JP2004271223A - ガスメータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コントローラ18は、ガスの使用状態の異常を検知したときは表示部15にガスの遮断事由を表示してガス遮断を行い、復帰スイッチ16から復帰信号が入力されたときは表示部15に復帰漏洩確認中であることを表示してガス漏洩確認を行い、このガス漏洩確認でガス漏洩があれば表示部15に遮断事由を表示して遮断部14の閉状態を継続する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスの使用量を計測するガスメータに関し、詳しくはガス遮断後の復帰漏洩確認機能を備えたガスメータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、マイコンを内蔵したガスメータにおいては、需要家のガス使用量を算出するとともに、感震器や圧力センサ等(以下、センサ等という)を通じてガスの使用状態を常に監視しており、これらセンサ等により異常発生を検知した場合には、マイコン制御により遮断弁を閉状態としてガス遮断することにより、安全を確保している。
【0003】
また、需要家はガス遮断後に復帰スイッチを押下することにより、ガス遮断の状態を復帰させることができる。すなわち、異常発生によるガス遮断後、需要家がガス器具の元栓等を閉じて安全確認を行い、ガスメータの復帰スイッチを押下すると、復帰信号がコントローラに送られて復帰漏洩確認がスタートする。
【0004】
コントローラは復帰信号が入力されると、遮断弁を閉状態としたままセンサ等により圧力を計測してガス漏洩確認を行い、ガス漏洩なしと判定した場合は遮断弁を開状態とし、ガス漏洩有りと判定した場合(復帰失敗)は遮断弁の閉状態を継続して復帰漏洩確認遮断(遮断モードの一種)とする。
【0005】
従来のガスメータにおいては、復帰漏洩確認の復帰失敗により遮断弁を閉状態とし、同時に、復帰失敗によるガス漏洩状態であることを復帰漏洩確認遮断事由として表示部に表示していた。
【0006】
なお、復帰漏洩確認に関連する従来技術として、電磁弁を手動復帰したときに、真に開状態となったことを制御回路が認識したときは、表示器を人が認識できる短時間のみ点灯するようにして、電池の消耗を防ぎつつ、制御回路が復帰信号を受け付けたか否かを容易に判定できるようにしたガス遮断装置がある(例えば、特許文献1)。
【0007】
【特許文献1】
特公平4−44150号公報(第4−6頁、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来のガスメータでは、異常発生を検知して遮断弁を閉状態としたときは、ガス遮断の原因を遮断事由として表示部に表示し、その後、復帰スイッチから復帰信号が入力して復帰漏洩確認がスタートすると、その間は復帰漏洩確認中であることを表示部に表示していた。この様に、復帰漏洩確認において復帰失敗して遮断弁を閉状態としたときは、表示部には復帰漏洩確認遮断事由のみが表示されるため、後に作業員がガスメータの設定場所に赴いた際に、ガス遮断が発生した要因を追求することが難しいという問題点があった。この場合、安全確認の目安となる情報が得られないため、ガス遮断の要因と考えられる箇所を順番に検査する必要があり、手間と時間がかかることになる。
【0009】
なお、通信機能付きのガスメータでは、作業員が通信装置を接続してデータを読み出すか、遠隔の監視センタから電話回線を通じてデータを読み出すことにより、遮断事由を知ることはできる。しかし、いずれも遮断事由を知るまでに手間と時間がかかることに変わりはない。
【0010】
また、上記特許文献1に示すガス遮断装置では、復帰操作の可否を速やかに知ることはできるが、復帰漏洩確認により復帰失敗した後の表示については考慮されていないため、上記課題を解決するに至っていない。
【0011】
本発明の目的は、復帰漏洩確認により復帰失敗したときに、ガス遮断の原因となった遮断事由を容易に知ることができるガスメータを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、ガスの使用状態を検出する検出部と、ガスの遮断弁を開閉する遮断部と、ガスの遮断を解除する復帰信号入力するための復帰部と、ガスメータ内部の状態を表示する表示部と、前記検出部を通じて異常を検知したときは前記遮断部を閉状態とし、その後、前記復帰部からの復帰信号入力によりガス漏洩確認を行う保安部とを備えたガスメータにおいて、前記保安部は、ガスの使用状態の異常を検知して前記遮断部を閉状態としたときは前記表示部にガスの遮断事由を表示し、前記復帰部からの復帰信号入力によるガス漏洩確認においては前記表示部に復帰漏洩確認中であることを表示し、前記ガス漏洩確認でガス漏洩有りと判定して復帰漏洩確認遮断としたときは前記表示部に前記遮断事由を表示することを特徴とする。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1において、前記保安部は、前記復帰漏洩確認遮断としたときは、前記表示部に前記遮断事由と復帰漏洩確認遮断事由を交互に表示することを特徴とする。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1又は2のいずれかにおいて、前記保安部は、前記復帰部からの復帰信号入力によるガス漏洩確認中に別の異常が発生した場合は、前記表示部に前記遮断事由と、復帰漏洩確認遮断事由と、前記別の異常による遮断事由を周期的に表示することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わるガスメータの実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0016】
図2は、本実施の形態に係わるガスメータの機能的な構成を示すブロック図である。
【0017】
ガスメータ10は、ガス流量を検出する流量センサ11,地震等の震動を検出する感震センサ12,ガスの圧力を計測する圧力センサ13,ガス流路の遮断部14,ガスの使用量や警報等、ガスメータ内部の情報を表示する表示部15,ガス遮断した場合に遮断弁14を開くための復帰部としての復帰スイッチ(SW)16,遠隔の監視センタ21と電話回線(ネットワーク)20を介して接続された通信(I/F)17,ガスメータ10の制御に必要な種々の演算処理を実行するマイクロコンピュータ(図示しないCPU,メモリ,タイマー,入出力インターフェース等を含む)で構成されるコントローラ18,回路を動作させるための電源となる電池19を備えている。
【0018】
上記構成において、流量センサ11、感震センサ12及び圧力センサ13は、それぞれガスの使用状態を検出する検出部を構成している。ただし、検出部となるセンサは上述したセンサに限定されるものではなく、他のセンサであってもよい。
【0019】
また、ガスメータ10に対しては、作業員が通信装置22とガスメータ10とを図示しない通信用ケーブルで接続して、必要なデータを相互に送受信することにより、各種モードの設定/解除等を行うことができる。
【0020】
遮断部14は、ガス流路を開閉する図示しない遮断弁とその開閉駆動部により構成されている。本実施の形態における遮断部14は、地震の発生やガス圧力、ガス流量等の異常が検知されたときにコントローラ18により閉じられ、また後述する復帰漏洩確認において安全が確認されたときはコントローラ18により開かれ、ガスが使用できる状態に復帰する。
【0021】
復帰スイッチ16は、コントローラ18により閉じられた遮断部14を再び開けて使用できる状態に復帰させるためのスイッチである。この復帰スイッチ16が需要家(又は作業員)により押下されると、コントローラ18に復帰信号が送られる。
【0022】
コントローラ18は、ガスの使用量を演算して表示部15に表示させる処理と、各センサから送られてくる検出信号を常時監視して、地震発生の有無、ガス流量やガス圧力の異常、電源電圧の低下等のガスの使用状態の異常を検知した場合は、遮断部14を閉じてガス遮断、又は表示部15において警報を行い、また必要に応じて監視センタ21にガスメータ10の使用状態や警報内容等を通報する処理を実行する。これらの処理は、図示しないメモリに記憶されている状態監視プログラム、異常判定プログラム、遮断/警報プログラム、通信プログラム等に従って実行される。
【0023】
またコントローラ18は、各センサから送られてくる信号により異常を検知したときは、表示部15に遮断事由を表示して遮断部14を閉状態とし、この後、復帰スイッチ16から復帰信号が入力されたときは、表示部15に復帰漏洩確認中であることを表示してガス漏洩確認を行い、さらに、このガス漏洩確認でガス漏洩有りと判定したときは、表示部15に遮断事由を表示して遮断部14の閉状態を継続して復帰漏洩確認遮断とし、ガス漏洩なしと判定したときは、表示部15の表示内容をクリアし、遮断部14を開状態としてガスが使用できる状態に復帰させる処理を実行する。
【0024】
この復帰漏洩確認の処理は保安部としての機能を果たし、図示しないメモリに記憶されている復帰漏洩確認プログラムに従って実行される。
【0025】
ここで、復帰信号が入力されたときのガス漏洩確認について簡単に説明する。復帰スイッチ16が押下されて復帰信号がコントローラ18に入力されると、コントローラ18は遮断部14を閉状態としたままで、圧力センサ13でガス圧力を測定する。そして、測定したガス圧力と設定値とを比較してガス漏洩の有無を判定する。この判定において、ガスの漏洩なしと判定した場合は、遮断部14を開状態としてガスが使える状態とし、またガスの漏洩有りと判定した場合は、遮断部14の閉状態を維持する。
【0026】
また、復帰信号が入力されたときに、二次側(需要家側)でのガス圧力が所定の圧力範囲内にないときは、遮断部14を開状態としてガスを充填させ、その後、遮断部14を閉状態としてから圧力センサ13でガス圧力を測定する。なお、本実施の形態におけるガス漏洩確認は、上記のような処理に限定されるものではなく、他の手法によるガス漏洩確認を用いることもできる。
【0027】
次に、コントローラ18において、復帰漏洩確認を実行する場合の処理手順について、図1のフローチャートを参照しながら説明する。
【0028】
コントローラ18は、各センサからの信号入力を監視しており、いずれかの信号が入力されると処理をスタートする。
【0029】
まず、入力した信号に基づいてガスの異常発生の有無を判定し(ステップS1)、異常発生と判定した場合には、表示部15にガスの遮断事由を表示し(ステップS2)、遮断部14を閉状態としてガス遮断する(ステップS3)。なお、遮断事由の表示とガス遮断は同時でもよいし、ガス遮断後に遮断事由を表示するようにしてもよい。この後、需要家がガス器具の元栓等を閉じて安全を確認した上で復帰スイッチ16を押下すると、コントローラ18に復帰信号が入力される。
【0030】
コントローラ18は、復帰信号が入力されると(ステップS4:Yes)、表示部15に復帰漏洩確認中であることを表示し(ステップS5)、続いてガス漏洩確認の処理を実行して(ステップS6)、ガス漏洩の有無を判定する(ステップS7)。なお、ガス漏洩確認の処理を開始すると同時に復帰漏洩確認中であることを表示してもよいし、復帰漏洩確認中であることを表示した後にガス漏洩確認の処理を開始してもよい。
【0031】
ステップS7でガス漏洩有りの判定であれば(ステップS7:Yes)、復帰失敗となるため、表示部15にステップS2で表示した遮断事由を表示し(ステップS8)、遮断部14の閉状態を継続して復帰漏洩確認遮断とする(ステップS9)。また、ステップS7でガス漏洩なしの判定であれば(ステップS7:No)、表示部15の表示内容をクリアし(ステップS10)、続いて遮断部14を開状態としてガス遮断を解除する(ステップS11)。なお、表示内容のクリアとガス遮断の解除は同時でもよいし、ガス遮断の解除後に表示内容をクリアしてもよい。
【0032】
上記復帰漏洩確認処理のおいては、復帰漏洩確認において復帰失敗した後に、表示部15に復帰漏洩確認遮断事由ではなく、元の遮断事由を表示するようにしたので、作業員がガスメータの設置場所に赴いてガス遮断の原因となった遮断事由を容易に知ることができ、また安全確認の目安とすることができるため、手間や時間をかけることなく速やかにガス遮断の復旧作業を行うことができる。
【0033】
なお、上記実施の形態のフローでは、復帰漏洩確認で復帰失敗した後に遮断事由のみを表示するようにしているが、他の実施の形態として、遮断事由と復帰漏洩確認遮断事由を所定間隔で交互に表示するようにしてもよい。すなわち、図1のステップS8において、遮断事由と復帰漏洩確認遮断事由を所定間隔で交互に表示する別ルーチンのプログラムをスタートして、このプログラムを復帰信号の入力とともに終了させるようにすればよい。表示の具体例としては、元の遮断事由を“Q”、復帰漏洩確認遮断事由を“F”とすると、表示部15で“Q”と“F”の文字を所定間隔で交互に表示する。
【0034】
また、さらに他の実施の形態として、ステップS6で復帰漏洩確認中に、新たに別の異常が発生した場合は、遮断事由と、復帰漏洩確認遮断事由と、別の異常による遮断事由(以下、別の遮断事由)とを、周期的に表示するようしてもよい。すなわち、図1のステップS8において、遮断事由と復帰漏洩確認遮断事由と別の遮断事由を周期的に表示する別ルーチンのプログラムをスタートして、このプログラムを復帰信号の入力とともに終了させるようにすればよい。表示の具体例としては、元の遮断事由を“Q”、復帰漏洩確認遮断事由を“F”、別の遮断事由“G”とすると、表示部15に“Q”、“F”、“G”の文字を所定間隔で周期的に表示する。
【0035】
なお、遮断事由等の表示方式は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の形態が考えられる。例えば、LED等による点灯又は点滅(点滅間隔により事由を区分)で表示してもよいし、LCD等により事由内容をメッセージ表示するようにしてもよい。
【0036】
上記他の実施の形態、並びにさらに他の実施の形態によれば、作業員はガス遮断の原因となった遮断事由だけでなく、その時点で復帰漏洩確認遮断中であることや、別の遮断事由が発生していることを知ることができるため、ガス遮断の復旧作業をより効率良く行うことができる。
【0037】
上記実施の形態では、図1に示す復帰漏洩確認のフローをコントローラ18でソフトウェア的に処理しているが、論理IC等でハード的に保安部を構成するように変形することも、請求項の範囲内で可能である。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係わるガスメータにおいては、復帰漏洩確認遮断が発生した場合でも、表示部には復帰漏洩確認遮断事由ではなく、元の遮断事由を表示するようにしたので、作業員はガス遮断の原因となった遮断事由を容易に知ることができ、速やかにガス遮断の復旧作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態において復帰漏洩確認を実行する場合の処理手順を示すフローチャート。
【図2】実施の形態に係わるガスメータの機能的な構成を示すブロック図。
【符号の説明】
10 ガスメータ
11 流量センサ
12 感震センサ
13 圧力センサ
14 遮断部
15 表示部
16 復帰スイッチ
17 通信I/F
18 コントローラ
19 電池
20 電話回線
21 監視センタ
22 通信装置
Claims (3)
- ガスの使用状態を検出する検出部と、ガス流路の開栓及び閉栓する遮断部と、ガス流路を開栓から閉栓へ復帰させるための復帰信号入力を受け付ける復帰部と、ガスメータ内部の状態を表示する表示部と、前記検出部を通じて異常を検知したときは前記遮断部を閉状態とし、その後、前記復帰部からの復帰信号入力によりガス漏洩確認を行う保安部とを備えたガスメータにおいて、前記保安部は、ガスの使用状態の異常を検知して前記遮断部を閉状態としたときは前記表示部に発生した遮断事由を表示し、前記復帰部からの復帰信号入力によるガス漏洩確認においては前記表示部に復帰漏洩確認中であることを表示し、前記ガス漏洩確認でガス漏洩有りと判定して復帰漏洩確認遮断としたときは前記表示部に前記遮断事由を表示することを特徴とするガスメータ。
- 前記保安部は、前記復帰漏洩確認遮断としたときは、前記表示部に前記遮断事由と復帰漏洩確認遮断を交互に表示することを特徴とする請求項1に記載のガスメータ。
- 前記保安部は、前記復帰部からの復帰信号入力によるガス漏洩確認中に別の異常が発生した場合は、前記表示部に前記遮断事由と、復帰漏洩確認遮断と、前記別の異常により発生した遮断事由を周期的に表示することを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のガスメータ。
Priority Applications (1)
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