JP2004270820A - 流体動圧軸受、スピンドルモータ及び記録ディスクドライブ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ラジアル軸受部は、シャフトの外周面とスリーブの内周面で形成された動圧発生溝によって構成され、スラスト軸受部は、スリーブの端面とこれに対向するハブの下面に形成された動圧発生溝によって構成される。ラジアル軸受とスラスト軸受を構成する間隙は繋がっていて一体であり、連続したオイルで満たされている。ラジアル軸受間隙の一端とスラスト軸受は連通孔で繋がっており、オイルが流通可能になっている。スラスト軸受には内外二つの動圧発生溝が形成されており、外側の動圧発生溝はオイルの静圧を高め、内側の動圧発生溝は連通孔を介してラジアル軸受に保持されているオイルを循環させるように構成される。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、潤滑剤として液体のオイルを用いる流体動圧軸受及び、この軸受を備えたスピンドルモータ、及びこのスピンドルモータを用いた記録ディスク駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ハードディスク等の記録ディスクを駆動する記録ディスク駆動装置において使用されるスピンドルモータの軸受として、シャフトとスリーブとを相対回転自在に支持するために、両者の間に介在させたオイル等の潤滑流体の流体圧力を利用する動圧軸受が種々提案されている。その中でも、軸受の動圧発生部を構成する微小間隙全体が、潤滑流体としてのオイルによって途切れることなく満たされた構造(以下「フルフィル構造」と記す)について、実用化が進みつつある。一般的なフルフィル構造としては、特許文献1の流体動圧軸受があり、他にも多数の文献が公開されている。
【0003】
図12は、このようなフルフィル型流体動圧軸受の、模式的な断面図である。以下この図を用いて、従来技術を説明する。
【0004】
この従来の流体動圧軸受を使用するスピンドルモータは、ロータA10と一体をなすシャフトA01の外周面と、このシャフトA01が回転自在に挿通されるスリーブA03の内周面との間に、一対の動圧発生溝A07a,A07bが軸線方向に隔たって形成され、外周面と内周面の間隙に保持されたオイルと共に、ラジアル軸受部を構成している。またシャフトA01の一方の端部外周面から半径方向外方に突出するディスク状スラストプレートA06の上面とスリーブA03に形成された段部の平坦面、及びこの二つの面の間に保持されるオイルによって、スラスト軸受が構成されている。更に、スラストプレートA06の下面とスリーブA03の一方の開口を閉塞するスラストブッシュA05、及びこの二つの面の間に保持されるオイルによって、もう一つのスラスト軸受が構成されており、先のスラスト軸受と対を成している。
【0005】
シャフトA01並びにスラストプレートA06とスリーブA03並びにスラストブッシュA05との間には、一連の微小間隙が形成され、これら微小間隙中には、潤滑流体としてオイルが途切れることなく、連続して保持されている(フルフィル構造)。ラジアル軸受部の動圧発生溝A07a,A07b及びスラスト軸受部の動圧発生溝A08a,A08bには、一対のスパイラルグルーブを連結してなるヘリングボーン形状の動圧発生溝が形成されている。これらの動圧発生溝は、ロータA10の回転に応じて、スパイラルグルーブの連結部で最大動圧を発生させ、ロータA10に作用する荷重を支持する。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−304052号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このようなスピンドルモータでは、スラスト軸受部A08とは軸線方向で反対側に位置するスリーブA03の上端部付近において、テーパシール部A13が形成され、オイルの表面張力と壁面との親和力がバランスして、オイル界面を構成している。この際、オイルの内圧は表面張力が作用した分だけ大気圧からずれるが、その値は大気圧に比べて小さく、実質上大気圧と同等の圧力に維持されている。
【0008】
いま、ロータA10が回転を始めると、オイルは動圧発生溝A07a,A07b及びA08a,A08bによるポンピングで、各動圧軸受の中心部側に引き込まれ、中心部で流体動圧が極大となる反面、動圧発生溝の端部側では、オイルが奪われて内圧が低下する傾向をもつ。しかしながら、液体の体積圧縮率は一般に小さいため、この動圧発生溝中心部へのオイルの集中は体積的には僅かである。
その僅かの体積変化は、テーパシール部A13における界面の移動によって補うことができるため、理想的には、シャフトを取り囲む間隙に保持されたオイルには、内圧の低下は生じない。
【0009】
しかしながら、現実には、動圧発生溝は完全に対称には作用しないため、オイル内圧の低下が起こる。仮に、ヘリングボーン形状の動圧発生溝A07aとA07bが動圧発生溝の加工誤差によって僅かに上下非対称となり、A07aはテーパシール部A13へ向けてオイルをポンプアウトし、A07bはスラストプレートA06に向けてポンプアウトするように作用する場合、A07aとA07bに挟まれた領域のオイル内圧は大気圧以下に低下して、負圧状態となることが起こり得る。スラスト動圧発生溝A08a,A08b間に位置するスラストプレートの外周部付近に保持されるオイルについても、同様の現象が生じ得る。
【0010】
また、フルフィル構造の動圧軸受の場合、軸受部に形成される動圧発生溝の形状が対称に形成されていても、オイルに負圧が生じる場合がある。これは、スリーブの内周面又はシャフトの外周面の加工が軸線方向上端部と下端部とで不均一となり、スリーブの内周面とシャフトの外周面との間に形成される微小間隙の半径方向の隙間寸法が、軸線方向上端部側においては下端部側よりも広く形成されることで、ラジアル動圧軸受部に形成されるヘリングボーングルーブによって発生する流体動圧が軸線方向下端部側からのポンピング力が上端部側からのポンピング力を上回り、圧力勾配が軸線方向上端部側にアンバランスとなって、オイルに軸線方向上端部側に向かう流動が誘起することによって発生する。
【0011】
これとは逆に、スリーブの内周面とシャフトの外周面との間に形成される微小間隙の半径方向の隙間寸法が軸線方向下端部側においては上端部側よりも広く形成された場合、オイルに軸線方向下端部側へと向かうオイルの流動が誘起され、スラストプレートの下面とスラストブッシュとの間に保持されるオイルの内圧が必要以上に高まり、ロータが所定量以上に浮上する過浮上が発生する。
【0012】
オイル内に大気圧以下に内圧が低下する負圧領域が生じると、そこでは気泡が発生する恐れがある。シール部分に接するオイルは大気圧に晒されており、大気圧に相当するだけの空気が溶け込み得る。液体への気体の溶解度は圧力が低下すると小さくなるため、オイルが大気圧よりも圧力の低い負圧領域に流れ込んだ場合、溶け込んでいた空気が分離して気泡を形成する。また、このような負圧域では、オイルの断裂が生ずる恐れもある。
【0013】
このような気泡やオイルの断裂は、オイルを軸受外部へと漏出させるといったスピンドルモータの耐久性や信頼性に影響する問題を引き起こす。また、動圧発生溝が気泡と接触することによる振動の発生やNRRO(非繰り返し性振れ成分)の悪化、軸受剛性の低下といったスピンドルモータの回転精度に影響する問題をも引き起こす。
【0014】
ロータに過浮上が発生すると、スラストプレートとスリーブとの接触による摩耗が発生し、軸受の耐久性並びに信頼性を損なう原因となる。加えて、ハードディスク駆動用のスピンドルモータの場合、ハードディスクの高容量化にともない、ハードディスクの記録面と磁気ヘッドとが極めて近接配置されていることから、ハードディスクと磁気ヘッドとの接触による破壊が発生する懸念もある。
【0015】
尚、上記過浮上の問題は、スリーブの内周面又はシャフトの外周面の加工が不均一となる場合以外にも発生し得る。図12に示す従来のスピンドルモータのように、薄型のスピンドルモータの場合、ロータA10の外周面にハードディスク等の記録ディスクを固定的に保持するために、シャフトA01の上端部にクランパを固定するために設けられた雌ネジ穴A09が、ラジアル軸受部A07aの内周側に至る深さまで形成されることがある。
【0016】
このような場合、雌ネジ穴A09内に雄ネジ(不図示)を締結すると、その締結応力によってシャフトA01の外周面が半径方向外方に膨出し、スリーブA03の内周面とシャフトA01の外周面との間に形成される微小間隙の半径方向の隙間寸法が、軸線方向上端部側においては下端部側よりも狭くなる。この場合、ラジアル動圧発生溝A07a,A07bが軸線方向について完全に対称に形成されていても、各々の動圧発生溝は軸線方向か端部側に向けてポンピングするように作用する。このポンピング作用によって、シャフトA01の下端部におけるオイルの内圧が高まり、ロータA10の過浮上が発生する。
【0017】
以上の現状に鑑み、本発明が解決を図る課題は、簡略な構造及び所望の軸受剛性を維持しつつ、負圧又はロータの過浮上の発生を防止することで信頼性を高め、かつ低コスト化が可能な流体動圧軸受、及びこの流体動圧軸受を用いたスピンドルモータ、記録ディスク駆動装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を達成するため、請求項1に記載の流体動圧軸受では、シャフトと、シャフトが回転自在に遊挿される貫通孔が形成されたスリーブ部と、回転軸心にシャフトが一体に設けられシャフトと一体に回転する天板と天板の外周縁から垂下される円筒壁と、スリーブ部に形成された貫通孔の一方の開口部を閉塞する閉塞部材とを有している。そして、スリーブ部の他方の開口部に隣接する他端面と天板の底面の間には微小な第一の間隙が形成され、スリーブ部の内周面とシャフトの外周面の間には微小な第二の間隙が形成され、閉塞部材の内面とシャフトの端面との間には第三の間隙が形成され、第一の間隙はその半径方向内方の縁部で、第二の間隙の一端と接続しており、第二の間隙はその他端において、第三の間隙と接続しており、第一乃至第三の間隙には、全体にわたってオイルが途切れることなく連続して保持されている。更に、スリーブ部の内周面及びシャフトの外周面の少なくともいずれか一方の面には、ラジアル動圧発生溝が形成されてラジアル軸受部が構成され、ラジアル軸受部においては、シャフトの外周面に対して垂直に働く動圧が少なくともシャフトの延長方向に隔たった2箇所において極大を示す様にラジアル動圧発生溝が構成されている。スリーブ部の他端面及び天板の底面の少なくともいずれか一方には、第一のスラスト動圧発生溝が設けられてスラスト軸受部が構成され、第一の動圧発生溝は、シャフトの回転時にオイルに対して半径方向内方に向かって圧力を高めるように構成されている。スリーブ部には、第一の間隙に保持されるオイルと、第三の間隙に保持されるオイルを、第二の間隙以外の経路を通じて流通可能に連通する連通孔が形成されている。連通孔の第二の間隙における開口は、第一のスラスト動圧発生溝が形成されている領域の半径方向内方に位置し、スリーブ部の他端面及び天板の底面の少なくともいずれか一方は、第二のスラスト動圧発生溝を有している。そして、第二のスラスト動圧発生溝は、連通孔の開口部と第二の間隙の一端との間に介在し、シャフトの回転時にオイルに対して連通孔開口部から第二の微小間隙の一端に向かって圧力を高めるよう作用するように構成されている。
【0019】
請求項2に記載の流体動圧軸受では、請求項1に記載の流体動圧軸受において、ラジアル軸受部は軸方向に隔たった二つの領域を有し、各領域には各々ラジアル動圧発生溝が形成されており、ラジアル動圧発生溝は、一対のスパイラルグルーブを連接してなるヘリングボーン形状の動圧発生溝である。
【0020】
請求項3に記載の流体動圧軸受では、請求項2に記載の流体動圧軸受において、各領域に形成されたラジアル動圧発生溝がオイルに対してシャフトの延長方向に付与する圧力の各領域における総和は、各々の領域について実質ゼロとなるように設計されている。
【0021】
請求項4に記載の流体動圧軸受では、請求項2に記載の流体動圧軸受において、各領域に形成されたラジアル動圧発生溝がオイルに対してシャフトの延長方向に付与する圧力の各領域における総和は、天板寄りに位置する領域においては他方の領域に向けて圧力を高めるように構成されており、かつ、他方の領域においては天板寄りに位置する領域に向けて圧力を高めるように構成されている。
【0022】
請求項5に記載の流体動圧軸受では、請求項2乃至4の何れかに記載の流体動圧軸受において、ラジアル軸受部の二つの領域のうち、天板寄りに位置する領域に形成された動圧発生溝は、他方の領域に形成された動圧発生溝よりも軸方向長さが長く形成されている。
【0023】
請求項6に記載の流体動圧軸受では、請求項1乃至5の何れかに記載の流体動圧軸受において、スリーブ部は、スリーブとスリーブが内嵌され固定される円筒孔部を有するハウジングと、からなり、スリーブの外周面、若しくは、円筒孔部の内周面に、軸受の軸方向に延びる溝が形成されており、溝が連通孔として機能する様に構成されている。
【0024】
請求項7に記載の流体動圧軸受では、スリーブが含油焼結金属から形成されている。
【0025】
請求項8に記載の流体動圧軸受では、請求項1乃至7の何れかに記載の流体動圧軸受において、スリーブ部の外周面とロータの円筒壁の内周面とは半径方向に隙間を介して対向しており、スリーブ部の外周面には、ロータの天板から離れるに従って外径が縮径するようテーパ面が設けられ、オイルはテーパ面と円筒壁の内周面との間でメニスカスを形成して保持されている。
【0026】
請求項9に記載の流体動圧軸受では、請求項1乃至8のいずれかに記載の流体動圧軸受において、シャフトは、閉塞部材に対向する端部付近において半径方向に膨大してなる円盤部を有し、スリーブ部は、閉塞部材によって閉塞される側の端部に円筒孔部が半径方向外方に拡大してなる段部を有し、円盤部は段部によって形成される空洞に収容され段部と係合することで、ロータの抜け止めが構成されている。
【0027】
請求項10に記載の流体動圧軸受では、請求項8に記載の流体動圧軸受において、スリーブ部の外周面には、テーパ面から離れる側で外周面が半径方向内方に向かって屈曲して段部が設けられており、ロータの円筒壁の内周面には、段部に対応して内周面が半径方向内方に突出する環状部材が固着され、段部と環状部材とが係合することで、ロータの抜け止めが構成され、環状部材の上面とスリーブ部の段部の下面との間には、スリーブ部のテーパ面とロータの円筒壁の内周面との間に形成される半径方向の間隙の最小の隙間寸法よりも小な微小間隙が形成されておりラビリンスシールとして機能する様に構成されている。
【0028】
請求項11に記載のスピンドルモータは、ベースと、ベースに設置された請求項1乃至10の何れかに記載の流体動圧軸受機構と、ベースに設置されたステータと、ロータマグネットと、ハブ部とを備えている。そして、ハブ部は、流体軸受機構が有する天板が軸受の半径方向外方に延長してなる基部と、基部の外縁部に接続しシャフトと同軸かつ同心で略円筒形状を有する第二の円筒壁と、第二の円筒壁の外周面に設置された記録ディスク設置構造と、からなる。更に、ロータマグネットは第二の円筒部にステータと対向して設置されている。
【0029】
請求項12に記載のスピンドルモータは、ベースと、ベースに設置された請求項1乃至10の何れかに記載の流体動圧軸受機構と、ベースに設置されたステータと、ロータマグネットと、ハブ部と、を備えている。そして、ハブ部は、流体軸受機構が有する天板と、円筒壁とからなり、更にハブ部は、円筒壁の外周面に記録ディスク設置構造と、ロータマグネットを有し、なおかつ、ロータマグネットは円筒部にステータと対向して設置されている。
【0030】
請求項13に記載のスピンドルモータでは、請求項1乃至12の何れかに記載のスピンドルモータにおいて、ロータには閉塞部材側に向かって軸線方向に作用する磁気力が加えられている。より具体的には、例えば次に上げる3つの方法の内の一つ以上を実装することで実現できる。
【0031】
方法1:前記ベースの素材を磁性体とし、前記ロータマグネットと前記ベース間を互いに磁気吸引力が発生する様に近接して配置する。
【0032】
方法2:前記ステータに通電していない条件下で前記ロータマグネットと前記ステータの間に働く磁気力が、該ロータマグネットを前記ベースに向かって吸引するように、前記ステータと前記ロータマグネットを前記シャフト方向にずらして設置する。
【0033】
方法3:前記ベースに磁性体を設置し、該磁性体と前記ロータマグネットの間に磁気吸引力を発生させる。
【0034】
請求項14に記載の記録ディスク駆動装置では、ハウジングと、情報の記録及び読み出しが可能な記録ディスクと、ハウジングの内部に固定され記録ディスクを搭載して回転させる請求項11乃至13に記載のスピンドルモータと、記録ディスクの所要の位置に情報を書き込み又は読み出すための情報アクセス手段とを有している。
【0035】
以下、これらの手段によって課題が解決される理由を説明する。
【0036】
請求項1の構成は、フルフィル構造の動圧軸受を用いたスピンドルモータにおいて、軸受部内に保持されるオイルの圧力の均衡をはかり、負圧並びに過浮上の発生を防止することを可能とするものである。
【0037】
上記の構造において、ロータの回転時には、ラジアル動圧発生溝、及び、スラスト動圧発生溝において、オイルに動圧が付与され、それぞれラジアル方向、スラスト方向に軸受を支持する力が生ずる。加えて、第一のスラスト動圧発生溝は、軸受面に沿った内側に向けてオイルの圧力を高める(ポンピング)ように構成されている。第一のスラスト動圧発生溝は、スラスト軸受面の外周寄りに位置しており、内周側に向けてオイルをポンピングする。この作用により、動圧溝の外側よりも内側において、オイルの静圧が高まる。また、オイルの軸受からの流出が抑制される。この静圧の高まりは軸受のスラスト方向の支持に寄与し、支持をより安定にする。
【0038】
本発明の軸受は、シャフトとスリーブの間の間隙が途切れることなくオイルで満たされたフルフィル構造を有しているが、この間隙は3つの部分からなっている。第一の間隙は、スリーブの上端面と天板の底面の間の微小な間隙であり、スラスト動圧発生溝と共にスラスト動圧軸受の構成要素となっている。第二の間隙はスリーブ内周面とシャフト外周面の間の微小な間隙であり、ラジアル動圧発生溝と共にラジアル動圧軸受の構成要素となっている。第三の間隙は、シャフトの端面とスリーブ閉塞面の間の間隙である。この部分には流体動圧軸受は必ずしも構成しなくとも良いため、間隙も微小間隙である必要はない。しかし、先の第一のスラスト動圧発生溝の作用によってオイルの内圧が高められるため、この間隙を構成するシャフトの端面には静圧に起因するスラスト方向の支持力が加わる。
【0039】
軸受の機械加工が理想的で、組み立て時やその後の有害な歪みも無いとすれば、本発明の軸受支持機構は、以上で説明した構成要素のみで機能する。
【0040】
しかし、既に記したように、実際には、加工誤差や歪みによって、過浮上や、オイルが負圧になる領域が生ずるという問題がある。また、これらの誤差や歪みが無かったとしても、軸受を使用するうちに、オイルに含まれる微小なダストや気泡が、間隙の一部に溜まって、軸受の性能を損なうことも有る。この有害な影響を排除する為に、本発明の軸受には構造上の工夫が加えられている。
【0041】
まずに過浮上については、シャフト端面の第三の間隙と、スラスト軸受面を構成する第一の間隙を連通する連通孔を設けることで、ラジアル動圧発生溝における不必要なポンピングの影響を排除する。たとえラジアル動圧発生溝がシャフト端部に向かってオイルをポンプインするように動作してしまったとしても、連通孔によって第二の間隙の両端を短絡させているので、第三の間隙における無用の圧力上昇は解消する。この作用により、第三の間隙の静圧は、第一のスラスト動圧発生溝による静圧上昇のみにとどまる。第一のスラスト動圧発生溝によるオイルの静圧の上昇は、加工誤差や他の歪み等の影響を受けにくいため、性能が安定する。
【0042】
負圧については、先に説明した第一のスラスト動圧発生溝の作用によって、軸受内のオイルの静圧を高めることで発生を防いでいる。
【0043】
オイル中のダストや気泡に対しては、オイルを軸受中で循環させることで、局所的に集積してしまわないようにする。第二のスラスト動圧発生溝は、このオイルの循環に寄与する。第二の動圧発生溝は、第一の間隙における連通孔の開口部の内側に位置し、ラジアル軸受部を構成する第二の間隙に向かって、ポンピングするように構成されている。このため、ラジアル軸受部のオイルは、第一の間隙から遠ざかる方向に流れ、第三の間隙に流れ込み、ついで連通路を通って第二の動圧発生溝の外側に戻る。オイル中に含まれている微細なダストや気泡は、このオイルの循環によって、ラジアル軸受内部に留まることなく排出され、軸受性能の劣化が回避される。
【0044】
なお、オイルの静圧を高める様に作用しなければならない第一のスラスト動圧発生溝と異なり、第二のスラスト動圧発生溝はオイルを循環させるだけでよい。第一の動圧発生溝はスラスト軸受面において、連続して形成されて第一の動圧発生溝の内と外の領域を仕切ってしまう様に形成していなければならないが、上記の理由により、第二のスラスト動圧軸受については必ずしもそのような制約は無い。ただし、第二のスラスト動圧軸受についても、第一と同じように、軸受面上で連続して形成することで、オイルの循環はより確実になる。
【0045】
請求項2の構成では、ラジアル軸受部を構成するラジアル動圧発生溝が形成された領域は、シャフトの延長方向に隔たって二つ存在し、各々の溝パターンは、一対のスパイラルグルーブが連接して成るヘリングボーン形状である。ヘリングボーン形状の動圧発生溝は、その溝の屈曲部において動圧が極大を示すため、この動圧溝をシャフト方向に隔たって二つ配置することにより、半径方向の変位や、軸を傾ける方向のモーメントに対して、軸受の剛性が高まる。通常の流体動圧軸受でこの構成をとった場合、先に説明したように、動圧溝の加工誤差などにより、二つの極大箇所の間で負圧領域が発生する可能性がある。しかし、本願発明の発明では、第二のスラスト動圧発生溝によって強制的に第一の間隙から第二の間隙に向かってオイルが送られてくるため、ラジアル動圧発生溝の間といえども、負圧領域が発生しにくい。
【0046】
請求項3の構成では、シャフト上の二箇所に形成されたヘリングボーン形状の動圧発生溝の各々ついて、シャフト延長方向のどちら側にも積極的にはポンプインしない形状とする。より具体的には、シャフトの延長方向に対称なパターンとして置けばよい。
【0047】
この構造は、ラジアル軸受部における支持点を、最も離して軸受スパンを大きく取る事ができる構造であるため、ラジアル軸受の支持力に優れる。特にシャフトを傾ける方向のモーメントに対して、剛性が高い。但し、製造時における狂い等に起因するアンバランスが残ることは、本請求項にかかわる発明でもありうる。しかし、本出願の発明では、第一の間隙に、第二のスラスト動圧発生溝を備えており、これが強制的にオイルを一定方向に循環させるため、ラジアル動圧発生溝を軸方向に対称な設計としても、製造上の僅かの誤差に起因して、オイルの循環が想定外になることは回避される。
【0048】
請求項4の構成では、請求項2の構成において、更に各々のラジアル動圧発生溝について、シャフトの中央に向かってオイルをポンプインする設計とする。この場合、シャフトを傾けるモーメントに対する剛性は請求項3の構造よりも低下するが、第二のスラスト動圧発生溝による負圧の発生抑制に加え、ラジアル動圧発生溝も負圧発生抑制に寄与するため、負圧が発生する確率は更に小さくなり、量産時に生産される製品の性能を、より安定させることができる。
【0049】
請求項5の構成では、二つ有るラジアル動圧発生溝のうち、天板側の動圧発生溝をシャフト方向に大きく作り、他の動圧発生溝は小さく造る。こうすることで、天板側でシャフトの支持力は高くなる。スピンドルモータを薄型に設計した場合、ハブの形状も平坦になって高さ方向の奥行きが無くなるが、この際、ロータ部の重心もシャフト端部に近づく。そこで、重心に近い天板側の動圧発生溝を大きくして支持力を強め、一方で重心から遠いシャフト端部側の動圧発生溝を小さくして、回転の抵抗を下げ、最適な構成とする。
【0050】
請求項6の構成では、スリーブ部を一体の部品ではなく、ハウジングとそれに内嵌するスリーブから成る部品とする。この際、スリーブの外周、若しくはハウジングの内周に溝を形成した上で嵌合することにより、連通孔を構成することが可能で、穴あけ加工を省くことができる。
【0051】
請求項7の構成では、特にラジアル軸受の動圧発生溝をプレスにて安価に加工できる様になると共に、軸受が保持するオイルの量が増すため、オイルの枯渇が生じにくくなり、軸受の信頼性も向上する。
【0052】
請求項8の構成では、スリーブ部の側面にテーパシール部を設けることが可能で、例えば図12の様にシャフトの外周面上に設ける場合に比べて、軸受の高さを低く設計することができる。また、シール部を軸受部よりも大径とすることができると共に、シール部の軸線方向寸法も比較的に大とすることができ、シール部内の容積が増大し、小型・薄型のスピンドルモータであっても、フルフィル構造の動圧軸受に多量に保持されるオイルの熱膨張に対して、十分に追随可能となる。
【0053】
請求項9の構成では、ロータ部分の抜け止めを一体に構成することで、抜け落ちなどのトラブルを防止できる。
【0054】
請求項10の構成では、抜け止めをスリーブ部側方に形成できるので、軸受の高さを低く設計することが可能になる。また、テーパシール部に連続してラビリンスシールを配置することが可能で、その場合は、オイルミストによる軸受外部へのオイルの流出がより効果的に防止される。
【0055】
請求項11の構成では、過浮上や負圧の発生を回避した性能の優れた流体動圧軸受を搭載することで、信頼性が高く回転精度の高いアウタロータ型スピンドルモータが得られる。
【0056】
請求項12の構成では、過浮上や負圧の発生を回避した性能の優れた流体動圧軸受を搭載することで、信頼性が高く回転精度の高いインナロータ型スピンドルモータが得られる。
【0057】
請求項13の構成では、スラスト動圧軸受が発生する浮上力と、逆方向の力を磁気的にロータに付与することにより、ロータの浮上高さを安定させることができる。
【0058】
請求項14の構成では、信頼性が高く回転精度の高いスピンドルモータを搭載することで、同様に信頼性が高く読み取りエラーなどのトラブルが少ない、記録ディスク駆動装置が得られる。また、本発明の軸受、スピンドルモータは、小型・薄型化が可能であることから、例えば外径が1インチのハードディスクを駆動する記録ディスク駆動装置において好適に使用可能である。更に、これに限定されず、ハードディスク等の固定式又はCD−ROM、DVD等の着脱式の記録媒体を駆動する記録ディスク駆動装置においても同様に使用可能となる。
【0059】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる流体動圧軸受、スピンドルモータ、及び記録ディスク駆動装置の実施形態について図1乃至図11を参照しつつ説明する。なお、本願発明の実施の形態はこれらの内容に限定されるものではない。
【0060】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に係る流体動圧軸受100を搭載したスピンドルモータ110の断面図である。スピンドルモータ110は、ベース104、ベースに固定されたステータ121、ステータの外周面と対向して配置されたロータマグネット122、ロータマグネット122が固定されているハブ102と、ハブを回転自在に支持しベース104に固定されている流体動圧軸受100、から構成されている。
【0061】
また、ハブ102は基部102a、第二の円筒壁102b、及び記録ディスク設置構造102cからなり、更に、基部102aは、流体動圧軸受100の一部である天板102a1と、天板を半径方向外方に拡大してなる延長部102a2からなっている(図10参照)。ハブ102の下面からは円筒壁117がベース104に向かって垂下しており、円筒壁内周にシール部材118を内嵌して、スリーブ部103の外周との間にテーパシール113を構成している。
【0062】
ハブ102の中央部にはシャフト101が接続して固定されており、ハブ102とシャフト101は一体に回転し、ハブにかかる荷重はシャフトに架かり、シャフトに加わる支持力はハブを支える。シャフト101はスリーブ部103を貫く円筒孔に収容されており、シャフト101の外周面と円筒孔の内周面の間に構成されるラジアル軸受機構によって、ラジアル方向の荷重を支える。ハブ102の下面とスリーブ部103の上端面の間には、スラスト軸受機構が構成され、スラスト方向の荷重を支える。シャフト101の下端には円盤形状の膨大部106が形成されており、スリーブ部103内周面の下端付近に形成された段部119(図2参照)によって、上側への移動が制限される。円盤形状の膨大部106とシャフト101は一体であるため、段部119と膨大部106の組み合わせはシャフトの抜け止めとして機能する。
【0063】
ベース104には環状のスラストヨーク123が、ロータマグネット122の直下に配置され、ロータマグネット122に、ベース104に向かう磁気吸引力が作用する。この磁気吸引力は、ロータマグネット122と一体になっているハブ102を介してシャフト101を閉塞部材105に向けて押し付け、スラスト軸受部108が生ずる支持力と拮抗し、軸受の支持を安定させる。
【0064】
ハブ102の中央部下面とスリーブ部103の上端面の間には微小な第一の間隙114が形成されている。シャフト101の外周面とスリーブ部の円筒孔の内周面の間には微小な第二の間隙115が形成されている。シャフト101の端面と閉塞部材105の間には第三の間隙116が形成されている。これら間隙は互いに繋がっており、かつ、潤滑剤として機能するオイルによって途切れることなく満たされている。そして、これら間隙を満たすオイルの空気との間に形成される界面は、基本的にはテーパシール113にのみ存在する。
【0065】
シャフト101の外周面とスリーブ部103の内周面の何れか一方あるいは両方には、ラジアル動圧発生溝107a,107bが形成されており、第二の間隙に保持されたオイルと共にラジアル軸受部107を構成している。ハブ102中央付近の下面とスリーブ部103の上端面の何れか一方、或いは両方には,スラスト動圧発生溝108a,108bが形成されており、スラスト軸受部108を構成している。
【0066】
これら動圧発生溝は、シャフト101の回転に伴って、間隙に保持されたオイルに流体動圧を発生させ、流体動圧軸受100を支持する。図1,2中には、スラスト動圧発生溝108a,108bを斜めの二重線で表示している。また、ラジアル動圧発生溝107a,107bを”く”の字の二重線で表示している。
【0067】
108a,108bの斜めの二重線は、この動圧発生溝が、スラスト軸受面の半径方向に沿ってオイルの圧力を高めるように機能することを表しており、二重線が軸受面から離れる側で、圧力が高められる構成であることを意味する。107a,107bの”く”の字の二重線も同様であって、この場合は、各動圧溝の上下端から中央に向かって、軸受面に沿って圧力を高めるように構成されていることを示しており、両側から中央に向かって高められた圧力は中央でぶつかって、動圧のピーク部分を生ずる。
【0068】
図1,2に示す動圧軸受では、ラジアル軸受にこの”く”の字107a,107bが二つ、シャフトの延長方向に隔たって設置されており、”く”の字の頂点部分2箇所で、ラジアル軸受を支持する。
【0069】
スラスト動圧発生溝108aは、オイルが満たされた間隙と外部空間との界面に近い場所に位置し、シャフト回転時には、流体動圧を発生してスラスト方向の支持力を発生する他に、動圧発生溝108aの内側における間隙の圧力(静圧)を外部空間の圧力よりも高めるように機能する。この静圧は、シャフト101の端面やハブ102の円盤部の下面に作用して、スラスト方向の支持力を補う。
【0070】
スラスト動圧発生溝108bは、シャフト回転時には108aと同じく流体動圧を発生してスラスト方向の支持力を生ずるが、オイルの静圧は高めない。108bはスラスト軸受面のシャフト寄りの圧力を高めるように作用するが、その静圧は、第二の間隙115、第三の間隙116、及び、スリーブ部に設けられた連通孔111を通じて散逸し、オイルを循環させる様に作用する。この循環によって、ラジアル軸受部107を構成する微小な第二の間隙115に保持されたオイルが継続的に入れ替わるため、ダストや気泡のラジアル軸受への蓄積を防ぐことができる。
【0071】
図3は、ラジアル動圧発生溝の例を示す。図3の動圧発生溝は全てヘリングボーンタイプで、うち1)が図1,2で表示された圧力分布を生み出す。図3中の2)3)については、後述する。
【0072】
図4は、スラスト動圧発生溝の例を平面図にて示している。第一のスラスト動圧発生溝であるスパイラル形状の溝108aが軸受面の外周を取り囲み、その内側に、第二のスラスト動圧発生溝であるスパイラル形状の溝108bが形成されている。第一のスラスト動圧発生溝108aが形成されている環状の領域と、第二のスラスト動圧発生溝108bが形成されている環状の領域の間には、連通孔111の開口部111aが形成されており、ここを通じてオイルが循環する。連通孔111は図に示したように一つである必要はなく、複数個設けても良い。図4に示した、スラスト動圧発生溝では、第二のスラスト動圧発生溝108bも、第一のスラスト動圧発生溝108aと同じく、シャフト101や第二の間隙115を取り囲んで連続して形成されているが、第二のスラスト動圧発生溝108bについては、必ずしも連続している必要は無く、部分的に溝が形成されていない領域があっても良い。これは、第一のスラスト動圧発生溝108aがその内側の領域の静圧を高めるよう作用しなければならないのに対して、第二のスラスト動圧発生溝108bは、オイルの循環を目的としており、静圧を高める必要がないからである。
【0073】
図4において、第一のスラスト動圧発生溝、及び第二のスラスト動圧発生溝は共にスパイラル形状となっているが(108a,108b)、これらの動圧発生溝のパターンは、スパイラル形状に限定されるものではない。上述したように、第一のスラスト動圧発生溝は、動圧を発生して直接スラスト支持力を発生する他に、軸受内のオイルの静圧を高める機能を果たせばよい。そのためには、スパイラル形状以外にも、内側に向けてポンプインするように形成されたアンバランスなヘリングボーン形状などでも、本発明の作用と効果が実現できる。同様に第二のスラスト動圧発生溝は、オイルの循環を起こす機能を果たせばよいのであるから、この場合も、アンバランスのヘリングボーン形状が適用できる。
【0074】
(第2の実施の形態)
図5は、本発明に係る流体動圧軸受200を搭載したスピンドルモータ210の断面図である。スピンドルモータ210は、ベース204、ベースに固定されたステータ221、ステータの外周面と対向して配置されたロータマグネット222、ロータマグネットが固定されているハブ202と、ハブを回転自在に支持しベース204に固定されている流体動圧軸受200、から構成されている。
【0075】
流体動圧軸受200の基本的な構造は、図1の100と同様であるが、抜け止めの位置が異なっている。抜け止めは、シャフト端部ではなく、スリーブ部の外周に設けられており、ハブ202の天板から垂下された円筒壁217の先端部に取り付けられた抜け止め部材206が、スリーブ部外周に設けられた段部219によって上方への移動を規制される様配置されることで、構成されている。
【0076】
このように抜け止めを構成することで、軸受の高さを低くすることが可能になり、同時に、ラジアル軸受部の二つの動圧発生溝207a,207bの間の間隔を大きく取ることが可能になって、シャフトを傾ける方向のモーメントに対する剛性を高められる。また、抜け止め部材206と段部219の間隔を小さく取れば、その間隙はラビリンスとして機能するため、テーパシール部からのオイルミストの拡散を防いで、ディスク室の汚染を抑制することができる。
【0077】
図11は、図5に示したスピンドルモータ210の変形例で、本願発明の流体動圧軸受300を用いて、インナロータ型に構成したスピンドルモータ310の例である。この構造において、ハブ302は、基部302a、円筒壁317、及び、円筒壁317の外周に形成された記録ディスク設置構造302cからなっている。ただし、基部302aは流体動圧軸受300の天板そのものであるし、円筒壁317も流体動圧軸受300の構成要素である。
【0078】
なお、アウタロータ型と異なり、ロータマグネットは円筒壁317外周部に直接取り付けられている。このため、インナロータ型に構成した場合は、図10における第二の円筒壁102bは必須ではない。
【0079】
(第3の実施の形態)
図6は、図5の流体動圧軸受200において、スリーブ部203を、ハウジング203aと、ハウジングに内嵌するスリーブ203bの二つの部品からなる構成とした、流体動圧軸受200b表す。
【0080】
このような構造とすることで、連通孔211bの形成が容易になる。すなわち、スリーブ203bの外周、若しくは、ハウジング203aの内周面に、上端から下端まで繋がった溝を加工することで、組み立て後はこの溝が連通孔となる。溝はシャフトの延長方向のストレートな溝であっても良いし、螺旋を描きながら両端を接続する形態であっても良い。
【0081】
また、図6においては、ハウジング203aと閉塞部材205は別部材からなっているが、これを一体とし、ハウジングに閉塞部材としての機能を持たせても良い。この場合は、部品点数を削減できると言う効果が得られる。
【0082】
図1や図5の様に、スリーブ部を一つの部品から構成する場合、連通孔はドリル等によってスリーブ部をシャフトの延長方向に穿孔して形成する必要がある。
特にディスク径2.5インチ以下の、小型のハードディスクドライブ装置など、小型の軸受が必要になる用途では、シャフトやスリーブの径も縮小しなければならず、連通孔の径も微小にならざるを得ない。このような微細径の孔を加工することは、コストと時間を要する。しかし、この実施の形態によれば、このような困難は解決する。
【0083】
なお、スリーブ203bは、含油多孔質材料などの含油焼結金属から構成しても良い。この場合、プレスによってスリーブ203bの内面にラジアル動圧発生溝を形成することができるため、動圧溝の加工コストを低減することができる。
【0084】
(第4の実施の形態)
図7は、図1に示した実施形態の変形例であって、ラジアル軸受107を構成する2つの動圧発生溝の大きさを異ならせ、天板に近い上側で大きく(107c)、シャフトの端部寄りで小さく(107d)形成したものである。このような動圧発生溝の具体的な形状としては、例えば図3の2)に示すパターンがある。
【0085】
ラジアル軸受に二つの支持点がある場合、ロータの重心は理想的にはその二つの支持点の丁度中間に位置することが望ましい。しかし、スピンドルモータを薄型化してゆくと、そのような位置に重心を置くことが難しくなり、重心はハブの天板寄りに偏倚する傾向がある。そのような場合には、二つあるラジアル動圧発生溝のうち、天板より動圧発生溝の面積を大きく取って、より大きな支持力を発生するように構成することで、軸受の剛性を高められる。
【0086】
(第5の実施の形態)
図8は、図1に示した実施形態の更に他の変形例であって、ラジアル軸受107を構成する2つの動圧発生溝各々を非対称としたものである。
【0087】
ラジアル動圧発生溝107eおよび107fともに、図2の構造と同じく、シャフトの一端側に向けて圧力を高める部分と、天板側に向けて圧力を高める部分の組み合わせによって構成されている。しかし、107e,107fはこの二つの要素の大きさが異なっており、107eにおいてはシャフト端部に向けて圧力を高める要素が強く、107fにおいては天板に向けて圧力を高める要素が強く構成されている。このような動圧発生溝の具体的な形状としては、例えば図3の3)に示すパターンがある。
【0088】
このような構成とした場合、ロータの回転時には、二つのラジアル動圧発生溝の作用によって、二つのラジアル動圧発生溝の間のオイルは、高い静圧をとなる傾向を持つ。これに、第一のスラスト動圧発生溝のポンピング作用が重畳するため、加工誤差や組み立て時の様々の狂いがあっても、二つのラジアル動圧発生溝の間の間隙においては、負圧が更に発生しにくくなる。軸受の信頼性を更に高めることができる。
【0089】
(第6の実施の形態)
図9は、本願発明に係るスピンドルモータを搭載した、記録ディスク駆動装置900の断面を表す。
【0090】
ハウジング901とドライブベース912によって構成されるディスク室内には、スピンドルモータ910、記録ディスク930、磁気ヘッド922、スイングアーム923、アクチュエータ920が設置されている。
【0091】
アクチュエータ920は、スイングアーム923を備え、ボイスコイル921によって駆動される。磁気ヘッド922は、スイングアーム923の先端部に取り付けられ、記録ディスクの表面に対向して設置されている。記録ディスク930はスピンドルモータ910に固定され、スピンドルモータはドライブベース912に固定されている。なお、図9では、ディスクのクランパなどの細部は省略して図示していない。
【0092】
このような記録ディスク駆動装置900は、スピンドルモータが、薄型化小型化に適し、信頼性が高く振動が小さいという長所を有するため、このスピンドルモータを利用した記録ディスク駆動装置も、薄型化小型化が容易で、故障が少なく、読み取りや書き込みミスの少ない記録ディスク駆動装置を得ることができる。
【0093】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載の流体動圧軸受では、フルフィル構造の流体動圧軸受において負圧や過浮上の問題が解消され、簡略な構成で安定した軸支持が可能になる。
【0094】
本発明の請求項2に記載の流体動圧軸受では、シャフトを傾ける方向のモーメントに対して高い剛性を示す軸受が得られる。
【0095】
本発明の請求項3に記載の流体動圧軸受では、一対のラジアル動圧発生溝間の軸受スパンを比較的に大きく確保することができ、シャフトを傾ける方向のモーメントに対して更に高い剛性を示す軸受が得られる。
【0096】
本発明の請求項4に記載の流体動圧軸受では、一対のラジアル動圧発生溝間において負圧が発生することを、より確実に防ぐことが可能で、量産時の製品の信頼性を高められる。
【0097】
本発明の請求項5に記載の流体動圧軸受では、重心位置が高く、ラジアル軸受の二つの支持点の中央から重心が大きく天板側にずれる回転体に対して用いても、ラジアル方向の支持が安定する。
【0098】
本発明の請求項6に記載の流体動圧軸受では、連通孔が容易かつ低コストで形成可能になる。
【0099】
本発明の請求項7に記載の流体動圧軸受では、動圧発生溝の形成が容易になり、軸受の信頼性も高まる。
【0100】
本発明の請求項8に記載の流体動圧軸受では、軸受の高さを低くし、シールのシャフト延長方向長さを確保し、かつシール部内の体積を確保することが容易になる。
【0101】
本発明の請求項9に記載の流体動圧軸受によれば、ロータ部分の抜け落ちが防止される。
【0102】
本発明の請求項10に記載の流体動圧軸受によれば、ロータ部分の抜け落ちが防止される事に加えて、オイルの軸受外への流出が更に抑制される。
【0103】
請求項11のスピンドルモータによれば、信頼性が高く回転精度の高いアウタロータ型スピンドルモータが得られる。
【0104】
請求項12のスピンドルモータによれば、信頼性が高く回転精度の高いインナロータ型スピンドルモータが得られる。
【0105】
請求項13のスピンドルモータによれば、ロータの浮上高さを安定させることができる。
【0106】
請求項14の構成では、信頼性が高く読み取りエラーなどのトラブルが少なく、特に小型の記録ディスクを駆動する記録ディスク駆動装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明例に係る流体動圧軸受及びスピンドルモータの断面図1
【図2】本発明例に係る流体動圧軸受及びスピンドルモータの部分拡大図1
【図3】本発明例に係る流体動圧軸受で利用されるラジアル動圧発生溝パターンの例
【図4】本発明例に係る流体動圧軸受におけるスラスト動圧軸受の平面図
【図5】本発明例に係る流体動圧軸受及びスピンドルモータの他の抜け止め構造
【図6】本発明例に係る流体動圧軸受においてスリーブを二重構造とした例
【図7】本発明例に係る流体動圧軸受におけるラジアル動圧発生溝の構成の例1
【図8】本発明例に係る流体動圧軸受におけるラジアル動圧発生溝の構成の例2
【図9】本発明例に係る記録ディスク駆動装置の断面図
【図10】本発明例に係るアウタロータ型スピンドルモータの断面図
【図11】本発明例に係るインナロータ型スピンドルモータの断面図
【図12】従来のフルフィル型流体動圧軸受構造及びスピンドルモータの断面図
【符号の説明】
100,200,200b,300,A00 流体動圧軸受
101,201,A01 シャフト
102,202,302,A02 ハブ
102a,302a 基部
102a1 天板
102a2 延長部
102b 第二の円筒壁
102c,302c 記録ディスク設置構造
103,203,A03 スリーブ部
203a ハウジング
203b スリーブ
104,204,304,A04 ベース
105,205,A05 閉塞部材
106,206,A06 膨大部
107,207,A07 ラジアル軸受部
107a,107b,107c,107d,107e,107f,207a,207b,A07a,A07b ラジアル動圧発生溝
108,208,A08 スラスト軸受部
108a,108b,208a,208b,A08a,A08b スラスト動圧発生溝
109,209,A09 雌ネジ穴
110,210,210b,910,310,A10 スピンドルモータ
111 連通孔
111a,211b 連通孔開口部
113,213,A13 テーパーシール
114 第一の間隙
115 第二の間隙
116 第三の間隙
117,217,317 円筒壁
118 シール部材
119,219 段部
121,221,321,A21 ステータ
122,222,322,A22 ロータマグネット
123,223、323 スラストヨーク
900 記録ディスク駆動装置
901 ハウジング
912 ドライブベース
920 アクチュエータ
921 ボイスコイル
922 磁気ヘッド
923 スイングアーム
930 記録ディスク
Claims (14)
- シャフトと、
該シャフトが回転自在に遊挿される貫通孔が形成されたスリーブ部と、
回転軸心に該シャフトが一体に設けられシャフトと一体に回転する天板と
該天板の外周縁から垂下される円筒壁と、
該スリーブ部に形成された前記貫通孔の一方の開口部を閉塞する閉塞部材と、を有し、
前記スリーブ部の他方の開口部に隣接する他端面と前記天板の底面の間には微小な第一の間隙が形成され、
前記スリーブ部の内周面と前記シャフトの外周面の間には微小な第二の間隙が形成され、
前記閉塞部材の内面と前記シャフトの端面との間には第三の間隙が形成され、前記第一の間隙はその半径方向内方の縁部で、前記第二の間隙の一端と接続しており、
前記第二の間隙はその他端において、前記第三の間隙と接続しており、
前記第一乃至第三の間隙には、全体にわたってオイルが途切れることなく連続して保持され、
前記スリーブ部の内周面及び前記シャフトの外周面の少なくともいずれか一方の面には、ラジアル動圧発生溝が形成されてラジアル軸受部が構成され、
該ラジアル軸受部においては、シャフトの外周面に対して垂直に働く動圧が少なくともシャフトの延長方向に隔たった2箇所において極大を示す様に前記ラジアル動圧発生溝が構成されており、
前記スリーブ部の他端面及び天板の底面の少なくともいずれか一方には、第一のスラスト動圧発生溝が設けられてスラスト軸受部が構成され、
該第一の動圧発生溝は、前記シャフトの回転時に前記オイルに対して半径方向内方に向かって圧力を高めるように構成されており、
前記スリーブ部には、前記第一の間隙に保持される前記オイルと、前記第三の間隙に保持される前記オイルを、前記第二の間隙以外の経路を通じて流通可能に連通する連通孔が形成されており、
該連通孔の前記第二の間隙における開口は、前記第一のスラスト動圧発生溝が形成されている領域の半径方向内方に位置し、
前記スリーブ部の他端面及び前記天板の底面の少なくともいずれか一方は、第二のスラスト動圧発生溝を有し、
該第二のスラスト動圧発生溝は、前記連通孔の開口部と前記第二の間隙の一端との間に介在し、前記シャフトの回転時に前記オイルに対して該連通孔開口部から前記第二の微小間隙の一端に向かって圧力を高めるよう作用する、流体動圧軸受。 - 請求項1に記載の流体動圧軸受において、
前記ラジアル軸受部は軸方向に隔たった二つの領域を有し、
各領域には各々ラジアル動圧発生溝が形成されており、
該ラジアル動圧発生溝は、一対のスパイラルグルーブを連接してなるヘリングボーン形状の動圧発生溝である、事を特徴とする、流体動圧軸受。 - 請求項2に記載の流体動圧軸受において、
前記各領域に形成されたラジアル動圧発生溝が前記オイルに対してシャフトの延長方向に付与する圧力の各領域における総和は、各々の領域について実質ゼロとなるように設計されている、事を特徴とする流体動圧軸受。 - 請求項2に記載の流体動圧軸受において、
前記各領域に形成されたラジアル動圧発生溝が前記オイルに対してシャフトの延長方向に付与する圧力の各領域における総和は、前記天板寄りに位置する領域においては他方の領域に向けて圧力を高めるように構成されており、かつ、他方の領域においては前記天板寄りに位置する領域に向けて圧力を高めるように構成されている、事を特徴とする流体動圧軸受。 - 請求項2乃至4の何れかに記載の流体動圧軸受において、
前記ラジアル軸受部の前記二つの領域のうち、前記天板寄りに位置する領域に形成された動圧発生溝は、他方の領域に形成された動圧発生溝よりも軸方向長さが長く形成されている、事を特徴とする、請求項1または2の何れかに記載の流体動圧軸受。 - 請求項1乃至5の何れかに記載の流体動圧軸受において、
前記スリーブ部は、
スリーブと
該スリーブが内嵌され固定される円筒孔部を有するハウジングと、
からなり、
前記スリーブの外周面、若しくは、前記円筒孔部の内周面に、軸受の軸方向に延びる溝が形成されており、
組み立て後には該溝が前記の連通孔として機能する、事を特徴とする流体動圧軸受。 - 前記スリーブが含油焼結金属から形成されている、請求項6に記載の流体動圧軸受。
- 請求項1乃至7の何れかに記載の流体動圧軸受において、
前記スリーブ部の外周面と前記円筒壁の内周面とは半径方向に隙間を介して対向しており、
前記スリーブ部の外周面には、前記天板から離れるに従って外径が縮径するようテーパ面が設けられ、
前記オイルは該テーパ面と前記円筒壁の内周面との間でメニスカスを形成して保持されている、事を特徴とする流体動圧軸受。 - 請求項1乃至8のいずれかに記載の流体動圧軸受において、
前記シャフトは、前記閉塞部材に対向する端部付近において半径方向に膨大してなる円盤部を有し、
前記スリーブ部は、前記閉塞部材によって閉塞される側の端部に前記円筒孔部が半径方向外方に拡大してなる段部を有し、
前記円盤部は該段部によって形成される空洞に収容され前記段部と係合することで、前記シャフトの抜け止めが構成される、事を特徴とする流体動圧軸受。 - 請求項8に記載の流体動圧軸受において、
前記スリーブ部の前記外周面には、前記テーパ面から離れる側で該外周面が半径方向内方に向かって屈曲して段部が設けられており、
前記円筒壁の内周面には、該段部に対応して該内周面が半径方向内方に突出する環状部材が固着され、
前記段部と該環状部材とが係合することで、前記シャフトの抜け止めが構成され、
前記環状部材の上面と前記スリーブ部の段部の下面との間には、前記スリーブ部のテーパ面と前記円筒壁の内周面との間に形成される半径方向の間隙の最小の隙間寸法よりも小な微小間隙が形成されておりラビリンスシールとして機能する、事を特徴とする流体動圧軸受。 - ベースと、
前記ベースに設置された請求項1乃至10の何れかに記載の流体動圧軸受機構と、
前記ベースに設置されたステータと、
ロータマグネットと、
ハブ部と、を備え、
前記ハブ部は、前記流体軸受機構が有する前記天板が軸受の半径方向外方に延長してなる基部と、該基部の外縁部に接続し前記シャフトと同軸かつ同心で略円筒形状を有する第二の円筒壁と、該第二の円筒壁の外周面に設置された記録ディスク設置構造と、からなり、
前記ロータマグネットは前記第二の円筒部に前記ステータと対向して設置されている、スピンドルモータ。 - ベースと、
前記ベースに設置された請求項1乃至10の何れかに記載の流体動圧軸受機構と、
前記ベースに設置されたステータと、
ロータマグネットと、
ハブ部と、
を備え、前記ハブ部は、前記流体軸受機構が有する前記天板と、前記円筒壁とからなり、更に該ハブ部は、前記円筒壁の外周面に記録ディスク設置構造と、前記ロータマグネットを有し、
なおかつ、前記ロータマグネットは前記円筒部に前記ステータと対向して設置されている、スピンドルモータ。 - 前記天板には前記閉塞部材側に向かって軸線方向に作用する磁気力が加えられていることを特徴とする、請求項1乃至12の何れかに記載のスピンドルモータ。
- ハウジングと、
情報の記録及び読み出しが可能な記録ディスクと、
前記ハウジングの内部に固定され該記録ディスクを搭載して回転させる請求項11乃至13に記載のスピンドルモータと、
前記記録ディスクの所要の位置に情報を書き込み又は読み出すための情報アクセス手段とを有する、記録ディスク駆動装置。
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