JP2004270879A - Friction roller type transmission - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、自動車の駆動部や補機、工作機械、半導体製造装置、水車、風車、過給機など、各種機械装置の回転駆動部分等に組み込み、駆動軸側の回転を減速或いは増速しつつ被駆動側に伝達して、上記工作機械等を回転駆動する、くさび作用を利用した摩擦ローラ式変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
トラクションドライブ式変速機は、静かで滑らかであることから産業上の各種用途に開発され、さらに近年は自動車や自転車といったパーソナルユースに応用する試みがなされ、次世代の動力伝達方式として注目されている。
【0003】
トラクションドライブ式変速機とは、歯車伝動とは異なり、滑らかな表面をもつ少なくとも2個の回転体を強く押し付け、これらの間に潤滑油膜(例えばEHL油膜)を介在させて、動力を伝達する機構であり、その基礎式は、Ft=μ・Fcという簡単な摩擦の式で表される(Ft:トラクション力)。ここで、Fcは、押し付け力と呼び、この発生に様々な方法が開発されている。
【0004】
このトラクションドライブ式変速機の一つとして、特許文献1に開示してあるように、くさび作用を利用した摩擦ローラ式変速機(以後本明細書中では、くさびローラ式変速機と記す)がある。くさびローラ式変速機とは、高速側シャフトの先端部の周囲に、該高速側シャフトに対し偏心した状態で、回転自在に設けられた外輪と、該高速側シャフトの外周面である動力伝達用円筒面と前記外輪の内周面である動力伝達用円筒面との間に存在して、径方向に関する幅が円周方向に関して不同である環状空間内に配置される、それぞれの外周面を動力伝達用円筒面とした、少なくとも1個のガイドローラおよび少なくとも1個の可動ローラとを備えた変速機のことを言う。又、可動ローラとは、くさび作用により押付け力を発生するローラであり、半径方向、円周方向に動くローラのことを言う。
【0005】
このくさびローラ式変速機では、正転時には、可動ローラは、高速側シャフトと外輪との間で「くさび」に食い込む方向に移動し、押し付け力Fcを発生する。このFcによりトラクション力が発生し、トルクを伝達することができる。
【0006】
一方、逆転時には、可動ローラは、「くさび」から離れる方向に移動し、押し付け力Fc=0となり、入力側の回転が出力側へ伝わるのを停止する。
【0007】
くさびローラ式変速機は、低速側シャフト(外輪側)を入力側とした場合には、高速側シャフトを出力側とした増速機として作用し、低速側シャフト(外輪側)を出力側とした場合には、高速側シャフトを入力側とした減速機として作用する。
【0008】
また、くさびローラ式変速機において、正転時には、トルクを伝達する一方、逆転時には、空転してトルクを伝達しないワンウェイクラッチ機能を有しているものと、正逆両方向の回転時に、トルクを伝達することができるものとがある。
【0009】
【特許文献1】
特願2002−121165号
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近では、特に自動車業界において、コストダウンとともに、省スペース化の要望(即ち、小型化及び軽量化を図って、燃費を向上したいといった要望)が高い。これは、くさびローラ式変速機においても、例外ではなく、製品化のためには、省スペース化の要望は、非常に高いものとなっている。
【0011】
上記特許文献1に開示したくさびローラ式変速機において、低速側シャフトの基部には、円盤状部材(径方向部材)が径方向に延在してあり、この円盤状部材の先端爪部が外輪に止め輪により係止してある。
【0012】
その結果、止め輪部の幅やエッジマージンにより、ハウジングと円盤状部材との間には、隙間があり、くさびローラ式変速機全体の軸方向長さや、ハウジングの軸方向長さの短縮化を阻む原因となっている。なお、エッジマージンとは、軸方向締結スラスト荷重に対して十分耐えうるために、各止め輪に明示された溝の深さ寸法との関係により規定される軸方向長さのことである。
【0013】
従って、くさびローラ式変速機全体の軸方向長さ、及びハウジングの軸方向長さが比較的長くなっており、上述した省スペース化の要望に反するといったことになっている。
【0014】
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであって、必要な所定寸法は確保しつつ、全体的な軸方向長さを短縮して、省スペース化を図ることができる、摩擦ローラ式変速機を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の請求項1に係る摩擦ローラ式変速機は、ハウジングに回転自在に支持され、一端部に外輪を設けた低速側シャフトと、前記低速側シャフト及び前記外輪に対して偏心して、ハウジングに回転自在に支持された高速側シャフトと、前記外輪と前記高速側シャフトとの間に回転自在に支持された、少なくとも1個のガイドローラと少なくとも1個の可動ローラとから成るくさび作用を利用した摩擦ローラ式変速機において、
前記低速側シャフトは、当該低速側シャフトから略径方向外方に一体又は別体に延在して前記外輪に係合した径方向部材を備え、
当該径方向部材は、その先端部又は近傍が略中央部に対して高速側に変位して形成してあり、
前記外輪の低速側端面は、当該径方向部材の略中央部の低速側端面と略同位置に配置してあるか、又は、当該径方向部材の略中央部の低速側端面より高速側に配置してあることを特徴とする。
【0016】
また、請求項2に係る摩擦ローラ式変速機は、ハウジングに回転自在に支持され、一端部に外輪を設けた低速側シャフトと、前記低速側シャフト及び前記外輪に対して偏心して、ハウジングに回転自在に支持された高速側シャフトと、前記外輪と前記高速側シャフトとの間に回転自在に支持された、少なくとも1個のガイドローラと少なくとも1個の可動ローラとから成るくさび作用を利用した摩擦ローラ式変速機において、
前記低速側シャフトは、当該低速側シャフトから略径方向外方に一体又は別体に延在して前記外輪に係合した径方向部材を備え、
当該径方向部材は、その略中央部の高速側に収納空間を形成するように、その先端部又は近傍が略中央部に対して高速側に変位して形成してあり、
前記収納空間内に、前記ローラの支持軸を固定した固定部材の低速側が入り込むように配置してあることを特徴とする。
【0017】
このように、請求項1又は2によれば、低速側シャフトの径方向部材は、その先端部又は近傍が略中央部に対して高速側に変位して形成してあり、外輪の低速側端面は、径方向部材の略中央部の低速側端面と略同位置に配置してあるか、又は、径方向部材の略中央部の低速側端面より高速側に配置してある。別言すれば、低速側シャフトの径方向部材は、その略中央部の高速側に収納空間を形成するように、その先端部又は近傍が略中央部に対して高速側に変位して形成してあり、収納空間内に、ローラの支持軸を固定した固定部材の低速側が入り込むように配置してある。従って、必要な所定寸法は確保しつつ、全体的な軸方向長さを短縮して、省スペース化を図ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る摩擦ローラ式変速機を図面を参照しつつ説明する。
【0019】
先ず、くさびローラ式変速機の内部構造について詳述し、次いで、実施の形態について説明する。
【0020】
また、説明の便宜上、1個の可動ローラを用いたくさびローラ式変速機を説明し、その後、2個の可動ローラを用いた両方向動力伝達型のくさびローラ式変速機について説明する。
【0021】
また、動力の伝達の方法を説明する時は、くさびローラ式変速機が減速機として作用する場合を代表して記述している。減速機において、正回転とは、高速側シャフト17から外輪32に動力を伝える方向であり、逆回転とは、高速側シャフト17が空転し、外輪32へのトルク(動力)伝達を停止する方向である。
【0022】
(くさびローラ式変速機の内部構造)
図1は、くさびローラ式変速機の縦断面図である。
【0023】
図2は、ハウジングを取り外した状態における、くさびローラ式変速機の要部の横断面図であって、ワンウェイクラッチ機能を有するくさびローラ式変速機の断面図である。
【0024】
図3は、減速機としてのくさびローラ式変速機の作用を説明する図である。
【0025】
図5は、ハウジングを取り外した状態における、くさびローラ式変速機の要部の横断面図であって、正逆両方向の回転時にトルク(動力)を伝達可能なくさびローラ式変速機の断面図である。
【0026】
なお、図4には、参考のため、増速機としてのくさびローラ式変速機の作用の説明図を示す。
【0027】
くさびローラ式変速機Xは、低速側シャフト3(外輪側)を出力側とした場合には、高速側シャフト17を入力側とした減速機として作用する。
【0028】
なお、図4に示すように、低速側シャフト3(外輪側)を入力側とした場合には、高速側シャフト17を出力側とした増速機として作用する。
【0029】
また、図2に示すように、1個の可動ローラ38を用いたくさびローラ式変速機Xは、正転時には、トルク(動力)を伝達する一方、逆転時には、空転してトルク(動力)を伝達しないワンウェイクラッチ機能を有しているが、図5に示すように、2個の可動ローラ38a,38bを用いたくさびローラ式変速機Xは、正逆両方の回転時にトルク(動力)を伝達することができる。
【0030】
くさびローラ式変速機Xは、図1、図2において、略円筒状のハウジング1に、仕切板であるハウジング2が固定してある。ハウジング1には、低速側シャフト3が回転自在に支持してあり、ハウジング1内の低速側シャフト3の端部に、円盤状部材4が設けてあり、この円盤状部材4の外縁部に、外輪32が取付けてある。
【0031】
仕切板であるハウジング2には、高速側シャフト17が低速側シャフト3及び外輪32に対して偏心(オフセット)して回転自在に設けてある。
【0032】
図2に示すように、外輪32と、高速側シャフト17との間には、大径のガイドローラ37aと、小径のガイドローラ37bと、トルク(動力)伝達時に移動する可動ローラ38とが介装してある。
【0033】
可動ローラ38を回転自在に支持する支持軸39bは、図3に示すように、減速機の場合、高速側シャフト17と外輪32との間で「くさび」に食い込む方向に移動できるように構成してあり、また、この「くさび」に食い込む方向にシリンダ孔46に設置した圧縮ばね等の弾性材47(予圧ばね、図2参照)により付勢してある。
【0034】
これにより、正転時には、可動ローラ38は、高速側シャフト17と外輪32との間で「くさび」に食い込む方向に移動し、押し付け力Fcを発生する。このFcによりトラクション力が発生し、トルク(動力)を伝達することができる。
【0035】
一方、逆転時には、可動ローラ38は、「くさび」から離れる方向に移動し、押し付け力Fc=0となり、入力側の回転が出力側へ伝わるのを停止する。
【0036】
図2に示すように、外輪32の内周面と高速側シャフト17の先端部外周面との間には、径方向に関する幅が円周方向に関して不同である環状空間36が設けられる。
【0037】
この様な環状空間36内には、2個のガイドローラ37a、37bと1個の可動ローラ38とを設置して、上記くさびローラ式変速機Xを構成している。図2において、可動ローラ38は切欠いて部分的に示している。これら各ローラ37a、37b、38を設置する為に上記環状空間36部分には、3本の支持軸39a、39a、39bを設けている。これら3本の支持軸39a、39a、39bのうち、2本の支持軸39a,39aは、それぞれの両端部をハウジング2及び連結板14に形成した嵌合孔40、40に圧入固定している。従って、上記2本の支持軸39a,39aが、上記環状空間36内で円周方向或は直径方向に変位する事はない。これに対して、上記3本の支持軸39a、39a、39bのうち、残り1本の支持軸39bは、両端部を上記ハウジング2及び連結板14に対し、上記外輪32の円周方向及び直径方向に関する若干の変位可能に支持している。この為に、上記ハウジング2及び連結板14の一部で上記1本の支持軸39bの両端部に整合する部分に、この支持軸39bの外径よりも大きな内径を有する支持孔41を形成し、これら各支持孔41に、上記支持軸39bの両端部を緩く係合させている。
【0038】
そして、上述の様に支持した各支持軸39a、39a、39bの中間部周囲に、それぞれ上記各ガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38を、それぞれラジアルニードル軸受42、42等の軸受により、回転自在に支持している。尚、上記連結板14を上記ハウジング2に結合固定する為、この連結板14の片面に突設した、前記各突部27、27は、この連結板14の円周方向に関して、上記各ガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38同士の間に存在する。言い換えれば、上記環状空間36内に上記各突部27、27と上記各ガイドローラ37a、37b又は可動ローラ38とが、上記環状空間36の円周方向に関して交互に存在する。又、これら各ガイドローラ37a、37b又は可動ローラ38の外周面と上記各突部27、27の円周方向側面とが干渉する(擦れ合う)事はない。
【0039】
この様にして、上記各支持軸39a、39a、39bにより上記ハウジング2と連結板14との間に回転自在に支持した、上記各ガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38の外周面である、動力伝達用円筒面43a、43a、43bは、それぞれ前記高速側シャフト17の先端部の外周面である動力伝達用円筒面44と前記外輪32の内周面である動力伝達用円筒面45とに当接させている。前述した通り、上記各ガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38を設置した上記環状空間36の径方向に関する幅は、円周方向に関して不同である。この様に、この環状空間36の幅寸法を円周方向に関して不同にした分、上記ガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38の外径を異ならせている。即ち、上記ガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38のうち、それぞれ上記外輪32に対し高速側シャフト17の先端部が偏心している側に位置する可動ローラ38及びガイドローラ37bの外径を、互いに同じにすると共に比較的小径にしている。これに対し、上記外輪32に対し高速側シャフト17の先端部が偏心しているのと反対側に位置するガイドローラ37aの外径を、上記可動ローラ38及びガイドローラ37bの外径よりも大きくしている。そして、上記ガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38の外周面である上記各動力伝達用円筒面43a、43a、43bを、それぞれ上記動力伝達用円筒面44、45に当接させている。
【0040】
尚、上記各ガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38のうち、各ガイドローラ37a、37bを支持した支持軸39a、39aの両端部は、前述の様に、前記ハウジング2及び連結板14に対し(環状空間36内に)固定している。これに対して、上記可動ローラ38を支持した支持軸39bは、やはり前述した様に上記ハウジング2及び連結板14に対し(環状空間36内に)、円周方向及び直径方向に関する若干の変位を可能に支持している。従って、上記可動ローラ38も、上記環状空間36内で円周方向及び直径方向に若干の変位可能である。そして、前記ハウジング2及び連結板14のシリンダ孔46内に設置した、圧縮ばね等の弾性材47(予圧ばね)により、上記可動ローラ38を支持した支持軸39bを、これら支持軸39bに回転自在に支持した可動ローラ38を前記環状空間36の幅の狭い部分に向け移動させるべく、弾性的に軽く押圧している。
【0041】
上述の様に構成するくさびローラ式変速機により回転軸を回転駆動する場合(減速機の場合)には、正転時、高速側シャフト17に駆動力を入力することにより、高速側シャフト17を図3の矢印方向に回転させる。この高速側シャフト17の回転は、各ガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38を介して、外輪32に伝わり、外輪32を図3の矢印方向に回転させる。
【0042】
外輪32とガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38との間の動力伝達、並びに、これらガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38と高速側シャフト17との間の動力伝達は、何れも摩擦伝達により行なわれる為、動力伝達時に発生する騒音並びに振動は低い。
【0043】
又、可動ローラ38は、高速側シャフト17から外輪32に伝達するトルクの大きさに応じた力で、環状空間36の幅が狭い部分に食い込む傾向となる。この為、外輪32の内周面である動力伝達用円筒面45とガイドローラ37a、37b及び可動ローラ38の外周面である動力伝達用円筒面43a、43a、43bとの当接部、並びに、これら各動力伝達用円筒面43a、43a、43bと高速側シャフト17の外周面である動力伝達用円筒面44との当接部の面圧は、何れも、上記トルクが大きくなる程高くなる。逆に言えば、このトルクが小さい場合には、各当接部の面圧が低い状態となる。この為、これら各当接部の面圧を、伝達すべきトルクに合わせた適正値にして、トルク伝達を効率良く行なえる。
【0044】
即ち、高速側シャフト17を図3の矢印方向に回転させる際には、可動ローラ38が、外輪32の内周面である動力伝達用円筒面45及び高速側シャフト17の外周面である動力伝達用円筒面44から、弾性材47(予圧ばね)による押圧力と同方向の力を受けて、環状空間36の幅の狭い部分に向け移動する傾向となる。
【0045】
上述の様にして、可動ローラ38を環状空間36の幅の狭い部分に向け移動させようとする力は、高速側シャフト17から外輪32に伝達する回転駆動力の大きさに応じて変化する。そして、この力が大きくなる程、動力伝達用円筒面43a,43bと動力伝達用円筒面44との当接部である内側当接部48、及び、この動力伝達用円筒面43a,43bと動力伝達用円筒面45との当接部である外側当接部49の当接圧が高くなる。従って、この様な作用に基づき、上記伝達する回転駆動力に応じた当接圧を自動的に選定して、くさびローラ式変速機Xの伝達効率を確保できる。
【0046】
図2に示した例の場合には、くさびローラ式変速機Xは、ワンウェイクラッチ機能を備えており、減速機の場合、外輪32の回転速度が高速側シャフト17の回転速度に見合う速度、即ち、この高速側シャフト17の回転速度にくさびローラ式変速機Xの減速比を掛けた速度よりも速くなった場合には、このくさびローラ式変速機Xの接続が断たれる。即ち、この場合には、上記可動ローラ38が、前記弾性材47(予圧ばね)の弾力に抗して、上記環状空間36の幅の広い側に変位する。この結果、上記内側、外側両当接部48、49の当接圧が低下若しくは喪失して、高速側シャフト17の回転が外輪32にまでは伝わらなくなる。
【0047】
次に、図5に示す、正逆両方向の回転時にトルクを伝達可能なくさびローラ式変速機について説明する。
【0048】
図5は、高速側シャフト17を時計、反時計の両方向に回転駆動自在な構造について示している。
【0049】
この様な本例の構造の揚合には、くさびローラ式変速機Xを構成する3個のローラとして、1個のガイドローラ37と2個の可動ローラ38a,38bとを使用している。このうち、環状空間36のうちで最も幅が広くなった部分に設置したローラを、比較的大径で設置位置が変化しないガイドローラ37としている。これに対して、上記環状空間36の幅が最も狭くなった部分を挟んで設けた1対のローラを、それぞれ比較的小径で円周方向及び直径方向に関する若干の変位を可能にした可動ローラ38a,38bとしている。これら各可動ローラ38a,38bを支持した各支持軸39b,39bを、環状空間36の最も幅が狭くなった部分に向けそれぞれ弾性的に押圧している。
【0050】
上述の様に構成する本例の構造の場合には、高速側シャフト17が図5で時計方向に回転する場合には、可動ローラ38aが上記環状空間36の幅が狭くなった部分に食い込む。
【0051】
これに対して、高速側シャフト17が図5で反時計方向に回転する場合には、可動ローラ38bが上記環状空間36の幅が狭くなった部分に食い込む。
【0052】
又、本例の場合には、これら各可動ローラ38a,38bを支持した支持軸39b,39bの両端部を支持する為、ハウジング2及び連結板14に形成した支持孔41a,41a(長溝)の、上記環状空間36の円周方向に関する長さを規制している。具体的には、これら各支持孔41a,41a(長溝)のうち、上記環状空間36の幅が広い側の端部の位置を、前述した図2で示した場合よりも、この環状空間36の最も幅が狭くなった位置に近づけている。そして、上記各可動ローラ38a,38bが、上記環状空間36の幅の広い側に過度に退避しない様にしている。
【0053】
上述の様に構成する本例の場合には、減速機の場合、高速側シャフト17が時計、反時計の何れの方向に回転する場合でも、何れかの可動ローラ38a(38b)が上記環状空間36の幅の狭い部分に食い込み、当該可動ローラ38a(38b)に関する内側、外側各当接部48,49の当接圧を高める。一方、上記環状空間36の幅の狭い部分から退避する方向に変位する可動ローラ38b(38a)に関しても、その退避量は限られる。この結果、両可動ローラ38a,38b及び前記ガイドローラ37に関して、内側、外側各当接部48,49の当接圧が十分に上昇し、高速側シャフト17から外輪32にまで、動力を効率良く伝達できる。この様に、高速側シャフト17から外輪32への時計、反時計の両方向の動力伝達を可能にした点以外は、図2に前述した場合と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
【0054】
(本発明の参考例)
図1は、本発明の参考例に係るくさびローラ式変速機の縦断面図である。
【0055】
本参考例においては、低速側シャフト3の基部(高速側)には、円盤状部材4(径方向部材)が径方向に一体的に延在してあり、この円盤状部材4の先端爪部4aが外輪32に止め輪51により係止してある。
【0056】
図1に示すように、止め輪51の幅「C」と、エッジマージン「D」により、ハウジング1と円盤状部材4との間には、隙間「B」があり、くさびローラ式変速機X全体の軸方向長さ「A」や、ハウジング1の軸方向長さ「F」の短縮を阻む原因となっている。
【0057】
ここで、エッジマージンとは、軸方向締結スラスト荷重に対して十分耐えうるために、各止め輪51に明示された溝の深さ寸法との関係により規定される軸方向長さのことである。
【0058】
(本発明の第1実施の形態)
図6は、本発明の第1実施の形態に係るくさびローラ式変速機の縦断面図である。
【0059】
本第1実施の形態では、低速側シャフト3の円盤状部材4(径方向部材)は、その略中央部の高速側に収納空間Sを形成するように、その先端部が略中央部に対して高速側に変位して、段付形状に形成してある。この収納空間S内に、ガイドローラ37a等の支持軸39a等を固定した連結板14(固定部材)の低速側が入り込むように配置してある。
【0060】
その結果、外輪32の低速側端面は、円盤状部材4の略中央部の低速側端面と略同位置に配置してある。
【0061】
このような形状変更により、形状変更前の図1の参考例では、「B」だけあったハウジング1と円盤状部材4との間の隙間は、図6の本実施の形態では、「E」となり、軸方向に著しく短縮することができる。
【0062】
また、円盤状部材4の先端部が略中央部に対して高速側に変位して、段付形状に形成してあるため、止め輪51の幅「C」と、エッジマージン「D」とは、形状変更前の図1の場合と同様に確保することができる。
【0063】
従って、ハウジング1の軸方向長さは、形状変更前の「F」から、形状変更後は、「F−(C+D)」に短縮することができる。
【0064】
このように、本実施の形態では、外輪32の低速側端面は、円盤状部材4の略中央部の低速側端面と略同位置に配置してある。そのため、止め輪の幅やエッジマージンを確保しつつ、ハウジング1と円盤状部材4の間の隙間の短縮が可能となる。この結果、参考例と比較して、同じ入・出力条件においては、くさびローラ式変速機全体の大きさ(軸方向寸法)を小さくすることができる。また、同じ大きさ(軸方向寸法)の条件においては、出・入力条件を大きく取ることができる。
【0065】
(本発明の第2実施の形態)
図7は、本発明の第2実施の形態に係るくさびローラ式変速機の縦断面図である。
【0066】
上述した第1実施の形態では、図6に示すように、軸受52には、軸方向長さ「G」の余裕が生まれている。
【0067】
この余裕は、図1の参考例にはなかったものであるから、本第2実施の形態では、図7に示すように、この軸方向の長さ「G」を無くすように、ハウジング1のボス部53を高速側に移動している。
【0068】
これにより、くさびローラ式変速機全体の軸方向長さは、図1の参考例の「A」から「A−G」と短縮することができる。
【0069】
(本発明の参考例)
図8は、本発明の参考例に係るくさびローラ式変速機の縦断面図である。
【0070】
本参考例は、図1の参考例に示した円盤状部材4に、プーリを取付けた例である。このときのプーリ54の軸方向長さを「H」、プーリ54とハウジング1との隙間を「I」とする。
【0071】
ここで、「I」は、プーリ54に取付けるベルトとハウジング1の干渉を防ぐために必用な隙間とする。なお、このプーリを取り付けた参考例は、例えば、自動車の補機の駆動用に用いるような場合である。
【0072】
(本発明の第3実施の形態)
図9は、本発明の第3実施の形態に係るくさびローラ式変速機の縦断面図である。
【0073】
本第3実施の形態は、図6の第1実施の形態に示したくさびローラ式変速機に、図8の参考例に示したプーリ54を取付けた例である。円盤状部材4の形状を変更することで、プーリ54とハウジング1との隙間は「I+J」に拡大する。
【0074】
(本発明の第4実施の形態)
図10は、本発明の第4実施の形態に係るくさびローラ式変速機の縦断面図である。
【0075】
本第4実施の形態は、図9の第3実施の形態において生じた隙間「J」を短縮し、図8の参考例と同じ隙間「I」とした例である。この短縮に加えて、円盤状部材4の形状が変更してあるため、くさびローラ式変速機Xの全体の軸方向長さは、図8の参考例の「A」から「A−J」と短縮することができる。
【0076】
(本発明の第5実施の形態)
図11は、本発明の第5実施の形態に係るくさびローラ式変速機の縦断面図である。
【0077】
本第5実施の形態は、図9の第3実施の形態において生じた隙間「J」を、プーリ54の軸方向長さの延長に使用した例である。
【0078】
プーリ54の軸方向長さを延長することで、くさびローラ式変速機X全体の軸方向長さは、「A」となり、図8の参考例と同じであっても、プーリ54のリブ数を多くすることができ、伝動動力を大きくすることができる。
【0079】
(本発明の第6実施の形態)
図12は、本発明の第6実施の形態に係るくさびローラ式変速機の縦断面図である。
【0080】
本第6実施の形態では、円盤状部材4は、段付形状ではなく、斜め形状にして変曲することにより、その略中央部の高速側に収納空間Sを形成するように、その先端部が略中央部に対して高速側に変位してある。この収納空間S内に、ガイドローラ37a等の支持軸39a等を固定した連結板14(固定部材)の低速側が入り込むように配置してある。その結果、外輪32の低速側端面は、円盤状部材4の略中央部の低速側端面よりも高速側に配置してある。
【0081】
従って、図10の第4実施の形態に対して、ハウジング1の径方向端部55も、斜めに変曲して、段付形状に形成することができ、これにより、この径方向端部55の低速側には、空間を作り出すことができ、その結果、くさびローラ式変速機X全体の大きさを小さくすることができる。
【0082】
また、図10の第4実施の形態等では、円盤状部材4は、段付形状となっていた断面形状を、斜めの変曲形状の断面とすることにより、変曲部56,57にかかる応力を緩和することができる。
【0083】
(本発明の第7実施の形態)
図13は、本発明の第7実施の形態に係るくさびローラ式変速機の縦断面図である。
【0084】
本第7実施の形態は、図12の第6実施の形態に比べて、止め輪51の位置を外輪32の外径側に設けた例である。
【0085】
これにより、止め輪51の取付に必用な長さ「N」(図12参照)を省くことができ、また、図12の第6実施の形態に比べて、斜めとした断面形状の角度「α」をさらに小さくすることができ、しかも、円盤状部材4の変曲部56,57での応力集中をさらに緩和することができる。
【0086】
(本発明の第8実施の形態)
図14は、本発明の第8実施の形態に係るくさびローラ式変速機の縦断面図である。
【0087】
本第8実施の形態は、図13の第7実施の形態に比べて、低速側シャフトの角度「α」を小さくすることよりも、円盤状部材4の先端爪部4aが外輪32に係止した位置を、できる限り高速側に配置することを優先させた例である。
【0088】
これにより、ハウジング1の径方向端部55の低速側に作り出せる空間は、図12の第6実施の形態及び図13の第7実施の形態よりも大きく、くさびローラ式変速機X全体の大きさをさらに小さくすることができる。
【0089】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されず、種々変形可能である。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1又は2によれば、低速側シャフトの径方向部材は、その先端部又は近傍が略中央部に対して高速側に変位して形成してあり、外輪の低速側端面は、径方向部材の略中央部の低速側端面と略同位置に配置してあるか、又は、径方向部材の略中央部の低速側端面より高速側に配置してある。別言すれば、低速側シャフトの径方向部材は、その略中央部の高速側に収納空間を形成するように、その先端部又は近傍が略中央部に対して高速側に変位して形成してあり、収納空間内に、ローラの支持軸を固定した固定部材の低速側が入り込むように配置してある。従って、必要な所定寸法は確保しつつ、全体的な軸方向長さを短縮して、省スペース化を図ることができる。なお、参考例と比較して、同じ入・出力条件においては、くさびローラ式変速機全体の大きさ(軸方向寸法)を小さくすることができる。また、同じ大きさ(軸方向寸法)の条件においては、出・入力条件を大きく取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】くさびローラ式変速機の縦断面図である。
【図2】ハウジングを取り外した状態における、くさびローラ式変速機の要部の横断面図であって、ワンウェイクラッチ機能を有するくさびローラ式変速機の断面図である。
【図3】減速機としてのくさびローラ式変速機の作用を説明する図である。
【図4】増速機としてのくさびローラ式変速機の作用を説明する図である。
【図5】ハウジングを取り外した状態における、くさびローラ式変速機の要部の横断面図であって、正逆両方向の回転時にトルク(動力)を伝達可能なくさびローラ式変速機の断面図である。
【図6】本発明の第1実施の形態に係るくさびローラ式変速機の縦断面図である。
【図7】本発明の第2実施の形態に係るくさびローラ式変速機の縦断面図である。
【図8】本発明の参考例に係るくさびローラ式変速機の縦断面図である。
【図9】本発明の第3実施の形態に係るくさびローラ式変速機の縦断面図である。
【図10】本発明の第4実施の形態に係るくさびローラ式変速機の縦断面図である。
【図11】本発明の第5実施の形態に係るくさびローラ式変速機の縦断面図である。
【図12】本発明の第6実施の形態に係るくさびローラ式変速機の縦断面図である。
【図13】本発明の第7実施の形態に係るくさびローラ式変速機の縦断面図である。
【図14】本発明の第8実施の形態に係るくさびローラ式変速機の縦断面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
2 ハウジング(仕切板)
3 低速側シャフト
4 円盤状部材(径方向部材)
4a 先端爪部
14 連結板(固定部材)
17 高速側シャフト
27 突部
32 外輪(低速側シャフト)
36 環状空間
37a、37b ガイドローラ
38 可動ローラ
37 ガイドローラ
38a、38b 可動ローラ
39a ガイドローラのための支持軸
39b 可動ローラのための支持軸
40 嵌合孔
41、41a 支持孔
42 ラジアルニードル軸受
43a ガイドローラのための動力伝達用円筒面
43b 可動ローラのための動力伝達用円筒面
44 動力伝達用円筒面
45 動力伝達用円筒面
46 シリンダ孔
47 弾性材(予圧ばね)
48 内側当接部
49 外側当接部
51 止め輪
52 軸受
53 ボス部
54 プーリ
55 径方向端部
56,57 変曲部
X くさびローラ式変速機[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention is incorporated in, for example, a drive unit of a motor vehicle, an auxiliary machine, a machine tool, a semiconductor manufacturing device, a rotary drive unit of various mechanical devices such as a water turbine, a windmill, a supercharger, and the like, to reduce or increase the rotation of the drive shaft side. The present invention relates to a friction roller type transmission that uses a wedge action and transmits a driven gear to a driven side while rotating the same to rotate the machine tool or the like.
[0002]
[Prior art]
Traction drive type transmissions have been developed for various industrial uses because of their quietness and smoothness. In recent years, attempts have been made to apply them to personal uses such as automobiles and bicycles, and they have attracted attention as a next-generation power transmission system. .
[0003]
Unlike a gear transmission, a traction drive type transmission is a mechanism for transmitting power by strongly pressing at least two rotating bodies having a smooth surface and interposing a lubricating oil film (for example, an EHL oil film) therebetween. The basic formula is represented by a simple friction formula of Ft = μ · Fc (Ft: traction force). Here, Fc is called a pressing force, and various methods have been developed for generating the pressing force.
[0004]
As one of the traction drive type transmissions, there is a friction roller type transmission utilizing a wedge action (hereinafter referred to as a wedge roller type transmission) as disclosed in
[0005]
In this wedge roller type transmission, during forward rotation, the movable roller moves in a direction to bite into the “wedge” between the high-speed side shaft and the outer ring, and generates a pressing force Fc. A traction force is generated by this Fc, and torque can be transmitted.
[0006]
On the other hand, at the time of reverse rotation, the movable roller moves in a direction away from the “wedge”, the pressing force Fc becomes zero, and the rotation of the input side stops being transmitted to the output side.
[0007]
When the low-speed side shaft (outer ring side) is used as the input side, the wedge roller type transmission acts as a gearbox with the high-speed side shaft as the output side, and the low-speed side shaft (outer ring side) is used as the output side. In such a case, it acts as a speed reducer with the high speed side shaft as the input side.
[0008]
Also, a wedge roller type transmission has a one-way clutch function that transmits torque during forward rotation, but idles and does not transmit torque during reverse rotation, and transmits torque during both forward and reverse rotation. There are things you can do.
[0009]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Application No. 2002-121165 [0010]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, recently, particularly in the automobile industry, there is a high demand for cost reduction and space saving (that is, a demand for reduction in size and weight and improvement in fuel efficiency). This is not an exception even in a wedge roller type transmission, and the demand for space saving has become extremely high for commercialization.
[0011]
In the wedge roller type transmission disclosed in
[0012]
As a result, there is a gap between the housing and the disc-shaped member due to the width and the edge margin of the retaining ring, and the axial length of the entire wedge roller type transmission and the axial length of the housing can be reduced. It is a cause of obstruction. The edge margin is an axial length defined by a relationship with a groove depth dimension specified on each retaining ring in order to sufficiently withstand an axial fastening thrust load.
[0013]
Therefore, the axial length of the entire wedge roller type transmission and the axial length of the housing are relatively long, which is contrary to the above-mentioned demand for space saving.
[0014]
SUMMARY OF THE INVENTION The present invention has been made in view of the above-described circumstances, and it is possible to reduce the overall axial length while securing a required predetermined dimension, and to achieve space saving. It is an object to provide a roller type transmission.
[0015]
[Means for Solving the Problems]
To achieve the above object, a friction roller type transmission according to
The low-speed side shaft includes a radial member engaged with the outer ring extending integrally or separately substantially radially outward from the low-speed side shaft,
The radial member is formed such that its distal end or its vicinity is displaced toward the high-speed side with respect to the substantially central portion,
The low-speed end face of the outer ring is disposed at substantially the same position as the low-speed end face at the substantially central portion of the radial member, or is disposed at a higher speed side than the low-speed end face at the substantially central portion of the radial member. It is characterized by having been done.
[0016]
Further, the friction roller type transmission according to
The low-speed side shaft includes a radial member engaged with the outer ring extending integrally or separately substantially radially outward from the low-speed side shaft,
The radial member is formed such that a distal end portion or a vicinity thereof is displaced toward the high-speed side with respect to the substantially central portion, so as to form a storage space on a high-speed side of a substantially central portion thereof,
It is characterized in that the low-speed side of the fixing member to which the support shaft of the roller is fixed enters the storage space.
[0017]
As described above, according to the first or second aspect, the radial member of the low-speed side shaft is formed such that the distal end portion or the vicinity thereof is displaced toward the high-speed side with respect to the substantially central portion, and the low-speed side end surface of the outer race is formed. Is disposed at substantially the same position as the low-speed end surface at the substantially central portion of the radial member, or is disposed at a higher speed side than the low-speed end surface at the substantially central portion of the radial member. In other words, the radial member of the low-speed side shaft is formed by displacing the front end portion or the vicinity thereof to the high-speed side with respect to the substantially central portion so as to form a storage space at the high-speed side substantially at the center. It is arranged so that the low-speed side of the fixing member to which the supporting shaft of the roller is fixed enters the storage space. Therefore, the overall length in the axial direction can be shortened while securing the required predetermined dimensions, and space can be saved.
[0018]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, a friction roller type transmission according to an embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0019]
First, the internal structure of the wedge roller type transmission will be described in detail, and then the embodiment will be described.
[0020]
Also, for convenience of description, a wedge roller type transmission using one movable roller will be described, and then a two-way power transmission type wedge roller type transmission using two movable rollers will be described.
[0021]
Further, when describing a method of transmitting power, a case where a wedge roller type transmission acts as a speed reducer is described as a representative. In the reduction gear, forward rotation is a direction in which power is transmitted from the high-
[0022]
(Internal structure of wedge roller type transmission)
FIG. 1 is a longitudinal sectional view of a wedge roller type transmission.
[0023]
FIG. 2 is a cross-sectional view of a main part of the wedge roller transmission with the housing removed, and is a cross-sectional view of the wedge roller transmission having a one-way clutch function.
[0024]
FIG. 3 is a diagram illustrating the operation of a wedge roller type transmission as a speed reducer.
[0025]
FIG. 5 is a cross-sectional view of a main part of the wedge roller transmission with the housing removed, and is a cross-sectional view of the wedge roller transmission capable of transmitting torque (power) when rotating in both forward and reverse directions. is there.
[0026]
FIG. 4 is a diagram illustrating the operation of a wedge roller type transmission as a speed increasing device for reference.
[0027]
When the low-speed side shaft 3 (outer ring side) is on the output side, the wedge roller type transmission X acts as a speed reducer with the high-
[0028]
In addition, as shown in FIG. 4, when the low speed side shaft 3 (outer ring side) is set as the input side, it acts as a gearbox with the high
[0029]
As shown in FIG. 2, the wedge roller type transmission X using one
[0030]
1 and 2, the wedge roller type transmission X has a
[0031]
The high-
[0032]
As shown in FIG. 2, a large-
[0033]
As shown in FIG. 3, in the case of a speed reducer, the
[0034]
As a result, at the time of normal rotation, the
[0035]
On the other hand, at the time of reverse rotation, the
[0036]
As shown in FIG. 2, between the inner peripheral surface of the
[0037]
In the
[0038]
The
[0039]
In this way, the outer peripheral surfaces of the
[0040]
Note that, of the
[0041]
In the case where the rotating shaft is rotationally driven by the wedge roller type transmission configured as described above (in the case of a reduction gear), the driving force is input to the high
[0042]
Power transmission between the
[0043]
Further, the
[0044]
That is, when rotating the high-
[0045]
As described above, the force for moving the
[0046]
In the case of the example shown in FIG. 2, the wedge roller type transmission X has a one-way clutch function, and in the case of a speed reducer, the rotation speed of the
[0047]
Next, a description will be given of a wedge roller type transmission shown in FIG. 5 capable of transmitting torque when rotating in both the forward and reverse directions.
[0048]
FIG. 5 shows a structure in which the high-
[0049]
In such a configuration of the present example, one
[0050]
In the case of the structure of the present embodiment configured as described above, when the high-
[0051]
On the other hand, when the high-
[0052]
Further, in the case of this example, in order to support both ends of the
[0053]
In the case of the present embodiment configured as described above, in the case of a speed reducer, even when the high-
[0054]
(Reference Example of the Present Invention)
FIG. 1 is a longitudinal sectional view of a wedge roller type transmission according to a reference example of the present invention.
[0055]
In the present reference example, a disk-shaped member 4 (radial member) extends integrally in the radial direction at the base (high-speed side) of the low-
[0056]
As shown in FIG. 1, there is a gap “B” between the
[0057]
Here, the edge margin is an axial length defined by a relationship with a depth dimension of a groove specified on each retaining
[0058]
(First embodiment of the present invention)
FIG. 6 is a longitudinal sectional view of the wedge roller type transmission according to the first embodiment of the present invention.
[0059]
In the first embodiment, the distal end of the disk-shaped member 4 (radial member) of the low-
[0060]
As a result, the low-speed side end surface of the
[0061]
Due to such a shape change, the gap between the
[0062]
Further, since the distal end of the disc-shaped
[0063]
Therefore, the axial length of the
[0064]
As described above, in the present embodiment, the low-speed side end face of the
[0065]
(Second embodiment of the present invention)
FIG. 7 is a longitudinal sectional view of a wedge roller type transmission according to a second embodiment of the present invention.
[0066]
In the above-described first embodiment, as shown in FIG. 6, the
[0067]
Since this margin does not exist in the reference example of FIG. 1, in the second embodiment, as shown in FIG. 7, the length of the
[0068]
Thereby, the axial length of the entire wedge roller transmission can be reduced from “A” in the reference example of FIG. 1 to “AG”.
[0069]
(Reference Example of the Present Invention)
FIG. 8 is a longitudinal sectional view of a wedge roller type transmission according to a reference example of the present invention.
[0070]
This embodiment is an example in which a pulley is attached to the disk-shaped
[0071]
Here, “I” is a gap necessary for preventing interference between the belt attached to the
[0072]
(Third embodiment of the present invention)
FIG. 9 is a longitudinal sectional view of a wedge roller type transmission according to a third embodiment of the present invention.
[0073]
The third embodiment is an example in which the
[0074]
(Fourth embodiment of the present invention)
FIG. 10 is a longitudinal sectional view of a wedge roller type transmission according to a fourth embodiment of the present invention.
[0075]
The fourth embodiment is an example in which the gap “J” generated in the third embodiment of FIG. 9 is shortened to the same gap “I” as the reference example of FIG. In addition to this shortening, since the shape of the disk-shaped
[0076]
(Fifth Embodiment of the Present Invention)
FIG. 11 is a longitudinal sectional view of a wedge roller type transmission according to a fifth embodiment of the present invention.
[0077]
The fifth embodiment is an example in which the gap “J” generated in the third embodiment of FIG. 9 is used to extend the length of the
[0078]
By extending the axial length of the
[0079]
(Sixth embodiment of the present invention)
FIG. 12 is a longitudinal sectional view of a wedge roller type transmission according to a sixth embodiment of the present invention.
[0080]
In the sixth embodiment, the disk-shaped
[0081]
Therefore, compared to the fourth embodiment of FIG. 10, the
[0082]
In addition, in the fourth embodiment and the like in FIG. 10, the disk-shaped
[0083]
(Seventh embodiment of the present invention)
FIG. 13 is a longitudinal sectional view of a wedge roller type transmission according to a seventh embodiment of the present invention.
[0084]
The seventh embodiment is an example in which the position of the retaining
[0085]
Thereby, the length “N” (see FIG. 12) necessary for mounting the retaining
[0086]
(Eighth Embodiment of the Present Invention)
FIG. 14 is a longitudinal sectional view of a wedge roller type transmission according to an eighth embodiment of the present invention.
[0087]
In the eighth embodiment, as compared with the seventh embodiment in FIG. 13, the
[0088]
Thus, the space that can be created on the low-speed side of the
[0089]
The present invention is not limited to the above-described embodiment, but can be variously modified.
[0090]
【The invention's effect】
As described above, according to the first or second aspect, the radial member of the low-speed side shaft is formed such that the distal end portion or the vicinity thereof is displaced toward the high-speed side with respect to the substantially center portion, and the low-speed The side end surface is disposed at substantially the same position as the low-speed end surface at the substantially central portion of the radial member, or is disposed at a higher speed side than the low-speed end surface at the substantially central portion of the radial member. In other words, the radial member of the low-speed side shaft is formed by displacing the front end portion or the vicinity thereof to the high-speed side with respect to the substantially central portion so as to form a storage space at the high-speed side substantially at the center. It is arranged so that the low-speed side of the fixing member to which the supporting shaft of the roller is fixed enters the storage space. Therefore, the overall length in the axial direction can be shortened while securing the required predetermined dimensions, and space can be saved. It should be noted that the size (axial dimension) of the entire wedge roller type transmission can be reduced under the same input / output conditions as compared with the reference example. In addition, under conditions of the same size (dimension in the axial direction), input / output conditions can be made large.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a longitudinal sectional view of a wedge roller type transmission.
FIG. 2 is a cross-sectional view of a main part of the wedge roller transmission with a housing removed, and is a cross-sectional view of the wedge roller transmission having a one-way clutch function.
FIG. 3 is a diagram illustrating the operation of a wedge roller type transmission as a speed reducer.
FIG. 4 is a diagram illustrating the operation of a wedge roller type transmission as a speed increasing device.
FIG. 5 is a cross-sectional view of a main part of the wedge roller type transmission with the housing removed, and is a cross-sectional view of the wedge roller type transmission capable of transmitting torque (power) when rotating in both forward and reverse directions. is there.
FIG. 6 is a longitudinal sectional view of the wedge roller type transmission according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 7 is a longitudinal sectional view of a wedge roller type transmission according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 8 is a longitudinal sectional view of a wedge roller type transmission according to a reference example of the present invention.
FIG. 9 is a longitudinal sectional view of a wedge roller type transmission according to a third embodiment of the present invention.
FIG. 10 is a longitudinal sectional view of a wedge roller type transmission according to a fourth embodiment of the present invention.
FIG. 11 is a longitudinal sectional view of a wedge roller type transmission according to a fifth embodiment of the present invention.
FIG. 12 is a longitudinal sectional view of a wedge roller type transmission according to a sixth embodiment of the present invention.
FIG. 13 is a longitudinal sectional view of a wedge roller type transmission according to a seventh embodiment of the present invention.
FIG. 14 is a longitudinal sectional view of a wedge roller type transmission according to an eighth embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
1
3 Low-
4a
17 High-
36
48
Claims (2)
前記低速側シャフトは、当該低速側シャフトから略径方向外方に一体又は別体に延在して前記外輪に係合した径方向部材を備え、
当該径方向部材は、その先端部又は近傍が略中央部に対して高速側に変位して形成してあり、
前記外輪の低速側端面は、当該径方向部材の略中央部の低速側端面と略同位置に配置してあるか、又は、当該径方向部材の略中央部の低速側端面より高速側に配置してあることを特徴とする摩擦ローラ式変速機。A low-speed side shaft rotatably supported by the housing and having an outer ring at one end; a high-speed side shaft eccentrically supported by the housing and eccentric to the low-speed side shaft and the outer ring; In a friction roller type transmission using a wedge action, which is rotatably supported between a high-speed side shaft and includes at least one guide roller and at least one movable roller,
The low-speed side shaft includes a radial member engaged with the outer ring extending integrally or separately substantially radially outward from the low-speed side shaft,
The radial member is formed such that its distal end or its vicinity is displaced toward the high-speed side with respect to the substantially central portion,
The low-speed end face of the outer ring is disposed at substantially the same position as the low-speed end face at the substantially central portion of the radial member, or is disposed at a higher speed side than the low-speed end face at the substantially central portion of the radial member. A friction roller type transmission characterized in that:
前記低速側シャフトは、当該低速側シャフトから略径方向外方に一体又は別体に延在して前記外輪に係合した径方向部材を備え、
当該径方向部材は、その略中央部の高速側に収納空間を形成するように、その先端部又は近傍が略中央部に対して高速側に変位して形成してあり、
前記収納空間内に、前記ローラの支持軸を固定した固定部材の低速側が入り込むように配置してあることを特徴とする摩擦ローラ式変速機。A low-speed side shaft rotatably supported by the housing and having an outer ring at one end; a high-speed side shaft eccentrically supported by the housing and eccentric to the low-speed side shaft and the outer ring; In a friction roller type transmission using a wedge action, which is rotatably supported between a high-speed side shaft and includes at least one guide roller and at least one movable roller,
The low-speed side shaft includes a radial member engaged with the outer ring extending integrally or separately substantially radially outward from the low-speed side shaft,
The radial member is formed such that a distal end portion or a vicinity thereof is displaced toward the high-speed side with respect to the substantially central portion, so as to form a storage space on a high-speed side of a substantially central portion thereof,
A friction roller type transmission, wherein a low speed side of a fixing member to which a support shaft of the roller is fixed enters the storage space.
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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