JP2004268814A - 電子機器取付金具の回転構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】車室内等に据え付けられる電子機器の回転方向に対する取付角度の調整をより精細に適切な向きに簡単にセットすることができる電子機器取付金具の回転構造を提供する。
【解決手段】軸受け部10の周囲の外周と内周に放射状に同じピッチで周設された2つの凹凸面11、12を設けると共に、この2つの凹凸面11、12をピッチの半分の角度分ずらして配置した回転可能な取付金具9を設ける。また、この取付金具9の凹凸面と同じピッチで軸受け部10の周囲の外周と内周に放射状に周設された2つの凹凸面14、15を設けると共に、この2つの凹凸面14、15をピッチの半分の角度分ずらして配置した取付金具13を設ける。上記取付金具9の2つの凹凸面11、12と、取付金具13の2つの凹凸面14、15とを嵌合し、取付金具9の回転方向に対して角度調整をする。
【選択図】 図1
【解決手段】軸受け部10の周囲の外周と内周に放射状に同じピッチで周設された2つの凹凸面11、12を設けると共に、この2つの凹凸面11、12をピッチの半分の角度分ずらして配置した回転可能な取付金具9を設ける。また、この取付金具9の凹凸面と同じピッチで軸受け部10の周囲の外周と内周に放射状に周設された2つの凹凸面14、15を設けると共に、この2つの凹凸面14、15をピッチの半分の角度分ずらして配置した取付金具13を設ける。上記取付金具9の2つの凹凸面11、12と、取付金具13の2つの凹凸面14、15とを嵌合し、取付金具9の回転方向に対して角度調整をする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載用スピーカなどの電子機器を車室内の天井等に固定する電子機器取付金具の回転構造に係り、特に、電子機器を適切な向きに調整して固定することができるとともに、取付角度の調整精度を高めた電子機器取付金具の回転構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
車載用スピーカなどを車室内の天井等に据え付けるための電子機器取付金具としては、例えば、図3に示すように構成したものが用いられていた。図3(a)は、車載用スピーカ側へ取り付ける電子機器取付金具の要部構成を示す平面図、また、図3(b)は、電子機器取付金具の嵌合状態を示す説明図である。
【0003】
この図3(a)に示す取付金具1は、軸受け部2を中心とする周囲に放射状に同じピッチの例えば、10°ピッチで周設された鋸歯状の凹凸面3を設けている。また、この取付金具1は、車室内の天井等に固定するもう一方の取付金具4に設けられた鉛直軸(図示しない)へ軸受け部2を挿通し、回転可能に取り付けられている。
【0004】
車室内の天井等へ固定するもう一方の取付金具4は、上記取付金具1と同様に構成され、取付金具1の凹凸面3と同一の円周上に同一の10°ピッチで凹凸面5を周設している。そして、この取付金具1、4の凹凸面3、5は、図3(b)に示すように嵌合させている。
【0005】
このように構成することによって、取付金具1を軸回り方向へ回転させて車載用スピーカの取付角度の調整を行なうときは、軸受け部2における締め付けを緩めて、図3(b)に示すように、凹凸面3の凸部3a、3b、3cおよび凹部3d、3eを任意の位置で嵌合させて角度調整を行ない、角度調整後の回転を防止するために再度締め付けを行なっていた。このような回転構造を持った電子機器取付金具を天井取付用時計や天井取付用スピーカの据え付けに使用することは、従来より種々提案されている。(例えば、特許文献1参照)
【0006】
さらに、上記のように構成した回転構造を持った電子機器取付金具としては、図4に示すように構成したものがあった。図4は、車室内の天井等側へ取り付けて固定する取付金具6と、車載用スピーカ側へ取り付ける回転可能な取付金具7との構成要部を示す平面図である。
【0007】
図4に示す取付金具6は、軸受け部8を中心とする周囲に、例えば、36°のピッチを持って周設された10個の固定用穴6aを設けている。もう一方の回転可能な取付金具7には、取付金具6の固定用穴6aと同一円周上に同じ36°ピッチで周設された10個の固定用穴7aを設けている。
【0008】
このように構成することによって、車載用スピーカの取付角度の調整は、車載用スピーカ側の取付金具7を例えば、矢印Aの方向に回転させて上下に位置する両固定用穴6a、7aを一致させ、車載用スピーカの取付角度の調整を行なっていた。また、調整位置を固定する場合は、一致させた両固定用穴6a、7aへボルトを通し、ナットで締め付けて固定していた。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−230063号公報(第2頁―3頁、第3図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
図3に示す従来の回転構造を持った電子機器取付金具にあっては、取付金具自体の大きさ(直径)にもよるが、板金のプレス加工で細かいピッチの放射状に形成した凹凸面3、5を設けることは極めて難しかった。例えば、径がφ30で、厚さが2mmの場合、10°程度のピッチで凹凸面を設けることが限界であった。また、樹脂材やアルミ材などの成形品で細かな角度付ける方法もあるが、▲1▼金型代が高くなる、▲2▼樹脂材を用いた場合、強度が問題となる、▲3▼アルミ材を用いると単価が高くなる等の問題があった。
【0011】
また、図4に示す従来の回転構造を持った電子機器取付金具にあっては、固定用穴6a、7aの穴ピッチでしか取付角度の調整を行なうことができず、固定用穴6a、7aの大きさにもよるが、より精細な取付角度の調整を行なうことはできなかった。図4の電子機器取付金具を例に挙げると、固定用穴6a、7aをそれぞれ10個設けると、そのピッチは、36°ピッチとなり、このピッチでしか回転方向に対する取付角度の調整を行なうことができないという問題があった。
【0012】
本発明は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、車室内等に据え付けられて使用される電子機器の回転方向に対する取付角度の調整をより精細に適切な向きに簡単にセットすることができる電子機器取付金具の回転構造を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の電子機器取付金具の回転構造においては、軸受け部を中心とする周囲の外周と内周に放射状に同じピッチ角度で周設された2つの凹凸面を設けるとともに、この2つの凹凸面をピッチの半分の角度分ずらして配置した回転可能な電子機器取付部材と、
この電子機器取付部材の凹凸面と同じピッチで軸受け部を中心とする周囲の外周と内周に放射状に周設された2つの凹凸面を設けるとともに、この2つの凹凸面をピッチの半分の角度分ずらして配置した固定用部材とを備え、
電子機器取付部材の2つの凹凸面と固定用部材の2つの凹凸面とを嵌合し、電子機器取付部材の回転方向に対して角度調整をするように構成したものである。
【0014】
また、軸受け部を中心とする周囲に所定のピッチで周設された複数個の固定用穴を設けた回転可能な電子機器取付部材と、
電子機器取付部材の固定用穴と同一円周上に所定のピッチで周設された複数個の固定用穴を設けた固定用部材とを備え、
電子機器取付部材と固定用部材とにそれぞれ設けた固定用穴のどちらか一方の固定用穴の数を1つ減らして配置し、1箇所の固定用穴を一致させて角度調整を行ない、この一致させた固定用穴を用いて固定するように構成したものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を実施例にもとづき図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る電子機器取付金具の回転構造の第1の実施例を示すもので、図1(a)は、電子機器取付金具の回転構造の要部構成を示す平面図、図1(b)は、電子機器取付金具の回転構造の嵌合状態を示す説明図である。
【0016】
図1に示す第1の実施例は、車載用のスピーカ(図示しない)側へ取り付けるための回転可能に構成した取付金具9と、車両の例えば、天井側へ固定するための取付金具13とによって構成されている。
【0017】
図1(a)は、車載用スピーカ側へ取り付けるための回転可能に構成した取付金具9を示している。この取付金具9は、軸受け部10を中心とする周囲の外周と内周に放射状に同じピッチで周設された2つの凹凸面11、12を設けている。この外周と内周に放射状に設けた2つの凹凸面11、12は、それぞれ10°ピッチで形成しているが、内周の凹凸面12を外周の凹凸面11よりも5°ピッチずらして配置し、10°ピッチで形成している。
【0018】
したがって、図1(b)で示すように、外周に10°ピッチで設けた凹凸面11に対して、内周において5°ピッチがずれた状態で、凹凸面12が10°ピッチごとに配置されることになる。この2つの凹凸面11、12の配置の組み合わせにより、半分の5°ピッチの凹凸面を形成したと同様の構成が得られる。
【0019】
一方、車両の天井側に取り付ける取付金具13の底面には、上記取付金具9と全く同じように、軸受け部10を中心とする周囲の外周と内周に放射状の凹凸面14、15を10°ピッチで形成するとともに、内周の凹凸面15を外周の凹凸面14よりも5°ピッチずらした状態で配置し、10°ピッチで形成している。
【0020】
したがって、図1(b)で示すように、外周に10°ピッチで設けた凹凸面14に対して、5°ピッチずれた位置に設けた凹凸面15が配置されることになる。この2つの凹凸面14、15の組み合わせにより、半分の5°ピッチの凹凸面を形成したと同様の構成が得られる。
【0021】
上記のように構成した取付金具9の2つの凹凸面11、12と、取付金具13の2つの凹凸面14、15とを、図1(b)で示すように嵌合させることによって、10°ピッチの半分の5°ピッチ、すなわち、1ピッチの間に、2回嵌合を行なわせることができる。したがって、取付金具9の回転方向に対して、取付角度の調整を精細に行なうことができる。また、外周と内周に設けた凹凸面のピッチを細かく形成する必要がないため、強度を維持することができるとともに、製造コストの低減を図ることができる。
【0022】
次に、図2にもとづき、本発明に係る電子機器取付金具の回転構造の第2の実施例について説明する。
この図2に示す電子機器取付金具の回転構造は、車載用スピーカ側へ取り付ける回転可能な取付金具16と、車両の車室内の天井側へ取り付けるための取付金具17とで構成している。
【0023】
車載用スピーカ側へ取り付ける取付金具16は、軸受け部18を中心とする周囲に36°ピッチで周設された10個の固定用穴16aを設けている。一方、車室内の天井側へ取り付ける取付金具17は、取付金具16の固定用穴16aと同一円周上に40°ピッチで周設された9個の固定用穴17aを設けている。
なお、この第2の実施例では、取付金具17の固定用穴17aを1つ少なく形成したが、固定用穴16a、17aの穴の数は、どちらか一方の固定用穴の数を1つ減らして配置すればよい。
【0024】
車載用スピーカの取付角度を調整する場合、例えば、図2(a)の(イ)の位置から左隣りの図2(b)で示す(ロ)の位置へ調整する場合は、取付金具16を図2(b)の矢印Bの方向へ回転させて、固定用穴16a、17aの1箇所を図2(b)に示す(ロ)のように一致させる。このように、隣の固定用穴へ合わせるためには取付金具16を(40°ピッチ)−(36°ピッチ)=4°ずらせば、一致させることができ、精細な回転角度調整を簡単に行なうことができる。取付金具16、17を固定する場合は、一致させた1箇所の固定用穴16a、17aへボルトを通し、ナットで締め付けて固定を行なう。
【0025】
このように、車載用スピーカ側の取付金具16又は車両側の取付金具17のどちらか一方の固定用穴16a又は17aを1つ減らして配置することにより、従来の同数の固定用穴を設けた場合に比べて大幅に精細な回転方向への角度調整を行なうことが可能となる。
【0026】
なお、上記の第1の実施例および第2の実施例では、本発明に係る電子機器取付金具の回転構造を車室内の天井へ車載用スピーカを据え付ける場合について示したが、本発明の電子機器取付金具の回転構造は、これに限られるものではない。また、据え付ける電子機器も車載用スピーカに限られるものではない。
【0027】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、車室内等に据え付けられて使用される電子機器の回転方向に対する取付角度の調整をより精細に適切な向きに簡単にセットすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す要部構成の平面図および説明図である。
【図2】本発明の第2の実施例を示す要部構成の平面図である。
【図3】従来例を示す平面図である。
【図4】従来例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 取付金具
2 軸受け部
3 凹凸面
3a、3b、3c 凸部
3d、3e 凹部
4 取付金具
5 凹凸面
5a、5b 凸部
5c、5d、5e 凹部
6、7 取付金具
6a、7a 固定用穴
8 軸受け部
9、13 取付金具
10 軸受け部
11、12 凹凸面
14、15 凹凸面
16、17 取付金具
16a、17a 固定用穴
18 軸受け部
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載用スピーカなどの電子機器を車室内の天井等に固定する電子機器取付金具の回転構造に係り、特に、電子機器を適切な向きに調整して固定することができるとともに、取付角度の調整精度を高めた電子機器取付金具の回転構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
車載用スピーカなどを車室内の天井等に据え付けるための電子機器取付金具としては、例えば、図3に示すように構成したものが用いられていた。図3(a)は、車載用スピーカ側へ取り付ける電子機器取付金具の要部構成を示す平面図、また、図3(b)は、電子機器取付金具の嵌合状態を示す説明図である。
【0003】
この図3(a)に示す取付金具1は、軸受け部2を中心とする周囲に放射状に同じピッチの例えば、10°ピッチで周設された鋸歯状の凹凸面3を設けている。また、この取付金具1は、車室内の天井等に固定するもう一方の取付金具4に設けられた鉛直軸(図示しない)へ軸受け部2を挿通し、回転可能に取り付けられている。
【0004】
車室内の天井等へ固定するもう一方の取付金具4は、上記取付金具1と同様に構成され、取付金具1の凹凸面3と同一の円周上に同一の10°ピッチで凹凸面5を周設している。そして、この取付金具1、4の凹凸面3、5は、図3(b)に示すように嵌合させている。
【0005】
このように構成することによって、取付金具1を軸回り方向へ回転させて車載用スピーカの取付角度の調整を行なうときは、軸受け部2における締め付けを緩めて、図3(b)に示すように、凹凸面3の凸部3a、3b、3cおよび凹部3d、3eを任意の位置で嵌合させて角度調整を行ない、角度調整後の回転を防止するために再度締め付けを行なっていた。このような回転構造を持った電子機器取付金具を天井取付用時計や天井取付用スピーカの据え付けに使用することは、従来より種々提案されている。(例えば、特許文献1参照)
【0006】
さらに、上記のように構成した回転構造を持った電子機器取付金具としては、図4に示すように構成したものがあった。図4は、車室内の天井等側へ取り付けて固定する取付金具6と、車載用スピーカ側へ取り付ける回転可能な取付金具7との構成要部を示す平面図である。
【0007】
図4に示す取付金具6は、軸受け部8を中心とする周囲に、例えば、36°のピッチを持って周設された10個の固定用穴6aを設けている。もう一方の回転可能な取付金具7には、取付金具6の固定用穴6aと同一円周上に同じ36°ピッチで周設された10個の固定用穴7aを設けている。
【0008】
このように構成することによって、車載用スピーカの取付角度の調整は、車載用スピーカ側の取付金具7を例えば、矢印Aの方向に回転させて上下に位置する両固定用穴6a、7aを一致させ、車載用スピーカの取付角度の調整を行なっていた。また、調整位置を固定する場合は、一致させた両固定用穴6a、7aへボルトを通し、ナットで締め付けて固定していた。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−230063号公報(第2頁―3頁、第3図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
図3に示す従来の回転構造を持った電子機器取付金具にあっては、取付金具自体の大きさ(直径)にもよるが、板金のプレス加工で細かいピッチの放射状に形成した凹凸面3、5を設けることは極めて難しかった。例えば、径がφ30で、厚さが2mmの場合、10°程度のピッチで凹凸面を設けることが限界であった。また、樹脂材やアルミ材などの成形品で細かな角度付ける方法もあるが、▲1▼金型代が高くなる、▲2▼樹脂材を用いた場合、強度が問題となる、▲3▼アルミ材を用いると単価が高くなる等の問題があった。
【0011】
また、図4に示す従来の回転構造を持った電子機器取付金具にあっては、固定用穴6a、7aの穴ピッチでしか取付角度の調整を行なうことができず、固定用穴6a、7aの大きさにもよるが、より精細な取付角度の調整を行なうことはできなかった。図4の電子機器取付金具を例に挙げると、固定用穴6a、7aをそれぞれ10個設けると、そのピッチは、36°ピッチとなり、このピッチでしか回転方向に対する取付角度の調整を行なうことができないという問題があった。
【0012】
本発明は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、車室内等に据え付けられて使用される電子機器の回転方向に対する取付角度の調整をより精細に適切な向きに簡単にセットすることができる電子機器取付金具の回転構造を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の電子機器取付金具の回転構造においては、軸受け部を中心とする周囲の外周と内周に放射状に同じピッチ角度で周設された2つの凹凸面を設けるとともに、この2つの凹凸面をピッチの半分の角度分ずらして配置した回転可能な電子機器取付部材と、
この電子機器取付部材の凹凸面と同じピッチで軸受け部を中心とする周囲の外周と内周に放射状に周設された2つの凹凸面を設けるとともに、この2つの凹凸面をピッチの半分の角度分ずらして配置した固定用部材とを備え、
電子機器取付部材の2つの凹凸面と固定用部材の2つの凹凸面とを嵌合し、電子機器取付部材の回転方向に対して角度調整をするように構成したものである。
【0014】
また、軸受け部を中心とする周囲に所定のピッチで周設された複数個の固定用穴を設けた回転可能な電子機器取付部材と、
電子機器取付部材の固定用穴と同一円周上に所定のピッチで周設された複数個の固定用穴を設けた固定用部材とを備え、
電子機器取付部材と固定用部材とにそれぞれ設けた固定用穴のどちらか一方の固定用穴の数を1つ減らして配置し、1箇所の固定用穴を一致させて角度調整を行ない、この一致させた固定用穴を用いて固定するように構成したものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を実施例にもとづき図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る電子機器取付金具の回転構造の第1の実施例を示すもので、図1(a)は、電子機器取付金具の回転構造の要部構成を示す平面図、図1(b)は、電子機器取付金具の回転構造の嵌合状態を示す説明図である。
【0016】
図1に示す第1の実施例は、車載用のスピーカ(図示しない)側へ取り付けるための回転可能に構成した取付金具9と、車両の例えば、天井側へ固定するための取付金具13とによって構成されている。
【0017】
図1(a)は、車載用スピーカ側へ取り付けるための回転可能に構成した取付金具9を示している。この取付金具9は、軸受け部10を中心とする周囲の外周と内周に放射状に同じピッチで周設された2つの凹凸面11、12を設けている。この外周と内周に放射状に設けた2つの凹凸面11、12は、それぞれ10°ピッチで形成しているが、内周の凹凸面12を外周の凹凸面11よりも5°ピッチずらして配置し、10°ピッチで形成している。
【0018】
したがって、図1(b)で示すように、外周に10°ピッチで設けた凹凸面11に対して、内周において5°ピッチがずれた状態で、凹凸面12が10°ピッチごとに配置されることになる。この2つの凹凸面11、12の配置の組み合わせにより、半分の5°ピッチの凹凸面を形成したと同様の構成が得られる。
【0019】
一方、車両の天井側に取り付ける取付金具13の底面には、上記取付金具9と全く同じように、軸受け部10を中心とする周囲の外周と内周に放射状の凹凸面14、15を10°ピッチで形成するとともに、内周の凹凸面15を外周の凹凸面14よりも5°ピッチずらした状態で配置し、10°ピッチで形成している。
【0020】
したがって、図1(b)で示すように、外周に10°ピッチで設けた凹凸面14に対して、5°ピッチずれた位置に設けた凹凸面15が配置されることになる。この2つの凹凸面14、15の組み合わせにより、半分の5°ピッチの凹凸面を形成したと同様の構成が得られる。
【0021】
上記のように構成した取付金具9の2つの凹凸面11、12と、取付金具13の2つの凹凸面14、15とを、図1(b)で示すように嵌合させることによって、10°ピッチの半分の5°ピッチ、すなわち、1ピッチの間に、2回嵌合を行なわせることができる。したがって、取付金具9の回転方向に対して、取付角度の調整を精細に行なうことができる。また、外周と内周に設けた凹凸面のピッチを細かく形成する必要がないため、強度を維持することができるとともに、製造コストの低減を図ることができる。
【0022】
次に、図2にもとづき、本発明に係る電子機器取付金具の回転構造の第2の実施例について説明する。
この図2に示す電子機器取付金具の回転構造は、車載用スピーカ側へ取り付ける回転可能な取付金具16と、車両の車室内の天井側へ取り付けるための取付金具17とで構成している。
【0023】
車載用スピーカ側へ取り付ける取付金具16は、軸受け部18を中心とする周囲に36°ピッチで周設された10個の固定用穴16aを設けている。一方、車室内の天井側へ取り付ける取付金具17は、取付金具16の固定用穴16aと同一円周上に40°ピッチで周設された9個の固定用穴17aを設けている。
なお、この第2の実施例では、取付金具17の固定用穴17aを1つ少なく形成したが、固定用穴16a、17aの穴の数は、どちらか一方の固定用穴の数を1つ減らして配置すればよい。
【0024】
車載用スピーカの取付角度を調整する場合、例えば、図2(a)の(イ)の位置から左隣りの図2(b)で示す(ロ)の位置へ調整する場合は、取付金具16を図2(b)の矢印Bの方向へ回転させて、固定用穴16a、17aの1箇所を図2(b)に示す(ロ)のように一致させる。このように、隣の固定用穴へ合わせるためには取付金具16を(40°ピッチ)−(36°ピッチ)=4°ずらせば、一致させることができ、精細な回転角度調整を簡単に行なうことができる。取付金具16、17を固定する場合は、一致させた1箇所の固定用穴16a、17aへボルトを通し、ナットで締め付けて固定を行なう。
【0025】
このように、車載用スピーカ側の取付金具16又は車両側の取付金具17のどちらか一方の固定用穴16a又は17aを1つ減らして配置することにより、従来の同数の固定用穴を設けた場合に比べて大幅に精細な回転方向への角度調整を行なうことが可能となる。
【0026】
なお、上記の第1の実施例および第2の実施例では、本発明に係る電子機器取付金具の回転構造を車室内の天井へ車載用スピーカを据え付ける場合について示したが、本発明の電子機器取付金具の回転構造は、これに限られるものではない。また、据え付ける電子機器も車載用スピーカに限られるものではない。
【0027】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、車室内等に据え付けられて使用される電子機器の回転方向に対する取付角度の調整をより精細に適切な向きに簡単にセットすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す要部構成の平面図および説明図である。
【図2】本発明の第2の実施例を示す要部構成の平面図である。
【図3】従来例を示す平面図である。
【図4】従来例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 取付金具
2 軸受け部
3 凹凸面
3a、3b、3c 凸部
3d、3e 凹部
4 取付金具
5 凹凸面
5a、5b 凸部
5c、5d、5e 凹部
6、7 取付金具
6a、7a 固定用穴
8 軸受け部
9、13 取付金具
10 軸受け部
11、12 凹凸面
14、15 凹凸面
16、17 取付金具
16a、17a 固定用穴
18 軸受け部
Claims (2)
- 軸受け部を中心とする周囲の外周と内周に放射状に同じピッチ角度で周設された2つの凹凸面を設けるとともに、この2つの凹凸面をピッチの半分の角度分ずらして配置した回転可能な電子機器取付部材と、
電子機器取付部材の凹凸面と同じピッチで軸受け部を中心とする周囲の外周と内周に放射状に周設された2つの凹凸面を設けるとともに、この2つの凹凸面をピッチの半分の角度分ずらして配置した固定用部材とを備え、
電子機器取付部材の2つの凹凸面と固定用部材の2つの凹凸面とを嵌合し、電子機器取付部材の回転方向に対して角度調整をするように構成したことを特徴とする電子機器取付金具の回転構造。 - 軸受け部を中心とする周囲に所定のピッチで周設された複数個の固定用穴を設けた回転可能な電子機器取付部材と、
電子機器取付部材の固定用穴と同一円周上に所定のピッチで周設された複数個の固定用穴を設けた固定用部材とを備え、
電子機器取付部材と固定用部材とにそれぞれ設けた固定用穴のどちらか一方の固定用穴の数を1つ減らして配置し、1箇所の固定用穴を一致させて角度調整を行ない、この一致させた固定用穴を用いて固定するように構成したことを特徴とする電子機器取付金具の回転構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003064578A JP2004268814A (ja) | 2003-03-11 | 2003-03-11 | 電子機器取付金具の回転構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003064578A JP2004268814A (ja) | 2003-03-11 | 2003-03-11 | 電子機器取付金具の回転構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004268814A true JP2004268814A (ja) | 2004-09-30 |
Family
ID=33125834
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003064578A Pending JP2004268814A (ja) | 2003-03-11 | 2003-03-11 | 電子機器取付金具の回転構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004268814A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009236707A (ja) * | 2008-03-27 | 2009-10-15 | Kddi R & D Laboratories Inc | 信号源位置推定方法 |
-
2003
- 2003-03-11 JP JP2003064578A patent/JP2004268814A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009236707A (ja) * | 2008-03-27 | 2009-10-15 | Kddi R & D Laboratories Inc | 信号源位置推定方法 |
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