部28aは、通信制御部27の制御に従って、オブジェクト単位毎に提供情報を変換する。変換部28aは、変換した提供情報を通信部24に入力する。
【0154】
リソース割当部28bは、通信制御部27から、設定情報に基づいて決定した送信制御情報に基づいた制御を受ける。リソース割当部28bは、通信制御部27の制御に従い、提供情報、処理情報の送信に通信リソースを予め割り当てる。これにより、リソース割当部28bは、提供情報、処理情報の送信に必要な通信リソースを予約確保する。そして、リソース割当部28bは、通信制御部27の制御に従い、予約確保した通信リソースの中から、実際に使用する通信リソースを提供情報、処理情報の送信に割り当てる。リソース割当部28bは、無線通信装置10c,10dと管理サーバ20との間の通信リソース、配信サーバ40b、中継装置50又は処理サーバ60と、管理サーバ20との間の通信リソースの割当を行う。このように、リソース割当部28bは、設定した通信ポリシーに基づいて、提供情報、処理情報の送信に通信リソースを予め割り当てるリソース割当手段として機能する。
【0155】
又、リソース割当部28bは、監視部29aにリソースの状況を入力する。リソース割当部28bは、情報の送受信に割り当てて使用している使用通信リソース量、情報の送受信に割り当てておらず使用していない空き通信リソース量、それらの変化量などを、監視部29aに入力する。リソース割当部28bは、定期的に又はランダムに、あるいは、連続的にリソースの状況を監視部29aに入力してもよく、監視部29aからの要求に応じてリソースの状況を監視部29aに入力してもよい。
【0156】
又、提供情報特定部25、通信ポリシー設定部26、通信制御部27、監視部29aは、算出情報を、通信部24に入力する。又、通信部24は、無線通信装置10dから、算出情報を受信する。通信部24は、取得した算出情報や、受信した算出情報を、課金サーバ70に送信する。
【0157】
〔端末装置〕
端末装置30a,30bは、無線情報、提供情報、処理情報を受信する。端末装置30a,30bは、例えば、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)などの移動通信端末、コンピュータなどがある。図5に示すように、端末装置30aは、無線通信部31aと、測定部32と、ユーザ情報記憶部33と、通信部34aと、提供情報特定部35と、通信ポリシー設定部36と、通信ポリシーデータベース36aと、通信制御部37aと、入力部38aと、出力部38bと、監視部39aと、時計部39bとを備える。尚、通信ポリシーデータベース36a、時計部39bは、図3に示した通信ポリシーデータベース16a、時計部19bと同様である。
【0158】
ユーザ情報記憶部33は、ユーザ情報記憶手段である。ユーザ情報記憶部33は、端末装置30aのユーザのユーザID、パスワード、その他の端末情報を記憶する。
【0159】
無線通信部31aは、近距離無線により、無線通信装置10a〜10dと情報を送受信する。無線通信部31aは、電波や赤外線を用いて情報を送受信する。無線通信部31aとしては、例えば、IrDA、ブルートゥース(登録商標)、RF電波により情報を受信するリーダとRF電波により情報を送信するライターを組み合わせたもの、無線LANインタフェース、バーコードリーダ、DSRCを用いることができる。
【0160】
無線通信部31aは、無線通信装置10a〜10dが送信した無線情報を受信する近距離無線受信手段である。無線通信部31aは、アクティブタグやセミパッシブタグとして機能する無線通信装置10a〜10dからは、定期的に又はランダムに無線情報を受信する。無線情報を受信する際に、無線通信部31aは、無線通信装置10b〜10cから、ユーザIDやパスワードの要求を受信する場合がある。この場合には、無線通信部31aは、ユーザ情報記憶部33からユーザIDやパスワードを取得する。無線通信部31aは、取得したユーザIDやパスワードを含む応答を、無線通信装置10b〜10dに送信する。
【0161】
無線通信部31aは、パッシブタグやセミパッシブタグとして機能する無線通信装置10a〜10dに、無線情報の送信を要求する。そして、無線通信部31aは、無線通信装置10b〜10dが無線情報の送信の要求に応じて送信した無線情報を受信する。無線通信部31aは、ユーザIDやパスワードを含む無線情報の送信の要求を送信できる。又、無線通信部31aは、ユーザIDやパスワードを含まない無線情報の送信の要求を送信してもよい。この場合に、無線通信部31aが、無線通信装置10b〜10dからユーザIDやパスワードの要求を受けた場合には、ユーザIDやパスワードを含む応答を、無線通信装置10b〜10dに送信する。いずれの場合にも、無線通信部31aは、ユーザ情報記憶部33からユーザIDやパスワードを取得する。無線通信部31aは、時計部39bから時間情報を取得し、所定の間隔で無線情報を要求したり、所定の時刻に無線情報を要求したりできる。又、無線通信部31aは、入力部38aから、無線情報の要求を受けた際に、無線情報を要求してもよい。あるいは、無線通信部31aは、ランダムに無線情報を要求してもよい。無線通信部31aは、受信した無線情報を、提供情報特定部35に入力する。
【0162】
通信部34a、無線通信部31aは、配信サーバ40bが送信した提供情報を受信する提供情報受信手段である。通信部34a、無線通信部31aは、処理情報も受信する。通信部34aは、配信サーバ40b、中継装置50、処理サーバ60、課金サーバ70と通信する。
【0163】
測定部32は、端末装置30aに関する状態を測定する端末測定手段である。測定部32は、端末装置30aに関する状態として、例えば、端末装置30a自体、端末装置30aが備える各構成、端末装置30a周辺、端末装置30aを使用するユーザの状態を測定する。具体的には、測定部32は、端末装置30aの位置、端末装置30a周辺の気温や湿度、端末装置30aの進行方向、端末装置30a周辺の映像、端末装置30aの移動速度、端末装置30aと無線通信装置10a〜10dとの距離や相対速度、通信端末30aから所定の範囲内に存在する無線通信装置10a〜10dの数、端末装置30aのユーザの体温、脈拍、心拍数、血圧、表面湿度、ユーザが握ることにより端末装置に加えられる圧力を測定する。そのため、測定部32としては、例えば、GPS装置、温度計、湿度計、方位センサ、カメラ等の撮影手段、速度計、脈拍計、心拍計、血圧計、圧力計を用いることができる。
【0164】
又、測定部32は、端末装置30aと無線通信装置10a〜10dとの距離を、例えば、以下のようにして測定できる。無線通信部31aは、無線情報として、対象物の位置情報を含む対象物情報を受信する。測定部32は、無線通信部31aから、対象物の位置情報を取得する。更に、測定部32は、端末装置30aの位置をGPS衛星などを用いて測定する。測定部32は、取得した対象物の位置情報と、測定した端末装置30aの位置から、端末装置30aと無線通信装置10a〜10dとの距離を求める。又、測定部32は、無線通信部31aが、無線通信装置10a〜10dから受信する電波の強度を測定する。測定部32は、測定した電波の強度から、端末装置30aと無線通信装置10a〜10dとの距離を求める。
【0165】
又、測定部32は、無線通信装置10a〜10dから受信する複数の電波の強度を測定する。測定部32は、強度が閾値以上の電波の数を求めることにより、通信端末30aから一定の範囲内に存在する無線通信装置10a〜10dの数を求める。測定部32は、電波の強度の閾値を、範囲の広さに応じて設定する。
【0166】
測定は、定期的に行ってもよく、ランダムに行ってもよく、連続的に行ってもよい。又、測定部32は、提供情報特定部35、通信ポリシー設定部36からの測定情報の提供の要求に応じて、測定してもよい。測定部32は、測定情報を提供情報特定部35、通信ポリシー設定部36、通信制御部37aに入力する。測定部32は、現在の測定情報を入力してもよく、過去の測定情報を入力してもよい。
【0167】
入力部38aは、情報や要求を入力する入力手段である。入力部38aは、ユーザ操作により情報や要求を入力する。入力部38aは、無線情報の送信の要求を無線通信部31aに入力する。入力部38aは、特定情報、特定結果を提供情報特定部35に入力する。入力部38aは、通信ポリシー設定情報を通信ポリシー設定部36、通信制御部37aに入力する。入力部38aは、提供情報の送信や処理の実行の要求を、通信部34aに入力する。入力部38aは、端末装置30aが希望する通信ポリシーや情報、処理の種類、通信料金や処理料金の希望上限額、希望するオブジェクト単位、要求する品質、要求されるリアルタイム性などを、ユーザ情報記憶部33に格納する。
【0168】
出力部38bは、情報を出力する出力手段である。出力部38bは、例えば、無線通信部31aが受信した無線情報、無線通信部31aや通信部34aが受信した提供情報、処理情報、特定情報、特定結果、通信ポリシー設定情報、設定情報、送信制御情報、入力部38aが入力した情報や要求を出力する。
【0169】
監視部39aは、図3に示した監視部19aと同様にして、監視情報を取得する。具体的には、監視部39aは、通信部34aを介して、配信サーバ40bと端末装置30aとの間のネットワークのうち、例えば、図1に示した配信サーバ40b、中継装置50又は処理サーバ60と、端末装置30aとの間の経路1a,3a,1cの状況を取得する。又、監視部39aは、通信部34aから、配信サーバ40bと端末装置30aとの間の通信リソースのうち、配信サーバ40b、中継装置50又は処理サーバ60と、端末装置30aとの間の通信リソースの状況を取得する。
【0170】
更に、監視部39aは、無線通信部31a、通信部34a、通信制御部37aの状況を監視する。監視部39aは、無線通信部31a、通信部34a、通信制御部37aから、その負荷状況や処理状況を取得する。例えば、監視部39aは、無線通信部31aが情報の送受信を行っている通信中の無線通信装置10a〜10dの数、無線通信部31aと無線通信装置10a〜10dとの間の通信路の数、無線通信部31aが送受信しているデータ量、通信部34aが情報の送受信を行っている通信中の配信サーバ40b、中継装置50、処理サーバ60の数、通信部34aと、配信サーバ40b、中継装置50、処理サーバ60との間の通信路の数、通信部34aが送受信しているデータ量、通信制御部37aが制御している通信路の数などの負荷状況を取得する。監視部39aは、無線通信部31aや通信部34aが送受信を終了させた情報の割合などの処理状況を取得する。更に、監視部39aは、無線通信部31a、通信部34a、通信制御部37aの負荷状況や処理状況から、端末装置30a全体の負荷状況や処理状況を求めてもよい。
【0171】
更に、監視部39aは、通信ポリシーの達成度や、通信品質やデータ品質、通信スケジュールの実際の状況を監視する。その際、監視部39aは、通信ポリシー設定部26から、設定した通信ポリシーを取得する。監視部39aは、通信部34a、通信制御部37a、出力部38bから、設定した通信ポリシーに関係する実際の状況を取得する。監視部39aは、図3に示した監視部19aと同様に、定期的、ランダム又は連続的に、あるいは、提供情報特定部35、通信ポリシー設定部36からの監視情報の提供の要求に応じて、監視情報を取得する。監視部39aは、監視情報を、提供情報特定部35、通信ポリシー設定部36、通信制御部37aに入力する。監視部39aは、現在の監視情報を入力してもよく、過去の監視情報を入力してもよい。
【0172】
無線通信部31aは、無線通信装置10c、10dから、特定情報、特定結果を受信する。通信部34aは、配信サーバ40b、中継装置50、処理サーバ60から、特定情報を受信する。無線通信部31a,通信部34aは、受信した特定情報、特定結果を提供情報特定部35に入力する。
【0173】
無線通信部31a、通信部34aは、提供情報特定部35から、特定情報、特定結果、特定した提供情報の送信の要求、特定した処理の実行の要求を取得する。無線通信部31aは、特定情報、特定結果、特定した提供情報の送信の要求、特定した処理の実行の要求を、無線通信装置10c,10dに送信する。通信部34aは、特定情報、特定結果、特定した提供情報の送信の要求、特定した処理の実行の要求を、配信サーバ40b、中継装置50、処理サーバ60に送信する。
【0174】
提供情報特定部35は、提供情報、処理を特定する。又、提供情報特定部35は、特定情報を通知する。その際、提供情報特定部35は、無線通信部31aから受信した無線情報を取得する。又、提供情報特定部35は、無線通信部31a、通信部34a、入力部38aから、特定情報を取得する。提供情報特定部35は、測定部32、ユーザ情報記憶部33、時計部39b、監視部39aから、測定情報、端末情報、時間情報、監視情報を取得する。
【0175】
提供情報特定部35は、取得した受信した無線情報、特定情報、測定情報、端末情報、時間情報、監視情報に基づいて、提供情報、処理を特定する。提供情報特定部35は、特定した特定結果を通信ポリシー設定部36に入力する。又、提供情報特定部35は、配信サーバ40a,40bや処理サーバ60に対して、特定した提供情報の送信や、特定した処理の実行を要求する。提供情報特定部35は、特定した提供情報の送信の要求や、特定した処理の実行の要求、特定結果、特定情報を、無線通信部31a、通信部34aに入力する。
【0176】
又、提供情報特定部35は、取得した受信した無線情報、特定情報、測定情報、端末情報、時間情報、監視情報に基づいて、特定情報を通知する。提供情報特定部35は、無線通信装置10d、管理サーバ20、配信サーバ40aに特定情報を通知する。提供情報特定部35は、通知する特定情報を、無線通信部31a、通信部34aに入力する。
【0177】
無線通信部31aは、無線通信装置10c、10dから、通信ポリシー設定情報、設定情報を受信する。通信部34aは、中継装置50から、通信ポリシー設定情報、設定情報を受信する。通信部34aは、配信サーバ40b、処理サーバ60から、通信ポリシー設定情報を受信する。無線通信部31a、通信部34aは、受信した通信ポリシー設定情報、設定情報を通信ポリシー設定部36、通信制御部37aに入力する。無線通信部31aは、受信した通信ポリシー設定情報、設定情報を通信部34aに入力する。通信部34aは、受信した通信ポリシー設定情報、設定情報を無線通信部31aに入力する。無線通信部31a、通信部34aは、通信ポリシー設定部36から通信ポリシー設定情報、設定情報を取得する。無線通信部31aは、取得した通信ポリシー設定情報、設定情報を、無線通信装置10c,10dに送信する。通信部34aは、取得した通信ポリシー設定情報、設定情報を、配信サーバ40b、中継装置50、処理サーバ60に送信する。
【0178】
通信ポリシー設定部36は、提供情報、処理情報を送信する際の通信ポリシーを決定し、設定する。又、通信ポリシー設定部36は、通信ポリシー設定情報を通知する。その際、通信ポリシー設定部36は、提供情報特定部35、無線通信部31a、通信部34a、入力部38a、測定部32、ユーザ情報記憶部33、監視部39a、時計部39b、通信ポリシーデータベース36aから、特定結果、通信ポリシー設定情報、測定情報、端末情報、監視情報、時間情報、通信ポリシーの設定規則、通信ポリシーの設定条件、オブジェクト単位の決定規則、達成目標値の算出規則、通信ポリシーの達成度、通信ポリシーの履歴に関する情報を取得する。
【0179】
通信ポリシー設定部36は、取得した特定結果、通信ポリシー設定情報、測定情報、端末情報、監視情報、時間情報、通信ポリシーの設定規則、通信ポリシーの設定条件、オブジェクト単位の決定規則、達成目標値の算出規則、通信ポリシーの達成度、通信ポリシーの履歴に関する情報に基づいて、提供情報、処理情報を送信する際の通信ポリシーを決定し、設定する。通信ポリシー設定部36は、通信ポリシー設定情報、設定情報を、無線通信部31a,通信部34aに入力する。通信ポリシー設定部36は、設定情報を通信制御部37aに入力する。
【0180】
又、通信ポリシー設定部36は、通信ポリシーの達成目標値の設定、設定した通信ポリシー及び達成目標値、オブジェクト単位、取得した設定情報、取得した監視情報の通信ポリシーデータベース36aへの格納を行う。又、通信ポリシー設定部36は、通信ポリシーデータベース36aから、設定した通信ポリシーを取得し、監視部39aに入力する。尚、図3に示した提供情報特定部15、通信ポリシー設定部16と同様に通信ポリシー設定部36が通信ポリシーを決定し、設定してから、提供情報特定部35が提供情報を特定してもよい。
【0181】
又、通信ポリシー設定部36は、取得した特定結果、通信ポリシー設定情報、測定情報、端末情報、監視情報、時間情報、通信ポリシーの設定規則、通信ポリシーの設定条件、オブジェクト単位の決定規則、達成目標値の算出規則、通信ポリシーの達成度、通信ポリシーの履歴に関する情報に基づいて、通信ポリシー設定情報を通知する。通信ポリシー設定部36は、無線通信装置10d、管理サーバ20、配信サーバ40a、中継装置50に通信ポリシー設定情報を通知する。通信ポリシー設定部36は、通知する通信ポリシー設定情報を、無線通信部31a、通信部34aに入力する。
【0182】
通信制御部37aは、通信ポリシー設定部36、入力部38a、無線通信部31a、通信部34a、測定部32、ユーザ情報記憶部33、監視部39a、時計部39bから、設定情報、通信ポリシー設定情報、測定情報、端末情報、監視情報、時間情報を取得する。通信制御部37aは、取得した設定情報、通信ポリシー設定情報、測定情報、端末情報、監視情報、時間情報に基づいて、オブジェクト単位毎に送信制御情報を決定する。通信制御部37は、決定した送信制御情報を、無線通信部31a、通信部34aに入力する。又、無線通信部31aは、無線通信装置10c,10dから、送信制御情報を受信する。無線通信部31aは、受信した送信制御情報を通信部34a、通信制御部37aに入力する。通信部34aは、配信サーバ40b、中継装置50から送信制御情報を受信する。通信部34aは、受信した送信制御情報を無線通信部31a、通信制御部37aに入力する。無線通信部31aは、取得した送信制御情報を無線通信装置10c,10dに送信する。通信部34aは、取得した送信制御情報を配信サーバ40b、中継装置50、処理サーバ60に送信する。
【0183】
又、通信制御部37aは、時間情報と、決定した送信制御情報、又は、無線通信部31a、通信部34aから取得した送信制御情報に基づいて、無線通信部31a、通信部34aを制御する。通信制御部37aは、無線通信部31a、通信部34aが、送信制御情報に従って、提供情報、処理情報を受信するように制御する。又、提供情報特定部35、通信ポリシー設定部36、監視部39aは、算出情報を通信部34aに入力する。通信部34aは、取得した算出情報を課金サーバ70に送信する。
【0184】
又、図6に示すように、端末装置30bは、無線通信部31bと、測定部32と、ユーザ情報記憶部33と、通信部34bと、通信制御部37bと、通知部38と、入力部38aと、出力部38bと、時計部39bとを備える。
【0185】
図6に示す無線通信部31b、測定部32、ユーザ情報記憶部33、通信部34b、通信制御部37b、入力部38a、出力部38b、時計部39bは、図5に示した無線通信部31a、測定部32、ユーザ情報記憶部33、通信部34a、通信制御部37a、入力部38a、出力部38b、時計部39bと実質的に同様である。但し、図6に示す無線通信部31b、測定部32、通信部34b、通信制御部37b、入力部38aは、以下に説明する点においては、図5と異なっている。
【0186】
通知部38は、特定情報通知手段である。無線通信部31bは、受信した無線情報を通知部38に入力する。無線通信部31bは、無線通信装置10c,10dから特定情報、特定結果を受信する。通信部34bは、配信サーバ40a、中継装置50、処理サーバ60から特定情報、特定結果を受信する。無線通信部31b、通信部34bは、受信した特定情報、特定結果を通知部38に入力する。入力部38aは、特定情報を通知部38に入力する。測定部32は、測定情報を通知部38に入力する。又、測定部32は、通知部38からの測定情報の提供の要求に応じて測定してもよい。
【0187】
通知部38は、無線通信部31b、通信部34b、入力部38a、測定部32、ユーザ情報記憶部33から、受信した無線情報、特定情報、測定情報、端末情報、を取得する。通知部38は、取得した特定情報、無線情報、測定情報、端末情報に基づいて、特定情報を通知する。通知部38は、無線通信装置10d、管理サーバ20、配信サーバ40aに、特定情報を通知する。又、通知部38は、取得した特定結果に基づいて、特定した提供情報の送信や特定した処理の実行を、配信サーバ40a,40b、処理サーバ60に要求する。通知部38は、通知する特定情報、特定した提供情報の送信の要求や特定した処理の実行の要求を、無線通信部31b、通信部34bに入力する。無線通信部31bは、特定情報、特定した提供情報の送信の要求や特定した処理の実行の要求を無線通信装置10c,10dに送信する。又、通信部34bは、特定情報、特定した提供情報の送信の要求や特定した処理の実行の要求を配信サーバ40a、中継装置50、処理サーバ60に送信する。
【0188】
更に、通知部38は、制御情報通知手段としても機能する。無線通信部31bは、無線通信装置10c,10dから通信ポリシー設定情報を受信する。通信部34bは、配信サーバ40a、中継装置50、処理サーバ60から通信ポリシー設定情報を受信する。無線通信部31b、通信部34bは、受信した通信ポリシー設定情報を通知部38に入力する。入力部38aは、通信ポリシー設定情報を通知部38に入力する。通知部38は、無線通信部31b、通信部34b、入力部38a、測定部32、ユーザ情報記憶部33から、受信した通信ポリシー設定情報、測定情報、端末情報を取得する。通知部38は、取得した通信ポリシー設定情報、測定情報、端末情報に基づいて、通信ポリシー設定情報を通知する。通知部38は、無線通信装置10d、管理サーバ20、配信サーバ40a、中継装置50に、通信ポリシー設定情報を通知する。通知部38は、通知する通信ポリシー設定情報を無線通信部31b、通信部34bに入力する。無線通信部31bは、取得した通信ポリシー設定情報を無線通信装置10c,10dに送信する。通信部34bは、取得した通信ポリシー設定情報を配信サーバ40a、中継装置50に送信する。
【0189】
通信制御部37bは、無線通信部31b、通信部34b、測定部32、ユーザ情報記憶部33、時計部39bから、設定情報、通信ポリシー設定情報、測定情報、端末情報、時間情報を取得する。通信制御部37bは、取得した設定情報、通信ポリシー設定情報、測定情報、端末情報、時間情報に基づいて、オブジェクト単位毎に送信制御情報を決定する。
【0190】
〔配信サーバ〕
配信サーバ40a,40bは、端末装置30a,30bに提供情報を送信する情報送信装置である。提供情報は、配信サーバ40a,40bが端末装置30a,30bに送信する情報である。提供情報には、そのデータの種類によって分類した場合、テキスト情報、静止画像情報、動画像情報、音声情報、プログラム情報、これらの情報を複合したマルチメディアコンテンツなどがある。又、提供情報は、そのデータのリアルタイム性によって分類した場合、非リアルタイムコンテンツ、リアルタイムコンテンツ、通信端末、RF−IDタグの移動速度に対応するリアルタイム性の指標をメタデータその他のコンテンツ制御情報に記載したコンテンツがある。又、提供情報は、無線情報との関係によって分類した場合、対象物情報に関連する対象物関連情報、対象領域情報に関連する対象領域関連情報、無線通信装置情報に関連する無線通信装置関連情報、広告情報に関連する広告関連情報がある。
【0191】
図7に示すように、配信サーバ40aは、提供情報提供部41aと、提供情報データベース42と、ユーザ情報データベース43と、通信部44aと、提供情報特定部45aと、通信ポリシー設定部46と、通信ポリシーデータベース46aと、設定条件制御部46bと、通信制御部47aと、変換部48aと、リソース割当部48bと、監視部49aと、時計部49bと、配信サーバ情報記憶部49cとを備える。
【0192】
ユーザ情報データベース43、通信ポリシーデータベース46a、時計部49bは、図3に示したユーザ情報データベース13、通信ポリシーデータベース16a、時計部19bと同様である。通信部44aは、端末装置30b、中継装置50、処理サーバ60、課金サーバ70と通信する。
【0193】
監視部49aは、図3に示した監視部19aと同様にして、監視情報を取得する。具体的には、監視部49aは、通信部44aを介して、配信サーバ40aと端末装置30bとの間のネットワークのうち、例えば、図1に示した端末装置30b又は中継装置50と、配信サーバ40aとの間の経路1b,2bの状況を取得する。更に、監視部49aは、図1に示した処理サーバ60と配信サーバ40aとの間の経路7aの状況も取得する。又、監視部49aは、リソース割当部48b又は通信部44aから、配信サーバ40aと端末装置30bとの間の通信リソースのうち、端末装置30b又は中継装置50と、配信サーバ40aとの間の通信リソースの状況を取得する。更に、監視部49aは、処理サーバ60と配信サーバ40aとの間の通信リソースの状況も取得する。
【0194】
又、監視部49aは、提供情報提供部41a、通信部44a、通信制御部47a、変換部48a、リソース割当部48bの状況を監視する。監視部49aは、提供情報提供部41a、通信部44a、通信制御部47a、変換部48a、リソース割当部48bから、その負荷状況や処理状況を取得する。例えば、監視部49aは、提供情報提供部41aが行う処理量、通信部44aが情報の送受信を行っている通信中の端末装置30b、中継装置50、処理サーバ60の数、通信部44aと、端末装置30b、中継装置50、処理サーバ60との間の通信路の数、通信部44aが送受信しているデータ量、通信制御部47aが制御している通信路の数、変換部48aが行うデータ変換量、リソース割当部48bが行う処理量などの負荷状況を取得する。監視部49aは、提供情報提供部41aが終了させた処理量の割合、通信部44aが送受信を終了させた情報の割合、変換部48aが変換を終了させたデータ量の割合、リソース割当部48bが終了させた処理量の割合などの処理状況を取得する。更に、監視部49aは、提供情報提供部41a、通信部44a、通信制御部47a、変換部48a、リソース割当部48bの負荷状況や処理状況から、配信サーバ40a全体の負荷状況や処理状況を求めてもよい。
【0195】
更に、監視部49aは、通信ポリシーの達成度や、通信品質やデータ品質、通信スケジュールの実際の状況を監視する。その際、監視部49aは、通信ポリシー設定部46から、設定した通信ポリシーを取得する。監視部49aは、提供情報提供部41a、通信部44a、通信制御部47a、変換部48a、リソース割当部48bから、設定した通信ポリシーに関係する実際の状況を取得する。監視部49aは、提供情報特定部45a、通信ポリシー設定部46からの監視情報の提供の要求に応じて、監視情報を取得する。監視部49aは、監視情報を、提供情報特定部45a、通信ポリシー設定部46、設定条件制御部46b、通信制御部47aに入力する。監視部49aは、現在の監視情報を入力してもよく、過去の監視情報を入力してもよい。
【0196】
配信サーバ情報記憶部49cは、配信サーバ40aに関する配信サーバ情報を記憶する。配信サーバ情報には、配信サーバ40aの識別子(以下「配信サーバID」という)、配信サーバ40aの位置情報、配信サーバ40aの処理能力や通信速度、容量などの配信サーバ40aの性能に関する情報、配信サーバ40aの負荷状況や処理状況、配信サーバ40aが希望する通信ポリシー、通信料金の希望上限額、提供してもよい配信サーバ40aに関する通信リソース、希望するオブジェクト単位、要求する品質、要求されるリアルタイム性などがある。又、配信サーバ情報には、配信サーバ40a全体に関する情報と、配信サーバ40aを構成する各構成に関する情報がある。尚、配信サーバIDとしては、配信サーバ40aに付与した番号や記号、文字などを用いることができる。
【0197】
提供情報データベース42は、提供情報を記憶する提供情報記憶手段である。提供情報データベース42は、提供情報そのものだけでなく、提供情報に関する情報を記憶する。提供情報に関する情報には、その提供情報を特定する無線情報、提供情報を識別する識別子(以下「コンテンツID」という)、提供情報の名称、内容の説明、提供情報のサンプル、提供情報のデータ量、提供情報を利用可能な時間、送信開始予定時刻、提供情報の送信に要する平均時間、提供情報を構成するデータの種類、提供情報のデータ品質、提供情報の送信に推奨する通信ポリシー(以下「推奨通信ポリシー」という)、提供情報の要求されるリアルタイム性、提供情報を区切るオブジェクト単位、提供情報の利用状況、提供情報の料金などがある。提供情報データベース42は、コンテンツIDに対応付けて、提供情報、提供情報に関する情報を記憶する。尚、コンテンツIDとしては、提供情報に付与した番号や記号、文字などを用いることができる。
【0198】
通信部44aは、端末装置30b、中継装置50から、特定情報、特定結果、特定した提供情報の送信の要求、特定した処理の実行の要求、特定した提供情報の送信の指示、特定した処理の実行の指示を受信する。通信部44aは、処理サーバ60から、特定情報を受信する。通信部44aは、受信した特定情報を提供情報特定部45aに入力する。通信部44aは、受信した特定結果、特定した提供情報の送信の要求、特定した提供情報の送信の指示を、提供情報提供部41aに入力する。又、通信部44aは、提供情報特定部45aから特定情報、特定結果、特定した処理の実行の指示を取得する。通信部44aは、受信又は取得した特定情報や特定結果を、端末装置30b、中継装置50、処理サーバ60に送信する。又、通信部44aは、受信又は取得した特定した処理の実行の要求や指示を、処理サーバ60に送信する。
【0199】
提供情報特定部45aは、通信部44aから特定情報を取得する。提供情報特定部45aは、ユーザIDに基づいて、ユーザ情報データベース43から端末情報を取得する。更に、提供情報特定部45aは、時計部49b、監視部49a、配信サーバ情報記憶部49cから、時間情報、監視情報、配信サーバ情報を取得する。
【0200】
提供情報特定部45aは、取得した特定情報、端末情報、時間情報、監視情報、配信サーバ情報に基づいて、提供情報データベース42を検索する。そして、提供情報特定部45aは、特定情報、端末情報、時間情報、監視情報、配信サーバ情報に適した提供情報を特定する。
【0201】
又、提供情報特定部45aは、提供情報データベース42から、特定した提供情報に関する情報を取得する。提供情報特定部45aは、取得した特定情報、端末情報、時間情報、監視情報、配信サーバ情報、特定した提供情報に関する情報に基づいて、処理を特定する。
【0202】
提供情報特定部45aは、特定した特定結果を、通信ポリシー設定部46、提供情報提供部41aに入力する。又、提供情報特定部45aは、処理サーバ60に対して、特定した処理の実行を指示する。提供情報特定部45aは、特定した処理の実行の指示、特定情報、特定結果を通信部44aに入力する。
【0203】
又、提供情報特定部45aは、図3、図4、図5に示した提供情報特定部15,25,35に対して、提供情報に関する情報を提供する提示手段としても機能する。提供情報特定部45aは、取得した特定情報、端末情報、時間情報、監視情報、配信サーバ情報に基づいて、提供情報データベース42を検索する。提供情報特定部45aは、特定情報、端末情報、時間情報、監視情報、配信サーバ情報に適した提供情報に関する情報を、提供する情報として決定する。
【0204】
提供情報特定部45aは、決定した提供情報に関する情報を、提供情報データベース42から取得する。提供情報特定部45aは、取得した提供情報に関する情報を特定情報として、提供情報特定部15,25,35に対して提供する。又、提供情報特定部45aは、提供情報データベース42から、任意の提供情報に関する情報を取得して、提供情報特定部15,25,35に対して提供してもよい。
【0205】
更に、提供情報特定部45aは、提供情報に関する情報以外の特定情報の通知も行う。提供情報特定部45aは、取得した特定情報、端末情報、時間情報、監視情報、配信サーバ情報に基づいて、特定情報を通知する。提供情報特定部45aは、無線通信装置10d、管理サーバ20、端末装置30aに、特定情報を通知する。提供情報特定部45aは、特定情報を通信部44aに入力する。
【0206】
設定条件制御部46bは、通信ポリシーの設定条件を制御する設定条件制御手段である。設定条件制御部46bは、通信ポリシーの設定規則、オブジェクト単位の決定規則、通信ポリシーの達成目標値の算出規則についても制御する。設定条件制御部46bは、監視部49aから監視情報を取得する。設定条件制御部46bは、取得した監視情報に基づいて、通信ポリシーの設定条件、通信ポリシーの設定規則、オブジェクト単位の決定規則、通信ポリシーの達成目標値の算出規則を制御してもよい。設定条件制御部46bは、制御した設定条件、設定規則、決定規則、算出規則を通信ポリシー設定部46に入力する。又、設定条件制御部46bは、制御した設定条件、設定規則、決定規則、算出規則を通信ポリシーデータベース46aに格納する。これにより、通信ポリシーデータベース46aが更新される。
【0207】
通信部44aは、端末装置30b、中継装置50から、通信ポリシー設定情報、設定情報を受信する。通信部44aは、処理サーバ60から、通信ポリシー設定情報を受信する。通信部44aは、受信した通信ポリシー設定情報、設定情報を通信ポリシー設定部46、通信制御部47aに入力する。通信部44aは、通信ポリシー設定部46から通信ポリシー設定情報、設定情報を取得する。通信部44aは、受信又は取得した通信ポリシー設定情報や設定情報を、端末装置30b、中継装置50、処理サーバ60に送信する。
【0208】
通信ポリシー設定部46は、提供情報、処理情報を送信する際の通信ポリシーを決定し、設定する。又、通信ポリシー設定部46は、通信ポリシー設定情報を通知する。その際、通信ポリシー設定部46は、通信部44aから、通信ポリシー設定情報、設定情報を取得する。通信ポリシー設定部46は、提供情報特定部45aから特定結果を取得する。通信ポリシー設定部46は、提供情報データベース42から提供情報に関する情報を取得する。通信ポリシー設定部46は、ユーザIDに基づいて、ユーザ情報データベース43から、端末情報を取得する。通信ポリシー設定部46は、時計部49b、監視部49a、配信サーバ情報記憶部49cから、時間情報、監視情報、配信サーバ情報を取得する。通信ポリシー設定部46は、通信ポリシーデータベース46a又は設定条件制御部46bから、通信ポリシーの設定規則、通信ポリシーの設定条件、オブジェクト単位の決定規則、達成目標値の算出規則、通信ポリシーの達成度、通信ポリシーの履歴に関する情報を取得する。
【0209】
通信ポリシー設定部46は、取得した特定結果、通信ポリシー設定情報、提供情報に関する情報、端末情報、時間情報、監視情報、配信サーバ情報、通信ポリシーの設定規則、通信ポリシーの設定条件、オブジェクト単位の決定規則、達成目標値の算出規則、通信ポリシーの達成度、通信ポリシーの履歴に関する情報に基づいて、提供情報、処理情報を送信する際の通信ポリシーを決定し、設定する。通信ポリシー設定部46は、通信ポリシー設定情報、設定情報を、通信部44aに入力する。通信ポリシー設定部46は、設定情報を通信制御部47aに入力する。
【0210】
又、通信ポリシー設定部46は、通信ポリシーの達成目標値の設定、設定した通信ポリシー及び達成目標値、オブジェクト単位、取得した設定情報、取得した監視情報の通信ポリシーデータベース46aへの格納を行う。又、通信ポリシー設定部46は、通信ポリシーデータベース46aから、設定した通信ポリシーを取得し、監視部49aに入力する。尚、図3に示した提供情報特定部15、通信ポリシー設定部16と同様に通信ポリシー設定部46が通信ポリシーを決定し、設定してから、提供情報特定部45aが提供情報を特定してもよい。
【0211】
又、通信ポリシー設定部46は、取得した特定結果、通信ポリシー設定情報、提供情報に関する情報、端末情報、時間情報、監視情報、配信サーバ情報、通信ポリシーの設定規則、通信ポリシーの設定条件、オブジェクト単位の決定規則、達成目標値の算出規則、通信ポリシーの達成度、通信ポリシーの履歴に関する情報に基づいて、通信ポリシー設定情報を通知する。通信ポリシー設定部46は、無線通信装置10d、管理サーバ20、端末装置30a、中継装置50に、通信ポリシー設定情報を通知する。通信ポリシー設定部46は、通知する通信ポリシー設定情報を通信部44aに入力する。
【0212】
通信制御部47aは、図3に示した通信制御部17と同様にして、オブジェクト単位毎に送信制御情報を決定する。その際、通信制御部47aは、通信ポリシー設定部46、通信部44a、提供情報データベース42、ユーザ情報データベース43、監視部49a、時計部49b、配信サーバ情報記憶部49cから、設定情報、通信ポリシー設定情報、提供情報に関する情報、端末情報、監視情報、時間情報、配信サーバ情報を取得する。通信制御部47aは、決定した送信制御情報を通信部44aに入力する。通信部44aは、受信又は取得した送信制御情報を、端末装置30b、中継装置50、処理サーバ60に送信する。
【0213】
又、通信制御部47aは、時計部49bから時間情報を取得する。通信制御部47aは、時間情報と、決定した送信制御情報、又は、通信部44aから取得した送信制御情報に基づいて、提供情報提供部41a、通信部44a、変換部48a、リソース割当部48bを制御する。
【0214】
提供情報提供部41aは、提供情報を通信部44aに提供する提供情報提供手段である。提供情報提供部41aは、通信部44aから、受信した特定結果、特定した提供情報の送信の要求、特定した提供情報の送信の指示を取得する。又、提供情報提供部41aは、提供情報特定部45aから、特定した特定結果を取得する。提供情報提供部41aは、取得した特定結果、提供情報の送信の要求や指示に基づいて、提供情報を提供情報データベース42から取得する。又、提供情報提供部41aは、取得した特定結果、提供情報の送信の要求や指示に基づいて、提供情報を送信する宛先アドレスを、ユーザ情報データベース43から取得する。提供情報提供部41aは、提供情報に宛先アドレスを付加する。提供情報提供部41aは、通信制御部47aの制御に従い、宛先アドレスを付与した提供情報を通信部44a又は変換部48aに入力する。
【0215】
変換部48aは、提供情報提供部41aから提供情報を取得する。変換部48aは、通信制御部47aの制御に従って、オブジェクト単位毎に提供情報を変換する。変換部48aは、変換した提供情報を通信部44aに入力する。
【0216】
通信部44aは、特定した提供情報を送信する情報送信手段である。通信部44aは、提供情報提供部41a又は変換部48aから提供情報を取得する。又、通信部44aは、処理サーバ60から、処理を受けた提供情報や処理情報を受信する。通信部44aは、通信制御部47aの制御に従い、取得した提供情報や、受信した提供情報や処理情報を、オブジェクト単位毎に、端末装置30b、中継装置50又は処理サーバ60に送信する。
【0217】
リソース割当部48bは、図4に示したリソース割当部28bと同様に、通信リソースの割当、通信リソースの状況の監視部49aへの入力を行う。リソース割当部48bは、端末装置30b、中継装置50又は処理サーバ60と、配信サーバ40aとの間の通信リソースの割当を行う。
【0218】
又、提供情報特定部45a、通信ポリシー設定部46、通信制御部47a、監視部49aは、算出情報を通信部44aに入力する。又、通信部44aは、端末装置30bから、算出情報を受信する。通信部44aは、取得又は受信した算出情報を課金サーバ70に送信する。
【0219】
図8に示すように、配信サーバ40bは、提供情報提供部41bと、提供情報データベース42と、ユーザ情報データベース43と、通信部44bと、提供情報提示部45bと、通知部45cと、通信制御部47bと、変換部48aと、リソース割当部48cと、監視部49dと、時計部49bと、配信サーバ情報記憶部49eとを備える。図8に示す提供情報データベース42と、ユーザ情報データベース43と、変換部48aと、時計部49bと、配信サーバ情報記憶部49eは、図7に示した提供情報データベース42と、ユーザ情報データベース43と、変換部48aと、時計部49bと、配信サーバ情報記憶部49cと実質的に同様である。通信部44bは、端末装置30a、中継装置50、管理サーバ20、処理サーバ60、課金サーバ70と通信する。
【0220】
監視部49dは、図3に示した監視部19aと同様にして、監視情報を取得する。具体的には、監視部49dは、通信部44bを介して、配信サーバ40bと端末装置30aとの間のネットワークのうち、例えば、図1に示した端末装置30a、中継装置50又は管理サーバ20と、配信サーバ40bとの間の経路1a,2a,4aの状況を取得する。更に、監視部49dは、図1に示した処理サーバ60と配信サーバ40bとの間の経路7bの状況も取得する。又、監視部49dは、リソース割当部48c又は通信部44bから、配信サーバ40bと端末装置30aとの間の通信リソースのうち、端末装置30a、中継装置50又は管理サーバ20と、配信サーバ40bとの間の通信リソースの状況を取得する。更に、監視部49dは、処理サーバ60と配信サーバ40bとの間の通信リソースの状況も取得する。監視部49dは、監視情報を、提供情報提示部45b、通知部45cに入力する。
【0221】
監視部49dは、これらの点以外は、図7に示した監視部49aと実質的に同様である。尚、監視部49dは、通信ポリシーの達成度を監視する際に、通信制御部47bから設定した通信ポリシーを取得する。
【0222】
通信部44bは、端末装置30a、中継装置50、管理サーバ20から、特定情報、特定結果、特定した提供情報の送信の要求、特定した処理の実行の要求、特定した提供情報の送信の指示、特定した処理の実行の指示を受信する。通信部44bは、処理サーバ60から、特定情報を受信する。通信部44bは、受信した特定情報を提供情報提示部45bに入力する。通信部44bは、受信した特定結果を通知部45cに入力する。通信部44bは、受信した特定結果、特定した提供情報の送信の要求、特定した提供情報の送信の指示を、提供情報提供部41bに入力する。又、通信部44bは、提供情報提示部45bから特定情報を取得する。通信部44bは、受信した特定結果、特定情報、又は、取得した特定情報を、端末装置30a、中継装置50、管理サーバ20、処理サーバ60に送信する。通信部44bは、受信した処理の実行の要求や指示を処理サーバ60に送信する。
【0223】
提供情報提示部45bは、図7に示した提供情報特定部45aと同様にして、提供情報特定部15,25,35に対して、提供情報に関する情報の提供、提供情報に関する情報以外の特定情報の通知を行う。提供情報提示部45bは、特定情報を通信部44bに入力する。
【0224】
通信部44bは、端末装置30a、中継装置50、管理サーバ20から、通信ポリシー設定情報、設定情報を受信する。通信部44bは、処理サーバ60から、通信ポリシー設定情報を受信する。通信部44bは、受信した通信ポリシー設定情報を通知部45cに入力する。通信部44bは、受信した設定情報、通信ポリシー設定情報を通信制御部47bに入力する。通信部44bは、通知部45cから通信ポリシー設定情報を取得する。通信部44bは、受信した通信ポリシー設定情報、設定情報、又は、取得した通信ポリシー設定情報を、端末装置30a、中継装置50、管理サーバ20、処理サーバ60に送信する。
【0225】
通知部45cは、通信部44b、提供情報データベース42、ユーザ情報データベース43、監視部49d、配信サーバ情報記憶部49eから、受信した特定結果、通信ポリシー設定情報、提供情報に関する情報、端末情報、監視情報、配信サーバ情報を取得する。通知部45cは、取得した特定結果、通信ポリシー設定情報、提供情報に関する情報、端末情報、監視情報、配信サーバ情報に基づいて、通信ポリシー設定情報を通知する。通知部45cは、無線通信装置10d、管理サーバ20、端末装置30a、中継装置50に、通信ポリシー設定情報を通知する。通知部45cは、通知する通信ポリシー設定情報を通信部44bに入力する。
【0226】
通信制御部47bは、通信部44bから設定情報、通信ポリシー設定情報を取得する。又、提供情報提供部41bは、通信部44bから、受信した特定結果、特定した提供情報の送信の要求、特定した提供情報の送信の指示を取得する。これらの点以外は、通信制御部47b、提供情報提供部41bは、図7に示した通信制御部47a、提供情報提供部41aと実質的に同様である。
【0227】
リソース割当部48cは、図4に示したリソース割当部28bと同様に、通信リソースの割当、通信リソースの状況の監視部49dへの入力を行う。リソース割当部48cは、端末装置30a、中継装置50又は管理サーバ20、処理サーバ60と、配信サーバ40bとの間の通信リソースの割当を行う。
【0228】
通信部44bは、図7に示した通信部44aと同様にして、提供情報、処理情報を、端末装置30a、中継装置50、管理サーバ20又は処理サーバ60に送信する。又、通信部44bは、通信制御部47bから取得した送信制御情報、又は、端末装置30a、中継装置50、管理サーバ20から受信した送信制御情報を、端末装置30a、管理サーバ20、中継装置50、処理サーバ60に送信する。提供情報提示部45b、通知部45c、通信制御部47b、監視部49dは、算出情報を通信部44bに入力する。又、通信部44bは、端末装置30aから、算出情報を受信する。通信部44bは、取得又は受信した算出情報を課金サーバ70に送信する。
【0229】
〔中継装置〕
中継装置50は、配信サーバ40a,40bから端末装置30a,30bへの提供情報の送信を中継する。中継装置50は、端末装置30a,30bと、配信サーバ40a,40bと、管理サーバ20と、処理サーバ60との間で送受信される情報を中継する。
【0230】
図9に示すように、中継装置50は、ユーザ情報データベース53と、通信部54と、通知部55と、通信ポリシー設定部56と、通信ポリシーデータベース56aと、設定条件制御部56bと、通信制御部57と、変換部58aと、リソース割当部58bと、監視部59aと、時計部59bと、中継装置情報記憶部59cとを備える。
【0231】
ユーザ情報データベース53、通信ポリシーデータベース56a、時計部59bは、図3に示したユーザ情報データベース13、通信ポリシーデータベース16a、時計部19bと同様である。変換部58aは、図4に示した変換部28aと同様である。設定条件制御部56bは、図7に示した設定条件制御部56bと同様である。通信部54は、端末装置30a,30b、配信サーバ40a,40b、管理サーバ20、処理サーバ60、課金サーバ70と通信する。
【0232】
監視部59aは、図3に示した監視部19aと同様にして、監視情報を取得する。具体的には、監視部59aは、通信部54を介して、配信サーバ40a,40bと端末装置30a,30bとの間のネットワークのうち、例えば、図1に示した配信サーバ40a,40b又は処理サーバ60と、中継装置50との間の経路2b,2a,2cの状況を取得する。又、監視部59aは、端末装置30a,30b又は管理サーバ20と、中継装置50との間の経路3a,3b,4cの状況を取得する。又、監視部59aは、リソース割当部58b又は通信部54から、配信サーバ40a,40bと端末装置30a,30bとの間の通信リソースのうち、配信サーバ40a,40b又は処理サーバ60と、中継装置50との間の通信リソースの状況を取得する。又、監視部59aは、端末装置30a,30b又は管理サーバ20と、中継装置50との間の通信リソースの状況を取得する。
【0233】
更に、監視部59aは、通信部54、通信制御部57、変換部58a、リソース割当部58bの状況を監視する。監視部59aは、通信部54、通信制御部57、変換部58a、リソース割当部58bから、その負荷状況や処理状況を取得する。例えば、監視部59aは、通信部54が情報の送受信を行っている通信中の端末装置30a,30b、管理サーバ20、配信サーバ40a、40b、処理サーバ60の数、通信部54と、端末装置30a,30b、管理サーバ20、配信サーバ40a、40b、処理サーバ60との間の通信路の数、通信部54が送受信しているデータ量、通信制御部57が制御している通信路の数、変換部58aが行うデータ変換量、リソース割当部58bが行う処理量などの負荷状況を取得する。監視部59aは、通信部54が送受信を終了させた情報の割合、変換部58aが変換を終了させたデータ量の割合、リソース割当部58bが終了させた処理量の割合などの処理状況を取得する。更に、監視部59aは、通信部54、通信制御部57、変換部58a、リソース割当部58bの負荷状況や処理状況から、中継装置50全体の負荷状況や処理状況を求めてもよい。
【0234】
又、監視部59aは、図4に示した監視部29aと同様にして、通信ポリシーの達成度、通信品質やデータ品質、通信スケジュールの実際の状況を監視する。監視部59aは、通知部55、通信ポリシー設定部56からの監視情報の提供の要求に応じて、監視情報を取得する。監視部59aは、監視情報を、通知部55、通信ポリシー設定部56、設定条件制御部56b、通信制御部57に入力する。監視部59aは、現在の監視情報を入力してもよく、過去の監視情報を入力してもよい。
【0235】
中継装置情報記憶部59cは、中継装置50に関する中継装置情報を記憶する。中継装置情報には、中継装置50の識別子(以下「中継装置ID」という)、中継装置50の位置情報、中継装置50の処理能力や通信速度、容量などの中継装置50の性能に関する情報、中継装置50の負荷状況や処理状況、中継装置50が希望する通信ポリシー、通信料金の希望上限額、提供してもよい中継装置50に関する通信リソース、希望するオブジェクト単位、要求する品質、要求されるリアルタイム性などがある。又、中継装置情報には、中継装置50全体に関する情報と、中継装置50を構成する各構成に関する情報がある。尚、中継装置IDとしては、中継装置50に付与した番号や記号、文字などを用いることができる。
【0236】
通信部54は、端末装置30a,30b、配信サーバ40a,40b、管理サーバ20から、特定情報、特定結果、特定した提供情報の送信の要求、特定した処理の実行の要求、特定した提供情報の送信の指示、特定した処理の実行の指示を受信する。通信部54は、処理サーバ60から特定情報を受信する。通信部54は、受信した特定情報を通知部55に入力する。通信部54は、通知部55から特定情報を取得する。通信部54は、受信した特定情報、特定結果、特定した提供情報の送信の要求、特定した処理の実行の要求、特定した提供情報の送信の指示、特定した処理の実行の指示、取得した特定情報を、端末装置30a,30b、配信サーバ40a,40b、管理サーバ20、処理サーバ60に送信する。
【0237】
通知部55は、通信部54、ユーザ情報データベース53、通信ポリシー設定部56、監視部59a、中継装置情報記憶部59cから、特定情報、端末情報、設定情報、監視情報、中継装置情報を取得する。通知部55は、取得した特定情報、端末情報、設定情報、監視情報、中継装置情報に基づいて、特定情報を通知する。通知部55は、無線通信装置10d、管理サーバ20、端末装置30a、配信サーバ40aに、特定情報を通知する。
【0238】
通信部54は、端末装置30a,30b、配信サーバ40a,40b、管理サーバ20から、通信ポリシー設定情報、設定情報を受信する。通信部54は、処理サーバ60から、通信ポリシー設定情報を受信する。通信部54は、受信した通信ポリシー設定情報、設定情報を通信ポリシー設定部56、通信制御部57に入力する。通信部54は、通信ポリシー設定部56から通信ポリシー設定情報、設定情報を取得する。通信部54は、受信又は取得した通信ポリシー設定情報や設定情報を、端末装置30a,30b、配信サーバ40a,40b、管理サーバ20、処理サーバ60に送信する。
【0239】
通信ポリシー設定部56は、提供情報、処理情報を送信する際の通信ポリシーを決定し、設定する。又、通信ポリシー設定部56は、通信ポリシー設定情報を通知する。その際、通信ポリシー設定部56は、通信部54から、通信ポリシー設定情報、設定情報を取得する。通信ポリシー設定部56は、ユーザIDに基づいて、ユーザ情報データベース53から、端末情報を取得する。通信ポリシー設定部56は、時計部59b、監視部59a、中継装置情報記憶部59cから、時間情報、監視情報、中継装置情報を取得する。通信ポリシー設定部56は、通信ポリシーデータベース56a又は設定条件制御部56bから、通信ポリシーの設定規則、通信ポリシーの設定条件、オブジェクト単位の決定規則、達成目標値の算出規則、通信ポリシーの達成度、通信ポリシーの履歴に関する情報を取得する。
【0240】
通信ポリシー設定部56は、取得した通信ポリシー設定情報、端末情報、時間情報、監視情報、中継装置情報、通信ポリシーの設定規則、通信ポリシーの設定条件、オブジェクト単位の決定規則、達成目標値の算出規則、通信ポリシーの達成度、通信ポリシーの履歴に関する情報に基づいて、提供情報、処理情報を送信する際の通信ポリシーを決定し、設定する。通信ポリシー設定部56は、通信ポリシー設定情報、設定情報を、通信部54に入力する。通信ポリシー設定部56は、設定情報を通信制御部57、通知部55に入力する。
【0241】
又、通信ポリシー設定部56は、通信ポリシーの達成目標値の設定、設定した通信ポリシー及び達成目標値、オブジェクト単位、取得した設定情報、取得した監視情報の通信ポリシーデータベース56aへの格納を行う。又、通信ポリシー設定部56は、通信ポリシーデータベース56aから、設定した通信ポリシーを取得し、監視部59aに入力する。
【0242】
通信ポリシー設定部56は、取得した通信ポリシー設定情報、端末情報、時間情報、監視情報、中継装置情報、通信ポリシーの設定規則、通信ポリシーの設定条件、オブジェクト単位の決定規則、達成目標値の算出規則、通信ポリシーの達成度、通信ポリシーの履歴に関する情報に基づいて、通信ポリシー設定情報を通知する。通信ポリシー設定部56は、無線通信装置10d、管理サーバ20、端末装置30a、配信サーバ40aに、通信ポリシー設定情報を通知する。通信ポリシー設定部56は、通知する通信ポリシー設定情報を、通信部54に入力する。
【0243】
通信制御部57は、図3に示した通信制御部17と同様にして、オブジェクト単位毎に送信制御情報を決定する。その際、通信制御部57は、通信ポリシー設定部56、通信部54、ユーザ情報データベース53、監視部59a、時計部59b、中継装置情報記憶部59cから、設定情報、通信ポリシー設定情報、端末情報、監視情報、中継装置情報、時間情報を取得する。
【0244】
通信制御部57は、決定した送信制御情報を、通信部54に入力する。又、通信部54は、端末装置30a,30b、配信サーバ40a,40b、管理サーバ20、処理サーバ60から送信制御情報を受信する。通信部54は、通信制御部57から取得した送信制御情報、又は、受信した送信制御情報を、端末装置30a,30b、配信サーバ40a,40b、管理サーバ20、処理サーバ60に送信する。又、通信制御部57は、時間情報と、決定した送信制御情報、又は、通信部54から取得した送信制御情報に基づいて、通信部54、変換部58a、リソース割当部58bを制御する。
【0245】
リソース割当部58bは、図4に示したリソース割当部28bと同様に、通信リソースの割当、通信リソースの状況の監視部59aへの入力を行う。リソース割当部58bは、配信サーバ40a,40b又は処理サーバ60と、中継装置50との間の通信リソース、端末装置30a,30b又は管理サーバ20と、中継装置50との間の通信リソースの割当を行う。
【0246】
通信部54は、配信サーバ40a,40bの通信部44a,44bから、端末装置30a,30bの通信部31a,31bへの提供情報の送信を中継する中継手段である。通信部54は、配信サーバ40a,40b、処理サーバ60から、提供情報、処理情報を受信する。通信部54は、通信制御部57の制御に従い、受信した提供情報、処理情報そのままを、オブジェクト単位毎に端末装置30a,30b、管理サーバ20に送信する。あるいは、通信部54は、通信制御部57の制御に従い、受信した提供情報、処理情報を変換部58aに入力する。そして、通信部54は、変換部58aから、変換された提供情報、処理情報を取得する。通信部54は、通信制御部57の制御に従い、取得した提供情報、処理情報を、オブジェクト単位毎に端末装置30a,30b、管理サーバ20に送信する。
【0247】
又、通知部55、通信ポリシー設定部56、通信制御部57、監視部59aは、算出情報を通信部54に入力する。通信部54は、取得した算出情報を課金サーバ70に送信する。
【0248】
〔処理サーバ〕
処理サーバ60は、提供情報を利用するための処理を行う。提供情報を利用するための処理には、例えば、提供情報の翻訳、提供情報を実行するためのプログラムの提供、提供情報のアナログ/デジタル変換などがある。図10に示すように、処理サーバ60は、処理データベース61と、処理部62と、ユーザ情報データベース63と、通信部64と、通知部65と、通信制御部67と、リソース割当部68と、監視部69aと、時計部69bと、処理サーバ情報記憶部69cとを備える。ユーザ情報データベース63、時計部69bは、図3に示したユーザ情報データベース13、時計部19bと同様である。
【0249】
処理データベース61は、処理に関する情報を記憶する。処理に関する情報は、処理を識別する識別子(以下「サービスID」という)、処理情報、処理の名称、処理内容の説明、処理のサンプル、処理情報のデータ量、処理を利用可能な時間、送信開始予定時刻、処理に要する平均時間、処理情報を構成するデータの種類、処理情報のデータ品質、処理の品質、処理情報の推奨通信ポリシー、処理情報を区切るオブジェクト単位、処理の利用状況、処理情報の要求されるリアルタイム性、処理の料金などがある。処理情報には、処理サーバ60が提供するプログラムなどある。処理データベース61は、サービスIDに対応付けて情報を記憶する。尚、サービスIDとしては、処理に付与した番号や記号、文字などを用いることができる。
【0250】
処理サーバ情報記憶部69cは、処理サーバ60に関する処理サーバ情報を記憶する。処理サーバ情報には、処理サーバ60の識別子(以下「処理サーバID」という)、処理サーバ60の位置情報、処理サーバ60の処理能力や通信速度、容量などの処理サーバ60の性能に関する情報、処理サーバ60の負荷状況や処理状況、処理サーバ60が希望する通信ポリシー、通信料金の希望上限額、提供してもよい処理サーバ60に関する通信リソース、希望するオブジェクト単位、要求する品質、要求されるリアルタイム性などがある。又、処理サーバ情報には、処理サーバ60全体に関する情報と、処理サーバ60を構成する各構成に関する情報がある。尚、処理サーバIDとしては、処理サーバ60に付与した番号や記号、文字などを用いることができる。
【0251】
通信部64は、端末装置30a,30b、配信サーバ40a,40b、中継装置50、管理サーバ20、課金サーバ70と通信する。処理部62は、提供情報を利用するための処理を行う処理手段である。処理部62は、提供情報の翻訳、提供情報のアナログ/デジタル変換などを行う。通信部64が、端末装置30a,30b、配信サーバ40a,40b、中継装置50、管理サーバ20から、特定結果、処理の実行の要求、処理の実行の指示を受信する。通信部64は、配信サーバ40a,40bから提供情報を受信する。通信部64は、受信した特定結果、処理の実行の要求や指示、提供情報を、処理部62に入力する。
【0252】
処理部62は、通信部64から、特定結果、処理の実行の要求や指示、提供情報を取得する。処理部62は、取得した特定結果、処理の実行の要求や指示に従って、処理を行う。例えば、処理部62は、取得した提供情報に対して、翻訳、アナログ/デジタル変換などを行う。処理部62は、翻訳、変換を行った提供情報を、通信部64に入力する。又、処理部62は、提供情報を実行するためのプログラムなどの処理情報の提供を行う。処理部62は、処理データベース61から、プログラムなどの処理情報を取得して、提供する。処理部62は、取得した処理情報を通信部64に入力する。
【0253】
通信部64は、処理部62から翻訳、変換などの処理を受けた提供情報、処理情報を取得する。通信部64は、特定結果、処理の実行の要求や指示に基づいて、ユーザ情報データベース63から、処理を受けた提供情報や処理情報を送信する端末装置30a,30bの宛先アドレスを取得する。通信部64は、提供情報や処理情報に宛先アドレスを付加する。通信部64は、通信制御部67の制御に従って、処理を受けた提供情報、処理情報を、端末装置30a,30b、配信サーバ40a,40b、中継装置50、管理サーバ20に、オブジェクト単位毎に送信する。このように、通信部64は、特定した提供情報や処理情報を送信する情報送信手段として機能する。
【0254】
通信部64は、端末装置30a,30b、配信サーバ40a,40b、中継装置50、管理サーバ20から、設定情報、送信制御情報を受信する。通信部64は、受信した設定情報、送信制御情報を、通信制御部67に入力する。通信制御部67は、図3に示した通信制御部17と同様にして、オブジェクト単位毎に送信制御情報を決定する。その際、通信制御部67は、処理データベース61、通信部64、ユーザ情報データベース63、監視部69a、時計部69b、処理サーバ情報記憶部69cから、処理に関する情報、設定情報、通信ポリシー設定情報、端末情報、監視情報、時間情報、処理サーバ情報を取得する。
【0255】
通信制御部67は、決定した送信制御情報又は取得した送信制御情報に基づいて、通信部64、リソース割当部68を制御する。又、通信制御部67は、決定した送信制御情報を通信部64に入力する。通信部64は、取得した送信制御情報を、端末装置30a,30b、配信サーバ40a,40b、中継装置50、管理サーバ20に送信する。
【0256】
リソース割当部68は、図4に示したリソース割当部28bと同様に、通信リソースの割当、通信リソースの状況の監視部69aへの入力を行う。リソース割当部68は、端末装置30a,30b、配信サーバ40a,40b、中継装置50又は管理サーバ20と、処理サーバ60との間の通信リソースの割当を行う。
【0257】
監視部69aは、図3に示した監視部19aと同様にして、監視情報を取得する。監視部69aは、処理サーバ60と端末装置30a,30bとの間のネットワークの状況を監視する。具体的には、監視部69aは、通信部64を介して、端末装置30a,30b、配信サーバ40a,40b、中継装置50又は管理サーバ20と、処理サーバ60との間の経路1c,1d,7a,7b,2c,4bの状況を取得する。又、監視部69aは、処理サーバ60と端末装置30a,30bとの間の通信リソースの状況を監視する。具体的には、監視部69aは、リソース割当部68又は通信部64から、端末装置30a,30b、配信サーバ40a,40b、中継装置50又は管理サーバ20と、処理サーバ60との間の通信リソースの状況を取得する。
【0258】
更に、監視部69aは、通信部64、通信制御部67、リソース割当部68、処理部62の状況を監視する。監視部69aは、通信部64、通信制御部67、リソース割当部68、処理部62から、その負荷状況や処理状況を取得する。例えば、監視部69aは、通信部64が情報の送受信を行っている通信中の端末装置30a,30b、管理サーバ20、配信サーバ40a、40b、中継装置50の数、通信部64と、端末装置30a,30b、管理サーバ20、配信サーバ40a、40b、中継装置50との間の通信路の数、通信部64が送受信しているデータ量、通信制御部67が制御している通信路の数、リソース割当部68や処理部62が行う処理量などの負荷状況を取得する。監視部69aは、通信部64が送受信を終了させた情報の割合、リソース割当部68や処理部62が終了させた処理量の割合などの処理状況を取得する。更に、監視部69aは、通信部64、通信制御部67、リソース割当部68、処理部62の負荷状況や処理状況から、処理サーバ60全体の負荷状況や処理状況を求めてもよい。
【0259】
又、監視部69aは、通信ポリシーの達成度や、通信品質やデータ品質、通信スケジュールの実際の状況を監視する。その際、監視部69aは、通信制御部67から、設定した通信ポリシーを取得する。監視部69aは、通信部64、通信制御部67、リソース割当部68から、設定した通信ポリシーに関係する実際の状況を取得する。監視部69aは、通知部65からの監視情報の提供の要求に応じて、監視情報を取得する。監視部69aは、監視情報を通知部65に入力する。監視部69aは、現在の監視情報を入力してもよく、過去の監視情報を入力してもよい。
【0260】
通信部64は、特定情報、通信ポリシー設定情報を、端末装置30a,30b、配信サーバ40a,40b、中継装置50、管理サーバ20から受信する。通信部64は、受信した特定情報、通信ポリシー設定情報を通知部65に入力する。
【0261】
通知部65は、通信部64、ユーザ情報データベース63、監視部69a、処理サーバ情報記憶部69cから、特定情報、端末情報、監視情報、処理サーバ情報を取得する。通知部65は、取得した特定情報、監視情報、処理サーバ情報に基づいて、処理データベース61を検索する。通知部65は、特定情報、端末情報、監視情報、処理サーバ情報に適した処理に関する情報を、提供する情報として決定する。通知部65は、決定した処理に関する情報を、処理データベース61から取得する。通知部65は、取得した処理に関する情報を特定情報として、提供情報特定部15,25,35,45aに対して提供する。又、通知部65は、処理サーバ61から任意の処理に関する情報を取得して提供してもよい。更に、通知部65は、処理に関する情報以外の特定情報の通知も行う。通知部65は、取得した特定情報、端末情報、監視情報、処理サーバ情報に基づいて、特定情報を通知する。通知部65は、無線通信装置10d、管理サーバ20、端末装置30a、配信サーバ40aに特定情報を通知する。
【0262】
通知部65は、通信部64、ユーザ情報データベース63、監視部69a、処理サーバ情報記憶部69c、処理データベース61から、通信ポリシー設定情報、監視情報、端末情報、処理サーバ情報、処理に関する情報を取得する。通知部65は、取得した通信ポリシー設定情報、監視情報、処理サーバ情報、処理に関する情報に基づいて、通信ポリシー設定情報を通知する。通知部65は、無線通信装置10d、管理サーバ20、端末装置30a、配信サーバ40a、中継装置50に、通信ポリシー設定情報を通知する。通知部65、通知する特定情報、通信ポリシー設定情報を通信部64に入力する。通信部64は、取得した特定情報、通信ポリシー設定情報を、端末装置30a,30b、配信サーバ40a,40b、中継装置50、管理サーバ20に送信する。
【0263】
処理部62、通知部65、通信制御部67、監視部69aは、算出情報を通信部64に入力する。通信部64は、取得した算出情報を課金サーバ70に送信する。
【0264】
〔課金サーバ〕
課金サーバ70は、無線情報、提供情報、処理情報の送受信に関する通信料金、処理サーバ60による処理料金など、通信システム1において発生する料金を課金する。図11に示すように、課金サーバ70は、通信部71と、課金部72と、課金データベース73とを備える。
【0265】
課金データベース73は、課金に関する課金情報を記憶する課金情報記憶手段である。課金データベース73は、課金情報として、例えば、算出情報、料金を算出する料金算出規則、課金する課金料金を記憶する。課金データベース73は、ユーザIDに対応付けて、算出情報、課金料金を記憶する。通信部71は、配信サーバ40a,40b、中継装置50、管理サーバ20、処理サーバ60と通信する。通信部71は、配信サーバ40a,40b、中継装置50、管理サーバ20、処理サーバ60から、算出情報を受信する。通信部71は、受信した算出情報を課金部72に入力する。
【0266】
課金部72は、通信料金を課金する課金手段である。課金部72は、通信料金だけでなく、処理料金など通信システム1において発生する料金を課金する。課金部72は、通信部71から算出情報を取得する。課金部72は、課金データベース73から、料金算出規則を取得する。課金部72は、算出情報、料金算出規則に基づいて、通信料金、処理料金などの通信システム1において発生する料金を算出する。課金部72は、算出した料金を、課金料金として課金する。課金部72は、取得した算出情報、課金した課金料金を課金データベース73に格納する。これにより、課金データベース73が更新される。尚、課金部72が、課金料金を通信部71に入力し、通信部71が、取得した課金料金を端末装置30a,30bに送信してもよい。
【0267】
次に、提供情報の特定、通信ポリシーの設定、提供情報の送信、通信料金の算出について、詳細に説明する。
【0268】
〔提供情報の特定〕
図3、図4、図5、図7に示した提供情報特定部15,25,35,45aは、端末装置30a,30bの無線通信部31a,31bが受信した無線情報に基づいて、提供情報を特定する。受信した無線情報が対象物情報の場合、提供情報特定部15,25,35,45aは、例えば、提供情報として対象物関連情報を特定する。例えば、提供情報特定部15,25,35,45aは、対象物情報が装置の型番の場合、その装置の取り扱い方法を記載したテキスト情報を特定する。提供情報特定部15,25,35,45aは、対象物情報が食料品の種類の場合、その食料品を用いた料理方法を動画像と音声で説明する情報を特定する。提供情報特定部15,25,35,45aは、対象物情報が看板の位置情報の場合、その位置情報周辺の地図を表した静止画像情報を特定する。提供情報特定部15,25,35,45aは、対象物情報が電車の停車駅の場合、その停車駅周辺の店舗情報を静止画像とテキストで説明する情報を特定する。
【0269】
受信した無線情報が対象領域情報の場合、提供情報特定部15,25,35,45aは、例えば、提供情報として対象領域関連情報を特定する。例えば、提供情報特定部15,25,35,45aは、対象領域情報が領域IDとその領域の温度の場合、その領域で火災が発生している可能性があるか否かを音声で通知する災害情報を特定する。受信した無線情報が無線通信装置情報の場合、提供情報特定部15,25,35,45aは、例えば、提供情報として無線通信装置関連情報を特定する。例えば、提供情報特定部15,25,35,45aは、無線通信装置情報が無線通信装置10c,10dのタグIDの場合、そのタグIDの無線通信装置10a〜10d周辺の交通情報を音声で説明する情報を特定する。提供情報特定部15,25,35,45aは、無線通信装置情報がタググループIDの場合、そのタググループIDを受信したユーザに限定された情報を特定する。
【0270】
受信した無線情報が広告情報の場合、提供情報特定部15,25,35,45aは、例えば、提供情報として広告関連情報を特定する。例えば、提供情報特定部15,25,35,45aは、広告情報が講演会や学会発表、討論会などのイベント情報の場合、その講演会や学会発表、討論会を動画像と音声で中継する情報や、イベント会場の地図を表した静止画像情報を特定できる。提供情報特定部15,25,35,45aは、広告情報が番組内容などの放送情報の場合、より詳細な番組内容をテキストと静止画像で説明する情報を特定できる。提供情報特定部15,25,35,45aは、広告情報が観光地の場所を示す観光情報の場合、その観光地までの行き方を、音声と静止画像を用いてナビゲーションする情報を特定する。提供情報特定部15,25,35,45aは、広告情報がアドレス情報の場合、そのアドレスで提供されている情報を特定する。提供情報特定部15,25,35,45aは、広告情報が予告通知のような配信情報の場合、その予告通知された情報を特定する。
【0271】
提供情報には、無線情報に対して固定的に特定される提供情報がある。そのため、提供情報特定部15,25,35,45aは、受信した無線情報が、提供情報を特定する無線情報である提供情報を特定することができる。
【0272】
更に、提供情報特定部15,25,35,45aは、受信した無線情報に加えて、測定情報、位置情報、時間情報、配信サーバ40a,40bと端末装置30a,30bとの間のネットワークの状況、配信サーバ40a,40bと端末装置30a,30bとの間の通信リソースの状況、処理サーバ60と端末装置30a,30bとの間のネットワークの状況、処理サーバ60と端末装置30a,30bとの間の通信リソースの状況、提供情報に関する情報、処理に関する情報、配信サーバ情報、中継装置情報、処理サーバ情報、端末情報、無線通信装置情報、管理サーバ情報、端末装置30a,30bと無線通信装置10a〜10dとの関係、通信料金、処理料金、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56が設定した通信ポリシー又は要求されるリアルタイム性の少なくとも1つに基づいて、提供情報を特定することが好ましい。
【0273】
これらの情報は、一部重複するものもある。測定情報、ネットワークの状況、通信リソースの状況、提供情報に関する情報、処理に関する情報、配信サーバ情報、中継装置情報、処理サーバ情報、端末情報、無線通信装置情報、管理サーバ情報、通信料金、処理料金、通信ポリシー、要求されるリアルタイム性は、上述したとおりである。位置情報は、例えば、端末装置30a,30bの現在位置や移動先の位置、無線通信装置10a〜10dの位置、配信サーバ40a,40bと端末装置30a,30bとの位置関係などがある。尚、位置情報は、緯度、経度、方位などを用いて表すことができる。時間情報は、例えば、現在時刻、提供情報の送信完了を希望する時刻、処理や提供情報の利用時間などがある。
【0274】
端末装置30a,30bと無線通信装置10a〜10dとの関係は、より詳細には、端末装置30a,30bの無線通信部31a,31bと、無線通信装置10a〜10dの無線通信部11a〜11dとの関係に相当する。具体的には、端末装置30a,30bと無線通信装置10a〜10dとの関係には、端末装置30a,30bと無線通信装置10a〜10dとの距離や相対速度、通信端末30a,30bから所定の範囲内に存在する無線通信装置10a〜10dの数、無線通信装置10a〜10dが情報の送受信をしている通信中の端末装置30a,30bの数、無線通信装置10a〜10dと端末装置30a,30bとの間の通信路の数、端末装置30a,30bが情報の送受信をしている通信中の無線通信装置10a〜10dの数などがある。
【0275】
提供情報特定部15,25,35,45aは、受信した無線情報に加えて、端末情報を用いる場合、例えば、ユーザの履歴情報にあった提供情報を特定する。例えば、提供情報特定部15,25,35,45aは、ユーザがこれまでに最も多く受信している提供情報を特定する。提供情報特定部15,25,35,45aは、受信した無線情報に加えて、測定情報を用いる場合、例えば、端末装置30a周辺の気温や湿度、ユーザの状態にあった提供情報を特定する。例えば、提供情報特定部15,25,35,45aは、ユーザの脈拍が閾値以下の場合には、医療機関の端末装置に身体の異常を音声で通知する医療情報を特定する。
【0276】
提供情報特定部15,25,35,45aは、受信した無線情報に加えて、位置情報を用いる場合、例えば、位置情報にあった提供情報を特定する。例えば、提供情報特定部15,25,35,45aは、ユーザの移動先の店舗情報を特定する。提供情報特定部15,25,35,45aは、受信した無線情報に加えて、時間情報を用いる場合、例えば、時間情報にあった提供情報を特定する。例えば、提供情報特定部15,25,35,45aは、現在時刻で利用可能な遊戯施設に関する情報を特定する。
【0277】
提供情報特定部15,25,35,45aは、受信した無線情報に加えて、配信サーバ40a,40bと端末装置30a,30bとの間のネットワークの状況を用いる場合には、例えば、ネットワークのトラフィック量にあった提供情報を特定する。例えば、提供情報特定部15,25,35,45aは、ある領域に存在する端末装置30a,30bの数が多いほど、データ量の少ない提供情報を特定し、端末装置30a,30bの数が少ないほど、データ量の多い提供情報を特定する。提供情報特定部15,25,35,45aは、受信した無線情報に加えて、配信サーバ40a,40bと端末装置30a,30bとの間の通信リソースの状況と、提供情報に関する情報を用いる場合には、例えば、空き通信リソース量で送信可能なデータ量の提供情報を特定する。
【0278】
提供情報特定部15,25,35,45aは、受信した無線情報に加えて、配信サーバ情報や中継装置情報と、提供情報に関する情報を用いる場合には、例えば、配信サーバ40a,40bや中継装置50の負荷状況で送信可能な提供情報を特定する。提供情報特定部15,25,35,45aは、受信した無線情報に加えて、端末装置30a,30bに関する情報を用いる場合には、例えば、端末装置30aの出力部38bで出力可能な映像情報を特定する。提供情報特定部15,25,35,45aは、受信した無線情報に加えて、無線通信装置10a〜10dに関する情報や管理サーバ20に関する情報を用いる場合には、例えば、無線通信装置10a〜10dや管理サーバ20の処理状況で送信可能な提供情報を特定する。
【0279】
提供情報特定部15,25,35,45aは、受信した無線情報に加えて、端末装置30a,30bと無線通信装置10a〜10dとの関係を用いる場合には、その関係にあった提供情報を特定する。例えば、端末装置30a,30bと無線通信装置10a〜10dとの相対速度から、端末装置30a,30bが無線通信装置10a〜10dと通信可能な距離にいる間に、送信が完了する提供情報を特定する。このような提供情報の特定は、例えば、無線通信装置10a〜10dがバスの停留所に付けられており、端末装置30a,30bがバスや電車などの移動手段に配置されている場合などに行われる。提供情報特定部15,25,35,45aは、受信した無線情報に加えて、通信料金と提供情報に関する情報を用いる場合には、ユーザが要求する通信料金の上限値の範囲内で送信可能な料金の提供情報を特定する。
【0280】
又、提供情報特定部15,25,35,45aは、提供情報や処理に関する情報に基づいて、特定しようとする提供情報を利用するために処理サーバ60が行う処理が必要であるか否かを判断するようにしてもよい。提供情報特定部15,25,35,45aは、特定しようとする提供情報に処理が必要な場合には、処理サーバ60と端末装置30a,30bとの間のネットワークの状況、処理サーバ60と端末装置30a,30bとの間の通信リソースの状況、処理に関する情報、処理サーバ60に関する情報、処理料金などに基づいて、処理サーバ60が処理できるかを判断する。提供情報特定部15,25,35,45aは、処理できる場合には、その提供情報を特定する。一方、提供情報特定部15,25,35,45aは、処理できない場合には、他の提供情報を特定する。
【0281】
提供情報特定部15,25,35,45aは、受信した無線情報に加えて、設定した通信ポリシーを用いる場合には、設定された通信ポリシーにあった提供情報を特定する。例えば、提供情報特定部15,25,35,45aは、設定した通信ポリシーで送信可能な提供情報を特定する。このように、提供情報特定部15,25,35,45aは、提供情報を送信する際の通信ポリシーを設定した後に、その設定した通信ポリシーに基づいて提供情報を特定してもよい。
【0282】
提供情報特定部15,25,35,45aは、受信した無線情報に加えて、要求されるリアルタイム性を用いる場合には、要求されるリアルタイム性にあった提供情報を特定する。例えば、提供情報特定部15,25,35,45aは、要求されるリアルタイム性の高い人命救助や医療、災害に関する緊急情報を特定する。
【0283】
特定情報には、提供情報の特定に用いる情報がある。提供情報の特定に用いる情報には、これらの無線通信部31a,31bが受信した無線情報、測定情報、位置情報、時間情報、配信サーバ40a,40bと端末装置30a,30bとの間のネットワークの状況、配信サーバ40a,40bと端末装置30a,30bとの間の通信リソースの状況、処理サーバ60と端末装置30a,30bとの間のネットワークの状況、処理サーバ60と端末装置30a,30bとの間の通信リソースの状況、提供情報に関する情報、処理に関する情報、配信サーバ情報、中継装置情報、処理サーバ情報、端末情報、無線通信装置情報、管理サーバ情報、端末装置30a,30bと無線通信装置10a〜10dとの関係、通信料金、処理料金、設定された通信ポリシー、要求されるリアルタイム性などがある。
【0284】
提供情報特定部35は、端末装置30aが受信、監視、記憶、測定、入力などにより把握している提供情報の特定に用いる情報に基づいて、提供情報を特定できる。又、無線通信装置10d、管理サーバ20、端末装置30a,30b、配信サーバ40a,40b、中継装置50、処理サーバ60は、監視、受信、記憶、測定、入力などにより把握している提供情報の特定に用いる情報を、図3〜10に示した提供情報特定部15,25,35,45a、通知部38、55,65、提供情報提示部45bを用いて、特定情報として相互に通知しあうことができる。そして、提供情報特定部15,25,35,45aは、無線通信装置10d、管理サーバ20、端末装置30a、配信サーバ40aが把握している提供情報の特定に用いる情報と、通知された特定情報を用いて、提供情報を特定する。
【0285】
又、提供情報特定部15,25,35,45aは、単独で提供情報を特定してもよく、相互に調整して提供情報を特定してもよい。例えば、提供情報を特定する主体の提供情報特定部が、他の提供情報特定部に、特定しようとする希望の提供情報を通知し、検討するように指示をする。他の提供情報特定部は、その通知内容を検討し、検討結果を主体の提供情報特定部に通知する。主体の提供情報特定部は、取得した検討結果に基づいて、提供情報を特定する。
【0286】
又、提供情報を特定する主体の提供情報特定部が、他の第1の提供情報特定部から、特定しようとする希望の提供情報の通知を受ける。主体の提供情報特定部は、希望の提供情報の通知を、第1の提供情報特定部以外の第2の提供情報特定部に通知し、検討するように指示する。第2の提供情報特定部は、その通知内容を検討し、検討結果を主体の提供情報特定部に通知する。主体の提供情報特定部は、取得した検討結果を、第1の提供情報特定部に通知して、検討するように指示をする。第1の提供情報特定部は、第2の提供情報特定部の検討結果に基づいて、再度、検討する。第1の提供情報特定部は、再検討した希望の提供情報を、主体の提供情報特定部に通知する。主体の提供情報特定部は、再検討された結果に基づいて、提供情報を特定する。
【0287】
そのため、特定情報には、このような通知のように提供情報を特定する際の調整に用いる情報もある。尚、提供情報特定部15,25,35,45aは、このようなやりとりを複数回繰り返してもよい。
【0288】
更に、通知部38、55,65、提供情報提示部45bは、提供情報特定部15,25,35,45aに対して、提供情報の特定を要求できる。そのため、特定情報には、提供情報の特定の要求もある。尚、通知部38、55,65、提供情報提示部45bは、提供情報の特定の要求に、提供情報の特定に用いる情報を含めてもよい。
【0289】
又、提供情報特定部15,25,35,45aは、通知部38、55,65、提供情報提示部45bや、他の提供情報特定部15,25,35,45aに、提供情報の特定に用いる情報を要求できる。要求を受けた通知部38、55,65、提供情報提示部45bや、他の提供情報特定部15,25,35,45aは、要求に対する応答として、提供情報の特定に用いる情報を返す。そのため、特定情報には、このような要求、応答などの提供情報の特定に用いる情報をやりとりするための情報もある。尚、提供情報特定部15,25,35,45a、通知部38、55,65、提供情報提示部45bは、このようなやりとりを複数回繰り返してもよい。又、提供情報特定部15,25,35,45aは、通知部38、55,65、提供情報提示部45bから、提供情報の特定の要求を受けた際に、提供情報の特定に用いる情報を要求してもよい。
【0290】
又、特定情報には、図7、図8に示す提供情報特定部45a,提供情報提示部45bが提供する提供情報に関する情報がある。提供情報特定部15,25,35は、提供情報特定部45a、提供情報提示部45bが提供する提供情報の中から、提供情報を特定できる。又、図5、図6に示した出力部38bが、提示された提供情報に関する情報を出力し、入力部38aが提供結果を入力することにより、提供情報を特定してもよい。
【0291】
提供情報特定部15,25,35は、提供情報特定部45a、提供情報提示部45bに、提供情報に関する情報の提供を要求できる。提供情報に関する情報の提供の要求も特定情報である。提供情報特定部45a、提供情報提示部45bは、提供の要求に対して提供情報に関する情報を提供する。提供情報特定部15,25,35と、提供情報特定部45aや提供情報提示部45bは、このようなやりとりを複数回繰り返してもよい。
【0292】
提供情報特定部45a、提供情報提示部45bは、端末装置30a,30bの無線通信部31a,31bが受信した無線情報に基づいて、提供する提供情報に関する情報を決定する。更に、提供情報特定部45a、提供情報提示部45bは、受信した無線情報に加えて、測定情報、位置情報、時間情報、配信サーバ40a,40bと端末装置30a,30bとの間のネットワークの状況、提供情報に関する情報、配信サーバ40a,40bと端末装置30a,30bとの間の通信リソースの状況、処理サーバ60と端末装置30a,30bとの間のネットワークの状況、処理サーバ60と端末装置30a,30bとの間の通信リソースの状況、配信サーバ情報、中継装置情報、処理サーバ情報、端末情報、無線通信装置情報、管理サーバ情報、端末装置30a,30bと無線通信装置10a〜10dとの関係、通信料金、処理料金、設定された通信ポリシー、要求されるリアルタイム性の少なくとも1つに基づいて、提供する提供情報に関する情報を決定することが好ましい。
【0293】
提供情報特定部45a、提供情報提示部45bは、提供情報特定部15,25,35,45aと同様に、配信サーバ40a,40bが把握している提供情報の特定に用いる情報に基づいて、提供する提供情報に関する情報を決定できる。又、提供情報特定部45a、提供情報提示部45bは、無線通信装置10d、管理サーバ20、端末装置30a,30b、中継装置50、処理サーバ60から、それらが把握している提供情報の特定に用いる情報を取得できる。そして、提供情報特定部45a、提供情報提示部45bは、配信サーバ40a,40bが把握している提供情報の特定に用いる情報と、通知された特定情報を用いて、提供する提供情報に関する情報を決定する。又、提供情報特定部45a、提供情報提示部45bは、通知部38、55,65、提供情報特定部15,25,35に、提供情報の特定に用いる情報を要求できる。
【0294】
このように、提供情報特定部45aや提供情報提示部45bが、提供情報特定部15,25,35に対して、提供情報に関する情報を提供し、提供情報特定部15,25,35が、提供された提供情報に関する情報に基づいて、提供情報を特定することができる。そのため、提供情報特定部15,25,35は、提供情報特定部45aや提供情報提示部45bによって提供された提供情報に関する情報に基づいて、提供情報を容易に特定できる。
【0295】
尚、提供情報特定部15,25,35,45a、通知部38、55,65、提供情報提示部45bが、特定情報をやりとりする際には、ユーザIDに特定情報を対応付けてやりとりする。
【0296】
又、図3、図4、図7、図8に示す提供情報特定部15,25,45aや提供情報提示部45bが、端末情報に基づいて、提供情報の特定や提供する提供情報に関する情報の決定を行うことにより、提供情報の送信を提供情報ユーザに制限できる。具体的には、提供情報特定部15,25,45aや提供情報提示部45bは、特定情報に含まれるユーザIDとパスワードが、ユーザ情報データベース13,23,43に記憶された提供情報ユーザのユーザIDとパスワードと一致するかを判断して、認証を行う。提供情報特定部15,25,45aや提供情報提示部45bは、ユーザIDとパスワードが一致する場合には、提供情報ユーザであると判断する。この場合には、提供情報特定部15,25,45aや提供情報提示部45bは、提供情報ユーザにその利用が限られた提供情報を特定したり、提供情報に関する情報を提供したりする。
【0297】
一方、提供情報特定部15,25,45aや提供情報提示部45bは、ユーザIDとパスワードが一致しない場合には、提供情報ユーザではないと判断する。この場合には、提供情報特定部15,25,45aや提供情報提示部45bは、提供情報ユーザにその利用が限られた提供情報を特定したり、提供情報に関する情報を提供したりしない。尚、特定情報にパスワードが含まれていない場合には、提供情報特定部15,25,45aや提供情報提示部45bは、図5、図6に示す提供情報特定部35や通知部38に、パスワードを特定情報として通知するように要求する。
【0298】
又、図3、図4、図7、図8に示す提供情報特定部15,25,45aや提供情報提示部45bが、配信サーバ40a,40bに関する情報に基づいて、提供情報の特定や提供する提供情報に関する情報の決定を行うことにより、同時に提供情報を送信するユーザ数を制限できる。具体的には、提供情報特定部15,25,45aや提供情報提示部45bは、配信サーバ40a,40bの通信部44a,44bが情報の送受信を行っている通信中の端末装置30a,30bの数と、配信サーバ40a,40bが制限するユーザ数を比較する。
【0299】
提供情報特定部15,25,45aや提供情報提示部45bは、通信中の端末装置30a,30bの数が、制限するユーザ数未満の場合には、ユーザ数を制限したい提供情報を特定したり、提供情報に関する情報を提供したりする。一方、提供情報特定部15,25,45aや提供情報提示部45bは、通信中の端末装置30a,30bの数が、制限するユーザ数以上の場合には、ユーザ数を制限したい提供情報を特定したり、提供情報に関する情報を提供したりしない。このように、提供情報特定部15,25,45aや提供情報提示部45bは、配信サーバ40a,40bの通信部44a,44bによる提供情報の送信を制限する提供情報制限手段として機能できる。尚、制限するユーザ数は、例えば、ネットワークの状況や通信リソースの状況、配信サーバ40a,40b、処理サーバ60、中継装置50、管理サーバ20、無線通信装置10d、端末装置30a,30bの処理状況や負荷状況、通信ポリシーの達成度、通信品質やデータ品質、通信スケジュールの実際の状況などに基づいて定めることができる。
【0300】
これによれば、配信サーバ40a,40bは、提供情報の利用が特定のユーザに限られている場合に、そのユーザにのみ提供情報を送信できる。又、配信サーバ40a,40bが、提供情報を同時に送信できるユーザ数を制限したい場合に、制限された数のユーザにだけ提供情報を送信できる。
【0301】
又、端末装置30a,30bの無線通信部31a,31bが、複数の無線情報を受信する場合がある。無線通信部31a,31bは、同時に複数の無線情報を受信する場合や、一定時間内に複数の無線情報を受信する場合がある。この場合、提供情報特定部15,25,35,45aは、無線情報の優先度に従って、複数の無線情報に基づく提供情報を順番に特定することが好ましい。例えば、優先度は、無線情報の料金に応じて設定できる。例えば、料金が高い無線情報ほど、高い優先度を設定する。優先度は、無線通信装置10a〜10dの存在する領域に応じて設定できる。例えば、特定の領域に存在する無線通信装置10a〜10dの無線情報に、高い優先度を設定する。又、優先度は、無線情報の種類に応じて設定できる。例えば、無線情報が対象物情報の場合、ユーザは自分の所有物に関する対象物情報に高い優先度を設定する。
【0302】
優先度は予め設定しておいてもよく、無線情報の受信後に設定してもよい。提供情報特定部15,25,35,45aや通知部38、55,65、提供情報提示部45bは、優先度の設定条件を記憶する。優先度の設定条件には、無線情報の料金に応じて優先度を設定する設定条件、無線通信装置10a〜10dの存在する領域に応じて優先度を設定する設定条件、無線情報の種類に応じて優先度を設定する設定条件などがある。
【0303】
提供情報特定部35、通知部38は、無線通信部31a,31bから取得した無線情報に、設定条件に基づいて優先度を設定する。又、提供情報特定部15,25,45aや通知部55,65、提供情報提示部45bは、特定情報に含まれる無線通信部31a,31bが受信した無線情報に、設定条件に基づいて優先度を設定する。このように、提供情報特定部15,25,35,45aや通知部38、55,65、提供情報提示部45bは、複数の無線情報の優先度を設定する優先度設定手段として機能する。これによれば、通信システム1、配信サーバ40a,40bは、複数の無線情報の優先度を設定することができる。更に、通信システム1、配信サーバ40a,40bは、優先度の設定条件を変更することにより、無線情報の優先度を動的に変更できる。
【0304】
又、提供情報特定部15,25,35,45aは、特定する順番に関する規則に従って、複数の無線情報に基づく提供情報を順番に特定してもよい。例えば、無線情報を受信した順番に従って特定する、無線情報の種類に応じて決められた順番に従って特定する、データ量に応じて決められた順番に従って特定するなどの規則を設定できる。具体的には、受信した順番が早い無線情報から先に用いて提供情報を特定する、受信した順番が遅い無線情報から先に用いて提供情報を特定する、データ量が大きい無線情報から先に用いて提供情報を特定するなどの規則を設定できる。
【0305】
尚、提供情報特定部15,25,35,45aは、規則に関係なく、ランダムに複数の無線情報に基づく提供情報を特定してもよい。更に、提供情報特定部15,25,35,45aは、優先度の低い無線情報については、その無線情報に基づく提供情報の特定を行わなくてもよい。又、提供情報特定部15,25,35,45aは、無線情報の受信数の閾値を定めておき、閾値を越えて受信した無線情報については、その無線情報に基づく提供情報の特定を行わないようにしてもよい。又、提供情報特定部15,25,35,45aは、受信した複数の無線情報を並行して処理してもよい。
【0306】
このように、端末装置30a,30bの無線通信部31a,31bが複数の無線情報を受信することにより、端末装置30a,30bのユーザは、複数の無線情報に基づく提供情報を取得できる。更に、提供情報特定部15,25,35,45aが、無線情報の優先度に従って、複数の無線情報のうち、優先度が高いものから順番に用い、複数の無線情報に基づく提供情報を順番に特定することにより、ユーザは、ユーザにより適した提供情報から優先して取得することができる。
【0307】
提供情報特定部15,25,35,45aは、このようにして提供情報を特定した後、通信ポリシー設定部16,26,36,46、提供情報提供部41a、通信部14d,24,34a,44a、無線通信部11d,31aに特定結果を入力する。又、提供情報特定部35は、配信サーバ40a,40bに、特定した提供情報の送信を要求する。又、提供情報特定部15,25,45aは、配信サーバ40a,40bに、特定した提供情報の端末装置30a,30bへの送信を指示する。
【0308】
提供情報特定部15,25,35,45aが通信ポリシー設定部16,26,46、提供情報提供部41a、通信部14d,24,34a,44a、無線通信部11d,31aに入力する特定結果と、提供情報の送信の要求や指示には、少なくとも、ユーザIDと、特定した提供情報のコンテンツIDとが含まれる。又、提供情報特定部35が通信ポリシー設定部36に入力する特定結果には、少なくとも特定した提供情報のコンテンツIDが含まれる。
【0309】
そのため、提供情報提供部41aは、コンテンツIDに基づいて、提供情報データベース42から提供情報を取得できる。又、提供情報提供部41aは、ユーザIDに基づいて、ユーザ情報データベース43から端末装置30a,30bの宛先アドレスを取得できる。
【0310】
提供情報特定部15,25,35,45aは、特定した提供情報に基づいて、処理を特定する。例えば、提供情報特定部15,25,35,45aは、特定した提供情報が英語で表現された情報の場合には、処理として翻訳を特定する。提供情報特定部15,25,35,45aは、特定した提供情報が動画像情報の場合には、処理としてその動画像情報を再生するプログラムの提供を特定する。提供情報特定部15,25,35,45aは、特定した提供情報がアナログ情報の場合には、処理としてアナログ/デジタル変換を特定する。又、提供情報特定部45a、提供情報提示部45bは、特定した提供情報に基づいて、提供する処理に関する情報を決定する。
【0311】
そのため、提供情報の特定結果は、処理を特定する際の特定情報に含まれる。提供情報特定部15,25,35,45a、提供情報提示部45bは、特定した提供情報に基づいて特定、決定する以外は、提供情報の特定や提供する提供情報に関する情報の決定と同様にして、処理の特定や提供する処理に関する情報の決定を行う。そのため、提供情報特定部15,25,45aや提供情報提示部45bは、特定情報に含まれるユーザIDとパスワードが、ユーザ情報データベース13,23,43に記憶された処理ユーザのユーザIDとパスワードと一致するかを判断して、処理ユーザの認証を行うこともできる。
【0312】
提供情報特定部15,25,35,45aは、処理を特定した特定結果を、通信ポリシー設定部16,26,36,46、通信部14d,24,34a,44a、無線通信部11d,31aに入力する。又、提供情報特定部35は、処理サーバ60に、特定した処理の実行を要求する。又、提供情報特定部15,25,45aは、処理サーバ60に、特定した処理の実行を指示する。提供情報特定部15,25,35,45aが通信ポリシー設定部16,26,46、提供情報提供部41a、通信部14d,24,34a,44a、無線通信部11d,31aに入力する特定結果と、処理の実行の要求や指示には、少なくとも、ユーザIDと、特定した処理のサービスIDとが含まれる。又、提供情報特定部35が通信ポリシー設定部36に入力する特定結果には、少なくとも特定した処理のサービスIDが含まれる。
【0313】
そのため、処理部62は、サービスIDに基づいて、処理を実行できる。又、通信部64は、ユーザIDに基づいて、ユーザ情報データベース63から端末装置30a,30bの宛先アドレスを取得できる。
【0314】
〔通信ポリシーの設定、提供情報の送信〕
(通信ポリシー)
通信ポリシーとは、情報を送信する側と、情報を受信する側との間の取り決めであり、送信側から受信側に情報を送信する際の取り決めである。通信ポリシーには、送信側から受信側に情報を送信する際の品質、通信形態、通信料金、処理料金、通信スケジュール、変換方法、同期制御方法、通信ポリシーの設定規則、要求されるリアルタイム性に関する取り決めがある。通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、これらの通信ポリシーの項目の少なくとも1つを設定すればよい。以下、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56が設定する通信ポリシーの項目を「通信ポリシー設定項目」という。
【0315】
品質に関する取り決めには、提供情報の送信における通信品質と、提供情報のデータ品質に関する取り決めがある。通信品質に関する取り決めには、通信速度、スループット、遅延時間、RRT(Round Trip Time)、誤り率、再送率、送信した情報が受信側に到達した割合(以下「到達度」という)、送信した情報が受信側に到達しなかった割合(以下「欠損率」という)、情報をパケット通信により送信した場合に、受信したパケットに含まれるデータに誤りが発生し、破棄した割合(以下「パケット破棄率」という)、ジッター、通信品質の決定規則、通信品質の保証方法などに関する取り決めがある。尚、到達度は、送信した情報のデータ量に対する受信した情報のデータ量の割合で表すことができる。データ品質に関する取り決めには、例えば、提供情報を受信側で再生する際の品質がある。具体的には、提供情報の表示サイズ、表示開始時刻、表示時間やその許容遅延時間、フレームレート、解像度、複数の提供情報を連続して表示する場合の表示順序、複数の提供情報を同時に表示する場合の配列、同期のタイミングやそのずれの許容値などがある。
【0316】
通信品質の保証方法には、規定範囲の通信品質を保証しなければならないギャランティモードと、通信品質を保証しなくてもよいベストエフォートモードがある。例えば、ギャランティモードの場合には、障害が発生しても通信品質を保証しなければならないが、ベストエフォートモードの場合には、障害発生時に通信品質を保証できなくなっても許容される。ベストエフォートモードには、目標とする通信品質の上限値を規定するモード、目標とする通信品質の下限値を規定するモード、目標とする通信品質の上限値と下限値を規定するモードがある。通信品質の上限値としては、例えば、最大許容遅延時間、最大許容ジッター値などがある。又、ベストエフォートモードにおいて、各通信品質に保証する優先度を設定し、優先度の高い通信品質から優先して保証するようにしてもよい。又、通信品質の方法には、保証する割合(以下「保証度」という)を定め、その保証度を保証する方法もある。この方法は、保証度が100%であれば、ギャランティモードに分類され、100%未満であれば、ベストエフォートモードに分類される。
【0317】
又、通信品質の保証方法には、保証する基準で分類すると、ネットワークの状況、通信リソースの状況、通信ポリシーの達成度、到達度、無線通信装置情報、端末情報、管理サーバ情報、配信サーバ情報、中継装置情報、処理サーバ情報、通信品質、通信形態などに応じて通信品質を保証する方法がある。例えば、ネットワークのトラフィック量が閾値以上の場合には、閾値未満の通信品質しか保証せず、トラフィック量が閾値未満の場合には、閾値以上の通信品質を保証するといった方法がある。又、通信品質の保証方法に関する取り決めには、再送方法などの通信品質を保証するために行う手法に関する取り決めがある。
【0318】
通信形態に関する取り決めには、通信プロトコル、帯域、通信リソース、負荷、情報のデータ構造、情報を構成するデータの表現形式、情報を構成するデータの収納形式、セッション数、コネクション数、トンネル数、利用するネットワーク、通信形態の決定規則などに関する取り決めがある。データの収納形式に関する取り決めには、例えば、パケットへのデータの収納形式、ペイロードフォーマット、データを収納する順番、データを収納する位置に関する取り決めがある。具体的なデータの収納形式に関する取り決めとしては、重要度の高いデータからパケットの先頭に収納するといった取り決めがある。又、コネクションとは、送信側と受信側との間に設定される通信路をいう。セッションとは、送信側と受信側との間で行う通信の開始から終了までの一連の処理をいう。トンネルとは、特定のプロトコルやアドレス体系に従う情報や、特定のユーザの情報等、特定の情報だけが通信可能な通信路をいう。そのため、情報は、特定のプロトコルやアドレスでカプセル化されたり、認証処理を受けたりして、トンネル上で通信される。
【0319】
通信料金、処理料金に関する取り決めには、通信料金や処理料金の上限値などの制約条件、料金算出規則などに関する取り決めがある。又、通信料金に関する取り決めには、通信料金全額についての取り決めや、通信料金の内訳についての取り決めがある。
【0320】
通信スケジュールに関する取り決めには、情報の送信開始予定時刻や送信完了予定時刻、各通信ポリシー設定項目を適用するタイミングや時刻、通信スケジュールの決定規則などに関する取り決めがある。
【0321】
変換方法に関する取り決めには、例えば、情報を構成するデータの変換方法、変換方法の決定規則などに関する取り決めがある。データの変換方法には、変換する対象で分類すると、例えば、データ構造、フレームレート、データの表現形式、データ品質、データの収納形式を変換する方法がある。又、データの変換方法には、変換する基準で分類すると、例えば、ネットワークの状況、通信リソースの状況、通信ポリシーの達成度、無線通信装置情報、端末情報、管理サーバ情報、配信サーバ情報、中継装置情報、処理サーバ情報、通信品質、データ品質、通信形態、要求されるリアルタイム性、ネットワークの切り替えなどに応じてデータを変換する方法がある。
【0322】
具体的な変換方法には、端末装置30a,30bで再生し、出力可能なデータに変換する方法、要求されるデータ品質に変換する方法、通信速度が閾値以上の場合にはデータを変換せず、閾値未満の場合にはデータ量を減らす変換を行う方法などがある。データ量を減らす変換には、フレームレートを下げる変換や、データを圧縮する変換がある。更に、変換方法には、データ構造を、情報を再生するために最低限必要なデータが上位の階層となり、再生品質を向上するために必要なデータが下位の階層となるように変換する方法、データの収納形式を、重要度の高いデータからパケットの先頭に収納されるように変換する方法などがある。又、変換手法には、ネットワークを切り替える際に、切り替わるネットワークに適したデータに変換する方法がある。
【0323】
同期制御方法に関する取り決めには、同期のタイミング、スケジュール、同期のとり方、同期制御方法の決定規則などに関する取り決めがある。尚、同期は、提供情報間、処理情報間、提供情報と処理情報との間、端末装置間、オブジェクト単位に区切られた提供情報間などでとる。
【0324】
通信ポリシーの設定規則は、通信ポリシーを設定する際の規則である。通信ポリシーの設定規則に関する取り決めには、設定規則そのもの、設定規則の切り替え条件、設定規則の選択方法に関する取り決めがある。
【0325】
要求されるリアルタイム性に関する取り決めには、要求されるリアルタイム性そのもの、要求されるリアルタイム性の決定規則に関する取り決めがある。
【0326】
(オブジェクト単位)
オブジェクト単位とは、情報の送信側や、情報の受信側が、ある情報を送信する場合に、1つの通信ポリシーの設定を望む情報の単位である。又、提供情報、処理情報をオブジェクト単位毎にしたものを「オブジェクト」という。
【0327】
オブジェクト単位には、例えば、情報を構成するデータによって情報を区切るデータ単位がある。データ単位には、例えば、情報を構成するデータの種類によって情報を区切る類型単位、情報を構成するデータの容量によって情報を区切る容量単位がある。データの種類には、テキストデータ、静止画像データ、動画像データ、音声データ、プログラムデータなどがある。
【0328】
又、オブジェクト単位には、送信側と受信側との間のコネクション、セッション、トンネルによって情報を区切るコネクション単位、セッション単位、トンネル単位がある。更に、オブジェクト単位には、1回の呼でネットワークに接続している間を1つの単位とする呼単位がある。又、オブジェクト単位には、1つの提供情報や処理情報の送信開始から受信完了までを1つのアクセスとし、アクセスによって情報を区切るアクセス単位がある。アクセス単位には、アクセスの回数によって情報を区切るアクセス数単位、アクセスしている時間によって情報を区切るアクセス時間単位がある。
【0329】
オブジェクト単位には、時間によって情報を区切る時間単位がある。時間単位には、例えば、情報を、送信開始時刻から送信完了時刻までの間の時刻によって区切る単位、情報を送信開始から一定時間毎に区切る単位などがある。又、オブジェクト単位には、情報を、端末装置30a,30bや無線通信装置10a〜10dが存在する特定の端末装置や無線通信装置に関する位置情報や位置情報に特定の範囲(例えばセルエリアやイベント会場など)を設定した領域毎に区切る領域単位がある。オブジェクト単位には、領域に存在する端末装置30a,30bの数や無線通信装置10a〜10dの数によって情報を区切る数単位がある。更に、オブジェクト単位には、課金対象毎に情報を区切る課金対象単位がある。
【0330】
オブジェクト単位には、情報を、情報を送信する配信サーバ40a,40bのような情報送信装置毎に区切る情報送信装置単位、情報を送信する処理サーバ60毎に区切る処理サーバ単位がある。又、オブジェクト単位には、情報を、情報を中継する管理サーバ20毎に区切る管理サーバ単位、情報を中継する中継装置50毎に区切る中継装置単位がある。更に、オブジェクト単位には、提供情報や処理情報毎に情報を区切る提供情報単位、処理情報単位がある。又、オブジェクト単位には、処理サーバ60の処理部62が行う処理によって情報を区切る処理単位がある。例えば、処理単位には、処理部62が提供情報の一部を翻訳する場合に、情報を翻訳する部分と、翻訳しない部分に区切る単位がある。
【0331】
オブジェクト単位には、情報を、その情報を受信する端末装置30a,30b毎に区切る端末装置単位がある。又、オブジェクト単位には、情報をユーザ毎に区切るユーザ単位がある。例えば、ユーザ単位には、情報をユーザID毎に区切るユーザID単位がある。
【0332】
オブジェクト単位には、情報を、その情報を中継する無線通信装置10c,10dの無線通信部11c,11dのような近距離無線送信手段毎に区切る近距離無線送信手段単位がある。例えば、近距離無線送信手段単位には、情報をタグID毎に区切るタグID単位がある。又、オブジェクト単位には、情報を、その情報を中継する無線通信装置10c,10dが付けられている対象物、対象領域毎に区切る対象物単位、対象領域単位がある。対象物単位、対象領域単位には、情報をモノID毎に区切るモノID単位、領域ID毎に区切る領域ID単位がある。
【0333】
又、オブジェクト単位には、グループ毎に情報を区切るコミュニティ単位がある。コミュニティ単位には、情報を、その情報を中継する複数の無線通信装置10c,10dが形成するタググループ毎に区切るタググループ単位がある。タググループ単位には、情報をタググループID毎に区切るタググループID単位がある。又、コミュニティ単位には、情報を、その情報を受信する複数の端末装置30a,30bが形成する端末グループ毎に区切る端末グループ単位がある。端末グループ単位には、情報を端末グループID毎に区切る端末グループID単位がある。
【0334】
(通信ポリシーの設定方法)
図3、図4、図5、図7、図9に示した通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、配信サーバ40a,40bの通信部44a,44bから端末装置30a,30bの通信部34a,34b又は無線通信部31a,31bに提供情報、処理情報を送信する際の通信ポリシーを、オブジェクト単位毎に決定し、設定する。
【0335】
図1に示したように、配信サーバ40a,40bや処理サーバ60が、配信情報や処理情報を、端末装置30a,30bに、直接送信する場合と、配信サーバ40a,40bや処理サーバ60が、配信情報や処理情報を、端末装置30a,30bに、無線通信装置10c,10d、管理サーバ20又は中継装置50を介して送信する場合がある。そのため、配信サーバ40a,40bや処理サーバ60は、提供情報、処理情報の送信側となり、端末装置30a,30bは、提供情報、処理情報の受信側になる。一方、配信サーバ40a,40bや処理サーバ60と端末装置30a,30bとの間で、提供情報、処理情報を中継する無線通信装置10c,10d、管理サーバ20、中継装置50は、提供情報、処理情報の受信側となったり、送信側となったりする。
【0336】
通信ポリシーは、送信側から受信側に情報を送信する際の取り決めである。そのため、送信側と受信側との間の通信ポリシーは、送信側と受信側の組み合わせ毎に設定する。更に、通信ポリシーは、オブジェクト単位毎に決定し、設定する。
【0337】
例えば、図12(a)に示すように、1つの配信サーバ40aが中継装置50を介して、端末装置30aに1つの提供情報を送信する場合がある。提供情報は、経路2bと経路3aを通って送信される。
【0338】
この場合、通信ポリシー設定部は、送信側の配信サーバ40aと受信側の中継装置50との間の通信ポリシーと、送信側の中継装置50と受信側の端末装置30aとの間の通信ポリシーとを設定する。更に、通信ポリシー設定部は、配信サーバ40aと中継装置50との間の通信ポリシーを、オブジェクト単位毎に決定し、設定する。そして、配信サーバ40aは、提供情報をオブジェクト単位ごとに区切った3つのオブジェクトA〜Cを、配信サーバ40aと中継装置50との間の各オブジェクトA〜Cの通信ポリシーに基づいて送信する。又、通信ポリシー設定部は、中継装置50と端末装置30aとの間の通信ポリシーを、オブジェクト単位毎に決定し、設定する。そして、中継装置50は、オブジェクトA〜Cを、中継装置50と端末装置30aとの間の各オブジェクトA〜Cの通信ポリシーに基づいて送信する。端末装置30aは、1つの受信側からのオブジェクトA〜Cを受信することにより、1つの提供情報を受信する。
【0339】
又、図12(b)に示すように、複数の配信サーバ40a,40bと処理サーバ60が中継装置50を介して、端末装置30aに1つの提供情報を送信する場合がある。提供情報は、経路2a〜2cと経路3aを通って送信される。
【0340】
この場合、通信ポリシー設定部は、送信側の配信サーバ40a,40bや処理サーバ60と受信側の中継装置50との間の通信ポリシーと、送信側の中継装置50と受信側の端末装置30aとの間の通信ポリシーとを設定する。更に、通信ポリシー設定部は、配信サーバ40a,40bや処理サーバ60と、中継装置50との間の通信ポリシーを、オブジェクト単位毎に決定し、設定する。そして、配信サーバ40a,40bや処理サーバ60は、提供情報をオブジェクト単位ごとに区切った3つのオブジェクトA〜Cを、配信サーバ40a,40bや処理サーバ60と中継装置50との間の各オブジェクトA〜Cの通信ポリシーに基づいて送信する。又、通信ポリシー設定部は、中継装置50と端末装置30aとの間の通信ポリシーを、オブジェクト単位毎に決定し、設定する。そして、中継装置50は、オブジェクトA〜Cを、中継装置50と端末装置30aとの間の各オブジェクトA〜Cの通信ポリシーに基づいて送信する。端末装置30aは、複数の受信側からのオブジェクトA〜Cを受信することにより、提供情報全体を受信する。
【0341】
次に、具体的な通信ポリシーの設定方法について説明する。
【0342】
1.オブジェクト単位の決定
まず、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、特定結果を取得する。通信ポリシー設定部16,26,36,46はそれぞれ、提供情報特定部15,25,35,45aから、直接特定結果を取得する。又、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、無線通信部11d,31a、通信部14d,24,34a,44a,54を介して、通信ポリシー設定情報として特定結果を取得する。
【0343】
次に、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、特定した提供情報、処理情報を区切るオブジェクト単位を決定する。又、通信ポリシーの設定を提供情報、処理情報の特定よりも前に行う場合には、まず、提供情報、処理情報を区切るオブジェクト単位を決定する。
【0344】
提供情報、処理情報を区切るオブジェクト単位は、提供情報、処理情報毎に定めておくことができる。例えば、提供情報が図13に示す動画像データのストリーミング映像8aと、テキストデータの説明文8bと、静止画像データの写真8cと、動画像データのストリーミング映像8dから構成されるホームページ8の場合には、オブジェクト単位として類型単位を定めておくことができる。提供情報、処理情報毎に定められたオブジェクト単位は、例えば、提供情報データベース42や処理データベース61が記憶する。通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、特定結果に含まれるコンテンツIDやサービスIDに基づいて、提供情報データベース42や処理データベース61から、特定した提供情報、処理情報に対応するオブジェクト単位を取得して、決定する。この場合、オブジェクト単位は、配信サーバ40a、40bや処理サーバ60のような送信側が1つの通信ポリシーの設定を望む情報の単位となる。
【0345】
又、提供情報、処理情報を区切るオブジェクト単位は、オブジェクト単位を決定するオブジェクト単位の決定規則に従って、決定するようにしてもよい。例えば、オブジェクト単位の決定規則には、提供情報に関する情報、処理に関する情報、測定情報、位置情報、時間情報、配信サーバ40a,40bの通信部44a,44bと端末装置30a,30bの通信部34a,34bとの間のネットワークの状況、配信サーバ40a,40bの通信部44a,44bと端末装置30a,30bの通信部34a,34bとの間の通信リソースの状況、配信サーバ情報、端末情報、無線通信装置情報、管理サーバ情報、中継装置情報、処理サーバ情報、端末装置30a,30bと無線通信装置との関係、通信ポリシーの達成度、通信料金、処理料金、要求されるリアルタイム性に応じて、オブジェクト単位を決定する規則がある。例えば、オブジェクト単位の決定規則には、同時期に並行して送信する複数の提供情報に応じて、オブジェクト単位を決定する規則がある。
【0346】
オブジェクト単位の決定規則は、例えば、通信ポリシーデータベース16a,26a,36a,46a,56aが記憶する。そして、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56が、オブジェクト単位の決定規則に基づいて、用いるオブジェクト単位を決定する。この場合、オブジェクト単位は、オブジェクト単位の決定規則を定めた方が望む情報の単位となる。よって、オブジェクト単位の決定規則を配信サーバ40a、40b、無線通信装置10d、管理サーバ20、中継装置50のような送信側が定めた場合には、オブジェクト単位は送信側が1つの通信ポリシーの設定を望む情報の単位となり、オブジェクト単位の決定規則を端末装置30a,30b、無線通信装置10d、管理サーバ20、中継装置50のような受信側が定めた場合には、受信側が1つの通信ポリシーの設定を望む情報の単位となる。
【0347】
又、端末装置30a,30b、無線通信装置10d、管理サーバ20、配信サーバ40a,40b、中継装置50、処理サーバ60が希望するオブジェクト単位を用いてもよい。この場合、図5、図6に示した入力部38aが希望するオブジェクト単位を入力してもよく、ユーザ情報データベース13,23,43,53,63、無線通信装置記憶部19c、管理サーバ情報記憶部29c、ユーザ情報記憶部33、配信サーバ情報記憶部49c,49e、中継装置情報記憶部59c、処理サーバ情報記憶部69cが、希望するオブジェクト単位を記憶しておいてもよい。又、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56や、通知部38,45c,65が、用いるオブジェクト単位を希望してもよい。この場合、オブジェクト単位は、配信サーバ40a、40b、処理サーバ60、無線通信装置10d、管理サーバ20、中継装置50のような送信側や、端末装置30a,30b、無線通信装置10d、管理サーバ20、中継装置50のような受信側が1つの通信ポリシーの設定を望む情報の単位となる。
【0348】
通信ポリシー設定情報には、このようなオブジェクト単位を決定する際に用いる情報や、決定したオブジェクト単位がある。
【0349】
2.通信ポリシーの設定
次に、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、通信ポリシーを、オブジェクト単位毎に設定する。
【0350】
通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、特定した提供情報、処理情報、測定情報、位置情報、時間情報、配信サーバ40a,40bの通信部44a,44bと端末装置30a,30bとの間のネットワークの状況、配信サーバ40a,40bの通信部44a,44bと端末装置30a,30bとの間の通信リソースの状況、処理サーバ60の通信部64と端末装置30a,30bとの間のネットワークの状況、処理サーバ60の通信部64と端末装置30a,30bとの間の通信リソースの状況、配信サーバ情報、端末情報、無線通信装置情報、管理サーバ情報、中継装置情報、処理サーバ情報、端末装置30a,30bの通信部34a,34b又は無線通信部31a,31bと、無線通信装置10a〜10dの無線通信部11a〜11dとの関係、通信ポリシーの達成度、通信料金、処理料金、要求されるリアルタイム性の少なくとも1つに基づいて、通信ポリシーを決定し、設定する。
【0351】
通信ポリシー設定情報には、通信ポリシーの設定に用いる情報がある。通信ポリシーの設定に用いる情報には、これらの特定した提供情報や処理情報に関する情報、測定情報、位置情報、時間情報、配信サーバ40a,40bの通信部44a,44bと端末装置30a,30bとの間のネットワークの状況、配信サーバ40a,40bの通信部44a,44bと端末装置30a,30bとの間の通信リソースの状況、処理サーバ60の通信部64と端末装置30a,30bとの間のネットワークの状況、処理サーバ60の通信部64と端末装置30a,30bとの間の通信リソースの状況、配信サーバ情報、端末情報、無線通信装置情報、管理サーバ情報、中継装置情報、処理サーバ情報、端末装置30a,30bの通信部34a,34b又は無線通信部31a,31bと、無線通信装置10a〜10dの無線通信部11a〜11dとの関係、通信ポリシーの達成度、通信料金、処理料金、要求されるリアルタイム性などがある。
【0352】
通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、無線通信装置10d、管理サーバ20、端末装置30a、配信サーバ40a、中継装置50が受信、監視、記憶、測定、入力などにより把握している通信ポリシーの設定に用いる情報に基づいて、通信ポリシーを決定し、設定できる。又、無線通信装置10d、管理サーバ20、端末装置30a,30b、配信サーバ40a,40b、中継装置50、処理サーバ60は、監視、受信、記憶、測定、入力などにより把握している通信ポリシーの設定に用いる情報を、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56、通知部38、55,65を用いて、通信ポリシー設定情報として相互に通知しあうことができる。そして、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、無線通信装置10d、管理サーバ20、端末装置30a、配信サーバ40aが把握している通信ポリシーの設定に用いる情報と、通知された通信ポリシー設定情報を用いて、通信ポリシーを決定し、設定する。
【0353】
更に、通知部38、55,65は、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56に対して、通信ポリシーの設定を要求できる。そのため、通信ポリシー設定情報には、通信ポリシーの設定の要求もある。尚、通知部38、55,65は、通信ポリシーの設定の要求に、通信ポリシーの設定に用いる情報を含めてもよい。
【0354】
又、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、通知部38、55,65や、他の通信ポリシー設定部16,26,36,46,56に、通信ポリシーの設定に用いる情報を要求できる。要求を受けた通知部38、55,65や他の通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、要求に対する応答として、通信ポリシーの設定に用いる情報を返す。そのため、通信ポリシー設定情報には、このような要求、応答などの通信ポリシーの設定に用いる情報をやりとりするための情報もある。尚、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56、通知部38、55,65は、このようなやりとりを複数回繰り返してもよい。又、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、通知部38、55,65から、通信ポリシーの設定の要求を受けた際に、通信ポリシーの設定に用いる情報を要求してもよい。
【0355】
通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、これらの通信ポリシーの設定に用いる情報と、通信ポリシーの設定規則や通信ポリシーの設定条件、決定したオブジェクト単位などに基づいて、オブジェクト単位毎に通信ポリシーを設定する。
【0356】
通信ポリシーの設定条件は、どのように通信ポリシーを決定し、設定するかを定めた条件である。通信ポリシーの設定条件には、優先する通信ポリシー設定項目、優先する通信ポリシーの設定に用いる情報を定めた条件がある。例えば、通信ポリシーの設定条件には、送信完了時刻を優先して通信ポリシーを決定し、設定する、通信速度を優先して通信ポリシーを決定し、設定する、通信料金が希望する上限額以下になることを優先して通信ポリシーを決定し、設定する、提供情報を再生する際のデータ品質を優先して通信ポリシーを決定し、設定するといった条件がある。又、各通信ポリシー設定項目、各通信ポリシーの設定に用いる情報に優先度を設定した条件がある。例えば、通信ポリシー設定項目のうち、維持しなければならない項目ほど、高い優先度を設定する。
【0357】
通信ポリシーの設定条件は、通信ポリシーの設定に用いる情報と対応付けて、定められる。通信ポリシーの設定条件は、オブジェクト単位毎に定めてもよい。例えば、使用通信リソース量に応じて、通信ポリシーの設定条件を定める。通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、通信ポリシーの設定に用いる情報に基づいて、合致する設定条件を選択する。
【0358】
通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、選択した通信ポリシーの設定条件に基づいて、通信ポリシーを決定し、設定する。例えば、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、優先度が高い通信ポリシー設定項目を優先して、通信ポリシーを設定する。例えば、通信品質の優先度が最も高く、次に送信開始時刻の優先度が高く、通信料金の優先度が最も低い場合には、送信開始時刻については多少遅くなってもよく、通信料金は非常に高くなってもよいため、通信品質だけは高くできるように通信ポリシーを設定する。
【0359】
具体的には、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、選択した通信ポリシーの設定条件に基づいて、通信ポリシーの設定規則を選択する。即ち、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、設定条件で優先すると定められた通信ポリシー設定項目、通信ポリシーの設定に用いる情報を優先できる設定規則を選択する。例えば、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、設定規則によって設定される通信ポリシーの設定項目が、優先度の高い通信ポリシー設定項目と一致する設定規則や、優先度の高い通信ポリシー設定項目が高く設定できる設定規則を選択する。そして、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、選択した通信ポリシーの設定規則に基づいて、通信ポリシーを設定する。
【0360】
尚、通信ポリシーの設定条件は、予め定めておき、通信ポリシーデータベース16a,26a,36a,46a,56aが記憶する。又、設定条件制御部46b,56bが、通信ポリシーの設定条件を制御してもよい。設定条件制御部46b,56bは、監視情報に基づいて通信ポリシーの設定条件を制御する。このように、通信システム1、配信サーバ40a、中継装置50は、設定条件制御部46b,56bを備えることにより、通信ポリシーの設定条件を制御できる。又、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56が、設定条件に基づいて通信ポリシーを決定し、設定することにより、様々な設定条件に基づいた通信ポリシーの設定ができる。
【0361】
通信ポリシーの設定規則には、提供情報、処理情報毎に定められた提供情報、処理情報の送信に推奨する通信ポリシーを設定するという規則がある。通信ポリシー設定部46は、特定した提供情報、処理情報のコンテンツID、サービスIDに基づいて、提供情報データベース42、処理データベース61から特定した提供情報、処理情報の推奨通信ポリシーを取得して、通信ポリシーを設定する。通信ポリシー設定部16,26,36,56は、配信サーバ40a,40bや処理サーバ60に、コンテンツIDやサービスIDを指定して推奨通信ポリシーを要求する。そして、通信ポリシー設定部16,26,36,56は、配信サーバ40a,40bや処理サーバ60から、通信ポリシー設定情報として推奨通信ポリシーを取得し、通信ポリシーを設定する。例えば、通信ポリシー設定項目が通信プロトコルの場合、提供情報、処理情報毎の推奨通信ポリシーとして、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)、RTP(Real−time Transport Protocol)、トンネリングプロトコル、TCP(Transmission Control Protocol)、UDP(User Datagram Protocol)を定めることができる。
【0362】
又、通信ポリシーの設定規則には、過去に設定した通信ポリシーを設定するという規則がある。通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、通信ポリシーデータベース16a,26a,36a,46a,56aから、過去の通信ポリシー設定項目と、その設定内容を取得し、通信ポリシーを設定する。例えば、通信ポリシーデータベース16a,26a,36a,46a,56aが、これまでに設定した通信ポリシーの履歴に関する情報として、過去の通信ポリシー設定項目と、その設定内容、その通信ポリシーの達成度とを対応付けて記憶する。そして、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、通信ポリシーデータベース16a,26a,36a,46a,56aから、通信ポリシーの達成度が良好な通信ポリシーの設定項目と設定内容を取得し、通信ポリシーとして設定する。
【0363】
更に、通信ポリシーの設定規則には、通信ポリシーの適用条件と、その適用条件毎に定められた通信ポリシーを設定するという規則がある。適用条件は、通信ポリシーの設定に用いる情報をパラメータとして定める。例えば、適用条件は、通信リソース、通信ポリシーの達成度、端末装置30a,30bの位置や移動速度、要求されるリアルタイム性、端末装置30a,30bが要求するデータ品質や通信品質、通信料金などをパラメータとして定める。又、適用条件は、オブジェクト単位毎に定めてもよい。通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、通信ポリシーの設定に用いる情報に基づいて、その情報と合致する通信ポリシーの適用条件を選択する。そして、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、選択した適用条件を満たす場合に適用する通信ポリシーを設定する。
【0364】
例えば、通信ポリシー設定項目が要求されるリアルタイム性である場合、送信開始時刻、送信完了時刻、送信開始から完了までの送信所要時間、許容遅延時間、移動速度をパラメータとする複数の適用条件と、各適用条件を満たす場合に適用する要求されるリアルタイム性を定めた設定規則がある。設定規則は、送信完了予定時刻が早いほど、送信開始から完了までの送信所要時間や許容遅延時間が短いほど、移動速度が大きいほど、現在の送信完了予定時刻が現在時刻に近いほど、通信速度が大きいほど、許容ジッターが小さいほど、課金単価が高いほど、未送信のデータ容量が大きいほど、要求されるリアルタイム性が高くなるように定められる。
【0365】
又、通信ポリシー設定項目が通信品質やデータ品質である場合、データの種類や位置情報をパラメータとする複数の適用条件と、各適用条件を満たす場合に適用する通信品質やデータ品質を定めた設定規則がある。例えば、建物内にいる場合と屋外にいる場合、イベント会場内とその外にいる場合で、適用するデータ品質や通信品質を変えた設定規則を定めることができる。具体的には、建物内では通信状況が屋外に比べて良好でないため、データ品質を屋外よりも低く設定する。又、イベント会場内では、多くの端末装置30a,30bに同時に提供情報を送信するため、各端末装置30a,30に提供情報を送信できるように個々のデータ品質をイベント会場外よりも低く設定する。
【0366】
又、通信ポリシー設定項目が帯域である場合、端末装置30a,30bの移動速度をパラメータとする複数の適用条件と、各適用条件を満たす場合に適用する帯域を定めた設定規則がある。例えば、提供情報が無線通信装置10a〜10dの位置情報に基づく情報の場合、端末装置30a,30bが無線通信装置10a〜10dから離れてしまうと、その提供情報の必要性は低くなる。そのため、移動速度が大きいほど、大きい帯域となるように設定規則を定めることができる。又、提供情報を送信したり、処理を実行したりする時間をパラメータとする複数の適用条件と、各適用条件を満たす場合に適用する通信ポリシーを定めた設定規則としてもよい。
【0367】
以下に、通信ポリシー設定項目が通信速度である場合の3つの具体例を示す。図14に示す通信ポリシーの設定規則は、輻輳状況、通信リソースの使用状況、通信ポリシーの達成度、端末装置30a,30bの存在する緯度、経度をパラメータとする適用条件1と、その適用条件1を満たす場合に適用する通信ポリシー1として通信速度を定めたものである。通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、通信ポリシーの設定に用いる情報として、輻輳状況、通信リソースの使用状況、通信ポリシーの達成度、緯度、経度を取得する。通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、取得した情報と適用条件1とを比較し、合致するか判断する。
【0368】
通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、取得した輻輳状況がa1以上a2未満、取得した通信リソースの状況がb1以上b2未満、通信ポリシーの達成度がc1以上c2未満、緯度がd1以上d2未満、経度がe1以上e2未満の場合には、取得した情報と適用条件1とが合致するため、この適用条件1を選択する。そして、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、選択した適用条件1を満たす場合に適用する通信ポリシー1として定められた28.8kbps以上64kbps未満という通信速度を、通信ポリシーとして設定する。一方、取得した情報と適用条件1とが合致しない場合には、適用条件1を満たす場合に適用する通信ポリシー1として定められた通信ポリシーを、設定することはできない。
【0369】
又、図15に示す通信ポリシーの設定規則は、ネットワークのトラヒックをパラメータとする適用条件2、3と、その適用条件2、3を満たす場合に適用する通信ポリシー2、3として、通信速度の決定規則と、通信速度を定めたものである。図15では、トラヒックをネットワークの使用率で表す。通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、通信ポリシーの設定に用いる情報として、ネットワークのトラヒックを取得する。通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、取得したネットワークのトラヒックに基づいて、合致する通信ポリシーの適用条件を選択する。
【0370】
通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、取得したネットワークのトラヒックが10%以上40%未満の場合には、適用条件2と合致するため、適用条件2を選択する。そして、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、適用条件2を満たす場合に適用する通信ポリシー2として定められた通信速度の決定規則を通信ポリシーとして設定する。通信速度の決定規則は、リアルタイムタイム性がf1以上f2未満、通信ポリシーの達成度がg1以上g2未満、緯度がh1以上h2未満、経度がi1以上i2未満、輻輳状況がj1以上j2未満、通信リソースの使用状況がk1以上k2未満の場合には、通信速度を28.8kbps以上64kbps未満の範囲内で決定するという規則である。
【0371】
又、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、取得したネットワークのトラヒックが50%以上60%未満の場合には、適用条件3と合致するため、適用条件3を選択する。そして、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、適用条件3を満たす場合に適用する通信ポリシー3として定められた通信速度100kbpsを通信ポリシーとして設定する。
【0372】
又、図16に示す通信ポリシーの設定規則は、輻輳状況、通信リソース使用料、要求されるリアルタイム性、通信ポリシーの達成度、端末装置30a,30bの存在する緯度、経度、端末装置30a,30bが進行する方位、端末装置30a,30bの移動速度をパラメータとする適用条件4〜6と、その適用条件を満たす場合に適用する通信ポリシー4〜6として、通信速度の決定規則と、通信速度を定めたものである。図16では、輻輳状況を、最も輻輳度が高いときを100として表す。又、要求されるリアルタイム性を、最も要求されるリアルタイム性が高い場合を100として表す。又、通信ポリシーの達成度を、完全に達成できた場合を100として表す。
【0373】
通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、通信ポリシーの設定に用いる情報として、輻輳状況、通信リソース使用料、要求されるリアルタイム性、通信ポリシーの達成度、端末装置30a,30bの存在する緯度、経度、端末装置30a,30bが進行する方位、端末装置30a,30bの移動速度を取得する。通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、取得した輻輳状況、通信リソース使用料金、要求されるリアルタイム性、通信ポリシーの達成度、緯度、経度、方位、移動速度に基づいて、合致する通信ポリシーの適用条件を選択する。尚、通信リソース使用料金とは、通信リソースの使用にかかる料金である。
【0374】
通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、取得した輻輳状況が50未満、通信リソース使用料金が2円/バイト以上4円/バイト未満で、要求されるリアルタイム性が10以上40未満、通信ポリシーの達成度が50以上、緯度が102度以上110度未満、経度が210度以上214度未満、方位が北緯10度以上15度未満、移動速度が10m/秒以下の場合には、適用条件4と合致するため、適用条件4を選択する。そして、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、適用条件4を満たす場合に適用する通信ポリシー4として定められた通信速度200kbps以上384kbps未満を通信ポリシーとして設定する。
【0375】
又、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、取得した輻輳状況が50以上70未満、通信リソース使用料金が2円/バイト未満で、要求されるリアルタイム性が10以上40未満、通信ポリシーの達成度が50以上、緯度が102度以上110度未満、経度が210度以上214度未満、方位が北緯10度以上15度未満、移動速度が10m/秒以下の場合には、適用条件5と合致するため、適用条件5を選択する。そして、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、適用条件5を満たす場合に適用する通信ポリシー5として定められた通信速度100kbps以上200kbps未満を通信ポリシーとして設定する。
【0376】
又、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、取得した輻輳状況、通信リソース使用量、要求されるリアルタイム性、通信ポリシーの達成度、緯度、経度、方位、移動速度が、適用条件4、5のいずれとも合致しない場合には、適用条件6を選択する。そして、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、適用条件6を満たす場合に適用する通信ポリシー6として定められた通信速度64kbps以下を通信ポリシーとして設定する。尚、初回は通信ポリシーの達成度はないため、通信ポリシーの達成度は考慮せずに適用条件を選択する。
【0377】
このように、通信ポリシーの適用条件を定めて通信ポリシーを設定することにより、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、適用条件を満たせない場合には、その通信ポリシーを設定することはできない。よって、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、通信ポリシーの適用を制限することができる。
【0378】
又、通信ポリシーの設定規則には、設定する通信ポリシーを求める通信ポリシー算出規則により求められる通信ポリシーを設定するという規則がある。通信ポリシー算出規則は、通信ポリシーの設定に用いる情報をパラメータとして定める。又、通信ポリシー算出規則は、オブジェクト単位毎に定めてもよい。例えば、通信ポリシー算出規則には、特定した提供情報が特定の領域内でのみ送信する情報である場合に、提供情報のデータ容量やデータ品質などの提供情報に関する情報、端末装置30a,30bの現在位置、移動速度、ネットワークのトラヒック、通信リソースの状況に基づいて、端末装置30a、30bが特定の領域内に存在する間に、提供情報の送信を開始し、完了する通信スケジュールを求める規則がある。同様に、通信ポリシー算出規則には、無線通信装置10dが提供情報を中継して端末装置30a,30bに送信する場合に、提供情報のデータ容量やデータ品質などの提供情報に関する情報、端末装置30a,30bと無線通信装置10dとの相対速度、ネットワークのトラヒック、通信リソースの状況に基づいて、端末装置30a、30bが無線通信装置10dと通信可能な間に、提供情報の送信を開始し、完了する通信スケジュールを求める規則がある。
【0379】
又、通信ポリシー算出規則には、例えば、設定する通信ポリシーを求める関数(以下「通信ポリシー設定関数」という)がある。例えば、通信ポリシーの設定項目が要求されるリアルタイム性の場合の通信ポリシー設定関数には、以下に示す(1)式がある。
【0380】
要求されるリアルタイム性={X(1)×P1×未送信データ量/(送信開始予定時刻―現在時刻)}+{X(2)×P2×未送信データ量/現在の送信完了予定時刻}+{X(3)×P3×未送信データ量/送信完了までの所要予定時間}+{X(4)×P4×未送信データ量/通信速度}+{X(5)×P5×未送信データ量/許容遅延時間}+{X(6)×P6×未送信データ量/許容ジッター}+{X(7)×P7×未送信データ量/課金単価}・・・(1)式
尚、(1)式において、{X(1)×P1×未送信データ量/(送信開始予定時刻―現在時刻)}の分母は、(送信完了予定時刻の初期値―現在時刻)であってもよい。又、係数P1〜P7は、各項目に与える未送信データ量の影響度である。X(1)〜X(7)は、要求されるリアルタイム性を評価する際の各項目に対する重み付けであり、各項目の係数である。X(1)〜X(7)は、(2)式に示す関数g{a,b,c,d,e,f}により求められる。
【0381】
X(m)=g{am(通信ポリシーの達成度)、bm(端末装置の移動速度)、cm(端末装置の位置情報)、dm(通信リソースの状況)、em(ネットワークのトラヒックの状況)、fm(課金総額)}・・・(2)式
尚(2)式において、m=1〜7である。am,bm,cm,dm,em,fmは、各項目の影響度である。又、(2)式は、通信ポリシーの設定項目が通信速度の場合の通信ポリシー設定関数としても用いることができる。
【0382】
(1)式に示す要求されるリアルタイム性の中の、X(1)×P1×未送信データ量/(送信完了予定時刻―現在時刻)の示す意味について説明する。分母にくる項目は、その項目が大きくなるにしたがって、要求されるリアルタイム性が小さくなるような項目とし、分子に記載している項目は、その項目値が大きくなるにしたがって、要求されるリアルタイム性が大きくなる項目とする。したがって、未送信データ量が多いほど、要求されるリアルタイム性は大きくなる。
【0383】
例えば、要求されるリアルタイム性を提供すべき通信帯域で判定する場合について説明する。オブジェクト単位に送信完了時刻を設定した場合、送信完了予定時刻が現在時刻との差分が大きいほど、要求されるリアルタイム性(データの着信を求める緊急度)は小さいと考える。差分が大きいということは、それだけ送信に費やすことのできる時間が多いため、データの送信のために必要とする通信帯域はそれだけ小さくて済む。また、オブジェクトのデータサイズが大きいほど、決められた時間までに送信しなければならないデータ量が多いことになるため、それだけ要求される通信帯域が大きくなる。したがって、オブジェクトのデータサイズが大きいほど要求されるリアルタイム性は大きくなる。この場合、要求されるリアルタイム性は、オブジェクトデータの送信時に要求される通信帯域によってあらわすことができ、しかも要求される通信帯域は、オブジェクトの未送信データ量/(送信完了時刻―現在時刻)により算出される。
【0384】
したがって、送信処理がネットワークの輻輳や通信リソースの使用状況、負荷状況が悪化して、オブジェクトの送信処理が予定通り(配信スケジュール通り)に進まなくなった場合、未送信データが予定以上に多く残り、送信処理を完了させなければならない送信完了予定時刻と現在時刻の差分がさらに小さくなってくることになるため、オブジェクトの未送信データの送信処理に対して要求されるリアルタイム性はなおいっそう高くなる。
【0385】
このような場合、要求されるリアルタイム性が次第に高くなってくるため、送信完了予定時刻を優先して守るという通信ポリシーを採用している場合、要求される通信帯域を割り当ててもらえる通信サービスでそのサービスの利用にあたっての通信リソースに空きがあれば、同送信サービスに段階的に切り替えて、通信料金が高くなるけれど要求されるルあるタイム性に応じた通信帯域を割り当てることにより、送信完了予定時刻を死守するような制御を行う。同送信サービスに通信リソースの空きがない場合は、さらに高額でサービス利用にあたっての通信リソースに空きがある送信処理サービスを策定することになる。
【0386】
通信ポリシーに通信料金に関する制約ルールとして、1パケットあたりの送信単価の上限を設けている場合、上限の送信単価にて利用できる通信帯域が、要求されるリアルタイム性を満足することのできる通信帯域を割り当てることができないため、このような場合、送信完了予定時刻を変更するか、送信オブジェクトのデータのデータ品質を制御して未送信データ量を低減して当初の送信完了予定時刻にオブジェクトの送信処理が完了するような配信(送信)制御を行う。このような対処法も通信ポリシーとして設定しておくことになるが、動的に対処法を通信ポリシーに加えてもよい。
【0387】
また、送信単価等の通信費を考慮しない場合は、通信費の上限という制約はなくなるが、要求されるリアルタイム性に相応の通信帯域を割り当てることのできる送信システムの空き状況を判定して、割り当てる通信帯域を制御する。
【0388】
ユーザの指示する配信期限、配信期間、配信開始等の要求に応じて通信ポリシーを設定し、同通信ポリシーに応じて、上記観測情報(ユーザ端末の位置情報、タグ(無線通信装置)の位置情報、通信ポリシー達成度、ネットワークの輻輳(トラヒック)状況、通信リソースの使用状況、送信データの要求されるリアルタイム性、時刻、ユーザ状態)を考慮して、配信(送信)制御を行う。
【0389】
ネットワーク監視者の判断に基づいて、ネットワークトラヒック、通信リソースの使用状況、ネットワーク/通信設備の負荷を負荷分散するような配信(送信)制御を通信ポリシーにしたがって、送信データの要求されるリアルタイム性を考慮の上実施する。
【0390】
また、ユーザの位置、通話中、会議中、移動中、あるエリア内にいる、あるタグの交信エリア内、移動機の交信エリア圏内、等のユーザの状態に応じた通信ポリシーを設定しておき、ユーザ状態に応じて、適宜適用する通信ポリシーを選択し、アクセス/提供するサービス内容、サービス品質、コンテンツを決定し、選択した通信ポリシーにしたがって配信(送信)制御する。ユーザの状態に応じて、例えば配信を停止し、ユーザの状態が変化したら送信を開始するといった通信ポリシーを設定し、データの要求されるリアルタイム性を考慮して、通信ポリシーを適用して送信制御を行う。
【0391】
配信予約に対して、ネットワークから取得可能なコンテンツを、ユーザ状態(通話中、待ち受け中、位置、同時アクセスしているコンテンツの数、移動機の通信リソースの使用状況、パケット通信により送受信している単位時間あたりのデータ量等)に応じて、サービス内容、サービス品質を決定して、通信ポリシーにしたがって送信制御する。
【0392】
通話中である場合は、通話が終了した後にデータを配信するもの、通話中に同時的に配信するコンテンツ等を予め通信ポリシーに登録して送信制御を行う。ユーザ端末の位置に応じて、配信するコンテンツ、適用する通信ポリシー、通信ポリシーの適用制限、サービス品質制限、送信するデータの要求されるリアルタイム性等を考慮して制御する。
【0393】
また、通信ポリシーとして、ネットワーク(通信路)設備、通信リソース、の閑散な使用状況を狙い撃ちした利用を指定した通信ポリシーを予約設定することにより、ネットワークリソース、通信リソースの有効利用を実現することができる。
【0394】
ユーザからの非リアルタイムコンテンツの配信要求に対しても、通信ポリシーを設定することにより、効果的な配信を実現することができる。特に、ユーザが配信要求する非リアルタイムコンテンツの要求されるリアルタイム性を考慮した配信制御を行うことにより、ユーザにストレスを感じさせることなく、ネットワークリソース、設備を効率的に使用したコンテンツの配信制御ができる。
【0395】
通信ポリシーのポリシー設定項目として、いつでもよいとか(送信完了期限を指定しない)、送信完了期限、配信期間等を、ネットワークの閑散時間帯を優先するように(ネットワークトラヒック量がある値以下のとき)、統計的トラヒックデータと指定された配信時期(配信開始完了、配送期間の要求/要望)にしたがって、ネットワークのトラヒック状況と通信リソースの使用状況、と配信データの要求されるリアルタイム性(配信完了期限を設定時に考慮する必要が発生する)を考慮して配信(送信)制御を行う。
【0396】
リアルタイム性を要求する度合いに応じて、通信リソースを割り当て、QoSを保証することでサービスを展開することになるが、まったくリアルタイム性が要求されない非リアルタイム性コンテンツについては、他のユーザが使用時に提供される通信品質、コンテンツ品質に制限を加えないように、遊休の通信リソースを優先して割り当てを行う。他のユーザからのリソースの予約要求が発生して、通信リソースが枯渇してくると、非リアルタイム性コンテンツは、通信リソースを一時解放して、リアルタイム性コンテンツ(データ)に、同コンテンツ(データ)の要求されるリアルタイム性に応じて通信リソースを提供する。通信リソースに空きができたときにのみ、通信リソースを割り当てて、コンテンツの送信を行うといった通信ポリシーが有効である。
【0397】
また、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、端末装置30a,30bの位置、情報ほしさの緊急度、要求するサービス品質、通話中、会議中、休憩中、食事中、デスクワーク中、移動中、移動速度、あるエリア(建物、店舗、会場、スタジアム、ある特別に定めた領域等)内にいる、あるタグの交信エリア内、移動機の交信エリア圏内、端末装置の処理負荷状況/リソースの空き状況の等のユーザの状態に応じて、また、無線通信装置の 位置、情報ほしさの緊急度、要求するサービス品質、交信可能エリア内のユーザの数、情報提供ユーザ数、発生している送信トラヒック状況、処理負荷状況等の状態に応じて、コンテンツのコンテンツ内容(サービス内容)、データ品質(サービス品質)、コンテンツの送信時に適用する通信品質を、ネットワークのトラヒック状況(輻輳状況)、通信リソースの使用状況、配信データの要求されるリアルタイム性、通信ポリシー達成状況、等を考慮して決定する。
【0398】
又、通信ポリシーの設定規則には、オブジェクトの階級を決定し、その階級に応じた通信ポリシーを設定するという規則がある。階級は、通信ポリシーの設定に用いる情報に基づいて定めることができる。階級毎に設定可能な通信ポリシー設定項目とその設定内容を、階級別通信ポリシーとして予め定めておく。そして、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、通信ポリシーの設定に用いる情報に基づいて、階級を決定する。通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、決定した階級以下の階級別通信ポリシーを、通信ポリシーとして設定する。
【0399】
更に、通信ポリシーの設定規則には、適用可能な通信ポリシーを制限する制限条件に従って、通信ポリシーを設定するという規則がある。制限条件は、通信ポリシーの設定に用いる情報をパラメータとして定めることができる。例えば、制限条件は、端末装置30a,30bや無線通信装置10a〜10dの位置や存在する領域などの位置情報、時間情報、監視情報、タググループIDや端末グループIDなどの無線通信装置情報や端末情報などをパラメータとして定める。例えば、端末装置30a,30bの存在する領域に応じて、適用可能な通信ポリシーを制限する制限条件を定める。又、制限条件は、オブジェクト単位毎に定めることができる。更に、制限条件は、適用可能な通信ポリシーを直接制限する条件だけでなく、通信ポリシーの設定に用いる適用条件や通信ポリシー算出規則の使用を制限する条件を定めてもよい。又、制限条件は、その制限する程度についても定めてもよい。
【0400】
通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、通信ポリシーの設定に用いる情報や決定したオブジェクト単位に基づいて、該当する制限条件の有無を判断する。そして、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、該当する制限条件がある場合には、その制限条件を満たすように通信ポリシーを設定する。このように、通信ポリシーの制限条件を定めて通信ポリシーを設定することにより、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、通信ポリシーの適用を制限することができる。
【0401】
又、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、これらの通信ポリシーの設定規則を複数組み合わせて、通信ポリシーを設定してもよい。特に、推奨通信ポリシー、過去に設定した通信ポリシー、通信ポリシーの適用条件、通信ポリシー算出規則、階級別通信ポリシーと、通信ポリシー制限条件とを組み合わせることが好ましい。例えば、通信ポリシー算出規則と通信ポリシー制限条件とを組み合わせた場合、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、通信ポリシー算出規則に、通信ポリシー制限条件と、端末装置30a,30bが希望するデータ品質や変換方法、通信料金と、無線通信装置情報と、測定情報と、監視情報と、時間情報とを代入して、設定する通信ポリシーを求める。
【0402】
この場合、例えば、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、希望するデータ品質として、複数のオブジェクトから構成される提供情報を再生する際の提供情報の表示サイズ、表示開始時刻、表示時間やその許容遅延時間、フレームレート、解像度、複数の提供情報を連続して表示する場合の表示順序、複数の提供情報を同時に表示する場合の配列、同期のタイミングやそのずれの許容値などを代入する。
【0403】
通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、希望する変換方法として、データの圧縮方法、データ品質の変換方法を代入する。通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、希望する通信料金として、支払ってもよいと考える料金の上限値、料金算出規則を代入する。通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、無線通信装置情報として、無線通信装置10a〜10dの位置情報、測定情報としてある領域に存在する無線通信装置10a〜10dや端末装置30a,30bの数、無線通信装置10a〜10dや端末装置30a,30bの移動速度、監視情報として、ある領域における現在のトラヒック量や使用通信リソース量、現在又は過去のネットワーク全体のトラヒック量や使用通信リソース量、通信ポリシー達成度、誤り率、再送率、パケット破棄率、時間情報として処理の利用時間を代入する。
【0404】
尚、通信ポリシーの設定規則は、予め定めておき、通信ポリシーデータベース16a,26a,36a,46a,56aが記憶する。又、設定条件制御部46b,56bが、通信ポリシーの設定規則を制御してもよい。設定条件制御部46b,56bは、監視情報に基づいて通信ポリシーの設定規則を制御する。
【0405】
次に、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、設定した通信ポリシーを実行できるか否かを判断する。通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、通信ポリシーの設定に用いる情報に基づいて判断する。例えば、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、現在の通信リソースの状況に基づいて、設定した通信ポリシーを実行するために必要な通信リソースを確保できるか否かを判断する。そして、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、必要な通信リソースを確保できない場合には、設定した通信ポリシーを実行できないと判断し、必要な通信リソースを確保できる場合には、設定した通信ポリシーを実行できると判断する。
【0406】
通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、設定した通信ポリシーを実行できないと判断した場合には、異なる通信ポリシーを更に設定する。このとき、最初に設定した通信ポリシーを第1通信ポリシーといい、更に設定した通信ポリシーを第2通信ポリシーという。通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、通信ポリシーの設定規則を用いて、第1通信ポリシーに基づいて第2通信ポリシーを設定する。
【0407】
具体的には、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、第1通信ポリシーが実行できない原因を解消した第2通信ポリシーを設定する。そして、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、実行可能な第2通信ポリシーを設定する。例えば、通信リソースが不足しているために第1通信ポリシーが実行できなかった場合には、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、第1通信ポリシーよりも少ない通信リソースで足りるような通信ポリシーを設定する。又、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、第1通信ポリシーの設定の際に要求されていた条件を可能な限り満たす第2通信ポリシーを設定する。例えば、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、通信料金の希望上限額、提供してもよい通信リソース、要求する品質、要求されるリアルタイム性などを満たす第2通信ポリシーを設定する。
【0408】
例えば、図16に示した通信ポリシー4を実行するためには、通信リソース量が全通信リソース量の10%必要であり、通信ポリシー5を実行するためには5%必要であり、通信ポリシー6を実行するためには2%必要であるとする。又、設定した通信ポリシーが通信ポリシー4であり、現在の使用通信リソース量が93%であるとする。通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、現在の空き通信リソース量7%と、通信ポリシー4の実行に必要な通信リソース量10%を比較して、設定した通信ポリシーを実行できるか否かを判断する。
【0409】
通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、通信ポリシー4を実行するために必要な通信リソース量を確保できず、通信ポリシー4を実行できないと判断する。そして、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、通信ポリシー4を第1通信ポリシーとする。更に、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、必要な通信リソース量が5%であり、現在の空き通信リソース量7%で実行できる通信ポリシー5を、第2通信ポリシーとして設定する。
【0410】
一方、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56が、設定した通信ポリシーを実行できると判断した場合には、通信ポリシーは最初に設定した1つだけとなる。尚、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、最初に設定した通信ポリシーを実行できると判断した場合であっても、最初に設定した通信ポリシーを第1通信ポリシーとし、更に、第2通信ポリシーを設定してもよい。この場合、第2通信ポリシーとして、第1通信ポリシーよりも、例えば、通信品質や要求されるリアルタイム性が低い通信ポリシーを設定してもよく、高い通信ポリシーを設定してもよい。又、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、設定した通信ポリシーを実行できないと判断した場合に、最初に設定した通信ポリシーの設定を解除し、新たに異なる通信ポリシーを1つ設定してもよい。即ち、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、通信ポリシーを設定しなおしてもよい。
【0411】
3.達成目標値の設定
次に、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、オブジェクト単位毎に、設定した通信ポリシーを達成する目標値(以下「達成目標値」という)を設定する。通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、通信ポリシーの設定に用いる情報に基づいて達成目標値を設定する。例えば、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、通信リソースの状況、ネットワークの状況、処理サーバ60、配信サーバ40a,40b、中継装置50、管理サーバ20、無線通信装置10c,10d、端末装置30a,30bの付加状況、処理状況に基づいて、達成目標値を設定する。
【0412】
通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、達成目標値を、具体的な数値で設定してもよく、割合で設定してもよい。例えば、通信ポリシー設定項目が通信速度であり、設定した通信ポリシーが28.8kbps以上64kbps未満の場合に、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、達成目標値を平均通信速度30kbps以上と設定できる。又、同様の場合に、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、達成目標値を、オブジェクト送信中に通信速度が設定した通信ポリシーを満たしている割合80%以上と設定できる。
【0413】
又、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、選択した通信ポリシー設定条件に基づいて、達成目標値を設定する。具体的には、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、設定条件で優先すると定められた通信ポリシー設定項目の達成目標値を、優先度の低い通信ポリシー設定項目の達成目標値よりも高く設定する。又、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、設定条件で優先すると定められた通信ポリシー設定項目についてだけ達成目標値を設定してもよい。
【0414】
通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、達成目標値の算出規則に基づいて、達成目標値を算出する。達成目標値の算出規則は、通信ポリシーの設定に用いる情報をパラメータとして定める。又、達成目標値の算出規則には、設定する達成目標値を求める関数(以下「目標値関数」という)がある。目標値関数は、通信ポリシーの設定に用いる情報がパラメータである関数である。例えば、目標値関数には、そのパラメータが輻輳の程度を表す輻輳度、要求されるリアルタイム性、通信ポリシー達成度、端末装置30a,30bの位置情報や移動速度である関数がある。通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、算出した達成目標値を設定する。
【0415】
又、達成目標値の算出規則は予め定めておき、通信ポリシーデータベース16a,26a,36a,46a,56aが記憶する。又、設定条件制御部46b,56bが、達成目標値の算出規則を制御してもよい。設定条件制御部46b,56bは、監視情報に基づいて達成目標値の算出規則を制御する。尚、達成目標値は設定しなくてもよい。
【0416】
通信ポリシー設定情報には、このような通信ポリシーの設定や達成目標値の設定に用いる通信ポリシーの設定条件、通信ポリシーの設定規則、目標値関数がある。又、設定情報には、設定した通信ポリシー、具体的には、通信ポリシー設定項目とその設定内容、設定した達成目標値がある。
【0417】
通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、このようにして通信ポリシー、達成目標値を設定した後、通信制御部17,27,37a,37b,47a,47b,57、通信部14d,24,34a,44a、54、無線通信部11d,31aに設定情報を入力する。又、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、設定した通信ポリシー、達成目標値、決定したオブジェクト単位を、通信ポリシーデータベース16a,26a,36a,46a,56aに格納する。
【0418】
通信ポリシー設定部16,26,36,46,56が、入力する設定情報には、少なくとも、ユーザIDと、コンテンツID又はサービスIDと、決定したオブジェクト単位と、通信ポリシー設定項目と、その設定内容と、設定した達成目標値とが含まれる。又、通信ポリシー設定部16,26,46は、ユーザID、コンテンツID又はサービスIDに対応付けて、設定した通信ポリシー、設定した達成目標値、決定したオブジェクト単位を格納する。
【0419】
4.通信ポリシーの変更
通信システム1は、このようにして通信ポリシーを設定すると、提供情報や処理情報の送信を行う。例えば、図17に示すように、通信システム1は、通信ポリシーを設定すると(101)、送信制御情報を決定し(102)、提供情報を送信する(104)。あるいは、通信システム1は、決定した送信制御情報に基づいて、提供情報、処理情報の送信に通信リソースを予め割り当てて、通信リソースを予約確保してから(103)、提供情報を送信する(104)。
【0420】
通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、一度設定した通信ポリシーを、設定後の状況、例えば、提供情報や処理情報の送信の開始後の状況に応じて、再度設定し直して、変更することができる(101)。そして、通信システム1は、変更した通信ポリシーに基づいて、再度、送信制御情報を決定し(102)、通信リソースを予約確保し(103)、提供情報や処理情報を送信する(104)。尚、一度設定した通信ポリシーを変更せずに、提供情報の送信を続けてもよい。
【0421】
通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、通信ポリシーの設定に用いる情報に基づいて、通信ポリシーを変更する。例えば、図17に示すように、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、ネットワークの状況、通信リソースの状況、通信ポリシーの達成度、位置情報、時間情報、要求されるリアルタイム性に基づいて、通信ポリシーを変更する。通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、最初に通信ポリシーを設定したときと同様にして、通信ポリシーの設定条件に従って、通信ポリシーの設定規則を用いて、新たな通信ポリシーを設定できる。
【0422】
具体的には、通信ポリシー設定項目がデータ品質や通信品質の場合に、一定の領域内の同時利用数が増加すると、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、データ品質や通信品質を低下させることができる。このとき、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、他の通信ポリシーの設定に用いる情報に基づいて、データ品質や通信品質を低下させることができる。例えば、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、通信料金、端末装置30a,30bの要求に応じて、データ品質や通信品質を低下させる程度を変えることができる。又、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、領域内の全ての端末装置30a,30bのデータ品質や通信品質を等しく低下させてもよい。
【0423】
又、通信ポリシー設定項目が通信スケジュールであり、特定した提供情報が特定の領域内でのみ送信する情報である場合に、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、提供情報のデータ品質、端末装置30a,30bの現在位置、移動速度、ネットワークのトラヒック、通信リソースの状況、通信ポリシーの達成度に基づいて、端末装置30a、30bが特定の領域内に存在する間に、提供情報の送信が完了するように、通信スケジュールを変更する。
【0424】
又、通信ポリシー設定項目が通信スケジュールであり、無線通信装置10dが提供情報を中継して端末装置30a,30bに送信する場合に、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、提供情報のデータ品質、端末装置30a,30bと無線通信装置10dとの相対速度、ネットワークのトラヒック、通信リソースの状況、通信ポリシーの達成度に基づいて、端末装置30a、30bが無線通信装置10dと通信可能な間に、提供情報の送信を完了するように、通信スケジュールを変更する。尚、配信サーバ40a,40b、処理サーバ60の監視部49a,49d,69aは、通信ポリシーを変更しても特定の領域内に存在する間や、通信可能な間に送信が完了できない場合には、端末装置30a,30bが領域外に移動したり、通信できなくなったりする前に、提供情報の送信を停止又は中断することを、端末装置30a,30bに対してアラーム等によって通知する。そして、通信部44a,44b,64が、その通知を端末装置30a,30bに送信する。
【0425】
又、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、通信品質や通信スケジュールの実際の状況に基づいて、通信ポリシーを変更できる。例えば、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、誤り率、再送率、到達度、欠損率、パケット破棄率、遅延時間に応じて、通信ポリシーを変更できる。又、通信品質の低下量や低下の割合(以下「低下度」という)の閾値を設定しておいてもよい。例えば、送信開始時の通信品質を基準値とし、その基準値からの低下量や、基準値に対する低下量の割合を低下度として設定できる。そして、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、実際の通信品質の低下量や低下度が閾値以下となるように、通信ポリシーを変更する。
【0426】
又、通信ポリシー設定項目の変化量や変化の割合(以下「変化度」という)の閾値を設定しておいてもよい。例えば、送信開始時の通信ポリシー設定項目の値を基準値とし、その基準値からの変化量や、基準値に対する変化量の割合を変化度として設定できる。そして、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、実際の通信ポリシー設定項目の変化量や変化度が閾値以下となるように、通信ポリシーを変更してもよい。
【0427】
又、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、提供情報や処理情報の送信の開始後の状況に応じて、発生している通信料金を推定する。例えば、通信ポリシーデータベース16a,26a,36a,46a,56aが、料金算出規則を記憶しておく。そして、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、取得した監視情報と料金算出規則に基づいて、発生している通信料金を推定する。通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、推定した通信料金に基づいて、通信ポリシーを変更できる。例えば、通信ポリシー設定項目が通信料金と通信リソースの場合、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、通信料金の上限額と推定した通信料金を比較する。通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、その比較結果に応じて、割り当てる通信リソース量を変化させることができる。
【0428】
又、空き通信リソース量が低下すると、通信リソースを確保するために高額な通信料金が必要になる場合がある。通信ポリシー設定項目が通信品質であり、通信ポリシーの設定条件が、通信料金が希望する上限額以下になることを優先して通信ポリシーを決定し、設定するという条件であるとする。この場合に、空き通信リソース量が低下すると、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、確保する通信リソース量を減らして通信料金が希望する上限額以下になるようにするために、通信品質を低下させる。
【0429】
一方、通信ポリシー設定項目が通信リソースであり、通信ポリシーの設定条件が、通信品質を優先して通信ポリシーを決定し、設定するという条件の場合に、空き通信リソース量が低下すると、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、通信品質を高く維持するために、たとえ通信料金が高くなったとしても、確保する通信リソース量を増加させる。
【0430】
又、最初に設定したが、実行できないと判断した第1通信ポリシーと、実行可能な通信ポリシーとして更に設定した第2通信ポリシーがある場合には、通信システム1は、まず、第2通信ポリシーに基づいて、提供情報や処理情報の送信を開始する。通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、通信ポリシーの設定に用いる情報に基づいて、第2通信ポリシーから第1通信ポリシーに近づくように、通信ポリシーを変更する。通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、可能な場合には、第1通信ポリシーに変更する。
【0431】
例えば、図16に示した通信ポリシー4を実行するためには、通信リソース量が全通信リソース量の10%必要であるとする。現在、使用通信リソース量が93%であり、第1通信ポリシーとして通信ポリシー4が設定され、第2通信ポリシーとして通信ポリシー2が設定されているとする。通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、空き通信リソース量が10%以上発生した場合には、通信ポリシー4に変更する。
【0432】
又、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、通信ポリシーの達成目標値を変更してもよい。通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、通信ポリシーの設定に用いる情報に基づいて、達成目標値を変更する。例えば、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、ネットワークの状況、通信リソースの状況、通信ポリシーの達成度に基づいて、達成目標値を再設定して変更する。通信ポリシー設定情報には、このような通信ポリシーの変更や達成目標値の変更に用いる通信ポリシーの設定条件、通信ポリシーの設定規則、目標値関数がある。
【0433】
通信ポリシー設定情報には、このような通信ポリシーの変更や達成目標値の変更に用いる通信ポリシーの設定条件、通信ポリシーの設定規則、目標値関数がある。又、設定情報には、設定し直して変更した通信ポリシー、具体的には、変更した通信ポリシー設定項目とその設定内容、設定し直して変更した達成目標値がある。
【0434】
通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、このようにして通信ポリシー、達成目標値を変更した後、最初に通信ポリシーを設定した場合と同様にして、通信制御部17,27,37a,37b,47a,47b,57、通信部14d,24,34a,44a、54、無線通信部11d,31aに設定情報を入力する。又、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、変更した通信ポリシー、達成目標値を、通信ポリシーデータベース16a,26a,36a,46a,56aに格納する。
【0435】
通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、以上説明したようにして通信ポリシーを決定し、設定する。通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、このような通信ポリシーの設定、即ち、オブジェクト単位の決定や通信ポリシーの設定、達成目標値の設定や通信ポリシーの変更を、単独で行ってもよく、相互に調整して行ってもよい。
【0436】
例えば、まず、通信ポリシーを決定し、設定する主体の通信ポリシー設定部が、通信ポリシーを設定する場合と同様に、通信ポリシーの設定条件に従って、通信ポリシーの設定規則を用いて、設定しようとする希望の通信ポリシーを決定する。そして、主体の通信ポリシー設定部が、他の通信ポリシー設定部に、希望の通信ポリシーを通知して、検討するように指示する。他の通信ポリシー設定部は、その通知内容を検討し、検討結果を主体の通信ポリシー設定部に通知する。例えば、他の通信ポリシー設定部は、通知された通信ポリシーを了承する回答、通知された通信ポリシーの希望修正内容などを検討結果として通知する。主体の通信ポリシー設定部は、取得した検討結果に基づいて、通信ポリシーを設定する。例えば、検討結果が了承する回答の場合には、希望の通信ポリシーをそのまま設定する。検討結果に希望修正内容が含まれていた場合には、その希望修正内容に基づいて修正を加えた通信ポリシーを設定する。
【0437】
又、通信ポリシーを決定し、設定する主体の通信ポリシー設定部が、他の第1の通信ポリシー設定部から、設定しようとする希望の通信ポリシーの通知を受ける。尚、第1の通信ポリシー設定部は、通信ポリシーを設定する場合と同様に、通信ポリシーの設定条件に従って、通信ポリシーの設定規則を用いて、希望の通信ポリシーを決定する。主体の通信ポリシー設定部は、希望の通信ポリシーの通知を、第1の通信ポリシー設定部以外の第2の通信ポリシー設定部に通知し、検討するように指示する。第2の通信ポリシー設定部は、その通知内容を検討し、検討結果を主体の通信ポリシー設定部に通知する。
【0438】
主体の通信ポリシー設定部は、取得した検討結果を、第1の通信ポリシー設定部に通知して、検討するように指示をする。第1の通信ポリシー設定部は、第2の通信ポリシー設定部の検討結果に基づいて、再度、通信ポリシーを検討する。第1の通信ポリシー設定部は、再検討した希望の通信ポリシーを、主体の通信ポリシー設定部に通知する。主体の通信ポリシー設定部は、第1の通信ポリシー設定部により再検討された通信ポリシーと、第2の通信ポリシー設定部からの検討結果に基づいて、通信ポリシーを設定する。
【0439】
そのため、通信ポリシー設定情報には、このような通知のように通信ポリシーの調整に用いる情報もある。尚、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、このようなやりとりを複数回繰り返してもよい。このように、複数の通信ポリシー設定部16,26,36,46,56が、相互に通信ポリシーの調整を行うことにより、情報の送信側になる配信サーバ40a,40b、中継装置50、処理サーバ60、管理サーバ20、無線通信装置10dの通信部44a,44b,54,64,24、無線通信部11dと、情報の受信側になる端末装置30a,30b、中継装置50、管理サーバ20、無線通信装置10dの通信部44a,44b,54,24、14d、無線通信部31a,31bは、より適切な通信ポリシーに従って、提供情報を送受信できる。
【0440】
(提供情報の送信方法)
1.送信制御情報の決定、変更
通信ポリシーが設定されると、通信制御部17,27,37a,37b,47a,47b,57,67は、設定された通信ポリシーに基づいて、オブジェクト単位毎に送信制御情報を決定する。又、通信ポリシーが変更されると、通信制御部17,27,37a,37b,47a,47b,57,67は、変更された通信ポリシーに基づいて、送信制御情報を再度決定し直して、変更する。
【0441】
送信制御情報には、提供情報や処理情報を送信する際の具体的な事項や数値が含まれる。例えば、送信制御情報には、送受信のタイミング、送信開始予定時刻や送信完了予定時刻、通信速度の変更のタイミング、送信順序などの通信スケジュール、送信順序の変更方法、送信の優先度、通信速度、使用する通信プロトコルや帯域、使用するセッションやコネクション、トンネル、予約確保する通信リソース量や予約確保するスケジュール、実際に使用する通信リソースやその量、再送方法、データの変換方法、同期のタイミングなどの同期制御方法、データの多重方法などが含まれる。尚、送信の優先度は、送信を完了させる優先度である。そのため、送信の優先度が高いほど、通信リソースが優先して割り当てられ、送信順序が早くなり、再送も優先して行われる。
【0442】
通信制御部17,27,37a,37b,47a,47b,57は、設定された通信ポリシー、達成目標値、通信ポリシーの設定に用いる情報に基づいて、送信制御情報を決定する。通信制御部17,27,37a,37b,47a,47b,57,67は、設定情報から、設定された通信ポリシー、達成目標値を取得する。例えば、通信制御部17,27,37a,37b,47a,47b,57,67は、設定された通信ポリシーと、要求されるリアルタイム性、ネットワークの状況、通信リソースの状況、位置情報、通信ポリシーの達成度、通信料金、負荷状況、処理状況に基づいて、送信制御情報を決定する。又、例えば、通信制御部17,27,37a,37b,47a,47b,57,67は、設定された通信ポリシーと、端末装置30a,30bと無線通信装置10a〜10dの距離や相対速度、特定の領域に存在する無線通信装置10a〜10dの数、端末装置30a,30bと通信中の無線通信装置10a〜10dの数、同時利用数に基づいて、送信制御情報を決定する。
【0443】
通信制御部17,27,37a,37b,47a,47b,57,67は、設定された通信ポリシーを実行できるように送信制御情報を決定する。更に、通信制御部17,27,37a,37b,47a,47b,57,67は、設定された達成目標値を達成できるように送信制御情報を決定することが好ましい。
【0444】
例えば、通信制御部17,27,37a,37b,47a,47b,57,67は、設定された通信ポリシーを実行するために必要な通信リソース量を算出する。そして、通信制御部17,27,37a,37b,47a,47b,57,67は、送信制御情報として、算出した通信リソース量を予約確保する通信リソース量に決定する。又、通信制御部17,27,37a,37b,47a,47b,57,67は、通信ポリシーとして通信スケジュールが設定されている場合に、送信制御情報として、その通信スケジュールで提供情報の送信が実行できるように、送信に必要な通信リソースを予約確保するスケジュールを決定する。このとき、通信制御部17,27,37a,37b,47a,47b,57,67は、ネットワークの状況、通信リソースの状況、通信ポリシーの達成度、位置情報、時刻情報にも基づいて、予約確保するスケジュールを決定することが好ましい。
【0445】
又、通信制御部17,27,37a,37b,47a,47b,57,67は、まず、設定された通信ポリシーに基づいて、送信制御情報として、オブジェクトの送信の優先度を決定する。例えば、通信制御部17,27,37a,37b,47a,47b,57,67は、通信ポリシーとして要求されるリアルタイム性が設定されている場合、その要求されるリアルタイム性が高いほど、高い送信の優先度を決定する。尚、通信制御部17,27,37a,37b,47a,47b,57,67は、送信の優先度によって通信料金が変動する場合には、通信料金も考慮して送信の優先度を決定する。次に、通信制御部17,27,37a,37b,47a,47b,57,67は、決定した送信の優先度が高いオブジェクトほど、通信リソースを優先して割り当て、送信順序を早くし、再送を優先するような送信制御情報を決定する。よって、例えば、通信ポリシーとして要求されるリアルタイム性が設定されている場合には、通信制御部17,27,37a,37b,47a,47b,57,67は、送信の優先度を高くし、通信リソースを優先して割り当て、送信順序を早くするような送信制御情報を決定する。
【0446】
又、通信制御部17,27,37a,37b,47a,47b,57,67は、通信ポリシーとして設定されたセッションやトンネル、通信スケジュールに関する情報に基づいて、送信制御情報として、使用するセッションやトンネルを通信スケジュールとあわせて決定する。例えば、オブジェクトAは、時刻T1から送信を開始し、時刻T2までは、セッション1、トンネル1を使用して送信し、時刻T2以降は、セッション2、トンネル2を使用して送信すると決定する。オブジェクトBは、時刻T3から送信を開始し、セッション3及びトンネル3と、セッション4及びトンネル3を同時並行して送信すると決定する。
【0447】
又、例えば、通信ポリシーの設定内容が、「通信速度を100kbpsとする」というように具体的な数値の場合には、通信制御部17,27,37a,37b,47a,47b,57,67は、通信ポリシーの設定内容をそのまま送信制御情報として決定する。一方、通信ポリシーの設定内容が、「通信速度を28.8kbps以上64kbps未満とする」というような範囲で示されている場合には、通信制御部17,27,37a,37b,47a,47b,57,67は、設定された範囲の通信速度の値を、送信制御情報として決定する。このとき、通信制御部17,27,37a,37b,47a,47b,57,67は、設定された達成目標値を達成できるように、通信速度の値を決定する。例えば、達成目標値が「平均通信速度30kbps以上」の場合に、通信制御部17,27,37a,37b,47a,47b,57,67は、通信速度の値を達成目標値を上回る45kbpsに決定できる。又、通信ポリシーの設定内容が、図15に示した通信ポリシー2のように、通信速度の決定規則の場合には、通信制御部17,27,37a,37b,47a,47b,57,67は、設定された通信速度の決定規則に従って求めた通信速度の値を、送信制御情報として決定する。
【0448】
又、通信ポリシーとして、通信料金ができるだけ低額になるようにという制約条件と、送信完了時刻が設定されている場合に、通信制御部17,27,37a,37b,47a,47b,57,67は、まず、使用通信リソース量、輻輳状況に基づいて、送信完了時刻に送信が完了するように、通信スケジュール、予約確保する通信リソース量、予約確保する通信リソースを、送信制御情報として決定する。そして、通信システム1は、決定した送信制御情報に従って、提供情報や処理情報の送信を開始する。
【0449】
その後、通信制御部17,27,37a,37b,47a,47b,57,67は、通信リソースの状況に基づいて、低料金の通信リソースが空くと、低料金の通信リソースに予約確保する通信リソースを切り替えるように、送信制御情報を変更する。又、通信スケジュールに余裕が生じた場合には、通信速度を小さくできる。そのため、この場合には、通信制御部17,27,37a,37b,47a,47b,57,67は、処理状況に基づいて、予約確保する通信リソース量を減らし、通信料金を抑えるように送信制御情報を変更する。又、通信制御部17,27,37a,37b,47a,47b,57,67は、予約確保している通信リソースの中で、低料金の通信リソースを実際に使用する通信リソースに決定するようにしてもよい。
【0450】
又、通信制御部17,27,37a,37b,47a,47b,57,67は、通信ポリシーの達成度が低い場合に、通信ポリシーの達成度が向上するように、送信制御情報を変更する。このとき、通信制御部17,27,37a,37b,47a,47b,57,67は、通信ポリシーの設定条件に基づいて、送信制御情報を変更してもよい。例えば、通信制御部17,27,37a,37b,47a,47b,57,67は、優先度の高い通信ポリシー設定項目の達成度を優先して向上できるように、送信制御情報を変更する。
【0451】
通信制御部17,27,37a,37b,47a,47b,57,67は、決定したオブジェクト単位毎の送信制御情報と、設定情報に含まれているユーザIDと、コンテンツID又はサービスIDとを対応付ける。
【0452】
2.通信リソースの確保
次に、通信制御部17,27,37a,37b,47a,47b,57,67が決定した送信制御情報に基づいて、リソース割当部28b,48b,48c,58b,68が、提供情報、処理情報の送信に通信リソースを予め割り当てて、通信リソースを予約確保する。通信制御部17,27,47a,47b,57,67は、送信制御情報として決定した予約確保する通信リソースを、予約確保する通信リソース量だけ、予約確保するスケジュールに従って、予約確保するように、リソース割当部28b,48b,48c,58b,68に指示する。リソース割当部28b,48b,48c,58b,68は、通信制御部17,27,47a,47b,57,67の指示に従って、予約確保する通信リソースを、予約確保する通信リソース量だけ、予約確保するスケジュールに従って予約確保する。
【0453】
このとき、リソース割当部28b,48b,48c,58b,68は、指示された通信リソース量を確保できない場合には、待機する。そして、リソース割当部28b,48b,48c,58b,68は、通信リソースに空きが発生し、指示された通信リソース量を確保できるようになったら、通信リソースを予約確保する。あるいは、リソース割当部28b,48b,48c,58b,68は、現在確保できる通信リソース量だけ、予約確保する。そして、リソース割当部28b,48b,48c,58b,68は、通信リソースに空きが発生した際に、順次、残りの通信リソースを予約確保するようにしてもよい。
【0454】
次に、通信制御部17,27,47a,47b,57,67は、送信制御情報として決定した実際に使用する通信リソースを、使用する通信リソース量だけ、提供情報、処理情報の送信に割り当てるように、リソース割当部28b,48b,48c,58b,68に指示する。リソース割当部28b,48b,48c,58b,68は、通信制御部17,27,47a,47b,57,67の指示に従って、予約確保した通信リソースの中から、実際に使用する通信リソースを、使用する通信リソース量だけ、提供情報、処理情報の送信に割り当てる。
【0455】
又、通信制御部17,27,47a,47b,57,67は、予約確保する通信リソースを切り替えるように、送信制御情報を変更した場合には、その切り替えをリソース割当部28b,48b,48c,58b,68に指示する。リソース割当部28b,48b,48c,58b,68は、通信制御部17,27,47a,47b,57,67の指示に従って、予約確保していた通信リソースを解放し、新たに通信リソースを予約確保して、切り替えを行う。
【0456】
3.送信
通信システム1は、このように、送信制御情報を決定し、必要な通信リソースを予約確保し、使用する通信リソースの割り当てを行うと、提供情報、処理情報を送信する。
【0457】
図7、図8に示した配信サーバ40a,40bの通信制御部47a,47bは、送信制御情報に含まれる通信スケジュールと時間情報に基づいて、送信を開始しなければならない提供情報があるか否かを判断する。通信制御部47a,47bは、送信を開始しなければならない提供情報がある場合には、その送信制御情報と対応づけられているコンテンツIDを指定して、その提供情報を、通信部44a,44b又は変換部48aに入力するように、提供情報提供部41a,41bに指示する。提供情報提供部41a,41bは、通信制御部47a,47bの指示に従って、指定されたコンテンツIDの提供情報を、提供情報データベース42から取得して、通信部44a,44b又は変換部48aに入力する。
【0458】
通信制御部47a,47bは、コンテンツIDと対応付けられている送信制御情報に基づいて、そのコンテンツIDの提供情報の送信について、通信部44a,44b又は変換部48aを制御する。まず、通信部44a,44bは、通信制御部47a,47bの制御に従って、端末装置30a,30bとの間に通信路を確立する。変換部48aは、通信制御部47a,47bの制御に従って、提供情報をオブジェクト単位毎に変換し、通信部44a,44bに入力する。そして、通信部44a,44bが、通信制御部47a,47bの制御に従って、オブジェクト単位毎に、端末装置30a,30bに向けて提供情報を送信する。又、図10に示した処理サーバ60の通信部64が、通信制御部67の制御に従って、通信路を確立し、オブジェクト単位毎に、端末装置30a,30bに向けて処理情報を送信する。
【0459】
このとき、無線通信装置10c,10d、管理サーバ20、中継装置50が、提供情報を中継する場合、配信サーバ40a,40bが処理情報を中継する場合、処理サーバ60が提供情報を中継する場合がある。これらの場合には、通信制御部17,27、57,67は、コンテンツIDやサービスIDと対応付けられている送信制御情報に基づいて、そのコンテンツIDやサービスIDの提供情報や処理情報の送信について、通信部14d,24,54,64、無線通信部11c,11d、変換部18,28a,58aを制御する。
【0460】
そして、通信制御部17,27、47a,47b,57,67の制御に従って、通信部14d,24,44a,44b,54,64、無線通信部11c,11dが、通信路を確立し、オブジェクト単位毎に、端末装置30a,30bへの提供情報や処理情報を中継する。又、必要に応じて、変換部18,28a,58aが、通信制御部17,27,57,67の制御に従って、オブジェクト単位毎に提供情報を変換する。尚、通信部14d,24,44a,44b,54,64、無線通信部11c,11d,31a,31bは、例えば、コネクション、セッション、トンネルなどを介して、提供情報、処理情報を送信できる。
【0461】
尚、端末装置30a,30bが、無線情報として、提供情報の受信の準備の指示などを含む予告通知を受信していた場合には、端末装置30a,30bは、受信の準備が完了した際に、準備が完了したことを通知する準備完了通知を配信サーバ40a,40bに送信する。配信サーバ40a,40bは、準備完了通知を受信してから、提供情報の送信を開始する。
【0462】
以上説明したようにして、送信側から受信側に情報を送信する際の通信ポリシーをオブジェクト単位毎に設定し、設定した通信ポリシーに基づいて、情報の送信をオブジェクト単位毎に制御して、情報を送信する様子を、図18に示す。図18は、配信サーバ40aが中継装置50を介して、端末装置30aに提供情報を送信する場合を示している。提供情報は、3つのオブジェクトA〜Cから構成される。オブジェクトA〜Cは、図1に示した経路2bと経路3aを通って送信される。
【0463】
通信ポリシーは、送信側の配信サーバ40aと受信側の中継装置50との区間と、送信側の中継装置50と受信側の端末装置30aとの区間それぞれについて、オブジェクトA〜C毎に設定される。配信サーバ40a、中継装置50、端末装置30aは、3者の間で通信ポリシーを調整して、設定する。
【0464】
オブジェクトAは、配信サーバ40aと中継装置50との区間におけるオブジェクトAについての通信ポリシー201aに基づいて、配信サーバ40aにおいて、データ(A1)から(A2)の状態に変換される。そして、オブジェクトAは、通信ポリシー201aに基づいて、配信サーバ40aから中継装置50に送信される。次に、オブジェクトAは、中継装置50と端末装置30aとの区間におけるオブジェクトAについての通信ポリシー202aに基づいて、中継装置50において(A2)から(A3)の状態に変換される。そして、オブジェクトAは、通信ポリシー202aに基づいて、中継装置50から端末装置30aに送信される。
【0465】
オブジェクトBは、配信サーバ40aと中継装置50との区間におけるオブジェクトBについての通信ポリシー201bに基づいて、配信サーバ40aにおいて、(B1)から(B2)の状態に変換される。そして、オブジェクトBは、通信ポリシー201bに基づいて、配信サーバ40aから中継装置50に送信される。次に、オブジェクトBは、中継装置50と端末装置30aとの区間におけるオブジェクトBについての通信ポリシー202bに基づいて、中継装置50において(B2)から(B3)の状態に変換される。そして、オブジェクトBは、通信ポリシー202bに基づいて、中継装置50から端末装置30aに送信される。
【0466】
オブジェクトCは、配信サーバ40aと中継装置50との区間におけるオブジェクトCについての通信ポリシー201cに基づいて、配信サーバ40aにおいて、(C1)から(C2)の状態に変換される。そして、オブジェクトCは、通信ポリシー201cに基づいて、配信サーバ40aから中継装置50に送信される。次に、オブジェクトCは、中継装置50と端末装置30aとの区間におけるオブジェクトCについての通信ポリシー202cに基づいて、中継装置50において(C2)から(C3)の状態に変換される。そして、オブジェクトCは、通信ポリシー202cに基づいて、中継装置50から端末装置30aに送信される。
【0467】
その結果、配信サーバ40aから端末装置30aに、複数のオブジェクトA〜Cを同時に並行して送信する場合であっても、複数のオブジェクトA〜Cを、それぞれに適した通信ポリシーで送信することができる。そして、端末装置30aでは、複数のオブジェクトA9a、オブジェクトB9b、オブジェクトC9cを、それぞれに適した状態(A3)、(B3)、(C3)で、出力部38bに同時に出力することができる。
【0468】
〔通信料金の算出〕
提供情報の送受信に関する通信料金には、提供情報の使用にかかる提供情報使用料金、無線情報の使用にかかる無線情報使用料金、通信ポリシーの設定にかかる通信ポリシー設定料金、通信リソース使用料金、変換にかかる変換料金、情報の送信にかかる送信料金がある。そのため、通信料金は、提供情報使用料金、無線情報使用料金、通信ポリシー設定料金、通信リソース使用料金、変換料金、送信料金を合計して算出する。
【0469】
無線通信装置10a〜10d、管理サーバ20、端末装置30a,30b、配信サーバ40a,40b、中継装置50、処理サーバ60の間で発生する料金について、図19を用いて、無線通信装置10d、管理サーバ20、端末装置30a、配信サーバ40a、中継装置50、処理サーバ60を例にとって説明する。
【0470】
配信サーバ40aや処理サーバ60と、端末装置30aとの間では、提供情報使用料金や処理料金(301a)、通信ポリシー設定料金(301b)、通信リソース使用料金(301c)、変換料金や送信料金(301d)が発生する。配信サーバ40aや処理サーバ60と、中継装置50との間では、通信ポリシー設定料金(302b)、通信リソース使用料金(302c)、変換料金や送信料金(302d)が発生する。又、配信サーバ40aや処理サーバ60と、無線通信装置10dとの間では、仲介料金(307)が発生する。無線通信装置10dが、無線情報を送信することにより、提供情報や処理が端末装置30aに利用される。よって、無線通信装置10dが、配信サーバ40aや処理サーバ60による提供情報や処理の提供と、端末装置30aによる提供情報や処理の利用を仲介している。この仲介にかかる料金が仲介料金である。
【0471】
中継装置50と端末装置30aとの間では、通信ポリシー設定料金(303b)、通信リソース使用料金(303c)、変換料金や送信料金(303d)が発生する。中継装置50と管理サーバ20との間では、通信ポリシー設定料金(304b)、通信リソース使用料金(304c)、変換料金や送信料金(304d)が発生する。
【0472】
管理サーバ20と無線通信装置10dとの間では、管理料金(305a)、通信ポリシー設定料金(305b)、通信リソース使用料金(305c)、変換料金や送信料金(305d)が発生する。管理サーバ20は、無線通信装置10dに無線情報を提供している。更に、図2(c)に示す無線通信装置10cに対しては、管理サーバ20は、無線情報の提供、無線情報ユーザの認証、無線情報の送信の制限なども行っている。このような管理サーバ20が、無線通信装置10c,10dに対して行う処理にかかる料金が管理料金である。
【0473】
無線通信装置10dと端末装置30aとの間では、無線情報使用料金(306a)、通信ポリシー設定料金(306b)、通信リソース使用料金(306c)、変換料金や送信料金(306d)が発生する。
【0474】
よって、例えば、配信サーバ40aや処理サーバ60が、中継装置50を介して端末装置30aに提供情報や処理情報を送信する場合には、提供情報使用料金や処理料金(301a)と、通信ポリシー設定料金(302b,303b)と、通信リソース使用料金(302c,303c)と、変換料金や送信料金(302d,303d)の合計が通信料金となる。
【0475】
これらの料金は、料金算出規則と算出情報に基づいて算出する。図20に、通信品質とその保証方法を通信ポリシーとして設定する場合における通信ポリシー設定料金の料金算出規則の表を示す。設定した通信品質の項目と、その保証方法が交差するフィールドに記載された料金が、その通信品質をその保証方法で保証する場合の通信ポリシー設定料金となる。例えば、通信品質として通信速度を設定した場合に、保証方法としてギャランティモードを設定した場合には、通信ポリシー設定料金は「T」となり、ベストエフォートモードの上限値を規定するモードを設定した場合には、通信ポリシー設定料金は「U」となり、ベストエフォートモードの下限値を規定するモードを設定した場合には、通信ポリシー設定料金は「V」となり、ベストエフォートモードの上限値と下限値を規定するモードを設定した場合には、通信ポリシー設定料金は「W」となる。尚、複数の通信品質の項目を設定する場合には、各項目について求めた料金の合計が、通信ポリシー設定料金となる。このように、通信ポリシーの設定内容に応じて、通信ポリシー設定料金は変動する。他にも、通信ポリシー設定項目が要求されるリアルタイム性の場合には、要求されるリアルタイム性が高いほど通信ポリシー設定料金が高くなる料金算出規則を定めることができる。
【0476】
又、通信ポリシー設定料金は、通信ポリシーの達成度に応じて算出できる。例えば、通信ポリシーを完全に達成できた場合の通信ポリシー設定料金を、基本通信ポリシー設定料金として算出する。そして、通信ポリシー達成度を、通信ポリシーを達成できた割合で示している場合には、基本通信ポリシー設定料金に通信ポリシー達成度を乗算して、通信ポリシー設定料金を算出する。又、通信ポリシー達成度を、通信ポリシーを達成できなかった乖離割合で示している場合には、基本通信ポリシー設定料金に通信ポリシー達成度を乗算した金額を、基本通信ポリシー設定料金から減算して、通信ポリシー設定料金を算出する。料金算出規則として、このような通信ポリシーの達成度に応じて通信ポリシー設定料金を算出する規則を定めることができる。
【0477】
通信リソース使用料金には、通信リソースの予約確保により発生する予約料金と、通信リソースを実際に使用することにより発生する使用料金がある。予約料金は、予約料金の単価に、予約確保した通信リソース量を乗算して算出する。使用料金は、使用料金の単価に、実際に使用した通信リソース量を乗算して算出する。そして、通信リソース使用料金は、算出した予約料金と使用料金を合計することにより算出する。尚、予約料金の単価は、使用料金の単価よりも低額に設定できる。更に、通信リソースの使用料金の単価は、ネットワークのトラヒックの状況に応じて変動させることができる。例えば、輻輳状況のときには、トラヒック量が少ないときよりも、通信リソースの使用料金の単価を高く設定する。料金算出規則として、このような予約確保した通信リソース量や、実際に使用した通信リソース量に応じて通信リソース使用料金を算出する規則を定めることができる。
【0478】
料金算出規則には、各提供情報、処理、無線情報について、1回情報を受信した場合の料金や、1回処理を受けた場合の料金を定めた提供情報使用料金や処理料金、無線情報使用料金を算出する規則がある。又、料金算出規則には、提供情報や処理情報を構成するデータの種類やデータ量、送信する時間帯に応じて送信料金を算出する規則がある。又、料金算出規則には、変換方法や変換するデータ量に応じて変換料金を算出する規則がある。
【0479】
更に、料金算出規則には、定額制、従量制、定額制と従量制の混合などについての規則も含まれる。定額制についての規則には、通信料金や処理料金と、その料金で設定可能な通信ポリシーの設定項目や設定内容、利用可能な提供情報や無線情報、処理などが規定されている。従量制についての規則には、算出に用いる通信ポリシー設定料金や通信リソース使用料金の料金算出規則などが規定されている。両者の混合についての規則には、定額で利用できる内容と、従量制で算出される内容などが規定されている。
【0480】
算出情報には、特定結果、設定情報、監視情報、送信制御情報、端末情報などがある。例えば、特定結果は、提供情報使用料金、処理料金、無線情報使用料金の算出に用いられる。設定情報、通信ポリシーの達成度は、通信ポリシー設定料金の算出に用いられる。使用通信リソース量やネットワークの状況などの監視情報は、通信リソース使用料金の算出に用いられる。送信制御情報は、変換料金や送信料金の算出に用いられる。契約内容などの端末情報は、定額制、従量制、両者の混合のいずれかであるかの判断や、用いる料金算出規則の判断に用いられる。
【0481】
〈通信方法〉
次に、図1に示した通信システム1を用いた通信方法について説明する。図21に、無線通信装置10aと、端末装置30aと、中継装置50と、配信サーバ40aとの間で行われる通信方法の手順を示す。まず、無線通信装置10aが、無線情報を端末装置30aに送信する(S101)。端末装置30aは、無線情報を受信すると、中継装置50に回線接続を要求する(S102)。中継装置50は、要求に応じて、回線接続応答を端末装置30aに送信する(S103)。これにより、端末装置30aと中継装置50との間の回線が接続される。
【0482】
回線が接続されると、端末装置30aは、特定情報を、中継装置50を介して配信サーバ40aに送信する。特定情報には、提供情報に関する情報の要求と、ユーザID、パスワードが含まれる(S104)。配信サーバ40aでは、特定情報に含まれるユーザIDとパスワードと、ユーザ情報データベース43に記憶された提供情報ユーザのユーザIDとパスワードと一致するかを判断して、認証を行う(S105)。配信サーバ40aは、ユーザIDとパスワードが一致する場合には、提供情報ユーザであると判断する。そして、配信サーバ40aは、特定情報を、中継装置50を介して端末装置30aに送信する。特定情報には、提供情報に関する情報が含まれる。このようにして、配信サーバ40aは、提供情報に関する情報を端末装置30aに提供する(S106)
端末装置30aは、配信サーバ40aから提供された提供情報に関する情報と、その他の提供情報の特定に用いる情報に基づいて、提供情報を特定する(S107)。次に、端末装置30aは、ステップ(S106)における特定結果と、その他の通信ポリシーの設定に用いる情報に基づいて、オブジェクト単位毎に希望する通信ポリシーを決定する。端末装置30aは、通信ポリシーを設定する場合と同様に、通信ポリシーの設定条件に従って、通信ポリシーの設定規則を用いて、希望の通信ポリシーを決定する(S108)。
【0483】
そして、端末装置30aは、提供情報の送信の要求と、通信ポリシー設定情報を中継装置50に送信する。通信ポリシー設定情報には、決定した希望の通信ポリシーが含まれる。これにより、中継装置50に、端末装置30aが希望する通信ポリシーが通知される(S109)。中継装置50は、端末装置30aから受信した提供情報の送信の要求と、通信ポリシー設定情報を配信サーバ40aに送信する。通信ポリシー設定情報には、端末装置30aが希望する通信ポリシーと、その検討の指示が含まれる。これにより、配信サーバ40aに、端末装置30aが希望する通信ポリシーが通知される(S110)。
【0484】
配信サーバ40aは、通知された端末装置30aが希望する通信ポリシーを検討する(S111)。配信サーバ40aは、検討結果を含む通信ポリシー設定情報を中継装置50に送信する。これにより、中継装置50に配信サーバ40aによる検討結果が通知される(S112)。中継装置50は、通知された検討結果と、その検討の指示を含む通信ポリシー設定情報を、端末装置30aに送信する。これにより、端末装置30aに配信サーバ40aによる検討結果が通知される(S113)。
【0485】
端末装置30aは、配信サーバ40aによる検討結果に基づいて、再度、通信ポリシーを検討する(S114)。端末装置30aは、再検討により決定した希望の通信ポリシーを含む通信ポリシー設定情報を、中継装置50に送信する。これにより、端末装置30aによる再検討結果が中継装置50に通知される(S115)。
【0486】
中継装置50が、最終的に、端末装置30aによる再検討結果と、配信サーバ40aによる検討結果に基づいて、中継装置50と端末装置30aとの間の通信ポリシーと、中継装置50と配信サーバ40aとの間の通信ポリシーを、オブジェクト単位毎に設定する(S116)。中継装置50は、設定した通信ポリシーを含む設定情報を、配信サーバ40aに送信する(S117)。
【0487】
中継装置50は、設定した通信ポリシーに基づいて、中継装置50から端末装置30aに提供情報を送信するための送信制御情報を、オブジェクト単位毎に決定する(S118)。配信サーバ40aは、設定した通信ポリシーに基づいて、配信サーバ40aから中継装置50に提供情報を送信するための送信制御情報を、オブジェクト単位毎に決定する(S119)。中継装置50は、決定した送信制御情報に基づいて、中継装置50と端末装置30aとの間の通信リソースを予約確保する(S120)。配信サーバ40aは、決定した送信制御情報に基づいて、配信サーバ40aと中継装置50との間の通信リソースを予約確保する(S121)。
【0488】
中継装置50と端末装置30aは、両者の間に通信路を確立する(S122)。配信サーバ40aと中継装置50も、両者の間に通信路を確立する(S123)。そして、配信サーバ40aが、送信制御情報に基づいて、提供情報をオブジェクト単位毎に変換する(S124)。配信サーバ40aは、送信制御情報に基づいて、変換した提供情報をオブジェクト単位毎に中継装置50に送信する(S125)。中継装置50は、配信サーバ40aから受信した提供情報を、送信制御情報に基づいてオブジェクト単位毎に変換する(S126)。中継装置50は、送信制御情報に基づいて、変換した提供情報をオブジェクト単位毎に端末装置30aに送信する(S127)。
【0489】
端末装置30aは、提供情報をオブジェクト単位毎に受信する。そして、端末装置30aは、提供情報を正常に受信できたことを確認し、中継装置50に受信確認応答を送信する(S128)。中継装置50は、端末装置30aからの受信確認応答を配信サーバ40aに転送する(S129)。中継装置50、配信サーバ40aは、端末装置30aからの受信確認応答を受信することにより、送信の完了を確認できる。
【0490】
〈効果〉
このような通信システム1、無線通信装置10a〜10d、管理サーバ20、端末装置30a,30b、配信サーバ40a,40b、中継装置50、処理サーバ60によれば、無線通信装置10a〜10dの無線通信部11a〜11dが、近距離無線により無線情報を送信する。端末装置30a,30bの無線通信部31a,31bが、その無線情報を受信する。無線通信装置10a〜10d、管理サーバ20、端末装置30a、配信サーバ40aいずれかの提供情報特定部15,25,35,45aが、受信した無線情報に基づいて、提供情報を特定する。そして、配信サーバ40a,40bの通信部44a,44bが、特定した提供情報を送信し、端末装置30a,30bの通信部34a,34b又は無線通信部31a,31bが、その提供情報を受信する。そのため、提供情報を利用する端末装置30a,30bのユーザは、ユーザに適した情報を容易に取得できる。
【0491】
更に、無線通信装置10d、管理サーバ20、端末装置30a、配信サーバ40a、中継装置50の通信ポリシー設定部16,26,36,46,56が、配信サーバ40a,40bの通信部44a,44bや処理サーバ60の通信部64から、端末装置30a,30bの通信部34a,34b又は無線通信部31a,31bに提供情報や処理情報を送信する際の通信ポリシーを、オブジェクト単位毎に決定し、設定する。そして、無線通信装置10d、管理サーバ20、配信サーバ40a,40b、中継装置50、処理サーバ60の通信制御部17,27,47a,47b,57,67が、設定された通信ポリシーに基づいて、提供情報や処理情報の送信をオブジェクト単位毎に制御する。そのため、通信システム1は、情報の送信側になる配信サーバ40a,40b、中継装置50、処理サーバ60、管理サーバ20、無線通信装置10c,10dの通信部44a,44b,54,64,24、無線通信部11c,11dや、情報の受信側になる端末装置30a,30b、中継装置50、管理サーバ20、無線通信装置10c,10dの通信部44a,44b,54,24、14c,14d、無線通信部31a,31bが望む情報の単位毎に適した取り決めに従って、提供情報や処理情報を送受信できる。
【0492】
更に、提供情報特定部15,25,35,45aは、無線情報だけでなく、その他の様々な情報に基づいて、提供情報を特定することができる。そのため、端末装置30a,30bのユーザは、よりユーザに適した提供情報を取得することができる。又、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、様々な情報に基づいて、通信ポリシーを決定し、設定することができる。そのため、情報の送信側になる配信サーバ40a,40b、中継装置50、処理サーバ60、管理サーバ20、無線通信装置10c,10dの通信部44a,44b,54,64,24、無線通信部11c,11dと、情報の受信側になる端末装置30a,30b、中継装置50、管理サーバ20、無線通信装置10c,10dの通信部44a,44b,54,24、14c,14d、無線通信部31a,31bは、より適切な通信ポリシーに従って、提供情報や処理情報を送受信できる。
【0493】
更に、通信システム1は、配信サーバ40a,40bや処理サーバ60の通信部44a,44b,通信部64から、端末装置30a,30bの通信部34a,34b又は無線通信部31a,31bへの提供情報や処理情報の送信を中継する中継装置50、管理サーバ20の通信部54,24や、無線通信装置10c,10dの通信部14c,14dと無線通信部11c,11dを備える。そのため、配信サーバ40a,40bや処理サーバ60の通信部44a,44b,64は、中継装置50、管理サーバ20の通信部54,24や、無線通信装置10c,10dの通信部14c,14dと無線通信部11c,11dを介して、提供情報を端末装置30a,30bの通信部34a,34b又は無線通信部31a,31bに送信できる。
【0494】
しかも、通信ポリシー設定部16,26,36,46,56は、提供情報や処理情報を、配信サーバ40a,40bや処理サーバ60の通信部44a,44b,64から、中継装置50、管理サーバ20の通信部54,24に送信する際の通信ポリシーと、提供情報や処理情報を、中継装置50の通信部54や無線通信装置10c,10dの無線通信部11c,11dから、端末装置30a,30bの通信部34a,34b又は無線通信部31a,31bに送信する際の通信ポリシーと、提供情報や処理情報を、中継装置50の通信部54から管理サーバ20の通信部4に送信する際の通信ポリシーや、管理サーバ20の通信部24から無線通信装置10c,10dの通信部14c,14dに送信する際の通信ポリシーをそれぞれ設定する。そのため、配信サーバ40a,40b、処理サーバ60、中継装置50、管理サーバ20、無線通信装置10c,10d、端末装置30a,30bの通信部44a,44b,64,54,24,14c,14d、無線通信部11c,11dは、それぞれに適した通信ポリシーに従って、提供情報や処理情報の送受信ができる。
【0495】
更に、通信システム1、管理サーバ20、配信サーバ40a,40b、中継装置50、処理サーバ60は、リソース割当部28b,48b,48c,58b,68を備える。そのため、情報の送信側になる配信サーバ40a,40b、中継装置50、処理サーバ60、管理サーバ20、無線通信装置10c,10dの通信部44a,44b,54,64,24、無線通信部11c,11dは、通信ポリシーを実現するために必要な通信リソースを予め確保してから、提供情報や処理情報を送信することができる。又、通信システム1、無線通信装置10d、管理サーバ20、配信サーバ40a,40b、中継装置50は、変換部18,28a,48a,58aを備える。そのため、通信システム1、無線通信装置10d、管理サーバ20、配信サーバ40a,40b、中継装置50は、通信ポリシーを実現するために必要な提供情報の変換を行うことができる。
【0496】
又、通信システム1、無線通信装置10d、管理サーバ20、端末装置30a,配信サーバ40a,40b、中継装置50、処理サーバ60は、監視部19a,29a,39a,49a,49d,59a,69aを備える。そのため、通信システム1、無線通信装置10d、管理サーバ20、端末装置30a,配信サーバ40a,40b、中継装置50、処理サーバ60は、ネットワークの状況や通信リソースの状況、配信サーバ40a,40b、処理サーバ60、中継装置50、管理サーバ20、無線通信装置10d、端末装置30a,30bの処理状況や負荷状況、通信ポリシーの達成度、通信品質やデータ品質、通信スケジュールの実際の状況などを把握できる。そして、通信システム1、無線通信装置10d、管理サーバ20、端末装置30a,配信サーバ40a,40b、中継装置50は、取得したこれらの情報に基づいて、提供情報や処理情報の特定や通信ポリシーの設定、提供情報や無線情報の送信の制限などを行うことができる。
【0497】
更に、通信システム1、処理サーバ60は、処理部62を備えることにより、提供情報に、それを利用するための処理を付加できる。又、通信システム1、課金サーバ70は、課金部72を備えることにより、提供情報の送受信に関する通信料金や処理料金を課金できる。
【0498】
[第2の実施の形態]
〔無線通信装置〕
次に、図1に示した通信システム1において、無線通信装置同士が通信を行う場合について説明する。図22、図23に示すように、無線通信装置210a,210b同士は通信できる。任意の無線通信装置210a,210b同士が通信してもよく、複数の無線通信装置210a,210bがタググループを形成し、同一のタググループに属する無線通信装置210a,210b同士が通信してもよい。
【0499】
図22に示すように、無線通信装置210aは、無線通信部211aと、無線情報記憶部12と、無線情報提供部212aと、ユーザ情報データベース213と、共有情報制御部214aとを備える。無線情報記憶部12は、図2(a)に示した無線情報記憶部12と同様である。
【0500】
ユーザ情報データベース213は、端末情報を記憶する。ユーザ情報データベース213が記憶する端末情報には、無線通信部211aによる無線情報の送信に関する情報(以下「送信情報」という)が含まれる。送信情報には、無線通信部211aが端末装置30a,30bに送信した無線情報に関する情報(以下「送信済み情報」という)と、その無線情報を送信した宛先の端末装置30a,30bのユーザIDが含まれる。送信済み情報には、無線通信装置210a自身の無線通信部211aが送信した自装置送信済み情報と、他の無線通信装置210aの無線通信部211aが送信した他装置送信済み情報がある。ユーザ情報データベース213は、図2(b)に示したユーザ情報データベース13と同様に、ユーザIDに対応付けて、その他の端末情報を記憶する。そのため、ユーザ情報データベース213は、無線情報を送信した端末装置30a,30bのユーザIDに、自装置送信済み情報と他装置送信済み情報を対応付けて記憶することにより、送信情報を記憶する。
【0501】
ユーザ情報データベース213が記憶する端末情報には、端末装置30a,30bに送信する無線情報に関する情報(以下「送信予定情報」という)が含まれる。送信予定情報には、端末装置30a,30bに送信する無線情報の送信順番、端末装置30a,30bに対する無線情報の推奨の程度(以下「推奨度」という)などがある。ユーザ情報データベース213は、送信予定情報も、ユーザIDに対応付けて記憶する。
【0502】
無線通信部211aは、他の無線通信装置210aと近距離無線により通信する。無線通信部211aは、他の無線通信装置から送信情報を受信する。無線通信部211aは、受信した送信情報を共有情報制御部214aに入力する。又、無線通信部211aは、共有情報制御部214aから、他の無線通信装置210aに送信する送信情報を取得する。無線通信部211aは、取得した送信情報を他の無線通信装置210aに送信する。無線通信部211aは、送信情報を複数の無線通信装置210aに同報送信してもよい。無線通信部211aは、任意の無線通信装置210aに同報送信してもよく、タググループに属する無線通信装置210aにのみ同報送信してもよい。これらの点以外は、無線通信部211aは、図2(b)に示した無線通信部11bと同様である。
【0503】
共有情報制御部214aは、無線通信装置210a間で共有する情報に関する制御を行う。共有情報制御部214aは、ユーザ情報データベース213から、ユーザIDと、それに対応付けられた自装置送信済み情報を取得する。共有情報制御部214aは、取得したユーザIDと自装置送信済み情報とを対応付けて、他の無線通信装置210aに送信する送信情報を生成する。共有情報制御部214aは、生成した送信情報を無線通信部211aに入力する。共有情報制御部214aは、他の無線通信装置210aから送信情報の要求を受けたときや、無線情報通信部211aが無線情報を送信したときに、送信情報を生成する。又、共有情報制御部214aは、定期的に又はランダムに送信情報を生成してもよい。
【0504】
又、共有情報制御部214aは、無線通信部211aから、他の無線通信装置210aから受信した送信情報を取得する。共有情報制御部214aは、取得した送信情報に含まれるユーザIDと、送信元の無線通信装置の自装置送信済み情報を取得する。共有情報制御部214aは、取得した送信元の無線通信装置210aの自装置送信済み情報を、他装置送信済み情報として、ユーザIDに対応付けて、ユーザ情報データベース213に格納する。
【0505】
更に、共有情報制御部214aは、端末装置30a,30b毎に送信予定情報を決定する。共有情報制御部214aは、送信情報、その他の端末情報に基づいて、端末装置30a,30毎に、無線情報の送信順番や推奨度を決定する。共有情報制御部214aは、端末装置30a,30bに既に無線通信装置210a自身や他の無線通信装置210aが送信した送信済みの無線情報の送信順序を、未送信の無線情報よりも遅くし、未送信の無線情報の送信順序を送信済みの無線情報よりも早くする。又、共有情報制御部214aは、送信済みの無線情報の推奨度を未送信の無線情報よりも低くし、未送信の無線情報の推奨度を送信済みの無線情報よりも高くする。これにより、同一の端末装置30a,30bに、同一の無線情報が重複して送信されることを防止でき、効率的に無線情報を送信できる。
【0506】
共有情報制御部214aは、決定した無線情報の送信順番や推奨度を、送信予定情報として、ユーザIDに対応付けて、ユーザ情報データベース213に格納する。共有情報制御部214aは、他の無線通信装置210aからの送信情報を取得したときや、無線情報通信部211aが無線情報を送信したときに、送信予定情報を決定する。又、共有情報制御部214aは、定期的に又はランダムに送信予定情報を決定してもよい。
【0507】
無線情報提供部212aは、無線通信部211aから、端末装置30a,30bから受信した無線情報の送信の要求や、ユーザIDやパスワードの要求に対する応答を取得する。無線情報提供部212aは、要求や応答に含まれるユーザIDに基づいて、ユーザ情報データベース213を検索する。そして、無線情報提供部212aは、ユーザIDに対応付けられている送信予定情報を取得する。無線情報提供部212aは、取得した送信予定情報に基づいて、無線情報記憶部12を検索し、無線情報を取得する。例えば、無線情報提供部212aは、送信順序が早い無線情報や推奨度が高い無線情報を優先して、無線情報記憶部12から取得する。無線情報提供部212aは、取得した無線情報を無線通信部211aに入力する。これらの点以外は、無線情報提供部212aは、図2(b)に示した無線情報提供部12bと同様である。
【0508】
又、図23に示すように、無線通信装置210bは、無線通信部211bと、無線情報記憶部12と、無線情報提供部212bと、ユーザ情報データベース213と、共有情報制御部214bと、通信部14dと、提供情報特定部15と、通信ポリシー設定部216と、通信ポリシーデータベース16aと、通信制御部217と、変換部18と、監視部19aと、時計部19bと、無線装置情報記憶部19cと、測定部19dとを備える。無線情報記憶部12と、通信部14dと、提供情報特定部15と、通信ポリシーデータベース16aと、変換部18と、監視部19aと、時計部19bと、無線装置情報記憶部19cと、測定部19dとは、図3と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略する。又、ユーザ情報データベース213、無線情報提供部212b、共有情報制御部214bは、図22に示したユーザ情報データベース213、無線情報提供部212a、共有情報制御部214aと同様である。
【0509】
無線通信部211bは、他の無線通信装置210bと近距離無線により通信する。無線通信部211bは、他の無線通信装置210bから送信情報、通信ポリシー設定情報、設定情報、中継の引継に関する情報(以下「引継情報」という)を受信する。無線通信部211bは、受信した送信情報を共有情報制御部214bに入力する。無線通信部211bは、受信した通信ポリシー設定情報、設定情報を通信ポリシー設定部216に入力する。無線通信部211bは、受信した引継情報を通信制御部217に入力する。
【0510】
又、無線通信部211bは、共有情報制御部214bから、他の無線通信装置210bに送信する送信情報を取得する。又、無線通信部211bは、通信ポリシー設定部216から、他の無線通信装置210bに送信する通信ポリシー設定情報、設定情報を取得する。又、無線通信部211bは、通信制御部217から、他の無線通信装置210bに送信する引継情報を取得する。無線通信部211bは、取得した送信情報、通信ポリシー設定情報、設定情報、引継情報を他の無線通信装置210bに送信する。無線通信部211bは、送信情報、通信ポリシー設定情報、設定情報、引継情報を複数の無線通信装置210bに同報送信してもよい。無線通信部211bは、任意の無線通信装置210bに同報送信してもよく、タググループに属する無線通信装置210bにのみ同報送信してもよい。これらの点以外は、無線通信部211bは、図3に示した無線通信部11dと同様である。
【0511】
通信ポリシー設定部216は、無線通信部211bが他の無線通信装置210bから受信した通信ポリシー設定情報、設定情報を取得する。又、通信ポリシー設定部216は、他の無線通信装置210に送信する通信ポリシー設定情報、設定情報を、無線通信部211bに入力する。
【0512】
通信ポリシー設定部216は、他の無線通信装置210bの通信ポリシー設定情報、設定情報に基づいて、通信ポリシーを決定し、設定できる。例えば、通信ポリシー設定部216は、他の無線通信装置210bの設定情報に基づいて、通信ポリシー、達成目標値を設定する。具体的には、通信ポリシー設定部216は、他の無線通信装置210bの設定情報に含まれるユーザID、コンテンツID又はサービスIDに対応付けられたオブジェクト単位、通信ポリシー設定項目、その設定内容、設定した達成目標値を、そのまま、同じユーザIDの端末装置30a,30bに、同じコンテンツIDやサービスIDの提供情報、処理情報を送信する場合のオブジェクト単位、通信ポリシー設定項目、その設定内容、達成目標値に設定する。又、通信ポリシー設定部216は、他の無線通信装置210bの設定情報を基本にし、通信ポリシーの設定に用いる情報に基づいて、通信ポリシー、達成目標値を設定する。
【0513】
又、複数の無線通信装置210bがタググループを形成している場合、通信ポリシー設定部216は、タググループにおける推奨通信ポリシーを決定できる。例えば、通信ポリシー設定部216は、タググループに属する他の無線通信装置210bの通信ポリシー設定情報、設定情報と、その他の通信ポリシーの設定に用いる情報に基づいて、タググループの推奨通信ポリシーを決定する。通信ポリシー設定部216は、単独で推奨通信ポリシーを決定してもよく、他の無線通信装置210bの通信ポリシー設定部と調整して、推奨通信ポリシーを決定してもよい。そして、通信ポリシー設定部216は、推奨通信ポリシーを通信ポリシー設定規則として、通信ポリシーデータベース16aに格納する。以後、通信ポリシー設定部216は、その推奨通信ポリシーを、通信ポリシーとして設定できる。
【0514】
通信制御部217は、通信部14dと無線通信部211bが提供情報や処理情報を中継している間、無線通信部211bと端末装置30a,30bが通信を継続できるか否かを判断する。そして、通信制御部217は、端末装置30a,30bの移動などにより、無線通信部211bが端末装置30a,30bとの通信を継続できなくなると判断した場合には、他の無線通信装置210bに、中継を引き継ぐことが可能か否かを問い合わせる。具体的には、通信制御部217は、中継に用いている送信制御情報、中継している提供情報や処理情報に関する情報、中継先の端末装置30a,30bに関する端末情報を含む問い合わせを、引継情報として、無線通信部211bに入力する。
【0515】
問い合わせを受けた無線通信装置210の通信制御部217は、引継可能か否かを判断する。具体的には、引継情報として問い合わせを受信した無線通信部211bが、受信した問い合わせを通信制御部217に入力する。通信制御部217は、取得した問い合わせに含まれる情報と、監視情報、測定情報、時間情報、無線通信装置情報などに基づいて、引継可能か否かを判断する。例えば、通信制御部217は、提供情報を送信するだけの空き通信リソース量があるか否かを判断して、引継可能か否かを判断する。通信制御部217は、判断結果を、問い合わせてきた無線通信装置210に通知する。具体的には、通信制御部217は、判断結果を引継情報として、無線通信部211bに入力する。
判断結果を取得した無線通信装置210の通信制御部217は、引継可能な無線通信装置210bに、引継を指示する。具体的には、引継情報として判断結果を受信した無線通信部211bが、受信した判断結果を通信制御部217に入力する。通信制御部217は、引継可能であるという判断結果の無線通信装置210bに対して、中継に用いている送信制御情報、中継している提供情報や処理情報に関する情報、中継先の端末装置30a,30bに関する端末情報を含む引継の指示を、引継情報として、無線通信部211bに入力する。尚、通信制御部217は、引継可能な無線通信装置210bが複数存在する場合には、最初に判断結果を受信した無線通信装置210bに引継を指示することができる。
【0516】
引継を指示された無線通信装置210bは、中継を引き継ぐ。具体的には、引継情報として引継の指示を受信した無線通信部211bは、引継の指示を通信制御部217に入力する。通信制御部217は、引継の指示に含まれる提供情報や処理情報に関する情報に基づいて、その提供情報や処理情報の送信の指示を、通信部14dに入力する。そして、通信制御部217は、引継の指示に含まれる送信制御情報に基づいて、提供情報や処理情報の送信を制御する。尚、引継情報には、このような引継可能か否かの問い合わせ、その判断結果、引継の指示などがある。
【0517】
このように、他の無線通信装置210bが提供情報や処理情報を中継する際に設定した通信ポリシーに基づく送信制御情報に従って、通信部14d、無線通信部211bは、提供情報や処理情報を中継できる。
【0518】
このような無線通信装置210a,210bによれば、共有情報制御部214a,214bが、送信情報に基づいて、端末装置30a、30b毎に送信予定情報を決定する。無線情報提供部212a,212bは、送信予定情報に基づいて無線情報を取得する。そして、無線通信部211a,211bが、取得した無線情報を送信する。そのため、無線通信部211a,211bは、他の無線通信部211a,211bや無線通信部211a,211b自身による無線情報の送信に関する送信情報に基づいて、無線情報を送信することができる。よって、無線通信装置210a,210bは、他の無線通信部211a,211bや無線通信部211a,211b自身が送信した無線情報を考慮して、より適切な無線情報を端末装置30a,30bに送信できる。
【0519】
更に、無線通信装置210bの通信ポリシー設定部216は、他の無線通信装置210bの通信ポリシー設定情報、設定情報に基づいて、通信ポリシーを決定し、設定できる。そのため、通信制御部217は、他の無線通信装置210bによる提供情報や処理情報の中継の際の通信ポリシーに基づいて、提供情報や処理情報を中継できる。よって、無線通信装置210bは、既に設定され、他の無線通信装置210bが用いている通信ポリシーを利用して、提供情報や処理情報を中継できる。その結果、例えば、無線通信装置210bは、ある端末装置30a,30bへの提供情報や処理情報の中継を、他の無線通信装置210bから容易に引き継ぐことができる。又、無線通信装置210bは、ある環境に適するように設定された通信ポリシーを、その環境においてそのまま利用でき、新たな通信ポリシーの設定を省略して、中継ができる。
【0520】
又、通信制御部217は、通信部14dと無線通信部211bが提供情報や処理情報を中継している間に、無線通信部211bと端末装置30a,30bが通信を継続できなくなると判断した場合には、提供情報や処理情報の中継を他の無線通信装置210bに引き継ぐ。その際、引き継いだ無線通信装置210bは、他の無線通信装置210bが提供情報や処理情報を中継する際に設定した通信ポリシーに基づく送信制御情報に従って、提供情報や処理情報を中継する。
【0521】
そのため、複数の無線通信装置210bが、提供情報や処理情報を、途切れることなく継続して端末装置30a,30bに送信できる。しかも、引き継いだ無線通信装置210bは、既に設定され、他の無線通信装置210bが用いている通信ポリシーに基づく送信制御情報を利用して、提供情報や処理情報を中継できる。その結果、無線通信装置210bは、ある端末装置30a,30bへの提供情報や処理情報の中継を、他の無線通信装置210bから容易に引き継ぐことができる。
【0522】
〔管理サーバ〕
次に、図1に示した通信システム1において、管理サーバが、複数の無線通信装置間を制御する場合について説明する。図24に示すように、管理サーバ220は、複数の無線通信装置10cを制御する。制御する無線通信装置10cは、任意の無線通信装置10cであってもよく、同一のタググループに属する無線通信装置10cであってもよい。
【0523】
管理サーバ220は、無線情報データベース22と、無線情報提供部222aと、ユーザ情報データベース223と、通信部24と、提供情報特定部25と、通信ポリシー設定部226と、通信ポリシーデータベース26aと、通信制御部227と、変換部28aと、リソース割当部28bと、監視部29aと、時計部29bと、管理サーバ情報記憶部29cとを備える。無線情報データベース22と、通信部24と、提供情報特定部25と、通信ポリシーデータベース26aと、変換部28aと、リソース割当部28bと、監視部29aと、時計部29bと、管理サーバ情報記憶部29cは、図4と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
【0524】
ユーザ情報データベース223は、送信済み情報を、自装置送信済み情報と他装置送信済み情報とに分けずに記憶している以外は、図22に示したユーザ情報データベース213と同様である。
【0525】
無線情報提供部222aは、通信部224から、ユーザIDやパスワードを含む無線情報の送信の要求や、ユーザIDやパスワードの要求に対する応答を取得する。無線情報提供部222aは、要求や応答に含まれるユーザIDに基づいて、ユーザ情報データベース223を検索する。そして、無線情報提供部222aは、ユーザIDに対応付けられている送信予定情報を取得する。無線情報提供部222aは、取得した送信予定情報に基づいて、無線情報データベース22を検索し、無線情報を取得する。例えば、無線情報提供部222aは、送信順序が早い無線情報や推奨度が高い無線情報を優先して、無線情報データベース22から取得する。無線情報提供部222aは、取得した無線情報を通信部224に入力する。
【0526】
次に、無線情報提供部222aは、通信部224に入力した無線情報に関する情報を、無線通信装置10cの送信済み情報として、その無線情報を送信する宛先の端末装置30a,30bのユーザIDに対応付けて、ユーザ情報データベース223に格納する。これにより、ユーザ情報データベース223の送信情報が、更新される。更に、無線情報提供部222aは、送信情報、その他の端末情報に基づいて、端末装置30a,30b毎に、無線情報の送信順番や推奨度を決定する。無線情報提供部222aは、決定した無線情報の送信順番や推奨度を、送信予定情報として、ユーザIDに対応付けて、ユーザ情報データベース223に格納する。
【0527】
このように、無線情報提供部222aは、複数の無線通信装置10cのうち、いずれかが端末装置30a,30bに送信した無線情報を、同一の端末装置30a,30bに重複して送信することを防止でき、効率的に無線情報を送信できる。これらの点以外は、無線情報提供部222aは、図4に示した無線情報提供部22aと同様である。
【0528】
通信ポリシー設定部226は、ある無線通信装置10cと管理サーバ220との間で設定した通信ポリシーに基づいて、他の無線通信装置10cとの間の通信ポリシーを設定することができる。例えば、通信ポリシー設定部226は、ある無線通信装置10cとの間で設定した通信ポリシーを、そのまま、他の無線通信装置10cとの間の通信ポリシーとして設定する。又、通信ポリシー設定部226は、ある無線通信装置10cとの間に設定した通信ポリシーを基本にし、通信ポリシーの設定に用いる情報に基づいて、他の無線通信装置10cとの間の通信ポリシーを設定する。
【0529】
又、複数の無線通信装置10cがタググループを形成している場合、通信ポリシー設定部226は、タググループにおける推奨通信ポリシーを決定できる。例えば、通信ポリシー設定部226は、タググループに属する複数の無線通信装置10cの通信ポリシー設定情報、設定情報に基づいて、タググループの推奨通信ポリシーを決定する。そして、通信ポリシー設定部226は、推奨通信ポリシーを通信ポリシー設定規則として、通信ポリシーデータベース26aに格納する。以後、通信ポリシー設定部226は、その推奨通信ポリシーを、通信ポリシーとして設定できる。
【0530】
通信制御部227は、通信部24が無線通信装置10cに提供情報や処理情報を送信し、提供情報や処理情報の中継を行っている間、その無線通信装置10cと端末装置30a,30bが通信を継続できるか否かを判断する。例えば、通信制御部227は、通信部24を介して、無線通信装置10cから端末装置30a,30bとの通信状態を通知してもらうことにより、判断する。そして、通信制御部227は、端末装置30a,30bの移動などにより、無線通信装置10cが端末装置30a,30bとの通信を継続できなくなると判断した場合には、提供情報や処理情報を送信する無線通信装置10cを、他の無線通信装置10cに切り替える。
【0531】
具体的には、通信制御部227は、中継に用いている送信制御情報、中継している提供情報や処理情報に関する情報、中継先の端末装置30a,30bに関する端末情報、監視情報、時間情報、無線通信装置情報などに基づいて、切り替え先の無線通信装置10cを決定する。例えば、通信制御部227は、提供情報を送信するだけの空き通信リソース量がある無線通信装置10cを切り替え先に決定する。通信制御部227は、決定した無線通信装置10cに、提供情報や処理情報を送信するように、通信部24を制御する。
【0532】
このような管理サーバ220によれば、無線情報提供部222aが、送信情報に基づいて、端末装置30a、30b毎に送信予定情報を決定する。無線情報提供部222aは、送信予定情報に基づいて無線情報を取得する。そして、通信部24が、取得した無線情報を無線通信装置10cに送信する。そのため、管理サーバ220は、無線通信装置10cに、他の無線通信装置10cや無線通信装置10c自身が送信した無線情報を考慮したより適切な無線情報を端末装置30a,30bに送信させることができる。
【0533】
更に、管理サーバ220の通信ポリシー設定部226は、ある無線通信装置10cと管理サーバ220との間で設定した通信ポリシーに基づいて、他の無線通信装置10cとの間の通信ポリシーを設定することができる。そのため、管理サーバ220は、無線通信装置10cに、既に設定され、他の無線通信装置10cが用いている通信ポリシーを利用して、提供情報や処理情報を中継させることができる。その結果、管理サーバ220は、例えば、ある端末装置30a,30bへの提供情報や処理情報の中継を、他の無線通信装置10cに容易に引き継がせることができる。又、管理サーバ220は、ある環境に適するように設定された通信ポリシーを、その環境においてそのまま利用でき、新たな通信ポリシーの設定を省略できる。
【0534】
又、通信制御部227は、通信部24が無線通信装置10cに提供情報や処理情報を送信し、提供情報や処理情報の中継を行っている間に、その無線通信装置10cと端末装置30a,30bが通信を継続できなくなると判断した場合には、提供情報や処理情報を送信する無線通信装置10cを、他の無線通信装置10cに切り替える。そのため、管理サーバ220は、複数の無線通信装置10cを用いて、提供情報や処理情報を、途切れることなく継続して端末装置30a,30bに送信させることができる。
【0535】
[第3の実施の形態]
次に、ポータルサーバを備える通信システムについて説明する。図25に示すように、通信システム301は、複数の無線通信装置10a〜10dと、管理サーバ20と、複数の端末装置30a,30bと、複数の配信サーバ40a,40bと、中継装置50と、処理サーバ60と、課金サーバ70と、ポータルサーバ300を備える。無線通信装置10a〜10dと、管理サーバ20と、端末装置30a,30bと、配信サーバ40a,40bと、中継装置50と、処理サーバ60と、課金サーバ70は、図1と同様である。
【0536】
ポータルサーバ300は、配信サーバ40a,40bが提供する提供情報に関する情報や、処理サーバ60が行う処理に関する情報を、端末装置30a,30bに提供する。又、ポータルサーバ300は認証も行う。ポータルサーバ300は、端末装置30a,30bと直接通信する場合と、中継装置50を介して通信する場合がある。更に、ポータルサーバ300は、配信サーバ40a,40bや処理サーバ60から、提供情報に関する情報や処理に関する情報を取得し、ポータルサーバ300に登録する。又、ポータルサーバ300は、算出情報を課金サーバ70に送信する。
【0537】
ポータルサーバ300と、端末装置30a,30b、配信サーバ40a,40b、中継装置50、処理サーバ60、課金サーバ70は、ネットワークを介して通信する。ネットワークの種類は、特に限定されない。例えば、ネットワークとしては、移動通信網、有線通信網、インターネット、専用線、仮想プライベートネットワーク、ATM網、ADSL網、CATV網、光ファイバ網、ISDN等を用いることができる。又、ネットワークは、公衆の通信網であってもよく、私設のローカル通信網であってもよい。
【0538】
図26に示すように、ポータルサーバ300は、通信部310と、認証部320と、ユーザ情報データベース330と、提供情報提示部340と、サービスリソースデータベース350と、登録部360とを備える。ユーザ情報データベース330は、図2(b)に示したユーザ情報データベース13と同様である。
【0539】
サービスリソースデータベース350は、提供情報に関する情報、処理に関する情報を記憶する。サービスリソースデータベース350は、コンテンツIDやサービスIDに対応付けて、その他の提供情報に関する情報や処理に関する情報を記憶する。通信部310は、端末装置30a,30b、中継装置50、配信サーバ40a,40b、処理サーバ60、課金サーバ70と通信する。
【0540】
通信部310は、端末装置30a,30bから、特定情報として、提供情報に関する情報の提供の要求や、処理に関する情報の提供の要求を受信する。通信部310は、提供の要求を認証部320に入力する。提供の要求には、受信した無線情報、測定情報、位置情報、時間情報、端末情報、端末装置30a,30bと無線通信装置10a〜10dとの関係、通信料金、処理料金、設定された通信ポリシーなどが含まれる。尚、提供の要求には、少なくとも、受信した無線情報、ユーザID、パスワードが含まれる。
【0541】
認証部320は、提供情報ユーザ、処理ユーザの認証を行う。認証部320は、通信部310から、提供の要求を取得する。認証部320は、取得した提供の要求に含まれるユーザIDとパスワードが、ユーザ情報データベース330に記憶された提供情報ユーザや処理ユーザのユーザIDとパスワードと一致するかを判断して、認証を行う。認証部320は、ユーザIDとパスワードが一致する場合には、提供情報ユーザや処理ユーザであると判断する。この場合には、認証部320は、取得した提供の要求を、提供情報提示部340に入力する。
【0542】
一方、認証部320は、ユーザIDとパスワードが一致しない場合には、提供情報ユーザや処理ユーザではないと判断する。この場合には、認証部320は、取得した提供の要求を、提供情報提示部340に入力せずに破棄する。更に、認証部320は、端末装置30a,30bに対する提供情報ユーザ、処理ユーザとして認証できない旨の通知を、通信部310に入力する。通信部310は、端末装置30a,30bに認証できない旨の通知を送信する。尚、認証部320は、ユーザIDとパスワードが一致しない場合に、端末装置30a,30bに対して、再度、ユーザIDとパスワードを送信するよう指示してもよい。この場合には、認証部320は、再度認証を行う。認証部310により、提供情報の送信や処理の提供を提供情報ユーザや処理ユーザに制限できる。このように、認証部310は、提供情報制限手段として機能する。
【0543】
提供情報提示部340は、提供情報に関する情報、処理に関する情報を、端末装置30a,30bに提供する。提供情報提示部340は、認証部320から提供の要求を取得する。又、提供情報提示部340は、提供の要求に含まれるユーザIDに基づいて、ユーザ情報データベース330から端末情報を取得する。更に、提供情報提示部340は、配信サーバ40a,40b、中継装置50、処理サーバ60に対する提供情報の特定に用いる情報の要求を、通信部310に入力する。通信部310は、提供情報の特定に用いる情報の要求を、配信サーバ40a,40b、中継装置50、処理サーバ60に送信する。通信部310は、配信サーバ40a,40b、中継装置50、処理サーバ60から、提供情報の特定に用いる情報を受信する。通信部310は、受信した情報を提供情報提示部340に入力する。
【0544】
提供情報提示部340は、取得した提供の要求に含まれる情報と、端末情報と、提供情報の特定に用いる情報に基づいて、サービスリソースデータベース350を検索し、端末装置30a,30に提供する提供情報や処理に関する情報を取得する。具体的には、提供情報提示部340は、受信した無線情報、測定情報、位置情報、時間情報、配信サーバ40a,40bと端末装置30a,30bとの間のネットワークの状況、配信サーバ40a,40bと端末装置30a,30bとの間の通信リソースの状況、処理サーバ60と端末装置30a,30bとの間のネットワークの状況、処理サーバ60と端末装置30a,30bとの間の通信リソースの状況、配信サーバ情報、中継装置情報、処理サーバ情報、端末情報、無線通信装置情報、管理サーバ情報、端末装置30a,30bと無線通信装置10a〜10dとの関係、通信料金、処理料金、設定された通信ポリシー、要求されるリアルタイム性などに基づいて、サービスリソースデータベース350から、提供する提供情報や処理に関する情報を取得する。
【0545】
提供情報提示部340は、取得した提供情報や処理に関する情報に、提供の要求をしてきた端末装置30a,30bの宛先アドレスを付加する。提供情報提示部340は、宛先アドレスを付加した提供情報や処理に関する情報を、通信部310に入力する。通信部310は、提供情報や処理に関する情報を端末装置30a,30bに送信する。
【0546】
登録部360は、提供情報に関する情報や処理に関する情報を、サービスリソースデータベース350に登録する。通信部310は、配信サーバ40a,40bや処理サーバ60から、提供情報に関する情報や処理に関する情報を受信する。通信部310は、受信した提供情報や処理に関する情報を、登録部360に入力する。登録部360は、取得した提供情報や処理に関する情報に含まれるコンテンツIDやサービスIDに対応付けて、その他の提供情報や処理に関する情報を、サービスリソースデータベース350に格納する。又、登録部360は、配信サーバ40a,40bや処理サーバ60に対する提供情報や処理に関する情報の要求を、通信部310に入力してもよい。この場合、登録部360は、要求に対して送信された提供情報や処理に関する情報を、サービスリソースデータベース350に格納する。
【0547】
提供情報提示部340、登録部360は、算出情報を通信部310に入力する。通信部310は、取得した算出情報を課金サーバ70に送信する。例えば、ポータルサーバ300と端末装置30a,30bとの間では、提供情報に関する情報の提供にかかる料金などが発生する。又、ポータルサーバ300が、提供情報や処理に関する情報を提供することにより、提供情報や処理が端末装置30a,30bに利用される。よって、ポータルサーバ300は、配信サーバ40a,40bや処理サーバ60による提供情報や処理の提供と、端末装置30a,30bによる提供情報や処理の利用を仲介している。そのため、ポータルサーバ300と、配信サーバ40a,40bや処理サーバ60との間では、仲介料金などが発生する。よって、提供情報に関する情報の提供にかかる料金や仲介料金の算出に必要な情報が、算出情報として課金サーバ70に送信される。
【0548】
尚、ポータルサーバ300の通信部310は、配信サーバ40a,40bや処理サーバ60と、端末装置30a,30bとの間や、中継装置50と端末装置30a,30bの間や、中継装置50と、配信サーバ40a,40bや処理サーバ60との間で、提供情報や処理情報の中継を行ってもよい。又、ポータルサーバ300は、ポータルサーバ300自身が提供する提供情報を送信する情報送信装置として機能してもよい。その場合には、ポータルサーバ300には、ポータルサーバ300自身の提供情報のデータベース、そのデータベースから提供情報を取得し、通信部310に入力する情報提供部、ポータルサーバ300を介した情報の送受信における通信ポリシーを決定し、設定する通信ポリシー設定部、ポータルサーバ300を介した情報の送受信を、通信ポリシーに基づいて制御する通信制御部を設ける。そして、通信部310が、情報送信手段として機能する。更に、この場合、オブジェクト単位として、情報を、その情報を送信するポータルサーバ300のような情報送信装置毎に区切る情報送信装置単位を用いることができる。
【0549】
このようなポータルサーバ300によれば、認証部310が認証を行うことにより、提供情報の送信や処理の提供を提供情報ユーザや処理ユーザに制限できる。又、提供情報提示部340が、端末装置30a,30bに対して、提供情報や処理に関する情報を提供できる。そのため、端末装置30a,30bは、提供された提供情報や処理に関する情報に基づいて、容易に提供情報を特定することができる。又、配信サーバ40a,40bや処理サーバ60は、ポータルサーバ300に提供情報や処理に関する情報を登録した後は、自らが提供情報や処理に関する情報の提供を行う必要がない。そのため、配信サーバ40a,40bや処理サーバ60は、制御負荷を軽減できる。
【0550】
[変更例]
本発明は、上記第1〜第3の実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、図27に示すように、通信システムは、複数の無線通信装置10と、複数の端末装置30と、複数の配信サーバ40と、中継装置250と、ネットワーク80と、移動通信網90とを備えるようにしてもよい。無線通信装置10、端末装置30、配信サーバ40は、図1に示した無線通信装置10a〜10d、端末装置30a,30b、配信サーバ40a,40bと同様である。
【0551】
図27に示すように、端末装置30と、中継装置250は、動通信網90を介して通信できる。移動通信網90は、基地局91と交換装置92を備える。中継装置250と、配信サーバ40とは、ネットワーク80を介して通信できる。ネットワーク80は、情報中継サーバ81と、ストリーミングコンテンツ中継サーバ82と、複数のアクセス中継装置83a〜83cと、インターネット85a,85bと、有線通信網86a,86bと、移動通信網84とを備える。
【0552】
情報中継サーバ81は、配信サーバ40と中継装置250との間で、提供情報を中継する。情報中継サーバ81は、配信サーバ40と直接接続してもよく、インターネット85aや有線通信網86aを介して接続してもよい。ストリーミングコンテンツ中継サーバ82は、配信サーバ40と中継装置250との間で、ストリーミング送信される提供情報を中継する。ストリーミングコンテンツ中継サーバ82は、配信サーバ40と直接接続してもよく、インターネット85aや有線通信網86aを介して接続してもよい。このように、通信システムは、配信サーバ40と中継装置250との間を中継する情報中継サーバ81やストリーミングコンテンツ中継サーバ82を備えるようにしてもよい。この場合、配信サーバ40と情報中継サーバ81との間、情報中継サーバ81と中継装置250との間、配信サーバ40とストリーミングコンテンツ中継サーバ82との間、ストリーミングコンテンツ中継サーバ82と中継装置250との間それぞれで通信ポリシーが設定される。
【0553】
アクセス中継装置83aは、配信サーバ40とインターネット85bとを接続する。アクセス中継装置83bは、配信サーバ40と有線通信網86bとを接続する。アクセス中継装置85cは、配信サーバ40と移動通信網84とを接続する。アクセス中継装置83aと中継装置250は、インターネット85bを介して接続する。アクセス中継装置83bと中継装置250は、有線通信網86bを介して接続する。アクセス中継装置83cと中継装置250は、交換装置84aと、基地局84bと、移動通信端末84cとを備える移動通信網84を介して接続する。このように、通信システムは、配信サーバ40と、インターネット85bや有線通信網86b、移動通信網84とを接続するアクセス中継装置83a〜85cを備えるようにしてもよい。そして、配信サーバ40は、アクセス中継装置83a〜85cを介して、インターネット85bや有線通信網86b、移動通信網84に接続するようにしてもよい。この場合、配信サーバ40とアクセス中継装置83a〜83cとの間、アクセス中継装置83a〜85cと中継装置250との間それぞれで通信ポリシーが設定される。
【0554】
中継装置250は、中継制御部251と、中継ゲートウェイ部252とを備える。中継制御部251は、通信ポリシー設定部251aと、リソース割当部251bと、変換部251cと、監視部251dと、課金部251eと、課金データベース251fとを備える。通信ポリシー設定部251a、リソース割当部251b、変換部251c、監視部251dは、図9に示した通信ポリシー設定部56、リソース割当部58b、変換部58a、監視部59aと同様である。課金部251e、課金データベース251fは、図11に示した課金部72、課金データベース73と同様である。このように、中継装置250が課金を行ってもよい。
【0555】
中継ゲートウェイ部252は、HTTP通信制御部252aと、ストリーミングコンテンツ映像通信制御部252bと、VoIP(Voice Over Internet Protocol)通信制御部252cと、トンネリング通信制御部252dと、通信制御部252eとを備える。HTTP通信制御部252aは、HTTPを用いて送信される提供情報の送信を制御して、送信する。ストリーミング映像通信制御部252bは、ストリーミング送信される提供情報の送信を制御して、送信する。VoIP通信制御部252cは、VoIPを用いて送信される提供情報の送信を制御して、送信する。トンネリング通信制御部252dは、通信路としてトンネルを確立して送信される提供情報の送信を制御して、送信する。通信制御部252eは、その他の提供情報の送信を制御して、送信する。このように、提供情報の送信に用いる通信プロトコルや提供情報の送信方法、確立する通信路毎に、提供情報の送信を制御し、送信する通信制御部を分けて設けるようにしてもよい。
【0556】
又、通信システムでは、セッションを、全て提供情報や処理情報の送信に用いる必要はなく、セッションの一部を特定情報や通信ポリシー設定情報の送受信、ネットワークの状況の監視などに用いてもよい。
【0557】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ユーザが、ユーザに適した情報を容易に取得でき、その情報を、情報の送信側や受信側が望む情報の単位毎に適した取り決めに従って送受信できる通信システム、端末装置、無線通信装置、情報送信装置、中継装置、管理サーバ及び通信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る無線通信装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る他の無線通信装置の構成を示すブロック図である、
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る管理サーバの構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る端末装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る他の端末装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る配信サーバの構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る他の配信サーバの構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る中継装置の構成を示すブロック図である、
【図10】本発明の第1の実施の形態に係る処理サーバの構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係る課金サーバの構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係る提供情報の送信を示すブロック図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態に係る提供情報の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態に係る通信ポリシーの設定規則を示す図である。
【図15】本発明の第1の実施の形態に係る他の通信ポリシーの設定規則を示す図である。
【図16】本発明の第1の実施の形態に係る更に他の通信ポリシーの設定規則を示す図である。
【図17】本発明の第1の実施の形態に係る通信ポリシーの設定から提供情報の送信までを示す図である。
【図18】本発明の第1の実施の形態に係る通信ポリシーに基づいた提供情報の送信を示すブロック図である。
【図19】本発明の第1の実施の形態に係る料金を示す図である。
【図20】本発明の第1の実施の形態に係る料金算出規則を示す図である。
【図21】本発明の第1の実施の形態に係る通信方法の手順を示すフロー図である。
【図22】本発明の第2の実施の形態に係る無線通信装置の構成を示すブロック図である。
【図23】本発明の第2の実施の形態に係る他の無線通信装置の構成を示すブロック図である。
【図24】本発明の第2の実施の形態に係る管理サーバの構成を示すブロック図である。
【図25】本発明の第3の実施の形態に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
【図26】本発明の第3の実施の形態に係るポータルサーバの構成を示すブロック図である。
【図27】本発明の変更例に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 通信システム
10,10a,10b,10c,10d,210a,210b 無線通信装置
20,220 管理サーバ
30,30a,30b 端末装置
40,40a,40b 配信サーバ
50,250 中継装置
60 処理サーバ
70 課金サーバ
11a,11b,11c,11d,31a,31b,211a,211b 無線通信部
12 無線情報記憶部
12b,12d,22a,212a,212b,222a 無線情報提供部
13,23,43,53,63,213,223,330 ユーザ情報データベース
14c,14d,24,34a,34b,44a,44b,54,64,71,310 通信部
15,25,35,45a 提供情報特定部
16,26,36,46,56,216,226,251a 通信ポリシー設定部
16a,26a,36a,46a,56a 通信ポリシーデータベース
17,27,37a,37b,47a,47b,57,67,217,227,252e 通信制御部
18,28a,48a,58a,251c 変換部
19a,29a,39a,49a,49d,59a,69a,251d 監視部
19b,29b,39b,49b,59b,69b 時計部
19c 無線装置情報記憶部
19d,32 測定部
22 無線情報データベース
28b,48b,48c,58b,68,251b リソース割当部
29c 管理サーバ情報記憶部
33 ユーザ情報記憶部
38,45c,55,65 通知部
38a 入力部
38b 出力部
41a,41b 提供情報提供部
42 提供情報データベース
45b,340 提供情報提示部
46b,56b 設定条件制御部
49c,49e 配信サーバ情報記憶部
59c 中継装置情報記憶部
61 処理データベース
62 処理部
69c 処理サーバ情報記憶部
72,251e 課金部
73,251f 課金データベース
80 ネットワーク
81 情報中継サーバ81
82 ストリーミングコンテンツ中継サーバ
83a,83b,83c アクセス中継装置
84,90 移動通信網
84a 92 交換装置
84b,91 基地局
84c 移動通信端末
85a,85b インターネット
86a,86b 有線通信網
214a,214b 共有情報制御部
251 中継制御部
252 中継ゲートウェイ部
252a HTTP通信制御部
252b ストリーミング映像通信制御部
252c VoIP通信制御部
252d トンネリング通信制御部
300 ポータルサーバ
320 認証部
350 サービスリソースデータベース
360 登録部

Claims (52)

  1. 情報送信装置と無線通信装置と端末装置の少なくとも二者間で行われる提供情報の送受信を行う通信システムにおいて、
    近距離無線により無線情報を送信する近距離無線送信手段と、
    該近距離無線送信手段が送信した無線情報を受信する近距離無線受信手段と、該近距離無線受信手段が受信した無線情報に基づいて、提供情報を特定する提供情報特定手段と、
    該提供情報特定手段が特定した提供情報を送信する情報送信装置と、
    前記情報送信装置から前記端末装置に前記提供情報を送信する際の通信ポリシーをオブジェクト単位毎に決定し、設定する通信ポリシー設定手段と、
    該通信ポリシー設定手段によって設定された通信ポリシーに基づいて、前記提供情報の送信をオブジェクト単位毎に制御する通信制御手段とを備えることを特徴とする通信システム。
  2. 前記オブジェクト単位には、データ単位、領域単位、コミュニティ単位、セッション単位、コネクション単位、又はトンネル単位が含まれることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  3. 前記提供情報特定手段は、測定情報、位置情報、時間情報、前記情報送信装置と前記端末装置との間のネットワークの状況、前記情報送信装置と前記端末装置との間の通信リソースの状況、前記提供情報に関する情報、前記情報送信装置に関する情報、前記端末装置に関する情報、前記近距離無線送信手段に関する情報、前記近距離無線受信手段に関する情報、前記近距離無線受信手段と前記近距離無線送信手段との関係、前記提供情報の送受信に関する通信料金、前記通信ポリシー設定手段が設定した通信ポリシー又は要求されるリアルタイム性の少なくとも1つと、前記受信した無線情報とに基づいて、前記提供情報を特定することを特徴とする請求項1又は2に記載の通信システム。
  4. 前記提供情報特定手段に対して、前記提供情報に関する情報を提供する提示手段を備え、
    前記提供情報特定手段は、前記提示手段が提供した前記提供情報に関する情報に基づいて、前記提供情報を特定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信システム。
  5. 前記近距離無線受信手段は、複数の前記無線情報を受信し、前記提供情報特定手段は、前記無線情報の優先度に従って、前記複数の無線情報に基づく提供情報を順番に特定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の通信システム。
  6. 前記複数の無線情報の前記優先度を設定する優先度設定手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の通信システム。
  7. 前記通信ポリシー設定手段は、前記提供情報特定手段が特定した提供情報、測定情報、位置情報、時間情報、前記情報送信装置と前記端末装置との間のネットワークの状況、前記情報送信装置と前記端末装置との間の通信リソースの状況、前記情報送信装置に関する情報、前記端末装置に関する情報、前記近距離無線送信手段に関する情報、前記近距離無線受信手段に関する情報、前記端末装置と前記近距離無線送信手段との関係、前記通信ポリシーの達成度、前記提供情報の送受信に関する通信料金又は要求されるリアルタイム性の少なくとも1つに基づいて、前記通信ポリシーを決定し、設定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の通信システム。
  8. 前記通信ポリシーの設定条件を制御する設定条件制御手段を備え、
    前記通信ポリシー設定手段は、前記設定条件制御手段が制御した設定条件に基づいて、前記通信ポリシーを決定し、設定することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の通信システム。
  9. 複数の前記通信ポリシー設定手段が、前記通信ポリシーの調整を行うことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の通信システム。
  10. 前記通信ポリシー設定手段は、前記通信ポリシーの適用を制限することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の通信システム。
  11. 前記通信ポリシー設定手段は、前記通信ポリシーとして、前記情報送信装置から前記端末装置に前記特定した提供情報を送信する際の品質、通信形態、通信料金、通信スケジュール、変換方法、同期制御方法、前記通信ポリシーの設定規則、要求されるリアルタイム性の少なくとも1つに関する取り決めを設定することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の通信システム。
  12. 前記情報送信装置から前記端末装置への提供情報の送信を中継する中継手段を備え、
    前記通信ポリシー設定手段は、前記情報送信装置から前記中継手段に前記提供情報を送信する際の前記通信ポリシーと、前記中継手段から前記端末装置に前記提供情報を送信する際の前記通信ポリシーを決定し、設定することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の通信システム。
  13. 前記設定した通信ポリシーに基づいて、前記提供情報の送信に通信リソースを予め割り当てるリソース割当手段を備えることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の通信システム。
  14. 前記設定した通信ポリシーに基づいて、前記提供情報を変換する変換手段を備えることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の通信システム。
  15. 前記近距離無線送信手段による無線情報の送信を制限する無線情報制限手段を備えることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の通信システム。
  16. 前記情報送信装置による提供情報の送信を制限する提供情報制限手段を備えることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の通信システム。
  17. 前記情報送信装置と前記端末装置との間のネットワークの状況、前記情報送信装置と前記端末装置との間の通信リソースの状況、前記情報送信装置の状況、前記端末装置の状況、前記近距離無線送信手段の状況、前記近距離無線受信手段の状況、前記通信ポリシーの達成度の少なくとも1つを取得する取得手段を備えることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の通信システム。
  18. 前記提供情報を利用するための処理を行う処理手段を備えることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の通信システム。
  19. 前記提供情報の送受信に関する通信料金を課金する課金手段を備えることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載の通信システム。
  20. 前記近距離無線送信手段が、他の前記近距離無線送信手段による前記無線情報の送信に関する送信情報に基づいて、前記無線情報を送信することを特徴とする請求項1乃至19のいずれか1項に記載の通信システム。
  21. 無線通信装置が近距離無線により送信した無線情報を受信する近距離無線受信手段と、
    該近距離無線受信手段が受信した無線情報に基づいて、提供情報を特定する提供情報特定手段と、
    情報送信装置が送信する前記提供情報特定手段が特定した提供情報を受信する提供情報受信手段と、
    前記情報送信装置から端末装置に前記提供情報を送信する際の通信ポリシーを、オブジェクト単位毎に決定し、設定する通信ポリシー設定手段とを備えることを特徴とする端末装置。
  22. 前記オブジェクト単位には、データ単位、領域単位、コミュニティ単位、セッション単位、コネクション単位、又はトンネル単位が含まれることを特徴とする請求項21に記載の端末装置。
  23. 近距離無線により無線情報を送信する近距離無線送信手段と、
    端末装置が受信した前記無線情報に基づいて、提供情報を特定する提供情報特定手段と、
    情報送信装置から前記端末装置に前記提供情報を送信する際の通信ポリシーを、オブジェクト単位毎に決定し、設定する通信ポリシー設定手段とを備えることを特徴とする無線通信装置。
  24. 前記オブジェクト単位には、データ単位、領域単位、コミュニティ単位、セッション単位、コネクション単位、又はトンネル単位が含まれることを特徴とする請求項23に記載の無線通信装置。
  25. 前記情報送信装置から前記端末装置への提供情報の送信を中継する中継手段を備えることを特徴とする請求項23又は24に記載の無線通信装置。
  26. 前記中継手段が、他の前記無線通信装置による前記提供情報の中継の際の通信ポリシーに基づいて、前記提供情報を中継することを特徴とする請求項25に記載の無線通信装置。
  27. 前記近距離無線送信手段が、他の前記無線通信装置による前記無線情報の送信に関する送信情報に基づいて、前記無線情報を送信することを特徴とする請求項23乃至26のいずれか1項に記載の無線通信装置。
  28. 無線通信装置が近距離無線により送信し、端末装置が受信した無線情報に基づいて、提供情報を特定する提供情報特定手段と、
    該提供情報特定手段が特定した提供情報を前記端末装置に送信する情報送信手段と、
    オブジェクト単位毎に設定された情報送信装置から前記端末装置に前記提供情報を送信する際の通信ポリシーに基づいて、前記提供情報の送信をオブジェクト単位毎に制御する通信制御手段とを備えることを特徴とする情報送信装置。
  29. 前記オブジェクト単位には、データ単位、領域単位、コミュニティ単位、セッション単位、コネクション単位、又はトンネル単位が含まれることを特徴とする請求項28に記載の情報送信装置。
  30. 前記通信ポリシーをオブジェクト単位毎に決定し、設定する通信ポリシー設定手段を備えることを特徴とする請求項28又は29に記載の情報送信装置。
  31. 無線通信装置が近距離無線により送信し、端末装置が受信した無線情報に基づいて特定された提供情報を、情報送信装置から前記端末装置に送信する際に、前記提供情報の送信を中継する中継手段と、
    前記情報送信装置から前記中継手段に前記提供情報を送信する際のオブジェクト単位毎の通信ポリシーと、前記中継手段から前記端末装置に前記提供情報を送信する際の通信ポリシーを、オブジェクト単位毎に決定し、設定する通信ポリシー設定手段と、
    該通信ポリシー設定手段が設定した通信ポリシーに基づいて、前記提供情報の送信をオブジェクト単位毎に制御する通信制御手段とを備えることを特徴とする中継装置。
  32. 前記オブジェクト単位には、データ単位、領域単位、コミュニティ単位、セッション単位、コネクション単位、又はトンネル単位が含まれることを特徴とする請求項31に記載の中継装置。
  33. 端末装置が受信した無線通信装置が近距離無線により送信した無線情報に基づいて、提供情報を特定する提供情報特定手段と、
    情報送信装置から前記端末装置に前記提供情報を送信する際の通信ポリシーを、オブジェクト単位毎に決定し、設定する通信ポリシー設定手段とを備えることを特徴とする管理サーバ。
  34. 前記オブジェクト単位には、データ単位、領域単位、コミュニティ単位、セッション単位、コネクション単位、又はトンネル単位が含まれることを特徴とする請求項33に記載の管理サーバ。
  35. 前記情報送信装置から前記端末装置への提供情報の送信を中継する中継手段を備えることを特徴とする請求項33又は34に記載の管理サーバ。
  36. 無線通信装置が、近距離無線により無線情報を送信し、
    端末装置が、前記無線情報を受信し、
    前記端末装置が受信した無線情報に基づいて、提供情報を特定し、
    前記情報送信装置から前記端末装置に前記提供情報を送信する際の通信ポリシーを、オブジェクト単位毎に決定して設定し、
    前記情報送信装置が、前記特定した提供情報を前記設定した通信ポリシーに基づいて送信することを特徴とする通信方法。
  37. 前記近距離無線による無線情報の送信は、前記無線通信装置が、前記端末装置からの送信要求に基づき、前記無線情報を送信することを特徴とする請求項36に記載の通信方法。
  38. 前記オブジェクト単位には、データ単位、領域単位、コミュニティ単位、セッション単位、コネクション単位、又はトンネル単位が含まれることを特徴とする請求項36又は37に記載の通信方法。
  39. 前記提供情報に関する情報を提供し、
    前記提供情報の特定は、前記提供された提供情報に関する情報に基づいて行うことを特徴とする請求項36乃至38のいずれか1項に記載の通信方法。
  40. 前記端末装置は、複数の前記無線通信装置から複数の前記無線情報を受信し、
    前記提供情報の特定は、前記無線情報の優先度に従って、前記複数の無線情報に基づく提供情報を順番に特定することにより行うことを特徴とする請求項36乃至39のいずれか1項に記載の通信方法。
  41. 前記通信ポリシーの設定条件を制御し、
    前記通信ポリシーの設定は、前記制御した設定条件に基づいて行うことを特徴とする請求項36乃至40のいずれか1項に記載の通信方法。
  42. 前記情報送信装置、前記端末装置又は前記無線通信装置の少なくとも2つが、前記通信ポリシーの調整を行うことを特徴とする請求項36乃至41のいずれか1項に記載の通信方法。
  43. 前記通信ポリシーの適用を制限することを特徴とする請求項36乃至42のいずれか1項に記載の通信方法。
  44. 中継装置が、前記情報送信装置から前記端末装置への提供情報の送信を中継し、
    前記通信ポリシーの設定は、前記情報送信装置から前記中継装置に前記提供情報を送信する際の前記通信ポリシーと、前記中継装置から前記端末装置に前記提供情報を送信する際の前記通信ポリシーを決定し、設定することにより行うことを特徴とする請求項36乃至43のいずれか1項に記載の通信方法。
  45. 前記設定した通信ポリシーに基づいて、前記提供情報の送信に通信リソースを予め割り当てることを特徴とする請求項36乃至44のいずれか1項に記載の通信方法。
  46. 前記設定した通信ポリシーに基づいて、前記提供情報を変換することを特徴とする請求項36乃至45のいずれか1項に記載の通信方法。
  47. 前記無線通信装置による無線情報の送信を制限することを特徴とする請求項36乃至46のいずれか1項に記載の通信方法。
  48. 前記情報送信装置による提供情報の送信を制限することを特徴とする請求項36乃至47のいずれか1項に記載の通信方法。
  49. 前記情報送信装置と前記端末装置との間のネットワークの状況、前記情報送信装置と前記端末装置との間の通信リソースの状況、前記情報送信装置の状況、前記無線通信装置の状況、前記端末装置の状況、前記通信ポリシーの達成度の少なくとも1つを取得することを特徴とする請求項36乃至48のいずれか1項に記載の通信方法。
  50. 前記提供情報を利用するための処理を行うことを特徴とする請求項36乃至49のいずれか1項に記載の通信方法。
  51. 前記提供情報の送受信に関する通信料金を課金することを特徴とする請求項36乃至50のいずれか1項に記載の通信方法。
  52. 前記無線通信装置が、他の前記無線通信装置による前記無線情報の送信に関する送信情報に基づいて、前記無線情報を送信することを特徴とする請求項36乃至51のいずれか1項に記載の通信方法。
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