JP2004269172A - 画像形成装置及びそれに装着可能な反転搬送ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】電磁クラッチ等の部品を用いることなく簡単な駆動伝達機構で装置本体内及び反転搬送部内の駆動源により用紙の排紙及び反転搬送を行うことができるとともに反転搬送動作を行わないときは反転搬送部内の駆動源の駆動伝達を切断する画像形成装置及びそれに装着可能な反転搬送ユニットを提供することを目的とするものである。
【解決手段】第二モータ55の駆動ギア56と噛合する太陽ギア61を回転することで遊星ギア62及び63が公転して、排紙ローラ30に駆動伝達するアイドラギア57とフィードローラ43に駆動伝達する段付きギア76との接続及び切断動作を行うことで、反転搬送するときのみ排紙ローラ30及びフィードローラ43に駆動伝達するようにしている。
【選択図】 図2
【解決手段】第二モータ55の駆動ギア56と噛合する太陽ギア61を回転することで遊星ギア62及び63が公転して、排紙ローラ30に駆動伝達するアイドラギア57とフィードローラ43に駆動伝達する段付きギア76との接続及び切断動作を行うことで、反転搬送するときのみ排紙ローラ30及びフィードローラ43に駆動伝達するようにしている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ装置などの画像形成装置において、用紙の両面に画像形成を行うために用いられる反転搬送部を備えた画像形成装置及びその反転搬送部を着脱自在に構成した反転搬送ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置において、装置本体内に駆動源としてモータを設け、画像形成を行う感光体ドラム等を備える記録部、搬送ローラ等を備える用紙搬送部を駆動するようにしている。こうした画像形成装置において、用紙の両面に画像形成する場合に、用紙の一方の面に画像形成した後用紙を反転させるために排紙ローラを逆回転して反転搬送路に用紙を搬入することが行われている。ところが、画像形成動作中に、感光体ドラムを逆回転又は停止させることはできないので、ドラムを駆動するモータのみで排紙ローラを正逆回転することはできない。
【0003】
こうした課題の解決方法として、例えば、特許文献1では、画像形成装置本体内及び両面搬送ユニット内にそれぞれモータを設け、用紙を排紙方向に搬送するときには装置本体内のモータで排紙ローラを正方向(用紙排紙方向に)に回転駆動し、用紙を反転方向に搬送するときにはユニット内のモータで排紙ローラを逆転方向(反転搬送方向に)に回転駆動する点が記載されている。また、特許文献2では、両面ユニットを装着していない場合には、装置本体内のメインモータで排紙ローラを回転駆動し、両面ユニット装着時には、ユニット内のモータにより排紙ローラを正逆回転駆動して用紙の排出及びユニット内への用紙の搬入を行うようにした点が記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−154727号公報
【特許文献2】
特開平9−136772号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1では、画像形成装置本体内及び両面搬送ユニット内の2つのモータの駆動力のいずれかを排紙ローラに駆動伝達するために、電磁クラッチ、スプリングクラッチ及び回転遅れ装置といった複雑な駆動伝達機構を用いているため、駆動伝達に用いる部品の数が増えて経路も長くなるため負荷が大きくなってしまい、また電磁クラッチ等の高価な部品をもちいているためコストも増加してしまう。
【0006】
また、反転搬送路から装置本体内に用紙が搬入されてレジストローラに用紙先端が当接した状態では、ユニット内の搬送ローラに用紙の後端部が挟持されているため、そのままユニット内のモータを停止して装置本体のモータを駆動すると、用紙が引張られて搬送ローラに負荷がかかるようになる。したがって、搬送ローラを自由回転させるためのクラッチ等がさらに必要にならざるを得ない。
【0007】
特許文献2では、ユニット装着時にはユニット内のモータで排紙ローラを駆動するため、ユニット内のモータに負荷がかかる。
【0008】
そこで、本発明は、電磁クラッチ等の部品を用いることなく簡単な駆動伝達機構で装置本体内及び反転搬送部内の駆動源により用紙の排紙及び反転搬送を行うことができるとともに反転搬送動作を行わないときは反転搬送部内の駆動源の駆動伝達を切断する画像形成装置及びそれに装着可能な反転搬送ユニットを提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像形成装置は、給紙部から搬入された用紙を記録部に搬送して排紙トレイに搬出する用紙搬送部と、前記用紙搬送部の搬送経路において前記記録部の下流側から搬入された用紙を前記記録部の上流側に搬出する反転搬送部と、前記用紙搬送部の排紙ローラに前記反転搬送部の駆動源の駆動力を伝達する駆動伝達手段とを備えた画像形成装置であって、前記駆動伝達手段は、前記駆動源の回転駆動動作に機械的に連動して作動するクラッチ手段を有していることを特徴とする。さらに、前記駆動伝達手段は、前記駆動源の一方方向の回転駆動動作に連動して前記クラッチ手段が接続されることで前記駆動源の駆動力を前記排紙ローラに伝達するとともに前記駆動源の他方方向の回転駆動動作に連動して前記クラッチ手段が切断されることで前記排紙ローラへの駆動伝達を遮断することを特徴とする。さらに、前記排紙ローラは、前記用紙搬送部の駆動源により駆動されて用紙の排紙動作を行うことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る別の画像形成装置は、給紙部から搬入された用紙を記録部に搬送して排紙トレイに搬出する用紙搬送部と、前記用紙搬送部の搬送経路において前記記録部の下流側から搬入された用紙を前記記録部の上流側に搬出する反転搬送部と、前記反転搬送部の搬送ローラに前記反転搬送部の駆動源の駆動力を伝達する駆動伝達手段とを備えた画像形成装置であって、前記駆動伝達手段は、前記駆動源の回転駆動動作に連動して作動するクラッチ手段を有していることを特徴とする。さらに、前記駆動伝達手段は、前記駆動源の一方方向の回転駆動動作に連動して前記クラッチ手段が接続されることで前記駆動源の駆動力を前記搬送ローラに伝達するとともに前記駆動源の他方方向の回転駆動動作に連動して前記クラッチ手段が切断されることで前記搬送ローラへの駆動伝達を遮断することを特徴とする。
【0011】
そして、上記の画像形成装置における前記クラッチ手段は、遊星ギアと、前記駆動源の回転駆動方向に連動して前記遊星ギアを駆動伝達位置と駆動切断位置とに選択的に位置決めする位置決め手段とを有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る反転搬送ユニットは、上記の画像形成装置における反転搬送部を着脱自在に構成したことを特徴とする。さらに、前記クラッチ手段が配設されていることを特徴とする。
【0013】
上記のような構成を有することで、反転搬送部の駆動源の排紙ローラへの駆動伝達は、駆動源の回転駆動動作に機械的に連動して作動するクラッチ手段によって接続及び切断されるため、電磁クラッチ等を用いることなく、回転駆動動作だけで駆動伝達を制御できる。すなわち、一方方向への回転駆動動作によりクラッチ手段が接続されると、排紙ローラに反転搬送部の駆動力が伝達されて排紙ローラは用紙を反転搬送部に搬入するように動作するので、電磁クラッチのように別途電気制御する必要はなく、簡単にクラッチ手段の接続が行える。そして、反転搬送動作を停止する場合には、回転駆動動作によりクラッチ手段を切断状態にしておけば、排紙ローラとの駆動伝達経路が遮断されるので、排紙ローラの駆動制御に反転搬送部の駆動源が影響を及ぼすことはなく、切断状態を保持するための手段を別途設ける必要もない。
【0014】
同様に、反転搬送部の搬送ローラへの駆動伝達も駆動源の回転駆動動作に連動して作動するクラッチ手段によって接続及び切断されることで、電磁クラッチ等を別途設けることなく、簡単にクラッチ手段の接続及び切断が行える。そして、反転搬送動作の停止とともにクラッチ手段が切断されるので、搬送ローラに用紙の後端部が挟持された状態で用紙搬送部の搬送ローラが駆動されても、反転搬送部の搬送ローラは自由回転し負荷がかかることはない。
【0015】
クラッチ手段が、遊星ギアと駆動源の回転駆動方向に連動して前記遊星ギアを駆動伝達位置と駆動切断位置とに選択的に位置決めする位置決め手段とを備えることで、簡単な機構でクラッチ接続及び切断が確実に行えるようになる。
【0016】
また、反転搬送ユニットが、上述の画像形成装置における反転搬送部を着脱自在に構成することで両面に画像形成が必要な場合に画像形成装置を簡単に構成変更でき、また、クラッチ手段を反転搬送ユニットに配設することで、装置本体内に必要最小限の駆動伝達機構のみを備えておけばよくなり、装置のコンパクト化を図ることが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施形態について詳しく説明する。図1は、本発明に係る画像形成装置全体の概略断面図である。画像形成装置1の上部には原稿読取部2が配置され、その下部には、底面から給紙部3、記録部4が配されている。
【0018】
原稿読取部2では、原稿カバー10設けられた原稿トレイ11に載置された原稿が原稿搬送装置12により図示しない読取手段に対向する位置に搬送されて原稿読取動作が行われ、原稿排紙トレイ13に排出される。書籍等を読み取る場合には、原稿カバー10を上方に回動してフラットベッドプラテン14に書籍等の被読取部分を配置し読取手段により読取動作が行われる。以上の構成は、いわゆるADF及びフラットベッドタイプと称される従来の原稿読取装置と同様のものである。
【0019】
給紙部3では、給紙カセット15が配置されており、フラッパ16に所定のサイズの用紙が複数枚積載されている。給紙カセット15の端部(図1において右端部)には、ピックアップローラ17が配置されている。そして、フラッパ16は、積載された用紙の上面がピックアップローラ17に圧接するように上方に付勢されている。この状態でピックアップローラ17が回転駆動すると、摩擦力により用紙が1枚ずつ用紙搬送路に給紙されるようになる。
【0020】
給紙された用紙は、まずフィードローラ18及びプレスローラ19により記録部4に搬送される。記録部4では、搬送された用紙に記録するために、トナー容器20、メモリ除去ブラシ21、コロナ帯電器22、感光体ドラム23、転写用のコロトロンワイヤ24、露光ヘッド25及び定着ローラ26が備えられている。まず、感光体ドラム23の表面をメモリ除去ブラシ21及び帯電ブラシ22を用いて一様に帯電させ、帯電された感光体ドラム23に露光ヘッド25で画像記録信号に応じて露光することで静電潜像を形成する。次に、トナー容器20内のトナーを供給ローラ27から現像ローラ28を介して感光体ドラム23に形成された静電潜像に転移させて可視像化し、コロトロンワイヤ24により感光体ドラム23表面に形成されたトナー像を用紙に転写する。そして、転写されたトナー像は、定着ローラ26及びプレスローラ29によって挟持されて加熱・プレスされ用紙に定着される。定着された用紙は、排紙ローラ30及びプレスローラ31の間に挟持されて用紙排出トレイ32に搬出される。
【0021】
図1において、給紙部3から用紙排出トレイ32までを一点鎖線で示したのが、用紙搬送路である。そして、用紙搬送路に沿って配設された搬送ローラ及び用紙ガイドが用紙搬送部を構成している。
【0022】
また、装置本体の側面には、反転搬送ユニット40が着脱自在に装着されており、その装着側面には、用紙搬出口41及び用紙搬入口42が形成されている。搬送ユニット40内には、フィードローラ43及びプレスローラ44、フィードローラ45及びプレスローラ46の2対の搬送ローラが上下に配設されている。そして、図1の二点鎖線で示すように反転搬送路が、排紙ローラ30と定着ローラ26との間の用紙搬送路から分岐して、2対の搬送ローラ43及び44、45及び46の間を通り、ローラ対18及び19とピックアップローラ17との間の用紙搬送路に合流するように形成される。そして、反転搬送路に沿って配設された搬送ローラ及び用紙ガイドが反転搬送部を構成している。
【0023】
用紙搬送路には、排紙ローラ30と記録部4の定着ローラ26との間に用紙検知センサ33が配置されており、ローラ対18及び19とピックアップローラ17との間にも用紙検知センサ34が配置されている。
【0024】
図2は、排紙ローラ30の駆動機構に関する概略図である。装置本体側には、第一モータ50が設けられており、第一モータ50により感光体ドラム23、定着ローラ26及びフィードローラ等が回転駆動される。定着ローラ26の回転軸には、駆動ギア51が取り付けられており、第一モータ50から図示しない駆動伝達機構により駆動ギア51が回転して定着ローラ26が駆動される。排紙ローラ30の回転軸には、駆動ギア52が電磁クラッチを介して取付けられており、駆動ギア52及び駆動ギア51はアイドラギア53と噛合している。
【0025】
一方反転搬送ユニット40側には、第二モータ55を固定した取付基板54が配設されている。取付基板54には、アイドラギア57、駆動ギア56と噛合する遊星ギア機構58、アイドラギア57に噛合するアイドラギア59が取付けられており、反転搬送ユニット40が装置本体に装着されると、アイドラギア59は、装置本体側のアイドラギア60に噛合するようにされている。
【0026】
遊星ギア機構58は、駆動ギア56に噛合する太陽ギア61、太陽ギア61に噛合する2つの遊星ギア62及び63を有している。図3は、図2の遊星ギア機構58のA−A断面図を示している。図3に示すように、太陽ギア61は、取付基板54に固定された回転軸64に回動自在に装着されており、その周面には上下2段の歯面65及び66が形成されている。上の歯面65は駆動ギア56と噛合しており、下の歯面66は2つの遊星ギア62及び63が噛合している。
【0027】
回転軸64には、アーム部材67が回転自在に装着されており、アーム部材67に固定された回転軸68及び69に2つの遊星ギア62及び63が回動自在に取り付けられている。そして、回転軸68には圧縮バネ70が遊星ギア62とアーム部材67との間に挿着されており、遊星ギア62は圧縮バネ70によって付勢されて回転軸68に固定された係止リング71で係止されている。同様に、回転軸69には圧縮バネ72が遊星ギア63とアーム部材67との間に挿着されており、遊星ギア63は圧縮バネ72によって付勢されて回転軸68に固定された係止リング73で係止されている。遊星ギア62及び63は、圧縮バネ70及び72により付勢されているので、遊星ギア62及び63に作用する負荷トルクが圧縮バネ70及び72によって与えられる負荷トルク未満のときは、自転することなく太陽ギア61の歯面66と噛合した状態に保たれ、太陽ギア61が回転すると公転するようになる。そして、遊星ギア62及び63が公転してアーム部材67が所定角度回動すると、取付基板54に突設された制止ピン74及び75によりアーム部材67の回動が制止される。
【0028】
フィードローラ43及び45の回転軸にはそれぞれプーリー部分が形成された段付きギア76及び77が取り付けられており、段付きギア76及び77のプーリー部分には無端ベルト78が張架されている。
【0029】
第二モータ55が図2において反時計回りに回転駆動すると、太陽ギア61が自軸を中心として時計回りに回動して遊星ギア62及び63は、太陽ギア61の軸を中心として時計回りに回転する。そして、アーム部材67も時計回りに回動して制止ピン74に当接して図2に示すような位置に停止する。この状態で第二モータ55の回転駆動が停止しても、遊星ギア62及び63は圧縮バネ70及び72により自転することなく、その状態に保たれる。図2に示すように、この状態では、遊星ギア62は、アイドラギア57とは離間した位置にあり、遊星ギア63も段付きギア76とは離間した位置にあるため、いずれのギア57及び76にも第二モータ55の駆動力は伝達されない。
【0030】
図4は、遊星ギア機構58を図2の上方から見た概略図を示している。図4からわかるように、駆動ギア56と太陽ギア61が噛合しているが、遊星ギア62は、アイドルギア57とは離間した位置にある。
【0031】
図2の状態において第二モータ55が時計回りに回転駆動すると、太陽ギア61は反時計回りに回転して遊星ギア62及び63は反時計回りに公転する。そして、アーム部材67も反時計回りに回転して制止ピン75に当接して図5に示すような位置に停止する。この状態では、遊星ギア62は、アイドラギア57とは噛合した位置にあり、遊星ギア63も段付きギア76と噛合した位置にあるため、いずれのギアも第二モータ55の駆動力が駆動ギア56から太陽ギア61を介して伝達されるようになる。
【0032】
図6は、遊星ギア機構58を図5の上方から見た概略図を示している。図6からわかるように、駆動ギア56と太陽ギア61とが噛合し、遊星ギア62とアイドルギア57とも噛合している。
【0033】
用紙の反転搬送制御を行う場合には、片面に画像形成した用紙の先端を排紙ローラ30及びプレスローラ31で挟持した後第一モータ50により排紙ローラ30を反時計回りに回転させて排出トレイ32に排出動作し、用紙検知センサ33が用紙の後端を検知して一定時間後に電磁クラッチをオフにして、第一モータ50から排紙ローラ30への駆動力の伝達を遮断する。この間第二モータ55は駆動を停止しており、遊星ギア機構58は、図2に示す位置になっているため、遊星ギア62は、アイドラギア57とは離間した位置にあり、遊星ギア63も段付きギア76とは離間した位置にあるため、第一モータ50の駆動力が伝達されることはない。この時点で用紙の後端部は排紙ローラ30及びプレスローラ31に挟持された状態となっている。
【0034】
その後、第二モータ55を駆動開始し、駆動ギア56を図4において時計回りに回転駆動すると、図5に示すように遊星ギア62及び63が反時計回りに公転して、遊星ギア62とアイドラギア57とが噛合し、遊星ギア63と段付きギア76とが噛合する。そのため、第二モータ55の駆動力がアイドラギア57からアイドラギア59及び60を介して排紙ローラ30の駆動ギア52に伝達されて、図5の矢印で示すように排紙ローラ30は時計回りに回転するようになる。したがって、排紙ローラ30及びプレスローラ31で挟持された用紙は、反転搬送ユニット40の方へ搬送されるようになる。
【0035】
一方、遊星ギア63と段付きギア76とが噛合することで、段付きギア76が回転するとともに無端ベルト78を介して段付きギア77も同期して回転する。したがって、フィードローラ43及び45が回転して排紙ローラ30により搬入された用紙を反転搬送路内に搬送し、用紙は用紙搬入口42から装置本体内に搬入される。そして用紙検知センサ34が用紙の先端を検知して一定時間後に、第二モータ55は駆動を一旦停止し、用紙の先端はフィードローラ18に突き当てられた状態とされる。
【0036】
そして、第二モータ55は反時計回りに回転して太陽ギア61を時計回りに回転させて遊星ギア62及び63を時計回りに公転させる。アーム部材67は制止ピン74に当接した状態となり、遊星ギア62とアイドラギア57とは離間し、遊星ギア63と段付きギア76とは離間して第二モータ55は駆動を停止する。その後電磁クラッチをオンにして第一モータ50から排紙ローラ30に駆動力を伝達し、用紙は、フィードローラ18から用紙搬送路を搬送されて、残りの面が記録部4により画像形成されて両面の画像形成制御が行われる。その際、遊星ギア63と段付きギア76とは離間しているため、フィードローラ43及び45は自由に回転する状態となっており、フィードローラ45とプレスローラ46との間に用紙が挟持された状態で第二モータ55が駆動停止して第一モータ50が駆動開始しても用紙はスムーズに搬送されていき、フィードローラ45に負荷がかかることはない。
【0037】
【発明の効果】
以上に説明したとおり、本発明では、反転搬送部の駆動源の排紙ローラへの駆動伝達は、駆動源の回転駆動動作に機械的に連動して作動するクラッチ手段によって接続及び切断されるため、電磁クラッチ等を用いることなく、回転駆動動作だけで駆動伝達を制御できる。すなわち、一方方向への回転駆動動作によりクラッチ手段が接続されると、排紙ローラに反転搬送部の駆動力が伝達されて排紙ローラは用紙を反転搬送部に搬入するように動作するので、電磁クラッチのように別途電気制御する必要はなく、簡単にクラッチ手段の接続が行える。そして、反転搬送動作を停止する場合には、回転駆動動作によりクラッチ手段を切断状態にしておけば、排紙ローラとの駆動伝達経路が遮断されるので、排紙ローラの駆動制御に反転搬送部の駆動源が影響を及ぼすことはなく、切断状態を保持するための手段を別途設ける必要もない。
【0038】
同様に、反転搬送部の搬送ローラへの駆動伝達も駆動源の回転駆動動作に連動して作動するクラッチ手段によって接続及び切断されることで、電磁クラッチ等を別途設けることなく、簡単にクラッチ手段の接続及び切断が行える。そして、反転搬送動作の停止とともにクラッチ手段が切断されるので、搬送ローラに用紙の後端部が挟持された状態で用紙搬送部の搬送ローラが駆動されても、反転搬送部の搬送ローラは自由回転し負荷がかかることはない。
【0039】
クラッチ手段が、遊星ギアと駆動源の回転駆動方向に連動して前記遊星ギアを駆動伝達位置と駆動切断位置とに選択的に位置決めする位置決め手段とを備えることで、簡単な機構でクラッチ接続及び切断が確実に行えるようになる。
【0040】
また、反転搬送ユニットが、上述の画像形成装置における反転搬送部を着脱自在に構成することで両面に画像形成が必要な場合に画像形成装置を簡単に構成変更でき、また、クラッチ手段を反転搬送ユニットに配設することで、装置本体内に必要最小限の駆動伝達機構のみを備えておけばよくなり、装置のコンパクト化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態に関する画像形成装置全体の概略断面図である。
【図2】反転搬送を行う駆動伝達機構を説明する概略図である。
【図3】遊星ギア機構を説明する概略図である。
【図4】遊星ギア機構の動作を説明する概略図である。
【図5】反転搬送を行う駆動伝達機構を説明する概略図である。
【図6】遊星ギア機構の動作を説明する概略図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
2 原稿読取部
3 給紙部
4 記録送部
30 排紙ローラ
31 プレスローラ
33 用紙検知センサ
34 用紙検知センサ
40 反転搬送ユニット
41 用紙搬入口
42 用紙搬出口
43 フィードローラ
44 プレスローラ
45 フィードローラ
46 プレスローラ
50 第一モータ
55 第二モータ
56 駆動ギア
58 遊星ギア機構
61 太陽ギア
62 遊星ギア
63 遊星ギア
67 アーム部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ装置などの画像形成装置において、用紙の両面に画像形成を行うために用いられる反転搬送部を備えた画像形成装置及びその反転搬送部を着脱自在に構成した反転搬送ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置において、装置本体内に駆動源としてモータを設け、画像形成を行う感光体ドラム等を備える記録部、搬送ローラ等を備える用紙搬送部を駆動するようにしている。こうした画像形成装置において、用紙の両面に画像形成する場合に、用紙の一方の面に画像形成した後用紙を反転させるために排紙ローラを逆回転して反転搬送路に用紙を搬入することが行われている。ところが、画像形成動作中に、感光体ドラムを逆回転又は停止させることはできないので、ドラムを駆動するモータのみで排紙ローラを正逆回転することはできない。
【0003】
こうした課題の解決方法として、例えば、特許文献1では、画像形成装置本体内及び両面搬送ユニット内にそれぞれモータを設け、用紙を排紙方向に搬送するときには装置本体内のモータで排紙ローラを正方向(用紙排紙方向に)に回転駆動し、用紙を反転方向に搬送するときにはユニット内のモータで排紙ローラを逆転方向(反転搬送方向に)に回転駆動する点が記載されている。また、特許文献2では、両面ユニットを装着していない場合には、装置本体内のメインモータで排紙ローラを回転駆動し、両面ユニット装着時には、ユニット内のモータにより排紙ローラを正逆回転駆動して用紙の排出及びユニット内への用紙の搬入を行うようにした点が記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−154727号公報
【特許文献2】
特開平9−136772号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1では、画像形成装置本体内及び両面搬送ユニット内の2つのモータの駆動力のいずれかを排紙ローラに駆動伝達するために、電磁クラッチ、スプリングクラッチ及び回転遅れ装置といった複雑な駆動伝達機構を用いているため、駆動伝達に用いる部品の数が増えて経路も長くなるため負荷が大きくなってしまい、また電磁クラッチ等の高価な部品をもちいているためコストも増加してしまう。
【0006】
また、反転搬送路から装置本体内に用紙が搬入されてレジストローラに用紙先端が当接した状態では、ユニット内の搬送ローラに用紙の後端部が挟持されているため、そのままユニット内のモータを停止して装置本体のモータを駆動すると、用紙が引張られて搬送ローラに負荷がかかるようになる。したがって、搬送ローラを自由回転させるためのクラッチ等がさらに必要にならざるを得ない。
【0007】
特許文献2では、ユニット装着時にはユニット内のモータで排紙ローラを駆動するため、ユニット内のモータに負荷がかかる。
【0008】
そこで、本発明は、電磁クラッチ等の部品を用いることなく簡単な駆動伝達機構で装置本体内及び反転搬送部内の駆動源により用紙の排紙及び反転搬送を行うことができるとともに反転搬送動作を行わないときは反転搬送部内の駆動源の駆動伝達を切断する画像形成装置及びそれに装着可能な反転搬送ユニットを提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像形成装置は、給紙部から搬入された用紙を記録部に搬送して排紙トレイに搬出する用紙搬送部と、前記用紙搬送部の搬送経路において前記記録部の下流側から搬入された用紙を前記記録部の上流側に搬出する反転搬送部と、前記用紙搬送部の排紙ローラに前記反転搬送部の駆動源の駆動力を伝達する駆動伝達手段とを備えた画像形成装置であって、前記駆動伝達手段は、前記駆動源の回転駆動動作に機械的に連動して作動するクラッチ手段を有していることを特徴とする。さらに、前記駆動伝達手段は、前記駆動源の一方方向の回転駆動動作に連動して前記クラッチ手段が接続されることで前記駆動源の駆動力を前記排紙ローラに伝達するとともに前記駆動源の他方方向の回転駆動動作に連動して前記クラッチ手段が切断されることで前記排紙ローラへの駆動伝達を遮断することを特徴とする。さらに、前記排紙ローラは、前記用紙搬送部の駆動源により駆動されて用紙の排紙動作を行うことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る別の画像形成装置は、給紙部から搬入された用紙を記録部に搬送して排紙トレイに搬出する用紙搬送部と、前記用紙搬送部の搬送経路において前記記録部の下流側から搬入された用紙を前記記録部の上流側に搬出する反転搬送部と、前記反転搬送部の搬送ローラに前記反転搬送部の駆動源の駆動力を伝達する駆動伝達手段とを備えた画像形成装置であって、前記駆動伝達手段は、前記駆動源の回転駆動動作に連動して作動するクラッチ手段を有していることを特徴とする。さらに、前記駆動伝達手段は、前記駆動源の一方方向の回転駆動動作に連動して前記クラッチ手段が接続されることで前記駆動源の駆動力を前記搬送ローラに伝達するとともに前記駆動源の他方方向の回転駆動動作に連動して前記クラッチ手段が切断されることで前記搬送ローラへの駆動伝達を遮断することを特徴とする。
【0011】
そして、上記の画像形成装置における前記クラッチ手段は、遊星ギアと、前記駆動源の回転駆動方向に連動して前記遊星ギアを駆動伝達位置と駆動切断位置とに選択的に位置決めする位置決め手段とを有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る反転搬送ユニットは、上記の画像形成装置における反転搬送部を着脱自在に構成したことを特徴とする。さらに、前記クラッチ手段が配設されていることを特徴とする。
【0013】
上記のような構成を有することで、反転搬送部の駆動源の排紙ローラへの駆動伝達は、駆動源の回転駆動動作に機械的に連動して作動するクラッチ手段によって接続及び切断されるため、電磁クラッチ等を用いることなく、回転駆動動作だけで駆動伝達を制御できる。すなわち、一方方向への回転駆動動作によりクラッチ手段が接続されると、排紙ローラに反転搬送部の駆動力が伝達されて排紙ローラは用紙を反転搬送部に搬入するように動作するので、電磁クラッチのように別途電気制御する必要はなく、簡単にクラッチ手段の接続が行える。そして、反転搬送動作を停止する場合には、回転駆動動作によりクラッチ手段を切断状態にしておけば、排紙ローラとの駆動伝達経路が遮断されるので、排紙ローラの駆動制御に反転搬送部の駆動源が影響を及ぼすことはなく、切断状態を保持するための手段を別途設ける必要もない。
【0014】
同様に、反転搬送部の搬送ローラへの駆動伝達も駆動源の回転駆動動作に連動して作動するクラッチ手段によって接続及び切断されることで、電磁クラッチ等を別途設けることなく、簡単にクラッチ手段の接続及び切断が行える。そして、反転搬送動作の停止とともにクラッチ手段が切断されるので、搬送ローラに用紙の後端部が挟持された状態で用紙搬送部の搬送ローラが駆動されても、反転搬送部の搬送ローラは自由回転し負荷がかかることはない。
【0015】
クラッチ手段が、遊星ギアと駆動源の回転駆動方向に連動して前記遊星ギアを駆動伝達位置と駆動切断位置とに選択的に位置決めする位置決め手段とを備えることで、簡単な機構でクラッチ接続及び切断が確実に行えるようになる。
【0016】
また、反転搬送ユニットが、上述の画像形成装置における反転搬送部を着脱自在に構成することで両面に画像形成が必要な場合に画像形成装置を簡単に構成変更でき、また、クラッチ手段を反転搬送ユニットに配設することで、装置本体内に必要最小限の駆動伝達機構のみを備えておけばよくなり、装置のコンパクト化を図ることが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施形態について詳しく説明する。図1は、本発明に係る画像形成装置全体の概略断面図である。画像形成装置1の上部には原稿読取部2が配置され、その下部には、底面から給紙部3、記録部4が配されている。
【0018】
原稿読取部2では、原稿カバー10設けられた原稿トレイ11に載置された原稿が原稿搬送装置12により図示しない読取手段に対向する位置に搬送されて原稿読取動作が行われ、原稿排紙トレイ13に排出される。書籍等を読み取る場合には、原稿カバー10を上方に回動してフラットベッドプラテン14に書籍等の被読取部分を配置し読取手段により読取動作が行われる。以上の構成は、いわゆるADF及びフラットベッドタイプと称される従来の原稿読取装置と同様のものである。
【0019】
給紙部3では、給紙カセット15が配置されており、フラッパ16に所定のサイズの用紙が複数枚積載されている。給紙カセット15の端部(図1において右端部)には、ピックアップローラ17が配置されている。そして、フラッパ16は、積載された用紙の上面がピックアップローラ17に圧接するように上方に付勢されている。この状態でピックアップローラ17が回転駆動すると、摩擦力により用紙が1枚ずつ用紙搬送路に給紙されるようになる。
【0020】
給紙された用紙は、まずフィードローラ18及びプレスローラ19により記録部4に搬送される。記録部4では、搬送された用紙に記録するために、トナー容器20、メモリ除去ブラシ21、コロナ帯電器22、感光体ドラム23、転写用のコロトロンワイヤ24、露光ヘッド25及び定着ローラ26が備えられている。まず、感光体ドラム23の表面をメモリ除去ブラシ21及び帯電ブラシ22を用いて一様に帯電させ、帯電された感光体ドラム23に露光ヘッド25で画像記録信号に応じて露光することで静電潜像を形成する。次に、トナー容器20内のトナーを供給ローラ27から現像ローラ28を介して感光体ドラム23に形成された静電潜像に転移させて可視像化し、コロトロンワイヤ24により感光体ドラム23表面に形成されたトナー像を用紙に転写する。そして、転写されたトナー像は、定着ローラ26及びプレスローラ29によって挟持されて加熱・プレスされ用紙に定着される。定着された用紙は、排紙ローラ30及びプレスローラ31の間に挟持されて用紙排出トレイ32に搬出される。
【0021】
図1において、給紙部3から用紙排出トレイ32までを一点鎖線で示したのが、用紙搬送路である。そして、用紙搬送路に沿って配設された搬送ローラ及び用紙ガイドが用紙搬送部を構成している。
【0022】
また、装置本体の側面には、反転搬送ユニット40が着脱自在に装着されており、その装着側面には、用紙搬出口41及び用紙搬入口42が形成されている。搬送ユニット40内には、フィードローラ43及びプレスローラ44、フィードローラ45及びプレスローラ46の2対の搬送ローラが上下に配設されている。そして、図1の二点鎖線で示すように反転搬送路が、排紙ローラ30と定着ローラ26との間の用紙搬送路から分岐して、2対の搬送ローラ43及び44、45及び46の間を通り、ローラ対18及び19とピックアップローラ17との間の用紙搬送路に合流するように形成される。そして、反転搬送路に沿って配設された搬送ローラ及び用紙ガイドが反転搬送部を構成している。
【0023】
用紙搬送路には、排紙ローラ30と記録部4の定着ローラ26との間に用紙検知センサ33が配置されており、ローラ対18及び19とピックアップローラ17との間にも用紙検知センサ34が配置されている。
【0024】
図2は、排紙ローラ30の駆動機構に関する概略図である。装置本体側には、第一モータ50が設けられており、第一モータ50により感光体ドラム23、定着ローラ26及びフィードローラ等が回転駆動される。定着ローラ26の回転軸には、駆動ギア51が取り付けられており、第一モータ50から図示しない駆動伝達機構により駆動ギア51が回転して定着ローラ26が駆動される。排紙ローラ30の回転軸には、駆動ギア52が電磁クラッチを介して取付けられており、駆動ギア52及び駆動ギア51はアイドラギア53と噛合している。
【0025】
一方反転搬送ユニット40側には、第二モータ55を固定した取付基板54が配設されている。取付基板54には、アイドラギア57、駆動ギア56と噛合する遊星ギア機構58、アイドラギア57に噛合するアイドラギア59が取付けられており、反転搬送ユニット40が装置本体に装着されると、アイドラギア59は、装置本体側のアイドラギア60に噛合するようにされている。
【0026】
遊星ギア機構58は、駆動ギア56に噛合する太陽ギア61、太陽ギア61に噛合する2つの遊星ギア62及び63を有している。図3は、図2の遊星ギア機構58のA−A断面図を示している。図3に示すように、太陽ギア61は、取付基板54に固定された回転軸64に回動自在に装着されており、その周面には上下2段の歯面65及び66が形成されている。上の歯面65は駆動ギア56と噛合しており、下の歯面66は2つの遊星ギア62及び63が噛合している。
【0027】
回転軸64には、アーム部材67が回転自在に装着されており、アーム部材67に固定された回転軸68及び69に2つの遊星ギア62及び63が回動自在に取り付けられている。そして、回転軸68には圧縮バネ70が遊星ギア62とアーム部材67との間に挿着されており、遊星ギア62は圧縮バネ70によって付勢されて回転軸68に固定された係止リング71で係止されている。同様に、回転軸69には圧縮バネ72が遊星ギア63とアーム部材67との間に挿着されており、遊星ギア63は圧縮バネ72によって付勢されて回転軸68に固定された係止リング73で係止されている。遊星ギア62及び63は、圧縮バネ70及び72により付勢されているので、遊星ギア62及び63に作用する負荷トルクが圧縮バネ70及び72によって与えられる負荷トルク未満のときは、自転することなく太陽ギア61の歯面66と噛合した状態に保たれ、太陽ギア61が回転すると公転するようになる。そして、遊星ギア62及び63が公転してアーム部材67が所定角度回動すると、取付基板54に突設された制止ピン74及び75によりアーム部材67の回動が制止される。
【0028】
フィードローラ43及び45の回転軸にはそれぞれプーリー部分が形成された段付きギア76及び77が取り付けられており、段付きギア76及び77のプーリー部分には無端ベルト78が張架されている。
【0029】
第二モータ55が図2において反時計回りに回転駆動すると、太陽ギア61が自軸を中心として時計回りに回動して遊星ギア62及び63は、太陽ギア61の軸を中心として時計回りに回転する。そして、アーム部材67も時計回りに回動して制止ピン74に当接して図2に示すような位置に停止する。この状態で第二モータ55の回転駆動が停止しても、遊星ギア62及び63は圧縮バネ70及び72により自転することなく、その状態に保たれる。図2に示すように、この状態では、遊星ギア62は、アイドラギア57とは離間した位置にあり、遊星ギア63も段付きギア76とは離間した位置にあるため、いずれのギア57及び76にも第二モータ55の駆動力は伝達されない。
【0030】
図4は、遊星ギア機構58を図2の上方から見た概略図を示している。図4からわかるように、駆動ギア56と太陽ギア61が噛合しているが、遊星ギア62は、アイドルギア57とは離間した位置にある。
【0031】
図2の状態において第二モータ55が時計回りに回転駆動すると、太陽ギア61は反時計回りに回転して遊星ギア62及び63は反時計回りに公転する。そして、アーム部材67も反時計回りに回転して制止ピン75に当接して図5に示すような位置に停止する。この状態では、遊星ギア62は、アイドラギア57とは噛合した位置にあり、遊星ギア63も段付きギア76と噛合した位置にあるため、いずれのギアも第二モータ55の駆動力が駆動ギア56から太陽ギア61を介して伝達されるようになる。
【0032】
図6は、遊星ギア機構58を図5の上方から見た概略図を示している。図6からわかるように、駆動ギア56と太陽ギア61とが噛合し、遊星ギア62とアイドルギア57とも噛合している。
【0033】
用紙の反転搬送制御を行う場合には、片面に画像形成した用紙の先端を排紙ローラ30及びプレスローラ31で挟持した後第一モータ50により排紙ローラ30を反時計回りに回転させて排出トレイ32に排出動作し、用紙検知センサ33が用紙の後端を検知して一定時間後に電磁クラッチをオフにして、第一モータ50から排紙ローラ30への駆動力の伝達を遮断する。この間第二モータ55は駆動を停止しており、遊星ギア機構58は、図2に示す位置になっているため、遊星ギア62は、アイドラギア57とは離間した位置にあり、遊星ギア63も段付きギア76とは離間した位置にあるため、第一モータ50の駆動力が伝達されることはない。この時点で用紙の後端部は排紙ローラ30及びプレスローラ31に挟持された状態となっている。
【0034】
その後、第二モータ55を駆動開始し、駆動ギア56を図4において時計回りに回転駆動すると、図5に示すように遊星ギア62及び63が反時計回りに公転して、遊星ギア62とアイドラギア57とが噛合し、遊星ギア63と段付きギア76とが噛合する。そのため、第二モータ55の駆動力がアイドラギア57からアイドラギア59及び60を介して排紙ローラ30の駆動ギア52に伝達されて、図5の矢印で示すように排紙ローラ30は時計回りに回転するようになる。したがって、排紙ローラ30及びプレスローラ31で挟持された用紙は、反転搬送ユニット40の方へ搬送されるようになる。
【0035】
一方、遊星ギア63と段付きギア76とが噛合することで、段付きギア76が回転するとともに無端ベルト78を介して段付きギア77も同期して回転する。したがって、フィードローラ43及び45が回転して排紙ローラ30により搬入された用紙を反転搬送路内に搬送し、用紙は用紙搬入口42から装置本体内に搬入される。そして用紙検知センサ34が用紙の先端を検知して一定時間後に、第二モータ55は駆動を一旦停止し、用紙の先端はフィードローラ18に突き当てられた状態とされる。
【0036】
そして、第二モータ55は反時計回りに回転して太陽ギア61を時計回りに回転させて遊星ギア62及び63を時計回りに公転させる。アーム部材67は制止ピン74に当接した状態となり、遊星ギア62とアイドラギア57とは離間し、遊星ギア63と段付きギア76とは離間して第二モータ55は駆動を停止する。その後電磁クラッチをオンにして第一モータ50から排紙ローラ30に駆動力を伝達し、用紙は、フィードローラ18から用紙搬送路を搬送されて、残りの面が記録部4により画像形成されて両面の画像形成制御が行われる。その際、遊星ギア63と段付きギア76とは離間しているため、フィードローラ43及び45は自由に回転する状態となっており、フィードローラ45とプレスローラ46との間に用紙が挟持された状態で第二モータ55が駆動停止して第一モータ50が駆動開始しても用紙はスムーズに搬送されていき、フィードローラ45に負荷がかかることはない。
【0037】
【発明の効果】
以上に説明したとおり、本発明では、反転搬送部の駆動源の排紙ローラへの駆動伝達は、駆動源の回転駆動動作に機械的に連動して作動するクラッチ手段によって接続及び切断されるため、電磁クラッチ等を用いることなく、回転駆動動作だけで駆動伝達を制御できる。すなわち、一方方向への回転駆動動作によりクラッチ手段が接続されると、排紙ローラに反転搬送部の駆動力が伝達されて排紙ローラは用紙を反転搬送部に搬入するように動作するので、電磁クラッチのように別途電気制御する必要はなく、簡単にクラッチ手段の接続が行える。そして、反転搬送動作を停止する場合には、回転駆動動作によりクラッチ手段を切断状態にしておけば、排紙ローラとの駆動伝達経路が遮断されるので、排紙ローラの駆動制御に反転搬送部の駆動源が影響を及ぼすことはなく、切断状態を保持するための手段を別途設ける必要もない。
【0038】
同様に、反転搬送部の搬送ローラへの駆動伝達も駆動源の回転駆動動作に連動して作動するクラッチ手段によって接続及び切断されることで、電磁クラッチ等を別途設けることなく、簡単にクラッチ手段の接続及び切断が行える。そして、反転搬送動作の停止とともにクラッチ手段が切断されるので、搬送ローラに用紙の後端部が挟持された状態で用紙搬送部の搬送ローラが駆動されても、反転搬送部の搬送ローラは自由回転し負荷がかかることはない。
【0039】
クラッチ手段が、遊星ギアと駆動源の回転駆動方向に連動して前記遊星ギアを駆動伝達位置と駆動切断位置とに選択的に位置決めする位置決め手段とを備えることで、簡単な機構でクラッチ接続及び切断が確実に行えるようになる。
【0040】
また、反転搬送ユニットが、上述の画像形成装置における反転搬送部を着脱自在に構成することで両面に画像形成が必要な場合に画像形成装置を簡単に構成変更でき、また、クラッチ手段を反転搬送ユニットに配設することで、装置本体内に必要最小限の駆動伝達機構のみを備えておけばよくなり、装置のコンパクト化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態に関する画像形成装置全体の概略断面図である。
【図2】反転搬送を行う駆動伝達機構を説明する概略図である。
【図3】遊星ギア機構を説明する概略図である。
【図4】遊星ギア機構の動作を説明する概略図である。
【図5】反転搬送を行う駆動伝達機構を説明する概略図である。
【図6】遊星ギア機構の動作を説明する概略図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
2 原稿読取部
3 給紙部
4 記録送部
30 排紙ローラ
31 プレスローラ
33 用紙検知センサ
34 用紙検知センサ
40 反転搬送ユニット
41 用紙搬入口
42 用紙搬出口
43 フィードローラ
44 プレスローラ
45 フィードローラ
46 プレスローラ
50 第一モータ
55 第二モータ
56 駆動ギア
58 遊星ギア機構
61 太陽ギア
62 遊星ギア
63 遊星ギア
67 アーム部材
Claims (8)
- 給紙部から搬入された用紙を記録部に搬送して排紙トレイに搬出する用紙搬送部と、前記用紙搬送部の搬送経路において前記記録部の下流側から搬入された用紙を前記記録部の上流側に搬出する反転搬送部と、前記用紙搬送部の排紙ローラに前記反転搬送部の駆動源の駆動力を伝達する駆動伝達手段とを備えた画像形成装置であって、前記駆動伝達手段は、前記駆動源の回転駆動動作に機械的に連動して作動するクラッチ手段を有していることを特徴とする画像形成装置。
- 前記駆動伝達手段は、前記駆動源の一方方向の回転駆動動作に連動して前記クラッチ手段が接続されることで前記駆動源の駆動力を前記排紙ローラに伝達するとともに前記駆動源の他方方向の回転駆動動作に連動して前記クラッチ手段が切断されることで前記排紙ローラへの駆動伝達を遮断することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記排紙ローラは、前記用紙搬送部の駆動源により駆動されて用紙の排紙動作を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 給紙部から搬入された用紙を記録部に搬送して排紙トレイに搬出する用紙搬送部と、前記用紙搬送部の搬送経路において前記記録部の下流側から搬入された用紙を前記記録部の上流側に搬出する反転搬送部と、前記反転搬送部の搬送ローラに前記反転搬送部の駆動源の駆動力を伝達する駆動伝達手段とを備えた画像形成装置であって、前記駆動伝達手段は、前記駆動源の回転駆動動作に連動して作動するクラッチ手段を有していることを特徴とする画像形成装置。
- 前記駆動伝達手段は、前記駆動源の一方方向の回転駆動動作に連動して前記クラッチ手段が接続されることで前記駆動源の駆動力を前記搬送ローラに伝達するとともに前記駆動源の他方方向の回転駆動動作に連動して前記クラッチ手段が切断されることで前記搬送ローラへの駆動伝達を遮断することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記クラッチ手段は、遊星ギアと、前記駆動源の回転駆動方向に連動して前記遊星ギアを駆動伝達位置と駆動切断位置とに選択的に位置決めする位置決め手段とを有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
- 請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置における反転搬送部を着脱自在に構成したことを特徴とする反転搬送ユニット。
- 前記クラッチ手段が配設されていることを特徴とする請求項7に記載の反転搬送ユニット。
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