JP2004271693A - デジタルカメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】AF制御動作と手ぶれ補正動作とを好適に調整し、レリーズタイムラグを抑制することが可能なデジタルカメラを提供する。
【解決手段】デジタルカメラは、撮影レンズと、撮像素子(CCD等)と、撮像素子による撮像画像についての合焦用評価値を算出して撮影レンズの焦点位置を調整する自動合焦制御手段と、手ぶれを検出するぶれ検出手段と、撮影レンズと撮像素子との相対移動により手ぶれを補正する手ぶれ補正制御手段とを備える。手ぶれ補正制御手段は、撮影レンズと撮像素子との相対的な位置関係を所定の基準位置関係に復帰させる復帰動作を、合焦用評価値の算出動作と並列的に行わせる(ステップSP36,SP37)。
【選択図】 図9
【解決手段】デジタルカメラは、撮影レンズと、撮像素子(CCD等)と、撮像素子による撮像画像についての合焦用評価値を算出して撮影レンズの焦点位置を調整する自動合焦制御手段と、手ぶれを検出するぶれ検出手段と、撮影レンズと撮像素子との相対移動により手ぶれを補正する手ぶれ補正制御手段とを備える。手ぶれ補正制御手段は、撮影レンズと撮像素子との相対的な位置関係を所定の基準位置関係に復帰させる復帰動作を、合焦用評価値の算出動作と並列的に行わせる(ステップSP36,SP37)。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、撮影時の手ぶれ補正機能を有するカメラが知られている。たとえば、ぶれを検出するセンサーと、撮像素子(CCDなど)と撮影レンズとを撮影レンズの光軸に垂直な方向に相対的に移動させることによってそのぶれを補正する駆動機構とを備えて構成されるカメラなどがある(たとえば、特許文献1〜3参照)。なお、このような手ぶれ補正機能は、「光学式」の手ぶれ補正とも称される。
【0003】
この光学式の手ぶれ補正は撮影レンズと撮像素子との相対移動を伴うものであり、その移動量には限界値が存在する。特に、その限界値を超えて移動することができないため、たとえば撮像素子が既に限界値まで移動されているときには、そのままでは手ぶれ補正ができないことがある。このような事態を回避するため、ぶれ補正を伴う撮影を行った後には、撮影レンズと撮像素子との位置関係を基準の位置関係に復帰させるという動作が行われる。
【0004】
また、このようなカメラにおいては、合焦制御動作(AF制御動作)も行われる。特に、デジタルカメラにおいては、AF制御方式として、映像AF方式(山登り方式あるいはコントラスト方式とも称する)が用いられることが多い。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−245199号公報
【特許文献2】
特開2001−166201号公報
【特許文献3】
特開平7−107372号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、AF制御と上記の復帰動作とを行うに際しては、レリーズタイムラグが発生するという問題がある。
【0007】
たとえば、合焦状態への到達を待ってから復帰動作を開始する場合には、AF制御終了時点から基準状態(基準の位置関係を有する状態)への復帰までに要する時間に起因して、レリーズタイムラグが発生する。
【0008】
逆に、基準状態への復帰を待ってからAF制御を行う場合には、基準状態への復帰からAF制御開始までに要する時間に起因して、レリーズタイムラグが発生する。
【0009】
そこで、本発明は前記問題点に鑑み、AF制御動作と手ぶれ補正動作とを好適に調整し、レリーズタイムラグを抑制することが可能なデジタルカメラを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、デジタルカメラであって、撮影レンズと、前記撮影レンズからの被写体像を光電変換して画像を取得する撮像素子と、前記撮像素子によって撮像された画像についての合焦用評価値を算出し、当該合焦用評価値を用いて前記撮影レンズの焦点位置を調整する自動合焦制御手段と、前記デジタルカメラに対する手ぶれを検出するぶれ検出手段と、前記撮像素子における露光動作中に前記撮影レンズと前記撮像素子との相対移動を行うことによって、前記手ぶれを補正する手ぶれ補正制御手段と、を備え、前記手ぶれ補正制御手段は、前記撮影レンズと前記撮像素子との相対的な位置関係を基準状態に復帰させる復帰動作を、前記合焦用評価値の算出動作と並列的に行わせることを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明に係るデジタルカメラにおいて、前記復帰動作が完了するまでは、記録用画像である本撮影画像の取得が禁止されることを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1の発明に係るデジタルカメラにおいて、前記手ぶれ補正制御手段は、前記合焦評価値の算出用画像を取得する際にも、前記手ぶれの補正処理を行うことを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明は、デジタルカメラであって、撮影レンズと、前記撮影レンズからの被写体像を光電変換して画像を取得する撮像素子と、前記撮像素子によって撮像された画像についての合焦用評価値を算出し、当該合焦用評価値を用いて前記撮影レンズの焦点位置を調整する自動合焦制御手段と、前記デジタルカメラに対する手ぶれを検出するぶれ検出手段と、前記撮像素子における露光動作中に前記撮影レンズと前記撮像素子との相対移動を行うことによって、前記手ぶれを補正する手ぶれ補正制御手段と、を備え、前記手ぶれ補正制御手段は、前記撮影レンズと前記撮像素子との位置関係が基準状態であるか否かにかかわらず、前記合焦評価値の算出用画像の撮像を許可することを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明は、請求項4の発明に係るデジタルカメラにおいて、前記手ぶれ補正制御手段は、前記合焦評価値の算出用画像を取得する際には、前記手ぶれの補正処理を行わないことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
<1.構成>
<概要>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る撮像装置であるデジタルカメラの主たる構成を示す断面図である。このデジタルカメラ(より詳細にはデジタルスチルラ)1は、手ぶれによる画像中の被写体像のぶれを補正(抑制)する手ぶれ補正機能を有している。図に示すようにデジタルカメラ1は、主としてカメラ本体部2と、カメラ本体部2に固設される撮影レンズ(撮影光学系)3とから構成される。なお、以下の説明においては、図に示すXYZ3次元直交座標系を適宜用いて、方向および向きを示すこととする。ここで、Z軸方向は撮影レンズ3の光軸Lに沿った方向であり、Z軸正方向は入射光の入射先となる向き(図において右向き)である。また、Y軸方向は鉛直方向であり、Y軸正方向は鉛直上向き(図において上向き)である。さらに、X軸方向は図面(紙面)に対しての垂直方向であり、X軸正方向は図面(紙面)に対する垂直下向きである。これらXYZ軸は、カメラ本体部2のハウジング2aに対して相対的に固定される。
【0017】
撮影レンズ3は主として、鏡胴31、ならびに、鏡胴31の内部に設けられる複数のレンズ群32および絞り33から構成される。撮影レンズ3はズームレンズとして構成され、レンズ群32の配置をZ軸方向に変更することにより、焦点距離(撮像倍率)を変更可能とされている。撮影レンズ3を介して形成される被写体の光像は、図2に示すように、結像されるXY平面(以下、「結像平面」という。)上において略円形の形状となり、イメージサークルICと呼ばれる。なお、イメージサークルの中心位置CCは、撮影レンズ3の結像平面と撮影レンズ3の光軸との交点であるとも表現できる。
【0018】
撮影レンズ3の光軸Lの後方(Z軸正方向側)には、カメラ本体部2のハウジング2aに収容されたCCD5が配置されている。CCD5は、カラーフィルタがそれぞれ付された微細な画素群で構成される撮像素子であり、撮影レンズ3によって結像される被写体の光像(被写体像)を、例えばRGBの色成分を有する画像信号に光電変換する。
【0019】
CCD5の受光面は結像平面と一致するように配置され、イメージサークルを含む結像平面の一部の領域が画像データ(本明細書中では、適宜単に「画像」ともいう。)として取得されることとなる。図2において、矩形の領域PAは結像平面上におけるCCD5の有効画素群の配置の例を示している。この領域は結像平面上にて画像として取得される領域であるため「画像取得領域」PAともいう。
【0020】
CCD5はCCD移動部50内に固定されて配置される。CCD5は、このCCD移動部50によりZ軸に直交するXY平面内にて移動することが可能とされている。図3は、CCD5を含めたCCD移動部50の分解斜視図である。
【0021】
図3に示すように、CCD移動部50は主として、ハウジング2aに固設されるベース板51、ベース板51に対してX軸方向に移動する第1スライダ52、および、第1スライダ51に対してY軸方向に移動する第2スライダ53の3つの部材から構成される。
【0022】
ベース板51は、撮影レンズ3からの入射光を通過可能に中央部が開口しており、X軸方向に延設される第1アクチュエータ511、および、スプリング55を掛けるための第1スプリング掛け512を備えている。第2スライダ53は、CCD5を固定可能な開口部533がその中央部に形成されるとともに、Y軸方向に延設される第2アクチュエータ531、および、剛球54をZ軸方向両面に遊嵌する剛球受け532を備えている。また、第1スライダ52は中央部が開口しており、第1アクチュエータ511と対向する位置に第1摩擦結合部521、および、第2アクチュエータ531と対向する位置に第2摩擦結合部522がそれぞれ設けられ、さらに、第1スプリング掛け512と対向する位置に第2スプリング掛け523が設けられる。
【0023】
第1アクチュエータ511および第2アクチュエータ531はそれぞれ、圧電素子と延設方向に駆動可能な駆動ロッドとを備えており、圧電素子に印加される駆動パルスに応じた量および向きに駆動ロッドが移動するようになっている。
【0024】
CCD移動部50が組み上げられるときには、CCD5が第2スライダ53の開口部533に嵌合して固設されるとともに、第1アクチュエータ511の駆動ロッドと第1摩擦結合部521とが摩擦結合され、第2アクチュエータ531の駆動ロッドと第2摩擦結合部522とが摩擦結合される。また、ベース板51と第1スライダ52とは、スプリング55によって相互に接近する向きに付勢される。このとき、第2スライダ53は、ベース板51と第1スライダ52とに剛球54を介して挟み込まれた状態とされる。これにより、Z軸負方向側から正方向側に向かって、ベース板51、第2スライダ53、第1スライダ52の順に重なって、これら部材51,53,52が配置されることとなる。
【0025】
このようなCCD移動部50が組み上げられた状態で、第1アクチュエータ511の駆動ロッドが緩速で移動すると、これに摩擦結合する第1摩擦結合部521により第1スライダ52がベース板51に対してX軸方向に移動する。このとき、第1スライダ52の移動にあわせて第2スライダ53もベース板51に対してX軸方向に移動する。第1アクチュエータ511の駆動ロッドが急速に移動すると、慣性により第1スライダ52は停止する。また、第2アクチュエータ531の駆動ロッドが緩速で移動すると、これに摩擦結合する第2摩擦結合部522により第2スライダ53が第1スライダ52に対してY軸方向に移動する。このとき、第1スライダ52のベース板51に対する移動はなされないため、第2スライダ53は単独でベース板51に対してY軸方向に移動することとなる。第2アクチュエータ531の駆動ロッドが急速に移動すると、慣性により第2スライダ53は停止する。つまり、各圧電素子に与えられる駆動パルスによって各駆動ロッドが速度の異なる往動および復動(振動)を行うことにより、第2スライダ53がX軸・Y軸方向に移動することとなる。
【0026】
また、前述したように、ベース板51はカメラ本体部2のハウジング2aに固設され、CCD5は第2スライダ53に固設されることから、CCD5はカメラ本体部2のハウジング2aに対してXY平面内にて相対的に移動することとなる。これにより、撮影レンズ3により形成されるイメージサークルICと、CCD5との相対位置が変更可能とされ、イメージサークルIC中において画像として取得される領域が変更されることとなる。
【0027】
図1に戻り、CCD5のZ軸正方向側には、移動するCCD5の位置を検出するためのCCD位置センサ58が配置されている。CCD位置センサ58は、発光ダイオード等で構成される2つの投光部56a,56b、および、フォトダイオード等で構成される2つの受光部57a,57bを備えている。投光部56a,56bはCCD5の裏面側(Z軸正方向側)に固設される一方、受光部57a,57bは投光部56a,56bにそれぞれ対向するようにカメラ本体部2のハウジング2aに固設される。投光部56a,56bから投光された光は受光部57a,57bにて受光可能となっており、この受光部57a,57bにて受光する光の位置の変化から、CCD5の位置がXY座標位置として求められる。具体的には、第1投光部56aおよび第1受光部57aにてCCD5のX軸方向の位置を検出し、第2投光部56bおよび第2受光部57bにてCCD5のY軸方向の位置を検出するようになっている。
【0028】
また、カメラ本体部2のハウジング2aの内部には、デジタルカメラ1の手ぶれによる振動を検出する振動センサ40が設けられている。振動センサ40は、2つの角速度センサ(第1角速度センサ41および第2角速度センサ42)を備えており、第1角速度センサ41にてX軸を中心とした回転振動(ピッチング)Piの角速度が検出され、第2角速度センサ42にてY軸を中心とした回転振動(ヨーイング)Yaの角速度が検出される。この振動センサ40により検出される2つの角速度に基づいて、CCD5がX軸およびY軸のそれぞれの方向に移動されることにより、画像中の被写体像のぶれの補正、すなわち、手ぶれ補正がなされることとなる。
【0029】
カメラ本体部2の上面側にはシャッタボタン61が設けられる。シャッタボタン61は、撮影準備の開始や撮像(露光開始)の指示をユーザから受け付けるボタンであり、半押し状態(以下、S1状態とも称する)と全押し状態(以下、S2状態とも称する)とが検出可能な2段階スイッチになっている。
【0030】
また、カメラ本体部2の背面側には、操作ボタン62、および、LCD63が設けられる。操作ボタン62は、デジタルカメラ1の各種指示や設定をユーザから受け付けるものである。ユーザは、この操作ボタン62にて所定の操作を行うことにより、例えば、センタリング情報の取得の指示や撮影レンズ3の焦点距離の設定等を行うことができるようになっている。
【0031】
LCD63は、各種の情報や画像を表示するものである。このLCD63は撮影待機状態において、CCD5にて所定時間ごとに取得される画像を表示(ライブビュー表示)し、被写体像をユーザに確認させつつフレーミングを行わせるビューファインダとして機能する。なお、この明細書においては、フレーミングのためなどに用いられるプレビュー用の画像を「ライブビュー画像」と称し、シャッタボタン61の全押し状態S2までの押下に応じて記録用の画像として取得される画像を「本撮影画像」とも称する。
【0032】
また、カメラ本体部2の内部には、各種データを記録するメモリカード9(図4参照)を挿入して装着することが可能とされ、CCD5にて取得された記録用の画像(本撮影画像)はメモリカード9に記録されるようになっている。
【0033】
<機能ブロック>
デジタルカメラ1の手ぶれ補正機能やセンタリング情報取得機能等を含む各種の機能は、カメラ本体部2のハウジング2a内に設けられる全体制御部の制御に基づいて行われる。図4は、この全体制御部7を含めたデジタルカメラ1の主たる機能構成を機能ブロックとして示す図である。
【0034】
図4に示すように、CCD5、CCD移動部50、CCD位置センサ58、振動センサ40、シャッタボタン61、操作ボタン62およびLCD63等のデジタルカメラ1の各処理部は全体制御部7に電気的に接続され、全体制御部7の制御下にて動作することとなる。これとともに、CCD位置センサ58にて検出されるCCD5の位置、振動センサ40にて検出される角速度、シャッタボタン61の操作内容、および、操作ボタン62の操作内容等は、それぞれ信号として全体制御部7に入力される。
【0035】
撮影レンズ3は、ズーム・フォーカス駆動部321および絞り駆動部331を備えている。ズーム・フォーカス駆動部321は、ユーザにより設定される焦点距離となるように、また、焦点が合うように(フォーカシング)レンズ群32に含まれるレンズを適宜Z軸方向に駆動するものである。また、絞り駆動部331は、全体制御部7により設定される絞り値となるように絞り33の開口径を調整するものである。ズーム・フォーカス駆動部321および絞り駆動部331も電気的に全体制御部7に接続され、全体制御部7の制御下にて動作する。
【0036】
また、図4において、A/D変換部21、画像処理部22および画像メモリ23は、CCD5にて取得された画像を扱う処理部を示している。すなわち、CCD5にて取得されたアナログ信号の画像は、A/D変換部21にてデジタル信号に変換され、画像処理部22にて所定の画像処理がなされた後、画像メモリ23に一時的に格納される。画像メモリ23に格納された画像は、記録用画像としてメモリカード9へ記録されたり、ライブビュー表示用画像としてLCD63に表示されることとなる。このような画像に対する各種の処理も全体制御部7の制御に基づいて行われる。
【0037】
全体制御部7は、マイクロコンピュータを備えて構成される。すなわち、全体制御部7は、各種演算処理を行うCPU70と、演算を行うための作業領域となるRAM75と、制御プログラム等が記憶されるROM76とを備え、上述したようなデジタルカメラ1の各処理部の動作を統括的に制御する。不揮発性メモリであるROM76としては、例えば、データの電気的な書き換えが可能なEEPROMが採用される。これにより、ROM76は、データの書き換えが可能で、かつ、電源を落とした場合でもそのデータの内容を保持する。
【0038】
全体制御部7は、自動合焦制御(AF制御)、自動露出制御(AE制御)、手ぶれ補正制御などの各種の制御機能を有する。全体制御部7の各種の機能は、予めROM76内に記憶される制御プログラムに従ってCPU70が演算処理を行うことにより実現される。また、図4においては、各機能を実現する機能部(AF制御部71、AE制御部72、手ぶれ補正制御部73)を便宜的に示している。
【0039】
AF制御部71は、ユーザによってシャッタボタン61が半押し状態とされた場合に機能し、山登り方式(ビデオ方式あるいはコントラスト方式とも称する)の自動合焦制御を行うための評価値演算動作等を行う。ここでは、画像内の所定のAF評価領域に対応する画像成分について、水平方向に隣接する2画素間での差分絶対値の総和がAF用評価値(合焦用評価値)として算出される。そして、AF制御部71は、このAF用評価値を利用して合焦位置を求め、撮影レンズ3を合焦位置に向けて駆動する。言い換えれば、AF制御部71は、合焦用評価値を用いて撮影レンズ3の焦点位置を調整することによって自動合焦制御を実現する。
【0040】
AE制御部72は、画像を複数のブロックに分割し、各ブロックの代表輝度値に基づいてAE用評価値を算出する。このAE用評価値を用いて自動露出制御が実現される。
【0041】
また、全体制御部7は、手ぶれ補正機能を実現するための制御を行う。具体的には、手ぶれ補正制御部73は、振動センサ40から入力される2つの角速度に基づいて、振動による被写体像のぶれ量およびその向きに対応するCCD5の移動すべき位置(以下、「移動先位置」という。)を導出する。
【0042】
全体制御部7(手ぶれ補正制御部73)は、CCD位置センサ58から得られるCCD5の現在位置(測定位置)と、導出した移動先位置(目標位置)とを比較してCCD5の移動すべき移動量および向きを導出する。さらに、導出した移動量および向きに応じた駆動パルスを生成し、この駆動パルスをCCD移動部50のアクチュエータ511,531に送信することにより、CCD5を移動先位置に移動させる。このように、デジタルカメラ1の振動に応じた移動先位置を導出し、CCD5の現在位置と移動先位置とを比較してCCD5の位置を移動先位置に順次移動させるクローズドループ制御が行われることにより、画像中の被写体像のぶれが補正されることとなる。
【0043】
このように、CCD移動部50は、全体制御部7の制御下において、手ぶれ補正機構として機能する。
【0044】
<撮影レンズ3とCCD5との結像平面内での相対移動>
図5は、CCD5とベース板51との関係を簡略化して示す図である。なお、図5においては、第1スライダ52および第2スライダ53も簡略化して示されている。
【0045】
CCD移動部50による移動がなされていないCCD5の取付状態においては、CCD5の有効画素群の中心位置(画像中心位置)5C(図2参照)と、撮影レンズ3により形成されるイメージサークルの中心位置CC(図2参照)とは、一致しているものとする。以下、この状態を「基準状態」とも称する。図5は、この基準状態を示している。また、このときの、CCD5の中心位置5Cとイメージサークルの中心位置CCとの相対的な位置関係を、基準の位置関係(ないし「基準位置関係」)と称するものとする。この基準状態は、CCD5がセンタリングされた状態であるとも表現できる。
【0046】
また、基準状態からCCD5と撮影レンズ3とが相対的に移動されると、位置5C,CCが互いにずれた状態となる。
【0047】
たとえば、CCD5の中心位置5Cは、イメージサークルの中心位置CCに対して、図5の上方向に最大でベクトルV1の大きさの移動を行うことが可能であり、図5の下方向に最大でベクトルV2の大きさの移動を行うことが可能である。同様に、CCD5の中心位置5Cは、中心位置CCに対して、図5の左方向に最大でベクトルV3の大きさの移動を行うことが可能であり、図5の右方向に最大でベクトルV4の大きさの移動を行うことが可能である。また、左上方向、右上方向、左下方向、および右下方向においては、それぞれ最大で、ベクトル和(V1+V3)、ベクトル和(V1+V4)、ベクトル和(V2+V3)、ベクトル和(V2+V4)の大きさの移動が可能である。
【0048】
また、図6には、イメージサークルの中心位置CCに対して、CCD5が様々な方向に相対移動される状態を示す図が示されている。
【0049】
図5および図6に示すように、この相対移動においては、各方向における最大移動距離が存在する。図5においては、CCD5が移動する際の包絡線により、CCD5の移動可能範囲RMが示されている。CCD5は、この相対移動動作によって、移動可能範囲RM内のいずれかの位置に移動可能である。また、図5の領域EMは、CCD5の中心位置5Cが移動可能な領域を表している。言い換えれば、領域EMの境界線上の各点は、CCD5が各方向において最大移動距離を移動した状態における中心位置5Cの存在位置を表している。すなわち、領域EMは、CCD5の中心位置5Cの移動限界領域であるとも表現できる。
【0050】
ここにおいて、上記のように、CCD5の中心位置5CがCCD5の移動可能範囲の中央に存在する状態を基準状態として規定することが好ましい。言い換えれば、V1+V2=0,V3+V4=0であること(すなわち、CCD5の中心位置5Cが上下方向においても且つ左右方向においてもイメージサークルの中央であること)が好ましい。様々な方向に対して大きく移動することが可能であるので、様々な手ぶれに十分に対応できるからである。
【0051】
ただし、これに限定されず、CCD5の中心位置5CがCCD5の移動可能範囲内の(中央以外の)所定の位置(たとえば、中央左寄りの位置)に存在する状態が基準状態として規定されても良い。この場合であっても、少なくとも所定方向(たとえば上下方向)の手ぶれには十分に対応することが可能である。
【0052】
<2.動作>
<電源オン時の動作>
つぎに、デジタルカメラ1の動作について説明する。以下の各動作は、全体制御部7の制御下において行われる。
【0053】
まず、電源オン時のデジタルカメラ1の動作について説明する。
【0054】
図7は、デジタルカメラ1の電源がオン状態にされたときの動作を示すフローチャートである。操作ボタン62の1つである電源ボタンの押下に応答して、次述するステップSP1以降の動作が実行される。これにより、CCD5が基準位置に確実に復帰する。
【0055】
具体的には、ステップSP1において、CCD5の中心位置5Cがイメージサークルの中心位置CCに存在するか否かが判定される。すなわち、CCD5が基準位置に存在するか否かが判定される。
【0056】
そして、CCD5が基準位置に存在しない場合には、CCD5を基準位置に復帰させる動作を開始する(ステップSP3)。ただし、電源オンと同時に起動させたタイマーによる計時時間が所定の時間を経過している(タイムアウト)と判定される場合(ステップSP2)には、エラー発生を告げる「エラー表示画面」をLCD63に表示(ステップSP4)して、電源オン時の処理を終了する。
【0057】
また、タイムアウト前にCCD5が基準位置に復帰したことが確認された場合には、エラー表示画面をLCD63に表示することなく、この電源オン時の処理を終了する。
【0058】
<撮影モード時の概要動作>
つぎに、その後の撮影モードにおける撮影動作について図8〜図14等を参照しながら、さらに説明する。図8〜図14は、この撮影動作を示すフローチャートである。
【0059】
シャッタボタン61が半押し状態S1にされるまでは、ライブビューの撮像および表示動作が繰り返して行われる。具体的には、ライブビュー画像が撮影され(ステップSP11)、撮像されたライブビュー画像がLCD63に表示される(ステップSP12)、という一連の動作が、所定周期(たとえば1/15秒)で繰り返される。また、この実施形態では、シャッタボタン61が半押し状態S1にされるまでは、手ぶれ補正処理は行われない。
【0060】
その後、ステップSP13で、シャッタボタン61が半押し状態S1にされたと判定されると、ステップSP14に進む。
【0061】
ステップSP14においては、振動センサ(ジャイロセンサとも称する)40に対する給電が開始され、手ぶれの検出が開始される。
【0062】
その後、ライブビューの撮像処理(ステップSP15)および表示処理(ステップSP16)が行われる。ステップSP15におけるライブビュー画像の撮像時には、手ぶれ補正処理が施される。
【0063】
次のステップSP17においては、CCD5の中心位置5Cがイメージサークルの中心位置CCに存在するか否か、すなわち、CCD5が基準位置に存在するか否かが判定される。言い換えれば、CCD5と撮影レンズ3との相対的な位置関係が基準状態であるか否か(基準位置関係にあるか否か)が判定される。たとえば、ステップSP15でライブビュー撮像時の手ぶれ補正処理が行われた直後は、CCD5が基準位置に存在しないと判定される。
【0064】
CCD5が基準位置に存在しないと判定される場合には、全体制御部7は、次のライブビュー画像撮像時の手ぶれ補正の準備のため、CCD5を基準位置に向けて移動する動作、すなわちCCD5を基準位置へ復帰させる動作(復帰動作)を開始させる(ステップSP18)。なお、復帰動作が既に開始されている場合には、その復帰動作はそのまま継続される。
【0065】
そして、シャッタボタン61のS1状態が解除されていないことを確認(ステップSP19)して、ステップSP15に戻る。なお、S1状態が解除されていると判定される(ステップSP19)場合には、振動センサ40をオフ状態に設定し(ステップSP20)、ステップSP25を経由して再びステップSP11に戻り、ライブビューの撮像および表示動作を行う。ステップSP25では、撮影モード以外の他のモード(たとえば再生モード)に移行すべき旨の指示が与えられていないか否かを確認して、他モードへの移行指示が受け付けられている場合にはその指示されたモードへの移行処理が行われる。
【0066】
一方、ステップSP17において、CCD5が基準位置に存在すると判定される場合には、ステップSP21に進み、CCD5の復帰動作が継続中であったか否かが判定される。復帰動作が継続中であったと判定される場合には、その復帰処理を終了する(ステップSP22)。
【0067】
そして、ステップSP21またはステップSP22からステップSP23に進むと、シャッタボタン61が全押し状態S2にされたか否かが判定される。
【0068】
シャッタボタン61が未だ全押し状態S2にされていないと判定されるときには、ステップSP19以降へと進み、ライブビューの撮像および表示処理(ステップSP15,SP16)等を再び行う。
【0069】
これにより、シャッタボタン61が半押し状態S1に維持される間は、ライブビューの撮像および表示処理(ステップSP15,SP16)が繰り返して行われる。
【0070】
その後、ステップSP23で、シャッタボタン61が全押し状態S2にされたと判定されると、ステップSP24に進む。
【0071】
ステップSP24においては、今度は本撮影画像が取得される。そして、この本撮影時において、手ぶれ補正処理が施される。
【0072】
<AF時の動作>
つぎに、シャッタボタン61が半押し状態S1に維持される期間の処理についてさらに詳細に説明する。この期間においては、AF動作等が行われる。
【0073】
図9は、ステップSP15における処理をさらに詳しく示す図である。
【0074】
ステップSP31において、CCD5が基準位置へ移動中であるか否かが判定される。
【0075】
CCD5が移動中でないことが検出されると、ステップSP32でライブビュー画像の撮像動作が実行される。
【0076】
図10はステップSP32(ステップSP32a)の処理をさらに詳しく示す図である。図10に示すように、ステップSP32においては、まず、手ぶれ補正駆動が開始される(ステップSP41)。すなわち、振動センサ40により検出された手ぶれを補正する動作が、全体制御部7の制御下において、上述のCCD移動部50を用いて開始される。そして、その手ぶれ補正動作が行われている状態で、露光動作が行われる(ステップSP42)。これにより、露光により取得される画像における「ぶれ」を抑制することができる。また、露光動作が終了すると手ぶれ補正駆動を終了(ステップSP43)し、露光により得られた画像信号が、A/D変換部21および画像処理部22を経由して画像メモリ23に転送される(ステップSP44)。これにより、ライブビュー画像の画像データが取得される。
【0077】
その後、ステップSP33(図9)において、AF制御が行われる。具体的には、AF制御のためのAF評価値の演算処理およびフォーカスレンズの駆動処理等を行う。AF制御は、ステップSP32で取得された画像に基づいて合焦用評価値を算出することなどによって行われる。また、ステップSP33においては、AE制御、AWB制御も行われる。AF制御は、ステップSP32で取得された画像に基づいて、露出用評価値を算出することなどによって行われる。なお、AWB(オートホワイトバランス)制御は、全体制御部7の制御下において、画像処理部22によって行われる。
【0078】
そして、ステップSP16に進みライブビュー画像の表示処理を行い、CCD5が基準位置に存在しないと判定される(ステップSP17)と、CCD5の基準位置への復帰動作が開始される(ステップSP18)。さらに、S1状態が解除されていないときには、再びステップSP15に戻る。
【0079】
再び、図9を参照する。
【0080】
今度は、ステップSP31において、CCD5が基準位置に向けて移動中であると判定され、ステップSP34に進む。
【0081】
そして、全体制御部7は、ステップSP34においてCCD5の復帰動作を一旦停止し、ステップSP35においてライブビュー画像の撮像動作を行う。ステップSP35の撮像動作は、上述したステップSP32(図10)の撮像動作と同様の動作である。これによって、ステップP42の露光動作で取得される画像における「ぶれ」を抑制することができる。
【0082】
その後、全体制御部7は、ステップSP36において復帰動作を再開させる。
【0083】
また、ステップSP37においては、再びAF制御が行われる。具体的には、AF制御のためのAF評価値の演算処理およびフォーカスレンズの駆動処理等が行われる。このAF制御処理(AF評価値の演算処理およびフォーカスレンズの駆動処理)は、CCD5の復帰動作と並行して行われる。
【0084】
同様に、ステップSP37においては、AE制御およびAWB制御が、復帰動作と並行して行われる。
【0085】
以上のようにこの実施形態によれば、手ぶれ補正を伴うライブビュー撮像動作(ステップP35)が終了すると、復帰動作が再開される(ステップSP36)とともに、AF評価値の演算処理等が並行して(並列的に)行われる(ステップSP37)。すなわち、復帰処理とAF評価値演算処理等とが並列処理(並行処理)される。したがって、両処理を順次に行う場合に比べてタイムロスを低減することができるので、復帰処理およびAF制御処理を早期に終了させることができる。たとえば、基準位置への復帰を待ってAF制御処理を行う場合を仮に想定すると、AF処理の開始が遅れるという問題があるが、上記の動作によれば、このような問題を回避できる。あるいは、AF制御処理の終了を待ってCCD5の復帰動作を開始する場合を仮に想定すると、復帰動作の開始が遅れるという問題があるが、上記の動作によれば、このような問題を回避できる。そして、この結果、レリーズタイムラグを抑制することができる。
【0086】
また、上記実施形態においては、シャッタボタン61が半押し状態S1にされてAF処理(ステップSP15)が行われた後、CCD5が基準位置に到達したとステップSP17で判定されるまでは、ステップSP24に進めない。すなわち、CCD5が基準位置に到達するまで(復帰動作が完了するまで)は本撮影画像の取得動作(撮像動作)が禁止される。言い換えれば、CCD5が基準位置に到達した後にのみ本撮影画像の取得動作が許可される。CCD5が基準位置に存在するときには補正可能な手ぶれの量を大きくすることができるので、本撮影画像取得時において手ぶれを十分に補正することが可能になる。
【0087】
さらに、上記実施形態においては、ステップSP31においてCCD5が基準位置に存在すると判定されるか否かにかかわらず、ライブビュー画像が取得され(ステップSP32,SP35)、取得されたその画像に基づいてAF制御(ステップSP33,SP37)が行われる。基準位置への復帰を待ってAF制御処理を行う場合にはAF処理の開始が遅れるという問題が発生するが、上記の動作によれば、このような問題を回避できる。すなわち、AF処理を高速化することができる。この結果、レリーズタイムラグを抑制することができる。
【0088】
また、上記実施形態においては、AF制御の途中であっても、手ぶれ補正制御を行っている(ステップSP41,SP42,SP43)。したがって、手ぶれ補正によって「ぶれ」が低減された画像を用いてAF制御を行うことができるので、AF制御を高精度に行うことができる。そして、そのような場合であっても、上述したように、復帰動作とAF評価値演算処理等とを並列処理することによって、タイムロスを低減して、復帰処理およびAF制御処理を早期に終了させることができる。
【0089】
なお、上記のステップSP15では、シャッタボタン61が半押し状態S1にされてAF制御が行われるとともに、手ぶれ補正を施しつつライブビュー画像を撮像する動作を例示したが、これに限定されない。たとえば、ライブビュー画像については半押し状態S1になった後も手ぶれ補正を行わないようにしてもよい。
【0090】
図11は、このような変形例に係るライブビュー画像の撮像動作を示すフローチャートである。図11は、ステップSP32およびステップSP35の変形例に係る処理(ステップSP32b)である。図10と比較すると判るように、ライブビュー画像の露光処理(ステップSP45)の前後において、手ぶれ補正処理の開始および終了動作が行われない。また、図15は、手ぶれ補正に関する設定を行うための設定画面である。図15のような設定画面G1を用いて、上述のような動作と、この変形例に係る動作とのうちのいずれの動作を選択するかを、選択的に設定するようにしてもよい。画面G1は、LCD63に表示される設定用のメニュー画面であり、「S1後も手ぶれ補正オフ」という選択項目と「S1後は手ぶれ補正オン」という選択項目とを有している。操作者が、デジタルカメラの操作ボタンを操作して所望の選択肢を選択すると、デジタルカメラ1は被選択項目に応じた設定処理を行う。これにより、図10と図11とのうちのいずれの動作を行うかが決定される。
【0091】
<連写時の動作>
つぎに、シャッタボタン61が全押し状態S2にされた後の処理、すなわち、ステップSP24の本撮影動作について詳細に説明する。以下では、本撮影動作として、連写モードにおける撮影動作について説明する。
【0092】
本撮影動作の説明に先立って、「連写モード」について説明する。
【0093】
このデジタルカメラ1は、撮影モードのうち、静止画像を撮影するモードとして、「単写モード」および「連写モード」を有している。
【0094】
「単写モード」は、1つの本撮影画像を単独で撮影するモードである。単写モードにおいては、シャッタボタン61が全押し状態S2にまで押下されると、この押下に応じて1枚の本撮影画像が撮影される。
【0095】
「連写モード」は、複数の本撮影画像を連続的に撮影するモードである。連写モードにおいては、シャッタボタン61が全押し状態S2に押下されている期間において、複数の本撮影画像が所定周期で連続的に取得される。これにより、所定の撮像時間間隔(連写スピードともいう)で連続的に本撮影画像が取得される。
【0096】
ここでは、デジタルカメラ1における操作によって、撮影モードが連写モードに設定されていることを前提にして説明を行う。
【0097】
図12〜図14は、ステップSP24の本撮影動作を詳細に示すフローチャートである。
【0098】
まず、図12のステップSP51〜SP56においては、1枚の本撮影画像の撮影動作等が行われる。
【0099】
具体的には、まず、手ぶれ補正駆動が開始される(ステップSP51)。すなわち、振動センサ40により検出された手ぶれを補正する動作が、全体制御部7の制御下において、上述のCCD移動部50を用いて開始される。そして、その手ぶれ補正動作が行われている状態で、露光動作が行われる(ステップSP52)。これにより、露光により取得される画像(本撮影画像)における「ぶれ」を抑制することができる。また、露光動作が終了すると手ぶれ補正駆動を終了する(ステップSP53)。
【0100】
そして、ステップSP54において、CCD5を基準位置に向けて移動する駆動動作(復帰動作)が開始されるとともに、タイマーが起動される。このタイマーは、ステップSP54における復帰動作開始からの経過時間を計測する。なお、この実施形態においては、連写モードにおける所定の撮像時間間隔からステップSP51〜SP53に要する時間等を差し引いた時間が「基準時間」T1として設定される。そして、後述のステップSP64(図13)において、タイマーによる計時時間がこの基準時間T1に到達したか否かが判定される。
【0101】
その後、露光により得られた画像信号(画像データ)は、A/D変換部21を経由して画像処理部22に転送される(ステップSP55)。そして、画像処理部22において、転送された画像データに対する画像処理が開始される(ステップSP56)。
【0102】
つぎに、ステップSP57で、シャッタボタン61の全押し状態S2が維持されている(すなわち、シャッタボタン61が全押しされたままである)と判定されると、ステップSP58(図13)に進む。一方、全押し状態が解除されていると判定されるときには、ステップSP71(図14)に進む。
【0103】
以下では、まず、ステップSP58に進んだ場合について説明する。
【0104】
ステップP58においては、次の本撮影画像を一時的に格納するための十分な空き容量が画像メモリ23に存在するか否かが判定される。画像メモリ23に、十分な空き容量が存在しない場合には、次の本撮影画像に対する処理を行うことができない。この状態は、次の本撮影画像の撮影準備が整っていない状態である、あるいは、撮影可能状態になっていない状態であるといえる。そして、このような場合には、直前に撮影した本撮影画像に対する画像処理が終了して、画像メモリ23の少なくとも一部領域が解放されるまで待機処理が行われる。この画像処理は、画像処理部22において、全体制御部7の処理とは並列的に行われる。その後、画像処理の終了に伴い画像メモリ23に、次の本撮影画像の画像処理のための十分な空き容量が存在すると判定されると、次のステップSP59に進む。
【0105】
ステップSP59においては、CCD5が基準位置に存在するか否かが判定される。
【0106】
CCD5が基準位置に既に存在すると判定される場合には、ステップSP60(後述)を経由して、ステップSP61に進む。ステップSP61では、全体制御部7は、CCD5の復帰動作を終了させる。
【0107】
一方、CCD5が基準位置に既に存在しないと判定される場合には、ステップSP63に進み、手ぶれ補正モードが、「手ぶれ補正精度優先」であるか「連写スピード優先」であるかがさらに判定される。
【0108】
このデジタルカメラ1においては、連写時の手ぶれ補正について2つの手法を選択的に採用することが可能である。具体的には、図16のような選択用のメニュー画面G2を用いて、いずれの手法を用いるかを予め決定(設定)しておくことが可能である。
【0109】
図16は、連写時の手ぶれ補正について、設定用のメニュー画面G2を示す図である。画面G2は、LCD63に表示される設定用のメニュー画面であり、「連写スピード優先」という選択項目と「手ぶれ補正精度優先」という選択項目とを有している。操作者がデジタルカメラの操作ボタンを操作して所望の選択肢を選択すると、デジタルカメラ1は被選択項目に応じて、連写時の手ぶれ補正についての設定動作を行う。
【0110】
ここで、「連写スピード優先」は、手ぶれ補正の補正精度よりも連写のスピードを優先するモードである。このモードにおいては、復帰動作が完了する前であっても次の本撮影画像の露出動作が許可される。
【0111】
具体的には、CCD5が基準位置に復帰しない状態であっても次の本撮影画像の撮影が行われるモードである。この連写スピード優先モードにおいては、直前の本撮影画像の撮影後のCCD5の復帰動作開始から所定の基準時間T1が経過したときに、次の本撮影画像の撮影の開始が許可される。
【0112】
また、この連写スピード優先モードにおいては、CCD5の中心位置5Cがイメージサークルの中心位置CCには復帰していないが中心位置5Cが所定の許容領域EW(図17、次述)内の任意の位置にまで復帰したときにも、次の本撮影画像の撮影の開始が許可される。これにより、より早い時期に本撮影画像の撮影を開始することが可能になる。
【0113】
図17に示すように、ここでは、許容領域EWの境界線は、上述の領域EM(図5も参照)の境界線上の各点とイメージサークルの中心位置CCとの中点の集合として規定される。したがって、CCD5の中心位置5Cがイメージサークルの中心位置CCに向けて復帰する際に、最大移動可能量の半分の距離まで復帰すれば、次の本撮影画像の撮影が開始されることになる。たとえば、CCD5の中心位置5Cが、中間位置HW(すなわち、左上方向への最大移動点MLと中心位置CCとの真中(中央)の位置)に存在するときには、次の本撮影画像の撮影が開始される。なお、図17において、領域RCは、CCD5の基準位置を示しており、領域RWは、CCD5の中心位置5Cが許容領域EWの境界線上を移動する際のCCD5の移動領域の外延を示している。
【0114】
一方、「手ぶれ補正精度優先」は、逆に、連写のスピードよりも手ぶれ補正の補正精度を優先するモードである。このモードにおいては、復帰動作が完了するまでは次の本撮影画像の露出動作が許可されない。具体的には、CCD5が基準位置に復帰しない間は、次の本撮影画像の撮影の開始が禁止される。
【0115】
一般に、復帰動作完了前の手ぶれ補正における移動可能距離は、復帰動作完了後の手ぶれ補正における移動可能距離よりも小さくなる。したがって、大きな手ぶれを補正する場合などには、十分に手ぶれを補正することができなくなることがある。すなわち、手ぶれの補正精度が低下してしまうことがある。なお、復帰動作完了前のこの状態は、「手ぶれ補正に制約がある」状態とも称することができる。
【0116】
これに対して、この「手ぶれ補正精度優先」モードによれば、CCD5が基準位置に復帰するのを常に待って、次の本撮影画像の撮影の開始が許可されるので、手ぶれ補正精度の低下を回避できる。
【0117】
なお、上述の「連写スピード優先」モードにおける手ぶれ補正精度は、「手ぶれ補正精度優先」モードにおける手ぶれ補正精度よりも低下することがある。ただし、「手ぶれ補正精度優先」モードにおいては、所定の本撮影画像の露出動作が終了した後に復帰動作が開始されるので、次の本撮影画像の撮影前までには基準位置に接近することが可能である。したがって、手ぶれ補正精度の低下を抑制することが可能である。
【0118】
ステップSP63において、「手ぶれ補正精度優先」のモード(ないし手法)が選択されていると判定される場合には、ステップSP59に戻る。そして、CCD5が基準位置に到達しないうちはステップSP60には進まず、CCD5が基準位置に到達したと判定されるとステップSP60に進む。
【0119】
また、ステップSP63において、「連写スピード優先」のモード(ないし手法)が選択されていると判定される場合には、ステップSP64に進む。その後、基準時間T1が経過しているという条件を満たすことがステップSP64で判定されるか、あるいは、CCD5の中心位置5Cが許容領域EW(図17)内の任意の位置(たとえば中間位置HW)にまで到達しているという条件を満たすことがステップSP65で判定されると、ステップSP66に進む。逆に、基準時間T1も未だ経過しておらず、且つ、CCD5の中心位置5Cが許容領域EW内に未だ到達していないことが判定されると、ステップSP59に戻る。そして、経過時間および到達位置に関する上記の2つの条件のいずれもが満たされないうちはステップSP66には進まずにステップSP59に戻り、これら2つの条件のいずれかが満たされたと判定されるとステップSP66に進む。
【0120】
ステップSP66では、手ぶれ補正に制約が存在することを表すマークMK2がLCD63に表示される。
【0121】
図18は、撮影時にLCD63に表示される画面G3を示す図である。画面G3においては、ライブビュー画像に重ねて、マークMK1,MK2が表示されている。マークMK1は、連写モードであることを示しており、マークMK2は、手ぶれ補正に制約が存在することを示している。CCD5が基準位置に存在しない場合には、CCD5が基準位置に存在する場合に比べて、補正可能なぶれの最大値が小さくなる。マークMK2は、このような制約の存在を明示するものである。
【0122】
マークMK2は、「連写スピード優先」が選択され、且つ、CCD5が基準位置に存在しないにもかかわらず本撮影が実行される場合にLCD63に表示される。このような場合に、制約の存在が明示されれば、操作者は連写時の本撮影画像における「ぶれ」が十分に補正されていない可能性があることを容易に認識することが可能である。この場合、操作者は撮影画像を再生して確認することなどの措置をとることができる。
【0123】
一方、ステップSP60においては、このようなマークMK2は表示されない。具体的には、「連写スピード優先」および「手ぶれ補正精度優先」のいずれが選択されていても、CCD5が基準位置に存在する場合には、マークMK2は、LCD63に表示されない。すなわち、マークMK2の表示はオフにされる。
【0124】
ステップSP60あるいはステップSP66での表示が行われた後、ステップSP61以降に進む。具体的には、CCD5の復帰動作を終了させ(ステップSP61)、タイマーによる計時を終了(ステップSP62)させる。その後、再びステップSP51(図12)に戻り、次の本撮影画像の撮影動作等が行われる(ステップSP51〜SP56)。
【0125】
以上のような動作が繰り返され、シャッタボタン61が全押し状態S2に維持されている期間において連写が行われ、複数の本撮影画像が撮影される。
【0126】
その後、ステップSP57で全押し状態S2が解除されたことが検出されると、ステップSP71(図15)以降に進み、後処理が行われる。
【0127】
具体的には、全体制御部7は、振動センサ(ジャイロセンサ)40をオフ状態にし(ステップSP71)、CCD5が基準位置に存在するか否かを判定する(ステップSP72)。そして、CCD5が基準位置に存在しない場合には、全体制御部7は、CCD5の基準位置への復帰動作を開始させ(ステップSP73)、ステップSP72でCCD5が基準位置に復帰したと判定されるまで復帰動作を継続させる。
【0128】
その後、CCD5が基準位置に存在すると判定されると、ステップSP74に進み、CCD5の復帰動作が継続中であったか否かが判定される。そして、復帰動作が継続中であったと判定される場合には、その復帰処理を終了する(ステップSP75)。
【0129】
以上のように、上記の実施形態によれば、手ぶれ補正に関する手法として「連写スピード優先」の手法が設定されている場合には、連写モードにおける所定の撮影画像(たとえば第i番目(iは任意の自然数)の撮影画像)の露光動作後に復帰動作が開始され(ステップSP54)、且つ、復帰動作の開始時点から所定の基準時間T1が経過した後であると判定(ステップSP64)されれば、CCD5が基準位置に到達する(すなわち復帰動作が完了する)前であっても次の撮影画像(たとえば第(i+1)番目の撮影画像)の露光動作が許可される。したがって、連写スピードを十分に確保しつつ(十分に高速な連写スピードを確保しつつ)、手ぶれ補正を行うことが可能である。
【0130】
また、「連写スピード優先」の手法が設定されている場合には、連写モードにおける所定の撮影画像の露光動作後に復帰動作が開始され、且つ、CCD5の中心位置5Cが許容領域EW内にまで復帰していると判定(ステップSP65)されればCCD5が基準位置に到達する前であっても次の撮影画像の露光動作が許可される。言い換えれば、撮影レンズ3およびCCD5の両者の間の(基準状態に対する)相対的変位量が所定の範囲内に収まっていれば復帰動作が完了する前であっても、次の撮影画像の露光動作が許可される。すなわち、復帰動作が完了する前であっても相対的変位量が所定の範囲内に収まっていれば次の撮影画像の露光動作が許可されるので、連写スピードを十分に確保しつつ、手ぶれ補正を行うことが可能である。また、相対的変位量が所定の範囲内に収まることにより、手ぶれ補正精度の低下を抑制することもできる。
【0131】
さらに、「連写スピード優先」の手法が設定されている場合には、連写モードにおける所定の撮影画像の露光動作後に復帰動作が開始され、且つ、CCD5の中心位置5Cが許容領域EW内にまで復帰していると判定(ステップSP65)されるまでは次の撮影画像の露光動作が禁止される。言い換えれば、撮影レンズ3およびCCD5の両者の間の(基準状態に対する)相対的変位量が所定の範囲内に収まるまでは、次の撮影画像の露光動作が禁止される。すなわち、次の撮影画像は、相対的変位量が所定の範囲内に収まった後に撮影されるので、手ぶれ補正範囲を所定程度に確保し手ぶれ補正精度の低下を抑制することができる。また、復帰動作の完了時まで次の撮影画像の露光動作が禁止される場合に比べて、連写スピードを高速化することもできる。
【0132】
特に、上記の実施形態においては、許容領域EWの境界線上の位置は、イメージサークルの中心位置CCと、CCD5の中心位置5Cの各方向における移動限界位置との中間位置(中央位置)である。そのため、手ぶれ補正精度と連写スピードとのバランスを最適化することができる。
【0133】
また、上記実施形態によれば、連写モードにおいて、所定の撮影画像の露光動作後に復帰動作が開始され、当該所定の撮影画像(あるいはそれ以前に取得された撮影画像)に対する画像処理の終了に応答して画像メモリ23が解放され、画像メモリ23の空き容量が確保されて、次の撮影画像が撮影可能な状態(撮影可能状態)となる。この撮影可能状態は、次の撮影画像の露光動作を行うことが可能な状態、あるいは、次の撮影画像のデータの受け入れ処理が可能な状態などとも表現できる。そして、次の撮影画像が撮影可能な状態となったと判定(ステップSP58)された後であれば、復帰動作が完了する前であっても次の撮影画像の露光動作が許可される。したがって、連写スピードを十分に確保した上で、手ぶれ補正を行うことが可能である。なお、上記実施形態では、さらにステップSP59,SP63,SP64,SP65などでの判定処理を経た後に、次の撮影画像の撮影動作(ステップSP51〜SP53)に移行しているが、これに限定されず、これらの各ステップの判定処理を経ずに次の撮影画像の露光動作を行うようにしてもよい。
【0134】
さらに、上記実施形態においては、2つの手法(「連写スピード優先」および「手ぶれ補正精度優先」)を使い分けることによって、連写スピードの確保と手ぶれ補正精度の確保との調和を図ることが可能である。
【0135】
具体的には、手ぶれ補正に関する手法として「連写スピード優先」の手法が設定されているときには、復帰動作が完了する前であっても次の撮影画像の露出動作が許可されるので、連写スピードの確保を優先することができる。また、「手ぶれ補正精度優先」の手法が設定されているときには、復帰動作が完了した後に次の撮影画像の露出動作が許可されるので、手ぶれ補正精度の確保を優先することができる。このように、手法の選択に応じて、様々な連写撮影環境に対応することが可能になる。
【0136】
また、上記実施形態によれば、連写モードにおける第1枚目の撮影画像の露光動作は、撮影レンズ3とCCD5とが基準位置関係に復帰したと(ステップSP17で)判定されるまで禁止される。言い換えれば、第1枚目の撮影画像は、復帰動作が完了した後に撮影されるので、仮に第2枚目以降の撮影画像における手ぶれ補正に制約が設けられた状態でも、第2枚目の撮影開始時点での基準位置関係からのずれ量を最小化することができる。
【0137】
<3.変形例など>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0138】
たとえば、上記実施形態においては、CCD5を移動させることによって、CCD5と撮影レンズ3との相対移動を実現しているが、これに限定されない。具体的には、逆に撮影レンズ3を移動させることによって、この相対移動を実現するようにしてもよい。あるいは、CCD5と撮影レンズ3との両方を移動させることによって、この相対移動を実現するようにしてもよい。
【0139】
また、「CCD5が基準位置に復帰する」状態は、一般化すれば、CCD5と撮影レンズ3とが基準状態(基準位置関係)に復帰する状態であると表現できる。さらに、「CCD5の中心位置5Cが許容領域(許容範囲)EW内に復帰する」状態は、より一般的には、CCD5と撮影レンズ3との両者が上記の基準位置関係に対して所定範囲内にまで接近している状態、あるいは、両者(CCD5および撮影レンズ3)間のずれ量ないし変位量(基準状態に対する相対的変位量)が所定の範囲内に収まっている状態であるとも表現できる。また、「許容範囲EWの境界線」の位置は、より一般的には、両者間の基準状態に対する相対的変位量が、両者間の各変位方向(ずれ方向)において両者が最も離れた状態における相対的変位量の半分となる位置であると表現することができる。
【0140】
また、上記実施形態においては、許容領域EWの境界線が、領域EM(図17参照)の境界線上の各点とイメージサークルの中心位置CCとの中点の集合として規定される場合を例示したが、これに限定されない。たとえば、領域EMの境界線上の各点とイメージサークルの中心位置CCとの間を所定の割合で内分する内分点(中点ではなく)の集合として、許容領域の境界線が規定されるようにしてもよい。また、内分における割合は変位方向ごとに異なっていても良い。
【0141】
さらに、上記実施形態においては、所定時間(具体的には、基準時間T1)が経過したと判定(ステップSP64)された後に、次の本撮影画像の「露光動作」を行う場合等を例示しているが、これに限定されない。たとえば、次の本撮影画像の露光を行うための準備動作(以下、「露光準備動作」とも称する)を、復帰動作の開始時点から所定時間(具体的には、時間T2(<T1))が経過した後に行うようにしてもよい。「露光準備動作」としては、AF制御動作、AE制御動作、およびAWB制御動作等のうちの少なくとも1つの動作を行うようにしてもよい。あるいは、「露光準備動作」として、ライブビュー画像の撮像動作を行うようにしてもよい。たとえば、上記のステップSP62(図13)からステップSP51(図12)に戻る前に、露光準備動作(AF制御動作、AE制御動作等)を行うようにしてもよい。
【0142】
同様に、連写モードにおける所定の撮影画像の露光動作後にさらに復帰動作が開始された後において、次の画像の露光準備動作を上述の各種の基準にしたがって許可ないし禁止するようにしてもよい。
【0143】
たとえば、復帰動作が完了する前であっても撮影レンズ3とCCD5との間の(基準状態に対する)相対的変位量が所定の範囲内に収まっていれば、次の撮影画像の露光準備動作を許可するようにしてもよい。また、復帰動作が完了する前であっても次の撮影画像が撮影可能な状態となった後であれば、次の撮影画像の露光準備動作を許可するようにしてもよい。あるいは、両者(撮影レンズ3およびCCD5)間の基準状態に対する相対的変位量が所定の範囲内に収まるまでは、次の撮影画像の露光準備動作を禁止するようにしてもよい。
【0144】
また、上記実施形態においては、AF評価値およびAE評価値の演算動作を全体制御部7(AF制御部71およびAE制御部72)内で行う場合を例示したが、これに限定されない。たとえば、全体制御部7の制御下において、全体制御部7の外側に設けた専用のハードウエア電子回路(ICチップ等)を用いて、AF評価値および/またはAE評価値の演算動作を行わせるようにしても良い。
【0145】
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が含まれている。
【0146】
(1)請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、
本撮影動作の準備指示および開始指示を受け付ける入力手段、
をさらに備え、
前記準備指示に応答して自動合焦制御が開始されるとともに、
前記復帰動作が完了していることを条件に前記開始指示に応答して前記本撮影動作が開始されることを特徴とするデジタルカメラ。
【0147】
(2)請求項4に記載のデジタルカメラにおいて、
前記手ぶれ補正制御手段は、前記撮影レンズと前記撮像素子とを基準状態に復帰させる復帰動作を行うとともに、前記撮影レンズと前記撮像素子との位置関係が基準状態にあるか否かにかかわらず、前記合焦評価値の算出用画像の撮像を許可することを特徴とするデジタルカメラ。これによれば、復帰動作を行うことによって手ぶれ補正精度低下を抑制することができる。また、撮影レンズと撮像素子との位置関係が基準状態であるか否かにかかわらず、合焦評価値の算出用画像の撮像が許可されるので、自動合焦制御の開始が遅れることを回避し、レリーズタイムラグを抑制することができる。
【0148】
【発明の効果】
以上のように、請求項1ないし請求項3に記載の発明によれば、復帰動作と合焦用評価値の算出動作とが並列的に行われるので、タイムロスを低減し、復帰処理およびAF制御処理を早期に終了させて、レリーズタイムラグを抑制することができる。
【0149】
特に、請求項2に記載の発明によれば、復帰動作が完了するまでは本撮影画像の取得が禁止される。言い換えれば、復帰動作が完了した後にのみ本撮影画像の取得が許可される。復帰動作が完了しているときには、補正可能な手ぶれの量が大きくなるので、本撮影画像取得時における手ぶれを十分に補正することが可能になる。
【0150】
また特に、請求項3に記載の発明によれば、合焦評価値の算出用画像が取得される際にも手ぶれの補正処理が行われるので、手ぶれ補正によって「ぶれ」が低減された画像を用いて自動合焦制御を行うことができる。したがって、自動合焦制御を高精度に行うことができる。
【0151】
さらに、請求項4および請求項5に記載の発明によれば、撮影レンズと撮像素子との位置関係が基準状態であるか否かにかかわらず、合焦評価値の算出用画像の撮像が許可される。したがって、自動合焦制御の開始が遅れることを回避し、レリーズタイムラグを抑制することができる。
【0152】
特に請求項5に記載の発明によれば、合焦評価値の算出用画像を取得する際には、手ぶれの補正処理が行われないので、自動合焦制御をさらに高速化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】デジタルカメラの主たる構成を示す断面図である。
【図2】結像平面上のイメージサークルおよび画像取得領域を示す図である。
【図3】CCD移動部の分解斜視図である。
【図4】デジタルカメラの主たる機能構成を示す図である。
【図5】CCD5の中心位置5Cとイメージサークルの中心位置CCとの関係を示す図である。
【図6】CCD5が各方向に移動した状態を示す図である。
【図7】デジタルカメラ1の起動時の動作を示すフローチャートである。
【図8】撮影動作を示すフローチャートである。
【図9】図8の一部の詳細動作を示すフローチャートである。
【図10】図9の一部の詳細動作を示すフローチャートである。
【図11】図9の一部の詳細動作を示すフローチャートである。
【図12】図8の一部(ステップSP24)の詳細動作を示すフローチャートである。
【図13】図8の一部(ステップSP24)の詳細動作を示すフローチャートである。
【図14】図8の一部(ステップSP24)の詳細動作を示すフローチャートである。
【図15】手ぶれ補正に関する設定を行う設定画面を示す図である。
【図16】連写時の手ぶれ補正に関する設定を行う設定画面を示す図である。
【図17】CCD5の移動可能領域等を示す図である。
【図18】撮影時の表示画面G3を示す図である。
【符号の説明】
1 デジタルカメラ
2 カメラ本体部
3 撮影レンズ
5 CCD
5C (CCD5の)中心位置
40 振動センサ
50 CCD移動部
CC (イメージサークルの)中心位置
61 シャッタボタン
63 LCD
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、撮影時の手ぶれ補正機能を有するカメラが知られている。たとえば、ぶれを検出するセンサーと、撮像素子(CCDなど)と撮影レンズとを撮影レンズの光軸に垂直な方向に相対的に移動させることによってそのぶれを補正する駆動機構とを備えて構成されるカメラなどがある(たとえば、特許文献1〜3参照)。なお、このような手ぶれ補正機能は、「光学式」の手ぶれ補正とも称される。
【0003】
この光学式の手ぶれ補正は撮影レンズと撮像素子との相対移動を伴うものであり、その移動量には限界値が存在する。特に、その限界値を超えて移動することができないため、たとえば撮像素子が既に限界値まで移動されているときには、そのままでは手ぶれ補正ができないことがある。このような事態を回避するため、ぶれ補正を伴う撮影を行った後には、撮影レンズと撮像素子との位置関係を基準の位置関係に復帰させるという動作が行われる。
【0004】
また、このようなカメラにおいては、合焦制御動作(AF制御動作)も行われる。特に、デジタルカメラにおいては、AF制御方式として、映像AF方式(山登り方式あるいはコントラスト方式とも称する)が用いられることが多い。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−245199号公報
【特許文献2】
特開2001−166201号公報
【特許文献3】
特開平7−107372号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、AF制御と上記の復帰動作とを行うに際しては、レリーズタイムラグが発生するという問題がある。
【0007】
たとえば、合焦状態への到達を待ってから復帰動作を開始する場合には、AF制御終了時点から基準状態(基準の位置関係を有する状態)への復帰までに要する時間に起因して、レリーズタイムラグが発生する。
【0008】
逆に、基準状態への復帰を待ってからAF制御を行う場合には、基準状態への復帰からAF制御開始までに要する時間に起因して、レリーズタイムラグが発生する。
【0009】
そこで、本発明は前記問題点に鑑み、AF制御動作と手ぶれ補正動作とを好適に調整し、レリーズタイムラグを抑制することが可能なデジタルカメラを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、デジタルカメラであって、撮影レンズと、前記撮影レンズからの被写体像を光電変換して画像を取得する撮像素子と、前記撮像素子によって撮像された画像についての合焦用評価値を算出し、当該合焦用評価値を用いて前記撮影レンズの焦点位置を調整する自動合焦制御手段と、前記デジタルカメラに対する手ぶれを検出するぶれ検出手段と、前記撮像素子における露光動作中に前記撮影レンズと前記撮像素子との相対移動を行うことによって、前記手ぶれを補正する手ぶれ補正制御手段と、を備え、前記手ぶれ補正制御手段は、前記撮影レンズと前記撮像素子との相対的な位置関係を基準状態に復帰させる復帰動作を、前記合焦用評価値の算出動作と並列的に行わせることを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明に係るデジタルカメラにおいて、前記復帰動作が完了するまでは、記録用画像である本撮影画像の取得が禁止されることを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1の発明に係るデジタルカメラにおいて、前記手ぶれ補正制御手段は、前記合焦評価値の算出用画像を取得する際にも、前記手ぶれの補正処理を行うことを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明は、デジタルカメラであって、撮影レンズと、前記撮影レンズからの被写体像を光電変換して画像を取得する撮像素子と、前記撮像素子によって撮像された画像についての合焦用評価値を算出し、当該合焦用評価値を用いて前記撮影レンズの焦点位置を調整する自動合焦制御手段と、前記デジタルカメラに対する手ぶれを検出するぶれ検出手段と、前記撮像素子における露光動作中に前記撮影レンズと前記撮像素子との相対移動を行うことによって、前記手ぶれを補正する手ぶれ補正制御手段と、を備え、前記手ぶれ補正制御手段は、前記撮影レンズと前記撮像素子との位置関係が基準状態であるか否かにかかわらず、前記合焦評価値の算出用画像の撮像を許可することを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明は、請求項4の発明に係るデジタルカメラにおいて、前記手ぶれ補正制御手段は、前記合焦評価値の算出用画像を取得する際には、前記手ぶれの補正処理を行わないことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
<1.構成>
<概要>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る撮像装置であるデジタルカメラの主たる構成を示す断面図である。このデジタルカメラ(より詳細にはデジタルスチルラ)1は、手ぶれによる画像中の被写体像のぶれを補正(抑制)する手ぶれ補正機能を有している。図に示すようにデジタルカメラ1は、主としてカメラ本体部2と、カメラ本体部2に固設される撮影レンズ(撮影光学系)3とから構成される。なお、以下の説明においては、図に示すXYZ3次元直交座標系を適宜用いて、方向および向きを示すこととする。ここで、Z軸方向は撮影レンズ3の光軸Lに沿った方向であり、Z軸正方向は入射光の入射先となる向き(図において右向き)である。また、Y軸方向は鉛直方向であり、Y軸正方向は鉛直上向き(図において上向き)である。さらに、X軸方向は図面(紙面)に対しての垂直方向であり、X軸正方向は図面(紙面)に対する垂直下向きである。これらXYZ軸は、カメラ本体部2のハウジング2aに対して相対的に固定される。
【0017】
撮影レンズ3は主として、鏡胴31、ならびに、鏡胴31の内部に設けられる複数のレンズ群32および絞り33から構成される。撮影レンズ3はズームレンズとして構成され、レンズ群32の配置をZ軸方向に変更することにより、焦点距離(撮像倍率)を変更可能とされている。撮影レンズ3を介して形成される被写体の光像は、図2に示すように、結像されるXY平面(以下、「結像平面」という。)上において略円形の形状となり、イメージサークルICと呼ばれる。なお、イメージサークルの中心位置CCは、撮影レンズ3の結像平面と撮影レンズ3の光軸との交点であるとも表現できる。
【0018】
撮影レンズ3の光軸Lの後方(Z軸正方向側)には、カメラ本体部2のハウジング2aに収容されたCCD5が配置されている。CCD5は、カラーフィルタがそれぞれ付された微細な画素群で構成される撮像素子であり、撮影レンズ3によって結像される被写体の光像(被写体像)を、例えばRGBの色成分を有する画像信号に光電変換する。
【0019】
CCD5の受光面は結像平面と一致するように配置され、イメージサークルを含む結像平面の一部の領域が画像データ(本明細書中では、適宜単に「画像」ともいう。)として取得されることとなる。図2において、矩形の領域PAは結像平面上におけるCCD5の有効画素群の配置の例を示している。この領域は結像平面上にて画像として取得される領域であるため「画像取得領域」PAともいう。
【0020】
CCD5はCCD移動部50内に固定されて配置される。CCD5は、このCCD移動部50によりZ軸に直交するXY平面内にて移動することが可能とされている。図3は、CCD5を含めたCCD移動部50の分解斜視図である。
【0021】
図3に示すように、CCD移動部50は主として、ハウジング2aに固設されるベース板51、ベース板51に対してX軸方向に移動する第1スライダ52、および、第1スライダ51に対してY軸方向に移動する第2スライダ53の3つの部材から構成される。
【0022】
ベース板51は、撮影レンズ3からの入射光を通過可能に中央部が開口しており、X軸方向に延設される第1アクチュエータ511、および、スプリング55を掛けるための第1スプリング掛け512を備えている。第2スライダ53は、CCD5を固定可能な開口部533がその中央部に形成されるとともに、Y軸方向に延設される第2アクチュエータ531、および、剛球54をZ軸方向両面に遊嵌する剛球受け532を備えている。また、第1スライダ52は中央部が開口しており、第1アクチュエータ511と対向する位置に第1摩擦結合部521、および、第2アクチュエータ531と対向する位置に第2摩擦結合部522がそれぞれ設けられ、さらに、第1スプリング掛け512と対向する位置に第2スプリング掛け523が設けられる。
【0023】
第1アクチュエータ511および第2アクチュエータ531はそれぞれ、圧電素子と延設方向に駆動可能な駆動ロッドとを備えており、圧電素子に印加される駆動パルスに応じた量および向きに駆動ロッドが移動するようになっている。
【0024】
CCD移動部50が組み上げられるときには、CCD5が第2スライダ53の開口部533に嵌合して固設されるとともに、第1アクチュエータ511の駆動ロッドと第1摩擦結合部521とが摩擦結合され、第2アクチュエータ531の駆動ロッドと第2摩擦結合部522とが摩擦結合される。また、ベース板51と第1スライダ52とは、スプリング55によって相互に接近する向きに付勢される。このとき、第2スライダ53は、ベース板51と第1スライダ52とに剛球54を介して挟み込まれた状態とされる。これにより、Z軸負方向側から正方向側に向かって、ベース板51、第2スライダ53、第1スライダ52の順に重なって、これら部材51,53,52が配置されることとなる。
【0025】
このようなCCD移動部50が組み上げられた状態で、第1アクチュエータ511の駆動ロッドが緩速で移動すると、これに摩擦結合する第1摩擦結合部521により第1スライダ52がベース板51に対してX軸方向に移動する。このとき、第1スライダ52の移動にあわせて第2スライダ53もベース板51に対してX軸方向に移動する。第1アクチュエータ511の駆動ロッドが急速に移動すると、慣性により第1スライダ52は停止する。また、第2アクチュエータ531の駆動ロッドが緩速で移動すると、これに摩擦結合する第2摩擦結合部522により第2スライダ53が第1スライダ52に対してY軸方向に移動する。このとき、第1スライダ52のベース板51に対する移動はなされないため、第2スライダ53は単独でベース板51に対してY軸方向に移動することとなる。第2アクチュエータ531の駆動ロッドが急速に移動すると、慣性により第2スライダ53は停止する。つまり、各圧電素子に与えられる駆動パルスによって各駆動ロッドが速度の異なる往動および復動(振動)を行うことにより、第2スライダ53がX軸・Y軸方向に移動することとなる。
【0026】
また、前述したように、ベース板51はカメラ本体部2のハウジング2aに固設され、CCD5は第2スライダ53に固設されることから、CCD5はカメラ本体部2のハウジング2aに対してXY平面内にて相対的に移動することとなる。これにより、撮影レンズ3により形成されるイメージサークルICと、CCD5との相対位置が変更可能とされ、イメージサークルIC中において画像として取得される領域が変更されることとなる。
【0027】
図1に戻り、CCD5のZ軸正方向側には、移動するCCD5の位置を検出するためのCCD位置センサ58が配置されている。CCD位置センサ58は、発光ダイオード等で構成される2つの投光部56a,56b、および、フォトダイオード等で構成される2つの受光部57a,57bを備えている。投光部56a,56bはCCD5の裏面側(Z軸正方向側)に固設される一方、受光部57a,57bは投光部56a,56bにそれぞれ対向するようにカメラ本体部2のハウジング2aに固設される。投光部56a,56bから投光された光は受光部57a,57bにて受光可能となっており、この受光部57a,57bにて受光する光の位置の変化から、CCD5の位置がXY座標位置として求められる。具体的には、第1投光部56aおよび第1受光部57aにてCCD5のX軸方向の位置を検出し、第2投光部56bおよび第2受光部57bにてCCD5のY軸方向の位置を検出するようになっている。
【0028】
また、カメラ本体部2のハウジング2aの内部には、デジタルカメラ1の手ぶれによる振動を検出する振動センサ40が設けられている。振動センサ40は、2つの角速度センサ(第1角速度センサ41および第2角速度センサ42)を備えており、第1角速度センサ41にてX軸を中心とした回転振動(ピッチング)Piの角速度が検出され、第2角速度センサ42にてY軸を中心とした回転振動(ヨーイング)Yaの角速度が検出される。この振動センサ40により検出される2つの角速度に基づいて、CCD5がX軸およびY軸のそれぞれの方向に移動されることにより、画像中の被写体像のぶれの補正、すなわち、手ぶれ補正がなされることとなる。
【0029】
カメラ本体部2の上面側にはシャッタボタン61が設けられる。シャッタボタン61は、撮影準備の開始や撮像(露光開始)の指示をユーザから受け付けるボタンであり、半押し状態(以下、S1状態とも称する)と全押し状態(以下、S2状態とも称する)とが検出可能な2段階スイッチになっている。
【0030】
また、カメラ本体部2の背面側には、操作ボタン62、および、LCD63が設けられる。操作ボタン62は、デジタルカメラ1の各種指示や設定をユーザから受け付けるものである。ユーザは、この操作ボタン62にて所定の操作を行うことにより、例えば、センタリング情報の取得の指示や撮影レンズ3の焦点距離の設定等を行うことができるようになっている。
【0031】
LCD63は、各種の情報や画像を表示するものである。このLCD63は撮影待機状態において、CCD5にて所定時間ごとに取得される画像を表示(ライブビュー表示)し、被写体像をユーザに確認させつつフレーミングを行わせるビューファインダとして機能する。なお、この明細書においては、フレーミングのためなどに用いられるプレビュー用の画像を「ライブビュー画像」と称し、シャッタボタン61の全押し状態S2までの押下に応じて記録用の画像として取得される画像を「本撮影画像」とも称する。
【0032】
また、カメラ本体部2の内部には、各種データを記録するメモリカード9(図4参照)を挿入して装着することが可能とされ、CCD5にて取得された記録用の画像(本撮影画像)はメモリカード9に記録されるようになっている。
【0033】
<機能ブロック>
デジタルカメラ1の手ぶれ補正機能やセンタリング情報取得機能等を含む各種の機能は、カメラ本体部2のハウジング2a内に設けられる全体制御部の制御に基づいて行われる。図4は、この全体制御部7を含めたデジタルカメラ1の主たる機能構成を機能ブロックとして示す図である。
【0034】
図4に示すように、CCD5、CCD移動部50、CCD位置センサ58、振動センサ40、シャッタボタン61、操作ボタン62およびLCD63等のデジタルカメラ1の各処理部は全体制御部7に電気的に接続され、全体制御部7の制御下にて動作することとなる。これとともに、CCD位置センサ58にて検出されるCCD5の位置、振動センサ40にて検出される角速度、シャッタボタン61の操作内容、および、操作ボタン62の操作内容等は、それぞれ信号として全体制御部7に入力される。
【0035】
撮影レンズ3は、ズーム・フォーカス駆動部321および絞り駆動部331を備えている。ズーム・フォーカス駆動部321は、ユーザにより設定される焦点距離となるように、また、焦点が合うように(フォーカシング)レンズ群32に含まれるレンズを適宜Z軸方向に駆動するものである。また、絞り駆動部331は、全体制御部7により設定される絞り値となるように絞り33の開口径を調整するものである。ズーム・フォーカス駆動部321および絞り駆動部331も電気的に全体制御部7に接続され、全体制御部7の制御下にて動作する。
【0036】
また、図4において、A/D変換部21、画像処理部22および画像メモリ23は、CCD5にて取得された画像を扱う処理部を示している。すなわち、CCD5にて取得されたアナログ信号の画像は、A/D変換部21にてデジタル信号に変換され、画像処理部22にて所定の画像処理がなされた後、画像メモリ23に一時的に格納される。画像メモリ23に格納された画像は、記録用画像としてメモリカード9へ記録されたり、ライブビュー表示用画像としてLCD63に表示されることとなる。このような画像に対する各種の処理も全体制御部7の制御に基づいて行われる。
【0037】
全体制御部7は、マイクロコンピュータを備えて構成される。すなわち、全体制御部7は、各種演算処理を行うCPU70と、演算を行うための作業領域となるRAM75と、制御プログラム等が記憶されるROM76とを備え、上述したようなデジタルカメラ1の各処理部の動作を統括的に制御する。不揮発性メモリであるROM76としては、例えば、データの電気的な書き換えが可能なEEPROMが採用される。これにより、ROM76は、データの書き換えが可能で、かつ、電源を落とした場合でもそのデータの内容を保持する。
【0038】
全体制御部7は、自動合焦制御(AF制御)、自動露出制御(AE制御)、手ぶれ補正制御などの各種の制御機能を有する。全体制御部7の各種の機能は、予めROM76内に記憶される制御プログラムに従ってCPU70が演算処理を行うことにより実現される。また、図4においては、各機能を実現する機能部(AF制御部71、AE制御部72、手ぶれ補正制御部73)を便宜的に示している。
【0039】
AF制御部71は、ユーザによってシャッタボタン61が半押し状態とされた場合に機能し、山登り方式(ビデオ方式あるいはコントラスト方式とも称する)の自動合焦制御を行うための評価値演算動作等を行う。ここでは、画像内の所定のAF評価領域に対応する画像成分について、水平方向に隣接する2画素間での差分絶対値の総和がAF用評価値(合焦用評価値)として算出される。そして、AF制御部71は、このAF用評価値を利用して合焦位置を求め、撮影レンズ3を合焦位置に向けて駆動する。言い換えれば、AF制御部71は、合焦用評価値を用いて撮影レンズ3の焦点位置を調整することによって自動合焦制御を実現する。
【0040】
AE制御部72は、画像を複数のブロックに分割し、各ブロックの代表輝度値に基づいてAE用評価値を算出する。このAE用評価値を用いて自動露出制御が実現される。
【0041】
また、全体制御部7は、手ぶれ補正機能を実現するための制御を行う。具体的には、手ぶれ補正制御部73は、振動センサ40から入力される2つの角速度に基づいて、振動による被写体像のぶれ量およびその向きに対応するCCD5の移動すべき位置(以下、「移動先位置」という。)を導出する。
【0042】
全体制御部7(手ぶれ補正制御部73)は、CCD位置センサ58から得られるCCD5の現在位置(測定位置)と、導出した移動先位置(目標位置)とを比較してCCD5の移動すべき移動量および向きを導出する。さらに、導出した移動量および向きに応じた駆動パルスを生成し、この駆動パルスをCCD移動部50のアクチュエータ511,531に送信することにより、CCD5を移動先位置に移動させる。このように、デジタルカメラ1の振動に応じた移動先位置を導出し、CCD5の現在位置と移動先位置とを比較してCCD5の位置を移動先位置に順次移動させるクローズドループ制御が行われることにより、画像中の被写体像のぶれが補正されることとなる。
【0043】
このように、CCD移動部50は、全体制御部7の制御下において、手ぶれ補正機構として機能する。
【0044】
<撮影レンズ3とCCD5との結像平面内での相対移動>
図5は、CCD5とベース板51との関係を簡略化して示す図である。なお、図5においては、第1スライダ52および第2スライダ53も簡略化して示されている。
【0045】
CCD移動部50による移動がなされていないCCD5の取付状態においては、CCD5の有効画素群の中心位置(画像中心位置)5C(図2参照)と、撮影レンズ3により形成されるイメージサークルの中心位置CC(図2参照)とは、一致しているものとする。以下、この状態を「基準状態」とも称する。図5は、この基準状態を示している。また、このときの、CCD5の中心位置5Cとイメージサークルの中心位置CCとの相対的な位置関係を、基準の位置関係(ないし「基準位置関係」)と称するものとする。この基準状態は、CCD5がセンタリングされた状態であるとも表現できる。
【0046】
また、基準状態からCCD5と撮影レンズ3とが相対的に移動されると、位置5C,CCが互いにずれた状態となる。
【0047】
たとえば、CCD5の中心位置5Cは、イメージサークルの中心位置CCに対して、図5の上方向に最大でベクトルV1の大きさの移動を行うことが可能であり、図5の下方向に最大でベクトルV2の大きさの移動を行うことが可能である。同様に、CCD5の中心位置5Cは、中心位置CCに対して、図5の左方向に最大でベクトルV3の大きさの移動を行うことが可能であり、図5の右方向に最大でベクトルV4の大きさの移動を行うことが可能である。また、左上方向、右上方向、左下方向、および右下方向においては、それぞれ最大で、ベクトル和(V1+V3)、ベクトル和(V1+V4)、ベクトル和(V2+V3)、ベクトル和(V2+V4)の大きさの移動が可能である。
【0048】
また、図6には、イメージサークルの中心位置CCに対して、CCD5が様々な方向に相対移動される状態を示す図が示されている。
【0049】
図5および図6に示すように、この相対移動においては、各方向における最大移動距離が存在する。図5においては、CCD5が移動する際の包絡線により、CCD5の移動可能範囲RMが示されている。CCD5は、この相対移動動作によって、移動可能範囲RM内のいずれかの位置に移動可能である。また、図5の領域EMは、CCD5の中心位置5Cが移動可能な領域を表している。言い換えれば、領域EMの境界線上の各点は、CCD5が各方向において最大移動距離を移動した状態における中心位置5Cの存在位置を表している。すなわち、領域EMは、CCD5の中心位置5Cの移動限界領域であるとも表現できる。
【0050】
ここにおいて、上記のように、CCD5の中心位置5CがCCD5の移動可能範囲の中央に存在する状態を基準状態として規定することが好ましい。言い換えれば、V1+V2=0,V3+V4=0であること(すなわち、CCD5の中心位置5Cが上下方向においても且つ左右方向においてもイメージサークルの中央であること)が好ましい。様々な方向に対して大きく移動することが可能であるので、様々な手ぶれに十分に対応できるからである。
【0051】
ただし、これに限定されず、CCD5の中心位置5CがCCD5の移動可能範囲内の(中央以外の)所定の位置(たとえば、中央左寄りの位置)に存在する状態が基準状態として規定されても良い。この場合であっても、少なくとも所定方向(たとえば上下方向)の手ぶれには十分に対応することが可能である。
【0052】
<2.動作>
<電源オン時の動作>
つぎに、デジタルカメラ1の動作について説明する。以下の各動作は、全体制御部7の制御下において行われる。
【0053】
まず、電源オン時のデジタルカメラ1の動作について説明する。
【0054】
図7は、デジタルカメラ1の電源がオン状態にされたときの動作を示すフローチャートである。操作ボタン62の1つである電源ボタンの押下に応答して、次述するステップSP1以降の動作が実行される。これにより、CCD5が基準位置に確実に復帰する。
【0055】
具体的には、ステップSP1において、CCD5の中心位置5Cがイメージサークルの中心位置CCに存在するか否かが判定される。すなわち、CCD5が基準位置に存在するか否かが判定される。
【0056】
そして、CCD5が基準位置に存在しない場合には、CCD5を基準位置に復帰させる動作を開始する(ステップSP3)。ただし、電源オンと同時に起動させたタイマーによる計時時間が所定の時間を経過している(タイムアウト)と判定される場合(ステップSP2)には、エラー発生を告げる「エラー表示画面」をLCD63に表示(ステップSP4)して、電源オン時の処理を終了する。
【0057】
また、タイムアウト前にCCD5が基準位置に復帰したことが確認された場合には、エラー表示画面をLCD63に表示することなく、この電源オン時の処理を終了する。
【0058】
<撮影モード時の概要動作>
つぎに、その後の撮影モードにおける撮影動作について図8〜図14等を参照しながら、さらに説明する。図8〜図14は、この撮影動作を示すフローチャートである。
【0059】
シャッタボタン61が半押し状態S1にされるまでは、ライブビューの撮像および表示動作が繰り返して行われる。具体的には、ライブビュー画像が撮影され(ステップSP11)、撮像されたライブビュー画像がLCD63に表示される(ステップSP12)、という一連の動作が、所定周期(たとえば1/15秒)で繰り返される。また、この実施形態では、シャッタボタン61が半押し状態S1にされるまでは、手ぶれ補正処理は行われない。
【0060】
その後、ステップSP13で、シャッタボタン61が半押し状態S1にされたと判定されると、ステップSP14に進む。
【0061】
ステップSP14においては、振動センサ(ジャイロセンサとも称する)40に対する給電が開始され、手ぶれの検出が開始される。
【0062】
その後、ライブビューの撮像処理(ステップSP15)および表示処理(ステップSP16)が行われる。ステップSP15におけるライブビュー画像の撮像時には、手ぶれ補正処理が施される。
【0063】
次のステップSP17においては、CCD5の中心位置5Cがイメージサークルの中心位置CCに存在するか否か、すなわち、CCD5が基準位置に存在するか否かが判定される。言い換えれば、CCD5と撮影レンズ3との相対的な位置関係が基準状態であるか否か(基準位置関係にあるか否か)が判定される。たとえば、ステップSP15でライブビュー撮像時の手ぶれ補正処理が行われた直後は、CCD5が基準位置に存在しないと判定される。
【0064】
CCD5が基準位置に存在しないと判定される場合には、全体制御部7は、次のライブビュー画像撮像時の手ぶれ補正の準備のため、CCD5を基準位置に向けて移動する動作、すなわちCCD5を基準位置へ復帰させる動作(復帰動作)を開始させる(ステップSP18)。なお、復帰動作が既に開始されている場合には、その復帰動作はそのまま継続される。
【0065】
そして、シャッタボタン61のS1状態が解除されていないことを確認(ステップSP19)して、ステップSP15に戻る。なお、S1状態が解除されていると判定される(ステップSP19)場合には、振動センサ40をオフ状態に設定し(ステップSP20)、ステップSP25を経由して再びステップSP11に戻り、ライブビューの撮像および表示動作を行う。ステップSP25では、撮影モード以外の他のモード(たとえば再生モード)に移行すべき旨の指示が与えられていないか否かを確認して、他モードへの移行指示が受け付けられている場合にはその指示されたモードへの移行処理が行われる。
【0066】
一方、ステップSP17において、CCD5が基準位置に存在すると判定される場合には、ステップSP21に進み、CCD5の復帰動作が継続中であったか否かが判定される。復帰動作が継続中であったと判定される場合には、その復帰処理を終了する(ステップSP22)。
【0067】
そして、ステップSP21またはステップSP22からステップSP23に進むと、シャッタボタン61が全押し状態S2にされたか否かが判定される。
【0068】
シャッタボタン61が未だ全押し状態S2にされていないと判定されるときには、ステップSP19以降へと進み、ライブビューの撮像および表示処理(ステップSP15,SP16)等を再び行う。
【0069】
これにより、シャッタボタン61が半押し状態S1に維持される間は、ライブビューの撮像および表示処理(ステップSP15,SP16)が繰り返して行われる。
【0070】
その後、ステップSP23で、シャッタボタン61が全押し状態S2にされたと判定されると、ステップSP24に進む。
【0071】
ステップSP24においては、今度は本撮影画像が取得される。そして、この本撮影時において、手ぶれ補正処理が施される。
【0072】
<AF時の動作>
つぎに、シャッタボタン61が半押し状態S1に維持される期間の処理についてさらに詳細に説明する。この期間においては、AF動作等が行われる。
【0073】
図9は、ステップSP15における処理をさらに詳しく示す図である。
【0074】
ステップSP31において、CCD5が基準位置へ移動中であるか否かが判定される。
【0075】
CCD5が移動中でないことが検出されると、ステップSP32でライブビュー画像の撮像動作が実行される。
【0076】
図10はステップSP32(ステップSP32a)の処理をさらに詳しく示す図である。図10に示すように、ステップSP32においては、まず、手ぶれ補正駆動が開始される(ステップSP41)。すなわち、振動センサ40により検出された手ぶれを補正する動作が、全体制御部7の制御下において、上述のCCD移動部50を用いて開始される。そして、その手ぶれ補正動作が行われている状態で、露光動作が行われる(ステップSP42)。これにより、露光により取得される画像における「ぶれ」を抑制することができる。また、露光動作が終了すると手ぶれ補正駆動を終了(ステップSP43)し、露光により得られた画像信号が、A/D変換部21および画像処理部22を経由して画像メモリ23に転送される(ステップSP44)。これにより、ライブビュー画像の画像データが取得される。
【0077】
その後、ステップSP33(図9)において、AF制御が行われる。具体的には、AF制御のためのAF評価値の演算処理およびフォーカスレンズの駆動処理等を行う。AF制御は、ステップSP32で取得された画像に基づいて合焦用評価値を算出することなどによって行われる。また、ステップSP33においては、AE制御、AWB制御も行われる。AF制御は、ステップSP32で取得された画像に基づいて、露出用評価値を算出することなどによって行われる。なお、AWB(オートホワイトバランス)制御は、全体制御部7の制御下において、画像処理部22によって行われる。
【0078】
そして、ステップSP16に進みライブビュー画像の表示処理を行い、CCD5が基準位置に存在しないと判定される(ステップSP17)と、CCD5の基準位置への復帰動作が開始される(ステップSP18)。さらに、S1状態が解除されていないときには、再びステップSP15に戻る。
【0079】
再び、図9を参照する。
【0080】
今度は、ステップSP31において、CCD5が基準位置に向けて移動中であると判定され、ステップSP34に進む。
【0081】
そして、全体制御部7は、ステップSP34においてCCD5の復帰動作を一旦停止し、ステップSP35においてライブビュー画像の撮像動作を行う。ステップSP35の撮像動作は、上述したステップSP32(図10)の撮像動作と同様の動作である。これによって、ステップP42の露光動作で取得される画像における「ぶれ」を抑制することができる。
【0082】
その後、全体制御部7は、ステップSP36において復帰動作を再開させる。
【0083】
また、ステップSP37においては、再びAF制御が行われる。具体的には、AF制御のためのAF評価値の演算処理およびフォーカスレンズの駆動処理等が行われる。このAF制御処理(AF評価値の演算処理およびフォーカスレンズの駆動処理)は、CCD5の復帰動作と並行して行われる。
【0084】
同様に、ステップSP37においては、AE制御およびAWB制御が、復帰動作と並行して行われる。
【0085】
以上のようにこの実施形態によれば、手ぶれ補正を伴うライブビュー撮像動作(ステップP35)が終了すると、復帰動作が再開される(ステップSP36)とともに、AF評価値の演算処理等が並行して(並列的に)行われる(ステップSP37)。すなわち、復帰処理とAF評価値演算処理等とが並列処理(並行処理)される。したがって、両処理を順次に行う場合に比べてタイムロスを低減することができるので、復帰処理およびAF制御処理を早期に終了させることができる。たとえば、基準位置への復帰を待ってAF制御処理を行う場合を仮に想定すると、AF処理の開始が遅れるという問題があるが、上記の動作によれば、このような問題を回避できる。あるいは、AF制御処理の終了を待ってCCD5の復帰動作を開始する場合を仮に想定すると、復帰動作の開始が遅れるという問題があるが、上記の動作によれば、このような問題を回避できる。そして、この結果、レリーズタイムラグを抑制することができる。
【0086】
また、上記実施形態においては、シャッタボタン61が半押し状態S1にされてAF処理(ステップSP15)が行われた後、CCD5が基準位置に到達したとステップSP17で判定されるまでは、ステップSP24に進めない。すなわち、CCD5が基準位置に到達するまで(復帰動作が完了するまで)は本撮影画像の取得動作(撮像動作)が禁止される。言い換えれば、CCD5が基準位置に到達した後にのみ本撮影画像の取得動作が許可される。CCD5が基準位置に存在するときには補正可能な手ぶれの量を大きくすることができるので、本撮影画像取得時において手ぶれを十分に補正することが可能になる。
【0087】
さらに、上記実施形態においては、ステップSP31においてCCD5が基準位置に存在すると判定されるか否かにかかわらず、ライブビュー画像が取得され(ステップSP32,SP35)、取得されたその画像に基づいてAF制御(ステップSP33,SP37)が行われる。基準位置への復帰を待ってAF制御処理を行う場合にはAF処理の開始が遅れるという問題が発生するが、上記の動作によれば、このような問題を回避できる。すなわち、AF処理を高速化することができる。この結果、レリーズタイムラグを抑制することができる。
【0088】
また、上記実施形態においては、AF制御の途中であっても、手ぶれ補正制御を行っている(ステップSP41,SP42,SP43)。したがって、手ぶれ補正によって「ぶれ」が低減された画像を用いてAF制御を行うことができるので、AF制御を高精度に行うことができる。そして、そのような場合であっても、上述したように、復帰動作とAF評価値演算処理等とを並列処理することによって、タイムロスを低減して、復帰処理およびAF制御処理を早期に終了させることができる。
【0089】
なお、上記のステップSP15では、シャッタボタン61が半押し状態S1にされてAF制御が行われるとともに、手ぶれ補正を施しつつライブビュー画像を撮像する動作を例示したが、これに限定されない。たとえば、ライブビュー画像については半押し状態S1になった後も手ぶれ補正を行わないようにしてもよい。
【0090】
図11は、このような変形例に係るライブビュー画像の撮像動作を示すフローチャートである。図11は、ステップSP32およびステップSP35の変形例に係る処理(ステップSP32b)である。図10と比較すると判るように、ライブビュー画像の露光処理(ステップSP45)の前後において、手ぶれ補正処理の開始および終了動作が行われない。また、図15は、手ぶれ補正に関する設定を行うための設定画面である。図15のような設定画面G1を用いて、上述のような動作と、この変形例に係る動作とのうちのいずれの動作を選択するかを、選択的に設定するようにしてもよい。画面G1は、LCD63に表示される設定用のメニュー画面であり、「S1後も手ぶれ補正オフ」という選択項目と「S1後は手ぶれ補正オン」という選択項目とを有している。操作者が、デジタルカメラの操作ボタンを操作して所望の選択肢を選択すると、デジタルカメラ1は被選択項目に応じた設定処理を行う。これにより、図10と図11とのうちのいずれの動作を行うかが決定される。
【0091】
<連写時の動作>
つぎに、シャッタボタン61が全押し状態S2にされた後の処理、すなわち、ステップSP24の本撮影動作について詳細に説明する。以下では、本撮影動作として、連写モードにおける撮影動作について説明する。
【0092】
本撮影動作の説明に先立って、「連写モード」について説明する。
【0093】
このデジタルカメラ1は、撮影モードのうち、静止画像を撮影するモードとして、「単写モード」および「連写モード」を有している。
【0094】
「単写モード」は、1つの本撮影画像を単独で撮影するモードである。単写モードにおいては、シャッタボタン61が全押し状態S2にまで押下されると、この押下に応じて1枚の本撮影画像が撮影される。
【0095】
「連写モード」は、複数の本撮影画像を連続的に撮影するモードである。連写モードにおいては、シャッタボタン61が全押し状態S2に押下されている期間において、複数の本撮影画像が所定周期で連続的に取得される。これにより、所定の撮像時間間隔(連写スピードともいう)で連続的に本撮影画像が取得される。
【0096】
ここでは、デジタルカメラ1における操作によって、撮影モードが連写モードに設定されていることを前提にして説明を行う。
【0097】
図12〜図14は、ステップSP24の本撮影動作を詳細に示すフローチャートである。
【0098】
まず、図12のステップSP51〜SP56においては、1枚の本撮影画像の撮影動作等が行われる。
【0099】
具体的には、まず、手ぶれ補正駆動が開始される(ステップSP51)。すなわち、振動センサ40により検出された手ぶれを補正する動作が、全体制御部7の制御下において、上述のCCD移動部50を用いて開始される。そして、その手ぶれ補正動作が行われている状態で、露光動作が行われる(ステップSP52)。これにより、露光により取得される画像(本撮影画像)における「ぶれ」を抑制することができる。また、露光動作が終了すると手ぶれ補正駆動を終了する(ステップSP53)。
【0100】
そして、ステップSP54において、CCD5を基準位置に向けて移動する駆動動作(復帰動作)が開始されるとともに、タイマーが起動される。このタイマーは、ステップSP54における復帰動作開始からの経過時間を計測する。なお、この実施形態においては、連写モードにおける所定の撮像時間間隔からステップSP51〜SP53に要する時間等を差し引いた時間が「基準時間」T1として設定される。そして、後述のステップSP64(図13)において、タイマーによる計時時間がこの基準時間T1に到達したか否かが判定される。
【0101】
その後、露光により得られた画像信号(画像データ)は、A/D変換部21を経由して画像処理部22に転送される(ステップSP55)。そして、画像処理部22において、転送された画像データに対する画像処理が開始される(ステップSP56)。
【0102】
つぎに、ステップSP57で、シャッタボタン61の全押し状態S2が維持されている(すなわち、シャッタボタン61が全押しされたままである)と判定されると、ステップSP58(図13)に進む。一方、全押し状態が解除されていると判定されるときには、ステップSP71(図14)に進む。
【0103】
以下では、まず、ステップSP58に進んだ場合について説明する。
【0104】
ステップP58においては、次の本撮影画像を一時的に格納するための十分な空き容量が画像メモリ23に存在するか否かが判定される。画像メモリ23に、十分な空き容量が存在しない場合には、次の本撮影画像に対する処理を行うことができない。この状態は、次の本撮影画像の撮影準備が整っていない状態である、あるいは、撮影可能状態になっていない状態であるといえる。そして、このような場合には、直前に撮影した本撮影画像に対する画像処理が終了して、画像メモリ23の少なくとも一部領域が解放されるまで待機処理が行われる。この画像処理は、画像処理部22において、全体制御部7の処理とは並列的に行われる。その後、画像処理の終了に伴い画像メモリ23に、次の本撮影画像の画像処理のための十分な空き容量が存在すると判定されると、次のステップSP59に進む。
【0105】
ステップSP59においては、CCD5が基準位置に存在するか否かが判定される。
【0106】
CCD5が基準位置に既に存在すると判定される場合には、ステップSP60(後述)を経由して、ステップSP61に進む。ステップSP61では、全体制御部7は、CCD5の復帰動作を終了させる。
【0107】
一方、CCD5が基準位置に既に存在しないと判定される場合には、ステップSP63に進み、手ぶれ補正モードが、「手ぶれ補正精度優先」であるか「連写スピード優先」であるかがさらに判定される。
【0108】
このデジタルカメラ1においては、連写時の手ぶれ補正について2つの手法を選択的に採用することが可能である。具体的には、図16のような選択用のメニュー画面G2を用いて、いずれの手法を用いるかを予め決定(設定)しておくことが可能である。
【0109】
図16は、連写時の手ぶれ補正について、設定用のメニュー画面G2を示す図である。画面G2は、LCD63に表示される設定用のメニュー画面であり、「連写スピード優先」という選択項目と「手ぶれ補正精度優先」という選択項目とを有している。操作者がデジタルカメラの操作ボタンを操作して所望の選択肢を選択すると、デジタルカメラ1は被選択項目に応じて、連写時の手ぶれ補正についての設定動作を行う。
【0110】
ここで、「連写スピード優先」は、手ぶれ補正の補正精度よりも連写のスピードを優先するモードである。このモードにおいては、復帰動作が完了する前であっても次の本撮影画像の露出動作が許可される。
【0111】
具体的には、CCD5が基準位置に復帰しない状態であっても次の本撮影画像の撮影が行われるモードである。この連写スピード優先モードにおいては、直前の本撮影画像の撮影後のCCD5の復帰動作開始から所定の基準時間T1が経過したときに、次の本撮影画像の撮影の開始が許可される。
【0112】
また、この連写スピード優先モードにおいては、CCD5の中心位置5Cがイメージサークルの中心位置CCには復帰していないが中心位置5Cが所定の許容領域EW(図17、次述)内の任意の位置にまで復帰したときにも、次の本撮影画像の撮影の開始が許可される。これにより、より早い時期に本撮影画像の撮影を開始することが可能になる。
【0113】
図17に示すように、ここでは、許容領域EWの境界線は、上述の領域EM(図5も参照)の境界線上の各点とイメージサークルの中心位置CCとの中点の集合として規定される。したがって、CCD5の中心位置5Cがイメージサークルの中心位置CCに向けて復帰する際に、最大移動可能量の半分の距離まで復帰すれば、次の本撮影画像の撮影が開始されることになる。たとえば、CCD5の中心位置5Cが、中間位置HW(すなわち、左上方向への最大移動点MLと中心位置CCとの真中(中央)の位置)に存在するときには、次の本撮影画像の撮影が開始される。なお、図17において、領域RCは、CCD5の基準位置を示しており、領域RWは、CCD5の中心位置5Cが許容領域EWの境界線上を移動する際のCCD5の移動領域の外延を示している。
【0114】
一方、「手ぶれ補正精度優先」は、逆に、連写のスピードよりも手ぶれ補正の補正精度を優先するモードである。このモードにおいては、復帰動作が完了するまでは次の本撮影画像の露出動作が許可されない。具体的には、CCD5が基準位置に復帰しない間は、次の本撮影画像の撮影の開始が禁止される。
【0115】
一般に、復帰動作完了前の手ぶれ補正における移動可能距離は、復帰動作完了後の手ぶれ補正における移動可能距離よりも小さくなる。したがって、大きな手ぶれを補正する場合などには、十分に手ぶれを補正することができなくなることがある。すなわち、手ぶれの補正精度が低下してしまうことがある。なお、復帰動作完了前のこの状態は、「手ぶれ補正に制約がある」状態とも称することができる。
【0116】
これに対して、この「手ぶれ補正精度優先」モードによれば、CCD5が基準位置に復帰するのを常に待って、次の本撮影画像の撮影の開始が許可されるので、手ぶれ補正精度の低下を回避できる。
【0117】
なお、上述の「連写スピード優先」モードにおける手ぶれ補正精度は、「手ぶれ補正精度優先」モードにおける手ぶれ補正精度よりも低下することがある。ただし、「手ぶれ補正精度優先」モードにおいては、所定の本撮影画像の露出動作が終了した後に復帰動作が開始されるので、次の本撮影画像の撮影前までには基準位置に接近することが可能である。したがって、手ぶれ補正精度の低下を抑制することが可能である。
【0118】
ステップSP63において、「手ぶれ補正精度優先」のモード(ないし手法)が選択されていると判定される場合には、ステップSP59に戻る。そして、CCD5が基準位置に到達しないうちはステップSP60には進まず、CCD5が基準位置に到達したと判定されるとステップSP60に進む。
【0119】
また、ステップSP63において、「連写スピード優先」のモード(ないし手法)が選択されていると判定される場合には、ステップSP64に進む。その後、基準時間T1が経過しているという条件を満たすことがステップSP64で判定されるか、あるいは、CCD5の中心位置5Cが許容領域EW(図17)内の任意の位置(たとえば中間位置HW)にまで到達しているという条件を満たすことがステップSP65で判定されると、ステップSP66に進む。逆に、基準時間T1も未だ経過しておらず、且つ、CCD5の中心位置5Cが許容領域EW内に未だ到達していないことが判定されると、ステップSP59に戻る。そして、経過時間および到達位置に関する上記の2つの条件のいずれもが満たされないうちはステップSP66には進まずにステップSP59に戻り、これら2つの条件のいずれかが満たされたと判定されるとステップSP66に進む。
【0120】
ステップSP66では、手ぶれ補正に制約が存在することを表すマークMK2がLCD63に表示される。
【0121】
図18は、撮影時にLCD63に表示される画面G3を示す図である。画面G3においては、ライブビュー画像に重ねて、マークMK1,MK2が表示されている。マークMK1は、連写モードであることを示しており、マークMK2は、手ぶれ補正に制約が存在することを示している。CCD5が基準位置に存在しない場合には、CCD5が基準位置に存在する場合に比べて、補正可能なぶれの最大値が小さくなる。マークMK2は、このような制約の存在を明示するものである。
【0122】
マークMK2は、「連写スピード優先」が選択され、且つ、CCD5が基準位置に存在しないにもかかわらず本撮影が実行される場合にLCD63に表示される。このような場合に、制約の存在が明示されれば、操作者は連写時の本撮影画像における「ぶれ」が十分に補正されていない可能性があることを容易に認識することが可能である。この場合、操作者は撮影画像を再生して確認することなどの措置をとることができる。
【0123】
一方、ステップSP60においては、このようなマークMK2は表示されない。具体的には、「連写スピード優先」および「手ぶれ補正精度優先」のいずれが選択されていても、CCD5が基準位置に存在する場合には、マークMK2は、LCD63に表示されない。すなわち、マークMK2の表示はオフにされる。
【0124】
ステップSP60あるいはステップSP66での表示が行われた後、ステップSP61以降に進む。具体的には、CCD5の復帰動作を終了させ(ステップSP61)、タイマーによる計時を終了(ステップSP62)させる。その後、再びステップSP51(図12)に戻り、次の本撮影画像の撮影動作等が行われる(ステップSP51〜SP56)。
【0125】
以上のような動作が繰り返され、シャッタボタン61が全押し状態S2に維持されている期間において連写が行われ、複数の本撮影画像が撮影される。
【0126】
その後、ステップSP57で全押し状態S2が解除されたことが検出されると、ステップSP71(図15)以降に進み、後処理が行われる。
【0127】
具体的には、全体制御部7は、振動センサ(ジャイロセンサ)40をオフ状態にし(ステップSP71)、CCD5が基準位置に存在するか否かを判定する(ステップSP72)。そして、CCD5が基準位置に存在しない場合には、全体制御部7は、CCD5の基準位置への復帰動作を開始させ(ステップSP73)、ステップSP72でCCD5が基準位置に復帰したと判定されるまで復帰動作を継続させる。
【0128】
その後、CCD5が基準位置に存在すると判定されると、ステップSP74に進み、CCD5の復帰動作が継続中であったか否かが判定される。そして、復帰動作が継続中であったと判定される場合には、その復帰処理を終了する(ステップSP75)。
【0129】
以上のように、上記の実施形態によれば、手ぶれ補正に関する手法として「連写スピード優先」の手法が設定されている場合には、連写モードにおける所定の撮影画像(たとえば第i番目(iは任意の自然数)の撮影画像)の露光動作後に復帰動作が開始され(ステップSP54)、且つ、復帰動作の開始時点から所定の基準時間T1が経過した後であると判定(ステップSP64)されれば、CCD5が基準位置に到達する(すなわち復帰動作が完了する)前であっても次の撮影画像(たとえば第(i+1)番目の撮影画像)の露光動作が許可される。したがって、連写スピードを十分に確保しつつ(十分に高速な連写スピードを確保しつつ)、手ぶれ補正を行うことが可能である。
【0130】
また、「連写スピード優先」の手法が設定されている場合には、連写モードにおける所定の撮影画像の露光動作後に復帰動作が開始され、且つ、CCD5の中心位置5Cが許容領域EW内にまで復帰していると判定(ステップSP65)されればCCD5が基準位置に到達する前であっても次の撮影画像の露光動作が許可される。言い換えれば、撮影レンズ3およびCCD5の両者の間の(基準状態に対する)相対的変位量が所定の範囲内に収まっていれば復帰動作が完了する前であっても、次の撮影画像の露光動作が許可される。すなわち、復帰動作が完了する前であっても相対的変位量が所定の範囲内に収まっていれば次の撮影画像の露光動作が許可されるので、連写スピードを十分に確保しつつ、手ぶれ補正を行うことが可能である。また、相対的変位量が所定の範囲内に収まることにより、手ぶれ補正精度の低下を抑制することもできる。
【0131】
さらに、「連写スピード優先」の手法が設定されている場合には、連写モードにおける所定の撮影画像の露光動作後に復帰動作が開始され、且つ、CCD5の中心位置5Cが許容領域EW内にまで復帰していると判定(ステップSP65)されるまでは次の撮影画像の露光動作が禁止される。言い換えれば、撮影レンズ3およびCCD5の両者の間の(基準状態に対する)相対的変位量が所定の範囲内に収まるまでは、次の撮影画像の露光動作が禁止される。すなわち、次の撮影画像は、相対的変位量が所定の範囲内に収まった後に撮影されるので、手ぶれ補正範囲を所定程度に確保し手ぶれ補正精度の低下を抑制することができる。また、復帰動作の完了時まで次の撮影画像の露光動作が禁止される場合に比べて、連写スピードを高速化することもできる。
【0132】
特に、上記の実施形態においては、許容領域EWの境界線上の位置は、イメージサークルの中心位置CCと、CCD5の中心位置5Cの各方向における移動限界位置との中間位置(中央位置)である。そのため、手ぶれ補正精度と連写スピードとのバランスを最適化することができる。
【0133】
また、上記実施形態によれば、連写モードにおいて、所定の撮影画像の露光動作後に復帰動作が開始され、当該所定の撮影画像(あるいはそれ以前に取得された撮影画像)に対する画像処理の終了に応答して画像メモリ23が解放され、画像メモリ23の空き容量が確保されて、次の撮影画像が撮影可能な状態(撮影可能状態)となる。この撮影可能状態は、次の撮影画像の露光動作を行うことが可能な状態、あるいは、次の撮影画像のデータの受け入れ処理が可能な状態などとも表現できる。そして、次の撮影画像が撮影可能な状態となったと判定(ステップSP58)された後であれば、復帰動作が完了する前であっても次の撮影画像の露光動作が許可される。したがって、連写スピードを十分に確保した上で、手ぶれ補正を行うことが可能である。なお、上記実施形態では、さらにステップSP59,SP63,SP64,SP65などでの判定処理を経た後に、次の撮影画像の撮影動作(ステップSP51〜SP53)に移行しているが、これに限定されず、これらの各ステップの判定処理を経ずに次の撮影画像の露光動作を行うようにしてもよい。
【0134】
さらに、上記実施形態においては、2つの手法(「連写スピード優先」および「手ぶれ補正精度優先」)を使い分けることによって、連写スピードの確保と手ぶれ補正精度の確保との調和を図ることが可能である。
【0135】
具体的には、手ぶれ補正に関する手法として「連写スピード優先」の手法が設定されているときには、復帰動作が完了する前であっても次の撮影画像の露出動作が許可されるので、連写スピードの確保を優先することができる。また、「手ぶれ補正精度優先」の手法が設定されているときには、復帰動作が完了した後に次の撮影画像の露出動作が許可されるので、手ぶれ補正精度の確保を優先することができる。このように、手法の選択に応じて、様々な連写撮影環境に対応することが可能になる。
【0136】
また、上記実施形態によれば、連写モードにおける第1枚目の撮影画像の露光動作は、撮影レンズ3とCCD5とが基準位置関係に復帰したと(ステップSP17で)判定されるまで禁止される。言い換えれば、第1枚目の撮影画像は、復帰動作が完了した後に撮影されるので、仮に第2枚目以降の撮影画像における手ぶれ補正に制約が設けられた状態でも、第2枚目の撮影開始時点での基準位置関係からのずれ量を最小化することができる。
【0137】
<3.変形例など>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0138】
たとえば、上記実施形態においては、CCD5を移動させることによって、CCD5と撮影レンズ3との相対移動を実現しているが、これに限定されない。具体的には、逆に撮影レンズ3を移動させることによって、この相対移動を実現するようにしてもよい。あるいは、CCD5と撮影レンズ3との両方を移動させることによって、この相対移動を実現するようにしてもよい。
【0139】
また、「CCD5が基準位置に復帰する」状態は、一般化すれば、CCD5と撮影レンズ3とが基準状態(基準位置関係)に復帰する状態であると表現できる。さらに、「CCD5の中心位置5Cが許容領域(許容範囲)EW内に復帰する」状態は、より一般的には、CCD5と撮影レンズ3との両者が上記の基準位置関係に対して所定範囲内にまで接近している状態、あるいは、両者(CCD5および撮影レンズ3)間のずれ量ないし変位量(基準状態に対する相対的変位量)が所定の範囲内に収まっている状態であるとも表現できる。また、「許容範囲EWの境界線」の位置は、より一般的には、両者間の基準状態に対する相対的変位量が、両者間の各変位方向(ずれ方向)において両者が最も離れた状態における相対的変位量の半分となる位置であると表現することができる。
【0140】
また、上記実施形態においては、許容領域EWの境界線が、領域EM(図17参照)の境界線上の各点とイメージサークルの中心位置CCとの中点の集合として規定される場合を例示したが、これに限定されない。たとえば、領域EMの境界線上の各点とイメージサークルの中心位置CCとの間を所定の割合で内分する内分点(中点ではなく)の集合として、許容領域の境界線が規定されるようにしてもよい。また、内分における割合は変位方向ごとに異なっていても良い。
【0141】
さらに、上記実施形態においては、所定時間(具体的には、基準時間T1)が経過したと判定(ステップSP64)された後に、次の本撮影画像の「露光動作」を行う場合等を例示しているが、これに限定されない。たとえば、次の本撮影画像の露光を行うための準備動作(以下、「露光準備動作」とも称する)を、復帰動作の開始時点から所定時間(具体的には、時間T2(<T1))が経過した後に行うようにしてもよい。「露光準備動作」としては、AF制御動作、AE制御動作、およびAWB制御動作等のうちの少なくとも1つの動作を行うようにしてもよい。あるいは、「露光準備動作」として、ライブビュー画像の撮像動作を行うようにしてもよい。たとえば、上記のステップSP62(図13)からステップSP51(図12)に戻る前に、露光準備動作(AF制御動作、AE制御動作等)を行うようにしてもよい。
【0142】
同様に、連写モードにおける所定の撮影画像の露光動作後にさらに復帰動作が開始された後において、次の画像の露光準備動作を上述の各種の基準にしたがって許可ないし禁止するようにしてもよい。
【0143】
たとえば、復帰動作が完了する前であっても撮影レンズ3とCCD5との間の(基準状態に対する)相対的変位量が所定の範囲内に収まっていれば、次の撮影画像の露光準備動作を許可するようにしてもよい。また、復帰動作が完了する前であっても次の撮影画像が撮影可能な状態となった後であれば、次の撮影画像の露光準備動作を許可するようにしてもよい。あるいは、両者(撮影レンズ3およびCCD5)間の基準状態に対する相対的変位量が所定の範囲内に収まるまでは、次の撮影画像の露光準備動作を禁止するようにしてもよい。
【0144】
また、上記実施形態においては、AF評価値およびAE評価値の演算動作を全体制御部7(AF制御部71およびAE制御部72)内で行う場合を例示したが、これに限定されない。たとえば、全体制御部7の制御下において、全体制御部7の外側に設けた専用のハードウエア電子回路(ICチップ等)を用いて、AF評価値および/またはAE評価値の演算動作を行わせるようにしても良い。
【0145】
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が含まれている。
【0146】
(1)請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、
本撮影動作の準備指示および開始指示を受け付ける入力手段、
をさらに備え、
前記準備指示に応答して自動合焦制御が開始されるとともに、
前記復帰動作が完了していることを条件に前記開始指示に応答して前記本撮影動作が開始されることを特徴とするデジタルカメラ。
【0147】
(2)請求項4に記載のデジタルカメラにおいて、
前記手ぶれ補正制御手段は、前記撮影レンズと前記撮像素子とを基準状態に復帰させる復帰動作を行うとともに、前記撮影レンズと前記撮像素子との位置関係が基準状態にあるか否かにかかわらず、前記合焦評価値の算出用画像の撮像を許可することを特徴とするデジタルカメラ。これによれば、復帰動作を行うことによって手ぶれ補正精度低下を抑制することができる。また、撮影レンズと撮像素子との位置関係が基準状態であるか否かにかかわらず、合焦評価値の算出用画像の撮像が許可されるので、自動合焦制御の開始が遅れることを回避し、レリーズタイムラグを抑制することができる。
【0148】
【発明の効果】
以上のように、請求項1ないし請求項3に記載の発明によれば、復帰動作と合焦用評価値の算出動作とが並列的に行われるので、タイムロスを低減し、復帰処理およびAF制御処理を早期に終了させて、レリーズタイムラグを抑制することができる。
【0149】
特に、請求項2に記載の発明によれば、復帰動作が完了するまでは本撮影画像の取得が禁止される。言い換えれば、復帰動作が完了した後にのみ本撮影画像の取得が許可される。復帰動作が完了しているときには、補正可能な手ぶれの量が大きくなるので、本撮影画像取得時における手ぶれを十分に補正することが可能になる。
【0150】
また特に、請求項3に記載の発明によれば、合焦評価値の算出用画像が取得される際にも手ぶれの補正処理が行われるので、手ぶれ補正によって「ぶれ」が低減された画像を用いて自動合焦制御を行うことができる。したがって、自動合焦制御を高精度に行うことができる。
【0151】
さらに、請求項4および請求項5に記載の発明によれば、撮影レンズと撮像素子との位置関係が基準状態であるか否かにかかわらず、合焦評価値の算出用画像の撮像が許可される。したがって、自動合焦制御の開始が遅れることを回避し、レリーズタイムラグを抑制することができる。
【0152】
特に請求項5に記載の発明によれば、合焦評価値の算出用画像を取得する際には、手ぶれの補正処理が行われないので、自動合焦制御をさらに高速化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】デジタルカメラの主たる構成を示す断面図である。
【図2】結像平面上のイメージサークルおよび画像取得領域を示す図である。
【図3】CCD移動部の分解斜視図である。
【図4】デジタルカメラの主たる機能構成を示す図である。
【図5】CCD5の中心位置5Cとイメージサークルの中心位置CCとの関係を示す図である。
【図6】CCD5が各方向に移動した状態を示す図である。
【図7】デジタルカメラ1の起動時の動作を示すフローチャートである。
【図8】撮影動作を示すフローチャートである。
【図9】図8の一部の詳細動作を示すフローチャートである。
【図10】図9の一部の詳細動作を示すフローチャートである。
【図11】図9の一部の詳細動作を示すフローチャートである。
【図12】図8の一部(ステップSP24)の詳細動作を示すフローチャートである。
【図13】図8の一部(ステップSP24)の詳細動作を示すフローチャートである。
【図14】図8の一部(ステップSP24)の詳細動作を示すフローチャートである。
【図15】手ぶれ補正に関する設定を行う設定画面を示す図である。
【図16】連写時の手ぶれ補正に関する設定を行う設定画面を示す図である。
【図17】CCD5の移動可能領域等を示す図である。
【図18】撮影時の表示画面G3を示す図である。
【符号の説明】
1 デジタルカメラ
2 カメラ本体部
3 撮影レンズ
5 CCD
5C (CCD5の)中心位置
40 振動センサ
50 CCD移動部
CC (イメージサークルの)中心位置
61 シャッタボタン
63 LCD
Claims (5)
- デジタルカメラであって、
撮影レンズと、
前記撮影レンズからの被写体像を光電変換して画像を取得する撮像素子と、
前記撮像素子によって撮像された画像についての合焦用評価値を算出し、当該合焦用評価値を用いて前記撮影レンズの焦点位置を調整する自動合焦制御手段と、
前記デジタルカメラに対する手ぶれを検出するぶれ検出手段と、
前記撮像素子における露光動作中に前記撮影レンズと前記撮像素子との相対移動を行うことによって、前記手ぶれを補正する手ぶれ補正制御手段と、
を備え、
前記手ぶれ補正制御手段は、前記撮影レンズと前記撮像素子との相対的な位置関係を基準状態に復帰させる復帰動作を、前記合焦用評価値の算出動作と並列的に行わせることを特徴とするデジタルカメラ。 - 請求項1に記載のデジタルカメラにおいて、
前記復帰動作が完了するまでは、記録用画像である本撮影画像の取得が禁止されることを特徴とするデジタルカメラ。 - 請求項1に記載のデジタルカメラにおいて、
前記手ぶれ補正制御手段は、前記合焦評価値の算出用画像を取得する際にも、前記手ぶれの補正処理を行うことを特徴とするデジタルカメラ。 - デジタルカメラであって、
撮影レンズと、
前記撮影レンズからの被写体像を光電変換して画像を取得する撮像素子と、
前記撮像素子によって撮像された画像についての合焦用評価値を算出し、当該合焦用評価値を用いて前記撮影レンズの焦点位置を調整する自動合焦制御手段と、
前記デジタルカメラに対する手ぶれを検出するぶれ検出手段と、
前記撮像素子における露光動作中に前記撮影レンズと前記撮像素子との相対移動を行うことによって、前記手ぶれを補正する手ぶれ補正制御手段と、
を備え、
前記手ぶれ補正制御手段は、前記撮影レンズと前記撮像素子との位置関係が基準状態であるか否かにかかわらず、前記合焦評価値の算出用画像の撮像を許可することを特徴とするデジタルカメラ。 - 請求項4に記載のデジタルカメラにおいて、
前記手ぶれ補正制御手段は、前記合焦評価値の算出用画像を取得する際には、前記手ぶれの補正処理を行わないことを特徴とするデジタルカメラ。
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2003
- 2003-03-06 JP JP2003059827A patent/JP2004271693A/ja active Pending
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