【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、文字あるいは画像表示用のカラーテレビジョン受像機やディスプレイ等に使用するプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと記載する)、およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータやテレビなどの画像表示に用いられているカラー表示デバイスにおいて、PDPを用いたプラズマディスプレイ装置は、大型で薄型軽量を実現することのできるカラー表示デバイスとして注目されている。
【0003】
プラズマディスプレイ装置は、いわゆる3原色(赤、緑、青)を加法混色することにより、フルカラー表示を行っている。このフルカラー表示を行うために、PDPには3原色である赤(R)、緑(G)、青(B)の各色を発光する蛍光体層が備えられ、この蛍光体層を構成する蛍光体材料は、PDPの放電セル内で発生する紫外線により励起され、各色の可視光を生成している。
【0004】
図3は従来の、交流型(AC型)のPDPの概略構成を示す断面斜視図である。
【0005】
PDP1の前面板2は、表示面側の、例えばガラスのような、透明、且つ絶縁性の基板3上に走査電極4と維持電極5とからなる表示電極6と、低融点ガラスからなる誘電体層7と、MgOからなる保護層8とを備える。ここで、走査電極4および維持電極5は、電気抵抗の低減と透光性確保のために、ITOまたは酸化スズ(SnO2)などの透明導電性材料からなる透明電極4a、5aに、金属材料からなるバス電極4b、5bを順次積層した構成としている。
【0006】
一方、背面板9は、背面側の、例えばガラスのような、透明、且つ絶縁性の基板10上に、アドレス電極11と、低融点ガラスからなる誘電体層12と、隣接するアドレス電極11間の誘電体層12上に相当する位置に、ガラスを主成分とする隔壁13と、隔壁13間に、カラー表示のための3色(赤:R、緑:G、青:B)の蛍光体層14R、14G、14Bとを備える。
【0007】
そして、前面板2と背面板9とは、表示電極6およびアドレス電極11とが直交するように放電空間15を挟んで対向配置して貼り合わされている。すなわち、前面板2と背面板9とは、画像表示領域の外側に低融点ガラス材料からなるシール材を形成し、450℃〜500℃に加熱してシール材としての低融点ガラス材料を溶かすことで接着し気密封止している。
【0008】
その後、PDP1内部を300℃〜400℃に加熱しながら真空排気する、いわゆる排気ベーキングを行い、その後、放電空間15に、放電ガスとして、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノンのうち、少なくとも1種類の希ガスを所定の圧力で封入する。
【0009】
以上により、隔壁13によって仕切られ、表示電極6とアドレス電極11との交差部の放電空間15が放電セル16として動作する(例えば、非特許文献1参照)。
【0010】
【非特許文献1】
内池平樹、御子柴茂生共著、「プラズマディスプレイのすべて」、(株)工業調査会、1997年5月1日、p79−p80
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
PDP駆動時には、放電によって発生した荷電粒子は放電セル16内のあらゆる部位に衝突する。図3に示すように、放電セル16内の放電空間15に面しているのは保護層8と蛍光体層14R、14G、14Bであり、その表面積は、放電セル16のサイズ、形状によっても異なるが、保護層8に対し蛍光体層14R、14G、14Bの表面積は概ね1.5〜4倍になる。すなわち、放電により発生する荷電粒子の60〜80%は、蛍光体層14R、14G、14Bに衝突することになる。
【0012】
ここで、PDP1では、蛍光体層14R、14G、14Bは、蛍光体材料を含有した蛍光体インクを用いて、スクリーン印刷法あるいはインクジェット法などにより塗布した後、蛍光体インクの分散剤として用いられている樹脂成分を除去するための焼成を行うことで形成される。しかしながら、現状使用されている蛍光体材料の粒径は、概ね1〜3μmで比表面積が大きく、したがって、蛍光体層14R、14G、14B中には、水や炭化水素系物質などが除去できずに残った状態となる場合がある。
【0013】
そのような状態で、放電により発生した荷電粒子が、蛍光体層14R、14G、14Bに衝突すると、蛍光体層14R、14G、14B中に残っている水や炭化水素系物質などが叩き出されることとなり、その結果、不純ガスとして脱離することとなる。そして、脱離した不純ガスは、一旦、放電空間15中に浮遊し、その後、蛍光体層14R、14G、14B表面に再付着したり、前面板2の保護層8に吸着されたりする。
【0014】
ここで、保護層8に水や炭化水素系の不純ガスが吸着すると、放電特性が変化する。具体的には、放電遅れ時間が変化し、点灯させるセルを選択するアドレス放電で所定の時間内に放電できなくなるといった不具合が生じる。
【0015】
これを改善するためには、不純ガスが叩き出されることを防ぐために、膜状の物質で蛍光体層14R、14G、14Bの表面をコーティングする、すなわちオーバーコート層を形成することが有効であると考えられる。しがしながら、元来、発光効率が低い青色蛍光体層14Bにとっては、そのようなオーバーコート層を表層に形成することは、輝度確保という観点からは不利となる。
【0016】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、発光効率の低い青色蛍光体層の輝度を確保しつつ、蛍光体層から放出される不純ガスを抑制することで、高輝度で放電特性が安定なPDPを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のプラズマディスプレイパネルは、紫外線により励起して発光する蛍光体層を有するプラズマディスプレイパネルにおいて、蛍光体層は緑色蛍光体層を有し、その緑色蛍光体層の表層のみをオーバーコート層で覆ったことを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
すなわち、本発明の請求項1に記載の発明は、紫外線により励起して発光する蛍光体層を有するプラズマディスプレイパネルにおいて、蛍光体層は緑色蛍光体層を有し、その緑色蛍光体層の表層のみをオーバーコート層で覆ったことを特徴とするプラズマディスプレイパネルである。
【0019】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、オーバーコート層は、無機材料からなることを特徴とするものである。
【0020】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、オーバーコート層は、紫外線透過率が90%以上であることを特徴とするものである。
【0021】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の発明において、オーバーコート層は、可視光透過率が95%以上であることを特徴とするものである。
【0022】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の発明において、オーバーコート層は、膜厚が2μm以下であることを特徴とするものである。
【0023】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれかに記載の発明において、オーバーコート層は、酸化物あるいは弗化物からなることを特徴とするものである。
【0024】
以下、本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイパネルについて、図1〜図2を参照して説明する。なお、図1、図2においては、図3に示したものと同じ構成部品には同じ番号を付している。
【0025】
図1は、本発明の一実施の形態によるPDPの概略構成を示す断面斜視図である。PDP1の前面板2は、表示面側の、例えばガラスのような、透明、且つ絶縁性の基板3上に走査電極4と維持電極5とからなる表示電極6と、酸化鉛(PbO)または酸化ビスマス(Bi2O3)または酸化燐(PO4)を主成分とする低融点ガラス(厚み40μm)からなる誘電体層7と、プラズマによる損傷から誘電体層7を保護する、MgOからなる保護層8(厚み:500nm)とを備える。ここで、走査電極4および維持電極5は、電気抵抗の低減と透光性確保のために、ITOまたは酸化スズ(SnO2)などの透明導電性材料からなる透明電極4a、5aに、バス電極4b、5bとして、銀(Ag)厚膜(厚み:2μm〜10μm)、アルミニウム(Al)薄膜(厚み:0.1μm〜1μm)、またはCr/Cu/Cr積層薄膜(厚み:0.1μm〜1μm)を順次積層した構成となっている。また、誘電体層7は、スクリーン印刷、またはダイコート印刷、またはフィルムラミネート法により形成される。また、保護層8は、電子ビーム蒸着法、またはイオンプレーティング法、またはスパッタ法により形成される。
【0026】
一方、背面板9は、背面側の、例えばガラスのような、透明、且つ絶縁性の基板10上に、銀(Ag)厚膜(厚み:2μm〜10μm)、アルミニウム(Al)薄膜(厚み:0.1μm〜1μm)またはCr/Cu/Cr積層薄膜(厚み:0.1μm〜1μm)からなるアドレス電極11と、酸化鉛(PbO)、または酸化ビスマス(Bi2O3)、または酸化燐(PO4)を主成分とする低融点ガラス(厚み:5μm〜20μm)からなる誘電体層12と、隣接するアドレス電極11間の誘電体層12上に相当する位置に、ガラスを主成分とする隔壁13と、隔壁13間の、誘電体層12の表面上と隔壁13の側面上に、カラー表示のための3色(赤:R、緑:G、青:B)の蛍光体層14R、14G、14Bと、そして蛍光体層14R、14G、14Bの内、緑色蛍光体層14Gの表層のみを覆う、無機材料からなるオーバーコート層17とを備えている。ここで、緑色蛍光体層14Gの表層のみを覆うとは、少なくとも、他色の蛍光体層、すなわち、赤、青の蛍光体層14R、14Bを覆わないということを意味するものであり、緑色蛍光体層14Gが形成されている放電セル16内の例えば隔壁13を覆ったものであっても構わない。また、誘電体層12は、蛍光体層14R、14G、14Bの背面板9での密着性を向上させるためのものであり、PDP1の動作に不可欠というものではない。
【0027】
蛍光体層14R、14G、14Bを構成する蛍光体材料は、例えば、赤色蛍光体材料として、(YxGd1−x)BO3:Eu3+、また、緑色蛍光体材料として、Zn2SiO4:Mn、そして青色蛍光体材料として、BaMgAl10O17:Eu2+である。これらの蛍光体材料は、5%〜10%のエチルセルロース、あるいはニトロセルロースを含んだα−ターピネオールなどの有機溶媒中に混合分散して得られたペーストをスクリーン印刷またはラインジェットによって隔壁13間に塗布し、500℃〜550℃で焼成することで形成する。
【0028】
そして、前面板2と背面板9とは、表示電極6およびアドレス電極11とが直交するように放電空間15を挟んで対向配置して貼り合わされている。すなわち、前面板2と背面板9とは、画像表示領域の外側に低融点ガラス材料からなるシール材を形成し、450℃〜500℃に加熱してシール材としての低融点ガラス材料を溶かすことで接着し気密封止している。
【0029】
その後、PDP1内部を300℃〜400℃に加熱しながら真空排気する、いわゆる排気ベーキングを行い、その後、放電空間15に、放電ガスとして、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノンのうち、少なくとも1種類の希ガスを所定の圧力で封入する。
【0030】
以上により、隔壁13によって仕切られ、表示電極6とアドレス電極11との交差部の放電空間15が放電セル16として動作する。
【0031】
そしてPDP1の駆動時には、図2の駆動装置のブロック図に示すように、パネル駆動回路を、PDP1の走査電極4、維持電極5、およびアドレス電極11に対して、それぞれ、スキャンドライバ、サステインドライバ、データドライバを介して接続し、点灯させようとする放電セル16の走査電極4とアドレス電極11間に電圧を印加してアドレス放電を行った後に、走査電極4と維持電極5間にパルス電圧を印加して維持放電を行う。そして、当該放電セル16での放電に伴って紫外線を発生させ、これを蛍光体層14R、14G、14Bにより可視光に変換する。このようにして放電セル16を点灯させることによって、画像を表示する。
【0032】
ここで、上述した本実施の形態によるPDP1での特徴的な点は、蛍光体層14R、14G、14Bの内、緑色蛍光体層14Gの表層のみを覆う、例えば無機材料からなるオーバーコート層17を備えていることであり、オーバーコート層17は、緑色蛍光体層14Gが放電空間15に面する表層に均一に形成されている。
【0033】
これは、以下の理由によるものである。すなわち、本発明者らが行った検討により、赤、緑、青の3色の蛍光体層14R、14G、14Bの中でも、特に緑色の蛍光体層14Gからの不純ガスが、脱離してくる不純ガスの大部分を占めていることを見出した。そこで、不純ガスの主たる発生源である緑色蛍光体層14Gの表層のみにオーバーコート層17を形成してやることにより、不純ガスの脱離を大幅に抑えることができ、且つ、青色蛍光体層14Bにはオーバーコート層17を形成しないことから、発光効率がもともと低い青色蛍光体層14Bの青色発光を有効に取り出すことができることを確認したためである。
【0034】
ここで、オーバーコート層17は、放電によって発生する荷電粒子の衝突を受けた時、荷電粒子が直接蛍光体に衝突しないようにバリアすることにより、緑色蛍光体層14G中に吸蔵している不純ガスの脱離を防ぐためのものである。したがって、オーバーコート層17は、蛍光体層14Gの表層に均一な膜厚で形成し、隙間ができないようにすることが望ましいが、厚すぎるとオーバーコート層17自体の紫外線透過率、および可視光透過率が低下してしまい、放電によって発生する紫外線の一部がオーバーコート層17で吸収され、蛍光体層14Gに到達する紫外線量が減少してしまうとともに、蛍光体層14Gの発光自体も、オーバーコート層17に一部吸収されてしまい、トータルとして、取り出すことのできる光量が大きく減少してしまうことになる。すなわち、オーバーコート層17は、薄すぎて島状にならないような、且つ、紫外線透過率、可視光透過率が劣化しないような、適当な膜厚とすることが必要である。
【0035】
また、PDPでは、147nmという、非常に短い波長の紫外線が発生しており、この波長における紫外線透過率を高めるためには、オーバーコート層17の材料としては、酸化物あるいは弗化物であることが望ましい。
【0036】
また、オーバーコート層17を形成する際の下地となる蛍光体層14Gは、基板10の面からの高低差として、100μm程度あり、このような平坦性に欠ける下地面に、均一に成膜するためには、印刷法やインクジェット法などのような、インクを用いて形成する方法だと、重力の影響で放電セル16の側面と底部とに対して均一に形成することは難しい。これを均一に形成するには、重力の影響を受けない真空成膜方法が適している。本発明者らが行った検討により、真空成膜方法によれば、放電セル16がいかなる形状であっても、オーバーコート層17は、放電セル16の側面と底部とに対して、均一に形成することができることを確認した。
【0037】
なお、以上説明した本発明の実施の形態はあくまでも一例であり、本発明の実施の形態は上述の構成に限定されるものではない。
【0038】
以下に、本発明の効果を確認するために、実際にPDPを作製して評価した結果を示す。
【0039】
(実施例)
画面サイズ42インチのテレビ用のPDPとして、隔壁13の高さを0.1mm、隔壁13の間隔を0.36mmに設定し、上述した実施の形態に基づいて、いくつかの構成のオーバーコート層17を形成したPDP1を作製し、上記効果について検証した。作製したパネルの一覧を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
パネル番号1から4のPDPは、本発明によるPDPであり、パネル番号5、6のPDPは、比較のためのPDPである。
【0042】
パネル番号1から4のPDPは、緑色蛍光体層14G上のオーバーコート層17として、SiO2を用い、その膜厚を変化させたものである。また、パネル番号5のPDPは、オーバーコート層を3色の蛍光体層14R、14G、14Bのすべての表層に形成した構成であり、パネル番号6のPDPは、オーバーコート層17を有しない従来のPDPの構成のものである。
【0043】
以上のパネル番号1〜6のPDPに対する評価項目としては、オーバーコート層17の紫外線透過率と可視光透過率、各色のパネル輝度、およびガスレベルの4項目である。
【0044】
透過率の測定は、背面板9にオーバーコート層17を形成する際に、表面が平坦な石英基板にも同時に成膜し、それに対して実施した。
【0045】
また、ガスレベルの評価は、PDP完成直後の、初期状態における放電遅れ時間(Ts1)と、連続駆動を所定時間行った後の、放電遅れ時間(Ts2)とをそれぞれ測定し、放電遅れ時間の変化率(Ts2−Ts1)/Ts1により評価した。これは、放電遅れ時間の変化は、保護層8に対する不純ガスの吸着量に関係し、これは、放電による不純ガスの脱離の量、すなわち、ガスレベルと関係していると考えられるからである。
【0046】
パネル番号3、5、6のPDPの比較により、パネル番号3と5のPDPのガスレベルにはほとんど差が見られず、パネル6のPDPと比較してガスレベルが優れていることから、緑色の蛍光体層14G表層にオーバーコート層17を形成するのみで、不純ガスの脱離が抑えられ、同時に青色発光を有効に取り出すことができることが判る。
【0047】
また、パネル番号1〜4の結果より、オーバーコート層17の膜厚により紫外線透過率が変化し、パネル輝度に影響していることが判る。すなわち、高輝度を得るためには、オーバーコート層17はできるだけ薄くすることが望ましい。一方、ガスレベルの観点から見れば、オーバーコート層17は厚い方が良いことが判る。すなわち、オーバーコート層17が100nm程度に薄いと、ガスレベルは非常に悪く、オーバーコート層17の効果はほとんど得られていないと考えられるからである。
【0048】
パネル番号1〜4のPDPにおけるオーバーコート層17の状態を調べるために、PDPを割断し、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて蛍光体層14Gの観察を行った。蛍光体層14Gを断面から観察すると、蛍光体層14Gの表面の粒子にはオーバーコート層17が比較的均一に形成されていた。しかしながら、オーバーコート層17表面から観察すると、オーバーコート層17の膜厚が厚い場合には、蛍光体層14Gを覆うようにオーバーコート層17が形成されているが、膜厚が薄い場合には、ところどころに穴が存在した状態となっているように見えた。蛍光体層14Gは、多数の蛍光体材料の粒子が充填されているため、その最表面の表面粗さは比較的粗くなっている。したがって、真空成膜法で形成した場合、その形成膜厚が薄い場合には、蛍光体材料の粒子表面にはオーバーコート層17を形成できても、粒子間の隙間を埋めることはできず、その結果、放電に曝された時には、蛍光体層14G内部に含まれていた不純ガスが脱離して放電空間15に放出されるものと考えられる。
【0049】
また、ガスレベルが良好なパネル番号3および4のPDPから、オーバーコート層が1000nm以上の膜厚で大きな効果が得られることが分かる。
【0050】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、緑色蛍光体層の表層にオーバーコート層を形成し、緑色蛍光体層からの不純ガスの放出を抑制することで、発光効率の低い青色蛍光体層の輝度を確保しつつ、蛍光体層から放出される不純ガスを抑制することができ、高輝度で放電特性が安定なPDPを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイパネルの概略構成を示す断面斜視図
【図2】本発明のプラズマディスプレイパネルの駆動装置を示すブロック図
【図3】従来のプラズマディスプレイパネルの概略構成を示す断面斜視図
【符号の説明】
1 プラズマディスプレイパネル
2 前面板
3 基板
4 走査電極
5 維持電極
6 表示電極
7 誘電体層
8 保護層
9 背面板
10 基板
11 アドレス電極
12 誘電体層
13 隔壁
14R 蛍光体層(赤)
14G 蛍光体層(緑)
14B 蛍光体層(青)
15 放電空間
16 放電セル
17 オーバーコート層[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a plasma display panel (hereinafter, referred to as a PDP) used for a color television receiver or a display for displaying characters or images, and a method of manufacturing the same.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art In recent years, among color display devices used for image display such as computers and televisions, a plasma display device using a PDP has attracted attention as a large, thin, and lightweight color display device.
[0003]
The plasma display apparatus performs full-color display by additively mixing so-called three primary colors (red, green, and blue). In order to perform this full color display, the PDP is provided with a phosphor layer that emits each of the three primary colors red (R), green (G), and blue (B), and the phosphor constituting the phosphor layer The material is excited by ultraviolet rays generated in the discharge cells of the PDP to generate visible light of each color.
[0004]
FIG. 3 is a cross-sectional perspective view showing a schematic configuration of a conventional alternating current (AC) PDP.
[0005]
The front plate 2 of the PDP 1 has a display electrode 6 composed of a scanning electrode 4 and a sustain electrode 5 on a transparent and insulating substrate 3 such as glass, for example, on the display surface side, and a dielectric composed of a low-melting glass. A layer 7 and a protective layer 8 made of MgO are provided. Here, the scan electrode 4 and the sustain electrode 5 are formed of a metal material on the transparent electrodes 4a and 5a made of a transparent conductive material such as ITO or tin oxide (SnO 2 ) in order to reduce electric resistance and secure light transmission. Bus electrodes 4b and 5b are sequentially laminated.
[0006]
On the other hand, the back plate 9 is formed on a transparent and insulating substrate 10 such as glass, for example, on the back side, between an address electrode 11, a dielectric layer 12 made of low-melting glass, and an adjacent address electrode 11. In a position corresponding to the dielectric layer 12, a phosphor 13 of three colors (red: R, green: G, blue: B) for color display is provided between the partitions 13 mainly composed of glass. Layers 14R, 14G, and 14B.
[0007]
The front plate 2 and the back plate 9 are attached to each other so as to be opposed to each other with the discharge space 15 interposed therebetween so that the display electrodes 6 and the address electrodes 11 are orthogonal to each other. That is, the front plate 2 and the back plate 9 form a sealing material made of a low-melting glass material outside the image display area, and are heated to 450 ° C. to 500 ° C. to melt the low-melting glass material as the sealing material. And hermetically sealed.
[0008]
After that, so-called exhaust baking is performed, in which the inside of the PDP 1 is evacuated while being heated to 300 ° C. to 400 ° C., and then at least one of helium, neon, argon, and xenon is used as a discharge gas in the discharge space 15. The gas is sealed at a predetermined pressure.
[0009]
As described above, the discharge space 15 separated by the partition 13 and at the intersection of the display electrode 6 and the address electrode 11 operates as a discharge cell 16 (for example, see Non-Patent Document 1).
[0010]
[Non-patent document 1]
Hiraike Uchiike and Shigeo Mikoshiba, "All about Plasma Displays," Industrial Research Institute, May 1, 1997, p79-p80.
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
At the time of driving the PDP, charged particles generated by the discharge collide with any part in the discharge cell 16. As shown in FIG. 3, the protection layer 8 and the phosphor layers 14R, 14G, and 14B face the discharge space 15 in the discharge cell 16, and the surface area thereof also depends on the size and shape of the discharge cell 16. Although different, the surface area of the phosphor layers 14R, 14G, and 14B is about 1.5 to 4 times that of the protective layer 8. That is, 60 to 80% of the charged particles generated by the discharge collide with the phosphor layers 14R, 14G, and 14B.
[0012]
Here, in the PDP 1, the phosphor layers 14R, 14G, and 14B are used as a dispersant for the phosphor ink after being applied by a screen printing method or an inkjet method using a phosphor ink containing a phosphor material. It is formed by performing baking to remove the resin component that is present. However, the particle diameter of the currently used phosphor material is approximately 1 to 3 μm, and the specific surface area is large. Therefore, water and hydrocarbon-based substances cannot be removed from the phosphor layers 14R, 14G, and 14B. May remain.
[0013]
In such a state, when the charged particles generated by the discharge collide with the phosphor layers 14R, 14G, 14B, water, hydrocarbon-based substances, and the like remaining in the phosphor layers 14R, 14G, 14B are beaten out. As a result, it is desorbed as an impurity gas. Then, the desorbed impurity gas once floats in the discharge space 15, and then reattaches to the surfaces of the phosphor layers 14 </ b> R, 14 </ b> G, 14 </ b> B, or is adsorbed on the protective layer 8 of the front panel 2.
[0014]
Here, when water or a hydrocarbon-based impurity gas is adsorbed on the protective layer 8, the discharge characteristics change. More specifically, the discharge delay time changes, causing a problem that the address discharge for selecting a cell to be turned on cannot be performed within a predetermined time.
[0015]
In order to improve this, it is effective to coat the surfaces of the phosphor layers 14R, 14G, and 14B with a film-like substance, that is, to form an overcoat layer, in order to prevent the impurity gas from being beaten out. it is conceivable that. However, forming such an overcoat layer on the surface layer is originally disadvantageous for the blue phosphor layer 14B having low luminous efficiency from the viewpoint of securing the luminance.
[0016]
The present invention has been made in view of such a problem, and while suppressing the emission of impurity gases from the phosphor layer while securing the luminance of the blue phosphor layer having low luminous efficiency, the present invention provides high luminance. An object is to provide a PDP having stable discharge characteristics.
[0017]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a plasma display panel according to the present invention is a plasma display panel having a phosphor layer that emits light when excited by ultraviolet light, wherein the phosphor layer has a green phosphor layer, and the green phosphor layer Characterized in that only the surface layer was covered with an overcoat layer.
[0018]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
That is, the invention according to claim 1 of the present invention provides a plasma display panel having a phosphor layer that emits light by being excited by ultraviolet light, wherein the phosphor layer has a green phosphor layer, and the surface layer of the green phosphor layer A plasma display panel characterized in that only the overcoat layer is covered.
[0019]
According to a second aspect of the present invention, in the first aspect, the overcoat layer is made of an inorganic material.
[0020]
According to a third aspect of the present invention, in the first or second aspect of the present invention, the overcoat layer has an ultraviolet transmittance of 90% or more.
[0021]
The invention according to claim 4 is the invention according to any one of claims 1 to 3, wherein the overcoat layer has a visible light transmittance of 95% or more.
[0022]
According to a fifth aspect of the present invention, in the first aspect of the present invention, the overcoat layer has a thickness of 2 μm or less.
[0023]
The invention according to claim 6 is the invention according to any one of claims 1 to 5, wherein the overcoat layer is made of an oxide or a fluoride.
[0024]
Hereinafter, a plasma display panel according to an embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. 1 and 2, the same components as those shown in FIG. 3 are denoted by the same reference numerals.
[0025]
FIG. 1 is a sectional perspective view showing a schematic configuration of a PDP according to an embodiment of the present invention. The front panel 2 of the PDP 1 has a display electrode 6 including a scan electrode 4 and a sustain electrode 5 on a transparent and insulating substrate 3 such as glass, for example, on the display surface side, and a lead oxide (PbO) or an oxide. A dielectric layer 7 made of a low-melting glass (40 μm thick) containing bismuth (Bi 2 O 3 ) or phosphorus oxide (PO 4 ) as a main component, and a protection made of MgO that protects the dielectric layer 7 from being damaged by plasma. And a layer 8 (thickness: 500 nm). Here, the scan electrode 4 and the sustain electrode 5 are connected to the transparent electrodes 4a, 5a made of a transparent conductive material such as ITO or tin oxide (SnO 2 ) in order to reduce the electric resistance and secure the translucency. As 4b and 5b, a silver (Ag) thick film (thickness: 2 μm to 10 μm), an aluminum (Al) thin film (thickness: 0.1 μm to 1 μm), or a Cr / Cu / Cr laminated thin film (thickness: 0.1 μm to 1 μm) ) Are sequentially laminated. The dielectric layer 7 is formed by screen printing, die coat printing, or a film lamination method. The protective layer 8 is formed by an electron beam evaporation method, an ion plating method, or a sputtering method.
[0026]
On the other hand, the back plate 9 has a silver (Ag) thick film (thickness: 2 μm to 10 μm) and an aluminum (Al) thin film (thickness: 0.1 μm to 1 μm) or an address electrode 11 made of a Cr / Cu / Cr laminated thin film (thickness: 0.1 μm to 1 μm), and lead oxide (PbO), bismuth oxide (Bi 2 O 3 ), or phosphorus oxide ( PO 4 ) as a main component, a dielectric layer 12 made of a low melting point glass (thickness: 5 μm to 20 μm), and a glass as a main component at a position corresponding to the dielectric layer 12 between adjacent address electrodes 11. Partition walls 13 and phosphor layers 14R of three colors (red: R, green: G, blue: B) for color display are provided on the surface of the dielectric layer 12 and on the side surfaces of the partition walls 13, between the partition walls 13. 14G and 14B, and the phosphor layers 14R and 1R. 4G and 14B, an overcoat layer 17 made of an inorganic material and covering only the surface layer of the green phosphor layer 14G is provided. Here, covering only the surface layer of the green phosphor layer 14G means that at least the phosphor layers of other colors, that is, the red and blue phosphor layers 14R and 14B are not covered. It may be one that covers, for example, the partition 13 in the discharge cell 16 in which the phosphor layer 14G is formed. The dielectric layer 12 is for improving the adhesion of the phosphor layers 14R, 14G, and 14B to the back plate 9, and is not essential for the operation of the PDP 1.
[0027]
Phosphor layers 14R, 14G, fluorescent materials constituting the 14B, for example, as a red phosphor material, (Y x Gd 1-x ) BO 3: Eu 3+, also, as a green phosphor material, Zn 2 SiO 4 : Mn, and BaMgAl 10 O 17 : Eu 2+ as a blue phosphor material. A paste obtained by mixing and dispersing these phosphor materials in an organic solvent such as α-terpineol containing 5% to 10% ethyl cellulose or nitrocellulose is applied between the partition walls 13 by screen printing or line jet. Then, it is formed by firing at 500 ° C. to 550 ° C.
[0028]
The front plate 2 and the back plate 9 are attached to each other so as to be opposed to each other with the discharge space 15 interposed therebetween so that the display electrodes 6 and the address electrodes 11 are orthogonal to each other. That is, the front plate 2 and the back plate 9 form a sealing material made of a low-melting glass material outside the image display area, and are heated to 450 ° C. to 500 ° C. to melt the low-melting glass material as the sealing material. And hermetically sealed.
[0029]
After that, so-called exhaust baking is performed, in which the inside of the PDP 1 is evacuated while being heated to 300 ° C. to 400 ° C., and then at least one of helium, neon, argon, and xenon is used as a discharge gas in the discharge space 15. The gas is sealed at a predetermined pressure.
[0030]
As described above, the discharge space 15 at the intersection of the display electrode 6 and the address electrode 11 is partitioned by the partition wall 13 and operates as a discharge cell 16.
[0031]
When driving the PDP 1, as shown in the block diagram of the driving device in FIG. 2, the panel driving circuit applies a scan driver, a sustain driver, a sustain driver, and a scan electrode 4, a sustain electrode 5, and an address electrode 11 of the PDP 1 respectively. After a voltage is applied between the scan electrode 4 and the address electrode 11 of the discharge cell 16 to be lit by connecting via a data driver to perform an address discharge, a pulse voltage is applied between the scan electrode 4 and the sustain electrode 5. A sustain discharge is performed by applying the voltage. Then, ultraviolet rays are generated with the discharge in the discharge cells 16, and the ultraviolet rays are converted into visible light by the phosphor layers 14R, 14G, and 14B. By lighting the discharge cells 16 in this manner, an image is displayed.
[0032]
Here, the characteristic point of the PDP 1 according to the present embodiment is that the overcoat layer 17 made of, for example, an inorganic material, which covers only the surface layer of the green phosphor layer 14G among the phosphor layers 14R, 14G, and 14B. In the overcoat layer 17, the green phosphor layer 14 </ b> G is uniformly formed on the surface layer facing the discharge space 15.
[0033]
This is for the following reason. That is, according to the study conducted by the present inventors, among the phosphor layers 14R, 14G, and 14B of the three colors of red, green, and blue, the impurity gas particularly from the green phosphor layer 14G is removed. Found that it made up the majority of the gas. Therefore, by forming the overcoat layer 17 only on the surface layer of the green phosphor layer 14G, which is the main source of the impurity gas, the desorption of the impurity gas can be greatly suppressed, and the blue phosphor layer 14B This is because it was confirmed that the blue light emission of the blue phosphor layer 14B, which originally has low luminous efficiency, can be effectively extracted because the overcoat layer 17 is not formed.
[0034]
Here, when the overcoat layer 17 receives the collision of the charged particles generated by the discharge, the overcoat layer 17 barriers the charged particles from directly colliding with the phosphor, so that the impurity absorbed in the green phosphor layer 14G is impregnated. This is to prevent desorption of gas. Therefore, it is desirable that the overcoat layer 17 be formed with a uniform thickness on the surface layer of the phosphor layer 14G so that no gap is formed, but if it is too thick, the ultraviolet transmittance of the overcoat layer 17 itself and the visible light The transmittance is reduced, a part of the ultraviolet light generated by the discharge is absorbed by the overcoat layer 17, the amount of the ultraviolet light reaching the phosphor layer 14G is reduced, and the light emission itself of the phosphor layer 14G is also reduced. Part of the light is absorbed by the overcoat layer 17, and the amount of light that can be taken out as a whole is greatly reduced. That is, it is necessary that the overcoat layer 17 has an appropriate film thickness so as not to be too thin to form an island shape and to prevent deterioration in ultraviolet transmittance and visible light transmittance.
[0035]
Further, in the PDP, ultraviolet rays having a very short wavelength of 147 nm are generated. In order to increase the ultraviolet ray transmittance at this wavelength, the material of the overcoat layer 17 may be an oxide or a fluoride. desirable.
[0036]
The phosphor layer 14G serving as a base when the overcoat layer 17 is formed has a height difference of about 100 μm from the surface of the substrate 10, and is uniformly formed on the base surface lacking such flatness. Therefore, if a method using ink such as a printing method or an ink-jet method is used, it is difficult to form the discharge cells 16 uniformly on the side surface and the bottom portion under the influence of gravity. In order to form this uniformly, a vacuum film forming method which is not affected by gravity is suitable. According to the study conducted by the present inventors, according to the vacuum film forming method, the overcoat layer 17 is uniformly formed on the side and bottom of the discharge cell 16 regardless of the shape of the discharge cell 16. Confirmed that you can.
[0037]
The embodiment of the present invention described above is merely an example, and the embodiment of the present invention is not limited to the above-described configuration.
[0038]
Hereinafter, in order to confirm the effects of the present invention, results of actually producing and evaluating a PDP are shown.
[0039]
(Example)
As a PDP for a television having a screen size of 42 inches, the height of the partition walls 13 is set to 0.1 mm, the interval between the partition walls 13 is set to 0.36 mm, and based on the above-described embodiment, several configurations of the overcoat layer are provided. PDP1 formed with No. 17 was produced, and the above-mentioned effect was verified. Table 1 shows a list of the prepared panels.
[0040]
[Table 1]
[0041]
The PDPs of panel numbers 1 to 4 are PDPs according to the present invention, and the PDPs of panel numbers 5 and 6 are PDPs for comparison.
[0042]
The PDPs of panel numbers 1 to 4 are formed by using SiO 2 as the overcoat layer 17 on the green phosphor layer 14G and changing the thickness thereof. Further, the PDP of panel number 5 has a configuration in which the overcoat layer is formed on all the surface layers of the phosphor layers 14R, 14G, and 14B of three colors, and the PDP of panel number 6 has the conventional structure without the overcoat layer 17. Of the PDP.
[0043]
The evaluation items for the PDPs with the panel numbers 1 to 6 are four items of the ultraviolet transmittance and the visible light transmittance of the overcoat layer 17, the panel luminance of each color, and the gas level.
[0044]
The measurement of the transmittance was carried out on the quartz substrate having a flat surface when the overcoat layer 17 was formed on the back plate 9.
[0045]
The gas level was evaluated by measuring the discharge delay time (Ts1) in the initial state immediately after completion of the PDP and the discharge delay time (Ts2) after performing the continuous driving for a predetermined time. It was evaluated by the rate of change (Ts2-Ts1) / Ts1. This is because the change in the discharge delay time is considered to be related to the amount of impurity gas adsorbed on the protective layer 8, and this is considered to be related to the amount of impurity gas desorbed by the discharge, that is, the gas level. is there.
[0046]
By comparing the PDPs of Panel Nos. 3, 5, and 6, there was almost no difference in the gas level of the PDPs of Panel Nos. 3 and 5, and the gas level was superior to that of Panel 6; It can be seen that only by forming the overcoat layer 17 on the surface layer of the phosphor layer 14G, the desorption of the impurity gas can be suppressed and, at the same time, blue light emission can be effectively taken out.
[0047]
Further, from the results of panel numbers 1 to 4, it can be seen that the ultraviolet transmittance changes depending on the film thickness of the overcoat layer 17 and affects the panel luminance. That is, in order to obtain high luminance, it is desirable to make the overcoat layer 17 as thin as possible. On the other hand, from the viewpoint of the gas level, it is understood that the thicker the overcoat layer 17 is, the better. That is, when the overcoat layer 17 is thin, about 100 nm, the gas level is very poor, and it is considered that the effect of the overcoat layer 17 is hardly obtained.
[0048]
In order to examine the state of the overcoat layer 17 in the PDPs of Panel Nos. 1 to 4, the PDP was cut, and the phosphor layer 14G was observed using an SEM (scanning electron microscope). When the phosphor layer 14G was observed from the cross section, the overcoat layer 17 was formed relatively uniformly on the particles on the surface of the phosphor layer 14G. However, when observed from the surface of the overcoat layer 17, when the thickness of the overcoat layer 17 is large, the overcoat layer 17 is formed so as to cover the phosphor layer 14G. It seemed that there were holes in some places. Since the phosphor layer 14G is filled with a large number of phosphor material particles, the outermost surface has a relatively large surface roughness. Therefore, when formed by the vacuum film forming method, when the formed film thickness is small, even if the overcoat layer 17 can be formed on the particle surface of the phosphor material, the gap between the particles cannot be filled, As a result, it is considered that when exposed to discharge, the impurity gas contained in the phosphor layer 14G is desorbed and released to the discharge space 15.
[0049]
In addition, the PDPs of Panel Nos. 3 and 4 having good gas levels show that a large effect can be obtained when the overcoat layer has a thickness of 1000 nm or more.
[0050]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the overcoat layer is formed on the surface of the green phosphor layer, and the emission of the impurity gas from the green phosphor layer is suppressed. While suppressing impurity gases emitted from the phosphor layer, and a PDP with high luminance and stable discharge characteristics can be realized.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional perspective view showing a schematic configuration of a plasma display panel according to an embodiment of the present invention; FIG. 2 is a block diagram showing a driving device of the plasma display panel of the present invention; FIG. Sectional perspective view showing a schematic configuration [Description of reference numerals]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Plasma display panel 2 Front plate 3 Substrate 4 Scan electrode 5 Sustain electrode 6 Display electrode 7 Dielectric layer 8 Protective layer 9 Back plate 10 Substrate 11 Address electrode 12 Dielectric layer 13 Partition wall 14R Phosphor layer (red)
14G phosphor layer (green)
14B phosphor layer (blue)
15 Discharge space 16 Discharge cell 17 Overcoat layer